JP6334374B2 - ゴムクローラ用ゴム組成物及びゴムクローラ - Google Patents

ゴムクローラ用ゴム組成物及びゴムクローラ Download PDF

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Description

本発明は、ゴムクローラ用ゴム組成物及びゴムクローラに関する。
ゴムクローラは、通常、無端帯状のゴム弾性体の内部に、前記ゴム弾性体の張力を保持し補強するスチールコードが埋設され、外周表面にはラグと呼ばれる多数の凸部が形成された構造をとる。これらゴムクローラは、主として、土木建設機械、農業機械、産業機械などの走行部として用いられている。
ゴムクローラ外周表面側のゴム弾性体の弾性率が低い場合には、旋回時に路面との摩擦によって、ゴムクローラ外周表面側のゴム弾性体のゴムクローラ幅方向の端部が接地側に巻き込まれる場合がある。この巻き込みにより、ゴムクローラ内周表面側のゴム弾性体に大きな引張り変形力がかかり、当該ゴム弾性体のゴムクローラ幅方向の端部(以下、ゴムクローラの耳部とも呼ぶ)にクラックが発生する場合があるため、巻き込みを防止する手段が検討されてきた。例えば、ゴム組成物中のカーボンブラックなどの黒色充填剤又はシリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの白色充填剤の配合率を増やして補強効果を高めることによりゴム弾性体の弾性率を向上させるという手段、ゴム組成物中の硫黄の配合率を増やして加硫密度を高めることによりゴム弾性体の弾性率を向上させるという手段、短い結晶繊維を配合することによりゴム弾性体の剛性及び耐久性を向上させるという手段(特許文献1)、ゴムクローラ外周面の端部を補強した構造とする手段等が考えられてきた。
特開2009−227696号公報
しかしながら、充填剤の配合率を高めると、充填剤の分散が不充分となって品質が不均一となる可能性や、未加硫ゴム組成物の粘度が上昇して作業性を悪化させる可能性がある。また、硫黄の配合率を高めると、熱老化が促進されるため、ゴムクローラの性能低下につながる可能性がある。
そして、ペーバー等の舗装用建設機械では、アスファルト舗装時のように、高温条件下でゴムクローラを駆動させる場合がある。ゴムクローラの接地面が高温となると、ゴムクローラのゴム弾性体の物性が低下して、旋回時にゴムクローラの耳部が接地側に一層巻き込まれ易くなる。そのため、路面が常温の条件下で旋回時のゴムクローラの耳部の接地側への巻き込みを防止する手段では、路面が高温の条件下では充分な効果が得られない場合が存在する。
そこで、本発明は、高温条件下であっても、旋回時にゴムクローラの耳部が接地側に巻き込まれることを抑制することができるゴムクローラを得ることができるゴムクローラ用ゴム組成物、及び旋回時にゴムクローラの耳部が接地側に巻き込まれることを抑制することができるゴムクローラを提供することを目的とする。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物は、ゴム成分として、ジエン系ゴムとスチレン含量50質量%以上のハイスチレンゴムとを含むことを特徴とする。本発明のゴムクローラ用ゴム組成物によれば、高温条件下であっても、加硫後の弾性率を高めることができ、それによって、旋回時にゴムクローラの耳部が接地側へ巻き込まれることを抑制することができる。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物において、ハイスチレンゴムの配合量は、ゴム成分100質量部あたり30質量部以下であることが好ましい。この構成とすることにより、ジエン系ゴム等の他のゴム成分との混合性及び混練時の作業性を維持しながら、加硫後の耐疲労性及び耐摩耗性も向上させることができ、加硫後の弾性率を一層高めることができるからである。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物において、ジエン系ゴムとハイスチレンゴムとの質量配合比(ジエン系ゴム/ハイスチレンゴム)は、95/5〜80/20であることが好ましい。この構成とすることにより、ジエン系ゴム等の他のゴム成分との混合性、混練時の作業性、並びに加硫後の切断時伸び、引張強さ及び引裂き力を維持しながら、加硫後の耐疲労性及び耐摩耗性も向上させることができるからである。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物において、ハイスチレンゴムのスチレン含量は、60〜70質量%であることが好ましい。この構成とすることにより、加硫後の弾性率を高めつつ、ジエン系ゴム等の他のゴム成分との混合性、混練時の作業性、並びに加硫後の切断時伸び、引張強さ及び引裂き力を維持することができるからである。
また、本発明のゴムクローラは、前記ゴムクローラ用ゴム組成物を用いたことを特徴とする。本発明のゴムクローラによれば、高温条件下であっても、ゴム弾性体が高い弾性率を示し、旋回時にゴムクローラの耳部が接地側へ巻き込まれることを抑制することができる。
本発明によれば、高温条件下であっても、旋回時にゴムクローラの耳部が接地側に巻き込まれることを抑制することができるゴムクローラを得ることができるゴムクローラ用ゴム組成物及び旋回時にゴムクローラの耳部が接地側に巻き込まれることを抑制することができるゴムクローラを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物は、ゴム成分として、ジエン系ゴムとハイスチレンゴムとを含む。ジエン系ゴムは、硫黄加硫が可能であり、加硫後の耐摩耗性に優れるためである。ジエン系ゴムとしては、特に限定されないが、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン含量が50質量%未満のスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、スチレン含量が50質量%未満のスチレン−イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、スチレン含量が50質量%未満のスチレン−ブチレン共重合ゴム、スチレン含量が50質量%未満のスチレン−クロロプレン共重合ゴム等が挙げられる。ジエン系ゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムに加えてハイスチレンゴムを含むことにより、加硫後の弾性率を高め、ゴムクローラが幅広い温度条件下、特に高温条件下であっても、旋回時にゴムクローラの耳部が接地側に巻き込まれるのを抑制することができる。ハイスチレンゴムとは、スチレン含量が50質量%以上のゴムであり、例えば、スチレン含量が50質量%以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン含量が50質量%以上のスチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン含量が50質量%以上のスチレン−ブチレン共重合ゴム、スチレン含量が50質量%以上のスチレン−クロロプレン共重合ゴム等が挙げられる。ハイスチレンゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ハイスチレンゴムは、例えば、スチレン85〜87質量%とブタジエン13〜15質量%とからなるハイスチレンレジンラテックスを、乾燥させるか又は有機酸を用いて凝析させることにより得ることができる。あるいは、スチレン85〜87質量%とブタジエン13〜15質量%とからなるハイスチレンレジンラテックスと、スチレン−ブタジエンゴムラテックスとを、所定の割合で均一に混合し、乾燥させるか又は有機酸を用いて共凝析させることにより得ることができる。ハイスチレンゴムは、市販のものを用いてもよく、特に限定されないが、例えば、JSR株式会社製のJSR0061(スチレン含量67質量%)やJSR0051(スチレン含量56%)等が挙げられる。前記ハイスチレンゴムのスチレン含量は、60〜70質量%であることが好ましい。スチレン含量が60質量%以上であることにより、加硫後の弾性率を高めることができるからである。また、スチレン含量が70質量%以下であることにより、ジエン系ゴム等の他のゴム成分との混合性、混練時の作業性、並びに加硫後の切断時伸び、引張強さ及び引裂き力を維持することができるからである。
本発明のゴム組成物において、ハイスチレンゴムの配合量は、ゴム成分100質量部あたり30質量部以下であることが好ましく、ゴム成分100質量部あたり5〜20質量部であることがより好ましい。ハイスチレンゴムの配合量が、ゴム成分100質量部あたり30質量部以下であれば、ジエン系ゴム等の他のゴム成分との混合性及びゴム組成物の混練時の作業性を維持することができ、更に、ゴム成分100質量部あたり20質量部以下であれば、加硫後の切断時伸び、引張強さ及び引裂き力も維持できるからである。また、ハイスチレンゴムの配合量が、ゴム成分100質量部あたり5質量部以上であることにより、加硫後の弾性率を一層高めることができるからである。
本発明のゴム組成物において、ジエン系ゴムとハイスチレンゴムとの質量配合比(ジエン系ゴム/ハイスチレンゴム)は、95/5〜80/20であることが好ましい。ジエン系ゴムに対するハイスチレンゴムの質量配合比が5%以上であれば、加硫後の耐疲労性及び耐摩耗性を高め、弾性率を一層高めることができるからである。また、ジエン系ゴムに対するハイスチレンゴムの質量配合比が20%以下であれば、ジエン系ゴム等の他のゴム成分との混合性、混練時の作業性、並びに加硫後の切断時伸び、引張強さ及び引裂き力を維持できるからである。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、ジエン系ゴムとハイスチレンゴムのみを含んでいてもよく、あるいは、さらに、ゴム組成物に通常用いられる非ジエン系合成ゴムを含んでもよい。かかる非ジエン系合成ゴムとしては、特に限定されず、例えば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ゴム成分が、窒素含有化合物、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物等の変性剤を用いることにより全部又は一部が変性されたゴムを含んでもよい。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックなどの黒色充填剤及びシリカや無機化合物などの白色充填剤から選ばれる少なくとも1種の充填剤を補強用充填剤として含むことができる。本発明の補強用充填剤の配合量は、特に限定されず、用いる補強用充填剤及びゴム成分の種類や組成によっても異なるが、ゴム成分100質量部に対して40〜80質量部が好ましい。補強用充填剤が40質量部以上であると、ゴムクローラ用ゴムに必要な弾性率を充分得ることができるからである。また、補強用充填剤が80質量以下であると、屈曲耐久性や耐亀裂特性を維持することができ、屈曲耐久性又は耐亀裂特性の低下によるクラックを防止できるからである。
黒色充填剤として用いることができるカーボンブラックの種類は、特に限定されず、例えば、SAF、ISAF、HAF(N330)、FF、FEF、GPF、SRF、CF、FT、MTグレードのカーボンブラックが挙げられる。これらカーボンブラックは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、白色充填剤と併用してもよい。
白色充填剤としては、シリカ及び一般式:mM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、当該金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、並びに当該金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機化合物等を挙げることができる。シリカとしては、特に限定されないが、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ及びコロイダルシリカ等を用いることができる。
上記一般式(I)の無機化合物としては、特に限定されないが、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al23);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2];各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。これら白色充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物は、補強用充填剤以外にも、ゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、軟化剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、加工助剤、充填剤改質剤、粘着付与剤、発泡剤、着色剤等を目的に応じて適宜配合することができる。これら配合剤を加える順序や段階は、特に限定しないが、加硫剤を最終工程で加えるのが好ましい。また、これら配合剤は、市販品を使用することができる。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムとハイスチレンゴムとを含むゴム成分と、補強用充填剤や適宜必要な配合剤とを混練することによって得ることができる。混練は、ゴム組成物を得るために通常実施される方法に従って行うことができる。例えば、特に限定されないが、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ロール、ニーダー等の通常使用されているゴム混練機を用いて、ゴム成分を必要に応じて素練りし、補強用充填剤と、加硫剤、酸化亜鉛、加硫遅延剤以外の適宜必要な配合剤とを添加して混練した後、加硫剤、酸化亜鉛及び加硫遅延剤を添加して混練し、必要に応じて、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のゴムクローラは、本発明のゴムクローラ用ゴム組成物を用いたことを特徴とする。上記のようにして製造した本発明のゴムクローラ用ゴム組成物を用い、通常のゴムクローラの製造方法に従って、本発明のゴムクローラを製造することができる。特に限定されないが、例えば、本発明のゴムクローラ用ゴム組成物を、ゴムクローラ用の加熱金型に入れ、必要に応じてスチールコードや芯金を埋設し、適宜必要な温度で加熱加硫することによってゴム組成物を硬化させて、本発明のゴムクローラを製造することができる。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物は、特に限定されないが、粘弾性スペクトロメータを用いて、JIS K6394:2007に準拠して、周波数10Hz、振幅2%で測定した加硫後の動的貯蔵弾性率(E')が、23℃の温度条件では8〜13MPaであるのが好ましく且つ80℃の温度条件では5〜7Paであるのが好ましい。23℃の温度条件下での動的貯蔵弾性率(E')が8MPa以上であると、常温条件下で、充分な弾性率を有し、旋回時のゴムクローラ耳部の接地側への巻き込みを抑制できるからである。一方、23℃の温度条件下での動的貯蔵弾性率(E')が13MPa以下であると、常温条件下で、屈曲耐久性又は耐亀裂特性を良好に維持することができ、クラックの発生を防止することができるからである。また、80℃の温度条件下での動的貯蔵弾性率(E')が5MPa以上であると、例えば、アスファルト舗装時など、高温条件下でも、充分な弾性率を有し、旋回時のゴムクローラの耳部の接地側への巻き込みを抑制できるからである。一方、80℃の温度条件下での動的貯蔵弾性率(E')が7MPa以下であると、高温条件下でも、屈曲耐久性又は耐亀裂特性を良好に維持することができ、クラックの発生を防止することができるからである。
また、本発明のゴムクローラ用ゴム組成物は、特に限定されないが、JIS K6251:2007に準拠して測定した加硫後の100%モジュラス(Md100)が、23℃の温度条件下では、好ましくは2.6MPa以上であり、より好ましくは2.8〜4.5MPaである。23℃の温度条件下での100%モジュラス(Md100)が2.6MPa以上であると、常温条件下で、旋回時のゴムクローラ耳部の接地側への巻き込みを抑制するのに充分な弾性率を発揮でき、2.8MPa以上であると、当該効果を一層高めることができるからである。一方、23℃の温度条件下での100%モジュラス(Md100)が4.5MPa以下であると、屈曲耐久性又は耐亀裂特性を良好に維持することができ、クラックの発生を防止することができるからである。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
下記表1に示す配合で、実施例及び比較例のゴム組成物を調製し、下記で示す方法に従って、(1)ムーニー粘度、(2)引張物性(切断時伸び、引張強さ、100%モジュラス)、(3)引裂き力、(4)耐摩耗性、(5)耐疲労性、(6)動的貯蔵弾性率(E’)、(7)旋回時巻き込み量について評価を行った。
(1)ムーニー粘度
JIS K6300−2:2001に準拠して、未加硫のゴム組成物にムーニー粘度試験を行った。回転円盤のないローターレスムーニー粘度計(東洋精機社製ローターレス・ムーニービスコメーター)を用い、127℃にて、ムーニー粘度[ML1+4(127℃)]を測定した。表1には、実測値を表示した。実測値が小さいほど、未加硫ゴム組成物の流れ性が良く、作業性に優れる。
(2)引張物性
ゴム組成物を155℃にて30分間加硫硬化させた後、JIS K6251:2007に準拠して、ダンベル状JIS3号形の試験片を作製し、引張試験機(株式会社オリエンテック社製テンシロンRTC−1225)を用いて、23℃で、切断時伸び(Eb)、引張強さ(Tb)、100%モジュラス(Md100)を測定した。表1には、実測値を表示した。
(3)引裂き力
ゴム組成物を155℃にて30分間加硫硬化させた後、JIS K6252:2007に準拠して、厚さ2.0±0.2mmのトラウザ型引裂き試験片を作製して、引裂き力を測定した。表1には、比較例1の実測値の逆数を100として、他の比較例及び実施例の実測値の逆数を指数表示した。指数値が大きい程、引裂き力に優れることを示す。
(4)耐摩耗性
ゴム組成物を155℃にて30分間加硫硬化させた後、JIS K6264:2007に準拠してDIN摩耗試験を行い(DIN摩耗試験機:東洋精機社製DIN摩耗試験機)、摩耗量を測定した。表1には、比較例1の実測値を100として、他の比較例及び実施例の実測値を指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
(5)耐疲労性
ゴム組成物を155℃にて30分間加硫硬化させた後、JIS K6260:2007に準拠してデマチャ式屈曲亀裂成長試験を行い(デマチャ式屈曲試験機:上島製作所社製デマッチャ屈曲試験機FT−1500)、亀裂長さを測定した。表1には、比較例1の実測値を100として、他の比較例及び実施例の実測値を指数表示した。指数値が大きい程、亀裂長さが短く、耐疲労性に優れることを示す。
(6)動的貯蔵弾性率(E’)
ゴム組成物を155℃にて30分間加硫硬化させた後、長さ50mm×幅5mm×厚さ2.0mmの試験片を作製した。この試験片について、JIS K6394:2007に準拠して、粘弾性スペクトロメータ(上島製作所社製自動粘弾性アナライザ)を用い、周波数10Hz、振幅2%にて、23℃及び80℃の温度条件下で、動的貯蔵弾性率(E’)を測定した。表1には、比較例1の実測値を100として、他の比較例及び実施例の実測値を指数表示した。指数値が高い程、硬いことを示し、旋回時のゴムクローラ耳部の接地側への巻き込みを抑制することができる。
(7)旋回時巻き込み量
ゴム組成物をゴムクローラ用の加熱金型に入れ、スチールコードを37本クローラ周方向に沿って埋設し、これを160℃にて60分間加熱することによってゴム組成物を加硫硬化させて、280x47x117.5サイズのゴムクローラを作製した。このゴムクローラを、ミニ油圧ショベル(Caterpillar社製CAT305CCR)の右足に装着し、90°ピボット旋回を行った。クローラ接地面から最大巻き込まれ部までの長さを測ることで、旋回時巻き込み量を測定した。表1には、比較例1の23℃での実測値を100として、比較例1の80℃での実測値並びに他の比較例及び実施例の23℃及び80℃での実測値を指数表示した。指数値が低い程、旋回時のゴムクローラ耳部の接地側への巻き込みを抑制することができる。
Figure 0006334374
*1:JSR社製JSR 0061(スチレン含量67質量%)
*2:JSR社製JSR 0202(スチレン含量46質量%)
*3:JSR社製JSR BR01
*4:JSR社製JSR RB820
*5:旭カーボン社製HAF(旭#70)
*6:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体
(大内新興化学工業製ノクラック224)
*7:N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン
(大内新興化学工業製ノクラック6C)
*8:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
(大内新興化学工業製ノクセラーNS−P)
*9:N−シクロヘキシルチオフタルイミド(大内新興化学工業製リターダ−CTP)
表1に示した結果から、本発明のゴムクローラ用ゴム組成物は、未加硫状態における作業性、並びに加硫後の切断時伸び、引張強さ及び引裂き力を維持しながら、加硫後の耐摩耗性及び耐疲労性に優れ、常温から高温条件下で高い弾性率を示すことが分かる。つまり、本発明のゴムクローラ用ゴム組成物を用いて製造した本発明のゴムクローラは、高温条件下であっても、ゴム弾性体が高い弾性率を示し、旋回時のゴムクローラの耳部の接地側への巻き込みを抑制できる。
本発明のゴムクローラ用ゴム組成物は、ゴムクローラのゴム弾性体やゴムクローラのラグ部に利用可能である。また、本発明のゴムクローラは、土木建築機械、産業用機械、農業用機械などの走行部に利用可能であり、特に、高温条件下で用いられ得る前記機械類の走行部に好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. ゴム成分として、SBRを除くジエン系ゴムとスチレン含量50質量%以上のハイスチレンゴムとを含むことを特徴とする、ゴムクローラ用ゴム組成物。
  2. 前記ハイスチレンゴムの配合量が、ゴム成分100質量部あたり30質量部以下であることを特徴とする、請求項1に記載のゴムクローラ用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴムと前記ハイスチレンゴムとの質量配合比(ジエン系ゴム/ハイスチレンゴム)が、95/5〜80/20であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゴムクローラ用ゴム組成物。
  4. 前記ハイスチレンゴムのスチレン含量が、60〜70質量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴムクローラ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴムクローラ用ゴム組成物を用いたことを特徴とする、ゴムクローラ。
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