JP6332653B1 - 地殻応力測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地殻を構成する地盤に作用する三次元応力要素を正確に測定する。【解決手段】地殻地盤を坑井1の掘削方向にくり抜いて取得したボーリングコアBC1の、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の基準円直径に対する歪み量が最も大きい径(Dmax)の長さと、前記基準円直径に対する歪み量が最も小さい径(Dmin)の長さとを測定し、前記地盤を坑井1の内側面から、坑井1とは異なる方向にくり抜いて取得したサイドウォールコアSC1の、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d1|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d1|φ=90)の長さを計測し、前記地盤に作用する最大水平応力と最小水平応力との差応力を表す式、及びサイドウォールコアSC1の長手方向に直交する水平応力と鉛直応力との差応力を表す式から、三次元応力要素のうち最大水平応力と最小水平応力とを求める。【選択図】図4

Description

本発明は、地殻を構成する地盤に作用する三次元応力要素を測定する方法、すなわち地殻応力測定方法に関する。
石油、天然ガス等の地下資源の探鉱にあたっては、まず、リモートセンシングや航空写真解析などで石油地質評価を行い、続いて地質・地化学調査、地震探査などを実施して得られた複数のデータを総合的に解析して地下の地質構造を把握し、石油が多く埋蔵されている可能性が高い場所を選定する。油ガス井の候補地が選定されたら、現地に試掘井を掘削して地層の状況を把握する。試掘井を掘削した地盤に石油が埋まっていると期待される地層が見つかれば、その地層を含む地盤から岩石のコアを採取し、そのコアを観察して岩石の種類や鉱物組織等を把握し、さらに孔隙率や浸透率などその地層に含まれる岩石の性状を詳細に調べる。
圧密、地盤内応力、せん断、土圧など地盤の力学的挙動を解析することも、上記候補地の地盤の状況を把握するうえで重要である。解析結果をもとに油ガス井を掘削した地盤の応力状態を評価し、油ガス井が長期にわたって健全に維持され得ることが確認できれば、その油ガス井から石油を安定的に産出することができる。
地盤の応力環境の評価は、試掘井のみならず、石油の継続的な生産を目的とした油ガス井においても行われる。そのような油ガス井において三方向応力を精度よく測定できれば、地殻地盤を取り巻く力学的環境が正確に把握できるので、地殻地盤に対しフラクチャリングを効果的に行うことができる。その結果、フラクチャを介して石油の採取を効率よく行うことができる。
下記の特許文献1には、地殻を構成する地盤に作用する三次元応力要素を測定する方法が開示されている。具体的には、地殻応力測定を行う油ガス井が途中で少なくとも二度方向を変えており向きの異なる三箇所で坑井壁の亀裂の位置、角度を測定し、それらの測定値に基づいてそれら三箇所それぞれの主応力とその方位と傾斜を設定し任意の三次元地殻応力場を仮定し、仮定した任意の三次元地殻応力場の値を用いて、特定の式を用いて各所の主応力とその方位、傾斜を求めている。
また、下記の非特許文献1には、ボーリングコアから得られる情報と既知の情報とを組み合わせて、ボーリングコアを取得した深度の地殻地盤に作用している三方向応力の大きさを測定することが可能であることが報告されている。
特許第2787752号公報
「A new method of diametrical core deformation analysis for in-situ stress measurements by Akio FUNATO and Takatoshi ITO(https://www.journals.elsevier.com/international-journal-of-rock-mechanics-and-mining-sciences/recent-articles)
ところで、上記の特許文献1の発明では、地殻応力測定を行うべき坑井は、二度方向を変えている(向きの異なる三箇所がある)必要がある。しかしながら、坑井が必ずしもそのように地中で向きを変えていることはなく、地盤を鉛直下方に真っ直ぐに掘り進んでいた場合はこの発明を実施して応力測定を行うことはできない。また、坑井が地中で向きを変えていたとしても、向きの異なる区間どうしが十分近接しているとは言い難い(坑井の向きは急激には変えられないので区間どうしの距離がひらいてしまい、相互に深度が異なる)ので、得られた地殻応力の数値は、精度が高いとは言い難い。
また、上記の非特許文献1の報告では、ボーリングコアが事前に取得されていることが前提となるが、ボーリングコアは、坑井掘削時に断片的に取得されるものであるため、三次元応力測定を実施したい深度で取得されたボーリングコアが存在しない場合は実施することができない。
本発明は、地殻を構成する地盤に作用する三次元応力要素を、如何なる深度においても正確に測定することができる地殻応力測定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る地殻応力測定方法の第一の態様では、地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する地盤を前記坑井の掘削方向にくり抜いて取得した円柱状のボーリングコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の基準円直径に対する歪み量が最も大きい最大径(Dmax)の長さと、前記基準円直径に対する歪み量が最も小さい最小径(Dmin)の長さとを測定し、
前記所定深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第一サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d1|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d1|φ=90)の長さを計測し、
前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)と最小水平応力(Shmin)との差応力(ΔS)を表す下記式
Figure 0006332653
及び前記第一サイドウォールコアの長手方向に直交する水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β1)を表す下記式
Figure 0006332653
により、前記三次元応力要素のうち前記最大水平応力(SHmax)と、前記最小水平応力(Shmin)とを求める。
ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
α:坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度、すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位
β1:坑井掘削時の基準方位に対して第一サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
ただし、d1|φ=0<d1|φ=90のときはdmin=d1|φ=0であり、d1|φ=0>d1|φ=90のときはdmin=d1|φ=90である。
本発明に係る地殻応力測定方法の第二の態様では、地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する地盤を前記坑井の掘削方向にくり抜いて取得した円柱状のボーリングコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の基準円直径に対する歪み量が最も大きい最大径(Dmax)の長さと、前記基準円直径に対する歪み量が最も小さい最小径(Dmin)の長さとを測定し、
前記所定深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第一サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d1’|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d1’|φ=90)の長さを測定し、
前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)と最小水平応力(Shmin)との差応力(ΔS)を表す下記式
Figure 0006332653
及び前記第一サイドウォールコアの長手方向に直交する水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β1)を表す下記式
Figure 0006332653
により、前記三次元応力要素のうち前記最大水平応力(SHmax)と、前記最小水平応力(Shmin)とを求める。
ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
α:坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度、すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位
β1:坑井掘削時の基準方位に対して第一サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
R:坑井の半径、
1:坑井の中心から第一サイドウォールコアの計測断面までの距離
ただし、d1’|φ=0<d1’|φ=90のときはdmin=d1’|φ=0であり、d1’|φ=0>d1’|φ=90のときはdmin=d1’|φ=90である。
本発明に係る地殻応力測定方法の第四の態様では、地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第一サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d1’|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d1’|φ=90)の長さを測定し、
前記第一サイドウォールコアの長手方向に直交する水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β1)を表す下記式
Figure 0006332653
により、前記三次元応力要素のうち前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)を求める。
ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
hmin:所定深さの地盤に作用する最小水平応力
α:坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度、すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位
β1:坑井掘削時の基準方位に対して第一サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
R:坑井の半径、
1:坑井の中心から第一サイドウォールコアの計測断面までの距離
ただし、d1’|φ=0<d1’|φ=90のときはdmin=d1’|φ=0であり、d1’|φ=0>d1’|φ=90のときはdmin=d1’|φ=90である。
本発明に係る地殻応力測定方法の第五の態様では、地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第二サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した第一計測断面の形状から、該第一計測断面の鉛直方向の径(d2a|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d2a|φ=90)の長さを測定するとともに、前記第二サイドウォールコアの、前記第一計測断面とは異なる第二計測断面の鉛直方向の径(d2b|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d2b|φ=90)の長さを測定し、
前記地盤を、前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とも、前記第二サイドウォールコアの掘削方向とも異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第三サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した第三計測断面の形状から、該第三計測断面の鉛直方向の径(d3a|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d3a|φ=90)の長さを測定するとともに、前記第三サイドウォールコアの、前記第三計測断面とは異なる第四計測断面の鉛直方向の径(d3b|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d3b|φ=90)の長さを測定し、
前記第二サイドウォールコアの第一計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β2)を表す下記式
Figure 0006332653
前記第二サイドウォールコアの第二計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β2)を表す下記式
Figure 0006332653
前記第三サイドウォールコアの第三計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β3)を表す下記式
Figure 0006332653
及び前記第三サイドウォールコアの第四計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β3)を表す下記式
Figure 0006332653
により、前記三次元応力要素のうち前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)と、最小水平応力(Shmin)と、坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度(α)すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位とを求める。
ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
β2:坑井掘削時の基準方位に対して第二サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
β3:坑井掘削時の基準方位に対して第三サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
R:坑井の半径、
2a:坑井の中心から第二サイドウォールコアの第一計測断面までの距離、
2b:坑井の中心から第二サイドウォールコアの第二計測断面までの距離、
3a:坑井の中心から第三サイドウォールコアの第三計測断面までの距離、
3b:坑井の中心から第三サイドウォールコアの第四計測断面までの距離、
ただし、d2a|φ=0<d2a|φ=90のときはdmin=d2a|φ=0であり、d2a|φ=0>d2a|φ=90のときはdmin=d2a|φ=90であり、
d2b|φ=0<d2b|φ=90のときはdmin=d2b|φ=0であり、d2b|φ=0>d2b|φ=90のときはdmin=d2b|φ=90であり、
d3a|φ=0<d3a|φ=90のときはdmin=d3a|φ=0であり、d3a|φ=0>d3a|φ=90のときはdmin=d3a|φ=90であり、
d3b|φ=0<d3b|φ=90のときはdmin=d3b|φ=0であり、d3b|φ=0>d3b|φ=90のときはdmin=d3b|φ=90である。
本発明に係る地殻応力測定方法の第六の態様では、地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第四サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d4|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d4|φ=90)の長さを測定し、
前記地盤を、前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とも、前記第四サイドウォールコアの掘削方向とも異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第五サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d5|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d5|φ=90)の長さを測定し、
前記地盤を、前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とも、前記第四サイドウォールコア及び前記第五サイドウォールコアの掘削方向とも異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第六サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d6|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d6|φ=90)の長さを測定し、
前記第四サイドウォールコアの計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β4)を表す下記式
Figure 0006332653
前記第五サイドウォールコアの計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β5)を表す下記式
Figure 0006332653
及び前記第六サイドウォールコアの計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β6)を表す下記式
Figure 0006332653
により、前記三次元応力要素のうち前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)と、最小水平応力(Shmin)と、坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度(α)すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位とを求める。
ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
β4:坑井掘削時の基準方位に対して第四サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
β5:坑井掘削時の基準方位に対して第五サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
β6:坑井掘削時の基準方位に対して第六サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
ただし、d4|φ=0<d4|φ=90のときはdmin=d4|φ=0であり、d4|φ=0>d4|φ=90のときはdmin=d4|φ=90であり、
d5|φ=0<d5|φ=90のときはdmin=d5|φ=0であり、d5|φ=0>d5|φ=90のときはdmin=d5|φ=90であり、
d6|φ=0<d6|φ=90のときはdmin=d6|φ=0であり、d6|φ=0>d6|φ=90のときはdmin=d6|φ=90である。
本発明に係る地殻応力測定方法の第一又は第二の態様においては、
前記坑井掘削時の基準方位と、前記ボーリングコアの前記計測断面において最大径(Dmax)の方向とがなす角度を、前記基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度(α)とみなしてもよい。
本発明に係る上記の各態様によれば、三方向応力を精度よく測定して、地殻地盤を取り巻く力学的環境が正確に把握できるので、地下化石燃料の継続的な生産を目的とした油ガス井においては、地殻地盤に対しフラクチャリングを効果的に行うことができる。その結果、フラクチャを介して石油だけに留まらず天然ガス等の地下化石燃料の採取を効率よく行うことができる。
その他にも、メタンハイドレート採掘や地熱利用等のエネルギー開発分野、火山の噴火や地震の予測、二酸化炭素の地中貯蔵、放射性廃棄物の地層処分などでは、大深度における岩盤応力を把握することが非常に重要となるが、そのようなプロジェクトの対象となる地殻地盤にパイロット坑を掘削し、本発明を実施することで岩盤応力の測定を精度よく実施することができる。
また、本発明のうち、坑井のボーリングコアとサイドウォールコアとを使用する第一の態様、及び第二の態様においては、坑井掘削時にある深度で地殻地盤をくり抜いて取得されたボーリングコアと、ボーリングコアを取得したときと同程度の深度の地殻地盤を坑井とは異なる方向にくり抜いて取得されたサイドウォールコアとを利用して、上記ある深度における地殻地盤に作用している三方向応力の大きさを測定し、これらを基に地殻地盤の応力状態を評価する。本発明によれば、同深度で取得した複数のサンプルコアを使用するので、主応力測定の精度を高めることができる。
本発明のうち、一つのサイドウォールコアとその他手法による応力情報とを組み合わせる第四の態様においては、坑井内のある深度の地殻地盤を坑井とは異なる方向にくり抜いて取得されたサイドウォールコアと、その他の手法により得られた応力情報とを組み合わせて、上記ある深度における地殻地盤に作用している三方向応力の大きさを測定し、これらを基に地殻地盤の応力状態を評価する。ボーリングコアは、坑井掘削時に断片的に取得されるものであるため、後に主応力測定を実施したい深度で取得されたボーリングコアが存在しない場合がある。しかしながら、サイドウォールコアは、坑井掘削後に必要に応じて如何なる深度においても取得することが可能である。したがって、本発明によれば、ボーリングコアの有無に関係なく、地中の如何なる深度においても三方向応力の大きさを測定することが可能であり、地殻地盤の全域にわたってその性状を高い精度で正確に把握することができる。
本発明のうち、複数のサイドウォールコアを使用する第五の態様、及び第六の態様においては、坑井内のある深度の地殻地盤を坑井とは異なるいくつかの方向にくり抜いて取得された複数のサイドウォールコアを利用して、上記ある深度における地殻地盤に作用している三方向応力の大きさを測定し、これらを基に地殻地盤の応力状態を評価する。ボーリングコアは、坑井掘削時に断片的に取得されるものであるため、後に主応力測定を実施したい深度で取得されたボーリングコアが存在しない場合がある。しかしながら、サイドウォールコアは、坑井掘削後に必要に応じて如何なる深度においても取得することが可能である。したがって、本発明によれば、ボーリングコアの有無に関係なく、地中の如何なる深度においても三方向応力の大きさを測定することが可能であり、地殻地盤の全域にわたってその性状を高い精度で正確に把握することができる。
本発明に係る地殻応力測定方法の第一実施形態を説明するための図であって、(a)は、地表からある深度に位置する地殻地盤に作用する三次元応力のうち、最大水平応力(SHmax)と最小水平応力(Shmin)とが同地盤に作用する状況を模式的に示した図であり、(b)は、深度に位置する地盤から坑井掘削の過程で取得したボーリングコアの断面が変形する様を模式的に示した図である。 ボーリングコアの径を測定するための測定装置の概略図であって、(a)は該ボーリングコアを測定装置に装着した状態を示す斜視図であり、(b)は照光部からボーリングコアに照射されたLED光が受光部に受光される様を模式的に示した図である。 ボーリングコアの断面径の長さをコアの全周にわたって測定した結果を示したグラフである。 地表からある深度に位置する地殻地盤からボーリングコア及びサイドウォールコアを取得する様を模式的に示した図である。 地表からある深度に位置する地殻地盤に、三次元応力のうち最大水平応力(SHmax)と最小水平応力(Shmin)とが作用する状況を模式的に示しつつ、坑井から取得すべきサイドウォールコアの位置を示した図である。 サイドウォールコアの断面径の長さをコアの全周にわたって測定した結果を示したグラフである。 本発明に係る地殻応力測定方法の第三実施形態を説明するための図であって、地表からある深度に位置する地殻地盤に、三次元応力のうち最大水平応力(SHmax)と最小水平応力(Shmin)とが作用する状況を模式的に示しつつ、坑井から取得すべき二つのサイドウォールコアの位置を示した図である。 本発明に係る地殻応力測定方法の第四実施形態を説明するための図であって、地表からある深度に位置する地殻地盤に、三次元応力のうち最大水平応力(SHmax)と最小水平応力(Shmin)とが作用する状況を模式的に示しつつ、坑井から取得すべき三つのサイドウォールコアの位置を示した図である。
(第一実施形態)
以下、図1から図6を参照して本発明に係る地殻応力測定方法の第一実施形態について詳細に説明する。
地殻地盤の三次元応力要素とは、最大水平応力、最小水平応力、鉛直応力、及び最大水平応力が作用する方向の四つを含んでおり、地表より下の地殻地盤には、如何なる場所においてもこれら上記の三次元応力要素で表現される様々な力が作用している。今、地表からある深度に位置する地殻地盤のある場所について考えると、この場所には図1(a)に示すように、その地盤の水平面内にはある方向に最大水平応力(SHmax)が作用し、最大水平応力(SHmax)が作用するある方向に対して直交する方向に最小水平応力(Shmin)が作用し、さらに鉛直方向には鉛直応力(SV)が作用しているとみなすことができる。
この地殻地盤に地表面から鉛直下向きに油ガス井を掘削し、ある深度で図1(b)に示すように地盤Gを坑井の掘削方向にくり抜いて円柱状のボーリングコアを取得したとする。ボーリングコアを取得すべき地盤Gには、上記のとおり最大水平応力(SHmax)、最小水平応力(Shmin)、鉛直応力(SV)が作用しているため、その地盤Gは水平面内において周囲から圧縮され、さらにボーリングコア長手方向に圧縮された状態にある。このような状態にある地盤Gを坑井の掘削方向にくり抜き、ボーリングコアBC1として坑井から取り出すと、そのボーリングコアBC1は周囲から作用する応力から解放されるため、長手方向に伸長するとともに、径を拡大させるように膨張する。ボーリングコアBC1の長手方向に直交する断面、すなわち地中では水平面内に存在した断面でみると、地中では正円であったものが拘束を解かれて中心から周囲の全ての方向に径を伸すように拡張する。
ここで、坑井から取り出したボーリングコアBC1においてその長手方向のある位置に、長手方向に直交する方向に計測断面を設定し、その計測断面の形状を観察すると、図1(b)に示すように、最大水平応力(SHmax)が作用していた方向の膨張量がもっとも大きく、最小水平応力(Shmin)が作用していた方向の膨張量がもっとも小さい。言い換えると、最大水平応力(SHmax)が作用していた方向には、計測断面の基準円直径(ボーリングコアBC1が地中にあって水平応力を受けていたときの直径)に対する歪み量が最も大きく現れ、最小水平応力(Shmin)が作用していた方向には、計測断面の基準円直径に対する歪み量が最も小さく現れており、全体としては楕円形に変化している。
ここでは、ボーリングコアBC1の計測断面の基準円直径に対する歪み量が最も大きく現れている部分の差し渡しを最大径(Dmax)とし、計測断面の基準円直径に対する歪み量が最も小さく現れている部分の差し渡しを最小径(Dmin)としてそれらの長さを測定する。図2(a)に示すように、ボーリングコアBC1を測定装置に試料として装着する。測定装置には、並列に並んだ一対のローラ11,12が回動可能に設けられている。一方のローラ11は駆動装置13により回転される。両ローラ11,12の長手方向のほぼ中央には縮径部11a,12aが形成されている。試料としてのボーリングコアBC1は、両ローラ11,12上に跨がるように置かれ、両ローラ11,12を同じ方向に回転させることで両ローラとは逆に回転される。両ローラ11,12を中央に置いてその一方の側には、両ローラ11,12のほぼ中央に向けてLED光を照射する照光部14が設けられている。照光部14には指向性の高いLED光を放つ複数のLED素子14aが縦一列に配置されている。照光部14から照射されるLED光は、図2(b)に示すように、両ローラ11,12上に置かれたボーリングコアBC1をあたかもその断面方向に横切るように照射される。なお、LED光は両ローラ11,12の縮径部11a,12aを通じて照射されるので、両ローラに遮られることはない。両ローラ11,12の他方の側には、照光部14から照射されたLED光を受ける受光部15が設けられている。照光部14から照射されるLED光の幅はボーリングコアBC1の直径よりも広いため、受光部15には、ボーリングコアBC1に遮られなかったLED光が上下に分かれて受光される。受光部15には、ボーリングコアBC1の直径を計測する計測器16が接続されている。
上記のように構成された測定装置は、駆動装置13によりボーリングコアBC1を一定速度で回転させながら、受光器15からボーリングコアBC1に向けてLED光を照射する。ボーリングコアBC1に照射されたLED光は、一部はコアに遮られるものの、上下に分かれて受光部15に受光される。計測器16は、受光部15に上下に分かれて受光されたLED光の間隔を特定してボーリングコアBC1の直径を計測する。つまり、ボーリングコアBC1にLED光を照射しつつボーリングコアBC1を一回転させ、その回転角毎にボーリングコアBC1の直径を対応付けて記録することで、ボーリングコアBC1の直径をコアの全周にわたって測定することができる。なお、この測定装置はサイドウォールコアの断面形状を観察する際にも使用することができる。
上記測定装置によるボーリングコアBC1の断面形状の測定結果をプロットすると、図3のグラフに示すことができる。このグラフは、基準方位に交わる外周の一点を始点として、基準方位からの角度に応じて変化するボーリングコアBC1の直径を示している。プロットされた点は誤差を含んでいるので、最小二乗法等により近似曲線を求める(グラフ中の正弦曲線)。この近似曲線上に現れる最大値が計測断面の最大径(Dmax)の長さであり、その方向に最大水平応力(SHmax)が作用していたとみなすことができる。また、近似曲線上に現れる最小値が計測断面の最小径(Dmin)の長さであり、その方向に最小水平応力(Shmin)が作用していたとみなすことができる。
ところで、ボーリングコアBC1が地中においてどの部分を基準方位に向けていたか、すなわちボーリングコアBC1の基準方位はどの方向かは、例えば以下のような手法により知得することができる。すなわち、ボーリングコアBC1を取得した深度において、坑井の全周にわたって内周面を撮影したイメージデータを取得する。その際、内周面のイメージデータには、基準方位がどちらを向いているかを示す特徴(縞模様の傾斜、岩礫など)が現れるので、坑井内周面のイメージデータとボーリングコアBC1の外周の状態とを比較すれば、ボーリングコアBC1が地中においてどの方向を基準方位に向けていたかが判明する。もしくは、ボーリングコアBC1を取得するために坑井に挿入する掘削装置に、ボーリングコアBC1が地中においてどの方向を基準方位に向けていたかを記録しておくことができる機能を追加しておいてもよい。
次に、図4に示すように、油ガス井を掘削すべき地殻地盤を、ボーリングコアBC1を取得したのと同じ深度で坑井の内側面から該坑井の掘削方向に直交する方向、すなわち水平面内のある方向にくり抜いて円柱状のサイドウォールコアSC1を取得する。サイドウォールコアSC1を取得する地盤Gには、図5に示すように、図1(a)と同様の最大水平応力(SHmax)、最小水平応力(Shmin)、鉛直応力(SV)が作用しているため、その地盤Gを、ボーリングコアBC1を取得したのと同じ深度で坑井の内側面から水平面内のある方向にくり抜き、サイドウォールコアSC1として坑井から取り出すと、そのサイドウォールコアSC1は周囲から作用する応力から解放されるため、ボーリングコアBC1と同様に長手方向に伸長するとともに、径を拡大させるように膨張する。サイドウォールコアSC1の長手方向に直交する断面、すなわち地中では鉛直面内に存在した断面でみると、地中では正円であったものが拘束を解かれて中心から周囲の全ての方向に径を伸すように拡張する。
坑井から取り出したサイドウォールコアSC1においてその長手方向のある位置に、長手方向に直交する方向に計測断面を設定する。この計測断面は、サイドウォールコアSC1が地中に存在していたとき、坑井(本坑)の中心軸から該坑井の半径方向にどれだけ離れていたかその距離で特定される。ここでは、坑井の中心からサイドウォールコアSC1の計測断面までの距離を(r1)としてその大きさで計測断面を特定する。そして、当該計測断面の形状を観察すると、サイドウォールコアSC1は、それが地中に存在していたときに鉛直方向に作用していた鉛直応力(σV)からも、水平方向に作用していた水平応力(σθ)からも解放されることで、鉛直応力(σV)が作用していた方向に長径もしくは短径が一致する楕円形に変化している。詳述すると、サイドウォールコアSC1を取得したある深度において、鉛直応力(SV)が最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)と比べて明らかに大きければ、サイドウォールコアSC1の計測断面は、サイドウォールコアSC1が地中に在るとき鉛直応力(σV)が作用していた方向の径(d1|φ=0)が、同じくサイドウォールコアSC1が地中に在るとき水平応力(σθ)が作用していた方向の径(d1|φ=90)よりも長くなるように変化し、鉛直応力(SV)が最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)と比べて明らかに小さければ、サイドウォールコアSC1の計測断面は、鉛直応力(σV)が作用していた方向の径(d1|φ=0)が、同じくサイドウォールコアSC1が地中に在るとき水平応力(σθ)が作用していた方向の径(d1|φ=90)よりも短くなるように変化する。
ここでは、サイドウォールコアSC1が地中に在るとき鉛直方向に向いていた方向の径、すなわち計測断面の鉛直方向の径(d1|φ=0)の長さと、地中に在るとき水平方向に向いていた方向の径、すなわち計測断面の水平方向の径(d1|φ=90)の長さとを測定する。ボーリングコアの場合と同様に、サイドウォールコアSC1を測定装置に試料として取り付け、サイドウォールコアSC1の直径をコアの周囲360°にわたって測定する。この測定結果をプロットすると、図6のグラフに示すことができる。このグラフは、サイドウォールコアSC1が地中に在るとき鉛直方向に向いていた方向を基準として、この基準方向に交わる外周の一点を始点として、基準方向からの角度に応じて変化するサイドウォールコアSC1の直径を示している。プロットされた点は誤差を含んでいるので、最小二乗法等により近似曲線を求める(グラフ中の正弦曲線)。この近似曲線上には、サイドウォールコアSC1を取得したある深度において鉛直応力(SV)が最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)と比べて大きければ、最大値は基準方向からの角度が0°及び180°の点に現れるので、サイドウォールコアSC1の計測断面は、鉛直方向の径(d1|φ=0)が水平方向の径(d1|φ=90)よりも長くなる。また、鉛直応力(SV)が最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)と比べて小さければ、最大値は基準方向からの角度が90°の点に現れるので、サイドウォールコアSC1の計測断面は、鉛直方向の径(d1|φ=0)が水平方向の径(d1|φ=90)よりも短くなる。
ところで、サイドウォールコアSC1の掘削方向は、坑井掘削時の基準方位に対してサイドウォールコアSC1の掘削方向がなす角度(β1)として、例えば以下のような手法により特定することができる。すなわち、サイドウォールコアSC1を取得した後、その深度において、坑井の全周にわたって内周面を撮影したイメージデータを取得する。その際、坑井内周面のイメージデータには、サイドウォールコアSC1を掘削した後の空孔が現れるので、その空孔が基準方位からどれだけ離れているかで基準方位に対してサイドウォールコアSC1の掘削方向がなす角度(β1)の大きさが判明する。もしくは、サイドウォールコアSC1を取得する前に撮影した坑井内周面のイメージデータと、サイドウォールコアSC1の断面の画像とを比較し、坑井内周面のイメージデータ中でサイドウォールコアSC1の断面画像と一致する部分があれば、その部分にサイドウォールコアSC1を掘削したことがわかるので、その部分が基準方位からどれだけ離れているかで基準方位に対してサイドウォールコアSC1の掘削方向がなす角度(β1)の大きさが判明する。それ以外にも、サイドウォールコアSC1を取得するために坑井に挿入する掘削装置に、坑井の基準方位に対してサイドウォールコアSC1の掘削方向を自在に設定したり測定したりできる機能を追加しておいてもよい。
ここからは、地表からある深度に存在する地殻地盤から取得したボーリングコアBC1及びサイドウォールコアSC1を観察して得られた情報をもとに、これら二つのコアを取得した地殻地盤に作用する三次元応力要素を求める。
まず、鉛直応力(SV)の大きさは土被り圧として以下の式から求めることができることが従来より知られている。
V=ρgh
(ρ:地表から深度hの地点までの領域における地層平均密度、g:重力加速度、h:地表からの深度)
鉛直応力(SV)を求めるために必要な情報(ρ、g、h)の大きさは、上記二つのコアを観察して得られた情報によらず既知である。例えば、ρは密度検層によって知得することができる。
次に、最大水平応力(SHmax)が作用する方向は、その方向が基準方位に対してなす角度の大きさで特定することができる。なお、基準方位とは例えば北の方角をそれとして考えれば分かり易い。
図3のグラフからは、ボーリングコアBC1を取得した地殻地盤に作用していた最大水平応力(SHmax)の方向を明らかにすることができる。このグラフは、基準方位に交わる外周の一点を始点(基準方位0°)として、その始点からの角度に応じて変化するボーリングコアBC1の直径の変化を示しているので、近似曲線上に最大値が現れた点までの角度を、最大水平応力(SHmax)の作用する方向が基準方位に対してなす角度(α)とみなすことができる。
上記以外にも、本坑を掘削したことによって生じた坑壁の崩落(Borehole Breakout)や引張亀裂(Drilling-Induced Tensile Fracture)を分析したり、ダイポール音波検層による岩盤のS波速度異方性評価を行ったりすることで最大水平応力の方位を知得することができる。
前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)と最小水平応力(Shmin)との差応力(ΔS)は、以下の式(1)で表すことができる。
Figure 0006332653
また、サイドウォールコアSC1が地中に存在していたときに水平方向に作用していた応力すなわち水平応力(σθ)と、サイドウォールコアSC1が地中に存在していたときに鉛直方向に作用していた応力すなわち鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β1)は、以下の式(2)で表すことができる。
Figure 0006332653
式(1)、(2)に含まれる情報のうち、地盤のヤング率(E)の大きさ、及び地盤のポアソン比(ν)の大きさは、鉛直応力(SV)を求めるために必要な情報(ρ、g、h)と同様、上記二つのコアを観察して得られた情報によらず既知である。
式(1)に含まれるボーリングコアBC1の計測断面における最大径(Dmax)の長さ及び最小径(Dmin)の長さは、ボーリングコアBC1を観察して得られた結果をプロットした図3のグラフから読み取ることができる。
式(2)に含まれる、坑井掘削時の基準方位に対してサイドウォールコアSC1の掘削方向がなす角度(β1)は、上述の手法により知得することができる。サイドウォールコアSC1の計測断面における鉛直方向の径(d1|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d1|φ=90)の長さは、サイドウォールコアSC1を観察して得られた結果をプロットした図6のグラフから読み取ることができる。なお、式(2)において、鉛直方向の径(d1|φ=0)が水平方向の径(d1|φ=90)よりも短いときは、サイドウォールコアSC1の最小径(dmin)の長さは鉛直方向の径(d1|φ=0)の長さとし、鉛直方向の径(d1|φ=0)が水平方向の径(d1|φ=90)よりも長いときは、サイドウォールコアSC1の最小径(dmin)の長さは水平方向の径(d1|φ=90)の長さとする。
式(1)、(2)から、三次元応力要素のうち残りの最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)は、下記(3)のように求めることができる。
Figure 0006332653
本発明に係る地殻応力測定方法の第一実施形態によれば、上記のようにして、地中のある深度における地殻地盤に作用している三方向応力の大きさを測定し、これらを基に地殻地盤の応力状態を評価するのであるが、特に本実施形態によれば、同深度で取得したボーリングコアとサイドウォールコアとを使用するので、従来の手法に比べて主応力測定の精度を高めることができる。
また、本発明より三方向応力を精度よく測定できれば、地殻地盤を取り巻く力学的環境が正確に把握できるので、地下化石燃料の継続的な生産を目的とした油ガス井においては、地殻地盤に対しフラクチャリングを効果的に行うことができる。その結果、フラクチャを介して石油だけに留まらず天然ガス等の地下化石燃料の採取を効率よく行うことができる。
その他、メタンハイドレート採掘や地熱利用等のエネルギー開発分野、火山の噴火や地震の予測、二酸化炭素の地中貯蔵、放射性廃棄物の地層処分などでは、大深度における岩盤応力を把握することが非常に重要となるが、そのようなプロジェクトの対象となる地殻地盤にパイロット坑を掘削し、本発明を実施することで岩盤応力の測定を精度よく実施することができる。
ところで、坑井を掘削した地盤には当然のように応力集中が生じる。サイドウォールコアSC1の計測断面を、坑井(本坑)の中心から十分に遠く応力集中の影響が小さい部分に確保することができればよいが、サイドウォールコアSC1の長さは坑井の内径(半径:R)に依存する(サイドウォールコアSC1が坑井の直径(2R)よりも長いと、サイドウォールコアSC1を坑井から取り出すことができない)。そのため、応力集中の影響を無視できない場合も多い。その場合、サイドウォールコアSC1が地中に存在していたときに作用していた水平応力(σθ)及び鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β1)は、以下の式(2')で表すことができる。ここでも、サイドウォールコアSC1の計測断面における鉛直方向の径(d1’|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d1’|φ=90)の長さは、サイドウォールコアSC1を観察して得られた結果をプロットした図6のグラフから読み取ることができる。
Figure 0006332653
式(1)、(2')から、三次元応力要素のうち残りの最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)の大きさは、下記(4)のように求めることができる。なお、式(2')において、鉛直方向の径(d1’|φ=0)が水平方向の径(d1’|φ=90)よりも短いときは、サイドウォールコアSC1の最小径(dmin)の長さは鉛直方向の径(d1’|φ=0)の長さとし、鉛直方向の径(d1’|φ=0)が水平方向の径(d1’|φ=90)よりも長いときは、サイドウォールコアSC1の最小径(dmin)の長さは水平方向の径(d1’|φ=90)の長さとする。
Figure 0006332653
本発明に係る地殻応力測定方法の第一実施形態によれば、地殻地盤に作用する応力集中の影響を無視できない場合であっても、上記のようにして、従来の手法に比べて主応力測定の精度を高めることができる。これにより、石油、天然ガス等の地下化石燃料の採取を効率よく行うことが可能となり、さらに大深度における岩盤応力を把握することが非常に重要な各種プロジェクトにおいて、本発明を実施することで岩盤応力の測定を精度よく実施することが可能となる。
(第二実施形態)
次に、本発明に係る地殻応力測定方法の第二実施形態について詳細に説明する。なお、上記第一実施形態において詳述した事項については本実施形態では簡略な説明に留める場合がある。
本実施形態では、ボーリングコアBC1を用いずに、地表からある深度に存在する地殻地盤から取得した一つのサイドウォールコアSC1を観察して得られた情報をもとに、同コアを取得した地殻地盤に作用する三次元応力要素を求める。
まず、鉛直応力(SV)の大きさは土被り圧として第一実施形態の要領で求めることができる。次に、第一実施形態ではボーリングコアBC1を取得してその形状を分析することで最大水平応力(SHmax)の作用する方向を特定したが、本実施形態ではボーリングコアBC1を用いないので、本坑を掘削したことによって生じた坑壁の崩落(Borehole Breakout)、引張亀裂(Drilling-Induced Tensile Fracture)、ダイポール音波検層等、コアを必要としない他の手法により、最大水平応力(SHmax)の作用する方向、すなわち最大水平応力(SHmax)の作用する方向が基準方位に対してなす角度(α)を特定する。
また、上記の工程とは別に、水圧破砕法によって地盤に作用する最小水平応力(Shmin)の大きさを求める。水圧破砕法とは、坑井の内側面に対して非常に高い水圧を作用させ、当該内側面を含む坑井周囲の地盤にフラクチャを生じさせ、そのフラクチャを介して地盤に作用する最小水平応力の大きさを求める方法である(例えばベルナール・アマディ、オーヴ・ステファンソン著「岩盤応力とその測定」2014/4に詳しい)。それ以外に、例えばリークオフ・テスト、フォーメーション・インテグリティ・テストによっても最少水平応力の大きさを求めることができる。
サイドウォールコアSC1が地中に存在していたときに水平方向に作用していた応力すなわち水平応力(σθ)と、サイドウォールコアSC1が地中に存在していたときに鉛直方向に作用していた応力すなわち鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β1)は、応力集中を考慮しない場合、第一実施形態においても使用した式(2)で表すことができる。
Figure 0006332653
ここで、最小水平応力(Shmin)の大きさは水圧破砕法により知得されているので、式(2)から、残りの最大水平応力(SHmax)の大きさは以下の式(5)により求めることができる。
Figure 0006332653
応力集中を考慮する場合は、上記差応力(Δσ|β1)を第一実施形態においても使用した式(2')で表すことができる。
Figure 0006332653
この場合、残りの最大水平応力(SHmax)の大きさは以下の式(5')により求めることができる。
Figure 0006332653
本発明に係る地殻応力測定方法の第二実施形態によれば、サイドウォールコアから得られる情報と、その他の手法により得られた応力情報とを組み合わせて、上記ある深度における地殻地盤に作用している三方向応力の大きさを測定し、これらを基に地殻地盤の応力状態を評価することができる。ボーリングコアは、坑井掘削時に断片的に取得されるため、後に主応力測定を実施したい深度で取得されたボーリングコアが存在しない場合があるが、サイドウォールコアは、坑井掘削後に必要に応じて如何なる深度においても取得することが可能である。したがって、本実施形態によれば、サイドウォールコアだけを用いて、如何なる深度においても三方向応力の大きさを測定することが可能であり、地殻地盤の全域にわたってその性状を高い精度で正確に把握することができる。つまり、第二実施形態によれば、上記第一実施形態と同様に、石油、天然ガス等の地下化石燃料の採取を効率よく行うことが可能となり、さらに大深度における岩盤応力を把握することが非常に重要な各種プロジェクトにおいて、本発明を実施することで岩盤応力の測定を精度よく実施することが可能となる。
(第三実施形態)
次に、図7を参照して本発明に係る地殻応力測定方法の第三実施形態について詳細に説明する。なお、上記第一及び第二実施形態において詳述した事項については本実施形態では簡略な説明に留める場合がある。
本実施形態では、地表からある深度に存在する地殻地盤から取得した二つのサイドウォールコアSC2、SC3を観察して得られた情報をもとに、これら二つのコアを取得した地殻地盤に作用する三次元応力要素を求める。
まず、図7に示すように、上記第一実施形態の要領で、地表からある深度において坑井の内側面から該坑井の掘削方向に直交する方向、すなわち水平面内のある方向に地盤をくり抜いて、円柱状のサイドウォールコア(第二サイドウォールコア)SC2を取得する。サイドウォールコアSC2を取得する地盤には、当然のごとく最大水平応力(SHmax)、最小水平応力(Shmin)、鉛直応力(SV)が作用しているため、サイドウォールコアSC2を地盤からくり抜いて坑井から取り出すと、そのサイドウォールコアSC2は、サイドウォールコアSC1と同様に断面形状が変化する。
次に、サイドウォールコアSC2に第一計測断面を設定する。第一計測断面は、サイドウォールコアSC2が地中に存在していたとき、坑井(本坑)の中心軸から該坑井の半径方向にどれだけ離れていたかその距離で特定される。ここでは、坑井の中心からサイドウォールコアSC2の第一計測断面までの距離を(r2a)としてその大きさで第一計測面の位置を特定する。
次に、第一実施形態で説明した測定装置を使用して、サイドウォールコアSC2が地中に在るとき鉛直方向に向いていた方向の径、すなわち第一計測断面の鉛直方向の径(d2a|φ=0)の長さと、地中に在るとき水平方向に向いていた方向の径、すなわち第一計測断面の水平方向の径(d2a|φ=90)の長さとを測定する。その測定結果は、図6のグラフに示すことができる。このグラフは、サイドウォールコアSC2が地中に在るとき鉛直方向に向いていた方向を基準として、この基準方向に交わる外周の一点を始点として、基準方向からの角度に応じて変化するサイドウォールコアSC2の直径を示している。プロットされた点は誤差を含んでいるので、最小二乗法等により近似曲線を求める(グラフ中の正弦曲線)。この近似曲線上には、サイドウォールコアSC2を取得したある深度において鉛直応力(SV)が最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)と比べて明らかに大きければ、最大値は基準方向からの角度が0°及び180°の点に現れるので、サイドウォールコアSC2の第一計測断面では、鉛直方向の径(d2a|φ=0)が水平方向の径(d2a|φ=90)よりも長くなる。また、鉛直応力(SV)が最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)と比べて明らかに小さければ、最大値は基準方向からの角度が90°の点に現れるので、サイドウォールコアSC2の第一計測断面では、鉛直方向の径(d2a|φ=0)が水平方向の径(d2a|φ=90)よりも短くなる。
次に、サイドウォールコアSC2に、坑井の中心から第一計測断面よりもさらに離間した位置に第二計測断面を設定し、坑井の中心から第二計測断面までの距離を(r2b)としてその大きさで第二計測面の位置を特定する。
次に、上記と同じ要領で第二計測断面の鉛直方向の径(d2b|φ=0)の長さと、第二計測断面の水平方向の径(d2b|φ=90)の長さとを測定する。その測定結果をグラフにプロットし、最小二乗法等により近似曲線を求めると、この近似曲線上には、サイドウォールコアSC2を取得したある深度において鉛直応力(SV)が最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)と比べて明らかに大きければ、最大値は基準方向からの角度が0°及び180°の点に現れるので、サイドウォールコアSC2の第二計測断面では、鉛直方向の径(d2b|φ=0)が水平方向の径(d2b|φ=90)よりも長くなる。また、鉛直応力(SV)が最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)と比べて明らかに小さければ、最大値は基準方向からの角度が90°の点に現れるので、サイドウォールコアSC2の第二計測断面では、鉛直方向の径(d2b|φ=0)が水平方向の径(d2b|φ=90)よりも短くなる。
次に、サイドウォールコアSC2を取得したのと同じ地表からある深度において、坑井の内側面から該坑井の掘削方向に直交する方向、すなわち水平面内のある方向であって、サイドウォールコアSC2の掘削方向とは異なる方向に地盤をくり抜いて、円柱状のサイドウォールコア(第三サイドウォールコア)SC3を取得する。サイドウォールコアSC3も、サイドウォールコアSC2と同様に断面形状が変化する。
次に、サイドウォールコアSC3に第三計測断面を設定し、坑井の中心から第三計測断面までの距離を(r3a)としてその大きさで第三計測面の位置を特定する。そして、上記と同じ要領で第三計測断面の鉛直方向の径(d3a|φ=0)の長さと、第三計測断面の水平方向の径(d3a|φ=90)の長さとを測定する。その測定結果をグラフにプロットし、最小二乗法等により近似曲線を求めると、最大値及び最小値の特徴はサイドウォールコアSC2と同じように現れる。
次に、サイドウォールコアSC3に、坑井の中心から第三計測断面よりもさらに離間した位置に第四計測断面の位置を設定し、坑井の中心から第四計測断面までの距離を(r3b)としてその大きさで第四計測面を特定する。そして、上記と同じ要領で第四計測断面の鉛直方向の径(d3b|φ=0)の長さと、水平方向の径(d3b|φ=90)の長さとを測定する。その測定結果をグラフにプロットし、最小二乗法等により近似曲線を求めると、最大値及び最小値の特徴は、やはりサイドウォールコアSC2と同じように現れる。
サイドウォールコアSC2、SC3の掘削方向は、第一実施形態に説明した手法により、坑井の基準方位に対してサイドウォールコアSC2の掘削方向がなす角度を(β2)とし、さらに基準方位に対してサイドウォールコアSC3の掘削方向がなす角度を(β3)として特定することができる。
ここからは、地表からある深度に存在する地殻地盤から取得した二つのサイドウォールコアSC2、SC3を観察して得られた情報をもとに、二つのコアを取得した地殻地盤に作用する三次元応力要素を求める。
まず、鉛直応力(SV)の大きさは土被り圧として第一実施形態の要領で求めることができる。
次に、サイドウォールコアSC2が地中に存在していたとき第一計測断面の辺りに作用していた水平応力(σθ)と、同じく第一計測断面の辺りに作用していた鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β2)は、応力集中を考慮すると、下記の式(6)で表すことができる。なお、式(6)において、鉛直方向の径(d2a|φ=0)が水平方向の径(d2a|φ=90)よりも短いときは、サイドウォールコアSC2における第一計測断面の最小径(dmin)の長さは鉛直方向の径(d2a|φ=0)の長さとし、鉛直方向の径(d2a|φ=0)が水平方向の径(d2a|φ=90)よりも長いときは、サイドウォールコアSC2における第一計測断面の最小径(dmin)の長さは水平方向の径(d2a|φ=90)の長さとする。
Figure 0006332653
また、サイドウォールコアSC2が地中に存在していたとき第二計測断面の辺りに作用していた水平応力(σθ)と、同じく第二計測断面の辺りに作用していた鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β2)は、応力集中を考慮すると、下記の式(7)で表すことができる。なお、式(7)において、鉛直方向の径(d2b|φ=0)が水平方向の径(d2b|φ=90)よりも短いときは、サイドウォールコアSC2における第二計測断面の最小径(dmin)の長さは鉛直方向の径(d2b|φ=0)の長さとし、鉛直方向の径(d2b|φ=0)が水平方向の径(d2b|φ=90)よりも長いときは、サイドウォールコアSC2における第二計測断面の最小径(dmin)の長さは水平方向の径(d2b|φ=90)の長さとする。
Figure 0006332653
サイドウォールコアSC3が地中に存在していたとき第三計測断面の辺りに作用していた水平応力(σθ)と、同じく第三計測断面の辺りに作用していた鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β3)は、応力集中を考慮すると、下記の式(8)で表すことができる。なお、式(8)において、鉛直方向の径(d3a|φ=0)が水平方向の径(d3a|φ=90)よりも短いときは、サイドウォールコアSC3における第三計測断面の最小径(dmin)の長さは鉛直方向の径(d3a|φ=0)の長さとし、鉛直方向の径(d3a|φ=0)が水平方向の径(d3a|φ=90)よりも長いときは、サイドウォールコアSC3における第三計測断面の最小径(dmin)の長さは水平方向の径(d3a|φ=90)の長さとする。
Figure 0006332653
サイドウォールコアSC3が地中に存在していたとき第四計測断面の辺りに作用していた水平応力(σθ)と、同じく第四計測断面の辺りに作用していた鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β3)は、応力集中を考慮すると、下記の式(9)で表すことができる。なお、式(9)において、鉛直方向の径(d3b|φ=0)が水平方向の径(d3b|φ=90)よりも短いときは、サイドウォールコアSC3における第四計測断面の最小径(dmin)の長さは鉛直方向の径(d3b|φ=0)の長さとし、鉛直方向の径(d3b|φ=0)が水平方向の径(d3b|φ=90)よりも長いときは、サイドウォールコアSC3における第四計測断面の最小径(dmin)の長さは水平方向の径(d3b|φ=90)の長さとする。
Figure 0006332653
三次元応力要素のうち、残りの最大水平応力(SHmax)、最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)の作用する方向が基準方位に対してなす角度(α)は、式(6)、(7)、(8)及び(9)を連立方程式として、望ましくは非線形最小二乗法によって求めることができる。
本発明に係る地殻応力測定方法の第三実施形態によれば、二つのサイドウォールコアSC2、SC3から得られる情報を組み合わせて、上記ある深度における地殻地盤に作用している三方向応力の大きさを測定し、これらを基に地殻地盤の応力状態を評価することができる。ボーリングコアは、坑井掘削時に断片的に取得されるため、後に主応力測定を実施したい深度で取得されたボーリングコアが存在しない場合があるが、サイドウォールコアは、坑井掘削後に必要に応じて如何なる深度においても取得することが可能である。したがって、本実施形態によれば、ボーリングコアの有無に関係なく、地中の如何なる深度においても三方向応力の大きさを測定することが可能であり、地殻地盤の全域にわたってその性状を高い精度で正確に把握することができる。つまり、第三実施形態によれば、上記第一実施形態と同様に、石油、天然ガス等の地下化石燃料の採取を効率よく行うことが可能となり、さらに大深度における岩盤応力を把握することが非常に重要な各種プロジェクトにおいて、本発明を実施することで岩盤応力の測定を精度よく実施することが可能となる。
(第四実施形態)
次に、図8を参照して本発明に係る地殻応力測定方法の第四実施形態について詳細に説明する。なお、上記第一、第二及び第三実施形態において詳述した事項については本実施形態では簡略な説明に留める場合がある。
本実施形態では、地表からある深度に存在する地殻地盤から取得した三つのサイドウォールコアSC4、SC5及びSC6を観察して得られた情報をもとに、同コアを取得した地殻地盤に作用する三次元応力要素を求める。
まず、図8に示すように、上記第一実施形態の要領で、地表からある深度において坑井の内側面から該坑井の掘削方向に直交する方向、すなわち水平面内のある方向に地盤をくり抜いて、円柱状のサイドウォールコア(第四サイドウォールコア)SC4を取得する。サイドウォールコアSC4を取得する地盤には、当然のごとく最大水平応力(SHmax)、最小水平応力(Shmin)、鉛直応力(SV)が作用しているため、サイドウォールコアSC4を地盤からくり抜いて坑井から取り出すと、そのサイドウォールコアSC4は、サイドウォールコアSC1、SC2及びSC3と同様に断面形状が変化する。
サイドウォールコアSC4に計測断面を設定し、上記第三実施形態と同じ要領でその計測断面の鉛直方向の径(d4|φ=0)の長さと、水平方向の径(d4|φ=90)の長さとを測定する。その測定結果をグラフにプロットし、最小二乗法等により近似曲線を求めると、最大値及び最小値の特徴はサイドウォールコアSC1、SC2及びSC3と同じように現れる。
次に、サイドウォールコアSC4を取得したのと同じ地表からある深度において、坑井の内側面からサイドウォールコアSC4の掘削方向とは異なる水平な方向に地盤をくり抜いて、円柱状のサイドウォールコア(第五サイドウォールコア)SC5を取得する。サイドウォールコアSC5も、サイドウォールコアSC4と同様に断面形状が変化する。
サイドウォールコアSC5に計測断面を設定し、上記と同じ要領でその計測断面の鉛直方向の径(d5|φ=0)の長さと、水平方向の径(d5|φ=90)の長さとを測定する。その測定結果をグラフにプロットし、最小二乗法等により近似曲線を求めると、最大値及び最小値の特徴はサイドウォールコアSC4と同じように現れる。
次に、サイドウォールコアSC4及びSC5を取得したのとほぼ同じ地表からある深度において、坑井の内側面からサイドウォールコアSC4の掘削方向とも、サイドウォールコアSC5の掘削方向とも異なる水平な方向に地盤をくり抜いて、円柱状のサイドウォールコア(第六サイドウォールコア)SC6を取得する。サイドウォールコアSC6も、サイドウォールコアSC4及びSC5と同様に断面形状が変化する。
サイドウォールコアSC6に計測断面を設定し、上記と同じ要領でその計測断面の鉛直方向の径(d6|φ=0)の長さと、水平方向の径(d6|φ=90)の長さとを測定する。その測定結果をグラフにプロットし、最小二乗法等により近似曲線を求めると、最大値及び最小値の特徴はサイドウォールコアSC4及びSC5と同じように現れる。
サイドウォールコアSC4、SC5及びSC6の掘削方向は、第一実施形態に説明した手法により、坑井の基準方位に対してサイドウォールコアSC4の掘削方向がなす角度を(β4)とし、坑井の基準方位に対してサイドウォールコアSC5の掘削方向がなす角度を(β5)とし、さらに基準方位に対してサイドウォールコアSC6の掘削方向がなす角度を(β6)として特定することができる。
ここからは、地表からある深度に存在する地殻地盤から取得した三つのサイドウォールコアSC4、SC5及びSC6を観察して得られた情報をもとに、三つのコアを取得した地殻地盤に作用する三次元応力要素を求める。
まず、鉛直応力(SV)の大きさは土被り圧として第一実施形態の要領で求めることができる。
次に、サイドウォールコアSC4が地中に存在していたとき計測断面の辺りに作用していた水平応力(σθ)と、同じく計測断面の辺りに作用していた鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β4)は、応力集中を考慮しなければ、下記の式(10)で表すことができる。なお、式(10)において、鉛直方向の径(d4|φ=0)が水平方向の径(d4|φ=90)よりも短いときは、サイドウォールコアSC4における計測断面の最小径(dmin)の長さは鉛直方向の径(d4|φ=0)の長さとし、鉛直方向の径(d4|φ=0)が水平方向の径(d4|φ=90)よりも長いときは、サイドウォールコアSC4における計測断面の最小径(dmin)の長さは水平方向の径(d4|φ=90)の長さとする。
Figure 0006332653
次に、サイドウォールコアSC5が地中に存在していたとき計測断面の辺りに作用していた水平応力(σθ)と、同じく計測断面の辺りに作用していた鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β5)は、応力集中を考慮しなければ、下記の式(11)で表すことができる。なお、式(11)において、鉛直方向の径(d5|φ=0)が水平方向の径(d5|φ=90)よりも短いときは、サイドウォールコアSC5における計測断面の最小径(dmin)の長さは鉛直方向の径(d5|φ=0)の長さとし、鉛直方向の径(d5|φ=0)が水平方向の径(d5|φ=90)よりも長いときは、サイドウォールコアSC5における計測断面の最小径(dmin)の長さは水平方向の径(d5|φ=90)の長さとする。
Figure 0006332653
次に、サイドウォールコアSC6が地中に存在していたとき計測断面の辺りに作用していた水平応力(σθ)と、同じく計測断面の辺りに作用していた鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β6)は、応力集中を考慮しなければ、下記の式(12)で表すことができる。なお、式(11)において、鉛直方向の径(d6|φ=0)が水平方向の径(d6|φ=90)よりも短いときは、サイドウォールコアSC6における計測断面の最小径(dmin)の長さは鉛直方向の径(d6|φ=0)の長さとし、鉛直方向の径(d6|φ=0)が水平方向の径(d6|φ=90)よりも長いときは、サイドウォールコアSC6における計測断面の最小径(dmin)の長さは水平方向の径(d6|φ=90)の長さとする。
Figure 0006332653
三次元応力要素のうち、残りの最大水平応力(SHmax)、最大水平応力(SHmax)及び最小水平応力(Shmin)の作用する方向が基準方位に対してなす角度(α)は、式(10)、(11)及び(12)を連立方程式として、望ましくは非線形連立方程式の解法によって求めることができる。
本発明に係る地殻応力測定方法の第四実施形態によれば、三つのサイドウォールコアSC4、SC5及びSC6から得られる情報を組み合わせて、上記ある深度における地殻地盤に作用している三方向応力の大きさを測定し、これらを基に地殻地盤の応力状態を評価することができる。ボーリングコアは、坑井掘削時に断片的に取得されるため、後に主応力測定を実施したい深度で取得されたボーリングコアが存在しない場合があるが、サイドウォールコアは、坑井掘削後に必要に応じて如何なる深度においても取得することが可能である。したがって、本実施形態によれば、ボーリングコアの有無に関係なく、地中の如何なる深度においても三方向応力の大きさを測定することが可能であり、地殻地盤の全域にわたってその性状を高い精度で正確に把握することができる。つまり、第四実施形態によれば、上記第一実施形態と同様に、石油、天然ガス等の地下化石燃料の採取を効率よく行うことが可能となり、さらに大深度における岩盤応力を把握することが非常に重要な各種プロジェクトにおいて、本発明を実施することで岩盤応力の測定を精度よく実施することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変更が可能である。
G 地殻地盤
1 本坑(坑井)
BC1 ボーリングコア
SC1〜SC6 サイドウォールコア

Claims (6)

  1. 地殻を構成する地盤に作用する三次元応力要素を測定する地殻応力測定方法であって、
    地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する地盤を前記坑井の掘削方向にくり抜いて取得した円柱状のボーリングコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の基準円直径に対する歪み量が最も大きい最大径(Dmax)の長さと、前記基準円直径に対する歪み量が最も小さい最小径(Dmin)の長さとを測定し、
    前記所定深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第一サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d1|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d1|φ=90)の長さを計測し、
    前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)と最小水平応力(Shmin)との差応力(ΔS)を表す下記式
    Figure 0006332653
    及び前記第一サイドウォールコアの長手方向に直交する水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β1)を表す下記式
    Figure 0006332653
    により、前記三次元応力要素のうち前記最大水平応力(SHmax)と、前記最小水平応力(Shmin)とを求める地殻応力測定方法。
    ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
    E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
    V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
    α:坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度、すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位
    β1:坑井掘削時の基準方位に対して第一サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
    ただし、d1|φ=0<d1|φ=90のときはdmin=d1|φ=0であり、d1|φ=0>d1|φ=90のときはdmin=d1|φ=90である。
  2. 地殻を構成する地盤に作用する三次元応力要素を測定する地殻応力測定方法であって、
    地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する地盤を前記坑井の掘削方向にくり抜いて取得した円柱状のボーリングコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の基準円直径に対する歪み量が最も大きい最大径(Dmax)の長さと、前記基準円直径に対する歪み量が最も小さい最小径(Dmin)の長さとを測定し、
    前記所定深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第一サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d1’|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d1’|φ=90)の長さを測定し、
    前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)と最小水平応力(Shmin)との差応力(ΔS)を表す下記式
    Figure 0006332653
    及び前記第一サイドウォールコアの長手方向に直交する水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β1)を表す下記式
    Figure 0006332653
    により、前記三次元応力要素のうち前記最大水平応力(SHmax)と、前記最小水平応力(Shmin)とを求める地殻応力測定方法。
    ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
    E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
    V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
    α:坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度、すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位
    β1:坑井掘削時の基準方位に対して第一サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
    R:坑井の半径、
    1:坑井の中心から第一サイドウォールコアの計測断面までの距離
    ただし、d1’|φ=0<d1’|φ=90のときはdmin=d1’|φ=0であり、d1’|φ=0>d1’|φ=90のときはdmin=d1’|φ=90である。
  3. 地殻を構成する地盤に作用する三次元応力要素を測定する地殻応力測定方法であって、
    地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第一サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d1’|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d1’|φ=90)の長さを測定し、
    前記第一サイドウォールコアの長手方向に直交する水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β1)を表す下記式
    Figure 0006332653
    により、前記三次元応力要素のうち前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)を求める地殻応力測定方法。
    ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
    E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
    V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
    hmin:所定深さの地盤に作用する最小水平応力
    α:坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度、すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位
    β1:坑井掘削時の基準方位に対して第一サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
    R:坑井の半径、
    1:坑井の中心から第一サイドウォールコアの計測断面までの距離
    ただし、d1’|φ=0<d1’|φ=90のときはdmin=d1’|φ=0であり、d1’|φ=0>d1’|φ=90のときはdmin=d1’|φ=90である。
  4. 地殻を構成する地盤に作用する三次元応力要素を測定する地殻応力測定方法であって、
    地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第二サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した第一計測断面の形状から、該第一計測断面の鉛直方向の径(d2a|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d2a|φ=90)の長さを測定するとともに、前記第二サイドウォールコアの、前記第一計測断面とは異なる第二計測断面の鉛直方向の径(d2b|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d2b|φ=90)の長さを測定し、
    前記地盤を、前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とも、前記第二サイドウォールコアの掘削方向とも異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第三サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した第三計測断面の形状から、該第三計測断面の鉛直方向の径(d3a|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d3a|φ=90)の長さを測定するとともに、前記第三サイドウォールコアの、前記第三計測断面とは異なる第四計測断面の鉛直方向の径(d3b|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d3b|φ=90)の長さを測定し、
    前記第二サイドウォールコアの第一計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β2)を表す下記式
    Figure 0006332653
    前記第二サイドウォールコアの第二計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β2)を表す下記式
    Figure 0006332653
    前記第三サイドウォールコアの第三計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β3)を表す下記式
    Figure 0006332653
    及び前記第三サイドウォールコアの第四計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β3)を表す下記式
    Figure 0006332653
    により、前記三次元応力要素のうち前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)と、最小水平応力(Shmin)と、坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度(α)すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位とを求める地殻応力測定方法。
    ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
    E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
    V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
    β2:坑井掘削時の基準方位に対して第二サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
    β3:坑井掘削時の基準方位に対して第三サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
    R:坑井の半径、
    2a:坑井の中心から第二サイドウォールコアの第一計測断面までの距離、
    2b:坑井の中心から第二サイドウォールコアの第二計測断面までの距離、
    3a:坑井の中心から第三サイドウォールコアの第三計測断面までの距離、
    3b:坑井の中心から第三サイドウォールコアの第四計測断面までの距離、
    ただし、d2a|φ=0<d2a|φ=90のときはdmin=d2a|φ=0であり、d2a|φ=0>d2a|φ=90のときはdmin=d2a|φ=90であり、
    式(7)においては、d2b|φ=0<d2b|φ=90のときはdmin=d2b|φ=0であり、d2b|φ=0>d2b|φ=90のときはdmin=d2b|φ=90であり、
    式(8)においては、d3a|φ=0<d3a|φ=90のときはdmin=d3a|φ=0であり、d3a|φ=0>d3a|φ=90のときはdmin=d3a|φ=90であり、
    式(9)においては、d3b|φ=0<d3b|φ=90のときはdmin=d3b|φ=0であり、d3b|φ=0>d3b|φ=90のときはdmin=d3b|φ=90である。
  5. 地殻を構成する地盤に作用する三次元応力要素を測定する地殻応力測定方法であって、
    地盤に掘削された坑井において地表から所定の深さに位置する前記地盤を前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とは異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第四サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d4|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d4|φ=90)の長さを測定し、
    前記地盤を、前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とも、前記第四サイドウォールコアの掘削方向とも異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第五サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d5|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d5|φ=90)の長さを測定し、
    前記地盤を、前記坑井の内側面から該坑井の掘削方向とも、前記第四サイドウォールコア及び前記第五サイドウォールコアの掘削方向とも異なる方向にくり抜いて取得した円柱状の第六サイドウォールコアの、長手方向に直交する方向に設定した計測断面の形状から、該計測断面の鉛直方向の径(d6|φ=0)の長さ及び水平方向の径(d6|φ=90)の長さを測定し、
    前記第四サイドウォールコアの計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β4)を表す下記式
    Figure 0006332653
    前記第五サイドウォールコアの計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β5)を表す下記式
    Figure 0006332653
    及び前記第六サイドウォールコアの計測断面における水平応力(σθ)と鉛直応力(σV)との差応力(Δσ|β6)を表す下記式
    Figure 0006332653
    により、前記三次元応力要素のうち前記所定深さの前記地盤に作用する最大水平応力(SHmax)と、最小水平応力(Shmin)と、坑井掘削時の基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度(α)すなわち地盤に作用する最大水平応力の方位とを求める地殻応力測定方法。
    ここで、以下の変数の大きさは既知とする。
    E:地盤のヤング率、ν:地盤のポアソン比、
    V:所定深さの地盤に作用する鉛直応力、
    β4:坑井掘削時の基準方位に対して第四サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
    β5:坑井掘削時の基準方位に対して第五サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
    β6:坑井掘削時の基準方位に対して第六サイドウォールコアの掘削方向がなす角度、
    ただし、d4|φ=0<d4|φ=90のときはdmin=d4|φ=0であり、d4|φ=0>d4|φ=90のときはdmin=d4|φ=90であり、
    d5|φ=0<d5|φ=90のときはdmin=d5|φ=0であり、d5|φ=0>d5|φ=90のときはdmin=d5|φ=90であり、
    d6|φ=0<d6|φ=90のときはdmin=d6|φ=0であり、d6|φ=0>d6|φ=90のときはdmin=d6|φ=90である。
  6. 前記坑井掘削時の基準方位と、前記ボーリングコアの前記計測断面において最大径(Dmax)の方向とがなす角度を、前記基準方位に対して最大水平応力の作用方向がなす角度(α)とみなす請求項1又は2に記載の地殻応力測定方法。
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