JP6331009B2 - 揚水井戸構造 - Google Patents

揚水井戸構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6331009B2
JP6331009B2 JP2014076573A JP2014076573A JP6331009B2 JP 6331009 B2 JP6331009 B2 JP 6331009B2 JP 2014076573 A JP2014076573 A JP 2014076573A JP 2014076573 A JP2014076573 A JP 2014076573A JP 6331009 B2 JP6331009 B2 JP 6331009B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aquifer
gravel
water
open end
well structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014076573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015197014A (ja
Inventor
石田 道彦
道彦 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2014076573A priority Critical patent/JP6331009B2/ja
Publication of JP2015197014A publication Critical patent/JP2015197014A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6331009B2 publication Critical patent/JP6331009B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Prevention Of Fouling (AREA)

Description

本発明は、地下水を揚水するための揚水井戸構造に関する。
地下水を揚水するための井戸は、飲用水に代表される生活用途をはじめ、農業用水や工業用水などの産業用途、土壌汚染調査のための観測用途、さらには地下水位低下工法などの工事用途といった様々な用途に用いられている。
このような揚水井戸は概ね、下端が帯水層に到達するように地盤に埋設された井戸管と該井戸管内に集水された地下水を揚水する揚水ポンプとで構成されるが、かかる井戸管の下端近傍は、地下水とともに粒径の小さな土粒子が井戸管内に流入しないよう、スクリーン(ストレーナとも呼ばれる)で構成してある。
スクリーンは、例えば有孔管の外周面を網巻きして構成することが可能であり、地盤に形成された掘削孔との間には、孔壁の崩落防止と砂の流入防止とを兼ねたグラベルパッキングと呼ばれる砂利充填が行われる。
かかる構成においては、粒径の大きな土粒子が主として砂利で、粒径の小さな土粒子が主としてスクリーンでそれぞれ遮断されるため、土粒子が地下水とともに井戸管内に流入するのを防止することができる。
ここで、上述の井戸を長期間使用していると、スクリーンが粒径の小さな土粒子や錆等の析出物で目詰まりし、揚水能力が低下するため、揚水ポンプを一時的に撤去した上、スクリーンを内側からワイヤーブラシや高圧水噴射で洗浄していた。
特開2010−221137号公報 特開2001−193106号公報
しかしながら、上述した目詰まり除去方法では、揚水ポンプを一時撤去したり、洗浄のための設備機器を吊り降ろしたりする作業が必要不可欠となるため、規模が小さな揚水井戸では、維持費用が割高になるという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、揚水時の土粒子流入を簡易な構造で防止しかつ保守することが可能な揚水井戸構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る揚水井戸構造は請求項1に記載したように、無孔管をその開放端が下向きとなるようにほぼ鉛直姿勢で地盤に形成された掘削孔に立て込むとともに、該掘削孔の底部に積み上げる形で前記無孔管の開放端近傍であってその内部空間に第1の透水性材料を充填した揚水井戸構造であって、前記掘削孔をその底部が前記地盤内の帯水層の下面境界近傍又はそれより下方となるように形成するとともに、前記無孔管の開放端を前記帯水層の上面境界近傍より下方となるようにかつ前記第1の透水性材料の天端を前記帯水層の上面境界近傍よりも下方となるようにそれぞれ位置決めし、前記無孔管の外周面と前記掘削孔の孔壁に囲まれた環状空間であって前記帯水層の上面境界近傍以下の高さ範囲に第2の透水性材料を充填することで、揚水によって動水勾配が生じたとき、前記帯水層から前記掘削孔に流入した地下水が、前記第2の透水性材料の間隙を下降して前記無孔管の開放端を回り込むようにしてその下方から前記内部空間に流入し前記第1の透水性材料の間隙を上昇するようになっているものである。
また、本発明に係る揚水井戸構造は、前記掘削孔をその底部が前記地盤内の帯水層の下面境界より下方となるように形成するとともに、前記無孔管の開放端を前記帯水層の下面境界近傍となるように位置決めしたものである。
参考発明に係る揚水井戸構造においては、無孔管をその開放端が下向きとなるようにほぼ鉛直姿勢で地盤に形成された掘削孔に立て込むとともに、該掘削孔の底部に積み上げる形で、無孔管の開放端近傍であってその内部空間に第1の透水性材料を充填してある。
このようにすると、揚水によって動水勾配が生じたとき、周囲の地下水は、無孔管の開放端である下端を回り込むようにして下方から無孔管の内部空間に流入した後、第1の透水性材料の間隙を上昇し、しかる後、該第1の透水性材料の天端から湧水する。
ここで、地下水に混入している土粒子のうち、比較的粒径が大きな土粒子は、自重により、あるいは第1の透水性材料と衝突することで、その間隙を介した上昇が阻止され、無孔管の内部空間には流入しない。
一方、比較的粒径が小さな土粒子は、第1の透水性材料の間隙を地下水とともに上昇し、その天端から無孔管の内部空間に流入するが、自重によって第1の透水性材料の天端に沈降する。そして、沈降した土粒子は、従来のようなスクリーンの目詰まりとは異なり、ブラッシングや高圧洗浄といった力を作用させずとも、吸引によって容易に除去できる状態となる。
したがって、第1の透水性材料の天端に沈降した土粒子を随時吸引除去するようにすれば、揚水能力を一定に維持しあるいは速やかに回復させることができる。
無孔管は、開放端である下端から地下水を流入させることができる限り、設置の仕方は任意であるが、例えば、上述の掘削孔を、その底部が地盤内の帯水層の下面境界近傍となるように形成するとともに、無孔管の開放端を該帯水層の上面境界近傍となるように位置決めした構成とすることができる。
このようにすると、第1の透水性材料が、帯水層に形成された孔壁で囲まれた円柱状空間に充填され、該円柱状空間が透水性の高い領域となって集水能力を高めるため、帯水層の孔壁を介して全方位から円柱状空間に地下水が流入しやすくなる。
本発明に係る揚水井戸構造においては、上述の掘削孔を、その底部が地盤内の帯水層の下面境界近傍又はそれより下方となるように形成するとともに、無孔管の開放端を帯水層の上面境界近傍より下方となるようにかつ第1の透水性材料の天端を帯水層の上面境界近傍よりも下方となるようにそれぞれ位置決めし、その上で、無孔管の外周面と掘削孔の孔壁に囲まれた環状空間であって帯水層の上面境界近傍以下の高さ範囲に第2の透水性材料を充填することにより、揚水によって動水勾配が生じたとき、帯水層から掘削孔に流入した地下水が、第2の透水性材料の間隙を下降して無孔管の開放端を回り込むようにしてその下方から内部空間に流入し第1の透水性材料の間隙を上昇するようになっている。
かかる構成においては、第2の透水性材料が、無孔管の外周面と帯水層に形成された孔壁とで囲まれた円筒状空間に充填され、該円筒状空間が透水性の高い領域となって集水能力を高めるため、帯水層の孔壁を介して全方位から円筒状空間に地下水が流入しやすくなる。
加えて、第1の透水性材料の天端が帯水層の上面境界近傍よりも下方となるように位置決めしてあるため、揚水ポンプの吸水側を十分低い位置に設定することが可能となり、かくして無孔管内の水位を十分に下げないと動水勾配を確保できない状況であっても、揚水が可能となる。
透水性材料は、砂利や礫で構成することが可能である。
第1実施形態に係る揚水井戸構造の鉛直断面図。 第1実施形態に係る揚水井戸構造の作用を説明した詳細鉛直断面図。 変形例に係る揚水井戸構造の鉛直断面図。 第2実施形態に係る揚水井戸構造の鉛直断面図。 第2実施形態に係る揚水井戸構造の作用を説明した詳細鉛直断面図。
以下、本発明に係る揚水井戸構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る揚水井戸構造を示した鉛直断面図である。同図に示すように、本実施形態に係る揚水井戸構造1は、地盤2に形成された掘削孔5に無孔管4を立て込んで構成してあり、地盤2内に拡がる帯水層3(本実施形態では被圧帯水層とする)の地下水を無孔管4の内部空間に流入させてこれを揚水できるようになっている。
無孔管4は、その開放端8が下向きとなるようにほぼ鉛直姿勢で掘削孔5に立て込んであるとともに、無孔管4の姿勢安定と掘削孔5の孔壁崩落防止を兼ねて、無孔管4の外周面と掘削孔5の孔壁との間には、砂利6を充填してある。
一方、掘削孔5は、その底部9の深さが帯水層3の下面境界近傍となるように形成してあるとともに、無孔管4は、その開放端8の深さが帯水層3の上面境界近傍となるように位置決めしてある。
ここで、掘削孔5の下端近傍に拡がる空間、すなわち帯水層3に形成された孔壁に囲まれた円柱状空間10とその上方に延びる無孔管4の開放端8近傍における内部空間11には、掘削孔5の底部9に積み上げる形で第1の透水性材料としての砂利7を充填してある。
無孔管4は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)で形成すればよい。
砂利7は、例えば粒径が2mm以上のものを用いるのが望ましい。
本実施形態に係る揚水井戸構造1を構築するには、まず、掘削孔5の底部9が帯水層3の下面境界近傍に到達するまで地盤2をボーリングマシン(図示せず)で掘り下げる。
次に、掘削孔5の地上開口から砂利7を投入し、該砂利を掘削孔5の底部9に積み上げる形で帯水層3の孔壁に囲まれた円柱状空間10に充填する。
次に、無孔管4を掘削孔5に立て込んだ後、該無孔管の上端から砂利7を投入し、該砂利を円柱状空間10に充填された砂利7の上にさらに積み上げる形で、無孔管4の開放端8近傍における内部空間11に充填する。
一方、無孔管4の外周面と掘削孔5の孔壁との間に砂利6を充填する。
本実施形態に係る揚水井戸構造1においては、掘削孔5の底部9の深さを帯水層3の下面境界近傍となるようにかつ無孔管4の開放端8の高さを該帯水層の上面境界近傍となるように位置決めすることで、円柱状空間10に砂利7を充填してある。
そのため、揚水による動水勾配が生じたとき、地下水は図2に示すように、帯水層3の孔壁21を介して全方位から円柱状空間10に流入しやすくなる。
また、本実施形態に係る揚水井戸構造1においては、無孔管4をその開放端が下向きとなるようにほぼ鉛直姿勢で掘削孔5に立て込み、円柱状空間10に充填された砂利7にさらに積み上げる形で、無孔管4の内部空間11に砂利7を充填してある。
このようにすると、帯水層3の孔壁21を介して円柱状空間10に流入した地下水はさらに、無孔管4の開放端8から該無孔管の内部空間11に流入した後、砂利7の間隙を上昇し、しかる後、該砂利の天端22から湧水する。
したがって、この湧水を図示しない揚水ポンプを使って揚水すればよい。
ここで、地下水に混入している土粒子のうち、比較的粒径が大きな土粒子は、自重により、あるいは砂利7と衝突することで、その間隙を介した上昇が阻止され、無孔管4の内部空間11には流入しない。
一方、比較的粒径が小さな土粒子は、砂利7の間隙を地下水とともに上昇し、その天端22から無孔管4の内部空間11に流入するが、流入後は、自重によって天端22に沈降する。そして、沈降した土粒子は、従来のようなスクリーンの目詰まりとは異なり、ブラッシングや高圧洗浄といった力を作用させずとも、吸引によって容易に除去できる状態となる。
したがって、一定期間経過後、揚水能力が低下するようであれば、砂利7の天端22に沈降した土粒子を上述した揚水ポンプの取水位置を下げることで吸引除去する。
このようにすれば、揚水井戸構造1の揚水能力を容易に回復させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る揚水井戸構造1によれば、無孔管4の開放端8の近傍であってその内部空間11に砂利7を充填するようにしたので、揚水によって動水勾配が生じたとき、比較的粒径が小さな土粒子は、砂利7の間隙を地下水とともに上昇した後、自重によって天端22に沈降するため、これを吸引除去することにより、揚水井戸構造1の揚水能力を容易に維持しあるいは回復させることができる。
したがって、従来のスクリーンのように、揚水ポンプを一時撤去した上、洗浄のための設備機器を吊り降ろしてスクリーンの目詰まりを除去するといった大がかりな保守点検作業を行う必要がなくなる。
また、本実施形態に係る揚水井戸構造1によれば、掘削孔5の底部9の深さが帯水層3の下面境界近傍となるように該掘削孔を形成するとともに、無孔管4の開放端8の高さを該帯水層の上面境界近傍となるように位置決めしたので、無孔管4の直下に位置する円柱状空間10の透水性が高まる。
これは、地下水を流入させるための部位の面積が、無孔管4の内部断面積から円柱状空間10の周面の表面積に拡大することを意味するものであり、揚水井戸構造1の集水能力が大幅に向上する。
本実施形態では、内部空間11への砂利7の充填作業の間、無孔管4の中心がずれることがないよう、円柱状空間10への砂利7の充填を先行させた上、該砂利の上に無孔管4の下端を載せるようにしたが、円柱状空間10に砂利7が充填されていなくても、無孔管4の中心を保持できるのであれば、上述の手順に代えて、無孔管4を掘削孔5に先行して立て込み、これを仮保持した状態で砂利7を投入することにより、該砂利を円柱状空間10及び内部空間11に連続充填し、しかる後、無孔管4の外周面と掘削孔5の孔壁との間に砂利6を充填するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、無孔管4の外周面と掘削孔5の孔壁との間に砂利6を充填するようにしたが、無孔管4の姿勢安定と掘削孔5の孔壁崩落防止を図ることができるのであれば、砂利6に代えて、例えば粘土を用いるようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、掘削孔5の底部9の深さが帯水層3の下面境界近傍となるように該掘削孔を形成するとともに、無孔管4の開放端8の高さを該帯水層の上面境界近傍となるように位置決めすることで、砂利7が充填された円柱状空間10を無孔管4の下端直下に設けるようにしたが、集水が可能である限り、砂利7が充填された円柱状空間10を無孔管4の下端直下に必ずしも設ける必要はない。
図3は、掘削孔5の底部9の深さが帯水層3の上面境界近傍となるように該掘削孔を形成してなる揚水井戸構造1aを示したものであり、かかる構成においては、砂利7が充填された円柱状空間10が省略されているため、上述の実施形態に比べれば、揚水井戸構造1aの集水能力が若干劣るが、天端22に沈降した土粒子を随時吸引除去することで、揚水井戸構造1aの揚水能力を一定に維持しあるいは回復させることができるという作用効果については、揚水井戸構造1と何ら変わりはない。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る揚水井戸構造を示した鉛直断面図である。同図に示すように、本実施形態に係る揚水井戸構造41は、地盤2に形成された掘削孔5に無孔管4を立て込んで構成してあり、地盤2内に拡がる帯水層3の地下水を無孔管4の内部空間に流入させてこれを揚水できるようになっている。
無孔管4は、その開放端8が下向きとなるようにほぼ鉛直姿勢で掘削孔5に立て込んであるとともに、無孔管4の姿勢安定と掘削孔5の孔壁崩落防止を兼ねて、無孔管4の外周面と掘削孔5の孔壁との間のうち、帯水層3の上面境界よりも上方の範囲には、砂利6を充填してある。
一方、掘削孔5は、帯水層3を貫通させた上、その底部9の深さが帯水層3の下面境界近傍よりも下方となるように形成してあるとともに、無孔管4は、その開放端8の深さが帯水層3の上面境界近傍より下方となるように、本実施形態では特に、下面境界近傍に位置決めしてある。
ここで、図5でよくわかるように、掘削孔5の下端近傍に拡がる空間、すなわち帯水層3直下に拡がる不透水層42に形成された孔壁53に囲まれた円柱状空間51にには、掘削孔5の底部9に積み上げる形で第1の透水性材料としての砂利7を充填してあるとともに、その上方に延びる無孔管4の開放端8近傍における内部空間11には、円柱状空間51に充填された砂利7にさらに積み上げる形で、かつ帯水層3の上面境界近傍よりも天端22が下方となるように砂利7を充填してある。
また、無孔管4の外周面と掘削孔5の孔壁に囲まれた環状空間であって帯水層3の上面境界近傍より下方の高さ範囲(以下、円筒状空間54)には、第2の透水性材料としての砂利52を充填してある。
砂利7,52は、例えば粒径が2mm以上のものを用いるのが望ましい。
本実施形態に係る揚水井戸構造41を構築するには、まず、掘削孔5の底部9が帯水層3の下面境界近傍よりも下方となる位置に到達するまで、地盤2をボーリングマシン(図示せず)で掘り下げる。
次に、掘削孔5の地上開口から砂利7を投入し、該砂利を掘削孔5の底部9に積み上げる形で不透水層42の孔壁53に囲まれた円柱状空間51に充填する。
次に、無孔管4を掘削孔5に立て込み、次いで、無孔管4の上端から砂利7を投入し、該砂利を円柱状空間51に充填された砂利7の上にさらに積み上げる形で、無孔管4の開放端8近傍における内部空間11に充填する。
ここで、内部空間11については、砂利7の天端22が帯水層3の上面境界近傍よりも下方となるように該砂利を内部空間11に充填する。
一方、円筒状空間54には砂利52を、その上方、すなわち無孔管4の外周面と掘削孔5の孔壁との環状空間であって帯水層3の上面境界近傍以上となる範囲には砂利6をそれぞれ充填する。
本実施形態に係る揚水井戸構造41においては、円筒状空間54に砂利52を充填してあるとともに、不透水層42の孔壁53に囲まれた円柱状空間51に砂利7を充填してある。
そのため、揚水による動水勾配が生じたとき、地下水は図5に示すように、帯水層3の孔壁21を介して全方位から円筒状空間54に流入し、さらに同図矢印で示すように下方に流れて円柱状空間51に流入しやすくなる。
また、本実施形態に係る揚水井戸構造41においては、無孔管4をその開放端が下向きとなるようにほぼ鉛直姿勢で掘削孔5に立て込み、円柱状空間51に充填された砂利7にさらに積み上げる形で、無孔管4の内部空間11に砂利7を充填してある。
このようにすると、揚水によって動水勾配が生じたとき、図5に示すように、帯水層3の孔壁21から流入し円筒状空間54を流下して円柱状空間51に到達した地下水はさらに、無孔管4の開放端8を回り込むようにしてその下方から該無孔管の内部空間11に流入した後、砂利7の間隙を上昇し、しかる後、該砂利の天端22から湧水する。
したがって、この湧水を揚水ポンプ55を使って揚水すればよい。
ここで、地下水に混入している土粒子のうち、比較的粒径が大きな土粒子は、自重により、あるいは砂利7と衝突することで、その間隙を介した上昇が阻止され、無孔管4の内部空間11には流入しない。
一方、比較的粒径が小さな土粒子は、砂利7の間隙を地下水とともに上昇し、その天端22から無孔管4の内部空間11に流入するが、その後は、自重によって天端22に沈降する。そして、沈降した土粒子は、従来のようなスクリーンの目詰まりとは異なり、ブラッシングや高圧洗浄といった力を作用させずとも、吸引によって容易に除去できる状態となる。
したがって、一定期間経過後、揚水能力が低下するようであれば、砂利7の天端22に沈降した土粒子を揚水ポンプ55の取水位置を下げることで吸引除去する。
このようにすれば、揚水井戸構造41の揚水能力を容易に回復させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る揚水井戸構造41によれば、無孔管4の開放端8の近傍であってその内部空間11に砂利7を充填するようにしたので、揚水によって動水勾配が生じたとき、比較的粒径が小さな土粒子は、砂利7の間隙を地下水とともに上昇した後、自重によって天端22に沈降するため、これを吸引除去することにより、揚水井戸構造41の揚水能力を容易に維持しあるいは回復させることができる。
したがって、従来のスクリーンのように、揚水ポンプを一時撤去した上、洗浄のための設備機器を吊り降ろしてスクリーンの目詰まりを除去するといった大がかりな保守点検作業を行う必要がなくなる。
また、本実施形態に係る揚水井戸構造41によれば、掘削孔5の底部9の深さが帯水層3の下面境界近傍より下方となるように該掘削孔を形成するとともに、無孔管4の開放端8の高さを該帯水層の下面境界近傍となるように位置決めしたので、無孔管4の下端周囲に位置する円筒状空間54とその直下に位置する円柱状空間51の透水性が高まる。
これは、地下水を流入させるための部位の面積が、無孔管4の内部断面積から円筒状空間54の周面の表面積に拡大することを意味するものであり、揚水井戸構造41の集水能力が大幅に向上する。
また、本実施形態に係る揚水井戸構造41によれば、無孔管4の開放端8近傍における内部空間11に充填された砂利7の天端22を帯水層3の上面境界近傍よりも下方となるように位置決めしたので、揚水ポンプ55を十分低い位置に据え付けることが可能となり、かくして無孔管4内の水位を十分に下げないと動水勾配を確保できない状況であっても、揚水が可能となる。
本実施形態では、内部空間11への砂利7の充填作業の間、無孔管4の中心がずれることがないよう、円柱状空間51への砂利7の充填を先行させた上、該砂利の上に無孔管4の下端を載せるようにしたが、円柱状空間51に砂利7が充填されていなくても、無孔管4の中心を保持できるのであれば、上述の手順に代えて、無孔管4を掘削孔5に先行して立て込み、これを仮保持した状態で砂利7を投入することにより、該砂利を円柱状空間51及び内部空間11に連続充填し、しかる後、無孔管4の外周面と掘削孔5の孔壁との間に砂利52及び砂利6を充填するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、無孔管4の外周面と掘削孔5の孔壁との間に砂利6を充填するようにしたが、無孔管4の姿勢安定と掘削孔5の孔壁崩落防止を図ることができるのであれば、砂利6に代えて、例えば粘土を用いるようにしてもかまわない。
1,1a,41 揚水井戸構造
2 地盤
3 帯水層
4 無孔管
5 掘削孔
7 砂利(第1の透水性材料)
8 開放端、下端
9 底部
10 円柱状空間
11 内部空間
21,53 孔壁
22 天端
52 砂利(第2の透水性材料)
54 円筒状空間

Claims (2)

  1. 無孔管をその開放端が下向きとなるようにほぼ鉛直姿勢で地盤に形成された掘削孔に立て込むとともに、該掘削孔の底部に積み上げる形で前記無孔管の開放端近傍であってその内部空間に第1の透水性材料を充填した揚水井戸構造であって、前記掘削孔をその底部が前記地盤内の帯水層の下面境界近傍又はそれより下方となるように形成するとともに、前記無孔管の開放端を前記帯水層の上面境界近傍より下方となるようにかつ前記第1の透水性材料の天端を前記帯水層の上面境界近傍よりも下方となるようにそれぞれ位置決めし、前記無孔管の外周面と前記掘削孔の孔壁に囲まれた環状空間であって前記帯水層の上面境界近傍以下の高さ範囲に第2の透水性材料を充填することで、揚水によって動水勾配が生じたとき、前記帯水層から前記掘削孔に流入した地下水が、前記第2の透水性材料の間隙を下降して前記無孔管の開放端を回り込むようにしてその下方から前記内部空間に流入し前記第1の透水性材料の間隙を上昇するようになっていることを特徴とする揚水井戸構造。
  2. 前記掘削孔をその底部が前記地盤内の帯水層の下面境界より下方となるように形成するとともに、前記無孔管の開放端を前記帯水層の下面境界近傍となるように位置決めした請求項1記載の揚水井戸構造。
JP2014076573A 2014-04-02 2014-04-02 揚水井戸構造 Expired - Fee Related JP6331009B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076573A JP6331009B2 (ja) 2014-04-02 2014-04-02 揚水井戸構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076573A JP6331009B2 (ja) 2014-04-02 2014-04-02 揚水井戸構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015197014A JP2015197014A (ja) 2015-11-09
JP6331009B2 true JP6331009B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=54546870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014076573A Expired - Fee Related JP6331009B2 (ja) 2014-04-02 2014-04-02 揚水井戸構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6331009B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6789190B2 (ja) * 2017-07-31 2020-11-25 サントリーホールディングス株式会社 井戸管内のサニテーション装置およびサニテーション方法
CN108568449B (zh) * 2018-03-22 2020-10-09 水利部交通运输部国家能源局南京水利科学研究院 一种污染土壤原位修复装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2678190B2 (ja) * 1988-09-09 1997-11-17 清水建設株式会社 揚水試験井戸の施工方法
JP2541786Y2 (ja) * 1991-11-08 1997-07-16 清水建設株式会社 帯水層別揚水装置
JP3435528B2 (ja) * 1995-05-17 2003-08-11 清水建設株式会社 揚水装置
JP3629676B2 (ja) * 1999-04-09 2005-03-16 清水建設株式会社 帯水層の多重観測井及びその施工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015197014A (ja) 2015-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4856590A (en) Process for washing through filter media in a production zone with a pre-packed screen and coil tubing
JP5724222B2 (ja) 揚水ユニット、軟弱土壌改良工法、地盤掘削工法、汚染土壌浄化工法、及び復水工法
CN205152968U (zh) 一种降水管井构造
CN101736732A (zh) 超深基坑承压水的减压降水施工方法
CN107460885A (zh) 一种深基坑减压井及其施工方法
CN112253070B (zh) 厚煤层顶底部联动水平井分段造缝洗煤消突方法
CN109183824A (zh) 自平衡沉箱(井)及其工艺
JP6331009B2 (ja) 揚水井戸構造
JPH08209754A (ja) 管内洗浄装置
WO2022174830A1 (zh) 地下水环境监测井建井方法
RU2554610C2 (ru) Способ герметизации ствола скважины и устройство для его осуществления
RU68531U1 (ru) Вертикальная дренажная система
CN211422607U (zh) 防砂管柱及采油***
JP2018091038A (ja) 既設井戸の抜管方法
JP5872960B2 (ja) 釜場の構造
JP2005120738A (ja) 取水装置
US3561534A (en) Method and apparatus for cleaning oil wells
CN115110923A (zh) 天然气水合物开采完井用复合防砂***和方法
CN204040921U (zh) 防砂采油一体管柱
CN207277350U (zh) 一种深基坑减压井
JP2004116152A (ja) ディープウエル工法
CN109630192A (zh) 一种适用于半成岩暗挖隧道施工的降水方法
RU2679772C2 (ru) Способ повторного заканчивания скважины с использованием гравийной набивки
JP2019210652A (ja) 地下水位低下工法
RU2797754C1 (ru) Модульное иглофильтрационное звено установки водопонижения

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6331009

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees