以下、本開示の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
(本開示の実施の形態の基礎となった知見)
LTEには、FDD(Frequency Division Duplex)システムとTDD(Time Division Duplex)システムとがある。FDDシステムでは、上り単位バンド(上りComponent Carrier(CC)と呼ばれることもある)と、下り単位バンド(下りCCと呼ばれることもある)とが異なる周波数帯域に割り当てられる。TDDシステムでは、下り単位バンドと上り単位バンドとが同一周波数帯域に割り当てられる。そして、時分割(time division)で下り回線(DL:downlink)と上り回線(UL:uplink)とを切り替えることによって、下り通信(downlink communication)と上り通信(uplink communication)とを行う。そのため、TDDシステムの場合、下り単位バンドは、「単位バンドにおける下り通信タイミング」とも表現できる。上り単位バンドは、「単位バンドにおける上り通信タイミング」とも表現できる。下り単位バンドと上り単位バンドとの切り替えは、例えば、図1に示すような構成パターン(UL-DL Configurations)に基づいて行われる。
どのUL-DL Configurationを用いるかは、SIB1(System Information Block Type 1)と呼ばれる報知信号を用いて移動局に通知される。図1に示す各UL-DL Configurationでは、1フレーム(10msec)ごとに、下り通信タイミングと上り通信タイミングとがサブフレーム単位(すなわち、1msec単位)で設定される。各UL-DL Configurationは、下り通信サブフレーム(Downlink Subframe)と上り通信サブフレーム(Uplink Subframe)との割合を変更することができる。これにより、下り通信に対するスループット及び上り通信に対するスループットの要求に柔軟に対応できる通信システムを構築することができる。例えば、図1は、下り通信サブフレームと上り通信サブフレームとの割合が異なる複数のUL-DL Configurations(Config#0〜6)の一例を示す。図1において、下り通信サブフレーム(DLサブフレーム)を「D」で表し、上り通信サブフレーム(ULサブフレーム)を「U」で表し、スペシャルサブフレームを「Sp」で表す。ここで、スペシャルサブフレームとは、下り通信サブフレームから上り通信サブフレームへの切り替えるためのサブフレームである。また、スペシャルサブフレームでは、下り通信サブフレームと同様、下りデータ通信が行われる場合がある。
TDDシステムでは、各UL-DL Configurationには以下のタイミングが規定されている。
− UL grant-PUSCHタイミング
− DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミング
− PUSCH-PHICH(ACK)タイミング
図1に示す破線矢印は、それぞれUL grant-PUSCHタイミングにおけるDLサブフレームとULサブフレームとの対応付けを示す。また、実線矢印は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングにおけるDLサブフレームとULサブフレームとの対応付け、又は、スペシャルサブフレームとULサブフレームとの対応付けを示す。
UL grantは、上り通信データ(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)が割り当てられるリソースを示す上り回線割当情報である。UL grantは、DLサブフレーム又はスペシャルサブフレームに配置されるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)又はEPDCCH(Enhanced PDCCH)を用いて通知される。PUSCHは、UL grantが配置されるサブフレームから4サブフレーム以降のサブフレームに配置される。これは、移動局がUL grantを受信した後、PUSCHを生成するために必要な時間を確保するためである。また、PUSCH-PHICH(ACK)タイミングにおいて、PUSCHに対するPHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)は、PUSCHが配置されるサブフレームから4サブフレーム以降のサブフレームに配置される。これは、基地局がPUSCHを復調及び復号した後、PHICHを生成するために必要な時間を確保するためである。
DL assignmentは、下り通信データ(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)が割り当てられるリソースを示す下り回線割当情報である。DL assignmentは、UL grantと同様、DLサブフレーム又はスペシャルサブフレームに配置されるPDCCH又はEPDCCHを用いて通知される。PDSCHは、DL assignmentが配置されるサブフレームと同一のサブフレームに配置される。PDSCHに対するACK/NACK(応答信号)は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングに従って、DL assignment(PDSCH)が配置されたサブフレームから4サブフレーム以降のサブフレームに配置される。これは、基地局がDL assignment を受信したのち、PDSCHを復調及び復号し、ACK/NACKを判定するために必要な時間を確保するためである。ただし、UL-DL configurations 3,4(図1に示すConfig#3, #4)では、以下の問題があるので、ACK/NACKを割り当てるべきサブフレームの位置が分散されている。Config#3, #4では、DL assignmentが配置されたDLサブフレームから4サブフレーム以降の最初のULサブフレームにACK/NACKが配置されると、複数のACK/NACKが1つのULサブフレームに集中してしまう。すなわち、多くのPDSCHsに対する複数のACK/NACKが1つのULサブフレームに集中して配置されることになる。そこで、Config#3, #4では、DL assignmentが配置されたDLサブフレームから4サブフレーム以降の最初のULサブフレームよりも後方のULサブフレームにも、ACK/NACKを割り当てる。
上記の課題について、本発明者らが鋭意検討したところ、以下の知見を見出し、本開示の実施の形態を想到するに至った。すなわち、複数の構成パターン(UL-DL Configurations)の各々は、第1の対応付け及び第2の対応付けによって関連付けられたサブフレームで構成される1つまたは複数のDL/Sp/ULセットに分解できる。各DL/Sp/ULセットは、DLサブフレーム、スペシャルサブフレーム及びULサブフレームの少なくとも一部を含む組み合わせとして定義される。そして、サブフレームをDL/Sp/ULセット単位で各基地局に割り当てれば、Single Rx/Tx capabilityを有する移動局装置がDual connectivityをサポートする場合でも、リソース割当の柔軟性を向上させることができる。
(実施の形態1)
[通信システムの構成]
本実施の形態に係る通信システムは、例えば、LTE-Advancedシステムであり、基地局100及び300と、移動局200とを有する(図2、図3参照)。例えば、基地局100はMeNBであり、基地局300はSeNBである。すなわち、基地局100は、移動局200のモビリティを管理する。
また、移動局200は、Dual connectivityをサポートし、Single Rx/Txの機能を有する。すなわち、移動局200は、基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)との間で信号を同時に送信/受信することができない。よって、基地局100と基地局300とを切り替えて信号を送信/受信する。
つまり、本実施の形態に係る通信システムでは、複数の構成パターン(UL-DL Configuration)いずれかを用いて、各サブフレームにおいて複数の基地局100,300のいずれかと移動局200とが通信を行う。各構成パターンは、1フレームを構成する複数のサブフレームを定義し、複数のサブフレームは、下り通信に用いられるDLサブフレーム及びスペシャルサブフレームと、上り通信に用いられるULサブフレームとを含む。
[基地局100,300及び移動局200の要部構成]
図2は、本実施の形態に係る基地局100,300の要部構成を示すブロック図である。信号割当部105,305は、複数の基地局100,300の各々について、eNB割当情報に基づいて、移動局200に送信する信号をそれぞれ割り当てる。eNB割当情報は、移動局200に設定されたUL-DL Configurationに含まれる複数のサブフレームの割当てを示す。信号分離部108,308は、eNB割当情報に基づいて、移動局200から送信される信号から、自局宛ての信号を分離する。
図3は、本実施の形態に係る移動局200の要部構成を示すブロック図である。移動局200において、信号分離部202は、eNB割当情報に基づいて、受信信号から、複数の基地局の各々から送信される信号をそれぞれ分離する。信号割当部209は、eNB割当情報に基づいて、複数の基地局の各々に送信する信号をそれぞれ割り当てる。
また、複数のUL-DL Configurationsの各々には、複数の第1の対応付け(UL grant-PUSCHタイミング)及び複数の第2の対応付け(DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミング)が設定される。UL grant-PUSCHタイミングは、上り回線割当情報(UL grant)が送信されるDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームと、当該UL grantによって割り当てられた信号(PUSCH)が送信されるULサブフレームとを関連付ける。さらに、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングは、下り回線割当情報(DL assignment)と当該DL assignmentによって割り当てられた信号(PDSCH)とが送信されるDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームと、当該PDSCHに対する応答信号(ACK/NACK)が送信されるULサブフレームとを関連付ける。
ここで、発明者らは、各UL-DL Configurationが、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって関連付けられた複数のサブフレームで構成されるセット(DL/Sp/ULセット)に分解できることを見出した。そして、複数の基地局の各々に対して、各UL-DL Configurationに含まれるサブフレームをDL/Sp/ULセット単位で割り当てれば、柔軟なリソース割当に有効であることを想到するにいたった。
[基地局100,300の構成]
図4は、本開示の実施の形態に係る基地局100,300の構成を示すブロック図である。
図4において、基地局100は、eNB割当情報生成部101、TA(Timing Advance)情報生成部102、誤り訂正符号化部103、変調部104、信号割当部105、送信部106、受信部107、信号分離部108、復調部109、及び、誤り訂正復号部110を有する。
図4において、基地局300は、eNB割当情報受信部301、TA情報生成部302、誤り訂正符号化部303、変調部304、信号割当部305、送信部306、受信部307、信号分離部308、復調部309、及び、誤り訂正復号部310を有する。
つまり、基地局300では、eNB割当情報受信部301以外の構成部は、基地局100の構成部と同一である。以下では、主に基地局100の各構成部の動作について説明し、基地局300の構成部のうち、基地局100と異なる構成部(eNB割当情報受信部301)についてのみ説明する。
基地局100のeNB割当情報生成部101は、MeNB(基地局100)に割り当てるDL/Sp/ULセット、及び、SeNB(基地局300)に割り当てるDL/Sp/ULセットを設定し、設定したDL/Sp/ULセットを含むeNB割当情報を生成する。eNB割当情報生成部101は、生成したeNB割当情報を上位レイヤのシグナリングとして、誤り訂正符号化部103へ出力する。また、eNB割当情報生成部101は、基地局100が信号を送受信するサブフレームを指示するために、eNB割当情報を信号割当部105及び信号分離部108へ出力する。また、eNB割当情報生成部101は、eNB割当情報を、基地局300(SeNB)のeNB割当情報受信部301に通知する。基地局100から基地局300へのeNB割当情報の通知は例えば、X2インターフェース、Xnインターフェース又はS1インターフェース等の基地局間のインターフェースを介して行われる。
基地局300のeNB割当情報受信部301は、基地局100のeNB割当情報生成部101が生成したeNB割当情報を受信する。eNB割当情報受信部301は、基地局300が信号を送受信するサブフレームを指示するために、eNB割当情報を信号割当部305及び信号分離部308へ出力する。
なお、「DL/Sp/ULセット」は、複数の基地局100,300の各々に対するサブフレーム割当の単位として用いられる。すなわち、移動局200に設定されたUL-DL Configurationに含まれる複数のサブフレームのうちの一部を基地局に割り当てるのに用いられる。DL/Sp/ULセットは、各UL-DL Configurationにおいて、各eNBに対して割当可能なDLサブフレーム、スペシャルサブフレーム及びULサブフレームの組み合わせとして定義される。また、DL/Sp/ULセットは、各UL-DL Configurationにおいて、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment-HARQ ACKタイミングに従って対応付けられているDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームとULサブフレームとを含む。すなわち、DL/Sp/ULセットは、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment-HARQ ACKタイミングによって関連付けられた複数のサブフレームのセットである。
eNB割当情報生成部101は、基地局100及び基地局300の各々に対して、移動局200に設定されたUL-DL Configurationに含まれるサブフレームをDL/Sp/ULセット単位で割り当てる。そして、各基地局に割り当てられた一つ以上のDL/Sp/ULセットを示すeNB割当情報を生成する。
また、eNB割当情報に必要となるビット数は、UL-DL configuration毎に設定されるDL/Sp/ULセット数、及び、端末に通知するフレーム数により異なる。
TA(Timing Advance)情報生成部102は、基地局100と移動局200との間の伝搬遅延に応じて、TAを設定し、生成したTAを含むTA情報を生成する。TA情報生成部102は、生成したTA情報を上位レイヤのシグナリングとして、誤り訂正符号化部103へ出力する。TA情報生成部102は、基地局100のTA情報を基地局300のTA情報生成部302へ通知する。また、TA情報生成部102は、基地局300のTA情報を、基地局300のTA情報生成部302から受信する。基地局間のTA情報の通知は、例えば、X2インターフェース、Xnインターフェース又はS1インターフェース等の基地局間のインターフェースを介して行われる。これにより、基地局100と基地局300との間で各基地局のTA情報が共有される。
LTEでは、「TA」は複数の移動局から送信される上り回線信号(UL信号)の受信タイミングが基地局において揃うように、基地局と移動局との間の伝搬遅延に応じて設定される。TAは、例えば、移動局における下り回線信号(DL信号)を受信するDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームのタイミングと、UL信号を送信するULサブフレームのタイミングとの差を示す。例えば、TAとして、基地局と移動局との間の伝搬遅延のおおよそ2倍の値が設定される。移動局は、DLサブフレームの受信タイミングよりTA分だけ早いタイミングでULサブフレームでの送信を開始する。
また、TA情報生成部102は、移動局200との通信を行う基地局を切り替える際のサブフレームがshort formatとなるか否かを判断する。また、TA情報生成部102は、short formatが必要と判断した場合、当該サブフレームにおいて削減されるシンボル数を決定する。
「short format」は、信号の送受信に使用されるSC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル又はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルが削減されたフォーマットである。ここでは、short formatは、移動局200と通信する基地局の切替処理に要する時間(以下、guard periodと呼ぶ)を確保するために使用される。guard periodは、例えば、基地局100と基地局300との間における、RF(Radio Frequency)の切替時間と、異なるパワーの信号を送受信するための調整に必要となるtransient timeとの合計時間として設定される。
TA情報生成部102は、guard periodを設定するために上記切替の直前又は直後のサブフレーム内のシンボル数を削減するか否か(short formatの要否)、及び、削減するシンボル数を決定する。short formatの要否及び削減するシンボル数の決定は、下記情報に基づいて行われる。例えば、基地局100(MeNB)と移動局200との間のTA、基地局300と移動局200との間のTAに基づいて行われる。さらに、基地局100に割り当てられるサブフレームと基地局300に割り当てられるサブフレームとの切替時のサブフレーム(つまり、どのサブフレーム間で切替が行われるか)にも基づいて行われる。具体的には、基地局100と基地局300との切替時のサブフレームのタイミングとして、下記が挙げられる。ULサブフレームからDLサブフレーム、ULサブフレームからULサブフレーム、DLサブフレームからDLサブフレームの切替タイミングである。さらに、DLサブフレームからスペシャルサブフレーム、及び、スペシャルサブフレームからULサブフレームの切替タイミングである。TA情報生成部102は、基地局100と基地局300との切替の組み合わせについて、切替時のサブフレームがshort formatとなるか否か、及び、short formatとなる場合に削減されるシンボル数を決定する。なお、TA情報生成部102におけるshort formatの要否、及び、削減されるシンボル数の決定方法の詳細については後述する。
TA情報生成部102は、short formatとなるサブフレームの組み合わせ、及び、削減されるシンボル数を示すTA情報を信号割当部105及び信号分離部108へ出力する。
誤り訂正符号化部103は、eNB割当情報生成部101からeNB割当情報を受信し、TA情報生成部102からTA情報を受信する。eNB割当情報及びTA情報は制御情報の一種である。そして、誤り訂正符号化部103は、送信データ信号(つまり、下り回線データ)、eNB割当情報、及び、TA情報を誤り訂正符号化し、符号化後の信号を変調部104に出力する。
変調部104は、誤り訂正符号化部103から受け取った信号を変調し、変調信号を信号割当部105に出力する。
信号割当部105は、eNB割当情報生成部101(基地局300ではeNB割当情報受信部301)から入力されるeNB割当情報に基づいて、移動局200に送信する信号を割り当てる。具体的には、信号割当部105は、eNB割当情報に基づいて、自局が使用可能なサブフレームを決定する。また、信号割当部105は、TA情報生成部102から入力される情報(short formatの要否、及び、short formatにおいて削減されるシンボル数)に基づいて、信号割当時にshort formatを使用するか否かを決定する。そして、信号割当部105は、決定したサブフレームにおいて、変調部104から受け取った変調信号(データ信号又は制御信号)を予め設定された下り回線リソースに割り当てる。
このように、下り回線データ及び制御情報(eNB割当情報及びTA情報を含む)を含む信号が所定のリソースに割り当てられることにより、送信信号が生成される。生成された送信信号は送信部106に出力される。
送信部106は、信号割当部105から受け取った送信信号に対して、アップコンバート等の所定の送信処理を施し、アンテナを介して移動局200へ送信する。
受信部107は、移動局200から送信された信号をアンテナを介して受信し、受信信号に対して、ダウンコンバート等の所定の受信処理を施す。受信部107は、受信処理後の信号を信号分離部108に出力する。
信号分離部108は、eNB割当情報生成部101から入力されるeNB割当情報に基づいて、受信部107から受け取る受信信号(移動局200から送信される信号)から、自局宛ての信号を分離する。具体的には、信号分離部108は、eNB割当情報、及び、TA情報生成部102から入力される情報に基づいて、自局が使用可能なサブフレームを決定する。TA情報生成部102から入力される情報には、short formatの要否、及び、short formatにおいて削減されるシンボル数が含まれる。そして、信号分離部108は、受信部107から受け取る受信信号のうち、決定したサブフレームの信号を分離して、分離した信号を復調部109に出力する。例えば、信号分離部108は、short formatとなるサブフレームでは、SC-FDMAシンボルを削減した信号を復調部109へ出力する。
復調部109は、受信部108から受け取った信号に対して復調処理を施し、得られた復調信号を誤り訂正復号部110に出力する。
誤り訂正復号部110は、復調部109から受け取った復調信号を復号し、受信データ信号(つまり、上り回線データ)を得る。
[移動局200の構成]
図5は、本実施の形態に係る移動局200の構成を示すブロック図である。
図5において、移動局200は、受信部201、信号分離部202、復調部203、誤り訂正復号部204、eNB割当情報受信部205、TA情報受信部206、誤り訂正符号化部207、変調部208、信号割当部209、及び、送信部210を有する。
受信部201は、eNB割当情報受信部205から受け取るeNB割当情報(各基地局に割り当てられたDL/Sp/ULセット)に従い、基地局100又は基地局300からサブフレーム毎に送信された信号を、アンテナを介して受信する。そして、受信信号にダウンコンバート等の所定の受信処理を施して、受信処理された信号を信号分離部202に出力する。なお、受信信号には、下り回線データ、eNB割当情報、又は、TA情報等が含まれる。
信号分離部202は、eNB割当情報受信部205から受け取るeNB割当情報(DL/Sp/ULセット)に基づいて、受信部201から受け取る受信信号から、基地局100及び基地局300の各々から送信される信号をそれぞれ分離する。具体的には、信号分離部202は、eNB割当情報、及び、TA情報受信部206から受け取るTA情報に基づいて、受信信号から、基地局100からの信号、及び、基地局300からの信号を分離する。TA情報は、short formatとなるサブフレーム及び削減されるシンボル数を含む。そして、信号分離部202は、分離した信号を復調部203に出力する。例えば、信号分離部202は、short formatとなるサブフレームでは、OFDMAシンボルを削減した信号を復調部203へ出力する。
復調部203は、信号分離部202から受け取った信号を復調し、当該復調した信号を誤り訂正復号部204に出力する。
誤り訂正復号部204は、復調部203から受け取った復調信号を復号し、得られた受信データ信号を出力する。また、誤り訂正復号部204は、上位レイヤにおいて受信した、eNB割当情報をeNB割当情報受信部205に出力し、TA情報をTA情報受信部206に出力する。
eNB割当情報受信部205は、誤り訂正復号部204から受け取ったeNB割当情報に基づいて、基地局100(MeNB)に割り当てられるDL/Sp/ULセット、及び、基地局300(SeNB)に割り当てられるDL/Sp/ULセットを決定する。eNB割当情報受信部205は、決定したDL/Sp/ULセットを、受信部201、信号分離部202、信号割当部209及び送信部210へ出力する。
TA情報受信部206は、誤り訂正復号部204から基地局100及び基地局300の両方のTA情報を受信する。そして、両方のTA情報に基づいて、TA情報生成部102と同様にして、移動局200が送受信できるサブフレームがshort formatとなるか否か、及び、short formatにおいて削減されるシンボル数を判断する。TA情報受信部206は、short formatとなるサブフレーム及び削減されるシンボル数を信号分離部202及び信号割当部209部へ出力する。
誤り訂正符号化部207は、送信データ信号(上り回線データ)を誤り訂正符号化し、符号化後の信号を変調部208に出力する。
変調部208は、誤り訂正符号化部207から受け取る信号を変調し、変調信号を信号割当部209に出力する。
信号割当部209は、eNB割当情報受信部205から受け取るeNB割当情報(各基地局に割り当てられたDL/Sp/ULセットを示す情報)に基づいて、基地局100及び基地局300の各々に送信する信号をそれぞれ割り当てる。具体的には、信号割当部209は、eNB割当情報に基づいて、基地局100(MeNB)に送信する信号向けのサブフレーム、及び、基地局300(SeNB)に送信する信号向けのサブフレームを決定する。また、信号割当部209は、TA情報受信部206から受け取る情報(short formatとなるサブフレーム及び削減されるシンボル数)に基づいて、信号割当時にshort formatを使用するか否かを決定する。そして、信号割当部209は、決定されたサブフレームに、変調部208から受け取った変調信号(データ信号)を予め設定された下り回線リソースに割り当てて、送信部210へ出力する。
送信部210は、eNB割当情報受信部205からeNB割当情報(DL/Sp/ULセット)を受け取る。そして、eNB割当情報に従い、信号割当部209から受け取った送信信号に対して、アップコンバート等の所定の送信処理を施し、アンテナを介して基地局100又は基地局300へ送信する。
[基地局100,300及び移動局200の動作]
以上の構成を有する基地局100,300及び移動局200の動作の詳細について説明する。
[DL/Sp/ULセットの定義]
本実施の形態では、各UL-DL configurationにおいて、DLサブフレーム又はスペシャルサブフレームと、ULサブフレームとの組み合わせがDL/Sp/ULセットとして定義される。DL/Sp/ULセットは、各UL-DL Configurationにおいて、UL grant-PUSCHタイミング(第1の対応づけ)、及び、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミング(第2の対応づけ)に従って定義される。
具体的には、各DL/Sp/ULセットは、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって関連付けられた複数のサブフレームで構成される。この複数のサブフレームは、DLサブフレーム及びULサブフレームを含む。さらにスペシャルサブフレームを含む場合がある。ここで、各UL-DL Configurationには、UL grant-PUSCHタイミングによって、UL grantが送信されるDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームと、UL grantによって割り当てられたPUSCHが送信されるULとが関連付けられている。また、各UL-DL Configurationには、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、DL assignment(PDSCH)が送信されるDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームと、PDSCHに対するACK/NACKが送信されるULサブフレームとが関連付けられている。
つまり、PUSCHの割当を示すUL grantが通知されるDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームと、当該UL grantによって割り当てられたPUSCHが送信されるULサブフレームとが、同じDL/Sp/ULセットに含まれる。また、DL assignmentが通知されるDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームと、当該DL assignmentによって割り当てられたPDSCHに対するACK/NACKが送信されるULサブフレームとが、同じDL/Sp/ULセットに含まれる。
以下、各UL-DL Configuration(Config#0〜Config#6)において定義されるDL/Sp/ULセットについて図6〜図12を用いて具体的に説明する。
なお、以下の説明において、1フレームあたりのDL/Sp/ULセットの数は、各DL/Sp/ULセット内に含まれるサブフレームのうちの先頭サブフレームが1フレーム内に含まれるDL/Sp/ULセットの合計数である。先頭フレームは、DLサブフレーム又はスペシャルサブフレームである。。また、一つのDL/Sp/ULセットに含まれるDLサブフレーム又スペシャルサブフレームと、ULサブフレームとは、異なるフレームにまたがってもよい。
図6〜図12は、フレーム#0及び#1を示すが、フレーム#0の構成パターン(UL-DL Configuration)に着目して説明する。
<Config#0(図6)>
図6は、Config#0に含まれるDL/Sp/ULセットを示す。
図6に示すように、DLサブフレーム#0は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、ULサブフレーム#4と関連付けられている。一方、これらのサブフレーム#0,#4には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図6に示すように、DL/Sp/ULセットの1つであるSet 1はサブフレーム#0,#4で構成される。
同様にして、図6に示すように、スペシャルサブフレーム#1は、UL grant-PUSCHタイミングによって、ULサブフレーム#7,#8と関連付けられている。さらに、スペシャルサブフレーム#1は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによってULサブフレーム#7と関連付けられている。一方、これらのサブフレーム#1,#7,#8には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図6に示すように、DL/Sp/ULセットの1つであるSet 2はサブフレーム#1,#7,#8で構成される。
他のDL/Sp/ULセットについても同様である。すなわち、図6に示すように、Set 3はサブフレーム#5,#9で構成され、Set 4はサブフレーム#6、及び、後続するフレーム内のサブフレーム#12,#13で構成される。
図6に示すように、各DL/Sp/ULセット内に含まれるサブフレームのうちの先頭サブフレームは、フレーム#0内に4個存在する。よって、Config#0において1フレーム内に含まれるDL/Sp/ULセット数は4個である。なお、Config#0から#6のいずれにおいても、先頭フレームは、DLサブフレームまたはスペシャルサブフレームである。
<Config#1(図7)>
図7は、Config#1に含まれるDL/Sp/ULセットを示す。
図7に示すように、DLサブフレーム#0は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、ULサブフレーム#7と関連付けられている。また、ULサブフレーム#7は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、スペシャルサブフレーム#2と関連付けられている。一方、これらのサブフレーム#0,#1,#7には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図7に示すように、DL/Sp/ULセットの1つであるSet 1はサブフレーム#0,#1,#7で構成される。
同様にして、図7に示すように、DLサブフレーム#4は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、ULサブフレーム#8と関連付けられている。一方、これらのサブフレーム#4,#8には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図7に示すように、DL/Sp/ULセットの1つであるSet 2はサブフレーム#4,#8で構成される。
他のDL/Sp/ULセットについても同様である。すなわち、図7に示すように、Set 3はサブフレーム#5,#6,及び、フレーム#1内のサブフレーム#12で構成され、Set 4は、サブフレーム#9、及び、フレーム#1内のサブフレーム#13で構成される。
図7に示すように、各DL/Sp/ULセット内に含まれるサブフレームのうちの先頭サブフレームは、フレーム#0内に4個存在する。よって、Config#1において1フレーム内に含まれるDL/Sp/ULセット数は4個である。
<Config#2(図8)>
図8は、Config#2に含まれるDL/Sp/ULセットを示す。
図8に示すように、フレーム#0内のDLサブフレーム#4は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、フレーム#1内のULサブフレーム#12と関連付けられている。また、ULサブフレーム#12は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、DLサブフレーム#5,#8及びスペシャルサブフレーム#6ともそれぞれ関連付けられている。また、ULサブフレーム#12は、UL grant-PUSCHタイミングによってもDLサブフレーム#8と関連付けられている。一方、これらのサブフレーム#4,#5,#6,#8,#12には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図8に示すように、DL/Sp/ULセットの1つであるSet 1はサブフレーム#4,#5,#6,#8,#12で構成される。
他のDL/Sp/ULセットについても同様である。すなわち、図8に示すように、Set 2はサブフレーム#9,#10,#11,#13,#17で構成される。
図8に示すように、各DL/Sp/ULセット内に含まれるサブフレームのうちの先頭サブフレームは、フレーム#0内に2個存在する。よって、Config#2において1フレーム内に含まれるDL/Sp/ULセット数は2個である。
<Config#3(図9)>
図9は、Config#3に含まれるDL/Sp/ULセットを示す。
図9に示すように、フレーム#0内のスペシャルサブフレーム#1は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、フレーム#1内のULサブフレーム#12と関連付けられている。また、ULサブフレーム#12は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、DLサブフレーム#5,#6ともそれぞれ関連付けられている。更に、ULサブフレーム#12は、UL grant-PUSCHタイミングによってDLサブフレーム#8と関連付けられている。
また、DLサブフレーム#8は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、ULサブフレーム#13と関連付けられている。また、ULサブフレーム#13は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによってDLサブフレーム#7と関連付けられ、UL grant-PUSCHタイミングによってDLサブフレーム#9と関連付けられている。
更に、DLサブフレーム#9は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、ULサブフレーム#14と関連付けられている。また、ULサブフレーム#14は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、DLサブフレーム#10と関連付けられている。
このように、Config#3では、サブフレーム#1,#5〜#10,#12〜#14の中で各サブフレームが互いに関連付けられている。一方、サブフレーム#1,#5〜#10,#12〜#14には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図9に示すように、DL/Sp/ULセットであるSet 1はサブフレーム#1,#5〜#10,#12〜#14で構成される。
図9に示すように、各DL/Sp/ULセット内に含まれるサブフレームのうちの先頭サブフレームは、フレーム#0内に1個のみ存在する。よって、Config#3において1フレーム内に含まれるDL/Sp/ULセット数は1個である。
<Config#4(図10)>
図10は、Config#4に含まれるDL/Sp/ULセットを示す。
図10に示すように、Congig#4では、Config#3と同様にして、サブフレーム#0,#1,#4〜#9,#12,#13の各々が、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって関連付けられている。一方、サブフレーム#0,#1,#4〜#9,#12,#13には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図10に示すように、DL/Sp/ULセットであるSet 1はサブフレーム#0,#1,#4〜#9,#12,#13で構成される。
図10に示すように、各DL/Sp/ULセット内の先頭サブフレームであるDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームは、フレーム#0内に1個存在する。よって、Config#4において1フレーム内に含まれるDL/Sp/ULセット数は1個である。
<Config#5(図11)>
図11は、Config#5に含まれるDL/Sp/ULセットを示す。
図11に示すように、Config#5では、Config#3と同様にして、サブフレーム#9〜#11,#13〜#18,#22の各々が、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、関連付けられている。一方、サブフレーム#9〜#11,#13〜#18,#22には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図11に示すように、DL/Sp/ULセットであるSet 1はサブフレーム#9〜#11,#13〜#18,#22で構成される。
図11に示すように、各DL/Sp/ULセット内に含まれるサブフレームのうちの先頭サブフレームは、フレーム#0内に1個のみ存在する。よって、Config#5において1フレーム内に含まれるDL/Sp/ULセット数は1個である。
<Config#6(図12)>
図12は、Config#6に含まれるDL/Sp/ULセットを示す。
図12に示すように、DLサブフレーム#0は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、ULサブフレーム#7と関連付けられている。一方、これらのサブフレーム#0,#7には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図12に示すように、DL/Sp/ULセットの1つであるSet 1はサブフレーム#0,#7で構成される。
同様にして、図12に示すように、スペシャルサブフレーム#1は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、ULサブフレーム#8と関連付けられている。一方、これらのサブフレーム#1,#8には、上記関連付け以外に他のサブフレームとの関連付けは存在しない。よって、図12に示すように、DL/Sp/ULセットの1つであるSet 2はサブフレーム#1,#8で構成される。
他のDL/Sp/ULセットについても同様である。すなわち、図12に示すように、Set 3はサブフレーム#5,#12で構成され、Set 4はサブフレーム#6、#13で構成され、Set 5はサブフレーム#9,#14で構成される。
図12に示すように、各DL/Sp/ULセット内に含まれるサブフレームのうちの先頭サブフレームは、フレーム#0内に5個存在する。よって、Config#6において1フレーム内に含まれるDL/Sp/ULセット数は5個である。
以上、各UL-DL Configuration(Config#0〜Config#6)において定義されるDL/Sp/ULセットについて説明した。
なお、上述したDL/Sp/ULセットの定義において、PUSCH-PHICH(ACK)タイミング(図1において図示せず)は考慮されていない。UL-DL Configurationでは、複数のPUSCHに対するPHICHが送信されるDLサブフレームは異なる場合がある。その場合、DL/Sp/ULセットの定義においてPUSCH-PHICHタイミングを考慮すると、同一DL/Sp/ULセット内に含まれるサブフレーム数が多くなり、信号割当の柔軟性が低下してしまう。そこで、本実施の形態では、PUSCHに対するPHICHが送信されるDLサブフレームが、PUSCHが送信されるULサブフレームと異なる基地局に割り当てられている場合、移動局200は、PHICHを受信しない。移動局200は、PHICHを受信しない場合、ACKを受信したと想定する。このようにすると、UL grantを送信せずにNACKを用いて再送させるnon adaptive HARQの運用はできなくなるものの、UL grantで再送を指示するadaptive HARQの運用は可能となる。
[動作例]
基地局100のeNB割当情報生成部102は、基地局100(MeNB)及び基地局300(SeNB)に対して、移動局200に設定されたUL-DL Configurationに含まれるサブフレームを、上述したDL/Sp/ULセット毎にそれぞれ割り当てる。
図13は、一例として、移動局200に対してConfig#1が設定された場合の動作例を示す。Config#1では、図7に示すように、1フレームあたりのDL/Sp/ULセット数は4個である。そこで、eNB割当情報生成部102は、4フレーム(40msec)サイクルでMeNB及びSeNBにリソースを割り当てる場合、16セット(=4セット×4フレーム)の割当を決定する。
例えば、図13において、サブフレーム番号0〜39の下の行に示す‘M’はDL/Sp/ULセットが基地局100(MeNB)に割り当てられることを示し、‘S’はDL/Sp/ULセットが基地局300(SeNB)に割り当てられることを示す。図13に示すように、サブフレーム#0〜#39は、Config#1におけるDL/Sp/ULセット(Set 1〜Set 4)毎にMeNB及びSeNBに対してそれぞれ割り当てられる。
図14は、他の例として、移動局200に対してConfig#2が設定された場合の動作例を示す。Config#2では、図8に示すように、1フレームあたりのDL/Sp/ULセット数は2個である。そこで、eNB割当情報生成部102は、4フレーム(40msec)サイクルでMeNB及びSeNBを割り当てる場合、8セット(=2セット×4フレーム)の割当を決定する。
例えば、図14に示すように、サブフレーム#0〜#39は、Config#2におけるDL/Sp/ULセット(Set 1,Set 2)毎にMeNB及びSeNBに対してそれぞれ割り当てられる。
他のUL-DL Configuration(Config#0,#3〜#6)についても同様にして、サブフレームがDL/Sp/ULセット毎にMeNB及びSeNBに対してそれぞれ割り当てられる。
以上のように、本実施の形態では、各UL-DL configurationにおいて、DLサブフレーム又はスペシャルサブフレームと、ULサブフレームとの組み合わせをDL/Sp/ULセットとして定義する。具体的には、DL/Sp/ULセットは、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって関連付けられたサブフレームで構成される。そして、UL-DL Configurationに含まれるサブフレームは、DL/Sp/ULセット毎に複数の基地局(MeNB及びSeNB)の各々に対して割り当てられる。
特に、Config#0(図6),Config#1(図7),Config#6(図12)では、連続するULサブフレームが異なるDL/Sp/ULセットに含まれている。したがって、本開示のようにDL/Sp/ULセット単位でサブフレームを割り当てれば、端末は、連続するULサブフレームを、複数の基地局(eNB)に割り当てることができる。具体的には、Config#0では、ULサブフレーム#3(図6ではサブフレーム#13)を含むSet 4と、ULサブフレーム#4を含むSet 1とをそれぞれ異なる基地局に割り当てることができ、ULサブフレーム#8を含むSet 2と、ULサブフレーム#9を含むSet 3とをそれぞれ異なる基地局に割り当てることができる。
このように、従来技術では、連続するULサブフレームを同一の基地局にしか割り当てることができなかったのに対して、本実施の形態によれば、連続するULサブフレームを複数の基地局に割り当てることができる。つまり、本実施の形態によれば、従来技術と比較して、リソース割当の柔軟性が向上する。
また、DL/Sp/ULセット毎にMeNB及びSeNBに対してサブフレームが割り当てられることにより、移動局200と通信を行う基地局が基地局100と基地局300とで切り替えられた場合でも、以下の効果を有する。UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって関連付けられたDLサブフレーム及びスペシャルサブフレームとULサブフレームとは同一基地局に割り当てられる。換言すると、基地局100と基地局300とが切り替えられた場合に、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって関連付けられた複数のサブフレームが異なる基地局に割り当てられて、当該サブフレームでの送受信ができなくなることを回避できる。
これにより、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングにおける、DLサブフレーム又スペシャルサブフレームと、ULサブフレームとの関連付けを維持しつつ、リソース割当の柔軟性を向上させることができる。
よって、本実施の形態によれば、Single Rx/Tx capabilityを有する移動局200がDual connectivityをサポートする場合に、リソース割当の柔軟性が向上させることができる。
なお、DL/Sp/ULセットの割当指示は、RRC(Radio Resource Control)等の上位レイヤのシグナリングを用いて、基地局100(MeNB)から移動局200へ通知してもよい。上位レイヤのシグナリングを使用する場合、サブフレームの割当を頻繁には更新できないので、移動局200は、通知されたDL/Sp/ULセットの割当を繰り返し(cyclicに)使用する。例えば、図13又は図14に示す動作例のように、4フレーム単位での通知の場合、4フレームに含まれるDL/Sp/ULセットの個数と同じビット数が通知に必要となる。例えば、サブフレームの割当指示に必要となるビット数は、図13に示すConfig#1の場合(16セット)には16ビットとなり、Config#2の場合(8セット)には8ビットとなる。この場合、各ビットにおいて、MeNBを“0”とし、SeNBを“1”として(逆でもよい)、各基地局に割り当てられるサブフレームが指示される。
例えば、図13に示す動作例の場合、DL/Sp/ULセットの割当指示(つまり、eNB割当情報)を表す16ビットは「1111011001101111」となる。図14に示す動作例の場合、DL/Sp/ULセットの割当指示(eNB割当情報)を表す8ビットは「11010111」となる。
また、割当指示に必要なビット数を削減するために、複数のDL/Sp/ULセットを1つのセットとしてまとめて扱ってもよい。
[guard periodの設定]
次に、移動局200と通信を行う基地局が、基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)との間で切り替わる場合に必要となるguard periodの詳細について説明する。
基地局100(信号割当部105、信号分離部108)は、eNB割当情報に示されるDL/Sp/ULセットの割当に基づいて、どのサブフレームにおいて基地局が切り替わるかを特定する。基地局300(信号割当部305、信号分離部308)も同様にどのサブフレームにおいて基地局が切り替わるかを特定する。移動局200(信号分離部202、信号割当部209)も、同様にどのサブフレームにおいて基地局が切り替わるかを特定する。また、基地局100,300及び移動局200は、基地局の切替時のサブフレーム、guard period及び各基地局のTAに基づいて、short formatが必要か否かを判断する。また、基地局100,300及び移動局200は、short formatが必要な場合、削減するシンボル数を決定する。
以下、移動局200との通信を行う基地局の切替のタイミングにおいて、short formatが必要か否かの判断方法、及び、short formatが必要な場合の削減されるシンボル数の決定方法について説明する。
以下の説明では、基地局100(MeNB)と移動局200との間のTA(以下、MeNBのTAと呼ぶ)が、基地局300(SeNB)と移動局200との間のTA(以下、SeNBのTAと呼ぶ)よりも長い場合を想定する。
また、以下では、次の(1)から(5)の場合について、順に説明する。(1)ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングで、端末と通信する基地局を切り替える(ULからDL)。(2)ULサブフレームからULサブフレームへ切り替わるタイミングで、基地局を切り替処理える(ULからUL)。(3)DLサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングで、基地局を切り替える(DLからDL)。(4)DLサブフレームからスペシャルサブフレームへ切り替わるタイミングで、基地局を切り替える(DLからSP)。(5)スペシャルサブフレームからULサブフレームへ切り替わるタイミングで、基地局を切り替える(SPからUL)。
<(1)ULからDL(図15)>
図15AはMeNBからSeNBへ切り替える場合を示し、図15BはSeNBからMeNBへ切り替える場合を示す。
ULサブフレームからDLサブフレームへの切替のタイミングで、移動局200が通信する基地局を切り替える場合、移動局200が送受信しない期間を以下のように設定する。図15に示すように、MeNBのTA(Timing Advance)とSeNBのTAとの合計値の2分の1の値(すなわち、MeNB TAの2分の1の値とSeNB TAの2分の1の値との合計)を、移動局200が送受信しない期間に設定する。
すなわち、移動局200が送受信をしない期間内にguard periodが収まる場合には、移動局200において当該期間内に基地局の切替処理を完了させることができるので、short formatは不要となる。よって、short formatの要否は以下の式に従って判断される。
つまり、guard period(基地局の切替処理に要する時間)がMeNBのTAとSeNBのTAとの合計値の1/2の値以下の場合、基地局を切り替える直前のサブフレーム及び切替え直後のサブフレーム内のシンボルは削減されない。一方、guard periodがMeNB TAとSeNB TAとの合計値の1/2の値よりも大きい場合、基地局を切り替える直前又は直後のサブフレーム内のシンボルが削減される(つまり、short formatが設定される)。
また、short formatが必要な場合において、short formatのサブフレームで削減されるシンボル数は、以下の式に従って求まる。
上式において、Ceil{} は天井関数を示す。すなわち、guard periodのうち、移動局200が送受信しない期間を超える期間分だけシンボルが削減される。
ULサブフレームからDLサブフレームへの切替のタイミングで基地局を切り替える時には、以下のようにOFDMシンボルが削減される。UL信号(ULサブフレーム)の最後に位置するSC-FDMAシンボル、又は、DL信号(DLサブフレーム)の先頭に位置するOFDMシンボルが削減される。
<(2)ULからUL(図16)>
図16Aは、MeNBからSeNBへ切り替える場合を示し、図16BはSeNBからMeNBへ切り替える場合を示す。
図16Aに示すように、MeNBのULサブフレームからSeNBのULサブフレームへの切替のタイミングで、移動局200が通信する基地局を切り替える場合、移動局200が送受信しない期間を以下のように設定する。MeNBのTAとSeNBのTAとの差の2分の1の値(すなわち、MeNB TAの2分の1の値とSeNB TAの2分の1の値との差)を、移動局200が送受信をしない期間に設定する。MeNBのTAはSeNBのTAよりも長いため、上記のような設定が可能となる。
すなわち、移動局200が送受信をしない期間内にguard periodが収まる場合には、移動局200において当該期間内に基地局の切替処理を完了させることができるので、short formatは不要となる。よって、short formatの要否は以下の式に従って判断される。
つまり、guard periodがMeNB TAとSeNB TAとの差の1/2の値以下の場合、基地局切替時のサブフレーム内のシンボルは削減されない。一方、guard periodがMeNB TAとSeNB TAとの差の1/2の値よりも大きい場合、基地局切替時のサブフレーム内のシンボルは削減される。
また、short formatが必要な場合において、short formatのサブフレームで削減されるシンボル数は、以下の式に従って求まる。
削減するシンボル数=Ceil {(guard period- 1/2 (MeNB TA - SeNB TA)) / シンボル長}
一方、図16Bに示すように、SeNBのULサブフレームからMeNBのULサブフレームへの切替のタイミングで、基地局を切り替える場合、移動局200が送受信をしない期間は存在しない。これは、MeNBのTAはSeNBのTAよりも長いためである。よって、short formatは常に必要となる。short formatのサブフレームで削減されるシンボル数は、以下の式に従って求まる。
ULサブフレームからULサブフレームへの切替のタイミングで基地局を切り替える時には、以下のようにOFDMシンボルが削減される。切替前のUL信号(ULサブフレーム)の最後に位置するSC-FDMAシンボル、又は、切替後のUL信号(ULサブフレーム)の先頭に位置するSC-FDMAシンボルが削減される。
<(3)DLからDL(図17)>
図17Aは、MeNBからSeNBへ切り替える場合を示し、図17BはSeNBからMeNBへ切り替える場合を示す。
図17Aに示すように、MeNB向けのDLサブフレームからSeNB向けのDLサブフレームへの切替のタイミングで、移動局200と通信する基地局を切り替える場合、移動局200が送受信をしない期間は存在しない。これは、MeNBのTAはSeNBのTAよりも長いためである。よって、short formatは常に必要となる。short formatのサブフレームで削減されるシンボル数は、以下の式に従って求まる。
一方、図17Bに示すように、SeNBのDLサブフレームからMeNBのDLサブフレームへの切替のタイミングで基地局を切り替える場合、移動局200が送受信しない期間を以下のように設定する。MeNB TAとSeNB TAとの差の2分の1の値(すなわち、MeNB TAの2分の1の値とSeNB TAの2分の1の値との差)を、移動局200が送受信をしない期間に設定する。MeNBのTAはSeNBのTAよりも長いため、上記のような設定が可能となる。
すなわち、移動局200が送受信をしない期間内にguard periodが収まる場合には、移動局200において当該期間内に基地局の切替処理を完了させることができるので、short formatは不要となる。よって、short formatの要否は以下の式に従って判断される。
つまり、guard periodがMeNB TAとSeNB TAとの差の1/2の値以下の場合、基地局切替時のサブフレーム内のシンボルは削減されない。一方、guard periodがMeNB TAとSeNB TAとの差の1/2の値よりも大きい場合、基地局切替時のサブフレーム内のシンボルは削減される。
また、short formatが必要な場合において、short formatのサブフレームで削減されるシンボル数は、以下の式に従って求まる。
DLサブフレームからDLサブフレームへの切替のタイミングでの基地局の切替時には、切替前のDL信号(DLサブフレーム又はスペシャルサブフレーム)の後方に位置するOFDMシンボル、又は、切替後のDL信号(DLサブフレーム又はスペシャルサブフレーム)の先頭に位置するOFDMシンボルが削減される。
<(4)DLからSp(図18)>
図18AはMeNBからSeNBへ切り替える場合を示し、図18BはSeNBからMeNBへ切り替える場合を示す。
DLサブフレームからスペシャルサブフレームへの切替のタイミングで、移動局200が通信する基地局を切り替える場合、上述した(3)と同様の動作を適用することもできる。すなわち、DLサブフレームからDLサブフレームへの切替のタイミングでの切替と同様の動作(図17参照)を適用することもできる。ただし、ここでは、図18に示すように、guard periodを確保する。図18では、スペシャルサブフレームでは、UpPTS(Uplink Pilot Time Slot)(アップリンク領域)のみを使用し、他の領域(ダウンリンク領域を含む)を使用しないことでguard periodを確保する。この場合、UpPTSを送信できる場合、及び、UpPTSを送信できない場合は、それぞれ以下の式に従って判断される。
上式において、UpPTS lengthは、UpPTSの期間の長さを示す。
<(5)SpからUL(図19)>
図19AはMeNBからSeNBへ切り替える場合を示し、図19BはSeNBからMeNBへ切り替える場合を示す。
スペシャルサブフレームからULサブフレームへの切替のタイミングで、移動局200が通信する基地局を切り替える場合、上述した(2)と同様の動作を適用することもできる。すなわち、ULサブフレームからULサブフレームへの切替のタイミングでの切替と同様の動作を適用することもできる。ただし、ここでは、図19に示すように、guard periodを確保する。図19では、スペシャルサブフレームでは、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)(ダウンリンク領域)のみを使用し、他の領域(アップリンク領域を含む)を使用しないことでguard periodを確保する。この場合、DwPTSを送信できる場合、及び、DwPTSを送信できない場合は、それぞれ以下の式に従って判断される。
上式において、DwPTS lengthは、DwPTSの期間の長さを示す。
以上、移動局200と通信を行う基地局の切替のタイミングにおいてshort formatが必要か否かの判断方法、及び、short formatが必要な場合の削減されるシンボル数の決定方法について説明した。
なお、guard periodとして、各シンボルに含まれるCP(Cyclic Prefix)を使用してもよい。この場合、移動局200が送受信しない期間+CP長(CP lenghth)をguard periodに割り当てることが可能となる。つまり、guard periodが(移動局200が送受信しない期間+CP長)内に収まる場合にはshort formatが不要となる。また、short formatよって、CPを使用しない場合と比較して、short formatにおけるシンボル数を更に削減することができる。
このように、基地局切替時のguard periodを確保するために、移動局200が送信するSC-FDMAシンボル数、又は、移動局200が受信するOFDMシンボル数を削減したshort formatが使用される。ただし、本実施の形態では、short formatの要否及びshort formatにおいて削減されるシンボル数は、MeNB TA、SeNB TA、及び、基地局切替時のサブフレームに基づいて決定される。具体的には、基地局100,300及び移動局200は、基地局切替時のサブフレームにおけるMeNB TAとSeNB TAとの関係に基づいて求まる移動局200が送受信しない期間と、guard periodとを比較することにより、short formatの要否及び削減されるシンボル数を決定する。
これにより、本実施の形態によれば、TA及び基地局切替時のサブフレームに基づいてshort formatの要否及び削減されるシンボル数が決定されることにより、short formatにおいて削減するシンボル数を最小にすることができる。
特に、非特許文献2には、DLサブフレームからDLサブフレームへの切替のタイミングで、移動局と通信する基地局が切り替えられることも開示されている。しかし、この基地局の切替時におけるguard periodをどのように設定するかまでは開示されていない。非特許文献2によれば、例えば、図17に示すように、DLサブフレームからDLサブフレームへの切替タイミングでは、各基地局のTAの大小関係によって、移動局200が送受信しない期間の有無が変わってしまう。これに対して、本実施の形態では、DLサブフレームからDLサブフレームへの切替時に、移動局と通信する基地局が切り替えられる場合(図17参照)、short formatの要否が以下のように判断される。MeNB TAとSeNB TAとの差の2分の1の値が、guard period以下の場合、short formatが必要と判断され、上記値がguard periodより大きい場合、short formatが不要と判断される。すなわち、本実施の形態では、DLサブフレームからDLサブフレームへの切替時に基地局が切り替えられる場合でも、short formatにおいて削減するシンボル数を最小に抑えて、guard periodを適切に設定することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、MeNB及びSeNBに対してサブフレームがフレーム単位で割り当てられる点、及び、short formatを使用しない点が実施の形態1と異なる。
[基地局100,300の構成(図4)]
本実施の形態では、実施の形態1と同様、基地局300では、eNB割当情報受信部301以外の構成部は、基地局100の構成部と同一である。そこで、基地局300の構成部のうち、基地局100と異なる構成部についてのみ説明し、基地局100と同一構成部の動作について説明を省略する。
本実施の形態に係る基地局100のeNB割当情報生成部101は、MeNB(基地局100)に割り当てるフレーム、及び、SeNB(基地局300)に割り当てるフレームを設定し、設定されたフレームを示すeNB割当情報を生成する。すなわち、eNB割当情報において必要となるビット数は、1フレームあたり1ビットとなる。
eNB割当情報生成部101は、生成したeNB割当情報を上位レイヤのシグナリングとして、誤り訂正符号化部103へ出力する。また、eNB割当情報生成部101は、基地局100が信号を送受信するフレームを指示するために、eNB割当情報を信号割当部105及び信号分離部108へ出力する。また、eNB割当情報生成部101は、eNB割当情報を、基地局300(SeNB)のeNB割当情報受信部301に通知する。基地局100から基地局300へのeNB割当情報の通知は、例えば、X2インターフェース、Xnインターフェース又はS1インターフェース等の基地局間のインターフェースを介して行われる。
基地局300のeNB割当情報受信部301は、基地局100のeNB割当情報生成部101が生成したeNB割当情報を受信する。eNB割当情報受信部301は、基地局300が信号を送受信するフレームを指示するために、eNB割当情報を信号割当部305及び信号分離部308へ出力する。
TA情報生成部102は、実施の形態1と同様、基地局100と移動局200との間の伝搬遅延に応じて、TAを設定し、生成したTAを含むTA情報を生成する。また、TA情報生成部102は、基地局の切替時のサブフレームでのデータ割当が可能であるか否かを判断する。TA情報生成部102は、例えば、基地局100(MeNB)と移動局200との間のTA、基地局300と移動局200との間のTA、及び、基地局100に割り当てられるサブフレームと基地局300に割り当てられるサブフレームとの切替時のサブフレーム、に基づいて、サブフレームの割当可否を判断する。具体的には、本実施の形態では、short formatが使用されないので、TA情報生成部102は、基地局の切替時のサブフレームにおいて基地局の切替処理に要するguard periodを確保できる場合には当該サブフレームの割当が可能であると判断し、guard periodを確保できない場合には当該サブフレームの割当が不可であると判断する。TA情報生成部102は、サブフレームの割当が不可となるサブフレームの組み合わせを信号割当部105及び信号分離部108へ出力する。
信号割当部105は、eNB割当情報生成部101(基地局300ではeNB割当情報受信部301)から入力されるeNB割当情報、及び、TA情報生成部102から入力される情報(割当不可となるサブフレーム)に基づいて、信号割当時に使用可能なサブフレームを決定する。そして、信号割当部105は、使用可能なサブフレームにおいて、変調部104から受け取った変調信号(データ信号又は制御信号)を予め設定された下り回線リソースに割り当てる。
信号分離部108は、以下の情報に基づいて、自局が使用可能なサブフレームを決定する。eNB割当情報生成部101(基地局300ではeNB割当情報受信部301)から入力されるeNB割当情報、及び、TA情報生成部102から入力される情報(割当不可となるサブフレーム)である。そして、信号分離部108は、受信部107から受け取る受信信号のうち、決定したサブフレームの信号を分離して、分離した信号を復調部109に出力する。
[移動局200の構成(図5)]
本実施の形態に係る移動局200の信号分離部202は、eNB割当情報受信部205から受け取るeNB割当情報、及び、TA情報受信部206から受け取る情報(割当不可となるサブフレーム)に基づいて、受信部201から受け取る受信信号から、受信するサブフレームを決定する。そして、信号分離部202は、決定したサブフレームにおける基地局100からの受信信号、及び、基地局300からの受信信号を分離し、分離した信号を復調部203に出力する。
eNB割当情報受信部205は、誤り訂正復号部204から受け取ったeNB割当情報に基づいて、基地局100(MeNB)に割り当てられるフレーム、及び、基地局300(SeNB)に割り当てられるフレームを決定する。eNB割当情報受信部205は、決定したフレームの情報を、受信部201、信号分離部202、信号割当部209及び送信部210へ出力する。
TA情報受信部206は、TA情報生成部102と同様にして、基地局100及び基地局300の双方から受信するTA情報に基づいて、基地局の切替時のサブフレームでのデータ割当が可能であるか否かを判断する。TA情報受信部206は、サブフレームの割当が不可となるサブフレームの組み合わせを信号分離部202及び信号割当部209部へ出力する。
信号割当部209は、以下の情報に基づいて使用できないサブフレームを決定する。eNB割当情報受信部205から受け取るeNB割当情報(各基地局に割り当てられたフレーム)、及び、TA情報受信部206から受け取る情報(割当不可となるサブフレーム)である。そして、信号割当部209は、使用できるサブフレームにおいて、変調部208から受け取った変調信号(データ信号)を予め設定された下り回線リソースに割り当てて、送信部210へ出力する。
[基地局100,300及び移動局200の動作]
以上の構成を有する基地局100,300及び移動局200の動作の詳細について説明する。
[動作例1]
以下の説明では、基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)との間における移動局200と通信する基地局の切替処理は1フレーム(10msec)単位で行われる。
また、UL-DL Configurationの各々において、移動局200と通信する基地局を切り替えるタイミング(切替タイミング)は、ULサブフレームからDLサブフレームへの切替のタイミングとする。この理由の1つは、下記の通り、移動局200が送受信しない期間を比較的長く確保できるためである。図15で説明したように、ULサブフレームからDLサブフレームへの切替では、移動局200は、ULサブフレームでは信号を早めに送信し、後続するDLでは信号を遅めに受信する。よって、他のサブフレームの切替(例えば、図16〜図19参照)と比較して、移動局200が送受信しない期間を比較的長く確保できる。
ただし、1フレーム内に基地局の切替タイミングの候補が複数有る場合、フレーム内でDLサブフレームの番号が最も小さいサブフレームのタイミングを、基地局の切替タイミングとする。つまり、UL-DL Configurationの各々において、基地局の切替処理のタイミングは、ULサブフレームからDLサブフレームへの切替のタイミングのうち、サブフレーム番号が最も小さいDLサブフレームにおけるタイミングである。
よって、UL-DL Configuration毎に基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングは異なる。
また、上述したように、動作例1では、short formatを使用しないので、guard periodが確保できない場合には、フレーム単位で送受信が停止される。
また、UL grantが通知されるDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームと、当該UL grantによって割り当てられるPUSCHが送信されるULサブフレームとが基地局の切替前と切替後にまたがる場合、以下のように構成する。すなわち、PUSCH及びPDSCHを割り当てるサブフレームとしてULサブフレーム又はDLサブフレームは使用されない。また、DL assignment(PDSCH)が通知されるDLサブフレームと、当該PDSCHに対するACK/NACKが送信されるULサブフレームとが基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがる場合も、同様である。その結果、実施の形態1で説明したフレームに複数のDL/Sp/ULセットが定義されているConfig#0,#1,#2,#6(図6〜図8、図12)では、以下のようになる。すなわち、DL/Sp/ULセット単位で移動局200に割り当てられないサブフレームを、上記使用されないサブフレームとして選択する。上記使用されないサブフレームの詳細については後述する。
以下、動作例1における各UL-DL Configuration(Config#0〜Config#6)での基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)との切替の動作について、図20〜図28を用いて具体的に説明する。
なお、以下の説明では、「guard period <= 1/2 (MeNB TA + SeNB TA)」を満たしているものとする。つまり、ULサブフレームからDLサブフレームになるタイミングで基地局を切り替える際に、移動局200が送受信しない期間においてguard periodが確保される場合を想定する。
<Config#0(図20)>
図20において、ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングは、以下の通りである。切替タイミングの一つは、ULサブフレーム#(10n+9)(例えば、サブフレーム#9,#19,#29,#39)からDLサブフレーム#(10n)(例えば、サブフレーム#0,#10,#20,#30)に切り替わるタイミングである。別のタイミングは、ULサブフレーム#(10n+4)(例えば、サブフレーム#4,#14,#24,#34)からDLサブフレーム#(10n+5)(例えば、サブフレーム#5,#15,#25,#35)に切り替わるタイミングである。ただし、nは0以上の整数(0,1,2,3,…)である。このうち、1フレーム内でDLサブフレームの番号が最も小さいDLサブフレーム#(10n)が基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングとなる。
よって、図20に示すように、基地局100(MeNB。‘M’で表す)と基地局300(SeNB。‘S’で表す)とは、サブフレーム#(10n)において1フレーム単位で切り替えられる。
また、図20では、複数のDL/Sp/ULセットのうち、以下のDL/Sp/ULセットが基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるため、使用されない。ここで、DL/Sp/UL セットとは、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって関連付けられた複数のサブフレームである。図20において、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるDL/Sp/ULセットは、或るフレームのサブフレーム#(10n+6)、及び、次のフレームのサブフレーム#(10n+12),#(10n+13)からなる。図20では、サブフレーム#6,#12,#13と、サブフレーム#16,#22,#23である。これらのサブフレームは、移動局200に対して使用されないサブフレーム(Non-use subframe)である。これらのサブフレームの組み合わせは、図6に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 4に相当する。
つまり、動作例1では、図6に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 4は、移動局200に割り当てられない。ただし、連続したフレームが同一基地局に割り当てられる場合(図20では、サブフレーム#20〜#39)、当該フレーム間で基地局の切替は行われない。よって、移動局200に対してSet 4(図20では、サブフレーム#26,#32,#33、及び、サブフレーム#36,#42,#43)も割当可能となる。
このように、動作例1では、ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングで、端末と通信する基地局が切り替えられる。これに対して、図21は、例えば、DLサブフレームからスペシャルサブフレームへ切り替わるタイミングで基地局を切り替える場合を示す。図21では、UL grantが通知されるDLサブフレームと当該UL grantによって割り当てられるPUSCHが送信されるULサブフレームとが、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるケースが多い。また、DL assignment(PDSCH)が通知されるDLサブフレームと当該PDSCHに対するACK/NACKが送信されるULサブフレームが、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるケースが増えてしまう。このため、図21では、動作例1(図20)と比較して、使用できないサブフレームの数が増加する。換言すると、動作例1によれば、使用できないサブフレーム数の増加を抑えることができる。
<Config#1(図22)>
図22において、ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングは、以下の通りである。切替タイミングの一つは、ULサブフレーム#(10n+3)(例えば、サブフレーム#3,#13,#23,#33)からDLサブフレーム#(10n+4)(例えば、サブフレーム#4,#14,#24,#34)切り替わるタイミングである。別のタイミングは、ULサブフレーム#(10n+8)(例えば、サブフレーム#8,#18,#28,#38)から、DLサブフレーム#(10n+9)(例えば、サブフレーム#9,#19,#29,#39)に切り替わるタイミングである。このうち、1フレーム内でDLサブフレームの番号が最も小さいDLサブフレーム#(10n+4)が基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングとなる。
よって、図22に示すように、基地局100(MeNB。‘M’)と基地局300(SeNB。‘S’)とは、サブフレーム#(10n+4)において1フレーム単位で切り替えられる。
また、図22では、複数のDL/Sp/ULセットのうち、以下のDL/Sp/ULセットが基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるため、使用されない。図22において、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるDL/Sp/ULセットは、サブフレーム#(10n),#(10n+1),#(10n+7)からなる。図22では、サブフレーム#10,#11,#17と、サブフレーム#20,#21,#27である。これらのサブフレームは、移動局200に対してにおいて使用されないサブフレームである。また、これらのサブフレームの組み合わせは、図7に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 1に相当する。
つまり、動作例1では、図7に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 1は、移動局200に割り当てられない。ただし、連続したフレームが同一基地局に割り当てられる場合(図22ではサブフレーム#24〜#43)、当該フレーム間で基地局の切替は行われない。よって、移動局200に対してSet 1(図22では、サブフレーム#30,#31,#37)も割当可能となる。
<Config#2(図23)>
図23において、ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングは、以下の通りである。切替タイミングの一つは、ULサブフレーム#(10n+2)からDLサブフレーム#(10n+3)に切り替わるタイミングである。別のタイミングは、ULサブフレーム#(10n+7)から、DLサブフレーム#(10n+8) に切り替わるタイミングである。このうち、1フレーム内でDLサブフレームの番号が最も小さいDLサブフレーム#(10n+3)が基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングとなる。
よって、図23に示すように、基地局100(MeNB。‘M’)と基地局300(SeNB。‘S’)とは、サブフレーム#(10n+3)において1フレーム単位で切り替えられる。
また、図23では、複数のDL/Sp/ULセットのうち、以下のDL/Sp/ULセットが基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるため、使用されない。図23において、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるDL/Sp/ULセットは、或るフレームのサブフレーム#(10n+9)、及び、次のフレームのサブフレーム#(10n+10),#(10n+11),#(10n+17)からなる。図23では、DLサブフレーム#9,#10,#11及びULサブフレーム#17と、DLサブフレーム#19,#20,#21及びULサブフレーム#27である。
ただし、これらのサブフレームのうち、ULサブフレーム#17,#27は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって他のDLサブフレーム#13,#23にもそれぞれ関連付けられている。また、DLサブフレーム#13,#23は、何れも基地局の切替後のサブフレームである。つまり、サブフレーム#13,#17、及び、サブフレーム#23,#27は、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがらないサブフレームの組み合わせである。
そこで、図23に示すように、Config#2では、ULサブフレーム#17,#27(サブフレーム#(10n+7))は、移動局200に対して使用されるサブフレームとする。よって、図23では、DLサブフレーム#9,#10,#11及びDLサブフレーム#19,#20,#21(サブフレーム#(10n+9),#(10n+10),#(10n+11))が、移動局200に対して使用されないサブフレームとなる。
つまり、DL/Sp/ULセットが、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがる場合、当該DL/Sp/ULセットに含まれる複数のサブフレームは、移動局200に対して使用されない。
さらに、基地局の切替後の同一フレーム内に、あるULサブフレームが属するDL/Sp/ULセットに含まれるDLサブフレーム又はスペシャルサブフレームが存在する場合、当該ULサブフレームは移動局200に対して使用される。例えば、図23に示すULサブフレーム#(10n+7)は、移動局200に対して使用される。一方、基地局の切替後の同一フレーム内に、あるULサブフレームが属するDL/Sp/ULセットに含まれるDLサブフレーム及びスペシャルサブフレームが存在しない場合、当該ULサブフレームは移動局200に対して使用されない。例えば、Config#0のULサブフレーム#(10n+12),#(10n+12)は、移動局200に対して使用されない。
また、図23に示すように、移動局200に対して使用されないDLサブフレーム#9,#10,#11及びDLサブフレーム#19,#20,#21の組み合わせは、図8に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 2の一部に相当する。
つまり、動作例1では、図8に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 2の一部は、移動局200に対して割り当てられない。ただし、連続したフレームが同一基地局に割り当てられる場合、当該フレーム間で基地局の切替は行われないので、移動局200に対してSet 2の一部も割当可能となる。例えば、図23では、サブフレーム#23〜#42は同一基地局に割り当てられるので、Set 2の一であるサブフレーム#29,#30,#31も移動局200に割当てることができる。
<Config#3(図24)>
図24において、ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングは、ULサブフレーム#(10n+4)とDLサブフレーム#(10n+5)である。よって、図24に示すように、基地局100(MeNB。‘M’)と基地局300(SeNB。‘S’)とは、DLサブフレーム#(10n+5)において1フレーム単位で切り替えられる。
また、図24では、複数のDL/Sp/ULセットのうち、以下のDL/Sp/ULセットが基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるため、使用されない。図24において、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるDL/Sp/ULセットは、或るフレームのサブフレーム#(10n+1)、及び、次のフレームのサブフレーム#(10n+12)からなる。図23では、DLサブフレーム#11及びULサブフレーム#22と、DLサブフレーム#21及びULサブフレーム#32である。
ただし、Config#2と同様、これらのサブフレームのうち、ULサブフレーム#22,#32は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、他のDLサブフレーム#15,#16,#18及びDLサブフレーム#25,#26,#28にもそれぞれ関連付けられている。また、上記他のDLサブフレームは、何れも基地局の切替後のサブフレームである。つまり、サブフレーム#15,#16,#18,#22、及び、サブフレーム#25,#26,#28,#32は、それぞれ、基地局の切替前のフレームと切替後にまたがらないサブフレームの組み合わせである。
そこで、図24に示すように、Config#3では、ULサブフレーム#22,#32(サブフレーム#(10n+2))は、移動局200に対して使用されるサブフレームとする。よって、図24では、DLサブフレーム#11,#21(サブフレーム#(10n+1))が、移動局200に対して使用されないサブフレームとなる。ただし、連続したフレームが同一基地局に割り当てられる場合(図24ではサブフレーム#25〜#44)、当該フレーム間で基地局の切替は行われないので、移動局200に対してサブフレーム#(10n+1)(図24では、サブフレーム#31)も割当可能となる。
<Config#4(図25)>
図25において、ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングは、ULサブフレーム#(10n+3)とDLサブフレーム#(10n+4)である。よって、図25に示すように、基地局100(MeNB。‘M’)と基地局300(SeNB。‘S’)とは、DLサブフレーム#(10n+4)において1フレーム単位で切り替えられる。
また、図25では、複数のDL/Sp/ULセットのうち、以下のDL/Sp/ULセットが基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるため、使用されない。図25において、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるDL/Sp/ULセットは、或るフレームのサブフレーム#(10n),#(10n+1)、及び、次のフレームのサブフレーム#(10n+12)からなる。図25では、DLサブフレーム#10,#11及びULサブフレーム#22と、DLサブフレーム#20,#21及びULサブフレーム#32である。
ただし、Config#2及びConfig#3と同様、これらのサブフレームのうち、ULサブフレーム#22,#32は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって他のDLサブフレーム#14,#15,#18及びDLサブフレーム#24,#25,#28にもそれぞれ関連付けられている。また、上記他のDLサブフレームは、何れも基地局の切替後のサブフレームである。つまり、サブフレーム#14,#15,#18,#22、及び、サブフレーム#24,#25,#28,#32は、それぞれ、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがらないサブフレームの組み合わせである。
そこで、図25に示すように、Config#4では、ULサブフレーム#22,#32(サブフレーム#(10n+2))は、移動局200に対して使用されるサブフレームとする。よって、図25では、DLサブフレーム#10,#11,#20,#21(サブフレーム#(10n),#(10n+1))が、移動局200に対して使用されないサブフレームとなる。ただし、連続したフレームが同一基地局に割り当てられる場合(図25ではサブフレーム#24〜#43)、当該フレーム間で基地局の切替は行われないので、移動局200に対してサブフレーム#(10n),#(10n+1)(図25では、サブフレーム#30,#31)も割当可能となる。
<Config#5(図26)>
図26において、ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングは、ULサブフレーム#(10n+2)とDLサブフレーム#(10n+3)である。よって、図26に示すように、基地局100(MeNB。‘M’)と基地局300(SeNB。‘S’)とは、DLサブフレーム#(10n+3)において1フレーム単位で切り替えられる。
また、図26では、複数のDL/Sp/ULセットのうち、以下のDL/Sp/ULセットが基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるため、使用されない。図26において、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるDL/Sp/ULセットは、或るフレームのサブフレーム#(10n+9)、次のフレームのサブフレーム#(10n+10),#(10n+11)、及び、更に次のフレームのサブフレーム#(10n+22)からなる。図26では、DLサブフレーム#9,10,#11及びULサブフレーム#22と、DLサブフレーム#19,#20,#21及びULサブフレーム#32である。
ただし、Config#2〜#4と同様、これらのサブフレームのうち、ULサブフレーム#22,#32は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって他のDLサブフレーム#13〜#18及びDLサブフレーム#23〜#28にもそれぞれ関連付けられている。また、上記他のDLサブフレームは、何れも基地局の切替後のサブフレームである。つまり、サブフレーム#13〜#18,#22、及び、サブフレーム#23〜#28,#32は、それぞれ、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがらないサブフレームの組み合わせである。
そこで、図26に示すように、Config#5では、ULサブフレーム#22,#32(サブフレーム#(10n+2))は、移動局200に対して使用されるサブフレームとする。よって、図26では、DLサブフレーム#9,#10,#11,#19,#20,#21(サブフレーム#(10n+9)〜#(10n+11))が、移動局200に対して使用されないサブフレームとなる。ただし、連続したフレームが同一基地局に割り当てられる場合(図26ではサブフレーム#23〜#42)、当該フレーム間で基地局の切替は行われないので、移動局200に対してサブフレーム#(10n+9)〜#(10n+11)(図26では、サブフレーム#29〜#31)も割当可能となる。
<Config#6(図27)>
図27において、ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングは、ULサブフレーム#(10n+4)とDLサブフレーム#(10n+5)、及び、ULサブフレーム#(10n+8)とDLサブフレーム#(10n+9)である。このうち、1フレーム内でDLサブフレームの番号が最も小さいDLサブフレーム#(10n+5)が基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングとなる。
よって、図27に示すように、基地局100(MeNB。‘M’)と基地局300(SeNB。‘S’)とは、サブフレーム#(10n+5)において1フレーム単位で切り替えられる。
また、図27では、複数のDL/Sp/ULセットのうち、以下のDL/Sp/ULセットが基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるため、使用されない。図26において、基地局の切替前のフレームと切替後のフレームにまたがるDL/Sp/ULセットは、サブフレーム#(10n),#(10n+1),#(10n+7),#(10n+8)である。図27では、サブフレーム#10,#11,#17,#18と、サブフレーム#20,#21,#27,#28からなる。これらのサブフレームは、基地局100,300及び移動局200において使用されない。これらのサブフレームの組み合わせは、図12に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 1及びSet 2に相当する。また、これらのサブフレームのうち、ULサブフレーム#(10n+7),#(10n+8)には、UL grant-PUSCHタイミング又はDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって関連付けられた、基地局の切替タイミング(サブフレーム#(10n+5))よりも後の他のDLサブフレーム及びスペシャルサブフレームは存在しない。
よって、動作例1では、図12に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 1及びSet 2は、移動局200に対して割り当てられない。ただし、連続したフレームが同一基地局に割り当てられる場合(図27ではサブフレーム#25〜#44)、当該フレームで基地局の切替は行われないので、移動局200に対してSet 1及びSet 2(図27では、サブフレーム#30,#31,#37,#38)も割当可能となる。
以上、動作例1における各UL-DL Configuration(Config#0〜Config#6)での基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)との切替について説明した。
このようにして動作例1によれば、移動局200と通信する基地局がフレーム単位(10msec単位又は10サブフレーム単位)で切り替えられる。よって、実施の形態1(サブフレーム単位での切替)と比較して、サブフレームの割当指示(つまり、eNB割当情報)に必要となるビット数を削減できる。例えば、4フレーム単位での通知の場合、サブフレームの割当指示に必要となるビット数は、実施の形態1では、Config#1,#2において16ビット又は8ビットである。一方、本実施の形態では、UL-DL Configurationに依らず、サブフレームの割当指示に必要となるビット数は、4ビットとなる。例えば、図20、図22〜図27に示す動作例の場合、各ビットにおいて、MeNBを“0”とし、SeNBを“1”とすると(逆でもよい)、サブフレームの割当指示を表す4ビットは「1011」となる。
また、動作例1では、short formatを使用しないので、基地局100又は基地局300は、基地局の切替を適用する移動局200に対して、他の移動局と同一のフォーマットを使用できる。
また、動作例1では、UL grantを通知するDLサブフレームと当該UL grantによって割り当てられるPUSCHが送信されるULサブフレームとが基地局の切替前後のフレーム間にまたがる場合、Non-use subframeが発生する。Non-use subframeとは、PUSCHおよびPDSCHとして使用されないDLサブフレーム又はULサブフレームである。また、DL assignment(PDSCH)を通知するDLサブフレームと当該PDSCHに対するACK/NACKが送信されるULサブフレームとが基地局の切替前後にまたがる場合、Non-use subframeが発生する。しかし、基地局100又は基地局300は、移動局200に対して使用されないサブフレーム(Non-use subframe)を、他の移動局に割り当てることでリソースを有効活用できる。
なお、動作例1において、実施の形態1で示したguard periodの設定時にshort formatが不要となる条件を満たしている場合には、ULサブフレームからDLサブフレームへの切替のタイミングに加え、他の切替タイミング(実施の形態1で示した「DLからDL」、「ULからUL」、「DLからSp」、及び「SpからUL」)において、連続するサブフレームを異なる基地局に割り当ててもよい(つまり、移動局200と通信する基地局を切り替えてもよい)。
図28は、移動局200にConfig#2が設定された場合の一例を示す。図28では、実施の形態1と同様にMeNB TAがSeNB TAよりも長いと仮定する。また、DLサブフレームからDLサブフレームへの切替タイミングguard periodが、移動局200が送受信しない期間に収まる条件を満たしているとする。さらに、ULサブフレームからULサブフレームへの切替タイミングにおいて、guard periodが、移動局200が送受信しない期間に収まる条件を満たしているとする(図17Bおよび図16A参照)。上記条件は、guard period <= 1/2 (MeNB TA - SeNB TA)である。
この場合、SeNBのDLサブフレームからMeNBのDLサブフレームへ切り替える際、連続するサブフレームが使用可能となる。さらに、MeNBのULサブフレーム(スペシャルサブフレームのUpPTS)からSeNBのULサブフレームへ切り替える際にも、連続するサブフレームが使用可能となる。このとき、使用可能となるDLサブフレーム及びスペシャルサブフレームは、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングを参照し、ACK/NACKが送信されるULサブフレームが属する基地局に割り当てられる。例えば、図28では、DLサブフレーム#9、ULサブフレーム#12,#22において基地局の切替が可能となる。これによって使用可能となるDLサブフレーム#9,#10及びスペシャルサブフレーム#11は、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって関連付けられたULサブフレーム#17が属する基地局100(MeNB)に割り当てられる。
したがって、この場合、基地局の切替タイミングよりも前のサブフレームが切替後の基地局に割り当てられるので、移動局200では、基地局の切替時のサブフレームよりも前のサブフレームにおいて、基地局を一旦切り替える動作が行われる。
なお、MeNBのDLサブフレームからSeNBのDLサブフレームへ切り替える際には、guard periodを確保するために使用できないサブフレーム(図28ではサブフレーム#19)が必要である(図17A参照)。また、SeNBのULサブフレーム(スペシャルサブフレームのUpPTS)からMeNBのULサブフレームへ切り替える際にも、guard periodを確保するため、使用できないサブフレーム(図28ではサブフレーム#21)が必要である。図28では、スペシャルサブフレーム(サブフレーム#21)からMeNBのULサブフレーム(サブフレーム#22)へ切り替える際に、DwPTSのみを使用し、UpPTSをguard period に使用する例を示している。
このようにすると、移動局200に対して使用できるサブフレーム数が増加し、スループットを向上できる。具体的には、図28では、図23よりも、移動局200に対して使用できないサブフレーム(Non-use subframe)の数が削減されている。
[動作例2]
以下の説明では、動作例1と同様、基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)との間における移動局200と通信する基地局の切替処理は、1フレーム(10msec)単位で行われる。
また、動作例1と同様、UL-DL Configurationの各々において、基地局の切替処理のタイミングは、下記のように設定する。すなわち、基地局の切替処理のタイミングを、ULサブフレームからDLサブフレーム(スペシャルサブフレーム)への切替のタイミングのうち、サブフレーム番号が最も小さいサブフレームにおけるタイミングに設定する。よって、UL-DL Configuration毎に基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングは異なる。
一方、動作例2では、ULサブフレームからDLサブフレームへ切り替わるタイミングでのguard periodを確保するために、基地局の切替タイミングにおける切替直後のDLサブフレームをguard periodとして設定する。つまり、当該DLサブフレームは、移動局200に対して1サブフレーム全体が使用されない。以下、guard periodとして設定されるDLサブフレームを「guard subframe」と呼ぶ。
すなわち、動作例2では、各UL-DL Configurationにおける基地局の切替タイミングは動作例1(図20、図22〜図27)と同様である。そして、切替直後のDLサブフレームが使用できないguard subframeとなる点が動作例1と異なる。
以下、動作例2における各UL-DL Configuration(Config#0〜Config#6)での基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)との切替の動作について図29〜図35を用いて具体的に説明する。
<Config#0(図29)>
基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングは、サブフレーム#(10n)(図29ではサブフレーム#10,#20)である。よって、図29に示すサブフレーム#10,#20は、guard subframeとして設定され、移動局200には割り当てられない。
また、サブフレーム#(10n)が割り当てられないことにより、サブフレーム#(10n+4)も移動局200に対して使用されない。サブフレーム#(10n+4)は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによってサブフレーム#(10n)と関連付けられているからであるs。サブフレーム#(10n),#(10n+4)の組み合わせは、図6に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 1に相当する。
つまり、動作例2では、図6に示すDL/Sp/ULセットのうち、動作例1と同様のSet 4に加えてSet 1が、移動局200に対して使用されないサブフレーム(Non-use subframe)となる。
<Config#1(図30)>
基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングは、サブフレーム#(10n+4)(図30ではサブフレーム#14,#24)である。よって、図30に示すサブフレーム#14,#24は、guard subframeとして設定され、移動局200に割り当てられない。
また、サブフレーム#(10n+4)が割り当てられないことにより、サブフレーム#(10n+8)も、移動局200に対して使用されない。サブフレーム#(10n+8)は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、サブフレーム#(10n+4)と関連付けられているからである。サブフレーム#(10n+4),#(10n+8)の組み合わせは、図7に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 2に相当する。
つまり、動作例2では、図7に示すDL/Sp/ULセットのうち、動作例1と同様のSet 1に加えてSet 2が、移動局200に対して使用されないサブフレームとなる。
<Config#2(図31)>
基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングは、サブフレーム#(10n+3)(図31ではサブフレーム#13,#23)である。よって、図31に示すサブフレーム#13,#23は、guard subframeとして設定され、移動局200に割り当てられない。
また、サブフレーム#(10n+3)が割り当てられないことにより、サブフレーム#(10n+7)も移動局200に対して使用されない。サブフレーム#(10n+7)は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによってサブフレーム#(10n+3)と関連付けられているからである。サブフレーム#(10n+3),#(10n+7)の組み合わせは、図8に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 2の一部に相当する。より詳細には、サブフレーム#(10n+3),#(10n+7)の組み合わせは、Set 2のうち、動作例1(図23)において移動局200に対して使用されないサブフレーム以外の残りのサブフレームである。
つまり、動作例2では、図8に示すDL/Sp/ULセットのうち、動作例1と同様のSet 2の一部に加えてSet 2の残りのサブフレーム、移動局200に対して使用されない。つまり、Set 2に含まれる全てのサブフレームが、移動局200に対して使用されない。
<Config#3(図32)>
基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングは、サブフレーム#(10n+5)(図32ではサブフレーム#15,#25)である。よって、図32に示すサブフレーム#15,#25は、guard subframeとして設定され、移動局200に割り当てられない。
ここで、図9に示すように、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによってDLサブフレーム#(10n+5)と関連付けられたULサブフレーム#(10n+12)は、基地局の切替タイミングよりも後のDLサブフレーム#(10n+6)にも関連付けられている。そこで、移動局200に対して、DLサブフレーム#(10n+5)(図32ではサブフレーム#15,#25)は使用されないのに対して、ULサブフレーム#(10n+12)(図32ではサブフレーム#22,#32)は使用される。
つまり、動作例2では、動作例1と同様のサブフレーム#(10n+1)に加えて、サブフレーム#(10n+5)が、移動局200に対して使用されないサブフレームとなる。
<Config#4(図33)>
基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングは、サブフレーム#(10n+4)(図33ではサブフレーム#14,#24)である。よって、図33に示すサブフレーム#14,#24は、guard subframeとして設定され、移動局200に割り当てられない。
ここで、図10に示すように、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによってDLサブフレーム#(10n+4)と関連付けられたULサブフレーム#(10n+12)は、基地局の切替タイミングよりも後のDLサブフレーム#(10n+5)にも関連付けられている。そこで、移動局200に対して、DLサブフレーム#(10n+4)(図33ではサブフレーム#14,#24)は使用されないのに対して、ULサブフレーム#(10n+12)(図33ではサブフレーム#22,#32)は使用される。
つまり、動作例2では、動作例1と同様のサブフレーム#(10n),#(10n+1)に加えてサブフレーム#(10n+4)が、移動局200に対して使用されないサブフレームとなる。
<Config#5(図34)>
基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングは、サブフレーム#(10n+3)(図34ではサブフレーム#13,#23)である。よって、図34に示すサブフレーム#13,#23は、guard subframeとして設定され、移動局200に割り当てられない。
ここで、図11に示すように、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによってDLサブフレーム#(10n+3)と関連付けられたULサブフレーム#(10n+12)は、基地局の切替タイミングよりも後のDLサブフレーム#(10n+4)〜#(10n+8)にも関連付けられている。そこで、移動局200に対して、DLサブフレーム#(10n+3)(図34ではサブフレーム#13,#23)は使用されないのに対して、ULサブフレーム#(10n+12)(図34ではサブフレーム#22,#32)は使用される。
つまり、動作例2では、動作例1と同様のサブフレーム#(10n+9),#(10n+10),#(10n+11)に加えて、サブフレーム#(10n+13)が、移動局200に対して使用されないサブフレームとなる。
<Config#6(図35)>
基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)とを切り替えるタイミングは、サブフレーム#(10n+5)(図35ではサブフレーム#15,#25)である。よって、図35に示すサブフレーム#15,#25は、guard subframeとして設定され、移動局200に割り当てられない。
また、サブフレーム#(10n+5)が割り当てられないことにより、サブフレーム#(10n+12)も移動局200に対して使用されない。サブフレーム#(10n+12)は、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングによって、サブフレーム#(10n+5)と関連付けられているからである。サブフレーム#(10n+5),#(10n+12)の組み合わせは、図12に示すDL/Sp/ULセットのうち、Set 3に相当する。
つまり、動作例2では、図12に示すDL/Sp/ULセットのうち、動作例1と同様のSet 1,2に加えてSet 3が、移動局200に対して使用されないサブフレームとなる。
以上、動作例2における各UL-DL Configuration(Config#0〜Config#6)での基地局100(MeNB)と基地局300(SeNB)との切替について説明した。
このようにして動作例2によれば、動作例1と同様、移動局200と通信する基地局がフレーム単位(10msec単位又は10サブフレーム単位)で切り替えられる。よって、実施の形態1(サブフレーム単位での切替)と比較して、サブフレームの割当指示(つまり、eNB割当情報)に必要となるビット数を削減できる。
また、動作例2によれば、基地局の切替時のサブフレームのうち、切替後のサブフレームをguard subframeに設定するので、基地局切替時のguard periodのための期間を十分に確保することができる。よって、動作例2は、特に、基地局100,300と移動局200との間の伝搬遅延が短い。したがって、ULサブフレームからDLサブフレームに切り替える際に、guard periodを確保できない場合に有効である。
また、動作例2では、guard subframeとして設定されたDLサブフレームに関連付けられたULサブフレームが使用できなくなる可能性が増加する。しかし、基地局100,300及び移動局200において、基地局の切替時のサブフレームの使用可否を判断する必要が無い。よって、実施の形態1と比較して、基地局100,300及び移動局200での処理を簡易化することができる。具体的には、基地局100,300(図4)及び移動局200(図5)において、TA情報生成部102,302及びTA情報受信部206から、信号割当部105,209,305及び信号分離部108,202,308への、使用できないサブフレームの指示が不要となる。代わりに、信号割当部105,209,305及び信号分離部108,202,308は、常に基地局の切替時のサブフレーム(guard subframe)は使用できないと判断すればよい。
以上、実施の形態2の動作例1及び動作例2について説明した。
[実施の形態2のバリエーション1]
上記実施の形態において、移動局200に対して使用されないサブフレームには、UL grant-PUSCHタイミング及びDL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングに従って割り当てられる信号以外の信号が割り当てられてもよい。
例えば、移動局200に使用されないサブフレーム(Non-use subframe)のうち、UL grant-PUSCHタイミングに関連しないULサブフレームのULリソースを他の用途に使用してもよい。上記他の用途としては、例えば、以下が挙げられる。一つの例は、SPS(Semi Persist Scheduling)によりULリソースを予め割り当てることができるPUSCHである。別の例は、上位レイヤによりULリソースが周期的に割り当てられるSRS(Sounding Reference Signal)である。これらの例に限られず、割当情報(grant)が通知されなくても送信可能な信号が挙げられる。又は、移動局200に使用されないサブフレームをCQIレポートに使用してもよい。また、スペシャルサブフレームのUpPTSは、RACHの送信に使用してもよい。
また、移動局200に使用されないサブフレーム(Non-use subframe)のうち、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングに関連しないDLサブフレームのDLリソースを他の用途に使用してもよい。上記他の用途としては、例えば、以下が挙げられる。一つの例は、MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)等の報知情報である。別の例は、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal)等の同期用信号である。さらに、CRS(Cell-specific Reference Signal)等のメジャメント用の信号である。これらの例に限られず、ACK/NACKを必要としない信号が挙げられる。
これにより、移動局200に対して使用されないULリソース及びDLリソースを有効に活用することできる。
[実施の形態2のバリエーション2]
上記動作例1及び動作例2において、移動局200に対して使用されないサブフレーム(Non-use subframe)が3サブフレーム以上連続する場合、これらの使用されないサブフレームを以下のように使用してもよい。当該3サブフレーム以上のサブフレームのうち、両端のサブフレームを基地局の切替処理に(すなわち、guard subframeとして)使用してもよい。さらに、当該3サブフレーム以上のサブフレームのうち、両隊のサブフレーム以外の中間のサブフレームを移動局200に対するデータ割当に使用してもよい。
このとき、使用可能となるDLサブフレームは、DL assignment(PDSCH)-HARQ ACKタイミングを参照して、ACK/NACKが送信されるULサブフレームが属する基地局に割り当てられる。したがって、基地局の切替タイミングよりも前のサブフレームが切替後の基地局に割り当てられるので、移動局200では、基地局の切替時のサブフレームよりも前のサブフレームにおいて、基地局を一旦切り替える動作が行われる。
図36は、一例として、Config#2の場合のバリエーション2の動作を示す。動作例2では、Config#2(図31参照)において連続するサブフレーム#9,#10,#11、及び、サブフレーム#19,#20,#21が使用できないサブフレームである。そこで、図36では、両端のサブフレーム#9,#11及びサブフレーム#19,#21をguard subframeとし、中間のサブフレーム#10,#20を使用可能とする。
また、サブフレーム#10で送信されたPDSCHに対するACK/NACKが送信されるサブフレームはサブフレーム#17であり、サブフレーム#20で送信されたPDSCHに対するACK/NACKが送信されるサブフレームはサブフレーム#27である。そこで、DLサブフレーム#10,#20は、ULサブフレーム#17,#27がそれぞれ所属する基地局と同一の基地局に割り当てられる。
これにより、移動局200において使用できるサブフレーム数が増加し、スループットを向上できる。
以上、本開示の実施の形態について説明した。
[他の実施の形態]
また、上記実施の形態では、本開示をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
以上、本開示に係る基地局装置は、複数の基地局装置と通信する移動局装置に設定された構成パターンに含まれる複数のサブフレームの割当てを示す割当情報に基づいて割り当てられたサブフレームに、移動局装置に送信する信号を配置し、上記構成パターンは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームを含む複数のサブフレームからなるフレームのための複数の構成パターンの一つである、割当部と、移動局装置から信号を受信し、割当情報に基づいて、受信した信号から、自装置宛ての信号を分離する分離部と、を具備し、複数の構成パターンの各々には、上り回線割当情報が送信されるダウンリンクサブフレームと、上り回線割当情報によって割り当てられた上り信号が送信されるアップリンクサブフレームとが関連付けられた第1の対応付け、及び、下り回線割当情報と下り回線割当情報によって割り当てられた下り信号とが送信されるダウンリンクサブフレームと、下り信号に対する応答信号が送信されるアップリンクサブフレームとが関連付けられた第2の対応付け、が設定され、複数の構成パターンの各々は、第1の対応付け及び第2の対応付けによって関連付けられたサブフレームで構成されるセットを複数個含み、複数のサブフレームは、セット単位で複数の基地局装置の各々に対して割り当てられる。
本開示に係る基地局装置において、上記移動局装置が通信する基地局装置の切替処理はサブフレーム単位で行われ、上記複数の基地局装置は、第1の基地局装置と第2の基地局装置とを含み、第1の基地局装置と移動局装置との間の第1のタイミングアドバンス(TA:Timing advance)、第2の基地局装置と移動局装置との間の第2のTA、及び、第1の基地局装置に割り当てられるサブフレームと第2の基地局装置に割り当てられるサブフレームとの切替タイミングに基づいて、移動局装置における基地局装置の切替処理に要する時間を設定するために、切替タイミングの直前又は直後のサブフレーム内のシンボルを削減するか否かが判断される判断部、をさらに具備する。
本開示に係る基地局装置において、アップリンクサブフレームからダウンリンクサブフレームへ切り替えるタイミングで、切替処理が行われる場合、判断部は、切替処理に要する時間が第1のTAと前記第2のTAとの合計値の1/2の値以下の場合は、切替タイミングの直前又は直後のサブフレーム内のシンボルは削減されないと判断し、切替処理に要する時間が合計値の1/2の値よりも大きい場合は、切替タイミングの直前又は直後のサブフレーム内のシンボルは削減されると判断する。
本開示に係る基地局装置において、アップリンクサブフレームからアップリンクサブフレームへ切り替わるタイミングで、切替処理が行われ、かつ、第1のTA及び前記第2のTAにおいて、切替前のアップリンクサブフレームが割り当てられた基地局装置のTAが、切替後のアップリンクサブフレームが割り当てられた他の基地局装置のTAよりも長い場合、判断部は、切替処理に要する時間が前記第1のTAと前記第2のTAとの差の1/2の値以下の場合は、切替タイミングの直前又は直後のサブフレーム内のシンボルは削減されないと判断し、切替処理に要する時間が差の1/2の値よりも大きい場合は、切替タイミングの直前又は直後のサブフレーム内のシンボルは削減されると判断する。
本開示に係る基地局装置において、ダウンリンクサブフレームからダウンリンクサブフレームへ切り替わるタイミングで切替処理が行われ、かつ、第1のTA及び第2のTAにおいて、切替前のダウンリンクサブフレームが割り当てられた基地局のTAが、切替後のダウンリンクサブフレームが割り当てられた他の基地局装置のTAよりも短い場合、判断部は、切替処理に要する時間が第1のTAと第2のTAとの差の1/2の値以下の場合は、切替タイミングの直前又は直後のサブフレーム内のシンボルは削減されないと判断し、切替処理に要する時間が差の1/2の値よりも大きい場合は、切替タイミングの直前又は直後のサブフレーム内のシンボルは削減されると判断する。
本開示に係る基地局装置において、移動局装置が通信する基地局の切替処理は1フレーム単位で行われ、複数の構成パターンの各々において、切替処理のタイミングは、アップリンクサブフレームからダウンリンクサブフレームへ切り替わるタイミングのうち、サブフレーム番号が最も小さいサブフレームを含むフレームのタイミングである。
本開示に係る基地局装置において、移動局装置に設定された構成パターンに含まれる複数のセットのうち一つのセットに含まれるダウンリンクサブフレームとアップリンクサブフレームとが、切替タイミング直前のフレームと直後のフレームにまたがる場合、ダウンリンクサブフレームは移動局装置に対して使用されず、さらに、第1の対応付け又は第2の対応付けによってアップリンクサブフレームと関連付けられた、切替タイミングよりも後に配置された他のダウンリンクサブフレームが存在する場合、当該アップリンクサブフレームは移動局装置に対して使用され、他のダウンリンクサブフレームが存在しない場合、当該アップリンクサブフレームは移動局装置に対して使用されない。
本開示に係る基地局装置において、切替処理のタイミングにおける切替直後のダウンリンクサブフレームは切替処理に要する時間として設定される。
本開示に係る基地局装置において、移動局装置に対して使用されないダウンリンクサブフレーム又はアップリンクサブフレームには、第1の対応付け及び前記第2の対応付けに従って割り当てられる信号以外の信号が割り当てられる。
本開示に係る基地局装置において、移動局装置に対して使用されないダウンリンクサブフレーム又はアップリンクサブフレームが3サブフレーム以上連続する場合、3サブフレーム以上のサブフレームのうち、両端のサブフレームは、切替処理に使用され、3サブフレーム以上のサブフレームのうち、両端のサブフレーム以外のサブフレームは、移動局装置に対するデータ割当に使用される。
本開示に係る移動局装置は、複数の基地局装置から信号を受信し、自装置に設定された構成パターンに含まれる複数のサブフレームの割当てを示す割当情報に基づいて、受信した信号から、複数の基地局装置の各々から送信される信号をそれぞれ分離し、上記構成パターンは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームを含む複数のサブフレームからなるフレームのための複数の構成パターンの一つである、分離部と、割当情報に基づいて、複数の基地局装置の各々に送信する信号をそれぞれ割り当てる割当部と、を具備し、複数の構成パターンの各々には、上り回線割当情報が送信されるダウンリンクサブフレームと、上り回線割当情報によって割り当てられた上り信号が送信されるアップリンクサブフレームとが関連付けられた第1の対応付け、及び、下り回線割当情報と下り回線割当情報によって割り当てられた下り信号とが送信されるダウンリンクサブフレームと、下り信号に対する応答信号が送信されるアップリンクサブフレームとが関連付けられた第2の対応付け、が設定され、複数の構成パターンの各々は、第1の対応付け及び第2の対応付けによって関連付けられたサブフレームで構成されるセットを複数個含み、複数のサブフレームは、セット単位で複数の基地局装置の各々に対して割り当てられる。
本開示に係る通信方法は、複数の基地局装置と通信する移動局装置に設定された構成パターンに含まれる複数のサブフレームの割当てを示す割当情報に基づいて割り当てられたサブフレームに、移動局装置に送信する信号を配置し、上記構成パターンは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームを含む複数のサブフレームからなるフレームのための複数の構成パターンの一つであり、移動局装置から信号を受信し、割当情報に基づいて、受信した信号から、自装置宛ての信号を分離し、複数の構成パターンの各々には、上り回線割当情報が送信されるダウンリンクサブフレームと、上り回線割当情報によって割り当てられた上り信号が送信されるアップリンクサブフレームとが関連付けられた第1の対応付け、及び、下り回線割当情報と下り回線割当情報によって割り当てられた下り信号とが送信されるダウンリンクサブフレームと、下り信号に対する応答信号が送信されるアップリンクサブフレームとが関連付けられた第2の対応付け、が設定され、複数の構成パターンに含まれるサブフレームは、第1の対応付け及び第2の対応付けによって関連付けられたサブフレームで構成されるセットを複数個含み、複数のサブフレームは、セット単位で複数の基地局装置の各々に対して割り当てられる。
本開示に係る通信方法は、複数の基地局装置から信号を受信し、自装置に設定された構成パターンに含まれる複数のサブフレームの割当てを示す割当情報に基づいて、受信した信号から、複数の基地局装置の各々から送信される信号をそれぞれ分離し、上記構成パターンは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームを含む複数のサブフレームからなるフレームのための複数の構成パターンの一つであり、、割当情報に基づいて、複数の基地局装置の各々に送信する信号をそれぞれ割り当て、複数の構成パターンの各々には、上り回線割当情報が送信されるダウンリンクサブフレームと、上り回線割当情報によって割り当てられた上り信号が送信されるアップリンクサブフレームとが関連付けられた第1の対応付け、及び、下り回線割当情報と下り回線割当情報によって割り当てられた下り信号とが送信されるダウンリンクサブフレームと、下り信号に対する応答信号が送信されるアップリンクサブフレームとが関連付けられた第2の対応付け、が設定され、複数の構成パターンの各々は、第1の対応付け及び第2の対応付けによって関連付けられたサブフレームで構成されるセットを複数個含み、複数のサブフレームは、セット単位で複数の基地局装置の各々に対して割り当てられる。