JP6327516B2 - 粘着テープ印刷装置及び粘着テープの印刷方法 - Google Patents
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Description
まず、図1〜図3を参照しつつ、本実施形態における粘着テープ印刷装置の概略構成について説明する。
図1〜図3において、本実施形態の粘着テープ印刷装置1は、装置外郭を構成する筐体2を有している。筐体2は、筐体本体2aと、後方側開閉部8と、前方側開閉カバー9と、を備えている。
このとき、図2及び図3に示すように、筐体本体2aにおける、閉じ状態での前方側開閉カバー9の下方にある第1所定位置13には、テープカートリッジTKが着脱可能に装着される。このテープカートリッジTKは、軸心O1まわりに巻回形成された被印字テープロールR1を備えている。
なお、基材層153を形成する基材の種類としては、例えば、以下の材料を使用することができる。
1.ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMMA)、ポリブテン(PB)、ポリブタジエン(BDR)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン(NY)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、発泡ポリスチレン(FS/EPS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、普通セロハン(PT)、防湿セロハン(MST)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ビニロン(VL)、ポリウレタン(PU)、トリアセチルセルソース(TAC)、
2.金属箔<アルミニウム箔(AI)、銅箔>、真空蒸着(通常アルミニウムの)フィルム(VM)、
3.上質紙、無塵紙、グラシン紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、ラミネート紙(ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙等)などの紙
ユポ(合成)紙、クラフト紙
4.不織布
5.ガラスクロス
図2〜図4に戻り、筐体本体2aにおける第1収納部3及び第2収納部5の中間上方側には、上記搬送ローラ12(搬送手段に相当)が設けられている。第1開閉カバー8aのうち搬送ローラ12に対して被印字粘着テープ150を介し対向する部位(搬送ローラ12の上側)には、当該搬送ローラ12によって従動回転するサブローラ12aが設けられている。搬送ローラ12は、筐体本体2aの内部に設けられた搬送用モータM1によりギア機構(図示省略)を介して駆動されることで、サブローラ12aと協働して第1収納部3に収納された被印字テープロールR1から繰り出される被印字粘着テープ150を、テープ幅方向が左右方向となるテープ姿勢で搬送する。
図2、図3に示すように、テープカートリッジTKの連結アーム16は、例えば略水平なスリット形状を含む引き剥がし部17を備えている。この引き剥がし部17は、被印字テープロールR1から繰り出されて前方側へと搬送される印字済み粘着テープ150′から、剥離層151を引き剥がす部位である。上記のようにして印字が形成された印字済み粘着テープ150′は、図2に示すように、上記引き剥がし部17によって上記剥離層151が引き剥がされることで、剥離層151と、それ以外の剥離性被覆層154(後述する)、インク層155、基材層153及び粘着剤層152からなる印字済み粘着テープ150″とに分離される。
一方、図2に示すように、上記第3収納部4には、上記印字済み粘着テープ150″を順次巻回するための巻芯41を備えた巻き取り機構40(巻き取り手段に相当)が上方から受け入れられる。巻き取り機構40は、印字済み粘着テープ150″の巻回の軸心O2が左右方向となる状態で、上記巻芯41が軸心O2まわりに回転可能に支持されるように収納される。そして、巻き取り機構40が、第3収納部4に収納された状態において、筐体本体2aの内部に設けられた粘着巻き取り用モータM2により不図示のギア機構を介して巻芯41が駆動され、第3収納部4内で所定の回転方向(図2中のB方向)に回転することで、印字済み粘着テープ150″を巻芯41の外周側に巻き取って積層する。これにより、巻芯41の外周側に印字済み粘着テープ150″が順次巻回されることで、印字済み粘着テープロールR2(粘着テープロールに相当)が形成される。
また、図2に示すように、テープ搬送方向に沿って第1ヘッド10aの下流側でかつ印字済み粘着テープロールR2の上流側に、カッター機構30が設けられている。
そして本実施形態においては、最大の特徴として、上記図2に示すように、搬送ローラ12による搬送方向に沿って上記引き剥がし部17や上記第1ヘッド10aよりも下流側(詳細には上記カッター機構30よりも下流側)に、インク層155の上側(他方側)を含む印字済み粘着テープ150′全幅にわたって剥離性被覆層154を形成するための第2ヘッド10bが配置されている。
剥離性被覆層154を形成する上記オレフィン樹脂系剥離剤としては、例えば結晶性オレフィン系樹脂等が使用できる。この結晶性オレフィン系樹脂としては、例えば下記のものが挙げられる。
2.ポリプロピレン系樹脂(プロピレン単独ポリマー(プロピレン単独重合体)、プロピレン−α−オレフィンコポリマー(プロピレン−α−オレフィン共重合体)、なお、立体規則性α−オレフィン系樹脂という表記でもよい。また、上記結晶性オレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。)
また、剥離性被覆層154を形成する上記長鎖アルキル系剥離剤としては、例えば下記のものが挙げられる。
1.長鎖アルキル基含有化合物
長鎖アルキルイソシアネートを反応させて得られたもの→側鎖に炭素数8〜30の長鎖アルキル基を有するもの。なお、上記炭素数が8未満となると剥離性能確保が難しい。また、炭素数が30を超えると入手性や取り扱いが困難である。このような剥離性ポリマーには、アルキルイソシアネートを原料成分としたウレタン系ポリマーなどの反応生成物、アクリル系重合体などがある。また、反応生成物は、ポリビニルアルコール系重合体やポリエチレンイミンなどに炭素数8〜30の長鎖アルキル基を有するアルキルイソシアネートを反応させて生成できる。例えば、ポリビニルアルコール系重合体+長鎖アルキルイソシアネート→ポリビニルカーバメート、または、ポリエチレンイミン+長鎖アルキルイソシアネート→アルキル尿素誘導体、等の反応が挙げられる。
なお、各図における図示を省略しているが、上記のようにして印字済み粘着テープ150″に形成された剥離性被覆層154に対し乾燥処理を行うために、加熱ヒータ又は温風ファン等の乾燥処理部(乾燥手段に相当)が設けられている。この乾燥処理部は、例えば、搬送ローラ12により搬送されるテープ搬送経路のうち、上記第2ヘッド10bよりも下流側の区間において、上記乾燥処理を行う。あるいは、乾燥処理部は、上記巻き取り機構40によるテープ巻き取り経路のうち、巻き取り開始点(すなわち印字済み粘着テープ150″が印字済み粘着テープロールR2外周へ合流する部位)から、上記印字済み粘着テープロールR2の外周に沿って一周し上記巻き取り開始点の径方向内側部位に至るまでの区間、において、上記乾燥処理を行ってもよい。
次に、上記構成の粘着テープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
次に、図4を用いて、粘着テープ印刷装置1の制御系について説明する。図4において、粘着テープ印刷装置1には、所定の演算を行う演算部を構成するCPU212が備えられている。CPU212は、RAM213及びROM214に接続されている。CPU212は、RAM213の一時記憶機能を利用しつつROM214に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって粘着テープ印刷装置1全体の制御を行う。
次に、上記のようにして剥離性被覆層154が形成される本実施形態の作用効果を、比較例を用いて説明する。
上述したように、上記粘着テープ印刷装置1では、印字済み粘着テープ150″(剥離性被覆層154、インク層155、基材層153、及び粘着剤層152からなる)が巻き取り機構40の巻芯41によって巻き取られ、印字済み粘着テープロールR2として生成される。ここで、例えば、比較例として、上記剥離性被覆層154が形成されず、インク層155、基材層153、及び粘着剤層152からなる印字済み粘着テープ150″Aが巻き取られて印字済み粘着テープロールR2が生成される場合を考える。
上記を回避するために、本実施形態では、インク層155を覆うように剥離性被覆層154が形成される。この結果、前述したように、印字済み粘着テープ150″が、剥離性被覆層154、インク層155、基材層153、及び粘着剤層152、をこの順序で含む。これにより、生成された印字済み粘着テープロールR2においては、図5(b)に示すように、インク層155の上側表面を覆う剥離性被覆層154と粘着剤層152とがロールの径方向に接する(すなわちインク層155と粘着剤層152との間に剥離性被覆層154が介在する)状態となる。これにより、上記比較例のように、印字済み粘着テープロールR2から印字済み粘着テープ150″が繰り出されて使用されるときにインク層155が粘着剤層152側へと引き剥がされ印字内容に悪影響を与えるのを、防止することができる。
また、被印字粘着テープ150″の上記拡大図中の最上側に剥離性被覆層154が設けられることにより、前述のようにラベルや封止材として使用されるときに表面に汚れやゴミが付着しにくくなり、防汚性を保つことができる。
以上の結果、本実施形態によれば、貼り付けて使用されるときの防汚性を維持すると共に、印字済み粘着テープロールR2からの繰り出し時に印字内容に悪影響が生じるのを防止でき、最適な特性の印字済み粘着テープ150″を実現することができる。
すなわち、本変形例では、上記図2に対応する図6に示すように、剥離層151のない被印字粘着テープ150が被印字テープロールR1に巻回され、用いられる。図6に示すように、被印字テープロールR1は、繰り出しにより消費される被印字粘着テープ150(基材層153及び粘着剤層152を備える。図6中拡大図参照)を、あらかじめ上記巻芯39のまわりに巻回している。被印字粘着テープ150は、基材層153及び粘着剤層152が、図6中の拡大図中の上側から下側へ向かって、この順序で積層されている。
以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
10 ヘッド保持体
10a 第1ヘッド
10b 第2ヘッド
12 搬送ローラ(搬送手段)
40 巻き取り機構(巻き取り手段)
150 被印字粘着テープ
151 剥離層(剥離材層)
152 粘着剤層(粘着層)
153 基材層(テープ基材層)
154 剥離性被覆層
155 インク層
212 CPU
R2 印字済み粘着テープロール
Claims (4)
- テープ基材層と、前記テープ基材層の前記厚さ方向の一方側に設けられ所定の粘着剤により構成された粘着層と、前記粘着層の前記一方側を覆う剥離材層と、を備えた被印字粘着テープを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による前記搬送に従って、前記テープ基材層に対しインクを吐出することにより、当該テープ基材層の前記厚さ方向の他方側にインク層を形成する第1ヘッドと、
前記搬送手段による搬送方向に沿って前記第1ヘッドよりも下流側に設けられ、前記搬送手段による前記搬送に従って、前記第1ヘッドからの前記インクの吐出により形成された前記インク層に対し、シリコーン系剥離剤、若しくは、オレフィン樹脂系剥離剤、若しくは、長鎖アルキル基を有するアクリル樹脂系剥離剤、を吐出することにより、当該インク層の前記他方側に剥離性被覆層を形成する第2ヘッドと、
前記被印字粘着テープに対し前記インク層及び前記剥離性被覆層が形成されるとともに前記剥離材層が引き剥がされて生成された、印字済み粘着テープをロール状に巻き取ることにより、印字済み粘着テープロールを形成する巻き取り手段と、
前記搬送手段による搬送方向に沿って、前記印字済み粘着テープから前記剥離材層を引き剥がす引き剥がし部と、
前記印字済み粘着テープを幅方向に切断するカッター機構と、
を有し、
前記第1ヘッドの下流に前記引き剥がし部が配置され、
前記引き剥がし部の下流に前記カッター機構が配置され、
前記カッター機構の下流に前記第2ヘッドが配置され、
前記第2ヘッドの下流に前記巻き取り手段が配置されている
ことを特徴とする粘着テープ印刷装置。 - 請求項1記載の粘着テープ印刷装置において、
前記第2ヘッドは、
前記インク層の前記他方側を含む、テープ全幅にわたって前記剥離性被覆層を形成する
ことを特徴とする粘着テープ印刷装置。 - 請求項1又は請求項2記載の粘着テープ印刷装置において、
前記搬送手段により搬送されるテープ搬送経路のうち前記第2ヘッドよりも下流側の区間か、若しくは、前記巻き取り手段によるテープ巻き取り経路のうち、巻き取り開始点から前記印字済み粘着テープロールの外周に沿って一周し前記巻き取り開始点の径方向内側部位に至るまでの区間、において、前記印字済み粘着テープを乾燥処理する、乾燥手段を有する
ことを特徴とする粘着テープ印刷装置。 - テープ基材層と、前記テープ基材層の前記厚さ方向の一方側に設けられ所定の粘着剤により構成された粘着層と、前記粘着層の前記一方側を覆う剥離材層と、を備えた被印字粘着テープを搬送する搬送工程と、
前記搬送工程での前記搬送に従って、前記テープ基材層に対しインクを吐出することにより、当該テープ基材層の前記厚さ方向の他方側に第1ヘッドによりインク層を形成する印字工程と、
前記搬送工程での前記搬送に従って、前記印字工程で形成した前記インク層に対し、シリコーン系剥離剤、若しくは、オレフィン樹脂系剥離剤、若しくは、長鎖アルキル基を有するアクリル樹脂系剥離剤、を吐出することにより、当該インク層の前記他方側に剥離性被覆層を形成する被覆工程と、
前記被印字粘着テープに対し前記印字工程及び前記被覆工程で前記インク層及び前記剥離性被覆層がそれぞれ形成されるとともに、前記第1ヘッドの下流において前記被印字粘着テープの搬送方向に沿って、前記印字済み粘着テープから引き剥がし部により前記剥離材層を引き剥がす引き剥がし工程と、
前記引き剥がし部の下流において配置前記カッター機構により、前記印字済み粘着テープを幅方向に切断する切断工程と、
前記引き剥がし工程により前記剥離材層が引き剥がされて生成された、印字済み粘着テープを、前記カッター機構の下流に配置した前記第2ヘッドのさらに下流に配置した巻き取り手段でロール状に巻き取ることにより、印字済み粘着テープロールを形成する巻き取り工程と、
を有することを特徴とする粘着テープの印刷方法。
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