JP6325299B2 - 電子写真用転写紙 - Google Patents

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Description

本発明は、高灰分でありながら、印刷機における搬送性が良好で、倉庫保管時の段積性に優れた電子写真用転写紙(PPC用紙)に関する。
近年、環境保護意識の高まりと紙の製造コスト削減の点から、パルプ使用量を削減する目的で、PPC用紙やレーザービームプリンタ用紙等の電子写真用転写紙の填料の高配合化や嵩高化が進行しつつある。しかし、填料高配合紙ではパルプ配合量減少と填料によるパルプ繊維間結合の阻害増大のため、従来の紙と比較して、紙の引張り強度や層間強度といった紙力や曲げこわさや腰といった剛度の低下を生じ、品質上問題となる場合がある。
一般に紙の剛度は、紙の厚さの3乗に比例するといわれており、紙の剛度を高めるには紙の嵩が重要である。また、嵩高であると非結合面積が大きくなるため、光の散乱が増え紙の不透明度を向上させる上で有利である。
パルプの観点から紙の嵩高化、すなわち低密度化を行うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、またはサーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が、繊維が剛直なため低密度化には効果的である。低密度と剛性を兼ね備えた電子写真用転写紙に関する技術としては、広葉樹から製造する機械パルプを5〜50重量%含有するもの(特許文献1参照)や、CTMPまたはBCTMP等の高収率パルプを、パルプあたり10〜45重量%、古紙パルプをパルプ当たり10〜60重量%、紙中填料を10〜20重量%含有し、坪量62g/m以下、不透明度80%以上、クラーク剛度(MD方向)60cm/100とすることで、軽量化した時に裏抜けや、剛度低下に伴う給紙、搬送不良のない電子写真用転写紙に関するもの(特許文献2参照)などが知られている。
また、高灰分化されたPPC用紙の紙の剛度と強度、特に層間強度を向上させるために、アニオン性多糖類と、カチオン性及び/又は両性アクリルアミド系共重合体とからなる複合化アクリルアミド系共重合体を用いて填料を前処理する技術などが知られている(特許文献3参照)。
さらに、紙の低密度化の手法としては、パルプ原料に界面活性剤を添加してパルプ表面の疎水化を行い、密度の低いシートを製造する技術が既に公知となっている(特許文献4参照)。
特開2003−147697号公報 特開2002−038395号公報 特開2007−199403号公報 特開平11−350380号公報
しかし、一般に知られている従来技術では、下記(1)〜(5)のような問題が生じる。
(1) 特許文献1では、針葉樹と比較して繊維長、繊維幅ともに値の低い広葉樹材を使用しており、針葉樹材を使用した機械パルプより、強度が劣るという問題があった。また、脱墨パルプが含有されているため、白色度が低かった。
(2) 特許文献2に記載の高収率パルプは、一般的なTMP、CTMP、BCTMP、GP、RGPなどの高収率パルプの機能を説明しているに過ぎず、より詳細な検討が必要である。
(3) 特許文献3に記載の、複合化アクリルアミド系共重合体で処理して成る無機填料を添加した電子写真用紙に関する技術は、確かに高灰分化に伴う水素結合阻害による紙力の低下は防げるものの、カチオン系の薬品の添加に伴い、抄紙系内を汚してしまい、欠陥が多発する恐れがあった。
(4) 特許文献4記載の界面活性剤により嵩高化する技術では、紙厚向上の効果は発現されるものの、界面活性剤によって繊維間の結合が弱くなり、紙厚当たりの紙の剛度、およびZ方向(紙の厚さ方向)の強度が弱くなってしまうという問題があった。そのため、紙搬送時のジャムトラブル(紙詰まりトラブル)が多発してしまう。
(5) さらに、特許文献4記載の技術によれば段積性が悪化するなどの問題があった。段積性とは、A4サイズなどに断裁され箱詰めされた紙が、パレットに積載された際、上段の荷重が下段の紙にかかることで、下段の紙にZ軸方向の圧力が加えられ、紙厚が低下することで発生する、箱潰れ、パレットの荷崩れについての品質である。一般的に、段積性にはZ軸方向の強度や剛度が関与していると言われている。段積性が悪化すると、製品の外観がわるくなり製品歩留まりが悪化する、運搬時の作業性が悪くなる等、流通過程で大きな支障をきたすため、個包された紙がそのまま流通する電子写真用転写紙においては重要な品質項目となっている。
このような現状に鑑み、本発明の課題は、高灰分でありながら、印刷機における搬送性が良好で、倉庫保管時の段積性に優れた電子写真用転写紙を提供するものである。
本発明者らは、スギ材を原料とした機械パルプを電子写真用転写紙に用いることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の内容を包含する。
(1) スギを原料とした機械パルプを含有する電子写真用転写紙であって、紙中灰分が10重量%以上であり、CD方向のクラーク剛度が28cm/100以上であることを特徴とする電子写真用転写紙。
(2) 前記機械パルプが、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)である、(1)に記載の電子写真用転写紙。
(3) 前記機械パルプの平均繊維長が、0.8mm以上1.2mm以下である、(1)または(2)に記載の電子写真用転写紙。
(4) 密度が0.7g/cm以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用転写紙。
(5) 坪量が40〜80g/mである、(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用転写紙。
(6) 前記機械パルプを、原料パルプ中に10質量%〜50質量%の量で含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用転写紙。
本発明によれば、高灰分でありながら、印刷機における搬送性が良好で、倉庫保管時の段積性に優れた電子写真用転写紙を提供することができる。本発明で得られた電子写真用転写紙は、そのまま製品として使用することもでき、また、顔料塗工層を有する塗工紙の基紙(原紙)としても使用することができる。
本発明の電子写真用転写紙は、スギを原料とした機械パルプを含有する。スギはスギ科(Ceder)に属し、例えば、Cryptomeria japonicaなどを挙げることができる。スギは、日本国内においても本州、四国、九州などの全国各地に、天然樹林や植林の形で存在しており、その入手も比較的容易である。また、本発明によれば、国内資源であるスギの伐採木、間伐材、風倒木、廃材などの利用を促進することができるため、スギ林の荒廃を避け自然環境を維持する観点からも好適である。
木材繊維より作られる紙の強度に関係する因子はきわめて多く、繊維の長さ、断面積、微細構造、可撓性、膨潤状態、フィブリル化の程度、その他製造条件の如何に影響される。一般に紙の強さは、パルプ繊維自体の強度に加えて、各繊維間の結合(繊維間結合)の数に支配される。そのため、紙の強さを増すためには、断面に比べて大きな長さを有する繊維を用いて、他の繊維と多くの結合点をつくることが重要であるとされる。繊維間の結合は水素結合であると考えられている。直接的には結合面積がより重要であり、叩解時間と湿潤時の加圧圧力に比例する。
発明者らは、さらに針葉樹の様々な樹種を詳細に検討したところ、スギを原料とした機械パルプを使用すると優れた電子写真用転写紙が得られることを見出した。スギ材の繊維形態は、一般に繊維長が0.8mm以上1.2mm以下であり、他の針葉樹材と比較して繊維長が短いため、紙の強度を向上させるには不向きのように思われたが、驚くべきことに、本発明によれば強度の高い電子写真用転写紙を得ることができた。本発明によって優れた電子写真用転写紙が得られる理由については、スギ材由来の繊維は、繊維長が短いものの、繊維壁厚が薄く、繊維幅は他の針葉樹材と同等であることが関係していると考えられる。つまり、スギ材由来の繊維はルンケル比が低く、繊維は潰れやすいといえる。ルンケル比とは、繊維壁厚の2倍をルーメン径で除した値であり、大きいほど繊維は剛直で潰れにくい指標である。スギ材の繊維形態は、ある程度の繊維幅を有しながら潰れやすいため、繊維間の結合面積が広いという特徴を発現する。そのため、他の針葉樹パルプと比較して、繊維間結合が強固になり、紙のZ方向の圧縮に対する強度が高くなるものと考えられる。
また、前記の通り、紙の嵩高化、すなわち低密度化を行うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、またはサーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が繊維は剛直で、低密度化には効果的である。そのため、低密度スギ材を原料とした機械パルプを含有する電子写真用転写紙は、紙厚の低下が抑制され、また、高い圧縮強度を得ることができる。
本発明においてスギを原料とした機械パルプは、原料パルプ中に10質量%〜50質量%の範囲で配合することが望ましい。スギ材機械パルプが10質量%未満である場合、繊維間結合面積を増やす効果が少なく、紙厚低下の抑制効果がそれほど大きくならなかった。スギ材機械パルプが50質量%を越えた場合、スギ同士の繊維間結合はスギ同士の結合ばかりになり、薄い繊維壁がプレス圧力によって破壊され、断紙回数がかえって増えると共に、段積性が低下する場合がある。
本発明のスギを原料とする機械パルプとしては、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)などのグランドウッドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)などが例示される。本発明に於いては、薬品の添加量が比較的少なく、パルプダメージの少ないCTMPを用いることが好ましい。中でも、亜硫酸ナトリウムを用いて製造されるCTMPが特に好ましい。本発明のスギを原料とする機械パルプは、一つの態様において、カナダ標準型濾水度が50〜350mlの範囲に叩解して使用してもよい。
本発明においてケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)とは、TMPの一種であり、木材チップを薬品に浸してから製造されるパルプである。好ましい態様において、本発明のCTMPは、亜硫酸ナトリウムを用いて製造されるCTMPである。例えば、亜硫酸ナトリウム等の薬液によるチップの予備処理、一次リファイニングによる解繊、二次リファイニングによる叩解などの工程によってCTMPを製造することができる。また、亜硫酸ナトリウムなどの薬液で処理する場合、チップを圧縮し、圧縮した状態あるいは圧縮した後にチップを薬液に浸漬させ、圧を解放しチップを膨張させながら亜硫酸ナトリウムを含浸させることができる。好ましい態様において亜硫酸ナトリウムの添加率は、絶乾チップに対して0.5〜2.0重量%である。
また、一つの態様において、薬液で処理したチップは一次リファイニングによる解繊工程に供される。この工程では、加圧リファイニング装置などによって、パルプ繊維に解繊される。リファイニング装置は、シングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等を用いることができるが、解繊時の濃度が高いほどパルプ繊維のフィブリル化が進行し高品質のパルプを得られることから、好適にはシングルディスクリファイナーが用いられる。リファイニング工程中のチップの濃度は約20〜60固形分重量%で実施するのが好ましく、処理温度は100〜180℃が好ましく、120〜135℃がより好ましい。
スギを原料とする機械パルプの他の抄紙用パルプとしては、公知のパルプを使用することができ、例えば、LBKP、NBKP、LBSP、NBSP、本発明以外の機械パルプ、各種古紙パルプやケナフなどの非木材パルプなどが挙げられ、必要に応じて1種もしくは2種以上を併用して用いることができる。一般に広葉樹より針葉樹の方が高強度な紙を製造するのに適しているとされるため、針葉樹種に由来する繊維を用いると、紙の強度を向上させることができる。
本発明の電子写真用転写紙に内填される填料は特に限定されるものではなく、公知の填料の中から適宜選択して使用できる。このような填料として、例えば、タルク、カオリン、クレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカなどの無機填料、プラスチックピグメントなど有機填料、さらには、無機/有機ハイブリッド填料などを挙げることができる。電子写真用転写紙では、印刷後の裏抜けが問題となるため、高不透明度であることが望ましく、好ましくは灰分が10重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上である。灰分の上限は特に制限されないが、50重量%以下が好ましく、40重量%以下としてもよい。
灰分の上限は特にないが、紙の強度や操業性を考慮すると、35重量%以下であることが好ましい。10重量%未満では、電子写真方式印刷機での搬送性(重送、ジャムトラブル等)、紙粉発生量も問題となりにくいのに対し、灰分が10重量%を超えると紙の剛度が低下し、印刷機での搬送性(走行性)が悪化してしまうところ、本発明によれば、灰分を高配合した際の紙の剛度を効果的に向上させることができる。35重量%を超えるとパルプ繊維分が少ないため、曲げこわさの低下に起因する搬送性の低下や、紙紛発生が問題となる。
また、紙料としてパルプや填料の他に、内添サイズ剤、アニオン性、ノニオン性、カチオン性もしくは両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤染料、蛍光染料、嵩高剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等で例示される各種の抄紙用内添助剤を、必要に応じて使用することができる。内添サイズ剤の具体例としては、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系サイズ剤、ロジン系サイズ剤等が挙げられる。また、歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤の具体例としては、アルミニウム等の多価金属化合物(具体的には、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等)、各種澱粉類、セルロースナノファイバー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体ポリアクリルアミド、尿素樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
電子写真用転写紙に用いられる原紙の抄造において、抄紙機としては公知の湿式抄紙機、例えば長網式抄紙機、ギャップフォーマ型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が例示され、特に、本発明の電子写真用転写紙を抄造するために用いられる抄紙機は、両面脱水機構を有しているハイブリッドフォーマー、オントップフォーマーなどが望ましいが、これに限定されるものではない。その抄紙条件は特に規定されるものではなく、抄紙時のpHは酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
さらに、本発明においては、表面強度向上や耐水性付与、トナー定着性改良などを付与するために、前記で得られた原紙に表面処理剤をクリア塗工してもよい。表面処理剤の種類は特に限定はないが、生澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化したタピオカ澱粉を原料として製紙工場内で熱化学変性あるいは酵素変性によって生成される自家変性澱粉などの澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの編成澱粉を含むのが好ましい。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、セルロースナノファイバーなどのセルロース誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステルなどを併用することも可能である。また、サイズ性を高める目的で、スチレン系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、アクリレート系サイズ剤、スチレン−アクリル系サイズ剤、カチオン性サイズ剤などの表面サイズ剤を併用することも可能である。また、本発明においては、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水材、消泡剤、耐水化剤、着色剤、導電剤等、通常のクリア塗工に配合される各種助剤を適宜使用される。
電子写真方式において良好な画質を得るためには、用紙の電気抵抗値を調整するために塩化ナトリウムなどの導電材を使用することが好ましい。本発明では、導電材として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルミン酸ソーダ、リン酸ナトリウム等の無機塩、及び蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム等の有機酸塩、石鹸、リン酸塩、カルボン酸塩などの界面活性剤、4級アンモニウム塩、ポリアクリル酸塩、スチレンマレイン酸塩等の高分子電解質等を挙げることができるが、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩を用いることが好ましい。
表面処理塗工液を塗工する装置としては、公知のサイズプレス装置、例えば、2ロールタイプ、3ロールタイプ、ゲートロールタイプ、フィルム転写タイプなどを使用することができる。フィルム転写タイプは、アプリケーターロール上に、湿潤状態にある塗工膜を形成し、塗工膜を基紙表面に転写する方式で、例えば、トランスファーロールコータ、ロッドメタリングサイズプレスコータなどが挙げられる。また、カーテンコータ、スプレーコータ、ブレードコータなどのコータ(塗工機)を使用して塗工してもよい。これら塗工装置で表面処理塗工液を非塗工紙に片面あたり0.1〜5.0g/m塗工してもよい。
本発明において、クリア塗工における湿潤塗工層を乾燥させる方法に制限はなく、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いることができる。本発明においては、乾燥状態が用紙のカールの程度に影響を及ぼすため、表裏の乾燥バランスをコントロールすることができるような装置を用いることが好ましい。
本発明においては、紙表面にカレンダー処理を施すこともできるが、カレンダー装置の種類と処理条件は特に限定はなく、金属ロールから成る通常のカレンダーやソフトニップカレンダー、高温ソフトニップカレンダーなどの公用の装置を適宜選定し、品質目標値に応じて、これらの装置の制御可能な範囲内で条件を設定すればよい。
電子写真用転写紙
本発明の電子写真用転写紙は、JIS―P1824に準拠した坪量が、40g/m以上、80g/m以下の範囲であることが好ましい。十分な不透明度及び剛度を得るという理由から少なくとも55g/m以上であることが好ましい。特にコピー時の皺、ジャム等の搬送トラブル低減という理由から、より好適には坪量55g/m以上、70g/m以下である。
本発明の電子写真用転写紙は、上記坪量をJIS−P8118に準拠した紙厚で除した密度(g/cm)の値が、0.9g/cm以下であることが好ましい。同一坪量で密度が0.9g/cmより高い電子写真用転写紙は、紙厚が低く、剛度が低下する傾向があるため、加工適性の悪化、コピー時の搬送トラブルが発生する。また、密度が低いほど紙の比散乱係数が高くなり、不透明性が向上するため、0.7g/cm以下がより好ましい。
本発明に於いては、JIS―P8143に準拠した紙のクラークこわさ試験におけるCD方向(紙の横方向)の剛度が、好ましくは28cm/100以上、より好ましくは30cm/100以上である。クラーク剛度(CD)が28cm/100未満であると、コピー時の搬送性が低下し、ジャムトラブルが多発する。
本発明で得られた電子写真用転写紙の、その他一般紙質については、通常の電子写真用転写紙程度の平滑度、摩擦係数などを有するレベルであれば良い。また、本発明の電子写真用転写紙に顔料塗工層を設けることもできるが、好ましい態様において、本発明の電子写真用転写紙は、顔料塗工層を有していない非塗工紙である。
以下に本発明の電子写真用転写紙の具体的な構成を実施例で説明するとともに、本発明の電子写真用転写紙の特性を比較例と対比して説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中の「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて「重量%」を示す。
評価方法
(1)坪量: JIS P 8124に準じて測定した。
(2)紙厚: JIS P 8118に準じて測定した。
(3)密度: JIS P 8118に準じて坪量と紙厚から求めた。
(4)灰分: JIS P 8251に準じて測定した。
(5)クラーク剛度: JIS P 8143に準じて測定した。
(6)段積性: A4サイズで500枚入り5冊を1箱として、パレット(96cm×118cm)上に75箱(縦3箱×横5箱×高さ5箱)乗せ、3パレット分を積み重ねて倉庫に保管し、10日後の箱の潰れ具合を4段階で評価した。まったく箱の変形が見られないものを◎、箱の変形がやや見られるが全体の傾きは見られないものを○、箱の変形がやや見られ、全体にやや傾きが見られるものを△、箱の変形が見られ、全体の傾きが大きく落下の危険性があるものを×とした。
(7)コピー搬送性: 富士ゼロックス製複写機(Vivace 555)を用い、A4横目でモノクロ印字を行い、1000枚印字した時の用紙の搬送性を4段階で評価した。具体的には、ジャムトラブルが全く発生しなかったものを◎、ジャムトラブルが1〜3回発生したものを〇、4〜9回発生したものを△、10回以上発生したものを×とした。
実験1.スギCTMPの製造
スギ材100%のチップをスチーミングし十分に脱気後、プレックススクリューを用いて圧縮比5:1で亜硫酸ナトリウム水溶液(初期pH=4.5)を含浸させ予備処理を行った。亜硫酸ナトリウムの添加率はチップ固形分重量に対して1.5固形分重量%であった。この亜硫酸ナトリウムを含浸させたチップを135℃で5分間予熱処理した後、ダム数5段(フルダム)のリファイナーセグメントをセットした加圧リファイナーを用いて、25固形分重量%にて1次リファイニングで解繊した。リファイナーセグメントの歯幅は2.5mm、溝幅は4.0mm、歯高さは7.0mm、テーパーは1/100mmである。このようにして製造したスギCTMPをカナダ標準濾水度(CSF)が95mlとなるまで叩解し、電子写真用転写紙の製造に使用した。
実験2.電子写真用転写紙の製造
製紙用原料パルプとして、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:460ml)と各種針葉樹パルプを用い、添加薬品として中性ロジンサイズ(星光PMC社製:CC1401)、カチオン化デンプン(日本エヌエスシー社製:Cato304)を対パルプ絶乾重量%表示として、それぞれ0.5重量%、0.7重量%、軽質炭酸カルシウムを灰分が16%となるように添加した紙料スラリーを調成した。
この実験においては、針葉樹パルプとして、実験1で調製したスギCTMP(CSF:95ml、サンプル1)、スギGP(グランドウッドパルプ、CSF:95ml、サンプル2)、スギKP(クラフトパルプ、CSF:460ml、サンプル3)、マツCTMP(マツ材から実験1と同様に調製、CSF:95ml、サンプル4)を使用して、電子写真用転写紙を製造した。
また、参照用として、各種針葉樹パルプを使用せずに上記LBKPだけをパルプとして使用して、電子写真用転写紙を製造した(サンプル5・6)。さらに、嵩高剤(ステアリン酸モノアミド、中京油脂社製N327)を対パルプ絶乾重量%表示で0.8重量%添加した電子写真用転写紙も製造した(サンプル6)。
この紙料スラリーを用い、オントップツインワイヤー抄紙機にて抄紙し、酸化デンプン(日本コーンスターチ:SK−20)を6%、サイズ剤(荒川化学社製:ポリマロン1350M)を0.2%、導電剤として塩化ナトリウムを0.1%配合したサイズプレス液を両面で1mあたり1.0g塗布し、さらにカレンダー処理を行い、坪量64g/mの電子写真用転写紙を得た。
このようにして製造した電子写真用転写紙を評価した結果を、表1に示す。本発明にしたがってスギ材を原料とした機械パルプを使用すると(スギCTMPまたはスギGP)、クラーク剛度が28cm/100以上に向上し、段積性、コピー搬送性ともに良好であった(サンプル1・2)。一方、スギ材を原料としたKPを使用すると、クラーク剛度が低く、コピー搬送性が劣った(サンプル3)。また、マツ材を原料とするCTMPを使用した紙は、Z方向の荷重に弱く、段積性が劣っていた(サンプル4)。スギCTMPと比較してマツCTMPは繊維がつぶれにくく、繊維間結合の結合面積が比較的小さくなったものと考えられる。
さらに、針葉樹パルプを使用せずLBKPのみを使用して製造した紙に比べて、スギCTMPを使用した紙は、紙が嵩高となりクラーク剛度が高く、段積性、コピー搬送性ともに良好であった。一方、嵩高剤を使用すると紙が嵩高になるものの、段積性、コピー搬送性が悪化した。
実験3.電子写真用転写紙の製造
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:460ml)とスギCTMP(CSF:95ml)との使用比率を100:0〜40:60の範囲で変化させた以外は、実験2と同様にして電子写真用転写紙を製造し、評価した。
表2に結果を示すが、スギ材を原料としたTMPの配合量が高くなるほど、紙のクラーク剛度が高くなった。また、段積性は下がっていく傾向がみられるが、コピー搬送性は良化した。一方、スギTMPを含有しない紙は、クラーク剛度が28cm/100未満となり、コピー搬送性が悪かった。
実験4.電子写真用転写紙の製造
原紙に配合する軽質炭酸カルシウムを調整して紙の灰分を7〜40%の範囲で変化させた以外は、実験2と同様にして電子写真用転写紙を製造し、評価した。
表3に結果を示す。パルプ配合がLBKP70重量部、スギCTMP30重量部の場合(サンプル1〜5)、紙中灰分を増加させるにつれ、密度が高くなり、段積性が良化するものの、クラーク剛度が低下し、コピー搬送性が悪化した。特に紙中灰分が40重量%になると、クラーク剛度は28cm/100未満となり、コピー搬送性が悪化した。一方、灰分が7%と少ない場合は、紙のクラーク剛度が高く、段積性、コピー搬送性ともに良好であった。
また、スギCTMPを多く配合した場合(サンプル6・7)、紙中灰分を40重量%と高くしても、クラーク剛度を28cm/100以上に維持することができ、段積性、コピー搬送性ともに良好であった。

Claims (5)

  1. スギを原料とした機械パルプを含有し、紙中灰分が10重量%以上、CD方向のクラーク剛度が28cm/100以上、密度が0.7g/cm 以下である電子写真用転写紙。
  2. 前記機械パルプが、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)である、請求項1に記載の電子写真用転写紙。
  3. 前記機械パルプの平均繊維長が、0.8mm以上1.2mm以下である、請求項1または2に記載の電子写真用転写紙。
  4. 坪量が55〜80g/mである、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用転写紙。
  5. 前記機械パルプを、原料パルプ中に10質量%〜50質量%の量で含有する、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用転写紙。
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