JP6321409B2 - 蓄熱材および蓄熱体とこれらの製造方法 - Google Patents

蓄熱材および蓄熱体とこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は蓄熱材および蓄熱体とこれらの製造方法に関するものである。
循環型社会の構築に向けて未利用エネルギーの活用が期待されている中、幅広い分野で熱エネルギーを蓄える材料が注目されている。
たとえば工場での排熱利用や、家庭での夜間電力の活用、太陽熱発電での夜間や天候不良時の熱源確保などのためである。
既存の蓄熱材として、1000℃以上では製鉄所などで使われる高炉用のレンガやチェッカーレンガ、ハニカムなどが知られている。
一方、400℃程度では硝酸ナトリウムや硝酸カリウムなどの溶融塩が知られている。
特開2013−124823号公報。
上記したように、従来は1000℃以上の高温域や、400℃以下の低温域では既存の蓄熱材が利用されている。
しかし製鉄所などで使われる高炉用のレンガやチェッカーブロック、ハニカムなどは、1000℃以上の高温域において耐久力があって有効であるが、形状に自由度がなく、製造単価が高いという問題がある。
一方、溶融塩や水などは、物質の相変化を使用した蓄熱材であるから、相変化の温度域、すなわち400℃以下の低温域でのみ利用ができるものであり、それを超える温度には利用できない。
また相変化の場合に冷えると管路が閉塞するため、常に一定量の熱量を確保しておく必要がある。
また硝酸カリウムなどの溶融塩は肥料としての用途があるために資源の確保が難しいという問題もある。
そのために、溶融塩の適用が難しくなる600℃前後の中温域では高温域の蓄熱材を使用している。
しかし前記したように、高温域の蓄熱材は高温域耐久性が高いことから、高コストとなり、既製品の転用なので形状に制限を受けることから既存の蓄熱材は設置後の入れ替え、解体が困難であるという問題があった。
上記のような課題を解決する本願の第1発明は、中空の耐熱性・熱伝導性のあるパイプと、前記パイプの内部に充填した蓄熱性のある充填材で構成し、前記充填材は、アルミナセメントと細骨材とコンクリート用化学混和剤と水とを混合してなり、前記アルミナセメントの30体積%以下が溶融スラグに置換されており、且つ、前記水の重量を前記アルミナセメントの重量と前記溶融スラグの重量との合量で除した割合が20%以下である高強度モルタルであることを特徴とするものである。
本願の第2発明は、前記第1発明に記載の蓄熱材において、前記充填材に内部に貫通する空隙を備えたことを特徴とするものである。
また本願の第3発明は、前記第1発明または第2発明に記載の蓄熱材を、ひとつの容器の内部に集合して構成したことを特徴とするものである。
また本願の第4発明は、前記第1発明または第2発明に記載の蓄熱材の製造方法であって、前記パイプに前記充填材を充填して一定時間養生した後、100℃前後で加熱して製造することを特徴とするものである。
また本願の第5発明は、前記第3発明に記載の蓄熱体の製造方法であって、前記蓄熱体内を通る熱輸送媒体の流入側と流出側とで、前記蓄熱材の長さ、外径、および数のうち少なくとも何れか1つを変えて前記蓄熱材を配置することを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果の少なくともひとつを得ることができる。
<1>600℃前後の中温域を中心に、低温域から高温域まで幅広い温度域にて適用が可能であり、高い耐久性と高い熱交換率を備えた蓄熱材と蓄熱体と蓄熱材の製造方法を提供することができる。
<2>形状は外部の耐熱性・熱伝導性のあるパイプの形状で決まるから、形状が単純で、格子状に組んだり、縦置きするなど各種の組み合わせや、自由な位置への設置を行うことができる。
<3>耐熱性・熱伝導性のあるパイプの断面の形状を、円、矩形、三角形などから選択して現場に最適の形状を採用することができる。
<4>外側に耐熱性・熱伝導性のあるパイプが存在することから、高い耐久性と高い熱伝導率を確保することができる。
<5>耐熱性・熱伝導性のあるパイプの材料を選択することにより熱伝導率や耐久性、コストを自由に選択することができる。
<6>構成する材料が安価であるので、低コストの蓄熱材として市場に提供することができる。
<7>パイプは断面形状が円、矩形、三角形などの単純な棒状であるから、複数を並べることによって空隙率の調整が容易であり、配置する本数の調整により蓄熱容量の調整が容易である。また、蓄熱体の使用開始後の再調整も容易である。
<8>パイプは断面形状が円、矩形、三角形などの単純な棒状であるから、配列の調整によって蓄熱材の周囲を流れる熱交換媒体の流量や流速の制御が容易である。また、蓄熱体の使用開始後の再調整も容易である。
<9>蓄熱材の交換や加減、再配置などのメンテナンスが容易な蓄熱材と蓄熱体と蓄熱材の製造方法を提供することができる。
<10>耐熱性・熱伝導性のあるパイプの内部にコンクリートなどの充填材を充填、打設しているため、使用中に乾燥や熱応力によりセメント等に由来する微粉末や剥離片が発生しても蓄熱体や蓄熱槽の内部、熱輸送や熱交換のための媒体を汚染することがない。
<11>充填材としてコンクリートを使用する場合には、その材料として耐熱性の高いセメントや骨材を使用する発明によれば蓄熱量、耐久性をより向上させることができる。
<12>耐熱性・熱伝導性のあるパイプの内部に充填材としてコンクリートを打設して養生した後に加熱する発明によれば、養生後の余剰水を揮発させて爆裂を防止することができ、やはり蓄熱量、耐久性をより向上させることができる。
<13>耐熱性・熱伝導性のあるパイプの内部にコンクリートを打設する発明によれば、コンクリートを加熱する際にひび割れ等の欠陥が発生しても形状を維持することが出来る。
<14>耐熱性・熱伝導性のあるパイプの内部にコンクリートを打設する発明によれば、使用中に骨材の体積変化によりコンクリートにひび割れ等の欠陥が発生しても形状を維持することが出来る。
<15>耐熱性・熱伝導性のあるパイプの内部に充填する材料はパイプで形状を維持されているため、砂や耐火煉瓦の破砕物のような自立しない材料を蓄熱材とすることが出来る。
<16>耐熱性・熱伝導性のあるパイプの内部に充填する材料はパイプで周囲から保護されているため、砂や耐火煉瓦の破砕物が熱応力や体積変化のために微粉末や剥離片を生じたとしても蓄熱体や蓄熱槽の内部、熱輸送や熱交換のための媒体を汚染することがない。
本発明の蓄熱材の実施例の説明図。 多重のパイプを使用した蓄熱材の実施例の説明図。 長さも外径も等しい蓄熱材の集合体である蓄熱体の説明図。 蓄熱材を井桁に組んだ集合体である蓄熱体の実施例の説明図。 長さの異なる蓄熱材の集合体である蓄熱体の説明図。 外径の異なる蓄熱材の集合体である蓄熱体の説明図。 長さと外径が異なる蓄熱材の集合体である蓄熱体の説明図。 相対的に短い蓄熱材の集合体である蓄熱体の説明図。
以下図面を参照しながら本発明の蓄熱材および蓄熱体とこれらの製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1>構成部材。
本発明の蓄熱材Aは、中空のパイプ1と、その内部に充填したコンクリートなどの充填材2とによって構成する。(図1)
<2>パイプ。
本発明を構成するパイプ1として耐熱性、熱伝導性の高い素材によって形成した中空のパイプ1を使用することができる。
たとえば各種の金属で製造したパイプ1採用することができ、その中でも鋼管のパイプ1を採用することができる。
特に鋼管のパイプ1を選択すると、多種類の市販品があるから経済的である。
その断面が円形の中空パイプ1であっても(図1a)、あるいは矩形(図1b)、三角形(図1c)などの多角形のものも採用することができる。
前記したように鋼管パイプ1の代替として、公知の各種の金属パイプ1の中から選択して構成することができる。
このように蓄熱材Aの外部が鋼管などのパイプ1であるから、蓄熱材Aに高い耐久性と高い熱伝導率を確保することができる。
また蓄熱材Aの形状が、外部のパイプ1の形状で決まるから、形状が単純で、格子状に組んだり、縦置きするなど各種の組み合わせや、自由な位置への設置を行うことができる。
さらにパイプ1の断面を、円、矩形、三角形などから選択して現場に最適の形状を採用することができる。そのために説明において「外形」は「外径」を含んだ意味で使用する場合がある。
さらにパイプ1の材料を選択することにより熱伝導率や耐久性、コストを自由に選択することができる。
パイプ1として鋼管パイプ1を選択した場合には、材料が多量に市販されているので安価であり、低コストの蓄熱材Aとして市場に提供することができる。
<3>充填材。
中空のパイプ1は一方の端を閉塞し、その内部に砂、耐火煉瓦の破片、破砕物、あるいはコンクリートなどの充填材2を充填する。
充填に際しては振動を与えて行うこともできる。
充填材2としてコンクリートを選択して充填する場合には、充填するコンクリートのセメントや骨材は、耐熱性のセメントや骨材で構成することができる。
このように充填材2として選択したコンクリートとして、特に耐熱性の高いセメントや骨材で構成すれば、蓄熱材Aの蓄熱量、耐久性をより向上させることができる。
また、コンクリートを選択した場合に、コンクリートから粗骨材を除いたモルタルを用いても同様な効果が期待できる。
また、内径の小さいパイプ1を使用する場合には、充填を確実に行うためにモルタルを用いることが好ましい。
また、耐熱性の高いモルタルは公知の各種モルタルから選択することが出来る。
モルタルとして例えば、アルミナセメントと細骨材とコンクリート用化学混和剤と水とを混合してなる高強度モルタルであって、前記アルミナセメントの30体積% 以下が溶融スラグに置換されており、且つ、前記水の重量を前記アルミナセメントの重量と前記溶融スラグの重量との合量で除した割合が20%以下であることを特徴とする高強度モルタルを採用することができる。
その他、特許公報、学会論文などで公知の、耐熱性の高いモルタルを採用することができる。
<4>製造方法。
次に本発明の蓄熱材Aの製造方法について説明する。
<5>充填材の充填。
上記したパイプ1、たとえば中空の鋼管パイプ1の内部に、充填材2としてたとえばコンクリートを充填打設する。
その際に、上記したような耐久性の高いセメントや骨材で構成したコンクリートを使用することができる。
<6>加熱。
充填材2としてコンクリートを採用した場合に、コンクリートの打設後に一定時間養生した後、鋼管ごと、100℃前後で加熱する工程を採用することもできる。
加熱には乾燥炉など、公知の方法を採用することができる。
このような工程を経て製造すると、養生後の余剰水を揮発させてコンクリートの爆裂を防止することができ、蓄熱量、耐久性をより向上させることができる。
またコンクリートは乾燥によりひび割れることがあり、棒状の成形体の場合には形状を維持できない場合があるが、本発明によればコンクリートは耐熱性・熱伝導性のあるパイプ1の内部に打設されているため、内部に充填したコンクリートにひび割れが発生した場合でも容易に形状を維持することが出来る。
<7>端部の閉塞。
充填材2としてコンクリートを採用した場合に、加熱する工程を採用すると、蓄熱材Aとして使用した場合に余剰水等が揮発することがない。
そのために加熱後に端部に鋼板などを溶接して閉塞して製造することもできる。
蓄熱材Aの側面はすでに耐熱性・熱伝導性のあるパイプ1で覆われているが、端部も同様に耐熱性・熱伝導性のある材料で覆うことで、蓄熱材Aとして使用している際にコンクリートなどから微粉末や剥離片が生じたとしても蓄熱材Aの集合体である蓄熱体Bや蓄熱槽の内部、熱輸送や熱交換のための媒体を汚染することがない。
<8>多重のパイプの蓄熱材。(図2)
前記の実施例は、1本の中空のパイプ1、たとえば鋼管パイプ1の内部に、充填材2、例えばコンクリートを打設する構造であった。
それだけでなく内パイプ12と外パイプ11よりなる二重のパイプ1、あるいは三重のパイプ1などを使用し、それらの内外のパイプ1の間にコンクリートなどを打設する構造を採用することもできる。
二重のパイプ1の場合に、外パイプ11と内パイプ12の間に充填材2を充填し、内パイプ12の内部は期待の流通を許容する空隙3として開放した断面構造を採用することができる。(図2a)
あるいは、二重のパイプ1の内部の空隙3にさらに空隙3内の外パイプ11を位置させ、その内部に内側充填材2を充填した三重のパイプ1の構造を採用することができる。(図2b)
あえて多重のパイプ1を採用する意味を説明する。
設計条件として、熱交換の速度や効率を確保するために、当該蓄熱材Aの内部の材料の容量に対する熱交換の面積の比率の増加を求められる場合、本発明においては、蓄熱材Aの外形や外径を小さくすることで対応可能である。
例えば、断面が円形の場合には蓄熱材Aの外径寸法を小さくすれば良い。
しかしながら外形や外径を小さくすると別の問題がある。
すなわち蓄熱材Aの剛性が低下するので、蓄熱体Bを構成した場合に、好ましくないたわみやねじれなどのなどの変形を生じる可能性もある、という問題である。
また、運搬や設置の際の取り扱いも慎重に行う必要がある。
さらに内部を構成する充填材2の充填が困難になる場合がある。
これに対し、例えば、二重のパイプ1あるいは三重のパイプ1とすることで外形、外径を過度に小さくすることなく、熱交換の行われる面積を確保することが可能になり、好ましくない変形を防ぐことが出来る。
また、外形、外径を小さくする際に、蓄熱材Aの内部の材料を所定量確保するためには耐熱性・熱伝導性のあるパイプ1の肉厚を薄くする必要がある。
肉厚の薄いパイプ1の適用は蓄熱材Aの剛性の低下につながるばかりでなく、一般に流通している仕様を逸脱することでコストの大幅な上昇を招き、当該蓄熱材Aの効果の一部を損なうこととなる。
これに対し、例えば、二重のパイプ1あるいは三重のパイプ1とすることで外形、外径を過度に小さくすることなく、過度に肉厚の薄いパイプ1を使用する必要がなくなり、剛性の低下やコストの上昇を防ぐことが出来る。
さらに、運転開始後に蓄熱の仕様を変更する際に、従前の外形、外径と同様の外形、外径を持つ二重のパイプ1あるいは三重のパイプ1を用いることで、既に配置している蓄熱体Bの一部、あるいは全部を置換する際に幾何学的な配置を変更することがなく容易に置換が可能になる。
さらに、例えば、二重のパイプ1あるいは三重のパイプ1の場合は内部を熱輸送媒体の閉じた経路とすることが可能で、特別な蓄熱槽を設けなくても熱の輸送経路に蓄熱機能を付与することが可能になるため、蓄熱槽の設置スペースを省く等、非常に好ましい効果が期待できる。
<9>蓄熱体。(図3)
上記の蓄熱材A群をひとつの容器に集合させた集合体によって、内部に貫通する空隙3を有する蓄熱体Bを構成する。
本発明の蓄熱材Aは上記したようにその外形はパイプ1、たとえば鋼管パイプ1によって決定するので、蓄熱材A自体が円柱、角柱のような単純な形状を呈するから、多数本の蓄熱材Aを鉛直、あるいは水平に平行に並べた集合体を、ひとつの容器に収納して、内部に貫通する空隙3を有するひとつの蓄熱体Bとして市場に提供することができる。
あるいは多数本の蓄熱体Bを、空隙3を介して井桁状に積み上げてひとつの蓄熱体Bとして提供することもできる。(図4)
以上のような蓄熱材Aの集合体では、基本的には図3に示すように、直径と長さが等しい複数本の蓄熱材Aを並べたり組んだりして蓄熱体Bを構成する。
蓄熱体Bを構成する各蓄熱材Aは上記したように外形が鋼管などのパイプ1であるから、複数を並べることによって空隙率の調整が容易であり、一部の蓄熱材Aが劣化した場合にも劣化した1本だけを引き抜いて新品に入れ替えるといったメンテナンスも簡単に行うことができる。
このように構成した蓄熱体Bの一方から流体が浸入して他方から排出するように、流路の一部として設置する。
この際、当該蓄熱体Bは蓄熱性能に優れるが熱交換や伝熱速度の劣る内部の充填材2と、蓄熱性能は劣るが熱交換や伝熱速度の優れるパイプ1を組み合わせて構成している。
そのため図4のように蓄熱体Bを配置すると、熱媒体の移動速度が蓄熱体B内で一様でなくとも、流向に直交する方向に蓄熱材Aを配置することで流向に直交する方向の温度分布、すなわち蓄熱のむらを小さくすることができ、効率よく蓄熱することが出来る。
なお、図の蓄熱体Bはひとつの矩形の容器として表現してあるが、円筒形、多角形の容器などを採用することができ、その形状に制限されるものではない。
すなわち本発明は設計要件に合わせて個々の蓄熱材Aの配置を自由に設計できることもその特徴であって、蓄熱材Aの容器としての蓄熱体Bの形状は、円筒、多角形、その他凹凸のある容器でも、その内部に空隙3を介して蓄熱材Aを収納することが可能である。
<10>長さの異なる蓄熱材の集合。(図5)
一部の蓄熱材Aの長さを異なって構成したものを、空隙3を介して集合体として配置することもできる。
その場合に、長い蓄熱材Aの一部だけに、短い蓄熱材Aを集中して配置する構成を採用することもできる。
するとひとつの蓄熱体Bで、部位により蓄熱材Aの密度が異なった蓄熱体Bを提供することもできる。
このように外形が単純な形状の鋼管であるから、複数を並べることによって空隙率の調整が容易であり、一部だけの本数を増やすなどの配置によって密度の調整が容易である。
この調整により、蓄熱体B内の熱輸送媒体の移動速度の分布を制御することが可能になり、より効果的な熱交換を実現することが可能になる。
すなわち、熱輸送媒体と蓄熱材Aの温度差が大きく熱交換が速い流入口付近は流速を大きくするため空隙率を小さく、温度差が小さく熱交換が遅い流出口付近では流速を小さくするため空隙率を大きくすることなどの対応が出来る、という意味である。
<11>外径の異なる蓄熱材の集合。(図6)
一つの蓄熱体Bに、外径を異なった蓄熱材Aを空隙3を介して平行に並べて集合させて蓄熱体Bを構成することができる。
ここに「外径」とは円形断面の直径のことだけでなく、多角形の一片の長さを含んだ意味である。
このような構造の蓄熱体Bでは、外径の大きい大径の蓄熱材A1の間に、より小径の蓄熱材A2を、さらにもっとも小径の蓄熱材A3を順次挿入することで、高い密度の配置を得ることができる。
あるいは、円形断面の蓄熱材Aと、矩形断面の蓄熱材Aを組み合わせて集合体を構成することもできる。
このように組み合わせることで、蓄熱材Aの量、熱交換を行う蓄熱材Aの表面の面積、熱輸送媒体の速度を制御するための空隙率をさらに自由に調整することが出来る。
このような効果は図4〜図7の実施例でも共通である。
<12>長さと外径の異なる蓄熱材の集合。(図7)
長さも外径も異なる蓄熱材Aを、空隙3を介して集合させて、外径が大きく長さの長い蓄熱材A1の一部だけを、外径が小さく長さの短い蓄熱材A2で取り囲む構成を採用することもできる。
このような構造の蓄熱体Bでは、その一部だけの蓄熱量が大きい蓄熱体Bを提供することができる。
このように組み合わせることで、蓄熱材Aの量、熱交換を行う蓄熱材Aの表面の面積、熱輸送媒体の速度を制御するための空隙率をさらに自由に調整することが出来る。
さらにそれぞれの棒状の蓄熱材Aを熱輸送媒体の流向と平行に配置する場合、蓄熱材Aの熱輸送媒体の流入口付近と流出口付近の温度差を早く小さくしたい場合には、流入口から流出口まで伝熱性の高いパイプ1が連続することが望ましいため、長い蓄熱体Bを用いることが好ましい。
一方、蓄熱材Aの熱輸送媒体の流入口付近と流出口付近の温度差をゆっくり小さくしたい場合あるいは温度差を大きくしたい場合には、伝熱性の高いパイプ1が不連続になるよう短い蓄熱体Bを組み合わせて蓄熱槽に配置することが好ましい。
このように、長さの異なる蓄熱材Aを組み合わせて蓄熱体B内に配置することにより、蓄熱材Aの量、熱交換を行う蓄熱材Aの表面の面積、熱輸送媒体の速度の制御に加え、蓄熱材Aの温め方、すなわち熱の与え方も自由に調整することが出来る。
<13>短い蓄熱材の集合。(図8)
短い蓄熱材Aを縦に、空隙3を介して積み上げて蓄熱体Bを構成することもできる。
ここに「短い」とは相対的な意味であり、1本の長い蓄熱材Aを分割した状態で蓄熱材Aを製造して縦方向に積み上げるものである。
その場合に、短い蓄熱材Aはすべてが同径である必要はなく、すべてが同じ長さである必要もない。
各蓄熱材Aが、長い蓄熱材Aを分割したものであると、製造や取扱い、その後の入れ替えなどの作業も容易となる。
また特に蓄熱材Aの熱輸送媒体の流入口付近と流出口付近の温度差をゆっくり小さくしたい場合、あるいは温度差を大きくしたい場合には、伝熱性の高いパイプ1が不連続になるよう短い蓄熱材Aを組み合わせて配置することが好ましい。
このように、長さの異なる蓄熱材Aを組み合わせて空隙3を介して蓄熱体Bに配置することにより、蓄熱材Aの量、熱交換を行う蓄熱材Aの表面の面積、熱輸送媒体の速度の制御が容易になり、さらに蓄熱材Aの温め方、すなわち熱の与え方も自由に調整することが出来る。
1:パイプ
2:充填材
3:空隙
A:蓄熱材
B:蓄熱体

Claims (5)

  1. 中空の耐熱性・熱伝導性のあるパイプと、
    前記パイプの内部に充填した蓄熱性のある充填材で構成し
    前記充填材は、アルミナセメントと細骨材とコンクリート用化学混和剤と水とを混合してなり、前記アルミナセメントの30体積%以下が溶融スラグに置換されており、且つ、前記水の重量を前記アルミナセメントの重量と前記溶融スラグの重量との合量で除した割合が20%以下である高強度モルタルであることを特徴する、
    蓄熱材。
  2. 前記の充填材において、
    内部には貫通する空隙を備えたことを特徴とする、
    請求項に記載の蓄熱材。
  3. 請求項1または2に記載のいずれかの蓄熱材を、
    ひとつの容器内に集合して構成した、
    蓄熱体。
  4. 請求項1または2に記載の蓄熱材の製造方法であって、
    前記パイプに前記充填材を充填して一定時間養生した後、
    100℃前後で加熱して製造することを特徴とする、
    蓄熱材の製造方法。
  5. 請求項3に記載の蓄熱体の製造方法であって、
    前記蓄熱体内を通る熱輸送媒体の流入側と流出側とで、前記蓄熱材の長さ、外径、および数のうち少なくとも何れか1つを変えて前記蓄熱材を配置することを特徴とする、
    蓄熱体の製造方法。
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