JP6318787B2 - オリゴフルオレンジアリールエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2、3では、ポリカーボネート樹脂中のフルオレン環を有する繰り返し単位の含有量を特定の範囲に制御することで、そのポリカーボネート樹脂からなる延伸フィルムが、短波長になるほど位相差が小さくなる逆波長分散性を示すことから、位相差フィルムとして優れた性能を有していることが開示されている。短波長になるほど位相差が小さくなる、いわゆる逆波長分散性を示す位相差フィルムは、可視領域の各波長において理想的な位相差特性を得ることができ、円偏光板として画像表示装置の外光反射防止や視野角補正などに有用である。
特許文献4には、同一分子内に2つのフルオレン環を有するジエステル化合物が開示されており、さらにそれを用いたポリエステル樹脂が記載されている。特許文献5では、同一分子内に2つのフルオレン環を有するジヒドロキシ化合物やジエステル化合物が開示されており、さらにそれを用いたポリエステル樹脂の延伸フィルムが記載されている。
即ち本発明は以下を要旨とする。
R4〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアリールオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のビニル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のエチニル基、置換基を有するケイ素原子、置換基を有する硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基である。ただし、R4〜R9のうち隣接する少なくとも2つの基が互いに結合して環を形成していてもよい。
Riは水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキル基であり、
Ar1は置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基である。
nは1〜5の整数値を示す。)
[3] 前記無機塩基が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることを特徴とする[2]に記載のオリゴフルオレンジアリールエステルの製造方法。
[4] 前記工程Aにおいて、水と2層分離する有機溶媒を用いることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のオリゴフルオレンジアリールエステルの製造方法。
[5] Ar1がフェニル基であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のオリゴフルオレンジアリールエステルの製造方法。
また本発明において、「置換基を有していてもよい」は「置換されていてもよい」と同義である。
本発明のオリゴフルオレンジアリールエステルの製造方法は、下記一般式(I)で表されるオリゴフルオレン化合物(以下、オリゴフルオレン化合物(I)と略記する場合がある)を、塩基存在下、下記一般式(II)で表される不飽和カルボン酸アリールエステル(以下、不飽和カルボン酸アリールエステル(II)と略記する場合がある)と反応させて下記式(III)で表されるオリゴフルオレンジアリールエステル(以下、オリゴフルオレンアリールエステル(III)と略記する場合がある)を得る工程(工程A)を有する。
R4〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアリールオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のビニル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のエチニル基、置換基を有するケイ素原子、置換基を有する硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基である。ただし、R4〜R9のうち隣接する少なくとも2つの基が互いに結合して環を形成していてもよい。
Riは水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキル基であり、
Ar1は置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基である。
nは1〜5の整数値を示す。
本発明の製造方法において、出発原料となるオリゴフルオレン化合物は、前記工程Aにおいて前記一般式(I)で示したものである。
前記一般式(I)においてR3は、直接結合、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリーレン基、又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキレン基である。
下記[B]群に示されるような複素環構造の任意の2箇所に直鎖状又は分岐状のアルキレン基の結合手を持つ複素環式アルキレン基
上記[A]群に示されるような脂環構造や、上記[B]群に示されるような複素環構造が、任意の2箇所に有している直鎖状又は分岐状のアルキレン基の結合手の具体的な構造は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレンなどの直鎖状のアルキレン基;1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、3−メチルプロピレン基などの分岐鎖を含むアルキレン基(ここで置換位置の数値は、上記環構造に結合した炭素からつけるものとする)が挙げられる。
後述のフルオレン比率を高めるとの観点からは、R3を置換されていてもよいアルキレン基とする場合には、その炭素数を4以下とすることが好ましく、2以下とすることがより好ましい。
また、フルオレン比率を高めるとの観点からは、R3を置換されていてもよいアリーレン基とする場合には、その炭素数を8以下とすることが好ましく、6以下とすることがより好ましい。
また、フルオレン比率を高めるとの観点からは、R3を置換されていてもよいアラルキレン基とする場合には、その炭素数を8以下とすることが好ましい。
当該アラルキレン基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);炭素数1〜10のアルキル基(例、メチル基、エチル基、イソプロピル基等);炭素数1〜10のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基等);炭素数1〜10のアシル基(例、アセチル基、ベンゾイル基等);炭素数1〜10のアシルアミノ基(例、アセトアミド基、ベンゾイルアミド基等);ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜10のアルキル基(例、メチル基、エチル基、イソプロピル基等)、炭素数1〜10のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基等)、炭素数1〜10のアシル基(例、アセチル基、ベンゾイル基等)、炭素数1〜10のアシルアミノ基(例、アセトアミド基、ベンゾイルアミド基等)、ニトロ基、シアノ基などから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基(例、フェニル基、ナフチル基等)等が挙げられる。当該置換基の数は、特に限定されないが、1〜3個が好ましい。置換基が2個以上ある場合は、置換基の種類は同一でも異なっていてもよい。また、工業的に安価に製造できるとの観点からは無置換であることが好ましい。
或いは、樹脂組成物のガラス転移温度を高くできる、1,4−フェニレン基であり、特に好ましくは、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、又は2,2−ジメチルプロピレン基である。長い鎖状の基は本発明で目的とするオリゴフルオレンジアリールエステルをポリエステル、ポリエステルカーボネートなどの光学用途の樹脂原料として用いる際に、樹脂組成物のガラス転移温度を低下させてしまう傾向がある。
これらの中でも、酸性度の高いプロトンを持たず、分子量が小さく、後述のフルオレン比率を高めることができる傾向があることから、N,N−ジメチルアミノ基、N−エチルアミノ基、又はN,N−ジエチルアミノ基が好ましく、N,N−ジメチルアミノ基であることがより好ましい。
これらの中でも、酸性度の高いプロトンを持たず、分子量が小さく、フルオレン比率を高めることができる傾向があることから、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、又はフェニルスルフィニル基が好ましく、メチルスルフィニル基であることがより好ましい。
これらの中でも、比較的導入が容易で、電子吸引性の置換基のため、フルオレン9位の反応性を高める傾向があることから、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子が好ましく、塩素原子又は臭素原子であることがより好ましい。
これらR4〜R9の中で好ましくは、全て水素原子、或いはR4及び/又はR9がハロゲン原子、アシル基、ニトロ基、シアノ基、及びスルホ基からなる群から選ばれるいずれかであり、かつ、R5〜R8が水素原子である。全て水素原子の場合、工業的にも安価なフルオレンから誘導できる。また、R4及び/又はR9がハロゲン原子、アシル基、ニトロ基、シアノ基、及びスルホ基からなる群から選ばれるいずれかで、かつ、R5〜R8が水素原子の場合、フルオレン9位の反応性が向上するため、様々な誘導反応が適応可能となる傾向がある。より好ましくは、全て水素原子、或いはR4及び/又はR9がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びニトロ基からなる群から選ばれるいずれかで、かつ、R5〜R8が水素原子であり、特に好ましくは全て水素原子の場合である。また、上記のものとすることで、フルオレン比率を高めることができ、かつ、フルオレン環同士の立体障害が生じにくく、フルオレン環に由来する所望の光学特性が得られる傾向もある。
また、前記一般式(I)においてnは1〜5の整数値を表わすが、合成上の容易さの観点からは4以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
上記一般式(I)で表されるオリゴフルオレン化合物の具体的な構造としては、下記[F]群に示されるような構造が挙げられる。
本発明のオリゴフルオレンジアリールエステルの製造方法の工程Aにおいて、反応試材として用いる不飽和カルボン酸アリールエステルは、一般式(II)で表されるものである。
具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基などの(直鎖であっても分岐鎖であっても良い)アルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−チエニル基などのアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、p−メトキシベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。これらの中でも、反応性に優れ、工業的に安価に入手できるとの観点からは水素原子、メチル基、又はエチル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
これらの不飽和カルボン酸アリールエステル(II)は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のオリゴフルオレンジアリールエステルの製造方法の工程Aにおいて用いる塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩、燐酸ナトリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸カリウムなどの燐酸のアルカリ金属塩、n−ブチルリチウム、ターシャリブチルリチウムなどの有機リチウム塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシド、などのアルカリ金属のアルコキシド塩、水素化ナトリウムや水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属塩、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセンなどの三級アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの四級アンモニウムヒドロキシドが用いられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
工程Aにおいて、有機層と水層の2層系での反応を行う場合、反応速度を上げるため、相間移動触媒を用いることが好ましい。
相間移動触媒としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリデシルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、アセチルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどの四級アンモニウム塩のハライド(フッ素は除く)、N,N−ジメチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムヨージド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムブロミド、N−ベンジル−N−メチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムブロミドなどの四級ピロリジニウム塩のハライド(フッ素は除く)、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムヨージド、N−アリル−N−メチルモルホリニウムブロミドなどの四級モルホリニウム塩のハライド(フッ素は除く)、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムクロリド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムブロミド、N,N−ジメチルピペリジニウムヨージド、N−メチル−N−エチルピペリジニウムアセテート、N−メチル−N−エチルピペリジニウムヨージドなどの四級ピペリジニウム塩のハライド(フッ素は除く)、クラウンエーテル類などが挙げられる。好ましくは四級アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラブチルアンモニウムブロミド又はベンジルトリエチルアンモニウムクロリドである。
相間移動触媒の使用量は、原料であるオリゴフルオレン化合物(I)に対して、多すぎるとエステルの加水分解や逐次マイケル反応などの副反応の進行が顕著になる傾向があり、また、コストの観点からも、通常、オリゴフルオレン化合物(I)に対して5倍モル以下、好ましくは2倍モル以下、さらに好ましくは1倍モル以下である。相間移動触媒の使用量が少なすぎると反応速度が著しく低下する傾向があるため、通常、相間移動触媒の使用量は、原料のオリゴフルオレンに対して、0.01倍モル以上である。好ましくは、0.05倍モル以上、より好ましくは0.1倍モル以上である。
オリゴフルオレン化合物(I)が固体であり、攪拌が困難であること、不飽和カルボン酸アリールエステル(II)が高濃度では重合しやすい傾向にあるとの観点から、工程Aは溶媒を用いて行うことが望ましい。
特に、重合反応などの副反応が抑制できる傾向があることから、工程Aは有機層と水層の2層系で反応を行うことが望ましく、そのために溶媒として水と有機溶媒を併用することが好ましい。なお、塩基として無機塩基の水溶液を用いた場合には、該水溶液中に含まれる水を、工程Aにおいて溶媒として用いてもよい。
有機溶媒の使用量は、上限は特に制限はないが、反応器あたりの目的物の生成効率を考えると、通常、原料のオリゴフルオレン化合物(I)の20倍体積量、好ましくは15倍体積量、さらに好ましくは10倍体積量となるような量が使用される。一方、有機溶媒の使用量が少なすぎると試剤の溶解性が悪くなり攪拌が難しくなるとともに反応の進行が遅くなるので、下限としては、通常、原料のオリゴフルオレン化合物(I)の1倍体積量、好ましくは2倍体積量、さらに好ましくは4倍体積量となるような量が使用される。
工程Aを行う際、反応の形式はバッチ型反応でも流通型反応でもそれらを組み合わせたものでも特にその形式は制限なく採用できる。
バッチ式の場合の反応試剤の反応器への投入方法は、不飽和カルボン酸アリールエステル(II)を反応開始時に一括添加で仕込んだ場合、不飽和カルボン酸アリールエステル(II)が高濃度で存在するため、副反応の重合反応が進行し易い。よって原料のオリゴフルオレン化合物(I)、相間移動触媒、溶媒及び塩基を加えた後に、少量ずつ不飽和カルボン酸アリールエステル(II)を逐次添加するのが好ましい。
工程Aにおいて、温度が低すぎると十分な反応速度が得られず、逆に高すぎると不飽和カルボン酸アリールエステル(II)の重合反応などの副反応が進行しやすい傾向があるため、温度管理を行うことが望ましい。そのため、反応温度としては、具体的には、通常、下限は−20℃以上、好ましくは−10℃以上、より好ましくは0℃以上で実施される。一方通常、上限は、30℃以下、好ましくは20℃以下、より好ましくは10℃以下で実施される。
反応終了後、目的物であるオリゴフルオレンジアリールエステル(III)は、副生した金属ハロゲン化物、及び残存した無機塩基を濾過して反応液から除去した後に、溶媒を濃縮する方法、或いは目的物の貧溶媒を添加する方法などを採用して、目的物であるオリゴフルオレンジアリールエステル(III)を析出させて単離する工程Bを経て得ることができる。
抽出の際に使用可能な溶媒としては、目的物であるオリゴフルオレンジアリールエステル(III)が溶解するものであれば良く、特に制限はないが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物、ジクロロメタン、クロロホルムなどハロゲン系溶媒などの1種又は2種以上が好適に用いられる。
本発明の他の態様に係る製造方法では、下記一般式(I)で表されるオリゴフルオレン化合物を原料とし、下記式に示される工程Cによって、一般式(IV)で表されるオリゴフルオレンジアルキルエステル(以下、オリゴフルオレンジアルキルエステル(IV)と略記する場合がある)を製造した後に、工程Dを行うことにより、下記式(III)で表されるオリゴフルオレンジアリールエステルを製造することができる。
R4〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアリールオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭素数1〜10のビニル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のエチニル基、置換基を有するケイ素原子、置換基を有する硫黄原子、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基である。ただし、R4〜R9のうち隣接する少なくとも2つの基が互いに結合して環を形成していてもよい。
Riは水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアラルキル基であり、
R10は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、
Ar1は置換されていてもよい炭素数4〜10のアリール基である。
nは1〜5の整数値を示す。
本発明の製造方法で得たオリゴフルオレンジアリールエステルをモノマーとして用い、これを重合することにより、ポリエステルカーボネート又はポリエステルを得ることができる。
本発明のポリエステルカーボネート樹脂組成物は、重合体としてポリエステルカーボネートを含有するものであってもよく、該重合体からなるものであってもよい。同様に、本発明のポリエステル樹脂組成物は、重合体としてポリエステルを含有するものであってもよく、該重合体からなるものであってもよい。ポリエステルカーボネート樹脂組成物又はポリエステル樹脂組成物は、その他の重合体を含んでいてもよく、また、添加剤等を含んでいてもよい。
なお、ポリエステルカーボネートは後述する<10.2 ポリエステルカーボネートの重合方法>等の方法により製造することができる。また、ポリエステルについても同様の方法により製造することができ、具体的には後述する<10.3 ポリエステルの重合方法>等の方法により製造することができる。
ポリエステルカーボネート樹脂組成物の製造方法としては、ジヒドロキシ化合物と、下記一般式(V)で表されるジアリールカーボネート及び、本発明の製造方法で得たオリゴフルオレンジアリールエステルの混合物を、溶融重縮合する方法(溶融重合法)を含むことが好ましい。もう一つの一般的なポリカーボネートの製造方法として知られる界面重合法は、毒性の強いホスゲンや塩化メチレン、クロロベンゼン等の含塩素溶媒を用いる必要もあり、環境負荷も高い傾向がある。
この溶融重合法で用いられるジアリールカーボネートとしては、通常、前記一般式(V)で表されるものが挙げられる。前記式(V)で表されるジアリールカーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーネート、ビス(ビフェニル)カーボネートなどが挙げられる。なかでも、本発明のオリゴフルオレンジアリールカーボネートと同じアリール基を有するジアリールカーボネートを用いることで、ポリエステルカーボネート製造時に反応性が近く、均一なポリエステルカーボネートを得ることができる上に、1種類のアリールアルコールが副生するため、アリールアルコールの回収が容易であることから、好ましい。特に工業的にも安価で、副生するアリールアルコールがフェノールであるジフェニルカーボネートが好ましく用いられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いてもよい。
溶融重合における重合触媒としては、例えば長周期型周期表第1族及び/又は、第2族の金属化合物が使用される。重合触媒は、反応速度または重縮合して得られるポリエステルカーボネート樹脂組成物の品質に非常に大きな影響を与え得る。
長周期型周期表第1族と第2族の金属化合物と共に補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、長周期型周期表第1族及び/又は、第2族の金属化合物のみを使用することが特に好ましい。
この溶融重合法で用いられるジヒドロキシ化合物は光学特性、機械物性、耐熱性などの観点から、イソソルビド(ISB)、イソマンニド、イソイデットなどの複素環式ジオールが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、入手及び重合反応性の観点からISBを用いるのが最も好ましい。
下記式(A)や(B)で表されるスピログリコールやジオキサングリコール等が挙げられる。
ポリエステルカーボネートを溶融重合法で製造する方法としては、ジヒドロキシ化合物と、重合触媒の存在下で炭酸ジエステルとその一部をオリゴフルオレンジアリールエステル置換し、反応させる。重合は、通常、2段階以上の多段工程で実施され、重合反応器は1つで条件を変えて2段階以上の工程で実施してもよいし、2つ以上の反応器を用いて、それぞれの条件を変えて2段階以上の工程で実施してもよいが、生産効率の観点からは、2つ以上、好ましくは3つ以上、更に好ましくは3〜5つ、特に好ましくは、4つの反応器を用いて実施する。重合反応はバッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせの何れでも構わないが、生産効率と品質の安定性の観点から、連続式が好ましい。
重合に用いる炭酸ジエステルを全て、本発明の製造方法で得たオリゴフルオレンジアリールエステルで置換する等の方法により、ポリエステルが得られる。
好ましい重合触媒、重合条件等は<10.2 ポリエステルカーボネートの重合方法>記載の方法と同じである。
本発明のポリエステルカーボネート又はポリエステル樹脂組成物には、熱安定剤、酸化防止剤、核剤、難燃剤、無機充填剤、衝撃改良剤、発泡剤、染顔料等の任意の添加剤を含有させてもよい。同様に、本発明の樹脂組成物に含有される重合体にも、任意の添加剤を含有させてもよい。
本発明にかかるポリエステルカーボネート又はポリエステル樹脂組成物は光弾性係数が小さく、耐熱性および成形性にも優れ、さらに着色が少なく高い透明性を兼ね備えている傾向があるため、それらを成形して得られる成形体はフィルムやレンズ、プリズムといった光学部材に好適である。例えば、本発明にかかるフィルムは、各種ディスプレイ(液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、FED電界放出表示装置、SED表面電界表示装置)の視野角補償用、外光の反射防止用、色補償用、直線偏光の円偏光への変換用などの位相差フィルムとして用いることができる。また、本発明にかかるレンズ、プリズムは、フレネルレンズ、ピックアップレンズ等の光学レンズや光学プリズムにも用いることもできる。
本発明の製造方法で得たオリゴフルオレンジアリールエステル(III)をポリエステル、ポリエステルカーボネートなどの光学用途の樹脂原料として用いる際に、樹脂組成物中に含有するフルオレン環が主鎖に配向することで所望の光学特性を発現する傾向がある。そのため、所望の光学物性を効率よく発現するためには、オリゴフルオレンジアリールエステル(III)のフルオレン環の割合を高めることが望ましい。これを本明細書中では、フルオレン比率と呼び、下記式(1)にて定義することとする。ここで、フルオレン環の分子量は炭素原子13個分の原子量の総和とし、水素原子は該分子量には含まず、また、置換基を有する場合であっても置換基は該分子量には含まれない。また、フルオレン環の分子量の総和とは、フルオレンを有するオリゴフルオレンジアリールエステル(III)に含まれる、全てのフルオレン環の分子量の合計値を意味し、例えば、2つフルオレン環を有する場合にはフルオレン環2つ分の分子量となり、同様に3つ有する場合にはフルオレン環3つ分の分子量となる。一方で、フルオレンを有するオリゴフルオレンジアリールエステル(III)の分子量とは、オリゴフルオレンジアリールエステル(III)そのものの分子量を意味する。
フェニルメタクリレート(三菱レーヨン(株)製)
フェニルアクリレート(国際公開第1995/007879号の実施例3にて合成)
ビス(フルオレン−9−イル)メタン(国際公開第1998/43931号の実施例6にて合成)
BHEPF:9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製)
ISB;イソソルビド(ロケットフルーレ社製、商品名:POLYSORB(登録商標))
DPC;ジフェニルカーボネート(三菱化学(株)製)
CHDM;1,4−シクロヘキサンジメタノール(シス、トランス混合物、SKケミカル社製)
(1)樹脂組成物の光弾性係数
He−Neレーザー、偏光子、補償板、検光子、及び光検出器からなる複屈折測定装置と振動型粘弾性測定装置(レオロジー社製「DVE−3」)を組み合わせた装置を用いて測定した。(詳細は、日本レオロジー学会誌Vol.19,p93−97(1991)を参照。)
C=O’/E’
前述の熱プレスによる方法で厚み100〜200μmのフィルムを成形し、このフィルムから幅6cm、長さ6cmの試料を切り出した。この試料をバッチ式二軸延伸装置(アイランド工業社製二軸延伸装置BIX−277−AL)を用いて、延伸温度を樹脂組成物試料のガラス転移温度+15℃、延伸速度1000%/分、延伸倍率2倍で、自由端一軸延伸を行い、延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムから幅4cm、長さ4cmに切り出したサンプルを位相差測定装置(王子計測機器社製KOBRA−WPR)により測定波長450nmの位相差(Re450)及び550nmの位相差(Re550)を測定した。両測定値の比(Re450/Re550)を位相差の波長分散性の指標とした。また、この位相差の測定において、延伸方向の位相差の測定値に正の値が出た場合、この樹脂の屈折率異方性は正である。
<実施例1> ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン(化合物2)の合成
化合物1からの全工程収率:30%
また、実施例2のフェニルメタクリレートのような不飽和カルボン酸アリールエステルに置換基を有する場合においても、反応が問題なく進行することが分かる。
(モノマー合成)
<モノマー合成例1> ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン(化合物5)の合成
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ7.03(d,J=7.6Hz,4H),6.97(dt,J1=7.6Hz,J2=1.5Hz,4H),6.82(dt,J1=7.6Hz,J2=1.3Hz,4H),6.77(d,J=7.6Hz,4H),3.88(q,J=7.1Hz,4H),3.12(s,2H),2.23(m,4H),1.13(m,4H),1.02(t,J=7.1Hz,6H).
<ポリマー合成例1>
ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン(化合物2)26.63質量部(0.042モル)、CHDM10.78質量部(0.075モル)、ISB33.58質量部(0.230モル)、DPC56.33質量部(0.263モル)および触媒として酢酸カルシウム1水和物5.36×10-4質量部(3.04×10-6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、加熱槽温度を150℃にし必要に応じ攪拌しながら、原料を溶解させた(約10分間)。溶解後、反応1段目の工程として220℃まで30分かけて昇温し、60分間常圧にて反応した。次いで圧力を常圧から13.3kPaまで90分かけて減圧し、13.3kPaで30分間保持し発生するフェノールを反応容器外へ抜出した。
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(BHEPF)62.40質量部(0.142モル)、ISB28.78質量部(0.197モル)、DPC73.40質量部(0.343モル)、および触媒として酢酸マグネシウム4水和物7.28×10-4質量部(3.39×10-6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、加熱槽温度を150℃にし必要に応じ攪拌しながら、原料を溶解させた(約10分間)。溶解後、反応1段目の工程として220℃まで30分かけて昇温し、60分間常圧にて反応した。次いで圧力を常圧から13.3kPaまで90分かけて減圧し、13.3kPaで30分間保持し発生するフェノールを反応容器外へ抜出した。
ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン(化合物5)22.65質量部(0.042モル)、CHDM10.77質量部(0.075モル)および触媒としてテトラ―n―ブチルチタネート15.54×10-3質量部(4.57×10-5モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、220℃にて120分間常圧にて反応した。次いで、圧力を13.3kPaまで30分かけて減圧し、13.3kPaで30分保持し発生するエタノールを反応容器外へ抜出した。その後、反応液を一旦室温まで冷却し、ISB33.58質量部(0.230モル)、DPC56.96質量部(0.266モル)を同じ反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、加熱槽温度を150℃にし必要に応じ攪拌しながら、原料を溶解させた(約10分間)。溶解後、反応1段目の工程として220℃まで30分かけて昇温し、60分間常圧にて反応した。次いで圧力を常圧から13.3kPaまで90分かけて減圧し、13.3kPaで30分間保持し発生するフェノールを反応容器外へ抜出した。
得られた樹脂組成物をフィルム成形して延伸した際の延伸フィルムの屈折率異方性、位相差比(Re450/Re550)等の測定結果を表1に示す。
Claims (5)
- 下記一般式(I)で表されるオリゴフルオレン化合物を、塩基存在下、下記一般式(I
I)で表される不飽和カルボン酸アリールエステルと反応させて下記一般式(III)で
表されるオリゴフルオレンジアリールエステルを得る工程Aを有する、オリゴフルオレン
ジアリールエステルの製造方法。
基、n−ペンチレン基、およびn−ヘキシレンからなる群から選ばれる直鎖上のアルキレ
ン基;メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチルメチレン基、プロピルメチレン基
、ブチルメチレン基、(1−メチルエチル)メチレン基、1−メチルエチレン基、2−メ
チルエチレン基、1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基、1−メチルプロピレン
基、2−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルプロピレ
ン基、および3−メチルプロピレン基からなる群から選ばれる分枝鎖を含むアルキレン基
;
下記[A]群から選ばれる脂環式アルキレン基
(ただし、上記[A]群に示される各環構造における2つの結合手の置換位置については
任意であり、同一炭素に2つの結合手が置換していてもよい。);
下記[B]群から選ばれる複素環式アルキレン基
(上記[B]群に示される各環構造における2つの結合手の置換位置については任意であ
り、同一炭素に2つの結合手が置換していてもよい。);
シクロブチルメチレン基、シクロペンチルメチレン基、シクロヘキシルメチレン基、およ
び1−シクロヘキシルプロピレン基からなる群から選ばれるアルキル基置換アルキレン基
;フェニルメチレン基、1−フェニルエチレン基、および1−フェニルプロピレン基から
なる群から選ばれるアリール基置換アルキレン基;1,1,2,2−テトラフルオロエチ
レン基、トリクロロメチルメチレン基、およびトリフルオロメチルメチレン基からなる群
から選ばれるハロゲン原子置換アルキレン基;2−メトキシメチル−2−メチルプロピレ
ン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、および1,4−フェニレン基から
なる群
から選ばれるフェニレン基;1,5−ナフチレン基、または2,6−ナフチレン基である
ナフチレン基;2,5−ピリジレン基、2,4−チエニレン基、および2,4−フリレン
基からなる群から選ばれるヘテロアリーレン基;
下記[C]群から選ばれるアラルキレン基;
あるいは、2−メチル−1,4−キシリレン基、2,5−ジメチル−1,4−キシリレン
基、2−メトキシ−1,4−キシリレン基、2,5−ジメトキシ−1,4−キシリレン基
、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−キシリレン基、α,α−ジメチル−1,4
−キシリレン基、およびα,α,α’,α’−テトラメチル−1,4−キシリレン基から
なる群から選ばれる置換されていてもよいアラルキレン基;である。
R4〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−
ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル、およびn−デシルからなる群から選ばれる直
鎖状のアルキル基;イソプロピル基、2−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル
基、および2−エチルヘキシル基からなる群から選ばれる分岐鎖を含むアルキル基;シク
ロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基からなる
群から選ばれる環状のアルキル基;トリフルオロメチル基、ベンジル基、4−メトキシベ
ンジル基、およびメトキシメチル基からなる群から選ばれる置換されていてもよいアルキ
ル基;
フェニル基、1−ナフチル基、および2−ナフチル基からなる群から選ばれるアリール基
;2−ピリジル基、2−チエニル基、および2−フリル基からなる群から選ばれるヘテロ
アリール基;
2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−ベン
ゾイルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−シアノフェニ
ル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メ
チレンジオキシフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、および4
−メチルフリル基からなる群から選ばれる置換されていてもよいアリール基;
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、2−メチルプロピオニル基、2,2−ジメチ
ルプロピオニル基、および2−エチルヘキサノイル基からなる群から選ばれる脂肪族アシ
ル基;ベンゾイル基、1−ナフチルカルボニル基、2−ナフチルカルボニル基、および2
−フリルカルボニル基からなる群から選ばれる芳香族アシル基;クロロアセチル基、トリ
フルオロアセチル基、メトキシアセチル基、フェノキシアセチル基、4−メトキシベンゾ
イル基、4−ニトロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、および4−トリフルオロメ
チルベンソイル基からなる群から選ばれる置換されていてもよいアシル基;
メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基
、およびフェノキシ基からなる群から選ばれるアルコキシ基;アセトキシ基、およびベン
ゾイルオキシ基からなる群から選ばれるアシルオキシ基;
アミノ基;N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,
N−ジエチルアミノ基、N,N−メチルエチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N,N
−ジプロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、およびN,N−ジイソプロピルアミ
ノ基からなる群から選ばれる脂肪族アミノ基;
N−フェニルアミノ基、またはN,N−ジフェニルアミノ基である芳香族アミノ基;ホル
ムアミド
基、アセトアミド基、デカノイルアミド基、ベンゾイルアミド基、およびクロロアセトア
ミド基
からなる群から選ばれるアシルアミノ基;ベンジルオキシカルボニルアミノ基、または
tert−ブチルオキシカルボニルアミノ基であるアルコキシカルボニルアミノ基;
ビニル基、2−メチルビニル基、2,2−ジメチルビニル基、2−フェニルビニル基、2
−アセチルビニル基、エチニル基、メチルエチニル基、tert―ブチルエチニル基、フ
ェニルエチニル基、アセチルエチニル基、およびトリメチルシリルエチニル基からなる群
から選ばれる、置換されていてもよいビニル基またはエチニル基;
トリメチルシリル基、またはトリエチルシリル基であるトリアルキルシリル基;トリメト
キシシリル基、またはトリエトキシシリル基であるトリアルコキシシリル基;
スルホ基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、およびイ
ソプロピルスルホニル基からなる群から選ばれるアルキルスルホニル基;フェニルスルホ
ニル基、またはp−トリルスルホニル基であるアリールスルホニル基;メチルスルフィニ
ル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、およびイソプロピルスルフィニ
ル基からなる群から選ばれるアルキルスルフィニル基;フェニルスルフィニル基、または
p−トリルスルフィニル基であるアリールスルフィニル基;メチルチオ基、またはエチル
チ
オ基であるアルキルチオ基;フェニルチオ基、またはp−トリルチオ基であるアリールチ
オ基;メトキシスルホニル基、またはエトキシスルホニル基であるアルコキシスルホニル
基;フェノキシスルホニル基、アミノスルホニル基、N−メチルアミノスルホニル基、N
−エチルアミノスルホニル基、N−tert−ブチルアミノスルホニル基、N,N−ジメ
チルアミノスルホニル基、およびN,N−ジエチルアミノスルホニルからなる群から選ば
れるア
ルキルスルホニル基;N−フェニルアミノスルホニル基、またはN,N−ジフェニルアミ
ノスルホニル基であるアリールアミノスルホニル基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子からなる群から選ばれる
ハロゲン原子;ニトロ基;あるいはシアノ基である。ただし、R4〜R9のうち隣接する少
なく
とも2つの基が互いに結合して環を形成していてもよい。
Riは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、およびシク
ロ
ヘキシル基からなる群から選ばれるアルキル基;フェニル基、1−ナフチル基、
2−ナフチル基、および2−チエニル基からなる群から選ばれるアリール基;
あるいは、ベンジル基、2−フェニルエチル基
、およびp−メトキシベンジル基からなる群から選ばれるアラルキル基である。
Ar1はフェニル基、トリル基、クロロフェニル基、ナフチル基、m−クレジル基、ま
たはビフェニル基である。
nは1〜5の整数値を示す。) - 前記塩基が無機塩基であることを特徴とする請求項1に記載のオリゴフルオレンジアリ
ールエステルの製造方法。 - 前記無機塩基が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることを特徴とする請求項2
に記載のオリゴフルオレンジアリールエステルの製造方法。 - 前記工程Aにおいて、水と2層分離する有機溶媒を用いることを特徴とする請求項1〜
3のいずれか1項に記載のオリゴフルオレンジアリールエステルの製造方法。 - Ar1がフェニル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリ
ゴフルオレンジアリールエステルの製造方法。
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