JP6318027B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、処理ガスをプラズマ化し、活性化した粒子の物理または化学反応により半導体表面処理を行うプラズマエッチング装置に関する。
従来、半導体製造のエッチング工程にプラズマ発生装置が用いられてきた。このプラズマ発生装置は真空容器である処理室内に反応性ガスを導入し、さらに、この処理室に高周波電力(以下、ソース電力と称する)を印加することでプラズマを生成し、下部電極に置かれた被処理材(例えば、シリコンウェハ)をエッチングする。
前記下部電極は、バイアス電力を印加することでエッチング速度、エッチング形状を制御可能である。このエッチング性能を決めるパラメータは、マスフローコントローラ(以下、MFCと称する)によって制御される反応性ガスの種類とその組み合わせおよびそれらの流量と、前述のソース電力によって決定されるプラズマ密度、バイアス電力によって決定されるイオンエネルギーや、真空処理室内の圧力、ウェハ温度などである。被処理ウェハは、所望の加工形状、または電気的なデバイス特性を得るために多層膜となっており、これを処理するレシピと呼ばれる処理条件は各層毎に最適化された複数のステップからなる。
また、近年、半導体デバイスの微細化にも伴い、多層膜化はさらに進む傾向にある。前述の処理条件のうち、圧力は真空処理室の容積と、真空処理室内に導入されるガス流量と、それがプラズマ化した際に起きるガスの解離と、ガスの排気速度を制御するコンダクタンス制御弁の開度と、真空処理室からガスを排気する真空ポンプの排気速度等から決まり、さらには、プラズマと被処理ウェハの反応によって生じる反応生成物の量や、この反応生成物の真空処理室内壁への付着や、この付着物のプラズマへの再放出などによって、あるひとつの条件での処理中であっても、真空処理室内に存在する単位時間当たりの平均分子数は、常に変化しうる。
この様な条件下にあって、真空処理室内圧力を所望の値に制御するために、前期のコンダクタンス制御弁は、真空処理室に接続された圧力計で測定された圧力値を入力値としたフィードバック制御によって、その開度を制御される。また、エッチング処理の各ステップ開始時においては、ソース電力印可に先立って、MFCによるガス流量制御の整定と、真空処理室へのガスの充填および所望圧力への圧力制御の整定とが必要であり、典型的には各ステップ毎に数秒の時間を要し、また各ステップ処理後においては、ステップ間で用いるそれぞれのガスの混合を防止するため、真空処理室内がある一定の圧力以下になるまで排気を行う場合があり、これにも数秒を要することがある。
上記のガス供給および排気動作が、ステップ毎に繰り返されることによりスループットを低下させる虞があるため、ステップ間でプラズマを維持し、スループットを向上させる技術がある。ステップ間で真空処理室を排気することを省略し、MFCの動作により供給するガスを切り替えるものである。この場合、ステップ間の一定期間、前後のステップで用いるガスが混合したプラズマにウェハが曝されることなり、この過渡状態のプラズマが処理形状に影響を与え、所望のエッチング性能が得られない可能性があり、適用可能な条件は限られる。また、ガスの異なるステップ間で、そのガス供給の切り替えを高速化してスループット低下を改善する方法として、例えば、特許文献1に開示された手段がある。
さらに、これまでに述べたガス置換が重要となるエッチング工程に、2つ以上の異なる処理条件を反復して行うものがあり、より具体的な一つ目の例は、エッチングを担うガスを用いたステップと、堆積性(デポ性)の強いガスを用いるステップとを、繰り返すものである。これは、例えばシリコンの高アスペクトエッチングなどに用いられ、デポステップでは被エッチング層であるシリコンの側壁にデポを堆積させそれを保護膜とし、エッチングステップではエッチング速度が高く、エッチング形状が等方的に進展するガスから成る処理条件で処理を行い、その時、前述の保護膜が側方への不要なエッチングを阻害することで垂直な加工が可能となり、新たに露出するシリコンの側壁にはさらに次のデポステップで保護膜を形成し、以上を繰り返すことによって、垂直形状と高アスペクト加工を両立するエッチングが可能とするものである。このようなエッチングステップとデポステップとを交互に繰り返すエッチング方法において、ステップ間の切替えの際に真空処理室内の圧力を安定化させることが課題となるが、例えば、特許文献2に開示された解決手段がある。
また、もう一つの例として、素子間分離のためのシリコンのエッチングの場合等において、エッチングを担うガスのほかに、エッチング形状制御用のガスを用いて、シリコン表面を化学的に改質することにより、垂直方向と横方向のエッチング速度比等の制御を行うものであって、エッチング形状制御用ガスとしては酸素などがあり、シリコン表面の酸化によるエッチング形状制御が知られているが、このような処理において、エッチングを担うガスとエッチング形状制御用ガスのいずれかまたはその両方を、ある周期でその流量を時間変調させることで所望の処理結果を得るような処理条件がある。
例えば、酸素流量を変調させた時、酸素流量大となるステップでは強い側壁保護の効果が得られ、酸素流量小となる場合では、前記の側壁保護効果によって垂直性を維持しつつ、高いエッチング速度でエッチングを進展させることが可能となる。
以上の例の他にガス種およびその混合比を変えずに、その総流量が異なるステップを組み合わせたり、さらには、前記の例に加えて真空処理室内圧力をガス流量と同期させて時間変調させたりすることによって所望の性能が得られるようなエッチング条件がある。
特開2011−166167号公報 特開2012−151325号公報
半導体製造のエッチング工程では、様々な材料からなる積層膜が表面に成膜されたシリコンウェハを真空処理室内に導入された反応性ガスに高周波を印可することで生成されたプラズマに曝し、積層膜最上部のマスク層に露光・現像された回路パターンを下層に転写させるが、各層の加工に最適な処理条件は異なるため、エッチング処理はそれぞれ異なる組み合わせの反応ガスを用いた複数のステップから成る。
各ステップ間ではリアクタ内のガスを置換する必要が生じる。しかし、その際、前ステップで使用したガスが次ステップへと混入し、エッチング性能に影響を与えるのを避けるために、ステップ間では、真空処理室をほぼ完全に排気した後、次のステップで用いるガスを導入する動作が必要となるが、ステップ間の排気と、それに続くガス導入および圧力制御は、総処理時間に占める割合は必ずしも小さくないため、スループットを低下させるという問題があった。
これを解決するために、ステップ間を連続プラズマとする技術があるが、この場合、MFCによるガス流量制御応答速度が1秒程度であり、また、MFCと真空処理室間のガス配管の体積・コンダクタンスによってガス供給が遅延するため、ガスの置換には数秒の時間を要し、またその間、前ステップで使用したガスと次ステップで使用するガスが混合した状態のプラズマが生成されることになり、この過渡状態のプラズマが加工形状に与える影響は、多くの場合無視できないものであり、結果として加工形状のばらつきや加工性能の低下をもたらすという問題があった。
このガス置換の所要時間は、真空処理室のコンダクタンスや、その真空処理室に接続される真空ポンプの排気能力に依存するが、非常に高い排気能力を有した装置であっても、例えばガス置換中に排気速度を大きくしすぎると真空処理室の圧力が低下し、この影響でやはり所望のエッチング性能が得られなくなったり、プラズマが維持できなくなったりする場合があり、ガス置換の高速化と圧力制御の高速・高精度化が要求されている。
さらに、前述したガス種および流量の異なるステップを交互に繰り返すようなエッチング条件においては、ステップ数が非常に多くなるため、前記のステップ間排気およびガス導入に伴うスループットの低下、または連続プラズマを用いることによるエッチング性能の低下がより顕著になるという問題があった。また、この異なる条件の反復によるエッチング処理は、例えば、保護膜形成とエッチングの繰り返しなどにより、スカロッピングと呼ばれる特徴的な凹凸が処理後の断面形状に現れる。このスカロッピングは繰り返しの周期を短くすることでも抑制可能ではあるが、この短周期化を行う場合、一周期におけるエッチング量が減少し、繰り返し回数を増やす必要があるため、スループットや、連続プラズマとしたときの処理性能の低下に大きく影響する問題があった。
また、ステップ間でのガス切替えの場合または、ガスの切替えの周期がステップの時間より短い場合、真空処理室内の圧力を高速および高精度に制御することが求められる。
上述した課題を鑑みて、本発明は、真空処理室内の圧力を高速および高精度に制御することができるプラズマ処理装置を提供する。
本発明は、試料がプラズマ処理される真空処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記真空処理室内にガスを供給するガス供給装置と、前記真空処理室内を排気する排気装置と、前記排気装置の排気速度を制御する制御弁と、前記排気装置と前記制御弁との間に配置された圧力計とを備えるプラズマ処理装置において、前記制御弁の開度が前記真空処理室内の所望の圧力と前記圧力計により測定された圧力との差および前記測定された圧力と前記排気速度との積である流量を用いて求められた前記測定された圧力が前記所望の圧力となるコンダクタンスに対応する開度となるように前記制御弁を制御する第一の制御装置をさらに備え、前記測定された圧力が前記所望の圧力となるコンダクタンスに対応する開度は、前記制御弁の開度毎におけるコンダクタンスの圧力依存性データに基づいて求められることを特徴とする。
本発明により、真空処理室内の圧力を高速および高精度に制御することができる。
本発明のプラズマ処理装置の概略縦断面図である。 本発明に係るガス供給機構の詳細を示す図である。 本発明に係るガス供給機構の詳細を示す図である。 本発明の圧力制御を示すフローチャートである。 コンダクタンス制御弁の開度毎におけるコンダクタンスの圧力依存性を示す図である。 本発明のガス切替え動作を示すフローチャートである。 ガス供給機構の動作を示すタイミングチャートである。 発光強度を用いたガス置換を示す図である。 本発明のガス置換高速化の効果を示す図である。 本発明の真空処理室内圧力の高速制御の効果を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の各実施形態を説明する。図1は、本発明のプラズマ処理装置に係る真空処理室周りの構成の概略を示す縦断面図である。
プラズマソース用電源、例えば、マイクロ波発生装置101から発振されたマイクロ波は、方形導波管102を用いて伝送され、方形円形導波管変換器103により、円形導波管104に接続される。自動整合器105により反射波を自動的に抑制することができる。マイクロ波源としては、例えば、発振周波数が2.45GHzのマグネトロンを用いた。
円形導波管104は、空洞共振部106に接続される。空洞共振部106は、マイクロ波電磁界分布をプラズマ処理に適した分布に調整する働きを持つ。空洞共振部106の下部には、マイクロ波導入窓107、シャワープレート108を介してプラズマ処理室109がある。プラズマ処理室109に導入されたマイクロ波と、ソレノイドコイル110によって形成される磁界のECR共鳴によって、処理室内に反応性ガスのプラズマが生成される。
ECR共鳴とは、前記ソレノイドコイル110が生成する磁界の磁力線に沿って電子が回転しながら移動するところに、その回転の周期に対応した周波数のマイクロ波がプラズマに入射することで電子を選択的に加熱することであり、プラズマの効果的な加熱法である。また、静磁界を用いる他の利点として、静磁界の分布を変化させることでECR共鳴が発生する位置を制御することができ、プラズマ生成領域を制御することができる。
さらにプラズマは磁力線に対して垂直な方向に拡散が抑制されることが知られており、プラズマの拡散を制御し、プラズマの損失を低減することができる。これらの効果により、プラズマの分布を制御することができ、従ってプラズマ処理の均一性を高めることができる。電磁石に通電する電流を変えることで、静磁界の分布を制御することができる。
ガス源112から供給される反応性ガスは、ガス流量制御器であるMFC114によってその流量を制御され、試料台である下部電極113に対向する面に設置されたシャワープレート108構造を介して、真空処理室に導入される。ガスバルブ115は、ガスの供給を開始または終了するために設けられている。図1に示しているガス制御機構111は、MFC114、バルブ115およびそれらと真空処理室109を接続するガス配管を含むが、これは後述する本発明の特徴の一部が省略された従来の装置構成例である。処理室内ガスはターボ分子ポンプ116(以下、TMPと称する)から排気され、TMP上流部に設けられた排気コンダクタンス調整弁117は、圧力計120の測定値を用いてフィードバック制御されて処理室内圧力を制御する。
試料、例えば、試料であるシリコンウェハ(以下、ウェハと称する)は、静電吸着により下部電極113に吸着保持可能である。さらに、下部電極113にRF電源118よりプラズマソース用電源の周波数より低い、例えば、周波数400kHzのRF波がRF整合器119を介して印加されることにより処理性能の制御、処理速度の向上が可能である。真空処理室109、下部電極113およびTMP116は、それぞれ略円筒形であり、その円筒の軸を同一とする。下部電極113は、処理室に梁によって支持されている。
以上、上述した構成は、制御装置(制御コンピュータ)に全て接続され、制御装置は、適切なシーケンスで動作するよう、そのタイミング、動作量をコントロールする。動作シーケンスの詳細パラメータは、レシピで規定され、予め設定されたレシピに基づいた動作がなされる。プラズマエッチングは、積層膜の形状を制御しながらエッチングするため、レシピは、積層膜のそれぞれの膜の化学組成やエッチング深さに応じて最適化された、複数のステップによって構成されている。
以下の実施例では、真空処理室内の圧力を高速かつ高精度に制御し、また、真空処理室に供給するガスを高速に切り換え、真空処理室内のガスを高速で置換可能な機能を有したプラズマエッチング装置の例を説明する。図2および図3は、本発明のガス制御機構を含むプラズマエッチング装置の構成図を示す図である。
図2および図3のプラズマエッチング装置は、図1に示した従来のエッチング装置に対し、本発明における特徴を抽出した図であるため、図1中のガス制御機構111は225に置き換えられ、高速圧力制御機構として圧力計223、コントローラ224が追加されている以外は図1と同一の構成を備える。尚、既に説明した図1に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
最初の実施例として、真空処理室109から排気されるガス流量を測定し、その流量測定値を元に真空処理室109の圧力を高速に制御する。そのための装置構成と、その圧力制御方法について説明する。
エッチング処理において、ガスを真空処理室内に導入し、プラズマを生成した場合、プラズマ中で起こるガス分子の解離等によるガス分子数の変化や、処理ウェハがエッチングされることによって生じる反応生成物の影響で、真空処理室に供給されるガス流量と、真空処理室から排気する流量とは異なる。これらの供給ガス流量と排気ガス流量のうち、真空処理室内圧力を決める実効的な変数は、真空処理室から排気する流量であり、本実施例においては、この実効排気流量を以下で説明する方法で取得し、それに基づいてコンダクタンス制御弁117の開度を決定する。
真空処理室109は、真空処理室109に接続された圧力計120に加え、コンダクタンス制御弁117とTMP116の間のTMP116の吸気口の極めて近傍に圧力計223が接続される。また、チャンバに接続された圧力計120と、前記の圧力計223とで測定された圧力値はコントローラ224に入力され、2つの圧力値を元にコンダクタンス制御弁117の開度が演算され、コンダクタンス制御弁117の動作が制御される。以下にコンダクタンス制御弁117の開度決定方法を図4のフローチャートを参照しながらその演算方法を説明する。
コンダクタンス制御弁117の開度を計算する1つのサイクルは次の手順で行われる。S401で計算サイクルが開始されると、S402において、圧力計223で取得された真空ポンプ吸気口圧力測定値と予め取得されたTMP116の排気速度データを用いて真空処理室109から排気されるガス流量を次の式(1)により演算する。その演算結果が排気流量測定値である。
ここで、P2を真空ポンプ吸気口の圧力測定値、Qを真空ポンプから排気されるガス流量とする。
前記の排気速度データは、予め測定したデータをデータベースに保存し、それを参照して用いればよい。実際のエッチング装置においてMFC114によってある流量に制御されたガスを真空処理室に供給して、プラズマを生成せずに排気させれば、真空処理室109に導入されたガス流量とTMP116から排気される流量が等しいので、導入したあるガス流量と圧力計223で取得された真空ポンプ吸気口圧力とを式(1)に用いることで排気速度を得ることができる。
この手法を用いて、エッチング条件で使用し得る流量範囲でガス流量を変えながら、そのときの圧力計223で取得された真空ポンプ吸気口圧力を記録することで、式(1)から流量を取得するのに十分なデータベースを作成することが可能である。一般的なターボ分子ポンプの特性として、ターボ分子ポンプの排気速度は、吸気口圧力に応じて、単調増加する関数であるので、十分に細かいデータ間隔で離散的なデータベースを構築し、吸気口圧力に対する排気速度を演算する際には、データ点間で線形補完を行えばよい。
次に、式(1)より求められた排気流量Qが測定された時点での真空処理室内圧力をP1とし、圧力計120と圧力計223の2点間のコンダクタンスをCとすると、式(1)のQと P2を用いて、次の式(2)が成り立つ。
ここで本実施例において、P1は、圧力計120の測定値で代表されるとする。
続いて、S403において、式(1)で取得された流量値Qと圧力の設定値から真空処理室109内の圧力を制御するのに必要な真空処理室109のコンダクタンス値を算出する。ここで式(1)より得られたガス流量Qに対し、圧力をP1からP’1に変化させる制御を考えると、その圧力変化による、解離や反応生成物量の変化といった、プラズマ起因の流量変化がないと仮定すると、排気流量Qは一定であり、真空ポンプの吸気口圧力が一定であるので、真空処理室圧力をP’1とするのに必要なコンダクタンスがC’であるとすると、式(3)が成り立つので、制御目標圧力P’1を得るのに必要なコンダクタンスC’が一意に決まる。
また、前記の圧力計120と圧力計223の間のコンダクタンスは、コンダクタンス制御弁117の特性を除けば、真空処理室109をその適当な形状の特徴毎に分解し、その各要素の持つコンダクタンスをそれぞれ圧力や流量を変数とする関数を用いてモデル化することが可能であり、真空処理室109からTMP116にかけての構造はその軸を同一とする略円筒形であるから、前記の各要素毎のコンダクタンスが直列に接続されたものとして扱うことができる。
例えば、圧力計120からコンダクタンス制御弁117間の真空処理室のコンダクタンスをCC、コンダクタンス調整弁117によって決まる可変かつ圧力依存なコンダクタンスを CR、コンダクタンス調整弁117からTMP116の吸気口までのコンダクタンスCTとして、次の式(4)として表すことができる。
コンダクタンスのモデル化においては、一般的な処理条件の場合、真空処理室109からTMP116間のガス流は分子流から中間流と呼ばれる領域のものであるから、コンダクタンスは圧力に依存して変化する。モデル化に際して、CCを表す関数に用いる圧力としては、圧力計120の測定値に代表させるのが適当である。また、CTに対しては、圧力計223の測定値に代表させるのが適当であり、それぞれのコンダクタンスモデルと、圧力測定値から、CCおよびCTの値を得ることができる。
次にS404において、式(3)により求められた目標コンダクタンスを実現するためのコンダクタンス制御弁117の開度を以下の手順で求める。
図5に示すようなコンダクタンス制御弁117の開度毎にコンダクタンスの圧力依存性を予め取得し、所得されたデータをコンダクタンス制御弁117の開度決定用データベースに保存する。このコンダクタンス制御弁117の開度決定用データベースを用いて式(3)により求められた目標コンダクタンスに対応するコンダクタンス制御弁117の開度を求める。尚、図5は、コンダクタンス制御弁117の、その圧力を横軸に、コンダクタンスを縦軸にとったグラフであり、コンダクタンス制御弁117の開度として3通りの例を示している。ガスは低圧領域では分子流として振る舞い、圧力に関係なくコンダクタンスが一定であるが、高圧領域では粘性流として振る舞い、コンダクタンスは圧力に比例する。
また、図5は、ある一定の圧力に対して、コンダクタンスはその開度を変数として単調増加する関数であることを示し、このようなデータに対し、コンダクタンス制御弁117を代表する圧力値と目標コンダクタンス値とを入力し、必要に応じて線形補完を用いることで、式(3)により求められた目標コンダクタンスに対応するコンダクタンス制御弁117の開度を求めることができる。
次にコンダクタンス制御弁117の開度毎のコンダクタンスの圧力依存性データの取得方法について説明する。コンダクタンス調整弁117のコンダクタンスは、このコンダクタンス制御弁の部位を代表する圧力とコンダクタンス調整弁117の開度によって決まり、それらを予め実験的に取得することにより、コンダクタンス制御弁117の開度毎のコンダクタンスの圧力依存性データを取得できる。また、このコンダクタンス制御弁を代表する圧力は、圧力計120と圧力計223でそれぞれ測定された値の平均であると仮定してよい。また、図2および図3中には図示がないが、コンダクタンス調整弁117部の圧力を直接測定する圧力計を追加してもよい。
また、真空処理室109全体のコンダクタンスの圧力依存性について、コンダクタンス制御弁117の開度をさまざまに変えながら直接測定を行ってそのデータを取得し、以上の演算に用いてもよい。この場合、式(3)におけるコンダクタンスC’が実験的に直接取得できるので、この測定値を用いることでより高精度な制御が可能となる場合も有る。
S404で真空処理室内の圧力を制御目標圧力P’1とすることができるコンダクタンス調整弁117の開度を求めた後、S405において、S401からS404までの計算サイクルが終了する。このS401からS405までの処理を1つのサイクルとし、エッチング処理中において制御サイクルの周期毎に繰り返す。しかし、ここまでの本実施例の記載では、圧力変化による実効排気流量の変化がないと仮定したが、実際にはプラズマ中のガスの解離や反応速度が圧力に応じて変化するため、実行排気流量は変化する。
さらにステップ毎またはステップ中においても圧力設定値が変更される場合がある。よって各制御サイクル毎に実行排気流量や圧力設定値が更新され続け、それに対応するコンダクタンス制御弁117の開度が演算される。その結果に対してコンダクタンス制御バルブ117の開度変更の動作が行われる。
また、本実施例の制御系に対する入力値の変化は、開度設定値の計算結果に影響するものではないが、実際のコンダクタンス制御弁117の応答遅れ等を考慮して、最終的な制御結果を安定化させるには、補償制御が有効である。その際の補償制御回路の最適化等については本発明においては省略する。この手法によれば、所望の圧力に制御するためのコンダクタンス制御バルブ117の開度を予測して決定することが可能である。
実際には、用いるガスの分子量によってコンダクタンスや排気速度は異なる場合があるが、代表的なガスとして、例えば、窒素ガスに対するデータを用いればよい。または、制御の高精度化のためには、前記のコンダクタンス制御バルブ117の排気コンダクタンスの開度毎の圧力依存性や、TMP116の排気速度の圧力依存性を様々なガスに対して取得し、コンダクタンス制御弁117の開度の計算においては、その際に導入されるガスの平均分子量を採用し、それに対応する各データを使用すればよい。
以上、上述した本発明の圧力制御では、真空処理室から排気されるガス流量を測定し、それを用いて圧力制御を行うとしたが、これによって、真空処理室内で起きる、プラズマ生成による解離やエッチング反応の副生成物によって時間変化する真空処理室内のガスの分子数を考慮した制御が可能になる。また、上述した本発明の圧力制御は、制御装置(図示せず)にて行われる。
次に本実施例の圧力制御を行うとともにガスの時間変調を行う実施例について説明する。
実施例1の圧力制御手法を用いて、異なるガス種・ガス流量を交互に繰り返すような、ガスの時間変調を用いた処理を行う場合の装置動作シーケンスを図6に示す。このガスの時間変調は、あるガス条件G1でT1時間、もう一方のガス条件G2でT2時間処理することを一周期として繰り返すものであり、また、ガスの時間変調処理の総処理時間がTsに至るまで繰り返すものである。それぞれの時間を制御するために、一周期毎の時間を測定するタイマーAと総処理時間を測定するタイマーBとを持つ。
処理を開始(S601)すると、レシピデータに従って真空処理室109にガスが導入され(S602)、同時に真空処理室圧力のモニタ(S603)と排気流量モニタ(S604)が開始される。コンダクタンスデータ(S605)や排気速度データ(S606)を用い、ここでは導入したガスの流量値に対して制御目標圧力を実現するようにコンダクタンス制御バルブの初期開度を決定(S607)し、前記バルブの開度を変更(S608)する。プラズマが生成される前のこの状態では、ガス流量の変化や損失はなく、導入したガス流量と排気するガス流量は等しい。
バルブ開度を前記の初期開度に固定しながら測定された圧力値とガス流量値が、制御目標圧力値や、導入ガス流量と差があれば前記データの校正を行う(S609)。この校正は、測定されたガス流量と圧力を正しいとして、コンダクタンスや排気速度のデータの誤差を修正するようにオフセットするもので、構成されたデータは装置が保持するコンダクタンス・排気速度のデータベースを更新し保存される (S610)。前記データベースの更新の後、プラズマ処理を開始(S611)し、プラズマ処理中は、排気流量モニタの測定値(S612)を使ってバルブ開度を更新(S613)し続けるが、この制御には真空処理室圧力値を用いた補償(S614)がなされる。
また、プラズマ処理中は、タイマーAの値がT1に至ったかの判定(S615)と、タイマーBの値がTsに至ったかの判定(S616)と、流量モニタ値および真空処理室圧力が許容範囲内にあるかの異常検出(S617)が行われている。タイマーAの値がT1以上となったと判定されると、次のガス条件G2の処理に移行する。供給ガスが変更され、次のガス条件G2に移行するとき(S618)、タイマーAの値は0に初期化されて、再び時間のカウントを行う。ここでタイマーAの値がT2以上となったと判定されると、またガス条件G1による処理を開始する。以上の処理は、タイマーBの値がTs以上となるまで交互に繰り返され、タイマーBの値がTs以上と判定されると、このガスの時間変調処理のすべてを終了(S622)する。また、排気流量や真空処理室圧力に異常が検出された場合は、異常を報告し、処理を終了(S621)する。
次に真空処理室に供給するガスを高速に切り換え、真空処理室に充填されるガスを高速で置換するための装置構成とその制御方法の例について説明する。最初に本実施例における装置構成を図2および図3を用いて説明する。図2の例では、ガス源201および202からガス配管を介して真空処理室109に接続されるガスは、すべて少なくとも二つのMFC(203〜206)に並列接続される。このとき、同一のガスに接続するMFCの組み合わせ、例えばMFC203とMFC204は同一の流量制御性能を発揮するように校正されている。ただし、本実施例においては、MFCの過渡応答の差はこのガス供給機構225の性能に影響を与えないため無視できる。
ある一対のMFCはそれぞれガス集合管211および212の何れかに接続され、これによって、集合管211と212へは、それぞれ独立に、任意の組み合わせと流量でガスを供給できる。各々の集合管はそれぞれさらに2分岐し、一方は真空処理室109に接続され、一方はTMP116とドライポンプ217の間の排気配管に接続される。また、ガスバルブ207〜210、213〜216は各ガスの供給開始・停止および排気を制御するために設けられており、213と216または214と215のバルブの組み合わせは何れか一方が開となった場合、もう一方は閉となるように、つまり逆位相で動作する。同様に、真空処理室へのガス供給を担うバルブ213と214は、どちらか一方のみが開となるように動作する。
また、バルブ215および216から真空ポンプに接続される排気配管はバルブ215および216とドライポンプ217の間にコンダクタンス制御弁218およびコンダクタンス制御弁219を持つ。さらにガス配管211および212にはそこに充填されるガスの圧力を測定するための圧力計220および221が接続される。これらの圧力計は真空処理室へのガス供給の開始・終了を制御するバルブ213および214の上流側であって、かつガス流れを基準として前記バルブ213および214の直前に配置される。
前記圧力計220および221で測定された圧力値はコントローラ222に入力され、そのガス配管211および212内のガス圧力を制御するためコンダクタンス制御弁218およびコンダクタンス制御弁219の開度がそれぞれフィードバック制御される。本実施例におけるガス切替では、ガス変調に用いるガスは、それぞれ二つのガス配管のいずれかに常に供給され続け、ガス配管の接続先を真空処理装置または真空ポンプのいずれにするかがバルブの開閉により選択されることで、ガスの切り替えを高速にし、また、真空ポンプに接続され、ガスが排気される間は、その排気の開始と終了を制御するバルブと真空ポンプとの間に設けられた圧力制御弁によって、配管中での充填圧力が制御されることで、ガス切替動作時のガス流量の安定性が向上される。
図2の例では一つのガス源に対し、それぞれ少なくとも二つのMFCを有するとしたが、同等の効果を実現する別の装置構成として、図3の例がある。この例では、一つのガス源にはそれぞれ少なくとも一つのMFCが接続され、MFCの下流側でガス配管二分岐し、図2の例と同様にガスの供給の開始と停止を制御するバルブ207〜210が設けられている。
以上の構成において、ガス源201およびガス源205からそれらに対応したMFCを介してガスを供給するとき、バルブ207と208、およびバルブ209と210の組み合わせにおいて、それらの内いずれかが開となり、もう一方が閉となるように動作し、それぞれのガスをガス集合管211および212の何れに供給するかを選択可能となる。以上の構成によって、より少ない部品点数のガス供給機構225を用いて、図2の例と同様、ガス集合管211と212へ、それぞれ独立に、任意の組み合わせと流量でガスを供給することが可能となる。
図3の装置構成において、ガス集合管211および212より下流側の構成は図2と同一であり、従って、ガス切替動作に関しては図2の例と同一である。以下では、図2を例とした場合の供給ガスの切り替え動作について図7を用いて説明する。これは二つのガスAおよびBを交互に繰り返し供給する、ガス変調を伴うステップ中のある時間を抽出したものである。時間軸に付記されたT1はガスAを供給する時間であり、T2はガスBを供給する時間である。
今、図2中の201がガスAの供給源、202がガスBの供給源とする。その場合、例えばガスAがガス配管211を介して、ガスBはガス配管212を介して真空処理室109に供給され、ガスAはMFC203、ガスBはMFC206によってその流量が制御されることになる。ガスAを真空処理室109に供給する時間T1の間、ガス配管211に付帯するバルブやコンダクタンス制御弁については、バルブ213が開、バルブ216が閉となり、コンダクタンス制御弁219は全開とするのが適当である。
その間、ガスBについてはバルブ214が閉、バルブ215が開となり、圧力計220の測定値がコントローラ222に入力され、コンダクタンス制御弁218は、ガスBのガス配管212内充填圧力が制御目標値となるように動作する。この圧力制御アルゴリズムは、そのゲインを最適化されたPID制御などを用いればよい。また、前記のガスの充填圧力は、ガスが真空処理室109に供給される際の定常圧力に対して比較的高圧に制御される。このガスの充填圧力の詳細については後述する。
上述の一周期毎の時間を測定するタイマーAの値がT1に等しくなったと判定されると、ガスBを真空処理室109に供給するようにバルブが切り替えられ、すなわち213が閉、216が開、214が開、215が閉となる。これによって、ガス配管212に充填されていたガスBは、バルブ214が開かれた直後には、その高い充填圧力の作用により比較的大きな流量で真空処理室に供給され、同時に、ガス配管211にはガスAの充填が開始され、圧力計221の測定値がコントローラ222入力され、その充填圧力がコンダクタンス制御弁219によって制御される。
タイマーAの値がT1+T2に等しくなったと判定されると、このガスBの供給を終了し、再びガスAを供給するための切り替え動作を行う。この動作はガスAからガスBに切り替える時のバルブ動作を、その開閉について反対に読み替えればよい。以上の動作を繰り返すことで、高速なガス変調が実現できる。ガス切替動作直後、定常流量に対して比較的大きな流量が真空処理室に供給されるが、その流量の変動が生じる時間は、充填圧力等にも依存するが典型的には1秒以下である。
本実施例では、真空処理装置109に二つのガスを交互に供給するとしたが、それぞれが複数のガスの組み合わせからなる混合ガスであってもよい。上述のガス配管へのガスの高圧充填によって、ガス切替のためのバルブ開閉動作直後には瞬間的に大きな流量が真空処理室109内に供給され、これによって内部のガスが高速に置換される。その効果について調べた実験結果を図8および図9に示す。
図8は、プラズマを維持しながらガスAからガスBに切り替える動作を、従来のMFCの動作によって行った場合の、プラズマ発光を測定したものであり、ガスAおよびガスBのその特徴的な波長における発光強度をそれぞれ抽出したものである。一点鎖線がガスAの発光、実線がガスBの発光を示す。この図から、ガスAの発光の減衰と、ガスBの発光の立ち上がりとが、時間的によく対応しており、どちらか一方を測定すればガス置換の状態について判定可能であることがわかる。
図9は、前述のガス配管へのガスの高圧充填を用いた場合のガス置換についての実験結果であり、実線が従来手法、点線および鎖線が高圧充填の場合であり、点線に比べて実線はより充填圧力を高めた場合の結果である。この結果から、充填圧力がより高い方がガス置換はより高速化されることがわかる。上述のガスラインへのガス高圧充填による手法は、図9に示した通り、高速なガス置換が可能となるが、バルブ切り替え動作後、真空処理室に導入されるガス流量が非常に高速で大きな変化をする場合があり、その時、真空処理室内圧力のオーバーシュートが生じる。
よって、ガス切替中の真空処理室内圧力は、処理性能を発揮するための所望の圧力とは異なるため、前記の圧力変動はプロセス性能を低下させる場合があるが、これを本実施例で示した真空処理室の圧力制御手法を用いることで大幅に抑制可能である。その例を図10に示す。図10は、2つのステップ間でプラズマを維持しながら、前述のガス配管内の高圧充填を用いた高速なガス置換の例であって、その第1のステップと第2のステップとで、流量と圧力を変化させた制御の例である。
ステップ1では、100ccmのガスを供給しながら真空処理室内圧力を2.0Paに制御し、ステップ2では50ccmのガスを供給しながら、その圧力を1.8Paに制御した。図10の点線が、圧力計の測定値のフィードバックによる従来の手法による圧力制御の結果であり、実線は本実施例におけるガス流量を基にした圧力制御手法を採用した場合の結果である。従来の手法では圧力の整定に数秒の時間を要しているのに対し、本実施例においては、1秒以下で圧力は整定し、かつ圧力のオーバーシュートやアンダーシュートも発生しない。
以上のように、前記のガス高速置換手法において、本実施例における真空処理室圧力の高速制御手法と組み合わせることで、エッチングに用いる反応性ガスのガス配管への充填圧力は、装置の構造等からくる制約内で可能な限り高めることができる。上記の制約の例としては、例えばMFCが動作可能な圧力範囲等により、前記の充填圧力の上限が制限される。上記のように、ガス高速置換手法における、ガス配管への充填圧力がガス流量や真空処理室圧力に依らず、可能な限り高い圧力に充填することが可能となるため、充填圧力を条件に合わせて最適化する必要がなく、どのような条件であっても、ある一つの充填圧力の目標値を用いればよい。
また、エッチング処理において典型的に用いる流量のガスを定常的に供給した場合のガス配管内圧力は、そのガス配管のコンダクタンスに比べて、真空処理室のコンダクタンスが非常に小さいので、エッチング条件に応じて制御された真空処理室内圧力による影響は小さく、配管を流れるガス流量のみによって決まると考えてよく、本実施例における二重化されたガス配管の合流部における圧力は、最大で5kPa程度である。
よって処理し得る条件の各ステップの総流量の内、最も少ないものに対して、前記の充填圧力が5kPa以上となる範囲で制御可能なコンダクタンス制御弁を用いればよい。その総流量が最も少ない場合の例としては100sccm程度を想定するのが適当である。または、前記の想定最少流量の排気に対して、5kPa以上に充填可能な固定のコンダクタンスを持つガス配管をこの排気配管に用いてもよい。
また、上述のように、反復して異なる処理を行う場合に、平滑な側壁表面形状を得るためには、その反復の周期をできるだけ短くする必要がある。そのためには本実施例におけるガスの高速置換手法で用いるガス配管内へのガスの高圧充填に要する時間を十分短する必要がある。図7におけるT1またはT2を少なくとも0.1秒程度で制御するには、0.1秒以内に次のステップで用いるガスを目標圧力まで充填する必要がある。
目標圧力の下限値は、前述のとおり5kPaであって、エッチング処理の各ステップで用いる流量の内、その総流量が最も少ない場合として100sccmを仮定すると、MFCから供給・排気を制御するバルブまでの間のガス配管容積を3300mm3以下にすることで、0.1秒以下で少なくとも5kPaまで充填圧力を上げることが可能となる。
以上、上述した本発明により、ガス置換のための待ち時間が最小となるため、高スループットを実現可能である。また、ステップ間でプラズマを維持しながらガスを置換するような場合において、プラズマが前後のステップで用いるガスの混合ガスからなるような過渡状態である時間が最小となるため、連続プラズマを適用することによる加工形状への影響が最小となり、連続プラズマとした際であってもエッチング性能を維持することが可能となる。
以上の効果により、異なる条件を反復して行うエッチング条件において、スループットとエッチング性能、および処理の再現性の大幅な向上が可能であり、また、ガス置換が高速化されることによって、反復する条件の一周期毎の処理時間を短くすることが可能で、反復処理に伴って生じる周期的な形状が微細になることで、側壁のラフネスの軽減、すなわち平滑な側壁表面形状が得られる。さらに、本発明によれば、プラズマ生成やエッチング反応生成物による真空処理室内のガス分子数の変動に依らず、真空容器内圧力を任意の圧力に高速に制御可能である。
以上の実施例1および実施例2において、マイクロ波ECR放電を利用したエッチング装置を例に説明したが、他の放電(有磁界UHF放電、容量結合型放電、誘導結合型放電、マグネトロン放電、表面波励起放電、トランスファー・カップルド放電)を利用したドライエッチング装置においても同様の作用効果がある。また、上記各実施例では、エッチング装置について述べたが、プラズマ処理を行うその他のプラズマ処理装置、例えばプラズマCVD装置またはプラズマPVD装置についても同様の作用効果がある。
101 マイクロ波発生装置
102 方形導波管
103 方形円形導波管変換器
104 円形導波管
105 自動整合器
106 空洞共振部
107 マイクロ波導入窓
108 シャワープレート
109 真空処理室
110 ソレノイドコイル
111 ガス供給機構
112 ガス源
113 下部電極
114 マスフローコントローラ
115 ガスバルブ
116 ターボ分子ポンプ
117 コンダクタンス制御弁
118 RF電源
119 RF整合器
120 圧力計
201、202 ガス源
203、204、205、206 マスフローコントローラ
207、208、209、210、213、214、215、216 ガスバルブ
211、212 ガス集合配管
217 ドライポンプ
218、219 コンダクタンス制御弁
220、221 圧力計
222 コントローラ
223 圧力計
224 コントローラ
225 ガス供給機構

Claims (6)

  1. 試料がプラズマ処理される真空処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記真空処理室内にガスを供給するガス供給装置と、前記真空処理室内を排気する排気装置と、前記排気装置の排気速度を制御する制御弁と、前記排気装置と前記制御弁との間に配置された圧力計とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記制御弁の開度が前記真空処理室内の所望の圧力と前記圧力計により測定された圧力との差および前記測定された圧力と前記排気速度との積である流量を用いて求められた前記測定された圧力が前記所望の圧力となるコンダクタンスに対応する開度となるように前記制御弁を制御する第一の制御装置をさらに備え
    前記測定された圧力が前記所望の圧力となるコンダクタンスに対応する開度は、前記制御弁の開度毎におけるコンダクタンスの圧力依存性データに基づいて求められることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    前記ガス供給装置は、第一のガスを前記真空処理室内へ供給する第一のガス配管と第二のガスを前記真空処理室内へ供給する第二のガス配管を具備し、
    前記第一のガス配管に配置された第一のバルブが開の場合、前記第二のガス配管に配置された第二のバルブが閉となり、前記第一のバルブが閉の場合、前記第二のバルブが開となるように前記第一のバルブおよび前記第二のバルブを制御する制御装置をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項2に記載のプラズマ処理装置において、
    前記ガス供給装置は、前記第一のガス配管から分岐して前記排気装置に接続された第一の分岐配管と、前記第二のガス配管から分岐して前記排気装置に接続された第二の分岐配管と、前記第一のガス配管内の圧力を測定する第一の圧力計と、前記第二のガス配管内の圧力を測定する第二の圧力計と、前記第一の分岐配管に配置された第三のバルブと前記排気装置との間に配置され前記第一のガス配管内の圧力を制御する第一の制御弁と、前記第二の分岐配管に配置された第四のバルブと前記排気装置との間に配置され前記第二のガス配管内の圧力を制御する第二の制御弁とをさらに具備し、
    前記第一の圧力計の値に基づいて前記第一の制御弁の開度を制御するとともに前記第二の圧力計の値に基づいて前記第二の制御弁の開度を制御する第二の制御装置をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項3に記載のプラズマ処理装置において、
    前記第二の制御装置は、前記第一の圧力計の値が5kPa以上となるように前記第一の制御弁の開度を制御する、または前記第二の圧力計の値が5kPa以上となるように前記第二の制御弁の開度を制御することを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項3に記載のプラズマ処理装置において、
    前記第一の分岐配管のコンダクタンスは、少なくとも100sccmの流量のガスを排気した場合、前記第一の圧力計の値が5kPa以上となるようなコンダクタンスである、または前記第二の分岐配管のコンダクタンスは、少なくとも100sccmの流量のガスを排気した場合、前記第二の圧力計の値が5kPa以上となるようなコンダクタンスであることを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 請求項2または請求項3に記載のプラズマ処理装置において、
    前記ガス供給装置は、前記第一のガス配管から前記真空処理室内へ供給されるガスの流量を制御する第一のガス流量制御器と前記第二のガス配管から前記真空処理室内へ供給されるガスの流量を制御する第二のガス流量制御器とをさらに具備し、
    前記第一のガス流量制御器と前記第一のバルブの間の配管または前記第二のガス流量制御器と前記第二のバルブの間の配管における容積が3300mm以下であることを特徴とするプラズマ処理装置。
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