以下、一実施形態の冷蔵庫10について図1〜図13に基づいて説明する。
(1)冷蔵庫10の構成
冷蔵庫10の構成について図2に基づいて説明する。
図2に示すように、冷蔵庫10は、縦長矩形箱状をなす冷蔵庫本体11を備えている。冷蔵庫本体11の内部は冷蔵温度帯の貯蔵室及び冷凍温度帯の貯蔵室に区画され、上から順に冷蔵室12、野菜室13が設けられ、この野菜室13の下方に製氷室14と小冷凍室15とが左右に並べて設けられ、最下部に主冷凍室16が設けられている。
冷蔵室12及び野菜室13は、庫内温度が例えば1℃から5℃程度の冷蔵温度に制御される冷蔵温度帯の貯蔵室である。
製氷室14、小冷凍室15及び主冷凍室16は、庫内温度が例えば−18℃以下の冷凍温度に制御される冷凍温度帯の貯蔵室である。
冷蔵庫本体11の後部には、冷蔵温度帯の貯蔵室及び冷凍温度帯の貯蔵室を冷却するために、図示しない圧縮機、凝縮器、蒸発器を備えた冷凍サイクルが設けられている。
冷蔵室12は、前面が2枚の矩形状の扉17,18によって開閉される観音開き式の扉である。
野菜室13、製氷室14、小冷凍室15、主冷凍室16は、それぞれの前面が引き出し式の扉20、21、22、23によって開閉される。
また、冷蔵庫本体11には、冷蔵庫10の主制御部60が設けられている(図12参照)。
(2)冷蔵室12の扉17,18
冷蔵室12の2枚の観音開き式の扉17,18の構成について図2と図3に基づいて説明する。
冷蔵室12の扉17,18は、冷蔵庫本体11の前部の左右両側端部に設けられたヒンジ部19a、19bを中心に前後方向に回動される観音開き式である。扉17,18の内部には、図示しないウレタンフォームなどからなる発泡断熱材が設けられている。
2枚の扉17,18の中で、正面から見て左側の扉17の前部には、図3に示すように、前面側が開口した縦長矩形状の凹部24が設けられている。この凹部24には、縦長直方体状の操作パネルユニット25が収容状態で設けられている。
また、冷蔵室12の扉17,18及びその他の扉のそれぞれの開閉状態を検出する扉検出スイッチ70が、冷蔵庫本体11にそれぞれ設けられている(図12参照)。
(3)操作パネルユニット25
操作パネルユニット25の構成について図1に基づいて説明する。
図1に示すように、操作パネルユニット25は、前面板26、操作基板27、表示基板28、半透過性部材を構成するハーフミラー蒸着フィルム(以下、単に「ミラーフィルム」という)29、拡散フィルム30、中間支持部材31を有する。
前面板26は、透光性を有する合成樹脂製であり、上下方向(図1の矢印A方向参照)に長い長方形状に形成されている。前面板26は、冷蔵室12や冷凍室15,16に関した機能を設定するための操作領域32、操作した結果などを表示する表示領域33とを有している。
操作領域32は、前面板26の下部において、図1中において便宜上、二点鎖線で囲んだ正方形状の領域である。操作領域32は、十字状の線に4つに区画されている。操作領域32には、「冷蔵室、自動扉オフ」、「冷凍室、節電」、「冷凍機能、キーロック」、「一気製氷、製氷オフ」などの操作表示部が前面板26に直接印刷されているタッチスイッチ32aが形成されている。
表示領域33は、前面板26の上部において、図1中において二点鎖線で囲んで示した長方形状の領域であって、機能表示部46,66が表示される。
(4)操作基板27
操作基板27の構成について、図10及び図11に基づいて説明する。
操作基板27は、図10及び図11に示すように、ほぼ正方形であり、前面に静電容量式のタッチスイッチ32aを構成する静電容量検出部である電極34が4個所定の間隔を開けて格子状に上下左右に配されている。各電極34は、静電容量検出部であり、長方形にそれぞれ形成されている。また、この長方形の電極34の下部の中央部には、スルーホール36が貫通している。「スルーホール36」とは、操作基板27の前面から後面に貫通した孔の内周面に導通材を被膜したものである。そのため、操作基板27の前面にある電極34と、このスルーホール36から延びている接続線35とが電気的に接続されている。4個の電極34は、操作領域32における4箇所のタッチスイッチ32aの裏側にそれぞれ対応して配置され、対応するタッチスイッチ32aの文字より広い範囲に配置されている。
直方体状のコネクタ37が、操作基板27の後面下部に直接固定され、その後面から突出している。
上段にある2個の電極34,34に対応したスルーホール36,36からから延びている接続線35,35は、操作基板27の中央部分に配線された後、下段の電極34,34の間隙を通り、操作基板27の後面下部に設けられたコネクタ37に接続されている。また、下段の電極34,34に対応したスルーホール36,36から延びている接続線35,35も、操作基板27の中央部分に配線された後、コネクタ37に接続されている。各接続線35は互いに干渉しない程度に離間されて配線されている。
操作基板27の両側部には、左右一対の切欠き部38,38がそれぞれ外側に開口している。この切欠き部38の役割については後述する。
(5)表示基板28
表示基板28の構成について図1、図3、図6に基づいて説明する。
図1に示すように、表示基板28は、前面板26とほぼ同じ大きさの長方形状である。表示基板28の前面の上部には、それぞれ発光素子を構成する複数のLED40が集中的に面実装され、前面の下部にはスイッチ制御部41、表示制御部42、操作基板接続用コネクタ43が設けられ、下部の角部には本体接続用コネクタ44が設けられている。複数のLED40は、前面板26の表示領域33の後方に位置させて配置する。各LED40は、指向性を有している。
図6に示すように、表示基板28の下部と操作基板27とは前後に重なり、操作基板27の裏面に設けられたコネクタ37と、表示基板28の前面に設けられた操作基板接続用コネクタ43とが接続される。
なお、表示基板28には、図示はしないが、操作基板接続用コネクタ43とスイッチ制御部41とを接続する配線パターン、表示制御部42と各LED40とを接続する配線パターン及び表示制御部42と本体接続用コネクタ44とを接続する配線パターンなどが形成されている。また、表示基板28の前面に面実装されたLED40と実装された電気部品の高さは、操作基板接続用コネクタ43の高さより低く、また、操作基板接続用コネクタ43の高さは低いものを使用する。
本体接続用コネクタ44は、表示基板28の下部の角部に設けられ、図1、図3に示すように扉17の凹部24に設けられた本体側コネクタ45に接続される。その本体側コネクタ45は、冷蔵庫10の冷蔵庫本体11側に設けられた図示しない主制御部60と接続される。
また、表示基板28の裏面には、電気部品は実装されていない。
(6)ミラーフィルム29
ミラーフィルム29は、前面板26よりもやや小さい長方形状を有し、前面板26と中間支持部材31との間に位置している。このミラーフィルム29は、操作基板27と重ならない位置に配置されている。
ミラーフィルム29には、図7に示すように、「冷蔵室」、「野菜室」、「冷凍室」、「一気冷凍」、「節電モード」などの冷蔵庫の運転動作などを表す文字などの機能表示部46と「eco(但し、図中及び明細書中の「eco」は商標である)」などの冷蔵庫の機能を表示する機能表示部66が抜き表示され、その機能表示部46,66以外の部分には、光を反射する金属膜、例えばアルミニウムが蒸着により設けられている。このミラーフィルム29に裏側から光が照射されると、機能表示部46,66の部分は光は透過するが、それ以外の部分は透過しない。
(7)拡散フィルム30
拡散フィルム30は、ミラーフィルム29よりやや小さい長方形状をなし、ミラーフィルム29と中間支持部材31との間に位置している。
拡散フィルム30は、表示基板28のLED40の光を拡散する作用がある。すなわち、拡散フィルム30は、LED40の光の照射領域を拡大する。
(8)中間支持部材31
中間支持部材31は合成樹脂製であり、複数のLED40にそれぞれ対応する複数の照射筒部47を有する照射部材64、拡散フィルム収容部48、ハーフミラー蒸着フィルム収容部(以下、単に「ミラーフィルム収容部」という)49、操作基板収容部材50を一体に有している。
照射部材64は、中間支持部材31の上部に設けられた長方形の額縁状の部材であり、操作基板収容部材50は、中間支持部材31の下部に設けられた額縁状の部材であって、両部材50,64は、一体成型されている。
(8−1)拡散フィルム収容部48
拡散フィルム収容部48は、額縁状の照射部材64の額縁部に囲まれた板の部分である。すなわち、拡散フィルム収容部48は、額縁状の照射部材64の額縁部内側に矩形の浅底凹状に設けられ、拡散フィルム30が収納される。
(8−2)照射筒部47
照射筒部47は、表示基板28上に設けられた各LED40の位置に対応して、拡散フィルム収容部48から後方に突出するように設けられている。各照射筒部47には、中間支持部材31の裏側において、矩形状の開口部52(図8参照)が設けられている。各開口部52は、表示基板28上に設けられた各LED40の周囲をそれぞれ囲むように設けられている。すなわち、一つの開口部52は、これに対応する一つのLED40の周囲を囲むように設けられている。各照射筒部47は、各開口部52から前面板26に向かう方向へ筒状に延びていると共に、前部に向けて外側にラッパ状に広がるように形成されている。各照射筒部47は、開口部52から前面板26まで一定の距離を確保する。これにより、中間支持部材31の照射部材64は、表示基板28と前面板26との空間を確保する。
(8−3)ミラーフィルム収容部49
額縁状の照射部材64の額縁部に段部が設けられ、拡散フィルム収容部48よりも外側に大きな長方形状の浅底凹状が形成され、この浅底凹状が、ミラーフィルム収容部49に対応する。ミラーフィルム収容部49には、ミラーフィルム29が収納される。ミラーフィルム収容部49は、拡散フィルム収容部48より前側(前面板26側)に積層される。
ミラーフィルム収容部49における操作基板27側の下縁部は、拡散フィルム収容部48の下縁部と同じ位置に設定されている。
ミラーフィルム29の各機能表示部46,66は、対応する照射筒部47の四方の壁の間に位置している。一つの照射筒部47の四方の壁は、一つの機能表示部46へ開口部52から延びている。すなわち、一つの機能表示部46(又は66)は、これに対応する照射筒部47により囲まれた矩形状の枠の領域内に位置している。この対応する照射筒部47の開口部52には、この機能表示部46(又は66)に対応するLED40が位置している。これにより、LED40の光は、対応する照射筒部47の内部にのみ拡散し、対応する機能表示部46に照射される。
(8−4)操作基板収容部材50
額縁状の操作基板収容部材50の額縁部の左右両内側部には、2つの係合部53が突出し、上縁部から3個の押え部55,56,57が突出している。
2つの係合部53は、操作基板収容部材50の左右両内側部において、上下方向のほぼ中央に位置して、内側に突出し、操作基板27を支持する。
3個の押え部55,56,57は、操作基板収容部材50の周縁部の中で、ミラーフィルム収容部49側の上縁部に位置させて、それぞれの弾性変形可能に設けられている。3個の押え部55,56,57の前面には、前方に向けて突出する突部58,58,59が一体に設けられ、これら突部58,58,59が操作基板27を裏面から支持する。
2個の係合部53、3個の押え部55,56,57は、中間支持部材31の前面板26側から操作基板27の板の厚さ分だけ後方側に設けられている。すなわち、係合部53、押え部55,56,57は、操作基板27の板厚分だけ中間支持部材31の前面板26と反対側に設けられている。これにより、操作基板27を操作基板収容部材50に収納すると共に、ミラーフィルム29をミラーフィルム収容部49に収納した状態において、図6に示すように、操作基板27の前面とミラーフィルム29の前面がほぼ同一平面上に位置する。
操作基板収容部材50に操作基板27を収容した状態では、図8に示すように、操作基板収容部材50の下縁部と操作基板27の下縁部との間に空隙部62が形成される。この空隙部62の役割については後述する。
操作基板収容部材50に操作基板27を収容した状態において、前面板26の操作領域32の中心は、電極34の中心に対し、やや上方にずらした位置に配される。すなわち、操作領域32の中心は、接続線35に対して離れる方向に位置させている。
(8−5)表示基板28を固定するための部材
表示基板28を固定する部材について図5と図8に基づいて説明する。
図8に示すように、表示基板支持爪51は、中間支持部材31の裏側における額縁部の左右の両側部に3個ずつ対向状態で設けられ、合計6個設けられている。表示基板28は、これら表示基板支持爪51によって左右両側から挟持される状態で支持される。
図5、図8に示すように、中間支持部材31の裏側には、操作基板収容部材50の下縁部の近くにネジ穴63aを有するボス部63が一体に設けられている。一方、表示基板28には、ボス部63に対応する部位にネジ挿通孔64(図1参照)が形成されている。そのネジ挿通孔64に挿通したネジ65をボス部63のネジ穴63aに、表示基板28の裏側からネジ込むことによって、表示基板28は中間支持部材31の裏側に固定される。
(9)部品の固定状態
拡散フィルム30及びミラーフィルム29は、拡散フィルム収容部48及びミラーフィルム収容部49に収容された状態で前面板26と中間支持部材31との間に挟み込まれて固定される。
前面板26と中間支持部材31とは、接着剤などで固定される。
操作基板27は、係合部53、押え部55,56,57によっ支持されると共に、操作基板接続用コネクタ43と、コネクタ37とによっても支持されて固定される。そして、操作基板27は、操作基板収容部材50に収容された状態で前面板26の裏面に接触又は近接している。
表示基板28は、6個の表示基板支持爪51により中間支持部材31に支持された状態で、ネジ65によりネジ止めされて固定される。
(10)操作パネルユニット25の組み立て方法
上記構成の操作パネルユニット25の組み立て方法について説明する。
まず、操作基板27を中間支持部材31の前面側から係合部53及び押え部53、56、57上に載せるようにして操作基板収容部材50に収容する。
次に、拡散フィルム30を中間支持部材31の拡散フィルム収容部48に収容する。
次に、ミラーフィルム29を中間支持部材31のミラーフィルム収容部49に収容する。
次に、中間支持部材31の前面に前面板26を重ね合わせ、中間支持部材31の前面周縁部と前面板26の裏面周縁部とを接着剤により接着固定する。
次に、中間支持部材31の裏側に表示基板28を配置し、当該表示基板28を中間支持部材31の表示基板支持爪51により保持させる。このとき、表示基板28の前面の操作基板接続用コネクタ43を、操作基板27の後面のコネクタ37に接続する。このコネクタ37と、操作基板接続用コネクタ48とを接続することにより、表示基板28に、図5に示すように、操作基板27が支持される。
次に、表示基板28の裏側からネジ65をボス部63のネジ穴63aにネジ込むことで、表示基板28を中間支持部材31の裏側に取り付け固定する。以上により、操作パネルユニット25を組み立てが終了する。
次に、本体接続用コネクタ44を、凹部24側の本体側コネクタ45に接続する。
最後に、操作パネルユニット25を、扉17の凹部24に収容する。これにより、操作パネルユニット25が扉17に取り付けられる。
(11)操作基板27の取外し方法
次に、操作基板27を点検、修理、交換するために、操作基板27を操作パネルユニット25から取り外す場合について図9に基づいて説明する。
まず、操作パネルユニット25を、扉17の凹部24から取り外す。
次に、ネジ65をネジ孔63aから外し、表示基板支持爪51を解除することにより、中間支持部材31から、表示基板28を取り外す。このとき、操作基板接続用コネクタ48と、操作基板27のコネクタ37も取り外す。
次に、図9に示すように、中間支持部材31と前面板26とを接着したままで、操作基板27を、操作基板収容部材50において下方(矢印A1の方向)にスライドさせる。このとき、空隙部62があるため、操作基板27を下方にスライドさせることができる。
次に、スライドさせると、操作基板収容部材50から突出した2個の係合部53,53が切欠き部38,38の位置に移動するため、切欠き部38,38によって係合部53が操作基板27に当たることなく、操作基板27を操作基板収容部材50から取り外すことができる。
(12)冷蔵庫10の電気的構成
次に、冷蔵庫10における操作パネルユニット25を中心とした電気的構成について、図12のブロック図に基づいて説明する。
スイッチ制御部41には、上記で説明した4個の電極34が接続され、各電極34がそれぞれタッチスイッチ32aに対応している。
表示制御部42には、スイッチ制御部41、複数のLED40がそれぞれ接続されている。表示制御部42は後から説明するように、各LED40についてダイナミック点灯又はスタティック点灯を行うように点灯制御する。また、表示制御部42は、冷蔵庫本体11に内蔵された主制御部60に接続されている。さらに、表示制御部42は、2つのモードを有し、第1のモードは、ユーザがタッチスイッチ32aを操作することを待ち受けている待機モードであり、第2のモードは、ユーザがタッチスイッチ32aを操作を実行できる操作モードである。
主制御部60には、扉17,18にそれぞれ設けられた扉検出スイッチ70,70が接続され、さらに、他の扉に設けられた扉検出スイッチ70も接続されている。これら扉検出スイッチ70は、扉17,18が開状態になったときに、開閉信号を主制御部60に出力する。主制御部60は、操作モードにおいて、ユーザが操作パネルユニット25を操作した内容に基づいて、冷蔵庫10を制御するものであり、例えば、冷蔵室12、野菜室13からなる冷蔵温度帯の庫内温度を所定温度に制御したり、また、製氷室14、小冷凍室15及び主冷凍室16からなる冷凍温度帯の庫内温度を所定温度に制御する。
(13)LED40の点消灯方法
LED40の点消灯方法について説明する。
全てのLED40の点消灯は、表示制御部42によって制御されている。LED40の点消灯の方法としては、スタティック点灯とダイナミック点灯(パルス点灯)とがある。
「スタティック点灯」とは、LED40に通電を常に行い、連続して点灯させる方法である。
「ダイナミック点灯」とは、「パルス点灯」とも呼ばれ、表示制御部42に内蔵されたインバータ回路によりPWM制御(パルス幅変調制御)を行い、LED40への通電率を変化させて階調制御する。この通電率は、表示制御部42に記憶されているデューティー比(Duty比)によって決定される。そして、LED40について点灯状態と消灯状態とを繰り返してパルス状に点灯させ、人間の目には常に点灯しているような状態とする。また、この通電率(デューティー比)を高くすると、流れる電流値が大きくなりLED40の輝度が上昇する。
ところで、表示領域33は、常に点灯している機能表示部66と、操作時のみ点灯する機能表示部46に分けられる。そのため、機能表示部66に関しては、操作を行わない待機モードにおいては、表示制御部42は、LED40をダイナミック点灯によって常時点灯させ、操作モードにおいてはダイナミック点灯からスタティック点灯に切り換える。機能表示部46に関しては、表示制御部42は、操作モードにおいて、点灯時のみダイナミック点灯を行い、完全点灯後はスタティック点灯を行う。
このように操作モードにおいて機能表示部46,66共にスタティック点灯を行うのは、ダイナミック点灯であるとパルス状の高周波のノイズが発生し、静電容量式のタッチスイッチ32aに誤動作を起こす可能性があるため、スタティック点灯を行いノイズの発生を防止する。一方、操作時以外の待機モードにおいて、常時点灯しているLED40は、ダイナミック点灯(パルス点灯)を行って省電力化を図っている。
(14)扉開閉時の動作状態
次に、扉17又は扉18が開閉されたときの冷蔵庫10の動作状態について、図13のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の説明では扉17,18の中で、扉17が開閉されたときの状態で説明するが、扉18についても同様である。
まず、表示制御部42は、通常の状態ではユーザの操作を待ち受ける待機モードを実行している。また、表示制御部42は、待機モードにおいて、表示領域33で常時点灯する機能表示部66に対応したLED40に関して、予め定めた所定のデューティ比でダイナミック点灯(パルス点灯)させる。これより、LED40が常時点灯しても省電力化を図ることができる。
ステップS1において、主制御部60は、扉検出スイッチ70からの開閉信号に基づいて、扉17が閉まっているか否かを判断し、閉まっていればステップS3に進み(Yの場合)、扉17が開いていればステップS9に進む(Nの場合)。
ステップS2において、扉17が閉まっている状態で、ユーザが手指を用いてタッチスイッチ32aを操作することにより、スイッチ制御部41が電極34において静電容量Cに変化があったか否かを検出し、変化がなければステップS1に戻り(Nの場合)、変化があればステップS3に進む(Yの場合)。すなわち、ユーザの手指が前面板26の操作領域32におけるタッチスイッチ32aに接触すると、人体と操作基板27の電極34との間に電流が流れることにより電極34の静電容量Cが変化する。スイッチ制御部41が、この静電容量Cの変化を検出して、導電物が近接していない状態の基準静電容量C0と比較し、C>C0の場合には、ユーザの手指がタッチスイッチ32aに接触したと判断し、タッチスイッチ32aがON状態となったとして操作されたッチスイッチ32aに対応した操作信号を出力し、ステップS3に進む。
ステップS3において、表示制御部42は、LED40を点灯させる。すなわち、表示制御部42は、スイッチ制御部41からの操作信号に基づき、操作に対応したLED40をスタティック点灯させると共に、常時点灯しているLED40もダイナミック点灯(パルス点灯)からスタティック点灯に切り換える。スタティック点灯においては、常に通電しているため、ノイズが発生することがなく静電容量式のタッチスイッチ32aが誤動作を起こすことがない。LED40が発光すると、その光が拡散フィルム30を介してミラーフィルム29に裏側から照射され、対応する機能表示部46,66が照明される。このとき、各LED40は照射筒部47により個別に囲われているので、LED40から発せられた光は他に漏れず、対応する機能表示部46,66のみを良好に照明できる。ユーザは、図4の表示状態に示すように、操作パネルユニット25の前方から前面板26を見ることで照明された機能表示部46,66を見ることができる。そしてステップS4に進む。
ステップS4において、主制御部60は、再び扉検出スイッチ70から開閉信号が出力されているか否か、すなわち、扉17が閉まっているか否かを検出し、閉まっていればステップS5に進み(Yの場合)、扉17が開いていればステップS7に進む(Nの場合)。
ステップS5において、扉17が閉まっている状態が継続しているので、スイッチ制御部41は電極34における静電容量Cに変化があったか否かを再び判断し、C>C0の場合には、ユーザの手指の操作に変化があったとしてステップS4に戻り(Nの場合)、C<=C0の場合には、ユーザの手指による操作に変化がなかったとしてステップS6に進む。すなわち、スイッチ制御部41が電極34の静電容量Cの変化を検出しなくなるまで扉17が閉状態であればステップS6に進む。なお、「電極34の静電容量Cの変化を検出しなくなるまで」とは、上記のステップで説明したようにユーザの手指が電極34に接触又は近接して、その状態の検出が続き、手指が離れて静電容量Cの変化が検出されなくなるまでを意味する。
ステップS6において、スイッチ制御部41が、電極34の静電容量Cの変化を検出しなくなるまでの間に扉17が開状態にならなかったため、ユーザが行なっている操作を表示制御部42が有効と判断し操作モードに切り換える。そして、主制御部60はユーザの操作に対応して冷蔵庫10を制御し、その制御が終了すれば待機モードに戻るためステップS1に戻る。
ステップS7において、扉17が開状態になったため、表示制御部42はLED40の発光状態を変更する。すなわち、LED40の発光状態に関して、扉17が閉まっているときの状態と、開いているときの状態とを変更する。例えば、扉17が開いているときには、閉まっているときよりもLED40の輝度を下げたり、又は、消灯する。又は、操作モードと待機モードとにおいて、LED40の発光状態が異なる場合には、開扉状態において操作モードの発光状態から待機モードの発光状態に切り換える。そしてステップS8に進む。
ステップS8において、スイッチ制御部41は、ステップS2において検出したタッチスイッチ32aの操作をキャンセルしステップS10に進む。これにより、ユーザがタッチスイッチ32aを操作しているときに扉17が開き、開いている間に操作を止めたにも関わらず、誤検出して操作信号が出力されたままの状態になっていることを防止できる。その理由は、スイッチ制御部41が電極34の静電容量Cの変化を検出し、その後、静電容量Cの変化を検出しなくなるまでに、扉検出スイッチ70が開状態を検出したときは、その操作をキャンセルすることにより、誤動作を防止できるからである。
ステップS9において、扉17が開いている状態であるため、ステップS7と同様にLED40の発光状態を変更しステップS10に進む。
ステップS10において、扉が開いている状態であるため、以後のユーザの操作を無効にして、ステップS11に進む。
ステップS11において、スイッチ制御部41は、電極34における静電容量Cが基準静電容量C0を比較する。すなわち、タッチスイッチ32aが操作されたか否かを判断し、C<=C0であればステップS1に戻る(Nの場合)。また、C>C0の場合には、タッチスイッチ32aが操作されたとしてステップS12に進む(Yの場合)。
ステップS12において、主制御部60は扉検出スイッチ70からの開閉信号に基づいて、扉17が閉まっているか否かを判断し、閉まっていればステップS13に進み(Yの場合)、開いていればステップS10に戻る(Nの場合)。これにより、扉17が一度開けられた後、閉められたか否かを判断することができる。
ステップS13において、スイッチ制御部41は、電極34における静電容量Cが基準静電容量C0を比較し、C>C0の場合にはステップS12に戻り、C<=C0であればステップS1に戻る。すなわち、ユーザの手指によってタッチスイッチ32aが操作さているか否かを判断し、操作さていなければステップS1に戻り、操作されていればステップS12に戻り再び扉17の開閉状態を検出する。これによって、ステップS10で以後のユーザの操作が無効になった状態であるが、ステップS1に再び戻ることにより、この無効状態が解除されることとなる。
(15)効果
上記実施形態の冷蔵庫10によれば、次の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、扉17又は扉18が開いている間は、タッチスイッチ32aによる操作を無効とするため、開いた扉17又は扉18が導電物に近接しても、タッチスイッチ32aが誤動作を起こすことがない。また、操作が無効になっていることをLED40を減光、又は、消光させることによってユーザに報知できる。また、減光、消光するため、電力低減の効果も図ることができる。なお、待機モードによる発光状態にすることにより、操作が無効になっていることをユーザに報知してもよい。
また、ユーザがタッチスイッチ32aを操作しているときに、扉17又は扉18が開いた場合に、開いている間に操作を止めたにも関わらず、誤検出して電極34からの信号は検出されたままの状態になっていることを防止するため、電極34の静電容量の変化を検出し、その後、静電容量の変化を検出しなくなるまでに、扉検出スイッチ70が開状態を検出したときは、その操作を無効にすることにより、誤動作を防止できる。
また、スイッチ制御部41が、静電容量の変化を検出しなくなり、かつ、主制御部60が扉検出スイッチ70により閉状態を検出したときに、その操作を有効にすることにより、ユーザが扉17を開いている間から続く操作を有効にすることができ、扉17、18が閉じていないとユーザが操作できないようにする。
また、操作基板27の前面に4個の電極34が設けられ、裏面にそれぞれの接続線35が配線され、電極34と接続線35とは、スルーホール36によって接続されている。そのため、ユーザの手指が、操作基板27の後面にある接続線に触れたり近接することがないため、静電容量式タッチスイッチの誤動作を防止できる。また、接続線35は操作基板27の後面にあるため、操作基板27を覆っている前面板26と擦れることがなく、接続線35が断線しない。
また、操作基板27と表示基板28とは、コネクタ37と操作基板接続用コネクタ43とによって接続されているため、信号線の経路を短くでき、ノイズによる誤動作を防止できる。また、このコネクタ37と操作基板接続用コネクタ43とによって操作基板27を表示基板28に固定しているため、スペーサ等の他の部品を省略することができ、コストダウンを図ることができる。また、コネクタ37,43による接続はフラットケーブルに比べて線路長が短くなり、ノイズに強くなる。
また、LED40を面実装した表示基板28を、操作基板27よりも後方に位置させると共に、前面板26と表示基板28との間に空間を確保するための中間支持部材31を設けたことにより、LED40の光は、前面板26の表示領域33へ拡散して照射され、前面板26の表示領域33に十分な照射領域を確保できる。
また、コネクタ37と操作基板接続用コネクタ43が、表示基板28の下部に配され、複数のLED40は表示基板28の上部に集中して配されているため、コネクタ37,43とLED40とが離間し、LED40が発生するノイズの影響を抑えることができる。
また、操作基板27の接続線35が、操作基板27の中央部分にまとめて配線されているため、各電極34の面積を大きく取ることができる。
また、接続線35は、どの電極34とも重なっていないため、電極34からの影響を防止できる。
また、スルーホール36は、電極34における接続線35の延びる方向の側部(下部)に設けられているため、電極34と接続線35とが重なる部分が少なく、また、接続線35の長さを短くできるため、ノイズの影響を抑えることができる。
また、操作基板27には、電極34、接続線35、コネクタ37のみが設けられているため、電極34の形状、数を変更したい場合には、操作基板27のみを取り替えるだけでよく、その取り替え作業が簡単である。
また、操作領域32の中心を、電極34の中心に対し、やや上方にずらしている。すなわち、操作領域32の中心は、接続線35に対して離れる方向に位置させている。これにより、ユーザの手指が接続線35の上方位置に触れ難くなり、より断線の防止を行うことができる。
また、常時点灯しているLED40は、ユーザが操作をしているとき以外はダイナミック点灯(パルス点灯)を行っているため、省電力化を図ることができる。
また、ユーザが操作を行っているときには、操作によって点灯するLED40及び常時点灯しているLED40もスタティック点灯に切り換えるため、LED40及び表示制御部42から発生する高周波のノイズを抑えることができ、静電容量式タッチスイッチの誤動作を防止できる。
また、中間支持部材31と前面板26とを接着したままで、中間支持部材31から表示基板28を外した後に、操作基板27を簡単に取り外すことができる。そのため、操作基板27の点検、修理、交換を簡単に行うことができる。
また、タッチスイッチ用の電極34を有する操作基板27は、前面を前面板26の裏面に近接又は接触させることができる。これにより、ユーザの手指が操作領域32内のタッチスイッチ32aに接触したことを正確に検出でき、タッチ検出の感度が向上する。
また、操作基板27の電極34は、タッチスイッチ32aの文字より一回り大きく、特にそのタッチスイッチ32aの文字の下まで延びている。ユーザは、操作する場合に、タッチスイッチ32aの文字を見ながら、操作したい文字を押す傾向にある。このため、ユーザは、タッチスイッチ32aの文字より下に接触することが多い。この場合においても、電極34はタッチスイッチ32aより下まで延びているため、ユーザが接触したことを正確に検出できる。
また、中間支持部材31は、LED40を周囲から囲む状態で表示基板28から前面板26に向けて延びる筒状の照射筒部47を有している。これにより、LED40から発せられた光は他に漏れず、対応する機能表示部46を良好に照明できる。
また、前面板26の表示領域33には複数の機能表示部46,66が配置されていると共に、表示基板28には各機能表示部46,66に対応するLED40が複数配置されていて、中間支持部材31には、各LED40に対する照射筒部47が複数設けられている。これにより、複数の機能表示部46,66を対応するLED40により良好に照明できる。
また、前面板26における操作領域32と表示領域33とは重ならない位置に配置され、操作基板27と表示基板28とは少なくとも一部が重なるように配置され、これら操作基板27と表示基板28とは、互いに重なった部位に設けられたコネクタ37と操作基板接続用コネクタ43を介して電気的な接続が行われる。これにより、操作基板27を小型化できると共に、シンプル化でき、表示基板28側に、LED40、スイッチ制御部41、表示制御部42などの電気部品を集約できる。
また、表示基板28は、電気部品であるLED40、スイッチ制御部41、表示制御部42、操作基板接続用コネクタ43が前面にのみ実装されていて、裏面には電気部品は実装されていない。これにより、操作パネルユニット25の裏面となる表示基板28の裏面を凹部24の内面に密着させることができ、扉17側の断熱材の厚さを確保できる。
また、光反射用の金属膜を有する半透過性部材であるミラーフィルム29は、前面板26と表示基板28との間であって、操作基板27と重ならない位置に位置させ、このミラーフィルム29に機能表示部46を表示させた。これにより、必要以外の部分の光は反射するようになるので、必要な部分以外から光が前面側へ漏れることを防止できる。
また、中間支持部材31は、操作基板27を収容する操作基板収容部材50と、ミラーフィルム29を収容するミラーフィルム収容部49とを一体に有している。これにより、操作基板27とミラーフィルム29を中間支持部材31の各収容部50、49に収容した状態で、それら操作基板27の前面とミラーフィルム29の前面とをほぼ面一にできる。
また、中間支持部材31には、操作基板27を裏側から押える押え部55,56,57を有している。これら各押え部55,56,57は弾性変形可能である。これにより、操作基板27を前面板26側に押さえ付けることができる。
変更例
以下、本実施形態の変更例について説明する。
(1)変更例1
上記実施形態では、扉17又は18を開いたときに、LED40の発光状態を変更したが、これに加えて、操作パネルユニット25に、操作が無効になったときにのみ発光するLED40を別途設ける。そして、操作中に扉17又は18が開いたときに、その操作の無効を示すLED40を点灯、又は、点滅させ、ユーザに報知してもよい。
(2)変更例2
上記実施形態では、発光素子としてLED40を用いたが、これ以外の液晶表示装置、有機EL装置などの発光素子を用いてもよい。
(3)変更例3
上記実施形態では、操作パネルユニット25の前面を構成する前面板として、操作パネルユニット25専用の前面板26で説明したが、これに限らず、扉17の前面全てを、透明な合成樹脂又はガラス板などによって前面板を形成し、この前面板の一部に操作領域32と、表示領域33を形成してもよい。
(4)変更例4
上記実施形態では、ミラーフィルム29の蒸着材料はアルミニウムであったが、これに限らず金属であればよい。
(5)変更例5
上記実施形態では、操作基板27に配線された接続線35に対応する位置に、表示制御部42を設けたが、これに限らず、電極34及び接続線35に対応する位置以外に、表示制御部42やLED40を設けてもよい。例えば、操作基板27の一部を切欠いて、その切欠いた部分の下方に表示制御部42を配置したり、LED40を配置してもよい。この場合に、このLED40は、ノイズの発生を防止するために、スタテッイク点灯するのが好適である。
(6)変更例6
上記実施形態では、操作パネルユニット25の上部に操作領域32を設け、下部に表示領域33を設けた。これに限らず、操作領域32を複数設け、これら操作領域32の間に表示領域33を形成してもよい。そして、この場合には、操作領域32の間に、操作基板27の接続線35を配線する。
(7)その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。