JP6311909B2 - 避難誘導用の多機能看板装置およびその表示作動方法 - Google Patents

避難誘導用の多機能看板装置およびその表示作動方法 Download PDF

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Description

本発明は、面光源を有し、面光源の点灯/消灯または点滅を無線により制御することで異なる表示を行うことが可能な避難誘導用の多機能看板装置(以下、単に「多機能看板装置」と記載することがある)と、その表示作動方法に関するものである。より詳しく述べるならば、本発明は、看板、案内表示、標識、自動販売機、およびロードファニチュアなどに用いられ、通常(面光源消灯時)は看板、広告、案内表示、標識などとして視覚表示(1)のみを表示し、無線制御により面光源点灯/消灯または点滅、ならびに、点灯時および点滅時の輝度を制御することで、周囲が明るい日中や、屋内照明や街路灯などの下であっても視認可能に、避難誘導表示や特定のメッセージとして視覚表示層(2)を現出させることのできる避難誘導用の多機能看板装置と、災害時にこの多機能看板装置を無線制御することで、ローカルエリアに応じた適切な情報提供と避難誘導を行う表示作動方法に関するものである。
図書館、運動場、公園、役場などの公共施設、学校、企業の社屋や工場、商業施設や店舗の屋内外、交通機関のコンコースや地下街などに設置される看板、広告、案内表示および広告表示を有する自動販売機、バス停やタクシー乗り場などの標識、電信柱に設置された看板など、多くの看板・案内表示・標識が設置され、日常生活に溶け込んでいる。これらは多くの場合、内照式或いは外照式の照明を伴い、夜間はそれを灯すことで周辺にも明かりをもたらし、地域の防犯の役割も担っている。さらに昨今では、災害発生時の避難誘導の道標としての役割も期待されている。災害発生時に、行政により指定された広域避難場所や一時避難場所に人を誘導するための専用の看板が必要であるが、地域毎に適切な誘導を行う為には、人目につきやすい場所を選んで、避難誘導専用の看板を多数配置する必要があり、設置場所の確保や景観の問題などから、充分に対応する事ができない地域もある。特に災害時には、建造物の崩壊やがけ崩れなどによる道路の途絶や、ガス漏れ、火災、燃料や放射性物質の流出などによる危険区域の発生、及び竜巻や津波の発生など、刻々と変化する危機情報をリアルタイムで伝達することが重要である。
災害発生時に地域の住民に避難を促す方法として、防災無線放送が用いられている。しかしながら、防災無線放送は、短い音声メッセージの繰り返しが中心で、ローカルエリアに対する避難勧告などには有効であるが、具体的な情報や指示を誤解なく伝達する手段としては不適切である。また、テレビやラジオでは市町村、町内会単位、更に学校などの舎屋単位、などのローカルエリアを限定対象とする具体的な避難情報を提供する手段としては不適切である。
近年、表示部にプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、映像プロジェクター、電光掲示板などを用いたデジタルサイネージを、看板として用いる用法が広がっている。(例えば特許文献1参照)これらデジタルサイネージ看板は、データを差し替えることで容易に表示を変更することができる為、災害が発生した際に、設置場所に対応した避難誘導情報を表示させる様にすれば、地区毎に設定された避難場所までの経路を、詳細に案内する事が可能となる。しかしながら、デジタルサイネージは、装置が大掛かりで導入コストがかさむ問題があり、駅周辺や商店街など繁華街、駅やショッピングモールなど、人が多く集まる地域や建造物を除けば、費用対効果の面から、一定地域に多数配置するのは現実的ではなかった。仮に、多数配置する事が可能であったとしても、連続的に表示し、視認性を高めるためには多大な電力が必要であり、災害により停電した様な場合、たとえ蓄電池を装備したとしても、住民の避難が完了するまで表示し続けるのに充分な電力を確保することは困難であった。更に、その地区の住民が避難するのに最適な経路を、その時の被災状況を加味して、表示させるためには、地域の被災状況をリアルタイムに把握した上で、全てのデジタルサイネージを連携して動作させる必要があるが、その様なことを可能とするシステムは、実現されていない。
以上の様に、通常は看板、案内表示、および標識としての表示を行い、災害が発生した際に、地域単位や地域環境に応じた有益な情報提供と最適な避難経路を、無線制御によりローカル表示させることができる看板装置や表示作動方法は、これまで提案されていなかった。
特開2010−257433号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決し、通常は、看板、案内表示、広告、および標識としての表示を行い、災害時など特定の状況において、ローカルエリア単位での避難誘導表示や特定のメッセージ表示を、特定の無線制御手段を利用して多機能看板装置をコントロールして、状況やローカルエリアに応じた適切な避難誘導をリアルタイムで行うための避難誘導用の多機能看板装置とその表示作動方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、おもて面側に視覚表示層(1)を有する視覚制御シートを配し、視覚制御シートのうら面側に面光源を有し、視覚制御シートと面光源との中間に、視覚表示層(2)を配する構成とすることで、周囲が明るい日中や、街路灯などの照明下であっても、面光源を点灯した状態で、視覚制御シートの開孔部を通して視覚表示層(2)を現出して、避難誘導表示や特定のメッセージを表示することができる薄型の表示部(A)を、複雑な構造とすることなく、消費電力を少なく、比較的安価に、得ることができ、さらに、この面光源の点灯/消灯および点滅を、920MHz帯、2.4GHz帯、5.2GHz帯、5.3GHz帯、および5.6GHz帯から選ばれた1種の帯域の電波を利用した無線制御手段(C)によりコントロールすることで、任意のタイミングで、的確に視覚表示層(2)の表示を効果的にアピールでき、特にこれを避難経路に複数配置し、コンピュータにより連動作動させれば、より安全な避難誘導を可能とすることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の避難誘導用の多機能看板装置は、おもて面側に視覚表示層(1)を有する視覚制御シートと、視覚制御シートのうら面側に配置された面光源とを有し、視覚制御シートと面光源の中間に、視覚表示層(2)を有してなる表示部(A)を主体とし、電源部(B)と、無線制御手段(C)とを附帯し、前記無線制御手段(C)が920MHz帯(915MHz〜928MHz)の電波を利用したZigBee(登録商標)インターフェイスと、光センサー(D−1)とを附帯することを特徴とする
本発明の多機能看板装置において、前記面光源が、LEDまたは蛍光管を側端部に有するエッジライト式の面光源、および、エレクトロルミネッセンス面光源から選ばれた1種以上であることが好ましい。
本発明の多機能看板装置が、音声出力装置(E)を更に附帯し、この音声出力装置(E)の音声が、前記無線制御手段(C)により制御されることが好ましい。
本発明の多機能看板装置が、警報灯装置(F)を更に附帯し、この警報灯装置(F)の点灯が、前記無線制御手段(C)により制御されることが好ましい。
本発明の多機能看板装置において、前記表示部(A)が、所望の情報に誘導するためのアクセス情報をコード化したコード表示部を有し、前記コード表示部が、個人用携帯端末で読み取り可能な二次元コードにより構成されることが好ましい。
本発明の多機能看板装置において、前記面光源が、複数のユニットで構成され、ユニット毎に独立して点灯/消灯、および点滅を制御されることが好ましい。
本発明の多機能看板装置において、前記電源部(B)が、太陽電池パネルと、この太陽電池パネルからの電力を充電する蓄電池とを有することが好ましい。
本発明の避難誘導用の多機能看板装置の表示作動方法は、おもて面側に視覚表示層(1)を有する視覚制御シートと、視覚制御シートのうら面側に配置された面光源とを有し、視覚制御シートと面光源の中間に、視覚表示層(2)を有してなる表示部(A)を主体とし、電源部(B)と、無線制御手段(C)とを附帯し、前記無線制御手段(C)が920MHz帯(915MHz〜928MHz)の電波を利用したZigBee(登録商標)インターフェイスと、光センサー(D−1)とを附帯した看板装置において、通常は前記面光源を点灯せずに前記視覚表示(1)のみを表示し、災害時には前記光センサー(D−1)により看板装置周辺の明るさを感知し、前記無線制御手段(C)を介して、前記面光源の点灯/消灯および点滅、ならびに、点灯時および点滅時の輝度を制御して、前記視覚表示層(2)を視認可能に発光表示することを特徴とする。
本発明の多機能看板装置の表示作動方法において、前記面光源が、LEDまたは蛍光管を側端部に有するエッジライト式の面光源、および、エレクトロルミネッセンス面光源から選ばれた1種であることが好ましい。
本発明の多機能看板装置の表示作動方法において、複数個の看板装置を避難経路沿いに配置し、個々の看板装置を辿ることで避難場所まで誘導できる様、個々の視覚表示層(2)をコンピュータ制御により連動作動させることが好ましい。
本発明の多機能看板装置の表示作動方法において、前記表示部(A)が、所望の情報に誘導するためのアクセス情報をコード化したコード表示部を有し、前記コード表示部が、個人用携帯端末で読み取り可能な二次元コードにより構成されており、前記二次元コードを読み取ることで、前記個人用携帯端末に所望の情報を表示させることが好ましい。
本発明の多機能看板装置の表示作動方法において、前記面光源が複数のユニットで構成され、ユニット毎に独立して点灯/消灯、および点滅を制御することで、前記視覚表示層(2)の表示を変化させることが好ましい。
本発明によれば、面光源消灯時には視覚表示層(1)を表示し、無線制御により面光源を点灯することで視覚表示層(2)を現出させることのできる避難誘導用の多機能看板装置の提供が可能となる。本発明の多機能看板装置は、普段は看板や案内表示として通常の表示を行い、災害時には避難誘導案内などを現出させることができる。そのため図書館、運動場、公園、役場などの公共施設、学校、企業の社屋や工場、商業施設や店舗などの屋内外に設置される看板や案内板、バス停やタクシー乗り場などの標識、および電信柱に設置される看板などに適して用いることができ、災害発生時など特定の状況においては、920MHz帯(915MHz〜928MHz)の電波を利用することにより、警察・消防・自衛隊などの無線通信や、公共放送、携帯電話などを妨害することなく、ZigBee(登録商標)インターフェイスを附帯した無線制御手段(C)により、避難誘導案内などの表示を現出させて、避難場所までの経路を示すことができる。この多機能看板装置の視覚表示層(1)を協賛者による企業広告とすれば、費用面で協賛者の協力を得ることができ、広く設置を進めることができる。さらに、多能看板装置を避難経路に沿って、複数配置(新規或いは既設の看板からの置き換え)して、被災状況に応じた最適経路を表示すれば、地域住民のみならず、初めてその地域を訪れた人がたまたま被災した様な場合でも、地域毎に決められた広域避難場所や一時避難場所への退避を容易とすることができる。また、表示部(A)に、災害状況や避難経路などの情報を掲載したサイトに誘導するためのアクセス情報をコード化したコード表示部を設ければ、それを携帯端末で読み取ることで、被災者がそれらの情報を的確に取得することができる。
本発明の表示部(A)の一例を示す断面図 本発明の実施形態1における視覚表示層(1)および視覚表示層(2)を示 す図 本発明の実施形態1における表示部(A)を明所及び暗所で作動させた状態 を示す図 本発明の実施形態1における多機能看板装置の構成例を示す図 本発明の実施形態2における視覚表示層(1)および視覚表示層(2)を示 す図 本発明の実施形態2における多機能看板装置の構成例を示す図 本発明の実施形態2における多機能看板装置の視覚表示層(2)の表示例を 示す図 本発明の表示部(A)の一例を示す断面図 本発明の参考形態3における視覚表示層(1)および視覚表示層(2)を示 す図 本発明の参考形態3における多機能看板装置の構成例を示す図 本発明の参考形態4における視覚表示層(1)および視覚表示層(2)を 示す図 本発明の参考形態4における多機能看板装置の構成例を示す図 本発明の参考形態4における多機能看板装置の視覚表示層(2)の表示例 を示す図
本発明の、多機能看板装置は、おもて面側に視覚表示層(1)を有する視覚制御シートと、この視覚制御シートのうら面側に配置された面光源とを有し、視覚制御シートと面光源との中間に、視覚表示層(2)を有してなる表示部(A)を有し、面光源を点灯/消灯あるいは点滅により、視覚表示層(1)と視覚表示層(2)の表示を切り換えする事ができ、面光源の点灯/消灯あるいは点滅は、無線制御手段(C)を介して行われる。
本発明の多機能看板装置において、表示部(A)は面光源の点灯/消灯または点滅を制御するスイッチング機能を少なくとも有する。面光源が点灯していない状態(消灯時)では、視覚表示層(1)のみが視認され、点灯時には避難誘導表示や特定のメッセージとして視覚表示層(2)を現出させることができ、点滅させることで視覚表示層(2)をより目立たせて注意を惹くことができる。表示部(A)はまた、電源部(B)からの電力を調整して面光源の輝度を制御する機能を有する事が好ましい。上述した様に、面光源を300cd/m以上の輝度で点灯することで、日中であっても屋外で視覚表示層(2)が視認可能となるが、時間帯、或いは天気によって周囲の明るさが異なり、必ずしも常に300cd/m以上の輝度が必要なわけではない。また、例えば屋内や、夜間の屋外で周囲に照明が全く無い場合には数cd/m程度でも充分に視認可能であるし、屋内照明や街路灯などが近くにあったとしても、その明るさに応じて数十〜百数十cd/m程度で充分に視認可能である。周囲の明るさに応じて面光源の輝度を調整すれば、消費電力を削減して、蓄電池からの電力のみで動作している場合の稼働時間を延長することができ、また、特にエレクトロクロミック面光源を使用している場合の光源の寿命延長にも貢献する。
本発明の多機能看板装置において無線制御手段(C)は、無線によって受信した制御信号により、面光源の点灯/消灯または点滅を制御し、面光源の輝度を制御し、また、後述する音声出力装置(E)や警報灯装置(F)および各種センサーなどの附帯装置を制御する。制御を行う為の信号は、920MHz帯、2.4GHz帯、5.2GHz帯、5.3GHz帯、および5.6GHz帯から選ばれた1種の帯域の電波を利用して送受信され、無線制御手段(C)はこの信号を受け取る為のインターフェイスを内蔵するか、或いは附帯する。ここで、920MHz帯(915MHz〜928MHz)、2.4GHz帯(2400MHz〜2483.5MHz、および、2471MHz〜2497MHz)、5.2GHz帯(5150MHz〜5250MHz)、5.3GHz帯(5250MHz〜5350MHz)、および5.6GHz帯(5470MHz〜5725MHz)は、小電力無線局向けに確保され、微弱な出力(規格により異なり、例えば10mW以下、あるいは20mW以下など)であれば免許不要で使用できる周波数帯域である。この帯域で微弱な電波を使用することで、災害時の救難活動に重要となる警察・消防・自衛隊などの無線通信や、公共放送、携帯電話などを妨害することなく、複数の多機能看板装置を一括して管理し、個々の装置を連動作動させて、地域の避難誘導をより有効に行う事ができる。無線制御手段(C)の通信制御規格としては、上述の帯域を利用して無線ネットワークを構築できるものであることが好ましく、例えば、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)など、従来公知の規格から適宜選択して用いることができる。
本発明の多機能看板装置は、無線制御手段(C)を有することで、複数の多機能看板装置を連携動作させる避難誘導システムを構築することが可能となり、例えば広域避難場所までの避難誘導を、地域の防災センターから統括して行ったり、建物内部から屋外への最適な避難経路を自動的に表示させる制御を、1台のコンピュータから行うことができる。地域の避難誘導を想定すると、例えば、複数の多機能看板装置を街中に分散配置する一方、地域の防災センターにこれらの多機能看板装置を制御するためのコンピュータを配置し、多機能看板装置に附帯する無線制御手段(C)と同じ規格に対応した通信システムを、防災センターの制御コンピュータに接続すれば、複数の多機能看板装置と防災センターの制御コンピュータとが接続され、個々の多機能看板装置に付されたID(無線制御手段(C)に割り当てた固定IPアドレスや機器固有のMACアドレスなど)と、多機能看板装置の設置場所(位置情報)とを組み合わせた情報を、防災センターに配備した制御コンピュータに登録して、地域の避難誘導システムを構築することができる。災害発生時には、防災センターが災害の状況や避難場所までの経路の安全情報を、警察・消防・自衛隊などの無線通信、テレビ・ラジオなどの放送、および多機能看板装置に附帯させたセンサー類から得て、コンピュータ内に集約した上で、自動的に各所に配置した多機能看板装置に無線を介して信号を送り、表示部(A)の面光源を制御し、避難経路を表示させることができる。この時、面光源が複数のユニットから構成され、そのいくつかを避難経路を指し示す矢印からなる複数の視覚表示層(2)に対応させていれば、多機能看板装置の設置場所に応じて、地域・地区毎に最適な避難経路をしめす矢印を選択的に点灯或いは点滅させる様、防災センターのコンピュータから制御することができる。また、無線制御手段(C)からは、音声出力装置(E)や警報灯装置(F)を制御することも可能であり、更に、音声出力装置(E)から発声する音声データを、防災センターのコンピュータから直接送って再生させることも可能である。
本発明の、多機能看板は、おもて面側に視覚表示層(1)を有する視覚制御シートと、この視覚制御シートのうら面側に配置された面光源とを有し、視覚制御シートと面光源との中間に、視覚表示層(2)を有してなる表示部(A)を主体とする。この様な構造を有することで、おもて面側からみた表示部(A)は、面光源が消灯されている間は視覚表示層(1)のみ視認され、面光源を点灯すると、視覚制御シートの開孔部を通して視覚表示層(2)が現出する。
本発明の多機能看板に用いる視覚制御シートは、開孔部と、非開孔部とを有し、非開孔部は光遮断性を有することが好ましい。視覚制御シートとしては、熱可塑性樹脂製の単層フィルム、または、これらを複数積層した複層シートなどに、穿孔により多数の開孔部を設けたシートや、金属製の薄板に穿孔により多数の開孔部を設けた金属板が例示される。非開孔部の光遮断は、フィルムまたはシートを構成する熱可塑性樹脂に遮光性を有する無機顔料を添加することで行ったり、これらの無機顔料を含むインキでフィルム上、シート上に印刷することにより行うことができる。これらの視覚制御シートはパンチング等の公知の方法により多数の孔開けを、単位面積当りに均等密度数で施した厚さが0.05〜1mmの穿孔シート、或いは穿孔板であり、孔径は0.3〜5.0mmφである。また視覚制御シートの開孔度は0.2〜0.6である。ここで開孔度とは、視覚制御シートの単位面積に対して、その単位面積中に含む開孔部の合計面積の比である。穿孔の形状は円形、楕円形、四角形、六角形などの幾何学形態、及びこれらの幾何学形態が崩れた不規則形態などである。
本発明における視覚制御シートのもう一つの好ましい態様として、有機もしくは無機のマルチフィラメント糸条またはモノフィラメント糸条から編織され、糸条と糸条との間に隙間を有する粗目布帛を芯材として含み、この糸条の表面を熱可塑性樹脂で被覆して得られるメッシュ状シートが例示され、特に、樹脂被覆後にエンボスにより平坦化したフラットなメッシュ状シートが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂の被覆量は、粗目布帛の単位面積当りの質量に対して20〜100wt%で、その一部が糸条に含浸していてもよい。メッシュ状シートは開孔部と非開孔部とからなり、非開孔部は光遮断性を有することが好ましい。また、これらのメッシュ状シート(視覚制御シート)は、厚さが0.05〜1mmの開孔シートであり、孔サイズは0.3〜5.0mmである。メッシュ状シートの開孔度は0.20〜0.6である。ここで開孔度とはメッシュ状シートの単位面積に対して、その単位面積中に含む開孔の合計面積の比である。開孔の形状は四角形、長方形、菱形もしくは、これらの角のまるまった変形体などである。
また本発明において、視覚制御シートとしては、印刷により形成された視覚制御層を有するシートも包含する。すなわち、熱可塑性樹脂からなる透明シートの一方の面に、ドット状、メッシュ状、ストライプ状などの印刷を施し、印刷された部分(印刷実体部)と印刷されなかった部分(印刷空隙部)とによって視覚制御層を形成したシートであり、印刷実体部は遮光性であり、印刷空隙部が透光性であることが好ましい。透明シートへの印刷はグラビア印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、及び転写印刷のいずれか1種の方法により形成される。印刷実体部に遮光性を付与する方法としては、遮光性を有する無機顔料を含有するインキによる印刷が例示される。この視覚制御シートにおいて、単位面積中に含む印刷空隙部の合計面積の比(以下、便宜上開孔度とする)は0.2〜0.6特に好ましくは0.3〜0.5である。ドット状に形成する場合の印刷実体部の形状、及びメッシュ状に形成する場合の印刷空隙部の形状は、円形、楕円形、四角形、六角形などの幾何学形態、及びこれらの幾何学形態が崩れた不規則形態などである。
本発明の多機能看板装置において、視覚表示層(1)は視覚制御シートの開孔部(または印刷空隙部)を塞がずに形成する必要があり、例えば、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、転写印刷など従来公知の印刷方法から適宜選択して形成する。特に、視覚制御シートのベースが熱可塑性樹脂フィルム、または複数の熱可塑性樹脂フィルムからなる複層シートである場合は、穿孔前のフィルムやシートに印刷により視覚表示層(1)を設けた後で、パンチング等の方法により孔開けを行ってもよい。視覚表示層(1)の表示内容には特に限定は無く、施設名、会社名、店舗名、広告などの看板、施設などへの経路案内、住所表示、バス停、タクシー乗り場の標識など、通常の看板、案内板、標識に用いられる表示を、所望により任意に行う事ができる。特に、視覚表示層(1)を協賛者による企業広告とすれば、費用面で協賛者の協力を得ることができ、広く設置を進めることができる。
本発明の多機能看板装置において視覚表示層(2)は、視覚制御シートと面光源の中間に形成され、例えば、面光源のおもて側(視覚制御シートに対面する側)面上に直接形成しても良く、透明或いは半透明乳白のフィルムやシート上に視覚表示層(2)を形成し、そのフィルムやシートを視覚制御シートと面光源との中間に配置しても良い。視覚表示層(2)を形成する方法には特に限定は無く、例えばグラビア印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、転写印刷など印刷により形成しても良く、所望のデザインにカットしたカッティングシートを貼り付ける事によって形成しても良い。視覚表示層(2)の表示内容にも特に限定は無いが、例えば、災害時の避難誘導を行う為の表示として、避難場所を表すシンボルマークや避難場所への経路を示す図形表示、避難場所までの距離を表す表示、文字による避難誘導情報などを例示する事ができる。文字を用いる場合、日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語など多言語で表示すれば、外国人も誘導することが可能となる。
本発明の多機能看板装置において、面光源としては、側端部に光源を有するエッジライト式の面光源、発光面の下に多数のLED点光源を配列した直下型の面光源、および、エレクトロルミネッセンス面光源などから適宜選択して用いる事ができるが、これらの内、単純な構成で比較的安価であり、消費電力が少なく、比較的高い輝度が得られ、輝度の調整(調光)が可能であることから、エッジライト式の面光源、および、エレクトロルミネッセンス面光源が、好ましく用いられる。
本発明において、エッジライト式の面光源とは、一般に、板状透明材料からなる導光部材と、その導光部材の側端部(光入射部)に配した点光源または線状光源を有し、導光部材の側端部から入射した光を導光部材の一方の面、或いは両面から出射させるための光反射手段と、必要に応じて光出射面の発光を均一にする為の光拡散手段を有するものである。エッジライト式の面光源において、側端部に配置される点光源としては、LED点光源が好ましく用いられ、側端部に沿って等間隔に複数個並べて配置することで、均一な発光を得ることができる。この際、個々のLED点光源の間隔を狭めて密に配置すれば、より高い輝度の面光源を得ることができ、対向する側端部にも配置すれば、更に輝度を上げたり、より均一な面発光を得る事ができる。また、線状光源としては、蛍光管が好ましく、特に輝度の調整が容易な冷陰極管が好ましく用いられる。
エレクトロルミネッセンスとは、蛍光体に電圧を印加することで生じる発光現象であり、エレクトロルミネッセンス面光源はこの現象を利用したものである。例えば、プラスチックフィルム上に蒸着やスパッタリングなどの方法により導電性薄膜を形成し、その導電性薄膜上に、蛍光体を分散させた塗料を印刷したり、蛍光体を蒸着やスパッタリングしたりすることで薄い蛍光体層を形成し、更に、その蛍光体層上に蒸着やスパッタリングなどの方法により導電性薄膜を形成した構成とし、少なくとも一方の面の導電性薄膜をITO膜など透明導電材料から形成することで、導電性薄膜間に電圧を印加した際に面発光を生じさせることができる。ここで、蛍光体としてジアミン、アントラセン、有機物を用いたものが有機エレクトロルミネッセンス面光源であり、無機物を用いたものが無機エレクトロルミネッセンス面光源であり、本発明においては、何れのエレクトロルミネッセンス面光源をも用いることができる。
本発明において、エッジライト式面光源の導光部材や、エレクトロルミネッセンス面光源の電極や蛍光体層を形成する基材として、可撓性の熱可塑性樹脂シートを用いれば、可撓性の面光源が得られ、曲面に対応した多機能看板装置を得ることができる。面光源が、どの程度の輝度で発光可能であるかについては、エッジライト式の面光源の場合、導光部材の側端部に配した光源の能力や配置数などによって決められ、また、エレクトロクロミック面光源の場合、発光部の耐久性、供給される電力の調整(印加される電圧や、特に無機エレクトロルミネッセンスを交流で駆動する場合は周波数の調整も)などによって決められるが、本発明において、面光源は、300cd/m(カンデラ/平米)以上の輝度で発光可能であることが好ましく、400cd/m以上の輝度で発光可能であることがより好ましく、600cd/m以上の輝度で発光可能であることが更に好ましい。面光源の輝度が300cd/m未満では、面光源を点灯しても、屋外において日中は、周囲の明るさに紛れてほとんど視覚表示層(2)を視認できない事がある。300cd/m以上で面光源を発光させれば、視覚表示層(1)と混ざった状態となるものの、日中であっても視覚表示層(2)が視認可能となり、この際、面光源を点滅させれば、視覚表示層(2)の表示やメッセージが識別し易くなると同時に、人の注意をより惹きつけ易くなる。更に、600cd/m以上で面光源を発光させれば、日中であっても視覚表示層(2)をより明確に視認できるようになり、視覚表示層(2)の表示やメッセージを迅速かつ正確に伝達することができる。
本発明の多機能看板装置において、面光源は複数のユニットで構成されてることが好ましく、その場合ユニット毎に独立して点灯/消灯および点滅を制御できる事が好ましい。視覚表示層(2)は、面光源が点灯している時のみ視認される為、面光源が複数のユニットで構成され、ユニット毎に視覚表示層(2)の内容が異なる様にすれば、表示/非表示をユニット毎に個々に選択可能となり、多彩な表示を行う事ができる。また、大型の表示部(A)を作成する場合、1枚の大型ユニットで賄おうとすると、光源を発光させる為に付属するインバーターも大型になってしまうため、薄型の面光源を使用しているにもかかわらず、看板装置を薄型の筐体に収めることができなくなることがある。複数のユニットを組み合わせて、大面積の面光源を構成し、ユニット毎に小型のインバーターを個別に接続すれば、全体として薄型の多機能看板装置を得る事ができる。
本発明の多機能看板装置において、表示部(A)は上述の視覚表示層(1)、視覚制御シート、視覚表示層(2)および面光源を必須として有するが、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、これらの他に更に別の要素を含む事ができる。例えば、表示部(A)を保護する為、表示部(A)のおもて面側最外層に、透明なプラスチックやガラスによるパネルやクリアシートを配しても良く、視覚表示層(1)に耐候性・耐傷性・防汚性などを付与するため、視覚表示層(1)上に透明なプラスチックからなるクリアコート層を設けても良い。また、視覚制御シートと視覚表示層(2)の間に、コントラストを調整するため、例えば、黒色微粒子を含み光透過性を有するフィルムや、スモークフィルムなどを有しても良い。これにより、視覚表示層(2)の画像色彩を鮮明とし、更に、面光源を発光させない時には視覚表示層(2)を隠蔽して、視覚表示層(1)との画像の重なり合いを防止する作用効果を発揮する。同様に、視覚表示層(2)の輪郭が浮き出て見えるのを防ぐ為の、透明または乳白の透光性シートを、視覚制御シートと視覚表示層(2)の間に含んでも良い。更に、面光源の背面側を保護するための、プラスチック製または金属製のベースパネル(またはベースシート)や、これらの要素を収める為のプラスチック製または金属製のフレームを有しても良い。
本発明の多機能看板装置において、付帯する電源部(B)は主に面光源に電力を供給するものであるが、同時に、無線制御手段(C)や、後述する音声出力装置(E)や警報灯装置(F)およびその他の附帯装置にも電力を供給する事ができる。電源部(B)は、例えば商用電源から電力を受けても良く、太陽電池パネルや風力発電装置を附帯させて、それらから電力を受けても良い。電源部(B)から表示部(A)および附帯装置への電力は、商用電源、太陽電池パネル、風力発電装置などからの直接供給であっても良く、これらの電力を蓄電池で一旦蓄えてからの供給であっても良く、これらを複数組み合わせて用いてもよい。これらの内電力を蓄電池で一旦蓄えてから供給する方法は、停電時でも多機能看板装置を稼動させることができるため好ましく、特に屋外においては、コンパクトな設置が可能で騒音を発生しない点、および災害時に停電が長く続いても稼動させ続ける事が可能となる点から、太陽電池パネルと、この太陽電池パネルからの電力を充電する蓄電池を有する構成が好ましい。
本発明の多機能看板装置に用いる太陽電池パネルには特に限定は無く、単結晶型、多結晶型、微結晶型およびアモルファス型などのシリコン系太陽電池や、色素増感型、有機薄膜型などの有機系太陽電池など、公知のものから適宜選択して1種または2種以上組み合わせて用いることができる。本発明で用いる蓄電池にも特に限定は無く、ナトリウム・硫黄蓄電池、鉛蓄電池、リチウムイオン蓄電池、リチウムイオンポリマー蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池など従来公知の蓄電池から、使用環境、コスト、寿命、効率、大きさ、重量などを勘案の上、適宜選択して用いる事ができる。
本発明の多機能看板装置において音声出力装置(E)は、予め多機能看板装置に登録しておいた音声メッセージや警報音を再生したり、無線制御手段(C)を介して防災センターから受信した音声データを再生したりするものである。音声出力装置(E)は、スピーカーとアンプを少なくとも有し、電源部(B)に接続される。スピーカーやアンプの出力および形式に特に限定は無く、所望により適宜選択して用いることができる。音声出力装置(E)を有することで、視覚障害者を避難誘導することもでき、多言語でメッセージを送れば、外国人も誘導する事ができる。また、津波が発生し、その地域に津波が迫っている様な場合には、音声で警告を発する事もできる。
本発明の多機能看板装置において警報灯装置(F)は、光の点滅・回転などにより人の注目を集めるためのものであり、その形状・仕組などには特に限定は無いが、赤色、青色、黄色、緑色などの回転灯は、入手が容易であり、注目を集め易く、信号機との誤認も防ぐことができるため、好ましく用いられる。警報灯装置(F)は、一つ、または二つ以上用いることができる。二つ以上有する場合、例えば赤と緑の組み合わせでは、非常警報中は赤色を作動させ、警報が解除されたら一定時間緑色を作動させるなどの用法も可能であり、更に黄色を組み合わせれば、注意報の段階で作動させる用法も可能である。
本発明の多機能看板装置には、上述の音声出力装置(E)や警報灯装置(F)の他に、多機能看板装置周辺の状況を把握する為のセンサー(D)を附帯させても良い。センサーとしては、例えば、光センサー、人感センサー、集音マイク、カメラ、温度計、煙センサー、放射線測定器(サーベイメーター)などが例示される。この内光センサーは、周囲の明るさを感知する装置であり、これを附帯させれば、多機能看板装置が設置された周辺の明るさを、無線制御手段(C)を介して、制御コンピュータに送り、制御コンピュータ側では、その明るさに応じて面光源の輝度を最適な値に制御する事ができる。多機能看板装置の周囲が暗い時には、不必要に明るくせず、面光源の輝度を適正に調整すれば、消費電力を削減して、蓄電池からの電力で動作している場合でも長時間避難誘導表示を行うことができ、また、面光源の寿命延長にも貢献する。人感センサーは人の存在を検知するセンサーであり、人体から放射する赤外線(遠赤外線)を受けて人の存在を検知するパッシブセンサー、近赤外線、可視光、超音波、電波などを発して、その反射をうけて人の存在を検知するアクティブセンサーなどから、適宜選択して用いることができる。人感センサーを用いることで、人が接近した場合のみ音声出力装置(E)や警報灯装置(F)を作動させる様制御したり、また、人がそばにいなければ面光源を点滅させ、人がそばにいる時は点灯状態に固定するなどの制御を行うことも可能となり、蓄電池からの電力で動作している場合でも長時間避難誘導表示を行うことができる。カメラ(例えばウェブカメラ)や集音マイクを附帯すれば、防災センターが多機能看板装置の設置された場所周辺の安全情報を容易に把握する事ができるようになり、ローカルエリアの避難誘導をより的確なものとする事ができる。また、カメラを多機能看板装置に向ければ、装置が適正に作動しているかどうかの確認を、防災センターから行うこともできる。温度計や煙センサーは、特に屋内において火災の発生を感知するものであり、これを附帯すれば、防災センターのコンピュータが火災の発生を瞬時に把握できるだけでなく、発生した場所も情報として受けることができ、その情報を元に、火災発生箇所を回避する避難経路を示すことができる。放射線測定器は、ローカルエリアの放射線量を計測するための小型機器であり、分散配置した複数の多機能看板装置に放射線測定器を附帯させれば、放射線汚染物質の漏洩を伴う原発事故が発生した際に、ローカルエリア毎の汚染状況を、防災センターでリアルタイムに把握し、避難指示や汚染エリア情報を流すことができる。
本発明の多機能看板装置において、表示部(A)は、所望の情報に誘導するためのアクセス情報をコード化したコード表示部を有し、このコード表示部が、個人用携帯端末で読み取り可能な二次元コードにより構成されることが好ましい。コード表示部に記載するアクセスコードは、例えば、インターネット上に構築された地域防災センターホームページ内部の避難誘導情報ページのアドレスをコード化したものとすればよい。防災センターでは、刻々と変わる災害情報を避難誘導情報ページに反映させておけば、個人用携帯端末で二次元コードを読み取ることで、被災者が常に最新の情報を得る事ができる。避難誘導情報ページのアドレスの他に、さらに多機能看板装置の位置情報も同時にコード化しておけば、その位置から避難場所までの最適な経路を示した地図などの情報を掲載したページに導くこともできる。コード表示部は、表示部(A)のどの部分に有しても良く、視覚表示層(1)上、視覚表示層(2)上に限らず、おもて面側最外層を保護するためのクリアパネル(表側、或いは、裏側)に配してもよい。コード表示部は、少なくとも多機能看板装置が作動して視覚表示層(2)が現出した状態で、個人用携帯端末で読み取り可能であることが好ましい。また、複数のユニットからなる面光源を用いた場合、各ユニット上に異なるコード表示部を配し、点灯しているユニット上に配されたコード表示部のみを読み取り可能となるようにすれば、一つの多機能看板装置から複数種のアドレスへの誘導を選択的に行うことができる。
以下、本発明のより一層の理解を促す為に、本発明の多機能看板装置の構成例と表示作動方法について、例を挙げて説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施形態1]
<表示部(A)>
図1は本発明の多機能看板装置における表示部(A)の一例として、実施形態1の表示部(A)を示す断面図である。図1において、各層の間に隙間を開けて描かれている部分は単に重ねて配置された位置関係を示すものであり、実際に隙間を開けて配置することを意味しているわけではない。また、隙間無しに接触して描かれている場合は、印刷、積層などにより一体化されていることを示す。実施形態1の表示部(A)は、おもて面側最外層に保護材として厚さ2mmの透明アクリル板(3)を有し、面光源(7)の背面側には、ベースパネルとして厚さ2mmの白色ポリカーボネート板(4)を有している。視覚表示層(1)は視覚制御シート(6)のおもて面側に形成され、視覚表示層(2)は面光源のおもて面側に隣接して配したポリエチレンテレフタレートからなる透明フィルム(10)上に形成されている。視覚制御シート(6)と視覚表示層(2)の間には、コントラストを調整するためのスモークフィルム(5)が挿入されている。なお、視覚制御シート(6)、視覚表示層(1)、面光源(7)および視覚表示層(2)については、以下の通りである。
<視覚制御シート(6)>
白顔料で着色された0.05mm厚の白色ポリエチレンテレフタレート樹脂層(6−2)と、黒顔料で着色された0.05mm厚の黒色ポリエチレンテレフタレート樹脂層(6−3)とからなる0.1mm厚の白/黒ツートンフィルムに、直径2mmφの円孔を、等間隔で多数個パンチングした開孔部(6−1)を有する、穿孔度34の視覚制御シートを用いた。(穿孔度は視覚制御シートの単位面積に対して、その単位面積中に含む穿孔の合計面積との比である。)
<視覚表示層(1)>
視覚制御シート(6)の白色ポリエチレンテレフタレート樹脂層(6−2)側に、溶剤系インク使用のインクジェット印刷機を用いて、図2−aの様に公園案内を印刷して、実施形態1の視覚表示層(1)を形成した。
<面光源(7)>
側端部にLEDユニットを配し、最高1000cd/mの輝度(白発光)で発光可能な、エッジライト式の面光源を用いた。
<視覚表示層(2)>
ポリエチレンテレフタレートからなる透明フィルム(10)の一方の面に、図2−bの様に、スクリーン印刷法により広域避難場所の表示を印刷して、実施形態1の視覚表示層(2)を形成した。
晴天の日中、屋外において、実施形態1の表示部(A)を、面光源(7)を点灯しない状態で、おもて面側(透明アクリル板側)からみたところ、日向、日陰にかかわり無く、視覚表示層(1)の公園案内のみが視認でき、視覚表示層(2)は全く視認されなかった。面光源(7)を供給電力の調整により400cd/mの輝度で点灯したところ、日向において、図3−aの様に視覚表示層(1)と混ざった状態ではあるものの、視覚表示層(2)の広域避難場所の表示をはっきりと視認する事ができた。日向において、面光源(3)の輝度を300cd/mで点灯したところ、視覚表示層(2)の視認性はやや低下したが、同じ輝度で面光源を点滅させたところ、広域避難場所の表示を確認する事ができた。また、日向において、面光源(7)を600cd/mの輝度で点灯したところ、視覚表示層(2)の表示を明確に視認することができた。なお、日陰においては、300cd/mの輝度で、点灯、点滅にかかわり無く、広域避難場所の表示をはっきりと視認する事ができた。また、夜間には、防犯用の街灯が点灯された直下において、100cd/mの輝度でも点灯、点滅にかかわり無く、避難誘導表示をはっきりと視認する事ができた。さらに、夜間、周辺に街灯などの照明が無い状況では、10cd/mの輝度で、点灯、点滅にかかわり無く、視覚表示層(2)をはっきりと視認する事ができ、この時、周囲が暗い為、図3−bの様に視覚表示層(1)は明瞭には視認できなかった。
図4は、この表示部(A)を用いた実施形態1の多機能看板装置の構成を示した図である。表示部(A)には電源部(B)が接続されおり、この例では、電源部(B)は太陽電池パネル(8)と、この太陽電池パネルからの電力を充電するニッケルイオン蓄電池(9)を有し、一旦ニッケルイオン蓄電池に充電した電力を装置に供給する構成である。実施形態1の多機能看板装置は、無線制御手段(C)に、920MHz帯の電波を利用したZigBee(登録商標)に対応したインターフェイス(C−1)が接続されており、さらに、装置周辺の明るさを検知する光センサー(D−1)と音声出力装置(E)とを附帯している。一方、防災センターのコンピュータ(図示しない)にはZigBee(登録商標)対応の制御用インターフェイスが接続され、互いのインターフェイス間では、データのやり取りや制御信号の送信が行われる。920MHz帯のZigBee(登録商標)の無線到達距離は、1対1のインターフェイスどうしでは、途中に遮蔽物がない場合で3〜10km程度であるが、中継機能を有するインターフェイスを多数配すれば、インターフェイスを配した領域内に、枝状あるいは網状のネットワークを構築し、遮蔽物の多い街中でも、広範囲に分散配置した複数の多機能看板装置を、防災センターのコンピュータから制御する事ができる。この様な構成とすることで、災害発生時には多機能看板装置が設置された周辺の明るさを、無線制御手段(C)を介して、制御コンピュータに送り、制御コンピュータ側では、その明るさに応じて面光源の輝度を制御し、夜間はもとより日中であっても、視覚表示層(2)の避難場所の表示が視認しやすい様調整することができる。多機能看板装置の周囲が暗い時には、不必要に明るくせず、面光源の輝度を適正に調整すれば、消費電力を削減して、蓄電池からの電力のみで動作している場合でも長時間避難誘導表示を継続することができる。逆に、視認しやすくなる輝度よりもやや高めの輝度とすれば、停電により周辺が暗闇になってしまった場合に、街灯の役割を担わせることもできる。また、音声出力装置(E)からは、予め多機能看板装置に登録しておいた避難誘導メッセージや、防災センターから送信した音声情報を、任意のタイミングで発声させることができる。多機能看板装置を複数配した場合には、全ての装置を一斉に制御することができ、仮に、中継機能を有するインターフェイスが接続された多機能看板装置が災害などにより故障して通信が途絶した場合にも、自動的に他の経路が探索され、故障した多機能看板装置の先に配置した多機能看板装置が健全であれば、引き続き健全な多機能看板装置を制御する事ができる。
[実施形態2]
<表示部(A)>
実施形態2においても、実施形態1と同様の構成の表示部(A)を用いた。ただし、二次元コードからなるコード表示部(11)を透明アクリル板(3)上の一部に配した。また、実施形態2の視覚制御シート(6)、視覚表示層(1)、面光源(7)、視覚表示層(2)、およびコード表示部(11)について、以下の通りとした。
<視覚制御シート>
黒染のポリエステル繊維マルチフィラメント糸条(250デニール)を経糸条、及び緯糸条とし、経糸条、及び緯糸条の打込本数が25本/1インチである平織物を基布として用い、これを、白色ペースト状ポリ塩化ビニル樹脂組成物(ペーストPVC、フタル酸系可塑剤、バリウム系複合金属安定剤、炭酸カルシウム系充填剤、二酸化チタン白顔料などからなる公知の配合を広く用いることができる。)で被覆し、これを加熱してゲル化させることによって、白色に着色されて表面が樹脂被覆された開孔度30のメッシュ状シート(質量130g/m)を得た。この開孔は1辺が0.7mmサイズの角のとれた四角形であり、メッシュ状シート1インチ長当りに含む開孔の分布は各々24個である。また、この視覚制御シートの一部には5cm×5cmの四角い切り抜き部分を作成した。
<視覚表示層(1)>
この視覚制御シートの一方の面上に、溶剤系インク使用のインクジェット印刷機を用いて、図5−aの様に施設看板を印刷して、実施形態2の視覚表示層(1)を形成した。
<面光源(7)>
側端部にLEDユニットを配し、最高1000cd/mの輝度(白発光)で発光可能なエッジライト式の面光源を用いた。この面光源は、図5−bの様に3個のユニット(7−1〜7−3)から構成されており、個々のユニット毎に点灯/消灯または点滅を制御可能tした。
<視覚表示層(2)>
面光源のそれぞれのユニットと同じ大きさのポリエチレンテレフタレートからなる透明フィルム(10)の一面上に、図5−bの様に、広域避難場所に向かうための避難誘導表示として、スクリーン印刷法により、ユニット毎に異なる図柄を印刷して、実施形態2の視覚表示層(2)を形成した。なお、ユニット(7−2)上の視覚表示層(2)は上述の視覚制御シートの切り抜き部分に相当する部分を避けて印刷した。
<コード表示部(11)>
二次元コートからなるコード表示部(11)を印刷した粘着剤つき乳白の半透明アクリルフィルムを、視覚制御シートの切り抜き部分に相当する位置の透明アクリル板(3)上に貼着した。
屋外において、実施形態2の表示部(A)を、日中面光源を点灯しない状態で、おもて面側(透明アクリル板側)からみたところ、日向、日陰にかかわり無く、視覚表示層(1)の施設看板が視認でき、視覚表示層(2)は全く視認されなかった。面光源の全てのユニットを600cd/mの輝度で点灯したところ、日向においても、視覚表示層(2)の避難誘導表示をはっきりと視認する事ができた。日向において、面光源の輝度を300cd/mで点灯したところ、視覚表示層(2)の視認性は低下したが、同じ輝度で面光源を点滅させたところ、避難誘導表示を充分に確認する事ができた。なお、日陰においては、300cd/mの輝度であっても、点灯、点滅にかかわり無く、避難誘導表示をはっきりと視認する事ができ、また、夜間、防犯用の街灯が点灯された直下では、100cd/mの輝度でも、点灯、点滅にかかわり無くはっきりと避難誘導表示を視認する事ができた。さらに、夜間、周辺に街灯などの照明が無い状況では、10cd/mの輝度で、点灯、点滅にかかわり無く、視覚表示層(2)をはっきりと視認する事ができ、この時、周囲が暗い為、視覚表示層(1)は明瞭には視認できなかった。また、コード表示部(12)は、上述のいずれの状態でも視認することができ、個人用携帯端末で読み取る事ができた。
図6は、この表示部(A)を用いた実施形態2の多機能看板装置の構成を示した図である。表示部(A)には電源部(B)が接続されており、この例でも、電源部(B)は太陽電池パネルと、この太陽電池パネルからの電力を充電するニッケルイオン蓄電池を有し、一旦ニッケルイオン蓄電池に充電した電力を装置に供給する構成である。実施形態2でも、無線制御手段(C)には920MHz帯のZigBee(登録商標)に対応したインターフェイス(C−1)が接続されており、さらに、周辺の明るさを検知する光センサー(D−1)と、人感センサー(D−2)、および警報灯装置(F)として赤色の回転灯を附帯する。実施形態2の多機能看板装置は、コンピュータからの指令により、面光源の各ユニット毎に点灯/消灯および点滅を制御することができ、更に、光センサーにより周囲の明るさを検知して、面光源の輝度を視覚表示層(2)が視認できる明るさに調整することができる。災害発生時には、防災センターが災害の状況や地域の安全情報を把握し、コンピュータ内で集約し、多機能看板装置が設置された場所から広域避難場所までの経路の安全を自動的に判断して、ZigBee(登録商標)ネットワークを介して指令を送り、適切な方向に誘導する様表示することができる。例えば、多機能看板装置と広域避難場所との位置関係から、左側から向かった方が近い場合、その経路が安全と判断されれば図7−aの様にユニット7−1とユニット7−2を点灯させて、左側の矢印と広域避難場所への経路であることを示す表示を現出させる。一方、事故や火災、建物の損壊などによりその経路に危険があると判断されれば、図7−bの様にユニット7−2とユニット7−3を点灯させて右側の矢印表示と迂回路である旨のメッセージを現出させる。この場合、地域の各所に同様の多機能看板装置を配置して、コンピュータ制御により連動した表示を行えば、地域のどこにいても避難場所まで安全に誘導する事ができる。さらに警報灯装置(F)を作動させれば、人の注目を集め易くなり、広域避難所への避難誘導中であることをより強くアピールできる。また、人感センサーにより人の接近を感知し、人が近くにいるときだけ警報灯装置(F)を作動させれる様にすれば、電力を節約し、蓄電池に蓄えられた電力だけで動作している場合に、より長く装置を稼動させることができる。また、コード表示部(12)は、日中周辺が明るく、面光源が消灯した状態でも、日中面光源が点灯した状態でも、夜間周辺が暗く面光源が点灯した状態でも、いずれの状態でも個人用携帯端末で読み取り可能であり、このコード表示部(12)を、防災センターのサイトのアドレス情報をコード化した二次元コードにより構成すれば、被災者が所有する個人用携帯端末で読み取ることで、端末にそのサイトを表示させることができ、避難誘導や被害情報を効果的に伝達することができる。なお、ここでは、ZigBee(登録商標)によるネットワークで制御する例を示したが、同様のことを屋外無線LANによるネットワークで制御することも可能である。例えば、無線制御手段(C)に、無線LAN(例えば2.4GHz帯や5.6GHz帯の電波を利用)に対応したインターフェイス(C−2)を接続した多数の多機能看板装置を地域に分散配置し、さらに複数の無線LANアクセスポイントを電波到達の空白地域が出ない様配置する。防災センターのコンピュータと各アクセスポイントとは、有線、または無線でデータをやり取りすることで、多数の多機能看板装置と防災センターのコンピュータを含むネットワークを構築する事ができ、多機能看板装置を防災センターのコンピュータから制御することができる。
参考形態3]
<表示部(A)>
図8は参考形態3の表示部(A)を示す断面図である。図8において、各層の間に隙間を開けて描かれている場合は、単に重ねて配置された位置関係を示すものであり、隙間無しに接触して描かれている場合は、印刷、積層などにより一体化されていることを示す。表示部(A)は、おもて面側最外層に厚さ2mmの透明アクリル板(3)を有し、面光源(7)の背面側には、ベースパネルとして厚さ2mmの白色ポリカーボネート板(4)を有している。視覚表示層(1)は視覚制御シート(6)のおもて面側に形成され、視覚表示層(2)は面光源(7)のおもて面側に形成されている。視覚制御シートと視覚表示層(2)の間には、コントラストを調整するためのスモークフィルム(5)が挿入されている。なお、視覚制御シートは実施形態1と同様のものを用い、視覚表示層(1)、面光源(7)、および視覚表示層(2)については、以下の通りとした。
<視覚表示層(1)>
視覚制御シートの白色ポリエチレンテレフタレート樹脂層側に、溶剤系インク使用のインクジェット印刷機を用いて、図9−aの様に番地表示を印刷して、参考形態3の視覚表示層(1)を形成した。
<面光源(7)>
可撓性の熱可塑性樹脂シートを基板として用い、曲面発光が可能であり、最高400cd/mの輝度で発光可能な白発光の無機エレクトロルミネッセンス面光源を用いた。
<視覚表示層(2)>
この面光源の発光面側に、図9−bの様に、スクリーン印刷法により、広域避難場所に向かうための避難誘導表示を印刷して、参考形態3の視覚表示層(2)を形成した。
屋外において、参考形態3の表示部(A)を、日中面光源を点灯しない状態で、おもて面側(透明アクリル板側)からみたところ、日向、日陰にかかわり無く、視覚表示層(1)の番地表示のみが視認でき、視覚表示層(2)は全く視認されなかった。面光源を300cd/mの輝度で点滅させたところ、日向、日陰にかかわり無く、避難誘導表示を確認する事ができ、また、夜間には、防犯用の街灯が点灯された直下において、100cd/mの輝度でも点灯、点滅にかかわり無く、避難誘導表示をはっきりと視認する事ができた。さらに、夜間、周辺に街灯などの照明が無い状況では、10cd/mの輝度で、点灯、点滅にかかわり無く、視覚表示層(2)をはっきりと視認する事ができ、この時、周囲が暗い為、視覚表示層(1)は明瞭には視認できなかった。
図10は、この表示部(A)を用いた参考形態3の多機能看板装置を示した図であり、電信柱の巻広告下端部の住所表示部分を形成しており、表示部(A)には電源部(B)が接続されている。図10は、夜間街路灯の下で面光源を点灯した状態を示しており、視覚表示層(2)をはっきりと視認する事ができる。この例でも、電源部(B)は太陽電池パネル(図示しない)と、この太陽電池パネルからの電力を充電するニッケルイオン蓄電池(図示しない)を有し、一旦ニッケルイオン蓄電池に充電した電力を装置に供給する構成である。ただし、太陽電池パネルとして、透視性と可撓性を有する色素増感型太陽電池が用いられ、巻広告上部の広告部分を覆って設置されている。参考形態3では、無線制御手段(C)には、屋外無線LANに対応したインターフェイス(C−2)が接続され、さらに、光センサー(D−1)を附帯している。防災センターのコンピュータからの制御により、面光源を点灯、あるいは点滅させる様に設定し、更に、光センサーにより周囲の明るさを検知して、視覚表示層(2)が視認できる様面光源の輝度を調整すれば、夜間はもとより日中であっても、広域避難場所への避難誘導表示を、視認性良く行わせる事ができる。
参考形態4]
<表示部(A)>
参考形態4において、表示部(A)は実施形態1と同様の構成である。ただし、視覚表示層(1)、面光源(7)、および視覚表示層(2)については、以下の通りとした。
<視覚表示層(1)>
視覚制御シートの白色ポリエチレンテレフタレート樹脂層側に、溶剤系インク使用のインクジェット印刷機を用いて、図11−aの様に広告表示を印刷して、参考形態4の視覚表示層(1)を形成した。
<面光源(7)>
参考形態4において、面光源(7)として最高400cd/mの輝度で発光可能な白発光の無機エレクトロルミネッセンス面光源を用いた。この面光源は、図11−bの様に3個のユニット(7−1〜7−3)から構成されており、個々のユニット毎に点灯/消灯または点滅を制御可能である。
<視覚表示層(2)>
面光源(7)のそれぞれのユニットの発光面側に、スクリーン印刷法により、図11−bの様に、ユニット毎にそれぞれ異なる図柄を印刷して、参考形態4の視覚表示層(2)を形成した。
屋内において、照明が点灯されて周囲が明るく、面光源を点灯しない状態で、参考形態4の表示部(A)をおもて面側(透明アクリル板側)からみたところ、視覚表示層(1)の広告表示のみが視認でき、視覚表示層(2)は全く視認されなかった。周囲が明るいまま全ての面光源を300cd/mの輝度で点灯させたところ、視覚表示層(2)の避難誘導表示を明確に視認する事ができ、また、100cd/mの輝度では、視覚表示層(2)の視認性は低下したが、同じ輝度で面光源を点滅させたところ、避難誘導表示を充分に確認する事ができた。さらに、照明を消して周囲が真っ暗になった状態では、10cd/mの輝度で、点灯、点滅にかかわり無く、視覚表示層(2)をはっきりと視認する事ができ、この時、周囲が暗い為、視覚表示層(1)はほとんど視認できなかった。
図12は、この表示部(A)を用いた参考形態4の多機能看板装置の構成を示した図であり、この装置は屋内用の広告看板を形成しており、表示部(A)には電源部(B)が接続されている。この例では、電源部(B)は商用電源(図示しない)と、この商用電源からの電力を充電するニッケルイオン蓄電池(図示しない)を有し、一旦ニッケルイオン蓄電池に充電した電力を装置に供給する構成である。参考形態4では、無線制御手段(C)には、2.4GHz帯の電波を利用したBluetooth(登録商標)に対応したインターフェイス(C−3)が接続され、さらに、温度計(D−5)と煙センサー(D−6)を附帯している。参考形態4の多機能看板装置は、屋内照明により周囲が明るく、面光源(7)が点灯していない状態では、視覚表示層(1)のみ視認される。広告を際立たせる為に、表示部(A)を表側から照らす専用の照明を附帯させても良いが、面光源(7)を点灯する際には表側の照明は消灯することが好ましい。災害発生時には、コンピュータからの指令により、面光源の各ユニット毎に点灯/消灯および点滅を制御することができ、更に、温度計(D−5)と煙センサー(D−6)により周囲での火災発生を検知して、コンピューターにその情報を送信することができる。コンピュータはそれらのデータから屋内の安全情報を把握し、多機能看板装置が設置された場所から屋外までの経路の安全を自動的に判断して、Bluetooth(登録商標)インターフェイス(C−3)を介して指令を送り、適切な方向に誘導する様表示を制御することができる。例えば、多機能看板装置と非常口(或いは出口)との位置関係から、左側から向かった方が近い場合、その経路が安全と判断されれば図13−aの様にユニット7−1と7−2を点灯させて、非常口への経路であることを示す矢印と距離、および非常口であることを示す外国語を現出させる。一方、火災発生によりその経路に危険があると判断されれば、図13−bの様にユニット7−2と7−3を点灯させて、右側の矢印表示と迂回路である旨のメッセージ、および非常口であることを示す外国語を現出させる。このとき、屋内通路の各所に同様の多機能看板装置を配置して、コンピュータ制御により連動した表示を行えば、非常口まで安全に誘導する事ができる。ここで、ユニット7−2上の視覚表示は例示した外国語表示に限らず、例えば、簡略化したフロアの見取り図と現在位置を示した図を表示したり、屋外に設置された多機能看板装置や、地域の防災センターからの情報により、屋外がむしろ危険であると判断された場合に、その場に留まるよう指示する表示をしたり(その場合、ユニット7−1と7−3は消灯)など、さまざまな活用が考えられる。なお、図11の様に、視覚表示層(1)を広告表示とすれば、広告掲載主には協賛金や広告掲載料として費用を分担してもらうことができ、設置費用や維持管理費用の負担を軽減する事ができる。
本発明の避難誘導用の多機能看板装置は、普段は看板や案内表示として通常の表示を行い、災害時などには要所に配置した多機能看板装置に、無線制御によって、避難誘導案内などを現出させ、避難誘導をシステム的に運用するビジネスモデルを提供することができる。そのため図書館、運動場、公園、役場などの公共施設、学校、企業の社屋や工場、商業施設や店舗などの屋内外、駅コンコースや地下街に設置される看板や案内板、バス停やタクシー乗り場などの標識、自動販売機、およびロードファニチュア、および電信柱に設置される看板などに適して用いることができ、災害発生時など特定の状況においては、避難誘導案内などの表示を現出させて、屋外においては避難場所までの経路を示すことができ、屋内においては出口(或いは非常口)までの経路を示すことができる。この多機能看板装置の視覚表示層(1)を協賛者による企業広告とすれば、費用面で協賛者の協力を得ることができ、広く設置を進めることができ、避難経路に沿って複数配置すれば、その地域の住民だけでなく、初めてその地域を訪れた人でも避難場所までの退避を容易とすることができることができる。
A:表示部
B:電源部
C:無線制御手段
C−1:ZigBee(登録商標)インターフェイス
C−2:無線LANインターフェイス
C−3:Bluetooth(登録商標)インターフェイス
D:センサー
D−1:光センサー
D−2:人感センサー
D−3:集音マイク
D−4:カメラ
D−5:温度計
D−6:煙センサー
E:音声出力装置
F:警報灯装置
G:多機能看板装置
1:視覚表示層(1)
2:視覚表示層(2)
3:透明アクリル板
4:白色ポリカーボネート板
5:スモークフィルム
6:視覚制御シート
6−1:開孔部
6−2:白色ポリエチレンテレフタレート樹脂層
6−3:黒色ポリエチレンテレフタレート樹脂層
7:面光源
7−1:面光源のユニット
7−2:面光源のユニット
7−3:面光源のユニット
8:太陽電池パネル
9:蓄電池
10:ポリエチレンテレフタレートからなる透明フィルム
11:二次元コード

Claims (12)

  1. おもて面側に視覚表示層(1)を有する視覚制御シートと、視覚制御シートのうら面側に配置された面光源とを有し、視覚制御シートと面光源の中間に、視覚表示層(2)を有してなる表示部(A)を主体とし、電源部(B)と、無線制御手段(C)とを附帯し、前記無線制御手段(C)が920MHz帯(915MHz〜928MHz)の電波を利用したZigBee(登録商標)インターフェイスと、光センサー(D−1)とを附帯することを特徴とする避難誘導用の多機能看板装置。
  2. 前記面光源が、LEDまたは蛍光管を側端部に有するエッジライト式の面光源、および、エレクトロルミネッセンス面光源から選ばれた1種以上である、請求項1に記載の多機能看板装置。
  3. 音声出力装置(E)を更に附帯し、この音声出力装置(E)の音声が、前記無線制御手段(C)により制御される、請求項1または2に記載の多機能看板装置。
  4. 警報灯装置(F)を更に附帯し、この警報灯装置(F)の点灯が、前記無線制御手段(C)により制御される、請求項1から3いずれか1項に記載の多機能看板装置。
  5. 前記表示部(A)が、所望の情報に誘導するためのアクセス情報をコード化したコード表示部を有し、前記コード表示部が、個人用携帯端末で読み取り可能な二次元コードにより構成された、請求項1から4いずれか1項に記載の多機能看板装置。
  6. 前記面光源が、複数のユニットで構成され、ユニット毎に独立して点灯/消灯、および点滅を制御される、請求項1から5いずれか1項に記載の多機能看板装置。
  7. 前記電源部(B)が、太陽電池パネルと、この太陽電池パネルからの電力を充電する蓄電池とを有する、請求項1から6いずれか1項に記載の多機能看板装置。
  8. おもて面側に視覚表示層(1)を有する視覚制御シートと、視覚制御シートのうら面側に配置された面光源とを有し、視覚制御シートと面光源の中間に、視覚表示層(2)を有してなる表示部(A)を主体とし、電源部(B)と、無線制御手段(C)とを附帯し、前記無線制御手段(C)が920MHz帯(915MHz〜928MHz)の電波を利用したZigBee(登録商標)インターフェイスと、光センサー(D−1)とを附帯した看板装置において、通常は前記面光源を点灯せずに前記視覚表示(1)のみを表示し、災害時には前記光センサー(D−1)により看板装置周辺の明るさを感知し、前記無線制御手段(C)を介して、前記面光源の点灯/消灯および点滅、ならびに、点灯時および点滅時の輝度を制御して、前記視覚表示層(2)を視認可能に発光表示することを特徴とする避難誘導用の多機能看板装置の表示作動方法。
  9. 前記面光源が、LEDまたは蛍光管を側端部に有するエッジライト式の面光源、および、エレクトロルミネッセンス面光源から選ばれた1種である、請求項8に記載の多機能看板装置の表示作動方法。
  10. 複数個の看板装置を避難経路沿いに配置し、個々の看板装置を辿ることで避難場所まで誘導できる様、個々の視覚表示層(2)をコンピュータ制御により連動作動させることを特徴とする、請求項8または9に記載の多機能看板装置の表示作動方法。
  11. 前記表示部(A)が、所望の情報に誘導するためのアクセス情報をコード化したコード表示部を有し、前記コード表示部が、個人用携帯端末で読み取り可能な二次元コードにより構成されており、前記二次元コードを読み取ることで、前記個人用携帯端末に所望の情報を表示させる、請求項8から10いずれか1項に記載の多機能看板装置の表示作動方法。
  12. 前記面光源が複数のユニットで構成され、ユニット毎に独立して点灯/消灯、および点滅を制御することで、前記視覚表示層(2)の表示を変化させる、請求項8から11いずれか1項に記載の多機能看板装置の表示作動方法。
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