JP6309699B2 - 結晶性シリコチタネートを含む吸着剤の製造方法 - Google Patents

結晶性シリコチタネートを含む吸着剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に海水中のセシウム及び/又はストロンチウムを選択的にかつ効率的に分離・回収することに好適に用い得る結晶性シリコチタネートを含む吸着剤の製造方法に関する。
従来、放射性物質を含む排水の処理技術としては共沈処理が知られている(下記特許文献1参照)。しかし、水溶性である放射性セシウム及び放射性ストロンチウムについては、前記共沈処理は有効ではなく、現在、ゼオライトなどの無機系吸着剤による吸着除去が行われている(下記特許文献2参照)。
しかしながら、海水中に放射性セシウム及び放射性ストロンチウムが流出した場合においては、海水成分のナトリウム濃度の増加はセシウムと吸着剤とのイオン交換反応を抑制する方向に作用する(下記非特許文献1参照)といった問題が知られている。
そのため、セシウム吸着剤として結晶性シリコチタネートを用いることが検討されている(下記非特許文献1参照)。結晶性シリコチタネート(以下、「CST」と呼ばれることもある。)については、特許文献3に、Si源にSi(OET)4、Ti源にTi(OET)4というアルコキシドを用い、型剤として水酸化テトラプロピルアンモニウムを用いて、TS−1というチタノシリケートを水熱合成する方法が開示されている。更に、セシウムに選択性を有するCST吸着剤の合成方法として、非特許文献2には、Ti源及びSi源としてTS−1と同様にアルコキシドを用いて、Ti:Siのモル比を1:1で混合し、型剤としてNa化合物を用いたものを水熱合成することにより、Ti:Siのモル比が2:1であるNa2Ti23(SiO4)・2H2Oに近い結晶粉末(Na1.640.36Ti23(SiO4)・1.84H2O)が得られることが報告されている。
また、本発明者らは、先に、下記特許文献4で、ケイ酸源と、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物と、四塩化チタンと、水とを添加して混合ゲルを得た後、得られた混合ゲルを水熱反応させることで、Ti/Siのモル比が4/3である結晶性シリコチタネートを含む海水からのセシウム及びストロンチウムの吸着除去に有用な吸着剤を提案した。
特開昭62−266499号公報 特開2013−57599号公報 特開昭56−96720号公報 US2016/107140A1
JAEA−Research2011−037 Chem.Mater.,6,1994,pp.2364−2368
従来よりTi/Siのモル比が2/1の結晶性シリコチタネートは、ストロンチウムやセシウムの吸着剤として知られているが、Si源及び/又はTi源としてアルコキシド等の高価な原料を用い、また、副生するアルコール等の排水処理の問題もあることから、更に工業的に有利な方法で、特にセシウム及び/又はストロンチウムの吸着能に優れた吸着剤を提供する方法の開発が望まれていた。
したがって本発明の課題は、特に海水中においてもセシウム、更にはストロンチウムの吸着能に優れたX線回折的にTi/Siのモルが2/1である結晶性シリコチタネートを含有する吸着剤を工業的に有利な方法で提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、上記特許文献4のTi/Siのモル比が4/3である結晶性シリコチタネートを含有する吸着剤の製造方法において、混合ゲル中にニオブ源を含有させて水熱反応を行うと得られる結晶性シリコチタネートは、X線回折的に、Ti/Siのモル比が2/1である結晶性シリコチタネートを含有したものになること、及び、該結晶性シリコチタネートを含有する吸着剤は、特に海水からのセシウム、更にはストロンチウムの吸着能の優れたものであることを見出した。更に検討したところ、少なくともケイ酸源、アルカリ金属化合物及び水を含む液に、四塩化チタンを添加して得られるニオブ含有混合ゲルに対して水熱反応を施したものはセシウム及びストロンチウムの吸着性能が向上し、特にストロンチウムの吸着性能が飛躍的に向上したものになること、を見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、一般式;A2Ti23(SiO4)・nH2O(式中、Aは、Na及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属元素を示す。nは0〜2の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートにNbを含有させた吸着剤の製造方法であって、
ケイ酸源、アルカリ金属化合物、ニオブ源四塩化チタン及び水を混合してニオブ含有混合ゲルを得る第一工程と、
第一工程により得られたニオブ含有混合ゲルを水熱反応させる第二工程とを有し、前記第一工程のニオブ含有混合ゲルは、少なくともケイ酸源、アルカリ金属化合物及び水を含む液に、四塩化チタンを添加して得られるものであることを特徴とする吸着剤の製造方法を提供するものである。
図1は、実施例1及び実施例8で得られた結晶性シリコチタネートを含有する吸着剤のX線回折チャートである。 図2は、実施例2〜5で得られた結晶性シリコチタネートを含有する吸着剤のX線回折チャートである。 図3は、実施例6〜7で得られた結晶性シリコチタネートを含有する吸着剤のX線回折チャートである。 図4は、実施例10で得られた結晶性シリコチタネートを含有する吸着剤のX線回折チャートである。
発明の詳細な説明
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
本製造方法で得られる吸着剤は、結晶性シリコチタネートにNbを含有させたものであり、X線回折的に、Ti/Siのモル比が2/1である一般式;A2Ti23(SiO4)・nH2O(式中、Aは、Na及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属元素を示す。nは0〜2の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートが含有されているものである。
本発明において、「X線回折的に、Ti/Siのモル比が2/1である一般式;A2Ti23(SiO4)・nH2O(式中、Aは、Na及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属元素を示す。nは0〜2の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートが含有されている」とは、X線回折分析において前記の結晶性シリコチタネートの回折ピークパターンが確認できると言う意味であり、吸着剤の組成でTi/Siのモル比が2/1であると言うことを必ずしも意味するものではない。本製造方法で得られる吸着剤は、X線回折分析において、主成分として前記の結晶性シリコチタネートの回折ピークパターンが確認されることが好ましい。主成分として前記の結晶性シリコチタネートの回折ピークパターンが確認されるとは、吸着剤をX線回折分析に供したときに、2θ=5〜80°の範囲におけるメーンピークとして、前記結晶性シリコチタネートの回折ピークが観察されることをいう。好ましくは、前記の走査範囲におけるメーンピークは、2θ=10°〜13°の位置に観察される。この範囲に加えて、更に14°〜16°、25°〜28°、26°〜29°、33°〜36°の何れか1又は2以上の範囲にも前記結晶性シリコチタネートの回折ピークが観察されることが好ましい。X線回折分析は後述する実施例に記載の条件にて行うことができる。
本発明の結晶性シリコチタネートの製造方法における第一工程は、ケイ酸源、アルカリ金属化合物、ニオブ源、四塩化チタン及び水を混合してニオブ含有混合ゲルを製造する工程である。
第一工程において用いられるケイ酸源としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸アルカリが挙げられる。また、ケイ酸アルカリ(すなわちケイ酸のアルカリ金属塩)をカチオン交換することにより得られる活性ケイ酸も用いることができる。
活性ケイ酸は、ケイ酸アルカリ水溶液を例えばカチオン交換樹脂に接触させてカチオン交換して得られるものである。ケイ酸アルカリ水溶液の原料としては、通常水ガラス(水ガラス1号〜4号等)と呼ばれるケイ酸ナトリウム水溶液が好適に用いられる。このものは比較的安価であり、容易に手に入れることができる。また、Naイオンを嫌う半導体用途では、ケイ酸カリウム水溶液が原料としてふさわしい。固体状のメタケイ酸アルカリを水に溶かしてケイ酸アルカリ水溶液を調製する方法もある。メタケイ酸アルカリは晶析工程を経て製造されるので、不純物の少ないものがある。ケイ酸アルカリ水溶液は、必要に応じて水で希釈して使用する。
活性ケイ酸を調製するときに使用するカチオン交換樹脂は、公知のものを適宜選択して使用することができ、特に制限されない。ケイ酸アルカリ水溶液とカチオン交換樹脂との接触工程では、例えばケイ酸アルカリ水溶液をシリカが濃度3質量%以上10質量%以下となるように水に希釈し、次いで、希釈したケイ酸アルカリ水溶液をH型強酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂に接触させて脱アルカリする。更に必要に応じてOH型強塩基性アニオン交換樹脂に接触させて脱アニオンすることができる。この工程によって、活性ケイ酸水溶液が調製される。ケイ酸アルカリ水溶液とカチオン交換樹脂との接触条件の詳細については、従来、様々な提案が既にあり、本発明ではそれら公知のいかなる接触条件も採用することができる。
第一工程において用いられるアルカリ金属化合物としては、例えば、ナトリウム、カリウムを含有する化合物である。ナトリウムを含有する化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、カリウムを含有する化合物としては、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。これらのアルカリ金属化合物のうち、炭酸塩を用いると炭酸ガスが発生するため、そのようなガスの発生がない水酸化物を用いることが、中和反応を円滑に進める観点から好ましい。
本製造方法では、混合ゲルにニオブ源を含有させて反応を行うことにより、本発明の反応系において、X線回折的にTi/Siのモル比が2/1である結晶性シリコチタネートを含む吸着剤を生成せることができる。
第一工程において用いられるニオブ源としては、例えば、水酸化ニオブ、酸化ニオブ、シュウ酸ニオブ、シュウ酸ニオブアンモニウム等が挙げられ、これらのうち、水酸化ニオブが酸化ニオブよりも反応性に優れており、また、シュウ酸ニオブやその塩よりも安価であるという観点から好ましい。
本発明の吸着剤の製造方法においては、チタン源として四塩化チタンを用いることも特徴の1つである。チタン源として酸化チタンやチタンのアルコキシド等の他のチタン化合物をチタン源とした場合には、反応が進行しにくくなり、通常は、170℃で100時間以上の反応時間を必要とするが、本製造方法では、チタン源として四塩化チタンを用いることで、反応時間を短縮し、X線回折的にTi/Siのモル比が2/1の結晶性シリコチタネートを含む吸着性能の優れた吸着剤を製造することができる。
第一工程において用いられる四塩化チタンは、工業的に入手可能なものであれば、特に制限なく用いることができる。
第一工程において、ケイ酸源、アルカリ金属化合物、ニオブ源及び四塩化チタンは、それぞれ水溶液の形態で反応系に添加することができる。場合によっては固体の形態で添加することもできる。更に第一工程では、ケイ酸源、アルカリ金属化合物を含む液に、四塩化チタンを添加して得られるニオブ源を添加する前の混合ゲル(以下、単に「混合ゲル」と言うことがある)や、ニオブ含有混合ゲルに対して、必要があれば純水を用いて該ニオブ含有混合ゲルの濃度を調整することができる。
第一工程において、少なくともケイ酸源、アルカリ金属化合物及び水を混合したものに、四塩化チタンを添加することによりニオブ含有混合ゲルを得ることも特徴の一つである。
本製造方法において、少なくともケイ酸源、アルカリ金属化合物及び水を混合したものに、四塩化チタンを添加して得られるニオブ含有混合ゲルを水熱反応に付すことにより、得られる吸着剤は、特にストロンチウムの吸着性能が高いものが得られ、更に、四塩化チタンからの塩素の発生をおさえられると言う利点も有する。
第一工程における四塩化チタンはその水溶液の形態又は固体の形態で添加することができる。
第一工程において、ニオブ含有混合ゲルを調製する手順は(1)及び(2)のいずれであってもよい。
(1)ケイ酸源、アルカリ金属化合物、水及びニオブ源を含む液に四塩化チタンを添加する。
(2)ケイ酸源、アルカリ金属化合物及び水を含む液に、四塩化チタンを添加して混合ゲルを得、この混合ゲルにニオブ源を添加する。
(1)の場合における、四塩化チタンを添加する前のケイ酸源、アルカリ金属化合物、水及びニオブ源を含む液の調製手順としては、4種の材料を同時に混合してもよく、異なるタイミングで混合してもよい。異なるタイミングで混合する場合としては種々の例が存在するが、例えば、ケイ酸源、アルカリ金属化合物及び水を混合した液に、更にニオブ源を添加して混合する方法が挙げられる。
第一工程において、下記のモル比で表される組成のニオブ含有混合ゲルとなるようにケイ酸源、アルカリ金属化合物、ニオブ源、四塩化チタン及び水を混合することが、目的とするCSTの収率を満足すべき程度に高くすることができ、かつ、残存する酸化チタンやCST以外の非結晶のケイ酸塩化合物、ニオブ含有珪チタン酸塩等の不純物の副生を極力抑制することができる観点から好ましい。
(Nb25+TiO2)/SiO2=0.70〜2.50、好ましくは0.81〜2.2、
2O/SiO2=0.65〜3.50、好ましくは1.00〜3.00
2O/SiO2=40〜180、好ましくは50〜150
なお、本製造方法においてAO/SiOのモル比中のAOのモル数は、ニオブ含有混合ゲル中のナトリウム及びカリウムのイオン数を酸化物換算で表したもの、換言すれば、ニオブ含有混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの総量から、四塩化チタンとの中和反応に使用されたナトリウムやカリウムの量を除いて求められるものである。
ニオブ含有混合ゲル中のAO/SiOのモル比は、特に1.3〜2.5であるとX線回折的に単相のCSTで、且つ吸着性能が向上した吸着剤を得る観点から好ましい。
更に、ニオブ含有混合ゲル中のHO/AOのモル比が20〜100、好ましくは30〜80、特に40〜70であると吸着性能が一層向上した吸着剤を得る観点から好ましい。
また、ニオブ源の添加量は、ニオブ含有混合ゲル中のチタンに対するニオブのモル比(Nb25/TiO2)で0.03〜0.35、好ましくは0.05〜0.29とすることが目的とするNb含有CSTの生成を促進し、また、副生物のNb含有珪チタン酸塩の生成を抑制することができるという観点から好ましい。
なお、ケイ酸源として、ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム等のケイ酸アルカリを用いた場合には、ケイ酸アルカリに含まれるアルカリ金属成分であるナトリウムやカリウムは、同時にNaOHやKOHとみなされ、アルカリ成分でもある。したがって、前記のA2Oは全てのアルカリ成分の和として計算される。
ケイ酸源の選択とニオブ含有混合ゲル中のアルカリ金属濃度の調整を組み合わせることにより、X線回折的にTi:Siのモル比が2:1の結晶性シリコチタネート以外の結晶性シリコチタネートの生成を極力抑制することが出来る。ケイ酸源としてケイ酸アルカリを用いた場合、ニオブ含有混合ゲル中のアルカリ金属濃度をA2O換算で2.6質量%以上とすることで、Ti:Siのモル比が5:12の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となり、一方、ニオブ含有混合ゲル中のアルカリ金属濃度をA2O換算で9.4質量%以下とすることで、Ti:Siのモル比が1:1の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となる。
第一工程において、四塩化チタンの添加は、均一なゲルを得るため一定の時間をかけて、四塩化チタン水溶液として段階的又は連続的に行うことが望ましい。このため、四塩化チタンの添加にはペリスタポンプ等を好適に用いることができる。
第一工程により得られたニオブ含有混合ゲルは、後述する第二工程である水熱反応を行う前に、0.5時間以上2時間以下の時間にわたり、大気圧下に20℃以上100℃以下、好ましくは20℃以上70℃以下で熟成を行うことが、均一な生成物を得る点で好ましい。熟成工程は、例えば静置状態で行ってもよく、あるいはラインミキサーなどを用いた撹拌状態で行ってもよい。
本発明においては第一工程において得られた前記ニオブ含有混合ゲルを、第二工程である水熱反応に付して結晶性シリコチタネートを含む吸着剤を得る。水熱反応としては、結晶性シリコチタネートが合成できる条件であれば、いかなる条件であってもよく制限されない。水熱反応温度としては、好ましくは120℃以上200℃以下、更に好ましくは140℃以上200℃以下の温度が挙げられる。水熱反応時間は、好ましくは6時間以上100時間以下、更に好ましくは12時間以上80時間以下である。水熱反応は、通常、前記範囲内の温度で、前記範囲内の時間にわたって、ニオブ含有混合ゲルをオートクレーブ中で加圧下に反応させる。反応時間は、合成装置のスケールに応じて選定できる。
前記第二工程で得られた含水状態の結晶性シリコチタネートは乾燥させ、得られた乾燥物を必要により解砕又は粉砕して粉末状(粒状を含む)とすることができる。また、含水状態の結晶性シリコチタネートを複数の開孔が形成された開孔部材から押出成形して棒状成形体を得、得られた該棒状成形体を乾燥させて柱状にしてもよいし、乾燥させた該棒状成形体を球状に成形したり、解砕又は粉砕して粒子状としてもよい。後者の場合つまり乾燥前に押出成形を行う場合、後述する分級方法により回収される結晶性シリコチタネートの収率を高めることができる。ここで、解砕とは、細かい粒子が集まって一塊になっているものをほぐす操作をいい、粉砕とはほぐされた固体粒子に対し,機械的な力を作用させさらに細かくする操作をいう。
開孔部材に形成された孔の形状としては、円形、三角形、多角形、環形等を挙げることができる。開孔の真円換算径は0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.3mm以上5mm以下がより好ましい。ここでいう真円換算径は、孔一つの面積を円面積とした場合の該面積から算出される円の直径である。押出成形後の乾燥温度は例えば例えば50℃以上200℃以下とすることができる。また乾燥時間は1時間以上120時間以下とすることができる。
乾燥させた棒状成形体は、そのままでも吸着剤として用いることができるし、軽くほぐして用いてもよい。また乾燥後の棒状成形体は粉砕して用いてもよい。これら各種の方法で得られた粉末状の結晶性シリコチタネートは、更に分級してから吸着剤として用いることが、セシウム及び/又はストロンチウムの吸着効率を高める等の観点から好ましい。分級は、例えばJISZ8801−1に規定する公称目開きが1000μm以下、特に710μm以下の第1の篩を用いることが好ましい。また前記の公称目開きが100μm以上、特に300μm以上の第2の篩を用いて行うことも好ましい。更に、これら第1及び第2の篩を用いて行うことが好ましい。
本製造方法で得られる吸着剤は、一般式;A2Ti23(SiO4)・nH2O(式中、Aは、Na及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属元素を示す。nは0〜2の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートにNbを含有させたものであり、吸着剤中のNbの含有量は、Nbとして2質量%以上、好ましくは5〜20質量%、特に10〜20質量%であることが好ましい。また吸着剤中のTiの含有量は、TiOとして20質量%以上、好ましくは25〜45質量%であることが好ましい。また吸着剤中のSiの含有量は、SiOとして5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%であることが好ましい。また吸着剤中のNa及びKの合計量は、AOとして5〜40質量%、好ましくは10〜25質量%であることが好ましい。
本製造方法で得られる吸着剤において、X線回折的には、Ti/Siのモル比が2/1である結晶性シリコチタネートの回折ピークパターンと一致することから、Nbは基本的に、結晶性シリコチタネートのTiと一部置換したかたちで存在するものと考えられる。
なお、本製造方法で得られる吸着剤は、製造方法に起因した珪ニオブ酸アルカリやニオブ含有珪チタン酸アルカリ等の副生物が出来るだけ少ないことが望ましいが、本発明の効果を損なわない範囲の含有量で、製造方法に起因した副生物を含有していても差し支えない。
本製造方法で得られる吸着剤は、例えば、セシウム、ストロンチウム、アンチモン、鉛、亜鉛、水銀、銅、カドニウム、水銀等の金属の吸着剤として好適に用いることが出来る。
本製造方法で得られる吸着剤は、特にセシウムの吸着除去特性に優れ、これに加えてストロンチウムの吸着除去特性も高い。この特性を利用して、常法に従い成形加工し、それによって得られた成形体を、更にセシウム及び/又はストロンチウムの吸着剤として用いることもできる。
前記の成形加工としては、例えば粉末状の結晶性シリコチタネート又はそれを含む粉末状の吸着剤を顆粒状に成型するための造粒加工や粉末状の結晶性シリコチタネートを含む吸着剤をスラリー化して塩化カルシウム等の硬化剤を含む液中に滴下して吸着剤をカプセル化する方法、樹脂芯材の表面に吸着剤の粉末を添着被覆処理する方法、天然繊維または合成繊維で形成されたシート状基材の表面及び/又は内部に粉末状の吸着剤又はそれを含む粉末状の吸着剤を付着させて固定化してシート状にする方法などを挙げることができる。造粒加工の方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば攪拌混合造粒、転動造粒、押し出し造粒、破砕造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒(スプレードライ)、圧縮造粒等を挙げることができる。造粒の過程において必要に応じバインダーや溶媒を添加、混合してもよい。バインダーとしては、公知のもの、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、デンプン、コーンスターチ、糖蜜、乳糖、ゼラチン、デキストリン、アラビアゴム、アルギン酸、ポリアクリル酸、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。溶媒としては水性溶媒や有機溶媒等各種のものを用いることができる。
本発明の製造方法によって得られる吸着剤を造粒加工した顆粒状のものは、放射性物質吸着剤を充填してなる吸着容器及び吸着塔を有する水処理システムの吸着剤として好適に使用することが出来る。
この場合、吸着剤を造粒加工して得られる顆粒状のものの形状や大きさは、吸着容器や充填塔に充填して、セシウム及び/又はストロンチウムを含む処理水を通水するのに適応するようにその形状及び大きさを適宜調整することが好ましい。
また、本発明の製造方法によって得られる吸着剤を造粒加工した顆粒状のものは、更に磁性粒子を含有させることにより、セシウム及び/又はストロンチウムを含む水から磁気分離で回収可能な吸着剤として使用することが出来る。磁性粒子としては、例えば鉄、ニッケル、コバルト等の金属またはこれらを主成分とする磁性合金の粉末、四三酸化鉄、三二酸化鉄、コバルト添加酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系磁性体の粉末が挙げられる。
吸着剤を造粒加工した顆粒状のものに磁性粒子を含有させる方法としては、例えば、前述した造粒加工操作を磁性粒子を含有させた状態で行えばよい。
また、本製造方法において、上記製造方法で得られた吸着剤を、更に加熱処理することで水中におけるセシウム及びストロンチウムのうち、ストロンチウムを選択的に且つ効率良く吸着できる吸着剤として使用することが出来る。
なお、加熱処理する吸着剤は、第二工程後に得られる粉末状(粒状を含む)のものであっても、その成形品であってもよい。
加熱処理温度は、250℃以上800℃以下で加熱処理する。加熱処理に用いる装置としては、箱形焼成炉、ロータリーキルン等を挙げることができる。なお、実験室スケールでは電気炉等を用いることができる。加熱処理の雰囲気は、大気中等の含酸素雰囲気であっても、窒素又はアルゴン等の非活性雰囲気であっても、還元雰囲気等であってもよい。
加熱処理の温度は、250℃以上とすることで、セシウム吸着性能を低くすることが可能となる。また加熱処理の温度は、800℃以下とすることが、得られる吸着剤のストロンチウム吸着性能を高いものとすることができる。これらの観点から、加熱処理の温度は、250℃以上800℃以下であることが好ましく、300℃以上700℃以下であることがより好ましく、400℃以上600℃以下であることが特に好ましい。
上記の温度範囲における加熱処理の時間は、例えば0.5時間以上が好ましく、1時間以上24時間以下がより好ましい。
得られる加熱処理物は、そのまま吸着剤として使用してもよいし、適宜洗浄や乾燥、成形等の各種の処理を行った後に吸着剤として使用してもよい。
以上の製造方法で得られる加熱処理した吸着剤は、粉末状である未成形体又は例えば棒状や粒子状(顆粒状も含む)等の成形体である吸着剤として各種の用途に用いることができる。なお、本発明の製造方法で得られる加熱処理した吸着剤を成形体とする場合、前述した方法と同様な方法で行うことが出来る。
以下に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に断らない限り「%」は「質量%」を表す。実施例及び比較例で使用した評価装置及び使用材料は以下のとおりである。
<評価装置>
・X線回折:Bruker社 D8 AdvanceSを用いた。
線源としてCu−Kαを用いた。測定条件は、管電圧40kV、管電流40mA、走査速度0.1°/secとした。
・ICP−AES:Varian社720−ESを用いた。
Csの測定波長は697.327nm、Srの測定波長は216.596nmとしてCs及びSrの吸着試験を行った。標準試料はNaClを0.3%含有したCs:100ppm、50ppm及び10ppmの水溶液、並びにNaClを0.3%含有したSr:100ppm、10ppm及び1ppmの水溶液を使用した。
<使用材料>
・ケイ酸ナトリウム(3号ケイ酸ソーダ):日本化学工業株式会社製(SiO2:28.5%、Na2O:9.2%、H2O:62.3%、SiO2/Na2O=3.1)。
・苛性ソーダ水溶液;工業用25%水酸化ナトリウム(NaOH:25%、H2O:75%)
・四塩化チタン水溶液:株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ社製36.48%水溶液・水酸化ニオブ;市販品(Nb25:76.5wt%含有)
・模擬海水(1):Cs及びSrをそれぞれ100ppm含有した0.3%NaCl水溶液を模擬海水とした。模擬海水(1)はNaCl(99.5%):3.0151g、SrCl2・6H2O(99%):0.3074g、CsNO3(99%):0.1481g、H2O:996.5294gを混合して得た。
・模擬海水(2):Cs及びSrをそれぞれ1ppm、Kを37ppm、Caを40pppm及びMgを125ppm含有した0.3%NaCl水溶液を模擬海水(2)とした。模擬海水(2)はNaCl、SrCl2・6H2O、CsCl、MgSO4、CaSO4・2H2O、KCl、H2Oを用いて調製した。
〔実施例1〕
(1)第一工程
3号ケイ酸ソーダ115g、苛性ソーダ水溶液670.9g、及びイオン交換水359.1gを混合し撹拌して混合水溶液を得た。この混合水溶液に、水酸化ニオブ25.5g(Nb25:76.5質量%)を加えて撹拌混合した後、四塩化チタン水溶液412.3gをペリスタポンプで0.5時間にわたり連続的に添加してニオブ含有混合ゲルを製造した。当該ゲルは、四塩化チタン水溶液の添加後、1時間にわたり室温(25℃)で静置熟成した。
(2)第二工程
第一工程で得られたニオブ含有混合ゲルをオートクレーブに入れ、1時間かけて160℃に昇温したのち、この温度を維持しながら撹拌下に18時間反応を行った。
反応後のスラリーをろ過し、得られたケーキを直径0.6mmの円形の開孔部材で押出成形した後、乾燥し、分級して粒度が300μm以上600μm以下の粒状物を得た。
得られた粒状物をX線回折測定した。その結果を図1に示す。また粒状物についてICP−AESによる組成分析を行った。その結果を表2に示す。
図1の結果より、得られた粒状物はX線回折的にNa2Ti23(SiO4)・2H2Oで表される結晶性シリコチタネートを主成分としていることを確認した。またわずかな異相(Na12(Ti22)(Nb12SiO40)(H2O)4)の存在も確認できた。
<Cs及びSrの吸着試験>
この粒状の吸着剤を、100mlのポリ容器に0.5g取り、模擬海水(1)100.00gを添加し、蓋をした後、内容物を振り混ぜた。内容物の振り混ぜは、ポリ容器の倒立を10回行うことにより行った(以下同様)。その後、静置して1時間経過した後、再び内容物を振り混ぜ、約50mlを5Cのろ紙でろ過し、ろ過によって得られたろ液を採取した。また、残りの50mlはそのまま静置し、更に23時間後(最初に振り混ぜてから24時間後)に再び振り混ぜた。そして、5Cのろ紙でろ過し、ろ過によって得られたろ液を採取した。採取されたろ液を対象として、ICP−AESを用い、ろ液中のCs及びSrの含有量を測定し、その結果から吸着剤のCsとSrの吸着率を求めた。得られた吸着率を以下の表3に示す。
〔実施例2〜7〕
3号ケイ酸ソーダ、苛性ソーダ水溶液、イオン交換水、水酸化ニオブ及び四塩化チタン水溶液の添加量を表1に示す配合量で添加し、第二工程において、反応温度を170℃で、72時間とした以外は実施例1と同様に反応を行い、次いで実施例1と同様にして粒状の吸着剤を調製し、Cs及びSrの吸着試験を行った。その結果を以下の表3に示す。また、X線回折分析の結果、得られた粒状物はX線回折的にNa2Ti23(SiO4)・2H2Oで表される結晶性シリコチタネートを主成分としていることを確認した。またわずかな異相(Na12(Ti22)(Nb12SiO40)(H2O)4の存在も確認できた。また粒状物について、ICP−AESによる組成分析を行った。その結果を表2に示す。
〔実施例8〕
実施例1で得られた粒状の吸着剤100gをアルミナ製容器に入れ大気雰囲気下、2時間かけて昇温した後に500℃で2時間焼成した。焼成後の粒状物を容器ごと大気中に取り出して冷却して吸着剤を得た。また、実施例1と同様にしてCs及びSrの吸着試験を行った。その結果を以下の表3に示す。
また、得られた吸着剤をX線回折測定した。その結果を図1に併記した。
〔実施例9〜12〕
3号ケイ酸ソーダ、苛性ソーダ水溶液、イオン交換水、水酸化ニオブ及び四塩化チタン水溶液の添加量を表4に示す配合量で添加し、第二工程において、反応温度を190℃とした以外は実施例1と同様に反応を行い、次いで実施例1と同様にしてNb含有量が16.8質量%の粒状の吸着剤を調製した。
X線回折分析の結果、実施例10で得られた粒状物はX線回折的に単相のNa2Ti23(SiO4)・2H2Oで表される結晶性シリコチタネートであることを確認した。図4に実施例10で得られた吸着剤のX線回折図を示す。
〔比較例1〕
実施例10において、苛性ソーダ水溶液、イオン交換水及び四塩化チタンを混合し撹拌して混合液を得、この混合液に、水酸化ニオブ62.0g(Nb25:76.5質量%)を加えて撹拌混合した後、更に3号ケイ酸ソーダを添加してニオブ含有混合ゲルを得た以外は、実施例10と同様にして反応を行い、次いで実施例10と同様にしてNb含有量が14.9質量%の粒状の吸着剤を調製した。
〔比較例2〕
実施例10において、四塩化チタン水溶液に代えて、24質量%硫酸チタン水溶液1003.7gを用いた以外は、実施例10と同様にして反応を行い、次いで実施例10と同様にしてNb含有量が16.6質量%の粒状の吸着剤を調製した。
<Sr及びCsの吸着試験>
実施例9〜12並びに比較例1〜2で得られた粒状の結晶性シリコチタネートを含む吸着剤を、1000mlのポリ容器に0.05g取り、模擬海水(2)1000.00mlを添加して蓋をした後、内容物を振り混ぜた。ポリ容器の倒立及び正立の動作を10回行い内容物を振り混ぜた。その後、静置して1時間経過した後、再び内容物を振り混ぜた。引き続き、内容物を約50ml抜き出し、これを5Cのろ紙でろ過し、ろ過によって得られたろ液を採取した。また、残りの50mlはそのまま静置し、更に23時間後(最初に振り混ぜてから24時間後)に再び振り混ぜた。そして内容物を5Cのろ紙でろ過し、ろ過によって得られたろ液を採取した。採取されたろ液を対象として、ICP−AESを用い、ろ液中のSrの含有量を測定し、下記式により、分配係数Kdを求めた。
また、実施例9及び10並びに比較例1及び2については、採取されたろ液を対象として、ICP−AESを用い、ろ液中のCsの含有量を測定し、下記式より分配係数Kdを求めた。
これらの結果を表5に示す。
分配係数Kd=(C−C)/C×(V/m)
ここでC:吸着剤浸漬前におけるSr又はCsの各濃度。
C:吸着剤添加から24時間後のSr又はCsの各濃度。
V:ポリ容器中の試験液の溶液量(ml)。
m:吸着剤の重量(g)。
本発明によれば、安価な原料を用いて、海水においてもセシウム及び/又はストロンチウムの吸着除去特性に優れた、X線回折的にTi/Siのモル比が2/1の結晶性シリコチタネートを含有する吸着剤を工業的に有利な方法で提供することができる。

Claims (12)

  1. 一般式;A2Ti23(SiO4)・nH2O(式中、Aは、Na及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属元素を示す。nは0〜2の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートにNbを含有させた吸着剤の製造方法であって、
    ケイ酸源、アルカリ金属化合物、ニオブ源、四塩化チタン及び水を混合してニオブ含有混合ゲルを得る第一工程と、
    第一工程により得られたニオブ含有混合ゲルを水熱反応させる第二工程とを有し、前記第一工程のニオブ含有混合ゲルは、少なくともケイ酸源、アルカリ金属化合物及び水を含む液に、四塩化チタンを添加して得られるものであり、
    (1)ケイ酸源、アルカリ金属化合物、水及びニオブ源を含む液に四塩化チタンを添加するか、或いは(2)前記のケイ酸源、アルカリ金属化合物及び水を含む液に四塩化チタンを添加して混合ゲルを得、該混合ゲルにニオブ源を添加する、吸着剤の製造方法。
  2. 第一工程において、ニオブ含有混合ゲルの組成が下記モル比である請求項1記載の吸着剤の製造方法。
    (Nb25+TiO2)/SiO2=0.70〜2.50、
    2O/SiO2=0.65〜3.50
    2O/SiO2=40〜180
  3. 第一工程において、ニオブ含有混合ゲルにおけるNb25/TiO2のモル比が0.03〜0.35である請求項1又は2記載の吸着剤の製造方法。
  4. 第一工程において、ケイ酸源がケイ酸アルカリである請求項1乃至3の何れか1項に記載の吸着剤の製造方法。
  5. 第一工程において、アルカリ金属化合物が水酸化物である請求項1乃至4の何れか1項に記載の吸着剤の製造方法。
  6. 第一工程において、ニオブ源が水酸化物である請求項1乃至5の何れか1項に記載の吸着剤の製造方法。
  7. 第一工程において、ニオブ含有混合ゲル中のHO/AOのモル比が20〜100である請求項1乃至6の何れか1項に記載の吸着剤の製造方法。
  8. 第二工程における水熱反応温度が120〜200℃である請求項1乃至7の何れか1項に記載の吸着剤の製造方法。
  9. 前記吸着剤が金属の吸着剤として用いられる請求項1乃至の何れか1項に記載の吸着剤の製造方法。
  10. 吸着する金属が、セシウム及び/又はストロンチウムである請求項記載の吸着剤の製造方法。
  11. 請求項1乃至の何れか1項に記載の製造方法で得られる吸着剤を、更に加熱処理する吸着剤の製造方法。
  12. 前記吸着剤がストロンチウムの吸着剤として用いられる請求項11に記載の吸着剤の製造方法。
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