JP6308037B2 - ヒーター基板、アルカリ金属セルユニット及び原子発振器 - Google Patents

ヒーター基板、アルカリ金属セルユニット及び原子発振器 Download PDF

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Description

本発明は、ヒーター基板、アルカリ金属セルユニット及び原子発振器に関する。
極めて正確な時間を計る時計として原子時計(原子発振器)があり、この原子時計を小型化する技術等の検討がなされている。原子時計とは、アルカリ金属等の原子を構成している電子の遷移エネルギー量を基準とする発振器であり、特に、アルカリ金属の原子における電子の遷移エネルギーは外乱がない状態では、非常に精密な値が得られるため、水晶発振器に比べて、数桁高い周波数安定性を得ることができる。
このような原子時計には、幾つかの方式があるが、中でも、CPT(Coherent Population Trapping)方式の原子時計は、従来の水晶発振器に比べて周波数安定性が3桁程度高く、また、超小型、超低消費電力を望むことができる(非特許文献1、2)。
CPT方式の原子時計では、図1に示すように、レーザ素子等の光源910と、アルカリ金属を封入したアルカリ金属セル940と、アルカリ金属セル940を透過したレーザ光を受光する光検出器950とを有しており、レーザ光は変調され、特定波長である搬送波の両側に出現するサイドバンド波長により、アルカリ金属原子における電子の2つの遷移を同時に行い、励起する。この遷移における遷移エネルギーは不変であり、レーザ光のサイドバンド波長と遷移エネルギーに対応する波長とが一致したときに、アルカリ金属における光の吸収率が低下する透明化現象が生じる。このように、アルカリ金属による光の吸収率が低下するように、搬送波の波長を調整するとともに、光検出器950において検出された信号を変調器960にフィードバックし、変調器960によりレーザ素子等の光源910からのレーザ光の変調周波数を調整することを特徴とした原子時計である。尚、レーザ光は、光源910より発せられ、コリメートレンズ920及びλ/4板930を介し、アルカリ金属セル940に照射される。
このような超小型の原子時計におけるアルカリ金属セルとして、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて生産する方法が開示されている(特許文献1〜4)。これらに開示されている方法では、最初に、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術によりSi基板に開口部を形成した後、陽極接合によりガラスとSi基板とを接着する。陽極接合は、200℃〜450℃の温度で、ガラスとSi基板との界面に250V〜1000V程度の電圧を印加することにより行なわれる。この後、アルカリ金属とバッファガスを入れて、上面となる開口部分にガラスを陽極接合により接着することにより封止する。このようにして形成されたものをセルごとに切り出すことにより、アルカリ金属セルが形成される。
このようなアルカリ金属セルは、アルカリ金属ガスセルとも呼ばれており、封入したアルカリ金属とバッファガスをガス状にするために、ガスセルを所定温度に加熱されている。例えば、原子時計内のアルカリ金属セルの表面上にITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜で構成された発熱体が設けられており、この発熱体に電流を流すことにより発熱させている。このように、アルカリ金属セルに発熱体が設けられているものを、本願においては、アルカリ金属セルユニットと記載する場合がある。
原子発振器では、アルカリ金属セル内の温度が一定となるように、絶えずフィードバック制御されており、そのため外気温が変化した場合、発熱体に流れる電流も変化してしまう。このように発熱体に流れる電流が変化すると発熱体から生じる磁場も変化してしまう。発生した磁場はアルカリ金属セル内の金属原子の基底準位間エネルギー差に相当する周波数が変動し出力周波数がずれてしまうという不具合を起こす。従って、原子時計ではヒーターから発生する不要な磁場を極力抑えることが好ましい。
このようなヒーターから発生する不要磁場を無くす技術としては、特許文献5においては、ヒーターをITO等により蛇行パターンとなるように形成する方法が開示されている。また、特許文献6においては、ヒーターを金属材料等により巻線パターンとなるように形成する方法が開示されている。
特許文献5に開示されている方法及び特許文献6に開示されている方法では、蛇行パターンまたは巻線パターンにより配線が形成されており、隣り合う配線に流れる電流の向きを相互に逆方向にすることにより、発生する磁場を相殺し、弱めることができる。ここで、特許文献5に開示されている方法では、抵抗の高いITO等の透明な導電性材料を用いることが必要となるため、ヒーターを形成するための材料選択の幅が狭い。これに対し、特許文献6に開示されている方法では、ヒーターを形成する材料に抵抗の低い金属材料を用いることができる。
ところで、原子発振器は高い精度が求められており、ヒーターに電流を流すことにより生じる磁場は、小さいほど好ましい。しかしながら、特許文献6に記載されている方法では、ヒーターに電流を流すことにより生じる磁場を小さくすることに限界があり、十分に小さくすることはできなかった。
よって、本発明は、ヒーターに電流を流すことにより生じる磁場の小さいヒーター基板を提供することを目的とするものである。
本実施の形態の一観点によれば、アルカリ金属が封入されているアルカリ金属セルを加熱するヒーター基板であって、前記ヒーター基板には、アルカリ金属が封入されているアルカリ金属封入部の周囲となる領域に、第1のヒーター配線、第2のヒーター配線、第3のヒーター配線が設けられており、前記第1のヒーター配線は、前記第2のヒーター配線と前記第3のヒーター配線との間に設けられており、前記第2のヒーター配線は、前記アルカリ金属封入部と前記第1のヒーター配線との間に設けられており、前記第1のヒーター配線に流れる電流は、前記第2のヒーター配線に流れる電流と、前記第3のヒーター配線に流れる電流に分岐されており、前記第1のヒーター配線に流れる電流の向きと、前記第2のヒーター配線及び前記第3のヒーター配線に流れる電流の向きは、互いに逆方向であることを特徴とする。
本発明によれば、ヒーターに電流を流すことにより生じる磁場が小さいヒーター基板を提供することができる。
原子発振器の説明図 アルカリ金属セルユニットのヒーターの構造図(1) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットのヒーターの構造図 アルカリ金属セルユニットのヒーターの構造図(2) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法の工程図(3) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法の工程図(4) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法の工程図(5) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法の工程図(6) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法の工程図(7) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法の工程図(8) 第1の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法の工程図(9) 第2の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットのヒーターの構造図 第3の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの説明図 第3の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットのヒーターの説明図 第4の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの説明図 第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの説明図 第6の実施の形態における原子発振器の説明図 第6の実施の形態における原子発振器の構造図 CPT方式を説明する原子エネルギー準位の説明図 面発光レーザ変調時における出力波長の説明図 変調周波数と透過光量との相関図
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
最初に、特許文献6に記載されている方法において、ヒーターに電流を流すことにより生じる磁場を小さくすることに限界があることについて説明する。
図2に示される構造のヒーターは、アルカリ金属セルユニットに設けられているものであり、第1のヒーター配線971と第1のヒーター配線971の内側に第2のヒーター配線972が形成されている。第1のヒーター配線971及び第2のヒーター配線972は、アルカリ金属セルの光透過部の周囲において、ヒーターの中心点Pを中心に略円形に形成されている。具体的には、ヒーターの中心点Pを中心に半径rの円周上に、第1のヒーター配線971の中心が位置するように形成されており、ヒーターの中心点Pを中心に半径rの円周上に、第2のヒーター配線972の中心が位置するように形成されている。
第1のヒーター配線971の一方の端部には、第1の電極端子981が接続されており、第2のヒーター配線972の一方の端部には、第2の電極端子982が接続されている。第1のヒーター配線971の他方の端部と第2のヒーター配線972の他方の端部とはヒーター接続部990において接続されている。尚、第1のヒーター配線971、第2のヒーター配線972、ヒーター接続部990は、同一の導電性材料により形成されており、厚さが約20.2μmのカーボンペーストにより形成されている。また、第1の電極端子981及び第2の電極端子982は、厚さが約28.4μmの銀ペーストにより形成されている。また、第1の電極端子981及び第2の電極端子982は、不図示の電源と接続されている。
図2に示される構造のヒーターにおいて、不図示の電源の正極に、第1の電極端子981を接続し、負極に、第2の電極端子982を接続した場合について考える。この場合、電流は、第1の電極端子981より第1のヒーター配線971を反時計回りに略1周流れ、ヒーター接続部990を流れた後、第1のヒーター配線971の内側に設けられた第2のヒーター配線972に流れる。第2のヒーター配線972では、電流は時計回りに略1周流れ、この後、第2の電極端子982に流れる。
ここで、第1のヒーター配線971からの距離と、第2のヒーター配線972からの距離が略等しい場合には、第1のヒーター配線971に流れる電流により生じた磁界と、第2のヒーター配線972に流れる電流により生じた磁界は相殺される。これに対し、第1のヒーター配線971からの距離と、第2のヒーター配線972からの距離とが異なる場合には、第1のヒーター配線971に流れる電流により生じた磁界と、第2のヒーター配線972に流れる電流により生じた磁界は、完全には相殺されない。
例えば、ヒーターの中心点Pにおける磁場について考える。この場合、第1のヒーター配線971からの距離は半径rであり、第2のヒーター配線972からの距離は半径rであり、第1のヒーター配線971は、第2のヒーター配線972の外側であるため、r>rとなる。また、第1のヒーター配線971に流れる電流Iと、第2のヒーター配線972に流れる電流Iとは等しいため、ヒーターの中心点Pにおいては、短い半径rの第2のヒーター配線972を流れる電流により生じた磁界の影響を強く受ける。即ち、ヒーターの中心点Pでは、短い半径rの第2のヒーター配線972を流れる電流により生じた磁界は、長い半径rの第1のヒーター配線971を流れる電流により生じた磁界よりも強い。よって、第2のヒーター配線972を流れる電流により生じた磁界のうち相殺することのできない磁界が残存し、このように残存する磁界がアルカリ金属セルに影響を及ぼすのである。
このため、ヒーターが設けられた構造のアルカリ金属セルユニットにおいては、ヒーターの中心点Pにおける磁界が極めて小さいもの、即ち、極めて0に近いものが求められている。
より詳細に説明すると、図2に示される構造のヒーターは、不図示のアルカリ金属セルの光透過部の周囲に、第1のヒーター配線971と、第2のヒーター配線972が設けられている。このように設けられた第1のヒーター配線971と、第2のヒーター配線972とにおいて、逆方向に流れる電流Iを流すことにより、生じる磁界を相殺しようとするものである。
ここで、アルカリ金属セルの光透過部の周囲に、直径が約3mmの第1のヒーター配線971と第2のヒーター配線972とが設けられている場合について考える。尚、ここでは、便宜上、第1のヒーター配線971と第2のヒーター配線972の直径は略同程度であるものとして説明する。また、第1のヒーター配線971及び第2のヒーター配線972の配線幅を50μm、配線の厚さを2μmとし、アルカリ金属セルに必要とされる電力を100mWとする。この場合、第1のヒーター配線971及び第2のヒーター配線972をITO(ρ=1.48×10−4(Ω・cm))により形成した場合、ヒーターの全体の抵抗値は、279Ωとなる。よって、電源電圧5Vの場合に供給される電力は、90mWと見積もられ、要求される100mWには到達しない。
一方、第1のヒーター配線971及び第2のヒーター配線972を白金(ρ=1.02×10−5(Ω・cm))により形成した場合、ヒーターの全体の抵抗値は、19Ωとなり、電源電圧5Vの場合に供給される電力は、1300mWと見積もられる。よって、要求される電力100mWを超える十分な電力を供給することができる。
以上のように、第1のヒーター配線971及び第2のヒーター配線972を形成する材料としては、金属材料が好ましい。金属材料は、抵抗率が低く供給電力能力を高くすることができ、電源電圧を下げることができるからであり、また、加工が容易であるため設計の自由度が高いからである。
ところで、第1のヒーター配線971及び第2のヒーター配線972からなるヒーターにように、空芯コイルパターンの中心磁束密度Bは、下記の数1に示される式より算出することができる。尚、μは真空の透磁率、rは半径、Iは電流である。
Figure 0006308037
ところで、数1に示されるように、図2に示される構造の平面上の巻線パターンでは、実際には、ヒーターの中心点からの距離、即ち、アルカリ金属セルの中心からの距離となる半径rが異なっている。即ち、第1のヒーター配線971における半径rよりも、第2のヒーター配線972における半径rの方が小さい。(r>r
よって、隣接するヒーター配線である第1のヒーター配線971と第2のヒーター配線972とが逆方向となるように、電流を流しても、アルカリ金属セルの中心の磁場Bを完全に0にすることはできない。
尚、特許文献5に開示されているように、アルカリ金属セルの全面を覆うような構造の従来のヒーターの構成では、ヒーター配線の材料としては、光を透過する材料を使う必要があるため、ITOが一般的に使われている。しかしながら、ITOは硬く脆いため曲げると断線するなどの製造上の制限があること、製造条件で抵抗率がばらつきやすく、金属よりも抵抗率が高い等の理由により、ヒーター設計の自由度が低かった。
また、巻線タイプにおいては、不透明な金属配線が利用可能であるが、上述したように、形成した各配線は中心からの距離に差があるため、アルカリ金属セルの中心における磁束密度を完全に打ち消すことができなかった。
本実施の形態は、ヒーター配線を金属材料等により形成したものであって、かつ、電流が流れることにより生じる磁場を極めて低くすることのできるヒーター基板及びこのようなヒーター基板を有するアルカリ金属セルユニットを提供するものである。
(アルカリ金属セルユニットに設けられたヒーター基板)
次に、図3に基づき本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットに設けられたヒーター基板について説明する。
本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットに設けられたヒーター基板には、第1のヒーター配線11a及び11bの内側に第2のヒーター配線12が形成されており、第1のヒーター配線11a及び11bの外側に第3のヒーター配線13が形成されている。第1のヒーター配線11a及び11b、第2のヒーター配線12、第3のヒーター配線13は、ヒーターの中心点Pを中心に略円形に同心円状に形成されている。尚、第1のヒーター配線11a及び11b、第2のヒーター配線12、第3のヒーター配線13は、アルカリ金属セルの光透過部となる領域の周囲に形成されている。本願においては、アルカリ金属セルの光透過部をアルカリ金属封入部と記載する場合がある。
具体的には、ヒーターの中心点Pを中心に半径r11の円周上に、第1のヒーター配線11a及び11bの中心が位置するように形成されている。また、ヒーターの中心点Pを中心に半径r12の円周上に、第2のヒーター配線12の中心が位置するように形成されている。また、ヒーターの中心点Pを中心に半径r13の円周上に、第3のヒーター配線13の中心が位置するように形成されている。尚、r13>r11>r12である。
本実施の形態においては、第1のヒーター配線11a及び11bは、略円形を2つに分けた略半円形の形状で形成されており、第2のヒーター配線12及び第3のヒーター配線13は、ともに略円形の形状で形成されている。本実施の形態においては、第1のヒーター配線11aを一方の第1のヒーター配線11aと記載し、第1のヒーター配線11bを他方の第1のヒーター配線11bと記載する場合がある。
一方の第1のヒーター配線11aの一方の端部には、第1の電極端子21が設けられており、他方の第1のヒーター配線11bの一方の端部には、第2の電極端子22が設けられている。また、一方の第1のヒーター配線11aの他方の端部には、第1のヒーター接続部31が設けられており、第1のヒーター接続部31において、第2のヒーター配線12及び第3のヒーター配線13の一方の端部と接続されている。また、他方の第1のヒーター配線11bの他方の端部には、第2のヒーター接続部32が設けられており、第2のヒーター接続部32において、第2のヒーター配線12及び第3のヒーター配線13の他方の端部と接続されている。
尚、本実施の形態においては、第1のヒーター配線11a及び11b、第2のヒーター配線12、第3のヒーター配線13、第1のヒーター接続部31、第2のヒーター接続部32は、同一の導電性材料等により形成されている。例えば、厚さが約20.2μmのカーボンペーストにより形成されている。また、第1の電極端子21及び第2の電極端子22は、厚さが約28.4μmの銀ペーストにより形成されている。
また、一方の第1のヒーター配線11aと第1の電極端子21とを接続する接続配線41及び他方の第1のヒーター配線11bと第2の電極端子22とを接続する接続配線42と、第3のヒーター配線13とが交差部50において交差している。このため、本実施の形態においては、交差部50においては、第3のヒーター配線13の上に、不図示の絶縁膜が設けられており、不図示の絶縁膜の上に接続配線41及び接続配線42が形成されている。よって、交差部50においては、第3のヒーター配線13と接続配線41及び接続配線42とは、電気的に絶縁されている。
図2に示される本実施の形態におけるアルカリ金属セルに設けられたヒーター基板において、不図示の電源の正極に、第1の電極端子21を接続し、負極に、第2の電極端子22を接続した場合について考える。この場合、第1の電極端子21より一方の第1のヒーター配線11aを時計回りに、電流Iが略半周流れ、第1のヒーター接続部31において、電流Iは第2のヒーター配線12に流れる電流Iと第3のヒーター配線13に流れる電流Iとに分岐される。第2のヒーター配線12では、電流Iが反時計回りに略1周流れ、第3のヒーター配線13では、電流Iが反時計回りに略1周流れ、第2のヒーター接続部32において、電流Iと電流Iとが合流し、電流Iとなる。第2のヒーター接続部32において合流した電流Iは、他方の第1のヒーター配線11bを時計回りに、略半周流れた後、第2の電極端子22に流れる。
従って、半径r11の第1のヒーター配線11a及び11bを流れる電流Iにより生じた磁場は、半径r12の第2のヒーター配線12に流れる電流Iと半径r13の第3のヒーター配線13に流れる電流Iにより生じた磁場により相殺される。
ここで、半径r11の第1のヒーター配線11a及び11bの中心と半径r12の第2のヒーター配線12の中心との間隔をG1とし、第1のヒーター配線11a及び11bの中心と半径r13の第3のヒーター配線13の中心との間隔をG2とする。この場合、G1=G2であってもよい。また、ヒーターの中心点Pにおける磁場が、0または極めて0に近い値となるように、G1とG2の値を設定してもよい。この場合、G1>G2となる場合がある。
また、G1とG2とが略同じである場合、即ち、G1=G2、または、G1≒G2である場合には、後述するように、I>Iであることが好ましい。尚、第2のヒーター配線12に流れる電流Iと第3のヒーター配線13に流れる電流Iとの比率は、第2のヒーター配線12における抵抗値と第3のヒーター配線13における抵抗値とを異なる値とすることにより調整可能である。具体的には、第2のヒーター配線12における配線幅と第3のヒーター配線13における配線幅とを異なる幅にすることにより調整可能である。
(ヒーターに電流を流すことにより生じる磁界のシミュレーション)
次に、アルカリ金属セルユニットに形成されるヒーターにおいて、ヒーターに電流を流すことにより生じる磁界のシミュレーションを行なった結果について説明する。具体的には、図4に示される構造のヒーターと、図2に示される構造のヒーターと図3に示される本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットに用いられるヒーターについてシミュレーションを行なった。尚、図4に示される構造のヒーターは、1つのヒーター配線だけのヒーターであり、略円形のヒーター配線975の一方の端部に第1の電極端子981が設けられており、他方の端部に第2の電極端子982が設けられている構造のものである。よって、ヒーター配線に電流を流すことにより発生する磁界の影響が相殺されない構造のものである。行なったシミュレーションの条件は、いずれもヒーター配線の配線幅が0.8mmであり、ヒーターに流れる電流が10mAである。
図4に示す構造のヒーターでは、ヒーターの中心点Pを中心として、半径rが2.66mmとなる円周上にヒーター配線975の中心が位置するように形成されているものである。尚、ヒーター配線975は、厚さが約20.2μmのカーボンペーストにより形成されている。
また、図2に示す構造のヒーターでは、ヒーターの中心点Pを中心として、半径rが3.02mmとなる円周上に第1のヒーター配線971の中心が位置し、半径rが2.66mmとなる円周上に第2のヒーター配線972の中心が位置するように形成されている。よって、第1のヒーター配線971の中心と第2のヒーター配線972の中心との間隔は、0.36mmである。
また、図3に示す構造の本実施の形態におけるヒーターでは、ヒーターの中心点Pを中心として、半径r11が2.66mmとなる円周上に第1のヒーター配線11a及び11bの中心が位置するように形成されている。また、ヒーターの中心点Pを中心として、半径r12が2.30mmとなる円周上に第2のヒーター配線12の中心が位置するように形成されており、半径r13が3.02mmとなる円周上に第3のヒーター配線13の中心が位置するように形成されている。よって、第1のヒーター配線11a及び11bの中心と第2のヒーター配線12の中心との間隔G1は、0.36mmであり、第1のヒーター配線11a及び11bの中心と第3のヒーター配線13の中心との間隔G2は、0.36mmである。
下記における表1は、シミュレーションにおいて得られたヒーターの中心点Pにおける磁束密度B(μT)を示すものである。尚、S1は図4に示す構造のヒーターにおけるものであり、S2は図2に示す構造のヒーターにおけるものであり、S3及びS4は図3に示す構造の本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットのヒーターにおけるものである。S3は、電流Iと電流Iが略等しく、電流Iが5mA、電流Iが5mAの場合であり、S4は、電流Iが3mA、電流Iが7mAの場合である。
Figure 0006308037
表1に示されるように、S1における図4に示す構造の1つのヒーター配線だけのヒーターの場合では、ヒーターの中心点Pにおける磁束密度は2.09(μT)であった。また、S2における図2に示す構造のヒーターの場合では、ヒーターの中心点Pにおける磁束密度は1.28(μT)であった。よって、逆方向に電流を流すことにより、ヒーターの中心点Pにおける磁束密度を低くすることができるが十分とはいえない。
また、本実施の形態におけるアルカリ金属セルに用いられるヒーターでは、S3の場合では、ヒーターの中心点Pにおける磁束密度は0.34(μT)であった。よって、本実施の形態におけるアルカリ金属セルに用いられるヒーターの構造とすることにより、S2の場合よりも、ヒーターの中心点Pにおける磁束密度を約1/4に低くすることができる。更に、S4の場合では、ヒーターの中心点Pにおける磁束密度は0.027(μT)であった。本実施の形態におけるヒーター基板においては、S4の場合のように、電流Iが3mA、電流Iが7mAとすることにより、ヒーターの中心点Pにおける磁束密度を約1/50と、極めて低くすることができる。よって、上述したように、G1とG2が略等しい場合(G1=G2、または、G1≒G2である場合)には、I<Iとすることにより、ヒーターの中心点Pにおける磁束密度を極めて低くすることが可能である。
(アルカリ金属セルユニットの製造方法)
次に、本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットの製造方法について説明する。
最初に、図5に示すように、基板となるSi基板110を準備する。Si基板110の厚みは1.5mmであり、Si基板110の両面は鏡面加工されている。尚、図5(a)は、この工程における上面図であり、図5(b)は、図5(a)における一点鎖線5A−5Bにおいて切断した断面図である。
次に、図6に示すように、Si基板110に第1の開口部111、第2の開口部112及び第1の開口部111と第2の開口部112とを接続する溝部113を形成する。尚、図6(a)は、この工程における上面図であり、図6(b)は、図6(a)における一点鎖線6A−6Bにおいて切断した断面図である。
具体的には、Si基板110の一方の面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第1の開口部111、第2の開口部112及び溝部113が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、Si基板110において、ICP(Inductively Coupled Plasma)などによるドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のSiを除去し、Si基板110の厚みの約半分まで窪みを形成する。
次に、Si基板の他方の面にも同様にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、第1の開口部111、第2の開口部112が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、Si基板110において、ICPなどによるドライエッチングによりレジストパターンの形成されていない領域のSiを除去し、Si基板110を貫通する第1の開口部111、第2の開口部112を形成する。
本実施の形態においては、溝部113は、一方の面からのみエッチングされるためSi基板110を貫通してはいない。Siのドライエッチングは、SFとCをと交互に供給してエッチングを行うボッシュプロセスにより行われる。ボッシュプロセスでは、異方性の高いSiのエッチングを高速で行うことができる。尚、このドライエッチングにおいて、印加されるパワーは2kWである。
上記においては、第1の開口部111、第2の開口部112をドライエッチングにより形成する方法について説明したが、第1の開口部111、第2の開口部112をウェットエッチングにより形成することも可能である。具体的には、まずSi基板110の両面に減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)により不図示のSiN膜を成膜する。成膜されたSiN膜上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、一方の面には第1の開口部111、第2の開口部112および溝部113が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。同様に、他方の面には第1の開口部111、第2の開口部112が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、エッチングガスとしてCFを用いたドライエッチングを行うことによりレジストパターンが形成されていない領域におけるSiN膜を除去し、さらに、レジストパターンを除去することにより、SiNからなるマスクを形成する。この後、85℃の温度で、KOH(30wt%)溶液を用いたウェットエッチングを行うことにより、SiNからなるマスクが形成されていない領域のSiを除去し、Si基板110に第1の開口部111、第2の開口部112および溝部113を形成する。更に、この後、SiNからなるマスクは、SiNを溶解する溶液を用いてウェットエッチングなどを行うことにより除去する。尚、Siのウェットエッチングは、異方性エッチングであり、形成される第1の開口部111、第2の開口部112及び溝部113の側面には、傾斜角54.7°の逆傾斜が形成される。
次に、図7に示すように、第1の開口部111、第2の開口部112および溝部113の形成されたSi基板110の溝部113が形成されていない面、即ち、Si基板110の他方の面に、第1の透明基板となる第1のガラス基板121を陽極接合により接着する。尚、図7(a)は、この工程における上面図であり、図7(b)は、図7(a)における一点鎖線7A−7Bにおいて切断した断面図である。
具体的には、減圧チャンバー内において、Si基板110の溝部113が形成されていない面、即ち、Si基板110の他方の面に、第1のガラス基板121を接触させ、380℃の温度で、第1のガラス基板121に−800V印加することにより陽極接合する。この際、アルカリ金属原料などは設置されていないため、陽極接合により生じた酸素などによりアルカリ金属が酸化されることはない。
次に、図8に示すように、Si基板110の第1の開口部111にCsまたはRb等のアルカリ金属原料130を投入し、更に、溝部113において溝部113を塞ぐための接合金属材料140を設置する。接合金属材料140は、ヒーターで加熱される温度では溶融することはないが、ヒーターで加熱される温度よりも高温の比較的低い温度で溶融する材料であり、溶融することにより溝部113を塞ぐことができる。また、本願においては、アルカリ金属原料が配置された第1の開口部111を原料室と記載する場合がある。尚、図8(a)は、この工程における上面図であり、図8(b)は、図8(a)における一点鎖線8A−8Bにおいて切断した断面図である。
次に、図9に示すように、真空チャンバー内にバッファガスとなる窒素を導入して窒素雰囲気とし、窒素雰囲気中において、Si基板110の一方の面の上に第2の透明基板となる第2のガラス基板122を設置する。この後、Si基板110と第2のガラス基板122とを陽極接合により接着する。この際、溝部113には接合金属材料140が設置されているが、この状態では、溝部113は接合金属材料140により塞がれてはいない。尚、図9(a)は、この工程における上面図であり、図9(b)は、図9(a)における一点鎖線9A−9Bにおいて切断した断面図である。
次に、図10に示すように、アルカリ金属原料130からアルカリ金属を生成させる。尚、図10(a)は、この工程における上面図であり、図10(b)は、図10(a)における一点鎖線10A−10Bにおいて切断した断面図である。具体的には、アルカリ金属原料130は、アルカリ金属がCsの場合の原料としては、Csメタル、Csを含む大気中で安定的な化合物があげられる。例えば、アルカリ金属原料130として、大気中で安定なCsディスペンサーを用いる場合には、Csディスペンサーを第1の開口部111(原料室)に投入して封止した後、レーザ光137をレンズ138で集光して照射し加熱し、Csを発生させる。第1の開口部111(原料室)の内部で発生させたCsは融点が約28℃であり、融点以上に加熱することで液体と気体の混合状態となる。気体のアルカリ金属131である気体のCsは溝部113を介して第1の開口部111(原料室)から第2の開口部112へと拡散する。
次に、図11に示すように、Si基板110の溝部113に設置された接合金属材料140を所定の温度まで加熱し、溶融させることにより溝部113を塞ぐ。これにより、第1の開口部111と第2の開口部112とを空間的に分離することができ、気体のアルカリ金属131は、第2の開口部112内に封入される。このようにして、第2の開口部112において、アルカリ金属封入部が形成される。尚、図11(a)は、この工程における上面図であり、図11(b)は、図11(a)における一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図である。この後、ガスセル部をダイシングソーで切り出すことにより、アルカリ金属セル100が形成される。
次に、図12に示すように、表面に第1のヒーター配線11a、11b、第2のヒーター配線12、第3のヒーター配線13等が形成されているヒーター基板150を形成する。ヒーター基板150は、厚さが約125μmの透明基板151、例えば、PETフィルム基板上に、カーボンを主成分とする導電性塗料をスクリーン印刷した後、焼結する。これにより、透明基板151の上に、第1のヒーター配線11a、11b、第2のヒーター配線12、第3のヒーター配線13等が形成されヒーター基板150が形成される。ヒーター基板150に形成される第1のヒーター配線11a、11b、第2のヒーター配線12、第3のヒーター配線13等は、アルカリ金属セルユニットが作製された際に、第2の開口部112の周囲となる領域に形成される。
尚、一方の第1のヒーター配線11aと第1の電極端子21とを接続する接続配線41及び他方の第1のヒーター配線11bと第2の電極端子22とを接続する接続配線42と、第3のヒーター配線13とが交差する交差部50には絶縁膜152が設けられている。具体的には、第3のヒーター配線13の上に、絶縁膜152が形成されており、絶縁膜152の上に、接続配線41及び接続配線42が形成されている。絶縁膜152は、例えば、絶縁性レジスト等により形成されている。
より詳細に説明すると、ヒーター基板150を形成するための透明基板151であるPETフィルム基板は、長さ13mm×幅5mmの大きさである。ヒーター基板150は、この透明基板151の一方の面に、第1のヒーター配線11a及び11b、第2のヒーター配線12、第3のヒーター配線13が形成されている。一方の第1のヒーター配線11aの一方の端部には、接続配線41を介し第1の電極端子21が接続されており、他方の第1のヒーター配線11bの一方の端部には、接続配線42を介し第2の電極端子22が接続されている。また、一方の第1のヒーター配線11aの他方の端部には、第1のヒーター接続部31が設けられており、第1のヒーター接続部31において、第2のヒーター配線12及び第3のヒーター配線13の一方の端部と接続されている。また、他方の第1のヒーター配線11bの他方の端部には、第2のヒーター接続部32が設けられており、第2のヒーター接続部32において、第2のヒーター配線12及び第3のヒーター配線13の他方の端部と接続されている。
第1のヒーター配線11a及び11bにおける配線幅は350μmであり、第2のヒーター配線12における配線幅は175μmであり、第3のヒーター配線13における配線幅は225μmとなるように形成されている。また、ヒーター基板150には、アルカリ金属セルにヒーター基板150を貼り付ける際に、位置合せを容易に行なうことができるように、位置合せマーカー153が設けられている。尚、ヒーター基板150において、第1のヒーター配線11a及び11b、第2のヒーター配線12及び第3のヒーター配線13が設けられている面と反対側の面には、不図示の接着層が形成されておりアルカリ金属セル100に接着させることができる。
次に、図13に示すように、アルカリ金属セル100に、ヒーター基板150を貼り付ける。具体的には、大きさが8mm×5mmのアルカリ金属セル100に、ヒーター基板150の裏面を貼り付ける。更に、ヒーター基板150をアルミニウムの切削加工により作製した桝形のガスセル支持部材170に貼り付けることにより、本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットを作製することができる。
尚、図13においては、便宜上、第2の開口部112の形状が略円形の場合を示しているが、このような形状のものは、上述した製造工程において、第2の開口部112の形状を略矩形ではなく、略円形で形成することにより作製することができる。また、本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットは、ガスセル支持部材170が貼り付けられることなく、アルカリ金属セル100に、ヒーター基板150が貼り付けられているものであってもよい。
上記においては、ヒーター基板150を形成するための透明基板151としてPETフィルム基板を用いたが、ガラス基板を用いてもよい。また、アルカリ金属セル100は原料室となる第1の開口部111を切り離した構造のアルカリ金属セルにも適用することができる。
以上の工程により、本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットを作製することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットは、第1のヒーター配線が1つのものである。具体的には、第1の実施の形態においては、第1のヒーター配線は、一方の第1のヒーター配線11aと他方の第1のヒーター配線11bとを設けた構造のものである。しかしながら、図14に示す構造にすることにより、1つの第1のヒーター配線11にすることも可能である。
具体的には、円形状の第1のヒーター配線11の内側に第2のヒーター配線12を設け、外側に第3のヒーター配線13を設けた構造のものである。第1のヒーター配線11の一方の端部は、第1の電極端子21と接続されており、第1のヒーター配線11の他方の端部は、第1のヒーター接続部31aを介し、第2のヒーター配線12の一方の端部及び第3のヒーター配線13の一方の端部と接続されている。第2のヒーター配線12の他方の端部及び第3のヒーター配線13の他方の端部は、第2のヒーター接続部32aにおいて接続されており、さらに第2の電極端子22と接続されている。
第1の電極端子21と第1の電極端子21とが接続される接続配線41aと、第3のヒーター配線13とが交差する交差部50aには、第3のヒーター配線13の上に、不図示の絶縁膜が設けられている。よって、第1のヒーター配線11と第1の電極端子21とが接続される接続配線41aは、第3のヒーター配線13の上に設けられた不図示の絶縁膜の上に形成されている。
本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットに設けられたヒーターにおいて、不図示の電源の正極に、第1の電極端子21を接続し、負極に、第2の電極端子22を接続した場合について考える。この場合、第1の電極端子21より第1のヒーター配線11を時計回りに、電流Iが略1周流れ、第1のヒーター接続部31aにおいて、電流Iは第2のヒーター配線12に流れる電流Iと第3のヒーター配線13に流れる電流Iとに分岐される。第2のヒーター配線12では、電流Iが反時計回りに略1周流れ、第3のヒーター配線13では、電流Iが反時計回りに略1周流れ、第2のヒーター接続部32aにおいて、電流Iと電流Iとが合流し、電流Iとなり、第2の電極端子22に流れる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットは、図4に示されるヒーター基板と同様のヒーター基板を2枚設け、積層した構造のものであって、各々のヒーター基板に流れる電流の向きを逆にしたものである。具体的には、図15及び図16に示されるように、アルカリ金属セル100の一方の面の上において、第2のヒーター基板150bと第1のヒーター基板150aを順に積層した構造のものである。尚、図16は、上下に配置される第1のヒーター基板150a及び第2のヒーター基板150bを説明の便宜上、平面上に記載したものである。
本実施の形態においては、第1のヒーター基板150aと第2のヒーター基板150bとは電流の流れる方向が逆方向である。即ち、不図示の電源の正極に、第1のヒーター基板150aにおける第1の電極端子21及び第2のヒーター基板150bにおける第2の電極端子22が接続されている。また、不図示の電源の負極に、第1のヒーター基板150aにおける第2の電極端子22及び第2のヒーター基板150bにおける第1の電極端子21が接続されている。
具体的には、第1のヒーター基板150aにおいては、電流は、第1の電極端子21から、一方の第1のヒーター配線11a、第2のヒーター配線12及び第3のヒーター配線13、他方の第1のヒーター配線11bの順に、第2の電極端子22に流れる。また、第2のヒーター基板150bにおいては、電流は、第2の電極端子22から、他方の第1のヒーター配線11b、第2のヒーター配線12及び第3のヒーター配線13、一方の第1のヒーター配線11aの順に、第1の電極端子21に流れる。よって、第1のヒーター基板150aに流れる電流の向きと、第2のヒーター基板150bに流れる電流の向きとは逆向きになる。このため、第1のヒーター基板150aと第2のヒーター基板150bとを積層した場合には、図15に示されるように、電流が流れることにより生じる磁界は、上下方向においても相殺されるため、より一層磁界の発生を抑制することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットは、図4に示されるヒーター基板と同様のヒーター基板を2枚設け、アルカリ金属セル100の両面に、各々設置した構造ものであって、各々のヒーター基板に流れる電流の向きを逆にしたものである。具体的には、図17に示されるように、アルカリ金属セル100の一方の面に第1のヒーター基板150aを設置し、他方の面に第2のヒーター基板150bを設置した構造のものである。本実施の形態においては、第1のヒーター基板150aと第2のヒーター基板150bとは電流の流れる方向が逆方向である。このような構造のアルカリ金属セルユニットにおいても、第3の実施の形態と同様に、電流が流れることにより生じる磁界は、上下方向においても相殺されるため、より一層磁界の発生を抑制することができる。尚、上記以外の内容については、第3の実施の形態と同様である。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるアルカリ金属セルユニットは、図4に示されるヒーター基板と同様のヒーター基板を4枚設け、アルカリ金属セル100の両面に、2枚ずつ設置した構造ものであって、各々のヒーター基板に流れる電流の向きを逆にしたものである。即ち、図18に示されるように、第3の実施の形態における第1のヒーター基板150aと第2のヒーター基板150bを積層したものに相当するものをアルカリ金属セル100の両面に、各々設置した構造のものである。
具体的には、アルカリ金属セル100の一方の面に、第1のヒーター基板150aと第2のヒーター基板150bとが積層されたものを配置し、他方の面に、第3のヒーター基板150cと第4のヒーター基板150dとが積層されたものを配置した構造のものである。本実施の形態においては、第1のヒーター基板150aと第2のヒーター基板150bとは電流の流れる方向が逆方向であり、第3のヒーター基板150cと第4のヒーター基板150dとは電流の流れる方向が逆方向である。
より詳細に説明すると、第3のヒーター基板150cにおいては、電流は第1のヒーター基板150aと同様に流れ、第4のヒーター基板150dにおいては、電流は第2のヒーター基板150bと同様に流れる。よって、第3のヒーター基板150cに流れる電流の向きと、第4のヒーター基板150dに流れる電流の向きとは逆向きになる。このため、第3のヒーター基板150cと第4のヒーター基板150dとを積層した場合には、図18に示されるように、電流が流れることにより生じる磁界は、上下方向においても相殺される。また、上述したように、第1のヒーター基板150aに流れる電流の向きと、第2のヒーター基板150bに流れる電流の向きとは逆向きになる。このため、第1のヒーター基板150aと第2のヒーター基板150bとを積層した場合には、電流が流れることにより生じる磁界は、上下方向においても相殺される。よって、更に一層磁界の発生を抑制することができる。尚、上記以外の内容については、第3の実施の形態と同様である。
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1から第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルを用いた原子発振器である。図19に基づき本実施の形態における原子発振器について説明する。本実施の形態における原子発振器は、CPT方式の小型原子発振器であり、光源410、コリメートレンズ420、λ/4板430、アルカリ金属セル440、光検出器450、変調器460を有している。この原子発振器は、光源410より出射されたサイドバンドを含む光のうち、2つの異なる波長の光をアルカリ金属セル440に入射させることにより、2種類の共鳴光による量子干渉効果による光吸収特性により発振周波数を制御するものである。
光源410は、面発光レーザ素子が用いられている。アルカリ金属セル440には、アルカリ金属としてCs(セシウム)原子ガスが封入されており、D1ラインの遷移を用いるものである。光検出器450は、フォトダイオードが用いられている。
本実施の形態における原子発振器では、光源410より出射された光をセシウム原子ガスが封入されたアルカリ金属セル440に照射し、セシウム原子における電子を励起する。アルカリ金属セル440を透過した光は光検出器450において検出され、光検出器450において検出された信号は変調器460にフィードバックされ、変調器460により光源410における面発光レーザ素子を変調する。
図20に基づき、本実施の形態における原子発振器について説明する。本実施の形態における原子発振器は、回路基板471上に縦方向に形成されている。回路基板471上には、アルミナ基板472が設けられており、アルミナ基板472上には光源410となる面発光レーザ素子が設置されている。尚、アルミナ基板472は、光源410の温度等を制御するための面発光レーザ用ヒーター473が設けられている。光源410の上方には、ND(Neutral Density)フィルタ474が設けられている。NDフィルタ474は、ガラス等により形成された断熱スペーサ475により所定の位置に設置されている。NDフィルタ474の上部にはコリメートレンズ420が設けられており、コリメータレンズの上方には、λ/4板430が設けられている。λ/4板430はシリコン等により形成されたスペーサ476により所定の位置に設置されている。λ/4板430の上には、アルカリ金属セル440が設けられている。アルカリ金属セル440は、2枚のガラス基板441を有しており、2枚のガラス基板441が対向している状態で、縁の部分がシリコン基板442により接続されており、ガラス基板441とシリコン基板442に囲まれた部分には、アルカリ金属が封入されている。尚、アルカリ金属セル440において、レーザ光が透過する面がガラス基板441により形成されている。アルカリ金属セル440の両側には、セル用ヒーター477が設けられており、アルカリ金属セル440を所定の温度に設定することができる。アルカリ金属セル440の上方には、光検出器450が設けられており、光検出器450はシリコンからなるスペーサ478により所定の位置に設置されている。
次に、図21に、CPTに関連する原子エネルギー準位の構造を示す。二つの基底準位から励起準位に電子が同時に励起されると光の吸収率が低下することを利用する。面発光レーザは搬送波波長が894.6nmに近い素子を用いている。搬送波の波長は面発光レーザの温度、もしくは出力を変化させてチューニングすることができる。図22に示すように、変調をかけることで搬送波の両側にサイドバンドが発生し、その周波数差がCs原子の固有振動数である9.2GHzに一致するように4.6GHzで変調させている。図23に示すように、励起されたCsガスを通過するレーザ光はサイドバンド周波数差がCs原子の固有周波数差に一致した時に最大となる。よって、光検出器450の出力が最大値を保持するように変調器460においてフィードバックして光源410における面発光レーザ素子の変調周波数を調整する。原子の固有振動数が極めて安定なので変調周波数は安定した値となり、この情報がアウトプットとして取り出される。尚、波長が894.6nmの場合では、±1nmの範囲の波長が必要となる。
尚、本実施の形態における原子発振器においては、アルカリ金属セル440には、第1から第5の実施の形態におけるアルカリ金属セルのいずれかが用いられている。また、本実施の形態における原子発振器のアルカリ金属セル440において、シリコン基板442は、第1の実施の形態等におけるSi基板110に相当するものである。ガラス基板441は、第1の実施の形態等における第1のガラス基板121及び第2のガラス基板122に相当するものである。セル用ヒーター477は、ヒーター基板150等に相当するものである。
また、本実施の形態においては、アルカリ金属としてCsを用い、そのD1ラインの遷移を用いるために波長が894.6nmの面発光レーザを用いたが、CsのD2ラインを利用する場合852.3nmを用いることもできる。また、アルカリ金属としてRb(ルビジウム)を用いることもでき、D1ラインを利用する場合は795.0nm、D2ラインを利用する場合は780.2nmを用いることができる。また、Rbを用いる場合の変調周波数は、87Rbでは3.4GHz、85Rbでは1.5GHzで変調させる。尚、これらの波長においても、±1nmの範囲の波長が必要となる。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
11a 第1のヒーター配線(一方の第1のヒーター配線)
11b 第1のヒーター配線(他方の第1のヒーター配線)
12 第2のヒーター配線
13 第3のヒーター配線
21 第1の電極端子
22 第2の電極端子
31 第1のヒーター接続部
32 第2のヒーター接続部
41 接続配線
42 接続配線
50 交差部
110 Si基板
111 第1の開口部(一の開口部)
112 第2の開口部(他の開口部)
113 溝部
121 第1のガラス基板
122 第2のガラス基板
130 アルカリ金属原料
131 気体のアルカリ金属
140 接合金属材料
150 ヒーター基板
151 透明基板
152 絶縁膜
170 ガスセル支持部材
410 光源
420 コリメートレンズ
430 λ/4板
440 アルカリ金属セル
450 光検出器
460 変調器
米国特許第6806784号明細書 米国特許出願公開第2005/0007118号明細書 特開2009−212416号公報 特開2009−283526号公報 特開2012−191138号公報 特開2010−71973号公報
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Claims (10)

  1. アルカリ金属が封入されているアルカリ金属セルを加熱するヒーター基板であって、
    前記ヒーター基板には、アルカリ金属が封入されているアルカリ金属封入部の周囲となる領域に、第1のヒーター配線、第2のヒーター配線、第3のヒーター配線が設けられており、
    前記第1のヒーター配線は、前記第2のヒーター配線と前記第3のヒーター配線との間に設けられており、
    前記第2のヒーター配線は、前記アルカリ金属封入部と前記第1のヒーター配線との間に設けられており、
    前記第1のヒーター配線に流れる電流は、前記第2のヒーター配線に流れる電流と、前記第3のヒーター配線に流れる電流に分岐されており、
    前記第1のヒーター配線に流れる電流の向きと、前記第2のヒーター配線及び前記第3のヒーター配線に流れる電流の向きは、互いに逆方向であることを特徴とするヒーター基板。
  2. 前記第2のヒーター配線に流れる電流は、前記第1のヒーター配線に流れる電流よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載のヒーター基板。
  3. 請求項1または2に記載のヒーター基板と、前記アルカリ金属セルと、を有するアルカリ金属セルユニットにおいて、
    前記アルカリ金属セルは、
    一方の面から他方の面に貫通する開口部が形成された基板と、
    前記基板の他方の面に接合された第1の透明基板と、
    前記基板の一方の面に接合された第2の透明基板と、
    を有し、前記基板の開口部において、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とにより囲まれた空間に、アルカリ金属を封入することにより、前記アルカリ金属封入部が形成されるものであって、
    前記ヒーター基板は、前記第1の透明基板、または、前記第2の透明基板の側に設置されていることを特徴とするアルカリ金属セルユニット。
  4. 前記ヒーター基板は2つ設けられており、
    前記2つのヒーター基板のうちの一方のヒーター基板は、前記第1の透明基板、または、前記第2の透明基板の側に設置されており、
    前記2つのヒーター基板のうちの他方のヒーター基板は、前記一方のヒーター基板の上に設置されており、
    前記一方のヒーター基板と前記他方のヒーター基板とは、電流の流れる向きが逆であることを特徴とする請求項3に記載のアルカリ金属セルユニット。
  5. 前記ヒーター基板は2つ設けられており、
    前記2つのヒーター基板のうちの一方のヒーター基板は、前記第1の透明基板の側に設置されており、
    前記2つのヒーター基板のうちの他方のヒーター基板は、前記第2の透明基板の側に設置されていることを特徴とする請求項3に記載のアルカリ金属セルユニット。
  6. 前記第1のヒーター配線の中心と前記第2のヒーター配線の中心との間隔は、前記第1のヒーター配線の中心と前記第3のヒーター配線の中心との間隔と略同じであって、
    前記第2のヒーター配線に流れる電流は、前記第3のヒーター配線に流れる電流よりも少ないことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載のアルカリ金属セルユニット。
  7. 前記第2のヒーター配線における配線幅は、前記第3のヒーター配線における配線幅よりも狭いことを特徴とする請求項6に記載のアルカリ金属セルユニット。
  8. 前記第1のヒーター配線の中心と前記第2のヒーター配線の中心との間隔は、前記第1のヒーター配線の中心と前記第3のヒーター配線の中心との間隔よりも広いことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載のアルカリ金属セルユニット。
  9. 前記基板、前記第1の透明基板及び前記第2の透明基板の周囲を囲むガスセル支持部材を有し、
    前記ヒーター基板は、前記ガスセル支持部材に接触していることを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載のアルカリ金属セルユニット。
  10. 請求項3から9のいずれかに記載のアルカリ金属セルユニットと、
    前記アルカリ金属セルユニットにおける前記アルカリ金属封入部にレーザ光を照射する光源と、
    前記光源より前記アルカリ金属セルユニットにおける前記アルカリ金属封入部に照射されたレーザ光のうち、前記アルカリ金属セルユニットにおける前記アルカリ金属封入部を透過した光を検出する光検出器と、
    を有することを特徴とする原子発振器。
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