JP6307834B2 - ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置 - Google Patents

ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6307834B2
JP6307834B2 JP2013222249A JP2013222249A JP6307834B2 JP 6307834 B2 JP6307834 B2 JP 6307834B2 JP 2013222249 A JP2013222249 A JP 2013222249A JP 2013222249 A JP2013222249 A JP 2013222249A JP 6307834 B2 JP6307834 B2 JP 6307834B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
lens group
zoom lens
group
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013222249A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015084030A (ja
Inventor
大橋 和泰
和泰 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2013222249A priority Critical patent/JP6307834B2/ja
Priority to US14/516,942 priority patent/US9470881B2/en
Priority to EP14190132.2A priority patent/EP2866069B1/en
Publication of JP2015084030A publication Critical patent/JP2015084030A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6307834B2 publication Critical patent/JP6307834B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Lenses (AREA)

Description

本発明は、テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、監視用途に用いられるズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置に関する。
物体側から像面側に向かって正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群が配設され、変倍に際して、第2レンズ群は広角端において最も物体側に位置し、第3レンズ群は望遠端において最も像面側に位置するように第2レンズ群、第3レンズ群を移動させるズームレンズが知られている(特許文献1参照)。
また、この種のタイプのズームレンズとして、第1レンズ群に回折光学素子を含むものも知られている(特許文献2参照)。
更に、この種のタイプのズームレンズにおいて、回折光学素子は設けられていないが、近赤外域までの色収差補正を行っているものも知られている(特許文献3参照)。
テレビカメラ用のズームレンズには各種のタイプのズームレンズが考えられている。例えば、高変倍化に適したものとして、物体側から像側へ正の焦点距離を持つ第1レンズ群、負の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群を配設し、変倍に際して、第2レンズ群と第3レンズ群とを移動させるものが知られている。
このタイプのズームレンズでは、第2レンズ群が変倍を行うためのバリエータ、第3レンズ群が変倍に伴う像面位置の変動を補正するためのコンペンセータという役割分担をするものが多い。しかしながら、小型化と高変倍化を両立させるため、第3レンズ群にも変倍作用の一部を負担させるものもある。
その特許文献1では、第3レンズ群にも変倍作用の一部を負担させているが、変倍比が20倍未満にとどまっている。
監視用途のテレビカメラにおいては、波長900nm程度以下の近赤外域まで感度を持った撮像がなされることがある。例えば、十分な光量のある昼間は近赤外光をカットして可視光のみで正確なカラー画像を取得し、悪天候時や薄暮・黎明時には可視域から近赤外域までの光を全て透過させて光量を稼ぎ、夜間は可視光をカットして波長850nm程度の赤外線を投光・照明するといったような運用がなされる。
よって、撮影レンズとして用いるズームレンズには、可視域のみならず近赤外域まで色収差が補正されていることが要求される。近赤外域までの色収差補正がなされていない場合、可視光と近赤外光との切り替えに際してフォーカスを合わせ直す必要が生じたり、可視域から近赤外域までの光を全て透過させて使用する場合に十分な解像力が得られなくなったりするからである。
このタイプのズームレンズにおいて、色収差を良好に補正するためには、望遠側で軸上マージナル光線高さが大きくなる第1レンズ群、広角側で軸上マージナル光線高さが大きくなる第4レンズ群にそれぞれFPL51(株式会社オハラ製の商品名)やFPL53(株式会社オハラ製の商品名)に代表される特殊低分散ガラスを使用することが一般に行われる。また、第1レンズ群に回折光学素子を設け、回折光学素子が有する負の分散を用いて色収差を補正する提案もなされている。
特許文献2では、第1レンズ群に回折光学素子を用いて色収差の補正を行っているが、変倍比が25倍を超えるものは望遠端における望遠比(焦点距離に対するレンズ全長の比)が1.0前後と大きく、小型化が十分に図れていない。
特許文献3では、第1レンズ群、第4レンズ群に特殊低分散ガラスを使用して、近赤外域までの収差補正を行っているが、変倍比が22倍程度と25倍よりも小さい。
ところで、テレビカメラやビデオカメラには、ユーザから多岐にわたる要望がある。なかでも、高画質化と小型化は常にユーザが要望するところであり、そのウエイトが大きい。よって、ズームレンズにも、高性能化と小型化の両立が求められている。さらに、変倍比についてもなるべく大きなものが望まれている。
本発明の目的は、収差補正が良好で小型のズームレンズを提供することにある。
本発明の請求項1に記載のズームレンズは、物体側から像面側に向かって、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群が配設され、変倍に際して、第2レンズ群は広角端において最も物体側に位置し、第3レンズ群は望遠端において最も像面側に位置するように、第2レンズ群・第3レンズ群を移動させるズームレンズにおいて、以下の条件式を満足し、第1レンズ群が物体側から順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズ、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズの5枚で構成され、回折光学素子を含まないことを特徴とする。
ただし、m2wは広角端における第2群の倍率、m2Tは望遠端における第2群の倍率、m3w
広角端における第3群の倍率、m3Tは望遠端における第3群の倍率、ν 1GP は第1レンズ群に含まれる正レンズの材料のアッベ数の平均値を表す。
本発明によれば、収差補正が良好で小型のズームレンズを提供できる。
図1は数値例1のズームレンズの構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。 図2は数値例2のズームレンズの構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。 図3は数値例3のズームレンズの構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。 図4は数値例4のズームレンズの構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。 図5は数値例5のズームレンズの構成を示す断面図であり、(a)は広角端において第2レンズ群が最も物体側に接近している状態を示し、(c)は望遠端において第3レンズ群が最も像面側に接近している状態を示し、(b)はズームレンズが中間焦点距離にある状態を示す。 図6は数値例1のズームレンズの広角端における収差曲線図である。 図7は数値例1のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。 図8は数値例1のズームレンズの望遠端における収差曲線図である。 図9は数値例2のズームレンズの広角端における収差曲線図である。 図10は数値例2のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。 図11は数値例2のズームレンズの望遠端における収差曲線図である。 図12は数値例3のズームレンズの広角端における収差曲線図である。 図13は数値例3のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。 図14は数値例3のズームレンズの望遠端における収差曲線図である。 図15は数値例4のズームレンズの広角端における収差曲線図である。 図16は数値例4のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。 図17は数値例4のズームレンズの望遠端における収差曲線図である。 図18は数値例5のズームレンズの広角端における収差曲線図である。 図19は数値例5のズームレンズの中間焦点距離における収差曲線図である。 図20は数値例5のズームレンズの望遠端における収差曲線図である。 図21は撮像装置としての一実施形態を模式的に示す説明図である。
以下に、本発明に係るズームレンズの実施例を図面を参照しつつ説明する。
本発明のズームレンズ1は、図1ないし図5に示すように、物体側から像面Sの側に向かって、正の屈折力を有する第1レンズ群2、負の屈折力を有する第2レンズ群3、負の屈折力を有する第3レンズ群4、正の屈折力を有する第4レンズ群5からなる。
第1レンズ群2は、例えば、数値例1ないし数値例4に対応する図1ないし図4に示すように、レンズL1とレンズL2とレンズL3との三枚のレンズから構成されている。第2レンズ群3は、例えば、レンズL6とレンズL7とレンズL8との三枚のレンズから構成されている。
第3レンズ群4は、例えば、レンズL9と、レンズL10との二枚のレンズから構成されている。第4レンズ群5は、例えば、レンズL11と、レンズL12と、レンズL13と、レンズL14と、レンズL15と、レンズL16との六枚のレンズから構成されている。
その第3レンズ群4と第4レンズ群5との間には、第4レンズ群5のレンズL11の直前方に平行平板FP2が配設されている。この平行平板FP2は、光量調整用のNDフィルタを想定している。
その平行平板FP2とレンズL11との間には絞りSBが設けられている。第4レンズ群5の像面Sの側に平行平板FP1が配設されている。この平行平板FP1は、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、CCDセンサ等の撮像素子のカバーガラス(シールガラス)を想定している。
正・負・負・正の4レンズ群で構成されるズームレンズ1は、一般に、第2レンズ群3が主要な変倍作用を負担するいわゆるバリエータとして構成され、第3レンズ群4にも変倍作用を分担させることができ、高変倍化に適している。
この実施例では、図1(a)〜図5(a)に示すように、第2レンズ群3が広角端において最も物体側に位置し、図1(c)〜図5(c)に示すように、第3レンズ群4が望遠端において最も像面側に位置するように、第2レンズ群3、第3レンズ群4を移動させることによって、第3レンズ群4が十分な変倍作用を有するようにしている。
広角端から望遠端への変倍に際して、図1(a)〜図5(a)から図1(b)〜図5(b)に示すように、第2レンズ群3と第3レンズ群4との間隔は一旦小さくなり、変倍の中間域で極値をとる。その後、図1(c)〜図5(c)に示すように、第2レンズ群3と第3レンズ群4との間隔は再び大きくなる。
第2レンズ群3と第3レンズ群4とは変倍作用を負担するバリエータとして一体的であり、互いの間隔を変えることによって、像面位置の補償、いわゆるコンペンセータとしての機能を果たしている。
更に、この実施例のズームレンズ1では、以下の条件式を満足する構成とされている。
ただし、m2Wは広角端における第2レンズ群3の倍率,m2Tは望遠端における第2レンズ群3の倍率、m3Wは広角端における第3レンズ群4の倍率,m3Tは望遠端における第3レンズ群4の倍率を示している。
m2T / m2Wおよびm3T / m3Wが共に負であるという意味は、言い換えると、広角端から望遠端への変倍の途中に、第3レンズ群4の倍率が「0」となる状態を含むという意味である。
また、第3レンズ群4の倍率が「0」となる状態とは、第1レンズ群2と第2レンズ群3との合成の屈折力が「0」となる状態であり、これを境として、第2レンズ群3・第3レンズ群4の倍率の符号が逆転する(第3レンズ群4の倍率が「0」となるとき、第2レンズ群3の倍率は無限大となる。)。
この状態を含むように、ズームレンズ1を構成することにより、第2レンズ群3・第3レンズ群4の変倍への寄与をバランスさせ、良好な収差補正を実現することが可能となる。
さらに、その第2レンズ群3・第3レンズ群4の変倍への寄与を、( m3T / m3W ) / ( m2T / m2W ) が所定の範囲に入るようにコントロールすることにより,十分な高変倍化を達成しながら、大幅な小型化を実現することができる。
( m3T / m3W ) / ( m2T / m2W ) が0.8以下であると,第3レンズ群4の変倍への寄与が小さくなりすぎ、( m3T / m3W ) / ( m2T / m2W )が3.0以上であると、第2レンズ群3の変倍への寄与が小さくなりすぎて、いずれの場合も各種の単色収差の補正に困難が生じ、高変倍化と小型化の両立が困難となる。
さらに望ましくは、以下の条件式を満足する構成とするのが良い。
ズームレンズ1をより高変倍に適したものとするためには、さらに、以下の条件式を満足する構成とするのが望ましい。
ただし、D34Wは広角端における第3レンズ群4と第4レンズ群5との間隔、D34Tは望遠端における第3レンズ群4と第4レンズ群5との間隔、fwをは広角端における全系の焦点距離を示す。
( D34W - D34T ) / fw が2.5以下であると、第3レンズ群4の変倍への寄与が小さくなりやすく、( D34W - D34T ) / fw が6.0以上であると第2レンズ群3の変倍への寄与が小さくなりやすく、いずれにせよ、収差補正に無理が生じる場合がある。
また、この実施例のズームレンズ1においては、望遠域の開放Fナンバが、第4レンズ群5の物体側近傍に設けた開口絞りSBではなく、第1レンズ群2の有効径で規制されるように構成することができるが、その場合、( D34W - D34T ) / fw が2.5より大きいことは、第3レンズ群4の有効径を小さくする効果があり、これも収差補正に有利に機能する。
この実施例のズームレンズ1においては、また、主要な結像作用を負担する第4レンズ群5の配置に関して、以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし、L4は第4レンズ群5の最も物体側の面(面番号19)から最も像側の面(面番号28)までの光軸に沿った距離、T4F-Iは第4レンズ群5の最も物体側の面(面番号28)から像面Sまでの光軸に沿った距離であり、第4レンズ群5より像面側に屈折力を有さない光学素子が含まれる場合、それが存在しないと仮定した空気換算長を示す。
L4 / T4F-I が0.2以下であると、第4レンズ群5の構成に関する自由度が阻害され、各種の収差補正(球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差の補正)が困難となる場合がある。一方、L4 / T4F-I が0.5以上であると、第4レンズ群5と像面Sとの間に十分な空間が確保できず、赤外光カットフィルタ・可視光カットフィルタ等の切替機構をズームレンズ1内に配設するのに支障をきたしたり、第4レンズ群5内の各面やフィルタの反射によるゴーストが発生しやすくなったりして、好ましくない。
なお、以下の条件式を満足するのが更に望ましい。
実施例のズームレンズ1において、第1レンズ群2に含まれる正レンズは、以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし,ν1GPは第1レンズ群2に含まれる正レンズの材料のアッベ数の平均値を示す。
高変倍化、特に、望遠端の焦点距離を長くしようとすると、望遠側における軸上色収差の二次スペクトルの補正が困難となる。可視領域のみならず、近赤外域まで補正をしようとすると、より補正が困難となる。
よって、望遠側で軸上マージナル光線高さが大きくなる第1レンズ群2には、分散の小さな正レンズを用いるのが望ましい。
ν1GPが75以下であると、望遠域の色収差補正が不十分になりやすい。その一方、ν1GPが96以上の材料は存在しないか、存在したとしても非常に特殊かつ高価であり、現実的には使用できない。
なお、第1レンズ群2に回折光学素子を設けるなど、他の色収差補正手段を併用する場合でも、近赤外域までの色収差補正が必要な場合には、本条件式を満足するのが良い。
なお、さらに望ましくは、以下の条件式を満足するのが良い。
この実施例の数値例1ないし数値例4に対応する図1ないし図4に示す実施例では、第1レンズ群2の各レンズL1ないしL3は、物体側から順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズL3から構成され、回折光学素子RFを含んでいる。
第1レンズ群2に回折光学素子RFを含む構成とすることにより、近赤外域を含む望遠域の色収差補正を十分に行った場合でも、レンズ径の大きな第1レンズ群2の構成枚数を3枚に抑えることができ、軽量化が可能となる。
第1レンズ群2に回折光学素子RFを設ける場合、以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし,fTは望遠端における全系の焦点距離,fDOEは回折光学素子RFの回折部の焦点距離を示す。
fT / fDOEが、0.01以下となる程度に、回折光学素子RFの屈折力が弱いと、望遠域における色収差補正を十分に行うことが難しくなる。その一方、fT / fDOEが0.05以上となる程度に回折光学素子RFの屈折力が強いと、望遠側における色収差の補正が過剰となって、これも好ましくない。
第1レンズ群2は、数値例5に対応する図5に示すように、物体側から順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズL1’、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズL2’、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズL3’、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズL4’、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズL5’の5枚の構成とすることもできる。
この場合、第1レンズ群2に回折光学素子RFは不要となる。この場合、回折光学素子RFの波長依存性に起因する不要な高次回折光、回折光学素子RFの構造に起因するフレア等を考慮する必要がなくなるというメリットがある。
このズームレンズ1においては、第4レンズ群5は物体側から順に配設された6枚のレンズL11ないしL16から構成されているが、少なくとも3枚の正レンズを有していれば良く、以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし、ν4GPは少なくとも3枚の正レンズのアッベ数の平均値を示す。
第4レンズ群5をこのように構成することにより、特に変倍範囲の広角域において、可視域から近赤外域までの色収差をさらに良好に補正することが可能となる。
第2レンズ群3は、この実施例では、3枚であるが、3枚以下のレンズにより構成されることが望ましい。
この実施例のズームレンズ1においては、第2レンズ群3と第3レンズ群4とにバリエータ・コンペンセータという区別なく、総合的に変倍と収差補正を行うため、第2レンズ群3を3枚以下のレンズで構成し、第2レンズ群3単独での収差補正能力が比較的低い構成でも、十分な結像性能の確保が可能である。
この各数値例に対応する図1ないし図5に示す第2レンズ群3のレンズL6、L7、L8は、物体側から順に負レンズ・正レンズ・負レンズの3枚構成とされている。
また、変倍に際し、第1レンズ群2と第4レンズ群5は像面Sに対して固定されていることが望ましい。
テレビカメラ・ビデオカメラ用のズームレンズ1としては、全長が一定で変倍に際して重量バランスが変化しないことが望まれている。このため、第1レンズ群2と第4レンズ群5を移動させない構成とすることによって、それを具現化することができる。
また、移動レンズ群が少ないことは機構面でも有利であり、部品点数の低減や軽量化、信頼性の向上につながる。
各レンズ群の屈折力は、それぞれ以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし、f1は第1レンズ群2の焦点距離、f2は第2レンズ群3の焦点距離、f3は第3レンズ群4の焦点距離、f4は第4レンズ群5の焦点距離,fwは広角端における全系の焦点距離を示す。
各レンズ群の屈折力を条件式の範囲に収めることにより、25倍を超える変倍比を有し、望遠端の半画角が0.5度程度となるようなズームレンズ1により適したものとなる。
第1レンズ群2に含まれる正レンズのうちの少なくとも1枚、および、第4レンズ群5に含まれる正レンズのうちの少なくとも1枚は以下の条件式を満足することが望ましい。
ただし、νdはその正レンズを構成する材料のアッベ数、θC,A'はその正レンズを構成する材料の部分分散比を示す。
ここで、θC,A' = ( nC - nA' ) / ( nF - nC ) であり、nF,nC,nA'は、それぞれ、その負レンズを構成する材料のF線,C線,A'線に対する屈折率である。
第1レンズ群2・第4レンズ群5のそれぞれに上記条件式を満足する正レンズを設けることにより、広角端から望遠端に至る変倍の全域にわたって近赤外域を含む色収差を良好に補正することが可能となる。
この実施例のズームレンズ1において、有限距離へのフォーカシングは各種の方法が考えられる。最も簡単な構成は、第1レンズ群2を移動させることによって行うものである。
以下に、このズームレンズ1の具体的な数値例を示す。なお、最大像高y’は、数値例1、数値例2、数値例4、数値例5においては、4.0mm,数値例3においては、4.5mmである。
各レンズの材質は,数値例1〜数値例4において,第1レンズ群2が有する回折部に樹脂が使用されている他は全て光学ガラスである。この光学ガラスには株式会社オハラ製の製品を使用しており、数値例にはガラス材料名を記載している。
数値例1ないし数値例5の収差は十分に補正されており、200万画素以上の撮像素子への対応が可能となっている。この実施例のように、ズームレンズ1を構成することにより、25倍を超える変倍比と十分な小型化を達成しながら、非常に良好な結像性能を確保し得ることは実施例より明らかである。
数値例1ないし数値例5における記号の意味は以下の通りである。
f :全系の焦点距離
F :Fナンバ
ω :半画角
r :曲率半径
d :面間隔
nd :屈折率
νd :アッベ数
θC,A' :部分分散比:(nC-nA')/(nF-nC
C2 :位相関数の2次係数
C4 :位相関数の4次係数
K :非球面の円錐定数
A4 :非球面式の4次係数
A6 :非球面式の6次係数
A8 :非球面式の8次係数
ただし、ここで用いられる回折面は、基準波長をλ、光軸からの高さをhとして、以下の位相関数で表される。なお、結像光には1次回折光を使用し、回折部の屈折力は-2・C2である。
また、ここで用いられる非球面は、近軸曲率半径をR、光軸からの高さをHとして、以下の非球面式で表される。
球面収差の図中の破線は正弦条件を示す。
非点収差の図中の実線はサジタル収差、破線はメリディオナル収差を示す。
(数値例1)
第3面は面番号3を意味する。
(数値例2)
(数値例3)
(数値例4)
第19面は面番号19を意味する。
(数値例5)
次に、このズームレンズ1を適用した撮像装置10を図21を参照しつつ説明する。
撮像装置10は撮影レンズ11と撮像素子16(例えば、エリアセンサ)を有する。この撮影レンズ11には、既述のズームレンズ1を用いることができる。撮影レンズ11は、フォカース制御部12によってフォーカス制御される。すなわち、このフォーカス制御部12によって合焦動作が実行される。
また、ズームレンズ制御部13によって、ズーム制御される。つまり、ズーム制御部13によって変倍動作がなされる。絞り部材SBは絞り制御部14’によって制御され、平行平面板FP2等のフィルタはフィルタ制御部14によって撮影光路に挿脱される。絞り制御部14’は開口絞りSBの径を変えて、Fナンバをコントロールする役割を果たす。フィルタ制御部14は、例えば、赤外光カットフィルタ・可視光カットフィルタ等の切替を行う役割を有する。
その撮影レンズ11によって撮像素子16の像面Sに被写体像が形成される。その撮像素子16は、像面Sに形成された被写体像を光電変換して、画像信号として信号処理部17に向けて出力する。
その信号処理部17は画像信号を処理して、デジタル情報に変換する。その信号処理部17によってデジタル化された画像情報は、図示を略す画像処理部において所定の画像処理を受け、図示を略す半導体メモリ等に記録されたり、図示を略す通信手段によって外部へ伝送される。
また、図示を略すモニタに撮影中の画像を表示することもあるし、半導体メモリ等に記録されている画像をモニタに表示することもできる。
以上に説明した撮像装置10によれば、数値例1〜数値例5のズームレンズ1を撮影レンズ11として使用できるので、可視域から近赤外域までのシームレスな撮像に対応し、200万画素以上の撮像素子16を使用した小型で高画質の撮像装置10を実現できる。
この実施例の効果をまとめると、25倍を超える変倍比を有するが、構成枚数が少なく、軽量で、望遠端における望遠比(焦点距離に対するレンズ全長の比)が0.60未満と小型であり、200万画素以上の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズ1を提供することができる。このため、高変倍かつ十分に小型・軽量で、高画質の撮像装置を実現することが可能となる。
また、この実施例によれば、特に望遠域の色収差をより良好に補正した高性能なズームレンズ1を提供することができる。このため、監視用途として特に重要な望遠域において、さらに画質低下が少なく、かつ、使い勝手に優れた高画質の撮像装置を提供することができる。
また、この実施例によれば、変倍全域における色収差をよりバランス良く補正した高性能なズームレンズ1を提供することができる。このため、さらに高画質で使用時のストレスがない撮像装置を実現することができる。
更に、この実施例によれば,第3レンズ群4の収差補正への寄与をコントロールし、より高性能化・小型化に適したズームレンズ1を提供することができる。このため、画面全体にわたって高い解像度を有する小型の撮像装置を提供することができる。
更に、変倍に際して第2レンズ群3・第3レンズ群4の役割を適切なものとし、より小型化・高変倍化に適したズームレンズ1を提供することができる。このため、十分に高変倍で小型の撮像装置を提供することができる。
また、像面Sに対して第4レンズ群5を適切に配置し,十分なバックフォーカスを確保しながら、より高性能化の可能なズームレンズ1を提供することができる。このため、フィルタ切替機構等の配置に無理のない高画質の撮像装置を提供することができる。
加えて、各レンズ群の適切な構成例を示し、ズームレンズ1をより具現化することができるため、高変倍かつ小型・軽量で、可視域から近赤外域に至るまでピント変動や画質低下を抑えた高画質の撮像装置をより確実に実現することができる。
変倍に際して可動レンズ群を限定し、全長変化がなく重量バランスも崩れにくい操作性に優れた高性能なズームレンズ1を提供することができる。このため、使い勝手が良く、信頼性も高い撮像装置を実現することができる。
また、25倍を超える変倍比を有するが、構成枚数が少なく、軽量で、望遠端における望遠比(焦点距離に対するレンズ全長の比)が0.60未満と小型であり、200万画素以上の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用した小型で高画質の撮像装置を提供することができる。このため、ユーザは可視域から近赤外域までの撮像をストレスなく行うことができる。
1…ズームレンズ
2…第1レンズ群
3…第2レンズ群
4…第3レンズ群
5…第4レンズ群
特開平10-054937号公報 特開2008-197534号公報 特開2008-241884号公報

Claims (7)

  1. 物体側から像面側に向かって、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群が配設され、変倍に際して、第2レンズ群は広角端において最も物体側に位置し、第3レンズ群は望遠端において最も像面側に位置するように、第2レンズ群・第3レンズ群を移動させるズームレンズにおいて、以下の条件式を満足し、
    第1レンズ群が物体側から順に、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズ、像面側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズ、物体側に像側よりも曲率半径の絶対値が小さい凸面を向けた正レンズの5枚で構成され、回折光学素子を含まないことを特徴とするズームレンズ。
    ただし、m2wは広角端における第2群の倍率、m2Tは望遠端における第2群の倍率、m3wは広角端における第3群の倍率、m3Tは望遠端における第3群の倍率、ν 1GP は第1レンズ群に含まれる正レンズの材料のアッベ数の平均値を表す。
  2. 請求項1に記載のズームレンズにおいて、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    ただし、D34Wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との間隔、D34Tは望遠端における第3レンズ群と第4レンズ群との間隔、fwは広角端における全系の焦点距離を表す。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のズームレンズにおいて、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    ただし、L4は第4レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸に沿った距離、T4F-Iは第4レンズ群の最も物体側の面から像面までの光軸に沿った距離であり、第4レンズ群より像面側に屈折力を有さない光学素子が含まれる場合、それが存在しないと仮定した空気換算長を表す。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、第4レンズ群が物体側から順に、少なくとも3枚の正レンズを有し、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    ただし、ν4GPは上記少なくとも3枚の正レンズのアッベ数の平均値を表す。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、第2レンズ群が3枚以下のレンズで構成されることを特徴とするズームレンズ。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、変倍に際し、第1レンズ群と第4レンズ群が像面に対して固定されていることを特徴とするズームレンズ。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のズームレンズを撮影用光学系として有することを特徴とする撮像装置。
JP2013222249A 2013-10-25 2013-10-25 ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置 Active JP6307834B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013222249A JP6307834B2 (ja) 2013-10-25 2013-10-25 ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置
US14/516,942 US9470881B2 (en) 2013-10-25 2014-10-17 Zoom lens and imaging device using zoom lens
EP14190132.2A EP2866069B1 (en) 2013-10-25 2014-10-23 Zoom-lens of the telephoto-type having four lens groups

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013222249A JP6307834B2 (ja) 2013-10-25 2013-10-25 ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015084030A JP2015084030A (ja) 2015-04-30
JP6307834B2 true JP6307834B2 (ja) 2018-04-11

Family

ID=53047651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013222249A Active JP6307834B2 (ja) 2013-10-25 2013-10-25 ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6307834B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6287263B2 (ja) * 2014-01-27 2018-03-07 株式会社リコー ズームレンズおよびこのズームレンズを用いた撮像装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6227712A (ja) * 1985-07-30 1987-02-05 Tokinaa Kogaku Kk 望遠ズ−ムレンズ
JPH0750252B2 (ja) * 1987-01-08 1995-05-31 コニカ株式会社 コンパクトなズ−ムレンズ
JPH03180807A (ja) * 1989-12-11 1991-08-06 Konica Corp ズームレンズ
JP3723643B2 (ja) * 1996-08-12 2005-12-07 ペンタックス株式会社 高変倍ズームレンズ系
US6046861A (en) * 1997-10-08 2000-04-04 Vari-Lite. Inc. Zoom lens system having imaging and non-imaging ranges
JP4374091B2 (ja) * 1999-05-31 2009-12-02 Hoya株式会社 ズームレンズ
JP4205879B2 (ja) * 2001-09-27 2009-01-07 Hoya株式会社 超高変倍ズームレンズ系
JP4928297B2 (ja) * 2007-02-15 2012-05-09 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP5006076B2 (ja) * 2007-03-26 2012-08-22 富士フイルム株式会社 高倍率ズームレンズおよび撮像装置
WO2014132864A1 (ja) * 2013-02-26 2014-09-04 リコーイメージング株式会社 ズームレンズ系

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015084030A (ja) 2015-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6331124B2 (ja) ズームレンズ、撮像装置および監視用ビデオカメラ
US7715121B2 (en) Optical system and optical apparatus including optical system
JP6405757B2 (ja) 遠赤外線レンズ及び遠赤外線撮像装置
JP2012027261A (ja) ズームレンズ及びそれを備えた撮像装置
JP4551669B2 (ja) ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
US9122038B2 (en) Imaging lens and imaging apparatus
US9678317B2 (en) Zoom lens and image pickup apparatus including the same
US9459434B2 (en) Zoom lens and imaging apparatus
US9726867B2 (en) Variable magnification optical system and imaging apparatus
CN112433352B (zh) 变焦镜头以及光学设备
JP2016018162A5 (ja)
JP2015082068A (ja) ズームレンズ
US8248703B2 (en) Zoom lens and optical apparatus having the zoom lens
JP6291865B2 (ja) ズームレンズおよびこのズームレンズを用いた撮像装置
US9470881B2 (en) Zoom lens and imaging device using zoom lens
US9500876B2 (en) Zoom lens unit and imaging apparatus
JP6252103B2 (ja) ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置
JP6283986B2 (ja) ズームレンズ、撮像装置および監視用ビデオカメラ
JP6489634B2 (ja) インナーフォーカスマクロレンズ及びそれを用いた撮像装置
JP6307834B2 (ja) ズームレンズ及びこのズームレンズを用いた撮像装置
JP7237706B2 (ja) 結像光学系および撮像装置
JP6287263B2 (ja) ズームレンズおよびこのズームレンズを用いた撮像装置
US8804250B2 (en) Zoom lens, optical apparatus and method for manufacturing zoom lens
JP2021076780A (ja) ズームレンズおよび撮像装置
JP6270104B2 (ja) ズームレンズ、撮像装置および監視用ビデオカメラ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170718

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180226

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6307834

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151