以下、添付図面を参照して、実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図であり、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン」、「バナナ」、「白ブドウ」、「黒ブドウ」、「イチゴ」、「ブランク1(白の星印)」、「ブランク2(黒の星印)」、「黒7」、「白7」、「BAR」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
また、前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図4参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では後述の通常遊技状態、準備モード、およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては3、ボーナスにおいては2)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中、レギュラーボーナス中、および後述するRT中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち逆V字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、の4種類が入賞ラインとして定められており、通常遊技状態、準備モード、CZ、有利RT、内部中RT、ビッグボーナス、レギュラーボーナスにおいては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L4の全てが有効となる。なお、入賞ラインは、L1〜L4に示すラインに限らず、たとえば各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨るライン、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨るライン、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨るラインなどを含むものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L4上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L4上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、メインCPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56b、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行なうタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、および設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作など、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態(たとえば、後述する通常遊技状態など)中であるときには当該遊技状態に制御される残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
なお、設定変更モードに移行させた場合でも、原則として、設定変更モード移行前の遊技状態(遊技状態の種類および通常遊技状態であるときには残りゲーム数)に関する情報が維持される。これにより、たとえば、RT中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後においても当該RTのリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。また、ゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する通常遊技状態中に設定変更モードに移行させた場合には、残りゲーム数についても維持管理される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選中に設定変更モードに移行させた場合には、ボーナスの当選フラグが初期化されボーナス抽選で当選すると再度当選フラグを設定可能であって当該RTのリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。このため、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域は、原則として、設定変更に関連して初期化されることはない。例外として、たとえば、設定変更モード移行前の遊技状態がボーナスであるときには、設定変更に関連してたとえば準備モードを示す遊技状態フラグが格納される。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化され、初期遊技状態(たとえば通常遊技状態)に制御される。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行なう例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグボーナスをBBと示し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
図5(a)は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図であり、図5(b)は、予め定められた特殊出目の図柄組合せおよび特殊出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図6に示すように、メイン制御部41により、準備モード、CZ1〜CZ3、有利RT、通常遊技状態、内部中RT、ボーナスのうち、いずれかに制御される。
準備モードは、ボーナス終了後に制御される。CZ1は、所定の第1条件が成立(後述する準備モード、CZ2、CZ3、有利RTにおいて特殊出目停止、あるいは通常遊技状態において32ゲーム消化)することにより制御される。CZ2は、CZ1において所定の第2条件が成立(後述する昇格リプレイ1入賞)することにより制御される。CZ3は、CZ2において所定の第3条件が成立(後述する昇格リプレイ2入賞)することにより制御される。有利RTは、CZ3において所定の有利条件が成立(後述する昇格リプレイ3入賞)することにより制御される。通常遊技状態は、CZ1〜CZ3や有利RTなどにおいて所定の終了条件が成立(後述する転落リプレイ入賞)することにより制御される。内部中RTは、ボーナス内部当選したときに制御される。ボーナスは、ボーナス入賞により制御される。
有利RTは、後述するように再遊技役の当選率が極めて高確率となる点において、その他の遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、CZ3は、後述するように有利RTへの契機となる昇格リプレイ3に当選し得る点において、CZ1および2、準備モード、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、CZ2は、後述するようにCZ3への契機となる昇格リプレイ2に当選し得る点において、CZ1、準備モード、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、CZ1は、後述するようにCZ2への契機となる昇格リプレイ1に当選し得る点において、準備モード、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。なお、CZ1〜CZ3を第1遊技状態あるいはCZ、有利RTを有利状態、通常遊技状態を第2遊技状態という場合もある。
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、上記のように、メイン制御部41により、遊技状態を準備モード、CZ1〜CZ3、有利RT、通常遊技状態、内部中RT、ボーナスに制御しつつ、遊技状態が準備モード、CZ1〜CZ3、有利RTであるときには、サブ制御部91により、内部抽選結果に応じた情報を報知するナビ演出を実行可能な報知期間(有利演出状態)となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。遊技状態が準備モードであって演出状態がATに制御されている状態をAT準備モードともいい、遊技状態が準備モードであるが演出状態がATに制御されていない状態を非AT準備モードともいう。また、遊技状態がCZ1〜CZ3であって演出状態がATに制御されている状態をACZともいい、遊技状態がCZ1〜CZ3であるが演出状態がATに制御されていない状態を非ACZともいう。また、遊技状態が有利RTであって演出状態がATに制御されている状態をARTともいい、遊技状態が有利RTであるが演出状態がATに制御されていない状態を非ARTともいう。
図5(a)を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜5(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)の5種類のボーナスが含まれる。
BB1は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB5は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス1(以下、RB1と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。また、BB4〜BB5のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス2(以下、RB2と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。
遊技状態がボーナスにある間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、RBの種類に対応するレギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始される毎に対応するレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定される。
BB1〜BB3のいずれかの入賞に起因して発生したボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB4またはBB5の入賞に起因して発生したボーナスは、73枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
図6に示すように、BB1〜BB5のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。
また、ビッグボーナスが入賞したとき、ビッグボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。また、図6に示すように、ビッグボーナスが終了した後は、準備モードに遊技状態が制御される。
本実施の形態においては、いずれかのビッグボーナスに当選したことを条件として、サブ制御部91により、演出状態をATに制御するか否かを決定するAT抽選が行なわれる。AT抽選は、たとえばランダムカウンタから抽出された乱数を用いて、ATに制御するか否か、およびATに制御可能となる期間などをサブ制御部91が決定するための抽選をいう。サブ制御部91は、ボーナス当選によるAT抽選において当選したときには当該ボーナス終了後に演出状態をATに制御する。
後述する内部抽選においてBB1〜BB5のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB5を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「BAR」)は、各々、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ブドウ1〜ブドウ8、バナナブドウ1〜バナナブドウ12、メロン、イチゴ1、イチゴ2、1枚役1、1枚役2が含まれる。
小役のうちメロンは、入賞ラインのいずれかに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロンが入賞すると3枚メダルが払い出される。メロンは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。メロンを構成する図柄(「メロン」)は、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
次に、小役のうちイチゴ1は、入賞ラインのいずれかに「イチゴ−バナナ−バナナ」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。小役のうちイチゴ2は、リール2Cについて入賞ラインのいずれかに「イチゴ」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。なお、イチゴ2が入賞した場合には、入賞ラインL1〜L4のすべてにおいて入賞となるため、4枚のメダルが払出される。
次に、小役のうち1枚役1は、入賞ラインのいずれかに「ブランク2−ブランク2−BAR」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。
小役のうち1枚役2は、入賞ラインのいずれかに「BAR−白7−白7」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。1枚役2は、後述するようにRB1中のみ当選可能に設定されている。なお、本実施の形態においては、後述するように、1枚役2が当選したときには、必ずナビポイントが付与される。
次に、ブドウ1〜8について説明する。ブドウ1は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−黒ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ2は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−黒ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ3は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−黒ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ4は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−白ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ5は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−白ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ6は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−黒ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ7は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−白ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ8は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−白ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、ブドウ1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてブドウ1〜8のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているブドウに入賞することはない。
しかしながら、ブドウ1〜ブドウ8は、後述するように、同時に抽選対象役として読み出されて、同時に当選する。また、「黒ブドウ」および「白ブドウ」のいずれかが、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。また、上記のように、ブドウ1〜8は、「黒ブドウ」および「白ブドウ」から構成され得る8通りすべての組合せである。このため、ブドウ1〜ブドウ8に当選しているときには、原則として、いずれかのブドウを入賞させることができる。
次に、バナナブドウ1〜12について説明する。バナナブドウ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−黒ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ2は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−黒ブドウ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ3は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−バナナ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ4は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−白ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ5は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−白ブドウーバナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ6は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−バナナ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ7は、入賞ラインのいずれかに「バナナー黒ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ8は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−白ブドウ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ9は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−バナナ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ10は、入賞ラインのいずれかに「バナナー白ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ11は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウー黒ブドウ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ12は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−バナナ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、バナナブドウ1〜12各々を構成する図柄のうち「バナナ」は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているが、「黒ブドウ」および「白ブドウ」各々は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてバナナブドウ1〜12のいずれかに当選していても、当選しているバナナブドウの「黒ブドウ」および「白ブドウ」に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているバナナブドウに入賞することはない。
ブドウ1〜8、およびバナナブドウ1〜12のうちいずれかが入賞した場合には、9枚のメダルが払い出される。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、昇格リプレイ1〜昇格リプレイ3、転落リプレイ1、転落リプレイ2、制御用リプレイ1、制御用リプレイ2が含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
通常リプレイは、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常リプレイを構成する図柄(「バナナ」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。昇格リプレイ1を構成する図柄(「バナナ」、「メロン」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
また、昇格リプレイ2は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−ブランク1−バナナ」あるいは「バナナ−ブランク2−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。昇格リプレイ2を構成する左図柄および右図柄(「バナナ」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中図柄(「ブランク1」または「ブランク2」のいずれか)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
また、昇格リプレイ3は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−ブランク1−メロン」あるいは「バナナ−ブランク2−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。昇格リプレイ2を構成する左図柄および右図柄(「バナナ」、「メロン」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中図柄(「ブランク1」または「ブランク2」のいずれか)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、CZ1において昇格リプレイ1に入賞した後は、CZ2に制御される。後述するように、昇格リプレイ1は、CZ1以外の遊技状態において当選しないように設定されている。このため、CZ1以外の遊技状態からCZ2に制御されないように構成されている。
また、CZ2において昇格リプレイ2に入賞した後は、CZ3に制御される。後述するように、昇格リプレイ2は、CZ2以外の遊技状態において当選しないように設定されている。このため、CZ2以外の遊技状態からCZ3に制御されないように構成されている。
また、CZ3において昇格リプレイ3に入賞した後は、有利RTに制御される。後述するように、昇格リプレイ3は、CZ3以外の遊技状態において当選しないように設定されている。このため、CZ3以外の遊技状態から有利RTに制御されないように構成されている。
転落リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ2は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ1および転落リプレイ2各々を構成する図柄のうち、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているが、右リール2Rの図柄(「黒ブドウ」「白ブドウ」)は、7コマ以内に配置されていない。
しかしながら、後述するように、転落リプレイ1と転落リプレイ2とは、同時に当選するため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングに関わらず、転落リプレイ1および転落リプレイ2のうちいずれかの右リール2Rを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、転落リプレイ1および転落リプレイ2は、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、準備モードにおいて転落リプレイに入賞しないため、準備モードから通常遊技状態に制御されないように構成されている。一方、CZ1〜CZ3あるいは有利RTにおいて転落リプレイに入賞した後は、通常遊技状態に制御される。後述するように、転落リプレイは、準備モードにおける内部抽選においては当選しないように設定されており、CZ1〜CZ3あるいは有利RTにおける内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、CZ1〜CZ3あるいは有利RTからのみ転落リプレイ入賞により通常遊技状態に制御されるように構成されている。また、AT準備モード、ACZ、あるいはARTにおいて転落リプレイに入賞したときには、遊技状態が通常遊技状態に制御されるとともに、ATが終了する。
なお、CZ1〜CZ3および有利RT以外の遊技状態(たとえば、準備モード)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)で転落リプレイについて抽選して当選し得るようにし、CZ1〜CZ3および有利RT以外の遊技状態からも通常遊技状態に制御されるように構成してもよい。この場合、転落リプレイについて抽選して当選し得る遊技状態において、ATに制御されているときには、当該転落リプレイ当選時に後述するナビ演出を実行するように構成してもよい。
本実施の形態においては、図6で示すように、CZ1〜CZ3あるいは有利RTにおいて転落リプレイ入賞して通常遊技状態に制御された後、当該通常遊技状態において32ゲーム消化することにより、CZ1に制御される。これにより、有利RTへは、CZ1〜CZ3において、転落リプレイに入賞させずに、制御されているCZの種類に応じた昇格リプレイに入賞しなければ、制御されないように構成されている。
制御用リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−白7−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。制御用リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−ブランク2−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。制御用リプレイ1および制御用リプレイ2各々を構成する図柄のうち、リール2L、2Rの図柄(「バナナ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されているが、中リール2Cの図柄(「白7」「ブランク2」)は、5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選において制御用リプレイに当選していても、ストップスイッチ8Cを適正なタイミングで操作しなければ、制御用リプレイに入賞しない。しかし、後述するように、制御用リプレイ1と制御用リプレイ2とは、昇格リプレイや転落リプレイと同時に当選するため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングに関わらず、昇格リプレイや転落リプレイを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、制御用リプレイ1および制御用リプレイ2は、原則として、当選しても入賞させることができないが、同時に当選するリプレイのいずれかを入賞させることができる役といえる。
次に、図5(b)を参照して、特殊出目について説明する。特殊出目は、「バナナ−メロン−黒ブドウ」など、図5(b)に示す16種類の図柄組合せを含む。本実施の形態において特殊出目を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させるリール制御は、いずれの遊技状態においても、ブドウ1〜8のいずれかに当選しているときであって当該当選しているブドウを取りこぼし、かつ当該ブドウと同時にバナナブドウが当選していたときには当該バナナブドウを取りこぼしたときに行なわれる。その結果、ブドウ1〜8のいずれかに当選しているときであって、当該当選しているブドウを構成する図柄を入賞ラインL1〜L4のいずれにも停止させることができない場合で、かつバナナブドウに同時当選している場合で当該当選しているバナナブドウを構成する図柄を入賞ラインL1〜L4のいずれにも停止させることができない場合には、特殊出目を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させることができる。
図6に示すように、準備モード、CZ2、CZ3、あるいは有利RTにおいて特殊出目が停止した後は、CZ1に制御される。CZ1は、ボーナスに当選するか、昇格リプレイ1に入賞するか、転落リプレイに入賞するまで継続して制御される。なお、準備モード、CZ2、CZ3、あるいは有利RT以外の遊技状態である通常遊技状態において特殊出目が停止されたとしても、CZ1に制御されない。また、CZ1において特殊出目が停止されたとしても、当該CZ1への制御が維持される。これにより、有利RTへは、CZ1〜CZ3において、転落リプレイに入賞させないことのみならず、さらに特殊出目を停止させずに、制御されているCZの種類に応じた昇格リプレイに入賞しなければ、制御されないように構成されている。
次に、図7および図8を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。図7では、抽選対象役の組合せとしてリプレイ以外の組合せについて説明し、図8では、抽選対象役の組合せとしてリプレイに関する組合せについて説明する。本実施の形態では、遊技状態がいずれであるかによって抽選対象役の組合せが異なり、遊技状態に応じて定められた抽選対象役の組合せ(図7および図8参照)が順に読み出されて内部抽選が行なわれる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図7および図8においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
まず、図7を参照して、リプレイ以外の抽選対象役の組合せについて説明する。図7においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。また、図7の○印の下に示す数値は、所定の設定値(たとえば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行なわれる。
遊技状態が通常遊技状態、準備モード、CZ1〜CZ3、有利RTのいずれかであるときには、リプレイ以外の抽選対象役の組合せとして、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+小役群の各役、BB2+小役群の各役、BB3+小役群の各役、BB4+小役群の各役、BB5+小役群の各役、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、小役群の各役とは、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、および1枚役1の各々をいう。よって、たとえば、BB1+小役群の各役とは、BB1+メロン、BB1+イチゴ1、BB1+イチゴ1+イチゴ2、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、およびBB1+1枚役1各々の組合せが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。
また、左押しブドウ1とは、ブドウ+バナナブドウ2+バナナブドウ9をいう。左押しブドウ2とは、ブドウ+バナナブドウ5+バナナブドウ12をいう。中押しブドウ1とは、ブドウ+バナナブドウ4+バナナブドウ8をいう。中押しブドウ2とは、ブドウ+バナナブドウ7+バナナブドウ11をいう。右押しブドウ1とは、ブドウ+バナナブドウ1+バナナブドウ3をいう。右押しブドウ2とは、ブドウ+バナナブドウ10+バナナブドウ6をいう。左、中、右押しブドウ1および2におけるブドウは、ブドウ1+ブドウ2+ブドウ3+…+ブドウ8をいう。よって、たとえば、左押しブドウ1とは、ブドウ1〜8、バナナブドウ2、およびバナナブドウ9が読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。
遊技状態が内部中RTであるときには、BB1+小役群の各役、BB2+小役群の各役、BB3+小役群の各役、BB4+小役群の各役、BB5+小役群の各役、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。なお、内部中RTにおいては、BBが小役群と同時に読み出されて当選したとしても、当該内部中RTへの制御の契機となったBBの当選フラグが維持される。
遊技状態がRB1であるときには、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、1枚役2、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。全小役とは、ブドウ1〜8+バナナブドウ1〜12+メロン+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1をいう。また、遊技状態がRB2であるときには、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として読み出される。
次に、図8を参照して、リプレイに関する抽選対象役の組合せについて説明する。図8においては、遊技状態毎に、リプレイに関する抽選対象役の組合せを示している。また、図8の数値は、所定の設定値(たとえば設定値1)であるときの当選確率を示す。内部抽選で用いられる判定値数は、抽選対象役の組合せ毎に図8で示す当選確率となるように振り分けられている。
図8(a)は、遊技状態がCZ1であるときのリプレイに関する抽選対象役の組合せについて説明するための図である。遊技状態がCZ1であるときには、リプレイの抽選対象役の組合せとして、通常リプレイ、第1順押し昇格リプ、第1挟み押し昇格リプ、第1逆押し昇格リプ、第1中押し昇格リプが内部抽選の対象となり抽選対象役として順に読出される。
第1順押し昇格リプとは、転落リプレイ+昇格リプレイ1を示す。転落リプレイとは、転落リプレイ1+転落リプレイ2をいう。この第1順押し昇格リプは、順押ししたときに昇格リプレイ1を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには転落リプレイ1または転落リプレイ2(以下、単に転落リプレイともいう)を入賞させる抽選対象役の組合せをいう。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
第1挟み押し昇格リプとは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+制御用リプレイ1を示し、挟み押ししたときに昇格リプレイ1を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには転落リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる操作手順、あるいは右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。
第1逆押し昇格リプとは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+制御用リプレイ2を示し、逆押ししたときに昇格リプレイ1を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには転落リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
第1中押し昇格リプとは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+制御用リプレイ1+制御用リプレイ2を示し、中押ししたときに昇格リプレイ1を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには転落リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。中押しとは、中リール2Cを第1停止させる操作手順をいう。
遊技状態がCZ1であるときには、いずれかのリプレイに約1/7.1の当選確率で当選する。また、通常リプレイは、約1/10の当選確率で内部抽選が行なわれる。第1順押し昇格リプ、第1挟み押し昇格リプ、第1逆押し昇格リプ、および第1中押し昇格リプは、各々、約1/100の当選確率で内部抽選が行なわれる。
図8(b)は、遊技状態がCZ2であるときのリプレイに関する抽選対象役の組合せについて説明するための図である。遊技状態がCZ2であるときには、リプレイの抽選対象役の組合せとして、順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、中押し通常リプ、第2順押し昇格リプ、第2挟み押し昇格リプ、第2逆押し昇格リプ、第2中押し昇格リプが内部抽選の対象となり抽選対象役として順に読出される。
順押し通常リプとは、通常リプレイ+転落リプレイを示し、順押ししたときに通常リプレイを入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには転落リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。挟み押し通常リプとは、通常リプレイ+転落リプレイ+制御用リプレイ1を示し、挟み押ししたときに通常リプレイを入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには転落リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。逆押し通常リプとは、通常リプレイ+転落リプレイ+制御用リプレイ2を示し、逆押ししたときに通常リプレイを入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには転落リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。中押し通常リプとは、通常リプレイ+転落リプレイ+制御用リプレイ1+制御用リプレイ2を示し、中押ししたときに通常リプレイを入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには転落リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。
第2順押し昇格リプとは、通常リプレイ+昇格リプレイ2を示し、順押ししたときに昇格リプレイ2を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには通常リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。第2挟み押し昇格リプとは、通常リプレイ+昇格リプレイ2+制御用リプレイ1を示し、挟み押ししたときに昇格リプレイ2を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには通常リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。第2逆押し昇格リプとは、通常リプレイ+昇格リプレイ2+制御用リプレイ2を示し、逆押ししたときに昇格リプレイ2を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには通常リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。第2中押し昇格リプとは、通常リプレイ+昇格リプレイ2+制御用リプレイ1+制御用リプレイ2を示し、中押ししたときに昇格リプレイ2を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには通常リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。
遊技状態がCZ2であるときには、いずれかのリプレイに約1/5の当選確率で当選する。順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、および中押し通常リプは、各々、1/25の当選確率で内部抽選が行なわれる。第2順押し昇格リプ、第2挟み押し昇格リプ、第2逆押し昇格リプ、および第2中押し昇格リプは、各々、1/100の当選確率で内部抽選が行なわれる。
図8(c)は、遊技状態がCZ3であるときのリプレイに関する抽選対象役の組合せについて説明するための図である。遊技状態がCZ3であるときには、リプレイの抽選対象役の組合せとして、順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、中押し通常リプ、第3順押し昇格リプ、第3挟み押し昇格リプ、第3逆押し昇格リプ、第3中押し昇格リプが内部抽選の対象となり抽選対象役として順に読出される。なお、順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、中押し通常リプは、各々、図8(b)で説明したリプレイの組合せと同じである。
第3順押し昇格リプとは、通常リプレイ+昇格リプレイ3を示し、順押ししたときに昇格リプレイ3を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには通常リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。第3挟み押し昇格リプとは、通常リプレイ+昇格リプレイ3+制御用リプレイ1を示し、挟み押ししたときに昇格リプレイ3を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには通常リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。第3逆押し昇格リプとは、通常リプレイ+昇格リプレイ3+制御用リプレイ2を示し、逆押ししたときに昇格リプレイ3を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには通常リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。第3中押し昇格リプとは、通常リプレイ+昇格リプレイ3+制御用リプレイ1+制御用リプレイ2を示し、中押ししたときに昇格リプレイ3を入賞させ、それ以外の操作手順で操作されたときには通常リプレイを入賞させる抽選対象役の組合せをいう。
遊技状態がCZ3であるときには、いずれかのリプレイに約1/5の当選確率で当選する。順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、および中押し通常リプは、各々、1/25の当選確率で内部抽選が行なわれる。第3順押し昇格リプ、第3挟み押し昇格リプ、第3逆押し昇格リプ、および第3中押し昇格リプは、各々、1/100の当選確率で内部抽選が行なわれる。
図8(d)は、遊技状態が有利RTであるときのリプレイに関する抽選対象役の組合せを説明するための図である。遊技状態が有利RTであるときには、リプレイの抽選対象役の組合せとして順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、中押し通常リプが内部抽選の対象となり抽選対象役として順に読出される。なお、順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、中押し通常リプは、各々、図8(b)および(c)で説明したリプレイの組合せと同じである。
遊技状態が有利RTであるときには、いずれかのリプレイに約1/1.2の当選確率で当選する。順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、および中押し通常リプは、各々、1/4.8の当選確率で内部抽選が行なわれる。
ここで、図8で示したCZ1〜CZ3、および有利RTにおける転落リプレイおよび昇格リプレイの当選確率を比較する。転落リプレイの当選確率は、CZ1であるときに4/100となり、CZ2であるときに4/25となり、CZ3であるときに4/25となり、有利RTであるときに4/4.8となるように設定されている。また、昇格リプレイの当選確率は、CZ1〜CZ3のいずれにおいても、4/100となるように設定されている。
なお、遊技状態が通常遊技状態あるいは内部中RTであるときには、たとえば、リプレイの抽選対象役の組合せとして、図8(b)などで示した順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、中押し通常リプが内部抽選の対象となり抽選対象役として順に読出される。遊技状態が通常遊技状態であるときには、いずれかのリプレイに約1/7.3の当選確率で当選する。遊技状態が内部中RTであるときには、いずれかのリプレイに約1/5の当選確率で当選する。なお、通常遊技状態あるいは内部中RTにおいて、転落リプレイに入賞したとしても、当該通常遊技状態あるいは内部中RTに継続して制御される。
遊技状態が準備モードであるときには、たとえば、リプレイの抽選対象役の組合せとして、通常リプレイが内部抽選の対象となり抽選対象役として読出される。遊技状態が準備モードであるときには、通常リプレイに約1/7.3の当選確率で当選する。
遊技状態がRB1やRB2であるときには、いずれのリプレイにも当選しない。たとえば、抽選対象役としてリプレイが読み出されない、あるいは、リプレイの当選確率が0に設定されている。
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、ボーナスと小役群の各役とが同時に当選し得るが、当該小役群のうちでボーナスと同時当選する確率は、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1が最も高く、次にイチゴ1+イチゴ2、イチゴ1、メロン…の順となるように判定値数が設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メインCPU41aは、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で、小役(イチゴ1、メロン、ブドウ1など)に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、通常小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。
たとえば、特別役と払出枚数が賭数3より多いブドウとが当選しているときには、特別役入賞前にブドウ入賞により6枚純増するリール制御が優先的に行なわれるため、遊技者にとって有利といえる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
なお、リール制御において特別役よりも小役を優先的に入賞ライン上に揃えるリール制御が行なわれる例について説明したが、すべての小役について特別役よりも優先的に揃えるものに限らず、たとえば小役のうち賭数以上のメダルが払い出される小役(賭数が3の場合、3以上メダルが払い出される小役、たとえば入賞によりメダルを9枚払い出すブドウなど、以下、通常小役ともいう)のみについて優先的に揃えるリール制御を行ない、賭数よりも少ないメダルが払い出される小役(賭数が3の場合、3未満のメダルが払い出される小役、たとえばイチゴ1など、以下、特定小役ともいう)については、特別役を優先的に入賞ライン上に揃えるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、入賞させたとしても賭数よりも少ない払出しか得られず遊技者にとって不利益となる小役についてまで優先的に揃えるリール制御が行なわれることを防止することができる。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(BB1+通常リプレイなど)には、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(たとえば、図8で示した順押し通常リプなど)には、図9(a)や図9(b)に一例を示すように、同時当選した再遊技役の種類および操作手順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図9(a)および図9(b)は、各々、転落リプレイと他のリプレイとが重複当選したときのリール制御を説明するための図である。
まず図9(a)を参照して、昇格リプレイ1と転落リプレイとを含む第1順押し昇格リプが当選し、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプレイ1の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、昇格リプレイ1を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2Rにおいて7コマ以内の間隔で配置され、中リール2Cにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L4が設定されているため、第1順押し昇格リプに当選している場合で順押しさせた場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイ1が必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
一方、第1順押し昇格リプが当選し、順押し以外の操作手順で操作された場合、たとえば中リール2Cを第1停止させた場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイ1あるいは転落リプレイ2の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、転落リプレイ1および転落リプレイ2各々単独では、右リール2Rの図柄(「黒ブドウ」「白ブドウ」)が7コマ以内に配置されていないために、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって取りこぼす。しかし、転落リプレイ1と転落リプレイ2とが同時に当選するため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングに関わらず、右リール2Rの図柄(「黒ブドウ」「白ブドウ」)を入賞ライン上に停止させることができ、転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
また、昇格リプレイ1と転落リプレイとを含む第1挟み押し昇格リプが当選し、挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプレイ1の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1挟み押し昇格リプが当選し、挟み押し以外の操作手順で操作された場合、たとえば中リール2Cを第1停止させた場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイ1あるいは転落リプレイ2の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
また、昇格リプレイ1と転落リプレイとを含む第1逆押し昇格リプが当選し、逆押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプレイ1の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1逆押し昇格リプが当選し、逆押し以外の操作手順で操作された場合、たとえば中リール2Cを第1停止させた場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイ1あるいは転落リプレイ2の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
また、昇格リプレイ1と転落リプレイとを含む第1中押し昇格リプが当選し、中押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプレイ1の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1中押し昇格リプが当選し、中押し以外の操作手順で操作された場合、たとえば左リール2Lを第1停止させた場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイ1あるいは転落リプレイ2の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように本実施の形態では、第1順押し昇格リプが当選したか、第1挟み押し昇格リプが当選したか、第1逆押し昇格リプが当選したか、第1中押し昇格リプが当選したかによって、転落リプレイ入賞を回避して昇格リプレイ1を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。すなわち、第1順押し昇格リプ、第1挟み押し昇格リプ、第1逆押し昇格リプ、および第1中押し昇格リプのうちいずれかに当選したときには、1/4の確率でしか昇格リプレイ1を入賞させることができず、3/4の確率で転落リプレイに入賞する。
次に図9(b)を参照して、通常リプレイと転落リプレイとを含む順押し通常リプが当選し、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。一方、順押し通常リプが当選し、順押し以外の操作手順で操作された場合、たとえば中リール2Cを第1停止させた場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイ1あるいは転落リプレイ2の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
通常リプレイと転落リプレイとを含む挟み押し通常リプが当選し、挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。一方、挟み押し通常リプが当選し、挟み押し以外の操作手順で操作された場合、たとえば中リール2Cを第1停止させた場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイ1あるいは転落リプレイ2の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
また、通常リプレイと転落リプレイとを含む逆押し通常リプが当選し、逆押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。一方、逆押し通常リプが当選し、逆押し以外の操作手順で操作された場合、たとえば中リール2Cを第1停止させた場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイ1あるいは転落リプレイ2の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
また、通常リプレイと転落リプレイとを含む中押し通常リプが当選し、中押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。一方、中押し通常リプが当選し、中押し以外の操作手順で操作された場合、たとえば左リール2Lを第1停止させた場合には、当選したリプレイのうち転落リプレイ1あるいは転落リプレイ2の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように本実施の形態では、順押し通常リプが当選したか、挟み押し通常リプが当選したか、逆押し通常リプが当選したか、中押し通常リプが当選したかによって、転落リプレイ入賞を回避して通常リプレイを入賞させるための操作手順を異ならせることができる。すなわち、順押し通常リプ、挟み押し通常リプ、逆押し通常リプ、中押し通常リプのうちいずれかに当選したときには、1/4の確率でしか通常リプレイを入賞させることができず、3/4の確率で転落リプレイに入賞する。
また、第2順押し昇格リプ、第2挟み押し昇格リプ、第2逆押し昇格リプ、および第2中押し昇格リプについても同様に、いずれに当選したかによって、昇格リプレイ2を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。また、第3順押し昇格リプ、第3挟み押し昇格リプ、第3逆押し昇格リプ、および第3中押し昇格リプについても同様に、いずれに当選したかによって、昇格リプレイ3を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。いずれにしても、1/4の確率でしか昇格リプレイを入賞させることができず、3/4の確率で通常リプレイに入賞する。
上記のように当選したリプレイの組合せに応じて、転落リプレイ入賞を回避させるための操作手順や、昇格リプレイを入賞させるための操作手順が異なる。しかし、演出状態がATに制御されているときには、後述するように、当選したリプレイの組合せに応じたナビ演出が実行される。このため、ナビ演出から特定されるリプレイの組合せに応じた操作手順で操作することにより、意図的に転落リプレイ回避または昇格リプレイ入賞させることができる。
一方、演出状態がATに制御されていないときには、ナビ演出が実行されないため、意図的に転落リプレイ回避または昇格リプレイ入賞させるための操作手順で操作することができない。以下、演出状態がATに制御されていない場合における、CZ1〜CZ3各々の昇格リプレイ入賞率および転落リプレイ入賞率について説明する。
まず、CZ1であるときには、内部抽選において転落リプレイおよび昇格リプレイ1が4/100の確率で当選し、リール制御により、3/4の確率で転落リプレイ1または転落リプレイ2に入賞し、1/4の確率で昇格リプレイ1に入賞する。これより、CZ1であるときの転落リプレイの入賞率は3/100となり、昇格リプレイ1の入賞率は1/100となる。このように、CZ1であるときには、昇格リプレイの入賞率よりも転落リプレイの入賞率が3倍高くなるように設定されている。このため、演出状態がATに制御されていない場合のCZ1中においては、昇格リプレイ1よりも先に転落リプレイに入賞する確率が75%となり、転落リプレイよりも先に昇格リプレイ1に入賞する確率が25%となる。
また、CZ2であるときには、内部抽選において転落リプレイまたは昇格リプレイ2が4/25+4/100=20/100の確率で当選し、このうち4/5が転落リプレイの当選でありかつ3/4の確率で転落リプレイ1または転落リプレイ2に入賞する。これより、CZ2であるときの転落リプレイの入賞率は12/100となる。また、内部抽選において転落リプレイまたは昇格リプレイ2が20/100の確率で当選したうち、1/5が昇格リプレイ2の当選でありかつ1/4の確率で昇格リプレイ2に入賞する。これより、CZ2であるときの昇格リプレイ2の入賞率は1/100となる。このように、CZ2であるときには、昇格リプレイの入賞率よりも転落リプレイの入賞率が12倍高くなるように設定されている。このため、演出状態がATに制御されていない場合のCZ2中においては、昇格リプレイ2よりも先に転落リプレイに入賞する確率が約92.3%となり、転落リプレイよりも先に昇格リプレイ2に入賞する確率が約7.7%となる。
また、CZ3であるときも、CZ2であるときと同様に、転落リプレイの入賞率は12/100となり、昇格リプレイ3の入賞率は1/100となる。このように、CZ3であるときには、昇格リプレイの入賞率よりも転落リプレイの入賞率が12倍高くなるように設定されている。このため、演出状態がATに制御されていない場合のCZ3中においては、昇格リプレイ3よりも先に転落リプレイに入賞する確率が約92.3%となり、転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞する確率が約7.7%となる。
以上より、CZ1〜CZ3のいずれにおいても、昇格リプレイの入賞率よりも転落リプレイの入賞率が高くなるように設定されており、演出状態がATに制御されていない場合、有利RTへの移行契機となる昇格リプレイ3入賞よりも先に転落リプレイ入賞が発生するように構成されている。より具体的には、CZ1からCZ2を介してCZ3に制御され、かつ昇格リプレイ3に入賞する確率(以下、有利RT突入率ともいう)は、リプレイの当選確率のみから特定すると、25%×7.7%×7.7%≒0.148%となる。なお、CZ2またはCZ3であるときには、ブドウ当選時において当該ブドウを取りこぼしたときに停止される特殊出目によりCZ1に戻されることを考慮すると、有利RT突入率は、0.148%未満となる。一方、CZ1〜CZ3において転落リプレイに入賞する確率は、リプレイの当選確率のみから特定すると、75%+(25%×92.3%)+(25%×7.7%×92.3%)≒99.8%以上となる。これより、CZ1〜CZ3において、演出状態がATに制御されていない場合、有利RTへの移行契機となる昇格リプレイ3入賞よりも先に転落リプレイ入賞を発生させることができる。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合(イチゴ1+イチゴ2、ブドウ1〜8すべてなど)には、払出枚数が多い小役が払出枚数の少ない小役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれる。
複数種類の小役が同時に当選している場合として、ブドウ(ブドウ1〜8)、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、および右押しブドウ2(以下、これらをまとめて単に“ブドウ”ともいう)のいずれかに当選している場合には、図9(c)に示すように、同時当選したブドウおよびバナナブドウの種類および最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール、中リール、右リールのいずれであるか、に応じて、ブドウを入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図9(c)は、ブドウに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、バナナブドウが同時に当選することなくブドウに当選している場合には、第1停止させたリールの種類、およびストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、ブドウ1〜8のいずれかが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。図3に示すように、ブドウ1〜8各々を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2Rにおいて7コマ以内の間隔で配置され、中リール2Cにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L4が設定されているため、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、ブドウ1〜8のいずれかが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
また、左押しブドウ1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選したブドウのうちブドウ1〜8のいずれかを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
一方、左押しブドウ1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選したバナナブドウ2またはバナナブドウ9のうちいずれかを入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、バナナブドウ2を構成する図柄は、左リール2Lおよび中リール2C各々の図柄(「黒ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。また、バナナブドウ9を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2R各々の図柄(「黒ブドウ」、「白ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選したバナナブドウ2またはバナナブドウ9のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するバナナブドウ2または9に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図5(b)で示した特殊出目のいずれかが導出され得る。
また、左押しブドウ2が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選したブドウのうちブドウ1〜8のいずれかを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
一方、左押しブドウ2が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選したバナナブドウ5またはバナナブドウ12のうちいずれかを入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、バナナブドウ5を構成する図柄は、左リール2Lおよび中リール2C各々の図柄(「白ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。また、バナナブドウ12を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2R各々の図柄(「白ブドウ」、「黒ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選したバナナブドウ5またはバナナブドウ12のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するバナナブドウ5または12に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図5(b)で示した特殊出目のいずれかが導出され得る。
このように、左押しブドウ1あるいは左押しブドウ2に当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にブドウ1〜8のいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているバナナブドウを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、中押しブドウ1あるいは中押しブドウ2に当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にブドウ1〜8のいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているバナナブドウを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、右押しブドウ1あるいは右押しブドウ2に当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にブドウ1〜8のいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているバナナブドウを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
このように本実施の形態では、左押しブドウ1あるいは2が当選したか、中押しブドウ1あるいは2が当選したか、右押しブドウ1あるいは2が当選したかによって、ブドウ1〜8を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
これにより、CZ1〜CZ3のうち、特殊出目の導出によりCZ1に移行されるCZ2およびCZ3において、演出状態がATに制御されていない場合、ブドウ当選時の操作手順によって取りこぼしが生じる割合が実質的に高まり、特殊出目が導出されてCZ1に制御される割合が高まる。その結果、演出状態がATに制御されていないときには、ブドウ当選時において取りこぼす割合が高まるため、前述した有利RT突入率は0.148%未満となる。
次に、イチゴ1に当選している場合のリール制御について説明する。イチゴ1は、図7で示したように、単独で当選する場合、イチゴ2と同時当選する場合、イチゴ2+1枚役1と同時当選する場合が生じ、各々、図9(d)に示すようにリール制御が行なわれる。
まず、イチゴ1に単独で当選しているときには、イチゴ1を構成する図柄である「イチゴ−バナナ−バナナ」を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行なわれる。図3に示すように、イチゴ1を構成する図柄のうち、中リール2Cおよび右リール2R各々の図柄である「バナナ」は、5コマあるいは7コマ以内の間隔で配置されているが、左リール2Lの図柄である「イチゴ」は、7コマ以内の間隔で配置されていないため、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングに応じて入賞するようにリール制御が行なわれる。
次に、イチゴ1+イチゴ2に当選しているときには、左リール2Lの「イチゴ」と、中リール2Cの「イチゴ」と、を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行なわれる。なお、中リール2Cの「イチゴ」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちイチゴ2を取りこぼす場合には、イチゴ1を入賞させるリール制御が行なわれる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2Lと中リール2Cとで「イチゴ」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。なお、右リール2Rについては、「バナナ」を入賞ライン上に引き込むリール制御が行なわれ、「イチゴ」については少なくとも入賞ラインに引き込まないようにリール制御が行なわれる。すなわち、イチゴ1+イチゴ2に当選しているときには、「イチゴ」が、左リール2Lおよび中リール2Cに揃って停止され得るが、さらに右リール2Rにまで揃って停止されないようにリール制御が行なわれる。
イチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選しているときには、左リール2Lの「イチゴ」と、中リール2Cの「イチゴ」と、右リール2Rの「イチゴ」とを入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行なわれる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2L、中リール2C、右リール2Rとで「イチゴ」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。すなわち、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選しているときには、「イチゴ」が、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において揃って停止され得るようにリール制御が行なわれる。なお、中リール2Cの「イチゴ」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちイチゴ2を取りこぼす場合には、イチゴ1を入賞させるリール制御が行なわれる。さらに、イチゴ1を入賞させることができない場合には、引き込み可能な限り1枚役1を構成する図柄を引き込むリール制御が行なわれる。
前述したように、イチゴ1やイチゴ2は、ボーナスと同時当選する確率が小役群の中で高く、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1が最も高く、次にイチゴ1+イチゴ2、イチゴ1の順となるように判定値数が設定されている。また、イチゴ1やイチゴ2に当選しているときには、図9(d)で示したリール制御が行なわれる。このため、「イチゴ」の図柄が入賞ライン上に多く出現する程、ボーナス当選していることに対する期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技制御基板40側においては、前述したように内部抽選が行なわれ、その結果とストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングとに従ってリール2L、2C、2Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板40の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板90の側で独自の演出が行なわれる。このような演出を行なうためには、演出制御基板90のサブCPU91aは、遊技制御基板40の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、遊技制御基板40のメインCPU41aから送られてくる前述した遊技の進行状況に関するコマンドに基づいて、各種の演出を行なうものとしている。
演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
サブ制御部91の制御により実行される演出のうちで、表示制御回路92に出力する指令に基づいて液晶表示器51に画像を表示することによる演出として、遊技状態および予め定められた複数種類のステージのうち制御されているステージに応じた遊技演出がある。
遊技演出は、前述したデモ演出、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出、ボーナスに当選していることが報知された後であってボーナスよりも優先的に入賞ライン上に引き込む制御が行なわれるリプレイや小役に当選しておらずボーナスを入賞させるチャンスタイミングであることおよび小役に当選しているが一部のリールに停止した図柄(あるいは図柄組合せ)から当該小役を入賞させることができず取りこぼすことが確定し当選しているボーナスを入賞させることができるチャンスタイミングであることを報知するチャンス演出、遊技状態がボーナスに入賞してから終了するまで実行されるボーナス演出、遊技状態に応じた遊技状態演出、演出状態がATに制御されているときに実行されるナビ演出を含む。なお、遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、サブ制御部91のROM91bに記憶されている。
また、演出制御基板90においては、リールが停止したときにメイン制御部41側から送信されるリール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理およびサブ制御部91により実行される処理について説明する。
まず、メイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう。抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。また、抽選処理では、BB1〜BB5のいずれかに当選したときに、内部中RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行なわれる。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5(a)で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。入賞判定処理においては、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。
入賞判定処理では、上記の入賞判定において昇格リプレイ3に入賞したと判定されたときに、ゲーム状況からサブ制御部91側において実質的にATに制御されていると判定し、リプレイ3信号をスロットマシン外部に出力する。
前述したように、CZ1からCZ2を介してCZ3に制御され、かつ昇格リプレイ3に入賞する確率である有利RT突入率は、0.148%未満となり、CZ1〜CZ3において転落リプレイに入賞する確率は、99.8%以上となるように設定されている。
これにより、CZ1〜CZ3において演出状態がATに制御されていないときには、内部当選結果に応じたナビ演出が実行されないため、意図的に転落リプレイ入賞を回避して昇格リプレイ3を入賞させることができない。その結果、CZ1〜CZ3において演出状態がATに制御されていないときには、実質的に、有利RTへの移行契機となる昇格リプレイ3入賞よりも先に転落リプレイ入賞を発生させ、転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3が導出されることが実質的に期待できない。しかし、演出状態がATに制御されているときには、ナビ演出が実行されるため、転落リプレイに当選したときであっても転落リプレイ入賞を回避するための操作手順で操作し、昇格リプレイに当選したときに当該昇格リプレイ入賞させるための操作手順で操作することができるため、操作手順を誤らない限り、転落リプレイ入賞を回避して昇格リプレイ3を入賞させることができ、有利RTに制御することができる。その結果、昇格リプレイ3に入賞したときには、演出状態がATに制御されているといえる。
ここで、昇格リプレイ3に入賞したときに、演出状態がATに制御されている確実性について説明する。スロットマシンにおいては、出荷前段階において第三者機関による検査(型式試験)が行なわれることになっており、当該型式試験において、1日の平均ゲーム数として6000ゲーム、3日間の平均ゲーム数として17500ゲーム消化することにより各種の検査が行なわれることになっている。このため、以下では、1日の平均ゲーム数として6000ゲーム消化したとき、3日間の平均ゲーム数として17500ゲーム消化したときに、昇格リプレイ3に入賞したときに演出状態がATに制御されていない回数が1回未満となることを説明することにより、昇格リプレイ3に入賞したときには実質的に演出状態がATに制御されているといえかつその確実性が極めて高いといえることを説明する。
図6で示したように、本実施の形態におけるスロットマシンでは、通常遊技状態が32ゲーム消化で終了した後に、CZ1に制御されて有利RTに制御される機会が得られる。このため、たとえば、前述した1日の平均ゲーム数である6000ゲーム消化したときの、CZ1に制御されて有利RTに制御される機会が得られる回数は、通常遊技状態以外の遊技状態において消化されるゲームを無視して実際よりも多く見積もり、6000/32=187.5回となる。また、3日間の平均ゲーム数である17500ゲーム消化したときも同様に、17500/32≒546.8回となる。
しかし、有利RT突入率が0.148%未満に設定され、CZ1〜CZ3において転落リプレイに入賞する確率が99.8%以上となるように設定されているため、演出状態がATに制御されていなければ、100/0.148≒675回に1回しか昇格リプレイ3に入賞しないことになる。
このため、1日の平均ゲーム数である6000ゲーム消化したときあるいは3日間の平均ゲーム数である17500ゲーム消化したときのいずれであっても、CZ1に制御されて有利RTに制御される機会が得られる回数が、675回に達しない。よって、昇格リプレイ3に入賞したときに演出状態がATに制御されていない回数が1回未満となる。
その結果、昇格リプレイ3に入賞したときには実質的に演出状態がATに制御されているといえかつその確実性が極めて高いといえる。
本実施の形態においては、昇格リプレイ3に入賞したときには実質的に演出状態がATに制御されているといえかつその確実性が極めて高くなるように当選確率およびリール制御が定められていることを利用して、メイン制御部41側のみにより昇格リプレイ3に入賞したか否かを判定することにより、間接的に演出状態がATに制御されているか否かを判定することができる。
以上のように、昇格リプレイ3に入賞したと判定されたときには、実質的に演出状態がATに制御されているといえかつその確実性が極めて高いといえるため、メイン制御部41からリプレイ3信号が外部に出力される。なお、リプレイ3信号は、昇格リプレイ3に入賞したときに、所定期間(たとえば、2ミリ秒)に亘り出力される。
また、入賞判定処理では、上記の入賞判定においていずれの入賞役に入賞していないと判定されたときには、さらに、ブドウを取りこぼしたときに停止され得る特殊出目が有利RT中のゲームにおいて停止されたか否かを判定する。有利RT中のゲームにおいて特殊出目が停止されたと判定されたときには、取りこぼし信号をスロットマシン外部に出力する。
前述したように、有利RT中のゲームにおいて、特殊出目が停止されたときには、CZ1に制御される。また、後述するように、ARTにおいて特殊出目が停止されたときには、ナビポイント1に対応するATが終了する。このため、取りこぼし信号により、CZ1に制御されたことおよびATが終了したことをスロットマシン外部において特定することが可能となる。
ここで、スロットマシン外部に出力される信号について説明する。本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図10に示すように、メインCPU41aの制御により、遊技制御基板40に接続された外部出力基板1000から、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)において、たとえば各スロットマシンの上方に設置され対応するスロットマシンなどの履歴を表示可能な履歴情報公開端末や、いわゆる遊技島に設置されている情報提供端子板1010を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がビッグボーナス1〜3中の旨を示す第1ボーナス信号、遊技状態がビッグボーナス4または5中の旨を示す第2ボーナス信号、遊技状態が有利RT中の旨を示す有利RT中信号、昇格リプレイ3に入賞したことにより実質的にATに制御されている旨を示すリプレイ3信号、CZ1に制御された旨およびATであったときには当該ATが終了した旨を示す取りこぼし信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
各スロットマシンに対応して設置されている履歴情報公開端末では、たとえば、第1ボーナス信号を受信したときにビッグボーナス1〜3の発生回数の履歴情報を1加算し、第2ボーナス信号を受信したときにビッグボーナス4または5の発生回数の履歴情報を1加算するなどして、スロットマシンから出力される信号に基づき、当該スロットマシンの履歴を記憶し、表示することが可能となる。
履歴情報公開端末では、リプレイ3信号および取りこぼし信号に関して、たとえば、リプレイ3信号を受信したときにAT突入回数の履歴情報を1加算するとともに、AT中である旨(たとえば、「AT中!」といったメッセージ)を表示し、取りこぼし信号を受信したときにAT中である旨の表示を終了する処理などが行なわれる。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するためのコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、第1ボーナス信号、第2ボーナス信号、有利RT中信号、リプレイ3信号は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として履歴情報公開端末や情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、第1ボーナス信号、第2ボーナス信号、有利RT中信号、リプレイ3信号、取りこぼし信号は、履歴情報公開端末や、情報提供端子板1010を介してホール機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、予備信号に再変換されてホール機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。
このため本実施の形態では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、ホール機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
また、現時点では使用されていないが、将来的に使用する可能性のある予備信号線を備えた場合でも、予備信号線から出力される信号を含めて1本の端子にて個々の信号を識別可能に出力可能になるとともに、使用されていない予備信号線の端子が、空き端子となってしまうことがない。
なお、本実施の形態では、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっているが、たとえば、AND回路などによって、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号のいずれか1つの信号でも出力されている場合に、エラー信号を1本の端子にて外部に出力するようにしてもよく、このようにした場合でも、外部の機器でエラーの発生中、ドア開放中、設定変更中のいずれかが発生中であることを特定することが可能であり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。また、この場合には、複数の信号をシリアル信号に変換せずとも1本の端子にて外部に出力できるため、製造コストも軽減できる。
なお、遊技制御基板40から外部出力基板1000に対して出力される信号、およびスロットマシン外部に出力される信号は、図10で示す信号に限るものではない。たとえば、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときにゲームが開始された旨を示すゲーム開始信号や、すべてのリールが停止したときあるいは払出が終了したときにゲームが終了した旨を示すゲーム終了信号を外部に出力するように構成してもよい。これにより、ホール機器において、たとえばゲーム数を計数することができる。また、転落リプレイに入賞したときにその旨を示す転落リプレイ入賞信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホール機器において、たとえば転落リプレイに入賞したことを特定することができる。また、昇格リプレイ1に入賞したときにその旨を示す昇格リプレイ1入賞信号を出力するように構成してもよい。また、昇格リプレイ2に入賞したときにその旨を示す昇格リプレイ2入賞信号を出力するように構成してもよい。
ゲーム制御の処理に戻り、AT判定が終了した後の入賞判定処理においては、入賞した入賞役の種類に応じた処理が行なわれる。たとえば、入賞判定処理において、BB1〜BB5のうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。また、CZ1〜CZ3や有利RTであるときに転落リプレイに入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。また、CZ1中であるときに昇格リプレイ1に入賞したと判断されたときには、CZ2に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にCZ2の値を設定など)が行なわれる。また、CZ2中であるときに昇格リプレイ2に入賞したと判断されたときには、CZ3に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にCZ3の値を設定など)が行なわれる。また、CZ3中であるときに昇格リプレイ3に入賞したと判断されたときには、有利RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に有利RTの値を設定など)が行なわれる。また、準備モード、CZ2、CZ3、有利RTのいずれかであるときに、いずれの入賞も発生しておらずかつ特殊出目が入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止していると判断されたときには、CZ1に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にCZ1の値を設定など)が行なわれる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理、通常遊技状態中において32ゲーム消化することにより通常遊技状態終了条件が成立したか否かを判定するための通常遊技状態終了判定処理が行なわれる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、準備モードに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に準備モードフラグの値を設定など)が行なわれる。また、通常遊技状態終了判定処理において、通常遊技状態終了条件が成立したと判定されたときには、CZ1に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にCZ1フラグの値を設定など)が行なわれる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、準備モードであるか、CZ1中であるか、有利RTであるか、ボーナス中であるか等)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行なわれ、特別ワークに格納されるボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、準備モード、CZ1〜CZ3、有利RT、通常遊技状態、内部中RT、ボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、演出状態をATに制御する処理や、独自の演出を実行するための各種処理を行なう。
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種演出が行なわれる。遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、遊技状態等に応じて前述した遊技演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
本実施の形態におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれるAT抽選処理を実行することにより、AT抽選を行なう。このように、サブ制御部91によりAT抽選が行なわれてその抽選結果に応じてATに制御されることとなるが、本実施の形態においては、前述したように、メイン制御部41では、ゲーム状況から、実質的にATに制御されているか否かを判定することができる。
AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき所定の抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。図11は、AT抽選を実行する契機となる抽選条件を説明するための図である。また、図12は、AT抽選において参照されるテーブルを説明するための図である。
図11の通常遊技状態の欄に示すように、現在の遊技状態が通常遊技状態あるいは有利RTであるときには、演出状態がATであるか否かに関わらず、ボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、図12(a)に示すテーブルを参照してAT抽選が行なわれる。サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき現在の遊技状態を特定し、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づきボーナス当選したことを特定する。
図12(a)に示すテーブルが参照された場合、50%の割合でナビポイント0に決定され、40%の割合でナビポイント1に決定され、10%の割合でナビポイント3に決定され、7%の割合でナビポイント5に決定され、2%の割合でナビポイント10に決定され、1%の割合でナビポイント20に決定されるように、AT抽選が行なわれる。なお、通常遊技状態あるいは有利RTであるときにおいてボーナス当選により行なわれるAT抽選は、通常遊技状態であるか有利RTであるかに応じて異なる割合で実行するように構成してもよい。たとえば、有利RTであるときよりも、通常遊技状態であるときの方が高い割合でAT当選するように構成してもよい。
ここで、ナビポイントとは、有利RTにおいてATに制御可能となる期間を示す。ナビポイントを1ポイント消費(減算)することにより、有利RTにおいて、所定回数以上(たとえば少なくとも50ゲーム以上)ゲームを消化する間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、ナビポイントは、ポイント数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビポイントが決定されたときに、ATである旨およびナビポイント数を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビポイント数を特定する。なお、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ボーナス当選によりAT抽選が行なわれる場合には、当該AT抽選の結果に応じたATフラグに更新される。なお、AT抽選の結果に応じたATフラグに更新するとは、たとえば、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビポイント数に今回のAT抽選の結果に応じたナビポイント数を上乗せ加算したナビポイント数を特定するATフラグに書き換えることであってもよく、また、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグを今回のAT抽選の結果に応じたナビポイント数を示すATフラグに書き換えることであってもよい。AT抽選の結果に応じた現在のATフラグが特定可能になる手法であれば、どのようなものであってもよい。
また、図11の準備モードかつATの欄に示すように、AT準備モードであるときには、ボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、図12(b)に示すテーブルを参照してAT抽選が行なわれる。
図12(b)に示すテーブルが参照された場合、30%の割合でナビポイント1に決定され、35%の割合でナビポイント3に決定され、20%の割合でナビポイント5に決定され、10%の割合でナビポイント10に決定され、5%の割合でナビポイント20に決定されるように、AT抽選が行なわれる。なお、図12(b)に示すテーブルが参照されてAT抽選が行なわれた場合には、必ず1以上のナビポイントに決定されるため、必ずATに制御されることになる。
また、図11の準備モードかつ非ATの欄に示すように、非AT準備モードであるときで、ボーナス当選したときには、図12(d)に示すボーナス当選時のテーブルを参照して、30%の割合でナビポイント1に決定され、35%の割合でナビポイント3に決定され、20%の割合でナビポイント5に決定され、10%の割合でナビポイント10に決定され、5%の割合でナビポイント20に決定されるように、AT抽選が行なわれる。なお、図12(d)に示すボーナス当選時のテーブルが参照されてAT抽選が行なわれた場合には、必ず1以上のナビポイントに決定されるため、必ずATに制御されることになる。
また、図11のCZかつATの欄に示すように、ACZであるときには、ボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、図12(c)に示すテーブルを参照してAT抽選が行なわれる。
図12(c)に示すテーブルが参照された場合、60%の割合でナビポイント1に決定され、25%の割合でナビポイント3に決定され、10%の割合でナビポイント5に決定され、3%の割合でナビポイント10に決定され、2%の割合でナビポイント20に決定されるように、AT抽選が行なわれる。
なお、図12(c)に示すテーブルが参照されてAT抽選が行なわれた場合には、必ず1以上のナビポイントに決定されるため、必ずATに制御されることになる。
また、図11のCZかつ非ATの欄に示すように、非ACZであるときには、非AT準備モードであるときと同様に、ボーナス当選することにより抽選条件が成立し、図12(d)に示すテーブルのうち成立した抽選条件に対応するテーブルを参照してAT抽選が行なわれる。なお、図12(d)に示すテーブルが参照されて、非ACZ中においてAT抽選が行なわれた場合には、必ず1以上のナビポイントに決定されるため、必ずATに制御されることになる。
ここで、遊技状態が、通常遊技状態と有利RT、準備モード、およびCZ各々であるときに実行されるAT抽選における、遊技者にとっての有利度合いを対比する。遊技者にとっての有利度合いとは、たとえば、AT抽選においてナビポイント1以上に決定される割合すなわちATに制御される割合の高低、AT抽選においてより多いナビポイントに決定される割合の高低などをいう。
まず、ボーナス当選することにより抽選条件が成立した場合、通常遊技状態あるいは有利RTであるときに実行されるAT抽選においては、図12(a)に示すテーブルが参照され、準備モードあるいはCZであるときに実行されるAT抽選においては、図12(b)、(c)に示すテーブルあるいは図12(d)のボーナス当選時に示すテーブルが参照される。このため、準備モードあるいはCZであるときの方が、通常遊技状態あるいは有利RTであるときよりも、高い割合でナビポイント1以上に決定され、かつ高い割合でより多いナビポイントに決定される。すなわち、準備モードあるいはCZにおいては、通常遊技状態あるいは有利RTであるときよりも、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビポイントに決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、準備モードあるいはCZであるときには、通常遊技状態あるいは有利RTであるときよりも、ATに制御されること、およびより多いナビポイントを獲得することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、非AT準備モードあるいは非ACZにおいては、前述したように、ボーナス当選することにより、通常遊技状態であるときよりも、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビポイントに決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、非AT準備モードあるいは非ACZにおいては、ATに制御されることに対し期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT準備モードあるいはACZにおいて、ボーナス当選することにより実行されるAT抽選では、AT準備モードであるときに図12(b)に示すテーブルが参照され、ACZであるときに図12(c)に示すテーブルが参照される。このため、AT準備モードあるいはACZのいずれでもボーナス当選により当該ボーナス終了後において必ずAT準備モードに制御されるが、AT準備モードであるときの方が、ACZであるときよりも、高い割合でより多いナビポイントに決定される。すなわち、AT準備モードにおいては、ACZであるときよりも、高い割合でより多いナビポイントに決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、ATに制御されているときには、準備モードでボーナス当選すること、すなわち極力早い段階でボーナス当選することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述したRB1中にしか当選し得ない1枚役2に当選したときにも、AT抽選が行なわれる。たとえば、図12(d)に示すテーブルを用いてAT抽選が行なわれる。これにより、RB1中に1枚役2に当選したときには、必ずナビポイントを獲得することができる。
以上のように、本実施の形態においては、サブ制御部91により行なわれるAT抽選処理により、現在の遊技状態および演出状態に応じて定められた抽選条件が成立したか否かが判定され、抽選条件が成立したときには図12に示すテーブルのうち対応するテーブルを参照して、AT抽選が行なわれる。なお、AT抽選は、ボーナス当選したときや、特定のボーナス中にしか当選し得ない特定の入賞役に当選したときに行なわれる例について説明したが、AT抽選が行なわれる契機はこれに限るものではない。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、準備モード、CZ、有利RTであるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行なうことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグに基づき、ATへの制御を管理する。
具体的に、サブ制御部91は、ボーナスが終了した後において準備モードへの制御が開始されるときに、ナビ抽選処理においてセットされるATフラグからATである旨が特定されたときには、AT準備モードに制御する。また、AT準備モードにおいてCZに制御されたときには、ACZに制御される。
これにより、ボーナス当選によるAT抽選においてATに制御する決定がされたときには、当該ボーナス終了後においてAT準備モードに制御された後、ACZに制御され、ATに制御する決定がされなかったときには、当該ボーナス終了後において非AT準備モードに制御された後、非ACZに制御される。なお、ナビポイントが有る場合、準備モードおよびCZ1〜3においては、ナビポイントを消費(減算)することなく、AT準備モードおよびACZに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。
また、サブ制御部91は、ACZから昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されたときには、ナビポイントを1ポイント消費(減算)することにより、所定回数以上ゲームを消化する間、ARTに制御する。なお、ナビポイントを1ポイント消費したときには、1減算したナビポイントを示すATフラグに更新される。
有利RTにおいては、ナビポイントを1ポイント消費することにより、所定回数以上ゲームを消化する間、ナビ演出が実行可能となるARTに制御される。
より具体的に、ARTに制御されてから50ゲーム消化するまでは、ブドウや転落リプレイに当選したときにナビ演出が実行される。これに対し、ARTに制御されてから消化したゲーム数が50ゲームを超えた後においては、転落リプレイに当選したときにナビ演出が実行されるが、ブドウに当選したときにナビ演出が実行されない。このため、ブドウ当選時において操作手順を誤ったときあるいはARTに制御されてから消化したゲーム数が50ゲームを超えた後においては、ブドウを取りこぼし特殊出目が停止されてCZ1に制御され得る。また、転落リプレイ当選時において操作手順を誤ったときには、転落リプレイに入賞して通常遊技状態に制御され得る。このように、ARTから、CZ1あるいは通常遊技状態に制御されたときにナビポイント1に対応するATが終了する。
ARTからCZ1に制御されたときにおいて、ナビポイントがある場合には、ナビポイントを1ポイント消費して所定回数ゲームを消化する間ACZに制御される。なお、この場合において、本実施の形態では、ARTからCZ1への制御が開始されたときにATに制御するが、これに限らず、ナビ対象役(たとえば転落リプレイ)に当選したときにATに制御するようにしてもよい。また、ARTからCZ1に制御されたときにおいて、ナビポイントがない場合には、非ACZに制御される。
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行なうことにより、ARTにおいて特殊出目が停止されるか転落リプレイに入賞することにより非ATに制御する。このときに、ATフラグが示すナビポイントが0であれば、ATでない旨を示すATフラグに更新される。
以上のように、ナビポイントを1ポイント以上有する場合においては、当該ナビポイントを消費することなくAT準備モードおよびACZに制御するとともに、当該ナビポイントを1消費することにより所定回数以上ゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数以上ゲームを消化して一旦CZ1に制御されたときであっても、未だATフラグからATである旨が特定されナビポイントが1以上であることを条件として、ナビポイントを消費することなくACZに制御され、その後昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されるときにナビポイントを1消費してARTに制御される。これにより、AT抽選において決定されたナビポイント数に応じた期間に亘り、ATに制御可能となるといえる。また、AT抽選において決定されたナビポイント数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となるといえる。
本実施の形態においては、前述したように、メイン制御部41により、昇格リプレイ3に入賞したときにリプレイ3信号が出力され、有利RT中のゲームにおいて特殊出目が停止したときに取りこぼし信号が出力される。このため、たとえば、履歴情報公開端末において、リプレイ3信号が入力されたときに、ARTに制御されたことおよびARTに制御された回数を特定することができ、取りこぼし信号が入力されたときにナビポイント1に対応するATが1回終了したことを特定することができる。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、AT準備モード、ACZ、ARTのいずれかであるときに、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を行なうことにより、内部当選の結果に応じたナビ演出が実行される。内部当選の結果は、メイン制御部41からの内部当選コマンドから特定される。
たとえば、AT準備モードにおいては、ブドウ1〜8とバナナブドウとが同時に当選したとき(左押しブドウ当選時など)に、ブドウ1〜8と同時当選しているバナナブドウの種類に応じたナビ演出が実行される。
また、ACZあるいはARTにおいては、転落リプレイに当選したときに当該転落リプレイと同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行され、昇格リプレイに当選したときに当該昇格リプレイと同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行され、ブドウ1〜8とバナナブドウとが同時に当選したときにブドウ1〜8と同時当選しているバナナブドウの種類に応じたナビ演出が実行される。
ブドウ1〜8とバナナブドウとが同時に当選したときには、ナビ演出として、ブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させるための操作手順を特定するための情報(ブドウ用完全情報)を報知する。たとえば、中押しブドウ1に当選したときには、中リールを第1停止させることにより有利となる図柄組合せとしてブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させることができるため、「第1に中!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
なお、ブドウ1〜8とバナナブドウとが同時に当選したときのナビ演出として、ブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させるための操作手順を特定するための情報を報知するものに限らず、たとえば、当該操作手順を絞り込むことが可能な情報(ブドウ用一部情報)を報知するものであってもよい。たとえば、中押しブドウ1に当選したときには、「左ではないぞ!」あるいは「右ではないぞ!」といったように操作手順の選択肢を2択に絞り込むメッセージを液晶表示器51に表示するものであってもよい。また、ブドウ1〜8とバナナブドウとが同時に当選したときに、ナビ演出として、ブドウ用完全情報を報知するか、ブドウ用一部情報を報知するかを所定確率にしたがって選択するようにしてもよい。
転落リプレイに当選したときには、ナビ演出として、転落リプレイを回避させるための操作手順を特定するための情報を報知する。たとえば、順押し通常リプに当選したときには、順押しさせることにより転落リプレイ入賞を回避でき通常リプレイ入賞させることができるため、「順押し!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
なお、転落リプレイが昇格リプレイと同時に当選したときのナビ演出としても、同様に、転落リプレイを回避させ、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するための情報を報知する。たとえば、第1逆押し昇格リプに当選したときには、逆押しさせることにより転落リプレイ入賞を回避でき昇格リプレイ入賞させることができるため、「逆押し!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
昇格リプレイに当選(転落リプレイと同時当選時を除く)したときには、ナビ演出として、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するための情報(昇格用完全情報)を報知する。たとえば、第2挟み押し昇格リプに当選したときには、挟み押しさせることにより昇格リプレイ入賞させることができるため、「挟み押し!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
なお、昇格リプレイに当選(転落リプレイと同時当選時を除く)したときのナビ演出として、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するための情報を報知するものに限らず、たとえば、当該操作手順を絞り込むことが可能な情報(昇格用一部情報)を報知するものであってもよい。たとえば、第2挟み押し昇格リプに当選したときには、「逆押しではないぞ!」あるいは「中押しではないぞ!」といったように操作手順の選択肢を2択に絞り込むメッセージを液晶表示器51に表示するものであってもよい。また、昇格リプレイに当選(転落リプレイと同時当選時を除く)したときに、ナビ演出として、昇格用完全情報を報知するか、昇格用一部情報を報知するかを所定確率にしたがって選択するようにしてもよい。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
以上、本実施の形態におけるサブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、AT制御処理を行なうことにより、AT抽選の結果に応じて演出状態を制御して、ATであるときにはナビ演出を実行する。
ここで、AT抽選の結果に応じて、ATに制御されない場合とATに制御された場合についての例を説明する。図13は、AT抽選の結果に応じて、ATに制御されない場合およびATに制御された場合についての例を説明するための図である。なお、図13において、準備モード、CZ1〜CZ3あるいは有利RT(図13では「CZ/RT」と示す)各々の下欄には、AT中であるか否かを示すとともに、準備モード、CZ1〜CZ3あるいは有利RT各々におけるナビ対象役を示している。また、ナビ対象役に対する×印は当該ナビ対象役に当選したときであってもナビ演出を実行しないことを示し、当該ナビ対象役に対する○印は当該ナビ対象役に当選したときにナビ演出を実行することを示している。
図13(a)は、ボーナス当選により実行されるAT抽選においてAT当選せず、非AT準備モード中において特殊出目が停止して非ACZに制御された後、転落リプレイに入賞して通常遊技状態に制御された例を示す図である。
前述したように、CZ1〜3や有利RTにおいては、転落リプレイの当選確率が準備モードや通常遊技状態であるときよりも高まる。また、転落リプレイは、同時当選したリプレイの種類に応じて、入賞回避手順が異なる。このため、CZ1〜3や有利RTにおいて演出状態がATに制御されなければ、転落リプレイに当選したか否かを把握することができず、高確率で当選する転落リプレイの入賞を意図的に回避することができない。その結果、演出状態がATに制御されなければ、図13(a)で示すように、CZが維持され難くなる一方、通常遊技状態に制御され易くなり、遊技者が利益を獲得し難くすることができる。
図13(b)は、ボーナス当選により実行されるAT抽選においてAT当選し、ボーナス終了後にAT準備モード、ACZ、ARTに制御された例を説明するための図である。
AT準備モードにおいては、ブドウ、バナナブドウに当選していると判定されたときに、対応するナビ演出が実行される。このため、前述したように、操作手順を誤らない限り、確実にブドウ入賞させたり、ブドウを取りこぼして特殊出目を停止させてACZに制御させることができる。
ACZにおいては、転落リプレイに当選していると判定されたときのみならず、昇格リプレイに当選していると判定されたときや取りこぼしが生じるブドウに当選していると判定されたときにも、対応するナビ演出が実行される。このため、操作手順を誤らない限り、確実に転落リプレイ入賞を回避しかつブドウ入賞させて特殊出目を停止させることなく、昇格リプレイ入賞させてCZ1→CZ2→CZ3に制御させ、ARTに制御させることができる。
ARTにおいては、ナビポイントを1消費することにより、所定回数以上ゲーム消化してCZ1に制御するまでATに制御される。また、ARTに制御されてから50ゲーム消化するまでは、転落リプレイに当選していると判定されたときのみならず、取りこぼしが生じるブドウに当選していると判定されたときにも、対応するナビ演出が実行される。これに対し、ARTに制御されてから50ゲーム消化した後においては、転落リプレイに当選していると判定されたときのみ、対応するナビ演出が実行される。このため、ARTに制御されてから50ゲーム消化した後においては、ブドウ当選したときに当該ブドウを取りこぼして特殊出目が停止され、CZ1に制御される。
ARTからCZ1に制御されたときに、未だナビポイントが1以上有る場合には、ナビポイントを消費することなく、再びACZに制御され、操作手順を誤らない限り再びARTに制御される。一方、ARTからCZ1に制御されたときに、ナビポイントがない場合には、非ACZに制御される。このように、ACZからARTへの制御が、ナビポイント数に応じた回数繰り返し行なわれる。
これにより、演出状態がATに制御されれば、図13(b)で示すように、CZ1→CZ2→CZ3→有利RTに制御され易く、また、有利RTから一旦CZ1に制御された後においても再び有利RTに制御され易くするとともに、通常遊技状態に制御され難くすることができ、遊技者が利益を獲得し易くすることができる。
なお、前述したように、ナビポイント数に応じた回数だけATに制御された後は、非ATに制御され、その後、転落リプレイに当選したときであってもナビ演出が実行されない。
なお、ACZやARTにおいて転落リプレイ当選時のナビが実行された場合であっても、停止操作を誤った場合には、転落リプレイに入賞して遊技状態が通常遊技状態に制御されるとともに、ATも終了する。このように、ATフラグからATである旨が特定されているときにおいて転落リプレイに入賞した場合、ナビポイント数がクリアされ、ATフラグがATでない旨を特定するフラグに更新される。これにより、ナビ演出が行なわれる状況であったにも関わらず誤ってATを終了させてしまった場合には、再度AT抽選に当選しなければATに制御されないようにすることができる。
なお、前述したボーナス当選時のAT抽選の結果に応じたナビポイント数を上乗せ加算する場合であって、ATフラグからATである旨が特定されているときにおいて転落リプレイに入賞した場合、ナビポイント数をクリアするものに限らず、クリアするナビポイント数を決定するクリア数決定処理を行ない、決定されたナビポイント数を減算したナビポイント数を特定可能でかつATでない旨を示すATフラグに更新し、その後ボーナス当選時のAT抽選の結果に応じたナビポイント数を上乗せ加算して当該ボーナス終了後においてATに制御するように構成してもよい。これにより、AT中でありながら誤って転落リプレイ入賞させてしまい当該ATが終了したときであっても、その後ボーナス当選によりナビポイント数が上乗せされる可能性があるため、遊技者の損失感を事後的に補填することができる。
次に、現在の遊技状態や演出状態に応じて実行される遊技状態演出について説明する。本実施の形態におけるサブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれる遊技状態演出実行処理を行なうことにより、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品を用いて実行する。
遊技状態演出としては、たとえば、AT中であるか否かに関わらず準備モードであるとき、非ACZあるいは非ARTであるとき、および通常遊技状態であるときには、遊技状態に関わらず、共通の通常演出(たとえば、液晶表示器51に「通常中!」といったメッセージを表示など)が行なわれる。また、ACZであるときには、CZ1〜CZ3のいずれに制御されているかに関わらず共通のAT演出(たとえば、液晶表示器51に「AT中!」といったメッセージを表示など)が行なわれる。また、ARTであるときには、当該ARTに制御されてから50ゲーム消化するまでの期間においてAT演出が行なわれ、当該ARTに制御されてから50ゲーム消化した後において通常演出が行なわれる。また、ボーナス中には、ボーナスであることを特定可能な所定のボーナス演出が行なわれる。
図14は、現在の遊技状態および演出状態に応じて実行される遊技状態演出を説明するための図である。図14(a)は、ボーナス当選時のAT抽選でAT当選しナビポイントがあるとき(たとえば3ポイント)の例を示し、図14(b)は、ボーナス当選時のAT抽選でAT当選せずナビポイントがないときであって準備モードからCZ1に制御された後に通常遊技状態に制御されたときの例を示している。なお、図14(a)および(b)は、各々、上段にメイン制御部41により制御される現在の遊技状態が示され、中段にサブ制御部91により制御される現在の演出状態が示され、下段にサブ制御部91により制御される遊技状態演出が示されている。
まず、図14(a)を参照して、(a1)に示すように遊技状態がボーナスであるときには、(a3)に示すようにボーナス演出が実行される。また、ボーナスが終了して準備モードに制御されたときには、(a2)に示すように演出状態がATに制御されることによりAT準備モードに制御され、(a3)に示すように通常演出が実行されている。これにより、遊技者に対しATに制御されるか否かの期待感を抱かせることができる。
また、(a1)に示すように特殊出目が停止して遊技状態がCZに制御されたときには、(a2)に示すように演出状態がATに維持されることによりACZに制御され、(a3)に示すようにAT演出が実行されている。これにより、遊技者に対しATに制御されるか否かの期待感を抱かせることができる。
次に、(a1)に示すように昇格リプレイ3が入賞して遊技状態が有利RTに制御されたときには、(a2)に示すように、ナビストックを1消費することにより演出状態がARTに制御され、当該ARTに制御されてから50ゲーム消化するまでの間は、転落リプレイおよびブドウ当選時に対応するナビ演出が実行されるとともに、(a3)に示すようにAT演出が実行されている。また、ARTに制御されてから消化したゲーム数が50ゲームを超えた後は、転落リプレイ当選時に対応するナビ演出が実行されるとともに、(a3)に示すように通常演出が実行されている。
その後、当該ARTにおいて特殊出目が停止されたときには、(a1)に示すように遊技状態がCZに制御される。このとき、ナビストックが存在するため、(a2)に示すように再びACZに制御されるとともに、(a3)に示すようにAT演出が実行される。これにより、ART中において一旦通常演出が実行されたときであっても、ナビストックが存在しており、再びATに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
このように、ACZからARTに制御される処理が、ナビポイント数に応じた回数だけ繰り返し行なわれる。図14(a)では、ナビポイント3が決定されているため、(a1)および(a2)に示すように、ACZからARTに制御される処理が3回繰り返されている。
また、ACZあるいはARTに制御されている間、(a3)に示すようにAT演出が実行される。これにより、ATに制御されていることを認識することができる。
一方、ARTにおいて特殊出目が停止してCZ1に制御されたときに、ATフラグからATである旨が特定されなかったときには、ナビポイント数に応じた回数ATに制御されたため、ACZに制御されず、当該CZ1においてはナビ演出が実行されない。この場合においては、通常演出が実行される。
次に、図14(b)を参照して、ボーナスが終了して準備モードに制御されたときには、(b2)に示すように演出状態がATに制御されないため、非AT準備モードに制御され、(b3)に示すようにAT準備モードであるときと同様に通常演出が実行されている。これにより、遊技者に対しATに制御されるか否かの期待感を抱かせることができる。また、図14(b)を参照して、非AT準備モードから非ACZに制御された後においても、(c3)に示すように通常演出が継続して実行されている。これにより、ある程度ゲーム消化してもナビ演出が実行されず通常演出が継続していることにより、非AT中であることを遊技者に認識させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、図6などを参照して説明したように、ボーナス終了後に準備モードに制御し、準備モードにおいて、ブドウのいずれかに当選しているときでブドウを取りこぼしたときにのみ導出され得る特殊出目が停止されたときに、CZ1へ制御される。CZ1において、昇格リプレイ1に入賞するとCZ2に昇格し、CZ2において、昇格リプレイ2に入賞するとCZ3に昇格する。また、CZ3において、昇格リプレイ3に入賞すると有利RTへ制御される。一方、CZ1〜CZ3や有利RTにおいて、転落リプレイが入賞したときには、遊技者にとってCZや有利よりも不利な通常遊技状態に制御される。このため、特に、CZ1〜CZ3においては、転落リプレイが入賞するよりも先に対応する昇格リプレイを入賞させることにより次の遊技状態に昇格させることができる。
また、通常遊技状態へ移行させる契機となる転落リプレイは、図9(a)および図9(b)などで説明したように、転落リプレイ当選時に同時当選しているリプレイの種類によって、転落リプレイ入賞を回避させるための操作手順が異なるように、リール制御が行なわれる。また、CZや有利RTにおいて演出状態がATに制御されているときには、図14(a)などで説明したように、転落リプレイ当選時に同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行される。
以上より、CZ1〜CZ3において転落リプレイ入賞するよりも先に対応する昇格リプレイを入賞させた場合にのみ有利RTに制御される。このCZ1〜CZ3において、ATに制御されたとき、すなわちACZにおいては、転落リプレイに当選したときであっても、ナビ演出にしたがって、当該転落リプレイ入賞を回避させるための操作手順で操作することができる。一方、CZ1〜CZ3においてATに制御されなかったとき、すなわち非ACZにおいては、転落リプレイ入賞を意図的に回避することができない。さらに、図8を用いて説明したように、CZ1〜CZ3であるときには、昇格リプレイの入賞率よりも転落リプレイの入賞率の方が高いため、昇格リプレイに入賞するよりも先に転落リプレイに入賞して通常遊技状態に制御されてしまう可能性が高まる。その結果、CZ1〜CZ3においてATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いにメリハリをつけることができ、ACZに制御されることに対する期待感を効果的に高め、遊技の興趣を向上させることができる。
また、CZ1〜CZ3においてATに制御されているか否かにより遊技者にとっての有利度合いにメリハリがつくという理由から、CZ1〜CZ3であってもATであるか否かは、遊技者およびスロットマシンが設置される遊技場双方にとって関心が高いところ、前述した実施の形態によれば、メイン制御部41によりCZ3中において入賞し得る昇格リプレイ3に入賞したと判定されたときに、遊技制御基板40からスロットマシン外部に対してリプレイ3信号が出力される。
また、CZ1〜CZ3であっても非ATである場合においては、有利RTへの移行契機となる昇格リプレイ3が転落リプレイよりも先に入賞することが期待できないように、有利RTへの移行契機となる昇格リプレイ3よりも先に転落リプレイに入賞するように、当選確率およびリール制御が定められている。このため、CZ1〜CZ3であっても非ATである場合に転落リプレイよりも昇格リプレイ3が先に入賞することが実質的に生じ得ず、転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されたときには実質的に演出状態がATに制御されているといえる。すなわち、CZにおいて転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞したということは、演出状態がATに制御されており、内部当選結果に応じてナビ演出が実行された結果であるといえる。
これにより、CZ3中に行なわれたゲームにおいて昇格リプレイ3に入賞したか否かを判定することにより、サブ制御部91側で決定されるATであるか否かを間接的にメイン制御部41側のみにおいて判定することができ、昇格リプレイ3に入賞したと判定されたときにリプレイ3信号を遊技制御基板40から外部出力することにより演出制御基板90から外部出力するための信号経路を設けることなく、ATであるか否かをより確実にスロットマシン外部に伝達させることができる。
その結果、スロットマシンにおける外部出力のための信号経路を複雑にすることなく、また信号出力のための記憶領域を設けるなど大幅な設計変更を行なうことなく、リプレイ3信号を出力することができ、かつ当該リプレイ3信号に基づきスロットマシン履歴情報公開端末やホールコンピュータなどのホール機器におけるATに関する履歴情報をより確実に更新させることができる。
なお、たとえば準備モードから直接CZ3に制御されるものであって当該CZ3における転落リプレイと昇格リプレイ3との当選確率を調整することにより実現させる場合には、演出状態がATに制御されているときであってもなかなか昇格リプレイ3に当選しないため、当該昇格リプレイ3を入賞させるまでに要するゲーム数が多くなり、遊技者に苛立ちを感じさせる虞がある。しかし、本実施の形態におけるスロットマシンにおいては、CZ1からCZ2に制御された後にCZ3に多段階的に制御するようにし、かつCZ1〜CZ3各々の昇格リプレイおよび転落リプレイの当選確率を調整することにより、CZにおいて演出状態がATに制御されていないときには昇格リプレイ3よりも先に転落リプレイを入賞させて、転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されたときには実質的に演出状態がATに制御されている確実性を高めた。このため、準備モードから直接CZ3に制御されるものと比較し、演出状態がATに制御されているときにはCZ1に制御されてから昇格リプレイ3に入賞するまでに要するゲーム数を少なくすることができる。
さらに、本実施の形態におけるスロットマシンにおいては、CZ1〜CZ3各々の昇格リプレイおよび転落リプレイの入賞手順が異なるようにリール制御するため、当選確率のみを調整するものと比較し、演出状態がATに制御されているときにはCZ1に制御されてから昇格リプレイ3に入賞するまでに要するゲーム数をより一層少なくすることができる。
(2) 前述した実施の形態におけるCZ1〜CZ3のうち、CZ1およびCZ2であるときには、昇格リプレイ3に当選しないため入賞し得ず、CZ2において昇格リプレイ2が入賞することにより制御されるCZ3においてのみ昇格リプレイ3に当選し入賞し得るように、リプレイについての内部抽選が行なわれる。このため、CZ2において昇格リプレイ2に当選しかつ入賞してCZ3に制御された後でなければ、昇格リプレイ3について内部抽選が行なわれない。このため、CZ3に制御されるまでに転落リプレイに入賞する可能性が高まる。その結果、CZにおいて転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されたときには、実質的に演出状態がATに制御されている確実性を高めることができる。
また、CZ1であるときには、昇格リプレイ3のみならず昇格リプレイ2にも当選しないため入賞し得ず、CZ1において昇格リプレイ1が入賞することによりCZ2に制御されて昇格リプレイ2が入賞しなければCZ3に制御されないように、リプレイについての内部抽選が行なわれる。このため、CZ1において昇格リプレイ1に当選しかつ入賞してCZ2に制御され、さらにCZ3に制御された後でなければ、昇格リプレイ3について内部抽選が行なわれない。このため、CZ3に制御されるまでに転落リプレイに入賞する可能性をより一層高めることができる。その結果、CZにおいて転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されたときには、実質的に演出状態がATに制御されている確実性をより一層高めることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、CZ2において、演出状態がATに制御されていない場合、昇格リプレイ2に当選したときに昇格リプレイ2を入賞させるための操作手順で操作できる割合が1/4であるのに対し、昇格リプレイ2を取りこぼしてしまう割合が3/4であるため、昇格リプレイ2に当選しても取りこぼしてしまう割合が高くなる。このため、演出状態がATに制御されていない場合、CZ2からCZ3に制御されにくくすることができ、CZ3に制御されるまでに転落リプレイに入賞する可能性を高めることができる。その結果、CZにおいて転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されたときには、実質的に演出状態がATに制御されている確実性を高めることができる。
また、CZ1において、演出状態がATに制御されていない場合も同様に、昇格リプレイ1に当選したときに昇格リプレイ1を入賞させるための操作手順で操作できる割合が1/4であるのに対し、昇格リプレイ1を取りこぼしてしまう割合が3/4であるため、昇格リプレイ1に当選しても取りこぼしてしまう割合が高くなる。このため、演出状態がATに制御されていない場合、CZ1からCZ2にも制御されにくくすることができ、CZ3に制御されるまでに転落リプレイに入賞する可能性を高めることができる。その結果、CZにおいて転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されたときには、実質的に演出状態がATに制御されている確実性をより一層高めることができる。
(4) 前述した実施の形態においては、演出状態がATに制御されていない場合において仮にCZ3に制御されかつ昇格リプレイ3に当選したとしても、当該昇格リプレイ3を入賞させるための操作手順で操作できる割合が1/4であるのに対し、昇格リプレイ3を取りこぼしてしまう割合が3/4であるため、昇格リプレイ3に当選しても取りこぼしてしまう割合が高くなる。このため、仮にCZ3に制御されたとしても、演出状態がATに制御されていない場合においては、昇格リプレイ3を入賞させにくくすることができる。その結果、CZにおいて転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されたときには、実質的に演出状態がATに制御されている確実性をより一層高めることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、図8(b)および(c)で示すように、少なくともCZ2およびCZ3各々において、対応する昇格リプレイの当選確率よりも転落リプレイの当選確率の方が高く設定されている。このため、CZにおいて、昇格リプレイ3に当選するよりも先に転落リプレイに当選する可能性が高くなる。その結果、CZにおいて転落リプレイよりも先に昇格リプレイ3に入賞して有利RTに制御されたときには、実質的に演出状態がATに制御されている確実性をより一層高めることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、内部抽選においてブドウのいずれかに当選した場合において、ATであるときには当選したブドウの種類に応じたナビ演出が実行されるため意図的にブドウを確実に入賞させるための手順で操作することができるのに対し、ATでないときにはナビ演出が実行されず確実に入賞させることができない。このため、非ATであるときと比較して、ATであるときにはブドウの取りこぼしを低減させることができる。さらに、CZ2およびCZ3であるときにおいて、非ATであるときと比較して、ATであるときにはブドウ取りこぼしにより特殊出目が停止されてCZ1に戻されてしまう可能性を低減させることができる点において、遊技者にとっての有利性をより顕著にすることができる。
(7) 前述した実施の形態においては、昇格リプレイ3に入賞した後に特殊出目が停止することにより、ナビストック1に対応するATが終了したことをメイン制御部41側のみにおいて間接的に判定し、取りこぼし信号を出力することにより、ATが終了したことをより確実にスロットマシン外部に伝達させることができる。
(8) 前述した実施の形態における準備モードからCZ1への移行契機となる特殊出目は、図5(b)などで説明したように、ブドウ当選時において当該ブドウを取りこぼす操作手順で操作されたときにのみ入賞ライン上に停止されるように、リール制御が行なわれる。これにより、準備モードにおいてブドウに当選しながら取りこぼしてしまった場合には、ブドウ入賞の発生に伴い払出されるメダルを獲得することができず不利益が生じるが、特殊出目が停止されて有利RTへの制御の機会が与えられるCZ1に制御されるため、当該不利益を補填することができる。
(9) 前述した実施の形態においては、図12(d)のボーナス当選時のテーブルに示すように、非AT準備モードや非ACZにおいてボーナス当選したときには、ボーナスに制御されることに加えて、当該ボーナス終了後においてATに制御される。このため、非AT準備モードや非ACZにおいて、ボーナス当選することに対する期待感をより強く抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前述した実施の形態においては、図12(b)および(c)のテーブルに示すように、AT準備モードやACZにおいてボーナス当選したときにも、ボーナスに制御されることに加えて、当該ボーナス終了後においてATに制御される。このため、ボーナスを挟んで、ATに連続的に制御されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述した実施の形態においては、準備モードやCZにおいてボーナス当選したときには、ATであるか否かに関わらず、当該ボーナス終了後においてATに制御される例について説明したが、これに限らず、準備モードやCZにおいてボーナス当選したときであっても、非ATであるときにのみ当該ボーナス終了後において必ずATに制御され、ATであるときには所定の確率で当選した場合にしかATに制御されるように構成してもよい。この場合には、非ATにおいてボーナス当選することにより、非AT中に被った損失を事後的に補填することができる。また、準備モードやCZにおいてボーナス当選したときであっても、ATであるときにのみ当該ボーナス終了後において必ずATに制御され、非ATであるときには所定の確率で当選した場合にしかATに制御されないように構成してもよい。この場合には、ATにおいてボーナス当選することにプレミアを付加することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、CZにおける有利RT突入率を0.148%未満とし、転落リプレイ入賞率を99.8%以上とすることにより、CZにおいて演出状態がATに制御されていないときには昇格リプレイ3よりも先に転落リプレイを入賞させる例について説明した。しかし、CZにおける有利RT突入率および転落リプレイ入賞率は、これに限らず、CZにおいて演出状態がATに制御されていないときには昇格リプレイ3よりも先に転落リプレイを入賞させるような率に設定されているものであれば、前述した実施の形態で説明した同様の効果を奏する。
たとえば、CZにおける有利RT突入率および転落リプレイ入賞率は、1日の平均ゲーム数または3日間の平均ゲーム数の少なくともいずれかのゲーム数消化したときに、昇格リプレイ3入賞時において演出状態がATに制御されていない回数が1回未満となる率に定められているものであってもよい。
また、CZにおける有利RT突入率および転落リプレイ入賞率は、転落リプレイの入賞率から算出される転落リプレイ入賞するまでのゲーム数の正規分布において標準偏差が3σ(99.7%)を超えるゲーム数よりも、CZにおいて昇格リプレイ3に入賞するまでに要するゲーム数が多くなる率に定められているものであってもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、CZにおいて昇格リプレイ3に入賞したときに演出状態がATであると判定する例について説明した。しかし、たとえば、CZにおいて昇格リプレイ2に入賞する率が、CZにおいて演出状態がATに制御されていないときには昇格リプレイ2よりも先に転落リプレイを入賞させるような率に設定されている場合には、昇格リプレイ2に入賞したときに演出状態がATであると判定するように構成してもよい。これにより、リプレイ3信号が出力されたときに実際にサブ制御部91によりATに制御されている確実性を担保しつつ、より早い段階で、当該リプレイ3信号を外部出力することができるため、ホール機器における履歴情報を更新させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、CZ1〜CZ3におけるリプレイ抽選対象役の組合せ、当選確率、およびリール制御については、図8(a)〜図8(c)および図9(a)、(b)で示したが、これに限るものではなく、CZにおいて演出状態がATに制御されていないときには昇格リプレイ3よりも先に転落リプレイを入賞させるように設定されているものであればよい。
たとえば、リプレイ抽選対象役の組合せとして、CZ1であるときに、通常リプレイと転落リプレイとが同時当選する組合せと、通常リプレイと昇格リプレイ1とが同時当選する組合せを設けてもよく、また、CZ2およびCZ3であるときにも、転落リプレイと昇格リプレイとが同時当選する組合せを設けてもよい。また、当選確率として、CZ1〜CZ3各々における、転落リプレイおよび昇格リプレイ各々の当選確率が、CZ1〜CZ3各々で異なるように設定されているものであってもよい。また、リール制御として、押し順が4種類に分類されるものに限らず、4種類未満であっても、5種類以上であってもよい。
(4) 前述した実施の形態においてAT中であるときであって、少なくとも転落リプレイに当選したときには、必ず、ナビ演出を実行する例について説明した。しかし、AT中であるときであって、転落リプレイに当選したときであっても、所定確率(たとえば、70%)でしかナビ演出が実行されないものであってもよい。また、非AT中であっても、所定確率よりも低い確率(たとえば1%)でナビ演出を実行するものであってもよい。この場合においては、CZに制御されているが所定確率以上でナビ演出が実行されない場合において昇格リプレイ3よりも先に転落リプレイが入賞するように、CZにおける有利RT突入率および転落リプレイ入賞率が設定されているものであればよい。
また、ナビ演出が実行される実行確率が変化する(たとえば、100%のときもあれば、70%、50%、30%のときもある)ものであってもよい。この場合においては、たとえばRTに制御されているが予め定めた一の実行確率(たとえば、70%)以上でナビ演出が実行されない場合において昇格リプレイ3よりも先に転落リプレイが入賞するように、CZにおける有利RT突入率および転落リプレイ入賞率が設定されているものであればよい。
(5) 前述した実施の形態においては、昇格リプレイ3に入賞したときに、所定期間(たとえば、2ミリ秒)に亘り、リプレイ3信号が出力される例について説明した。しかし、リプレイ3信号を出力する態様は、これに限るものではない。たとえば、昇格リプレイ3に入賞してから、当該昇格リプレイ3入賞に伴なう有利RTが終了するまでの間、リプレイ3信号が出力されるように構成してもよい。これにより、ホール機器では、リプレイ3信号の出力状態から、ATに制御されたことおよびATに制御されている期間を特定することができる。また、リプレイ3信号が出力された回数から、ATに制御された回数を特定することができる。
(6) 前述した実施の形態においては、AT準備モードにおいてブドウに当選したときにナビ演出が実行される例について説明した。しかし、AT準備モードにおいては、ブドウに当選したときであっても、ナビ演出を実行しないように構成してもよい。これにより、ナビ演出にしたがって停止操作し、ブドウに入賞させることができるもののいつまでたってもCZに制御されないといった不都合が発生することを未然に防止することができる。
一方、ARTやACZにおいてブドウに当選したときには、ナビ演出が実行される。これにより、ナビ演出にしたがって停止操作することにより、ブドウ入賞の発生に伴い払出されるメダルを獲得することができるとともに、ARTに制御されてから50ゲーム消化するまでのCZ1に転落することを防止することができる。また、このように小役の取りこぼし時に停止可能となる出目をCZ1への移行契機に設定したことにより、たとえば移行契機となる入賞役を新たに設定するなどの必要がなく、スロットマシンの開発段階における設計上の負担を軽減することができる。
(7) 前述した実施の形態において、ナビポイントを1消費することにより、所定回数以上ゲーム消化する間ARTに制御する例について説明したが、これに限らず、ナビポイントは転落リプレイのナビ演出を実行する毎に1消費するようにしてもよい。ナビポイントは、RTにおいてATに制御する期間を特定する値であればどのようなものであってもよい。
また、前述した実施の形態においては、ナビポイントを消費するタイミングが、有利RTに制御するときである例について説明した。しかし、ナビポイントを消費するタイミングは、これに限らず、CZ1に制御するときであってもよい。たとえば、CZ1に制御されたときに、ナビポイントを1消費して、ACZに制御し、以降、所定回数(たとえば50)ゲーム消化するまで、当該消費したナビポイントに対応してATに制御するようにしてもよい。このように構成した場合の例を以下に説明する。
一例として、ATにおいて所定回数ゲーム消化したときに、ナビポイントの有無に関わらず、非ATに制御するように構成し、転落リプレイに当選したときにナビポイントが1以上存在することを条件として、ナビポイントを1消費して再びATに制御し、転落リプレイに当選したときにナビポイントが存在しないときには非ATが維持されるように構成してもよい。これにより、非ATに制御されている間、再びATに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。また、他の例として、ATにおいて所定回数ゲーム消化したときに、ナビポイントが1以上有ることを条件として、ナビポイントを1消費してATを維持し、ナビポイントがないときに非ATに制御されるように構成してもよい。
(8) 前述した実施の形態において、通常遊技状態や有利RTにおいてボーナス当選したときには、AT中であるか否かに関わらず、遊技者にとっての有利度合いが同じテーブルを用いてAT抽選を行なう例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて、遊技者にとって有利度合いが異なるテーブルを用いてAT抽選を行なうようにしてもよい。また、準備モードやCZにおいてボーナス当選したときには、AT中であるか否かに応じて、遊技者にとって有利度合いが異なるテーブルを用いてAT抽選を行なう例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに関わらず、遊技者にとっての有利度合いが同じテーブルを用いてAT抽選を行なうようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態において、CZや有利RTは規定ゲーム(たとえば100ゲーム)消化することにより終了するものであってもよい。また、特殊出目の種類によって有利度合い(リプレイ当選率、規定ゲーム数)が異なるCZに制御するようにしてもよい。これにより、CZや有利RTのバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(10) 前述した実施の形態において、特殊出目を入賞ラインに停止させるリール制御は、遊技状態に関わらず、ブドウ当選時において当該ブドウを取りこぼしたときにのみ行なわれる例について説明した。しかし、特殊出目を入賞ラインに停止させるリール制御は、ブドウ当選時において当該ブドウを取りこぼしたときで、かつ遊技状態が準備モード、CZ2、CZ3、有利RTであるときにのみ行なわれるように構成してもよい。これにより、通常遊技状態において特殊出目が停止されたにも関わらずRTに制御されないことにより、遊技者の混乱を招く不都合の発生を未然に防止することができる。
また、前述した実施の形態においては、通常遊技状態であるときに特殊出目が停止されたときであっても、CZ1に制御されない例について説明したが、これに限らず、通常遊技状態においても低確率でCZ1に制御されるように構成してもよい。また、通常遊技状態において特殊出目のうち特別出目(たとえば、図5(b)に示す特殊出目のうちバナナ−メロン−黒ブドウ)が停止されたときにのみCZ1に制御されるように構成してもよい。これにより、通常遊技状態から規定ゲーム数消化を経ずにCZ1に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
(11) 前述した実施の形態においては、AT抽選において、ボーナス当選するまでATに制御する特別ナビポイントが決定され得るようにしてもよい。これにより特別ナビポイントに当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。この場合、特別ナビポイントは、準備モードやCZにおいてボーナス当選したときにおいて、通常遊技状態や有利RTにおいてボーナス当選したときよりも、AT抽選において高確率で当選するようにしてもよい。また、特別ナビポイントは、準備モードやCZにおいてボーナス当選したときにおいて、通常遊技状態や有利RTにおいてボーナス当選したときよりも、AT抽選において高確率で当選するようにしてもよい。これにより、準備モードやCZにおいてボーナス当選することにプレミアを付加することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(12) 前述した実施の形態においては、特別役に当選しているときであってさらに払出枚数が賭数3以上の小役(以下、通常小役という)に当選しているゲームにおいては、当該通常小役に対応する図柄組合せを優先して導出させ、特別役に当選しているときであってさらに払出枚数が賭数3よりも少ない小役(以下、特定小役という)が設けられている場合であって、当該特定小役が当選しているゲームにおいては、特定小役に対応する図柄組合せよりもビッグボーナスに対応する図柄組合せを優先して導出させるリール制御を行なう例について説明した。このようなリール制御に加えて、以下のリール制御を行なうように構成してもよい。
メダルの払出枚数が賭数と同じ同等小役と、特別役が当選しているときには、たとえば、特別役よりも同等小役を優先的に入賞させるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、同等小役に入賞させて払い出されたメダルで次のゲームを開始でき当該ゲームにおいて通常小役に当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。また、同等小役と特別役とが当選しているときには、同等小役よりも特別役を優先的に入賞させるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、特別役を入賞させるまでに要するゲーム数およびメダル数を低減させることができる。
また、入賞ライン数に応じてメダルの払出枚数が変化し、たとえば、賭数以下となるときと賭数よりも多くなるときとがあり得る特殊小役について、当該特殊小役と、特別役とが当選しているときには、払出枚数が賭数より多くなるように特殊小役を入賞させることが可能な操作手順で操作されたときに、特別役よりも特殊小役を優先的に入賞させるようにリール制御を行ない、払出枚数が賭数以下となるようにしか特殊小役を入賞させることができない操作手順で操作されたときに、特殊小役よりも特別役を優先的に入賞させるようにリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、操作手順をも考慮して、遊技者にとって不利なゲーム結果となる表示結果が導出されることを極力低減することができ、遊技者にとって有利なゲーム結果となる表示結果を優先的に導出させることができる。
なお、特別役に当選しているときであってさらに小役に当選しているゲームにおいては、当選している小役の払出枚数に関わらず、特別役よりも小役に対応する図柄組合せを優先して導出させるリール制御を行なうものであってもよい。
また、通常小役と特定小役とを抽選対象役として同時に読出して抽選するように構成してもよい。このように構成した場合には、たとえば、特別役の当選が持ち越されている状態で、通常小役と特定小役とが当選した場合には、特別役、通常小役、および特定小役に同時に当選している状況になる。この場合には、特別役および特定小役よりも通常小役を優先的に入賞させるリール制御を行ない、通常小役を入賞させることができないときに特定小役よりも特別役を優先的に入賞させるリール制御を行ない、通常小役および特別役を入賞させることができないときに特定小役を入賞させるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、通常小役と特定小役とが同時に当選した場合であっても、遊技者にとって不利なゲーム結果となる表示結果が導出されることを極力低減することができ、遊技者にとって有利なゲーム結果となる表示結果を優先的に導出させることができる。
(13) 前述した実施の形態において、ボーナス当選を条件にその旨報知してもよい。また、ボーナス当選報知した後、ボーナスよりも優先して入賞ライン上に引き込まれる入賞役に当選しておらず、ボーナスを入賞させるチャンスタイミングであるときに、チャンス演出を行なう例について説明した。チャンス演出としては、当選しているボーナスの種類、当該ボーナスを入賞させるための操作手順など、遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出を行なうように構成してもよい。
(14) 前述した実施の形態におけるスロットマシンが流通する業界においては、ホールへの出荷前段階において第三者機関による検査(型式試験)が義務づけられており、当該型式試験において所定の基準を満たしていると判定された機種のみ遊技場への出荷が許されるといった特別な事情を有している。また、近年においては、射倖性が高まり過ぎないようにするために、スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定した試験を行なえるようにすることが求められている。
そこで、前述した実施の形態におけるスロットマシンにおいては、このような特別な事情およびニーズを考慮して、“スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定して試験を行なうことができる情報”を出力するための“出力手段”をさらに備えるものであってもよい。以下、図15を参照して、遊技制御基板、演出制御基板、および入出力基板を“出力手段”の一例として説明し、推奨操作手順情報を“スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定して試験を行なうことができる情報”の一例として説明する。図15は、型式試験を行なうための試験装置1200と試験に用いる試験用情報を入出力するための入出力基板1100が搭載されたスロットマシンの制御回路の一例を示すブロック図である。
スロットマシン1から試験装置1200に出力される試験用情報には、図15に示すように、ゲーム開始および当選状況を特定するための当選状況情報、リールモータ32L〜32R各々の回転位置(たとえば、所定位置のステップ番号、下段に位置している図柄の領域番号など)を特定するための回転位置情報、ナビ演出の有無などを考慮して実際に遊技者によって操作されることが予測される推奨操作手順を特定するための推奨操作手順情報が含まれる。なお、スロットマシン1から試験装置1200に出力される試験用情報には、入賞が発生したことおよびその種類を特定するための入賞情報やメダルが払い出されたことを特定するための払出情報など、その他の情報が含まれる。
また、試験装置1200からスロットマシン1に入力される試験用情報には、図15に示すように、ゲームを開始するために賭数設定やリール回転などゲームを開始させるためのゲーム開始情報、リールを停止させるなどゲームを終了させるためのゲーム終了情報が含まれる。
スロットマシン1に搭載された入出力基板1100には、遊技制御基板40と電気的に接続するためのコネクタ1101と、演出制御基板90と電気的に接続するためのコネクタ1102と、試験装置1200と電気的に接続するためのコネクタ1103とが設けられている。前述した型式試験は、入出力基板100と試験装置1200とがコネクタにより接続された状態で、各種情報を入出力させることにより行なわれる。以下、型式試験が行なわれる際の各種情報の流れおよび動作について、具体的に説明する。
まず、試験装置1200は、スロットマシン1においてゲームを開始させるために、ゲーム開始情報を出力する。当該ゲーム開始情報は、入出力基板1100を介して遊技制御基板40に入力される。これにより、遊技制御基板40のメイン制御部41においては、ゲームを開始させるための処理(BET処理において賭数設定、抽選処理、リール回転処理など)を行なう。
そして、遊技制御基板40のメイン制御部41は、ゲーム開始時に当選状況情報を生成して出力する。当該当選状況情報は、入出力基板1100を介して試験装置1200に入力される。これにより、試験装置1200において、ゲームが開始されたこと、および当選状況を特定することができる。
また、遊技制御基板40のメイン制御部41は、リール回転に応じて回転位置情報を生成して出力する。当該回転位置情報は、たとえばリールモータ32L〜32R各々の168ステップのうち所定位置に存在するステップを特定するための情報であって、入出力基板1100を介して試験装置1200に入力される。これにより、試験装置1200において、リール2L〜2R各々について現在の回転位置を特定することができる。
また、演出制御基板90のサブ制御部91は、当選状況等に応じて推奨操作手順情報を生成して出力する。当該推奨操作手順情報は、入出力基板1100を介して試験装置1200に入力される。これにより、試験装置1200において、推奨操作手順を特定することができる。
試験装置1200は、回転位置情報から特定されるリール2L〜2Rの現在の回転位置に基づき、推奨操作手順情報から特定される推奨操作手順でリール2L〜2R各々を停止させるためのゲーム終了情報を生成して出力する。当該ゲーム終了情報は、入出力基板1100を介して遊技制御基板40に入力される。これにより、遊技制御基板40のメイン制御部41においては、ゲーム終了情報にしたがってリール2L〜2R各々を停止させ、ゲームを終了させるための処理(リール回転処理、入賞判定処理、払出処理など)を行なう。これにより、推奨操作手順でリール2L〜2R各々を停止させることができる。
以上のように、入出力基板1100を介して、スロットマシン1と試験装置1200との間で情報の入出力が繰り返し行なわれ、自動的にゲームを繰り返し行なうことができる。その結果、自動的にスロットマシン1についての型式試験を行なうことができる。
推奨操作手順は、前述したように、スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定して試験を行なうことができるようにするための情報であればよい。たとえば、推奨操作手順は、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出(たとえば、チャンス演出等)によって遊技者に実際に停止させようとする図柄組合せを導出させるための操作手順であり、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときには所定の操作手順(小役取りこぼしを最小限に抑える手順、いわゆるDDT打法、KKK打法など)であってもよい。
具体的に、推奨操作手順とは、前述したチャンス演出が実行されるときには実際に停止させようとする図柄組合せが当選しているボーナスであるため、当該ボーナスの組合せを導出させるための操作手順をいう。これにより、試験装置1200では、回転位置情報から特定されるリール2L〜2R各々の現在の回転位置が推奨操作手順情報から特定されるリール2L〜2R各々の位置となったときに、対応するリールを停止させるためのゲーム終了情報を出力する。その結果、推奨操作手順でリール2L〜2R各々を停止させることができ、スロットマシン1において当選しているボーナス入賞を発生させることができる。
これにより、推奨操作手順情報が入力される試験装置においては、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出によって遊技者に実際に停止させようとする図柄組合せを導出させるための推奨操作手順を特定することができる。その結果、推奨操作手順で操作された場合の結果に基づいて型式試験を行なうことができるため、スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定して試験を行なうことができる。
また、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときにおける推奨操作手順は、所定の操作手順(操作手順によって取りこぼしが発生する所定の小役を含む場合において当該所定の小役取りこぼしを最小限に抑える手順、いわゆるDDT打法、KKK打法など)であってもよい。たとえば、ボーナスの当選の有無を認識していない遊技者は、通常、所定の小役を極力入賞可能とさせるように停止操作することが考えられる。なぜなら、当選している所定の小役を取りこぼしてしまう可能性を最小限に抑えることができるためである。すなわち、所定の小役を入賞可能とさせるように停止操作することにより、所定の小役を入賞させないように停止操作した場合と比較して、たとえば、所定の小役に当選しているときには確実に入賞させることができ、また所定の小役に当選しておらず他の小役(たとえば、取りこぼしなしの小役)に当選していたときには当該当選している小役を引き込むことができ、取りこぼしてしまう可能性を最小限に抑えることができるためである。これにより、たとえば所定の小役を入賞させることができない操作手順と比較して、所定の小役を入賞させる操作手順で停止操作することにより、小役を取りこぼしてしまう可能性を低減させることができる。
なお、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときにおける推奨操作手順は、任意の操作手順(いわゆるオヤジ打ち)であってもよい。なぜなら、遊技演出が行なわれていないときに、遊技者は、ゲームの進行を迅速にすることを考慮して、目押しをせずにゲームを進行することが考えられるためである。この場合の推奨操作手順情報とは、リール2L〜2R各々について領域番号1〜21を特定可能な情報をいう。
これにより、推奨操作手順情報が入力される試験装置においては、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときであっても、遊技者に実際に停止させようとする図柄組合せを導出させるための推奨操作手順を特定することができる。その結果、推奨操作手順で操作された場合の結果に基づいて型式試験を行なうことができるため、スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定していわゆるAT中でないときについても試験を行なうことができる。
なお、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときに出力する推奨操作手順情報は、所定の操作手順(小役取りこぼしを最小限に抑える手順、いわゆるDDT打法、KKK打法など)を特定するための第1情報と、任意の操作手順(いわゆるオヤジ打ち)を特定するための第2情報とを出力するように構成してもよい。これにより、試験装置1200においては、必要に応じて第1情報または第2情報を用いて当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときの試験を行なうことができ、実際に遊技者によって遊技された場合により近い状態で当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときの試験を行なうことができる。
サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドおよび遊技状態コマンドに基づき、第1のストローブ信号を出力し、左リール2Lについての領域番号を特定するためのデータを出力し、第2のストローブ信号を出力し、中リール2Cについての領域番号を特定するためのデータを出力し、さらに、第3のストローブ信号を出力し、右リール2Rについての領域番号を特定するためのデータを出力することにより、推奨操作手順情報の出力を完了する。これにより、入出力基板1100を介して推奨操作手順情報が試験装置1200に入力される。そして、試験装置1200側においては、推奨操作手順情報から各リールについての停止操作すべき位置を特定することができ、回転位置情報から特定される回転位置を考慮して、ゲーム終了情報を出力し、推奨操作手順で各リールを停止させることができる。
なお、推奨操作手順が、リール停止順序をも含む場合には、サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドおよび遊技状態コマンドに基づき、第1のストローブ信号を出力し、第1停止させるリールについての領域番号を特定するためのデータを出力し、第2のストローブ信号を出力し、第2停止させるリールについての領域番号を特定するためのデータを出力し、さらに、第3のストローブ信号を出力し、第3停止させるリールについての領域番号を特定するためのデータを出力することにより、推奨操作手順情報の出力を完了する。これにより、入出力基板1100を介して推奨操作手順情報が試験装置1200に入力される。そして、試験装置1200側においては、推奨操作手順情報から各リールについての停止操作すべき位置に加えてリール停止順序を特定することができ、回転位置情報から特定される回転位置を考慮して、ゲーム終了情報を出力し、推奨操作手順で各リールを停止させることができる。
なお、型式試験が終了した後においては、前述したコネクタ1103を介して不正な情報を入力するような不正行為が行なわれることが考えられる。これを回避するために、たとえば、コネクタ1103は、入出力基板1100から取り外し可能に設け、出荷段階においては、コネクタ1103を取り外すことができるように構成されていてもよい。また、出荷段階においては、入出力基板1100を搭載させずに出荷するように構成してもよい。これにより、不正な情報を入力するような不正行為を未然に防止することができる。
(15) 前述した実施の形態におけるCZや有利RTの終了条件としては、ボーナスに当選すること、転落リプレイに入賞すること、特殊出目が停止することにより成立する例について説明した。しかし、CZや有利RTの終了条件としては、これに限らず、さらに、規定ゲーム数消化すること、所定の終了抽選において当選することにより成立するように構成してもよい。また、準備モードの終了条件としては、ボーナス当選、特殊出目停止などにより成立する例について説明した。しかし、準備モードの終了条件としては、これに限らず、さらに、転落リプレイについて内部抽選を行なうように構成した場合に当該転落リプレイ入賞、規定ゲーム数消化、所定の終了抽選において当選することにより成立するように構成してもよい。これにより、CZ、有利RT、準備モード各々が終了するタイミングの種類を豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、準備モードにおいて転落リプレイについて内部抽選を行なうように構成する場合、当該転落リプレイはビッグボーナスのいずれかと同時に読み出されるように構成してもよい。これにより、準備モードにおいて転落リプレイに入賞したときには、ビッグボーナス当選していることを遊技者に認識させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(16) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(17) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(18) 前述した実施の形態の図12においては、報知期間(有利演出状態)を開始させるか否かに関与する報知条件として、(ア)ナビポイント1以上に決定されたことを条件としてATに制御するスロットマシンにおいてATに制御すると決定する割合を例示した。しかし、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件として、(イ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて消化したゲーム数が予め決定された到達ゲーム数に到達したことを条件としてATに制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達ゲーム数を決定する割合、(ウ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて当選した転落リプレイの入賞を回避させた回避回数が決定された到達回数に到達したことを条件として報知期間に制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達回数を決定する割合、などであってもよい。
また、前述した実施の形態においては、上記(ア)の場合、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、高い割合でATに制御すると決定するテーブル(図12(a)のテーブルと(d)のテーブル参照)を用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選する例について説明した。しかし、上記(イ)の場合も同様に、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より少ない到達ゲーム数を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。また、上記(ウ)の場合も同様に、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より少ない到達回数を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。
前述した実施の形態の図12においては、報知期間に制御する期間に関与する報知条件として、(エ)ATにおいて消化したゲーム数が獲得したナビポイント数に応じた終了ゲーム数に到達したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいてナビポイント数を決定する割合、すなわち終了ゲーム数を決定する割合を例示した。しかし、報知期間に制御する期間に関与する報知条件として、(オ)ATにおいて予め決定された終了確率にしたがい所定の終了抽選を実行し、該終了抽選で当選したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいて終了確率を決定する割合、(カ)ATにおいて転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が規定回数に到達したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいて規定回数を決定する割合、などであってもよい。
また、前述した実施の形態においては、上記(エ)の場合、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より多いナビポイント数、すなわちより多い終了ゲーム数を高い割合で決定するテーブル(図12(a)のテーブルと、図12(d)のボーナス当選時テーブル参照)を用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選する例について説明した。しかし、上記(オ)の場合も同様に、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より低い終了確率を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。また、上記(カ)の場合も同様に、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より多い規定回数を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。
また、報知条件は、たとえば、(キ)ATにおいて転落リプレイ当選時にナビ演出を実行するか否かを抽選し、当選したときにナビ演出を実行するスロットマシンにおいて、当選確率を決定する割合、などであってもよい。上記(キ)の場合も同様に、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より高い当選確率を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。
また、報知条件は、上記(ア)〜(キ)のいずれであってもよく、また上記(ア)〜(キ)のうち選択的に組合されたものであってもよい。報知条件が上記(ア)〜(キ)のいずれか、また(ア)〜(キ)のうち選択的に組合されたものであっても、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
(19) 上記(18)で示したように、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件として、少なくとも(イ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて消化したゲーム数が予め決定された到達ゲーム数に到達したことを条件としてATに制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達ゲーム数を決定する割合、(ウ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて当選した転落リプレイの入賞を回避させた回避回数が決定された到達回数に到達したことを条件として報知期間に制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達回数を決定する割合、などを採用するスロットマシンにおいては、報知期間に制御されるまでの準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて、転落リプレイ当選時において当選したリプレイの種類を特定可能にするナビ演出を実行する期間外報知可能期間に制御する手段と、期間外報知可能期間であることを条件として転落リプレイ当選時において当選したリプレイの種類を特定可能にするナビ演出を実行する手段とを備えるものであってもよい。この場合、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件としては、さらに、(ク)期間外報知可能期間において消化したゲーム数が予め決定された期間外終了ゲーム数に到達したことを条件として当該期間外報知可能期間への制御を終了するスロットマシンにおいて期間外終了ゲームを決定する割合、(ケ)期間外報知可能期間において予め決定された期間外終了確率にしたがい所定の期間外終了抽選を実行し、該期間外終了抽選で当選したことを条件として当該期間外報知可能期間への制御を終了するスロットマシンにおいて期間外終了確率を決定する割合、(コ)期間外報知可能期間において転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が期間外規定回数に到達したことを条件として当該期間外報知可能期間への制御を終了するスロットマシンにおいて期間外規定回数を決定する割合、などであってもよい。
また、上記(ク)の場合、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より多い期間外終了ゲーム数を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。また、上記(ケ)の場合、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より低い期間外終了確率を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。上記(コ)の場合、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より多い期間外規定回数を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。
また、報知条件は、たとえば、(サ)期間外報知可能期間において転落リプレイ当選時にナビ演出を実行するか否かを抽選し、当選したときにナビ演出を実行するスロットマシンにおいて、当選確率を決定する割合、などであってもよい。上記(サ)の場合も同様に、非準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より高い当選確率を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。
また、上記スロットマシンにおける報知条件としては、上記(ア)〜(キ)および上記(ク)〜(サ)のいずれであってもよく、また上記(ア)〜(キ)および上記(ク)〜(サ)のうち選択的に組合されたものであってもよい。報知条件が上記(ア)〜(キ)および上記(ク)〜(サ)のいずれか、また選択的に組合されたものであっても、有利状態に制御されている期間のうち報知期間以外においては、通常状態であるときよりも遊技者にとって有利となるように報知条件が設定されるため、遊技者は期待感を抱きながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(20) 前述した実施の形態においては、BB1〜BB3であるときにRB1に制御し、BB4または5であるときにRB2に制御する例について説明したが、BBの種類に関わらず、同じRBに制御するように構成してもよい。たとえば、BBの種類に関わらずRB1に制御するように構成してもよい。
(21) 前述した実施の形態では、ARTに制御されてから50ゲーム消化した後において、ブドウ当選時に、対応するナビ演出を実行しない例について説明した。しかし、ARTに制御されてから50ゲーム消化した後であっても、ブドウ当選時に所定確率(たとえば、50%)にしたがって、対応するナビ演出を実行するように構成してもよい。この場合、前述した実施の形態におけるスロットマシンよりもARTに制御される平均期間を長くすることができる。
(22) 前述した実施の形態では、図10で示すように、ATに制御されている旨を特定するための信号としてリプレイ3信号が、また、ATが終了した旨を特定するための信号として取りこぼし信号が、各々、有利RT中信号とは別に出力される例について説明した。しかし、ATに制御されている旨を特定するための信号、およびATが終了した旨を特定するための信号としては、リプレイ3信号および取りこぼし信号を別途出力することなく、有利RTに制御されている間出力される有利RT中信号を利用してもよい。この場合、履歴情報公開端末においては、有利RT中信号が入力されたときに、ARTに制御されたことおよびARTに制御された回数を特定することができ、有利RT中信号の入力が終了したときにナビポイント1に対応するATが1回終了したことを特定することができる。これにより、ATに制御されている旨およびATが終了した旨を特定するための信号を外部に出力するための信号線を別途設ける必要がなくなる。
(23) 前述した実施の形態においては、図8で示したように、昇格リプレイ1〜3、転落リプレイなどの当選確率と、昇格リプレイ当選時における昇格リプレイ入賞させるための操作手順が占める割合と、転落リプレイ当選時における転落リプレイ入賞させるための操作手順が占める割合とを調整することにより、非ATにおいては昇格リプレイ3が転落リプレイよりも先に入賞されることが期待できないように転落リプレイ入賞させる例について説明した。しかし、非ATにおいては昇格リプレイ3が転落リプレイよりも先に入賞されることが期待できないように転落リプレイ入賞させる手法としては、これに限らず、昇格リプレイ1〜3、転落リプレイなどの当選確率のみを調整することにより実現する手法を採用してもよく、また昇格リプレイ当選時における昇格リプレイ入賞させるための操作手順が占める割合および転落リプレイ当選時における転落リプレイ入賞させるための操作手順が占める割合のみを調整することにより実現する手法を採用してもよい。
(24) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。