JP6307236B2 - 硬化性樹脂組成物、硬化物、電気・電子部品及び回路基板材料 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化物、電気・電子部品及び回路基板材料 Download PDF

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本発明は硬化性樹脂組成物、回路基板材料用ワニス、硬化物、硬化性複合材料、複合材料硬化物、その複合材料硬化物と金属箔からなる積層体、樹脂付き金属箔、電気・電子部品及び回路基板材料に関する。
近年の情報通信量の増加にともない高周波数帯域での情報通信が盛んに行われるようになり、より優れた電気特性、なかでも高周波数帯域での伝送損失を低減させるため、低誘電率と低誘電正接を有し、特に厳しい熱履歴を受けた後の誘電特性変化の小さい電気絶縁材料が求められている。さらにそれら電気絶縁材料が使われているプリント基板あるいは電子部品は実装時に高温のハンダリフローに曝されるために耐熱性の高い、すなわち高いガラス転移温度を示す材料が望まれている。特に最近は、環境問題から融点の高い鉛フリーのハンダが使われるために、より耐熱性の高い電気絶縁材料の要求が高まってきている。これらの要求に対し、従来、種々の化学構造を持つビニルベンジルエーテル化合物を含有する硬化性樹脂組成物が提案されている。
このような硬化性樹脂組成物としては、例えば、ビフェニル化合物とを縮合して得られるフェノールアラルキル樹脂とビニルベンジルハライドとを反応させることにより得られるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物を含有する硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。しかし、これに開示されているポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物は、初期の誘電特性おいて、十分な特性が得られなかったばかりか、厳しい熱履歴に対する誘電特性の変化が大きく、不十分な耐熱性のものであった。また、これに開示されているポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物と併用することが可能な樹脂として既知の熱硬化性樹脂、例えばビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリフェノールのポリシアナート樹脂、エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビニルベンジル化合物等が挙げられているが、具体的にはこれらの樹脂との組成物の例は開示されておらず、その効果は明らかではなかった。
一方、ポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物として、特定構造のポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物が幾つか提案され、厳しい熱履歴を受けた時の誘電正接の変化を抑える試みや、耐熱性を向上させる試みがなされているが、特性の向上は未だ十分とは言えず、さらなる特性改善が望まれていた。このため、実装材料としては信頼性及び加工性において、十分なものではなかった(特許文献2、3、4)。
また、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル型フェノールノボラック樹脂又はビフェニル型ナフトールノボラック樹脂の水酸基をビニルベンジルエーテル化した硬化性樹脂と、分子内にマレイミド基を1個以上有する化合物とを含有する硬化性樹脂組成物が特許文献5に開示されている。しかし、これに開示されている硬化性樹脂組成物は、誘電特性の初期特性が不十分である上に、湿熱熱履歴を受けた後の、密着信頼性が絶縁材料としては満足するものではなく、成形性においても、成形不良を生じやすく、望ましいものではなかった。
一方、特許文献6には、硬化物の誘電正接が低く、かつ導体との密着強度に優れた樹脂組成物が開示されており、配合材料として特定のシアネート樹脂(シアネートエステル樹脂ともいう。)、硬化性ポリビニルベンジル化合物及び金属系硬化触媒を含有する樹脂組成物が開示されている。上記シアネートエステル樹脂としては、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂が使用され、一方、硬化性ポリビニルベンジル化合物としては、分子内に2以上のビニルベンジル基を有する化合物であり、例えば、インデン化合物を、(i)ビニルベンジルハライドとアルカリ存在下に反応させる方法、(ii)ビニルベンジルハライドおよび炭素数2〜20のジハロメチル化合物とアルカリ存在下に反応させる方法、(iii)フルオレン化合物、ビニルベンジルハライドおよび炭素数2〜20のジハロメチル化合物とアルカリ存在下に反応させる方法又は(iv)フルオレン化合物およびビニルベンジルハライドをアルカリ存在下に反応させる方法等により製造される硬化性ポリビニルベンジル化合物が使用されている。さらに、硬化性ポリビニルベンジル化合物は、硬化性ポリビニルベンジルエーテル化合物であっても良いことが開示されている。即ち、硬化性ポリビニルベンジルエーテル化合物として、1分子中に2個以上のヒドロキシベンジル基を有する化合物(ポリフェノール化合物)をビニルベンジルハライドとアルカリ存在下に反応させることによって得られる硬化性ポリビニルベンジルエーテル化合物が使用できることが記載されている。
上記ポリフェノール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、フェノールノボラック樹脂、フェノールとベンズアルデヒドの縮合物、ザイロック(Xylok)型フェノール樹脂が挙げられている。さらに、代表的なポリビニルベンジルエーテル化合物として、脂環式構造を持つポリビニルベンジルエーテル化合物も挙げられていた。しかし、この実施例の中で使用されている硬化性ポリビニルベンジル化合物は、フルオレン化合物、ビニルベンジルハライドおよび炭素数2〜20のジハロメチル化合物とアルカリ存在下に反応させる方法によって得られる硬化性ポリビニルベンジル化合物のみが開示されていた。そして、開示されている硬化性ポリビニルベンジル化合物とシアネートエステル樹脂とを含有する硬化性樹脂組成物は、厳しい熱履歴を受けた時の誘電正接の変化が大きく、また、80℃の温水に10分間浸漬した後の銅箔に対する密着信頼性も不十分なものであった。
このように、従来のポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物及びその硬化性樹脂組成物は電気絶縁材料用途、特に高周波数対応の電気絶縁材料用途として必要な厳しい熱履歴後の低い誘電正接を満足する耐熱性を持つ硬化物を与えるものではなく、また、密着信頼性と加工性の点でも不十分なものであった。
特許4591946号公報 特表平1−503238号公報 特開平9−31006号公報 特開2004−323730号公報 特開2003−306591号公報 WO2010/82658号公報
本発明は、厳しい熱履歴後も高度の誘電特性(低誘電率・低誘電正接)を有し、かつ、温水浸漬下といった厳しい環境下に於いても、高い密着信頼性を有する硬化物を与える硬化性樹脂組成物、及び硬化物を提供する。他の目的は、電気・電子産業、宇宙・航空機産業等の分野において誘電材料、絶縁材料、耐熱材料として、近年、強く求められている小型・薄型化に対応して反りなどの成形不良現象のない硬化成形品を提供することができる樹脂組成物、硬化物、回路基板材料用ワニス、硬化性複合材料、複合材料硬化物、複合材料硬化物と金属箔からなる積層体、樹脂付き金属箔、電気・電子部品及び回路基板材料又はこれを含む材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、(A)特定のポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物、シアネートエステル樹脂及び金属系硬化触媒を含有する硬化性樹脂組成物が上記課題を解決するために有効であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(A) 下記式(1)で表されるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物、
(B) シアネート樹脂、及び
(C) 金属系硬化触媒
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
Figure 0006307236

(ここで、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または炭素数6〜10のアリール基を表し、Arは炭素数6〜50の2価の芳香族炭化水素基を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、またはビニルベンジル基を表すが、Rにおけるビニルベンジル基の割合は60〜100モル%である。nは平均値で1〜20の範囲であり、mは1〜6の数であり、rは1〜3の数である。但し、m+rは6又は7を超えない。)
上記硬化性樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分に加えて、更に下記(D)〜(H)成分から選ばれる1種以上の成分を含有することができる。
(D) 重量平均分子量が1万以上である高分子量樹脂。
(E) ラジカル重合開始剤。
(F) 無機充填材。
(G) 難燃剤。
(H) (A)成分及び(B)成分以外の熱硬化性樹脂。
上記(A)成分が、全ハロゲン含有量が600ppm(wt)以下で、ガスクロマトグラフィー(GC)測定においてビニル芳香族ハロメチル化合物のピーク面積がポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物のピーク面積と合計した総ピーク面積に対して、1.0%以下であること、又は上記(A)成分が、ナフトールアラルキル樹脂のフェノール性水酸基の一部をアルコキシ化して得られた一部アルコキシ変性されたナフトールアラルキル樹脂であることが好ましい。
上記(B)成分としては、
(B1) ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテルから選ばれる2官能シアネート樹脂、
(B2) フェノールノボラック、クレゾールノボラック、及びジシクロペンタジエン構造含有フェノール樹脂から選ばれるフェノール樹脂類誘導される多官能シアネート樹脂、又は
(B3) これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマー
からなる群から選ばれる1種以上のシアネート樹脂がある。
上記(C)成分としては、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガンおよびスズから選択される金属を含む有機金属錯体又は有機金属塩からなる群から選ばれる1種以上の金属系硬化触媒がある。
上記(D)成分としては、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、水添スチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、およびポリエステル樹脂からなる群から選ばれる1種以上の高分子量樹脂がある。
また、本発明は、上記の硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解させてなる回路基板材料用ワニスである。更に、本発明は、上記の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。また、本発明は、上記の硬化性樹脂組成物と基材からなる硬化性複合材料、又はこれを硬化して得られた複合材料硬化物である。
また、本発明は上記複合材料硬化物の層と金属箔層とを有する積層体である。更に、本発明は、上記の硬化性樹脂組成物から形成された膜を金属箔の片面に有する樹脂付き金属箔である。また、本発明は上記硬化物を用いてなる電気・電子部品又は回路基板材料である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、厳しい熱履歴後も高度の誘電特性(低誘電率・低誘電正接)を有し、かつ高い密着信頼性を有する硬化物を与えることができる。また、硬化後において優れた耐薬品性、低吸水性、耐熱性、難燃性、機械特性を示すので、電気・電子産業、宇宙・航空機産業等の分野において誘電材料、絶縁材料、耐熱材料、構造材料として用いることができる材料を実現できる。従って、電気・電子部品用の材料、特に片面、両面、多層プリント基板、フレキシブルプリント基板、ビルドアップ基板等の回路基板用の材料として用いることができる。
以下、本発明を更に説明する。
本発明の(A)成分として使用されるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物はナフトールアラルキル樹脂とビニル芳香族ハロメチル化合物とを反応させて得られ、上式(1)で表される構造をもつ化合物である。
式(1)において、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、または炭素数6〜10のアリール基を表す。前記アリール基は、さらに置換基を有しても良く、例えば、炭素数1〜6のアルキル基である。好ましくは溶解性、誘電特性、硬化性及び難燃性とのバランスの点から、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜10のアリール基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6のアリール基であり、特に好ましくは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。
また、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、またはビニルベンジル基を表す。そして、R中に占めるビニルベンジル基の割合(モル%)は、60〜100%であるが、好ましくは90〜100%である。一方で、R中の0〜40%、好ましくは0〜10%が水素原子、アルキル基または両者である。Rの一部を、炭素数1〜12のアルキル基とすることは、靱性、成形性及び誘電特性が優れるものを与えるため好ましい。より好ましくは、Rにおける炭素数1〜12のアルキル基の割合が1〜30モル%であり、さらに好ましくは、1〜10モル%である。ビニルベンジル基の割合が60%未満の場合は、重合活性点が少ないことと、フェノール性水酸基が多いため、硬化不足や誘電特性の悪化という問題が起こりやすい。さらに、Rにおけるビニルベンジル基と炭素数1〜12のアルキル基の総和が61モル%未満の場合には、誘電特性が悪化する傾向がある。
mは1〜6の数を表すが、好ましくは溶解性と難燃性のバランスの点から、Rが水素を除く官能基である場合、その数(m')は0〜2である。また、rは1〜3の数を表すが、好ましくは溶解性と靱性の点から、1〜2の数である。m+rは6又は7以下であるが、m’+rは好ましくは1〜4である。
また、Arは炭素数6〜50の芳香族炭化水素基を表す。例えば、−Ph−、−Ph−Ph−、−Np−、−Np−CH−Np−、−Ph−CH−Ph−、−Ph−C(CH−Ph−、−Ph−CH(CH)−Ph−、−Ph−CH(C)−Ph−、−Ph−Flu−Ph−、及び−Flu(CH−からなる群れから選ばれる炭素数6〜50の芳香族炭化水素基等が挙げられる。より好ましくは、炭素数が6〜20である芳香族炭化水素基である。ここで、Phはフェニレン基(-C-)を表し、Npはナフチレン基(-C10−)を表し、Fluはフルオレニル基(-C13−)を表す。ここで、Ph、NpおよびFluは、置換基を有しても良く、例えば、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基である。好ましくは炭素数が1〜6のアルキル基が挙げられる。また、Arとして、溶解性及び難燃性の観点から、より好ましくは、無置換、アルキル基置換、アルコキシ基置換もしくはフェニル基置換の−Ph−、−Ph−Ph−または−Np−である。
また、nは平均値で1〜20の数を表すが、好ましくは1〜10である。nが20を超えると粘度が上昇し、微細パターンへの充填性が低下するという点で好ましくない。なお、分子量分布を有するときは、数平均値である。
さらに、上記ポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物は、GC測定においてビニル芳香族ハロメチル化合物のピーク面積(a)とポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物のピーク面積(b)と合計した総ピーク面積(a+b)との関係が、(a)/(a+b)として、1.0%以下であることが好ましい。好ましくは、0.5%以下であり、より好ましくは0.2%以下である。このピーク面積比が1.0%を越えると、250℃以上の熱履歴を長時間受けた後での誘電特性が低下する傾向にある。ここで、ポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物のピーク面積とは、上記式(1)を満足する純粋なポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物に基づくピーク面積を意味する。(A)成分として使用されるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物は反応生成物又はこれを精製したものであり、純粋なポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物の他に、上記式(1)を満足しない不純物として他の成分を少量含むことができる。
(A)成分として使用されるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物は、全ハロゲン含有量が600ppm(wt)以下であることが好ましい。より好ましくは、450ppm以下であり、更に好ましくは200ppm以下である。全ハロゲン含有量が600ppmを超えると、250℃以上の熱履歴を長時間受けた後での誘電特性が低下する傾向にある。このハロゲンは、主に原料である芳香族ハロメチル化合物に基づくので、上記ポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物のピーク面積と関連する。
また、ハロゲン含有量が600ppm以下になると、反りや転写不良といった、成形不良現象を回避できるという望外の効果も得られることからも好ましい。しかしながら、必要以上に全ハロゲン含有量やビニル芳香族ハロメチル化合物の含有量を低下させることは、精製歩留まりを大幅に低下させることになる。実験によれば、全ハロゲン含有量は2ppm以上であれば、上記のような工業的な実施に関わる問題が生じないことが判明したので、それを超える精製は、精製歩留まりの面からは有利とは言えない。
本発明の(A)成分として使用されるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物は、ナフトールアラルキル樹脂とビニル芳香族ハロメチル化合物とを反応させて得ることが有利であるが、これに限らない。ナフトールアラルキル樹脂は下記式(2)で表される。
Figure 0006307236
式(1)及び(2)において、同一の記号は同じ意味を有する。従って、式(2)中のR、Ar、n、m及びrは、式(1)のそれらと同意である。
上記ナフトールアラルキル樹脂とビニル芳香族ハロメチル化合物との反応は特に制限されるものではないが、例えば、極性溶媒等の液相でアルカリ金属水酸化物を脱ハロゲン化水素剤として用いて反応させることにより行われる。この反応ではナフトールアラルキル樹脂のフェノール性水酸基と、ビニル芳香族ハロメチル化合物のCHX基(Xはハロゲン基を意味し、塩素で代表する。)が縮合反応して、脱HClとO−CH結合の生成が起こり、ポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物が生成する。
また、靱性、成形性及び誘電特性を向上させる目的で、上記ナフトールアラルキル樹脂のフェノール性水酸基の一部を、例えば、特許第4465257公報に記載の方法に従って、酸性触媒の存在下に炭素数1〜12のアルコール類と反応させることにより、前記式(1)のRにおける炭素数1〜12のアルキル基を導入することもできる。アルキル基を導入する場合、前記式(1)のRにおけるアルキル基の割合が1〜30モル%であるようにすることがよい。
アルキル基を導入する反応は、ビニル芳香族ハロメチル化合物との反応の前でもあっても、後であってもよいが、ビニル基の重合を回避するためには、前が好ましい。前の場合は、フェノール性水酸基の水素原子の一部がアルキル基に置換されたナフトールアラルキル樹脂(以下、「一部変性されたナフトールアラルキル樹脂」という。)を先に合成し、その後ビニル芳香族ハロメチル化合物と反応させて、一部がアルキル化されたポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物(以下、「一部変性されたポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物」という。)を得る方法である。後の場合は、ナフトールアラルキル樹脂とビニル芳香族ハロメチル化合物とを反応させて、ポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物を得て、その後、残存するフェノール性水酸基の水素原子の一部をアルキル化して、一部変性されたポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物を得る方法である。ここで、一部変性されたポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物は、当然に本明細書でいうポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物に包含される。また、一部変性されたナフトールアラルキル樹脂は、本明細書でいうナフトールアラルキル樹脂に包含される。
また、ナフトールアラルキル樹脂の原料の一部又は全部として、ヒドロキシナフタレン類として、フェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部をアルキル基としたものを使用することもでき、これらとフェノール性水酸基の水素原子がアルキル化されていないヒドロキシナフタレン類と併用することもできる。
また、ナフトールアラルキル樹脂は、フェノール性水酸基の水素原子の全部がアルキル化されたものと、フェノール性水酸基の水素原子の全部が残っているものとの混合物であってもよく、これも一部変性されたナフトールアラルキル樹脂に包含される。
上記ナフトールアラルキル樹脂としては、上記の反応で得られる他、市販のものを利用することもでき、例えば、新日鉄住金化学株式会社製SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495等が好適に使用できる。より好ましくは、溶解性、靱性及び難燃性という点で、SN475、SN485、SN495、SN485V、SN495Vである。誘電特性、靱性と成形性の観点から、特に好ましいのは、SN485V、SN495Vである。
また、上記ナフトールアラルキル樹脂は、公知の方法によって製造することも可能である。例えば、特開2001−213946号公報、特開平11−255868号公報、特開平11−228673号公報、特開平08―073570号公報、特開平08−048755号公報、特開平10−310634や特開平11−116647号公報等に記載されている方法がある。上記ナフトールアラルキル樹脂は、単独で使用してもよいし二種類以上を併用してもよい。
上記ビニル芳香族ハロメチル化合物は、CH=CH―Ar−CHXで表わされる。ここで、Arはフェニレン基又は置換フェニレン基である。置換フェニレン基の場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基が挙げられる。好ましくは炭素数が1〜6のアルキル基が挙げられる。また、Arとして、溶解性及び難燃性の観点から、より好ましくは、無置換、アルキル基置換、アルコキシ基置換もしくはフェニル基置換のフェニレン基である。更に好ましくは、工業的に製造が容易である、無置換及びアルキル基置換のフェニレン基である。このビニル芳香族ハロメチル化合物は、Rのビニルベンジル基を与えるから、ビニルベンジル基はそのベンゼン環に置換基を有する置換ビニルベンジル基であっても良いと理解される。
好ましいビニル芳香族ハロメチル化合物としては、p−ビニルベンジルクロライド、m−ビニルベンジルクロライド、p−ビニルベンジルクロライドとm−ビニルベンジルクロライドとの混合体、p−ビニルベンジルブロマイド、m−ビニルベンジルブロマイド、p−ビニルベンジルブロマイドとm−ビニルベンジルブロマイドとの混合体を挙げることができる。中でも、p−ビニルベンジルクロライドとm−ビニルベンジルクロライドとの混合体を使用すると、溶解性に優れたポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物が得られ、他の材料との相溶性及び作業性が良好となるため好ましい。p−ビニルベンジルハライドとm−ビニルベンジルハライドの混合体を使用する場合、組成比に特に制限はないが、p−体/m−体=90/10〜10/90(モル/モル)であることが好ましく、70/30〜30/70(モル/モル)であることがより好ましく、60/40〜40/60(モル/モル)であることが更に好ましい。
次に、(B)成分として使用されるシアネート樹脂について説明する。このシアネート樹脂は、−OCNで表わされるシアナト基を2以上有する化合物又は樹脂である。フェノール類又はフェノール樹脂類のOH基を、OCN基とした構造のシアネート樹脂が適する。このシアネート樹脂が、低分子のシアネート化合物である場合は、典型的には、Ar(OCN)nで表わされる化合物又はオリゴマーが挙げられる。ここで、Arは芳香族基であり、Ar1-X-Ar2のような構造の基であってもよく、また、複数の芳香族基が縮合していても構わない。nは2以上の数であるが、好ましくは2〜10である(分子量分布を有する場合は、nは数平均)。ここで、Ar1、Ar2は、単環又は縮合環の芳香族基であり、炭素数1〜6の置換基を有していても構わない。Xは単結合又は2価の基である。Xが2価の基である場合に、その構造に特に制約はないが、代表的なものを例示すると、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-O-、-S-、-C=O-、-C6H10-、-CH2-CH2-などが挙げられる。シアネート樹脂が、オリゴマーである場合は、例えば、ノボラック型フェノール樹脂のOH基をOCN基としたオリゴマーが挙げられる。
シアネート樹脂の構造は特に限定されるものではなく、例えば、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル樹脂、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。(B)成分の重量平均分子量Mwは、特に限定されるものではないが、好ましくは500〜4500であり、より好ましくは600〜3000である。
上記(B)成分の具体例としては、例えば、次に示す(B1)〜(B3)のようなシアネート樹脂が挙げられる。これらのシアネート樹脂は1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B1);ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、
(B2);フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエン構造含有フェノール樹脂等から誘導される多官能シアネート樹脂、
(B3);これらシアネート樹脂の一部がトリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。
市販されているシアネートエステル樹脂としては、下記式(3)で表されるフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、PT30、シアネート当量124)、下記式(4)で表されるビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン(株)製、BA230、シアネート当量232)、下記式(5)で表されるジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、DT−4000、DT−7000)等が挙げられる。
Figure 0006307236

ここで、nは平均値として任意の数(好ましくは0〜20)を示す。
Figure 0006307236

ここで、nは平均値として0〜5の数を表す。
次に、(C)成分として使用される金属系硬化触媒について説明する。(B)成分のシアネート基間の反応を促進させる目的で使用される金属系硬化触媒としては、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体などが挙げられる。有機金属塩としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。金属系硬化触媒としては、ビニル基とシアネート基の硬化温度が近いことが、相溶性の観点から好ましく選択されるが、そのような硬化性、並びに、溶剤溶解性の観点から、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート、亜鉛(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛、鉄(III)アセチルアセトナートが好ましく、特にコバルト(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛が好ましい。金属系硬化触媒は1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100重量部とした場合、好ましくは5〜50重量部であり、より好ましくは7〜40重量部であり、更に好ましくは10〜30重量部である。(B)成分の含有量が、5重量部未満であると、80℃の海水に10分間浸漬した後の銅箔との密着性が低くなる傾向にある。一方、50重量部を超えると、誘電正接が大きくなる傾向にあり、また、厳しい熱履歴を受けたときの誘電正接の変化が大きくなる傾向にある。また、(A)成分の含有量は、好ましくは95〜50重量部であり、より好ましくは93〜60重量部であり、更に好ましくは90〜70重量部である。(A)成分の含有量が、95重量部以上であると、80℃の海水に10分間浸漬した後の銅箔との密着性が低くなる傾向にある。一方、50重量部に満たないと、誘電正接が大きくなる傾向にあり、また、厳しい熱履歴を受けたときの誘電正接の変化が大きくなる傾向にある。
なお、樹脂成分とは、揮発分と充填材を除いた成分をいう。具体的には、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び必要に応じて添加される他の樹脂成分の他、硬化剤、開始剤、難燃剤等を含み、溶剤、充填材を除く。
(A)成分のビニル基量Aと(B)成分のシアネート基(NCO)量Bとの比(B/A:モル比)は特に制限はないが、好ましくは0.02〜2でああり、より好ましくは0.05〜1.5であり、更に好ましくは0.1〜1である。この比が0.02以上の場合、80℃の温水に10分間浸漬した後の銅箔との密着性が良好となることから好ましい。一方、この比が2以下の場合、誘電正接が小さくなり、高温の熱履歴を受けた後の誘電正接の変化が小さくなるので好ましい。
金属系硬化触媒の添加量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100重量%とした場合、金属系硬化触媒の含有量が、0.001〜10重量%、より好ましくは20〜400ppmとなる範囲で添加するのが好ましい。0.001重量%未満であると、低粗度の絶縁層表面への密着性に優れる導体層の形成が困難となる傾向にあり、10重量%を超えると、樹脂組成物の保存安定性、絶縁性が低下する傾向となる。
本発明の組成物には、(D)成分として、重量平均分子量(Mw)が1万以上である高分子量樹脂を添加することができる。(D)成分の高分子量樹脂はMwが1万以上であれば、特に限定されず、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(D)成分の具体例を挙げると、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリシクロペンタジエン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、あるいは、既知の熱可塑性エラストマー、例えば、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、水添スチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体等やあるいはゴム類、例えばポリブタジェン、ポリイソプレン等の高分子量樹脂を使用できる。
これらの高分子量樹脂の内で、好適に使用されるのは、本発明の(A)成分との相溶性、密着信頼性の観点から、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、水添スチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、又はポリエステル樹脂である。
(D)成分のガラス転移温度Tgの好ましい下限は−40℃、より好ましい下限は50℃、最も好ましい下限は90℃である。好ましい上限は250℃、より好ましい上限は200℃である。Tgが上記好ましい下限を満たすと、樹脂が熱劣化し難くなり、Tgが上記好ましい上限を満たすと、(D)成分と他の樹脂との相溶性が高くなる。この結果、未硬化状態でのキャストフィルム・シートのハンドリング性、並びにキャストフィルム・シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
(D)成分の高分子量樹脂のMwの好ましい下限は2万、より好ましい下限は3万、好ましい上限は100万、より好ましい上限は25万である。Mwが上記好ましい下限を満たすと、絶縁シートが熱劣化し難くなり、Mwが上記好ましい上限を満たすと、(D)成分と他の樹脂との相溶性が高くなる。この結果、未硬化状態でのキャストフィルム・シートのハンドリング性、並びにキャストフィルム・シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、(A)〜(D)成分を含む場合、樹脂成分の合計100重量%中に占める(D)成分の含有量は10〜60重量%の範囲内であることが好ましい。全樹脂成分Xの合計100重量%中の(D)成分の含有量のより好ましい下限は20重量%、より好ましい上限は50重量%である。(D)成分の含有量が上記好ましい下限を満たすと、未硬化状態でのキャストフィルム・シートのハンドリング性をより一層高めることができる。(D)成分の含有量が上記好ましい上限を満たすと、(F)成分である無機充填材の分散が容易になる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記成分の他に、所望により(E)成分としてラジカル重合開始剤(ラジカル重合触媒ともいう。)を含有させることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、本発明の樹脂組成物は後述するように加熱等の手段により架橋反応を起こして硬化するが、その際の反応温度を低くしたり、不飽和基の架橋反応を促進する目的でラジカル重合開始剤を含有させたりして使用してもよい。ラジカル重合開始剤はラジカル重合触媒であるので、以下ラジカル重合開始剤で代表する。
ラジカル重合開始剤の代表的な例を挙げると、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物があるがこれらに限定されない。また過酸化物ではないが、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンもラジカル重合開始剤(又は重合触媒)として使用できる。しかし、本樹脂組成物の硬化に用いられる触媒、ラジカル重合開始剤はこれらの例に限定されない。
ラジカル重合開始剤の配合量は、(A)成分であるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物に対し、0.01〜10重量%の範囲であれば、硬化反応を阻害することなく良好に反応が進行する。
本発明の硬化性樹脂組成物では、これから得られる硬化物又は硬化物からなる絶縁層の熱膨張率をさらに低下させるために、(F)成分として無機充填材を添加してもよい。(F)成分としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレニ、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられ、これらの中でも無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ等のシリカが特に好適である。シリカとしては球状のものが好ましい。
(F)成分の無機充填材は2種以上を組み合わせて使用してもよい。無機充填材の平均粒径は、特に限定されるものではないが、絶縁層への微細配線形成の観点から好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.7μm以下である。なお、(F)成分の平均粒径が小さくなりすぎると、本発明の硬化性樹脂組成物を樹脂ワニスとした場合に、ワニスの粘度が上昇し、取り扱い性が低下する傾向にあるため、平均粒径は0.05μm以上であるのが好ましい。上記(F)成分の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、(F)成分の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、(F)成分を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製 LA−500等を使用することができる。
(F)成分は、エポキシシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等の表面処理剤で表面処理してその耐湿性を向上させたものが好ましい。
(F)成分の添加量は、硬化性樹脂組成物の不揮発分に対し、10〜80質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の範囲がより好ましく、20〜65質量%の範囲が更に好ましい。(F)成分の含有量が80質量%を超えると、硬化物が脆くなる傾向や、ピール強度が低下する傾向にある。一方、(F)成分の含有量が10質量%未満である場合は、熱膨張率が十分低下しない。
本発明の硬化性樹脂組成物では、本発明の効果を損なわない範囲で(G)成分として難燃剤を含有させても良い。(G)成分の難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。有機リン系難燃剤としては、三光(株)製のHCA、HCA−HQ、HCA−NQ等のフェナントレン型リン化合物、昭和高分子(株)製のHFB−2006M等のリン含有ベンゾオキサジン化合物、味の素ファインテクノ(株)製のレオフォス30、50、65、90、110、TPP、RPD、BAPP、CPD、TCP、TXP、TBP、TOP、KP140、TIBP、北興化学工業(株)製のPPQ、クラリアント(株)製のOP930、大八化学(株)製のPX200等のリン酸エステル化合物、東都化成(株)製のFX289、FX305等のリン含有エポキシ樹脂、東都化成(株)製のERF001等のリン含有フェノキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製のYL7613等のリン含有エポキシ樹脂等が挙げられる。有機系窒素含有リン化合物としては、四国化成工業(株)製のSP670、SP703等のリン酸エステルアミド化合物、大塚化学(株)製のSPB100、SPEl00、(株)伏見製作所製FP−series等のホスファゼン化合物等が挙げられる。金属水酸化物としては、宇部マテリアルズ(株)製のUD65、UD650、UD653等の水酸化マグネシウム、巴工業(株)製のB−30、B−325、B−315、B−308、B−303、UFH−20等の水酸化アルミニウム等が挙げられる。
本発明における硬化性樹脂組成物は、(H)成分として、(A)成分と(B)成分以外の熱硬化性樹脂を含有していてもよい。その他の熱硬化性樹脂(H)としては、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド化合物とジアミン化合物の重合物、ビスアリルナジド樹脂、ベンゾオキサジン化合物、ベンゾシクロブテン化合物等を挙げることができる。熱硬化性樹脂は2種以上を混合して用いてもよい。
なお、(B)成分は高温で比較的長時間の硬化を必要とするため、硬化温度を下げるためエポキシ樹脂と併用するのが好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ基は(B)成分のシアナト基と反応しオキサゾリン環を形成する反応が主反応となるため、熱硬化後に誘電正接を損ねるヒドロキシル基やシアナト基の残存を抑制できる。エポキシ樹脂としては、1分子中に2以上のエポキシ基を有する芳香族系エポキシ樹脂を好ましく用いることができる。
ここで、1分子中に2以上のエポキシ基を有する芳香族系エポキシ樹脂とは、1分子中に2以上のエポキシ基を有し、かつ分子中に芳香環骨格を有するエポキシ樹脂をいう。かかる芳香族系エポキシ樹脂の好ましい例としては、例えば、ビスフェノールA 型エポキシ樹脂、ビスフェノールF 型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、エポキシ変性ポリブタジエンさらにはこれらエポキシ樹脂の臭素化エポキシ樹脂やリン変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は各々単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ樹脂を配合する場合のエポキシ樹脂の配合割合は、エポキシ樹脂1分子中に存在するエポキシ基と(B)成分1分子中に存在するシアナト基の割合(モル比)を1:0.5〜3とするのが好ましい。この範囲を外れると硬化後に残存する未反応のエポキシ基またはシアナト基により、十分に低い誘電正接値が得られない場合がある。なお、樹脂組成物中に上記以外のエポキシ基を有する化合物、上記以外のシアナト基を有する化合物が含まれる場合は、これらの成分も含めてエポキシ基とシアナト基の割合を上記の範囲内とする。すなわち、硬化性樹脂組成物中に存在するエポキシ基とシアナト基の割合を1:0.5〜3とするのが好ましい。
本発明における硬化性樹脂組成物は、フェノキシ樹脂を含有することが好ましい。(B)成分とエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物において、更にフェノキシ樹脂を配合することにより、硬化が促進され硬化性樹脂組成物の熱硬化性が向上する。フェノキシ樹脂は2官能エポキシ樹脂とビスフェノール化合物の反応生成物からなるポリマーであり、分子中に存在するヒドロキシル基がエポキシ基とシアナト基の硬化促進作用を示すため、比較的低い硬化温度で十分な硬化物性(耐熱性、低誘電正接等)を発揮することが可能になると考えられる。またフェノキシ樹脂の配合により、エポキシ樹脂硬化物の酸化剤による粗化性が向上し、メッキにより形成された導体層の密着性も向上する。
また、末端に残存するエポキシ基を(メタ)アクリル酸で反応させたフェノキシ樹脂、またはヒドロキシル基の一部にイソシアネート基を有するメタクリレート化合物やアクリレート化合物を反応させたフェノキシ樹脂を使用することもでき、この場合これらフェノキシ樹脂はラジカル重合性樹脂としても機能する。
フェノキシ樹脂の好ましい例としては、例えばビスフェノールA タイプのフェノトートYP50(東都化成(株)製)、E−1256(ジャパンエポキシレジン(株)製)の他、臭素化されたフェノキシ樹脂であるフェノトートYPB40(東都化成(株)製)などが挙げられる。特にビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂が、耐熱性、耐湿性および硬化促進作用の点で好ましい。このようなフェノキシ樹脂の具体例としては、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX4000)と各種ビスフェノール化合との反応生成物からなるフェノキシ樹脂である、YL6742BH30、YL6835B H40、YL6953BH30、YL6954BH30、YL6974BH30、YX8100BH30を挙げることができる。これらのフェノキシ樹脂は各々単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フェノキシ樹脂は、硬化促進作用のほか接着フィルムの可とう性を向上させこれらの取り扱いを容易にするとともに硬化物の機械的強度、可とう性も向上させる。フェノキシ樹脂としては、Mwが5000〜100000のフェノキシ樹脂を好ましく用いることができる。フェノキシ樹脂のMwが5000未満であると、上記の効果が十分でない場合があり、100000を超えるとエポキシ樹脂及び有機溶剤への溶解性が著しく低下し、実際上の使用が困難となる場合がある。
フェノキシ樹脂の配合量については、その種類によっても異なるが、好ましくはシアネート化合物またはシアネート化合物とエポキシ樹脂との合計量100重量部に対し3〜 40重量部の範囲で配合される。特に5〜25重量部の範囲で配合するのが好ましい。3 重量部未満であると樹脂組成物の硬化促進作用が十分でない場合が生じ、樹脂組成物を回路基板にラミネート(積層)する際、あるいはラミネートした樹脂組成物を熱硬化する際、樹脂の流動性が大きくなりすぎて絶縁層厚が不均一となる傾向にある。また導体層形成のための硬化物の粗化性も得られ難い傾向にある。一方、40重量部を超えると、フェノキシ樹脂の官能基が過剰に存在することになり、十分に低い誘電正接値が得られない傾向にあり、更には接着フィルムを回路基板にラミネートする際の流動性が低すぎて回路基板に存在するビアホールやスルーホール内の樹脂充填が十分に行えなくなる傾向にある。
なお、Mw1万以上のフェノキシ樹脂は、(D)成分でもあるが、エポキシ樹脂を配合する場合は、上記配合量とすることがよい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、硬化速度又は硬化物の物性などを調整するために、上記のエポキシ樹脂、及び、硬化剤と併用して、エポキシ樹脂硬化促進剤を添加してもよい。
ここで言う硬化剤とは、エポキシ樹脂の硬化を行う為に添加されるもので、エポキシ樹脂とシアネート樹脂の間の硬化反応を補完する目的で添加される。硬化剤としては、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることが好ましい。これらの好ましい硬化剤の使用により、耐熱性、耐湿性及び電気物性のバランスに優れた硬化物となる硬化性樹脂組成物を得ることができる。
硬化剤として使用されるフェノール樹脂は特に限定されない。上記フェノール樹脂の具体例としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル型フェノールノボラック樹脂、ビフェニル型ナフトールノボラック樹脂、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、及びポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。なかでも、絶縁シートの柔軟性及び難燃性をより一層高めることができるので、メラミン骨格を有するフェノール樹脂、トリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂が好ましい。
硬化剤として使用される芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物についても、特に構造は限定されない。芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、例えば、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、グリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、及びトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、又は、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物もしくは該酸無水物の変性物等が挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることが好ましい。この場合には、絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。また、上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、メチルナジック酸無水物、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物又は該酸無水物の変性物等も挙げられる。
また、エポキシ樹脂の硬化速度又は硬化物の物性などを調整するために、硬化剤と併用して、エポキシ樹脂硬化促進剤を添加してもよい。
上記エポキシ樹脂硬化促進剤は特に限定されない。エポキシ樹脂硬化促進剤の具体例としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアジン類、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類、有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類等が挙げられる。また、上記硬化促進剤としては、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類及び金属ハロゲン化物等が挙げられる。上記有機金属化合物類としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫及びアルミニウムアセチルアセトン錯体等が挙げられる。
エポキシ樹脂硬化促進剤として、高融点のイミダゾール硬化促進剤、高融点の分散型潜在性硬化促進剤、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、及び高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等も使用できる。硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されない。硬化促進剤の具体例としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアジン類、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類及び有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類等が挙げられる。また、上記硬化促進剤としては、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類及び金属ハロゲン化物等が挙げられる。上記有機金属化合物類としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫及びアルミニウムアセチルアセトン錯体等が挙げられる。
上記硬化促進剤として、高融点のイミダゾール硬化促進剤、高融点の分散型潜在性硬化促進剤、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、及び高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等も使用できる。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤は、有機リン系化合物、及び高融点のイミダゾール系硬化促進剤であることが好ましい。有機リン系化合物、及び、高融点のイミダゾール系硬化促進剤の使用により、反応系を容易に制御でき、かつキャストフィルム・シートの硬化速度、及びキャストフィルム・シートの硬化物の物性などをより一層容易に調整できる。融点100℃以上の高融点の硬化促進剤は、取扱性に優れている。従って、硬化促進剤の融点は100℃以上であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、電気・電子部品用ワニス、好ましくは半導体封止材料用ワニスや回路基板材料用ワニスとして使用することができる。本発明の回路基板材料用ワニスは、本発明の硬化性樹脂組成物をトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の溶剤に溶解させることにより製造することができる。なお、本発明の電気・電子部品は、本発明の硬化物、複合材料硬化物又は積層体を用いて製造される。好ましくは、プリント配線基板、プリント回路板、フレキシブルプリント配線板、ビルドアップ配線板等の回路基板が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物は成型物、積層物、注型物、接着剤、塗膜、フィルムとして使用できる。例えば、半導体封止材料の硬化物は注型物又は成型物であり、かかる用途の硬化物を得る方法としては、本発明の硬化性樹脂組成物を注型、或いはトランスファ−成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに80〜230℃で0.5〜10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。また、回路基板用ワニスの硬化物は積層物であることが有利であり、この硬化物を得る方法としては、回路基板用ワニスをガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥してプリプレグを得て、それを単独同士で、あるいは銅箔等の金属箔と積層し熱プレス成形して得ることができる。
また、チタン酸バリウム等の無機の高誘電体粉末、あるいはフェライト等の無機磁性体を配合することにより電気・電子部品用材料、特に高周波電子部品材料として有用である。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、後述する硬化複合材料と同様、金属箔(金属板を含む意味である。以下、同じ。)と張り合わせて用いることができる。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化性複合材料とその硬化体について説明する。本発明の硬化性樹脂組成物による硬化性複合材料には、機械的強度を高め、寸法安定性を増大させるために基材を加える。
このような基材としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマットなどの各種ガラス布、アスベスト布、金属繊維布及びその他合成若しくは天然の無機繊維布、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾザール繊維等の液晶繊維から得られる織布又は不織布、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維などの合成繊維から得られる織布又は不織布、綿布、麻布、フェルトなどの天然繊維布、カーボン繊維布、クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混繊紙などの天然セルロース系布などの布類、紙類等がそれぞれ単独で、あるいは2種以上併せて用いられる。
基材の占める割合は、硬化性複合材料中に5〜90wt%、好ましくは10〜80wt%、更に好ましくは20〜70wt%であることがよい。基材が5wt%より少なくなると複合材料の硬化後の寸法安定性や強度が低下する傾向にある。また基材が90wt%より多くなると複合材料の誘電特性が低下する傾向にある。
本発明の硬化性複合材料には、必要に応じて樹脂と基材の界面における接着性を改善する目的でカップリング剤を用いることができる。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等一般のものが使用できる。
本発明の硬化性複合材料を製造する方法としては、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物と必要に応じて他の成分を前述の芳香族系、ケトン系等の溶媒若しくはその混合溶媒中に均一に溶解又は分散させ、基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。含浸は浸漬(ディッピング)、塗布等によって行われる。含浸は必要に応じて複数回繰り返すことも可能であり、またこの際、組成や濃度の異なる複数の溶液を用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする樹脂組成及び樹脂量に調整することも可能である。
本発明の硬化性複合材料を、加熱等の方法により硬化することによって複合材料硬化物が得られる。その製造方法は特に限定されるものではなく、例えば硬化性複合材料を複数枚重ね合わせ、加熱加圧下に各層間を接着せしめると同時に熱硬化を行い、所望の厚みの複合材料硬化物を得ることができる。また、一度接着硬化させた硬化複合材料と硬化性複合材料を組み合わせて新たな層構成の複合材料硬化物を得ることも可能である。積層成形と硬化は、通常熱プレス等を用い同時に行われるが、両者をそれぞれ単独で行ってもよい。すなわち、あらかじめ積層成形して得た未硬化あるいは半硬化の複合材料を、熱処理又は別の方法で処理することによって硬化させることができる。
成形及び硬化は、温度:80〜300℃、圧力:0.1〜1000kg/cm、時間:1分〜10時間の範囲、より好ましくは、温度:150〜250℃、圧力1〜500kg/cm、時間:1分〜5時間の範囲で行うことができる。
本発明の積層体とは、本発明の複合材料硬化物の層と金属箔の層より構成されるものである。ここで用いられる金属箔としては、例えば銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。その厚みは特に限定されないが、3〜200μm、より好ましくは3〜105μmの範囲である。
本発明の積層体を製造する方法としては、例えば上で説明した本発明の硬化性樹脂組成物と基材から得た硬化性複合材料と、金属箔を目的に応じた層構成で積層し、加熱加圧下に各層間を接着せしめると同時に熱硬化させる方法を挙げることができる。本発明の硬化性樹脂組成物の積層体においては、複合材料硬化物と金属箔が任意の層構成で積層される。金属箔は表層としても中間層としても用いることができる。上記の他、積層と硬化を複数回繰り返して多層化することも可能である。
金属箔との接着には接着剤を用いることもできる。接着剤としては、エポキシ系、アクリル系、フェノール系、シアノアクリレート系等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。上記の積層成形と硬化は、本発明の硬化複合材料硬化物の製造と同様の条件で行うことができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物をフィルム状に成形することもできる。その厚みは特に限定されないが、3〜200μm、より好ましくは5〜105μmの範囲である。
本発明のフィルムを製造する方法としては特に限定されることはなく、例えば硬化性樹脂組成物と必要に応じて他の成分を芳香族系、ケトン系等の溶媒若しくはその混合溶媒中に均一に溶解又は分散させ、PETフィルムなどの樹脂フィルムに塗布した後乾燥する方法などが挙げられる。塗布は必要に応じて複数回繰り返すことも可能であり、またこの際組成や濃度の異なる複数の溶液を用いて塗布を繰り返し、最終的に希望とする樹脂組成及び樹脂量に調整することも可能である。
本発明の樹脂付き金属箔とは本発明の硬化性樹脂組成物と金属箔より構成されるものである。ここで用いられる金属箔としては、例えば銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。その厚みは特に限定されないが、3〜200μm、より好ましくは5〜105μmの範囲である。
本発明の樹脂付き金属箔を製造する方法としては特に限定されることはなく、例えば硬化性樹脂組成物と必要に応じて他の成分を芳香族系、ケトン系等の溶媒若しくはその混合溶媒中に均一に溶解又は分散させ、金属箔に塗布した後乾燥する方法が挙げられる。塗布は必要に応じて複数回繰り返すことも可能であり、またこの際、組成や濃度の異なる複数の溶液を用いて塗布を繰り返し、最終的に希望とする樹脂組成及び樹脂量に調整することも可能である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。なお、各例中の部はいずれも重量部である。また、実施例中の測定結果は以下に示す方法により試料調製及び測定を行ったものである。
1)ポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物の分子量及び分子量分布
分子量及び分子量分布測定はGPC(東ソー製、HLC−8120GPC)を使用し、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、流量:1.0ml/min、カラム温度:40℃で行った。分子量は単分散ポリスチレンによる検量線を用い、ポリスチレン換算分子量として測定を行った。
2)ポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物の構造
日本電子製JNM−LA600型核磁気共鳴分光装置を用い、13C−NMR及びH−NMR分析により決定した。溶媒としてクロロホルム−dを使用した。NMR測定溶媒であるテトラクロロエタン−dの共鳴線を内部標準として使用した。
3)線膨張係数、ガラス転移温度(Tg)及び軟化温度測定
硬化性樹脂組成物溶液をガラス基板に乾燥後の厚さが、20μmになるように均一に塗布した後、ホットプレートを用いて、90℃で30分間加熱し、乾燥させた。得られたガラス基板上の樹脂膜はガラス基板と共に、TMA(熱機械分析装置)測定装置にセットし、窒素気流下、昇温速度10℃/分で220℃まで昇温し、更に、220℃で20分間加熱処理することにより、残存する溶媒を除去した。ガラス基板を室温まで放冷した後、TMA測定装置中の試料に分析用プローブを接触させ、窒素気流下、昇温速度10℃/分で30℃から360℃までスキャンさせることにより測定を行い、接線法により軟化温度を求めた。また、線膨張係数の変化する変曲点よりTgを求めた。さらに、平均線膨張係数(CTE)は、0〜40℃における試験片の寸法変化より算出した。
加熱プレス成形により得られた硬化物フィルムのTgの測定は動的粘弾性測定装置を使用し、昇温速度2℃/minで測定を行い、損失弾性率のピークより決定した。
4)引張り強度及び伸び率
硬化物フィルムの引張り強度及び伸び率は引張り試験装置を用いて測定を行った。伸び率は引張り試験のチャートから測定した。
5)誘電率及び誘電正接
JIS C2565規格に準拠し、株式会社エーイーティー製、空洞共振器法誘電率測定装置により、絶乾後23℃、湿度50%の室内に24時間保管した後の硬化物フィルム、および85℃、相対湿度85%で2週間放置後の硬化物フィルムの2GHzでの誘電率および誘電正接を測定した。
また、硬化物フィルムを200℃で60分間放置した後、誘電率及び誘電正接の測定を行い、耐熱性試験後の誘電率及び誘電正接を測定した。
6)銅箔引き剥し強さ
銅箔の上に硬化性樹脂組成物ワニスを塗工し、80℃で溶媒除去し、乾燥後、樹脂付き銅箔を得た。そして、銅張積層板より銅箔をエッチングによって除去した積層板と硬化性樹脂組成物ワニスを塗工した樹脂付き銅箔とを加圧真空プレス成形機を使用して積層し、積層体硬化物を作成した。積層体硬化物から幅20mm、長さ100mmの試験片を切り出し、銅箔面に幅10mmの平行な切り込みを入れた後、面に対して90°の方向に50mm/分の速さで連続的に銅箔を引き剥し、その時の応力を引張り試験機にて測定し、その応力の最低値を銅箔引き剥し強さとして記録した。(JIS C 6481に準拠)。
耐熱水性試験後の銅箔引き剥がし強さの試験は、上記の試験片を80℃の水中に10分間浸漬した後、上記と同様にして測定した。
7)成形性
黒化処理を行った100mm×100mm角の銅張り積層板の上に、硬化性樹脂組成物の未硬化フィルムを積層し、真空ラミネーターを用いて、温度:110℃、プレス圧:0.1MPaで真空ラミネートを行い、黒化処理銅箔とフィルムの接着状態により評価を行った。評価は黒化処理銅箔とフィルムの接着状態が良好であったものを「○」、黒化処理銅箔とフィルムとが容易に剥離することができる接着状態のものを「×」、黒化処理銅箔とフィルムとが部分的に容易に剥離することができる接着状態のもの、また、概ね接着状態が良好だが、部分的に剥離してウキを生じているものを「△」として評価した。
合成例1
温度調節器、攪拌装置、冷却コンデンサーおよび滴下ロートを備えた4つ口フラスコにSN495V(新日鉄住金化学製ナフトールアラルキル樹脂;フェノール性水酸基のOH当量232g/eq.、フェノール性水酸基のメトキシ変性量:2.7%、p−キシリレングリコールジメチルエーテル由来のメトキシ基含有量:N.D.)195部(1.0当量)、CMS−AM(セイミケミカル社製クロロメチルスチレン)160.1部(1.05当量)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド9.6部、2,4−ジニトロフェノール0.152部、メチルエチルケトン255部を仕込み攪拌溶解し、液温を75℃にし、50%水酸化ナトリウム水溶液160部(2.0当量)を20分間で滴下し、更に75℃で4時間攪拌を続けた。次に10%塩酸水溶液でフラスコ内を中和した後、トルエン400部を追加し、有機層を1500mlの水で3回洗浄した。
得られた有機相を蒸留することにより、有機相が500部になるまで濃縮し、メタノール/水=75/25(vol/vol)1,000部を加えて生成物を再沈殿した。同じ条件の再沈殿をさらに2回繰り返した。得られた樹脂の沈殿を濾過・乾燥し、SN495Vとビニルベンジルクロライドとの反応生成物であるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物としてのビニルベンジル化ナフトールアラルキル樹脂(VBE−SN495V)を246.7部得た。
生成物の確認をGPC、赤外線スペクトル(IR)、1H核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)で行ったところ、GPCより回収された反応生成物では、原料に由来するピークが消失し、高分子量側に新しいピークが生成していること、IRよりフェノール性水酸基が消失していること、H−NMRで、クロロメチルスチレンに由来するプロトンの共鳴線が消失し、代わりに、5.02ppm付近にベンジルエーテル基に由来するプロトンの共鳴線、5.25ppm、5.77ppm及び6.73ppm付近にビニル基に由来するプロトンの共鳴線を有することが確認され、VBE−SN495Vが得られていることを確認した。そして、メトキシ基含有量は2.6%、ビニルベンジルエーテル基含有量は97.4%、フェノール性水酸基は検出することはできなかった。また、元素分析により総塩素含有量を測定したところ167ppmであった。GC測定を行ったところ、クロロメチルスチレンに由来するピークは、観察されなかった。また、示差走査熱量計(DSC)により、窒素気流下、昇温速度:10℃/分で熱相転移挙動を測定したところ、結晶に由来する融解ピークは観察されなかった。また、熱天秤(TGA)を使用し、窒素気流下、昇温速度:10℃/分で、熱分解挙動を測定したところ、接線法による熱分解開始温度:405.7℃であり、600℃における炭化物生成量は、37.8wt%であった。
合成例2
SN495Vの代わりにSN475N(新日鉄住金化学製ナフトールアラルキル樹脂;フェノール性水酸基のOH当量218g/eq.、フェノール性水酸基のメトキシ変性量:N.D.、p−キシリレングリコールジメチルエーテル由来のメトキシ基含有量:N.D.)195部(1.0当量)を使用した他は、合成例1と同様にして反応、分離、精製してSN475Nとビニルベンジルクロライドとの反応生成物であるビニルベンジル化ナフトールアラルキル樹脂(VBE−SN475N)223.5部を得た。
合成例1と同様にして生成物の確認を行ったところ、高分子量側に新しいピークが生成していること、フェノール性水酸基が消失していること、クロロメチルスチレンに由来するプロトンの共鳴線が消失し、ベンジルエーテル基に由来するプロトンの共鳴線、ビニル基に由来するプロトンの共鳴線を有することが確認され、VBE−SN475Nが得られていることを確認した。そして、ビニルベンジルエーテル基含有量は99.5%以上、一方、1−ナフトールのフェノール性水酸基が変性されたメトキシ基とフェノール性水酸基は検出することはできなかった。また、総塩素含有量は178ppmであった。GC測定を行ったところ、クロロメチルスチレンの含有量は、0.05%であった。また、結晶に由来する融解ピークは観察されず、熱分解開始温度は412.0℃、600℃における炭化物生成量は40.1wt%であった。
合成例3
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら、フェノール414部、及び4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル251部、p−トルエンスルホン酸13部を仕込み、撹拌下で80℃まで昇温、溶解させた。4時間攪拌後、メチルイソブチルケトン700部を加えた後洗浄水が中性になるまで、300部の水で3回水洗し、次いで油層から未反応フェノール、メチルイソブチルケトンを1.3kPaの圧力下において減圧留去し、式(2)において、Rが水素原子、nが1.5であるフェノールアラルキル樹脂(P)310部を得た。得られたフェノールアラルキル樹脂の軟化点は65℃、水酸基当量は202g/eqであった。
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら、得られたフェノールアラルキル樹脂(P)を404部、メチルエチルケトンを848部、4−ビニルベンジルクロライドを320部、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド12部を仕込み、攪拌して溶解せしめ、液温を70℃にした。そこに30%水酸化ナトリウム水溶液320部を30分間かけて滴下し、さらに70℃で6時間攪拌をつづけた。次に35%塩酸でフラスコ内容物を中和した後、分液し、有機層を400部の水で3回洗浄し、未反応原料やメチルエチルケトンなどを減圧留去し、ビフェニル構造を含有するフェノールアラルキル樹脂がビニルベンジルエーテル化された、nが1.5であるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物(VB1)512部を得た。
合成例1と同様にして生成物の確認を行ったところ、軟化点は54℃であり、原料のフェノール性水酸基起因の吸収は消失しており、総塩素含有量は980ppmであり、クロロメチルスチレンの含有量は0.58%であった。また、結晶に由来する融解ピークは観察されず、熱分解開始温度は376℃、600℃における炭化物生成量は、31.8wt%であった。
略号を次に示す。
・BA230S75:ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)プリマセットBA230S75、シアネート当量約232、不揮発分75%のメチルエチルケトン(MEK)ワニス)
・PT30:フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、商品名:PT30、シアネート当量=124)
・DT―4000:ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製「DT−4000」、シアネート当量約140、不揮発分85質量%のトルエン溶液)
・A1535:水添スチレンブタジエンブロック共重合体(クレイトンポリマージャパン(株)製、KRATON A1535、Mw=223,000)
・パークミルD:ジクミルパーオキサイド(日油社製、パークミルD)
・パークミルP;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド(日油社製、パークミルP)
・AO―60:ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](アデカ(株)製、アデカスタブAO−60)
・SE2050SPE;フェニルシランカップリング剤により処理されているアモルファス球状シリカ(アドマテックス社製、SE2050 SPE、平均粒子径0.5μm)
・YDCN−700-3:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、エポトートYDCN−700−3)
・MEH‐7851-s:ビフェニル型フェノールノボラック樹脂(明和化成社製、MEH−7851−S)
・ESN―475V:ナフトール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、ESN−475V、エポキシ当量340、固形分65wt%のMEK溶液)
・PS―6492;メラミン骨格系フェノール樹脂(群栄化学工業社製、PS−6492)
・YL7553BH30:フェノキシ樹脂(重量平均分子量37000、三菱化学(株)製、YL7553BH30、不揮発分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)
実施例1
合成例1で得られたVBE−SN495V 80gと、BA230S75 20g、重合開始剤としてパークミルD 1.0g、コバルト(II)アセチルアセトナートの1%N,N−ジメチルホルムアミド溶液(CoAA溶液)2g、酸化防止剤としてAO−60 0.2g、TPP(トリフェニルホスフィン) 0.4gをトルエン34.8gに溶解し硬化性樹脂組成物(ワニスA)を得た。
調製したワニスAを金型上に滴下し、80℃で溶媒を減圧下、脱揮除去し、乾燥後、金型を組上げた後、180℃、3MPaの条件で90分間真空加圧プレスを行い、熱硬化させ、得られた厚さ:0.2mmの硬化物シートについて、2.0GHzの誘電率と誘電正接を始めとする諸特性を測定した。また、200℃の空気雰囲気下のオーブン中に1hr放置した後の誘電率と誘電正接を測定し放置前後の誘電率及び誘電正接の変化率を測定した。これら測定により得られた結果を表1に示した。
比較例1
合成例3で得られたVBE−BP 80gと、BA230S75 20g、パークミルD 1.0g、CoAA溶液 2g、アデカスタブAO−60 0.2g、TPP 0.4gをトルエン34.8gに溶解し硬化性樹脂組成物(ワニスB)を得た。
調製したワニスBを金型上に滴下し、80℃で溶媒を減圧下、脱揮除去し、乾燥後、金型を組上げた後、180℃、3MPaの条件で90分間真空加圧プレスを行い、熱硬化させ、得られた厚さ:0.2mmの硬化物シートについて、実施例1と同様にして評価した。
Figure 0006307236
実施例2
合成例2で得られたVBE−SN475N 40g、BA230S75 10gと、熱可塑性エラストマーとしてA1535 50gおよびパークミルD 1.0g、CoAA溶液 2g、AO−60 0.2g、TPP 0.4gをキシレン74.1gに溶解し硬化性樹脂組成物(ワニスC)を得た。
調製したワニスCをPETフィルム上に塗布し80℃で溶媒除去し、乾燥後PETフィルム上から塗膜を剥がし取り、単離したキャストフィルムを、180℃、3MPaの条件で90分間真空加圧プレスを行い、熱硬化させ、得られた硬化物フィルムについて諸特性を測定した。また、厚み0.2mmのフィルムプレス硬化物を0.3cm×10cmに切り出して試験片を作成し、実施例1と同様にして評価した。これら測定により得られた結果を表2に示した。
比較例2
合成例3で得られたVBE−BP 40g、BA230S75 10gと、A1535 50gおよびパークミルD 1.0g、CoAA溶液 2g、AO−60 0.2g、TPP 0.4gをキシレン74.1gに溶解し硬化性樹脂組成物(ワニスD)を得た。調製したワニスDを、実施例2と同様にして、評価した。結果を表2に示した。
Figure 0006307236
実施例3
実施例2で得られたワニスCにガラスクロス(Eガラス、目付71g/m)を浸漬して含浸を行い、50℃のエアーオーブン中で30分間乾燥させた。得られたプリプレグのレジンコンテンツ(R.C)は52%であった。
このプリプレグを使用して、直径0.35mmのスルーホールが5mmピッチで配置されている厚み0.8mmのコア材を張り合わせたところ、樹脂が充填されていないスルーホールは4500穴中0であった。
成形後の厚みが約0.6mm〜1.0mmになるように、上記の硬化性複合材料を必要に応じて複数枚重ね合わせ、その両面に厚さ18μmの銅箔を置いてプレス成形機により成形硬化させて積層体を得た。各実施例の硬化条件は、3℃/分で昇温し、180℃で90分間保持することにとした。また、圧力はいずれも30kg/cmとした。
このようにして得られた積層体の諸物性を以下の方法で測定した。
1)耐トリクロロエチレン性:銅箔を除去した積層体を25mm角に切り出し、トリクロロエチレン中で5分間煮沸し、外観の変化を目視により観察した(JIS C6481に準拠)。
2)ハンダ耐熱性:銅箔を除去した積層体を25mm角に切り出し、260℃のハンダ浴中に120秒間浮かべ、外観の変化を目視により観察した(JIS C6481に準拠)。
耐トリクロロエチレン性試験では積層体の外観に変化は観察されなかった。ハンダ耐熱性試験では積層体の外観に変化は観察されなかった。
実施例4
実施例2で得られたワニスCを18μmの電解銅箔上に塗布し、10分間風乾した後、80℃のエアーオーブン中で10分間乾燥させた。銅箔上の樹脂厚みは50μmであった。本樹脂付き銅箔と実施例5の積層体を重ね180℃で90分間、30kg/cmの圧力で加熱加圧硬化した。スルーホールを観察したところ、樹脂が充填されていないスルーホールは確認されなかった。
実施例5〜7
表3に示す配合でワニスを調製したこと以外は、実施例2と同一の条件で試験を行った。試験により得られた結果を表3に示した。
表3において、配合成分の配合量は、単位の記載がない場合は、wt部である。
Figure 0006307236
実施例8〜10
表4に示す配合でワニスを調製したこと以外は、実施例2と同一の条件で試験を行った。試験により得られた結果を表5に示した。
表4において、配合成分の配合量は、単位の記載がない場合は、wt部である。
Figure 0006307236
Figure 0006307236

Claims (19)

  1. (A) 下記式(1)で表されるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物、
    Figure 0006307236
    (ここで、R1はそれぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Ar1炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基を表し、R2はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、またはビニルベンジル基を表すが、R2におけるビニルベンジル基の割合は60〜100モル%である。nは平均値で1〜20の範囲であり、mは1〜6の数であり、rは1〜3の数である。但し、m+rは6又は7を超えない。)
    (B) シアネート樹脂、及び
    (C) シアネート基間の反応を促進させるための金属系硬化触媒
    を含有し、
    (A)成分95〜50重量部に対し、(B)成分5〜50重量部を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 更に(D)成分として、重量平均分子量が1万以上である高分子量樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 更に(E)成分として、ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 更に(F)成分として、無機充填材を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 更に(G)成分として、難燃剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 上記(A)成分が、全ハロゲン含有量が600ppm(wt)以下で、ガスクロマトグラフィー(GC)測定においてビニル芳香族ハロメチル化合物含有量がポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物の総量に対して、1.0%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 上記(A)成分が、ナフトールアラルキル樹脂のフェノール性水酸基の一部をアルコキシ化して得られた一部アルコキシ変性されたナフトールアラルキル樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 上記(B)成分が、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテルから選ばれる2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、及びジシクロペンタジエン構造含有フェノール樹脂から選ばれるフェノール樹脂類から誘導される多官能シアネート樹脂、又は
    これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーからなる群から選ばれる1種以上のシアネート樹脂である請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。



  9. 上記(C)成分が、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガンおよびスズから選択される金属を含む有機金属錯体又は有機金属塩からなる群から選ばれる1種以上の金属系硬化触媒である請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  10. 上記(D)成分が、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、水添スチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、およびポリエステル樹脂からなる群から選ばれる1種以上の高分子量樹脂である請求項2〜9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  11. 更に(H)成分として、(A)成分及び(B)成分以外の熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解させてなる回路基板材料用ワニス。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物と基材からなる硬化性複合材料。
  15. 請求項14に記載の硬化性複合材料を硬化して得られたことを特徴とする複合材料硬化物。
  16. 請求項15に記載の複合材料硬化物の層と金属箔層とを有することを特徴とする積層体。
  17. 請求項1〜11のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物から形成された膜を金属箔の片面に有することを特徴とする樹脂付き金属箔。
  18. 請求項13に記載の硬化物を用いてなる電気・電子部品。
  19. 請求項13に記載の硬化物を用いてなる回路基板材料。
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