JP6306945B2 - 皮膚化粧料 - Google Patents

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本発明は、皮膚化粧料に関する。
化粧料組成物には、抗酸化や美白効果の目的、また肌を健やかに保つ観点から、ビタミンなどの薬効成分を配合することが行われている。
例えば、特許文献1には、ビタミンA類を安定に配合し、薬効成分の安定性に優れる皮膚化粧料が開示されている。
また、近年の健康意識、特に乾燥肌意識の高まりを受けて、上記目的に加え、保湿効果の高い化粧料組成物が望まれている。
高い保湿効果を発現するスキンケア製剤としては、層状α−ゲルを利用した化粧料組成物に期待が寄せられている(例えば、非特許文献1)。α−ゲルは、水和型の結晶構造であり、ラメラ構造を有する。皮膚最外層の角層に存在する角層細胞間脂質も、その大半がこのラメラ構造をとっており、皮膚に対して、外部からの物質の侵入、内部からの水分蒸散を抑制すると同時に、そのもの自身が水分を保持することで、皮膚の柔軟性やなめらかな感触を保つ機能を有している。
例えば、特許文献2には、脂肪酸モノグリセリドを主成分とするラメラ構造体及びビタミンC又はその誘導体を含有する皮膚外用剤が示されており、しわ形成抑制効果やベシクルの安定性が向上することが開示されている。
特開2010−18536号公報 特開2010−120873号公報
J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn. 46(1) 25-32 (2012)
しかしながら、特許文献1では、製剤や塗布膜が作る構造に関しての記載はない。また特許文献2では、製剤中でラメラ構造体が形成されているものの、製剤を塗布して肌上に形成される塗布膜の構造、またそれと薬効成分との関連性に関しては明らかにされていない。
さらに、α−ゲルもビタミン類も十分な肌効果を出そうとすると、塗布中や塗布後にべたつきを感じやすいという課題がある。
本発明は、皮膚に塗布した際、ラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を素早く形成するため、塗布時にα−ゲルやビタミン由来のべたつきを感じにくく、また、有効成分を抱えた柔軟なα−ゲル被膜が皮膚上に均一に形成されるため、有効成分の皮膚上の横拡散を防止し、塗布して時間が経過しても肌をなめらかに保つことができる皮膚化粧料に関する。
本発明者らは、特定の飽和脂肪酸、飽和アルコール、有機塩基、無機塩基、ビタミンB3類又はビタミンC類、及び水を、特定の割合で組み合わせることにより、皮膚に塗布した際、ラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を素早く形成し、べたつきを感じにくく、また有効成分を抱えた柔軟なα−ゲル被膜が皮膚上に均一に形成されるため、有効成分の皮膚上の横拡散を防止し、塗布して時間が経過しても肌をなめらかに保つことができる皮膚化粧料が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
(B)有機塩基 0.010〜5質量%、
(C)無機塩基 0.010〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
(E)ビタミンB3類及びビタミンC類から選ばれる少なくとも1種 0.010〜5質量%、
(F)水
を含有し、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量
比が、(E)/[(A)+(D)]=0.005〜3である、皮膚化粧料に関する。
本発明の皮膚化粧料は、皮膚に塗布した際、ラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を素早く形成し、べたつきを感じにくく、また有効成分を抱えた柔軟なα−ゲル被膜が皮膚上に均一に形成されるため、有効成分の皮膚上の横拡散を防止し、塗布して時間が経過しても肌をなめらかに保つことができる。
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸:
本発明で用いられる成分(A)は、炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸であり、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べへン酸等が挙げられる。これらのうち、炭素数14〜22の直鎖状飽和脂肪酸が好ましく、炭素数16〜22の直鎖状飽和脂肪酸がより好ましく、パルミチン酸又はステアリン酸が、化粧料中で安定なラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を形成する観点から更に好ましい。さらには、ラメラ状のα−ゲル構造体の安定性の観点から、ステアリン酸がより好ましい。
成分(A)は、少なくとも前記の炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、後述の成分(B)及び(C)で中和することにより、化粧料中にラメラ状のα−ゲル構造を形成することができる。従って、成分(A)は、化粧料中では、脂肪酸又はその塩として存在するが、本発明においては、成分(A)の含有量は、脂肪酸に換算した量である。
成分(A)の含有量は、化粧料中に安定なラメラ状のα−ゲル構造を形成する観点から、全組成中に0.5質量%以上であり、1.0質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、6質量%以下であり、4質量%以下が好ましく、3.8質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.5〜6質量%であり、1.0〜4質量%が好ましく、1.5〜3.8質量%がより好ましい。
(B)有機塩基:
本発明で用いられる成分(B)は、有機塩基であり、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルアミン、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン、塩基性アミノ酸が挙げられる。成分(B)は、成分(A)の中和剤として機能する。
具体的には、アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等が挙げられ、アミノメチルプロパノール、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる少なくともいずれか1種が好ましく、アミノメチルプロパノールがより好ましい。
塩基性アミノ酸としては、リジン、ヒスチジン、アルギニン等が挙げられ、アルギニンが好ましい。アルギニンの中では、L−アルギニンが好ましい。
これらのうち、成分(A)を中和し、且つ、化粧料中に安定なラメラ状の構造を形成する観点、及び保湿性を高める観点から、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数1〜6の塩基性アミノ酸が好ましく、炭素数3〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数3〜6の塩基性アミノ酸がより好ましく、塩基性アミノ酸が更に好ましく、アミノメチルプロパノール又はアルギニンが更により好ましく、アルギニンがより好ましい。アルギニンの中では、L−アルギニンが好ましい。
成分(B)は、少なくとも前記の有機塩基から選ばれる1種又は2種以上用いることができ、皮膚化粧料の塗布膜のα−ゲル構造の安定性を高める観点、及び保湿性を高める観点から、成分(A)に対して、成分(B)のモル比が10モル%以上であるのが好ましく、30モル%以上がより好ましく、80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。
また、成分(B)の含有量は、皮膚化粧料の塗布膜のα−ゲル構造の安定性を高め、保湿性を高める観点から、全組成中に0.010質量%以上であり、0.02質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、5質量%以下であり、2質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.010〜5質量%であり、0.02〜2質量%が好ましく、0.05質量%〜0.8質量%がより好ましく、0.1〜0.4質量%が更に好ましい。
なお、成分(B)は、化粧料中では、成分(A)及び他の酸と塩を形成しうるが、本発明においては、成分(B)の含有量は、有機塩基に換算した量である。
(C)無機塩基:
本発明で用いられる成分(C)は、無機塩基であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物などが挙げられる。成分(C)は、成分(A)の中和剤として機能する。
これらのうち、成分(A)を中和し、且つ、化粧料中に安定なラメラ状のα−ゲル構造を形成する観点から、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
成分(C)は、少なくとも前記の無機塩基から選ばれる1種又は2種以上用いることができ、皮膚化粧料のラメラ状のα−ゲル構造の安定性を高め、保湿性を高める観点から、成分(A)に対して、成分(C)のモル比が10モル%以上であるのが好ましく、30モル%以上がより好ましく、80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。
また、成分(C)の含有量は、皮膚化粧料のラメラ状のα−ゲル構造の安定性を高め、保湿性を高める観点から、全組成中に0.010質量%以上であり、0.04質量%以上が好ましく、0.08質量%以上がより好ましく、1質量%以下であり、0.3質量%以下が好ましく、0.25質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.010〜1質量%であり、0.04〜0.3質量%が好ましく、0.08〜0.25質量%がより好ましい。
なお、成分(C)は、化粧料中では、成分(A)及び他の酸と塩を形成しうるが、本発明においては、成分(C)の含有量は、無機塩基に換算した量である。
本発明において、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(C)のモル比{(B)/[(B)+(C)]}は、水分閉塞性に優れたラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を形成する観点から、5以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、75以下が好ましく、70以下がより好ましく、65以下が更に好ましい。また、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(C)のモル比{(B)/[(B)+(C)]}は、5〜75が好ましく、8〜70がより好ましく、10〜65が更に好ましい。
また、成分(A)に対する、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C))]のモル比{[(B)+(C)]/(A)}は、中和度を表し、水分閉塞性に優れたラメラ状のα−ゲル構造の皮膜を形成する観点から、10以上が好ましく、20以上がより好ましく、30以上が更に好ましく、110以下が好ましく、100以下がより好ましく、90以下が更に好ましい。成分(A)に対する、成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C))]のモル比{[(B)+(C)]/(A)}は、[(B)+(C)]/(A)=10〜110が好ましく、20〜100がより好ましく、30〜90が更に好ましい。
成分(B)と成分(C)の組み合わせは、同様の観点から、成分(B)がアミノメチルプロパノール又はアルギニンで、成分(C)が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであるのが好ましく、成分(B)がアルギニンで、成分(C)が水酸化ナトリウムであるのがより好ましい。
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール:
本発明で用いられる成分(D)は、炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコールであり、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。これらのうち、炭素数14〜22の直鎖状飽和アルコールが好ましく、炭素数16〜22の直鎖状飽和アルコールがより好ましく、成分(A)が形成する化粧料中のラメラ状のα−ゲル構造を安定化する観点から、セチルアルコール又はステアリルアルコールが更に好ましく、セチルアルコールとステアリルアルコールとを含むことが更により好ましい。セチルアルコールとステアリルアルコールとを含む場合、それぞれ独立に、あるいは混合して配合してもよいし、更にはその混合物であるセトステアリルアルコールを配合してもよい。
成分(D)は、少なくとも前記の炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコールから選ばれる1種又は2種以上用いることができ、含有量は、化粧料中のラメラ状のα−ゲル構造を安定化する観点から、全組成中0.5質量%以上であり、1質量%以上が好ましく、1.3質量%以上がより好ましく、6質量%以下であり、5.5質量%以下が好ましく、5.2質量%以下がより好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に0.5〜6質量%であり、1〜5.5質量%が好ましく、1.3〜5.2質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A)及び(D)の合計量(A)+(D)は、肌上に均一なαゲル塗膜を作る観点から、全組成中に1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、また、化粧料組成物の塗布時のべたつきを抑制する観点から、12質量%以下が好ましく、9.5質量%以下がより好ましく、8質量%以下が更に好ましい。また、成分(A)及び(D)の合計量(A)+(D)は、全組成中に1〜12質量%が好ましく、2〜9.5質量%がより好ましく、3〜8質量%が更に好ましい。
また、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比{(A)/[(A)+(D)]}は、化粧料組成物にラメラ状のα−ゲル構造を形成させるとともに、保湿性を高める観点から、0.2以上が好ましく、0.20以上がより好ましく、0.25以上が更に好ましく、0.3以上が更により好ましく、0.7以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.60以下が更に好ましく、0.55以下が更により好ましい。また、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比は、(A)/[(A)+(D)]=0.2〜0.7が好ましく、0.20〜0.6がより好ましく、0.25〜0.60が更に好ましく、0.3〜0.55が更により好ましい。
(E)有効成分:
本発明で用いられる成分(E)は、ビタミンB3類及びビタミンC類から選ばれる少なくとも1種であり、抗酸化や美白効果を得る観点等、目的に応じて使用される。
成分(E)としては、化粧料に通常用いられるものであれば制限されず、ビタミンB3類としては、ニコチン酸、ナイアシンアミド等が挙げられ、ビタミンC類としては、L−アスコルビン酸、リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビルNa、アスコルビン酸 2−グルコシド、アスコルビン酸パルミテート等が挙げられる。
これら有効成分の中では、水和固体であるα−ゲルが成分を抱え込み、塗布時の横拡散を防ぐという観点から、水溶性のビタミンB3類又はビタミンC類が好ましい。
また、製剤の安定性となめらかな肌感触の観点から、水溶性のビタミンB3類が好ましく、ナイアシンアミドが更に好ましい。
成分(E)は、ビタミンB3類及びビタミンC類から選ばれる少なくとも1種であり、ビタミンB3類とビタミンC類を組み合わせて用いることもできる。成分(E)の含有量は、製剤の安定性とべたつきのなさ、またなめらかな肌感触の観点から、全組成中に0.010質量%以上であり、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に0.010〜5質量%であり、0.05〜4質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比{(E)/[(A)+(D)]}は、化粧料組成物を皮膚に塗布したときに、α−ゲル構造が有効成分や保湿成分のべたつきを効率的に抑制する観点から、0.005以上であり、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、3以下であり、2以下が好ましく、1以下がより好ましい。また、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比{(E)/[(A)+(D)]}は、0.005〜3であり、0.01〜2が好ましく、0.02〜1が更に好ましい。
(F)水:
本発明で用いる成分(F)は、水であり、本発明の化粧料の溶剤となる。成分(F)は、各成分の残量となり、成分(A)〜(F)の組み合わせにより、化粧料中に安定なラメラ状のα−ゲル構造を形成することができる。
成分(F)の含有量は、べたつきがなく化粧料中で安定なラメラ状のα−ゲル構造体を形成する観点から、全組成中に50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、98質量%以下が好ましく、96質量%以下がより好ましい。また、成分(F)の含有量は、全組成中に50〜98質量%が好ましく、60〜96質量%がより好ましい。
本発明の皮膚化粧料は成分(A)〜(F)を含有することによりα−ゲル構造体を形成する。この化粧料は、肌に塗布すると、皮膚表面に素早く化粧塗布膜を形成するため、塗布時にα−ゲルや有効成分特有のべたつきを感じにくい。この塗布膜も水和固体であるα−ゲルを形成し、ラメラ構造を有する。ラメラ構造は肌の細胞間脂質と類似の構造であり、ラメラ層間に水分を保持することができる。また、水分閉塞性に優れた被膜であるため、皮膚からの水分蒸散を抑制する。そのために皮膚に水分を付与でき、高い保湿性を得ることができる。さらに、本発明の皮膚化粧料は、有効成分を抱えた柔軟なα−ゲル被膜が皮膚上に均一に形成されるため、有効成分の皮膚上の横拡散を防止し、塗布して時間が経過しても肌をなめらかに保つことができる。
(G)多価アルコール:
本発明においては、柔軟で保湿性の高い被膜を形成する観点から、多価アルコールを含有することができる。
多価アルコールとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのうち、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種が好ましく、グリセリンがより好ましい。
成分(G)の含有量は、柔軟でなめらかな被膜を形成する点から、全組成中に0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、また塗布時と塗布後のべたつきのなさの観点から、16質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。また、成分(F)の含有量は、全組成中に0.1〜16質量%が好ましく、0.3〜10質量%がより好ましく、0.5〜6質量%が更に好ましい。
また、成分(G)に対する成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]の質量比{[(A)+(D)]/G}は、べたつきを抑制する観点、安定性を向上させる観点、及び肌をなめらかにする観点から、0.1以上が好ましく、0.4以上がより好ましく0.6以上が更に好ましく、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。また、成分(G)に対する成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]の質量比{[(A)+(D)]/(G)}は、0.1〜50が好ましく、0.4〜30がより好ましく、0.6〜10が更に好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、更に、非イオン性界面活性剤を含有することができる。非イオン性界面活性剤は、本発明の皮膚化粧料を指で肌に塗布する際、肌と指との間で生じる摩擦により発生する細かい泡を抑制することができる。この結果、塗布した際、化粧料を肌に良くなじませることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、エチレングリコールモノステアリン酸エステル等のエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール(2)モノステアリン酸エステル等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール(5)デシルペンタデシルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテル;ポリエチレングリコール(5)硬化ヒマシ油モノイソラウレート等のポリエチレングリコール硬化ヒマシ油;プロピレングリコール脂肪酸エステル;グリセリンモノイソステアリン酸エステル等のモノグリセリンモノ脂肪酸エステル;グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンジラウリン酸エステル等のモノグリセリンジ脂肪酸エステル;グリセリンモノイソステアリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;ソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸アルカノールアミド;ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸ジアルカノールアミドなどが挙げられる。
これら非イオン界面活性剤のうち、塗布時の細かい泡の発生を抑制する観点から、炭素数12〜22のアルキル基を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルが好ましく、炭素数12〜18のアルキル基を有するポリアルキレングリコールエーテルがより好ましい。好ましくは、ラウレス−3またはセテアレス−20を含有することがより好ましい。
非イオン性界面活性剤の含有量は、保湿性を向上させる観点、ぬるつきを抑制する観点、安定性を向上させる観点、及び塗布時の化粧料組成物の泡立ちを抑制する観点から、全成組成中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましく、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。また、非イオン性界面活性剤の含有量は、全組成中に0.05〜2質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%がより好ましく、0.2〜1質量%が更に好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、更に通常の化粧料に用いられる成分、として、成分(A)〜成分(G)以外であって、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、増粘剤、前記以外の油性成分、殺菌剤、保湿剤、湿潤剤、着色剤、防腐剤、感触向上剤、粉体、香料、抗炎症剤、美白剤、制汗剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を、適宜含有することができる。
また、発明においては、ラメラ構造の安定性を向上させる観点、保湿性を向上させる観点、油性感を低減させる観点、ツヤの持続性を向上させる観点、及び泡立ちを抑制する観点から、アニオン界面活性剤を含有することができる。
アニオン界面活性剤としては、成分(A)を除いたものから選ばれ、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の炭素数12〜22のアルキル硫酸エステル又はその塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等の炭素数12〜22のアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−炭素数12〜22のアシルサルコシン又はその塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等の炭素数12〜22のアルキルリン酸又はその塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレン炭素数12〜22のアルキルエーテルリン酸又はその塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の炭素数12〜24のジアルキルスルホコハク酸又はその塩;N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム等の炭素数12〜22のN‐アルキロイルメチルタウリン又はその塩;ジラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−炭素数12〜22のアシルグルタミン酸又はその塩などが挙げられる。
アニオン界面活性剤は、少なくとも前記のアニオン界面活性剤から選ばれる1種以上を用いることができ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アニオン界面活性剤の含有量は、ラメラ構造の安定性を向上させる観点、保湿性を向上させる観点、油性感を低減させる観点、ツヤの持続性を向上させる観点、及び泡立ちを抑制する観点から、全成組成中に1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以下が更により好ましい。
さらに、本発明の皮膚化粧料は、成分(A)及び(D)以外の固体脂を含有することができる。その含有量は、ラメラ状の構造を安定化する観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらにより好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、例えば、成分(B)、(C)及び(F)とを混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする。成分(A)、(D)とを混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする。この水相部と油相部を混合して均一にし、好ましくは20℃〜45℃に、より好ましくは25〜40℃に、さらに好ましくは30〜35℃に冷却し、成分(E)を混合することにより、製造することができる。
本発明の皮膚化粧料は、化粧料中で安定なラメラ状のα−ゲル構造体を形成する観点から、25℃において、pH5.5〜8.5であるのが好ましく、pH6.0〜8.0がより好ましく、pH6.5〜7.8が更に好ましい。本発明において、pHは、pHメーター(F-52、HORIBA社製)により、25℃で試料を直接測定する。
本発明の皮膚化粧料は、例えば、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、美容液などとすることができ、乳液、クリームとして使用することが特に好ましい。また、織布、不織布等のシート状基材に含浸又は塗布したシート状化粧料とすることもできる。
本発明の皮膚化粧料は、好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。
また、本発明の皮膚化粧料は、皮膚に塗布することにより、べたつきを抑制することができ、皮膚をなめらかにすることができる。
前述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物、及び、その使用方法又はその製造方法を開示する。
<1>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
(B)有機塩基 0.010〜5質量%、
(C)無機塩基 0.010〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
(E)ビタミンB3類及びビタミンC類から選ばれる少なくとも1種 0.010〜5質量%、
(F)水
を含有し、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.005〜3である、皮膚化粧料。
<2>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
(B)有機塩基 0.010〜5質量%、
(C)無機塩基 0.010〜1質量%、
(D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
(E)ビタミンB3類及びビタミンC類から選ばれる少なくとも1種 0.010〜5質量%、
(F)水 50〜98質量%
を含有し、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.005〜3である、皮膚化粧料。
<3>さらに、(G)多価アルコールを含有し、その含有量が、全成組成中に0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく16質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい<1>又は<2>記載の皮膚化粧料。
<4>成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(G)の質量比{[(A)+(D)]/(G)}が、好ましくは、0.1以上であって、0.4以上がより好ましく、0.6以上が更に好ましく、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、10以下が更に好ましい前記<3>記載の皮膚化粧料。
<5>成分(G)の多価アルコールが、グリセリンである前記<3>又は<4>記載の皮膚化粧料。
<6>さらに、非イオン性界面活性剤を含むことができ、好ましくは、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、モノグリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸ジアルカノールアミドから選ばれる1種以上であって、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルがより好ましく、炭素数12〜22のアルキル基を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルが更に好ましく、炭素数12〜18のアルキル基を有するポリアルキレングリコールアルキルエーテルがより更に好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<7>成分(A)が、好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べへン酸から選ばれる1種又は2種以上であって、パルミチン酸、ステアリン酸がより好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<8>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に1質量%以上であって、1.5質量%以上がより好ましく、4質量%以下が好ましく、3.8質量%以下がより好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<9>成分(B)が、好ましくは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミンから選ばれるアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、N−メチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、アミノメチルプロパノールから選ばれるアルカノールアミン、リジン、ヒスチジン、アルギニンから選ばれる塩基性アミノ酸の少なくともいずれか1種以上を含む前記<1>〜<8>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<10>成分(B)が、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数1〜6の塩基性アミノ酸であって、炭素数3〜6のアルキル基を有するアルカノールアミン又は炭素数3〜6の塩基性アミノ酸がより好ましく、塩基性アミノ酸が更好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<11>成分(B)が、好ましくは、アミノメチルプロパノール又はアルギニンであって、アルギニンがより好ましく、アルギニンの中ではL−アルギニンが好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<12>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.02質量%以上であって、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、2質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<13>成分(C)が、好ましくは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである前記<1>〜<12>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<14>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.04質量%以上であって、0.08質量%以上がより好ましく、0.3質量%以下が好ましく、0.25質量%以下がより好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<15>成分(D)が、好ましくは、炭素数14〜22の直鎖状飽和アルコールであって、炭素数16〜22の直鎖状飽和アルコールがより好ましい前記<1>〜<14>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<16>成分(D)が、好ましくは、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールから選ばれる1種以上であって、セチルアルコール、ステアリルアルコールがより好ましく、セチルアルコールとステアリルアルコールとを含有することが更に好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<17>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に1質量%以上であって、1.3質量%以上がより好ましく、5.5質量%以下が好ましく、5.2質量%以下がより好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<18>成分(E)が、好ましくは、水溶性のビタミンB3類又はビタミンC類である前記<1>〜<17>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<19>成分(E)が、好ましくは、水溶性のビタミンB3類であって、ナイアシンアミドがより好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<20>成分(E)含有量が、好ましくは、0.01質量%以上であって、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい前記<1>〜<19>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<21>成分(F)の水の含有量が、好ましくは、全組成中に50質量%以上であって、60質量%以上がより好ましく、98質量%以下が好ましく、96質量%以下がより好ましい前記<1>〜<20>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<22>成分(G)に対する成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]の質量比{[(A)+(D)]/G}が、好ましくは、0.1以上であって、0.4以上がより好ましく、0.6以上が更に好ましく、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、10以下が更に好ましい前記<3>〜<21>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<23>成分(A)及び(D)の合計量(A)+(D)が、好ましくは、全組成中に1質量%以上であって、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、12質量%以下が好ましく、9.5質量%以下がより好ましく、8質量%以下が更に好ましい前記<1>〜<22>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<24>成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(A)の質量比{(A)/[(A)+(D)]}が、好ましくは0.2以上であって、0.25以上がより好ましく、0.30以上が更に好ましく、0.7以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.55以下が更に好ましい前記<1>〜<23>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<25>成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比{(E)/[(A)+(D)]}が、好ましくは0.01以上であって、0.02以上がより好ましく、2以下が好ましく、1以下がより好ましい前記<1>〜<24>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<26>成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C)]に対する成分(B)のモル比{(B)/[(B)+(C)]}が、好ましくは、5以上であって、8以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、75以下が好ましく、70以下がより好ましく、65以下が更に好ましい前記<1>〜<25>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<27>成分(A)に対する成分(B)及び(C)の合計量[(B)+(C))]のモル比{[(B)+(C)]/(A)}が、好ましくは、10以上であって、20以上がより好ましく、30以上が更に好ましく、110以下が好ましく、100以下がより好ましく、90以下が更に好ましい前記<1>〜<26>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<28>25℃において、好ましくは、pH5.5〜8.5であって、pH6.0〜8.0がより好ましく、pH6.5〜7.8が更に好ましい前記<1>〜<27>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<29>アニオン界面活性剤の含有量が、好ましくは、全成組成中に1質量%以下であって、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以下が更により好ましい前記<1>〜<28>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<30>成分(A)及び(D)以外の固体脂の含有量が、好ましくは、全組成中に、5質量%以下であって、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらにより好ましい前記<1>〜<29>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<31>前記<1>〜<30>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に適用する、好ましくは、顔、身体、手足等のいずれかに塗布する、皮膚化粧料の使用方法。
<32>工程1〜4を含む、前記<1>〜<2>、<7>〜<30>のいずれか1記載の皮膚化粧料の製造方法。
工程1:成分(B)、(C)及び(F)を混合し、60〜100℃で溶解させ均一にし、水相部とする工程、
工程2:成分(A)及び(D)を混合し、60〜100℃で溶解させ、均一にし、油相部とする工程、
工程3:工程1で得られた水相部と、工程2で得られた油相部とを混合して均一にし、好ましくは20〜45℃に、より好ましくは25〜40℃に、さらに好ましくは30〜35℃に冷却する工程。
工程4:工程3で得られた乳化物に成分(E)を添加する工程。
<33>前記<1>〜<30>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に塗布する、べたつきの抑制方法。
<34>前記<1>〜<30>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に塗布する、肌をなめらかに保つ方法。
実施例1〜35、比較例1〜13
表1〜表3に示す組成の皮膚化粧料を製造し、塗布時のべたつきのなさを評価した。また、塗布膜におけるα型構造の形成の有無、塗布膜の水分閉塞性(保湿性)を測定した。続いて、肌へ塗布して5時間後の肌のべたつきのなさ、なめらかさを評価した。結果を表1〜表3に併せて示す。
なお、実施例29、30及び31は参考例であって、本発明の範囲に含まれるものではない。
(製造方法)
成分(B)、(C)、(F)及び(G)を含む水相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて水相部とする。次に、成分(A)及び(D)を含む油相成分を70〜80℃で攪拌、溶解させて油相部とする。水相部に油相部を70〜80℃で攪拌しながら添加し、更に攪拌しながら室温(30℃)に冷却し、成分(E)を添加して、皮膚化粧料(水中油型乳化化粧料)を製造した。
(評価方法)
(1)塗布時のべたつきのなさ:
5人の専門パネラーが、各化粧料2mg/cm2を前腕に使用したときのべたつきのなさを、以下の基準で官能評価し、平均値を求めた。
5;べたつきのなさを非常に感じる。
4;べたつきのなさを感じる。
3;べたつきのなさをやや感じる。
2;べたつきを感じる。
1;べたつきを非常に感じる。
(2)塗布膜におけるα型構造の形成の有無:
黒色人工皮革(セラヌバック クロ、オカモト化成品社製)の表面に、アプリケーター(YOSHIMITSU社製)を用いて、各化粧料を0.1mmの厚さで塗布し、1日室温で乾燥させた。乾燥皮膜を分取し、広角X線回折測定により、乾燥皮膜の相状態を解析した。得られたX線回折プロファイルにおいて、約21.5°における回折ピークの有無を観察し、結果を以下のように示した。
α型:被膜を形成し、構造がα型。
−:被膜を形成せず。または構造が非α型を含む。
(3)塗布膜の水分閉塞性(保湿性):
各化粧料を、5Cの定量ろ紙(東洋濾紙社製、ADVANTEC FILTER PAPER 5C)に0.01mL/cm2 塗布し、24時間、20℃20%RHの環境下に静置した。このろ紙を切り抜き、40mLバイアル瓶(ピアースバイアルCV−400、アズワン社製;蓋に直径17.3mmの孔が空いている)のビンの上にのせ、蓋をした。上記瓶に水を一定量加えたものを、20℃20%RHの環境下に24時間静置し、水の減少量を測定した。
保存前の質量を(m1)、24時間後の質量を(m2)とし、化粧料を塗布しないろ紙の場合の水分蒸散量W(g)、実施例又は比較例の化粧料をろ紙に塗布した場合の水分蒸散量S(g)とし、下記式により、水分蒸散抑制率(%)を求めた。
水分蒸散量W(g)=Wm1−Wm2
水分蒸散量S(g)=Sm1−Sm2
水分蒸散抑制率(%)=(W(g)−S(g))/W(g)×100
数値が高いほど、水分閉塞性(保湿性)に優れることを示す。
(4)5時間後の肌のべたつきのなさ:
5人の専門パネラーが、各化粧料2mg/cm2を前腕に塗布し、5時間経過したときの肌のべたつきのなさを、以下の基準で官能評価し、平均値を求めた。
5;べたつきのなさを非常に感じる。
4;べたつきのなさを感じる。
3;べたつきのなさをやや感じる。
2;べたつきを感じる。
1;べたつきを非常に感じる。
(5)5時間後の肌のなめらかさ:
5人の専門パネラーが、各化粧料2mg/cm2を前腕に塗布し、5時間経過したときの肌のなめらかさを、以下の基準で官能評価し、平均値を求めた。
5;肌がなめらかである。
4;肌色がややなめらかである。
3;肌色が若干なめらかである。
2;肌があまりなめらかでない。
1;肌がなめらかでない。
Figure 0006306945
Figure 0006306945
Figure 0006306945
実施例36〜39
実施例1〜35と同様にして、表4〜6に示す組成の乳液(水中油型乳化組成物)を製造し、塗布時のべたつきのなさを評価した。また、塗布膜におけるラメラ状のα型構造の形成の有無、塗布膜の水分閉塞性(保湿性)を測定した。続いて、肌へ塗布して5時間後の肌のべたつきのなさ、なめらかさを評価した。結果を表4〜表6に併せて示す。
Figure 0006306945
Figure 0006306945
Figure 0006306945

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
    (A)炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸 0.5〜6質量%、
    (B)有機塩基 0.010〜5質量%、
    (C)無機塩基 0.010〜1質量%、
    (D)炭素数12〜22の直鎖状飽和アルコール 0.5〜6質量%、
    (E)ビタミンB3類から選ばれる少なくとも1種 0.010〜5質量%、
    (F)水
    を含有し、成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]に対する成分(E)の質量比が、(E)/[(A)+(D)]=0.005〜3である、皮膚化粧料。
  2. (F)水の含有量が、50〜98質量%である請求項1記載の皮膚化粧料。
  3. さらに、(G)多価アルコールを 0.1〜16質量%含有する請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
  4. 成分(G)に対する成分(A)及び(D)の合計量[(A)+(D)]の質量比が、[(A)+(D)]/(G)=0.1〜50である請求項3記載の皮膚化粧料。
  5. 成分(E)が、水溶性である請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
  6. 成分(E)が、ナイアシンアミドである請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
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