JP6304489B2 - インクジェットプリンタ及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタ及びその制御方法に関する。
従来、インクジェットプリンタを用いた印刷方法は、インクの小滴を飛翔させて紙などのメディア上に付着させることにより行う。近年のインクジェットプリント技術の革新的な進歩により、インク吸収性の高い絹、ポリエステル、綿といった布帛や、インク非吸収性のプラスチック系のメディアにインクジェットプリンタで印刷することが行われている。
インクジェットプリンタでプラスチック系のメディアに印刷を行う際に、プラズマを照射することによって、メディアの表面を改質して、メディアとインクとの親和性を高める技術が知られている(例えば特許文献1〜3参照)。
特許文献1は、メディアの幅方向にヘッドが移動しないライン方式のヘッドと、プラズマ照射機構とを備えたインクジェットプリンタを開示する。また、特許文献2,3は、メディアの幅方向にヘッドがするシリアル方式のヘッドと、プラズマ照射機構とを備えたインクジェットプリンタを開示する。
特開2010−197546号公報 特開2012−179748号公報 特開2012−179747号公報
特許文献1のように、メディアを搬送する速度が一定であるライン印刷では、プラズマを照射することによって均一な表面改質を行うことは容易である。しかしながら、特許文献2,3のように、メディアが断続的に停止するシリアル印刷では、メディアが搬送されているときと停止しているときとでプラズマの照射時間が異なってしまうため、均一な表面改質を行うことが困難である。表面改質が均一に行われないことによりインクの付着にムラが生じる可能性がある。
本発明の一態様は、シリアル方式の印刷においてプラズマ照射による表面改質を行う場合に、インクの付着ムラを低減することができるインクジェットプリンタ及びその制御方法を提供するものである。
本発明第1の形態は、メディアを第1方向に搬送する搬送機構と、前記メディアに対してプラズマを照射するプラズマ照射機構と、前記プラズマが照射された前記メディアの部位にインクを吐出し、かつ、前記第1方向と交わる第2方向に移動するヘッド機構と、前記プラズマ照射機構による前記メディアに対する前記プラズマの照射の有無を制御する制御部と、を有するインクジェットプリンタである。
前記制御部は、前記メディアの搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、前記メディアに対する前記プラズマの照射を禁止し、前記メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、前記メディアに対する前記プラズマの照射を実行する。
インクジェットプリンタは、前記プラズマ照射機構のプラズマ照射口を開閉可能なシャッタをさらに有しても良い。前記制御部は、前記メディアの搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、前記プラズマ照射口を閉じるように前記シャッタを制御し、前記メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、前記プラズマ照射口を開放するように前記シャッタを制御しても良い。
このインクジェットプリンタにおいて、前記プラズマ照射機構には、プラズマを発生させるためのガスが供給されており、前記シャッタによって前記プラズマ照射口が閉じられているときに、前記プラズマ照射機構からガスを排出するガス排出機構をさらに有することが好ましい。
インクジェットプリンタは、前記プラズマ照射機構に電力を供給する電源部をさらに有しても良い。前記制御部は、前記メディアの搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、前記プラズマ照射機構へ電力の供給を停止するように前記電源部を制御し、前記メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、前記プラズマ照射機構へ電力を供給するように前記電源部を制御しても良い。
インクジェットプリンタは、前記プラズマ照射機構に前記プラズマを発生させるための前記ガスを供給するガス供給機構と、前記プラズマ照射機構から前記ガスを排出するガス排出機構と、を有しても良い。前記制御部は、前記メディアの搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、前記プラズマ照射機構から前記ガスを排出するように前記ガス排出機構を制御し、前記メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、前記プラズマ照射機構に前記ガスを供給するように前記ガス供給機構を制御しても良い。
以上のインクジェットプリンタにおいて、前記プラズマ照射機構は、放電部分で発生したプラズマをプラズマ照射口から射出するものであり、前記プラズマ照射機構の前記放電部分が前記メディアに接触しないように配置されることが好ましい。
以上のインクジェットプリンタにおいて、前記プラズマ照射機構により前記メディアの所定の位置にプラズマを照射した後、前記ヘッド機構により前記所定の位置にインクを吐出し始めるまでの時間が240秒以下となるように、前記プラズマ照射機構と前記ヘッド機構との間の距離が設定されている、ことが好ましい。
以上のインクジェットプリンタにおいて、前記プラズマ照射機構は、前記ヘッド機構に対して前記第1方向の前方に配置されていることが好ましい。
本発明第2の形態は、メディアを第1方向に搬送する搬送機構と、前記メディアに対してプラズマを照射するプラズマ照射機構と、前記プラズマが照射された前記メディアの部位にインクを吐出し、かつ、前記第1方向と交わる第2方向に移動するヘッド機構と、を備えるインクジェットプリンタの制御方法である。
前記メディアの搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、前記メディアに対する前記プラズマの照射を禁止し、前記メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、前記メディアに対する前記プラズマの照射を実行する。
本実施形態に係るインクジェットプリンタを模式的に示す図である。 プラズマ照射機構の断面を模式的に示す図である。 本実施形態に係るインクジェットプリンタによる印刷動作を説明するための図である。 実施例に係るインクジェットプリンタにおけるプラズマ処理装置の構成の一例を模式的に示す図である。 実施例に係るインクジェットプリンタにおけるプラズマ処理装置の構成の他の例を模式的に示す図である。 実施例に係るインクジェットプリンタにおけるプラズマ処理装置の構成の他の例を模式的に示す図である。 実施例に係るインクジェットプリンタにおけるプラズマ処理装置の構成の他の例を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。以下の説明及び図面において、メディアの搬送方向をY方向、メディアの幅方向をX方向とする。
[インクジェットプリンタ]
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタを模式的に示す図である。インクジェットプリンタ1は、メディア2をY方向(第1方向)に搬送する搬送機構10と、プラズマを照射する照射機構21を備えるプラズマ処理装置20と、Y方向と交わるX方向(第2方向)に移動しつつ印刷をするヘッド(ヘッド機構)40と、インクジェットプリンタ全体の動作を制御する制御部50と、を有する。
搬送機構10は、例えばローラ11と、プラテン12とを備える。なお、ローラ11の位置や個数に限定はない。プラテン12は、メディア2において画像を印刷する面と反対側の面からメディア2を支持する。プラテン12には、ヒータが内蔵されていていてもよい。
プラズマ処理装置20は、放電部分で発生したプラズマをプラズマ照射口から射出してメディアの少なくとも一部に照射するプラズマ照射機構21と、該プラズマ照射機構21に供給するガスを貯留するガス供給源29と、を備える。
プラズマ照射機構21は、ヘッド40に対してメディアの搬送方向(図1の矢印方向)の上流側、すなわちヘッド40に対して−Y方向側に設けられている。各プラズマ照射機構21は、例えば、X方向に延びるプラズマ照射口を備えたライン型のプラズマ照射機構である。プラズマ照射機構は、プラズマ照射口の形状によってスポット型(ジェット型ともいう。)とライン型に分類される。本実施形態ではX方向に延びるプラズマ照射口を備えたライン型のプラズマ照射機構21を用いることにより、メディア2に対するX方向におけるプラズマ照射量を均一にすることができる。ただし、プラズマ照射機構21は、スポット型(ジェット型)のプラズマ照射機構をメディア2の幅方向(X方向)に複数並べて構成されていてもよい。スポット側のプラズマ照射機構は、ライン型に比べてガス種の選択肢が広いという利点がある。
プラズマ照射機構21によりメディア2の所定の位置にプラズマを照射した後、ヘッド40によりメディア2の所定の位置にインクを吐出し始めるまでの時間が240秒以下となるように、プラズマ照射機構21とヘッド40との間の距離が設定されている。これにより、プラズマによるメディア2の表面改質の効果が消滅しないうちに、インク2をメディア2に付着させることができ、印刷品質を高めることができる。
メディア2の搬送方向に沿って複数のプラズマ照射機構21が配置されていてもよい。複数段のプラズマ照射機構21が配置されていることにより、メディアの表面改質の効果が十分に得ることができる。
ヘッド40は、プラズマが照射されたメディア2の表面にインクの液滴を付着させて、画像を形成する手段である。ヘッド40は、インクを吐出する複数のノズル41により構成されるノズル列を複数備える(図3)。1つのノズル列は、キャリッジの移動方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に並べられた複数のノズル41によって構成される。複数のノズル列は、キャリッジの移動方向(X方向)に並べて配置される。例えば、1つのノズル列からは同一組成のインクが吐出される。メディア2に対して、ヘッド40のノズル41が対向して配置されている。メディア2とノズル41との間の距離(A)に限定はないが、例えば数mmである。
インクをヘッド40のノズル41から吐出させる方式は、例えば以下のものが挙げられる。具体的には、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に吐出させ、インクの液滴が偏向電極間を飛翔する間に記録情報信号を偏向電極に与えて記録する方式又はインクの液滴を偏向することなく記録情報信号に対応して吐出させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインクの液滴を吐出させる方式、インクに圧電素子で圧力と記録情報信号を同時に加え、インクの液滴を吐出・記録させる方式(ピエゾ方式)、インクを記録情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インクの液滴を吐出・記録させる方式(サーマルジェット方式)等が挙げられる。
ヘッド40は、いわゆるシリアル型の記録ヘッドである。シリアル型の記録ヘッドは、記録ヘッドをメディアの搬送方向に対して交差する方向(X方向)に移動させつつインクを噴射させる走査(パス)を、複数回行うことによって画像の印刷を行うものである。このように、本実施形態に係るインクジェットプリンタは、いわゆるシリアルプリンタである。
制御部50は、インクジェットプリンタ1の任意の位置に設けられ、例えばPCやタッチパネル等の入力手段から入力された情報に基づいて、各手段の動作を制御する。本実施形態では、制御部50は、プラズマ照射機構21によるメディア2に対するプラズマの照射を行うか否かを制御する機能を備える。すなわち、制御部50は、メディア2の搬送速度に応じてプラズマ照射機構21によるメディア2に対するプラズマの照射を行うか否かを制御するものである。具体的には、制御部50は、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、メディア2がプラズマの照射を受けないようにプラズマの照射を制御し、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、メディア2がプラズマの照射を受けるようにプラズマの照射を制御する。
本実施形態では、メディア2の搬送が停止しているか極めて遅い時、具体的には、0m/min以上0.1m/min以下のときにメディア2がプラズマの照射を受けないようにプラズマの照射を制御する。そして、メディアが搬送されていると評価できるとき、具体的には、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、メディア2がプラズマの照射を受けるようにプラズマの照射を制御する。このように、メディア2の搬送が停止しているか極めて遅い時においてプラズマ照射機構21によってメディア2へのプラズマの照射が行われないようにすることにより、メディア2の搬送停止時にメディア2に過度のプラズマが照射されることを防止することができる。これにより、メディア2の表面に対するプラズマの照射量を均一にすることができ、インクの付着ムラを低減することができる。これによって、印刷品質の向上を図ることができる。
図2は、プラズマ照射機構21の断面を模式的に示す図である。プラズマ照射機構21は、ガス供給源(図示せず)と接続されたガス供給室22と、ガス供給室22の少なくとも一部に対向するように設けられた電極対23と、プラズマ電源24と、プラズマ照射口25と、排気管26と、を備える。
ガス供給室22は、図示しないガス供給管によってガス供給源29(図1参照)と接続されており、ガス供給源29に貯留されたガスが流入可能な状態になっている。ガス供給室22の任意の位置には、電極対23が設けられている。電極対23は、対向するように設置された電極23aおよび電極23bを備える。電極23aおよび電極23bには、電圧が印加できるように、プラズマ電源24が接続されている。
プラズマ照射口25は、メディア2に対向するガス供給室22の先端に設けられている。プラズマ照射口25は、電極23aおよび電極23bの間を通過して発生したプラズマを照射するためのノズル孔である。電極23aと電極23bの間の領域が放電部分D(放電領域)となる。プラズマ照射口25は、メディア2の表面に近接して配置されている。メディア2とプラズマ照射口25との間の距離に限定はないが、例えば数mmである。
排気管26は、余剰ガスを吸引、排気しながらプラズマ照射を行うことで、プラズマ照射口25から放射されるプラズマ照射範囲を適正化し、所望の範囲を局地的に処理するために設置される。排気管26の設置位置は、特に限定されるものではないが、例えば、2つの排気管26aおよび排気管26bを備えており、ガス供給室22に沿って設けられている。
プラズマ電源24によって電極23aおよび電極23bに電圧が印加されると、電極23aと電極23bとの間に放電が生じる(図2の「放電部分D」)。このように放電が生じている状態で、ガス供給室22にガスを供給して、電極23aおよび電極23bとの間にガスを通過させることで、ガスのプラズマが生じる(すなわち、ガスの少なくとも一部がプラズマ化する)。このようにして発生したプラズマは、プラズマ照射口25からメディア2の表面に向かって照射される。すなわち、放電部分Dで発生させたプラズマは、放電部分Dがメディア2に接触しない状態でメディア2の表面に照射される。換言すれば、メディア2は、放電部分Dを通過しないので、放電部分Dに直接接触することがない。このようなプラズマ発生機構は、上述したように、リモート方式と呼ばれるものである。
このように、放電部分にメディアを接触させないリモート方式のプラズマ照射機構を用いることで、メディアの変色を抑制できるので、メディアの風合いや色合いが維持される。特に、白色度の高いメディアを使用する場合に、その効果が一層発揮される。
プラズマ照射機構21は、大気圧下でプラズマを発生させて照射する機構を備えたものが好ましい。大気圧下でプラズマを発生させる場合には、プラズマ照射機構に減圧機構を設けることが不要となって装置の小型化が図れることから、プラズマ照射工程をインラインで行える(すなわち、プラズマ照射工程、インク吐出工程、等の工程を連続で行える)という利点がある。ここで、プラズマを発生させる際の圧力は、プラズマを発生させる際のガス供給室22内の圧力のことをいう。
プラズマを発生させる際のプラズマ電源24の電力量としては、供給したガスからプラズマを発生できるのであれば特に限定されるものではないが、例えば、20Wh以上200Wh以下とすることができる。
プラズマを発生させる際のプラズマ電源24の周波数としては、供給したガスからプラズマを発生できるのであれば特に限定されるものではないが、例えば、50Hz以上30MHz以下である。なお、プラズマ電源24は、直流電源であってもよい。ただし、直流電源の方が温度上昇しやすいので交流電源を用いることが好ましい。交流電源では、温度が上昇する前に逆方向の電流に切り替えることで、温度上昇を防止することができる。
ガス供給室22には、1種類のガスが供給されてもよいし、2種以上のガスを混合して得られる混合ガスが供給されてもよい。このようなガスの原料としては、例えば、酸素(O2)、窒素(N2)、空気(少なくとも窒素(N2)および酸素(O2)を含む)、水蒸気(H2O)、亜酸化窒素(N2O)、アンモニア(NH3)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)等が挙げられる。なお、ガス供給室22に供給されるガスの流量は、ガス供給室22の容量、ガスの種類、メディアの種類、印刷速度等に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではない。
例えば、ガス供給室22に酸化ガスを供給することにより、酸化ガスに由来するプラズマによって、メディア2の表面にヒドロキシ基を付与することができる。また、メディアの構造骨格中に酸素原子を含む場合には、ガス供給室22に供給するガスとして希ガスを用いることで、希ガスに由来するプラズマがメディア2に含まれる酸素の結合を切断できるので、メディアの表面にヒドロキシ基を発生させることができる。
プラズマ照射機構21は、リモート方式ではなく、ダイレクト方式であってもよい。ダイレクト方式とは、電極間で発生する放電部分が直接基材に触れる状態でプラズマを照射することであって、放電部分が直接基材に触れるとは、例えば、電極の間に被処理体(本実施形態ではメディア)を配置してプラズマ処理する方式である。これに対して、リモート方式とは、電極間で発生させたプラズマを被処理体に吹き付けて処理する方式である。また、プラズマの発生方法に限定はなく、グロー放電やコロナ放電であってもよい。
図示はしないが、メディア2の搬送方向におけるヘッド40の後方に、インクの溶媒を乾燥させるための乾燥機構が設けられていてもよい。乾燥機構は、例えば、ヒータ、
や送風機構が挙げられる。
後述するように、インクの種類には特に限定はないため、インクの種類によってはさまざまな付加機構を備える。例えば、インクが紫外線硬化型インクの場合には、メディア2の搬送方向におけるヘッド40の後方に、紫外線照射機構が設けられる。また、メディア2が布帛の場合には、メディアの搬送方向におけるヘッド40の前方にインクを布帛に定着させるための前処理液を塗布する機構が設けられていてもよい。このように、メディアやインクの種類によって、キャリッジ以外の種々の付加機構が備えられる。
[インク]
インクの組成に特に限定はないが、以下に、インクに含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
インクは、色材を含んでもよい。上記色材は、顔料及び染料から選択される。
(顔料)
色材として顔料を用いることにより、インクの耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、及び酸化シリカが挙げられる。無機顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
ブラックインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック(C.I.ピグメントブラック7)が挙げられる。また、カーボンブラックの市販品として、特に限定されないが、例えば、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上全て商品名、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250(以上全て商品名、デグサ社(Degussa AG)製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700(以上全て商品名、コロンビアカーボン社(Columbian Carbon Japan Ltd)製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12(以上全て商品名、キャボット社(Cabot Corporation)製)等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、60、65、66、C.I.バットブルー4、60が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントブルー15:3及び15:4のうち少なくともいずれかが好ましい。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:2、48:4、57、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される一種以上が好ましい。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180、185、213が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー74、155、及び213からなる群から選択される一種以上が好ましい。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料としては、従来公知のものが挙げられる。
(染料)
色材として染料を用いてもよい。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。
色材の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.4〜12質量%であると好ましく、2〜5質量%であるとより好ましい。
(樹脂)
インクは、樹脂を含有してもよい。インクが樹脂を含有することにより、メディア上に樹脂被膜が形成され、結果としてインクをメディア上に十分定着させて、主に画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。
樹脂は、アニオン性、ノニオン性、又はカチオン性のいずれであってもよい。これらの中でも、ヘッドに適した材質という観点から、ノニオン性又はアニオン性が好ましい。
樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記インクに含有させてもよい樹脂としては、例えば、樹脂分散剤、樹脂エマルジョン、及びワックス等が挙げられる。
(樹脂分散剤)
本実施形態のインクに上記の顔料を含有させる際、顔料が水中で安定的に分散保持できるようにするため、当該インクは樹脂分散剤を含むとよい。上記インクが水溶性樹脂や水分散性樹脂などの樹脂分散剤を用いて分散された顔料(以下、「樹脂分散顔料」という。)を含むことにより、インクがメディアに付着したときに、メディアとインクとの間及びインク中の固化物間のうち少なくともいずれかの密着性を良好なものとすることができる。樹脂分散剤の中でも分散安定性に優れるため、水溶性樹脂が好ましい。
樹脂分散剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂の中でも樹脂分散剤の顔料に対する添加量は、顔料100質量部に対して好ましくは1質量部〜100質量部であり、より好ましくは5質量部〜50質量部である。添加量が上記範囲内であると、顔料の水中への良好な分散安定性が確保できる。
(樹脂エマルジョン)
インクは、樹脂エマルジョンを含んでもよい。樹脂エマルジョンは、樹脂被膜を形成することで、インクをメディア上に十分定着させて画像の密着性、耐擦性を良好にする効果を発揮する。
また、バインダーとして機能する樹脂エマルジョンはインク中にエマルジョン状態で含有される。バインダーとして機能する樹脂をエマルジョン状態でインク中に含有させることにより、インクの粘度をインクジェット記録方式において適正な範囲に調整しやすく、かつ、インクの保存安定性及び吐出安定性に優れたものとなる。
樹脂エマルジョンとしては、以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかがより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
樹脂エマルジョンは、市販品を用いてもよく、以下のように乳化重合法などを利用して作製してもよい。インク中の熱可塑性樹脂をエマルジョンの状態で得る方法としては、重合触媒及び乳化剤を存在させた水中で、上述した水溶性樹脂の単量体を乳化重合させることが挙げられる。乳化重合の際に使用される重合開始剤、乳化剤、及び分子量調整剤は従来公知の方法に準じて使用できる。
樹脂エマルジョンの平均粒子径は、インクの保存安定性及び吐出安定性を一層良好にするため、好ましくは5nm〜400nmの範囲であり、より好ましくは20nm〜300nmの範囲である。
本明細書における平均粒子径とは、特に断りがない限りは体積基準の平均粒子径である。測定方法としては、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて回折散乱光の光強度分布パターンを検出し、その光強度分布パターンをMie散乱理論に基づいて計算することにより体積基準の粒度分布を求められる。その粒度分布から算出された体積平均粒子径は算出可能である。このようなレーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)が挙げられる。
樹脂エマルジョンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂の中でも樹脂エマルジョンの含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.5〜7質量%の範囲であることが好ましい。含有量が上記範囲内であると、固形分濃度を低くすることができるため、吐出安定性を一層良好にすることができる。
(界面活性剤)
インクは、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。インクがこれらの界面活性剤を含むことにより、インクの保存安定性及び吐出安定性が一層良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール104、465、61(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S-144、S-145(旭硝子株式会社製);FC-170C、FC-430、フロラード-FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤の含有量は、インクの保存安定性及び吐出安定性が一層良好なものとなるため、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上3質量%以下の範囲であることが好ましい。
(水)
インクは、水を含有してもよい。特に、当該インクが水性インクである場合、水は、インクの主となる媒体であり、インクジェット記録においてメディアが加熱される際、蒸発飛散する成分となる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いたインクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。
水の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
(有機溶剤)
インクは、揮発性の水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類あるいはグリコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及び1,1,3,3−テトラメチル尿素が挙げられる。
有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
(pH調整剤)
インクは、pH調整剤を含んでもよい。pH調整剤として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モルホリン、リン酸二水素カリウム、及びリン酸水素二ナトリウムが挙げられる。
pH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。pH調整剤の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
(その他の成分)
インクは、上記の成分に加えて、溶解助剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、腐食防止剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。また、インクが紫外線硬化型インクである場合には、例えば、重合性化合物、光重合開始剤を含む。
(インクの製造方法)
インクは、上述の成分(材料)を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過などを行い、不純物を除去することにより得ることができる。ここで、顔料は、あらかじめ溶媒中に均一に分散させた状態に調製してから混合することが、取り扱いが簡便になるため好ましい。
各材料の混合方法としては、メカニカルスターラーやマグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法として、例えば、遠心濾過やフィルター濾過などを必要に応じて行うことができる。
[メディア]
メディア(被記録媒体)としては、例えば、吸収性又は非吸収性のメディアが挙げられる。特に、本発明は、インクの浸透が困難な非吸収性メディアから、インクの浸透が容易な吸収性メディアまで、様々な吸収性能を持つメディアに幅広く適用できる。
吸収性メディアとしては、特に限定されないが、特に布帛のような高い吸収性のメディアであることが好ましい。布帛としては、以下に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル、及びレーヨン等の天然繊維又は合成繊維が挙げられる。
非吸収性メディアとしては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレート等が挙げられる。また、非吸収性メディアとしては、シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層が形成されていないものが好ましい。
[印刷方法]
次に、図3を参照して、上記のインクジェットプリンタ1を用いた印刷方法(インクジェットプリンタの制御方法)について説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る印刷方法は、搬送機構10によりY方向に搬送されるメディア2に対して印刷する印刷方法であって、プラズマ照射機構21によってメディア2に対してプラズマを照射するプラズマ照射工程と、プラズマが照射されたメディア2の部位にヘッド40からインクを吐出するインク吐出工程とを有する。
メディア2にプラズマを照射することにより、メディア2の表面を改質し、メディア2のインクに対する親和性を向上できる。メディア2のインクに対する親和性とは、メディア2の親水性又は撥水性をいう。プラズマの照射が、例えば、上述したようなリモート方式で行われることにより、放電部分がメディア2に接触しないので、メディア2の損傷や変色を抑制することができる。
ここで、インクジェットプリンタ1は、シリアル方式であるため、搬送機構10によるメディア2の搬送は断続的に行われる。すなわち、メディア2を静止させた状態でヘッド40をX方向に移動させながらメディア2の所定範囲の印刷を行った後に、搬送機構10によりメディア2をY方向に所定位置まで移動させるという動作を繰り返していく。
本実施形態では、メディア2の搬送が停止しているか極めて遅い時、具体的には、0m/min以上0.1m/min以下のときにメディア2がプラズマの照射を受けないようにプラズマの照射を制御する。そして、メディアが搬送されていると評価できるとき、具体的には、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、メディア2がプラズマの照射を受けるようにプラズマの照射を制御する。このように、メディア2の搬送が停止しているか極めて遅い時においてプラズマ照射機構21によってメディア2へのプラズマの照射が行われないようにすることにより、メディア2の搬送停止時にメディア2に過度のプラズマが照射されることを防止することができる。これにより、メディア2の表面に対するプラズマの照射量を均一にすることができ、インクの付着ムラを低減することができる。これによって、印刷品質の向上を図ることができる。
インク吐出後、必要に応じて、乾燥機構により、インクに含まれる溶媒が乾燥される。また、インクが紫外線硬化型インクである場合には、インク吐出後に紫外線が照射される。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ及び印刷方法によれば、断続的にメディア2が搬送されるシリアル印刷において、メディア2へのプラズマの照射時間を略均一にできることから、インクの付着ムラを低減するとができ、印刷品質を向上することができる。
上述したように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ及びその制御方法は、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、メディア2がプラズマの照射を受けないようにプラズマの照射を制御し、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、メディア2がプラズマの照射を受けるようにプラズマの照射を制御するものである。以下、このような制御を行うための実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(インクジェットプリンタ1A)
図4は、実施例に係るインクジェットプリンタ1Aにおけるプラズマ処理装置の構成を模式的に示す図である。図4及びその説明において、先に図1〜図3を用いて説明した実施形態と同一の構成については、図1〜図3と同一の符号を付し、その詳細な説明を一部省略する。
図4に示すように、インクジェットプリンタ1Aにおけるプラズマ処理装置20は、プラズマ照射機構21へプラズマ生成のためのガスを供給するガス供給源29と、ガス供給源29からのガスの供給量を調製するマスフローコントローラ(MFC)28と、マスフローコントローラ28からのガスの供給を停止可能なバルブ27と、プラズマ照射機構21の電極対23に接続されたプラズマ電源24(電源部)と、プラズマ照射口25を開閉可能なシャッタ31aと、シャッタ31aを駆動するシャッタ駆動部31とを有する。制御部50は、装置の各種の動作を制御するものであり、例えば、バルブ27の開閉動作、プラズマ電源24のオン/オフ、シャッタ駆動部31によるシャッタ31aの開閉動作、ローラ駆動部13によるローラ11の回転速度を制御する。シャッタ31aは、プラズマ照射口25とメディア2との間に設けられる。シャッタ31aは、図4中双方向矢印で示したように、±Y方向に移動することでプラズマ照射口25を開閉する。
制御部50は、メディア2の搬送速度に応じて、プラズマ処理モード及びプラズマ処理停止モードの2つの制御モードを備える。表1は、プラズマ処理モード及びプラズマ処理停止モードにおける、制御部50による、メディア搬送、シャッタ31a、バルブ27、プラズマ電源24の制御動作を示したものである。
Figure 0006304489
表1に示すように、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きい場合には、プラズマ処理モードとなり、制御部50は、シャッタ31aを開き、バルブ27を開き、プラズマ電源24をオンにする。これにより、プラズマ照射機構21によってメディア2に対してプラズマの照射が行われる。すなわち、プラズマ処理モードでは、ガス供給源29からプラズマ照射機構21へガスが供給される。そして、プラズマ照射機構21でプラズマが生成される。さらに、シャッタ31aが開いているため、プラズマ照射口25からプラズマが射出され、メディア2にプラズマが照射される。
また、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときには、プラズマ処理停止モードとなり、制御部50は、シャッタ31aを閉じ、バルブ27を閉じ、プラズマ電源24をオフにする。これにより、プラズマ照射機構21によってプラズマが生成されず、かつ、メディア2に対してプラズマの照射が行われなくなる。すなわち、プラズマ処理停止モードでは、シャッタ31aが閉じており、ガス供給源29からプラズマ照射機構21へガスが供給されない。よって、プラズマ照射機構21でプラズマが生成されず、メディア2にプラズマが照射されない。
メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下であるか、0.1m/minよりも大きいか否かの判断は、速度センサを設けずに判断可能である。制御部50によるローラ駆動部13の制御とメディア2の搬送速度との間には相関関係があるからである。ただし、メディア2の速度を検出する速度センサを設けて、速度センサにより検出された速度に基づいて、メディア2の搬送速度を決定してもよい。
このように、インクジェットプリンタ1Aでは、制御部50は、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、シャッタ31aがプラズマ照射口25を閉じるようにシャッタ駆動部31を制御し、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、シャッタ31aがプラズマ照射口25を開放するようにシャッタ駆動部31を制御する。これにより、シャッタの開閉によって、容易にプラズマ照射のオン/オフを制御することができる。
また、インクジェットプリンタ1Aでは、制御部50は、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、プラズマ照射機構21へ電力の供給を停止するようにプラズマ電源24をオフにし、メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、プラズマ照射機構21へ電力を供給するようにプラズマ電源24をオンにする。上記したシャッタ開閉動作と、プラズマ電源のオン/オフを動作を併用することにより、より効率良くプラズマ照射のオン/オフを制御できる。また、インクジェットプリンタ1Aでは、制御部50は、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、バルブ27を閉じていることから、プラズマ照射機構21のガス内圧増加を防止することができる。この結果、プラズマ照射機構21が破損したり、シャッタ31aが開いた途端に大量のプラズマが放出されたりすることを防ぐことができる。
(インクジェットプリンタ1B)
図5は、実施例に係るインクジェットプリンタ1Bにおけるプラズマ処理装置の構成を模式的に示す図である。インクジェットプリンタ1Aと異なる点を中心に説明する。図5及びその説明において、先に図1〜図3を用いて説明した実施形態及び図4を用いて説明した実施例と同一の構成については、図1〜図4と同一の符号を付し、その詳細な説明を一部省略する。
図5に示すように、インクジェットプリンタ1Bにおけるプラズマ処理装置20は、インクジェットプリンタ1Aの構成の加えて、プラズマ照射機構21からガスを排出するポンプ等からなる排気部32と、排気部21による排気動作のオン/オフを制御するバルブ33とを有する。排気部32及びバルブ33は、本発明におけるガス排出機構の一例である。制御部50は、装置の各種の動作を制御するものであり、インクジェットプリンタ1Aと同様の制御に加えて、バルブ33の開閉動作を制御する。
表2は、プラズマ処理モード及びプラズマ処理停止モードにおける、制御部50による、メディア搬送、シャッタ31a、バルブ27、プラズマ電源24の制御動作を示したものである。
Figure 0006304489
表2に示すように、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きい場合には、プラズマ処理モードとなり、制御部50は、シャッタ31aを開き、バルブ27を開き、バルブ33を閉じ、プラズマ電源24をオンにする。これにより、プラズマ照射機構21によってメディア2に対してプラズマの照射が行われる。すなわち、プラズマ処理モードでは、ガス供給源29からプラズマ照射機構21へガスが供給される。そして、プラズマ照射機構21でプラズマが生成される。さらに、シャッタ31aが開いているため、プラズマ照射口25からプラズマが射出され、メディア2にプラズマが照射される。プラズマ処理モードにおける動作は、インクジェットプリンタ1Aと同じである。
また、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときには、プラズマ処理停止モードとなり、制御部50は、シャッタ31aを閉じ、バルブ33を開く。実施例2では、プラズマ処理停止モードにおいて、バルブ27を開いたままにし、プラズマ電源をオンのままにしておく。すなわち、プラズマ処理停止モードにおいても、ガス供給源29からプラズマ照射機構21へガスが供給されており、プラズマは生成されている。しかし、シャッタ31aが閉じているため、プラズマ照射機構21で生成されたプラズマがメディア2に照射されることはない。また、プラズマ処理停止モードにおいて、プラズマ照射機構21へ供給されたガスは、排気部32へと送出される。
このように、インクジェットプリンタ1Bでは、シャッタ31aによってプラズマ照射口25が閉じられているときに、バルブ33を開いて排気部32によってプラズマ照射機構21からガスを排出する。これにより、シャッタ31aを閉じたときにプラズマ照射機構21の内圧が増加することを防ぐことができる。この結果、プラズマが外部に漏れたり、プラズマ照射機構21が破損したり、シャッタ31aが開いた途端に大量のプラズマが放出されたりすることを防ぐことができる。また、実施例2では、プラズマ処理停止モードにおいて、プラズマ電源をオンのままにしておくことから、高速に次回のプラズマ処理モードに移ることができる。
(インクジェットプリンタ1C)
図6は、実施例に係るインクジェットプリンタ1Cにおけるプラズマ処理装置の構成を模式的に示す図である。図6及びその説明において、先に図1〜図3を用いて説明した実施形態ならびに図4及び図5を用いて説明した実施例と同一の構成については、図1〜図5と同一の符号を付し、その詳細な説明を一部省略する。
図6に示すように、インクジェットプリンタ1Cにおけるプラズマ処理装置20は、プラズマ生成のためのガスを供給するガス供給源29と、ガス供給源29からのガスの供給量を調製するマスフローコントローラ(MFC)28と、排気部32と、マスフローコントローラ28からのガスの供給と排気部32によるガスの排気を切り替え可能な三方弁27aと、プラズマ照射機構21の電極対23に接続されたプラズマ電源24と、プラズマ照射機構21にパージガス(N2)を供給するパージガス供給源34と、パージガス供給源34からのパージガスの供給量を調製するマスフローコントローラ(MFC)35と、マスフローコントローラ(MFC)35からのガスの供給を遮断可能なバルブ36とを有する。制御部50は、装置の各種の動作を制御するものであり、例えば、三方弁27aの切り替え動作、プラズマ電源24のオン/オフ、ローラ駆動部13によるローラ11の回転速度を制御する。
制御部50は、メディア2の搬送速度に応じて、プラズマ処理モード及びプラズマ処理停止モードの2つの制御モードを備える。表1は、プラズマ処理モード及びプラズマ処理停止モードにおける、制御部50による、メディア搬送、三方弁27a、バルブ36、プラズマ電源24の制御動作を示したものである。
Figure 0006304489
表3に示すように、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きい場合には、プラズマ処理モードとなり、制御部50は、ガス供給源29からのガスがプラズマ照射機構21に供給されるように三方弁27aを制御し、バルブ36を閉じ、プラズマ電源24をオンにする。これにより、プラズマ照射機構21によってメディア2に対してプラズマの照射が行われる。すなわち、プラズマ処理モードでは、ガス供給源29からプラズマ照射機構21へガスが供給される。そして、プラズマ照射機構21でプラズマが生成される。生成されたプラズマは、プラズマ照射口25から射出され、メディア2に照射される。
また、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときには、プラズマ処理停止モードとなり、制御部50は、排気部32によりプラズマ照射機構21からガスを排気するように三方弁27aを制御し、バルブ36を開いてパージガス供給源34からプラズマ照射機構21にパージガスを流すように制御する。実施例3では、プラズマ処理停止モードにおいて、プラズマ電源をオンのままにしておく。すなわち、プラズマ処理停止モードにおいて、プラズマ照射機構21は駆動されているが、ガス供給源29からプラズマ照射機構21へガスは供給されず、プラズマは生成されない。また、プラズマ処理停止モードでは、パージガス供給源34からプラズマ照射機構21へパージガスが送出され、このパージガスは、排気部32へと送出される。
このように、インクジェットプリンタ1Cでは、制御部50は、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、排気部32によりプラズマ照射機構21からガスを排出するように三方弁27aを制御し、メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、ガス供給源29からプラズマ照射機構21にガスが供給されるように三方弁27aを制御する。これにより、ガスの供給、排出の制御によって、容易にプラズマ照射のオン/オフを制御できる。
換言すれば、インクジェットプリンタ1Cでは、プラズマ処理モードにおいてガスがプラズマ照射機構21のプラズマ照射口25に向かって流れるように制御し、プラズマ処理停止モードにおいてプラズマ照射機構21にパージガスをプラズマ処理モードとは反対方向に流すように制御する。このようにガスの流れを反転させることによって、容易にプラズマ照射のオン/オフを制御できる。
(インクジェットプリンタ1D)
図7は、実施例に係るインクジェットプリンタ1Dにおけるプラズマ処理装置の構成を模式的に示す図である。図7及びその説明において、先に図1〜図3を用いて説明した実施形態及び図4を用いて説明した実施例と同一の構成については、図1〜図4と同一の符号を付し、その詳細な説明を一部省略する。
図7に示すように、インクジェットプリンタ1Dにおけるプラズマ処理装置20は、プラズマ生成のためのガスを供給するガス供給源29と、ガス供給源29からのガスの供給量を調製するマスフローコントローラ(MFC)28と、マスフローコントローラ28からのガスの供給を停止可能なバルブ27と、プラズマ照射機構の電極対23に接続されたプラズマ電源24(電源部)とを有する。制御部50は、装置の各種の動作を制御するものであり、例えば、バルブ27の開閉動作、プラズマ電源24のオン/オフ、ローラ駆動部13によるローラ11の回転速度を制御する。
制御部50は、メディア2の搬送速度に応じて、プラズマ処理モード及びプラズマ処理停止モードの2つの制御モードを備える。表4は、プラズマ処理モード及びプラズマ処理停止モードにおける、制御部50による、メディア搬送、バルブ27、プラズマ電源24の制御動作を示したものである。
Figure 0006304489
表4に示すように、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きい場合には、プラズマ処理モードとなり、制御部50は、バルブ27を開き、プラズマ電源24をオンにする。これにより、プラズマ照射機構21によってメディア2に対してプラズマの照射が行われる。すなわち、プラズマ処理モードでは、ガス供給源29からプラズマ照射機構21へガスが供給される。そして、プラズマ照射機構21でプラズマが生成される。生成されたプラズマは、プラズマ照射口25から射出され、メディア2に照射される。
また、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときには、プラズマ処理停止モードとなり、制御部50は、バルブ27を閉じ、プラズマ電源24をオフにする。これにより、プラズマ照射機構21によってプラズマが生成されず、かつ、メディア2に対してプラズマの照射が行われなくなる。すなわち、プラズマ処理停止モードでは、ガス供給源29からプラズマ照射機構21へガスが供給されない。よって、プラズマ照射機構21でプラズマが生成されず、メディア2にプラズマが照射されない。
このように、インクジェットプリンタ1Dでは、制御部50は、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、プラズマ照射機構21へ電力の供給を停止するようにプラズマ電源24をオフにし、メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、プラズマ照射機構21へ電力を供給するようにプラズマ電源24をオンにする。これにより、シャッタを設けなくても、容易にプラズマ照射のオン/オフを制御できる。
(評価)
インクジェットプリンタ1A〜1Dの制御方法及びプラズマ照射時に使用するガス種の割合を変えて印刷を行い、印刷品質を評価した。表5に制御方法を示す。
Figure 0006304489
表5に示す制御方法1は、実施例に係る制御方法であり、メディア2の搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときにメディア2に対してプラズマを照射し、メディア2の搬送速度が0.1m/minよりも大きいときにメディア2に対してプラズマを照射するように、プラズマ処理装置を制御するものである。具体的には、制御方法1では、インクジェットプリンタ1Aを表1に示すように制御し、インクジェットプリンタ1Bを表2に示すように制御し、インクジェットプリンタ1Cを表3に示すように制御し、インクジェットプリンタ1Dを表4に示すように制御した。
表5に示す制御方法2,3は、比較例に係る制御方法であり、制御方法2はメディアの搬送速度に関わらずプラズマ照射する制御方法であり、制御方法3はメディアの搬送速度に関わらずプラズマ照射をしない制御方法である。
表6は、プラズマ照射時に使用するガス種の割合を示すものである。表6に示すように、ガス種としては、アルゴンのみ、窒素のみ、窒素と酸素の混合ガスの3種類を用いた。
Figure 0006304489
表7に示すように、インクジェットプリンタ1A〜1D及びその制御方法1〜3、並びにプラズマ照射時に使用するガス1〜3を変えて印刷を行い、印刷品質を評価した。インクジェットプリンタ1A〜1Dは、PX-H10000(セイコーエプソン社製)にプラズマ処理装置を搭載させたものを用いた。
Figure 0006304489
(バンディング)
バンディングムラ(縞模様)に由来する色むらがあるかどうか、目視にて判断をした。バンディングムラとは、インクの付着ムラに起因する縞模様をいう。プラズマ照射量が不均一になると、メディアの濡れ性が不均一となり、その結果、バンディングムラが発生する。表7に評価結果を示す。
(埋まり)
duty80%印刷部を顕微鏡(200倍)により観察した際に、下地が見える割合でインクの埋まりを判断した。評価基準は、下記の通りである。表7に評価結果を示す。
A:インクにより完全に下地が見えない。
B:インクに被覆されず、下地が露出している部分が10%未満ある。
C:インクに被覆されず、下地が露出している部分が20%未満、10%以上ある。
表7に示すように、実施例1〜6では、メディアにプラズマを照射し続けながら印刷した比較例1と比べて、バンディングムラを低減することができた。また、実施例1〜6では、プラズマを照射しないで印刷した比較例2と比べて、インクの埋まりを向上できた。
また、今回の実施例では、実施例1と実施例2,6とを比較すると、N2の単一ガス又はN2とO2の混合ガスを用いた方が、Arの単一ガスを用いた場合よりも、インクの埋まりを向上させることができることがわかる。これにより、ガス種によって、ラジカル寿命、及び官能基のつき方が変わり、表面改質のレベルが異なることがわかる。なお、N2の単一ガス又はN2とO2の混合ガスは、空気中から窒素を取り出す装置(膜分離による)を用いることで作製できることから、ガスボンベ等の消耗品を減らすことが可能である。
1,1A,1B,1C,1D…インクジェットプリンタ、2…メディア、10…搬送機構、11…ローラ、12…プラテン、13…ローラ駆動部、20…プラズマ処理装置、21…プラズマ照射機構、22…ガス供給室、23…電極対、23a…電極、23b…電極、24…電源、25…プラズマ照射口、26…排気管、26a…排気管、26b…排気管、27…バルブ、27a…三方弁、28…マスフローコントローラ、29…ガス供給源、30…キャリッジ、31…シャッタ駆動部、31a…シャッタ、32…排気部、33…バルブ、34…パージガス供給源、35…マスフローコントローラ、40…ヘッド、41…ノズル、50…制御部。

Claims (5)

  1. メディアを第1方向に搬送する搬送機構と、
    前記メディアに対してプラズマを照射するプラズマ照射機構と、
    前記プラズマ照射機構のプラズマ照射口を開閉可能なシャッタと、
    前記プラズマが照射された前記メディアの部位にインクを吐出し、かつ、前記第1方向と交わる第2方向に移動するヘッド機構と、
    前記プラズマ照射機構による前記メディアに対する前記プラズマの照射の有無を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記メディアの搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、前記プラズマ照射口を閉じるように前記シャッタを制御して、前記メディアに対する前記プラズマの照射を禁止し、
    前記メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、前記プラズマ照射口を開放するように前記シャッタを制御して、前記メディアに対する前記プラズマの照射を実行し、
    前記プラズマ照射機構にプラズマを発生させるためのガスが供給されており、
    前記シャッタによって前記プラズマ照射口が閉じられているときに、前記プラズマ照射機構からガスを排出するガス排出機構をさらに有する、
    インクジェットプリンタ。
  2. メディアを第1方向に搬送する搬送機構と、
    前記メディアに対してプラズマを照射するプラズマ照射機構と、
    前記プラズマ照射機構に前記プラズマを発生させるための前記ガスを供給するガス供給機構と、
    前記プラズマ照射機構から前記ガスを排出するガス排出機構と、
    前記プラズマが照射された前記メディアの部位にインクを吐出し、かつ、前記第1方向と交わる第2方向に移動するヘッド機構と、
    前記プラズマ照射機構による前記メディアに対する前記プラズマの照射の有無を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記メディアの搬送速度が0m/min以上0.1m/min以下のときに、前記プラズマ照射機構から前記ガスを排出するように前記ガス排出機構を制御して、前記メディアに対する前記プラズマの照射を禁止し、
    前記メディアの搬送速度が0.1m/minよりも大きいときに、前記プラズマ照射機構に前記ガスを供給するように前記ガス供給機構を制御して、前記メディアに対する前記プラズマの照射を実行する、
    インクジェットプリンタ。
  3. 前記プラズマ照射機構は、放電部分で発生したプラズマをプラズマ照射口から射出するものであり、前記プラズマ照射機構の前記放電部分が前記メディアに接触しないように配置される、
    請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記プラズマ照射機構により前記メディアの所定の位置にプラズマを照射した後、前記ヘッド機構により前記所定の位置にインクを吐出し始めるまでの時間が240秒以下となるように、前記プラズマ照射機構と前記ヘッド機構との間の距離が設定されている、
    請求項1〜のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記プラズマ照射機構は、前記ヘッド機構に対して前記第1方向の前方に配置されている、
    請求項1〜のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
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