JP6303782B2 - 熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(a)フェライトを主相としたミクロ組織中に、マルテンサイトが体積分率で3%以上20%未満存在する。
(b)板厚中央部のマルテンサイト粒のうち60%以上がアスペクト比3以上である。
(c)板厚中央部のマルテンサイト粒の圧延方向における平均長さが20μm未満である。
(d)板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度のばらつきが小さい。具体的には、板厚中央部のマルテンサイトが下記式(i)を満たす。
σ(Hv)/E(Hv)<0.16 ・・・ (i)
式(i)において、E(Hv)は、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度の平均値であり、σ(Hv)は、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度の標準偏差である。
(e)フェライト粒の平均アスペクト比が5未満である。
C:0.04〜0.2%、
Mn:0.1〜3.0%、
Al:0.001〜2.0%、
N:0.0001〜0.01%、
Si:0〜3.0%、
Ti:0〜0.3%、
Nb:0〜0.30%、
Cu:0〜2.0%、
Ni:0〜2.0%、
Mo:0〜1.0%、
V:0〜0.3%、
Cr:0〜2.0%、
Mg:0〜0.01%、
Ca:0〜0.01%、
REM:0〜0.1%、
B:0〜0.01%、
残部:Feおよび不純物であり、
不純物としてのP、SおよびOがそれぞれ、P:0.10%以下、S:0.03%以下、O:0.01%以下であり、
フェライトを主相とするミクロ組織中に、マルテンサイトが体積分率で3%以上20%未満存在し、板厚中央部のマルテンサイト粒のうち60%以上がアスペクト比3以上であり、板厚中央部のマルテンサイト粒の圧延方向における平均長さが20μm未満であり、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度が下記式(i)を満たし、フェライト粒の平均アスペクト比が5未満である、熱延鋼板。
σ(Hv)/E(Hv)<0.16 ・・・ (i)
但し、
E(Hv)は、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度の平均値を意味し、
σ(Hv)は、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度の標準偏差を意味する。
Ti:下記式(ii)を満たす範囲、および
Nb:0.01〜0.1%
から選択される1種以上を含有する、上記(1)の熱延鋼板。
0.005+48(N/14+S/32)≦Ti≦0.3 ・・・ (ii)
但し、式(ii)中の各元素記号は、鋼板中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
Mg:0.0005〜0.01%、
Ca:0.0005〜0.01%、および
REM:0.0005〜0.1%
から選択される1種以上を含有する、上記(1)または(2)の熱延鋼板。
B:0.0002〜0.0020%
を含有する、上記(1)から(3)までのいずれかの熱延鋼板。
Cu:0.02〜1.2%、
Ni:0.01〜0.6%、
Mo:0.01〜1.0%、
V:0.01〜0.2%、および
Cr:0.01〜2.0%
から選択される1種以上を含有する、上記(1)から(4)までのいずれかの熱延鋼板。
前記スラブを、冷却した後または前記鋳造に引き続いて、下記式(iii)を満たすように加熱する加熱工程、
仕上圧延の最終圧下時の鋼板温度(℃)および圧下率(%)が下記式(iv)および(v)を満たすように前記加熱後のスラブを圧延する熱間圧延工程、
前記圧延によって得られた鋼板を、750℃までの冷却速度が60℃/s以上になるように750℃未満まで冷却する第1冷却工程、
前記750℃未満まで冷却した鋼板を、温度変化が50℃未満となるように600℃以上750℃未満の温度域で5秒以上保持する保持工程、
前記5秒以上保持した鋼板を、下記式(vi)で規定されるTc℃以下まで、Tc℃以上600℃未満の温度域における冷却速度が50℃/s以上となるように冷却する第2冷却工程、および
前記Tc℃以下まで冷却した鋼板をTc℃以下の温度で巻き取る巻取工程を備える、熱延鋼板の製造方法。
t≧1.4×10−6×exp{3.2×104/(Tf+273)} ・・・ (iii)
(Tr−100)≦鋼板温度<Tr ・・・ (iv)
3≦圧下率<40 ・・・ (v)
Tc=561−474×C−33×Mn−17×Ni−17×Cr−21×Mo ・・・ (vi)
但し、
t(s)は、均熱帯におけるスラブの加熱時間、
Tf(℃)は、前記均熱帯におけるスラブの平均温度、
Trは、870+10×(C+N)×Mn+350×Nb+250×Ti+40×B+10×Cr+100×Mo+100×Vの計算値、
各式中の各元素記号は、各元素の含有量(質量%)を、それぞれ意味する。
本発明の熱延鋼板のミクロ組織は、主相をフェライトとし、マルテンサイト(島状マルテンサイト)が体積分率で3%以上20%未満存在する複合組織であることを特徴とする。高強度鋼板では、その強度を高めるため、フェライト中に強度の高い第二相を分散させた複合組織がよく用いられている。特にフェライト・マルテンサイト鋼はフェライトが延性を向上させ、マルテンサイトが強度を向上させるため、強度と延性のバランスが良好である。さらに、マルテンサイトはフェライト中の疲労き裂伝播の障害となる。具体的には、フェライト中を伝播するき裂の多くは、マルテンサイトに進入せずに、マルテンサイトを避けるように迂回または分岐する。このように、マルテンサイトは疲労き裂伝播速度を低減する効果がある。このため、フェライト・マルテンサイト鋼は打抜き疲労特性に優れる。これらのことから、本発明の熱延鋼板のミクロ組織では、主相をフェライトとし、第二相としてマルテンサイト(島状マルテンサイト)を分散させる。
σ(Hv)/E(Hv)<0.16 ・・・ (i)
式(i)において、E(Hv)は、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度の平均値であり、σ(Hv)は、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度の標準偏差である。
本発明において熱延鋼板の化学組成を規定する理由を以下に説明する。なお、熱延鋼板の化学組成の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
Cは本発明において重要な元素の一つである。Cは、マルテンサイトを生成させ、組織強化による熱延鋼板の強度向上に寄与する。さらに、Cは、マルテンサイトの硬度を向上させ、き裂伝播を抑制する効果を有する。ただし、C含有量が0.04%未満では、マルテンサイトのビッカース硬度および体積分率を十分に確保できないため、熱延鋼板の打抜き疲労特性を十分に向上できない。一方、C含有量が0.2%を超えると、硬質の第二相であるマルテンサイトの体積分率が大きくなり、熱延鋼板の穴広げ性が低下する。したがって、C含有量は0.04〜0.2%とする。
Mnは、固溶強化および焼入れ強化(マルテンサイトの生成)のために含有させる。しかし、Mn含有量が3%を超えると、これらの効果は飽和する。一方、Mn含有量が0.1%未満では、焼入れ時(より具体的には、冷却時)にパーライトおよびベイナイトの生成を十分に抑制できない。すなわち、マルテンサイトの体積分率を十分に確保できない。したがって、Mn含有量は、0.1〜3.0%とする。Mn含有量は、0.3%以上とすることが好ましい。また、Mn含有量は、2.5%以下とすることが好ましい。
Alは、粗大なセメンタイトの生成を抑制し、熱延鋼板の低温靭性を向上させる。また、Alは、脱酸材としても利用できる。これらの効果を得るためには、Alを0.001%以上含有させる必要がある。しかしながら、Alを過剰に含有させると、Al系の粗大介在物の個数を増大させ、熱延鋼板の穴広げ性の低下および表面疵の原因になる。このことから、Al含有量の上限値を2.0%とした。Al含有量の好ましい上限値は1.5%であり、好ましい下限値は0.01%である。
Nは、TiNとして存在し、スラブ加熱時に結晶粒の粗大化を抑制することによって熱延鋼板の低温靭性を向上させる。この効果を得るためには、Nを0.0001%以上含有させる必要がある。ただし、Nは、熱延鋼板を溶接する際にブローホール形成の要因となり、溶接部の継ぎ手強度を低下させる懸念がある。したがって、N含有量は、0.01%以下にする必要がある。N含有量の好ましい上限値は0.006%であり、好ましい下限値は0.0005%である。
Siは、熱延鋼板の強度向上に寄与する元素であり、溶鋼の脱酸材としても利用できる。この効果を得るためには、Siを0.001%以上含有させることが好ましい。特にSi含有量が0.1%以上の場合には、ミクロ組織中におけるセメンタイト等の鉄系炭化物の析出を抑制でき、熱延鋼板の強度および穴広げ性を向上できる。したがって、Si含有量は、0.1%以上とすることがより好ましい。一方、Si含有量が3.0%を超えても、熱延鋼板の強度向上の効果が飽和してしまう。したがって、Si含有量は3.0%以下とする。また、Si含有量が2.5%を超えると、鉄系炭化物の析出抑制の効果は飽和してしまう。したがって、Si含有量は、2.5%以下とすることが好ましい。
Tiは、析出強化によって熱延鋼板の強度を向上させる。さらに、Tiは、熱延鋼板の低温靭性を向上させる。具体的には、Tiの炭窒化物または固溶Tiが熱間圧延時の結晶粒成長を遅延することによって、熱延鋼板の結晶粒を微細化できる。これにより、熱延鋼板の低温靱性が向上する。しかし、Ti含有量が0.3%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のTi含有量は0.3%以下とする。なお、上記の効果を得るためには、Tiを、「0.005+48(N/14+S/32)」%以上含有させることが好ましい(「N」および「S」は、NおよびSの含有量(質量%)をそれぞれ意味する)。すなわち、Tiを含有させる場合には、下記式(ii)を満たすことが好ましい。なお、Ti含有量が0.15%を超えると、鋳造時にタンディッシュノズルが詰まり易くなる恐れがある。このため、Ti含有量は0.15%以下とすることがより好ましい。
0.005+48(N/14+S/32)≦Ti≦0.3 ・・・ (ii)
式(ii)中の各元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
Nbは、熱延鋼板の低温靭性を向上させる。具体的には、Nbの炭窒化物または固溶Nbが熱間圧延時の結晶粒成長を遅延することによって、熱延鋼板の結晶粒を微細化できる。これにより、熱延鋼板の低温靱性が向上する。しかし、Nb含有量が0.30%を超えると、上記の効果は飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のNb含有量は0.30%以下とする。Nb含有量が0.1%を超えると、完全未再結晶のオーステナイトからマルテンサイトへの変態が起き、板厚中央部のマルテンサイト粒の平均長さが長くなるおそれがある。したがって、Nb含有量の好ましい上限値は、0.1%である。上記の効果を得るためには、Nbを0.01%以上含有させることが好ましい。
Cuは、析出強化および固溶強化によって熱延鋼板の強度を向上させる。しかし、Cu含有量が2.0%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のCu含有量は2.0%以下とする。また、Cu含有量が1.2%を超えると、スケール中においてCuが濃縮後に溶融し、圧延時の疵の要因となるおそれがある。したがって、Cu含有量の好ましい上限値は、1.2%である。上記の効果を得るためには、Cuを0.01%以上含有させることが好ましく、0.02%以上含有させることがより好ましい。
Niは、固溶強化によって熱延鋼板の強度を向上させる。しかし、Ni含有量が2.0%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のNi含有量は2.0%以下とする。Ni含有量が0.6%を超えると、熱間圧延時に疵が入りやすくなる。したがって、Ni含有量の好ましい上限値は、0.6%である。上記の効果を得るためには、Niを0.01%以上含有させることが好ましい。
Moは、析出強化および固溶強化によって熱延鋼板の強度を向上させる。しかし、Mo含有量が1.0%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のMo含有量は、1.0%以下とする。Mo含有量の好ましい上限値は、0.7%である。上記の効果を得るためには、Moを0.01%以上含有させることが好ましい。
Vは、析出強化および固溶強化によって熱延鋼板の強度を向上させる。しかし、V含有量が0.3%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のV含有量は0.3%以下とする。V含有量の好ましい上限値は、0.2%である。上記の効果を得るためには、Vを0.01%以上含有させることが好ましい。
Crは、固溶強化によって熱延鋼板の強度を向上させる。しかし、Cr含有量が2.0%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のCr含有量は、2.0%以下とする。Cr含有量の好ましい上限値は、1.2%である。上記の効果を得るためには、Crを0.01%以上含有させることが好ましい。
熱延鋼板中の非金属介在物は、破壊の起点となり、熱延鋼板の加工性を低下させる原因となる。Mgは、この非金属介在物の形態を制御し、熱延鋼板の加工性を向上させる。しかし、Mg含有量が0.01%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のMg含有量は0.01%以下とする。Mg含有量の好ましい上限値は、0.007%である。上記の効果は、Mgを0.0005%以上含有させることによって顕著に現れる。
Caは、Mgと同様に、非金属介在物の形態を制御し、熱延鋼板の加工性を向上させる。しかし、Ca含有量が0.01%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のCa含有量は0.01%以下とする。Ca含有量の好ましい上限値は、0.007%である。上記の効果は、Caを0.0005%以上含有させることによって顕著に現れる。
REM(希土類元素)は、MgおよびCaと同様に、非金属介在物の形態を制御し、熱延鋼板の加工性を向上させる。しかし、REM含有量が0.1%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のREM含有量は0.01%以下とする。REM含有量の好ましい上限値は、0.06%である。上記の効果は、REMを0.0005%以上含有させることによって顕著に現れる。なお、REMとは、ランタノイドの15元素にYおよびScを合わせた17元素の総称である。本発明では、これらの17元素のうちの1種以上を鋼材に含有させることができる。REM含有量は、これらの元素の合計含有量を意味する。
Bは、結晶粒界に偏析して粒界強度を高めることによって、熱延鋼板の低温靭性を向上させる。しかし、B含有量が0.01%を超えると、上記の効果が飽和して経済性が低下する。したがって、含有させる場合のB含有量は0.01%以下とする。上記の効果を得るためには、Bを0.0002%以上含有させることが好ましく、0.0005%以上含有させることがより好ましく、0.0007%以上含有させることがさらに好ましい。また、B含有量は、0.0050%以下であることが好ましく、0.0030%以下であることがより好ましく、0.0020%以下であることがさらに好ましい。
Pは、溶銑に含まれている不純物である。Pは結晶粒界に偏析し、その含有量の増加に伴い熱延鋼板の低温靭性を低下させる。このため、P含有量は低いほど望ましい。P含有量が0.10%を超えると、熱延鋼板の加工性および溶接性に悪影響を及ぼす。したがって、P含有量は0.10%以下とする。特に、溶接性を考慮すると、P含有量は、0.03%以下であることが望ましい。
Sは、溶銑に含まれている不純物である。Sは、その含有量が多すぎると、熱間圧延時の割れを引き起こすだけでなく、穴広げ性を低下させるMnSなどの介在物を生成させる。このため、S含有量は極力低減させるべきであるが、0.03%以下ならば許容できる範囲である。したがって、S含有量は0.03%以下とする。ただし、ある程度の穴広げ性を必要とする場合には、S含有量を0.01%以下とすることが好ましく、0.005%以下とすることがより好ましい。
Oは、酸化物を形成し、熱延鋼板の成形性を低下させる傾向があるので、その含有量を抑える必要がある。特に、O含有量が0.01%を超えると、上記の傾向が顕著となるので、O含有量は0.01%以下にする。一方、O含有量を0.0001%未満とすることは経済的に好ましくないので、O含有量は0.0001%以上とすることが望ましい。
Zr、Sn、Co、ZnおよびWを合計で1%以下含有しても、本発明の効果は損なわれない。なお、Snは、熱間圧延時に疵を発生させる原因となる恐れがある。したがって、Sn含有量は0.05%以下が望ましい。
熱延鋼板の優れた打抜き疲労特性および加工性を実現するためには、上述したように、熱延鋼板が下記の(a)〜(d)の要件を満たすことが重要である。
(a)フェライトを主相とするミクロ組織中に、マルテンサイトが体積分率で3%以上20%未満存在する。
(b)板厚中央部のマルテンサイト粒のうち60%以上がアスペクト比3以上である。
(c)板厚中央部のマルテンサイト粒の圧延方向における平均長さが20μm未満である。
(d)板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度のばらつきが小さい。具体的には、板厚中央部のマルテンサイトが上述した式(i)を満たす。
(e)フェライト粒の平均アスペクト比が5未満である。
t≧1.4×10−6×exp{3.2×104/(Tf+273)} ・・・ (iii)
t(s):均熱帯におけるスラブの加熱時間
Tf(℃):均熱帯におけるスラブの平均温度
なお、スラブの平均温度は、例えば、スラブの表面温度に基づいて算出する。
(Tr−100)≦鋼板温度<Tr ・・・ (iv)
3≦圧下率<40 ・・・ (v)
但し、Tr(℃)=870+10×(C+N)×Mn+350×Nb+250×Ti+40×B+10×Cr+100×Mo+100×Vである。式中の各元素記号は、その元素の含有量(質量%)を意味する。
Tc=561−474×C−33×Mn−17×Ni−17×Cr−21×Mo ・・・ (vi)
式(vi)中の各元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
Claims (7)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.04〜0.2%、
Mn:0.1〜3.0%、
Al:0.001〜2.0%、
N:0.0001〜0.01%、
Si:0〜3.0%、
Ti:0〜0.3%、
Nb:0〜0.30%、
Cu:0〜2.0%、
Ni:0〜2.0%、
Mo:0〜1.0%、
V:0〜0.3%、
Cr:0〜2.0%、
Mg:0〜0.01%、
Ca:0〜0.01%、
REM:0〜0.1%、
B:0〜0.01%、
残部:Feおよび不純物であり、
不純物としてのP、SおよびOがそれぞれ、P:0.10%以下、S:0.03%以下、O:0.01%以下であり、
フェライトを主相とするミクロ組織中に、マルテンサイトが体積分率で3%以上20%未満存在し、板厚中央部のマルテンサイト粒のうち60%以上がアスペクト比3以上であり、板厚中央部のマルテンサイト粒の圧延方向における平均長さが20μm未満であり、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度が下記式(i)を満たし、フェライト粒の平均アスペクト比が5未満である、熱延鋼板。
σ(Hv)/E(Hv)<0.16 ・・・ (i)
但し、
E(Hv)は、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度の平均値を意味し、
σ(Hv)は、板厚中央部のマルテンサイト粒のビッカース硬度の標準偏差を意味する。 - 前記化学組成が、質量%で、
Ti:下記式(ii)を満たす範囲、および
Nb:0.01〜0.1%
から選択される1種以上を含有する、請求項1に記載の熱延鋼板。
0.005+48(N/14+S/32)≦Ti≦0.3 ・・・ (ii)
但し、式(ii)中の各元素記号は、鋼板中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。 - 前記化学組成が、質量%で、
Mg:0.0005〜0.01%、
Ca:0.0005〜0.01%、および
REM:0.0005〜0.1%
から選択される1種以上を含有する、請求項1または2に記載の熱延鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
B:0.0002〜0.0020%
を含有する、請求項1から3までのいずれかに記載の熱延鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
Cu:0.02〜1.2%、
Ni:0.01〜0.6%、
Mo:0.01〜1.0%、
V:0.01〜0.2%、および
Cr:0.01〜2.0%
から選択される1種以上を含有する、請求項1から4までのいずれかに記載の熱延鋼板。 - 請求項1から5までのいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法であって、
請求項1から5までのいずれかに記載の化学組成を有する溶鋼をスラブに鋳造する鋳造工程、
前記スラブを、冷却した後または前記鋳造に引き続いて、下記式(iii)を満たすように加熱する加熱工程、
前記加熱後のスラブを、仕上圧延の最終圧下時の鋼板温度(℃)および圧下率(%)が下記式(iv)および(v)を満たすように熱間圧延する熱間圧延工程、
前記圧延によって得られた鋼板を、750℃までの冷却速度が60℃/s以上になるように750℃未満まで冷却する第1冷却工程、
前記750℃未満まで冷却した鋼板を、温度変化が50℃未満となるように600℃以上750℃未満の温度域で5秒以上保持する保持工程、
前記5秒以上保持した鋼板を、下記式(vi)で規定されるTc℃以下まで、Tc℃以上600℃未満の温度域における冷却速度が50℃/s以上となるように冷却する第2冷却工程、および
前記Tc℃以下まで冷却した鋼板をTc℃以下の温度で巻き取る巻取工程を備える、熱延鋼板の製造方法。
t≧1.4×10−6×exp{3.2×104/(Tf+273)} ・・・ (iii)
(Tr−100)≦鋼板温度<Tr ・・・ (iv)
3≦圧下率<40 ・・・ (v)
Tc=561−474×C−33×Mn−17×Ni−17×Cr−21×Mo ・・・ (vi)
但し、
t(s)は、均熱帯におけるスラブの加熱時間、
Tf(℃)は、前記均熱帯におけるスラブの平均温度、
Trは、870+10×(C+N)×Mn+350×Nb+250×Ti+40×B+10×Cr+100×Mo+100×Vの計算値、
各式中の各元素記号は、各元素の含有量(質量%)を、それぞれ意味する。 - 前記巻取工程の後、当該熱延鋼板に溶融亜鉛めっき処理または合金化溶融亜鉛めっき処理を施す、請求項6に記載の熱延鋼板の製造方法。
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