JP6303581B2 - ワイピング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融金属浴から引き上げられた鋼帯の表面から余分な溶融金属を除去するワイピング装置に関する。
鋼帯に金属を連続的にメッキするための設備としては、図8に示すような溶融メッキ設備が一般的である。溶融メッキ設備では、鋼帯2が溶融金属浴3に連続的に浸漬された後、溶融金属浴3内に設置された浴中ロール4で方向転換し、溶融金属浴3から連続的に引き上げられる。鋼帯2が溶融金属浴3から引き上げられた後の部分には、スリットノズル6を含むワイピング装置が配置される。スリットノズル6は、鋼帯2の両面に向けてそれぞれガス噴流を吹き付けることによって鋼帯2の表面に付着した余分な溶融金属5を吹き落とし、鋼帯2の表面の溶融金属付着量を所定の値に調節する。
かかる溶融メッキ設備では、生産性を向上させるために、鋼帯2の引き上げ速度の向上が求められている。鋼帯2の引き上げ速度を向上させると、スリットノズル6の位置で鋼帯2の表面に付着している溶融金属5の量が増加するため、スリットノズル6が吹き付けるガス噴流をより強くすることによって、より多くの溶融金属5を吹き落とす必要が生じる。また、例えば、鋼帯2の表面の溶融金属付着量をより少なくしたい場合、つまりメッキ被膜をより薄くしたい場合にも、ガス噴流を強める必要が生じる。
ところが、ガス噴流を強くすると、ガス噴流が鋼帯2の表面に衝突したり、鋼帯2の両面のガス噴流同士が鋼帯2の外側で衝突したりすることによって激しい乱流が生じる。乱流によって鋼帯2の表面から飛散した溶融金属5が、別の部分で鋼帯2の表面に付着すると、メッキ欠陥の一つであるスプラッシュ疵が発生する。こうした問題に対して、例えば特許文献1では、鋼帯2の外側でガス噴流同士が衝突することを防止する遮蔽板の設置に関する技術が提案されている。
特開2001−049417号公報
しかしながら、鋼帯2の引き上げ速度の向上などに伴ってガス噴流が強くなると、引用文献1に記載されたような技術では乱流の抑制が必ずしも十分ではなく、結果としてスプラッシュ疵が発生してしまう場合があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ガス噴流に依存することなく鋼帯の表面から余分な溶融金属を除去することが可能な、新規かつ改良されたワイピング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、溶融金属浴から引き上げられた鋼帯の表面から溶融金属を除去するワイピング装置が提供される。ワイピング装置は、溶融金属と同一成分の金属で全体が形成された固体ワイパーを備える。
上記のワイピング装置は、固体ワイパーを加熱するヒーターをさらに備えてもよい。また、上記のワイピング装置は、固体ワイパーを通過した鋼帯の溶融金属付着量を検出するセンサと、溶融金属付着量に応じて、固体ワイパーを鋼帯の表面に押し当てるときの押圧力を制御する制御手段とをさらに備えてもよい。
また、固体ワイパーは、鋼帯の幅方向について複数の部分に分割され、複数の部分の重複幅を調節することによって固体ワイパーの幅を鋼帯の幅と略同一に調整することが可能であってもよい。ワイピング装置は、固体ワイパーを通過した鋼帯の表面にガス噴流を吹き付けるスリットノズルをさらに備えてもよい。
固体ワイパーを利用することで、ガス噴流を用いずとも鋼帯の表面から余分な溶融金属を除去することが可能である。また、固体ワイパーを溶融金属と同一成分の金属で形成することによって、固体ワイパーの表層部分が溶融してその一部が鋼帯に付着しても、鋼帯の品質を損なうことを防止できる。
以上説明したように本発明によれば、ガス噴流に依存することなく鋼帯の表面から余分な溶融金属を除去することができる。
本発明の第1の実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の側面図である。 図1に示す連続溶融金属メッキ装置の正面図である。 本発明の第2の実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の側面図である。 本発明の第3の実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の正面図である。 図4に示す連続溶融金属メッキ装置の変形例の正面図である。 本発明の第4の実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の側面図である。 本発明の第5の実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の側面図である。 従来技術に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の側面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の側面図である。図2は、図1に示す連続溶融金属メッキ装置の正面図である。
図1および図2に示されるように、本実施形態に係るワイピング装置1は、鋼帯2が溶融金属浴3から引き上げられた後の部分に設置される。ワイピング装置1は、鋼帯2の両面に配置される1対の固体ワイパー7を含む。固体ワイパー7は、シリンダなどの押圧手段8によって所定の押圧力で鋼帯2の表面に押し当てられることによって、鋼帯2の表面に付着した余分な溶融金属5を掻き落として除去する。ワイピング装置1では、このような固体ワイパー7の作用によって、鋼帯2の表面の溶融金属付着量が所定の値に調節される。
ここで、固体ワイパー7は、溶融金属浴3や溶融金属5と同一成分の金属(以下、メッキ金属ともいう)で形成される。溶融金属浴3を通過してきた鋼帯2の表面温度は、固体ワイパー7の位置でもなお、メッキ金属の融点を超えている。従って、鋼帯2の表面に押し当てられる固体ワイパー7の表層部分では固体ワイパーが溶融し、その一部は鋼帯2に付着する。しかし、固体ワイパーは溶融金属5と同一成分のため、付着によって鋼帯2の品質を損なうことを防止できる。
なお、固体ワイパー7の表層部分で溶融するメッキ金属の厚さは、固体ワイパー7によって掻き落とされる余分な溶融金属5の厚さに比べると薄い。つまり、固体ワイパー7は、固体として鋼帯2の表面に押し当てられることによって余分な溶融金属5を大きく掻き落としつつ、それによって生じる小さな凹凸を表層部分のメッキ金属をわずかに溶融させることによって平滑化する効果も有している。
固体ワイパーを用いる場合、スリットノズルからのガス噴流を用いる場合と異なり、乱流を発生させることなく安定的に余分な溶融金属5を除去することが可能である。ただし、固体ワイパーでは、ガス噴流を用いる場合に比べて掻き落とし後の鋼帯2の表面の溶融金属5に凹凸が生じやすい。そこで、本実施形態では、固体ワイパー7を溶融金属浴3や溶融金属5と同一成分の金属(メッキ金属)で形成することによって、安定的に余分な溶融金属5を除去しつつ、掻き落とし後に鋼帯2の表面の溶融金属5に発生する凹凸を平滑化し、品質および外観の面での均一性を向上させることを可能にしている。
(付加的な構成:ヒーター)
さらに、ワイピング装置1には、固体ワイパー7を加熱するヒーター9が含まれてもよい。例えば、ヒーター9は、電気ヒーターであってもよい。この場合、ヒーター9は、固体ワイパー7の表面に取り付けられ、固体ワイパー7を直接的に伝達される熱によって昇温させてもよい。また、ヒーター9は、固体ワイパー7を支持するフレーム(図示せず)に取り付けられ、輻射によって固体ワイパー7を昇温させてもよい。あるいは、ヒーター9は、固体ワイパー7を通電によって発熱させるための回路であってもよい。
上述のように、固体ワイパー7では、鋼帯2の表面に押し当てられたときに表層部分のメッキ金属が溶融し、その一部が鋼帯2に付着する。ところが、固体ワイパー7の元の温度が低く、鋼帯2の表面との温度差が大きい場合、固体ワイパー7の表層部分でメッキ金属が溶融しないだけではなく、鋼帯2の表面の溶融金属5が固体ワイパー7に付着して凝固し、鋼帯2の表面の溶融金属5に凹凸を発生させるのに加えて固体ワイパー7を変形させてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、ヒーター9を設置して固体ワイパー7の温度をメッキ金属の融点以下の適切な温度まで昇温させることによって、固体ワイパー7と鋼帯2との温度差を所定の範囲内に収める。なお、例えばワイピング装置1の周辺温度が高く、固体ワイパー7を昇温させなくても鋼帯2との温度差が小さいような場合には、ヒーター9が設けられなくてもよい。
(付加的な構成:スリットノズル)
さらに、ワイピング装置1には、固体ワイパー7の後段に設けられるスリットノズル6が含まれてもよい。スリットノズル6は、鋼帯2の表面に向けてガス噴流を吹き付ける。スリットノズル6は、例えば、固体ワイパー7によって除去しきれなかった余分な溶融金属5をガス噴流によって吹き落とすことを目的として設置されてもよい。あるいは、スリットノズル6は、固体ワイパー7によって余分な溶融金属5が除去された後の鋼帯2の表面の溶融金属5に生じる凹凸をさらに平滑化することを目的として設置されてもよい。
つまり、ワイピング装置1において、スリットノズル6は、固体ワイパー7とともに鋼帯2の表面から余分な溶融金属5を除去する溶融金属付着量調節手段として用いられてもよいし、固体ワイパー7が余分な溶融金属5を除去した後の鋼帯2の表面を平滑化する平滑化手段として用いられてもよい。いずれの場合も、ワイピング装置1においてスリットノズル6が吹き付けるガス噴流は、例えば図8に示したような従来のワイピング装置に設置されるスリットノズル6が吹き付けるガス噴流よりも弱いものでよい。従って、本実施形態では、ワイピング装置1にスリットノズル6が設置される場合でも、ガス噴流によって生じる乱流によって鋼帯2の表面にスプラッシュ疵が発生することはない。
以上で説明したように、本発明の第1の実施形態では、溶融金属と同一成分の金属で形成された固体ワイパーを備えたワイピング装置を用いることによって、ガス噴流に依存することなく鋼帯の表面から余分な溶融金属を除去することができる。ワイピング装置にスリットノズルを追加して、溶融金属付着量のさらなる調節や鋼帯の表面の平滑化のためにガス噴流を吹き付けてもよいが、この場合のガス噴流は従来に比べて弱いものになるため、乱流によるスプラッシュ疵などの欠陥の発生を防止することができる。
なお、本実施形態に係るワイピング装置1は、例えば、メッキ金属(溶融金属)として亜鉛やアルミニウムなどを用いる場合に適用可能である。
(第2の実施形態)
次に、図3を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は、本実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の側面図である。
図3に示されるように、本実施形態では、第1の実施形態と同様のワイピング装置1に、センサ10と、制御手段11とが追加で設けられる。
センサ10は、固体ワイパー7(およびスリットノズル6)を通過した鋼帯2の溶融金属付着量を検出する。センサ10は、例えば一般的な蛍光エックス線法によるオンラインメッキ付着量計を用いて溶融金属付着量を検出してもよい。
制御手段11は、例えば制御器またはコンピュータであり、センサ10によって検出された鋼帯2の溶融金属付着量に応じて、押圧手段8が固体ワイパー7を鋼帯2の表面に押し当てるときの押圧力を制御する。このとき、制御手段11は、鋼帯2の両面側の押圧手段8が、略均等な押圧力で固体ワイパー7を鋼帯2に押し当てるように制御することが望ましい。両面側の押圧手段8で押圧力が異なると、固体ワイパー7の位置で鋼帯2がいずれか一方に押し込まれて曲がってしまい、鋼帯2の両面で溶融金属付着量を均等にすることが難しくなるためである。
より具体的には、例えば、センサ10によって検出された鋼帯2の溶融金属付着量が所定の量よりも多い場合、制御手段11は、固体ワイパー7による溶融金属5の除去量を増加させるために、押圧手段8による固体ワイパー7の押圧力を増大させる。一方、センサ10によって検出された鋼帯2の溶融金属付着量が所定の量よりも少ない場合、制御手段11は、固体ワイパー7による溶融金属5の除去量を減少させるために、押圧手段8による固体ワイパー7の押圧力を減少させる。
上述のように、鋼帯2の表面に押し当てられる固体ワイパー7の表層部分では、メッキ金属が溶融し、その一部が鋼帯2に付着する。従って、連続溶融金属メッキ装置での操業が継続されるにつれて、固体ワイパー7は鋼帯2に押し当てられる部分から徐々に削れていき、その形状が変化する。押圧手段8による押圧力が一定でも、固体ワイパー7の形状が変化すると、固体ワイパー7による溶融金属5の除去量には変動が生じる。そこで、本実施形態では、センサ10によって鋼帯2の表面の溶融金属付着量を検出し、これに基づいて制御手段11が押圧手段8の押圧力を制御することによって、上記の変動を補正し、固体ワイパー7による溶融金属5の除去量を所定の値に保つことができる。
(第3の実施形態)
次に、図4および図5を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図4は、本実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の正面図である。図5は、図4に示す連続溶融金属メッキ装置の変形例の正面図である。
図4に示されるように、本実施形態では、第1の実施形態と同様のワイピング装置1において、固体ワイパー7が、鋼帯2の幅方向について複数の部分7a,7b,7cに分割されている。部分7a,7b,7cは、鋼帯2の幅方向について互いに部分的に重複しており、全体として鋼帯2の幅方向をカバーする。
図示された例では、3つの部分7a,7b,7cのうち、部分7bが固定されており、部分7a,7cがシリンダなどの移動手段12によって移動可能である。部分7a,7cを鋼帯2の幅方向外側に向けて移動させ、部分7bとの重複幅を小さくすることによって、固体ワイパー7の全体の幅を広げることができる。また、部分7a,7cを鋼帯2の幅方向内側に向けて移動させ、部分7bとの重複幅を大きくすることによって、固体ワイパー7の全体の幅を狭めることができる。このようにして、本実施形態では、固体ワイパー7の幅を鋼帯2の幅と略同一に調整することが可能である。
上述のように、連続溶融金属メッキ装置での操業が継続されるにつれて、固体ワイパー7は鋼帯2に押し当てられる部分から徐々に削れていき、その形状が変化する。固体ワイパー7の幅が鋼帯2の幅よりも大きいと、固体ワイパー7の鋼帯2側の面に、鋼帯2に押し当てられていた部分とそうでない部分とが発生する。この場合、鋼帯2に押し当てられていた部分が徐々に削れていくのに対して、そうでない部分はほとんど削れないため、固体ワイパー7の形状が歪になってしまう。この状態で、鋼帯2をより幅の広いものにしても、固体ワイパー7で余分な溶融金属5を均一に除去することは困難である。そこで、本実施形態では、固体ワイパー7を複数の部分7a,7b,7cに分割し、それぞれの部分の重複幅を調節することによって、固体ワイパー7の幅を鋼帯2の幅と略同一に調整することを可能にしている。
なお、固体ワイパー7は必ずしも3つに分割されなくてもよく、2つ、または4つ以上に分割されてもよい。また、上記の例では第1の実施形態と同様のワイピング装置1において固体ワイパー7が分割されたが、第2の実施形態と同様のワイピング装置1においても同様に固体ワイパー7が分割されうる。
(変形例)
図5は、本実施形態の変形例を示す。第1の実施形態について説明したように、本発明の実施形態では、必ずしもワイピング装置1にスリットノズル6が設けられなくてもよい。しかし、本実施形態では、固体ワイパー7が複数の部分に分割されるため、分割された部分の境界では固体ワイパー7の形状が不連続になり、鋼帯2の表面の溶融金属5に凹凸が生じやすい。従って、図5に示した例のように、少なくとも固体ワイパー7が分割された部分の境界に対応する範囲で固体ワイパー7の後段にスリットノズル6を設置し、鋼帯2の表面の溶融金属5の凹凸を平滑化することが望ましい。
なお、図4に示した例のように鋼帯2の幅方向全体にスリットノズル6を設けた場合も、固体ワイパー7が分割された部分の境界に生じる鋼帯2の表面の溶融金属5の凹凸は平滑化される。ただし、例えば、固体ワイパー7が分割された部分の境界以外では鋼帯2の表面の溶融金属の凹凸が許容できる程度であるような場合には、図5に示す例のようにスリットノズル6の配置位置を境界部分に限定することによって、鋼帯2の表面に吹き付けるガス噴流をさらに減らすことができる。
(第4の実施形態)
次に、図6を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。図6は、本実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の側面図である。
図6に示されるように、本実施形態では、第1の実施形態と同様のワイピング装置1において、互いに代替可能であり、独立して交換することが可能な複数組の固体ワイパー7p,7qが設置される。図示された例では、固体ワイパー7pが押圧手段8によって鋼帯2の表面に押し当てられ、鋼帯2の表面から余分な溶融金属5を除去する。一方、固体ワイパー7qは、鋼帯2の表面からは離れて配置される。
上述のように、連続溶融金属メッキ装置での操業が継続されるにつれて、固体ワイパー7は鋼帯2の表面に押し当てられる部分から徐々に削れていき、その形状が変化する。形状の変化が進行すると、やがては同じ固体ワイパー7を継続して使用することが困難になり、固体ワイパー7の交換が必要になる。
そこで、本実施形態では、複数の固体ワイパー7p,7qを設置し、一方を予備とすることによって、固体ワイパー7の交換時にも操業を継続することを可能にしている。図示された例では、固体ワイパー7pが形状の変化によって使用困難になると、代わって固体ワイパー7qが押圧手段8によって鋼帯2の表面に押し当てられ、固体ワイパー7pは鋼帯2の表面から離される。上記の通り、固体ワイパー7p,7qは互いに独立して交換することが可能であるため、固体ワイパー7qが使用されている間に、固体ワイパー7pを新しいものに交換することが可能である。その後、固体ワイパー7qが形状の変化によって使用困難になった場合には、新しくなった固体ワイパー7pが代わって使用される。このようにして、本実施形態では、鋼帯2の引き上げを中断することなく半永久的に操業を継続することができる。
なお、固体ワイパー7は3組以上設置されてもよい。この場合、固体ワイパー7の交換作業をせずに長時間にわたって操業を継続することができる。また、上記の例では、第1の実施形態と同様のワイピング装置1において固体ワイパー7を複数組設置したが、第2の実施形態、または第3の実施形態と同様のワイピング装置1において固体ワイパー7を複数組設置してもよい。
(第5の実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する、図7は、本実施形態に係るワイピング装置を含む連続溶融金属メッキ装置の側面図である。
図7に示されるように、本実施形態では、第1の実施形態と同様のワイピング装置1において、固体ワイパー7が、鋼帯2側から鋼帯2の反対側に向けて下り勾配をなすように形成される。この勾配によって、固体ワイパー7によって鋼帯2の表面から掻き落とされた余分な溶融金属5が、固体ワイパー7の下面を伝って流れ落ち、溶融金属浴3に戻される。なお、溶融金属5が固体ワイパー7の下面で凝固することを防止するためには、ヒーター9によって固体ワイパー7の温度をメッキ金属の融点に近い温度に維持するとよい。
次に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、図1を参照して説明した第1の実施形態に係るワイピング装置1を、鋼帯に溶融亜鉛を連続的にメッキする場合に適用し、実現可能な鋼帯の引き上げ速度および鋼帯の溶融亜鉛付着量について検証した。なお、ワイピング装置1では、ヒーター9およびスリットノズル6を設置した。ヒーター9によって、固体ワイパー7の温度は300〜350℃に保たれた。また、図8を参照して説明した従来技術に係るワイピング装置でも同様の検証を実施し、比較例とした。実施例1,2、および比較例1〜3における引き上げ速度、付着量、およびスリットノズルからのガス噴流の流速の設定は、以下の通りである。
Figure 0006303581
表1に示す引き上げ速度および付着量の条件のうち、比較例1の条件(引き上げ速度150mpm、付着量40g/m)が、従来のワイピング装置を用いた溶融亜鉛メッキ設備における標準的な条件である。従って、比較例1では、固体ワイパーのない従来のワイピング装置でも、ガス噴流の流速は140m/sでよく、スプラッシュ疵を発生させることなく鋼帯に亜鉛メッキを施すことができた。同様の条件で固定ワイパーを用いた実施例1でも、スプラッシュ疵を発生させることなく鋼帯に亜鉛メッキを施すことができた。実施例1では、固体ワイパー7が設置されるために、ガス噴流は必要としなかった。
実施例2では、鋼帯の引き上げ速度を、従来の150mpmから300mpmへと向上させた。この場合でも、ワイピング装置1では、ガス噴流を使用せず、スプラッシュ疵を発生させることなく鋼帯に亜鉛メッキを施すことができた。一方、同様の条件を設定した比較例2では、鋼帯の引き上げ速度の向上に伴って鋼帯に付着する溶融金属が増加したのに合わせて、ガス噴流の流速を250m/sまで増大させなければならず、その結果スプラッシュ疵が発生した。
実施例3では、鋼帯の溶融亜鉛付着量を、従来の40g/mから20g/mに減少させた。この場合でも、ワイピング装置1では、ガス噴流を使用せず、スプラッシュ疵を発生させることなく鋼帯に亜鉛メッキを施すことができた。一方、同様の条件を設定した比較例3では、より多くの溶融亜鉛を吹き落とすためにガス噴流の流速を200m/sまで増大させなければならず、その結果スプラッシュ疵が発生した。
以上で説明した実施例および比較例から、本発明の実施形態は、スプラッシュ疵などの欠陥を発生させることなく、鋼帯の引き上げ速度を向上させたり、鋼帯の溶融金属付着量をより薄くしたりするために有効であることが証明されたといえる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 ワイピング装置
2 鋼帯
3 溶融金属浴
4 浴中ロール
5 溶融金属
6 スリットノズル
7 固体ワイパー
8 押圧手段
9 ヒーター
10 センサ
11 制御手段
12 移動手段

Claims (5)

  1. 溶融金属浴から引き上げられた鋼帯の表面から溶融金属を除去するワイピング装置であって、
    前記溶融金属と同一成分の金属で全体が形成された固体ワイパーを備えることを特徴とする、ワイピング装置。
  2. 前記固体ワイパーを加熱するヒーターをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のワイピング装置。
  3. 前記固体ワイパーを通過した前記鋼帯の溶融金属付着量を検出するセンサと、
    前記溶融金属付着量に応じて、前記固体ワイパーを前記鋼帯の表面に押し当てるときの押圧力を制御する制御手段と
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のワイピング装置。
  4. 前記固体ワイパーは、前記鋼帯の幅方向について複数の部分に分割され、前記複数の部分の重複幅を調節することによって前記固体ワイパーの幅を前記鋼帯の幅と略同一に調整することが可能であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイピング装置。
  5. 前記固体ワイパーを通過した前記鋼帯の表面にガス噴流を吹き付けるスリットノズルをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のワイピング装置。
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