以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが、本発明に必須とは限らない。
また、以下の各実施形態において例示する構成部品の寸法、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明がそれらの例示に限定されるものではない。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、非接触ICを搭載した無線通信装置において非接触ICの無線通信機能の使用可否を切り替える回路及び制御方法を説明する。ここでは、非接触ICの機能に応じた4つの回路構成例(構成例1から4)を順に説明する。第1の実施形態では、非接触ICの無線通信は国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとする。
●第1の実施形態の構成例1
図1は、第1の実施形態に係る無線通信装置101の非接触IC102の周辺回路の構成例1を示すブロック図である。本実施形態の説明に使用するブロック図においては、本実施形態の説明に不要なブロックへの電源接続の記載は省略している。
図1において、アンテナ103は、非接触IC102のアンテナである。非接触IC102は、非接触ICリーダーライターからの電磁波をアンテナ103で受信し、その電磁波のみを電力として無線通信動作することが可能である。即ち、非接触IC102は、アンテナ103からの電磁波から電力を生成して無線通信のための電力として供給する電力供給機能を有し、その他の電源供給が無くても使用可能である。非接触ICリーダーライターは、例えば、図26に示すような無線通信装置151に搭載されている。図26において、アンテナ152は、非接触ICリーダーライターのアンテナであり、無線通信装置101のアンテナ103と通信する。本実施形態の説明のために無線通信装置151の内部ブロック図は不要のため、図示及び説明を省略する。
本実施形態に係る非接触IC102は、外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力する機能を持つものとする。無線通信装置101の内部において非接触IC102に供給されている電源VDDINは、有線インターフェースであるHOST I/Fを動作する場合に必要な電源である。電源VDDINが供給されている場合、非接触IC102と後述するCPU107とは、HOST I/Fを介して通信を行い、非接触IC102内部のデータの書き込み及び読み込みが可能である。なお、VDDINが供給されていない場合でも非接触IC102が外部からの電磁波のみを電力として無線通信動作することが可能であることに変わりはない。
電池104は、無線通信装置101の電池である。電源IC−A105は、電池104の電圧が電源IC−A105の動作範囲内であれば、無線通信装置101の動作に関わらず電圧を出力する。電源IC−B106は、外部からの制御信号に応じて電圧を出力する。
CPU107(Central Processing Unit)は、無線通信装置101全体の制御を司る。RAM108(Random Access Memory)は、CPU107のワークエリアとして使用されるメモリである。ROM109(Read Only Memory)は、CPU107の処理手順を記憶しているメモリであり、例えばフラッシュメモリなどの書き換えが可能な不揮発性メモリで構成される。
表示部110は、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示器)で構成され、画像データや操作情報などの映像を表示する。操作入力部111は、無線通信装置101の各種操作を受け付け、操作情報をCPU107へ伝える。メモリーカード112は、デジタルデータの書き込み及び読み込みを行うことができる。
無線通信部113は、無線通信を行い、アンテナ114は、無線通信部113により無線通信を行うためのアンテナである。無線通信部113は、非接触IC102とは異なる無線規格に対応しているものとする。例として、WLAN規格であるIEEE802.11に対応しているものとする。
撮像部115は、レンズ及びその駆動系で構成される光学ユニットと撮像素子とで構成される。RTC116(Real Time Clock:リアルタイムクロック)は、計時を行うために使用される。RTC116は、無線通信装置101本体がOFFの状態でも、電源IC−A105の電圧出力によりバックアップ計時動作を継続することができる。
Ra120、RL122、及びRb135は抵抗であり、SW−A121及びSW−B123はスイッチである。SW−A121(第1スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Ra120を介してRF検出信号の出力端子(信号出力端子)に接続される。SW−B123(第2スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rb135を介してCPU107の「出力1」(制御出力端子)に接続される。SW−A121及びSW−B123は、NPNトランジスタ又はNchMOSFETなど、ON時に導通状態になり、OFF時に高インピーダンス状態となる素子であればよい。
ダイオード128は、整流用のダイオードである。SW−A121がNPNトランジスタの場合はそれ自身が整流動作をするため、ダイオード128は不要であるが、SW−A121がNchMOSFETの場合は整流用のダイオード128が必要である。本実施形態では、SW−A121がNPNトランジスタであるとして説明を行うため、ダイオード128の詳細な説明は省略する。
バッファ回路A117は、電源IC−B106の電圧が出力されている時のみ、非接触IC102から出力されるRF検出信号をバッファしてCPU107に伝える。ダイオード131及び132は、非接触IC102とCPU107の双方から送られる、電源IC−B106を制御する信号をOR入力するために配置されている。
続いて、非接触IC102の周辺回路の動作を説明する。以下の説明において、無線通信装置101本体がOFFの状態とは、電源IC−B106の電圧が出力されておらずCPU107がOFFの状態で、CPU107による制御が行われていない状態を指すものとする。また、無線通信装置101本体がONの状態とは、電源IC−B106の電圧が出力されておりCPU107がONの状態で、CPU107による制御が行われている状態を指すものとする。
最初に、無線通信装置101本体がOFFの場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
非接触IC102は、外部から電磁波及び通信を受けると、正論理のRF検出信号を出力する。RF検出信号は、Ra120を介してSW−A121を駆動し、SW−A121はONになる。SW−A121は、RL122を介して非接触IC102のアンテナ103に接続しており、SW−A121がONであれば、アンテナ103はRL122及びSW−A121を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC102における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL122及びSW−A121を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC102内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するため、非接触IC102はRF検出信号により電源IC−B106を駆動する。そして、電源IC−B106の電圧出力でCPU107が動作を開始する。ところが、前述のように非接触IC102は無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至ると、非接触IC102はRF検出信号の出力を停止するため、非接触IC102により電源IC−B106が駆動されることは無くなる。
次に、無線通信装置101本体がONの場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
無線通信装置101本体がONの場合は、無線通信装置101は、CPU107(出力1)からの信号によりSW−B123を駆動することができる。CPU107からの信号でSW−B123を駆動してSW−B123をONにすると、SW−B123が、SW−A121を駆動する信号をグラウンドに短絡し、この動作によってSW−A121がOFFになる。
CPU107からの制御によりSW−B123をONにした場合、非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するが、RF検出信号はRa120を介してSW−B123によりグラウンドに短絡される。よって、RF検出信号によりSW−A121は駆動されず、SW−A121はOFFになる。SW−A121がOFFの状態になると、非接触IC102は無線通信動作が可能である。
第1の実施形態の構成例1の動作をまとめると、下記のようになる。
無線通信装置101本体がOFFの場合は、外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A121がONになり、アンテナ103がSW−A121を介してグラウンドに短絡されるため、非接触IC102の無線通信動作は無効である。
無線通信装置101本体がONの場合は、無線通信装置101はCPU107(出力1)からの信号により、SW−B123をON/OFF制御することができる。SW−B123がONの場合は外部から電磁波及び通信を受けてもSW−A121がOFFであるため、非接触IC102の無線通信動作は有効である。SW−B123がOFFの場合は外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A121がONになり、非接触IC102の無線通信動作は無効となる。
以上、無線通信装置101本体がOFFの場合とONの場合それぞれについて、非接触IC102の無線通信の使用可否の切り替え制御を説明した。
図2は、第1の実施形態に係る無線通信装置101の非接触IC102の周辺回路の状態と非接触IC102の無線通信動作に関する真理値表である。以下の説明では、非接触IC102の無線通信動作を有効とすることを「ENABLE」、無効とすることを「DISABLE」と記載する場合がある。
電源IC−B106の動作最低電圧がVb1であるとすると、電池104の電池電圧Vbattが0≦Vbatt<Vb1である場合は電源IC−B106が動作できないため、CPU107はOFFである。CPU107がOFFであると非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」のみである。
電池104の電池電圧VbattがVb1≦Vbattである場合は、電源IC−B106が動作可能なため、CPU107はON/OFFどちらの状態もとり得る。CPU107がOFFであると非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」であるが、CPU107がONであると、CPU107の制御により非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。
図3は、第1の実施形態に係る無線通信装置101の非接触IC102の制御手順を示すフローチャートである。本フローチャートの各ステップの処理は、特に断らない限り、CPU107により実行される。
S101で、CPU107は、非接触IC102の無線通信動作設定が有効であるか否かを判定する。無線通信動作設定の有効/無効は、例えば、ユーザが表示部110及び操作入力部111を用いて切り替えることができる。ユーザが操作入力部111を操作することにより非接触IC102の動作設定メニューの表示を指示すると、CPU107は、例えば図4に示すような動作設定メニューを表示部110に表示する。ユーザは、この動作設定メニューにおいて操作入力部111を操作することにより「有効」又は「無効」を選択することにより、無線通信動作設定の有効/無効を切り替えることができる。有効/無効の切り替えは、パスワードによるロック機能により保護してもよい。
S101において無線通信動作設定が有効でないと判定された場合、S102で、CPU107は、出力1を「L」に制御してSW−B123をOFFにすることにより、非接触IC102を「DISABLE」にする。
S101において無線通信動作設定が有効であると判定された場合、S103で、CPU107は、CPU107の動作モードが非接触IC102の無線通信動作が可能なモードであるか否かを判定する。非接触IC102の無線通信動作が可能でないモードとは、例えば、無線通信装置101が撮像部115を制御して静止画又は動画を撮影している時など、CPU107の処理負荷が高く、CPU107が非接触IC102による通信を処理できないモードである。即ち、S103においては、CPU107の処理負荷が閾値以上であるか否かに応じた条件分岐が行われる。
S103において非接触IC102の無線通信動作が可能でないモードと判定された場合、S102で、CPU107は、出力1を「L」に制御してSW−B123をOFFにすることにより、非接触IC102を「DISABLE」にする。
S103において非接触IC102の無線通信動作が可能なモードと判定された場合、S104で、CPU107は、出力1を「H」に制御してSW−B123をONにすることにより、非接触IC102を「ENABLE」にする。
S105で、CPU107は、操作入力部111により無線通信装置101の電源をOFFにする操作が行われたか否かを判定する。電源をOFFにする操作が行われていなければ、処理はS101に戻る。電源をOFFにする操作が行われていた場合、CPU107は、本フローチャートの処理を終了する。
このように、本実施形態では、CPU107がONの場合、非接触IC102の無線通信動作設定(S101)により、非接触IC102の無線通信動作を「DISABLE」/「ENABLE」どちらかに設定可能である。非接触IC102の無線通信動作設定をROM109に記憶しておけば、無線通信装置101がONになると、CPU107は、ROM109に記憶した非接触IC102の無線通信動作設定を読み出し、非接触IC102の無線通信動作を制御することができる。
●第1の実施形態の構成例2
図5は、第1の実施形態に係る無線通信装置501の非接触IC502の周辺回路の構成例2を示すブロック図である。図5において、図1の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC502の機能は、図1の非接触IC102の機能と異なる。図1の非接触IC102は、外部から電磁波及び通信を受けると正論理のRF検出信号を出力するが、図5の非接触IC502は、外部から電磁波及び通信を受けると負論理のRF検出信号を出力する。非接触IC502は、非接触IC102と同様に非接触ICリーダーライターからの電磁波をアンテナ103で受信し、その電磁波のみを電力として無線通信動作することが可能である。即ち、非接触IC502は、アンテナ103からの電磁波から電力を生成して無線通信のための電力として供給する電力供給機能を有し、その他の電源供給が無くても使用可能である。
インバーター回路A517は、信号の論理を反転させて非接触IC502の機能とその周辺回路の整合を取る。インバーター回路A517のその他の機能は、図1のバッファ回路A117と同様である。インバーター回路B530は、信号の論理を反転させて非接触IC502の機能とその周辺回路の整合を取る。
SW−A121(第1スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Ra120及びダイオード526を介してアンテナ103に接続される。SW−B123(第2スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rb135を介してCPU107の「出力1」(制御出力端子)に接続される。
非接触IC502が外部から電磁波を受けるとアンテナ103に電流が発生し、電流はダイオード526で整流される。整流された電流は、Ra120を介してSW−A121を駆動し、SW−A121はONになる。CL527は容量であり、SW−A121の駆動を補償するために配置されている。SW−A121は、RL122を介して非接触IC502のアンテナ103に接続しており、SW−A121がONであれば、アンテナ103はRL122及びSW−A121を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC502における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL122及びSW−A121を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC502内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
図5の構成例2と図1の構成例1とは、SW−A121及びSW−B123を有する点は同じである。従って、構成例2においても、CPU107の制御により非接触IC502の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図2の真理値表、図3のフローチャート、及び図4の動作設定メニューは、構成例2にも適用可能である。
●第1の実施形態の構成例3
図6は、第1の実施形態に係る無線通信装置601の非接触IC602の周辺回路の構成例3を示すブロック図である。図6において、図1の構成例1及び図5の構成例2と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1及び構成例2との相違点について説明する。
非接触IC602の機能は、図5の非接触IC502の機能と異なる。図5の非接触IC502は、外部から電磁波を受けると、内部でその電磁波を無線通信動作の電力として使用する。それに対し、図6の非接触IC602は、外部から電磁波を受けると、VDD端子に電圧を出力し、動作補償容量Ca625に無線通信動作に必要な電圧を蓄積して無線通信動作を行う。非接触IC602は、非接触IC502と同様に非接触ICリーダーライターからの電磁波をアンテナ103で受信し、その電磁波のみを電力として無線通信動作することが可能である。る。即ち、非接触IC602は、アンテナ103からの電磁波から電力を生成して無線通信のための電力として供給する電力供給機能を有し、その他の電源供給が無くても使用可能である。
SW−A121(第1スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Ra120を介してVDD端子(電力出力端子)に接続される。SW−B123(第2スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rb135を介してCPU107の「出力1」(制御出力端子)に接続される。
非接触IC602は、外部から電磁波及び通信を受けるとVDD端子に電圧を出力する。VDD端子に出力した電圧による信号は、Ra120を介してSW−A121を駆動し、SW−A121はONになる。SW−A121は、RL122を介して非接触IC602のアンテナ103に接続しており、SW−A121がONであれば、アンテナ103はRL122及びSW−A121を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC602における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL122及びSW−A121を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC602内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
図6の構成例3と図1の構成例1とは、SW−A121及びSW−B123を有する点は同じである。従って、構成例3においても、CPU107の制御により非接触IC602の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図2の真理値表、図3のフローチャート、及び図4の動作設定メニューは、構成例3にも適用可能である。
●第1の実施形態の構成例4
図7は、第1の実施形態に係る無線通信装置701の非接触IC602の周辺回路の構成例4を示すブロック図である。図7において、図1の構成例1、図5の構成例2、及び図6の構成例3と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1、構成例2、及び構成例3との相違点について説明する。
SW−A121(第1スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Ra120及びダイオード726を介してアンテナ103に接続される。SW−B123(第2スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rb135を介してCPU107の「出力1」(制御出力端子)に接続される。
非接触IC602が外部から電磁波を受けるとアンテナ103に電流が発生し、電流はダイオード726で整流される。整流された電流は、Ra120を介してSW−A121を駆動し、SW−A121はONになる。CL727は容量であり、SW−A121の駆動を補償するために配置されている。SW−A121は、RL122を介して非接触IC602のVDD端子に接続しており、SW−A121がONであれば、非接触IC602のVDD端子はRL122及びSW−A121を介してグラウンドに短絡される。
非接触IC602のVDD端子がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波により非接触IC602のVDD端子に無線通信動作に必要な電圧を蓄積することができなくなり、無線通信動作に必要な電力が維持できず、無線通信動作が停止するに至る。
図7の構成例4と図1の構成例1とは、SW−A121及びSW−B123を有する点は同じである。従って、構成例4においても、CPU107の制御により非接触IC602の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図2の真理値表、図3のフローチャート、及び図4の動作設定メニューは、構成例4にも適用可能である。
以上、第1の実施形態の4つの構成例について説明した。第1の実施形態の構成を一般化して説明すると、次のようになる。非接触IC及びその周辺回路は、外部から電磁波及び通信を受けた場合にその電磁波及び通信をトリガとして非接触ICの無線通信動作を無効化するような、クローズドループ回路を構成する。そして、周辺回路は、そのクローズドループ回路を解除する構成を更に備える。第1の実施形態では、クローズドループ回路の解除の有無は、CPUの出力により制御される。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、無線通信装置のCPUがONである場合に、CPUの制御により非接触ICの無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能な構成について説明した。
第2の実施形態では、第1の実施形態の制御に加え、無線通信装置のCPUがOFFの場合であっても、状態保持回路により非接触ICの無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能な構成について説明する。
ここでは、第1の実施形態と同様に、非接触ICの機能に応じた4つの回路構成例(構成例1から4)を順に説明する。第2の実施形態では、非接触ICの無線通信は国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとする。
●第2の実施形態の構成例1
図8は、第2の実施形態に係る無線通信装置801の非接触IC102の周辺回路の構成例1を示すブロック図である。図8において、第1の実施形態の構成例1(図1)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に第1の実施形態の構成例1との相違点について説明する。
Ra820、RL822、Rb835、及びRc836は抵抗であり、SW−A821、SW−B823、及びSW−C824はスイッチである。SW−A821(第1スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Ra820を介してRF検出信号の出力端子(信号出力端子)に接続される。SW−B823(第2スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rb835を介してCPU807の「出力1」(第1制御出力端子)に接続される。SW−C824(第3スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rc836を介して状態保持回路833に接続される。SW−A821、SW−B823、及びSW−C824は、NPNトランジスタ又はNchMOSFETなど、ON時に導通状態になり、OFF時に高インピーダンス状態となる素子であればよい。
ダイオード828は、整流用のダイオードである。SW−A821がNPNトランジスタの場合はそれ自身が整流動作をするため、ダイオード828は不要であるが、SW−A821がNchMOSFETの場合は整流用のダイオード828が必要である。本実施形態では、SW−A821がNPNトランジスタであるとして説明を行うため、ダイオード828の詳細な説明は省略する。
状態保持回路833は、CPU807の「出力2」(第2制御出力端子)からの制御信号(第2制御信号)によって内部状態を切り替え、内部状態に従って信号の出力状態を切り替えることができる。なお、「出力2」の制御信号はユーザ操作や、無線通信装置801の動作状態に応じて切り替えることが可能である。状態保持回路833は、フリップフロップやSRAMのような揮発性、又はEEPROMやFRAM(登録商標)素子を用いた不揮発性どちらの回路であっても構わない。状態保持回路833の電源は、電源IC−A105である。電源IC−A105は電池104の電圧が電源IC−A105の動作範囲内であれば無線通信装置801の動作に関わらず電圧を出力するため、状態保持回路833の出力状態は電源IC−A105の電圧出力により維持される。
バッファ回路C834は、電源IC−B106の電圧が出力されている時のみ状態保持回路833の出力信号をバッファしてCPU807に伝える。
続いて、非接触IC102の周辺回路の動作を説明する。以下の説明において、無線通信装置801本体がOFFの状態とは、電源IC−B106の電圧が出力されておらずCPU807がOFFの状態で、CPU807による制御が行われていない状態を指すものとする。また、無線通信装置801本体がONの状態とは、電源IC−B106の電圧が出力されておりCPU807がONの状態で、CPU807による制御が行われている状態を指すものとする。
最初に、無線通信装置801本体がOFF、状態保持回路833の出力が「L」である場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
非接触IC102は、外部から電磁波及び通信を受けると、正論理のRF検出信号を出力する。RF検出信号は、Ra820を介してSW−A821を駆動し、SW−A821はONになる。SW−A821は、RL822を介して非接触IC102のアンテナ103に接続しており、SW−A821がONであれば、アンテナ103はRL822及びSW−A821を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC102における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL822及びSW−A821を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC102内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するため、非接触IC102はRF検出信号により電源IC−B106を駆動する。そして、電源IC−B106の電圧出力でCPU807が動作を開始する。ところが、前述のように非接触IC102は無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至ると、非接触IC102はRF検出信号の出力を停止するため、非接触IC102により電源IC−B106が駆動されることは無くなる。
次に、無線通信装置801本体がOFF、状態保持回路833の出力が「H」である場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
状態保持回路833は「H」を出力しているため、SW−C824を駆動する。状態保持回路833の出力でSW−C824を駆動してSW−C824をONにすると、SW−C824が、SW−A821を駆動する信号をグラウンドに短絡し、この動作によってSW−A821がOFFになる。
状態保持回路833がSW−C824をONにした場合、非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するが、RF検出信号はRa820を介してSW−C824によりグラウンドに短絡される。よって、RF検出信号によりSW−A821は駆動されず、SW−A821はOFFになる。SW−A821がOFFの状態になると、非接触IC102は無線通信動作が可能である。
次に、無線通信装置801本体がONの場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
無線通信装置801本体がONの場合は、無線通信装置801は、CPU807(出力1)からの信号(第1制御信号)によりSW−B823を駆動することができる。CPU807からの信号でSW−B823を駆動してSW−B823をONにすると、SW−B823が、SW−C824を駆動する信号をグラウンドに短絡し、この動作によってSW−C824がOFFになる。
CPU807からの制御によりSW−B823をONにした場合、状態保持回路833の出力状態に関わらずSW−C824がOFFになるため、SW−A821をOFFにするスイッチが無くなる。この状態で非接触IC102が外部から電磁波及び通信を受けると、SW−A821がONになるので、アンテナ103はRL822及びSW−A821を介してグラウンドに短絡され、非接触IC102の無線通信動作が停止するに至る。
CPU807(出力1)からの信号でSW−B823を駆動せず、SW−B823をOFFにすると、無線通信装置801はCPU807(出力2)からの信号により状態保持回路833の出力を切り替え、SW−C824をON/OFF制御することができる。SW−C824がONの場合、非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するが、RF検出信号はRa820を介してSW−C824によりグラウンドに短絡される。よって、RF検出信号によりSW−A821は駆動されず、SW−A821はOFFになる。SW−A821がOFFの状態になると、非接触IC102は無線通信動作が可能である。SW−C824がOFFの場合、非接触IC102が外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A821がONになるので、アンテナ103はRL822及びSW−A821を介してグラウンドに短絡され、非接触IC102の無線通信動作が停止するに至る。
第2の実施形態の構成例1の動作をまとめると、下記のようになる。
無線通信装置801本体がOFFの場合は、状態保持回路833からの信号によりSW−C824をON/OFF制御することができる。SW−C824がONの場合は外部から電磁波及び通信を受けてもSW−A821がOFFであるため、非接触IC102の無線通信動作は有効である。SW−C824がOFFの場合は外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A821がONになり、非接触IC102の無線通信動作は無効となる。
無線通信装置801本体がONの場合は、無線通信装置801はCPU807からの信号によりSW−B823をON/OFF制御することができる。また、無線通信装置801はCPU807からの信号により状態保持回路833を制御してSW−C824をON/OFF制御することができる。SW−B823がONの場合は状態保持回路833の出力状態によらず、外部から電磁波及び通信を受けてもSW−A821がOFFであるため、非接触IC102の無線通信動作は有効である。SW−B823がOFF、SW−C824がOFFの場合は、外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A821がONになり、非接触IC102の無線通信動作は無効となる。SW−B823がOFF、SW−C824がONの場合は、外部から電磁波及び通信を受けてもSW−A821がOFFであるため、非接触IC102の無線通信動作は有効である。
以上、無線通信装置801本体がOFFの場合とONの場合それぞれについて、非接触IC102の無線通信の使用可否の切り替え制御を説明した。
図9は、第2の実施形態に係る無線通信装置801の非接触IC102の周辺回路の状態と非接触IC102の無線通信動作に関する真理値表である。以下の説明では、非接触IC102の無線通信動作を有効とすることを「ENABLE」、無効とすることを「DISABLE」と記載する場合がある。
電源IC−A105の動作最低電圧がVa1、電源IC−B106の動作最低電圧がVb1、Va1<Vb1であるとする。電池104の電池電圧Vbattが0≦Vbatt<Va1である場合は、電源IC−A105及び電源IC−B106が動作できないため、CPU807及び状態保持回路833はOFFである。CPU807及び状態保持回路833がOFFであると非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」のみである。
電池104の電池電圧VbattがVa1≦Vbatt<Vb1である場合は、電源IC−A105は動作可能であるが電源IC−B106が動作できないため、CPU807はOFF、状態保持回路833はONである。CPU807がOFFで状態保持回路833がONであると、状態保持回路833の出力状態により非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。
電池104の電池電圧VbattがVb1≦Vbattである場合は、電源IC−A105及び電源IC−B106が動作可能なため、CPU807はON/OFFどちらの状態もとり得る。CPU807がOFFであると、状態保持回路833の出力状態により非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。CPU807がONであると、CPU807の制御及び状態保持回路833の出力状態により非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。
図10は、第2の実施形態に係る無線通信装置801の非接触IC102の制御手順を示すフローチャートである。本フローチャートの各ステップの処理は、特に断らない限り、CPU807により実行される。図10において、図1と同一又は同様の処理が行われるステップには同一の符号を付し、説明を省略する。
S101において無線通信動作設定が有効でないと判定された場合、S201で、CPU807は、状態保持回路833の出力を「L」に設定する。そして、S202で、CPU807は、出力1を「H」に制御してSW−B823をONにすることにより、非接触IC102を「DISABLE」にする。なお、図9に示す通り、状態保持回路833の出力が「L」であればSW−B123の状態に関わらず非接触IC102は「DISABLE」であるため、S202の処理は省略可能である。
S101において無線通信動作設定が有効であると判定された場合、S203で、CPU807は、状態保持回路833の出力を「H」に設定し、S103における判定処理を行う。
S103において非接触IC102の無線通信動作が可能でないモードと判定された場合、S202で、CPU807は、出力1を「H」に制御してSW−B823をONにすることにより、非接触IC102を「DISABLE」にする。
S103において非接触IC102の無線通信動作が可能なモードと判定された場合、S204で、CPU807は、出力1を「L」に制御してSW−B823をOFFにすることにより、非接触IC102を「ENABLE」にする。
このように、本実施形態では、CPU807がONの場合、非接触IC102の無線通信動作設定(S101)により、状態保持回路833の出力を「L」又は「H」どちらかに設定可能である。状態保持回路833の出力が「L」の場合、非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」である。状態保持回路833の出力が「H」の場合、CPU807の動作モードに応じて(S103)、非接触IC102の無線通信動作を「DISABLE」/「ENABLE」どちらかに設定可能である。非接触IC102の無線通信動作設定をROM109に記憶しておけば、無線通信装置801がONになると、CPU807は、ROM109に記憶した非接触IC102の無線通信動作設定を読み出し、非接触IC102の無線通信動作を制御することができる。
更に、本実施形態では、状態保持回路833の出力状態は、CPU807がOFFの場合であっても保持し続けられる。よって、CPU807がOFFの場合であっても、非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。
●第2の実施形態の構成例2
図11は、第2の実施形態に係る無線通信装置1101の非接触IC502の周辺回路の構成例2を示すブロック図である。図11において、図8の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。また、第1の実施形態の構成例2(図5)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC502が外部から電磁波を受けるとアンテナ103に電流が発生し、電流はダイオード526で整流される。整流された電流は、Ra820を介してSW−A821を駆動し、SW−A821はONになる。CL527は容量であり、SW−A821の駆動を補償するために配置されている。SW−A821は、RL822を介して非接触IC502のアンテナ103に接続しており、SW−A821がONであれば、アンテナ103はRL822及びSW−A821を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC502における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL822及びSW−A821を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC502内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
図11の構成例2と図8の構成例1とは、SW−A821、SW−B823、SW−C824、及び状態保持回路833を有する点は同じである。従って、構成例2においても、CPU807の制御及び状態保持回路833の出力状態により非接触IC502の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図9の真理値表及び図10のフローチャートは、構成例2にも適用可能である。
●第2の実施形態の構成例3
図12は、第2の実施形態に係る無線通信装置1201の非接触IC602の周辺回路の構成例3を示すブロック図である。図12において、図8の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。また、第1の実施形態の構成例3(図6)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC602は、外部から電磁波及び通信を受けるとVDD端子に電圧を出力する。VDD端子に出力した電圧による信号は、Ra820を介してSW−A821を駆動し、SW−A821はONになる。SW−A821は、RL822を介して非接触IC602のアンテナ103に接続しており、SW−A821がONであれば、アンテナ103はRL822及びSW−A821を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC602における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL822及びSW−A821を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC602内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
図12の構成例3と図8の構成例1とは、SW−A821、SW−B823、SW−C824、及び状態保持回路833を有する点は同じである。従って、構成例3においても、CPU807の制御及び状態保持回路833の出力状態により非接触IC602の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図9の真理値表及び図10のフローチャートは、構成例3にも適用可能である。
●第2の実施形態の構成例4
図13は、第2の実施形態に係る無線通信装置1301の非接触IC602の周辺回路の構成例4を示すブロック図である。図13において、図8の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。また、第1の実施形態の構成例4(図7)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC602が外部から電磁波及び通信を受けるとアンテナ103に電流が発生し、電流はダイオード726で整流される。整流された電流は、Ra820を介してSW−A821を駆動し、SW−A821はONになる。CL727は容量であり、SW−A821の駆動を補償するために配置されている。SW−A821は、RL822を介して非接触IC602のVDD端子に接続しており、SW−A821がONであれば、非接触IC602のVDD端子はRL822及びSW−A821を介してグラウンドに短絡される。
非接触IC602のVDD端子がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波により非接触IC602のVDD端子に無線通信動作に必要な電圧を蓄積することができなくなり、無線通信動作に必要な電力が維持できず、無線通信動作が停止するに至る。
図13の構成例4と図8の構成例1とは、SW−A821、SW−B823、SW−C824、及び状態保持回路833を有する点は同じである。従って、構成例4においても、CPU807の制御及び状態保持回路833の出力状態により非接触IC602の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図9の真理値表及び図10のフローチャートは、構成例4にも適用可能である。
以上、第1の実施形態の4つの構成例について説明した。第2の実施形態の構成を一般化して説明すると、次のようになる。非接触IC及びその周辺回路は、外部から電磁波及び通信を受けた場合にその電磁波及び通信をトリガとして非接触ICの無線通信動作を無効化するような、クローズドループ回路を構成する。そして、周辺回路は、そのクローズドループ回路を解除する構成を更に備える。第2の実施形態では、クローズドループ回路の解除の有無は、CPUの出力及び状態保持回路の出力により制御される。
[第3の実施形態]
第1の実施形態では、無線通信装置のCPUがONである場合に、CPUの制御により非接触ICの無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能な構成について説明した。
第2の実施形態では、第1の実施形態の制御に加え、無線通信装置のCPUがOFFの場合であっても、状態保持回路により非接触ICの無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能な構成について説明した。
第3の実施形態では、第1の実施形態の制御に加え、無線通信装置のCPUがOFFの場合であっても、電圧検出回路により非接触ICの無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能な構成について説明する。
ここでは、第1の実施形態と同様に、非接触ICの機能に応じた4つの回路構成例(構成例1から4)を順に説明する。第3の実施形態では、非接触ICの無線通信は国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとする。
●第3の実施形態の構成例1
図14は、第3の実施形態に係る無線通信装置1401の非接触IC102の周辺回路の構成例1を示すブロック図である。図14において、第1の実施形態の構成例1(図1)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に第1の実施形態の構成例1との相違点について説明する。
Ra1420、RL1422、Rb1435、Rc1436、及びRd1441は抵抗であり、SW−A1421、SW−B1423、SW−C1424、及びSW−D1440はスイッチである。SW−A1421(第1スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Ra1420を介してRF検出信号の出力端子(信号出力端子)に接続される。SW−B1423(第2スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rb1435を介してCPU1407の「出力1」(制御出力端子)に接続される。SW−C1424(第3スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rc1436を介して電圧検出回路1433に接続される。SW−D1440(第4スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rd1441及びインバーター回路D1442を介してCPU1407の「出力1」(制御出力端子)に接続される。SW−A1421、SW−B1423、SW−C1424、及びSW−D1440は、NPNトランジスタ又はNchMOSFETなど、ON時に導通状態になり、OFF時に高インピーダンス状態となる素子であればよい。
ダイオード1428は、整流用のダイオードである。SW−A1421がNPNトランジスタの場合はそれ自身が整流動作をするため、ダイオード1428は不要であるが、SW−A1421がNchMOSFETの場合は整流用のダイオード1428が必要である。本実施形態ではSW−A1421がNPNトランジスタであるとして説明を行うため、ダイオード1428の詳細な説明は省略する。
インバーター回路D1442は、CPU1407の出力1を反転して出力する。インバーター回路D1442により、SW−B1423とSW−D1440とで信号の入力状態が反転する。
電圧検出回路1433は、電池104の電圧を検出し、電圧閾値Vt1未満であれば「L」を出力し、電圧閾値Vt1以上であれば「H」を出力するものとする。電圧検出回路1433の電源は電池104であるので、電圧検出回路1433は無線通信装置1401の動作に関わらず動作する。
続いて、非接触IC102の周辺回路の動作を説明する。以下の説明において、無線通信装置1401本体がOFFの状態とは、電源IC−B106の電圧が出力されておらずCPU1407がOFFの状態で、CPU1407による制御が行われていない状態を指すものとする。また、無線通信装置1401本体がONの状態とは、電源IC−B106の電圧が出力されておりCPU1407がONの状態で、CPU1407による制御が行われている状態を指すものとする。
最初に、無線通信装置1401本体がOFF、電池104の電圧が電圧閾値Vt1未満である場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
非接触IC102は、外部から電磁波及び通信を受けると、正論理のRF検出信号を出力する。RF検出信号は、Ra1420を介してSW−A1421を駆動し、SW−A1421はONになる。SW−A1421は、RL1422を介して非接触IC102のアンテナ103に接続しており、SW−A1421がONであれば、アンテナ103はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC102における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL1422及びSW−A1421を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC102内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するため、非接触IC102はRF検出信号により電源IC−B106を駆動する。そして、電源IC−B106の電圧出力でCPU1407が動作を開始する。ところが、前述のように非接触IC102は無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至ると、非接触IC102はRF検出信号の出力を停止するため、非接触IC102により電源IC−B106が駆動されることは無くなる。
次に、無線通信装置1401本体がOFF、電池104の電圧が電圧閾値Vt1以上である場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
電圧検出回路1433は「H」を出力しているため、SW−C1424を駆動する。電圧検出回路1433の出力でSW−C1424を駆動してSW−C1424をONにすると、SW−C1424が、SW−A1421を駆動する信号をグラウンドに短絡し、この動作によってSW−A1421がOFFになる。
電圧検出回路1433が「H」を出力している場合、非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するが、RF検出信号はRa1420を介してSW−C1424によりグラウンドに短絡される。よって、RF検出信号によりSW−A1421は駆動されず、SW−A1421はOFFになる。SW−A1421がOFFの状態になると、非接触IC102は無線通信動作が可能である。
次に、無線通信装置1401本体がONの場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
無線通信装置1401本体がONの場合は、無線通信装置1401は、CPU1407(出力1)からの信号によりSW−B1423及びSW−D1440を駆動することができる。CPU1407からの信号でSW−B1423を駆動してSW−B1423をONにすると、インバーター回路D1442で反転動作するSW−D1440はOFFになる。この場合、SW−B1423が、SW−C1424を駆動する信号をグラウンドに短絡し、この動作によってSW−C1424がOFFになる。
CPU1407からの制御によりSW−B1423をONにした場合、電圧検出回路1433の出力状態に関わらずSW−C1424がOFFになるため、SW−A1421をOFFにするスイッチが無くなる。この状態で非接触IC102が外部から電磁波及び通信を受けると、SW−A1421がONになるので、アンテナ103はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡され、非接触IC102の無線通信動作が停止するに至る。
CPU1407(出力1)からの信号でSW−B1423を駆動せず、SW−B1423をOFFにすると、インバーター回路D1442で反転動作するSW−D1440はONになる。SW−D1440がONの場合、非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するが、RF検出信号はRa1420を介してSW−D1440によりグラウンドに短絡される。よって、RF検出信号によりSW−A1421は駆動されず、SW−A1421はOFFになる。SW−A1421がOFFの状態になると、非接触IC102は無線通信動作が可能である。
第3の実施形態の構成例1の動作をまとめると、下記のようになる。
無線通信装置1401本体がOFFの場合は、電圧検出回路1433の出力によりSW−C1424をON/OFF制御することができる。SW−C1424がONの場合は外部から電磁波及び通信を受けてもSW−A1421がOFFであるため、非接触IC102の無線通信動作は有効である。SW−C1424がOFFの場合は外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A1421がONになり、非接触IC102の無線通信動作は無効となる。
無線通信装置1401本体がONの場合は、無線通信装置1401はCPU1407からの信号によりSW−B1423及びSW−D1440をON/OFF及びOFF/ON制御することができる。SW−B1423がON、SW−D1440がOFFの場合は電圧検出回路1433の出力状態によらず、外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A1421がONになり、非接触IC102の無線通信動作は無効となる。SW−B1423がOFF、SW−D1440がONの場合は電圧検出回路1433の出力状態によらず、外部から電磁波及び通信を受けてもSW−A1421がOFFであるため、非接触IC102の無線通信動作は有効である。
以上、無線通信装置1401本体がOFFの場合とONの場合それぞれについて、非接触IC102の無線通信の使用可否の切り替え制御を説明した。
図15は、第3の実施形態に係る無線通信装置1401の非接触IC102の周辺回路の状態と非接触IC102の無線通信動作に関する真理値表である。以下の説明では、非接触IC102の無線通信動作を有効とすることを「ENABLE」、無効とすることを「DISABLE」と記載する場合がある。
電源IC−B106の動作最低電圧がVb1、電圧検出回路1433の電圧閾値がVt1、Vb1<Vt1であるとする。電池104の電池電圧Vbattが0≦Vbatt<Vb1である場合は、電源IC−B106が動作できないため、CPU1407はOFFである。そして、電圧検出回路1433の出力は「L」である。CPU1407がOFFであり電圧検出回路1433の出力が「L」であると、非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」のみである。
電池104の電池電圧VbattがVb1≦Vbatt<Vt1である場合は、電源IC−B106が動作可能なため、CPU1407はON/OFFどちらの状態もとり得る。そして、電圧検出回路1433の出力は「L」である。CPU1407がOFFであると、非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」である。CPU1407がONであると、CPU1407の制御により非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。
電池104の電池電圧VbattがVt1≦Vbattである場合は、電源IC−B106が動作可能なため、CPU1407はON/OFFどちらの状態もとり得る。そして、電圧検出回路1433の出力は「H」である。CPU1407がOFFであると、電圧検出回路1433の出力により非接触IC102の無線通信動作は「ENABLE」である。CPU1407がONであると、CPU1407の制御により非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。
図16は、第3の実施形態に係る無線通信装置1401の非接触IC102の制御手順を示すフローチャートである。本フローチャートの各ステップの処理は、特に断らない限り、CPU1407により実行される。図16において、図1と同一又は同様の処理が行われるステップには同一の符号を付し、説明を省略する。
S103において非接触IC102の無線通信動作が可能でないモードと判定された場合、S301で、CPU1407は、出力1を「H」に制御してSW−B1423をON、SW−D1440をOFFにする。これにより、非接触IC102は「DISABLE」になる。
S103において非接触IC102の無線通信動作が可能なモードと判定された場合、S302で、CPU1407は、出力1を「L」に制御してSW−B1423をOFF、SW−D1440をONにする。これにより、非接触IC102は「ENABLE」になる。
また、本実施形態では、図16の処理とは独立して、CPU1407がOFFの場合であっても、電圧検出回路1433の出力状態によって、非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。
●第3の実施形態の構成例2
図17は、第3の実施形態に係る無線通信装置1701の非接触IC502の周辺回路の構成例2を示すブロック図である。図17において、図14の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。また、第1の実施形態の構成例2(図5)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC502が外部から電磁波を受けるとアンテナ103に電流が発生し、電流はダイオード526で整流される。整流された電流は、Ra1420を介してSW−A1421を駆動し、SW−A1421はONになる。CL527は容量であり、SW−A1421の駆動を補償するために配置されている。SW−A1421はRL1422を介して非接触IC502のアンテナ103に接続しており、SW−A1421がONであれば、アンテナ103はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC502における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL1422及びSW−A1421を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC502内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
図17の構成例2と図14の構成例1とは、SW−A1421、SW−B1423、SW−C1424、SW−D1440、及び電圧検出回路1433を有する点は同じである。従って、構成例2においても、CPU1407の制御及び電圧検出回路1433の出力状態により非接触IC502の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図15の真理値表及び図16のフローチャートは、構成例2にも適用可能である。
●第3の実施形態の構成例3
図18は、第3の実施形態に係る無線通信装置1801の非接触IC602の周辺回路の構成例3を示すブロック図である。図18において、図14の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。また、第1の実施形態の構成例3(図6)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC602は、外部から電磁波及び通信を受けるとVDD端子に電圧を出力する。VDD端子に出力した電圧による信号は、Ra1420を介してSW−A1421を駆動し、SW−A1421はONになる。SW−A1421は、RL1422を介して非接触IC602のアンテナ103に接続しており、SW−A1421がONであれば、アンテナ103はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC602における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL1422及びSW−A1421を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC602内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
図18の構成例3と図14の構成例1とは、SW−A1421、SW−B1423、SW−C1424、SW−D1440、及び電圧検出回路1433を有する点は同じである。従って、構成例3においても、CPU1407の制御及び電圧検出回路1433の出力状態により非接触IC602の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図15の真理値表及び図16のフローチャートは、構成例3にも適用可能である。
●第3の実施形態の構成例4
図19は、第3の実施形態に係る無線通信装置1901の非接触IC602の周辺回路の構成例4を示すブロック図である。図19において、図14の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。また、第1の実施形態の構成例4(図7)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC602が外部から電磁波及び通信を受けるとアンテナ103に電流が発生し、電流はダイオード726で整流される。整流された電流は、Ra1420を介してSW−A1421を駆動し、SW−A1421はONになる。CL727は容量であり、SW−A1421の駆動を補償するために配置されている。SW−A1421は、RL1422を介して非接触IC602のVDD端子に接続しており、SW−A1421がONであれば、非接触IC602のVDD端子はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡される。
非接触IC602のVDD端子がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波により非接触IC602のVDD端子に無線通信動作に必要な電圧を蓄積することができなくなり、無線通信動作に必要な電力が維持できず、無線通信動作が停止するに至る。
図19の構成例4と図14の構成例1とは、SW−A1421、SW−B1423、SW−C1424、SW−D1440、及び電圧検出回路1433を有する点は同じである。従って、構成例4においても、CPU1407の制御及び電圧検出回路1433の出力状態により非接触IC602の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図15の真理値表及び図16のフローチャートは、構成例4にも適用可能である。
以上、第3の実施形態の4つの構成例について説明した。第3の実施形態の構成を一般化して説明すると、次のようになる。非接触IC及びその周辺回路は、外部から電磁波及び通信を受けた場合にその電磁波及び通信をトリガとして非接触ICの無線通信動作を無効化するような、クローズドループ回路を構成する。そして、周辺回路は、そのクローズドループ回路を解除する構成を更に備える。第3の実施形態では、クローズドループ回路の解除の有無は、CPUの出力及び電圧検出回路の出力により制御される。
[第4の実施形態]
第1の実施形態では、無線通信装置のCPUがONである場合に、CPUの制御により非接触ICの無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能な構成について説明した。
第2の実施形態では、第1の実施形態の制御に加え、無線通信装置のCPUがOFFの場合であっても、状態保持回路により非接触ICの無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能な構成について説明した。
第3の実施形態では、第1の実施形態の制御に加え、無線通信装置のCPUがOFFの場合であっても、電圧検出回路により非接触ICの無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能な構成について説明した。
第4の実施形態は、第3の実施形態の回路と動作の一部を変えたものである。第4の実施形態では、第3の実施形態と同様、無線通信装置のCPUがOFFの場合には電圧検出回路により非接触ICの無線通信動作を「DISABLE」/「ENABLE」どちらかに設定可能である。第3の実施形態と異なる部分は、無線通信装置のCPUがONの場合に、電圧検出回路とCPUの制御の「OR」によって非接触ICの無線通信動作を「DISABLE」/「ENABLE」に制御することである。また、第4の実施形態と第3の実施形態との違いとして、回路素子を減少させ、より簡素な動作を実現している点も挙げられる。
第3の実施形態では、電池電圧が電圧検出回路の閾値Vt1以上であっても、無線通信装置本体のCPUの出力状態によって非接触ICの無線通信動作を「DISABLE」/「ENABLE」に制御可能であった。これに対し、第4の実施形態では、電池電圧が電圧検出回路の閾値Vt1以上の場合、無線通信装置本体のCPUの出力状態に関わらず非接触ICの無線通信動作が「ENABLE」になる。第4の実施形態で説明する動作は、例えば電池電圧が電圧検出回路の閾値Vt1以上であれば無線通信装置本体と非接触ICとの動作連携が可能であることが保証されている場合に効果的な構成である。
ここでは、第3の実施形態と同様に、非接触ICの機能に応じた4つの回路構成例(構成例1から4)を順に説明する。第4の実施形態では、非接触ICの無線通信は国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとする。
●第4の実施形態の構成例1
図20は、第4の実施形態に係る無線通信装置2001の非接触IC102の周辺回路の構成例1を示すブロック図である。図20において、第3の実施形態の構成例1(図14)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に第3の実施形態の構成例1との相違点について説明する。
図20において、CPU2007の動作は、図14のCPU1407の動作と異なる(詳細は後述)。SW−A1421(第1スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Ra1420を介してRF検出信号の出力端子(信号出力端子)に接続される。SW−C1424(第3スイッチ)のON/OFF用の入力端子は、Rc1436及びダイオード2044を介して電圧検出回路1433に接続され、Rc1436及びダイオード2045を介してCPU2007の「出力1」(制御出力端子)に接続される。従って、電圧検出回路1433の出力、及びCPU2007の出力1は、ダイオード2044及びダイオード2045により、Rc1436に対してOR入力される。
続いて、非接触IC102の周辺回路の動作を説明する。以下の説明において、無線通信装置2001本体がOFFの状態とは、電源IC−B106の電圧が出力されておらずCPU2007がOFFの状態で、CPU2007による制御が行われていない状態を指すものとする。また、無線通信装置2001本体がONの状態とは、電源IC−B106の電圧が出力されておりCPU2007がONの状態で、CPU2007による制御が行われている状態を指すものとする。
最初に、無線通信装置2001本体がOFF、電池104の電圧が電圧閾値Vt1未満である場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
非接触IC102は、外部から電磁波及び通信を受けると、正論理のRF検出信号を出力する。RF検出信号は、Ra1420を介してSW−A1421を駆動し、SW−A1421はONになる。SW−A1421は、RL1422を介して非接触IC102のアンテナ103に接続しており、SW−A1421がONであれば、アンテナ103はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC102における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL1422及びSW−A1421を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC102内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するため、非接触IC102はRF検出信号により電源IC−B106を駆動する。そして、電源IC−B106の電圧出力でCPU2007が動作を開始する。ところが、前述のように非接触IC102は無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至ると、非接触IC102はRF検出信号の出力を停止するため、非接触IC102により電源IC−B106が駆動されることは無くなる。
次に、無線通信装置2001本体がOFF、電池104の電圧が電圧閾値Vt1以上である場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
電圧検出回路1433は「H」を出力しているため、SW−C1424を駆動する。電圧検出回路1433の出力でSW−C1424を駆動してSW−C1424をONにすると、SW−C1424が、SW−A1421を駆動する信号をグラウンドに短絡し、この動作によってSW−A1421がOFFになる。
電圧検出回路1433が「H」を出力している場合、非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するが、RF検出信号はRa1420を介してSW−C1424によりグラウンドに短絡される。よって、RF検出信号によりSW−A1421は駆動されず、SW−A1421はOFFになる。SW−A1421がOFFの状態になると、非接触IC102は無線通信動作が可能である。
次に、無線通信装置2001本体がONの場合に、非接触IC102が非接触ICリーダーライターからの電磁波及び通信を受信する場合の動作を説明する。
無線通信装置2001本体がONの場合は、無線通信装置2001は、電圧検出回路1433とCPU2007との信号のORによりSW−C1424を駆動することができる。電池104の電圧が電圧閾値Vt1未満である場合は、電圧検出回路1433が「L」を出力しているため、SW−C1424はCPU2007(出力1)からの信号によってON/OFF制御することができる。
CPU2007(出力1)からの信号でSW−C1424を駆動せずSW−C1424をOFFにすると、SW−A1421をOFFにするスイッチが無くなる。非接触IC102が外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A1421がONになるので、アンテナ103はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡され、非接触IC102の無線通信動作が停止するに至る。
CPU2007(出力1)からの信号でSW−C1424を駆動してSW−C1424をONにすると、非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力する。しかし、RF検出信号はRa1420を介してSW−C1424によりグラウンドに短絡される。よって、RF検出信号によりSW−A1421は駆動されず、SW−A1421はOFFになる。SW−A1421がOFFの状態になると、非接触IC102は無線通信動作が可能である。
電池104の電圧が電圧閾値Vt1以上である場合は、電圧検出回路1433が「H」を出力しているため、SW−C1424はCPU2007からの信号によらずONに駆動される。電圧検出回路1433が「H」を出力している場合、非接触IC102は外部から電磁波及び通信を受けるとRF検出信号を出力するが、RF検出信号はRa1420を介してSW−C1424によりグラウンドに短絡される。よって、RF検出信号によりSW−A1421は駆動されず、SW−A1421はOFFになる。SW−A1421がOFFの状態になると、非接触IC102は無線通信動作が可能である。
第4の実施形態の構成例1の動作をまとめると、下記のようになる。
無線通信装置2001本体がOFFの場合は、電圧検出回路1433の出力によりSW−C1424をON/OFF制御することができる。SW−C1424がONの場合は外部から電磁波及び通信を受けてもSW−A1421がOFFであるため、非接触IC102の無線通信動作は有効である。SW−C1424がOFFの場合は外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A1421がONになり、非接触IC102の無線通信動作は無効となる。
無線通信装置2001本体がONの場合は、無線通信装置2001は電圧検出回路1433とCPU2007との信号のORによりSW−C1424をON/OFF制御することができる。電池104の電圧が電圧閾値Vt1未満である場合は、CPU2007からの出力によりSW−C1424をON/OFF制御することができる。SW−C1424がONの場合は外部から電磁波及び通信を受けてもSW−A1421がOFFであるため、非接触IC102の無線通信動作は有効である。SW−C1424がOFFの場合は外部から電磁波及び通信を受けるとSW−A1421がONになり、非接触IC102の無線通信動作は無効となる。
電池104の電圧が電圧閾値Vt1以上である場合は、電圧検出回路1433が「H」を出力しているため、SW−C1424はCPU2007からの信号によらずONに駆動される。SW−C1424がONの場合は外部から電磁波及び通信を受けてもSW−A1421がOFFであるため、非接触IC102の無線通信動作は有効である。
以上、無線通信装置2001本体がOFFの場合とONの場合それぞれについて、非接触IC102の無線通信の使用可否の切り替え制御を説明した。
図21は、第4の実施形態に係る無線通信装置2001の非接触IC102の周辺回路の状態と非接触IC102の無線通信動作に関する真理値表である。以下の説明では、非接触IC102の無線通信動作を有効とすることを「ENABLE」、無効とすることを「DISABLE」と記載する場合がある。
電源IC−B106の動作最低電圧がVb1、電圧検出回路1433の電圧閾値がVt1、Vb1<Vt1であるとする。電池104の電池電圧Vbattが0≦Vbatt<Vb1である場合は、電源IC−B106が動作できないため、CPU2007はOFFである。そして、電圧検出回路1433の出力は「L」である。CPU2007がOFFであり電圧検出回路1433の出力が「L」であると、非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」のみである。
電池104の電池電圧VbattがVb1≦Vbatt<Vt1である場合は、電源IC−B106が動作可能なため、CPU2007はON/OFFどちらの状態もとり得る。そして、電圧検出回路1433の出力は「L」である。CPU2007がOFFであると、非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」である。CPU2007がONであると、CPU2007の制御により非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。
電池104の電池電圧VbattがVt1≦Vbattである場合は、電源IC−B106が動作可能なため、CPU2007はON/OFFどちらの状態もとり得る。そして、電圧検出回路1433の出力は「H」である。非接触IC102の動作は電圧検出回路1433とCPU2007との信号のORによって決定するため、非接触IC102の無線通信動作は「ENABLE」である。
図22は、第4の実施形態に係る無線通信装置2001の非接触IC102の制御手順を示すフローチャートである。本フローチャートの各ステップの処理は、特に断らない限り、CPU2007により実行される。図22において、図1と同一又は同様の処理が行われるステップには同一の符号を付し、説明を省略する。
S103において非接触IC102の無線通信動作が可能でないモードと判定された場合、S401で、CPU2007は、出力1を「L」に制御してSW−C1424をOFFにすることにより、非接触IC102を「DISABLE」にする。
S103において非接触IC102の無線通信動作が可能なモードと判定された場合、S402で、CPU2007は、出力1を「H」に制御してSW−C1424をONにすることにより、非接触IC102を「ENABLE」にする。
なお、S401及びS402において、Vt1≦Vbattである場合は、出力1の状態に関わらずSW−C1424はONになるため、CPU2007の制御に関わらず非接触IC102は「ENABLE」になる。
また、本実施形態では、図22の処理とは独立して、CPU2007がOFFの場合であっても、電圧検出回路1433の出力状態によって、非接触IC102の無線通信動作は「DISABLE」/「ENABLE」どちらの動作も選択可能である。
●第4の実施形態の構成例2
図23は、第4の実施形態に係る無線通信装置2301の非接触IC502の周辺回路の構成例2を示すブロック図である。図23において、図20の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。また、第3の実施形態の構成例2(図17)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC502が外部から電磁波を受けるとアンテナ103に電流が発生し、電流はダイオード526で整流される。整流された電流は、Ra1420を介してSW−A1421を駆動し、SW−A1421はONになる。CL527は容量であり、SW−A1421の駆動を補償するために配置されている。SW−A1421はRL1422を介して非接触IC502のアンテナ103に接続しており、SW−A1421がONであれば、アンテナ103はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC502における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL1422及びSW−A1421を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC502内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
図23の構成例2と図20の構成例1とは、SW−A1421、SW−C1424、及び電圧検出回路1433を有する点は同じである。従って、構成例2においても、CPU2007の制御及び電圧検出回路1433の出力状態により非接触IC502の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図21の真理値表及び図22のフローチャートは、構成例2にも適用可能である。
●第4の実施形態の構成例3
図24は、第4の実施形態に係る無線通信装置2401の非接触IC602の周辺回路の構成例3を示すブロック図である。図24において、図20の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。また、第3の実施形態の構成例3(図18)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC602は、外部から電磁波及び通信を受けるとVDD端子に電圧を出力する。VDD端子に出力した電圧による信号は、Ra1420を介してSW−A1421を駆動し、SW−A1421はONになる。SW−A1421は、RL1422を介して非接触IC602のアンテナ103に接続しており、SW−A1421がONであれば、アンテナ103はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡される。
アンテナ103がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波によりアンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れる。アンテナ103に発生していた電流がグラウンド側に流れることで、非接触IC602における無線通信のための変復調が妨害されると共に、無線通信動作に必要な電力が維持できなくなり、無線通信動作が停止するに至る。無線通信のための変復調の妨害を確実にするために、RL1422及びSW−A1421を接続してアンテナ103の電流を引き抜く先は、非接触IC602内部の無線通信負荷変調に用いる負荷が接続されている側のアンテナ端子であることが望ましい。
図24の構成例3と図20の構成例1とは、SW−A1421、SW−C1424、及び電圧検出回路1433を有する点は同じである。従って、構成例3においても、CPU2007の制御及び電圧検出回路1433の出力状態により非接触IC602の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図21の真理値表及び図22のフローチャートは、構成例3にも適用可能である。
●第4の実施形態の構成例4
図25は、第4の実施形態に係る無線通信装置2501の非接触IC602の周辺回路の構成例4を示すブロック図である。図25において、図20の構成例1と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。また、第3の実施形態の構成例4(図19)と同一又は同様の構成要素には同一の符号を付す。以下、主に構成例1との相違点について説明する。
非接触IC602が外部から電磁波及び通信を受けるとアンテナ103に電流が発生し、電流はダイオード726で整流される。整流された電流は、Ra1420を介してSW−A1421を駆動し、SW−A1421はONになる。CL727は容量であり、SW−A1421の駆動を補償するために配置されている。SW−A1421は、RL1422を介して非接触IC602のVDD端子に接続しており、SW−A1421がONであれば、非接触IC602のVDD端子はRL1422及びSW−A1421を介してグラウンドに短絡される。
非接触IC602のVDD端子がグラウンドに短絡されると、外部からの電磁波により非接触IC602のVDD端子に無線通信動作に必要な電圧を蓄積することができなくなり、無線通信動作に必要な電力が維持できず、無線通信動作が停止するに至る。
図25の構成例4と図20の構成例1とは、SW−A1421、SW−C1424、及び電圧検出回路1433を有する点は同じである。従って、構成例4においても、CPU2007の制御及び電圧検出回路1433の出力状態により非接触IC602の無線通信動作として「DISABLE」/「ENABLE」を選択可能である。また、図21の真理値表及び図22のフローチャートは、構成例4にも適用可能である。
以上、第4の実施形態の4つの構成例について説明した。第4の実施形態の構成を一般化して説明すると、次のようになる。非接触IC及びその周辺回路は、外部から電磁波及び通信を受けた場合にその電磁波及び通信をトリガとして非接触ICの無線通信動作を無効化するような、クローズドループ回路を構成する。そして、周辺回路は、そのクローズドループ回路を解除する構成を更に備える。第4の実施形態では、クローズドループ回路の解除の有無は、CPUの出力及び電圧検出回路の出力により制御される。
[その他の実施形態]
第1から第4の実施形態では、SW−A、SW−B、SW−C、及びSW−DはNPNトランジスタ又はNchMOSFETを用いる構成として説明した。しかしながら、第1から第4の実施形態に適用可能なスイッチは、NPNトランジスタ又はNchMOSFETに限ったものでない。例えば、PNPトランジスタ又はPchMOSFETであっても第1から第4の実施形態に適用可能である。SW−A、SW−B、SW−C、及びSW−Dの全て又はいずれかがPNPトランジスタ又はPchMOSFETである場合、駆動する信号の論理とスイッチのハイサイド、ローサイドの関係を入れ替えればよい。要は、SW−A、SW−B、SW−C、及びSW−Dは、スイッチON時に導通状態になり、OFF時に高インピーダンス状態となる素子であれば何でもよい。
また、第1から第4の実施形態では、非接触ICの無線通信は国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとして説明した。しかしながら、第1から第4の実施形態に適用可能な非接触ICの無線通信規格は、ISO/IEC21481に限ったものでない。外部からの電磁波を電力として動作する非接触ICであればどのような規格であっても適用可能である。電磁波の周波数で説明すると、ISO/IEC21481の13.56MHzでなくても、ISO/IEC18000の各パートの周波数kHz帯〜GHz帯であっても、第1から第4の実施形態に適用可能である。
また、本発明は、第1から第4の実施形態において説明した特定の実施形態に限られるものではなく、第1から第4の実施形態の周辺回路及び制御方法を適宜組み合わせてもよい。いかなる形態であれ、非接触IC及びその周辺回路は、外部から電磁波及び通信を受けた場合にその電磁波及び通信をトリガとして非接触ICの無線通信動作を無効化するようなクローズドループ回路を構成する。そして、周辺回路は、そのクローズドループ回路を解除する構成を更に備える。よって、第1から第4の実施形態の周辺回路及び制御方法を組み合わせる場合は、クローズドループ回路を解除する構成として、CPUの出力、状態保持回路の出力、及び電圧検出回路の出力の一部又は全部をOR又はANDで適宜組み合わせればよい。
なお、これまでに説明した外部からの電磁波及び通信をトリガとして非接触ICの無線通信動作を無効化するようなクローズドループ回路と、そのクローズドループ回路を解除する構成は、前述の実施形態に限られるものではない。クローズドループ回路は、外部からの電磁波及び通信をトリガとして非接触ICの無線通信動作を無効化するような構成であれば何でよい。また、クローズドループ回路を解除する構成は、クローズドループ回路を解除できる構成であれば何でもよい。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。