次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)実施形態の動作原理の説明
まず、本発明の実施形態について説明する前に、本発明の動作原理について説明する。図1は、本発明の動作原理を説明するための図である。この図の例では、電力伝送システム1は、送電装置10、および、受電装置20を有している。
ここで、送電装置10は、電極11,12、インダクタ13,14、接続線15,16、および、交流電力発生部17を有している。また、受電装置20は、電極21,22、インダクタ23,24、接続線25,26、および、負荷27を有している。電極11,12およびインダクタ13,14は送電用カプラを構成する。電極21,22およびインダクタ23,24は受電用カプラを構成する。
ここで、電極11,12は、導電性を有する部材によって構成され、所定の距離d1を隔てて配置されている。図1の例では、電極11,12,21,22として、略同一のサイズを有する矩形形状を有する平板状の電極が例示されている。また、電極11と電極21は距離d2を隔てて対向するように平行に配置され、電極12と電極22も同じ距離d2を隔てて対向するように平行に配置されている。なお、電極11,12,21,22としては、図1に示す以外の形状の電極であってもよい。例えば、円形または楕円形状の平板電極であったり、球形等の立体形状であったり、平板ではなく湾曲した形状または屈曲した形状の電極であったりしてもよい。
電極11および電極12の距離d1を含む合計幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。同様に、電極21および電極22の距離d1を含む合計幅Dは、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。また、電極11と電極21および電極12と電極22の間の距離d2についても、λ/2πで示される近傍界よりも短くなるように設定されている。
インダクタ13,14は、例えば、導電性の線材(例えば、銅線)を巻回して構成され、図1の例では、電極11,12の端部にそれぞれの一端が電気的に接続されている。接続線15はインダクタ13の他端と交流電力発生部17の出力端子の一端とを接続する導電性の線材(例えば、銅線)によって構成される。接続線16はインダクタ14の他端と交流電力発生部17の出力端子の他端とを接続する導電性の線材によって構成される。なお、接続線15,16は、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成される。
交流電力発生部17は、所定の周波数の交流電力を発生し、接続線15,16を介してインダクタ13,14に供給する。
電極21,22は、電極11,12と同様に、導電性を有する部材によって構成され、所定d1の距離を隔てて配置されている。
インダクタ23,24は、例えば、導電性の線材を巻回して構成され、図1の例では、電極21,22の端部にそれぞれの一端が電気的に接続されている。接続線25はインダクタ23の他端と負荷27の入力端子の一端とを接続する導電性の線材(例えば、銅線)によって構成される。接続線26はインダクタ24の他端と負荷27の入力端子の他端とを接続する導電性の線材によって構成される。なお、接続線25,26は、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成される。
負荷27は、交流電力発生部17から出力され、送電用カプラおよび受電用カプラを介して伝送された電力が供給される。なお、負荷27は、例えば、整流装置および二次電池等によって構成されている。もちろん、これ以外であってもよい。
図2は、図1に示す電力伝送システム1の等価回路を示す図である。この図2において、インピーダンス2は交流電力発生部17の出力インピーダンスを示し、インピーダンス27は負荷27の入力インピーダンスを示す。ここでは、ともにZ0の値を有するとして説明する。なお、等価回路に明示されない接続線15,16及び接続線25,26の特性インピーダンスもZ0とする。インダクタ3はインダクタ13,14に対応し、Lの素子値を有している。キャパシタ4は、電極11,12の間に生じる素子値Cのキャパシタから、電極11,12と電極21,22の間に生じる素子値Cmのキャパシタを減じた素子値(C−Cm)を有する。キャパシタ5は、電極11,12と電極21,22の間に生じるキャパシタを示し、Cmの素子値を有している。キャパシタ6は、電極21,22の間に生じる素子値Cのキャパシタから、電極11,12と電極21,22の間に生じる素子値Cmのキャパシタを減じた素子値(C−Cm)を有する。インダクタ7はインダクタ23,24に対応し、Lの素子値を有している。抵抗8は、送電用カプラの抵抗を示し、インダクタ13,14に付随する抵抗値である。抵抗9は、受電用カプラの抵抗を示し、インダクタ24,24に付随する抵抗値である。
図3は、送電装置10と受電装置20の間のSパラメータの周波数特性を示している。具体的には、図3の横軸は周波数を示し、縦軸は送電装置10から受電装置20への挿入損失(S21)を示している。ここでは簡易的に、送電用カプラ及び受電用カプラの抵抗値を0とおいている。この図3に示すように、送電装置10から受電装置20への挿入損失は、周波数fCでインピーダンス極大値を有し、周波数fLおよびfHでインピーダンス整合点、すなわち、共振点を有している。ここで、周波数fCは、図2に示すインダクタ3,7のインダクタンス値Lと、電極11,12または電極21,22によって形成されるキャパシタのキャパシタンス値Cによって定まる。また、周波数fLおよびfHは、図2に示すインダクタ3,7のインダクタンス値Lと、電極11,12および電極21,22によって形成されるキャパシタのキャパシタンス値Cmと、ならびに、電極11,12の間および電極21,22の間にそれぞれ生じるキャパシタのキャパシタンス値Cによって近似値として定まる。
交流電力発生部17が発生する交流電力の周波数は、図3に示すfLからfHの近傍、望ましくはfCに設定する。交流電力の周波数がfLもしくはfHと一致していない場合でも、それらに近接していれば交流電力の周波数でのインピーダンスはZ0に近い値を有するので、整合回路を適用することで容易に整合を取り送電装置10から受電装置20への挿入損失を略0dBとすることが出来る。素子値Cmは送受電極の相対位置関係により変動し、その結果として図3に示すS21パラメータの周波数特性のグラフもCmの変化に応じて周波数シフトするが、交流電力の周波数が極値を取るfCに設定されていれば、Cm変動の影響を緩和することができる。
図1に示す実施形態では、送電装置10の電極11,12と受電装置20の電極21,22は、電界共振結合されており、送電装置10の電極11,12から受電装置20の電極21,22に対して電界によって交流電力が伝送される。
つまり、図1に示す実施形態では、送電装置10の電極11,12と受電装置20の電極21,22は、近傍界であるλ/2πよりも短い距離d2だけ隔てて配置されているので、電極11,12から放射される電界成分が支配的である領域に電極21,22が配置される。また、電極11,12の間に形成されるキャパシタおよびインダクタ13,14による共振周波数と、電極21,22の間に形成されるキャパシタおよびインダクタ23,24による共振周波数とは略等しくなるように設定されている。このように、送電装置10の電極11,12と受電装置20の電極21,22は、電界共振結合されていることから、送電装置10の電極11,12から受電装置20の電極21,22に対して電界によって交流電力が効率よく伝送される。
図4および図5は、より具体的な構成例を示す斜視図である。ここで、図4は、送電用カプラ110の構成例を示している。また、図5は送電用カプラ110と受電用カプラ120とを配置した状態を示す斜視図である。
図4に示すように、送電用カプラ110は、矩形の板状形状を有する絶縁部材によって構成される回路基板118の表(おもて)面118A上に、矩形形状を有する導電性部材によって構成される電極111,112が配置されて構成される。回路基板118の裏面118Bには、この図4の例では、電極等は配置されていない。具体的な構成例としては、例えば、ガラスエポキシ基板やガラスコンポジット基板等によって構成される回路基板118上に、銅等の導電性の薄膜によって電極111,112が形成される。電極111,112は、所定の距離d1だけ離れた位置に平行に配置されている。また、距離d1を含む電極111,112の幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。なお、具体的なDの長さとしては、例えば、使用周波数が13.56MHzの場合には、50cm程度とし、また、これと直交する方向の長さLについても50cm程度とすることができる。
回路基板118の電極111,112の短手方向の端部には、インダクタ113,114の一端がそれぞれ接続されている。また、インダクタ113,114の他端は、接続線115,116の一端にそれぞれ接続されている。接続線115,116は、電極111,112の領域およびこれらに挟まれる領域を回避するように配置されるとともに、これらの領域から遠ざかる方向(図4の左下方向)に伸延するように配置されている。より詳細には、電極111,112のそれぞれの矩形領域と、これら2つの電極111,112によって挟まれた領域を回避して配置されるとともに、これらの領域から遠ざかる方向に伸延するように配置されている。このように配置することで、電極111,112と接続線115,116の間の干渉を少なくすることができるので、伝送効率の低下を防止できる。接続線115,116は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成されている。なお、接続線115,116の他端は、図示しない交流電力発生部の出力端子にそれぞれ接続されている。接続線115,116によって送電用カプラ110に交流電力発生部が接続されることにより、送電装置が構成される。
送電用カプラ110は、電極111,112が所定の距離d1を隔てて配置されることによって形成されるキャパシタのキャパシタンスCと、インダクタ113,114のインダクタンスLによる直列共振回路を構成するので、これらによる固有の共振周波数fCを有している。
受電用カプラ120は、送電用カプラ110と同様の構成とされ、回路基板128の表面128A上に、矩形形状を有する導電性部材によって構成される電極121,122およびインダクタ123,124が配置され、インダクタ123,124の他端に接続線125,126が接続されて構成される。電極121,122によって形成されるキャパシタのキャパシタンスCと、インダクタ123,124のインダクタンスLによる直列共振回路の共振周波数fCは送電用カプラ110と略同じに設定される。接続線125,126は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成されている。受電用カプラ120の接続線125,126の他端には、図示しない負荷が接続される。接続線125,126によって受電用カプラ120に負荷が接続されることにより、受電装置が構成される。
図5は、送電用カプラ110と受電用カプラ120を対向配置した状態を示す図である。この図に示すように、送電用カプラ110と受電用カプラ120は、回路基板118,128の表面118A,128Aが対向するように距離d2を隔て、回路基板118,128が平行になるように配置される。送電用カプラ110と受電用カプラ120は、送電用カプラ110の2枚の電極111と112の間に生じる電界と受電用カプラ120の2枚の電極121と122の間に生じる電界を略平行とし、送電用カプラ110の2枚の電極111と112のギャップのx方向の位置と受電用カプラ120の2枚の電極121と122のギャップのx方向の位置が略同じ場合に、最も効率良く電力伝送ができる。
つぎに、図5に示す実施形態の動作について説明する。図6は、送電用カプラ110と受電用カプラ120を20cm隔てて対向配置した場合(d2=20cmの場合)における送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。この場合、測定器のポートインピーダンスは接続線路の特性インピーダンスZ0(実数値)
と等しい値に設定している。この図に示すように、本実施形態では、送電用カプラ110および受電用カプラ120のインピーダンスの軌跡は、スミスチャートの円の中心付近を通過することから、この付近において伝送を行うように設定することにより反射を抑えて効率良く電力を伝送することができる。
図7は、送電用カプラ110と受電用カプラ120を20cm隔てて対向配置した場合(d2=20cmの場合)における送電用カプラ110と受電用カプラ120の間のSパラメータの周波数特性を示す図である。この図において、実線は伝送効率η21(=|S21|2)の周波数特性を示している。破線は反射損η11(=|S11|2)の周波数特性を示している。ここで、パラメータS11は送電用カプラ110から入力した信号の反射を示し、パラメータS21は送電用カプラ110から受電用カプラ120への信号の通過を示し、伝送効率η21は送電用カプラ110から受電用カプラ120への信号の伝送効率を示す。この図7に示すように、周波数27.12MHzにおいて、送電用カプラ110に入力した信号の反射が最小になるとともに、送電用カプラ110から受電用カプラ120への通過が最大になる。これにより、送電用カプラ110から受電用カプラ120への信号の伝送効率η21が約95%で最大となる。つまり、20cmにおいて、この電力伝送システム1はインピーダンスが整合すると言える。
つぎの図8は、送電用カプラ110と受電用カプラ120の角度を送電用カプラ110と受電用カプラ120の電極面方向における中心を軸として90度回転させたときの斜視図である。このように、送電用カプラ110と受電用カプラ120が図5に示す状態から90度回転された状態では、図6に示すスミスチャートは、図9に示すように、送電用カプラ110および受電用カプラ120のインピーダンスの軌跡は、スミスチャートの円の中心付近を通過しない状態となっている。また、図10に示すように、伝送効率は略0となるとともに、反射損も略1になっている。このため、図8に示すような配置状態では、送電用カプラ110と受電用カプラ120の間で電力の伝送を行うことはできない。
図11は、図1等に示す平面電極の代わりに円筒型電極を用いた場合を示している。この図の例では、送電用カプラ210は、直径Rの円筒形状を有する2本の電極211,212の軸が一致するとともに、当該軸方向がY軸方向に向くように配置されている。図11、図14、図15においては、2本の電極211,212の軸方向の中央を原点とし、2本の電極211,212の軸方向の中央と2本の電極221,222の軸方向の中央を結ぶ方向をZ軸とする。図中の座標軸は方向のみを示す。なお、これら2本の電極211,212は、d1の距離を隔てて配置されるとともに、2本の電極211,212の両端間の長さはDに設定されている。電極211,212の内側の対向する端部には、インダクタ213,214の一端がそれぞれ接続されている。また、インダクタ213,214の他端は、図示しない接続線の一端にそれぞれ接続されている。なお、接続線は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成され、図示しない交流電力発生部の出力端子にそれぞれ接続されている。電極211,212の幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。受電用カプラ220も送電用カプラ210と同様に、直径Rの円筒形状を有する2本の電極221,222の軸が一致するとともに、当該軸方向がY軸方向に向くように配置されている。これら2本の電極221,222は、d1の距離を隔てて配置されるとともに、2本の電極221,222の両端間の長さはDに設定されている。電極221,222の対向する端部には、インダクタ223,224の一端がそれぞれ接続されている。また、インダクタ223,224の他端は、図示しない接続線の一端にそれぞれ接続されている。なお、接続線は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成され、図示しない交流電力発生部の出力端子にそれぞれ接続されている。電極221,222の幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。そして、送電用カプラ210と受電用カプラ220は、Z軸方向に距離d2だけはなれた状態で、対向するように配置される。
図12は、図11に示す送電用カプラ210と受電用カプラ220を314mm隔てて対向配置した場合(d2=314mmの場合)における送電用カプラ210のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。この場合、測定器のポートインピーダンスは接続線路の特性インピーダンスZ0(実数値)と等しい値に設定している。この図に示すように、図11に示す送電用カプラ210および受電用カプラ220のインピーダンスの軌跡は、スミスチャートの円の中心付近を通過することから、この付近において伝送を行うように設定することにより反射を抑えて効率良く電力を伝送することができる。
図13は、送電用カプラ210と受電用カプラ220を314mm隔てて対向配置した場合(d2=314mmの場合)における送電用カプラ210と受電用カプラ220の間のSパラメータの周波数特性を示す図である。この図において、実線は伝送効率η21(=|S21|2)の周波数特性を示し、破線は反射損η11(=|S11|2)を示している。この図7に示すように、周波数27MHz付近において、送電用カプラ210に入力した信号の反射が最小になるとともに、送電用カプラ210から受電用カプラ220への通過が最大になる。これにより、送電用カプラ210から受電用カプラ220への信号の伝送効率η21が約95%で最大となる。
図14は、図11に示す構成において、電力伝送を行った場合の送電用カプラ210と受電用カプラ220に周囲の電界の分布状態を示す図である。なお、この図において矢印の方向は電界の方向を示し、矢印の大きさは電界の大きさを示している。この図に示すように、送電用カプラ210の周辺には一方の電極から出る矢印と、他方の電極に入る電界が存在している。また、受電用カプラ220の周辺にも一方の電極から出る矢印と、他方の電極に入る電界が存在している。
図15は、図11に示す受電用カプラ220を送電用カプラ210に対してZ軸周りに角度φだけ回転させた状態を示している。なお、図15(A)の破線は、受電用カプラ220と平行な線分を示している。図16は、図15に示すφを0〜120度の間で変化させた場合の伝送効率η21のピークの変化を示す図である。図16に示す例では、φが0〜30度の範囲ではη21は90%以上を維持しているが、φが40度よりも大きくなると急激に減少し、φが90度になると略0%となる。この図16から、図11に示す構成では、送電用カプラ210と受電用カプラ220との相対的な角度φは30度以下になるようにすることが望ましいことが分かる。
(B)第1実施形態の説明
図17は、本発明の第1実施形態の構成例について説明する図である。図17、図21、図22においては、2本の電極311,312の軸方向の中央を原点とし、2本の電極311,312の軸方向の中央と2本の電極321,322の軸方向の中央を結ぶ方向をZ軸とする。図中の座標軸は方向のみを示す。なお、図17(A)は第1実施形態の斜視図であり、図17(B)は図17(A)をZ軸正方向から見た図であり、図17(C)は図17(A)をY軸正方向から見た図である。この図に示すように、第1実施形態では、送電用カプラ310として、直径Rの円筒形状を有する第1組電極である電極311,312が距離d1を隔ててX軸に平行に直線上に配置されるとともに、同じく、直径Rの円筒形状を有する第2組電極である電極315,316が距離d1を隔ててY軸に平行に直線上に配置されている。なお、図17(C)に示すように、電極311,312と電極315,316の間隔はd3とされる。すなわち、図17の例では、電極311,312と電極315,316とは略直交するように配置されている。電極311,312の内側の端部には、インダクタ313,314の一端がそれぞれ接続されている。また、インダクタ313,314の他端は、図示しない接続線の一端にそれぞれ接続されている。なお、接続線は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成され、後述する電力分配部に接続されている。電極311,312の合計幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。電極315,316の内側の端部には、インダクタ317,318の一端がそれぞれ接続されている。また、インダクタ317,318の他端は、図示しない接続線の一端にそれぞれ接続されている。接続線は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成され、後述する電力分配部に接続されている。電極315,316の合計幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。
受電用カプラ320も送電用カプラ310と同様に、直径Rの円筒形状を有する第3組電極である電極321,322が距離d1を隔ててX軸に平行に直線上に配置されるとともに、同じく、直径Rの円筒形状を有する第4組電極である電極325,326が距離d1を隔ててY軸に平行に直線上に配置されている。図17(C)に示すように、電極321,322と電極325,326の間隔はd3とされる。図17の例では、電極321,322と電極325,326とは略直交するように配置されている。電極321,322の内側の端部には、インダクタ323,324の一端がそれぞれ接続されている。また、インダクタ323,324の他端は、図示しない接続線の一端にそれぞれ接続されている。なお、接続線は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成され、後述する電力分配部に接続されている。電極321,322の合計幅Dは、これらの電極によって受電される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。電極325,326の内側の端部には、インダクタ327,328の一端がそれぞれ接続されている。また、インダクタ327,328の他端は、図示しない接続線の一端にそれぞれ接続されている。接続線は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成され、後述する電力分配部に接続されている。電極325,326の合計幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。
図18は、交流電力発生部17から出力される電力を分配するとともに、位相をシフトして図17に示す送電用カプラ310に供給する分配器の構成例を示す図である。図18に示す例では、Port1側に交流電力発生部17が接続され、Port2側にインダクタ313,314が接続される。更にPort3側にインダクタ317,318が接続される。分配器は図中のSパラメータ値に示される様に周波数依存性の無い理想的な等分配、位相90°オフセットの特性である。即ち電力発生部17からPort1に供給される電力は、振幅が等しく、また、位相差が90度の電力として、インダクタ313,314およびインダクタ317,318に供給される。
図17に示す受信用カプラ320に対しても、図18と同様の構成を有する電力合成部が接続される。すなわち、電力合成部は、図18に示すPort1には交流電力発生部17の代わりに負荷27が接続され、Port2にはインダクタ323,324が接続され、Port3にはインダクタ327,328が接続される。電極321,322および電極325,326によって受電された電力は、90度の位相差を有しているが、電力合成部によって位相差が0に調整された後に合成され、負荷27に供給される。
つぎに、図17に示す第1実施形態の動作について説明する。交流電力発生部17によって発生された交流電力は、図18に示す電力分配部によって2分配されるとともに、位相差が90度になるように調整された後、インダクタ313,314を介して電極311,312に供給されるとともに、インダクタ317,318を介して電極315,316に供給される。電極311,312と電極315,316は直交するように配置されるとともに、これらには位相差が90度の交流電力が供給されることから、電極311,312と電極315,316からは、Z軸を中心として回転する電界が発生する。このような回転する電界は、電極321,322と電極325,326によって受電され、位相が90度ずれた交流電力として出力される。電極321,322と電極325,326から出力された交流電力は、図18と同様の構成を有する電力合成部のPort2とPort3に入力され、位相差が0になるように調整された後、合成されて負荷27に供給される。この結果、交流電力発生部17によって発生された交流電力は、図18に示す電力分配部によって2分配されるとともに、90度の位相差を有するように調整された後、電極311,312と電極315,316からZ軸周りに回転する電界として送電される。電極321,322と電極325,326は、回転する電界を受電し、図18と同様の構成を有する電力合成部によって位相差が0になるように調整するとともに、合成さして負荷27に供給する。
分配器の位相差は図18の例では+90度としているが、これを−90度としても良い。この場合は位相差を+90度とした場合と比べて電界の回転方向が逆になるが、電力伝送特性に差は生じない。
図19は、第1実施形態の送電用カプラ310のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。なお、電極間の間隔d1は43mmであり、d1を含む電極の長さDは780mmであり、送電用カプラ310と受電用カプラ320の電極の間隔d2は314mmであり、電極311,312と電極315,316の間隔d3および電極321,322と電極325,326の間隔d3は55mmに設定されている。また、測定器のポートインピーダンスは接続線路の特性インピーダンスZ0(実数値)と等しい値に設定している。この図19に示すように、第1実施形態では、送電用カプラ310および受電用カプラ320のインピーダンスの軌跡は、スミスチャートの円の中心付近に存在することから、この付近において伝送を行うように設定することにより反射を抑えて効率良く電力を伝送することができる。
図20は、第1実施形態の送電用カプラ310と受電用カプラ320の間のSパラメータの周波数特性を示す図である。この図において、実線は伝送効率η21(=|S21|2)の周波数特性を示し、破線は反射損η11(=|S11|2)を示している。この図20に示すように、周波数27.12MHzにおいて、送電用カプラ310に入力した信号の反射が最小になるとともに、送電用カプラ310から受電用カプラ320への通過が最大になる。これにより、送電用カプラ310から受電用カプラ320への信号の伝送効率η21が約93%で最大となる。
図21は、第1実施形態の電界分布を示す図である。この図21に示すように、送電用カプラ310および受電用カプラ320の周辺には、対になる一方の電極から他方の電極に向かう電界が存在している。このような電界によって、電極間のキャパシタンスが生成されるとともに、カプラ間の電界結合によって電力が伝送される。
つぎに、第1実施形態の電極を回転させた場合の特性について説明する。図22は、受電用カプラ320を送電用カプラ310に対してZ軸を中心として角度φだけ回転させた状態を示す図である。すなわち、図22では、受電用カプラ320の電極321,322および電極325,326の中心を回転軸として、角度φだけ回転させた状態を示している。
図23は、図22に示すφを0〜120度の間で変化させた場合の伝送効率η21のピークの変化を示す図である。なお、図23において実線は図17に示す第1実施形態の特性を示し、破線は図11に示す構成の特性を示している。図23に示すように、図11に示す構成の場合では、角度φが40度よりも大きくなると急激にη21が減少し、φが90度になると略0%(ヌル点)となる。一方、図17に示す第1実施形態の場合には、90度付近で多少の落ち込みはあるものの、回転角度に拘わらず80%以上の効率を維持している。このことから、図17に示す第1実施形態の場合には、回転する電界によって電力を伝送することから、図11に示す構成に比較して、回転方向のずれに強いことが分かる。
つぎに、第1実施形態の電極を直線移動させて場合の特性について説明する。図24(A)は図11に示す構成において、受電用カプラ220をX方向に移動した状態を示す図である。また、図24(B)は受電用カプラ220をY方向に移動した状態を示す図である。一方、図25(A)は図17に示す第1実施形態の受電用カプラ320をX方向に移動した状態を示す図である。また、図25(B)は図17に示す第1実施形態の受電用カプラ320をX方向から角度φだけずれた方向に移動した状態を示す図である。図26は、図24および図25に示す状態における移動量と、伝送効率η21のピークの変化を示す図である。この図25に示すように、図11に示す構成では、Y方向に移動した方(三角形で示すグラフ)が、X方向に移動した場合(菱形で示すグラフ)に比較して特性の落ち込みが大きいが、図17に示す第1実施形態の場合では丸および四角形で示すように、移動方向によらず略同じ特性変化となっている。このため、第1実施形態では、移動方向によらず同様の特性変化となることから、送電用カプラ310および受電用カプラ320の設置の自由度を向上させることができる。また、特許文献1に示す従来技術に比較した場合に、電力の伝送距離を伸ばすことができる。
(C)第2実施形態の説明
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。以下では、第2実施形態の基本となる構成について説明した後、第2実施形態について詳細に説明する。
図27は、第2実施形態の基本となる構成例について説明するための図である。図27においては、2枚の電極411,412の対向する頂点を結ぶ方向をY軸、2枚の電極411,412の対向する頂点の中央を原点とし、2枚の電極411,412の対向する頂点の中央と2枚の電極421,422の対向する頂点の中央を結ぶ方向をZ軸とする。図中の座標軸は方向のみを示す。なお、この図27(A)は斜視図を示し、図27(B)はZ軸正方向からの正面図を示す。図27に示す例では、送電用カプラ410は、底辺の長さがL2、高さがL1の三角形状を有する電極411,412が距離d1を隔てて、それぞれの頂点が対向するように配置されるとともに、対向する頂点のそれぞれにはインダクタ413,414が接続されて構成されている。電極411および電極412の距離d1を含む合計幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。受電用カプラ420も同様に、底辺の長さがL2、高さがL1の三角形状を有する電極421,422が距離d1を隔てて、それぞれの頂点が対向するように配置されるとともに、対向する頂点のそれぞれにはインダクタ423,424が接続されて構成されている。電極421および電極422の距離d1を含む合計幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。なお、インダクタ413,414は図示しない接続線を介して交流電力発生部17に接続され、また、インダクタ423,424は図示しない接続線を介して負荷27に接続されている。
図28は送電用カプラ410が有するインダクタ413,414の詳細な構成例を示す図である。図28(A)に示すように、インダクタ413,414は、例えば、直径21mm、幅13.4mm、巻き数N=13回、伝送周波数におけるインピーダンスが0.5Ωのコイルによって構成され、距離10.54mmを隔てて配置される。図28(B)に示すように、インダクタ413の一端413aは電極411に接続され、他端413bは図示しない接続線を介して交流電力発生部17に接続される。インダクタ414の一端414aは電極412に接続され、他端414bは図示しない接続線を介して交流電力発生部17に接続される。
図29は、図27に示す構成例の伝送効率η21の周波数特性を示す図である。このときD=406mm、L1=180.8mm、d1=44.4mm、L2=361.6mm、d2=330mmとしている。この図29に示すように、図27に示す構成例では、共振周波数において伝送効率92%を有している。
図30〜図34は、図27に示す構成例に交流電圧を印加した場合における1周期の電界の時間的を示す図である。図30は、交流電力の位相が0度の場合の電界分布を示し、図31〜図34は、45度、90度、135度、および、180度の電界分布をそれぞれ示している。これらの図30〜図34に示すように、図27に示す送電用カプラ410と受電用カプラ420の間に生じる電界は、時間の経過とともにその方向が変化するが、2枚の電極の一方から他方へ、また、他方から一方へと方向が直線的に変化する。
図35は、本発明の第2実施形態の構成例を示す図である。図35においては、2枚の電極511,512の対向する頂点を結ぶ方向をY軸、2枚の電極511,512の対向する頂点の中央を原点とし、2枚の電極511,512の対向する頂点の中央と2枚の電極521,522の対向する頂点の中央を結ぶ方向をZ軸とする。図中の座標軸は方向のみを示す。なお、この図35(A)は斜視図を示し、図35(B)はZ軸正方向からの正面図を示す。図35に示す例では、送電用カプラ510は、図27に示す基本構成となる1組の電極が2組組み合わされて構成される。すなわち、送電用カプラ510は、底辺の長さがL2、高さがL1の三角形状を有する第1組電極である2枚の電極511,512が距離d1を隔てて頂点が対向するように配置されるとともに、同じく、底辺の長さがL2、高さがL1の三角形状を有する第2組電極である2枚の電極515,516が距離d1を隔てて頂点が対向するように配置されるとともに、電極511,512に対して所定の角度(この例では90度)だけZ軸周りに回転された状態で配置されている。また、電極511,512の頂点にはインダクタ513,514が接続され、電極515,516の頂点にはインダクタ517,518が接続されている。電極511および電極512の距離d1を含む合計幅Dおよび電極515および電極516の距離d1を含む合計幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。受電用カプラ520も同様に、底辺の長さがL2、高さがL1の三角形状を有する第3組電極である2枚の電極521,522が距離d1を隔てて頂点が対向するように配置されるとともに、同じく、底辺の長さがL2、高さがL1の三角形状を有する第4組電極である2枚の電極525,526が距離d1を隔てて頂点が対向するように配置されるとともに、電極521,522に対して所定の角度(この例では90度)だけZ軸周りに回転された状態で配置されている。また、電極521,522の頂点にはインダクタ523,524が接続され、電極525,526の頂点にはインダクタ527,528が接続されている。電極521および電極522の距離d1を含む合計幅Dおよび電極525および電極526の距離d1を含む合計幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。なお、インダクタ513,514は図示しない接続線を介して図18に示す電力分配部のPort2に接続され、インダクタ517,518は図示しない接続線を介して図18に示す電力分配部のPort3に接続される。また、インダクタ523,524は図示しない接続線を介して図18と同様の構成を有する電力合成部のPort2に接続され、インダクタ527,528は図示しない接続線を介して図18と同様の構成を有する電力合成部のPort3に接続される。
図36は送電用カプラ510が有するインダクタ513,514,517,518の詳細な構成例を示す図である。図36(A)に示すように、インダクタ513,514は、直径21mm、長さ13.4mm、巻き数N=13回、伝送周波数におけるインピーダンスが0.5Ωのコイルによって構成され、距離10.54mmを隔てて配置される。図36(B)に示すように、インダクタ513の一端は電極511に接続され、他端は図示しない接続線に接続される。インダクタ514の一端は電極512に接続され、他端は図示しない接続線に接続される。また、図36(A)に示すように、インダクタ513,514の下方(図の下方)にはインダクタ517(および、図示しないインダクタ518)が配置されている。なお、インダクタ517およびインダクタ518は、インダクタ513,514と同様の構成とされている。図36(B)に示すように、インダクタ517の一端は電極515に接続され、他端は図示しない接続線に接続される。インダクタ518の一端は電極516に接続され、他端は図示しない接続線に接続される。
図37は、図35に示す第2実施形態の伝送効率η21の周波数特性を示す図である。このときD=363mm、L1=165.8mm、d1=44.4mm、L2=331.6mm、d2=266mmとしている。この図37に示すように、図35に示す第2実施形態では、共振周波数における伝送効率94%を有している。
図38〜図42は、図35に示す第2実施形態に交流電圧を印加した場合における1周期の電界の時間的を示す図である。図38は、交流電力の位相が0度の場合の電界分布を示し、図39〜図42は、45度、90度、135度、および、180度の電界分布をそれぞれ示している。これらの図38〜図42に示すように、図35に示す送電用カプラ510と受電用カプラ520の間に生じる電界は、時間の経過とともにその方向が変化する。より具体的には、電界強度が高い色の濃い部分が時間の経過とともに、Z軸を中心として回転していることが分かる。つまり、図35に示す第2実施形態では、送電用カプラ510と受電用カプラ520の間に生じる電界は、交流電力の周波数に応じて回転する電界となる。
図43(A)は図27に示す受電用カプラ420を、送電用カプラ410に対してZ軸方向を中心としてφだけ回転させた状態を示す図であり、図43(B)は図35に示す受電用カプラ520を、送電用カプラ510に対してZ軸方向を中心としてφだけ回転させた状態を示す図である。図44は図43(A)に示す構成例の伝送効率のピークと回転角度との関係を示す図である。この図に示すように、図43(A)に示す構成例では、回転角度が30度を超えると伝送効率が低下し、90度において伝送効率は0%となる。また、90度を超えると伝送効率が増加し、140度において90%となる。図45は、図43(B)に示す構成例の伝送効率のピークと回転角度との関係を示す図である。この図に示すように、図43(B)に示す構成例では、回転角度によって伝送効率のピークは変化せず、また、90%以上を保持している。以上から、第2実施形態では、回転角度によって伝送効率が変化しない。
図46(A)は図27に示す受電用カプラ420を、送電用カプラ410に対してX軸方向に移動させた状態を示す図であり、図46(B)は図27に示す受電用カプラ420を、送電用カプラ410に対してY軸方向に移動させた状態を示す図である。図47は、図46に示すように受電用カプラ420をX軸またはY軸方向に移動させた場合における伝送効率のピーク値の変化を示す図である。この図において、実線はX軸方向に移動させた場合のピーク値の変化を示し、破線はY軸方向に移動させた場合のピーク値の変化を示している。これらのグラフの比較から、図27に示す構成例では、移動させる方向によって特性変化が異なり、Y軸方向に移動する方が、特性劣化が大きい。また、Y軸方向に移動する場合には、300mm付近に伝送効率が0になる「ヌル点」が生じている。
図48(A)は図35に示す受電用カプラ520を、送電用カプラ510に対してX軸方向に移動させた状態を示す図であり、図48(B)は図35に示す受電用カプラ520を、送電用カプラ510に対してY軸方向に移動させた状態を示す図である。図49は、図48に示すように受電用カプラ520をX軸またはY軸方向に移動させた場合における伝送効率のピーク値の変化を示す図である。この図において、実線はX軸方向に移動させた場合のピーク値の変化を示し、破線はY軸方向に移動させた場合のピーク値の変化を示している。これらのグラフの比較から、図35に示す構成例では、移動させる方向による特性変化の差は小さい。
以上から、図35に示す第2実施形態では、受電用カプラ520を、送電用カプラ510に対して回転移動させた場合の変化が、図27に示す構成例に比較すると小さいことが分かる。また、X軸方向またはY軸方向に移動させた場合の軸による変化の差が小さいことが分かる。このため、図27の構成例に比較すると、送電用カプラ510および受電用カプラ520を実装する際の配置の自由度を向上させることができる。また、特許文献に比較して、電力の伝送距離を伸ばすことができる。さらに、第2実施形態では、第1実施形態に比較すると、板状の電極を用いるようにしたことから、放熱性を高めることができるので、大電力の伝送が可能になる。
(D)第3実施形態の説明
つぎに、本発明の第3実施形態について説明する。以下では、第3実施形態の基本的な構成例について説明した後に、第3実施形態の詳細について説明する。図50は第3実施形態の基本構成を説明するための図である。図50では、図1に示す構成に対して、サブ電極151,152およびサブ電極161,162が追加されている。ここで、サブ電極151は、電極11の裏面(図50の下側の面)に対して、電極11から離間するとともに絶縁した状態で取り付けられる。この結果、電極11とサブ電極151は対向した状態となることから、これらの間にキャパシタが形成される。サブ電極152は、電極12の下面(図50の下側の面)に対して、電極12から離間するとともに絶縁した状態で取り付けられる。この結果、電極12とサブ電極152は対向した状態となることから、これらの間にキャパシタが形成される。サブ電極161,162も同様にして電極21,22の上面(図50の上側の面)に対して離間するとともに絶縁した状態で取り付けられるので、電極21とサブ電極161の間および電極22とサブ電極162の間にはキャパシタが形成される。また、インダクタ13,14は相互に接続され、接続線15,16はサブ電極151,152にそれぞれ接続されている。同様に、インダクタ23,24は相互に接続され、接続線25,26はサブ電極161,162にそれぞれ接続されている。
図51は図50の等価回路の一例を示す図である。図51では、図2と比較すると、交流電力発生源17とグランドの間にキャパシタCs1が直列的に追加され、また、負荷27とグランドの間にキャパシタCs2が直列的に追加されている。また、インダクタL及びそれに付随する抵抗RはキャパシタC−Cmに並列に接続されている。即ちインダクタとキャパシタの並列回路にキャパシタが直列に接続された回路となっている。
図52は図50に示す構成例の伝送効率η21と反射損η11の周波数特性を示す図である。また、図53は図50に示す構成例の入力インピーダンスZinの周波数特性を示す図である。なお、これらの図52および図53は、共振周波数f0=28MHzであり、インダクタ13,14,23,24のインダクタンス値は3.84μHで巻数は8であり、抵抗値0.31Ωであり、サブ電極151,152,161,162の寸法は73mm×73mmとされ、サブ電極と電極の間の比誘電率は1である場合を想定している。図52に示すように、図50に示す構成例では疑似共振周波数である28MHzにおける伝送効率η21は90%となっている。また、図53に示すように、インピーダンスの実数部Reは28MHzにおいて50Ωとなって特性インピーダンスと整合し、また、虚数部Imは28MHzにおいて0Ωとなっている。即ち28MHzで疑似的な直列共振動作をしていることがわかる。このように、サブ電極151,152,161,162を用いて基板上にキャパシタを形成することで、部品点数を減少させることができる。また、サブ電極の大きさを調整することで、共振周波数を調整することが可能になる。
図54は本発明の第3実施形態の構成例を示している。図54に示す第3実施形態では、図35に示す第2実施形態に示す電極と同じ構成となっている。第3実施形態では、図35に示す第2実施形態と比較すると、インダクタ513,514が相互に接続され、インダクタ517,518が相互に接続され、インダクタ523,524が相互に接続され、インダクタ527,528が相互に接続されている。また、電極511,512の下面(図54の下側の面)にサブ電極711,712が設けられ、サブ電極711には接続線713が接続され、サブ電極712には接続線714が接続されている。電極515,516の上面(図54の上側の面)にサブ電極715,716が設けられ、サブ電極715には接続線717が接続され、サブ電極716には接続線718が接続されている。また、電極521,522の上面(図54の上側の面)にサブ電極721,722が設けられ、サブ電極721には接続線723が接続され、サブ電極722には接続線724が接続されている。電極525,526の下面(図54の下側の面)にサブ電極725,726が設けられ、サブ電極725には接続線727が接続され、サブ電極726には接続線728が接続されている。なお、接続線713,714は図18に示す電力分配部のPort2に接続され、接続線717,718はPort3に接続されている。接続線723,724は図18と同様の構成を有する電力合成部のPort2に接続され、接続線727,728はPort3に接続されている。
図55は、図54に示す受電用カプラ620の一部を拡大して示す図である。この図に示すように、受電用カプラ620の電極521の上面には底面の長さがL3で高さがL4である直角二等辺三角形のサブ電極721が設けられている。なお、サブ電極722,725,726およびサブ電極711,712,715,716もサブ電極721と同じ形状を有するとともに、電極上の同じ位置に配置されている。
図56は、図54に示す送電用カプラ610および受電用カプラ620をX軸正方向から眺めた場合の概略構成を示す図である。図56に示すように、送電用カプラ610のインダクタ513,514は相互に接続されている。また、接続線713,714はサブ電極711,712にそれぞれ接続されている。受電用カプラ620のインダクタ523,524は相互に接続されている。また、接続線723,724はサブ電極721,722にそれぞれ接続されている。
図57は、図54に示す第3実施形態の伝送効率η21の周波数特性を示す図である。なお、図57では、図55に示すL1は180.8mmとされ、L2は331.6mmとされ、L3は88.7mmとされ、L4は44.35mmとされ、d3は22.2mmとされ、Dは406mmとされている。また、図55に示していない送受間距離d2は230mmとされている。図57に示すように、第3実施形態は、27.12MHzにおいて、伝送効率η21が87%となる。
図58〜図62は、図54に示す第3実施形態に交流電圧を印加した場合における1周期の電界の時間的を示す図である。図58は、交流電力の位相が0度の場合の電界分布を示し、図59〜図62は、45度、90度、135度、および、180度の電界分布をそれぞれ示している。これらの図58〜図62に示すように、図54に示す送電用カプラ610と受電用カプラ620の間に生じる電界は、時間の経過とともにその方向が変化する。より具体的には、電界強度が高い色の濃い部分が時間の経過とともに、Z軸を中心として回転していることが分かる。つまり、図54に示す第3実施形態では、送電用カプラ610と受電用カプラ620の間に生じる電界は、交流電力の周波数に応じて回転する電界となる。
以上に説明したように、本発明の第3実施形態では、回転する電界によって電力を伝送するようにしたので、電極の回転ずれに対する伝送特性の変化を小さくするとともに、X軸またはY軸方向への電極の直線ずれに対する伝送特性の差を小さくすることができる。これにより、電極の配置の自由度を高めることができる。また、特許文献に比較して、電力の伝送距離を伸ばすことができる。さらに、第3実施形態では、第1実施形態に比較すると、板状の電極を用いるようにしたことから、放熱性を高めることができるので、大電力の伝送が可能になる。
(E)第4実施形態の説明
つぎに、本発明の第4実施形態について説明する。図63は、本発明の第4実施形態の構成例を示す図である。この図63に示すように、第4実施形態では、図35に示す第2実施形態の送電用カプラ510を遮蔽ボックス810に収容するとともに、受電用カプラ520を遮蔽ボックス820に収容する構成を有している。ここで、遮蔽ボックス810は、導電性の板状部材によって構成され、X方向の長さがLxであり、Y方向の長さがLyであり、および、Z方向の長さがLzとされている。遮蔽ボックス810の上面部には、送電用カプラ510が配置されている。遮蔽ボックス820も同様に、導電性の板状部材によって構成され、X方向の長さがLxであり、Y方向の長さがLyであり、および、Z方向の長さがLzとされている。遮蔽ボックス820の下面部には、受電用カプラ520が配置されている。このように、送電用カプラ510および受電用カプラ520を遮蔽ボックス810,820内に収容することで、カプラの周辺に存在する物体による影響を低減することができる。このため、電力伝送システムの設置時における自由度を高めるとともに、周辺に存在する物体による影響を低減し、伝送効率の低下を防ぐことができる。
図64は図63に示す第4実施形態の伝送効率の周波数特性を示す図である。なお、この図では、送電用カプラ510および受電用カプラ520は、第2実施形態の場合と同様の構成およびサイズとされている。また、遮蔽ボックス810,820のサイズは、Lx=470mm、Ly=470mm、Lz=133mm、および、d2=200mmとされている。このような設定の場合、周波数25.7MHzにおいて伝送効率η21=95%を有している。
図65〜図69は、図63に示す第4実施形態に交流電圧を印加した場合における1周期の電界の時間的を示す図である。図65は、交流電力の位相が0度の場合の電界分布を示し、図66〜図69は、45度、90度、135度、および、180度の電界分布をそれぞれ示している。これらの図65〜図69に示すように、図63に示す送電用カプラ510と受電用カプラ520の間に生じる電界は、時間の経過とともにその方向が変化する。より具体的には、電界強度が高い色の濃い部分が時間の経過とともに、Z軸を中心として回転していることが分かる。つまり、図63に示す第4実施形態では、送電用カプラ510と受電用カプラ520の間に生じる電界は、交流電力の周波数に応じて回転する電界となる。また、第4実施形態では、第2実施形態と比較すると、電界の範囲が狭くなっていることから、電極の周辺に配置される物体の影響をより少なくすることができる。
以上に説明したように、第4実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果を期待することができるとともに、遮蔽ボックス810,820を用いることで、電極の周辺に存在する物体の影響を少なくすることができる。このため、電極の配置の自由度を高めることができる。
(F)第5実施形態の説明
つぎに、本発明の第5実施形態について説明する。図70は、本発明の第5実施形態の構成例を示す図である。この図70に示すように、第5実施形態では、図54に示す第3実施形態の送電用カプラ610を遮蔽ボックス810に収容するとともに、受電用カプラ620を遮蔽ボックス820に収容する構成を有している。ここで、遮蔽ボックス810は、導電性の板状部材によって構成され、X方向の長さがLxであり、Y方向の長さがLyであり、および、Z方向の長さがLzとされている。遮蔽ボックス810の上面部には、送電用カプラ610が配置されている。遮蔽ボックス820も同様に、導電性の板状部材によって構成され、X方向の長さがLxであり、Y方向の長さがLyであり、および、Z方向の長さがLzとされている。遮蔽ボックス820の下面部には、受電用カプラ620が配置されている。このように、送電用カプラ610および受電用カプラ620を遮蔽ボックス810,820内に収容することで、前述したように、カプラの周辺に存在する物体による影響を低減することができる。このため、電力伝送システムの設置時における自由度を高めるとともに、周辺に存在する物体による影響を低減し、伝送効率の低下を防ぐことができる。
図71は図70に示す第5実施形態の伝送効率の周波数特性を示す図である。なお、この図では、送電用カプラ610および受電用カプラ620は、第3実施形態の場合と同様の構成およびサイズとされている。また、遮蔽ボックス810,820のサイズは、Lx=470mm、Ly=470mm、Lz=133mm、および、d2=180mmとされている。このような設定の場合、周波数26.85MHzにおいて伝送効率η21=88%を有している。
図72〜図76は、図70に示す第5実施形態に交流電圧を印加した場合における1周期の電界の時間的を示す図である。図72は、交流電力の位相が0度の場合の電界分布を示し、図73〜図76は、45度、90度、135度、および、180度の電界分布をそれぞれ示している。これらの図72〜図76に示すように、図70に示す送電用カプラ610と受電用カプラ620の間に生じる電界は、時間の経過とともにその方向が変化する。より具体的には、電界強度が高い色の濃い部分が時間の経過とともに、Z軸を中心として回転していることが分かる。つまり、図70に示す第4実施形態では、送電用カプラ610と受電用カプラ620の間に生じる電界は、交流電力の周波数に応じて回転する電界となる。また、第5実施形態では、第2実施形態と比較すると、電界の範囲が狭くなっていることから、電極の周辺に配置される物体の影響をより少なくすることができる。
以上に説明したように、第5実施形態によれば、第3実施形態と同様の効果を期待することができるとともに、遮蔽ボックス810,820を用いることで、電極の周辺に存在する物体の影響を少なくすることができる。このため、電極の配置の自由度を高めることができる。
(G)第6実施形態の説明
つぎに、本発明の第6実施形態について説明する。図77は、本発明の第6実施形態の構成例を示す図である。この図77に示すように、第6実施形態では、図35に示す第2実施形態の送電用カプラ510と受電用カプラ520の間に、中継用カプラ900が配置されている。これ以外の構成は、図35の場合と同様である。ここで、中継用カプラ900は、送電用カプラ510および受電用カプラ520と同様の形状およびサイズの電極901、902、905、906を有する。電極901、902が第5組電極を、電極905、906が第6組電極を構成する。図35に示すインダクタ903の一端は電極901に接続され、他端はインダクタ904の他端に接続されている。インダクタ904の一端は電極902に接続され、他端はインダクタ903の他端に接続されている。インダクタ907の一端は電極905に接続され、他端はインダクタ908の他端に接続されている。インダクタ908の一端は電極906に接続され、他端はインダクタ907の他端に接続されている。すなわち、第6実施形態では、インダクタ903,904は相互に接続されており、また、インダクタ907,908は相互に接続されている。なお、図77では、2つのインダクタ903,904を用いるようにしたが、これらを1つのインダクタとしてもよい。インダクタ907,908についても同様である。
図78は、図77に示す第6実施形態の伝送効率η21の周波数特性を示す図である。なお、この図の例では、送電用カプラ510および受電用カプラ520は、第2実施形態の場合と同様のサイズとされている。また、中継用カプラ900も送電用カプラ510および受電用カプラ520と同様のサイズとされている。また、d2=266mmとされ、送電用カプラ510および受電用カプラ520の間の距離(=d2×2)は、中継用カプラ900を用いない場合の2倍の距離に設定されている。このような設定の場合、周波数27.12MHzにおいて伝送効率η21=91%を有している。
図79〜図83は、図77に示す第6実施形態に交流電圧を印加した場合における1周期の電界の時間的を示す図である。図79は、交流電力の位相が0度の場合の電界分布を示し、図80〜図83は、45度、90度、135度、および、180度の電界分布をそれぞれ示している。これらの図79〜図83に示すように、図77に示す送電用カプラ510と受電用カプラ520の間に生じる電界は、時間の経過とともにその方向が変化する。より具体的には、電界強度が高い色の濃い部分が時間の経過とともに、Z軸を中心として回転していることが分かる。つまり、図77に示す第6実施形態では、送電用カプラ510と受電用カプラ520の間に生じる電界は、交流電力の周波数に応じて回転する電界となる。また、送電用カプラ510と中継用カプラ900の間の電界と、受電用カプラ520と中継用カプラ900の間の電界とは、位相が90度ずれていることが分かる。
以上に説明したように、第6実施形態では、第2実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、中継用カプラ900を用いることで、伝送効率η21を低減することなく、電力を伝送する距離を伸ばすことが可能になる。
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の各実施形態では、送電用カプラ、受電用カプラ、および、中継用カプラの各電極が同じサイズを有するようにしたが、これらが異なるサイズを有するようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、送電用カプラに給電する電力の位相差を90度に設定するとともに、受電用カプラによって受電された90度の位相差を有する電力の位相差を0度にするために、図18に示す理想的な分配回路を用いるようにしたが、例えば、接続線の電気長によって位相差を調整するようにしてもよい。具体的には、例えば、電気長が1/4λ異なる接続線を用いることで、位相差を調整することができる。
図84は分配器の他の構成例であり、交流電力発生部17から出力される電力を分配するとともに、位相をシフトして図17に示す送電用カプラ310に供給する電力分配部の詳細な構成例を示している。図84に示す構成例では、インダクタLcとキャパシタCa,Cbがπ型に接続された回路のPort1側に交流電力発生部17が接続され、Port2側にインダクタ313,314が接続される。また、インダクタLdとキャパシタCc,Cdがπ型に接続された回路のPort4側にダミー抵抗Z0が接続され、Port3側にインダクタ317,318が接続される。さらに、キャパシタCaとインダクタLcの接続部分はインダクタLaを介してキャパシタCcとインダクタLdの接続部分に接続され、キャパシタCbとインダクタLcの接続部分はインダクタLbを介してキャパシタCdとインダクタLdの接続部分に接続されている。図84の下に示す表には、使用されている素子の素子値の一例を示している。この例では、設計周波数fは27.12MHzとされ、インピーダンスZ0は50Ωとされ、キャパシタCa,Cb,Cc,Cdは全て283pFとされ、インダクタLa,Lbはともに293nHとされ、インダクタLc,Ldはともに207nHとされている。
図85および図86は図84に示す電力分配部のSパラメータの周波数特性を示す図である。図86は、S11,S21,S31の位相特性を示している。ここで、S11はPort1の反射損失を示し、S21はPort1からPort2への挿入損失を示し、S31はPort1からPort3への挿入損失を示している。図85に示すように、一点鎖線で示すS21と、破線で示すS31を比較すると、伝送しようとする電力の周波数f(=27.12MHz)において、位相差が略90度となっている。図86は、S11,S21,S31の振幅特性を示している。図86に示すように、一点鎖線で示すS21と、破線で示すS31を比較すると、伝送しようとする電力の周波数f(=27.12MHz)において、振幅は略同じ(等振幅)となっている。このため、交流電力発生部17からPort1に供給される電力は、振幅が等しく、また、位相差が90度の電力として、インダクタ313,314およびインダクタ317,318に供給される。
図17に示す受信用カプラ320に対しても、図84と同様の構成を有する電力合成部が接続される。すなわち、電力合成部は、図84に示すPort1には交流電力発生部17の代わりに負荷27が接続され、Port2にはインダクタ323,324が接続され、Port3にはインダクタ327,328が接続される。電極321,322および電極325,326によって受電された電力は、90度の位相差を有しているが、電力合成部によって位相差が0に調整された後に合成され、負荷27に供給される。
本実施形態の動作については理想的な分配回路を適用した場合と同様である。但し等分配、90度位相差で動作する帯域が限られるため、所定の動作周波数に合わせてキャパシタンス、インダクタンス等のパラメータ設計を行うのが望ましい。
また、以上の各実施形態では、電極の形状は円筒型または三角形としているが、これ以外の形状としてもよい。例えば、多角形、円形、または、楕円形状であってもよい。あるいは、平板形状ではなく、湾曲したり、屈曲したりした形状であってもよいし、球形等の立体形状であってもよい。
また、図77に示す第6実施形態では、第2実施形態の送電用カプラ、受電用カプラ、および、これらと同じ形状を有する中継用カプラを用いるようにしたが、例えば、図54に示す第3実施形態と同じ形状を有する送電用カプラ、受電用カプラ、および、中継用カプラを用いるようにしてもよい。
また、以上の各実施形態では、電極間の位相差は90度となるように設定したが、回転する電界が発生すればよいことから、90度以外の位相差であってもよい。また、以上の各実施形態では、電力は2等分するようにしたが、多少の差があってもよい。
また、以上の各実施形態では、インダクタは電極と接続線の間に1つずつ合計2つ挿入するようにしたが、電極と接続線の少なくとも一方に挿入するようにすればよい。
また、以上の実施形態では、インダクタとしては、導体線を円柱状に巻回して構成するようにしたが、例えば、マイクロストリップラインで使用されるような、平面上を蛇行する形状を有するものや、平面上で螺旋形状を有するものによって構成するようにしてもよい。