JP6299864B2 - 非調質クランクシャフト用鋼及び非調質クランクシャフト - Google Patents

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Description

本発明は、クランクシャフト用鋼及びクランクシャフトに関し、さらに詳しくは、熱間鍛造後の調質処理(焼入れ及び焼戻し)が省略される非調質のクランクシャフト用鋼及び非調質クランクシャフトに関する。
従来から、調質処理が省略された鍛造クランクシャフトが提供されている。調質処理とは、強度等の鋼の機械的特性を改善する焼入れ及び焼戻し処理を意味する。調質処理が省略されたクランクシャフト用鋼を、非調質クランクシャフト用鋼と称する。非調質クランクシャフト用鋼では、調質処理が実施されないため、製造コストを抑えることができる。
図1はクランクシャフトの要部の正面図である。図1を参照して、クランクシャフト1は、クランクピン2と、クランクジャーナル3と、クランクアーム4とを備える。クランクアーム4は、クランクピン2とクランクジャーナル3との間に配置され、クランクピン2とクランクジャーナル3とにつながっている。クランクシャフト1はさらに、ピンフィレット部21及びジャーナルフィレット部31を備える。ピンフィレット部21は、クランクピン2とクランクアーム4との間に配置され、クランクピン2とクランクアーム4とのつなぎ目部分に相当する。ジャーナルフィレット部31は、クランクジャーナル3とクランクアーム4との間に配置され、クランクジャーナル3とクランクアーム4とのつなぎ目部分に相当する。
クランクピン2は、図示しないコネクティングロッドに対して回転可能に取り付けられる。クランクピン2は、クランクシャフト1の回転軸からずれて配置される。クランクジャーナル3は、クランクシャフト1の回転軸と同軸に配置される。クランクピン2は、図示しないコネクティングロッドの大端部の内面に対して、すべり軸受を介して回転する。そのため、クランクピン2の表面には、耐摩耗性が求められる。クランクピン2と同様に、クランクジャーナル3の表面にも、耐摩耗性が求められる。
このようなクランクシャフトの耐摩耗性を高めるために、熱間鍛造及び機械加工(例えば切削加工)後の鋼材(以下、中間品という)に対して、表面硬化熱処理が実施される場合がある。表面硬化熱処理はたとえば、高周波焼入れである。高周波焼入れでは、高周波の電磁波による電磁誘導を起こして中間品の表面を加熱して焼入れする。この場合、中間品の表面には高硬度の焼入れ層が形成される。焼入れ層により、クランクシャフトの耐摩耗性が高まる。
クランクシャフト1のピンフィレット部21及びジャーナルフィレット部31を、フィレット部と総称する。フィレット部には、フィレットロール加工が実施される。フィレットロール加工は、フィレット部の曲げ疲労強度を高めるために実施される。具体的には、フィレット部をロール加工により塑性加工して、フィレット部の表層を加工硬化する。
クランクシャフトの曲げ疲労強度を高めるためには、フィレットロール加工を実施するだけでなく、母材の強度を高める方が好ましい。しかしながら、クランクシャフトは上述のとおり、熱間鍛造後の中間品を切削加工して製造される。そのため、母材の強度が高すぎれば、中間品の被削性が低下する。さらに、母材の強度を高めるために合金元素が過剰に含有されれば、クランクシャフトに対して高周波焼入れを実施する場合に、焼割れが発生しやすくなる。したがって、フィレットロール加工が実施されるクランクシャフト用鋼では、高い曲げ疲労強度及び被削性が要求され、さらに、高周波焼入れによる焼割れの発生の抑制も要求される。
最近、環境に対する配慮が要求されていることに基づいて、クランクシャフトの軽量小型化が要求されている。そのため、クランクシャフトには、例えば、フィレットロール加工後において、750MPa以上という高い曲げ疲労強度が要求され始めている。
特開2005−171311号公報(特許文献1)及び特開2005−179753号公報(特許文献2)は、高い強度及び高い被削性を有するクランクシャフト用鋼を提案する。
特許文献1に開示された非調質のクランクシャフト用鋼は、重量%で、C:0.27〜0.43%、Si:0.80〜2.00%、Mn:0.30〜1.20%、P:0.035%以下、S:0.04%以下、Cr:0.20〜1.00%、Cu:0.30%以下、Ni:0.25%以下、Mo:0.05%以下、残部実質的にFeからなり、かつ、0.78≦C+1/6×Si+1/4.5×Mn+1/15×Ni+1/4×Cr≦0.84の式を満足し、熱間鍛造した後空冷した状態でフェライト+パーライト混合組織である。上記クランクシャフト鋼は、Vを含有せずに800MPa以上の引張強度を有し、被削性にも優れる、と特許文献1には記載されている。
特許文献2に開示されたクランクシャフト用非調質鋼は、重量%で、C:0.35〜0.55%、Si:0.4〜2%、Mn:0.4〜1.5%、P:0.01〜0.1%、Cu:0.05〜1%、Ni:0.05〜1%、Cr:0.01〜1%、s−Al:0.005〜0.05%、N:0.005〜0.030%を含有し、残部が実質的にFeから成り、熱間鍛造後の組織がフェライト+パーライトである。上記クランクシャフト用非調質鋼は、Vを含有せずに高い強度及び高い被削性を有する、と特許文献2には記載されている。
特開2005−171311号公報 特開2005−179753号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のクランクシャフト用鋼では、曲げ疲労強度が低く、いずれの特許文献でも、実施例において、クランクシャフトの曲げ疲労強度が750MPa未満である(特許文献1の表1、特許文献2の表2参照)。
本発明の目的は、フィレットロール加工後の曲げ疲労強度が高く、被削性に優れ、高周波焼入れを実施しても焼割れの発生が抑制される、非調質クランクシャフト用鋼及び非調質クランクシャフトを提供することである。
本実施形態による非調質クランクシャフト用鋼は、質量%で、C:0.37〜0.50%、Si:0.15〜0.79%、Mn:1.15〜1.40%、P:0.040%以下、S:0.040〜0.10%、Cr:0.10〜0.30%、Al:0.022〜0.050%、Ti:0.005〜0.025%、V:0.20〜0.30%、N:0.0080〜0.0180%、Mo:0〜0.30%、Cu:0〜0.8%、及び、Ni:0〜0.50%を含有し、式(1)〜式(3)を満たす。
0.86≦C+Si/7+Mn/5+Cu/15+Ni/15+Cr/9+Mo/4+V≦1.10 (1)
Ti/N≦1.5 (2)
521−353C−22.0Si−24.3Mn−7.7Cu−17.3Ni−17.7Cr−25.8Mo≧305 (3)
ここで、式(1)〜式(3)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。元素が含有されない場合、対応する元素記号には、「0」が代入される。
上記非調質クランクシャフト用鋼は、Mo:0.05〜0.30%を含有してもよい。上記非調質クランクシャフト用鋼は、Cu:0.05〜1.0%、及び、Ni:0.01〜0.50%を含有してもよい。
本実施形態による非調質クランクシャフトは、上記非調質クランクシャフト用鋼を熱間鍛造し、さらに、熱間鍛造後に切削加工を実施し、切削加工後に高周波焼入れを実施し、高周波焼入れ後にフィレットロール加工を実施して製造される。
本実施形態による非調質クランクシャフト用鋼及び非調質クランクシャフトでは、フィレットロール加工後の曲げ疲労強度が高く、被削性に優れ、高周波焼入れ後の焼割れの発生が抑制される。
図1は、クランクシャフトの要部の正面図である。 図2は、小野式回転曲げ疲労試験片の正面図である。 図3は、図2に示す小野式回転曲げ疲労試験に対してフィレットロール加工を実施するための、フィレットロール加工装置の正面図である。 図4は、図3に示すフィレットロール加工装置の側面図である。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。本発明者らは、上述の課題を解決するために、種々の検討を行った。その結果、本発明者らは、次の知見を得た。
(A)鋼の硬さが高ければ、曲げ疲労強度も高まる。鋼の硬さを高める元素であるC、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo及びVを適量含有すれば、鋼の硬さが適切に高まり、曲げ疲労強度が高まる。一方、これらの元素含有量の総量が高すぎれば、鋼の硬さが高くなりすぎる。この場合、鋼の被削性が低下する。
fn1=C+Si/7+Mn/5+Cu/15+Ni/15+Cr/9+Mo/4+Vと定義する。後述の化学組成を有し、かつ、fn1が0.86〜1.10であれば、適切な鋼の硬さが得られ、高い曲げ疲労強度が得られる。さらに、鋼の硬さが高くなりすぎず、高い被削性も得られる。
(B)クランクシャフトを模擬した疲労試験片に対して、フィレットロール加工を実施してフィレット部を形成した。フィレット部が形成された疲労試験片に対して曲げ疲労試験を実施した。曲げ疲労試験を耐久した(つまり、曲げ疲労試験で破断しなかった)疲労試験片のフィレット部に対して、顕微鏡観察を実施した。その結果、フィレット部において、微細な疲労き裂が発生しているものの、疲労き裂の進展は途中で止まっていた。疲労試験片のフィレット部の表層をさらに観察した。その結果、疲労き裂の伝播の多くが、結晶粒界で止まっていた。
以上の結果より、フィレットロール加工が実施されたクランクシャフトの場合、結晶粒界が多ければ、疲労き裂が発生しても、その進展を抑制できる。その結果、クランクシャフトの疲労強度が高まる。結晶粒を微細化すれば、結晶粒界が多くなる。そこで、鋼中に適切な量の微細なTi窒化物(TiN)を生成する。Ti窒化物は、鋳込み時又は造塊時において、溶鋼中に晶出する。Ti窒化物は、その後の熱間鍛造等の熱間加工での加熱により溶解せず、鋼中に存在する。そのため、鋼中にTi窒化物が形成されていれば、熱間加工での加熱条件に依存することなく、鋼中の結晶粒を微細化することができる。
一方で、N含有量に対してTi含有量が高すぎれば、粗大なTi窒化物が形成されたり、粗大なTi炭窒化物が形成される。この場合、粗大なTi窒化物及びTi炭窒化物が疲労き裂の起点となる。そのため、鋼の疲労強度はかえって低下する。
fn2=Ti/Nと定義する。後述の化学組成を有し、かつ、fn2が1.5以下であれば、粗大なTi窒化物及びTi炭窒化物の生成が抑制される。そのため、クラックの起点の発生が抑制される。さらに、微細なTi窒化物により結晶粒が微細化され、クラックの伝播が抑制される。したがって、フィレット部において、曲げ疲労強度が高まる。
(C)fn1に含まれる元素のうち、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、及び、Moはいずれも、鋼の焼入れ性を高めて鋼の硬さを高める。したがって、これらの元素含有量の総量が過剰に高ければ、高周波焼入れにより焼割れが発生する場合がある。
fn3=521−353C−22.0Si−24.3Mn−7.7Cu−17.3Ni−17.7Cr−25.8Moと定義する。後述の化学組成を有し、かつ、fn3が305以上であれば、これらの元素含有量は適切であり、高周波焼入れによる焼割れの発生が抑制される。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態による非調質クランクシャフト用鋼及び非調質クランクシャフトについて詳述する。
[化学組成]
本実施形態の非調質クランクシャフト用鋼の化学組成は、次の元素を含有する。
C:0.37〜0.50%
炭素(C)は、鋼(つまり、クランクシャフトの母材)の硬さを高め、クランクシャフトの曲げ疲労強度を高める。C含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、クランクシャフト用鋼の硬さが高くなりすぎ、被削性が低下する。したがって、Cの含有量は0.37〜0.50%である。C含有量の好ましい下限は0.37%よりも高く、さらに好ましくは0.39%であり、さらに好ましくは0.40%である。C含有量の好ましい上限は0.50%未満であり、さらに好ましくは0.45%であり、さらに好ましくは0.44%である。
Si:0.15〜0.79%
シリコン(Si)は、鋼を脱酸する。Siはさらに、固溶して鋼中のフェライトの硬さを高め、鋼の硬さを高める。Si含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Si含有量が高すぎれば、鋼の硬さが高くなりすぎ、被削性が低下する。したがって、Si含有量は0.15〜0.79%である。Si含有量の好ましい下限は0.15%よりも高く、さらに好ましくは0.20%であり、さらに好ましくは0.24%である。Si含有量の好ましい上限は0.79%未満であり、さらに好ましくは0.70%であり、さらに好ましくは0.67%である。
Mn:1.15%〜1.40%
マンガン(Mn)は、Siと同様に鋼を脱酸する。Mnはさらに、鋼の硬さを高め、強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、クランクシャフト用鋼の硬さが高くなり過ぎ、被削性が低下する。したがって、Mn含有量は1.15%〜1.40%である。Mn含有量の好ましい下限は1.15%よりも高く、さらに好ましくは1.18%である。Mn含有量の好ましい上限は1.40%未満であり、さらに好ましくは1.35%であり、さらに好ましくは1.30%である。
P:0.040%以下
燐(P)は不純物である。Pは、鋼の曲げ疲労強度を低下する。したがって、P含有量は0.040%以下である。P含有量の好ましい上限は0.040%未満であり、さらに好ましくは0.030%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。
S:0.040〜0.10%
硫黄(S)は鋼の被削性を高める。S含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、S含有量が高すぎれば、鋼の曲げ疲労強度が低下する。したがって、S含有量は0.040〜0.10%である。S含有量の好ましい下限は0.040%よりも高く、さらに好ましくは0.050%であり、さらに好ましくは0.055%であり、さらに好ましくは0.060%を超える。S含有量の好ましい上限は0.10%未満であり、さらに好ましくは0.080%であり、さらに好ましくは0.070%である。
Cr:0.10〜0.30%
クロム(Cr)は、鋼の硬さを高めて曲げ疲労強度を高める。Cr含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Cr含有量が高すぎれば、鋼の硬さが高くなりすぎ、被削性が低下する。したがって、Cr含有量は0.10〜0.30%である。Cr含有量の好ましい下限は0.10%よりも高く、さらに好ましくは0.20%であり、さらに好ましくは0.22%である。Cr含有量の好ましい上限は0.30%未満であり、さらに好ましくは0.28%であり、さらに好ましくは0.27%である。
Al:0.022〜0.050%
アルミニウム(Al)は、Siと同様に鋼を脱酸する。Al含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、鋼中に粗大な酸化物が形成され、鋼の曲げ疲労強度が低下する。したがって、Al含有量は0.022〜0.050%である。Al含有量の好ましい下限は0.022%よりも高く、さらに好ましくは0.025%であり、さらに好ましくは0.030%である。Al含有量の好ましい上限は0.050%未満であり、さらに好ましくは0.040%であり、さらに好ましくは0.038%である。本明細書におけるAl含有量は、sol.Al(酸可溶Al)の含有量を意味する。
Ti:0.005〜0.025%
チタン(Ti)は、窒素と結合してTi窒化物を形成する。Ti窒化物は、結晶粒の粗大化を抑制し、結晶粒を微細化する。フィレットロール加工が実施されたフィレット部(ピンフィレット部21及びジャーナルフィレット部31)の表面近傍にて、仮に、疲労き裂が発生した場合、フィレット部の結晶粒が微細であれば、疲労き裂の伝播は結晶粒界により阻止される。したがって、Tiはクランクシャフトの曲げ疲労強度を高める。Ti含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Ti含有量が高すぎれば、粗大なTi窒化物又は粗大な炭窒化物が形成される。粗大なTi窒化物及びTi炭窒化物は破壊の起点となり、鋼の曲げ疲労強度を低下する。したがって、Ti含有量は0.005〜0.025%である。Ti含有量の好ましい下限は0.005%よりも高く、さらに好ましくは0.007%であり、さらに好ましくは0.008%である。Ti含有量の好ましい上限は0.025%未満であり、さらに好ましくは0.020%であり、さらに好ましくは0.015%である。
V:0.20〜0.30%
バナジウム(V)は、V炭化物又はV炭窒化物を形成して、鋼の硬さを高め、曲げ疲労強度を高める。V含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、V含有量が高すぎれば、鋼の硬さが高くなりすぎ、鋼の被削性が低下する。したがって、V含有量は0.20〜0.30%である。V含有量の好ましい下限は0.20%よりも高く、さらに好ましくは0.22%であり、さらに好ましくは0.24%である。V含有量の好ましい上限は0.30%未満であり、さらに好ましくは0.28%であり、さらに好ましくは0.26%である。
N:0.0080〜0.0180%
窒素(N)は、Tiと結合してTi窒化物を形成し、結晶粒を微細化する。そのため、Nは鋼の曲げ疲労強度を高める。N含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、N含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。したがって、N含有量は0.0080〜0.0180%である。N含有量の好ましい下限は0.0080%よりも高く、さらに好ましくは0.085%であり、さらに好ましくは0.0090%である。N含有量の好ましい上限は0.0180%未満であり、さらに好ましくは0.0160%であり、さらに好ましくは0.0150%である。
本実施形態の非調質クランクシャフト用鋼の化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。ここでいう不純物は、鋼の原料として利用される鉱石やスクラップ、あるいは製造過程の環境等から混入する元素をいう。
本実施形態の非調質クランクシャフト用鋼の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Moを含有してもよい。
Mo:0〜0.30%
モリブデン(Mo)任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Moは固溶して鋼中のフェライトの硬さを高める。この場合、鋼の硬さが高まり、曲げ疲労強度が高まる。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、上記効果が飽和し、製造コストが高くなる。したがって、Mo含有量は0〜0.30%である。Mo含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.07%であり、さらに好ましくは0.1%である。Mo含有量の好ましい上限は0.30%未満であり、さらに好ましくは0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。
本実施形態の非調質クランクシャフト用鋼の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Cu及びNiを含有してもよい。
Cu:0〜0.8%
銅(Cu)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Cuは鋼の硬さを高め、鋼の曲げ疲労強度を高める。しかしながら、Cu含有量が高すぎれば、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、Cu含有量は0〜0.8%である。Cu含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.07%であり、さらに好ましくは0.1%である。Cu含有量の好ましい上限は0.8%未満であり、さらに好ましくは0.4%であり、さらに好ましくは0.3%である。
Ni:0〜0.50%
ニッケル(Ni)は任意元素であり、含有されなくてもよい。Cuが含有される場合、「Cuチェッキング」と称される熱間割れが発生しやすくなる。Niが含有されれば、Cuチェッキングの発生が抑制される。しかしながら、Ni含有量が高すぎれば、この効果が飽和する。したがって、Ni含有量は0〜0.50%である。Ni含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.05%であり、さらに好ましくは.08%である。Ni含有量の好ましい上限は0.50%未満であり、さらに好ましくは0.20%であり、さらに好ましくは0.15%である。Ni含有量は好ましくはさらに、Ni/Cu≧0.5を満足する。
[式(1)〜式(3)について]
本発明による非調質クランクシャフト用鋼は、さらに、式(1)〜式(3)を満たす。
0.86≦C+Si/7+Mn/5+Cu/15+Ni/15+Cr/9+Mo/4+V≦1.10 (1)
Ti/N≦1.5 (2)
521−353C−22.0Si−24.3Mn−7.7Cu−17.3Ni−17.7Cr−25.8Mo≧305 (3)
ここで、式(1)〜式(3)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
[式(1)について]
fn1=C+Si/7+Mn/5+Cu/15+Ni/15+Cr/9+Mo/4+Vと定義する。fn1は、非調質クランクシャフト用鋼の硬さに関する指標である。上述のとおり、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo及びVはいずれも、鋼の硬さを高める。fn1が低すぎれば、鋼の硬さが低く、曲げ疲労強度が低い。一方、fn1が高すぎれば、鋼の硬さが高くなりすぎ、被削性が低下する。
fn1が0.86〜1.10であれば、鋼の硬さが高く、高い曲げ疲労強度が得られる。さらに、鋼の硬さが高くなりすぎず、高い被削性も得られる。fn1の好ましい下限は0.86よりも高く、さらに好ましくは0.90であり、さらに好ましくは0.94である。fn1の好ましい上限は1.10未満であり、さらに好ましくは1.07であり、さらに好ましくは1.05である。
[式(2)について]
fn2=Ti/Nと定義する。fn2が高すぎれば、N含有量に対してTi含有量が高すぎる。この場合、粗大なTi窒化物及び粗大なTi炭窒化物が形成される。そのため、鋼の曲げ疲労強度が低下する。fn2が1.5以下であれば、粗大なTi窒化物及び粗大なTi炭窒化物の生成が抑制される。そのため、疲労き裂の起点の発生が抑制される。さらに、微細なTi窒化物により結晶粒が微細化され、疲労き裂の伝播が、結晶粒界により阻止される。そのため、フィレットロール加工されたクランクシャフトの曲げ疲労強度が高まる。fn2の好ましい上限は、1.5未満であり、さらに好ましくは1.40であり、さらに好ましくは1.30である。
[式(3)について]
fn3=521−353C−22.0Si−24.3Mn−7.7Cu−17.3Ni−17.7Cr−25.8Moと定義する。fn3は、クランクピン2及びクランクジャーナル3に対して高周波焼入れが実施された場合における、焼割れの発生に関する指標である。C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr及びMoはいずれも、鋼に固溶して鋼の焼入れ性を高める。fn3が低すぎれば、鋼の焼入れ性が高くなりすぎる。この場合、クランクピン及びクランクジャーナルに相当する部分に高周波焼入れを実施すれば、焼割れが発生する。fn3が305以上であれば、焼割れの発生が抑制される。fn3の好ましい下限は305よりも高く、さらに好ましくは315であり、さらに好ましくは320である。
[製造方法]
上述の本実施形態のクランクシャフト用鋼及び非調質クランクシャフトの製造方法の一例を説明する。
上記化学組成及び式(1)〜式(3)を満たす溶鋼を製造する。溶鋼を連続鋳造法により鋳片にする。溶鋼を造塊法によりインゴット(鋼塊)にしても良い。鋳片又はインゴットを熱間加工して、ビレット(鋼片)や棒鋼にしても良い。以上の製造工程により、本実施形態のクランクシャフト用鋼が製造される。
鋳片、インゴット、ビレット又は棒鋼を加熱炉で加熱する。加熱された鋳片、インゴット、ビレット又は棒鋼を熱間鍛造して、中間品を製造する。熱間鍛造後の中間品を冷却する。
クランクシャフトの中間品に対して、調質処理(焼入れ及び焼戻し)を実施しない。つまり、本実施形態では、中間品は非調質である。
中間品を切削加工して、最終形状にする。切削加工後の中間品のうち、クランクピン及び/又はクランクジャーナルに相当する部分に対して、高周波焼入れを実施する。高周波焼入れにより、クランクピン及びクランクジャーナルの耐摩耗性を高める。
高周波焼入れを実施した後、フィレット部(ピンフィレット部21及びジャーナルフィレット部31)に対して、フィレットロール加工を実施する。フィレットロール加工では、切削加工後の中間品を回転しながら、フィレット部の表面にローラを押しつける。これにより、フィレット部の表面は塑性加工され、加工硬化する。
以上の製造工程により、本実施形態の非調質クランクシャフトが製造される。製造された非調質クランクシャフトの化学組成は上述のとおりであり、式(1)〜式(3)を満たす。そのため、フィレット部においても結晶粒は微細である。したがって、本実施形態の非調質クランクシャフトは、高い強度及び高い曲げ疲労強度を有し、優れた被削性も有する。さらに、高周波焼入れによる焼割れが発生しにくい。
[試験方法]
表1に示す化学組成を有する試験番号1〜26の溶鋼を、70トン転炉を用いて製造した。
Figure 0006299864
溶鋼を連続鋳造してブルームを製造した。ブルームを分塊圧延して、横断面寸法が180mm×180mmのビレットを製造した。
ビレットを1200℃に加熱した。加熱されたビレットに対して熱間鍛造を実施して、直径90mmの棒鋼(上述の中間品に相当)を製造した。熱間鍛造での仕上げ温度は1000〜1050℃であった。熱間鍛造後の棒鋼を、大気中で放冷して、室温(25℃)まで冷却した。なお、棒鋼に対して、調質処理(焼入れ及び焼戻し)を実施しなかった。つまり製造された棒鋼は非調質であった。
[被削性評価試験]
製造された直径90mmの棒鋼に対してピーリング加工を実施して、直径80mmの棒鋼の試験材を製造した。製造された試験材に対して、切削加工の一種である旋削加工を実施した。切削工具として、コーティング処理されていないP種超硬工具を使用した。切削速度:160m/min、送り速度:0.25mm/rev、切込み:2.0mm、及び、潤滑油無しでの条件で旋削加工を実施した。上記の条件で30分間旋削加工を実施して、旋削加工後の切削工具のフランク摩耗量(mm)を測定した。
[焼割れ性評価試験]
直径90mmの棒鋼の横断面において、棒鋼の外周面と中心軸との間の距離R(半径)を二等分する位置を、R/2位置と定義した。直径90mmの棒鋼のR/2位置を中心とした、直径30mm、長さ70mmの丸棒試験片を、直径90mmの棒鋼から採取した。丸棒試験片の長さ方向は、直径90mmの棒鋼の軸方向と平行とした。丸棒試験片の長さ中央位置の外周面において、円周方向に延びる溝(深さ5mm、幅10mm)を形成した。
上述の丸棒試験片を、各試験番号ごとに10本作製した。10本の丸棒試験片に対して高周波焼入れを実施した。具体的には、丸棒試験片を高周波誘導炉内に配置した後、周波数40kHz、電圧6kV、加熱時間3.0秒、及び冷却時間5.0秒(水溶性熱処理油使用)の条件で高周波焼入れを実施した。
高周波焼入れを実施した10本の丸棒試験片に対して、磁粉探傷を実施して、丸棒試験片の溝に焼割れが発生したか否かを目視観察した。目視で焼割れが確認された丸棒試験片の本数をカウントした。
[曲げ疲労強度評価試験]
図2に示すとおり、直径90mmの棒鋼のR/2位置を中心軸として有し、その中心軸が鍛錬軸に平行である、小野式回転曲げ疲労試験片(以下、単に疲労試験片という)を、直径90mmの棒鋼から採取した。図2を参照して、疲労試験片の横断面は円形状であり、疲労試験片は、環状溝を含む直径10mmの平行部を有していた。環状溝は平行部の中央に形成され、環状溝の断面は、半径1.5mmの半円弧であった。図2中の数値は、寸法を意味する。
図3及び図4に示すフィレットロール加工装置を用いて、疲労試験片の環状溝に対してフィレットロール加工を実施した。図3及び図4を参照して、一対のバックアップローラ10の間に、疲労試験片20を配置した。このとき、一対のバックアップローラ10上に疲労試験片20が配置された。バックアップローラ10の直径は28mmであった。さらに、JIS G4403(2006)に定義されたSKH51に相当する化学組成を有する大ローラ30を、疲労試験片20の上方から、荷重4.9kNで、疲労試験片20の環状溝に押し当てた。大ローラの直径は40mmであり、外周面の凸部の曲率半径は1.3mmであった。大ローラ30を押し当てながら、疲労試験片20を回転して、フィレットロール加工を実施した。回転数は10回で実施した。
フィレットロール加工が実施された疲労試験片に対して、室温(25℃)、大気中、回転数3000rpmの両振りの条件で、小野式回転曲げ疲労試験を実施した。107サイクル後でも破断しなかった試験結果のうち最大の応力を、その試験番号の曲げ疲労強度(MPa)と定義した。
[試験結果]
試験結果を表2に示す。
Figure 0006299864
表2を参照して、試験番号1〜11では、化学組成が適切であり、fn1〜fn3が式(1)〜式(3)を満たした。そのため、これらの試験番号のフランク摩耗量はいずれも0.40mm以下であり、高い被削性を示した。さらに、これらの試験番号の焼割れ本数はいずれも0本であり、高周波焼入れによる焼割れの発生が抑制された。さらに、これらの試験番号の曲げ疲労強度はいずれも750MPa以上であり、優れた曲げ疲労強度を有した。
一方、試験番号12のC含有量が高すぎた。そのため、フランク摩耗量が0.40mmを超え、被削性が低かった。C含有量が高すぎ、母材の硬さが高くなり過ぎたためと考えられる。
試験番号13のC含有量は低すぎた。そのため、曲げ疲労強度が750MPa未満であった。
試験番号14のSi含有量は高すぎた。そのため、フランク摩耗量が0.40mmを超え、被削性が低かった。Si含有量が高すぎ、母材の硬さが高くなり過ぎたためと考えられる。
試験番号15のMn含有量は高すぎた。そのため、フランク摩耗量が0.40mmを超え、被削性が低かった。Mn含有量が高すぎ、母材の硬さが高くなり過ぎたためと考えられる。
試験番号16のS含有量は低すぎた。そのため、フランク摩耗量が0.40mmを超え、被削性が低かった。
試験番号17のCr含有量は高すぎた。そのため、フランク摩耗量が0.40mmを超え、被削性が低かった。Cr含有量が高すぎ、母材の硬さが高くなり過ぎたためと考えられる。
試験番号18のAl含有量は高すぎた。そのため、曲げ疲労強度が750MPa未満であった。Al含有量が高すぎたため、割れの起点となる粗大な酸化物が生成し、これにより、曲げ疲労強度が低かったと考えられる。
試験番号19のTi含有量は低すぎた。そのため、曲げ疲労強度が750MPa未満であった。Ti含有量が低すぎたため、結晶粒の微細化効果が得られず、き裂進展の抑制効果が得られなかった為、曲げ疲労強度が低かったと考えられる。
試験番号20のV含有量は高すぎた。そのため、そのため、フランク摩耗量が0.40mmを超え、被削性が低かった。V含有量が高すぎ、鋼の硬さが高くなり過ぎたためと考えられる。
試験番号21のV含有量は低すぎた。そのため、曲げ疲労強度が750MPa未満であった。V含有量が低すぎたため、鋼の硬さが低すぎたと考えられる。
試験番号22では、fn1が式(1)の下限未満であった。そのため、曲げ疲労強度が750MPa未満であった。fn1が式(1)の下限未満であったため、鋼の硬さが低すぎたと考えられる。
試験番号23では、fn1が式(1)の上限を超えた。そのため、フランク摩耗量が0.40mmを超え、被削性が低かった。fn1が式(1)の上限を超え、鋼の硬さが高くなりすぎたためと考えられる。
試験番号24では、fn2が式(2)を満たさなかった。そのため、曲げ疲労強度が750MPa未満であった。fn2が式(2)を満たさず、粗大なTi窒化物又は粗大なTi炭窒化物が生成したため、曲げ疲労強度が低かったと考えられる。
試験番号25及び試験番号26では、fn3が式(3)を満たさなかった。そのため、焼割れが発生した。fn3が式(3)を満たさず、鋼の焼入れ性が高くなりすぎたためと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
本実施形態の非調質クランクシャフト用鋼は、高い曲げ疲労強度及び高い被削性を有し、高周波焼入れ時に焼き割れが発生しにくい。そのため、本実施形態の非調質クランクシャフト用鋼は、自動車、産業機械および建設機械などのクランクシャフトとして広く利用することができる。さらに、本実施形態の非調質クランクシャフト用鋼を用いれば、最近の環境への配慮に基づくクランクシャフトの軽量小型化にも対応可能である。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.37〜0.50%、
    Si:0.15〜0.79%、
    Mn:1.15〜1.40%、
    P:0.040%以下、
    S:0.040〜0.10%、
    Cr:0.10〜0.30%、
    Al:0.022〜0.050%、
    Ti:0.005〜0.025%、
    V:0.20〜0.30%、
    N:0.0080〜0.0180%、
    Mo:0〜0.30%、
    Cu:0〜0.8%、及び、
    Ni:0〜0.50%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
    式(1)〜式(3)を満たす、非調質クランクシャフト用鋼。
    0.86≦C+Si/7+Mn/5+Cu/15+Ni/15+Cr/9+Mo/4+V≦1.10 (1)
    Ti/N≦1.5 (2)
    521−353C−22.0Si−24.3Mn−7.7Cu−17.3Ni−17.7Cr−25.8Mo≧305 (3)
    ここで、式(1)〜式(3)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。元素が含有されない場合、対応する元素記号には、「0」が代入される。
  2. 請求項1に記載の非調質クランクシャフト用鋼であって、
    Mo:0.05〜0.30%を含有する、非調質クランクシャフト用鋼。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の非調質クランクシャフト用鋼であって、
    Cu:0.05〜0.8%、及び、
    Ni:0.01〜0.50%を含有する、非調質クランクシャフト用鋼。
  4. 質量%で、
    C:0.37〜0.50%、
    Si:0.15〜0.79%、
    Mn:1.15〜1.40%、
    P:0.040%以下、
    S:0.040〜0.10%、
    Cr:0.10〜0.30%、
    Al:0.022〜0.050%、
    Ti:0.005〜0.025%、
    V:0.20〜0.30%、
    N:0.0080〜0.0180%、
    Mo:0〜0.30%、
    Cu:0〜0.8%、及び、
    Ni:0〜0.50%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
    式(1)〜式(3)を満たす化学組成を有し、クランクピン、クランクジャーナル、クランクアーム、ピンフィレット部及びジャーナルフィレット部を備える、非調質クランクシャフト。
    0.86≦C+Si/7+Mn/5+Cu/15+Ni/15+Cr/9+Mo/4+V≦1.10 (1)
    Ti/N≦1.5 (2)
    521−353C−22.0Si−24.3Mn−7.7Cu−17.3Ni−17.7Cr−25.8Mo≧305 (3)
    ここで、式(1)〜式(3)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。元素が含有されない場合、対応する元素記号には、「0」が代入される。
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