JP6297412B2 - 無灰炭の製造装置及び無灰炭の製造方法 - Google Patents

無灰炭の製造装置及び無灰炭の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、無灰炭の製造装置及び無灰炭の製造方法に関する。
石炭は、火力発電やボイラーの燃料又は化学品の原料として幅広く利用されており、環境対策の一つとして石炭中の灰分を効率的に除去する技術の開発が強く望まれている。例えば、ガスタービン燃焼による高効率複合発電システムでは、LNG等の液体燃料に代わる燃料として、灰分が除去された無灰炭(HPC)を使用する試みがなされている。また高炉用コークス等の製鉄用コークスの原料炭として、無灰炭を使用する試みがなされている。
無灰炭の製造方法として、重力沈降法を用いてスラリーから溶剤に可溶な石炭成分(以下、溶剤可溶成分と呼ぶ)を含む溶液を分離する方法が提案されている(例えば特開2009−227718号公報)。この方法は、石炭と溶剤とを混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、スラリー調製工程で得られたスラリーを加熱して溶剤可溶成分を抽出する抽出工程とを備える。さらにこの方法は、抽出工程で溶剤可溶成分が抽出されたスラリーから溶剤可溶成分が溶解した溶液を分離する分離工程と、分離工程で分離された溶液から溶剤を分離して無灰炭を得る無灰炭取得工程とを備える。
従来の無灰炭製造方法の上記抽出工程では、スラリー調製工程で得られたスラリーが所定温度まで加熱されて抽出槽へ供給される。そして抽出槽へ供給されたスラリーは、撹拌機で撹拌されながら所定温度で保持され溶剤可溶成分の抽出が行われる。上記抽出工程では、上記溶剤可溶成分を十分に溶剤に溶解させるために、10〜60分間程度スラリーを抽出槽に滞留させている。なお、「抽出率」とは、原料となる石炭の無水無配質量に対する溶剤に抽出される可溶成分の質量の割合を意味する。
上記従来の無灰炭の製造方法では、抽出工程における上記溶剤可溶成分の抽出を主に抽出槽で行うため、大型の抽出槽が必要となる。さらに、上記溶剤可溶成分の抽出に長い時間を要する場合には、より大型の抽出槽を設置しなければならず、設備コストが増加する。また、上記溶剤可溶成分の抽出に要する時間が無灰炭の製造時間に大きく影響するため、従来より抽出時間の短縮が要求されている。
特開2009−227718号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、溶剤可溶成分の抽出時間を短縮すると共に抽出用設備を小型化できる無灰炭の製造装置及び無灰炭の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、加熱した溶剤を供給する溶剤供給部と、石炭を供給する石炭供給部と、上記溶剤供給部及び石炭供給部から供給される上記溶剤及び石炭を混合する混合部と、上記溶剤及び石炭が混合されたスラリーから石炭成分が溶解した溶液を分離する固液分離部と、上記固液分離部で分離された溶液からの溶剤の蒸発分離により無灰炭を得る溶剤分離部とを備え、上記混合部がラインミキサーを有する無灰炭の製造装置である。
当該無灰炭の製造装置は、上記石炭供給部から石炭が供給されると共に上記溶剤供給部から加熱された溶剤が供給される混合部がラインミキサーを有している。これにより、混合部に供給された石炭が加熱された溶剤と混合されることにより急速に昇温されるので、ラインミキサー内で抽出される溶剤可溶成分の割合が多くなり、抽出率が向上する。また、当該無灰炭の製造装置は、ラインミキサーにより上記溶剤及び石炭が混合されたスラリーを輸送しながら上記溶剤可溶成分を抽出できるので、無灰炭製造工程全体の処理時間を短縮できる。また、当該無灰炭の製造装置は、ラインミキサーで上記溶剤可溶成分を抽出するので、抽出のために用いる抽出槽の省略又は小型化ができる。
上記ラインミキサーの排出口が、上記固液分離部に直接接続されるとよい。このように、ラインミキサーの排出口が固液分離部に直接接続されることで、スラリーを貯留するための抽出槽が不要となり、上記溶剤可溶成分の抽出時間をより短縮できる。
上記ラインミキサーより排出されるスラリーを貯留する抽出槽をさらに備えるとよい。このように、ラインミキサーから排出されるスラリーを貯留する抽出槽を備えることで、より確実に上記溶剤可溶成分を抽出でき、抽出率がより向上する。
上記溶剤供給部から供給する溶剤の温度としては、330℃以上450℃以下が好ましい。このように、溶剤供給部から供給する溶剤の温度を上記範囲内とすることで、溶剤及び石炭が混合されたスラリーが抽出温度(抽出率が高くなる温度範囲内の温度)までより確実に昇温され、混合部における上記溶剤可溶成分の抽出率がより向上する。
上記溶剤供給部が、上記溶剤を乱流状態で上記混合部へ供給するポンプを有するとよい。このように、溶剤供給部が上記溶剤を乱流状態で混合部へ供給するポンプを有することで、混合部における溶剤及び石炭の混合が促進され、より多くの上記溶剤可溶成分を溶剤に溶解させることができる。
上記石炭供給部から供給する石炭としては、炭素含有率が70質量%以上85質量%以下の劣質炭を80質量%以上含むものが好ましい。このように、石炭供給部から供給する石炭として、石炭全体に対する劣質炭の質量割合が上記下限以上の石炭を用いることで、無灰炭の製造コストをより低減できる。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、石炭と溶剤とを混合してなるスラリーから無灰炭を得る無灰炭の製造方法であって、溶剤を加熱して供給する工程と、石炭を供給する工程と、ラインミキサーにより上記溶剤及び石炭を混合する工程と、上記溶剤及び石炭が混合されたスラリーから石炭成分が溶解した溶液を分離する工程と、上記分離工程で分離された溶液からの溶剤の蒸発分離により無灰炭を得る工程とを備えることを特徴とする。
当該無灰炭の製造方法は、上記溶剤供給工程及び石炭供給工程から供給される上記石炭及び加熱された上記溶剤をラインミキサーにより混合する工程を有している。これにより、上記混合工程で供給される石炭が加熱された溶剤と混合されることにより急速に昇温されるので、ラインミキサー内で抽出される溶剤可溶成分の割合が多くなり、抽出率が向上する。また、当該無灰炭の製造方法は、ラインミキサーにより上記溶剤及び石炭が混合されたスラリーを輸送しながら上記溶剤可溶成分を抽出できるので、無灰炭製造工程全体の処理時間を短縮できる。また、当該無灰炭の製造方法は、ラインミキサーで上記溶剤可溶成分を抽出するので、抽出のために用いる抽出槽の省略又は小型化ができる。
ここで、「ラインミキサー」とは、配管内を通過する2種以上の溶液や固形物を連続的に混合する装置を意味し、例えば溶液や固形物が通過する配管内に設置される邪魔板や突起物によってその溶液や固形物を混合する装置や、上記配管内で機械的撹拌手段によって通過する溶液や固形物を混合する装置を含む概念である。また、「炭素含有率」とは、石炭から水分及び灰分を除いた有機質の含有率(質量%)を意味し、JIS−M8819(1997)に準拠して測定することができる。
以上説明したように、本発明の無灰炭の製造装置及び無灰炭の製造方法によれば、溶剤可溶成分の抽出時間を短縮できると共に抽出用設備を小型化できる。
本発明の第一実施形態に係る無灰炭製造装置を示す概略図である。 本発明の第二実施形態に係る無灰炭製造装置を示す概略図である。
以下、本発明に係る無灰炭の製造装置及び無灰炭の製造方法の実施形態について詳説する。
〔第一実施形態〕
図1の無灰炭製造装置1は、加熱した溶剤を供給する溶剤供給部2と、石炭を供給する石炭供給部3と、上記溶剤供給部2及び石炭供給部3から供給される上記溶剤及び石炭を混合する混合部4と、上記溶剤及び石炭が混合されたスラリーから石炭成分が溶解した溶液を分離する固液分離部5と、上記固液分離部5で分離された溶液からの溶剤の蒸発分離により無灰炭(HPC)を得る第1溶剤分離部6とを主に備える。上記混合部4は、ラインミキサー8を有している。また、当該無灰炭製造装置1は、上記固液分離部5で分離され溶剤に不溶な石炭成分(以下、溶剤不溶成分と呼ぶ)を含む固形分濃縮液から副生炭(RC)を得る第2溶剤分離部7を備える。
<溶剤供給部>
上記溶剤供給部2は、加熱した溶剤を混合部4へ供給する。溶剤供給部2は、図1に示すように溶剤タンク10、ポンプ11及び予熱器12を主に備える。
(溶剤タンク)
溶剤タンク10は、石炭供給部3から供給される石炭と混合する溶剤を貯蔵する。石炭と混合する溶剤は、石炭を溶解するものであれば特に限定されないが、例えば石炭由来の2環芳香族化合物が好適に用いられる。この2環芳香族化合物は、基本的な構造が石炭の構造分子と類似していることから石炭との親和性が高く、比較的高い抽出率を得ることができる。石炭由来の2環芳香族化合物としては、例えば石炭を乾留してコークスを製造する際の副生油の蒸留油であるメチルナフタレン油、ナフタレン油などを挙げることができる。
上記溶剤の沸点は、特に限定されないが、例えば上記溶剤の沸点の下限としては、180℃が好ましく、230℃がより好ましい。一方、上記溶剤の沸点の上限としては、300℃が好ましく、280℃がより好ましい。上記溶剤の沸点が上記下限未満であると、溶剤を蒸発させて無灰炭を得る無灰炭取得工程で溶剤を回収する場合に揮発による損失が大きくなり、溶剤の回収率が低下するおそれがある。逆に、上記溶剤の沸点が上記上限を超える場合には、溶剤可溶成分と溶剤との分離が困難となり、この場合も溶剤の回収率が低下するおそれがある。
(ポンプ)
上記ポンプ11は、混合部4へ接続する配管に配設されている。ポンプ11は、溶剤タンク10に貯蔵されている溶剤を供給管9を介して混合部4へ圧送する。
上記ポンプ11の種類は、上記溶剤を供給管9を介して混合部4へ圧送できるものであれば特に限定されないが、例えば容積型ポンプや非容積型ポンプを用いることができる。より具体的には、容積型ポンプとしてダイヤフラムポンプやチューブフラムポンプを用いることができ、非容積型ポンプとして渦巻ポンプなどを用いることができる。
上記ポンプ11により供給管9内を流れる溶剤の平均流速の下限としては、0.5m/sが好ましく、1m/sがより好ましい。一方、上記溶剤の平均流速の上限としては、4m/sが好ましく、3m/sがより好ましい。上記溶剤の平均流速が上記下限未満になると、溶剤及び石炭の混合されたスラリーのラインミキサー8内における撹拌力が低下し、無灰炭の製造効率が低下するおそれがある。逆に、上記溶剤の平均流速が上記上限を超えると、溶剤及び石炭の混合されたスラリーのラインミキサー8内における移動時間が短くなり過ぎ、ラインミキサー8で上記溶剤可溶成分を十分に抽出できないおそれがある。
なお、ポンプ11によって混合部4に供給する溶剤を乱流状態で供給するようにしてもよい。溶剤を乱流状態で混合部4に供給することにより、石炭供給部3から供給される石炭に溶剤が激しく衝突し、石炭がより早く溶解する。これにより、抽出時間がより短縮されると共に、抽出率がより向上する。ここで「乱流状態」とは、例えばレイノルズ数Reが2100以上の状態であり、より好ましくはレイノルズ数Reが4000以上の状態である。
(予熱器)
上記予熱器12は、ポンプ11よりも溶剤供給部2の下流側に配設されている。予熱器12は、ポンプ11によって圧送される溶剤を加熱する。予熱器12は、溶剤を加熱できるものであれば特に限定されないが、一般的には予熱器12として熱交換器が用いられる。予熱器12として用いる熱交換器としては、例えば多管式型、プレート型、スパイラル型などの熱交換器が用いられる。なお、図1に示す当該無灰炭製造装置1では、ポンプ11によって圧送された溶剤を加熱しているが、先に予熱器12にて加熱した溶剤をポンプ11で圧送するようにしてもよい。つまり、図1においてポンプ11と予熱器12との配置が逆であってもよい。
ここで、混合部4において高い抽出率が得られるスラリーの温度(抽出温度)は、300℃以上420℃以下程度である。従って、混合部4において石炭と混合されたスラリーがこの抽出温度となるような温度の溶剤を混合部4へ供給することが好ましい。この観点より、予熱器12の下流における溶剤の温度の下限としては、330℃が好ましく、380℃がより好ましい。一方、上記溶剤の温度の上限としては、450℃が好ましく、430℃がより好ましい。上記溶剤の温度が上記下限未満であると、混合部4で溶剤と石炭とが混合されたスラリーが抽出温度まで昇温され難くなり、石炭を構成する分子間の結合を十分に弱められず、抽出率が低下するおそれがある。逆に、上記溶剤の温度が上記上限を超えると、混合部4でスラリーの温度が高くなり過ぎ、石炭の熱分解反応により生成した熱分解ラジカルの再結合が起こるため、抽出率が低下するおそれがある。なお、上記予熱器12の下流における溶剤の温度とは、混合部4に供給される直前の溶剤の温度を意味する。
上記予熱器12は、供給管9内を流れる溶剤が予熱器12を通る間に上記範囲の温度となるよう加熱する。予熱器12での加熱時間は特に限定されないが、例えば10分以上30分以下である。また、予熱器12を通る前の溶剤の温度は100℃程度である。従って、予熱器12は、毎分当たり10℃以上100℃以下程度の加熱速度で溶剤を加熱できるものが好ましい。
また、上記予熱器12は、高圧下で溶剤を加熱することが好ましい。溶剤の蒸気圧などにもよるが、予熱器12が溶剤を加熱する際の圧力の下限としては、1MPaが好ましく、2MPaがより好ましい。一方、上記圧力の上限としては、5MPaが好ましく、4MPaがより好ましい。予熱器12が溶剤を加熱する際の上記圧力が上記下限未満であると、溶剤が揮発して混合工程において上記溶剤可溶成分の抽出が困難となるおそれがある。一方、上記圧力が上記上限を超えると、設備コスト及び運転コストが増加するおそれがある。
<石炭供給部>
上記石炭供給部3は、石炭を混合部4へ供給する。石炭供給部3は、常圧状態で使用される常圧ホッパ13と、常圧状態及び加圧状態で使用される加圧ホッパ14と、常圧ホッパ13と加圧ホッパ14とを接続する配管に配設される第1弁15と、加圧ホッパ14と混合部4の供給管9とを接続する配管に配設される第2弁16とを有している。加圧ホッパ14には、窒素ガスなどのガスを供給する加圧ライン17と、このガスを排気する排気ライン18とが接続されている。
常圧ホッパ13に貯蔵された石炭は、第2弁16が閉の状態で第1弁15を開とすることにより、まず加圧ホッパ14に移送される。このとき加圧ホッパ14は常圧状態である。次に、第1弁15を閉とし、加圧ライン17を介して窒素ガスなどのガスを加圧ホッパ14に供給する。その結果、加圧ホッパ14を含む第1弁15から第2弁16までの配管が加圧され、加圧ホッパ14内が加圧状態となる。この際、加圧ホッパ14内の圧力が供給管9内の圧力と同等又はそれ以上となるよう加圧することが好ましい。そして、第2弁16を開とすることにより、加圧ホッパ14内の石炭が供給管9へ供給される。このように加圧ホッパ14内が加圧状態となっているので、加圧ホッパ14内の石炭が供給管9へスムーズに供給される。なお、図1の石炭供給部3では、加圧ライン17及び排気ライン18は加圧ホッパ14に接続されているが、第1弁15と第2弁16との間であれば、加圧ホッパ14以外の配管等に接続されてもよい。
ここで、第1弁15及び第2弁16の種類は、特に限定されるものではないが、第1弁15及び第2弁16として、例えばゲートバルブ、ボールバルブ、フラップバルブ、ロータリーバルブ等を使用することができる。
石炭供給部3から供給する石炭としては、様々な品質の石炭を用いることができる。例えば抽出率の高い瀝青炭や、より安価な劣質炭(亜瀝青炭や褐炭)が好適に用いられる。また、石炭を粒度で分類すると、細かく粉砕された石炭が好適に用いられる。ここで「細かく粉砕された石炭」とは、例えば石炭全体の質量に対する粒度1mm未満の石炭の質量割合が80%以上である石炭を意味する。また、石炭供給部3から供給する石炭として塊炭を用いることもできる。ここで「塊炭」とは、例えば石炭全体の質量に対する粒度5mm以上の石炭の質量割合が50%以上である石炭を意味する。塊炭は、細かく粉砕された石炭に比べて石炭の粒度が大きいため、溶液分離工程での分離速度が早まり、沈降分離を効率化することができる。ここで、「粒度(粒径)」とは、JIS−Z8815(1994)のふるい分け試験通則に準拠して測定した値をいう。なお、石炭の粒度による仕分けには、例えばJIS−Z8801−1(2006)に規定する金属製網ふるいを用いることができる。
また、抽出時間の短縮という観点より、石炭供給部3から供給する石炭として劣質炭を多く含むものを用いることが好ましい。供給する石炭の全体量に対する劣質炭の割合の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。供給する石炭に含まれる劣質炭の割合が上記下限未満になると、溶剤可溶成分を抽出する時間が長くなり、ラインミキサー8で十分な抽出が行えないおそれがある。
上記劣質炭の炭素含有率の下限としては、70質量%が好ましい。また、上記劣質炭の炭素含有率の上限としては、85質量%が好ましく、82質量%がより好ましい。上記劣質炭の炭素含有率が上記下限未満の場合、溶剤可溶成分の抽出率が低下するおそれがある。逆に、上記劣質炭の炭素含有率が上記上限を超える場合、供給する石炭のコストが高くなるおそれがある。
なお、石炭供給部3から混合部4へ供給する石炭として、少量の溶剤を混合してスラリー化した石炭を用いてもよい。石炭供給部3からスラリー化した石炭を混合部4へ供給することにより、混合部4において石炭が溶剤と混合し易くなり、石炭をより早く溶解させることができる。ただし、スラリー化する際に混合する溶剤の量が多いと、ラインミキサー8でスラリーが抽出温度まで昇温し難くなり、抽出率が低下するおそれがある。
<混合部>
上記混合部4は、溶剤供給部2から供給される溶剤と石炭供給部3から供給される石炭とを混合する。混合部4は、供給管9に接続するラインミキサー8を有している。
(ラインミキサー)
上記ラインミキサー8は、供給管9を介して供給される溶剤及び石炭供給部3から供給される石炭を輸送しながら混合する。ラインミキサー8に供給される溶剤は、溶剤供給部2で加熱されており高温であるため、この高温の溶剤と混合される石炭は、ラインミキサー8内で急速昇温される。なお、ここで「急速昇温」とは、例えば毎秒当たり10℃以上100℃以下の加熱速度で加熱されることを意味し、予熱器12での加熱速度よりも速い。また、ラインミキサー8に供給される溶剤は抽出温度よりも高い温度まで加熱されているが、石炭と混合されると石炭の温度の上昇に溶剤の熱が使用されるので、スラリーの温度は予熱器12にて加熱された溶剤の温度よりも低下する。その結果、ラインミキサー8内で溶剤と石炭とが混合されたスラリーの温度は、数秒以上数十秒以下の間に抽出温度(300℃以上420℃以下程度)となる。
ラインミキサー8内で、石炭と高温の溶剤とが混合されたスラリーの温度が上記抽出温度となるよう石炭が昇温されることが好ましい。具体的には、溶剤と石炭とが混合されたスラリーの温度の下限としては、300℃が好ましく、350℃がより好ましい。一方、上記スラリーの温度の上限としては、420℃が好ましく、400℃がより好ましい。上記スラリーの温度が上記下限未満の場合、石炭を構成する分子間の結合を十分に弱められず、抽出率が低下するおそれがある。逆に、上記スラリーの温度が上記上限を超える場合、石炭の熱分解反応により生成した熱分解ラジカルの再結合が起こるため、抽出率が低下するおそれがある。
上記ラインミキサー8は、供給される溶剤と石炭とを短時間で混合できるものであればよく、例えばスタティックミキサー、ダイナミックミキサー、エレメント積層型ミキサー、マルチラインミキサー等を用いることができる。
上記スタティックミキサーとしては、例えばねじり羽根状(長方形の板をその長手方向の中心軸を中心として所定のねじり角度でねじった形状)の複数のエレメントを有し、このねじり羽根状のエレメントの外周端面(上記長方形の長辺部分)が管の内周面に接合して管内に配設されたものを用いることができる。具体的には、スタティックミキサーとしては、例えば株式会社ノリタケカンパニーリミテドのスタティックミキサー「N16」、Kenics社のスタティックミキサー、Sulzer社のスルザースタティックミキサーSMF型等を用いることができる。
スタティックミキサーは、供給される溶剤及び石炭に対応して、管内に一列に配設されるエレメントの形状及び個数を調節できる。上述の構造のスタティックミキサーでは、例えば隣接するエレメントを一定の角度(例えば90°)だけ回転した状態で管内に配設することや、各エレメントのねじり角度を変えることで形状の調節ができる。
また、ダイナミックミキサーとしては、ロータリー式ダイナミックミキサーやバイブロミキサー等を用いることができる。
上記ラインミキサー8内のスラリーが接する部分(例えばスタティックミキサーの内壁面及びエレメント)の材質としては、特に限定されないが、腐食し難い材質が好ましい。例えばSUS304やSUS316などのステンレス鋼製のラインミキサーを用いることが好ましい。
<固液分離部>
上記固液分離部5は、ラインミキサー9の排出口に直接接続されており、ラインミキサー9より排出されるスラリーから溶剤可溶成分が溶解した溶液を分離する。すなわち、当該無灰炭製造装置1は、溶剤可溶成分を抽出するための抽出槽を有しない。
固液分離部5における上記溶液の分離は、具体的には重力沈降法により、混合部4で溶剤及び石炭が混合されたスラリーから溶剤可溶成分が溶解した溶液と溶剤不溶成分を含む固形分濃縮液とに分離する。ここで重力沈降法とは、重力を利用して固形分を沈降させて固液分離する分離方法である。また、溶剤不溶成分とは、主に溶剤に不溶な灰分と不溶石炭とで構成されており、抽出に用いた溶剤も含まれている抽出残分をいう。
当該無灰炭製造装置1は、ラインミキサー8からスラリーを固液分離部5内に連続的に供給しながら、溶剤可溶成分を含む溶液を上部から排出し、溶剤不溶成分を含む固形分濃縮液を下部から排出することができる。これにより連続的な固液分離処理が可能となる。
溶剤可溶成分を含む溶液は、固液分離部5の上部に溜まる。この溶液は、必要に応じてフィルターユニット(不図示)にて濾過した後、第1溶剤分離部6に排出される。一方、溶剤不溶成分を含む固形分濃縮液は、固液分離部5の下部に溜まり、第2溶剤分離部7に排出される。
固液分離部5内でスラリーを維持する時間は、特に限定されないが、例えば30分以上120分以下であり、この時間内で固液分離部5内の沈降分離が行われる。なお、石炭として塊炭を使用する場合には、沈降分離が効率化されるので、固液分離部5内でスラリーを維持する時間を短縮できる。
固液分離部5内は、加熱及び加圧することが好ましい。固液分離部5内の加熱温度の下限としては、300℃が好ましく、350℃がより好ましい。一方、固液分離部5内の加熱温度の上限としては、420℃が好ましく、400℃がより好ましい。上記加熱温度が上記下限未満であると、溶剤可溶成分が再析出し、分離効率が低下するおそれがある。逆に、上記加熱温度が上記上限を超えると、加熱のための運転コストが高くなるおそれがある。
また、固液分離部5内の圧力の下限としては、1Mpaが好ましく、1.7Mpaがより好ましい。一方、上記圧力の上限としては、3Mpaが好ましく、2.3Mpaがより好ましい。上記圧力が上記下限未満であると、溶剤可溶成分が再析出し、分離効率が低下するおそれがある。逆に、上記圧力が上記上限を超えると、加圧のための運転コストが高くなるおそれがある。
なお、上記溶液及び固形分濃縮液を分離する方法としては、重力沈降法に限られず、例えば濾過法や遠心分離法を用いてもよい。固液分離方法として濾過法や遠心分離法を用いる場合、固液分離部5として濾過器や遠心分離器などが使用される。
<第1溶剤分離部>
上記第1溶剤分離部6は、固液分離部5で分離された上記溶液から、溶剤を蒸発分離させて無灰炭(HPC)を得る。
ここで溶剤を蒸発分離する方法として、一般的な蒸留法や蒸発法(スプレードライ法等)を含む分離方法を用いることができる。分離して回収された溶剤は、予熱器12よりも上流側の配管へ循環して繰り返し使用することができる。上記溶液からの溶剤の分離及び回収により、上記溶液から実質的に灰分を含まない無灰炭を得ることができる。
このように得られる無灰炭は、灰分が5質量%以下又は3質量%以下であり、灰分をほとんど含まず、水分は皆無であり、また例えば原料石炭よりも高い発熱量を示す。さらに無灰炭は、製鉄用コークスの原料として特に重要な品質である軟化溶融性が大幅に改善され、例えば原料石炭よりも遥かに優れた流動性を示す。従って無灰炭は、コークス原料の配合炭として使用することができる。
<第2溶剤分離部>
上記第2溶剤分離部7は、固液分離部5で分離された上記固形分濃縮液から、溶剤を蒸発分離させて副生炭(RC)を得る。
ここで固形分濃縮液から溶剤を分離する方法は、第1溶剤分離部6の分離方法と同様に、一般的な蒸留法や蒸発法(スプレードライ法等)を用いることができる。分離して回収された溶剤は、予熱器12よりも上流側の配管へ循環して繰り返し使用することができる。溶剤の分離及び回収により、固形分濃縮液から灰分等を含む溶剤不溶成分が濃縮された副生炭を得ることができる。副生炭は、軟化溶融性は示さないが、含酸素官能基が脱離されている。そのため、副生炭は、配合炭として用いた場合にこの配合炭に含まれる他の石炭の軟化溶融性を阻害しない。従ってこの配合炭は、コークス原料の配合炭の一部として使用することもできる。なお、配合炭は回収せずに廃棄してもよい。
<利点>
当該無灰炭製造装置は、石炭と加熱された溶剤がラインミキサーにより混合されるので、石炭が急速に昇温され上記溶剤及び石炭が混合されたスラリーが高温となり、ラインミキサー内で溶剤可溶成分を抽出できる。これにより、抽出のために用いる抽出槽を省略でき、設備コストを低減できる。
また、当該無灰炭製造装置は、ラインミキサーにより上記溶剤及び石炭が混合されたスラリーを輸送しながら上記溶剤可溶成分を抽出するので、上記溶剤可溶成分の抽出時間を短縮できる。
また、当該無灰炭製造装置は、従来の無灰炭製造装置のように溶剤及び石炭を混合したスラリーを加熱するのではなく、溶剤のみ加熱し、この加熱した溶剤を石炭と混合することにより石炭を昇温させる。スラリーよりも溶剤の方が取扱い易く、溶剤のみ加熱する方がスラリーを加熱するよりも加熱し易いので、当該無灰炭製造装置は、この点においてハンドリング性に優れる。
[無灰炭の製造方法]
当該無灰炭の製造方法は、石炭と溶剤とを混合してなるスラリーから無灰炭を得る無灰炭の製造方法である。当該無灰炭の製造方法は、溶剤を加熱して供給する工程(溶剤供給工程)と、石炭を供給する工程(石炭供給工程)と、ラインミキサーにより上記溶剤及び石炭を混合する工程(混合工程)と、上記溶剤及び石炭が混合されたスラリーから石炭成分が溶解した溶液を分離する工程(分離工程)と、上記分離工程で分離された溶液からの溶剤の蒸発分離により無灰炭を得る工程(無灰炭取得工程)と、上記分離工程で分離された固形分濃縮液からの溶剤の蒸発分離により副生炭を得る工程(副生炭取得工程)とを備える。以下、図1の無灰炭製造装置1を用いる当該無灰炭の製造方法について説明する。
<溶剤供給工程>
上記溶剤供給工程では、溶剤を加熱して混合部4へ供給する。具体的には、溶剤タンク10に貯蔵する溶剤をポンプ11により供給管9を介して混合部4へ圧送する。このとき、ポンプ11と混合部4との間の供給管9に配設されている予熱器12によって、供給管9内を流れる溶剤を抽出温度よりも高い温度まで加熱する。これにより、加熱された溶剤が混合部4へ供給される。
<石炭供給工程>
上記石炭供給工程では、石炭供給部3に貯蔵する石炭を混合部4へ供給する。このとき、混合部4に接続する供給管9内へスムーズに溶剤を供給できるよう、加圧ホッパ14内を加圧した状態で石炭を混合部4へ供給する。
<混合工程>
上記混合工程では、ラインミキサー8により、溶剤供給部2から供給される溶剤と石炭供給部3から供給される石炭とを輸送しながら混合する。溶剤及び石炭が供給される際、加熱された溶剤によって石炭が急速昇温され、溶剤及び石炭が混合されたスラリーは抽出温度となる。これにより、ラインミキサー8内で上記溶剤可溶成分が抽出される。
<分離工程>
上記分離工程では、上記混合工程で混合したスラリーから、溶剤可溶成分が溶解した溶液と、溶剤不溶性分を含む固形分濃縮液とを分離する。具体的には、ラインミキサー8から排出されるスラリーを供給し、固液分離部5内で例えば重力沈降法により供給されたスラリーを上記溶液及び固形分濃縮液に分離する。
<無灰炭取得工程>
上記無灰炭取得工程では、上記分離工程で分離された溶液から蒸発分離により無灰炭を得る。具体的には、固液分離部5で分離された溶液を第1溶剤分離部6に供給し、第1溶剤分離部6で溶剤を蒸発させて溶剤と無灰炭とに分離する。
<副生炭取得工程>
上記副生炭取得工程では、上記分離工程で分離された固形分濃縮液から蒸発分離により副生炭を得る。具体的には、固液分離部5で分離された固形分濃縮液を第2溶剤分離部7に供給し、第2溶剤分離部7で溶剤を蒸発させて溶剤と副生炭とに分離する。
<利点>
当該無灰炭の製造方法は、溶剤供給工程で溶剤を加熱して供給すると共に、混合工程でラインミキサーにより石炭と加熱された溶剤とを混合する。これにより、上記混合工程で供給される石炭が加熱された溶剤と混合されることにより急速に昇温され、上記溶剤及び石炭が混合されたスラリーが高温となるため、当該無灰炭の製造方法により、ラインミキサー内で溶剤可溶成分を抽出できる。その結果、当該無灰炭の製造方法により、抽出のために用いる抽出槽を省略でき設備コストを低減できる。
〔第二実施形態〕
図2の無灰炭製造装置21は、図1の無灰炭製造装置1に加えて、混合部4から排出されるスラリーを貯留する抽出槽22をさらに備える。当該無灰炭製造装置21は、抽出槽22を備えている以外は、上記図1の無灰炭製造装置1と同様の構成であるため、抽出槽以外については同一符号を付して説明を省略する。
<抽出槽>
上記抽出槽22は、ラインミキサー8から排出されるスラリーが供給され、このスラリーを所定時間貯留する。
上記抽出槽22は、撹拌機22aを有している。抽出槽22は、供給されたスラリーを撹拌機22aで撹拌しながら所定温度で保持することにより、上記溶剤可溶成分が抽出される。
第一実施形態で説明したように、ラインミキサー8内で上記溶剤可溶成分が抽出される。しかし、石炭の種類や温度、圧力等の条件により抽出時間が異なり、ラインミキサー8では十分に抽出ができない場合がある。このような場合、当該無灰炭製造装置21は、上記抽出槽22により、ラインミキサー8で混合され溶剤可溶成分が抽出されたスラリーに対してさらに上記溶剤可溶成分を抽出する。
ラインミキサー8内で上記溶剤可溶成分の抽出が進行しているため、抽出槽22における抽出時間は、調製したスラリーをラインミキサー8を介さずに抽出槽に供給する従来の抽出時間よりも短縮される。従って、当該無灰炭製造装置21は、抽出槽22を従来の抽出槽よりも小型にできる。
上記抽出槽22でスラリーを保持する所定温度(加熱温度)の下限としては、300℃が好ましく、350℃がより好ましい。一方、上記スラリーの加熱温度の上限としては、420℃が好ましく、400℃がより好ましい。上記スラリーの加熱温度が上記下限未満の場合、石炭を構成する分子間の結合を十分に弱めることができないため、抽出率が低下するおそれがある。逆に、上記スラリーの加熱温度が上記上限を超える場合、石炭の熱分解反応が非常に活発になり生成した熱分解ラジカルの再結合が起こるため、抽出率が低下するおそれがある。
なお、抽出槽22におけるスラリーの加熱抽出は非酸化性雰囲気で行うことが好ましい。具体的には、スラリーの加熱抽出を窒素等の不活性ガスの存在下で行うことが好ましい。窒素等の不活性ガスを用いることで、加熱抽出の際にスラリーが酸素に接触して発火することを低コストで防止できる。
スラリーの加熱抽出時の圧力は、加熱温度や用いる溶剤の蒸気圧にもよるが、例えば1MPa以上3MPa以下とすることができる。加熱抽出時の圧力が溶剤の蒸気圧より低い場合には、溶剤が揮発して上記溶剤可溶成分が十分に抽出されないおそれがある。一方、加熱抽出時の圧力が高すぎると、機器のコスト、運転コスト等が上昇する。
<利点>
当該無灰炭製造装置は、ラインミキサー及び抽出槽で溶剤可溶成分をより確実に抽出する。これにより、溶剤可溶成分の抽出時間が短縮できると共に抽出槽を小型化できる。
[その他の実施形態]
なお、本発明の固液分離装置及び固液分離方法は、上記実施形態に限定されるものではない。
つまり、石炭の種類や温度、圧力等の条件に対応して、複数のラインミキサーを直列又は並列に接続してもよい。上述したように石炭の種類や温度、圧力等の条件によって溶剤可溶成分の抽出時間が異なるが、ラインミキサー内のスラリーを輸送する経路を長くすることにより、抽出槽の省略又は小型化を促進できる。
また、上記石炭供給部は、上述した構成に限られず、溶剤が供給管から石炭供給部へ逆流することを防止しつつ、石炭を供給管にスムーズに供給することができるものであれば、図1に示す石炭供給部3以外の構成としてもよい。
以上説明したように、当該無灰炭の製造装置及び無灰炭の製造方法は、溶剤可溶成分の抽出時間を短縮すると共に抽出用設備を小型化できるので、石炭から無灰炭を得る際の装置及び方法として好適に用いることができる。
1 無灰炭製造装置
2 溶剤供給部
3 石炭供給部
4 混合部
5 固液分離部
6 第1溶剤分離部
7 第2溶剤分離部
8 ラインミキサー
9 供給管
10 溶剤タンク
11 ポンプ
12 予熱器
13 常圧ホッパ
14 加圧ホッパ
15 第1弁
16 第2弁
17 加圧ライン
18 排気ライン
21 無灰炭製造装置
22 抽出槽
22a 撹拌機

Claims (5)

  1. 溶剤及び石炭を混合する混合部と、
    上記溶剤を330℃以上450℃以下に加熱し、加熱した上記溶剤を平均流速0.5m/s以上4m/s以下、かつレイノルズ数Reが2100以上の乱流状態で上記混合部に供給する溶剤供給部と、
    上記石炭を上記混合部に供給する石炭供給部と、
    上記溶剤及び上記石炭が混合されたスラリーから石炭成分が溶解した溶液を分離する固液分離部と、
    上記固液分離部で分離された溶液からの溶剤の蒸発分離により無灰炭を得る溶剤分離部とを備え、
    上記混合部がラインミキサーを有する無灰炭の製造装置。
  2. 上記ラインミキサーの排出口が、上記固液分離部に直接接続される請求項1に記載の無灰炭の製造装置。
  3. 上記ラインミキサーより排出されるスラリーを貯留する抽出槽をさらに備える請求項1に記載の無灰炭の製造装置。
  4. 上記石炭供給部から供給する石炭が、炭素含有率が70質量%以上85質量%以下の劣質炭を80質量%以上含む請求項1、請求項2又は請求項3に記載の無灰炭の製造装置。
  5. 石炭と溶剤とを混合装置により混合してなるスラリーから無灰炭を得る無灰炭の製造方法であって、
    上記溶剤を330℃以上450℃以下に加熱し、加熱した上記溶剤を平均流速0.5m/s以上4m/s以下、かつレイノルズ数Reが2100以上の乱流状態で混合装置に供給する工程と、
    上記石炭を上記混合装置に供給する工程と、
    上記混合装置により上記溶剤及び上記石炭を混合する工程と、
    上記溶剤及び上記石炭が混合されたスラリーから石炭成分が溶解した溶液を分離する工程と、
    上記分離工程で分離された溶液からの溶剤の蒸発分離により無灰炭を得る工程と
    を備え、
    上記混合装置がラインミキサーであることを特徴とする無灰炭の製造方法。
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