JP6296901B2 - 立体物の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、立体物の製造方法およびその製造装置に関する。
従来、インクジェットヘッドから吐出されたインク滴で中間転写体上に画像を形成し、記録媒体に転写させるインクジェット転写記録方法が提案されている。通常、インクジェットで用いるインクは溶媒比率が多く、記録媒体のインク吸収率によって画像品位が大きく影響を受けるという問題があった。上述した方法は、中間転写体上で非インク吸収性を形成し、非インク吸収性中の溶媒成分を低下させた状態で記録媒体に転写することで、記録媒体のインク吸収率に関わらず、高品位の画像記録をなしうる技術として注目されている。
上述したインクジェット転写記録法で用いられる中間転写体には、インク非吸収表面を持つものが知られている。表面がインク吸収性であると、インク成分が中間転写体に残ってしまい、転写安定性に影響を及ぼしたり、残留物が次に転写するための画像を乱したりすることが懸念されるからである。
しかし、中間転写体の画像形成面がインク非吸収面である場合、中間転写体上に形成したインク画像が乱れやすいと言う課題がある。インクジェット用インクは通常、画像を形成する色材と、色材のキャリアとして働く溶剤で形成されている。一般的なインクジェットプリンターの場合、ヘッドから吐出されたインクが滴となり、画像形成面に着弾した後、インク中の溶剤が画像形成面に吸収されることで色材が設計位置に固定されて画像が形成される。ここで、画像形成面が非インク吸収性である場合、色材からキャリアが分離されないために画像形成面に色材が固定されにくく、乱れた画像が形成されてしまうことが危惧され。特に、カラー画像を形成する場合に、異色のインク同士が混ざってしまうと画像の乱れ感が大きくなる傾向にある。
これに対し、特許文献1には、着色インクを付与する前に、中間転写体上に反応液を付与しておく方法が提案されている。反応液の成分に、インク中の色材の流動性を止める材料を含ませて、キャリアが分離されなくても色材を固定しようとしたものである。この方法を用いると、インク中の色材を固定することで異なる色同士の混じりが抑制されて、良好な画像を得られるという効果が期待される。
特開2008−230062号公報
しかしながら、以下のような理由により、特許文献1の方法においては得られる効果が制約される可能性がある。この制約は、反応液の付与量に関わるものである。反応液量が多い場合、インク滴は中間転写体の表面に到達する前にインク中の色材が膜化してしまう。この状態ではインク膜と画像形成面との間に反応液が存在するのでインク膜自体が動くことが可能であり、不安定な状態である。さらに、複数のインク滴は、時間差を持って順次着弾するため、インク滴の着弾衝撃が反応液中を伝わり、膜化して得られたインク膜を移動させる力として働いてしまう恐れがある。ちょうど、水溜りに浮かんだ木の葉が、水溜りに滴り落ちる雨粒が起こす波のせいで揺れるような現象がミクロ的に起こり、画像を乱してしまうのである。このような現象が生じると、所望の画像が得られない畏れがある。
ここで、反応液量を少なくして上述の問題を回避しようとして、反応液を高濃度化して薄膜化する方法を取ることにも課題がある。中間転写体は転写率を向上させるためにシリコーンやフッ素化合物などの離型性の良い素材を表面に用いることが多い。このような離型性の高い表面は表面エネルギーが低く、液体を弾きやすいため、離型性の高い中間転写体表面への液体による薄膜形成は、塗布ムラや塗布欠けが生じ易くなるため、非常に困難である。高濃度化した反応液は粘度も高くなりがちであり、コーティングロールやドクターブレード等の塗布手段への付着力が高まるため、塗布による薄膜形成はさらに困難なものとなる。
厚膜で塗布した後に乾燥によって薄膜化する場合でも、塗布ムラや塗布欠けについては同じである。蒸発とともに反応液が不規則に流動し、膜が不均一なものとなってしまうためである。
また、仮に、反応液によって薄膜状の層を形成できたとしても、着弾したインクを固定化してできるインク膜の高さに周囲の反応液が引き寄せられてしまうため、画像形成が進むにつれ、着弾したインク膜周囲のエリアは反応液不足になる状態が生じてしまう。
本発明は上記を鑑みなされたものであり、画像形成面への反応液の層形成が難しい制御を要することなく行え、所望の画像を高い精度で形成することが可能な画像形成方法を用いた立体物の製造方法およびその製造装置を提供することが可能となる。
本発明は、複数のレイヤーを積層することにより立体物を製造する立体物の製造方法であって、中間転写体の表面に設けられたインクと反応する泡状の反応液の層にインクを付与し、付与されたインクによる画像を形成する工程と、形成された前記画像に前記レイヤーを形成するための粉末を付与し、前記レイヤーを形成する工程と、前記レイヤーを前記中間転写体から前記立体物となるためのレイヤーの積層物に転写する工程と、を有し、前記レイヤーを形成する工程において、前記粉末を前記反応液の層の領域の前記インクによる画像が形成されていない非画像部にも付与し、前記非画像部の粉末を除去する工程を有することを特徴とする立体物の製造方法である。
本発明によれば、泡状の反応液を画像形成面へ付与することで、簡単な方法を利用して反応液を付与でき、かつ、画像形成面上で反応液の作用によりインクを効率的に固定することができる。そのため高い精度で画像を形成することが可能な画像形成方法を用いた立体物の製造方法およびその製造装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る印刷装置の一例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態と比較形態とに係る画像形成方法の工程の一部の様子を示す図である。 本発明の実施形態に係る印刷装置の一例の制御系を説明するためのブロック図である。
以下、図面を参照し、発明の内容を詳細に説明する。
図1に本発明の基本構成をとった印刷装置の一例を示す。図示した印刷装置はインクジェット転写記録方法を用いた立体物形成装置100である。立体物形成装置100内では、ベルト状の中間転写体1が搬送ローラー2(矢印の方向に回転)により移動する。中間転写体1の表面の画像形成面は、反応液塗布装置3、インクジェット装置4、水分除去装置5、の順にそれぞれの対向位置を通過するように、X方向に移動する。その過程で、反応液11、インク、の順にインクに関して非吸収性を示す中間転写体1の画像形成面に付与され、さらに、運ばれてきた記録後のインク画像12から、水分除去装置によってインクと反応液の混合物から水分が除去され、画像が形成される。
ここで、記録媒体の非インク吸収性の面に直接画像記録して記録物を得る用途に用いる場合は、この状態から、必要に応じて記録画像に加熱、光照射によりキュアをして完成となる。例えばステンドグラス、カラーフィルター等を製造する場合は、上述のような中間転写体1ではなく、ガラス等の非インク吸収性面を持つ記録媒体を使用し、その面に記録画像を形成することにより製造する。
転写記録の場合は記録媒体と中間転写体を接触させることで画像転写を行う構成をとることが出来る。例示する装置では、この後さらに、モデル材付与装置6、加熱装置7を通過させ、形成したインク画像が各装置と対向する位置で、造形材料としてのモデル材の付与、加熱を行う。そして、所定厚みをもたせたインク画像に対応するレイヤーを形成し、このレイヤーを積層装置8で積層して積層物14を増設してゆき、立体物を形成する。
なお、図1において、反応液11、記録直後のインク画像12及び水分除去後のインク画像13、積層物14は、模式的にY方向の高さを強調して記載している。
ここで、インクジェット方式により吐出されたインクにより画像を形成するための中間転写体1であるが、画像形成の精度上、平面であることが望ましい。平面であれば、シート状、ロール状、ベルト状など、様々な形状に対応することが出来る。また、非平面形状、たとえばパッド印刷のパッド面などでも要求される画像形成の精度に応じて用いることが出来る。
中間転写体1の表面特性は、転写性能の面で離型性を有していることが望ましい。転写率の向上は、形成する画像の安定化のみならず、転写後の中間転写体表面のクリーニング負荷を軽減することが出来る。さらに、被転写体である記録媒体への表面追従性を高める必要がある場合は、表面に弾性を有することが望ましい。中間転写体1の材料としては、例えば、フッ素やシリコーンコーティング等で離型処理を施した金属及びプラスチックフィルム、シリコーンゴムやフッ素ゴム等で表面が作られたローラーやベルト等が挙げられる。また、これらの材料の表面に、プラズマやUV光などのエネルギーを照射したり、界面活性剤の付与を行ったりして反応液等の表面に付与する材料に対する濡れ性を調整した画像形成面を提供することも可能である。また、中間転写体1の素材自体に離型性が無くとも、インク画像形成前に離型剤を付与することでも離型性を向上させる事が出来る。
以下に本実施形態に係る画像形成の方法の手順について説明する。
まず、反応液付与装置3によって中間転写体1の表面に反応液を付与する。詳しくは後述するが、泡状の状態の反応液を中間転写体1の表面に提供する。反応液はインクと反応し、少なくともインク中の色材の流動性を抑制しうるものが対象となるが、用いるインクの特性、求める画像品質や生産性を考慮して選択されることが望ましい。
インクジェットインクとして好適に用いられる水系インクを例にとると、凝集反応、ゲル化反応、塩析出反応、酸塩基反応などが単独、もしくは複合的に利用可能な反応であるが、中でも凝集反応は好適である。特に、顔料インクに対して金属塩を反応液とする組み合わせはバインダーの総量を低く設計出来、画像膜が薄くなることで画像品質が良く、反応速度も速いので生産性の面でも好適である。
反応液の材料の例としては、インクと逆極性を有するイオン性物質が挙げられる。インクジェットインクがアニオン性で設計される場合には、金属塩水溶液、とりわけ2価以上の多価金属塩水溶液が好ましい。多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+等の二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+等の三価金属イオンが挙げられる。又、これらと結合する陰イオンとしては、Cl−、NO3−、SO42−、I−、Br−、ClO3−、RCOO−(Rは、アルキル基)等が挙げられる。
これらの金属塩と酸を併用するとさらに反応性を高めることが出来る。酸は、インクに添加する塩基成分により容易に反応させることが出来るので、単独で用いる事もできる。
酸としては、特に有機酸が好ましく、具体例としては、シュウ酸、ポリアクリル酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸が挙げられる。また、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等も挙げられる。
後述するように反応液を泡状としたことにより、ある種同士の組合せでは反応性が向上する事もあるので、使用するインク、反応液によって反応液の成分をよく調整することが好ましい。
本実施形態にいては、反応液を泡状にする必要があり、そのためには界面活性剤の添加は非常に効果的である。求める塗布膜厚や安定性、泡サイズや密度(気泡混入率)等により適選選択し用いることが好ましい。インクとの反応性が必要な程度に得られるように考慮しながら界面活性剤を使用することが望ましい。界面活性剤の例としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、水溶性のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
反応液は、上記したようなイオン性物質に加え、水溶性有機溶剤、pH調整剤、水等を含有させ、粘度や表面張力等の物性の調整に利用することが出来る。各材料の配合比は用いるインクとの反応性に合わせて配合することが望ましいが、目安として、イオン性物質5〜20%、水溶性有機溶剤5〜30%、水70〜90%、その他材料は数%以下程度の重量パーセンテージである。
さらに、粘度等調整用にポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどのノニオン性水溶性樹脂を反応液に含有させる事もできる。
反応液付与装置における反応液の付与手段には特段の限定はないが、インクジェット装置4から吐出されるインク滴と接触させる際には反応液を泡状としておく必要がある。非発泡の液体の状態で中間転写体1上に供給し、光反応や熱反応で反応液を発泡させる事も可能であるが、あらかじめ泡状体としてから付与するほうが塗布性や安定性の面で好ましい。
反応液の泡化には、高圧下で気体を十分溶解させたあと減圧により気泡化させることによって泡立てる方法や、ホモジナイザーのように反応液と気体を高速攪拌する方法を取ることができる。また、多孔質体を介して反応液中に気体を混入させる方法、超音波振動などを与えて泡化するなどの方法を取る事が出来る。本発明における泡の指標とは、たとえば気体比率がある。これは泡の体積中に占める気体の体積であるが、たとえば泡中の半分が気体、半分が反応液成分とすると、気体比率は50%と示され、気体分が増えるほど数値は大きくなる指標である。気体比率は反応液の強さ、泡のサイズ、塗布膜厚、単位面積あたりのインク付与量、塗布から画像形成に至るまでの所要時間等で最適化されるべき値である。本実施形態においては、気体比率が10%以上となると後述するインクの固定の効果がより向上し、この効果をさらに向上させるためには30%以上がより望ましく、さらに好ましいのは50%以上である。上限はインクとの反応性が保たれる範囲であれば特段の制限は無いが、泡の安定性などを考慮すると、75%以上から90%が目安となると思われる。泡のサイズも指標となりうる値であるが、これも、求める画像品位や泡の安定性などを考慮して調整されるべき値である。泡のサイズが微細であるほど画像品位は向上する傾向が見られ、泡の安定性も高くなる。目安としては、形成されるインクドットの直径の2倍以下の泡が個数比で50%程度含まれていればインクの固定の効果がより向上する。そして、より好ましくはインクドット直径以下の泡が50%以上、さらに好ましくはインクドット直径の半分以下の泡が50%以下であることが好ましい。
また、泡状反応液に含まれる気体は、空気でなくとも良く、たとえば窒素ガスなどを用いると反応液の酸化が抑制されるなどの効果を得る事もできる。
予め泡状にした反応液の付与手段としては、一般的なスプレーコートやブレードコート等の手段を用いることができ、付与範囲を画像形成部分を含んだ領域全体としても画像形成部分だけとしても良い。ロールコートを用いてもかまわない。反応液は透明であることが好ましいが、多少不透明な反応液であってもインクに比べ付与量が少なくて済む分、印刷画像の発色に対する影響は少ないため、用いることが可能である。
次いで、インクジェット装置4によってインクを吐出することによって、泡状の反応液11が付与された中間転写体1の画像形成面にインクを付与する。
画像形成に用いるインクは、用いる反応液との反応特性等を考慮して選ぶことができる。中でも、反応が俊敏なイオン反応を用いることが出来る水系インクが好適である。水系インクの中でも、色材がイオン化しない顔料インクは、先に挙げた金属塩反応液との相性が良く、非常に好ましい。顔料インクの場合、色材としての顔料の他に、分散樹脂、分散助剤、水溶性有機溶剤、pH調整剤、界面活性剤、水などを添加して物性を整えることが出来る。各材料の配合比は印刷する画像や、用いる反応液に合わせて配合することが望ましいが、目安として、顔料1〜10%、水溶性有機溶剤5〜30%、水70〜90%、その他材料は数%以下程度の重量パーセンテージである。
インクを付与するインクジェット装置に特段の限定は無く、サーマル方式であるかピエゾ方式であるかといった吐出原理に依存する事無く使用することができ、形態としてもシリアルスキャン式でもライン式でも限定なく使用することが出来る。
次いで、インクを付与することで中間転写体上に形成されたインク画像12から、水分除去装置5によって溶媒を除去する。例えば、この装置から温風を吹き出してインク画像の乾燥を促進させる。
次いで、水分除去装置5による水分の除去を経て適切な水分量となったインク画像13にモデル材を付与する。粉末状態で付与されたモデル材はインク画像に付着する、次いで振動やエアブローを与えることにより非画像部のモデル材が除去されてパターニングがなされる。
モデル材のパターニングは、インク画像中のインクが粘着材となり、インクパターンを介して中間転写体上にモデル材粉末を保持することで達成される。よって、モデル材を確実にパターニングするためには、インクパターン上とインクパターン外で粘着力差を大きくすることが重要となる。ここで、従来のように反応液を泡状でない液体のまま使用すると、インクと反応液はほぼ均一に乾燥してしまうので反応液+インクの部分と反応液のみの部分との粘着力差を大きくすることが困難である。しかし、反応液を泡状にして用いれば、インクの水分量に対して反応液の水分量は非常に少ないものとなり、反応液のみの部分の水分量を、反応液+インクの部分の水分量に比べて非常に少なく抑えることが可能となる。そのため、インクパターンとインクパターン外との粘着力差を大きくすることが出来る。
次に、インクパターン状に保持されたモデル材粒子を加熱装置7により溶融、膜化させ事で、立体物を形成する樹脂層であるレイヤー15を形成する。このレイヤー15を溶融状態のまま、積層位置まで移動させ、積層装置8にて積層済みの複数の前レイヤーの積層物と圧接し、積層物の一部とする。この工程を所定回繰返すことで設計された立体が完成する。
図3は図1の印刷装置の制御系を示すブロック図である。装置全体を符号100で示す印刷装置において、101は系全体の主制御を成すCPUであり、各部を制御する。102はメモリであり、CPUが実行する基本プログラムを格納したROMや、103インターフェイスから取り込まれる104印刷物データの保存や、データ処理を行うためのワークに使用されるRAM等により構成される。
CPU101が印刷開始の信号を受取ると、印刷装置および印刷物データに設定された条件に従い搬送ローラー2、反応液付与装置3、インクジェット装置4、水分除去装置5、モデル材粉末付与装置6、加熱装置7、積層装置8の状態確認のための通信を行う。印刷可能であることが確認できれば、搬送ローラー2により中間転写体1が搬送される。中間転写体1の位置の各装置についての設定位置になると、反応液塗布装置3、インクジェット装置4、水分除去装置5、モデル材粉末付与装置6、加熱装置7、積層装置8が所定動作を行う。レイヤーの作成→積層というプロセスを設定された回数繰返すと立体物が完成する。
以下に、図2を参照し、本実施形態の反応液の付与から水分の除去までの工程と、比較の形態の工程とを対比して、本実施形態の効果について詳述する。
図2は本実施形態に係る画像形成方法の工程と比較形態の画像形成方法の工程とのそれぞれの一部を模式的に示す断面図である。図2における(a1)〜(e1)は反応液を泡状で使用しない、すなわち従来の工程を示し、(a2)〜(e2)は反応液を泡状にして用いる本実施形態の工程を示している。
まず、(a1)、(a2)は、それぞれの形態において、中間転写体1の非吸収性の画像形成面に反応液が付与され、インクジェットヘッドから吐出されたインク滴A21が着弾する直前の状態を示している。(a1)では、泡状ではない反応液22が、(a2)では、泡状の反応液11がそれぞれ中間転写体1の表面に設けられている。
次いで(b1)、(b2)は、それぞれの形態にてインク滴が反応液と接触し、インク膜となった状態を示している。(b1)では、インクと反応液の物性(主に密度)がほぼ同じなのでインク滴の滴下方向への移動が反応液22に阻まれながら、インクが膜化する。よって、中間転写体1とインク膜23との間には反応液が存在する。これに対して実施形態では、(b2)に示すようにインク滴A21の着弾とともに泡状反応液の気泡が破壊され、反応液によるインク滴A21への抵抗は少なく、インク滴21Aは中間転写体1の表面に到達してインク膜23を形成する。
(c1)、(c2)では、それぞれすでに形成されたインク膜23の近傍にインク滴B24が着弾していく時の状態を示す。(c1)に示される比較形態では、インク滴の着弾の衝撃が吸収されずに反応液の膜中に伝わり、反応液の膜にひずみが現れる。これに対して実施形態では、(c2)に示すように泡中で消泡、もしくは気泡の収縮が起こることでインクの着弾衝撃を吸収することが出来る。
(d1)、(d2)は、上述した(c1)、(c2)で示した状態から一定時間経過した後の状態を示している。比較形態に関しては、インク滴Bの着弾時に生じた衝撃が反応液を介して先に形成されていたインク膜23に伝わり、インク膜23の位置が設計位置(図中の1点鎖線)からずれてしまっている様子が(d1)に記載されている。これに対して、実施形態では泡状の反応液中の気泡が消滅、もしくは収縮することでインク滴B24の着弾衝撃を吸収しているので、先に形成されたインク膜23は移動する事無く設計位置(図中の1点鎖線)に留まることが出来る(d4)。
(e1)、(e2)は、それぞれの形態において形成されたインク画像に温風を当て水分除去を行っている様子を示している。比較形態に関して、(e1)は、反応液の蒸発とともに反応液が流動し、反応液に浮いている状態のインク膜23は不規則に移動し、結果として画像が歪んでしまう様子を示している。これに対して実施形態では、(e2)に示すように、反応液の蒸発による対流に先立ち気泡の消滅が起こるので蒸発に伴う反応液の対流が起こりにくい。また、インク膜23は中間転写体1の表面に接しているため多少の応力を受けても移動しにくい。よって、本実施形態では、画像形成面が非インク吸収性であっても非常に高品位な画像形成が行えるのである。
(実施例1)
本発明の実施例として、図1を用いて説明した印刷装置を利用して立体物を製造する例を説明する。
まず、0.3mmステンレスベルトの上にゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学製 KE42(商品名))を0.2mmの厚さでコーティングした。そしてシリコーンゴムを硬化させた後に表面を平行平板式大気圧プラズマ装置(積水化学製 ATP203(商品名))にて表面親水化した物を中間転写体1として使用した。
この中間転写体1上にドクターブレード方式の塗布装置を用いて泡状反応液11を全面に5μm厚さで塗布した。使用した反応液を下記に示す。
<反応液処方>
CaCl2/2H2O:10重量部
AES系市販界面活性剤:1重量部
ジエチレングリコ−ル:20部
純水:69部
<反応液の泡化>
反応液中に口径0.01μmの多孔質体を介してバブリングし、気体比率が約70%とした。この時点での泡の平均径は10〜20μmであった。
次いで、インクジェット装置(ノズル密度1200dpi 吐出液滴量4pl 1ノズル当たりの最大駆動周波数10khz)にて上述の泡状反応液が塗布された中間転写体1上にインク画像12を形成した。インクジェットによる吐出は、作成する立体物のスライスデータに相当する設計画像(最大インク付与量:400%=画像データの1画素当りに4ドット)に従いインク画像を形成した。使用したインク(4色)を下記に示す。
<インク処方>
顔料:4重量部
ブラック:カーボンブラック
シアン:ピグメントブルー15
マゼンタ:ピグメントレッド7
イエロー:ピグメントイエロー74
樹脂 スチレン−アクリル酸エチル共重合体:2重量部
(酸化220 平均分子量5000)
エチレングリコール:4重量部
エチルアルコール:4重量部
界面活性剤:界面活性剤(川研ファインケミカル製 アセチレノールEH):1重量部
純水:85部
次いで、搬送により運ばれてきた中間転写体1上のインク画像12に対し、水分除去装置5を利用して50℃の温風を10秒間放射した。放射後の時点でインクが付与されなかった非画像部の泡状反応液は消滅したことが、目視で確認できた。
次いで、モデル材粉末付与装置6にてポリプロピレン樹脂粉末(平均粒径70ミクロン)を温風照射後のインク画像の全面に付与した。そしてインクが付与されなかった非画像部付着の樹脂粉末を徐電エアブローにて除去した(インクが接着剤として作用するのでインク残存部のみ樹脂粉末が残った。)。
次いで、加熱装置7にて転写体温度を約180℃に加熱し、このインク画像に付着した樹脂粉末を溶解させてレイヤーを形成した。
次いで、積層装置8にて溶解したレイヤーを転写し、自然冷却した後に剥離することにより、構造体となる積層物に積層した。
このような積層を重ねることで立体物が完成した。完成した立体物は形状精度が良好であった。
(比較例1)
実施例1において、実施例1に用いた反応液を泡化せず中間転写体上に1.5μm厚(実施例1と反応成分量が同等量)に塗布した。塗布は実施例1で使用したブレードコーターでは所望膜厚に塗布できなかったため、ロールコーターを用いて行った。
次いで、実施例1と同様のインクジェット記録装置とインクジェットインクを用いて同様の画像形成を行った。インク画像は隣接にインク滴が着弾する度に初期位置からずれてしまう現象が確認された。
次いで、実施例1と同様に温風を当ててインク画像を乾燥させた。乾燥とともにインクパターンが密集するエリアや端部へインクパターンが寄り集まってゆくような現象が確認された。
次いで、実施例1と同様にモデル材粉末供給装置にてモデル材粉末をインク画像に供給し、除電エアブローを行ったが、十分に非画像部のモデル材粉末を除去できなかった。
ここで、上述したインク画像の温風乾燥に代えて、乾燥時間を3倍の30秒間として乾燥を行い、その後にモデル材粉末を供給し、除電エアブローを行なった。インクが付与されていない非画像部のモデル材粉末は除去できたが、インクパターン上のモデル材粉末も除去されてしまった。これは温風乾燥の際に反応液とともにかなりのインクが蒸発してしまったためであると考えられる。

Claims (6)

  1. 複数のレイヤーを積層することにより立体物を製造する立体物の製造方法であって、
    中間転写体の表面に設けられたインクと反応する泡状の反応液の層にインクを付与し、付与されたインクによる画像を形成する工程と、
    形成された前記画像に前記レイヤーを形成するための粉末を付与し、前記レイヤーを形成する工程と、
    前記レイヤーを前記中間転写体から前記立体物となるためのレイヤーの積層物に転写する工程と、
    を有し、前記レイヤーを形成する工程において、前記粉末を前記反応液の層の領域の前記インクによる画像が形成されていない非画像部にも付与し、前記非画像部の粉末を除去する工程を有することを特徴とする立体物の製造方法。
  2. 前記泡状の反応液は、積中に10%以上の気体を気泡として含有することを特徴とする請求項1に記載の立体物の製造方法。
  3. 前記インクが水系の顔料インクであり、前記反応液は金属塩の水溶液であることを特徴とする請求項1または2に記載の立体物の製造方法。
  4. 複数のレイヤーを積層することにより立体物を製造する立体物の製造装置であって、
    中間転写体の表面に設けられたインクと反応する泡状の反応液の層にインクを付与し、付与されたインクによる画像を形成する手段と、
    形成された前記画像に前記レイヤーを形成するための粉末を付与し、前記レイヤーを形成する手段と、
    前記レイヤーを前記中間転写体から前記立体物となるためのレイヤーの積層物に転写する手段と、
    を有し、前記レイヤーを形成する手段は、前記レイヤーの形成において、前記粉末を前記反応液の層の領域の前記インクによる画像が形成されていない非画像部にも付与し、前記非画像部の粉末を除去することを行うことを特徴とする立体物の製造装置。
  5. 前記泡状の反応液は、体積中に10%以上の気体を気泡として含有することを特徴とする請求項4に記載の立体物の製造装置。
  6. 前記インクが水系の顔料インクであり、前記反応液は金属塩の水溶液であることを特徴とする請求項4または5に記載の立体物の製造装置。
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