発明者は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)におけるスフィンゴシンキナーゼ−1(SK−1)酵素の過剰発現によって、EPCを作製した(Bonder et al.,(2009)。SK−1は高レベルで発現され、内皮前駆細胞(EPC)の表現型の維持、すなわち該細胞が成熟内皮細胞に分化するのを妨げること、に少なくとも部分的には関与している。これらの細胞をEPCのモデルとして通常用いることで、発明者は、内皮細胞等の他の細胞と比較してEPC内で発現増加された、細胞表面タンパク質等のタンパク質を特定した。
発明者はまた、CD133を発現している非接着性EPCを臍帯血から単離し、内皮細胞等の他の細胞と比較してこれらの細胞上で増加したレベルで発現されている細胞表面生物マーカーを特定した。発明者は、核酸に基づくアプローチおよびプロテオミクスに基づくアプローチを用いて、これらのマーカーを特定した。 発明者はまた、EPCのマーカー(DSG2)も、in vivoの血管細胞上で発現されることを示した。また、DSG2はいくつかのメラノーマ細胞上で発現されており、発明者は、内皮細胞およびメラノーマ細胞が共培養される場合に、DSG2を阻害することによって、管腔形成が減少され得ることを示した。
従って、本発明の一例は、細胞の内部もしくは表面上の、または細胞から分泌された、表1に記載の核酸もしくはタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルを決定することを含む、EPCの検出方法を提供するものであり、ここで、別の細胞型と比較した場合の、表1に記載の核酸もしくはタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルの増加は、EPCであることを示している。
一例では、前記核酸またはタンパク質は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで発現される。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで発現される。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、265、267、269、271、273、275、277、279、281、305、307、309、311、313、315、317、319、321、323、325もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、266、268、270、272、274、276、278、280、282、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、265、305、307、309、311もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、266、306、308、310、312もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、45、47、49、51、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、99、103、111、113、119、121、123、125、131、133、135、137、139、161、163、237、305もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、8、18、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも4倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、13、7、19、21、27、29、37、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、99、103、111、121、123、125、131、133、135、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、14、8、20、22、28、30、40、46、48、56、58、60、62、64、66、68、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、27、29、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、103、121、123、125、131、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、28、32、36、38、46、48、50、52、54、56、58、102、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも6倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、39、45、47、55、57、59、61、63、121、123、125、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、20、40、46、48、56、58、60、62、64、122、124、126、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
一例では、本方法は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15もしくは17の配列を含む核酸またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸の発現レベルを決定することを含み、あるいは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列を含む、該核酸によってコードされるタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質の発現レベルを決定することを含む。
一例では、前記核酸の発現レベルはマイクロアレイを用いて評価される。
一例では、あるタンパク質または核酸は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を有する(例えば、全て有する):
EPC上に発現され、内皮細胞上では低い、または検出不可能な発現を有し;
あるタンパク質は細胞表面上に発現され;
あるタンパク質は膜貫通領域を含有する。
一例では、前記タンパク質は、DSG2、EMB、EMR2、NKG7、ADCY7、SLC39A8、TM7SF3、NCSTN、SIRPB1、INSRR、PKD2L1、DPP6、LRRC33、SLC1A5からなる群から選択され、あるいは、前記核酸は上記タンパク質のうちのいずれか1つをコードする。
一例では、本方法は、配列番号15、1、17、337、9、13、3、5、177、331、233、227、193、339もしくは225の配列を含む核酸またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸の発現レベルを決定することを含み、あるいは、配列番号16、2、18、338、10、14、4、6、178、332、234、228、194、340もしくは226の配列を含む、該核酸によってコードされるタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質の発現レベルを決定することを含む。
一例では、本方法は、配列番号15の配列を含む核酸またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸の発現レベルを決定することを含み、あるいは、配列番号16の配列を含む、該核酸によってコードされるタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質の発現レベルを決定することを含む。
一例では、本方法は、配列番号17の配列を含む核酸またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸の発現レベルを決定することを含み、あるいは、配列番号18の配列を含む、該核酸によってコードされるタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質の発現レベルを決定することを含む。
一例では、本方法は、配列番号1の配列を含む核酸またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸の発現レベルを決定することを含み、あるいは、配列番号2の配列を含む、該核酸によってコードされるタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質の発現レベルを決定することを含む。
本開示の別の例は、細胞の内部もしくは表面上の、または細胞から分泌された、表2に記載の細胞接着分子であるタンパク質もしくは該タンパク質をコードする核酸、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルを決定することを含む、EPCの検出方法を提供するものであり、ここで、別の細胞型と比較した場合の、表2に記載の核酸もしくはタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルの増加は、EPCであることを示している。
一例では、本開示の方法は、免疫グロブリン、配列番号2、24もしくは26の配列を含む細胞接着タンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質であるタンパク質の発現レベルを決定することを含み、あるいは、該タンパク質をコードする核酸、配列番号1、23もしくは25の配列を含む核酸またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸の発現レベルを決定することを含む。
本開示のさらなる一例は、細胞の内部もしくは表面上の、または細胞から分泌された、表3に記載の輸送タンパク質もしくは該タンパク質をコードする核酸、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルを決定することを含む、EPCの検出方法を提供するものであり、ここで、別の細胞型と比較した場合の、表3に記載の核酸もしくはタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルの増加は、EPCであることを示している。
本開示の別の例は、細胞の内部もしくは表面上の、または細胞から分泌された、表4に記載の増殖因子タンパク質もしくは該タンパク質をコードする核酸、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルを決定することを含む、EPCの検出方法を提供するものであり、ここで、別の細胞型と比較した場合の、表4に記載の核酸もしくはタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルの増加は、EPCであることを示している。
本開示のさらなる一例は、細胞の内部もしくは表面上の、または細胞から分泌された、表5に記載の受容体タンパク質もしくは該タンパク質をコードする核酸、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルを決定することを含む、EPCの検出方法を提供するものであり、ここで、別の細胞型と比較した場合の、表5に記載の核酸もしくはタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルの増加は、EPCであることを示している。
本開示のさらに別の一例は、細胞の内部もしくは表面上の、または細胞から分泌された、表6に記載の酵素タンパク質もしくは該タンパク質をコードする核酸、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルを決定することを含む、EPCの検出方法を提供するものであり、ここで、別の細胞型と比較した場合の、表6に記載の核酸もしくはタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質の発現レベルの増加は、EPCであることを示している。
一例では、本開示のいずれかの方法のタンパク質対象は、EPCの内部もしくは表面上の、またはそれから分泌された、細胞表面タンパク質である。
一例では、核酸またはタンパク質の発現レベルは、EPC以外の内皮細胞の内部または表面上、例えば、血管内皮細胞の内部または表面上での核酸もしくはタンパク質の発現レベルと比較して、EPCの内部または表面上で増加する。一例では、EPC以外の細胞は、CD34を発現している内皮細胞である。
一例では、前記細胞の内部もしくは表面上の、またはそれから分泌された、表1〜6のいずれか1つに記載のタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質の発現レベルが決定される。例えば、前記タンパク質のレベルは、化合物−タンパク質複合体が形成されるのに十分な条件下で、ある時間、前記細胞と、前記タンパク質に結合する化合物とを接触させること、および該複合体のレベルを検出することにより決定され、ここで、該複合体のレベルは、前記細胞上の前記タンパク質のレベルを示すものである。この点において、前記タンパク質に特異的に結合するいずれの化合物も、本開示の方法の実行に適している。
例示的な化合物には、抗体および抗体の抗原結合領域を含むポリペプチドが含まれる。
一例では、本方法は、CD34(例えば、高レベルのCD34を発現している)および/またはVEGFR2/KDRおよび/またはCD133および/またはCD31を発現している細胞を検出することをさらに含む。あるいは、または、加えて、本方法は、CD144(例えば、高レベルのCD144)および/もしくはフォンウィルブランド因子(vWF)および/もしくは内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)および/もしくはTie2を発現している細胞を、除去することまたは不利な選択をすることをさらに含む。
一例では、本方法は、対象から得られた試料、例えば、血液試料もしくはその画分(例えば、血漿または血清または軟膜画分または末梢血単核球画分)または骨髄もしくはその画分または臍帯血もしくはその画分を用いて実行される。例示的な血液試料には、骨髄から幹細胞を動員するために、例えば顆粒球コロニー刺激因子で処置された対象から得られた試料が含まれる。あるいは、本方法は、一つまたは複数の単離細胞またはその可溶化液もしくは抽出物を用いて実行される。
一例では、本方法は、in vitroまたはex vivoで実行される。
本開示の別の例は、EPCの単離方法を提供し、該方法は、EPCを検出するための本開示の方法を実行することによってEPCを検出すること、および検出されたEPCを単離することを含む。
本開示の別の例は、EPCに関して濃縮された細胞集団の単離方法を提供し、該方法は、EPCを含有する細胞集団と、表1に記載のタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質に結合する化合物とを、該化合物が細胞に結合するのに十分な時間および条件下で接触させ、該化合物が結合している細胞を単離することを含む。
例えば、前記タンパク質は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、266、268、270、272、274、276、278、280、282、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、266、306、308、310、312もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、266、306、308、310、312もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも4倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、14、8、20、22、28、30、40、46、48、56、58、60、62、64、66、68、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、28、32、36、38、46、48、50、52、54、56、58、102、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも6倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、20、40、46、48、56、58、60、62、64、122、124、126、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
一例では、発現レベルはマイクロアレイを用いて決定される。
一例では、あるタンパク質は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を有する(例えば、全て有する):
EPC上に発現され、内皮細胞上では低い、または検出不可能な発現を有し;
あるタンパク質は細胞表面上に発現され;
あるタンパク質は膜貫通領域を含有する。
一例では、前記タンパク質は、DSG2、EMB、EMR2、NKG7、ADCY7、SLC39A8、TM7SF3、NCSTN、SIRPB1、INSRR、PKD2L1、DPP6、LRRC33またはSLC1A5からなる群から選択される。
一例では、前記化合物は、配列番号16、2、18、338、10、14、4、6、178、332、234、228、194、340もしくは226の配列を含むタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質に結合する。
一例では、化合物は、配列番号16の配列を含むタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質に結合する。
一例では、前記化合物は、配列番号18の配列を含むタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質に結合する。
一例では、前記化合物は、配列番号2の配列を含むタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質に結合する。
一例では、化合物は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列を含むタンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質に結合する。
別の例では、前記化合物は、表2に記載の細胞接着タンパク質であるタンパク質、表3に記載の輸送タンパク質であるタンパク質、表4に記載の増殖因子であるタンパク質、表5に記載の受容体であるタンパク質および表6に記載の酵素であるタンパク質からなる群から選択されるタンパク質に結合する。
さらなる一例では、前記タンパク質は、免疫グロブリン、配列番号2、24もしくは26の配列を含む細胞接着タンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質である。
例えば、本方法は、集団中の他の細胞と比較して増加したレベルまで、前記化合物が結合する細胞を単離することを含む。
一例では、前記タンパク質に結合する化合物は、抗体または抗体の抗原結合領域を含むポリペプチドである。
当業者であれば、蛍光標識細胞分取(FACS)または磁気細胞分離技術(例えば、MACSまたはDynabeads(商標)を用いる技術)等の、タンパク質に結合する化合物を利用する細胞の適切な単離方法を承知しているであろう。
一例では、前記濃縮された集団は、対象より得られた試料から、例えば本明細書でより詳細に論じられるように、単離される。従って、本開示は、対象由来の試料を提供または獲得することをさらに含む方法も包含する。そのような試料は、以前に対象からの単離が完了している場合もあり、例えば、前記方法はin vitroまたはex vivoで実行される。前記細胞集団は、例えば、組織培養技術を用いて生産された、単離された細胞集団であり得る。
一例では、本方法は、例えば、EPCの数を増加させるために、またはEPCを増殖させるために、前記単離細胞を培養することをさらに含む。一例では、EPCは、培養後、例えば、少なくとも約3日間または5日間または7日間等、該細胞が対象への投与に十分または適合したレベルまで増殖するのに十分な時間の後に、表1に記載の核酸またはタンパク質を発現する。
別の例では、本方法は、例えば、該細胞のCFUを形成する能力および/もしくはアセチル化LDLを取り込む能力および/またはハリエニシダ(Ulex europaeus)レクチンの結合を決定することによって等、当該技術分野において周知の方法および/または本明細書に記載の方法を実行することによって、EPCの活性を決定することを含む。
一例では、本方法は、単離されたEPCを薬剤的に許容できる担体と一緒に製剤化することで、医薬組成物を生産することをさらに含む。
さらなる一例では、本方法は、単離されたEPCおよび/またはそれから単離された細胞を、固体または半固体のマトリクス上に固定化することをさらに含む。
本開示は、EPCに関して濃縮された細胞集団を含む組成物をさらに提供し、ここで、EPCは、本開示に記載の方法を実行することにより単離された集団である。
本開示は、表1に記載の一つまたは複数の核酸またはタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮された細胞集団を含む組成物も提供する。
例えば、前記集団は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)よりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、核酸またはタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されている。
例えば、前記集団は、HUVECよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、非接着性CD133+EPCによって発現される核酸またはタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されている。
例えば、前記集団は、少なくとも1.5倍より大きなHUVECにおいて核酸またはタンパク質をあるレベルで発現しているEPCに関して濃縮されており、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、265、267、269、271、273、275、277、279、281、305、307、309、311、313、315、317、319、321、323、325もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、266、268、270、272、274、276、278、280、282、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記集団は、HUVECよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCによって発現される核酸またはタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されており、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記集団は、少なくとも2倍より大きなHUVECにおいて核酸またはタンパク質をあるレベルで発現しているEPCに関して濃縮されており、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、265、305、307、309、311もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、266、306、308、310、312もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記集団は、HUVECよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCによって発現される核酸またはタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されており、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記集団は、少なくとも3倍より大きなHUVECにおいて核酸またはタンパク質をあるレベルで発現しているEPCに関して濃縮されており、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記集団は、HUVECよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCによって発現される核酸またはタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されており、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、45、47、49、51、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、99、103、111、113、119、121、123、125、131、133、135、137、139、161、163、237、305もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、8、18、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記集団は、HUVECよりも少なくとも4倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCによって発現される核酸またはタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されており、該核酸は、配列番号:15、1、17、13、7、19、21、27、29、37、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、99、103、111、121、123、125、131、133、135、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、14、8、20、22、28、30、40、46、48、56、58、60、62、64、66、68、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記集団は、HUVECよりも少なくとも5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCによって発現される核酸またはタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されており、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、27、29、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、103、121、123、125、131、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、28、32、36、38、46、48、50、52、54、56、58、102、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記集団は、HUVECよりも少なくとも6倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCによって発現される核酸またはタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されており、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、39、45、47、55、57、59、61、63、121、123、125、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、20、40、46、48、56、58、60、62、64、122、124、126、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
一例では、発現レベルはマイクロアレイを用いて決定される。
一例では、タンパク質または核酸は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を有する(例えば、全て有する):
EPC上に発現され、内皮細胞上では低い、または検出不可能な発現を有し;
あるタンパク質は細胞表面上に発現され;
あるタンパク質は膜貫通領域を含有する。
一例では、前記タンパク質はDSG2、EMB、EMR2、NKG7、ADCY7、SLC39A8、TM7SF3、NCSTN、SIRPB1、INSRR、PKD2L1、DPP6、LRRC33もしくはSLC1A5からなる群から選択され、または、前記核酸は上記タンパク質のいずれか一つをコードする。
一例では、前記集団は、配列番号15、1、17、337、9、13、3、5、177、331、233、227、193、339もしくは225の配列を含む核酸もしくはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸、または配列番号16、2、18、338、10、14、4、6、178、332、234、228、194、340もしくは226の配列を含むタンパク質もしくはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されている。
一例では、前記集団は、配列番号15の配列を含む核酸またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を発現しているEPCに関して濃縮され、あるいは、該核酸によってコードされるタンパク質、配列番号16の配列を含むタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質の発現レベルを決定することを含む。
一例では、前記集団は、配列番号17の配列を含む核酸またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を発現しているEPCに関して濃縮され、あるいは、該核酸によってコードされるタンパク質、配列番号18の配列を含むタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質の発現レベルを決定することを含む。
一例では、前記集団は、配列番号1の配列を含む核酸もしくはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸、または該核酸にコードされるタンパク質、配列番号2の配列を含むタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されている。
一例では、前記集団は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列を含むタンパク質もしくはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質、または配列番号1、3、5、7、9、11、13、15もしくは17の配列を含む核酸もしくはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を発現しているEPCに関して濃縮されている。
別の例では、前記集団は、表2に記載の細胞接着タンパク質であるタンパク質、表3に記載の輸送タンパク質であるタンパク質、表4に記載の増殖因子であるタンパク質、表5に記載の受容体であるタンパク質および表6に記載の酵素であるタンパク質からなる群から選択されるタンパク質、または上記タンパク質のいずれかをコードする核酸を発現しているEPCに関して濃縮されている。
さらなる一例では、前記集団は、免疫グロブリンであるタンパク質、配列番号2、24もしくは26の配列を含む細胞接着タンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮され、または、前記核酸は免疫グロブリン、細胞接着タンパク質をコードし、配列番号1、23もしくは25の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含む配列を含む。
一例では、EPCはCD133、CD117、CD34およびCD31からなる群から選択される一つまたは複数のタンパク質を発現する。
一例では、本開示は、DSG2並びにCD133、CD117、CD34およびCD31からなる群から選択される一つまたは複数のタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮された細胞集団を提供する。一例では、本開示は、DSG2、CD133、およびCD117を発現しているEPCに関して濃縮された細胞集団を提供する。一例では、本開示は、DSG2、CD133、CD117、CD34およびCD31を発現しているEPCに関して濃縮された細胞集団を提供する。
例えば、試料中のEPCの数および/または活性を評価することによって、対象から得られた試料中のEPCを特定するための方法が、EPCに関連する状態を診断または予後予測するのに有用であることを、当業者なら理解するであろう。そのような評価は、標準的な技術、例えば、FACS、MACS、免疫組織化学もしくは免疫蛍光法または上記活性検査を用いて行うことができる。従って、本開示の一例は、対象におけるEPCが関連する状態を診断および/または予後予測するための方法を提供し、該方法は、対象から得られた試料中のEPCを検出するための本開示の方法を行うこと、および/または対象から得られた試料中のEPCの活性を検出するための本開示の方法を行うことを含み、ここで、EPCおよび/もしくはEPC活性の検出、またはEPCおよび/もしくはEPC活性の検出失敗は、EPCが関連する状態の診断または予後予測の指標となる。
一例では、前記方法は、
(i) 試料中のEPCの数を決定もしくは評価すること、または試料中のEPC活性を決定もしくは評価すること;
(ii) (i)でのEPC数またはEPC活性を、正常な対象および/または健常な対象から得られた試料中のEPC数またはEPC活性と比較すること;
を含み、ここで、正常な対象および/または健常な対象から得られた試料中のEPCの数または活性と比較した場合の、(i)でのEPC数の増加もしくは減少またはEPC活性の増加もしくは減少は、EPCが関連する状態の診断または予後予測の指標となる。
一例では、前記対象は前記状態に対して治療中であり、ここで:
(a) 正常な対象および/または健常な対象から得られたEPCの数または活性と比較した場合の、(i)でのEPC数またはEPC活性の類似は、該対象がEPCが関連する状態のための治療に対して応答していることを示しており;
(b) 正常な対象および/または健常な対象から得られたEPCの数または活性と比較した場合の、(i)でのEPC数またはEPC活性の増加または減少は、該対象がEPCが関連する状態のための治療に対して応答していないことを示しており;
(c) 治療前の該対象から得られた試料中のEPCの数または活性と比較した場合の、EPCの数または活性の増加または減少は、該対象がEPCが関連する状態のための治療に対して応答していることを示しており;あるいは
(d) 治療前の該対象から得られた試料中のEPCの数または活性と比較した場合の、(i)でのEPCの数または活性の類似は、該対象がEPCが関連する状態のための治療に対して応答していないことを示している。
一例では、前記方法は、試料を、表1に記載のタンパク質に結合する化合物と、該化合物が該タンパク質を発現している細胞に結合するのに十分な時間および条件下で接触させること、並びに該化合物が結合している細胞の数を決定すること、を含む。例えば、前記化合物は、検出を容易にするための検出可能なマーカーで標識されている。例示的な化合物には、抗体および抗体の抗原結合領域を含むポリペプチドが含まれる。
EPCのマーカーが提供されることで、例えば、試料中のマーカーのレベルを検出(例えば、イムノアッセイを使用)することによって、試料中の細胞数の評価が必ずしも必要とせずに、EPCが関連する状態を診断および/または予後予測するための方法の基盤が提供されることも、当業者なら理解するであろう。従って、本開示はさらに、対象におけるEPCが関連する状態を診断および/または予後予測するための方法を提供し、該方法は、
(i) 対象から得られた試料中の、表1に記載の核酸もしくはタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸もしくはタンパク質のレベルを検出すること;
(ii) (i)のレベルを、正常な対象および/または健常な対象における前記核酸またはタンパク質のレベルに対して比較すること、
を含み、ここで、正常な対象および/または健常な対象におけるレベルと比較した場合の、(i)での前記核酸またはタンパク質のレベルの増加は、EPCが関連する状態の診断または予後予測の指標となる。
例えば、前記方法は表1に記載のタンパク質のレベルを検出することを含む。
一例では、前記対象は前記状態のための治療を受けており、ここで、
(a) 正常な対象および/または健常な対象から得られた試料中の前記核酸またはタンパク質と比較した場合の、(i)での前記核酸またはタンパク質のレベルの類似は、該対象が、EPCが関連する状態のための治療に対して応答していることを示しており;
(b) 正常な対象および/または健常な対象から得られた試料中の前記核酸またはタンパク質のレベルと比較した場合の、(i)での前記核酸またはタンパク質のレベルの増加または減少は、該対象が、EPCが関連する状態のための治療に対して応答していないことを示しており;
(c) 治療前の前記対象から得られた試料中の前記核酸またはタンパク質のレベルと比較した場合の、前記核酸またはタンパク質のレベルの増加または減少は、該対象が、EPCが関連する状態のための治療に対して応答していることを示しており;あるいは、
(iv) 治療前の前記対象から得られた試料中の前記核酸またはタンパク質のレベルと比較した場合の、(i)での前記核酸またはタンパク質のレベルの類似は、該対象が、EPCが関連する状態のための治療に対して応答していないことを示している。
一例では、前記方法は、試料を、表1に記載のタンパク質に結合する化合物と、化合物−タンパク質複合体が形成するのに十分な時間および条件下で接触させて、該複合体を形成し、そのレベルを決定することを含む。例えば、前記化合物は、検出を容易にするための検出可能なマーカーで標識されている。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、265、267、269、271、273、275、277、279、281、305、307、309、311、313、315、317、319、321、323、325もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、266、268、270、272、274、276、278、280、282、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、265、305、307、309、311もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、266、306、308、310、312もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、45、47、49、51、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、99、103、111、113、119、121、123、125、131、133、135、137、139、161、163、237、305もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、8、18、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも4倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、13、7、19、21、27、29、37、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、99、103、111、121、123、125、131、133、135、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、14、8、20、22、28、30、40、46、48、56、58、60、62、64、66、68、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、27、29、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、103、121、123、125、131、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、28、32、36、38、46、48、50、52、54、56、58、102、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも6倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、39、45、47、55、57、59、61、63、121、123、125、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、20、40、46、48、56、58、60、62、64、122、124、126、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
一例では、発現レベルはマイクロアレイを用いて決定される。
一例では、タンパク質または核酸は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を有する(例えば、全て有する):
EPC上に発現され、内皮細胞上では低い、または検出不可能な発現を有し;
あるタンパク質は細胞表面上に発現され;
あるタンパク質は膜貫通領域を含有する。
一例では、前記タンパク質はDSG2、EMB、EMR2、NKG7、ADCY7、SLC39A8、TM7SF3、NCSTN、SIRPB1、INSRR、PKD2L1、DPP6、LRRC33もしくはSLC1A5からなる群から選択され、または、前記核酸は上記タンパク質のうちの1つをコードする。
一例では、前記核酸は、配列番号15、1、17、337、9、13、3、5、177、331、233、227、193、339もしくは225の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号16、2、18、338、10、14、4、6、178、332、234、228、194、340もしくは226の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記核酸は、配列番号15の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号16の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記核酸は、配列番号17の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号18の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記核酸は、配列番号1の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号2の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
本明細書に記載の診断方法または予後予測方法の一例では、前記タンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含んでおり、あるいは、前記核酸は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15もしくは17の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含んでいる。
本明細書に記載の診断方法または予後予測方法の別の例では、前記タンパク質は、表2に記載の細胞接着タンパク質であるタンパク質、表3に記載の輸送タンパク質であるタンパク質、表4に記載の増殖因子であるタンパク質、表5に記載の受容体であるタンパク質、および表6に記載の酵素であるタンパク質からなる群から選択され、またはここで、該核酸は上記タンパク質のいずれかをコードしている。
本明細書に記載の診断方法または予後予測方法のさらなる一例では、前記タンパク質は、免疫グロブリン、配列番号2、24もしくは26の配列を含む細胞接着タンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質であり、あるいは、前記核酸は、該免疫グロブリン、細胞接着タンパク質をコードし、配列番号1、23もしくは25の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含む。
EPCの細胞表面マーカーの特定は、EPCの検出、または状態の診断/予後予測を目的としたin vivo法(例えば、イメージング法)のための基盤をも提供する。従って、本開示は、対象におけるEPCが関連する状態の限局および/または検出および/または診断および/または予後予測のための方法をも提供し、該方法は、
(i) 対象に、表1に記載のタンパク質に結合する化合物に特異的に結合する化合物を、仮に存在するならば該化合物が該タンパク質に結合するように、投与すること;および
(ii) in vivoで該タンパク質に結合した化合物を検出すること、
を含み、ここで、結合した化合物の検出は、EPCが関連する状態を、限局および/または検出および/または診断および/または予後予測する。
一例では、前記化合物は検出可能な標識に結合され、前記方法は、タンパク質に結合した化合物を検出するための標識を検出することを含む。
例えば、前記タンパク質は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、266、268、270、272、274、276、278、280、282、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、266、306、308、310、312もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、8、18、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも4倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、14、8、20、22、28、30、40、46、48、56、58、60、62、64、66、68、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、28、32、36、38、46、48、50、52、54、56、58、102、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも6倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、20、40、46、48、56、58、60、62、64、122、124、126、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
一例では、発現レベルはマイクロアレイを用いて決定される。
一例では、タンパク質または核酸は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を有する(例えば、全て有する):
EPC上に発現され、内皮細胞上では低い、または検出不可能な発現を有し;
あるタンパク質は細胞表面上に発現され;
あるタンパク質は膜貫通領域を含有する。
一例では、前記タンパク質は、DSG2、EMB、EMR2、NKG7、ADCY7、SLC39A8、TM7SF3、NCSTN、SIRPB1、INSRR、PKD2L1、DPP6、LRRC33またはSLC1A5からなる群から選択される。
一例では、前記核酸は、配列番号15、1、17、337、9、13、3、5、177、331、233、227、193、339もしくは225の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含み、あるいは、前記タンパク質は、配列番号16、2、18、338、10、14、4、6、178、332、234、228、194、340もしくは226の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含む。
一例では、前記核酸は、配列番号15の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号16の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記核酸は、配列番号17の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号18の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記核酸は、配列番号1の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号2の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記タンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含んでいる。
別の例では、前記タンパク質は、表2に記載の細胞接着タンパク質であるタンパク質、表3に記載の輸送タンパク質であるタンパク質、表4に記載の増殖因子であるタンパク質、表5に記載の受容体であるタンパク質、および表6に記載の酵素であるタンパク質からなる群から選択される。
さらなる一例では、前記タンパク質は、免疫グロブリン、配列番号2、24もしくは26の配列を含む細胞接着タンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質である。
例示的な化合物には、抗体または抗体の抗原結合領域を含むタンパク質が含まれる。
一例では、EPCが関連する状態は、心血管疾患、および/またはがん、および/または子癇前症、および/または肝炎、および/または敗血症、および/または自己免疫疾患、および/または炎症性疾患、および/または虚血、および/または過剰な血管新生を原因とする状態もしくはそれと関連している状態である。過剰な血管新生と関連している例示的な状態としては、乾癬、腎症、がん血管新生または網膜症が挙げられる。
本開示のいずれかの実施例に照らして、本明細書に記載されるような方法を用いる、診断/予後予測のための、例示的な、EPCが関連する状態としては、以下が挙げられる:
EPCのレベル減少、または対象から得られた試料中の表1に記載の核酸もしくはタンパク質のレベル減少を検出することによって診断/予後予測される、心血管疾患(冠動脈疾患または機能障害性大動脈二尖弁を含む)または脳血管疾患;
EPCのレベル減少、または対象から得られた試料中の表1に記載の核酸もしくはタンパク質のレベル減少を検出することによって診断/予後予測される、自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ、SLE、糖尿病(例えば、1型糖尿病)または全身性硬化症(例えば、発症から5年超);
EPCのレベル減少、または対象から得られた試料中の表1に記載の核酸もしくはタンパク質のレベル増加を検出することによって診断/予後予測される、虚血、例えば、脳卒中。
EPCのレベル減少、または対象から得られた試料中の表1に記載のタンパク質のレベル減少を検出することによって診断される、敗血症。
EPCのレベル増加、または対象から得られた試料中の表1に記載の核酸もしくはタンパク質のレベル増加を検出することによって診断/予後予測される、過剰な血管新生と関連と関連している状態、例えば、乾癬、腎症、がん血管新生、がんまたは網膜症。
一例では、本明細書に記載の診断法は、対象がある状態に罹患する可能性を予測する。例えば、EPC数の減少(例えば、いずれかの実施例に照らして本明細書に記載されるような方法を行うことによって検出される)は、対象が、心血管疾患(冠動脈疾患または機能障害性大動脈二尖弁を含む)もしくは脳血管疾患、または自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、SLEもしくは全身性硬化症)、または虚血(例えば、脳卒中、もしくは敗血症)に罹患する可能性があることを示している。別の例では、EPC数の増加は、がんのリスクを示している。
EPCを単離するための本明細書に記載の方法は、例えば養子移入または細胞治療によって、対象におけるEPC数を増加させるための基礎をも提供することを、当業者なら理解するであろう。EPC数を増加させることは、例えば、EPC数の減少と関連している状態の治療もしくは予防、並びに/または、例えば、移植もしくは創傷治癒を向上させるための、もしくは虚血の影響を低減させるための、および/もしくは高血圧症を低減させるための、および/もしくは骨欠損の治癒を向上させるための血管新生の誘導に有用である。従って、本開示の別の例は、減少したEPCもしくは活性と関連している状態の治療もしくは予防の方法、不十分な血管新生と関連している状態の治療もしくは予防の方法、および/または移植の向上の方法、および/または対象における創傷治癒の向上の方法を提供し、これらの方法は、
(i) 本開示の方法を行うことによって、EPCに関して濃縮された集団を単離すること;および
(ii) (i)での細胞を対象に投与すること、
を含む。
別の例では、本開示は、EPCの数もしくは活性の減少と関連している状態の治療または予防、不十分な血管新生と関連している状態の治療もしくは予防、および/または移植の向上、および/または対象における創傷治癒の向上の方法を提供し、該方法は、本開示のEPCに関して濃縮された細胞集団を含む組成物を投与することを含む。
移植(例えば、血管移植)という状況においては、固体担体または半固体担体上に固定化された細胞が、例えば血管移植片の形態で、投与され得る。
一例では、前記対象は、EPC数および/もしくは活性の減少と関連している状態、並びに/もしくは不十分な血管新生と関連している状態に罹患しているか、またはそれを発症する危険性があり、並びに/または移植を必要としているか、もしくは移植を経験したことがあり、並びに/または向上した創傷治癒を必要としている。
EPCに関して濃縮された細胞集団を投与することによって治療されるべき例示的な状態としては、心血管疾患、脳血管疾患、高血圧症、慢性腎疾患、血管閉塞、虚血(脳卒中を含む)、自己免疫疾患、または敗血症が挙げられる。
一例では、前記状態は、冠動脈疾患または機能障害性大動脈二尖弁である。
一例では、前記状態は脳卒中である。
一例では、ある状態を治療または予防するための方法は、別の細胞または別の治療化合物を対象にさらに投与することを含む。例えば、糖尿病(例えば、1型糖尿病)に罹患している対象を治療するために、本開示に係るEPCに関して濃縮された集団は、例えば膵島細胞と一緒に、対象に投与される。
例えば、前記細胞は、治療される対象から得られたもの、すなわち自己移植片であるか、または同一もしくは無関係な種の近縁対象から得られたもの(例えば、HLA適合の対象または異種移植片)、すなわち、同種移植片もしくは異種移植片である。
例えば、有効量、例えば、治療有効量または予防有効量の細胞が対象に投与される。
本開示は、EPCの数もしくは活性の減少と関連している状態の治療もしくは予防、および/または不十分な血管新生と関連している状態の治療もしくは予防、および/または移植の向上、および/または対象における創傷治癒の向上の方法をも提供し、該方法は、それを必要とする対象に、該化合物が対象から得られたEPCに結合するための時間および条件下で、表1に記載のタンパク質に結合し、そして例えば、血管新生を誘導する化合物を表面上に固定化して有する、固体担体または半固体担体を投与することを含む。
一例では、EPCの数もしくは活性の減少と関連している状態は、心血管疾患および/または自己免疫疾患および/または炎症性疾患である。
例えば、前記タンパク質は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、266、268、270、272、274、276、278、280、282、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、266、306、308、310、312もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、8、18、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも4倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、14、8、20、22、28、30、40、46、48、56、58、60、62、64、66、68、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、28、32、36、38、46、48、50、52、54、56、58、102、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記タンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも6倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、20、40、46、48、56、58、60、62、64、122、124、126、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
一例では、あるタンパク質は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を有する(例えば、全て有する):
EPC上に発現され、内皮細胞上では低い、または検出不可能な発現を有し;
あるタンパク質は細胞表面上に発現され;
あるタンパク質は膜貫通領域を含有する。
一例では、前記タンパク質は、DSG2、EMB、EMR2、NKG7、ADCY7、SLC39A8、TM7SF3、NCSTN、SIRPB1、INSRR、PKD2L1、DPP6、LRRC33またはSLC1A5からなる群から選択される。
一例では、前記細胞集団は、配列番号16、2、18、338、10、14、4、6、178、332、234、228、194、340もしくは226の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含むタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されている。
一例では、前記細胞集団は、配列番号16の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含むタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されている。
一例では、前記細胞集団は、配列番号18の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含むタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されている。
一例では、前記細胞集団は、配列番号2の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含むタンパク質を発現しているEPCに関して濃縮されている。
一例では、対象に投与される細胞集団は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列を含むタンパク質、もしくはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質、または配列番号1、3、5、7、9、11、13、15もしくは17の配列を含む核酸もしくはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を発現するEPCに関して濃縮されている。
一例では、対象に投与される細胞集団は、表2に記載の細胞接着タンパク質であるタンパク質、表3に記載の輸送タンパク質であるタンパク質、表4に記載の増殖因子であるタンパク質、表5に記載の受容体であるタンパク質、および表6に記載の酵素であるタンパク質からなる群から選択されるタンパク質を発現しているか、または上記タンパク質のいずれかをコードする核酸を発現しているEPCに関して濃縮されている。
一例では、対象に投与される細胞集団は、免疫グロブリン、配列番号2、24もしくは26の配列を含む細胞接着タンパク質、もしくはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質、または免疫グロブリン、細胞接着タンパク質をコードしている核酸を発現しているEPCに関して濃縮されており、配列番号1、23もしくは25の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含む。
EPCによって優先的に発現される細胞表面タンパク質の特定は、対象におけるそれらの細胞の数を調節して、例えば、血管新生の減少もしくは阻止、または血管新生の誘導もしくは増強を引き起こすための手段をも提供する。従って、本開示の別の例は、対象における血管新生および/またはEPCの数もしくは活性を調節する方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を調節する化合物を投与すること、並びに/または表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を調節し、並びに/もしくはEPCの死および/もしくはEPCの増殖を誘導する化合物を投与すること、を含む。
本開示のさらなる一例は、血管新生を調節するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を調節する化合物を投与すること、および/または表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を調節し、並びに/もしくはEPCの死および/もしくはEPCの増殖を誘導する化合物を投与すること、を含む。
本開示の別の例は、対象における過剰な血管新生および/または過剰なEPCの数もしくは活性と関連している状態を治療または阻止する方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を減少させる化合物を投与すること、並びに/または、表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を低減させ、並びに/もしくはEPCの死を誘導および/もしくはEPCの増殖を抑制する化合物を投与すること、を含む。
本開示のさらなる一例は、血管新生を減少または阻止するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を減少させる化合物を投与すること、並びに/または、表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を低減させ、並びに/もしくはEPCの死を誘導および/もしくはEPCの増殖を抑制する化合物を投与すること、を含む。
本開示のさらなる一例は、対象における不十分な血管新生および/または不十分なEPCの数もしくは活性と関連している状態を治療または予防する方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を減少させる化合物を投与すること、並びに/または、表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を誘導もしくは増強し、並びに/もしくはEPCの死を抑制および/もしくはEPCの増殖を誘導もしくは増強する化合物を投与すること、を含む。
本開示のさらなる一例は、血管新生を誘導または増強するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を減少させる化合物を投与すること、並びに/または 表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を誘導もしくは増強し、並びに/もしくはEPCの死を抑制および/もしくはEPCの増殖を誘導もしくは増強する化合物を投与すること、を含む。
本開示の別の例は、対象における過剰な血管新生および/または過剰なEPCの数もしくは活性と関連している状態を治療または阻止する方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を誘導もしくは増強する化合物を投与すること、並びに/または表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を低減させ、並びに/もしくはEPCの死を誘導および/もしくはEPCの増殖を抑制する化合物を投与すること、を含む。
本開示のさらなる一例は、血管新生を減少または阻止するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を誘導もしくは増強する化合物を投与すること、並びに/または、表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を低減させ、並びに/もしくはEPCの死を誘導および/もしくはEPCの増殖を抑制する化合物を投与すること、を含む。
本開示のさらなる一例は、不十分な血管新生および/または対象における不十分なEPCの数もしくは活性と関連している状態の治療または予防する方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を誘導もしくは増強する化合物を投与すること、並びに/または、表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を誘導もしくは増強し、並びに/もしくはEPCの死を抑制および/もしくはEPCの増殖を誘導もしくは増強する化合物を投与すること、を含む。
本開示のさらなる一例は、血管新生を誘導または増強するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、表1に記載のタンパク質もしくは核酸の発現および/もしくは活性を誘導もしくは増強する化合物を投与すること、並びに/または、表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性を誘導もしくは増強し、並びに/もしくはEPCの死を抑制および/もしくはEPCの増殖を誘導もしくは増強する化合物を投与すること、を含む。
例えば、前記方法は、対象またはその組織もしくは器官におけるEPCの数および/または活性および/または血管新生を調節するのに十分な時間並びに条件下で、表1に記載のタンパク質に結合し、EPC活性の調節および/またはEPCの死の調節を行う化合物を投与すること、を含む。例示的な化合物としては、抗体および/または抗体の抗原結合領域を含むタンパク質が挙げられ、例えば、毒性化合物を含むことでEPCを殺傷する抗体またはタンパク質の結合体が含まれる。
一例では、前記状態は、自己免疫性の状態、および/または敗血症、および/または腎症、および/またはがん、および/またはがん血管新生、および/または網膜症である。
一例では、前記状態はがんである。例えば、がんはメラノーマである。この関連で、発明者は、EPCのマーカー(例えば、DSG2)が、いくつかのメラノーマ細胞によっても発現されることを示しており、これによって、例えば、メラノーマ細胞を直接標的とし、血管新生を減少または阻止することによる、二重の機序による治療のための基礎が提供される。
一例では、前記状態は、がん転移であり、すなわち、本開示は、がん転移を低減または阻止するための方法を提供する。そのような方法は、いずれかの実施例に照らして、本明細書に記載の方法を行ってがんを治療すること、およびさらなる抗がん剤を投与することまたは放射線治療で対象を処置することを含み得る。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、265、267、269、271、273、275、277、279、281、305、307、309、311、313、315、317、319、321、323、325もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、266、268、270、272、274、276、278、280、282、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、265、305、307、309、311もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、266、306、308、310、312もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、45、47、49、51、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、99、103、111、113、119、121、123、125、131、133、135、137、139、161、163、237、305もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、8、18、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも4倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、13、7、19、21、27、29、37、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、99、103、111、121、123、125、131、133、135、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、14、8、20、22、28、30、40、46、48、56、58、60、62、64、66、68、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、27、29、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、103、121、123、125、131、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、28、32、36、38、46、48、50、52、54、56、58、102、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも6倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、39、45、47、55、57、59、61、63、121、123、125、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、20、40、46、48、56、58、60、62、64、122、124、126、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
一例では、発現レベルはマイクロアレイを用いて決定される。
一例では、タンパク質または核酸は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を有する(例えば、全て有する):
EPC上に発現され、内皮細胞上では低い、または検出不可能な発現を有し;
あるタンパク質は細胞表面上に発現され;
あるタンパク質は膜貫通領域を含有する。
一例では、前記タンパク質は、DSG2、EMB、EMR2、NKG7、ADCY7、SLC39A8、TM7SF3、NCSTN、SIRPB1、INSRR、PKD2L1、DPP6、LRRC33もしくはSLC1A5からなる群から選択され、または、前記核酸は上記タンパク質のうちの1つをコードする。
一例では、前記核酸は、配列番号15、1、17、337、9、13、3、5、177、331、233、227、193、339もしくは225の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含み、あるいは、前記タンパク質は、配列番号16、2、18、338、10、14、4、6、178、332、234、228、194、340もしくは226の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含む。
一例では、前記核酸は、配列番号15の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号16の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記核酸は、配列番号17の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号18の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記核酸は、配列番号1の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号2の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記対象はがんに罹患しており、対象におけるEPCの数および/または活性の減少によって、その癌における血管新生が減少される。
一例では、前記タンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含み、あるいは、前記核酸は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15もしくは17の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含む。
別の例では、前記タンパク質は、表2に記載の細胞接着タンパク質であるタンパク質、表3に記載の輸送タンパク質であるタンパク質、表4に記載の増殖因子であるタンパク質、表5に記載の受容体であるタンパク質、および表6に記載の酵素であるタンパク質からなる群から選択されるか、または、前記核酸が上記タンパク質のいずれかをコードする。
さらなる一例では、前記タンパク質は、免疫グロブリン、配列番号2、24もしくは26の配列を含む細胞接着タンパク質またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質であり、あるいは、前記核酸は、該免疫グロブリン、細胞接着タンパク質をコードし、配列番号1、23もしくは25の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含む。
例示的な化合物としては、抗体または抗体の抗原結合領域を含むポリペプチドが挙げられる。例えば、前記抗体またはタンパク質は、EPC機能を低減し、および/または、EPCの死を誘導する。一例では、前記抗体またはタンパク質は、毒性化合物をさらに含むことで、EPCの死を誘導する。
本開示は、本開示の方法において使用される場合、および/または、本開示の方法における使用のための説明書と共に製品にパッケージングされる場合に、表1に記載のタンパク質もしくはその免疫原性の断片もしくはエピトープに特異的に結合する単離された抗体もしくはポリペプチド、または、表1に記載のタンパク質もしくはその免疫原性の断片もしくはエピトープに特異的に結合する抗体の抗原結合領域を含むポリペプチドをさらに提供する。
本開示は、EPCが関連する状態を治療、診断または予防するための薬剤の製造において、表1に記載のタンパク質もしくはその免疫原性の断片もしくはエピトープに特異的に結合する単離された抗体もしくはポリペプチド、または表1に記載のタンパク質もしくはその免疫原性の断片もしくはエピトープに特異的に結合する抗体の抗原結合領域を含むポリペプチドの使用をも提供する。
本開示は、EPCが関連する状態の治療用、診断用または予防用の、表1に記載のタンパク質もしくはその免疫原性の断片もしくはエピトープに特異的に結合する単離された抗体またはポリペプチド、または表1に記載のタンパク質もしくはその免疫原性の断片もしくはエピトープに特異的に結合する抗体の抗原結合領域を含むポリペプチドをも提供する。
本開示は、ある単離された抗体またはポリペプチドをさらに提供し、これは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列を含むタンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質、またはその免疫原性の断片もしくはエピトープ、または、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列を含むタンパク質もしくはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質に特異的に結合する抗体の抗原結合領域を含むポリペプチドに特異的に結合する。
例示的な抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である。
本開示の別の例は、本開示の抗体および/またはポリペプチド並びに薬剤的に許容できる担体もしくは賦形剤を含む医薬組成物を提供する。例えば、前記組成物は、有効量の抗体またはポリペプチドを含む
本開示のいずれかの実施例に照らして本明細書に記載されるような抗体またはタンパク質は、タンパク質と結合する化合物を必要とする本明細書に記載のいずれの方法においても、使用することができる。
本開示の別の例は、医学における、またはそれを必要とする対象に投与するための薬剤の製造における、本開示の抗体および/またはポリペプチドの使用を提供する。
本開示の別の例は、本開示の抗体またはポリペプチドをコードする核酸を提供する。そのような核酸は、発現ベクター内に、例えば、プロモーターと操作可能な様式で連結して、含まれ得る。
本開示の別の例は、本開示の抗体またはポリペプチドを発現している細胞、例えば、ハイブリドーマまたはトランスフェクトーマ(transfectoma)を提供する。
本開示は、表面上に固定化された化合物(例えば、表1に記載のタンパク質に特異的に結合する抗体の抗原結合領域を含む抗体またはポリペプチド)を有する固体マトリクスもしくは半固体マトリクス、または本明細書に記載のようなEPCに関して濃縮された細胞集団をも提供する。
本開示の別の例は、EPC機能を調節する化合物を特定または単離するための方法を提供し、該方法は、EPC中の表1に記載の核酸もしくはタンパク質の発現および/または活性を低減させる化合物を特定または単離することを含む。
本開示の別の例は、EPCと結合する化合物を特定または単離するための方法を提供し、該方法は、表1に記載のタンパク質に結合する化合物を特定または単離することを含む。
例えば、前記方法は、EPC活性を増強もしくは低減させる化合物および/またはEPCの死を誘導し、それによってEPC機能を調節する化合物を特定または単離する化合物を決定することをさらに含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで(例えば、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍または4倍または5倍より大きなレベルで等、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで)、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌される。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、265、267、269、271、273、275、277、279、281、305、307、309、311、313、315、317、319、321、323、325もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、254、256、258、260、266、268、270、272、274、276、278、280、282、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも1.5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、12、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163、237、239、241、243、245、247、249、251、265、305、307、309、311もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164、238、240、242、244、246、248、250、252、266、306、308、310、312もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも2倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、11、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、5、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、93、95、97、99、101、103、105、111、113、115、117、119、121、123、125、131、133、135、137、139、141、143、145、155、159、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、6、8、20、22、24、28、30、32、34、38、40、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、94、96、98、100、102、104、106、112、114、116、118、120、122、124、126、132、134、136、138、140、142、144、146、156、160、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも3倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、9、13、3、7、19、21、23、27、29、31、33、37、39、45、47、49、51、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、99、103、111、113、119、121、123、125、131、133、135、137、139、161、163、237、305もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、10、14、4、8、18、20、22、24、28、30、32、34、38、40、46、48、50、52、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、100、104、112、114、120、122、124、126、132、134、136、138、140、162、164、238、306もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも4倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、17、13、7、19、21、27、29、37、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、99、103、111、121、123、125、131、133、135、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、18、14、8、20、22、28、30、40、46、48、56、58、60、62、64、66、68、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも5倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、27、29、39、45、47、55、57、59、61、63、65、67、103、121、123、125、131、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、28、32、36、38、46、48、50、52、54、56、58、102、104、122、124、126、132、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
例えば、前記核酸またはタンパク質は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも6倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌され、該核酸は、配列番号:15、1、7、19、39、45、47、55、57、59、61、63、121、123、125、133、161、163もしくは327のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含み、あるいは、該タンパク質は、配列番号:16、2、8、20、40、46、48、56、58、60、62、64、122、124、126、134、162、164もしくは328のいずれか1つに記載の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含む。
一例では、発現レベルはマイクロアレイを用いて決定される。
一例では、タンパク質または核酸は、以下の特徴のうちの一つまたは複数を有する(例えば、全て有する):
EPC上に発現され、内皮細胞上では低い、または検出不可能な発現を有し;
あるタンパク質は細胞表面上に発現され;
あるタンパク質は膜貫通領域を含有する。
一例では、前記タンパク質は、DSG2、EMB、EMR2、NKG7、ADCY7、SLC39A8、TM7SF3、NCSTN、SIRPB1、INSRR、PKD2L1、DPP6、LRRC33もしくはSLC1A5からなる群から選択され、または前記核酸は、上記タンパク質のうちの1つをコードする。
一例では、前記核酸は、配列番号15、1、17、337、9、13、3、5、177、331、233、227、193、339もしくは225の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含み、あるいは、前記タンパク質は、配列番号16、2、18、338、10、14、4、6、178、332、234、228、194、340もしくは226の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含む。
一例では、前記核酸は、配列番号15の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号16の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記核酸は、配列番号17の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号18の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記核酸は、配列番号1の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでおり、あるいは、前記タンパク質は、配列番号2の配列またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する配列を含んでいる。
一例では、前記タンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16もしくは18の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質を含み、あるいは、前記核酸は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15もしくは17の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含む。
別の例では、前記タンパク質は、表2に記載の細胞接着タンパク質であるタンパク質、表3に記載の輸送タンパク質であるタンパク質、表4に記載の増殖因子であるタンパク質、表5に記載の受容体であるタンパク質、および表6に記載の酵素であるタンパク質からなる群から選択され、あるいは、前記核酸が上記タンパク質のうちのいずれかを含む。
さらなる一例では、前記タンパク質は、免疫グロブリン、配列番号2、24もしくは26の配列を含む細胞接着タンパク質、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有するタンパク質であり、あるいは、前記核酸は、免疫グロブリン、細胞接着タンパク質をコードしており、配列番号1、23もしくは25の配列、またはそれに対し少なくとも約70%の同一性を有する核酸を含む。
本開示の例は、HUVECの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたものよりも少なくとも7倍もしくは8倍もしくは9倍もしくは14倍もしくは18倍より大きなレベルで、非接着性CD133+EPCの内部もしくは表面上に発現、またはそれから分泌されたタンパク質または核酸のクラスをも包含する。当業者であれば、そのようなクラスのタンパク質もしくは核酸、および/または本開示に基づく、例えば表7〜表9におけるタンパク質を決定することができるだろう。そして、それらの開示は、そのようなクラスの核酸および/またはタンパク質に、明確な支持を提供すると見なされるものとする。
主な定義
本明細書で使用する用語「内皮前駆細胞」または「EPC」は、成熟した内皮細胞、例えば血管内皮細胞に分化する能力がある内皮系列細胞を意味すると理解される。この用語は、胚幹細胞および人工多能性細胞(これらは内皮に分化する能力がある)を含まない。代表的なEPCは、単球性EPCあるいは血管芽細胞性EPCである。代表的なEPCは、少なくともスフィンゴシンキナーゼ1(SK−1)を発現する。これに代替または追加して、EPCは少なくともCD34、または少なくともCD14を発現する。これに代替または追加して、EPCは少なくともCD133を発現する。EPCはまた、CD45および/またはCD31および/またはVEGFR2も発現し得る。これに代替または追加して、EPCは、CD144および/またはvWFおよび/またはeNOSおよび/またはTie2を、有意あるいはバックグラウンドレベルを超えるレベルでは発現しない。これに代替または追加して、EPCは、例えば幹細胞増殖因子、および/またはインスリン様増殖因子−1、および/または塩基性線維芽細胞増殖因子、および/またはVEGF等の、血管新生促進因子を産生する。一例では、EPCは、組織培養プラスチック製品に付着せず、任意で細胞外マトリクスまたはその構成成分(例えばフィブロネクチン)を塗布した組織培養プラスチック製品に付着しない。したがって、本開示で使用するEPCは、例えば非接着性EPCである。一例では、EPCは、CD133を発現する4〜7日培養された非接着性の単核細胞から単離されるか、CD133を発現する4〜7日培養された非接着性の単核細胞集団の中に含まれる。
用語「内皮」または「内皮細胞」は、循環系組織を裏打ちする組織または細胞を意味すると理解される。内皮は、上皮、特に扁平上皮の一形態である。
用語「EPC関連症状」は、EPCの数および/もしくは活性の調節が有益な効果をもたらし得る疾患、障害、もしくは状態、ならびに/または、過剰もしくは不十分なEPCの数および/もしくは活性を特徴とする疾患、障害、もしくは状態を包含するものと解釈される。代表的な症状は、本明細書に記載されており、EPC関連症状の診断/予後判定/治療/予防に関連する本開示の例に準用されるものと解釈される。一例では、EPC関連症状は、EPCの不十分な数および/または活性を特徴とする。代表的な症状として、循環器疾患、自己免疫状態(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性硬化症)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連の脈管炎、虚血(移植に起因する虚血を含む)、および精巣壊死が挙げられる。別の例では、EPC関連症状は、EPCの過剰な数および/または活性(過剰な新血管新生を含む)に関連する。代表的な症状として、癌(充実性腫瘍、白血病、リンパ腫、メラノーマ、グリオーマ、乳癌、結腸癌、胃癌、食道癌、腎細胞癌、卵巣癌、子宮頚癌、カルチノイド癌、精巣癌、前立腺癌、頭頚部癌、肝細胞癌を含む)、癌転移、癌新血管新生、自己免疫疾患(乾癬を含む)、腎症、網膜症、子癇前症肝炎、敗血症、および黄斑変性が挙げられる。
本明細書で使用する用語「EPC活性」は、EPCの特徴を示す任意の機能を包含するものと理解され、以下の1つ以上を含む:
・ジアセチル化LDL(Dil−Ac−LDL)の取り込み;
・ハリエニシダIレクチンの結合;
・CD34、CD133、VEGF−R2と結合する抗体による標識;
・in vitroで管形成する能力;
・in vitroまたはin vivoでの血管新生因子(VEGF等)への遊走;
・血管新生因子(例えばVEGF、肝細胞増殖因子、顆粒球コロニー刺激因子、マクロファージ遊走阻止因子、インターロイキン8)の分泌;
・in vivoで新血管新生を誘発する能力;および
・コロニー形成単位(CFU)を形成する能力。
EPC活性を測定するアッセイは当技術分野において公知であり、かつ/または本明細書でより詳細に説明する。
上記に基づき、当業者は、EPC活性を阻害する化合物または方法が、上記の活性を阻害できることを認識するであろう。このような阻害の方法は、EPC内の生物活性を調節することにより活性を阻害するか、またはEPCを死滅させること(溶解を含む)であり得る。
本明細書で使用する用語「EPC以外の内皮細胞」または「非EPC」には、成熟した内皮細胞が含まれ、例えば、CD144および/またはvWFおよび/またはeNOSおよび/またはTie2を発現する細胞が含まれる。
本明細書で言及する用語「(発現の)倍率変化」または「X倍大きい発現」は、あの細胞型の発現レベルの、別の細胞型に対する比率を意味するものと理解される。発現の倍率変化は、当技術分野の標準の方法を用いて計算する。例えば、HUVECと比較した場合の、EPCにおける核酸またはタンパク質の発現の倍率変化を測定するには、EPCの発現レベルを測定し、HUVECの発現レベルを測定して、両方の値の比率を計算する。核酸および/またはタンパク質の発現レベルを測定する多くの方法が、当技術分野において公知である。これらの方法の非限定的な例が本明細書に記載されており、これを準用して、タンパク質または核酸の発現の倍率変化を測定するものと解釈される。
本明細書において細胞集団との関連で使用する用語「濃縮された」または「濃縮する」は、天然に存在する細胞集団における数または割合より大きい数または割合のEPCを有する集団を含め、EPCを含む細胞集団を包含するものと解釈される。例えば、EPCの濃縮された集団は、当該細胞の少なくとも約0.02%、または当該細胞の少なくとも約0.05%、または当該細胞の少なくとも約0.1%、または当該細胞の少なくとも約0.2%、または当該細胞の少なくとも約0.5%、または当該細胞の少なくとも約0.5%、または当該細胞の少なくとも約0.8%、または当該細胞の少なくとも約1%、または当該細胞の少なくとも約2%、または当該細胞の少なくとも約3%、または当該細胞の少なくとも約4%、または当該細胞の少なくとも約5%、または当該細胞の少なくとも約10%、または当該細胞の少なくとも約15%、または当該細胞の少なくとも約20%、または当該細胞の少なくとも約25%、または当該細胞の少なくとも約30%、または当該細胞の少なくとも約40%、または当該細胞の少なくとも約50%、または当該細胞の少なくとも約60%、または当該細胞の少なくとも約70%、または当該細胞の少なくとも約80%、または当該細胞の少なくとも約85%、または当該細胞の少なくとも約90%、または当該細胞の少なくとも約95%、または当該細胞の少なくとも約97%、または当該細胞の少なくとも約98%、または当該細胞の少なくとも約99%で構成される。
本明細書で使用する用語「防止している」、「防止する」、または「防止」には、指定された疾患または症状の少なくとも1つの症候の発達を停止または妨害するのに十分な、本明細書に記載の治療有効量の阻害剤および/または薬剤を投与することが含まれる。
用語「試料」は、対象から取得した組織もしくは液体、例えば血液試料(骨髄幹細胞を動員するために処置される対象の血液、または臍帯由来の血液を含む)、またはその画分(例えば、臍帯画分、血漿もしくは血清もしくは軟膜画分、または末梢血単核球画分)、または骨髄もしくはその一部分を意味するものと理解される。したがって、本開示は、対象から試料を提供または取得することをさらに含む方法も包含する。このような試料は、事前に対象から単離されてよく、例えば、in vitroまたはex vivoでこの方法で実施する。
本明細書で使用する用語「特異的に結合」は、化合物がある特定の細胞または物質と反応または会合する際、別の細胞または物質と反応または会合する場合よりも、高い頻度、高い速度、長い持続時間、および/または高い親和性で反応または会合することを意味するものと解釈される。例えば、標的タンパク質と特異的に結合する化合物とは、無関係のタンパク質および/またはそのエピトープもしくは免疫原性断片と結合する場合よりも、高い親和性、高い結合力で、より容易に、かつ/または長い持続時間で、標的タンパク質またはそのエピトープもしくは免疫原性断片と結合する化合物である。また、この定義から、例えば、第1の標的と特異的に結合する化合物は、第2の標的と特異的に結合することも、特異的に結合しないこともあると理解される。したがって、「特異的な結合」は、排他的な結合や、別の分子の検出不能な結合を必ずしも必要とせず、このような結合は「選択的な結合」という用語に包含される。結合への言及は、概して特異的な結合を意味するが、必ずしも特異的な結合を意味するわけではない。
本明細書で使用する用語「対象」は、EPCを含む任意の対象、例えば哺乳動物を意味するものと解釈される。代表的な対象には、ヒト、霊長類、家畜(例えば、ヒツジ、雌ウシ、ウマ、ロバ、ブタ)、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ)、実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ハムスター)、捕獲野生動物(例えば、キツネ、シカ)が含まれるが、これらに限定されない。例えば、哺乳動物はヒトまたは霊長類である。一例では、哺乳類はヒトである。
本明細書で使用する用語「治療している」、「治療する」、または「治療」には、指定された疾患または症状の少なくとも1つの症候を低減または排除するのに十分な、本明細書に記載の治療有効量の化合物を投与することが含まれる。
一般
用語「および/または」、例えば「Xおよび/またはY」は、「XおよびY」と「XまたはY」のどちらかを意味するものと理解され、両方またはいずれか一方の意味の明示的な裏付けを提供するものと解釈される。
本明細書を通じて、「含む」(comprise)という語、あるいは「含む」(comprises)、「含んでいる」(comprising)等の変形は、記載されている要素、整数、もしくはステップ、または要素群、整数群、もしくはステップ群が含まれることを含意するが、他の要素、整数、もしくはステップ、または他の要素群、整数群、もしくはステップ群を排除することは含意しないものと理解される。
特に別段の記載があるか文脈上別の意味に解する必要がある場合を除き、本明細書を通じて、単一のステップ、構成物、ステップ群、または構成物群への言及は、1つおよび複数(すなわち1つ以上)のこれらのステップ、構成物、ステップ群、または構成物群を包含するものと解釈される。
当業者であれば、本明細書に記載の開示が、具体的に記載されているもの以外に変形および改変することが可能であることを認識するであろう。本開示には、こうした変形および改変のすべてが含まれると理解すべきである。また、本開示には、本明細書で個別的または集合的に言及または指示しているステップ、特徴、組成物、および化合物のすべて、ならびに、これらのステップまたは特徴のすべての組み合わせまたは任意の2つ以上が含まれる。
本明細書に記載する具体例は、単に例示することを意図したものであり、本開示の範囲は、これらの具体例に限定されない。機能的に等価の産物、組成物、および方法は、本明細書に記載の通り、本開示の範囲に明確に含まれる。
別段の具体的な記載がない限り、本明細書に記載の本開示の任意の例が、本開示の他の例に準用されるものと解釈される。
別段の具体的な定義がない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、当業者(例えば、細胞培養、分子遺伝学、免疫学、免疫組織化学、タンパク質化学、および生化学分野の当業者)に一般に理解されているものと同一の意味を有すると解釈される。
別段の指示がない限り、本開示で利用される組み換えタンパク質、細胞培養、および免疫学的手法は、当業者に周知の標準の手順である。このような手法は、例えば以下の情報源における文献全体に渡って記載され説明されている:J. Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning, John Wiley andSons (1984), J. Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, ColdSpring Harbor Laboratory Press (1989), T.A. Brown (editor), Essential MolecularBiology: A Practical Approach, Volumes 1 and 2, IRL Press (1991), D.M. Gloverand B.D. Hames (editors), DNA Cloning: A Practical Approach, Volumes 1-4, IRLPress (1995 and 1996), and F.M. Ausubel et al., (editors), Current Protocols inMolecular Biology, Greene Pub. Associates and Wiley-Interscience (1988,including all updates until present), Ed Harlow and David Lane (editors)Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, (1988), andJ.E. Coligan et al., (editors) Current Protocols in Immunology, John Wiley &Sons(現在までのすべての最新版を含む)。
EPCマーカーおよびコード化核酸
本明細書において、代表的なEPCマーカーおよびそれらをコードする核酸を考察し、かつ/または表1〜6の1つ以上に記載する。これに関して、本開示は、表1〜6の1つ以上に列記されている核酸またはタンパク質と少なくとも約70%同一の配列を有する核酸またはタンパク質を包含する。EPCタンパク質マーカーは、原形質膜上に位置する細胞表面タンパク質、あるいは細胞外空間に分泌され、かつ/またはEPC細胞の細胞質に位置するタンパク質であり得る。
一例では、タンパク質または核酸は、表2〜6のいずれかに記載の区分に属する。
一例では、タンパク質はカドヘリン(例えばデスモグレインおよび/またはプロトカドヘリン)であり、または核酸はそれをコードする。例えば、タンパク質は、デスモグレイン2、デスモグレイン3、プロトカドヘリンFat2、プロトカドヘリンアルファ−4、プロトカドヘリンアルファ−C1、およびプロトカドヘリンベータ8からなる群より選ばれ、または核酸はそれをコードする。
一例では、タンパク質はレクチンであり、または核酸はそれをコードする。例えば、タンパク質は、シアル酸結合Ig様レクチン10、シアル酸結合Ig様レクチン6からなる群より選ばれ、または核酸がそれをコードする。
一例では、タンパク質は、免疫グロブリン、細胞接着タンパク質、例えば、エンビジン相同体、シアル酸結合Ig様レクチン10、シアル酸結合Ig様レクチン6、もしくはALCAMであり、または、核酸がそれをコードする。この点で、免疫グロブリンである細胞接着タンパク質は、免疫グロブリンドメインを含む細胞接着タンパク質である。当業者であれば、免疫グロブリンドメインとは、一般に(必ずしもそうではないが)2つのβシートに配列した7〜9の逆平行βシートストランドの2層サンドイッチを含む、当技術分野で認められているタンパク質構造であることに気づくであろう。例えば、免疫グロブリンである細胞接着タンパク質は、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。
一例では、タンパク質は溶質輸送体ファミリータンパク質であり、または核酸はそれをコードする。例えば、タンパク質は、溶質輸送体ファミリー39(亜鉛輸送体),メンバー8、溶質輸送体ファミリー15(H+/ペプチド輸送体),メンバー2、溶質輸送体ファミリー16,メンバー6(モノカルボン酸輸送体7)、溶質輸送体ファミリー8(ナトリウム/カルシウム交換体),メンバー1、溶質輸送体ファミリー22(有機陽イオン/カルニチン輸送体),メンバー16、溶質輸送体ファミリー24(ナトリウム/カリウム/カルシウム交換体),メンバー3、溶質輸送体ファミリー2(促進されたグルコース/フルクトース輸送体),メンバー5、溶質輸送体ファミリー1(グリア細胞高親和性グルタミン酸輸送体),メンバー3、溶質輸送体ファミリー1(グルタミン酸/中性アミノ酸輸送体),メンバー4、溶質輸送体ファミリー38,メンバー1、溶質輸送体ファミリー12メンバー1、溶質輸送体ファミリー30,メンバー10、溶質輸送体,ファミリー7メンバー14、溶質輸送体ファミリー45,メンバー4、および溶質輸送体有機陰イオン輸送体ファミリー,メンバー1B3からなる群より選ばれ、または核酸はそれをコードする。
一例では、タンパク質は、イオンチャネルタンパク質(例えば、カリウムチャネル、および/またはナトリウムチャネル、および/またはカルシウムチャネル)、またはそのサブユニットである。例えば、タンパク質は、カリウム電位開口型チャネル、カリウム電位開口型チャネル,shaker関連サブファミリー,ベータメンバー2、カリウム電位開口型チャネル,Isk関連ファミリー,メンバー3、アミロライド感受性陽イオンチャネル4、電位依存性L型カルシウムチャネルサブユニットアルファ−1D、ナトリウムチャネルタンパク質5型サブユニットアルファ、電位依存性N型カルシウムチャネルサブユニットアルファ−1B、塩素チャネル4、およびガンマ−アミノ酪酸(GABA)A受容体,アルファ3であり、または核酸はこれらをコードする。
一例では、タンパク質は嗅覚受容体であり、または核酸はそれをコードする。例えば、タンパク質は、嗅覚受容体,ファミリー52,サブファミリーB,メンバー6、嗅覚受容体,ファミリー13,サブファミリーD,メンバー1、嗅覚受容体11H4、嗅覚受容体,ファミリー1,サブファミリーC,メンバー1、嗅覚受容体,ファミリー7サブファミリーDメンバー4、嗅覚受容体ファミリー5,サブファミリーM,メンバー10、および嗅覚受容体ファミリー4,サブファミリーS,メンバー1からなる群より選ばれ、または核酸はそれをコードする。
別の例では、タンパク質は味覚受容体である。例えば、タンパク質は、味覚受容体,2型,メンバー4、味覚受容体,2型,メンバー3、味覚受容体,2型,メンバー13、および味覚受容体,2型,メンバー1からなる群より選ばれ、または核酸はそれをコードする。
さらなる例では、タンパク質は、Gタンパク質共役受容体である。例えば、タンパク質は、Gタンパク質共役受容体183、Gタンパク質共役受容体18、Gタンパク質共役受容体34、推定Gタンパク質共役受容体125、Gタンパク質共役受容体83、ケモカイン(C−X3−C)受容体1、およびGタンパク質共役受容体174,CCRL1からなる群より選ばれ、または核酸はそれをコードする。
一例では、タンパク質はペプチダーゼおよび/またはプロテアーゼであり、または核酸はこれらをコードする。例えば、タンパク質は、プロテアーゼ,セリン,21(テスティシン)、ディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼドメイン含有タンパク質10、トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ,2、ジペプチジルアミノペプチダーゼ様タンパク質6、およびカルボキシペプチダーゼMからなる群より選ばれ、または核酸はそれをコードする。
一例では、タンパク質は、免疫グロブリンまたは免疫グロブリン様ドメインを含む。この区分に属する代表的なタンパク質は、エンビジン、Siglec6、Siglec8、Siglec10、VSIG4、SEMA3C、ILDR1、TRGC2、ALCAM、HLA−DQB1、NFASC、およびKIR2DL3である。
代表的なタンパク質または核酸は、表1〜6のいずれか1つに記載のヌクレオチドまたはアミノ酸の配列とのヌクレオチドまたはアミノ酸配列同一性が少なくとも約75%の配列を含み、例えば配列同一性は少なくとも約80%であり、好ましくは少なくとも約85%であり、例えば少なくとも約90%、例えば少なくとも約91%、例えば少なくとも約92%、例えば少なくとも約93%、例えば少なくとも約94%、例えば少なくとも約95%、例えば少なくとも約96%、例えば少なくとも約97%、例えば少なくとも約98%、例えば少なくとも約99%または100%である。本開示は、例示しているヒト核酸またはタンパク質の使用に制限されない。その理由は、当業者には公知である通り、インシリコの分析(例えばBLASTの使用)を含む標準の手法を用いて、上記の核酸および/またはタンパク質の天然由来の変異体および/または突然変異体を同定することが可能であるからである。
核酸またはポリペプチドの同一性%は、ギャップ生成ペナルティ=5、およびギャップ伸長ペナルティ=0.3を用いたギャップ(Needleman and Wunsch, 1970)分析(GCGプログラム)により決定される。問い合わせ配列の長さは少なくとも50残基であり、ギャップ分析により、少なくとも50残基の領域に渡って2つの配列が比較される。例えば、問い合わせ配列の長さは少なくとも100残基であり、ギャップ分析により、少なくとも100残基の領域に渡って2つの配列が比較される。例えば、配列の長さ全体に渡って2つの配列が比較される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、エンビジン相同体またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー39(亜鉛輸送体),メンバー8タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、膜貫通7スーパーファミリーメンバー3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、プレキシンC1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ナチュラルキラー細胞群7配列タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、嗅覚受容体,ファミリー52,サブファミリーB,メンバー6タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、アデニレートシクラーゼ7タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、デスモグレイン2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、egf様モジュール含有,ムチン様,ホルモン受容体様2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー15(H+/ペプチド輸送体),メンバー2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー16,メンバー6(モノカルボン酸輸送体7)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、シアル酸結合Ig様レクチン10タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、シアル酸結合Ig様レクチン6タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、アンフィレギュリンタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、内在性膜タンパク質2Aタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、糖タンパク質M6Bタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、カンナビノイド受容体2(マクロファージ)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、プロテアーゼ,セリン,21(テスティシン)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ニューレグリン4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、上皮マイトジェン相同体(マウス)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ロンボイドドメイン含有1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ATP結合カセット,サブファミリーC(CFTR/MRP),メンバー4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ソルチリン関連受容体,L(DLRクラス)A反復含有タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー8(ナトリウム/カルシウム交換体),メンバー1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー22(有機陽イオン/カルニチン輸送体),メンバー16タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー24(ナトリウム/カリウム/カルシウム交換体),メンバー3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー2(促進されたグルコース/フルクトース輸送体),メンバー5タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、NCK関連タンパク質1様タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、エコトロピックウイルス組込部位2Bタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、カリウム電位開口型チャネルタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、プリン作動性受容体P2Y,G−タンパク質共役,14タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、5−ヒドロキシトリプタミン(セロトニン)受容体1Fタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、T細胞受容体関連膜貫通アダプター1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、Gタンパク質共役受容体183タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、嗅覚受容体,ファミリー13,サブファミリーD,メンバー1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、V−setおよび免疫グロブリンドメイン含有4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、味覚受容体,2型,メンバー4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、Gタンパク質共役受容体18タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、味覚受容体,2型,メンバー3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、主要組織適合性複合体、クラスI関連タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、Gタンパク質共役受容体34タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、カリウム電位開口型チャネル,shaker関連サブファミリー,ベータメンバー2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、カリウム電位開口型チャネル,Isk関連ファミリー,メンバー3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、T細胞活性化のためのリンカーファミリー,メンバー2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、皮質下嚢胞を伴う巨脳白質脳症1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ5(推定機能)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ネコ白血病ウイルスサブグループC細胞受容体1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、Gタンパク質共役受容体65タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、オプシン3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、味覚受容体,2型,メンバー13タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、クローディン20タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー1(グリア細胞高親和性グルタミン酸輸送体),メンバー3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー1(グルタミン酸/中性アミノ酸輸送体),メンバー4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、クローディン10タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、トロンボスポンジン1型モチーフを有するADAMメタロペプチダーゼ,2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、トロンボキサンAシンターゼ1(血小板)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、リソソームタンパク質膜貫通5タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、小胞関連膜タンパク質8(エンドブレビン)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、Aキナーゼ(PRKA)アンカータンパク質7タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、セマドメイン,免疫グロブリンドメイン(Ig),短塩基性ドメイン,分泌,(セマホリン)3Cタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー38,メンバー1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、CD302タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ホスホリパーゼBドメイン含有1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、リシルオキシダーゼ様3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、配列類似性を有するファミリー46,メンバーCタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ミクロフィブリル関連タンパク質4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、IQモチーフ含有B1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、フィブリリン2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、オステオグリシンタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、オステオモジュリンタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、アスポリンタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、妊娠性血漿タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、遺伝性感覚ニューロパチーII型(WNK1)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、セルピンペプチダーゼ阻害因子,クレードI(pancpin),メンバー2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、細胞外マトリクスタンパク質2,雌性器官および脂肪細胞特異的タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ER脂質ラフト関連1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、カドヘリン,EGF LAG7回膜貫通型G型受容体2(フラミンゴ相同体,ショウジョウバエ)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ニューロプラスチンタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、染色体20オープンリーディングフレーム3でコードされるタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ガンマ−アミノ酪酸(GABA)A受容体,アルファ3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、デスモグレイン3(尋常性天疱瘡抗原)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、プレキシンB2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ORAIカルシウム放出活性化カルシウムモジュレーター1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ジストログリカンタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、膜貫通タンパク質C14orf176タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ミエリンタンパク質ゼロ様タンパク質1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、クローディン−17タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、推定Gタンパク質共役受容体125タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ニカストリンタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ウロプラキン−1aタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、テネウリン−3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ネトリン受容体DCCタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、性質不明のタンパク質KIAA0090タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、アミロライド感受性陽イオンチャネル4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、電位依存性L型カルシウムチャネルサブユニットアルファ−1Dタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ジペプチジルアミノペプチダーゼ様タンパク質6タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、プロトカドヘリンFat2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質12タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、神経ペプチドY受容体2型タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、嗅覚受容体11H4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、プロトカドヘリンアルファ−4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、プロトカドヘリンアルファ−C1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ロンボイドドメイン含有タンパク質2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ナトリウムチャネルタンパク質5型サブユニットアルファタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、セリンインコーポレーター5タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー12メンバー1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、タンパク質共役葉酸輸送体タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体有機陰イオン輸送体ファミリーメンバー1B1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、アノクタミン−2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー12タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、カルボキシペプチダーゼMタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、中性アミノ酸輸送体B(0)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、多発性嚢胞腎2様1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、推定リン脂質輸送ATPアーゼVAタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、アセチルコリン受容体サブユニットガンマタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、インスリン受容体関連タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、電位依存性N型カルシウムチャネルサブユニットアルファ−1Bタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、***関連抗原11Bタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、フレーザー症候群1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、免疫グロブリン様ドメイン含有受容体1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、EPB41L1−赤血球膜タンパク質バンド4.1様1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、Bメラノーマ抗原タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、グルタミン酸受容体,イオンチャネル型,AMPA2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、シナプトタグミンXVタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、NFASC−ニューロファシン相同体(ニワトリ)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、EST(IMAGE:2110090)によりコードされる配列を含むタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー30,メンバー10タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、UNC−93相同体Aタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、嗅覚受容体,ファミリー1,サブファミリーC,メンバー1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、膜貫通およびテトラトリコペプチド反復含有4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、塩素チャネル4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、嗅覚受容体,ファミリー12,サブファミリーD,メンバー3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ブチロフィリン様タンパク質8前駆体タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体,ファミリー7メンバー14タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、嗅覚受容体,ファミリー7サブファミリーDメンバー4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ムチン12,細胞表面会合タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、T細胞受容体ガンマ鎖C領域PT−ガンマ−1/2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、デフェンシンベータ109タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、Kvチャネル相互作用タンパク質1(変異体1)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体ファミリー45,メンバー4タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ6タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、プロトカドヘリンベータ8タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、嗅覚受容体,ファミリー2,サブファミリーT,メンバー3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、嗅覚受容体ファミリー5,サブファミリーM,メンバー10タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、嗅覚受容体ファミリー4,サブファミリーS,メンバー1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、Gタンパク質共役受容体83タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、味覚受容体,2型,メンバー19タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、カルマン症候群1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、溶質輸送体有機陰イオン輸送体ファミリー,メンバー1B3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、7回膜貫通受容体(ロドプシンファミリー)嗅覚受容体様タンパク質もしくは60S酸性リボソームタンパク質P2(RPLP2)またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、主要組織適合性複合体,クラスII,DQベータ1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、CD166(ALCAM)活性化白血球細胞接着分子タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、IL−20Rベータ−インターロイキン20受容体ベータタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ポドプラニン−分化因子;O−グリコシル化タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、コリン受容体,ムスカリン性3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、インテグリン,ベータ1(フィブロネクチン受容体,ベータポリペプチド,抗原CD29はMDF2,MSK12を含む)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、シアル酸結合Ig様レクチン8,CD329タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、RAS関連タンパク質RAP1Aタンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、プレキシンA2タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、CD158b(KIR2DL3)キラー細胞免疫グロブリン様受容体,2つのドメイン,リガンド3タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、CD314,キラー細胞レクチン様受容体,サブファミリーK,メンバー1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ケモカイン(C−X3−C)受容体1,CCRL1タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、Gタンパク質共役受容体174タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼドメイン含有タンパク質10(ADAM10)またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、シグナル制御タンパク質ベータ1(SIRPB1)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、GM−CSF受容体サブユニットアルファ前駆体(CSF2RA)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、エコトロピックウイルス組込5(EVI5)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、リシルオキシダーゼ様4(LOXL4)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
一例では、あるタンパク質または核酸への言及は、ロイシンリッチ含有33(LRRC33)タンパク質またはそれをコードする核酸への言及と解釈される。
本開示の一例では、表1〜6のいずれか1つ以上に記載のマーカーは、EPC表面に発現し(すなわち発現が陽性)、あるいはEPC表面に高(「hi」)レベルで発現する。
本明細書で使用する用語「陽性発現」または「+」は、バックグラウンドのレベルを超える発現、例えば、アイソタイプ対照化合物(例えば抗体)を用いて検出されるレベルを超える発現を意味すると解釈される。
本明細書で使用する用語「アイソタイプ対照化合物」とは、タンパク質の発現を検出するために使用される化合物(例えば抗体)と同一アイソタイプの化合物(例えば抗体)であるが、タンパク質に対する関連の特異性をまったく持たず、当該タンパク質の発現の検出に使われる化合物と同一の検出可能部分に結合している化合物を意味するものと解釈される。このような対照は、非特異的な「バックグラウンド」結合を特異的結合から区別するのに役立つ。
「高」または「hi」レベルの発現への言及は、例えばFACS解析を用いて測定した場合の、細胞集団中50%、例えば40%、30%、または例えば20%、例えば10%の細胞が表示マーカーの最高レベルの発現をすることをいう。
本開示は、表1〜6のいずれか1つ以上に記載の核酸またはタンパク質の任意の組み合わせも包含する。例えば、本明細書に記載する任意の開示例は、表1〜6のいずれか1つ以上に記載の2つ以上の核酸および/またはタンパク質に、個別または集合的に準用されるものと解釈される。同様に、本開示は、表1〜6のいずれか1つ以上に記載のタンパク質および核酸のマーカーの任意の組み合わせを検出することを個別または集合的に包含するものと解釈される。
また、本開示の任意の例または本明細書に記載の例は、例示される主題に列記されている任意の核酸またはタンパク質に適用されるものと解釈される。
「個別に」とは、本開示が、表示されている核酸もしくはタンパク質または核酸群および/またはタンパク質群を別々に包含することを意味し、かつ、個別の核酸および/もしくはタンパク質または核酸群および/もしくはタンパク質群が本明細書に別々に列記されていない場合でも、添付の請求項では、当該核酸および/もしくはタンパク質または核酸群および/もしくはタンパク質群を互いに分離、分割して定義し得ることを意味する。
「集合的に」とは、本開示が、表示されている任意の数または組み合わせの核酸もしくはタンパク質または核酸群および/またはタンパク質群を包含することを意味し、かつ、当該任意の数または組み合わせの核酸および/もしくはタンパク質または核酸群および/もしくはタンパク質群が本明細書に具体的に列記されていない場合でも、添付の請求項では、当該組み合わせまたは下位組み合わせを、他の任意の組み合わせの核酸および/もしくはタンパク質または核酸群および/もしくはタンパク質群から分離、分割して定義し得ることを意味する。
本開示はまた、本明細書に記載の個々のタンパク質もしくは核酸またはこれらの集合物を、本開示の任意の例に従って、他のマーカー(例えばEPCのマーカー)と共に検出することも企図している。代表的な追加のタンパク質または核酸は、本明細書に記載されている。
別の例では、EPCを検出または単離する方法は、非EPCが発現する低レベルまたは検出不能レベルの核酸またはタンパク質の発現を検出することをさらに含む。代表的な核酸および/またはタンパク質には、CD144、vWF、eNOS、および/またはTie2が含まれる。
検出/単離/診断/治療用化合物
本開示は、EPCの検出/単離、および/またはEPC関連症状の診断/予後判定/治療/防止に有用な、様々な試薬を包含する。化合物には、抗体、抗体の抗原結合ドメインを含むポリペプチド、ペプチド、核酸ベースの試薬、および低分子が含まれる。対象を治療するためのいずれの化合物も、EPC活性モデルおよび/またはEPC関連疾患モデル(例えば、本明細書に記載のモデル)を用いて、in vitroおよび/またはin vivoで試験できる。
タンパク質化合物
抗体
例えば、本開示の任意の例による本明細書に記載の方法は、タンパク質を検出し、かつ/または、抗体および/または抗体の抗原結合ドメインを含むペプチドを用いてEPCに関して濃縮された集団を単離し、かつ/または、抗体もしくはその抗原結合ドメインを含むポリペプチドを投与することを伴う。
本明細書で使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原結合部位を通じて、標的タンパク質、および/またはそのエピトープ、および/またはその免疫原性断片、および/またはその改変された(例えばグリコシル化等)形態と結合する能力のある免疫グロブリン分子を指す。この用語は、インタクトなポリクローナル抗体やモノクローナル抗体だけでなく、変異体、抗体を含む融合ポリペプチド、ヒト化抗体、ヒト抗体、およびキメラ抗体も包含する。この用語はまた、抗体を含む誘導体、例えば追加の成分、例えば、毒素、および/または抗体の安定性を増加させる化合物を含む複合体も包含する。
本明細書で使用する用語「抗原結合ドメインを含むポリペプチド」は、標的タンパク質に特異的または選択的に結合する能力を保持する抗体の断片もしくはドメイン、またはこれを含むポリペプチドを意味するものと解釈される。この用語はまた、1つ以上の抗体に由来する複数の抗原結合ドメインを含むポリペプチドも含む。ポリペプチドは、多量体タンパク質の一成分を形成し得る(例えば、Fab断片または二重特異性抗体もしくはそれより高次の多量体の場合)。この用語は、とりわけ、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、単鎖抗体(SCAもしくはSCABもしくはscFv)、二重特異性抗体、またはそれより高次の多量体を含む。「Fab断片」は抗体分子の一価の抗原結合断片からなり、全抗体分子を酵素パパインで消化し、インタクトな軽鎖および重鎖の一部からなる断片を得ることにより作製できる。また、組み換え手段を用いてこのような断片を作製することもできる。抗体分子の「Fab’断片」は、全抗体分子をペプシンで処置してから還元し、インタクトな軽鎖および重鎖の一部からなる分子を得ることにより取得できる。この方法で処置した抗体分子1つにつき、2つのFab’断片を取得できる。また、組み換え手段を用いてこのような断片を作製することもできる。抗体の「F(ab’)2断片」は、2つのジスルフィド結合で互いを保持する2つのFab’断片で構成された二量体からなり、後続の還元を伴わずに全抗体分子を酵素ペプシンで処置することにより取得される。また、組み換え手段を用いてこのような断片を作製することもできる。「単鎖抗体(SCA)」または「scFv」(単鎖Fv、単鎖断片可変)とは、適切な可動性ポリペプチドリンカーで連結された軽鎖の可変領域と重鎖の可変部分を含む、遺伝子改変された単鎖分子である。用語「抗体の抗原結合ドメインを含むポリペプチド」は、単一の可変ドメイン、重鎖のみの抗体(例えばラクダ科動物または軟骨魚由来)、もしくはミニボディ、もしくはフレックスミニボディ、もしくは二重特異性抗体、もしくは三重特異性抗体、もしくは四重特異性抗体、もしくはそれより高次の多量体を含むドメイン抗体(dAb)、または、抗体の定常領域、もしくは抗体のFc領域、もしくは抗体のCH2および/もしくはCH3領域と融合した上記タンパク質を包含する。
本明細書に記載のいくつかのタンパク質に関して、当業者には明らかとなるように、抗体は商業的供給源から取得できる。例えば、ALCAM抗体はアブカム社から市販され;SPAG11B抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;FRAS1抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;IL20RB抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;ILDR1抗体はアブノバ社から市販され;EPB41L1抗体はアブカム社から市販され;BAGE抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;CHRM3抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;GRIA2抗体はアブカム社から市販され;SYT15抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;NLGN1抗体はアブノバ社から市販され;ITGB1抗体はベクトン・ディッキンソン社から市販され;SIGLEC8抗体はアブノバ社から市販され;UNC93A抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;OR1C1抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;RAP1A抗体はアブノバ社から市販され;PLXNA2抗体はアブノバ社から市販され;TMTC4抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;CLCN4抗体はアブノバ社から市販され;OR12D3抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;BTNL8抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;KIR2DL3抗体はベクトン・ディッキンソン社から市販され;SLC7A14抗体はアブカム社から市販され;GPR18抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;OR7D4抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;KLRK1抗体はベクトン・ディッキンソン社から市販され;MUC12抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;CX3CR1抗体はアブノバ社から市販され;DEFB109抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;KCNIP1抗体はアブノバ社から市販され;SLC45A4抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;ENPP6抗体はアブカム社から市販され;PCDHB8抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;EMR2抗体はアブカム社から市販され;SLCO1B3抗体はアブカム社から市販され;HLA_DQB1抗体はアブノバ社から市販され;GPR83抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;TAS2R19抗体はアブカム社から市販され;KAL1抗体はアブカム社から市販され;GPR174抗体はジェンウェイ・バイオテック社から入手でき;EPGN抗体はシグマアルドリッチ社またはアブカム社から入手でき;ALC15A2抗体はアブカム社から入手でき;EMB抗体はアブカム社から入手でき;AREG抗体はアブノバ社から入手でき;ITM2A抗体はシグマアルドリッチ社から入手でき;NRG4抗体はアブカム社から入手でき;SLC16A6抗体はシグマアルドリッチ社から入手でき;抗体;SLC39A8抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から入手でき;GPM6B抗体はシグマアルドリッチ社から市販され;SIGLEC10抗体はアブカム社から市販され;CNR2抗体はジェンウェイ・バイオテック社から市販され;RHBDD1抗体はシグマアルドリッチ社から市販され;PRSS21抗体はアブカム社から市販され;SIGLEC6抗体はアブジェント社から市販され;SORL1抗体はプロサイ社から市販され;NCKAP1L抗体はアブカム社から市販され;EVI2B抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;KCNQ5抗体はKCNQ5から市販され;PLXNC1抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;P2RY14抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;SLC8A1抗体はアブノバ社から市販され;HTR1F抗体はシグマアルドリッチ社から市販され;TRAT1抗体はライフスパンバイオサイエンシーズ社から市販され;GPR183抗体はアブノバ社から市販され;OR13D1抗体はアブカム社から市販され;VSIG4抗体はシノバイオロジカル社から市販され;TAS2R4抗体はアブカム社から市販され;GPR18抗体はジェンウェイ・バイオロジカルズ社から市販され;EMR2抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;TAS2R3抗体はアブカム社から市販され;TAS2R13抗体はアブカム社から市販され;MR1抗体はアブカム社から市販され;SLC22A16抗体はアブカム社から市販され;GPR34抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;NKG7抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;SLC24抗体はライフスパンバイオサイエンシーズ社から市販され;GPR65抗体はアブカム社から市販され;SLC2A5抗体はシグマアルドリッチ社から市販され;KCNAB2抗体はAntibodiesOnlineから市販され;OPN3抗体はアブカム社から市販され;KCNE3抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;LAT2抗体はアブカム社から市販され;ABCC4抗体はシグマアルドリッチ社から市販され;OR52B6抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;ADCY7抗体はアブカム社から市販され;MLC1抗体はジェンウェイ・バイオロジカルズ社から市販され;ENPP5抗体はアブカム社から市販され;SLC38A1抗体はジェンウェイ・バイオロジカルズ社から市販され;DSG2抗体はR&Dシステムズ社から市販され;CD302抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;SLC1A3抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;TBXAS1抗体はアクリスアンチボディーズ社から市販され;SEMA3C抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;LAPTM5抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;VAMP8抗体はアブカム社から市販され;SLC1A4抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;AKAP7抗体はアブカム社から市販され;CLDN20抗体はシグマアルドリッチ社から市販され;CLDN10抗体はアクリスアンチボディーズ社から市販され;ADAMTS2抗体はアブカム社から市販され;PLBD1抗体はアクリスアンチボディーズ社から市販され;IQCB1抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;MFAP4抗体はアブカム社から市販され;FBN2抗体はシグマアルドリッチから市販され;OGN抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;OMD抗体はR&Dシステムズ社から市販され;ASPN抗体はエベレストバイオテック社から市販され;PZP抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販され;HSN2抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;FAM46C抗体はアブカム社から市販され;SERPINI2抗体はノバスバイオロジカルズ社から市販され;Erlin−1抗体はアブカム社から市販され;LOXL3抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から市販されている。
抗体を生成するには、タンパク質、またはその免疫原性断片もしくはエピトープ、またはこれらを発現し表示する細胞を、任意で好適または所望の担体、アジュバント、または薬剤的に許容可能な賦形剤と共に製剤化して、注入可能な組成物の形態で簡便に投与する。注入の経路は、鼻腔内、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、腹膜内、その他の公知の経路を用いてよい。眼の症状の治療には、眼内または硝子体内に投与してよい。静脈内注射の場合、1つ以上の液体の栄養補充物を含めることが望ましい。抗体を調製し特徴付けする手段は、当技術分野において公知である(例えばANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988を参照のこと。この文献は参照により本明細書に組み込まれる)。
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を生成するための免疫原性ペプチドを、当技術分野において公知のいくつかの共役化学のいずれかを用いて、例えばジフテリアトキソイド(DT)、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、破傷風トキソイド(TT)、インフルエンザウイルスの核タンパク質(NP)等の免疫原性担体タンパク質と共有結合させることができる。これにより、本来は動物(例えばマウス、ラット、ウサギ、ニワトリ等)において免疫原性が高くないペプチドの免疫原性が増強される。調製方法および/または担体タンパク質は当技術分野において公知であり、例えば米国特許第4709017号、第5843711号、第5601827号、および第5917017号に記載されている。
このようにして作製された共役分子を精製し、免疫原性組成物内で使用することにより、宿主に投与したとき、単独のタンパク質またはペプチドと比べて、効力が増強されたタンパク質および/またはペプチドに対する免疫応答を誘発することができる。
タンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープまたはこれらを発現する細胞の抗体産生の効力を立証するには、例えばマウス、ニワトリ、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ等の動物に、タンパク質またはその免疫原性断片もしくはエピトープを含む製剤を注入し、次いで当該タンパク質、エピトープ、または断片に対する免疫応答をモニターする。一次免疫応答と二次免疫応答の両方をモニターする。ELISA、ラジオイムノアッセイ等の従来の任意の免疫測定法を用いて、抗体価を測定する。
ポリクローナル抗体の産生は、動物を免疫化した後、免疫された動物の様々な箇所で血液試料を採取することによりモニターできる。必要に応じて第2のブースター注射を行えば、所望の抗体価を達成し得る。適切な力価が達成されるまで、追加免疫と力価測定のプロセスを繰り返す。所望のレベルの免疫原性が得られたら、免疫された動物から血液を採取して血清を単離し保管し、かつ/または、その動物を用いてモノクローナル抗体(Mab)を生成する。
モノクローナル抗体(mAb)とは、本発明の実施に役立つ代表的な抗体である。用語「モノクローナル抗体」または「mAb」は、同一の抗原、例えば抗原内の同一のエピトープ決定基と結合する能力を有する均一抗体の集団を指す。この用語は、抗体の供給源や作製方法の点で限定されることを意図していない。
mAbを産生するには、いくつかの公知の手法のいずれを使用してもよく、例えば、米国特許第4196265号またはANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Laboratory,1988に例示されている手順を使用できる(これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる)。
例えば、適切な動物に対し、抗体産生細胞を刺激するに足る十分な条件下で、有効量のタンパク質、またはその免疫原性断片もしくはエピトープ、またはこれらを発現する細胞で免疫化する。ウサギ、マウス、ラット等のげっ歯類が代表的な動物であるが、ヒツジまたはカエルの細胞を使用することも可能である。ラットの使用にはある一定の利点があるが、マウスまたはウサギが有用であり、BALB/cマウスやC57BL/6マウスは日常的に使われている動物であり、安定的融合の割合が概して比較的高い。あるいは、ヒト免疫グロブリンタンパク質を発現し、かつ、例えばマウスの免疫グロブリンタンパク質は発現しないように遺伝子操作されたマウスを免疫化して、本開示の抗体を産生させる。このようなマウスは当技術分野において公知であり、市販されている。例えば、リジェネロン社が作製したVelocImmune(商標)マウスは、マウスゲノムにヒト可変領域が相同的に組み換えられ、すなわちノックインされ、内在性のマウス可変領域コード化遺伝子と置き換わっている。このようなマウスは、例えば国際公開第2002/066630号に記載されている。アブジェニックス/アムジェン社および麒麟麦酒/メダレックス社が作製したマウス系統は、内在性のマウス免疫グロブリン部位が不活性化すなわち「ノックアウト」され、酵母人工染色体を用いてヒト免疫グロブリン部位が導入されている。これらのマウスの例は、Lonberg et al. (1994); Lonberg, (1994); Tomizuka et al. (2000) およびJakobovits et al. (2007)に記述または概観されている。
免疫化に続き、mAb生成プロトコルにおいて使用するための、抗体産生の可能性を有する体細胞、特にBリンパ細胞(B細胞)を選択する。この細胞は、脾臓、扁桃腺、もしくはリンパ節の生検、または末梢血試料から得られる。代表的な細胞は脾臓細胞と末梢血細胞であり、その理由は、前者は、形質芽球***段階において抗体産生細胞の豊富な供給源であること、後者は、末梢血に容易に接近できることにある。脾臓リンパ球は、脾臓を注射器でホモジナイズすることにより得られる。免疫された動物からB細胞を取得した後、このB細胞を、通常は免疫原で免疫された動物と同じ種に由来する不死の骨髄腫細胞の細胞と融合する。多くの骨髄腫細胞のうちの任意の1つを使用してよく、これらの細胞は当業者に対して公知である(例えば、マウスP3−X63/Ag8、X63−Ag8.653、NSl/l.Ag4 1、Sp2/0−Agl4、FO、NSO/U、MPC−I l、MPC11−X45−GTG 1.7、およびS194/5XX0)。
抗体産生する脾臓細胞またはリンパ節細胞と骨髄腫細胞の雑種を生成するには、細胞膜の融合を促進する単一または複数の(化学的または電気的)媒介物の存在下で、体細胞を骨髄腫細胞と混合する。センダイウイルスを用いた融合方法が、Kohler and Milstein, (1975);およびKohler andMilstein, (1976)により説明されている。ポリエチレングリコール(PEG)、例えば37%(v/v)PEGを用いた方法が、Gefter et al, (1977)に詳細に説明されている。融合を電気的に誘発する方法を使用することも適切である。
組織培地中の新規のヌクレオチド合成をブロックする薬剤を含む選択培地中での培養により、雑種を増幅する。代表的な薬剤は、アミノプテリン、メトトレキサート、およびアザセリンである。
増幅したハイブリドーマに対して、例えば免疫測定法(例えば、放射免疫アッセイ、酵素免疫測定法、細胞毒性アッセイ、プラークアッセイ、ドットイムノアッセイ等)により、抗体特異性および/または力価に関して機能的選択を行う。
選択されたハイブリドーマを段階的に希釈し、個々の抗体産生細胞株へとクローニングする。作製されたクローンは長期間増殖してmAbを提供できるようになる。この細胞株は、少なくとも2つの基本的方法でmAb産生に利用できる。ハイブリドーマのサンプルを、最初の融合のため体細胞と骨髄腫細胞の提供に使われたタイプの組織適合性動物に注入する(通常は腹膜腔内に注入する)。注入を受けた動物は、融合した細胞雑種が産生する特定のモノクローナル抗体を分泌する腫瘍を発症する。この時点で、血清、腹水等の体液を動物から取り出して、高濃度のmAbを得ることができる。また、個々の細胞株をin vitroで培養することも可能であり、この場合、mAbが自然に培養液に分泌され、この培養液から高濃度のmAbが容易に得られる。どちらかの方法で産生したmAbも、必要に応じて、ろ過、遠心分離、および種々のクロマトグラフ法(HPLC、アフィニティークロマトグラフィー等)を用いて、さらに精製してよい。
あるいは、ABL−MYC技術(ネオクローン、米国53713ウィスコンシン州マディソン)を用いて、本開示の任意の例による本明細書に記載のタンパク質、またはそのエピトープもしくは免疫原性断片に対するモノクローナル抗体(mAb)を分泌する細胞株を作製する。このABL−MYC技術は、免疫されたマウスから得た脾細胞を、癌遺伝子v−ablおよびc−mycを含む複製能力のないレトロウイルスに感染させることを含む。未処置のマウスに脾細胞を移植すると腹水が発生し、この腹水は、本開示の任意の例による本明細書に記載のタンパク質、またはそのエピトープもしくは免疫原性断片に対するモノクローナル抗体(mAb)を産生する細胞株を含有する。mAbのアイソタイプに応じてプロテインGまたはプロテインAを用いて、例えば固体マトリクスに結合させて、腹水からmAbを精製する。ABL−MYC技術の包括的な説明は、Largaespada (1990);およびLargaespada et al,(1996)に詳細に記載されている。
また、ディスプレイライブラリー(例えばファージディスプレイライブラリー)をスクリーニングすることによって、抗体を産生または単離することもできる。ファージディスプレイライブラリーの場合、例えば、多種多様なCDRを用いてファージがコートの表面にscFv断片を発現する。ファージライブラリーを使用したマウス抗体および/またはヒト抗体の単離については、例えば米国特許第6521404号、米国特許第5969108号、および米国特許第7049135号に記載されている。その後の公表文献には、鎖シャッフリングによる高親和性(nM範囲)ヒト抗体の産生(Marks et al, 1992)、ならびに非常に大型のファージライブラリーを構築するための戦略としての組み合わせ感染(combinatorial infection)およびin vivoの組み換え(Waterhouseet al, 1993)が記載されている。
組み換え抗体の作製
本開示の抗体またはタンパク質は、容易に入手可能な手法と材料を用いて、組み換えにより作製することもできる。
例えば、本開示の抗体、または抗体の抗原結合ドメイン(例えばFab断片)を含むポリペプチドをコードするDNAを、従来の手順を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖と軽鎖をコードする遺伝子と特異的に結合する能力のあるオリゴヌクレオチドプローブを用いて)容易に単離し、配列決定できる。ハイブリドーマ細胞がこのようなDNAの供給源となる。単離したDNAは、発現ベクター内に配置でき、次いで発現ベクターを、本来は抗体タンパク質を産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、骨髄腫細胞等の宿主細胞にトランスフェクトすることにより、組み換え宿主細胞内でモノクローナル抗体の合成物が得られる。細菌における、抗体をコードするDNAの組み換え発現に関する総説として、Skerra et al, (1993)およびPluckthun, (1992)が挙げられる。このような目的を達成するための分子クローニング手法は当技術分野で公知であり、例えばAusubel et al. (1988)やSambrook et al. (1989)に記載されている。組み換え核酸を構築する好適な方法として、多種多様なクローニング方法およびin vitroの増幅方法がある。このような手法の例、および多くのクローニング実践経験を通じて当業者を誘導するのに十分な指示は、Berger and Kimmel; Sambrook et al., (1989); およびAusubel et al., eds., (1988)に見られる。組み換え免疫グロブリンの作製方法も、当技術分野において公知である。米国特許第6331415号および米国特許第5585089号を参照のこと。
抗体またはタンパク質を組み換えにより作製するには、それをコードする核酸を単離し、複製可能ベクターに挿入して、さらにクローニングする(DNAを増幅する)かまたは発現させる。従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖と軽鎖をコードするDNAと特異的に結合する能力のあるオリゴヌクレオチドプローブを使用して)、抗体をコードするDNAを容易に単離または合成できる。多くのベクターが利用可能である。代表的なベクターは本明細書に記載されている。ベクターの構成要素は一般に以下の1つ以上を含むが、これらに限定されない:シグナル配列、本開示の抗体またはタンパク質をコードする配列(例えば、本明細書に提供する情報から派生した配列)、エンハンサー要素、プロモーター、および転写終止配列。当業者であれば、抗体発現のための適切な配列を認識するであろう。例えば、代表的なシグナル配列として、原核生物の分泌シグナル(例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、Ipp、耐熱性エンテロトキシンII)、酵母の分泌シグナル(例えば、インベルターゼリーダー、α因子リーダー、酸性ホスファターゼリーダー)、哺乳動物の分泌シグナル(例えば、単純ヘルペスgDシグナル、免疫グロブリンシグナル)が挙げられる。代表的なプロモーターとして、原核生物で活性のあるプロモーター(例えば、phoAプロモーター、βラクタマーゼおよびラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系、およびハイブリッドプロモーター(tacプロモーター等))、および哺乳動物細胞で活性のあるプロモーター(例えば、サイトメガロウイルス前初期プロモーター(CMV)、ヒト伸長因子1−αプロモーター(EF1)、低分子核内RNAプロモーター(U1aおよびU1b)、αミオシン重鎖プロモーター、シミアンウイルス40プロモーター(SV40)、ラウス肉腫ウイルスプロモーター(RSV)、アデノウイルス主要後期プロモーター、βアクチンプロモーター;CMVエンハンサー/βアクチンプロモーターを含むハイブリッド調節要素、免疫グロブリンプロモーター、またはその活性断片)が挙げられる。
本明細書に記載のベクターでDNAをクローニングまたは発現するのに適した宿主細胞は、上記の原核細胞、酵母細胞、または高等真核細胞である。この目的に適した原核生物として、グラム陰性生物、グラム陽性生物等の真正細菌、例えば大腸菌類等の腸内細菌、例えば大腸菌、エンテロバクター、エルウィニア、クレブシエラ、プロテウス、サルモネラ、例えばネズミチフス菌、セラチア、例えばセラチア菌、および赤痢菌、ならびにB.サブチリス、B.リケニフォルミス等のバチルス属、P.エルジノーサ等のシュードモナス属、およびストレプトマイセス属が挙げられる。E.coli(大腸菌)クローニングホストの1つがE.coli294(ATCC31,446)であるが、E.coli B、E.coli X 1776(ATCC 31,537)、E.coli W3110(ATCC27,325)等の他の菌株も好適である。これらの例は説明のために示すものであり、限定的ではない。
原核生物に加えて、糸状菌、酵母等の真核微生物も、抗体をコードするベクターをクローニングまたは発現する宿主として適切である。下等真核宿主微生物の中では、出芽酵母すなわち一般的なパン酵母が最もよく使われる。しかし、いくつかの他の属、種、および菌株、例えば、シゾサッカロミセス・ポンベ;ピキア・パストリス(欧州特許第183,070号);および糸状菌類、例えばアカパンカビ、アオカビ類、トリポクラジウム(Tolypocladium)、およびアスペルギルス宿主、例えばA.ニデュランス、A.ニガーも一般に利用でき、本明細書において有用である。
グリコシル化抗体の発現に適した宿主細胞は、多細胞生物に由来する。無脊椎動物細胞の例として、植物細胞と昆虫細胞が挙げられる。数多くのバキュロウイルス菌株と変異体、およびスポドプテラ・フルギペルダ(イモムシ)、ネッタイシマカ(蚊)、キイロショウジョウバエ(ショウジョウバエ)、カイコ等の宿主に由来する対応する許容昆虫宿主細胞が同定されている。
有用な哺乳動物宿主細胞株の例として、SV40(COS−7,ATCC CRL 1651)で形質転換されたサル腎臓CV1系;ヒト胚腎臓系(293、または懸濁培養液中の増殖用にサブクローニングされた293細胞、Graham et al. (1977);ベビーハムスター腎細胞(BHK,ATCCCCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO);マウスセルトリ細胞(TM4);サル腎細胞(CVl ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76、ATCCCRL−1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCCCRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2,HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCCCCL51);TRI細胞(Mather et al. (1982);MRC5細胞;FS4細胞;およびPER.C6(商標)(クルセル社)が挙げられる。
本開示の抗体を産生する目的で使用する宿主細胞は、様々な培地で培養できる。宿主細胞を培養するには、ハムF10(シグマ)、基礎培地(MEM)(シグマ)、RPMl−1640(シグマ)、ダルベッコ変法イーグル培地((DMEM)、シグマ)等の市販の培地が好適である。加えて、Ham et al. (1979)、Barnes et al. (1980)、米国特許第4767704号、米国特許第4657866号、米国特許第4927762号、米国特許第4560655号、米国特許第5122469号、国際公開第90/03430号、国際公開第87/00195号に記載のいずれの培地も、宿主細胞の培地として使用できる。
キメラ抗体
一例では、本開示の抗体はキメラ抗体である。用語「キメラ抗体」は、重鎖および/または軽鎖の一部分が、ある特定の種(例えばマウス等のネズミ科)に由来する抗体、またはある特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一もしくは相同であり、他方、重鎖および/または軽鎖の残りの部分は、別の種(例えばヒト等の霊長類)に由来する抗体、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一もしくは相同の抗体を指し、さらに、所望の生物活性を示す限りにおいて、当該抗体の断片も指す(米国特許第4816397号、米国特許第4816567号、および米国特許第5807715号)。
通常、キメラ抗体は、主にヒトドメインを有する抗体を産生する目的で、げっ歯類またはウサギの可変領域とヒトの定常領域を利用する。例えば、キメラ抗体は、本開示のいずれかの例による本明細書に記載のマウス抗体由来の可変領域が、ヒトの定常領域と融合している。このようなキメラ抗体の作製は当技術分野において公知であり、標準の手段(例えば米国特許第4816397号、米国特許第4816567号、および米国特許第5807715号に記載されている手段)により作製できる。
本明細書で使用する用語「抗体可変ドメイン」は、抗体分子の軽鎖および重鎖のうち、相補性決定領域(CDR;すなわちCDR1、CDR2、CDR3)のアミノ酸配列およびフレームワーク領域(FR)を含む部分を指す。VHは、重鎖の可変ドメインを指す。VLは、軽鎖の可変ドメインを指す。CDRとFRは、Kabat (1987 and 1991)もしくはChothia and Lesk(1987)、または他の公知の手法もしくはこれらの組み合わせに従って定義できる。
本明細書で使用する定常領域(CR)という用語は、抗体分子のうち、エフェクター機能を与える部分を指す。重鎖の定常領域は、5つのアイソタイプ:α、δ、ε、γ、μのいずれから選択できる。さらに、各種サブクラスの重鎖(例えば重鎖のIgGサブクラス)は異なるエフェクター機能を担うので、所望の重鎖定常領域を選択することにより、所望のエフェクター機能を有する抗体を産生することができる。代表的な重鎖定常領域は、γ1(IgG1)、γ2(IgG2)、γ3(IgG3)、およびγ4(IgG4)である。軽鎖定常領域は、κ型またはλ型、たとえばκ型であり得る。
本明細書で使用する用語「相補性決定領域」(CDRと同義;すなわちCDRl、CDR2、およびCDR3)は、抗原と結合する上で存在する必要がある抗体可変ドメインのアミノ酸残基を指す。各可変ドメインは通常、CDRl、CDR2、CDR3と識別される3つのCDR領域を有する。各相補性決定領域は、Kabat et al. (1987 and 1991)が定義した「相補性決定領域」に由来するアミノ酸残基、および/またはChothia and Lesk (1987)の「超可変ループ」に由来するアミノ酸残基、または他の公知の手法もしくはこれらの組み合わせに由来するアミノ酸残基を含み得る。
「フレームワーク領域」(以下FR)とは、CDR残基以外の可変ドメイン残基である。
ヒト化抗体およびヒト抗体
本開示の抗体は、ヒト化抗体またはヒト抗体であってよい。
用語「ヒト化抗体」は、一般に組み換え手法を用いて作製され、ヒト以外の種に由来する抗体から派生したエピトープ結合部位を有するキメラ分子であって、分子の残りの抗体構造はヒト抗体の構造および/または配列に基づいているキメラ分子を指すものと理解される。抗原結合部位は、ヒト抗体の可変ドメインの適切なフレームワーク領域に移植された非ヒト抗体由来の相補性決定領域(CDR)と、ヒト抗体由来の残りの領域を含む。抗原結合部位は、野生型であってよく、あるいは1つ以上のアミノ酸置換で修飾されていてもよい。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化された形態とは、キメラの抗体、抗体鎖、またはポリペプチドであって、そこに含まれるその抗原結合部位(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2、または、抗体の他の抗原結合部分配列)が非ヒト抗体に由来する最小配列を含む、キメラの抗体、抗体鎖、またはポリペプチドである。いくつかの例では、ヒト抗体のFvフレームワーク残基が、対応する非ヒト残基に置き換わる。ヒト化抗体は、レシピエント抗体、移入されるCDRまたはフレームワーク配列のどちらにも見られない残基を含む場合もある。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ(通常は2つ)の可変ドメインの実質的にすべてを含み、CDR領域の全部または実質的に全部は、非ヒト抗体のCDR領域に対応し、FR領域の全部または実質的に全部は、ヒト抗体コンセンサス配列のFR領域である。また、ヒト化抗体は至適には、抗体の定常領域(Fc)の少なくとも一部分、通常はヒト抗体の定常領域の少なくとも一部分を含む。
非ヒト抗体をヒト化する方法は、当技術分野において公知である。米国特許6548640号、米国特許第5585089号、米国特許第6054297号、または米国特許第5859205号の方法に従って、ヒト化を本質的に実施できる。抗体のその他のヒト化方法は排除されない。
抗体分子に関連して本明細書で使用する用語「ヒト抗体」は、ヒト、例えばヒトの生殖系列細胞または体細胞に由来する、またはヒトに見られる配列に対応する、可変抗体領域(例えばVH、VL、CDR、およびFR領域)と定常抗体領域を有する抗体を指す。「ヒト」抗体には、ヒト配列にコードされないアミノ酸残基、例えば、in vitroのランダム変異誘発または部位特異的変異誘発により導入される変異(特に、保存的置換を伴う変異、または、抗体の少数の残基、例えば抗体の1、2、3、4、もしくは5個の残基、例えば抗体のCDRの1つ以上を構成する1、2、3、4、もしくは5個の残基における変異)が含まれ得る。これらの「ヒト抗体」は実際にヒトから産生される必要はなく、組み換え手段を用いて産生でき、かつ/または、ヒト抗体の定常領域および/または可変領域(例えば上記の領域)をコードする核酸を含むトランスジェニック動物(例えばマウス)から単離できる。
また、ファージディスプレイライブラリー(例えば米国特許第5885793号に記載)を含む、当技術分野において公知の様々な手法を用いてヒト抗体を産生することもできる。
また、「誘導選択」(guided selection)と称される手法を用いて、選択されたエピトープを認識する完全ヒト抗体を作製することもできる。この手法では、選択された非ヒトモノクローナル抗体、例えばマウス抗体を使用して、同一エピトープを認識する完全ヒト抗体の選択を誘導する(米国特許第5565332号)。
多重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有する抗体である。代表的な二重特異性抗体は、標的タンパク質の2つの異なるエピトープと結合できる。この種の他の抗体は、本明細書に記載のタンパク質に対する結合部位と、別のタンパク質に対する結合部位とを組み合わせることができる。あるいは、本明細書に記載のタンパク質と結合する領域と、白血球表面のトリガー分子、例えばT細胞受容体分子(例えばCD3)、またはIgG(FcγR)に対するFc受容体、例えばFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、および/またはFcγRIII(CD16)と結合する領域が組み合わされ、これにより、細胞防御機構をEPCに集中させ局在化させることもできる。二重特異性抗体を用いて、細胞毒性薬をEPCに局在化させることもできる。これらの抗体は、標的タンパク質と結合する領域と、細胞毒性薬(例えばサポリン、抗インターフェロンα、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキサート、または放射性同位元素ハプテン)と結合する領域とを有する。二重特異性抗体は、全長抗体として作製することも、抗体の抗原結合ドメイン(例えばF(ab’)2二重特異性抗体)を含むタンパク質として作製することもできる。代表的な二重特異性抗体とその作製方法は、国際公開第96/16673号、国際公開第98/02463号、および米国特許第5821337号に記載されている。
二重特異性抗体を作製する方法は、当技術分野において公知である。全長二重特異性抗体の従来の作製は、免疫グロブリンの2つの重鎖−軽鎖ペアの同時発現をベースにしており、この場合、2つの鎖は異なる特異性を有する(Millstein et al, 1983)。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖がランダムに組み合わされることから、こうしたハイブリドーマ(クアドローマ)から潜在的に10個の異なる抗体分子の混合物が産生され、そのうちの1つだけが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精製は、通常はアフィニティークロマトグラフィー手順により行われる。類似の手順が国際公開第93/08829号およびTraunecker et al. (1991)に開示されている。二重特異性抗体を作製する他のアプローチは当技術分野において公知であり、例えば国際公開第94/04690号、米国特許第5731168号、Suresh et al, (1986)に記載されている。
二重特異性抗体には、架橋結合抗体すなわち「ヘテロ結合」抗体が含まれる。例えば、ヘテロ結合中の抗体の一方がアビジンと結合でき、他方がビオチンと結合できる。このような抗体は当技術分野において公知であり、例えば米国特許第4676980号、国際公開第91/00360号、および国際公開第92/200373号に記載されている。
二重特異性抗体の作製方法として、化学結合の使用(Brennan et al,1985)、あるいは、化学結合して二重特異性抗体を形成できる大腸菌由来のFab’−SH断片の使用(Shalabyet al, 1992)も可能である。その他の手法では、ロイシンジッパー(Kostelny et al,1992)や、Hollinger et al, (1993)に記載の「ダイアボディ」技術を利用する。
2を超える結合価の抗体も、本開示で企図されている。例えば、三重特異性抗体を作製することができる(Tutt et al, (1991))。
本開示の抗体は、3つ以上の抗原結合部位を有する多価抗体(IgMクラスの抗体を除く)であってよく(例えば四価抗体)、こうした多価抗体は、抗体のポリペプチド鎖をコードする核酸の組み換え発現により容易に作製できる。多価抗体は、二量体化ドメインおよび3つ以上の抗原結合部位を含み得る。二量体化ドメインは、抗体のFc領域もしくはヒンジ領域を含む(またはこれらからなる)。このシナリオでは、抗体は、Fc領域と、Fc領域のアミノ末端に3つ以上の抗原結合部位を含むことができる。
抗体の変異
本開示は、本明細書に記載の抗体のアミノ酸配列修飾を包含する。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生物学的特性を改良することが望ましい場合がある。コードする核酸に適切なヌクレオチド変化を導入するか、またはペプチド合成により、抗体のアミノ酸配列変異体が作製される。このような修飾の例として、抗体のアミノ酸配列内残基の欠失、および/または挿入、および/または置換が挙げられる。欠失、挿入、および置換を任意に組み合わせることで最終構築物に到達するが、最終構築物が所望の特性を有していることを条件とする。アミノ酸の変化により、例えば糖鎖付加部位の数または位置を変更するなど、抗体の翻訳後プロセスを改変することもできる。
アミノ酸配列挿入物には、長さの範囲が1残基から100以上の残基を含むポリペプチドに及ぶアミノ末端および/またはカルボキシル末端融合物、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入物が含まれる。末端挿入物の例として、N末端メチオニル残基を有する抗体や、細胞毒性ポリペプチドに融合した抗体が挙げられる。抗体のその他の挿入変異体には、抗体の血清半減期を増加させる酵素またはポリペプチドの、抗体のN末端またはC末端への融合物が含まれる。
別のタイプの変異体として、アミノ酸置換変異体がある。こうした変異体は、異なる残基で置換された抗体に少なくとも1つのアミノ酸残基を有する。置換変異の関心部位にはCDRが含まれるが、FRの改変も企図されている。代表的な置換は保存的置換である。
抗体の適切な高次構造の維持に関与しない任意のシステイン残基も置換してよく、一般にセリンで置換して、分子の酸化安定性を改善し異常な交差結合を防止することができる。逆に、抗体にシステイン結合を付加して、その安定性を改善することもできる(特に、抗体結合ドメインを含むポリペプチド、例えばFvを含むタンパク質を使用する場合)。
代表的な置換変異体のタイプは、親抗体(例えばヒト化抗体またはヒト抗体)の1つ以上のCDR残基を置換することを伴う。一般に、さらなる発達のために選択され、結果として生じる変異体は、作製元の親抗体と比べて向上した生物学的特性を有する。このような置換変異体を生成する簡便な方法の1つは、例えば米国特許第5223409号に記載のファージディスプレイを用いた親和性成熟を伴う。
抗体の別のタイプのアミノ酸変異体は、抗体の元のグリコシル化パターンを変更する。変更とは、抗体に見られる1つ以上の炭水化物部分を欠失させること、かつ/または、抗体に存在しない1つ以上のグリコシル化部位を付加することを意味する。抗体の修飾グリコフォームは、種々の目的、例えばエフェクター機能の増強もしくは低減、および/または抗体の半減期の改変(ただしこれらに限定されない)で有用であり得る(例えば国際公開第2007/010401号を参照)。このような変更の結果、CIq結合およびCDC、またはFcγR結合および/またはADCCが増加または減少し得る。例えば、重鎖定常領域のアミノ酸残基の1つ以上で置換を行うことにより、例えば米国特許第5624821号および米国特許第5648260号に記載されているように、エフェクター機能の変化をもたらすと同時に、修飾された抗体と比較して抗原結合能力を保持することができる。操作されたグリコフォームは、当技術分野において公知の方法で生成でき、例えば、操作された発現株もしくは変異発現株を使用すること、1つ以上の酵素、例えばβ(l,4)−N−アセチルグルコサミニル転移酵素III(GnTIII)を用いた同時発現、種々の生物体もしくは種々の生物体に由来する細胞株において抗体もしくはタンパク質を発現すること、または抗体もしくはタンパク質が発現した後に炭水化物を改変することにより生成できる。操作されたグリコフォームを生成する方法は当技術分野において公知であり、例えば米国特許第6602684号、米国特許出願第10/277370号、または米国特許出願第10/113929号に記載の方法が含まれるが、これらに限定されない。
これに代替または追加して、通常はIgG(例えばIgG1)のFc領域の位置297のAsnに結合するフコースユニットを付加しないトランスフェクトーマにおいて、抗体またはタンパク質を発現させることができ、これにより、Fc受容体のFc領域の親和性を増強し、その結果、NK細胞の存在下で抗体のADCCが増加する(例えばShield et al. 2002)。
抗体の血清半減期を延長する目的で、例えば米国特許第5739277号に記載されているように、抗体または抗体の抗原結合ドメインを含むポリペプチドに、サルベージ受容体結合エピトープを組み込むことができる。本明細書で使用する用語「サルベージ受容体結合エピトープ」は、例えば新生児Fc受容体(FcRn)に結合することによりIgG分子のin vivoでの血清半減期の延長に関与しているIgG分子(例えばIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)のFc領域のエピトープを指す。
抗体の精製
組み換え手法を使用する場合、抗体を細胞内もしくは細胞膜周辺腔に産生でき、または培地中に抗体を直接分泌させることができる。抗体を細胞内に産生させる場合は、第1のステップとして、微粒子状の破片(宿主細胞または溶解断片)を、例えば遠心分離または限外ろ過により除去する。Carter et al. (1992)は、大腸菌の細胞膜周辺腔に分泌された抗体を単離する手順を説明している。手短に述べると、細胞ペーストを、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、およびフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)の存在下で約30分間解凍する。細胞片は遠心分離で除去できる。抗体を培地に分泌させた場合は、通常は最初に、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばAmiconまたはMilliporePellicon限外ろ過装置を用いて、このような発現系からの上清を濃縮する。上記の工程のいずれかにPMSF等のプロテアーゼ阻害剤を含めることにより、タンパク質分解を阻害してもよく、また、抗生物質を含めることにより、外来性汚染物の増殖を防止してもよい。
細胞から作製した抗体は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、およびアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製でき、中でもアフィニティークロマトグラフィーが代表的な精製手法である。アフィニティーリガンドとしてのプロテインAの適合性は、抗体に存在する免疫グロブリンFcドメイン領域の種およびアイソタイプによって異なる。プロテインAを使用すると、ヒトγ1、γ2、またはγ4重鎖に基づく抗体を精製できる(Lindmark et al., 1983)。プロテインGは、すべてのマウスアイソタイプおよびヒトγ3に対して推奨されている(Guss et al., 1986)。アフィニティーリガンドが結合するマトリクスはアガロースであることが最も多いが、他のマトリクスも使用可能である。孔制御ガラスやポリ(スチレンジビニル)ベンゼン等の機械的に安定なマトリクスは、アガロースで達成できるものと比べて、流速を高め、処理時間を短くすることができる。回収する抗体に応じて、イオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、ヘパリンでのクロマトグラフィー、陰イオンまたは陽イオン交換樹脂でのSEPHAROSE(商標)クロマトグラフィー(ポリアスパラギン酸カラム等)、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、および硫酸アンモニウム沈殿法等の他のタンパク質精製手法も利用可能である。
予備的精製工程に続き、目的の抗体および汚染物を含む混合物に対して、低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーを行ってよい。
抗体誘導体
本開示は、本開示の任意の例による本明細書に記載の抗体またはタンパク質の誘導体も提供する。例えば、別の部分と結合した本開示の抗体またはタンパク質を含む複合体(免疫複合体)や、例えば、抗体と直接的または間接的に結合した治療薬を提供する。他の部分の例として、酵素、フルオロフォア、細胞毒、放射性同位元素(例えばヨウ素131、イットリウム90、インジウム111)、免疫調節剤、抗血管新生剤、抗新血管新生剤および/または他の脈管化剤、毒素、抗増殖剤、アポトーシス促進剤、化学療法剤、および治療用核酸が挙げられるが、これらに限定されない。
細胞毒には、細胞に有害な(例えば細胞を死滅させる)任意の薬剤が含まれる。当技術分野において公知のこれらの区分の薬剤およびその作用機序については、Goodman et al. (1990)を参照のこと。抗体免疫毒素の調製に関連するさらなる手法は、例えば米国特許第5194594号に提供されている。代表的な毒素には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、外毒素A鎖(緑膿菌由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α−サルシン、シナアブラギリタンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウタンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ニガウリ阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、リストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、およびトリコテセンが含まれる。例えば国際公開第93/21232号を参照のこと。
本開示の免疫複合体を形成するための適切な治療剤には、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy anthracin dione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ダカルバジン、ヒドロキシウレア、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、クラドリビン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテバ、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、ダカルバジ(DTIC)、プロカルバジン、マイトマイシンC、シスプラチン、その他の白金誘導体、例えばカルボプラチン)、抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)、ドキソルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシン、アントラマイシン(AMC))が含まれる。
放射性複合体化(radioconjugated)抗体を産生するには、種々の放射性核種を使用できる。例として、212Bi、131I、90Y、および186Reが挙げられるが、これらに限定されない。
EPCプレターゲティングでの利用のため、抗体を「受容体」(例えばストレプトアビジン)に結合してよく、この場合、抗体−受容体複合体を患者に投与し、次いで除去剤(clearing agent)を用いて未結合の複合体を血行路から除去し、次に、治療剤(例えば放射性ヌクレオチド)に結合している「リガンド」(例えばアビジン)を投与する。
本開示の抗体をさらに改変して、当技術分野で公知であり容易に入手可能な追加の非タンパク性部分を含有させることができる。例えば、抗体の誘導体化に適した成分は、水溶性ポリマーである。水溶性ポリマーの非限定的な例として、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。
ペプチドおよびポリペプチド
本開示の別の例では、本開示の任意の例による本明細書に記載のタンパク質と結合する化合物は、ペプチドである。例えば、このペプチドは、本開示の任意の例による本明細書に記載の細胞表面マーカーまたはタンパク質のリガンドに由来する(例えば、タンパク質またはマーカーのリガンド結合領域に由来する)。
あるいは、リガンドは、ランダムペプチドライブラリーから単離されたペプチドである。適切なリガンドを同定するには、米国特許第5733731号、米国特許第5591646号、および米国特許第5834318号に記載のように、ランダムペプチドライブラリーを生成しスクリーニングする。一般に、このようなライブラリーは、in vitroまたはin vivoで発現する短いランダムオリゴヌクレオチドから生成され、ライブラリーのスクリーニングを促進する方法で表示され、これにより、目的のタンパク質またはペプチドと特異的に結合する能力のあるペプチドが同定される。表示方法には、ファージディスプレイ、レトロウイルスディスプレイ、細菌表面ディスプレイ、細菌鞭毛ディスプレイ、細菌胞子ディスプレイ、酵母表面ディスプレイ、哺乳動物表面ディスプレイが含まれ、in vitroの表示方法には、mRNAディスプレイ、リボソームディスプレイ、および共有結合ディスプレイが含まれる。
目的のタンパク質またはペプチドとの結合能力を有するペプチドを同定する方法として、当技術分野で公知のいくつかの方法があり、例えば、Scopes, 1994等に記載されている標準の親和性精製法、米国特許第645563号に記載されているようなFACS解析を用いた精製、Gilligan et al, 2002に記載されているようなバイオセンサー技術を用いた精製がある。
表1〜6の1つ以上に記載のタンパク質の活性を低減する別のポリペプチドは、可溶型のタンパク質である。例えば、タンパク質の1つ以上の細胞外ドメインが抗体のFc領域と融合する。このようなポリペプチドは、表1〜6の1つ以上に記載のタンパク質のリガンドと結合して、リガンドがタンパク質と結合し当該タンパク質の活性を誘発する能力を低減または阻止する。Fc融合タンパク質を産生する方法は当技術分野において公知であり、例えば国際公開第92/12994号および米国特許第6710169号に記載されている。
低分子
本開示の任意の例による本明細書に記載のタンパク質または細胞表面マーカーと特異的に結合するリガンドを同定するための低分子化合物ライブラリー(chemical small molecule library)も、明確に企図されている。低分子化合物ライブラリーは市販されており、また、当技術分野において公知の方法、例えば米国特許第5463564号に記載されている方法で生成することもできる。
核酸検出/治療用薬剤
プローブ/プライマーの設計および作製
当業者には明らかであろうが、本開示のアッセイで使用する具体的なプローブまたはプライマーは、使用するアッセイ形式によって異なる。目的のマーカーと特異的にハイブリダイズする能力、あるいは目的のマーカーを検出する能力を有するプローブやプライマーが有用であることは、明らかである。例えばPCRやハイブリダイゼーションのためのプローブおよび/またはプライマーの設計方法は当技術分野において公知であり、例えばDieffenbach and Dveksler (1995)に記載されている。さらに、各種アッセイ向けに最適なプローブおよび/またはプライマーを設計するソフトウェアパッケージがいくつか公的に入手可能であり、例えばゲノム研究センター(Center for Genome Research)(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)の提供するPrimer3等がある。EPCに関連するマーカーの検出に有用なプローブおよび/またはプライマーを評価することにより、ヘアピンを形成せず、自己刺激せず、かつ(例えば、検出アッセイで使用する別のプローブまたはプライマーと)プライマー二量体を形成しないプローブ/プライマーを特定する。
さらに、プローブまたはプライマー(またはその配列)を評価することにより、標的核酸配列から変性する温度(すなわち、プローブまたはプライマーの融解温度、Tm)を特定する。Tmを特定する方法は当技術分野において公知であり、例えばSanta Lucia (1995)やBresslauer et al. (1986)に記載されている。
本開示のプローブまたはプライマーを作製/合成する方法は、当技術分野において公知である。例えば、in Gait (1984)にオリゴヌクレオチド合成が記載されている。例えば、生物学的合成(例えば制限酵素を用いた核酸の消化)、あるいは化学合成によりプローブまたはプライマーを取得できる。短い配列(最大約100ヌクレオチド)の場合は、化学合成が望ましい。
長い配列の場合は、分子生物学で使用されている標準の複製方法、例えばMessing(1983)に記載されている一本鎖DNA向けM13の使用等の方法が有用である。
オリゴヌクレオチド合成の他の方法例として、ホスホトリエステルおよびホスホジエステル法(Narang, et al., 1979)、および支持体上での合成(Beaucage,et al, 1981)、ならびにホスホルアミデート法(Caruthers, et al. (1988))、その他、Narang (1987)およびその中に含まれる参考文献に記載されている方法が挙げられる。
LNAの合成については、例えばNielsen et al, (1997);Singh and Wengel, (1998)に記載されている。PNAの合成については、例えばEgholm et al. (1992);Egholm et al. (1993);およびOrum et al. (1993)に記載されている。
本開示の一例では、本開示の方法を実施するのに有用なプローブまたはプライマーは、表1〜6のいずれか1つに記載の核酸の少なくとも約20の連続したヌクレオチドを含むヌクレオチド配列を含む。
本開示はさらに、本明細書に記載の方法に従って作製されるプローブまたはプライマーを、EPC関連症状の素因を診断もしくは確定するため、またはEPC関連症状を診断もしくは予後判定するための診断試薬または予後判定試薬の製造に使用することも企図している。
核酸転写/翻訳の阻害
本開示の一例では、本開示の任意の例による本明細書に記載の治療方法および/または予防方法は、表1〜6の1つ以上に記載の1つ以上の核酸の発現を低減することを伴う。例えば、このような方法は、表1〜6の1つ以上に記載の1つ以上の核酸の転写および/または翻訳を低減する化合物を投与することを伴う。一例では、この化合物は、例えばアンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、PNA、干渉RNA、siRNA、マイクロRNA等の核酸である。
アンチセンス核酸
「アンチセンス核酸」という用語は、本開示の任意の例による本明細書に記載のポリペプチドをコードする特定のmRNA分子の少なくとも一部分に対して相補的であり、かつ転写後の事象(例えばmRNA翻訳)に干渉する能力のあるDNA、RNA、その誘導体(例えばLNAもしくはPNA)、またはこれらの組み合わせを意味するものと解釈される。アンチセンス法の使用は当技術分野において公知である(例えばHartmann and Endres, 1999を参照)。
本開示のアンチセンス核酸は、生理的条件下で標的核酸とハイブリダイズする。アンチセンス核酸には、構造遺伝子もしくはコード領域に対応する配列、または遺伝子発現もしくはスプライシングの制御を行う配列に対応する配列が含まれる。例えば、アンチセンス核酸は、表1〜6の1つ以上に記載の核酸の標的コード領域、または5’未翻訳領域(UTR)、3’UTR、もしくはこれらの組み合わせと対応し得る。アンチセンス核酸は、イントロン配列と部分的に相補的であってよく、転写中または転写後にイントロン配列は切り出されて、結局は、例えば標的遺伝子のエクソン配列となり得る。アンチセンス配列の長さは、少なくとも19の隣接ヌクレオチドであるべきであり、例えば少なくとも50ヌクレオチドであり、例えば、少なくとも100、200、500、もしくは1000ヌクレオチドの表1〜6の1つ以上に記載の核酸、またはそれをコードする構造遺伝子である。遺伝子転写物全体に対して相補的な完全長配列を使用してよい。長さは100〜2000ヌクレオチドであり得る。標的転写物に対するアンチセンス配列の同一度は少なくとも90%であるべきであり、例えば95〜100%である。
触媒性核酸
「触媒性核酸」という用語は、ある個別の基質を特異的に識別し、その基質の化学修飾を触媒するDNA分子もしくはDNA含有分子(当技術分野では「デオキシリボザイム」または「DNAザイム」とも呼ばれる)、またはRNAもしくはRNA含有分子(「リボザイム」または「RNAザイム」とも呼ばれる)を指す。触媒性核酸中の核酸塩基は、塩基A、C、G、T(RNAの場合はU)であり得る。
通常、触媒性核酸は、標的核酸を特異的に認識するためのアンチセンス配列と、核酸切断酵素活性(本明細書では「触媒ドメイン」とも称する)を含有する。本開示で特に有用なリボザイムの種類は、ハンマーヘッド型リボザイム(Haseloff and Gerlach, 1988; Perriman et al. 1992)およびヘアピン型リボザイム(Zolotukiin et al., 1996; Klein et al., 1998; Shippy et al., 1999)である。
RNA干渉
RNA干渉(RNAi)は、特定のタンパク質の産生を特異的に阻害する上で有用である。理論に制限されることを望むものではないが、Waterhouseら(1998)は、dsRNA(二本鎖RNA)を用いてタンパク質の産生を低減できるメカニズムのモデルを提供した。この技術が根拠とするものは、目的の遺伝子のmRNA(この場合、表1〜6の1つ以上に記載のタンパク質をコードするmRNA)またはその一部分と本質的に同一の配列を含むdsRNA分子が存在することである。dsRNAは、組み換えベクター宿主細胞内の単一のプロモーターから簡便に作製できる。この場合、無関係の配列がセンス配列とアンチセンス配列に隣接しており、この無関係の配列により、センス配列とアンチセンス配列がハイブリダイズして、ループ構造を形成する無関係の配列と共にdsRNA分子を形成することが可能になる。本開示に適したdsRNA分子の設計および作製は、特に国際公開第99/32619号、国際公開第99/53050号、国際公開第99/49029号、および国際公開第01/34815号を考慮すれば、当業者が十分に対応できる範囲にある。
ハイブリダイズするセンス配列とアンチセンス配列の長さは、それぞれ、少なくとも19の隣接したヌクレオチドであるべきであり、例えば、少なくとも30または50ヌクレオチド、例えば、少なくとも100、200、500、または1000ヌクレオチドである。遺伝子転写物全体に対応する完全長配列を使用してよい。長さは100〜2000ヌクレオチドであり得る。標的転写物に対するセンス配列とアンチセンス配列の同一度は少なくとも85%であるべきであり、例えば少なくとも90%、例えば95〜100%である。
代表的な低分子干渉RNA(「siRNA」)分子は、標的mRNAの約19〜21の隣接ヌクレオチドと同一のヌクレオチド配列を含む。例えば、siRNA配列は、ジヌクレオチドAAで開始し、約30〜70%(例えば30〜60%、例えば40〜60%、例えば約45%〜55%)のGC含量を含み、例えば標準のBLAST検索で判定した場合に、導入先哺乳動物のゲノム中の標的を除くヌクレオチド配列とは、高い割合の同一性を有しない。
検出可能に標識された化合物
一例では、本開示の任意の例による本明細書に記載の化合物は、検出および/または単離を促進するための1つ以上の検出可能マーカーを含む。例えば、この化合物は、例えばフルオレセイン(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、ダンシルクロライド、ローダミン、4’−6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)等の蛍光標識、シアニン染料Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、フルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、ローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)等の蛍光標識を含む。これらのうちいくつかの蛍光化合物の吸収極大と発光極大は、それぞれ、FITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568nm)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm:672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)、およびCy7(755nm;778nm)である。
これに代替または追加して、本開示の任意の例による本明細書に記載のタンパク質または細胞表面マーカーと結合する化合物は、例えば、蛍光半導体ナノ結晶(例えば米国特許第6306610号に記載のもの)で標識される。
これに代替または追加して、化合物は、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト、希土類材料、ネオジム−鉄−ボロン、鉄−クロム−コバルト、ニッケル−鉄、コバルト−白金、ストロンチウムフェライト等の磁性または常磁性化合物で標識される。
医薬組成物
EPC関連症状の治療または予防に適した本開示の化合物(活性成分と同義)は、予防的または治療的処置を目的とした非経口投与、局部投与、経口投与、局所投与、エアロゾル投与、または経皮投与に有用である。したがって、いくつかの例では、組成物は、有効量の化合物、または治療的有効量の化合物、または予防的有効量の化合物を含む。
本明細書で使用する用語「有効量」は、投与前の対象、またはその細胞、組織、もしくは器官の同一レベルと比較して、かつ/または、化合物が投与されていない同一種の対象に由来する対象、またはその細胞、組織、もしくは器官と比較して、in vivoで標的タンパク質と結合し、in vivoでEPC活性を低減または阻害または防止するに足る化合物の十分な量を意味するものと解釈される。例えば、「有効量」という用語は、EPC関連症状を低減し、予防し、もしくは寛解させ、かつ/または対象中のEPCを死滅させるのに足る十分な化合物の量を意味する。当業者であれば、このような量は、例えば投与する具体的な化合物、および/または特定の対象、および/または疾患の種類もくしは重症度もしくはレベルによって異なることを認識するであろう。したがって、本開示を特定の量(例えば化合物の重量または量)に限定するものとしてこの用語を解釈すべきではなく、本開示は、対象において規定の結果を達成するに足る化合物の任意の量を包含する。
本明細書で使用する用語「治療的有効量」は、EPC関連症状の1つ以上の徴候を、当該疾病の臨床診断または臨床的特徴として観察され容認されているレベルよりも低いレベルに低減し、または阻害するに足る化合物の十分な量を意味すると解釈される。当業者であれば、このような量は、例えば投与する具体的な化合物、および/または特定の対象、および/または疾患の種類もくしは重症度もしくはレベルによって異なることを認識するであろう。したがって、本開示を特定の量(例えば化合物の重量または量)に限定するものとしてこの用語を解釈すべきではなく、本開示は、対象において規定の結果を達成するに足る化合物の任意の量を包含する。
本明細書で使用する用語「予防的有効量」は、EPC関連症状の1つ以上の検出可能な徴候の発生を防止または阻害し、あるいは遅延させるに足る化合物の十分な量を意味すると解釈される。当業者であれば、このような量は、例えば投与する具体的な化合物、および/または特定の対象、および/または疾患の種類もくしは重症度もしくはレベル、および/または疾患素因(遺伝的または他の素因)によって異なることを認識するであろう。したがって、本開示を特定の量(例えば化合物の重量または量)に限定するものとしてこの用語を解釈すべきではなく、本開示は、対象において規定の結果を達成するに足る化合物の任意の量を包含する。
医薬組成物は、投与方法に応じて様々な単位剤形で投与できる。例えば、経口投与に適した単位剤形には、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、およびトローチが含まれる。本開示の医薬組成物は、経口投与時に消化から保護される必要があると認識される。これを達成するには、通常、化合物を組成物で複合体化して酸加水分解および酵素加水分解に対して抵抗性にするか、または、リポソーム等の適切な抵抗性担体で化合物をパッケージングする。タンパク質を消化から保護する手段は、当技術分野において公知である。
本開示の医薬組成物は、静脈内投与や、体腔への投与、または器官もしくは関節の内腔への投与等の非経口投与に特に有用である。投与する組成物は、一般に、薬剤的に許容可能な担体、例えば水性担体に溶解した本開示の化合物の溶液を含む。投与する組成物は、一般に、薬剤的に許容可能な担体、例えば水性担体に融解した本開示の化合物の溶液を含む。例えば緩衝食塩水等の様々な水性担体を使用できる。組成物は、必要に応じて、生理的条件を近似するための薬剤的に許容可能な補助物質、例えばpH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤等、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等を含有してよい。これらの製剤における本開示の化合物の濃度は大きく異なってよく、選択した投与方法および患者のニーズに従い、主として液量、粘性、体重等に基づき濃度を選択することになる。代表的な担体には、水、食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミンが含まれる。混合油、オレイン酸エチル等の非水媒体を使用してもよい。担体としてリポソームを使用してもよい。媒体に、等張性および化学安定性を増強する少量の添加剤、例えば緩衝液や保存剤を含有させてよい。
本開示の化合物は、非経口投与用として製剤化でき、例えば、ぜん動性投与および腫瘍疾患部位への直接滴下(腔内投与)を含む、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、その他の非経口経路を介した注入用として製剤化できる。本開示の化合物を活性成分として含有する水性組成物の調製は、当業者には公知であるだろう。
本開示による好適な医薬組成物は、概して、無菌水溶液等の許容可能な薬剤希釈液または賦形剤と混合される何らかの量の本開示の化合物を含み、目的の用途に応じて様々な最終濃度にされる。調製手法は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th Ed. Mack PublishingCompany, 1980(この文献は参照により本明細書に組み込まれる)に例示されているように、当技術分野で一般に知られている。
製剤後、本開示の化合物は、剤形に適合した方法で、かつ治療的/予防的に有効な量で投与される。製剤は、上記の種類の注射剤等の種々の剤形で容易に投与されるが、他の薬剤的に許容可能な剤形、例えば錠剤、丸剤、カプセル、その他の経口投与用の固形物、坐剤、ペッサリー、点鼻薬、鼻腔スプレー、エアロゾル、吸入薬、リポソーム製剤等の剤形も企図されている。「徐放性」の医薬カプセルまたは医薬組成物も使用してよい。徐放性製剤は、一般に、長時間に渡って一定した薬物レベルを与えるように設計され、本開示の化合物の送達に使用してよい。
国際公開第2002/080967号では、組成物、ならびに喘息等の治療用抗体を含むエアロゾル化した組成物の投与方法を記載しており、これらも、本開示の抗体の投与に適している。
本開示の化合物の適切な用量は、個々の化合物、治療対象の状態、および治療中の対象によって異なる。適切な用量を決定することは、熟練医師の対応できる範囲にあり、例えば、至適未満の用量で開始し、用量を徐々に増加するように修正して最適または有用な用量を決定する。あるいは、治療/予防のための適切な用量を決定する目的で、細胞培養アッセイまたは動物試験から取得したデータを使用する。この場合、毒性がほとんどないか全くないED50の活性化合物を含む一定の血中濃度範囲に適切な用量がおさまるようにする。投与量は、使用する剤形、および利用する投与経路によって、この範囲内で異なってよい。細胞培養アッセイから、治療的/予防的に有効な用量を最初に概算することもできる。細胞培養で測定されるIC50(すなわち、徴候の最大半量の阻害を達成する化合物濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにおいて用量を処方してよい。このような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定できる。血漿中濃度を、例えば高速液体クロマトグラフィーで測定してもよい。
一例では、EPCを阻害するか死滅させる化合物を含む本開示の組成物は、化学療法剤をさらに含む。このような組成物は、例えば新血管新生を阻害し、癌細胞を死滅させるか癌細胞の増殖を防止することにより、癌治療に役立つ。代表的な化学療法剤は、例えば国際公開第2006/0334488号に記載されており、チオテパ等のアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン等のスルホン酸アルキル類;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、ウレドーパ(uredopa)等のアジリジン類;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリメチロメラミンを含むエチレンイミン類およびメチラメラミン類;アセトゲニン類(特にブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;ドラスタチン;エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン;クロラムブシル等のナイトロジェンマスタード;カルムスチン等のニトロソウレア類;エンジイン抗生物質等の抗生物質;ダイネミシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、ドキソルビシ、エピルビシン、マイトマイシンC等のマイトマイシン類、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ストレプトゾシン、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)等の代謝拮抗物質;デノプテリン等の葉酸類似体;フルダラビン等のプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン等のピリミジン類似体;カルステロン等のアンドロゲン類;ヒドロキシ尿素;メイタンシン等のメイタンシノイド類;ビンデシン;ならびに上記の薬剤的に許容可能な塩、酸、または誘導体が含まれる。
別の例では、本開示の組成物はさらに、例えばセレコキシブ、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、インドメタシンナトリウム三水和物、ケトプロフェン、ケトロラクトロメタミン、ナブメトン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピロキシカム、ロフェコキシブ、スリンダク等の抗炎症化合物を含み、あるいは抗炎症化合物と一緒に投与される。
別の例では、本開示の組成物はメトトレキサートをさらに含み、あるいはメトトレキサートと一緒に投与される。
細胞性組成物
本開示の一例では、EPCおよび/またはその子孫細胞を組成物の形で投与する。例えば、このような組成物は、薬剤的に許容可能な担体および/または賦形剤を含む。
本開示に適した担体には、従来から使用されている担体が含まれ、例えば、水、食塩水、水性デキストロース、ラクトース、リンゲル液、緩衝液、ヒアルロナン、およびグリコールは、特に(等張の場合)溶液用として代表的な液体担体である。適切な医薬担体および賦形剤には、デンプン、セルロース、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、胡粉(chalk)、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、塩化ナトリウム、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール等が含まれる。
別の例では、担体は培地組成物、例えば細胞を増殖または懸濁する培地組成物である。例えば、このような培地組成物は、投与先の対象において有害作用を誘発しない。
代表的な担体および賦形剤は、細胞の生存能に悪影響を与えず、かつ/または細胞がEPC関連症状を低減、阻止、または遅延する能力に悪影響を与えない。
一例では、担体または賦形剤は、細胞を適切なpHに維持する緩衝能力を提供し、これにより生物活性を発揮する。例えば、担体または賦形剤はリン酸緩衝食塩水(PBS)である。PBSは、優れた担体または賦形剤の代表である。その理由は、細胞と最小限に相互作用し、細胞を急速に放出可能にするからである。このような場合、本開示の組成物を液体として作製して、例えば注入により、血流、もしくは組織、または組織の周辺領域もしくは隣接領域に直接適用できる。
また、レシピエントと適合性があり、レシピエントに有害でない生成物へと分解する足場(scaffold)の中に、EPCおよび/またはその子孫細胞を組み込むか埋め込むこともできる。こうした足場は、レシピエント対象に移植される細胞を支持し保護する。天然および/または合成の生分解性足場は、このような足場の例である。他の適切な足場として、Vacanti, et al. (1988); Cima, et al. (1991); Vacanti, et al. (1991)に記載されているポリグリコール酸や、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリ乳酸等の合成ポリマーが挙げられる。
例えば、この組成物は、有効量または治療的有効量もしくは予防的有効量の細胞を含む。例えば、この組成物は、1kgあたり約1×105〜約1×109個のEPC、または1kgあたり約1×106〜約1×108個のEPC、または1kgあたり約1×106〜約1×107個のEPCを含む。投与する細胞の正確な量は、患者の年齢、体重、性別を含む様々な要因、およびEPC関連症状の程度と重症度によって決まる。
本開示の細胞性組成物は、一般に認められている任意の方法により、対象の全身または局所部位に投与することができる。一例では、細胞を投与して移植を改善するには、手術時が最も簡便な時間である。自己免疫疾患を治療するには、徴候の発生時、および/または徴候の発生後、あるいは徴候の発生前(例えば、自己免疫応答の検出後)に組成物を投与することができる。外科手技の完了まで細胞を当該部位に維持するには、他の公知の制御放出メカニズム(上記を参照)を利用して、薬剤的に適合する人工ゲル、または凝固した血漿の中に細胞を投与するか、固体または半固体の支持体上に細胞を固定するのが簡便である。より侵襲の少ない手技が所望される場合は、針を通じて組成物を目的位置に注入することができる。比較的深い部位の場合は、超音波内視鏡手法、ラジオシンチグラフィー、その他の撮像手法を単独で使用するか、適切なスコープまたはカニューレの使用と組み合わせて、針を配置することができる。このような応用の場合、細胞集団を等張食塩水または中性緩衝液中に懸濁させると、細胞集団が簡便に投与される。
一例では、本開示の細胞性組成物は、内皮組織形成を亢進する薬剤、例えばVEGFと共に投与される。細胞と薬剤は同一組成物の形で投与でき、かつ/または別々に投与できる。
本明細書で論じているように、EPCおよび/またはEPCに結合する組成物は、対象に投与する前に、固体または半固体のマトリクス上に固定することができる。このようなマトリクスは、例えば内皮組織形成される血管移植片の形成に有用であり、よって血栓症のリスクを低下させる。代表的なマトリクスは当業者には明らかであり、ヒドロゲル材料、およびポリエチレングリコール(PEG)、d,1−ポリ乳酸(d,1−PLA)、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン等の親水性ポリマーと疎水性ポリマーの混合物が含まれる。
細胞の分離または濃縮
所望の細胞に関して濃縮する代表的アプローチとして、磁気ビーズ細胞選別(MACS)等の磁気を利用した細胞選別法、例えばDynabeads(登録商標)が挙げられる。従来のMACS手順はMiltenyi et al. (1990)に記載されている。この手順では、抗体と結合した磁気ビーズ、または細胞表面マーカーもしくはタンパク質と結合する他の化合物と結合した磁気ビーズで細胞を標識し、この細胞を、常磁性分離カラムに通すか、または別の形態の磁場に露出する。磁気で標識した細胞はカラムに捕捉され、標識されていない細胞は通過する。次に、捕捉された細胞をカラムから溶出させる。
MACS手法は、負の選択にも同等に適用でき、例えば、望ましくないマーカーを発現する細胞(すなわち望ましくない細胞)の選択にも適用できる。このような方法は、望ましくない細胞型の表面に検出可能なレベルで発現する細胞表面マーカーと結合する化合物で標識された磁気粒子を、細胞集団に接触させることを伴う。インキュベーションの後、試料を洗浄し、再懸濁させ、磁場に通して、免疫磁気ビーズと結合した細胞を除去する。次に、望ましくない細胞型が減損した残りの細胞を回収する。
別の例では、タンパク質または細胞表面マーカーに結合する化合物を固体の表面上に固定化し、細胞集団を接触させる。洗浄により未結合の細胞を除去した後、化合物に結合した細胞を回収(例えば溶出)でき、これにより、化合物が結合したタンパク質を発現する細胞が分離または濃縮される。あるいは、所望する場合は、化合物に結合しない細胞を回収することもできる。
さらなる例では、蛍光活性化細胞選別(FACS)を用いて細胞を分離または濃縮する。FACSは、粒子の蛍光特性を基に粒子(細胞を含む)を分離する公知の方法であり、例えばKamarch (1987)に記載されている。一般に、この方法は、1つ以上のタンパク質または細胞表面マーカーに結合する能力のある化合物を細胞集団と接触させることを伴い、この場合、個別のマーカーに結合する化合物は別々の蛍光成分(例えばフルオロフォア)で標識される。細胞を、細く高速に流れる液体流の中心に流入させる。この流れは、細胞の直径によって細胞が分離するように配置される。振動機構の働きで、細胞流が個々の液滴に分かれる。このシステムを調整して、1つの液滴に複数の細胞が含まれる確率が低くなるようにする。細胞流は、液滴に分かれる直前に蛍光測定ステーションを通過して、各細胞の目的の蛍光特性(例えば、標識された化合物と結合するかどうか)が測定される。流れが液滴に分かれる位置に帯電リングを配置する。直前の蛍光強度測定に基づきリングが帯電し、流れから分かれた液滴の表面に反対の電荷が捕捉される。次に、帯電した液滴が静電偏光システムを通過して、電荷に基づいて液滴が複数の容器へと進路を変える。例えば、標識された化合物が細胞と結合している場合は一方の容器、それ以外の場合は別の容器へと進路を変える。いくつかのシステムでは、電荷が直接流れに印加され、流れから分かれて液滴となるとき、流れと同じ記号の電荷を保持する。液滴が分離したあと、流れが中性に戻る。
細胞培養
本開示の細胞は、分離の後、標準の細胞培養条件下で維持することができる。例えば、ダルベッコ最小必須培地、または当技術分野において公知の他の適切な細胞培地(例えば上記の培地)で細胞を維持することができる。他の適切な培地の例として、MCDB、最小必須培地(MEM)、IMDM、およびRPMIが挙げられる。EPCを培養するためのさらに別の適切な培地として、EGM−2plus Bulletキット(ロンザグループ社から入手可能)等の内皮増殖培地が挙げられる。
細胞培養液は、加湿されたインキュベーターにおいて約37℃でインキュベートしてよい。本開示の細胞の細胞培養液条件は、大幅に変化し得る。例えば、細胞は細胞増殖に適した環境で維持され、この環境は、例えば、5%O2、10% CO2、85% N2を含み、または空気中に10% CO2を含む。
いくつかの例では、細胞を、細胞外マトリクス、例えばフィブロネクチン、ラミニン、もしくはEGM−2、および/またはIV型コラーゲン上で培養する。
いくつかの例では、細胞を、1つ以上の増殖因子、例えばVEGF、インスリン様増殖因子1、および/または塩基性線維芽細胞増殖因子の存在下で培養する。細胞を、1つ以上のビタミンおよび/または抗酸化剤、例えばアスコルビン酸の存在下で培養してもよい。
別の例では、細胞を懸濁液中で培養する。すなわち、組織培養プラスチック器具や細胞外マトリクスまたはその構成要素に付着させずに培養する。この点で、本発明者らは、懸濁培養液中でのEPCの培養を明確に例証した。
検出アッセイ
タンパク質検出アッセイ
一例では、本開示の方法は、タンパク質の存在を検出する。タンパク質の量、レベル、または存在を測定するには、当業者に知られている種々の手法のいずれも使用でき、例えば、免疫組織化学法、免疫蛍光法、免疫ブロット、ウエスタンブロット、ドットブロット、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素免疫測定法、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)、マトリクス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−tof−MS)、エレクトロスプレーイオン化法(ESI−MS)(タンデム質量分析法、例えばLC−ESI−MS/MSおよびMALDI−tof/tof−MSを含む)、バイオセンサー技術、エバネセント光ファイバー技術、タンパク質チップからなる群より選ばれる手法を使用できる。
一例では、タンパク質の量またはレベルを測定するために使用するアッセイは、半定量的方法である。
別の例では、タンパク質の量またはレベルを測定するために使用するアッセイは、定量的方法である。
例えば、タンパク質の検出には免疫測定法を使用し、例えば、免疫組織化学法、免疫蛍光法、ELISA、蛍光結合免疫吸着測定法(FLISA)ウエスタンブロッティング、RIA、バイオセンサーアッセイ、タンパク質チップアッセイ、および免疫染色アッセイ(例えば免疫蛍光法)からなる群から選ばれるアッセイを用いてタンパク質を検出する。
様々な試料から得たタンパク質の濃度測定には、標準の固相ELISAまたはFLISAフォーマットが特に有用である。
一形態では、このようなアッセイは、生体試料を、固体マトリクス、例えばポリスチレンもしくはポリカーボネート製マイクロウェルまたはディップスティック、膜、またはガラス担体(例えばスライドガラス)の上に固定化することを伴う。表1〜6のいずれか1つに記載のタンパク質と特異的に結合する化合物(例えば抗体)を、固定化した生体試料に直接接触させると、当該試料中に存在するその標的タンパク質のいずれかと直接的な結合を形成する。この抗体は、一般に、検出可能なレポーター分子、例えば、FLISAの場合には、蛍光標識(例えばFITCもしくはテキサスレッド)または(米国特許第6306610号に記載されている)蛍光性半導体ナノ結晶、ELISAの場合には、酵素(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)もしくはβ−ガラクトシダーゼ)で標識される。あるいは、第1の抗体に結合する第2の標識抗体を使用することもできる。未結合のタンパク質を洗浄により取り除いた後、蛍光標識の場合には標識が直接検出され、酵素標識の場合には、基質、例えば、過酸化水素、TMB、またはトルイジン、または5−ブロモ−4−クロロ−3−インドール−β−D−ガラクトピラノシド(x−gal)を添加することにより標識が検出される。このようなELISAまたはFLISAに基づくシステムは、タンパク質が結合する既知量のタンパク質標準、例えば、単離された、および/または組み換えのポリペプチドもしくはその免疫原性断片もしくはそのエピトープに対して検出システムを較正することにより、試料中のタンパク質量の定量化に特に好適となる。
別の形態では、ELISAまたはFLISAは、化合物(例えば抗体)を、固体マトリクス、例えば、膜、ポリスチレンもしくはポリカーボネート製マイクロウェル、ポリスチレンもしくはポリカーボネート製ディップスティック、またはガラス支持体の表面に固定化することを含む。次に、試料が化合物と物理的に関係付けられ、化合物と結合するタンパク質が結合または「捕捉」される。次に、別のタンパク質または同一タンパク質の異なる部位に結合する標識された化合物を使用して、結合したタンパク質を検出する。あるいは、第2の(検出用)抗体と結合する第3の標識抗体を使用することもできる。
本明細書に記載のアッセイフォーマットは、例えば、スクリーニング工程の自動化や、Mendozaet al. (1999)に記載のマイクロアレイフォーマットのように、高スループットフォーマットに修正可能であることが、当業者には明らかとなるであろう。さらに、上記アッセイのバリエーション、例えば競合的ELISA等も、当業者には明らかであろう。
代替例では、例えば免疫組織化学法や免疫蛍光法等の当業者に公知の方法を用いて、細胞の内部または表面でポリペプチドを検出する。免疫蛍光法を用いた方法は、定量的または少なくとも半定量的であるため、模範的な方法である。染色した細胞の蛍光度を定量化する方法は当技術分野において公知であり、例えばCuello (1984)に記載されている。
バイオセンサーデバイスは一般に、電流またはインピーダンス測定素子と組み合わされた電極表面を、アッセイ基板と組み合わせてデバイスに組み込んで用いる(例えば米国特許第5567301号に記載のもの等)。タンパク質と特異的に結合する化合物をバイオセンサーデバイスの表面に組み込み、生体試料を上記デバイスと接触させる。バイオセンサーデバイスが検出する電流またはインピーダンスの変化が、この抗体に結合しているタンパク質を表す。当技術分野で公知のバイオセンサーのいくつかの形態は、タンパク質相互作用を検出するために表面プラズモン共鳴にも依拠しており、この場合、反射表面プラズモン共鳴の変化が、リガンドまたは抗体に結合しているタンパク質を表す(米国特許第5485277号および米国特許第5492840号)。
バイオセンサーは、このようなシステムをミクロスケールまたはナノスケールに容易に適応できることから、高スループット分析において特に有用である。さらに、このようなシステムはいくつかの検出試薬を組み入れるように簡便に適応するため、単一のバイオセンサーユニットで診断試薬を多重に用いることができる。これにより、少量の体液で、いくつかのタンパク質またはペプチドを同時に検出することが可能になる。
また、エバネッセントバイオセンサーは、目的のタンパク質の検出前に生体試料を前処置する必要がないので有用である。エバネッセントバイオセンサーは一般に、蛍光分子(例えばプローブの表面近くに付着させた蛍光抗体)と相互作用する所定波長の光に依拠して、標的ポリペプチドが化合物と結合したときに、別の波長の蛍光を発する。
マイクロ−またはナノ−カンチレバーバイオセンサーも、検出可能標識を使用する必要がないので有用である。カンチレバーバイオセンサーは、マイクロ−またはナノ−カンチレバーの偏向可能アームの表面に結合した目的の分析物を特異的に検出できる化合物を利用する。目的の分析物(例えばポリペプチド内のマーカー)と結合すると、カンチレバーの偏向可能アームが垂直方向(すなわち上または下方向)に偏向する。次に、偏向可能アームの偏向の変化を、種々の方法のいずれか、例えば原子力間顕微鏡法、偏向可能アームの振動の変化、またはピエゾ抵抗率で検出する。代表的なマイクロ−カンチレバーセンサーは、米国特許出願第20030010097号に記載されている。
タンパク質チップを作製するには、目的とする特定の抗体またはタンパク質と結合できるタンパク質、ペプチド、ポリペプチド、抗体、またはリガンドを、固体の支持体、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、酸化ケイ素、金属、または窒化ケイ素と結合させる。この固定化は、直接的(例えば、共有結合、例えばシッフ塩基形成、ジスルフィド結合、またはアミドもしくは尿素結合形成)でも、間接的でもよい。タンパク質チップを生成する方法は当技術分野において公知であり、例えば米国特許出願第20020136821号、第20020192654号、第20020102617号、および米国特許第6391625号に記載されている。タンパク質を固体の支持体に結合させるには、表面に化学反応性基を創出するため、例えばアルデヒド含有シラン試薬を用いて固体の支持体を処理することが必要とされる場合が多い。あるいは、Arenkov et al. (2000)に記載されているように、抗体またはリガンドを、微細加工されたポリアクリルアミドゲルパッド上に捕捉し、微小電気泳動を用いてゲルへの動きを加速させることもできる。この点で、本開示は、表1〜6の1つ以上に記載の少なくとも2つのタンパク質に結合できる複数の化合物を含むタンパク質チップも提供する。一例では、化合物は、抗体であるか、またはその抗原結合ドメインを含むポリペプチドである。
核酸検出アッセイ
別の例では、核酸の発現レベルを検出することにより、EPCを検出し、かつ/またはEPC関連症状を診断/予後判定する。このような検出のための代表的アッセイには、定量的RT−PCR、NASBA、TMA、またはリガーゼ連鎖反応が含まれる。
RT−PCRの方法は当技術分野において公知であり、例えばDieffenbach(ed) and Dveksler (ed) (1995)に記載されている。
TMAまたは自己保持配列複製(3SR)の方法は、標的配列と隣接する2つ以上のオリゴヌクレオチド、RNAポリメラーゼ、RNアーゼH、および逆転写酵素を使用する。1つのオリゴヌクレオチド(このオリゴヌクレオチドはRNAポリメラーゼ結合部位も含む)が、標的配列を含むRNA分子とハイブリダイズし、逆転写酵素がこの領域のcDNAコピーを産生する。RNアーゼHを用いてRNA−DNA複合体中のRNAを消化し、第2のオリゴヌクレオチドを用いてcDNAのコピーを産生する。次に、RNAポリメラーゼを用いてcDNAのRNAコピーを産生し、この工程を繰り返す。
NASBA系は、3つの酵素(逆転写酵素、RNアーゼH、およびRNAポリメラーゼ)の同時活性に依拠して、標的mRNA配列を選択的に増幅する。標的配列とハイブリダイズしその5’末端にRNAポリメラーゼ結合部位を含むオリゴヌクレオチドを用いて、逆転写酵素によりmRNA鋳型をcDNAに転写する。鋳型RNAをRNアーゼHで消化し、二本鎖DNAを合成する。次に、RNAポリメラーゼがcDNAの複数のRNAコピーを産生し、この工程が繰り返される。
これらの方法のいずれかを用いた核酸のハイブリダイゼーションおよび/または増幅が、例えば電気泳動法および/または質量分析法により検出可能であることは明らかである。この点で、増幅反応で使われるプローブ/プライマーの1つ以上、および/またはヌクレオチドの1つ以上を、例えば蛍光標識(例えばCy5またはCy3)や放射性同位元素(例えば32P)等の検出可能マーカーで標識することにより、細胞性マーカーの高速検出を促進することができる。あるいは、例えば米国特許第6174670号に記載されているような融解曲線分析法を用いて、核酸の増幅を連続的にモニターすることもできる。
本明細書で例示する通り、本開示は、核酸の発現レベルを検出する方法として、マイクロアレイをベースにした方法をさらに企図している。このような方法は一般に、例えば転写物のcDNA/cRNA等の核酸と特異的にハイブリダイズする異なる複数のオリゴヌクレオチドが表面に固定された、固体の基質を使用することを伴う。核酸の試料、例えばcDNA/cRNAを検出可能マーカーで標識する。例えば、2つの試料(例えば、EPC集団から取得した試料と、HUVEC等の非EPC集団から取得した試料)を調製し、各試料を検出可能マーカーで標識する。次に、核酸のハイブリダイゼーションを可能にする十分な条件下で、試料を混合し固体の支持体と接触させる。核酸のハイブリダイゼーションを可能にする十分な時間が経過した後、固体の支持体を洗浄して、ハイブリダイズしていない核酸を除去し、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした検出可能マーカーのレベルを測定する。これにより、各cDNA/cRNAを生じさせている転写物の発現レベルが特定される。2つの試料が固体の支持体にハイブリダイズしている場合、各検出可能マーカーのレベルを検出して、各転写物の発現レベルの差(例えば発現の倍率変化)を特定することができる。
イメージング方法
当業者には上記から明らかなとおり、本開示は、本開示のタンパク質に結合する化合物を使用したイメージング方法も企図している。イメージングのため、化合物は、一般に、検出可能な標識に結合される。この検出可能標識は、イメージングにより検出可能なシグナルを発することのできる任意の分子または薬剤であってよい。また、本開示のタンパク質に結合する化合物に特異的に結合する、第2の標識化合物を使用してもよい。代表的な検出可能標識には、タンパク質、放射性同位体、フルオロフォア、可視光発光フルオロフォア、赤外光発光フルオロフォア、金属、強磁性物質、電磁気放出物質、特定の磁気共鳴(MR)分光学的特徴を有する物質、X線を吸収もしくは反射する物質、または音響変調物質が含まれる。
表1〜6の1つ以上に記載のタンパク質に結合する化合物(および、使用する場合は、標識された第2の化合物)は、イメージング手技の前に、全身投与されても、あるいは画像化される腫瘍、器官、または組織に局所投与されてもよい。一般に、この化合物は、腫瘍、組織、または器官の所望の光学像を実現するのに有効な1回以上の服用で投与される。この場合の用量は、使用する特定の化合物、画像化する症状、イメージング手技に供される腫瘍、組織、または器官、使用するイメージング機器等によって幅広く異なり得る。
本開示のいくつかの例では、この化合物は、種々の生物医学的応用における組織および器官のin vivoの光学造影剤として使用される。こうした生物医学的応用には、腫瘍のイメージング、器官の断層イメージング、器官機能のモニタリング、冠動脈造影、蛍光内視鏡検査、レーザー誘導手術、光音響法および超音波蛍光法等が含まれるが、これらに限定されない。本明細書には、化合物がイメージングに役立つ代表的な疾患が記載されており、これらが、本開示の本例に準用されるものと解釈される。一例では、本開示の化合物は、腫瘍その他の異常(例えば網膜症および/または腎症)の存在を検出するのに有用であり、この検出は、本開示の特定のタンパク質が対象に集中する場所をモニタリングすることにより行う。別の例では、この化合物は、レーザー援用誘導手術に役立つ。
イメージング方法の例として、磁気共鳴映像法(MRI)、MR分光法、X線撮影、コンピューター断層撮影(CT)、超音波、平面ガンマカメライメージング、単一光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)、陽電子放射断層撮影法(PET)、その他の核医学に基づくイメージング、可視光を使用する光学イメージング、ルシフェラーゼを使用する光学イメージング、フルオロフォアを使用する光学イメージング、その他の光学イメージング、近赤外光を使用するイメージング、または赤外光を使用するイメージングが挙げられる。
本開示の方法のいくつかの例は、対象に対する外科手技中に組織をイメージングすることをさらに含む。
様々なイメージング手法が当業者に対して公知である。本開示のイメージング方法との関連で検出可能標識からのシグナルを測定する目的で、これらの手法のいずれも適用することができる。例えば、光学イメージングは、いくつか特定の医薬分野で幅広く受け入れられている画像診断法の1つである。例として、細胞成分の光学標識、ならびにフルオレセイン血管造影およびインドシアニングリーン血管造影等の血管造影が挙げられる。光学造影剤の例としては、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、インドシアニングリーン、オレゴングリーン、オレゴングリーンの誘導体、ローダミングリーン、ローダミングリーンの誘導体、エオシン、エリスロシン、テキサスレッド、テキサスレッドの誘導体、マラカイトグリーン、ナノゴールドスルホスクシンイミジルエステル、カスケードブルー、クマリン誘導体、ナフタレン、ピリジルオキサゾール誘導体、カスケードイエロー色素、ダポキシル色素が挙げられる。
検出可能標識に由来するシグナルの測定に利用できるイメージング方法として、ガンマカメライメージングが企図されている。当業者であればは、ガンマカメライメージングを利用するための手法に精通しているであろう。一例では、シグナルの測定は、111Inまたは99mTc複合体、特に111In−オクトレオチドまたは99mTc−ソマトスタチン類似体のガンマカメライメージングの使用を伴うことがあり得る。
本開示との関連での画像診断法として、CTが企図されている。CTは、様々な角度から一連のX線写真を撮影し、次にそれらをコンピューターで組み合わせることにより、身体の任意の部分の三次元画像の構築を可能にする。コンピューターは、任意の角度からの、任意の深さの二次元スライスを表示するようにプログラムされる。これらのスライスを組み合わせて三次元表現を構築することができる。
CTでは、最初のCTスキャンで診断できない場合、本明細書に明示されているタンパク質と結合する化合物に結合した放射線不透過性造影剤を静脈注射することが、軟部組織塊の特定と描写に役立ち得る。同様に、造影剤は軟部組織病変の血管分布の評価にも役立つ。例えば、造影剤の使用は、腫瘍および隣接する血管構造の関係の描写に役立ち得る。
CT造影剤には、例えばヨウ化造影剤が含まれる。これらの造影剤の例として、イオタラム酸、イオヘキソール、ジアトリゾ酸、イオパミドール、エチオドール、およびイオパノ酸が挙げられる。ガドリニウム剤、例えばガドペンテト酸もまた、CT造影剤として有用であることが報告されている。
MRIは、高強度磁石および高周波信号を使用して画像を生成する画像診断法である。MRIでは、画像化する試料を強静磁場中に置き、高周波(RF)放射パルスで励起することにより、試料中に正味の磁化を生じさせる。次に、様々な磁場勾配および他のRFパルスが作用して、空間情報が記録信号に符号化される。これらの信号を収集し分析することにより、三次元画像を計算することが可能となり、この画像は、CT像と同様に、通常は二次元スライスで表示される。これらのスライスを組み合わせて三次元表現を構築することができる。
MRIまたはMR分光イメージングに使用される造影剤は、他のイメージング手法で使用されるものとは異なる。MRI造影剤の例としては、ガドリニウムキレート、マンガンキレート、クロムキレート、および鉄粒子が挙げられる。例えば、本開示のタンパク質は、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、セリウム、インジウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、およびイッテルビウムからなる群より選ばれる常磁性金属のキレートを含む化合物に結合される。本開示に有用な造影剤のさらなる例は、ハロカーボンベースのナノ粒子、例えばPFOBまたは他のフッ素ベースのMRI剤である。CTとMRIのどちらも、組織境界および血管構造を識別するのに役立つ解剖学的情報を提供する。
細胞生存度などの細胞レベルの情報に関する情報を提供する画像診断法として、PETおよびSPECTが挙げられる。PETでは、陽電子を放射する放射性物質を患者が摂取するか、またはそれを注入され、この物質が体内を移動するときにモニタリングすることができる。
SPECTはPETと密接に関係している。両者の主な違いは、SPECTの場合、陽電子を放射する物質の代わりに、高エネルギー光子を放射する放射性トレーサーを使用することである。SPECTは、冠動脈疾患を含む複数の疾病の診断に役立ち、米国では、すでに年間約250万件のSPECT心臓検査が行われている。
PETの場合、本開示のタンパク質は一般に陽電子放射体、例えば11C、13N、15O、18F、82Rb、62Cu、および68Gaで標識される。SPECTの場合、表1〜6の1つ以上に記載のタンパク質に結合する化合物は、例えば99mTc、201Tl、および67Ga、111In等の陽電子放射体で標識される。
動物およびヒトの非侵襲的蛍光イメージングもin vivoの診断情報を提供でき、様々な臨床専門領域で使用することができる。例えば、フルオロフォアの紫外線励起後の単純な観察から、先進の機器を使用する高度な分光イメージングに至るまで、長年にわたり技術開発が行われてきた(例えばAndersson-Engels et al, 1997を参照)。例えばフルオロフォアや蛍光タンパク質からの蛍光検出のための当技術分野で公知の具体的な装置または方法として、in vivo赤外蛍光(例えばFrangioni, 2003を参照)、Maestro(商標)in vivo蛍光イメージングシステム(ケンブリッジリサーチアンドインストルメンテーション社;マサチューセッツ州ウォバーン)、フライングスポットスキャナーを使用したin vivo内蛍光イメージング(例えばRamanujam et al, 2001を参照)等が挙げられるが、これらに限定されない。
光学的応答を検出するための他の方法または装置として、目視検査、CCDカメラ、ビデオカメラ、写真フィルム、レーザー走査装置、蛍光光度計、フォトダイオード、量子カウンター、落射蛍光顕微鏡、走査型顕微鏡、フローサイトメーター、蛍光マイクロプレートリーダー、光電子増倍管を使用したシグナル増幅が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの例では、造影剤をヒトに使用する前に、例えば本明細書に記載されるモデルを使用して、in vitroまたはin vivoのアッセイを用いて造影剤を試験する。
試料
本開示の方法が、in vivoベースのスクリーニングでなく、単離された組織試料に対してin vitroで実施される限りにおいて、「試料」への言及は、動物に由来する生体物質の任意の試料を指すものと理解され、この試料には、体液(例えば血液、滑液、脳脊髄液、骨髄)、細胞物質(例えば組織吸引液)、組織生検検体、または外科検体が含まれるが、これらに限定されない。「試料」という用語には、上記試料の抽出物、および/または派生物、および/または画分が含まれ、例えば血清、血漿、末梢血単核球(PBMC)、軟膜画分が含まれる。例えば、試料はEPCを含み、あるいはEPCを含む可能性がある。
本開示の方法に従って使用する試料は、直接使用する場合もあれば、使用前に何らかの形の処置を必要とする場合もある。例えば生検試料または外科試料は、使用前に、ホモジナイゼーションまたは別の形態の細胞分散が必要とされ得る。さらに、試料が液体形態でない限りにおいて(そのような形態が必要であるか望ましい場合)、緩衝液等の試薬を添加して試料を固定化する必要があり得る。
本明細書の説明および/または請求項から明らかなように、このようなアッセイでは、例えば定量化のため、適切な対照、例えば正常もしくは健常な個体または典型的な個体群の使用が必要とされ得る。
本明細書で使用する用語「正常な個体」は、対象に由来する試料中のEPCの数が異常でないことに基づき対象が選択されることを意味するものと解釈される。
「健常な対象」とは、EPC関連症状に罹患していると診断されておらず、かつ/または、EPC関連症状を発症する危険性がない対象である。
これに代替または追加して、適切な対照試料とは、正常および/または健常な対象(例えば、EPC関連症状に罹患していないことが既知である対象)の典型的個体群に対してアッセイされるマーカーの測定値を含む、対照データセットである。
一例では、基準試料はアッセイに含まれない。代わりに、以前に典型的個体群から生成された樹立したデータセットから、適切な基準試料を派生させる。試験試料の処理、分析、および/またはアッセイから得たデータを、試料個体群として取得したデータと比較する。
スクリーニングアッセイ
上記で論じている通り、本開示は、EPCに結合し、かつ/またはEPC活性を調節する化合物を同定または単離する方法も提供する。スクリーニングに適した化合物の例として、抗体、ペプチド、または低分子、例えば任意の例による本明細書に記載のものが挙げられる。
いくつかの例では、この方法は、列記されているタンパク質に結合する薬剤を特定することを含む。このようなアッセイは、当業者には明らかであろう。例えば、タンパク質、またはそれを発現する細胞を固体表面上に固定し、標識化合物と接触させる。洗浄し未結合化合物を除去した後、標識レベルを検出する。この標識レベルが、結合している化合物の量を表す。
いくつかの例では、この方法は、化合物が核酸またはタンパク質の発現に及ぼす影響を測定することをさらに含む。発現レベルを測定する適切な方法は、当技術分野において公知であり、かつ/または本明細書に記載されている。
EPC機能を測定するためのアッセイも本明細書に記載されており、本開示の本例に準用されるものと解釈される。
本開示は、同定または単離された化合物に関する情報の提供も包含する。したがって、スクリーニング方法は、以下によってさらに改変される:
(i)任意で、化合物の構造を特定すること;および
(ii)化合物、または化合物の名称もしくは構造を、例えば紙の形態、機械可読の形態、またはコンピューター可読の形態で提供すること。
当然ながら、公知の化合物の場合、以前に試験されていなくても、本開示で提供するスクリーンを使用する化合物機能に関して、化合物の名称および/または構造の特定は暗黙的に行われる。なぜなら、当業者であれば、スクリーニングの実施時に化合物の名称および/または構造を認識しているからである。
本明細書で使用する用語「化合物を提供する」は、化合物を生成するための化学合成手段または組み換え合成手段を含み、あるいは、任意の人または手段により以前に合成されている化合物を提供することを含むものと解釈される。この用語は、化合物を単離することを明確に含む。
ある例では、化合物、または化合物の名称もしくは構造は、その用途に関する表示、例えば、本明細書に記載のスクリーンにより判定される用途に関する表示と共に提供される。
スクリーニングアッセイは、以下によりさらに改変され得る:
(i)任意で、化合物の構造を特定すること;
(ii)任意で、化合物の名称または構造を、例えば紙の形態、機械可読の形態、またはコンピューター可読の形態で提供すること;および
(iii)化合物を提供すること。
ある例では、合成された化合物、または当該化合物の名称もしくは構造は、その用途に関する表示、例えば、本明細書に記載のスクリーンにより判定される用途に関する表示と共に提供される。
一例では、化合物は化合物ライブラリーの形で提供され、その各々またはサブセットを他のメンバーから分離できる(すなわち物理的に単離できる)。このような場合、化合物はその識別名でライブラリーから分離され、その後、当業者は当該化合物を分離して(例えば、ライブラリーの他のメンバーの不存在下で)製造することができる。
いくつかの例では、本明細書に記載のスクリーニング方法は、単離および/または同定された化合物が、EPCの活性および/または細胞数(例えば細胞死)に与える影響を特定する。このようなアッセイは、in vitroおよび/またはin vivoで実施してよい。
EPC活性のin vitroのアッセイ
EPC活性を測定する代表的なin vitroの方法として、例えばCFUアッセイがある。CFUアッセイでは、細胞を細胞外マトリクス上で培養し、クローンコロニーを形成する能力を測定する。例えば、EPCを数日間(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、または7日間)適切な培地で培養し、細胞が培養されているチャンバーに付着している細胞コロニーの数をカウントする。任意で、チャンバーに細胞外マトリクスまたはその構成成分を塗布する。機能的EPCであれば、コロニーを形成する能力を有し、各コロニーがCFUを表す。化合物の不存在下でのコロニー数(CFU数)と比較して、化合物の存在下でコロニーの量(すなわちCFU数)が減少する影響を評価する場合、化合物がEPC活性を阻害または低減していることが示される。
別のアッセイの例として、遊走アッセイがある。遊走アッセイでは、EPCが血管新生化合物、例えばVEGFにin vitroで遊走する能力を測定する。例えば、多孔質膜を含むチャンバーに細胞外マトリクスまたはその構成成分を塗布し、チャンバー内でEPCを培養する。このチャンバーを、血管新生因子(例えばVEGF)を含む別のチャンバーに挿入し、EPCが孔を通って遊走するのに十分な時間(例えば4〜6時間または1〜2日)細胞を維持する。EPC活性を有する細胞は血管新生因子に向かって遊走し、血管新生因子を含むチャンバー内で検出される。当業者には明らかなように、血管新生因子を含むチャンバー内で検出可能な細胞数が減少する化合物は、EPC活性が低下しているとみなされる。
他のアッセイとして、細胞を培養し、アセチル化LDLの取り込みができる細胞、および/またはハリエニシダIレクチンに結合する細胞を特定することを伴うアッセイが挙げられる。このようなアッセイでは、標識されたアセチル化LDL(例えば1,1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3−テトラメチル−インドカルボシアニンペルクロラート(Dil)−Ac−LDL)および/またはハリエニシダレクチン(例えば検出可能化合物で標識)の存在下で、細胞を培養する。アセチル化LDLを取り込み、かつ/またはハリエニシダレクチンに結合する細胞は、EPC活性を有するとみなされる。例えば、EPCはアセチル化LDLを取り込み、かつハリエニシダレクチンに結合する。EPC活性を阻害または低減する化合物は、アセチル化LDLの取り込みおよび/またはハリエニシダレクチンの結合を低減させる。
EPC機能を評価するさらなる方法は、管形成法である。このような方法では、細胞を組織培養チャンバー、例えば細胞外マトリクスまたはその構成成分を塗布したチャンバーの中で細胞を培養する。管形成に十分な時間(例えば1〜6日間)細胞を培養し、顕微鏡で組織培養チャンバーを観察する。離散した細胞間またはそのクラスター間に管が観察される。管形成はEPC活性を表し、管形成を低減させる化合物はEPC活性を阻害または低減しているとみなされる。
これに代替または追加して、血管新生因子、例えばVEGF、肝細胞増殖因子、顆粒球コロニー刺激因子、マクロファージ遊走阻止因子インターロイキン8等の分泌を検出することにより、EPC機能を評価する。例えば、適切な期間(例えば1〜6日間)細胞を培養し、例えばELISAまたはFLISAを用いて培地中の血管新生因子のレベルを測定する。非EPC内皮細胞よりも高いレベルの血管新生因子が分泌される場合、EPC活性を表す。血管新生因子の分泌を低減させる化合物は、EPC活性の抑制物質であるとみなされる。
当業者には明らかなように、スクリーニング方法は、細胞死、細胞増殖、および/または細胞生存のレベルを検出することを伴い得る。このような方法は、当技術分野において公知である。
一例では、例えば、細胞死(例えばアポトーシス)に関連する細胞成分を検出する方法を用いて、化合物の存在下または不存在下での単離EPCの死滅をアッセイする(例えば、EPCを死滅させる化合物を単離する)。細胞中の細胞死を検出する方法は、当技術分野において公知である。例えばAPOPTEST(イミュノテックから入手可能)は、アポトーシス初期の細胞を染色するものであり、細胞試料を固定する必要がない(Martin et al., 1994)。この方法は、アネキシンV抗体を利用することにより、アポトーシスを受けている細胞に特有の細胞膜の再構成を検出する。このようにしてアポトーシス細胞を染色した後、固定されたアネキシンV抗体を使用して、FACS、ELISA、または付着とパニングにより、アポトーシス細胞を選別できる。あるいは、末端デオキシヌクレオチド転換酵素媒介性のビオチン化UTPニック末端標記(TUNEL)アッセイを用いて、細胞死のレベルを測定する。TUNELアッセイでは、酵素の末端デオキシヌクレオチド転換酵素を使用して、アポトーシス中に生成される3’−OHDNA末端をビオチン化ヌクレオチドで標識する。次に、検出可能マーカーと結合したストレプトアビジンを使用して、ビオチン化ヌクレオチドを検出する。TUNEL染色用のキットは、例えばニューヨーク州パーチェスのインタージェン社から入手できる。これに代替または追加して、活性化カスパーゼ、例えばカスパーゼ3を検出する。いくつかのカスパーゼはアポトーシスのエフェクターであるため、結果として、プログラム細胞死を受けている細胞内で唯一、有意レベルに活性化する。活性化カスパーゼを検出するキットは、例えば米国ウィスコンシン州マディソンのプロメガ社から入手できる。このようなアッセイは、細胞死の免疫細胞化学的分析、フローサイトメトリー分析の両方で有用である。このようなアッセイを他の細胞(例えば成熟した内皮細胞)で実施して、EPCを選択的に死滅させる化合物を同定および/または単離できる。
一例では、アッセイする表現型は細胞生存である。細胞生存は、目に見える細胞コロニーが形成されるに足る十分な時間をかけて細胞を維持することにより、簡便に検出できる。細胞生存を誘発できる化合物は容易に細胞コロニーから回収されるので、上記のことから、化合物を高スループットでスクリーニングする簡便な方法が得られるのは明らかである。
あるいは、細胞生存率または細胞代謝を検出および/またはアッセイできる。例えば、本開示のペプチドの存在下で培養する細胞に、非蛍光性レサズリンを添加する。生存細胞によりレサズリンが赤色蛍光レゾルフィンに還元され、例えば顕微鏡や蛍光プレートリーダーで容易に検出可能となる。この細胞生存率マーカーは、細菌から高等真核生物に至る多様な細胞型に対して有用である。細胞生存率の分析キットは、例えば米国オレゴン州ユージーンのモレキュラープローブスから入手できる。細胞生存率を測定する他のアッセイの例として、生細胞中の水溶性テトラゾリウムGLT008(WST−8)のホルマザン塩への還元(アレクシス・バイオケミカルズ)を検出するアッセイ、細胞透過性で、細胞内エステラーゼにより蛍光性カルセインに変換されるカルセインアセトキシメチル(カルセインAM)での生細胞の染色、3’−{1−[(フェニルアミノ)カルボニル]−3,4−テトラゾリウム}−ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸水和物](XTT)のホルマザン塩への還元(インタージェン)、または(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム)PES:フェナジンエトスルファート(ethosulfate)(MTS)のホルマザン塩への還元(プロメガ社)が挙げられる。
さらに別の例では、目的とする表現型は細胞増殖である。細胞増殖を測定する方法は、当技術分野において公知である。例えば、DNA合成時の3H−チミジンまたは14C−チミジンのDNAへの取り込みは、細胞***に関連するDNA合成に関するアッセイである。このようなアッセイでは、標識されたチミジンの存在下で、細胞***が発生するのに十分な時間をかけて細胞をインキュベートする。取り込まれていないチミジンを洗浄により完全に除去した後、例えばシンチレーションカウンターを用いて標識(例えば放射性標識)を検出する。生細胞へのチミジンの取り込みを検出するアッセイは、例えばアマシャム・ファルマシア・バイオテクから入手できる。別の例では、3−(4,5−ジメチルチアゾリル−2)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイを用いて細胞増殖を測定する。イエローテトラゾリウムMTTが、代謝的に活性な細胞により還元され、部分的にデヒドロゲナーゼ酵素の作用により還元されて、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)等の還元等価物を生成する。次に、得られた細胞内パープルホルマザンを可溶化し、分光光度手段により定量化する。MTTアッセイ用のアッセイキットは、例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC;メリーランド州ロックビル)から入手できる。
細胞増殖を測定する別のアッセイとしては、例えば、5−ブロモ−2−デオキシウリジン(BrdU)取り込みによるDNA合成の計測(ELISAまたは免疫組織化学的検査による。アマシャム・ファルマシア・バイオテクからキットを入手可能)、増殖性細胞核抗原(PCNA)の発現(ELISA、FACS、または免疫組織化学的検査による。オンコジーンリサーチプロダクツからキットを入手可能)、DNA合成を検出するHoechst細胞増殖アッセイ(トレビジェン社から入手可能)が挙げられる。
化合物が抗体である場合は、EPC活性を阻害または低減する化合物を特定するアッセイにより、化合物がADCC、CDC、または抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCP)を誘発しEPCを死滅(溶解を含む)させる能力を評価できる。ADCC、CDC、およびADCPを評価する方法は、当技術分野において公知である。
例えば、CDCを誘発する抗体の能力は、補体因子(例えばシグマアルドリッチ社から市販されている補体因子)および化合物(生存細胞が取り込む化合物)の存在下で抗体およびEPCを培養することを伴う。洗浄後、細胞が取り込んだ化合物の量を検出する。抗体の不存在下と比べて、抗体の存在下で取り込まれた化合物の量が減少する場合には、抗体がCDCを誘発していることを表す。CDCを評価する他の方法は、当技術分野で公知であり、本開示に包含され、例えばGazzano-Santoro et al., (1996)に記載されている。
ADCC活性を評価する方法は、抗体および免疫エフェクター細胞、例えばPBMCの存在下でEPCをインキュベートすることを伴う。細胞培養液の上清における乳酸脱水素酵素活性の量が、ADCC活性の量を表す。乳酸脱水素酵素活性は、市販のキット(例えばロシェが販売するキット)を用いて評価する。抗体の不存在下と比べて、抗体の存在下で乳酸脱水素酵素レベルが上昇する場合、抗体がADCCを誘発していることを表す。これに代替または追加して、51Cr放出アッセイを実施してADCC媒介性のEPC細胞死を評価する。ADCCのさらなる評価方法は、例えば米国特許第5500362号や米国特許第5821337号に記載されている。
ADCPの評価は、例えば、蛍光標識、例えばPKH2緑色蛍光色素でEPCを標識することにより行う。EPCを標識した後、抗体の存在下または不存在下で単核細胞(例えばPBMC)と共にEPCをインキュベートする。十分な時間の後、標識抗体、例えば抗CD14抗体または抗CD11b抗体と共に細胞をインキュベートする。EPC標識とCD14またはCD11bの両方で染色される細胞は、EPCを貪食した単核細胞であるとみなされる。(抗体の不存在下で存在する数と比べて)二重標識された細胞数を増加させる抗体は、ADCPを誘発しているとみなされる。
EPC機能のin vivoのアッセイ
別の例では、任意の例による本明細書に記載の方法で単離した細胞集団を、EPC関連症状の動物モデルに細胞を投与することにより測定する。例えば、細胞を、例えば骨髄破壊の結果としてEPCが欠損している動物、または血管新生の欠陥を有しているマウス(例えばId1欠損マウス;Lyden et al., 2001)に投与する。新血管新生を促進するかこれに寄与する細胞は、EPC機能を有しているとみなされる。これに代替または追加して、後肢虚血、および/または心血管虚血、および/または脳卒中等の虚血の動物モデルに細胞を投与し、この細胞が新血管新生に及ぼす影響を測定する。代表的なモデルは、例えばCouffinhal et al. (1998)やCarmeliet et al.(2000)に記載されている。
別の例では、EPCとマトリゲルを混合してプラグを形成し、このプラグをヒト以外の哺乳動物(例えばマウス)に皮下投与することにより、EPC活性を評価する。十分な時間(例えば7日間)の後、プラグを除去し、顕微鏡で分析して、血管の形成、すなわち新血管新生の形跡を確認する。代表的な方法はBagley et al., (2003)に記載されている。
EPC活性の抑制能力および/または数を試験する化合物を対象に投与でき、標準の方法または本明細書に記載の方法を用いてEPCの数を検出/単離できる。未処置の対象から得たEPCの数と比較してEPC数が減少している場合、化合物がEPC数を減少させていることを表す。
これに代替または追加して、血管新生の動物モデルに化合物を投与し、血管形成レベルを測定する。例えば、腫瘍細胞の投与または血管新生の誘発の時点、前、または後に、化合物を投与する。次に、腫瘍発生の有無および/または腫瘍のサイズを評価し、細胞は投与されたが化合物は投与されていない対象と比較する。例えば、腫瘍試験組織中の血管新生の量を測定することにより、新血管新生を抑制する化合物を特定する。過剰血管形成のモデルとして、アイリスファーマ社の眼球血管新生モデルや、Hoffmann et al., (1997)に記載のアルギン酸被包化腫瘍細胞モデルが挙げられる。
キット
本開示は、本開示の検出/単離/診断/予後判定/治療/予防方法で使われる本開示の化合物を含む、治療用/予防用/診断用キットも提供する。このようなキットは概して、適切な容器手段内に本開示の化合物を格納する。このキットは、他の化合物、例えば検出/単離/診断/イメージングまたは併用療法用の化合物を含有してもよい。例えば、このようなキットは、様々な抗炎症薬および/または化学療法薬もしくは放射線治療薬;抗血管新生薬;抗腫瘍細胞抗体;および/または抗腫瘍血管抗体、もしくは抗腫瘍間質抗体、もしくはコアギュリガンド(coaguligand)、もしくはワクチンのうちの任意の1つ以上を格納してよい。
代表的なキットは、表1〜6の1つ以上に記載のタンパク質に結合する化合物、例えば本開示の抗体を含む。
一例では、このキットは、表1〜6の1つ以上に記載のタンパク質を検出するためのものであり、検出を促進する試薬(検出可能標識および/または検出可能標識の基質)をさらに含む。このようなキットは、陽性対照をさらに含み得る。
別の例では、このキットはEPCを単離するためのものである。このようなキットでは、FACSを促進するため、化合物を検出可能標識で標識してよい。また、MACSを促進するため、化合物を磁気粒子または常磁性粒子で標識してもよい。また、単離を促進するため、化合物を固体または半固体の基質上に固定化してもよい。
さらなる例では、このキットは、EPC関連症状を治療または防止するためのものである。このようなキットでは、分子を溶液または凍結乾燥させた形態で提供し、任意で再懸濁用溶液を付属させる。化合物は治療用化合物に結合されてよく、または、結合先の治療用化合物がキットに含まれていてよい。上記の通り、キットは、追加の治療用化合物または予防用化合物を含んでいてもよい。
これに代替または追加して、治療用または予防用キットは、血管移植片の形で対象に投与するのに適切な固体の支持体上に固定され表1〜6のいずれか1つに記載のタンパク質に結合する、1つ以上の化合物を含む。
本開示は、以下の非限定的な実施例を含む。
実施例1. 組み換え細胞を用いたEPCマーカーの特定
1.1 材料および方法
細胞処理および採取
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を、コラゲナーゼ1型を用いてヒト臍帯から単離し、次にゼラチン被膜Tフラスコ上で増殖させた。スフィンゴシンキナーゼ1cDNAを含有するアデノウイルス(Ad−SK−1)または空のベクターアデノウイルス(Ad−EV)を用いて、60%コンフルエントの2継代目の細胞を形質導入し(Limaye et al., 2005;and Bonder et al., 2009)、4日後に回収した。CD34ミクロビーズおよびminiMACSカラム(ミルテニーバイオテク社)を用いて、細胞をCD34発現に基づいて選別した。抗ヒト CD34−PE抗体を用いて選別した細胞の一定分量を染色し、その後フローサイトメトリーを行うことで、CD34の細胞表面発現を検出した。トリパンブルーで一定分量を染色し、その後血球計数器でカウントして、細胞数および生存率を決定した。
RNA単離および精製
未処理のHUVEC、Ad−SK−1で処理されたHUVECおよびAd−EVで処理されたHUVECからCD34で選別された細胞を、0.1%βメルカプト−エタノールを添加したRLT緩衝液(RNeasy Micro kit、キアゲン社)中で溶解させ、−70℃で保存した。溶解物を氷上で解凍し、26G針/1ml注射器を用いて粉砕(10×)し;オンカラムデオキシリボヌクレアーゼステップを含む、RNeasy Micro kitを用いたRNA精製を行い、RNアーゼを含まない水に溶出させ、次に−70℃で保存した。RNAの量および完全性をAgilent Bioanalyzerを用いて決定した。約5〜10倍のSK−1活性の増加(32Pに基づくキナーゼアッセイ)、CD34細胞表面発現の増加、並びに良好なRNAの収率および質を示した細胞株から得られたRNA試料を、マイクロアレイ分析のために選択した。
マイクロアレイ分析
2つの異なるマイクロアレイプラットフォームを用いて、一方はアデレードマイクロアレイセンター(Adelaide Microarray Centre、AMC)で、そしてもう一方はアムジェン社(米国)で、RNA発現を分析した。AMCで行われたマイクロアレイ分析では、Whole Transcript (WT) Sense Target Labeling Assayを用いて、相補RNAの生成および標識化を達成した。標識された相補RNAを、GeneChip(登録商標)Human Gene 1.0 ST Array(アフィメトリクス社)とハイブリダイズした。アムジェン社で行われた分析では、Nugen Ovationキットを使用することで標識化を達成し、その後、アフィメトリクス社のAffymetrix U133 Plus 2.0 array(すなわち3’array)とハイブリダイズした。
データ解析
AMCマイクロアレイデータについては、GCプローブ含量補正で、robust multiarray averaging(RMA)を用いる正規化を含む、Partek Genomics Suiteを用いて、RNA発現の差異を最初に解析した。4種全ての細胞株の比較並びに算出された標準p値との3者間比較についての、遺伝子リストを作製した。主にaffy(Gautier, et al., 2004)およびlimma(Smyth, 2005)パッケージを用いるBioconductor project(Gentleman et al., 2004)を通じて得られたソフトウェアを用いて、より詳細な解析を行った。より詳細な解析から得られたP値を、偽陽性率、却下された仮説の中の偽陽性の予想される比率を調節することにより複数の試験用に調整した(Benjamini, et al., 1995)。このより詳細な解析を用いて、無治療対照群または空ベクターアデノウイルスを形質導入された細胞のいずれかに対するSK−1過剰発現細胞の比較から、上から100個の制御されている可能性がある遺伝子を選択した。4種全ての細胞株を用いて、並びに3方向比較の全ての組み合わせを用いて、解析を行った。得られた319遺伝子のリストを作製し、予備的なPartekデータ解析から得られた遺伝子のリストと組み合わせた。
Rosetta Resolverにて、アムジェン社で作成されたマイクロアレイデータのデータ解析を行った。強度をアフィメトリクス社製Rosetta Intensity Profile Builderパイプラインに作製し、その後、アフィメトリクス社製Rosetta Intensity Experiment Builderを用いて正規化した。アフィメトリクス社製Ratio Builderを用いて発現量が異なる発現を得た(加重誤差なし)。標準p値を算出した。
1.2 結果
細胞表面タンパク質をコードし得る、最も高く過剰発現した遺伝子(1.3倍の増加が下限)について、両方のマイクロアレイデータセットから得られた転写物リスト(表7参照)を作製した。
実施例2−非接着性CD133 + EPCを用いるEPCマーカーの特定
2.1 材料および方法
標的細胞の単離
供血者の血液(20〜170ml)を、無菌リン酸緩衝食塩水(PBS)で1:1の比に希釈し、ファルコンチューブ中の15mLのLymphoprep(商標)(アクシス・シールド社(Axis-Shield)、ノルウェイ、オスロ)に重層した。次に、細胞を室温で30分間、400gで遠心した。単核細胞(MNC)を単離し、HUVE培地(Media199(シグマ社);20%FCS、1.5%炭酸水素ナトリウム、2%HEPES緩衝溶液、ペニシリン−ストレプトマイシン、可欠アミノ酸およびピルビン酸ナトリウム(GIBCO)を添加)で3回洗浄した。
単核細胞(MNC)を、製造業者の取扱説明書に従って100μlのヒトFcRブロッキング試薬(ミルテニーバイオテク社、米国、カリフォルニア州オーバーン)および100μlのCD133+抗体ミクロビーズ(MACS、ミルテニーバイオテク社)と一緒に、4℃で30分間インキュベートし、その後、MACS緩衝液(2mMエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)/PBSおよび0.5%BSA/PBS)中に再懸濁した。AutoMacsPro(ミルテニーバイオテク社)を用いてCD133+細胞を単離した。次に、単離された細胞を4℃で遠心して、bullet kit(ロンザ社)を備え、10%FCS、血管内皮増殖因子(VEGF;5ng/mL、シグマ社、米国、ミズーリ州セントルイス)、インスリン様増殖因子−1(IGF−1;1pg/mL、ギブコ・インビトロジェン社(Gibco Invitrogen)、米国、メリーランド州ゲイサーズバーグ)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF;1ng/mL、1/25000、R&D社)およびアスコルビン酸(1mM、シグマ社)を添加した内皮増殖培地(EGM−2)中に0.5〜1×106細胞/mlの濃度で再懸濁させた。フィブロネクチンで予め被膜された24ウェルプレートに細胞を播種し、37℃、5%CO2でインキュベートした。培養中、非接着細胞を新しい、フィブロネクチンで予め被膜されたウェルに移し、新鮮なEGM−2培地中で48〜72時間培養した。これらの細胞を2、4、7、または10日間培養し、その後、さらなる解析用に回収した。
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の調製
初代HUVECを、前述(Litwen et al., 1998)のようにコラゲナーゼ分解によってヒト臍帯静脈から採取(extract)した。2継代数以後のHUVECは使用しなかった。
遺伝子アレイ
RNEasy micro plus kit(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)を用いる4回のバイオロジカルレプリケートから得られた、天然EPCおよび提供者が一致したヒト臍帯由来成熟内皮細胞(HUVEC)から、全RNAを単離した。マイクロアレイ実験を行う前に、Experion分析キットを用いて、RNAの完全性および量を決定した(バイオラド社)。Ovation system(ニュージェン社(NuGen))を用いて、150ngのRNAを増幅し、標識化した。標識化しおよび増幅したRNAを、Mater Adult Hospital(ブリズベーン)のマイクロアレイ施設において、製造業者のプロトコル(アフィメトリクス社)に従って、Affymetrix Human Exon 1.0ST arrayとハイブリッド形成させた。
Human affymetrix exon arrayを、GeneScanner3000(7G)でスキャンした。CELおよびCHPの生データを得て、データ解析のために、GeneSpring GXバージョン11(アジレント社)にインポートした。アフィメトリクス社製遺伝子チップから得られたプローブレベル強度の測定値を正規化および要約するために、Robust multi−array解析(RMA)を使用した。プローブレベルのデータの箱ひげ図および主成分分析(PCA)を用いて、各アレイのハイブリダイゼーション特性を評価した。
Genespring GX11を用いて作製した以下の実験群に対し、発現プロファイリングを行って、発現量に差がある遺伝子(differentially expressed gene)を特定した。
1. 4日目の天然のEPC 対 一致した、4日目のHUVEC。
2. 7日目の天然EPC 対 一致した、4日目のHUVEC。
3. 4日目の天然EPC 対 7日目の天然EPC。
パラメトリックなウェルチのt検定(等分散でないと仮定された場合)を、0.05のp値カットオフおよび1.5の倍率変化カットオフで、4日目および7日目のEPCの両方について、19524のプローブに対して独立に行った。次に、多重検定補正(Benjamini&Hochberg法 誤陽性率(False Discovery Rate))を、検出された14246のプローブセットに基づき、パラメトリックなウェルチのt検定を通過した遺伝子に適用して、偽陽性を減らした。この統計学的フィルタリングの後、実験条件1(4日目のEPC 対 HUVEC)では合計977個の遺伝子が、実験条件2(7日目のEPC 対 HUVEC)では1650個の遺伝子が、EPCにおいて有意に発現上昇した。3つ目の実験条件(4日目のEPC 対 7日目のEPC)では、遺伝子発現に変化は観察されなかった。4日間培養されたEPCと2継代数未満培養されたHUVECの間の遺伝子発現変化を表すヒートマップを図1に示す。この図は、EPCとHUVECの細胞集団間の遺伝子発現において、かなりの差異があることを示している。
有意に発現上昇した遺伝子を、EPCにおけるそれらの関連性があり得る機能に従って、グループ化した。アジレント・テクノロジー社の遺伝子オントロジー分類およびIngenuity Pathway Analysis(IPA、 http://www.ingenuity.com)を組み合わせて用いて、遺伝子の機能的分類を行った。発現上昇した遺伝子には、CD133およびc−KITを含む、既知のEPC細胞表面マーカーであるものも含まれる。EPCの特有性を、HUVECSと比較した場合の、確立した内皮マーカー(例えば、CD31、CD144およびCD62E)の発現レベルにおける差異によって示した。
機能的に分類された遺伝子は、実験条件1において合計137の膜タンパク質を明らかにした。遺伝子リストを、Gene card、IPA、pubmed、BioGPSを用いてさらにスクリーニングし、EPC、内皮細胞および/または造血幹細胞において先に述べられた遺伝子を除外した。
同一遺伝子に対する複数の重要なプローブを、最終的なデータ表から棄却し、同時に最も高い倍率変化を有するプローブを選んだ。
2.2 結果
第一の実験群および第二の実験群について、有意に発現量に差がある遺伝子を選択し、以下のように分類した:
a) カテゴリーAのリスト:4日目のEPC対HUVECにおいて、高い倍率変化値で有意に発現上昇した。
b) カテゴリーB:4日目のEPC対HUVECにおいて、ほぼ有意なp値を有する高い倍率変化値。
c) カテゴリーC:7日目のEPC対HUVECについて、高い倍率変化で有意に発現上昇。
次に、3つのリストを組み合わせて、生物マーカーのリストを作製した。
次に、「Gene Card」、「Phobius」および「IPA」を用いて生物マーカーを解析して、細胞表面上で発現される可能性があるものを特定した。
これらの解析の結果は、以下の表8に記載される。
実施例3−Low Density Arrayによる生物マーカーの検証
全RNAを、4回のバイオロジカルレプリケートから得られた、CD133+選別から4日間培養したEPC(基本的には実施例2に記載の通りに調製)から、並びにドナーが一致したHUVECから、それぞれ、RNEasy micro plusおよびRNEasy mini kit(キアゲン社、ドイツ)を用いて、単離した。同じプロトコルを用いて単離された等量のHUVEC RNAと一緒に、High Capacity cDNA Transcription Kit(アプライドバイオシステムズ社)を用いて、全EPC RNA(300〜700ng)をcDNAに変換する。各合成物をTaqMan(登録商標)Universal PCR master mixと混合し、Custom TaqMan(登録商標)Low Density Array(フォーマット96b)の4試料充填リザーバーに等量に添加した。7900HT Real−Time PCR System(アプライドバイオシステムズ社)で、増幅およびデータ収集を実行した。ドナーが一致したEPCおよびHUVECを、同一アレイに添加した。RQ manager(SDSv2.3ソフトウェア、アプライドバイオシステムズ社)を使用する比較Ct(ΔΔCT)法を用いて、標的の相対定量(RQ)を行う。Custom TaqMan(登録商標)Low Density Arrayを、有効なTaqMan(登録商標)遺伝子発現アッセイを用いて構築した。各標的を、4つの異なる生体ドナー(biological donor)を用いるデュプリケートで妥当性検証した。
低密度アレイ分析の結果を表8に記載する。
実施例4−フローサイトメトリーによる生物マーカーの妥当性検証
4.1 材料および方法
抗体を商業的供給源より入手した。各抗体に対して、適切なアイソタイプ対照(種、Igアイソタイプおよび会社)を使用した。
3段階「高感度」染色プロトコルを用いて、HUVEC、天然EPC(基本的には実施例2に記載の通りに調製)、末梢血(リチウム-ヘパリン抗凝固剤を用いて採取)または臍帯血に対する標的抗体の反応性の分析を行った。細胞を遠心分離で沈降させ、HUVE洗浄液(Media199(シグマ社)、2%ウシ胎仔血清、1%10mM HEPESおよび1%ペニシリンストレプトマイシン溶液(ギブコ社))中に、アッセイ1回につき約5×104〜106細胞の濃度で再懸濁させた。末梢血試料については、アッセイ1回につき100μlを使用した。
細胞(EPC、HUVECおよび末梢血細胞)を遠心分離で沈降させ、再懸濁させ、30μlのHUVE洗浄液中に希釈した10μlヒトFcR block(ミルテニーバイオテク社)で処理した。次に、試料を10分氷上でインキュベートし、その後、一次抗体を添加した。細胞を100μlの希釈一次抗体中で30分間インキュベートし、その後洗浄した。細胞を遠心分離で沈降させ、再懸濁させ、冷HUVE洗浄液中に希釈した適切な二次抗体と一緒に、氷上で30分間インキュベートした。細胞を1mlのFACS洗浄液で洗浄し、遠心分離で沈降させ、再懸濁させた。次に、細胞を5μlの正常マウス血清を用いて、4℃で10分間、ブロッキングした。結合型ストレプトアビジン(PE、APCまたはPE−Cy7結合型)(BDバイオサイエンス・ファーマゲン社(BD Biosciences Pharmingen))を、検体あたり0.2μgで添加し、以下のマウス抗ヒト結合型抗体セットと一緒も添加した。フローサイトメトリー用に、製造業者の取扱説明書に従って、前駆細胞に対しては抗CD34−Pe−Cy7を、HUVECに対してはCD144−FITCを、EPCに対しては抗VEGFR2、抗CD117−APCおよび抗CD133−PEを、血管細胞に対しては抗CD31を、PBに対しては抗CD45、抗CD11b−PE−Cy7および抗CD14−APCを使用した(全てBDバイオサイエンス社)。次に、細胞を1mlのFACS洗浄液で洗浄した。血液試料を、水で希釈された1.5mlの1×BD Pharmingen Lysekl(商標)と一緒に、室温でインキュベートした。再度、細胞を遠心分離で沈降させ、再懸濁させた。細胞を、FACS固定液(PBS中に作製された、1%ホルムアルデヒド、20g/Lグルコース、5mMアジ化ナトリウム)中に再懸濁させ、次に、FACS Aria II(BDバイオサイエンス社)とFACS DIVA(BDバイオサイエンス社)を用いて分析を行った。FCS Express V3.0(デ・ノボ・ソフトウェア社(De Novo Software)、米国カリフォルニア州ロサンジェルス)を用いて、さらなる分析を行った。
HUVEC(試験抗体/CD34またはCD144)およびPBMC(試験/前方散乱光/側方散乱光セッティング)の表面発現を求めて、生物マーカーをスクリーニングした。HUVECおよびPBMC上で、アイソタイプ対照を有意に超えたレベルで生物マーカーが検出可能であった場合、EPC染色(試験抗体/CD133+/CD117+)を求めて標的をスクリーニングした。EMR2研究では、U937細胞およびJurkatT細胞上の発現も研究した。
4.2 結果
DSG2およびEMR2の発現分析の結果を、図2〜5および表8に示す。
図2に示された結果は、EMR2が分析されたほとんどのEPC上で発現され、HUVEC上でははるかに少ない量で発現されることを示している。EMR2はU937骨髄性細胞上でも発現されたが、JurkatT細胞上では発現されなかった。
図3は、DSG2が分析を受けたかなりの割合のEPC上で発現され、HUVEC上ではほとんど発現されないことを示している。また、図3のパネルBは、DSG2がPBMNC中のCD133+CD117+前駆細胞上で発現されることを示している。図3に示されたデータは、末梢血試料からEPCを単離するのに、DSG2が使用できることを示している。
抗DSG2抗体を使用して、新しく分離された臍帯血から細胞を単離し、細胞表面マーカー発現についてこれらの細胞を分析した。図4に示すように、抗DSG2抗体を用いて単離された細胞は、前駆細胞マーカーであるCD34、および血管マーカーであるCD31を発現する。CD34およびCD31を発現している細胞は、抗CD133抗体を用いて単離することもできる。しかしながら、捕捉試薬として抗CD133抗体または抗DSG2抗体を用いて単離した集団は、同一ではないように思われる。
新しく分離されたヒト臍帯血から単離されたDSG2発現細胞をさらに特徴付けすることで、EC支援培地中での4日間の培養の後、該細胞は、血管マーカーであるVEGFR2およびCD31、前駆細胞マーカーであるCD34を発現し、前駆細胞マーカーであるCD133およびCD45を低レベルで発現することが示された。これらの培養細胞はDSG2発現を維持する。
実施例5:EPCのタンパク質生物マーカーの検出
非接着性CD133+EPCを、基本的には実施例2に記載の通りに、Miltenyi AutoMacsProを用いて臍帯血から分離した。これらの細胞を、基本的には実施例2に記載の通りに培養した。非接着性の天然EPCを4日目および7日目に採取した。HUVECも、基本的には実施例2に記載の通りに調製した。次に、細胞を穏やかに洗浄し、あらゆる外来性物質を除去し、同時に細胞完全性を確保した。外膜タンパク質の炭水化物部分を、10mM 過ヨウ素酸ナトリウムを用いて酸化させた。過剰な過ヨウ素酸塩を除去した後、細胞を100mM 酢酸ナトリウム(pH5.5)および0.5%トリトンX/1%オクチル−グルコシド/150mM NaCl中で、15分間溶解させた。遠心分離で細胞片を除去した後、酸化させた糖タンパク質を、ヒドラゾンカップリングを通じてビーズと結合させた。ビーズを十分に洗浄して、非共有結合的に結合した細胞関連物質を全て除去した。ビーズに結合したタンパク質を60℃で1時間、10mM DTTで還元させ、その後5倍のモル濃度の過剰なヨードアセトアミドでアルキル化した。さらに洗浄した後、ビーズに付着したタンパク質を、25mM トリス(pH8.0)中で、45℃で1.5時間、トリプシンで消化した。次に、トリプシンペプチドを除去し、37℃で一晩、PNGase F酵素を用いて、アスパラギン結合型炭水化物を開裂させることによって、ビーズに付着した残留糖ペプチドを遊離させた。遊離したペプチドを含有する溶液を、質量分析用の注入バイアル中で乾燥させた。
次に、乾燥試料をHPLC(Ultimate 3000、ダイオネクス社)上に注入し、A−緩衝液として0.1%ギ酸(水溶液)を、B−緩衝液として2%A−緩衝液中の98%アセトニトリルを用いて、pepmap150mm×150μmカラム(C185μ)によって分画した。スポッター(FC−proteineer、ブルカー・ダルトニクス社、ドイツ)を用いて、前記ペプチドを384スポットMALDI−MSの標的プレート(target plate)上に溶出させた。乾燥させた後、前記標的を10mM リン酸アンモニウム緩衝液で一回洗浄した。
384スポットの分子イオンスペクトルを自動的に獲得し、その結果から、およそ4000の主要ペプチドから成るリストを作製した。これらの各ペプチドを、プログラムWarpLC1.2による1つのデータファイルと対照し、MALDI−tof/tof−MS(ブルカー・ダルトニクス社、ドイツ)によって、各ペプチドから得られた最も重要なピークを断片化し、解析した。得られたスペクトルをアノテートし、Mascot検索エンジン(マトリックスサイエンス社(Matrix Science、イギリス)を用いる検索のための検索パラメータを制御するBiotools3.2にインポートした。mass toleranceは、分子イオンに対しては50ppmにセットし、断片イオンに対してはに対しては0.5Daにセットした。
Mascot検索より得られたタンパク質リストを、糖鎖付加部位および明らかに間違って指定されたスペクトルの存在に関して、手動でキュレート(curate)した。
この解析の結果結果を表9にまとめた。
実施例6−管腔形成および血管新生におけるDSG2の役割
6.1 材料および方法
Matrigelアッセイ
HUVECおよびDSG2陽性(C32)メラノーマ細胞またはDSG2陰性(MM200)メラノーマ細胞(EPCのモデルとして使用)のIn vitroにおける管腔形成を、Matrigelマトリックスを用いて評価した。HUVECを、10μg/mlのDiI−Ac−LDL(バイオメディカルテクノロジーズ社(Biomedical Technologies)、ストートン、マサチューセッツ州)で、37℃、5%CO2で4時間染色し、一回洗浄し、新しい培地を添加した後に、37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。C32またはMM200を、PBS中の0.1%FCS中の0.5μMのCFDA−SE(インビトロジェン社)で10分間染色した。標識した細胞を新しい培地中で30分間インキュベートし、その後洗浄して、残留CFDA−SEが完全に除去されたことを確実にした。その後、新しい培地を加え、標識した細胞を37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。次の日、12μlのMatrigel(BDバイオサイエンス社)を、予熱したibiTreat Angiogenesis μ−slide(イビディ社(Ibidi)、ドイツ、ミュンヘン)中のウェルに加え、37℃で30分以上インキュベートした。標識した細胞を、2連で、1×104個のHUVECまたは0.7×104個のHUVECの細胞密度で、および0.5×104個のC32またはMM200の密度で、Matrigel中に播種した。管腔形成を定期的にモニターし、6時間後に、10×/0.4NA objおよびHamamatsu Orca−ERカメラを備えたIX81顕微鏡(オリンパス社)を用いて蛍光位相差画像を撮り込んだ。蛍光画像を、CellRソフトウェア(オリンパスソフトイメージングシステム社(OlympusSoft Imaging System))を用いて獲得した。
低分子干渉RNA形質移入
製造業者のプロトコルを用いて、DSG2 siRNAまたはスクランブル対照siRNA(1nM、OriGene、ロックヴィル、米国メリーランド州)を、細胞が30〜40%コンフルエントであったとき、Opti−MEM培地(インビトロジェン社)中で、Lipofectamine RNAiMAX(インビトロジェン社、米国カリフォルニア州カールズバッド)を用いて、DSG2発現細胞(例えばC32細胞)に形質移入した。次に細胞を、24〜48時間(qPCRによる遺伝子発現の評価用)または72時間(フローサイトメトリーによるタンパク質発現または機能の評価)インキュベートした。
組織染色
Human Tissue Array(T8234700−2)をバイオチェーン社(Biochain、米国カリフォルニア州ヘイワード)から購入し、エピトープ回復(epitoperetrieval)の後で、コアを、マウス抗ヒトDSG2mAb(1/50、クローン3G132、アブカム社、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)で4℃で一晩染色し、その後洗浄し、過酸化水素水でブロッキングし(peroxidise block)、洗浄し、抗マウス−HRP(ベクターラボラトリーズ社(VectorLabs Impress))と一緒に30分室温でインキュベートし、洗浄し、DAB chromogenと一緒にインキュベートし、洗浄し、ヘマトキシリンで対比染色した。マウスメラノーマ(図12)においてDSG2を検出するのにアルカリホスファターゼ/赤色発色系を用いる改変された方法が使用されたが、これは、メラニン形成細胞の天然色素沈着が褐色の色素原を用いる検出に干渉し得るためである。
6.2 結果
図6は、いくつかのメラノーマ細胞がそれらの細胞表面上でDSG2を発現することを示している。例えば、メラノーマ細胞株C32はDSG2を発現するが、一方MM200細胞はDSG2を発現しない。これらのデータに基づいて、管腔形成におけるDSG2の役割を分析するさらなる実験に、C32細胞およびMM200を使用した。いくつかの実験では、C32細胞を、Matrigel(登録商標)中で、HUVECと共培養した。播種後約7時間以内に、細胞は、C32メラノーマ細胞およびHUVECの両方を含む血管様構造を形成したが、このことは、これらの細胞が、in vitroおよびin vivoにおいて、管腔形成に寄与し得ることを示している。
図7は、Matrigel(登録商標)中で、C32細胞またはMM200細胞と共に、HUVECを共培養した結果を示している。図のように、C32(DSG2+)細胞をHUVECと共に培養すると、HUVECの単独またはMM200細胞存在下での培養と比較して、管数の増加がもたらされる。対照的に、MM200(DSG−)細胞をHUVECと共に培養しても、in vitroにおける管腔形成は増強されなかった。
管腔形成におけるDSG2の作用をさらに研究するために、siRNAを用いて(suing)、DSG2発現をノックダウンする実験を行った。図8に示すように、DSG2を標的とするsiRNAは、mRNAレベルで、およびタンパク質レベルで、DSG2発現を低減させ得る。図9は、C32細胞においてDSG2発現がノックダウンされていると、その細胞がMatrigel(登録商標)中のHUVEC存在下で培養された場合に、形成される管の量が劇的に減少したことを示している。
in vivoでのDSG2発現も評価した。図10は、このタンパク質が、ヒト組織(この場合は卵巣)の脈管構造(vasculatrure)上で発現されることを示している。DSG2が、メラノーマ(melonoma)におけるメラニン細胞(melnocyte)によって発現されることも示された。
図11は、DSG2がマウス由来の新しく単離された骨髄細胞上でも発現されることを示しており、このことは、DSG2発現に基づく、EPCを単離するための源およびの方法になり得ることを示している。
DSG2は、自発発症モデルTyr−Cre+:BrafV600E/+;Ptendel/del)におけるメラノーマ細胞上でも特定された。
実施例7−EPCの増殖
CD133+細胞を、先に述べたようにヒト臍帯血から単離し、その後、BD社製組織培養プレート(BDバイオサイエンス社、米国カリフォルニア州サンフランシスコ)中で、StemSpan培地(ステム・セル・テクノロジーズ社(Stem Cell Technologies)、カナダ、ブリティッシュコロンビア州バンクーバー)中約7.5×105細胞/mlで、最大7日間、培養した。
図13Aに示すように、CD133+EPCを単離し、培養して、その集団を増殖させることができた。7日間の増殖の後でさえ、培養中のEPCはDSG2またはEMR2を発現した。
実施例8−モノクローナル抗体の生産
表1〜6の一つまたは複数に記載のタンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体は、当該技術分野において周知の方法で生産される。簡潔に説明すると、組換えタンパク質または該タンパク質を発現している細胞を、雌Balb/Cマウスに投与する。最初に、マウスを、アジュバントの腹腔内注射によって感作する。前記ポリペプチドまたは細胞の3回の追加免疫を、初期感作の約2ヵ月後、5.5ヵ月後および6.5ヵ月後に投与する。これらの追加免疫の初回は皮下注射であるが、残りは腹腔内注射で投与する。最後の追加免疫は融合の3日間に投与する。
免疫化マウスのうち一匹の脾細胞を、例えばPEG1500を用いて、適切な骨髄腫細胞、例えば、X63−Ag8.653マウス骨髄腫細胞に融合させる。融合後、細胞を、熱非働化ウシ胎児血清中で、37℃で1時間インキュベートする。次に、融合した細胞を通常の培地に移し、37℃10%CO2で一晩インキュベートする。次の日、細胞を、マクロファージ培養液上清が添加されている培地を用いて、播種する。
融合から2週間後、ハイブリドーマ細胞を、固相ELISAアッセイによって、抗体産生を求めてスクリーニングする。標準的なマイクロタイタープレートを、組換えタンパク質でコーティングする。次にプレートをブロッキングし、洗浄し、その後、対照試料(すなわち非融合細胞から得られた上清)に加えて、試験試料(すなわち融合細胞から得られた上清)を添加する。抗マウスまたは抗ヒトHRP結合(ジャクソン・イムノ・リサーチ・ラボラトリーズ社(Jackson ImmunoResearch Laboratories))および2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS)ペルオキシダーゼ基質系(ベクター・ラボラトリーズ社、米国カリフォルニア州94010バーリンゲーム)と共に、プレートをインキュベートすることによって、抗原抗体結合を検出する。405nmの波長における吸光度を自動プレートリーダーで読み取る。
これらのスクリーニングで陽性であると特定された任意のコロニーを、継続して増殖させて、さらに数週間スクリーニングする。次に安定なコロニーを単離し、−80℃で保存する。
次に、陽性の安定なハイブリドーマを、短期間、培地中で増殖させることによりクローニングし、96ウェル組織培養プレートの1ウェルあたり0.1細胞の最終濃度まで細胞を希釈する。次に、これらのクローンを、先に述べられたアッセイを用いてスクリーニングする。次に、クローンの純度を確実にするために、この手順を繰り返す。
4種の異なる希釈物、5細胞/ウェル、2細胞/ウェル、1細胞/ウェル、0.5細胞/ウェルの初代クローンを、96ウェルマイクロタイタープレートで調製し、二次クローニングを開始する。細胞を組織培養液で希釈する。前記抗原と結合する抗体、クローンを決定するために、0.5または1細胞/マイクロタイタープレートウェルの個々のウェルから得られる上清を、2週間の増殖の後に回収し、前述の通りのELISAアッセイによって、抗体の存在について試験する。
次に、全ての陽性クローンを適合させ、増殖させる。タンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーによって、特異的抗体を細胞培養物の細胞培養上清から精製する。
この方法を用いて産生された抗体の力価を、例えば、ピアス社(米国イリノイ州ロックフォード)から入手できるEasy Titerキットを用いて決定する。このキットは、マウス抗体と特異的に結合するビーズを利用しており、結合後に、これらのビーズは凝集し、非結合ビーズと同程度まで光を吸収しなくなる。従って、あるハイブリドーマの上清中の抗体の量は、この試料から得られるOD測定値を、例えばマウスIgG等の標準物質において検出された量と比較することによって、評価される。
次に、ウエスタンブロット解析を用いてモノクローナル抗体の特異性を決定する。
実施例9. 生物試料中のEPCのレベルの決定
ツーサイト(two-site)ELISAの作製に、基本的には実施例8に記載の通りのモノクローナル抗体および/または市販の抗体(例えば、供給源としては、本明細書に記載)を使用して、生物試料中のEPC上で発現されるタンパク質のレベルを決定する。
通常、この方法は、本明細書に記載のあるタンパク質に対するモノクローナル抗体でEPCを捕捉し、異なるタンパク質に対する抗体でそれらの細胞を検出すること、または細胞を溶解させ、あるタンパク質におけるあるエピトープに対する抗体で捕捉し、同一のタンパク質に対する異なるエピトープに対する抗体で検出することを含む。
捕捉抗体は、約20℃で約16時間、マイクロタイタープレートに吸収される。次に、プレートを洗浄し、ブロッキングする。
試験試料または対照試料を含む既知量のEPCまたはタンパク質を、固定化したタンパク質に接触させる。さらなる対照は、臍帯血由来の、分取されたEPCである(例えば、CD34および/またはVEGFR2の発現に基づいて単離される)。
検出用モノクローナル抗体を、例えばHRPに、HRP結合キット(例えば、アルファ・ダイアグノスティック・インターナショナル社(Alpha Diagnostics International、 Inc.)、米国テキサス州サンアントニオ)を用いて結合する。
マイクロタイタープレートの洗浄後、HRP結合型モノクローナル抗体をプレートの各ウェルに加え、インキュベートする。次に、プレートを洗浄し、ABTS(シグマ・アルドリッチ社、オーストラリア、シドニー)を各ウェルに加える。適切な時間、例えば、およそ20分経過後に、反応を止めた。吸光度値を415nmで測定する。
負の対照のウェルにおいて検出される吸光度の量(細胞またはタンパク質)を、他の各ウェルの吸光度から減算し、結合している検出抗体の量を決定する。
EPCまたはタンパク質の量は、正常な対象および/または健常な対象および/または、例えば関節リウマチに罹患することが知られている対象においても評価される。試料の使用には、例えば、軟膜画分が含まれる。このように、EPCが関連する状態(例えば関節リウマチ)を診断/予後予測するために、ELISAが作製される。
実施例10. EPCの列挙
実施例8に記載のようなモノクローナル抗体を、標準的な技術を用いてフルオロフォアで標識する。
末梢血単核球、臍帯または骨髄を、最適に事前に力価測定した(pre-titered)抗体カクテル中のPBSに再懸濁させ、約20分間氷上でインキュベートする。標識された細胞を過剰なPBSで洗浄し、約5×106〜10×106細胞/mLで再懸濁させ、フローサイトメトリー分析および分取のために氷上に置いた。非生細胞の除外のための生細胞染色色素(viability dye)として、ヨウ化プロピジウム(PI;約1μg/mL)またはトリパンブルー(約0.2%)を使用する。標準方法を用いてFACSを行う。
実施例11. 虚血モデルへのEPC移植
8〜10週齢の胸腺欠損ヌードマウスまたはラットを、一本の大腿動脈または冠動脈の外科切除、およびその後の灌流画像法のために、腹腔内への160mg/kgペントバルビタール(または同等の麻酔薬)で麻酔した。安楽死させる直前に、げっ歯類に過剰用量のペントバルビタール(または同等の麻酔薬)を注射した。
治療的血管新生に対する、実施例10に記載の通りに単離されたEPCの投与の影響を、後肢虚血のマウスモデルまたは急性心筋梗塞のラットモデルにおいて調べる。1本の大腿動脈または冠動脈を外科的に切除した1日後に、血管新生が特徴的に障害された、胸腺欠損マウスまたはラットそれぞれに、約5×105個の培養増殖させたEPCを心内注射する。2つの対照群に、80〜90%コンフルエントで回収したヒト血管EC(HVEC)、またはヒト(h)EPCをex vivoで増殖させるのに使用された培養プレートより得た培地のいずれかを、同様に注入する。
EPC追跡の研究のために、細胞を蛍光色素、例えば、カルボシアニンDiI色素(モレキュラープローブス社(Molecular Probes))で標識する。細胞移植前に、懸濁液中の細胞をPBSで洗浄し、色素と共に37℃で5分間、そして4℃で15分間インキュベートする。PBS中での2回の洗浄ステップの後、細胞を培地中に再懸濁する。げっ歯類に、約5×105〜107細胞の総濃度で、色素標識したEPCを与えた。安楽死前に、げっ歯類の一つのサブグループに、50μgのバンディラマメレクチンI(BS I;ベクター・ラボラトリーズ社)またはUEA−1(シグマ社)のいずれかを心内注射する。
Laser Doppler潅流画像法(ムーア・インストルメント社(MoorInstrument)、デラウェア州ウィルミントン)を用いて、手術後4週にわたって、連続的な血流測定を記録する。心筋梗塞モデル用に、磁気共鳴画像法(MRI)を用いて、手術後4週にわたって、血流測定を記録する。
虚血性および健全な肢の下部腓腹筋群(lower calf muscles)または心臓から得られた組織切片を、3日目、7日目、14日目、および28日目に得る。他の臓器および健全な後肢から得られた組織も、EPCの取り込みについて検査する。免疫組織化学のために、組織をOCT化合物(マイルズ・サイエンティフィック社(Miles Scientific)、インディアナ州エルクハルト)中に包埋し、液体窒素で瞬間凍結する。6μm厚の凍結切片をスライドガラスに乗せ、1時間風乾し、UEA−1、マウスCD31およびヒトCD31(血小板/内皮細胞接着分子−1(PECAM−1);ダコ社)に対するビオチン化抗体で対比染色する。肝臓および脾臓を含む他の臓器から得た切片も、hEPCの取り込みについて検査する。虚血性のマウス後肢または心臓から採取された筋肉の光学顕微鏡用切片における毛細血管密度を測定することによって、血管新生の程度を評価する。各肢の膝蓋下部分全体または心臓を検査する。切片を、インドキシル−テトラゾリウムでアルカリホスファターゼ染色し、エオシンで対比染色して、毛細管ECを検出した。
実施例12−血管新生の阻害
血管新生のマウスモデルを、基本的にはHoffmann et al.(1997)に記載の通りに、作製する。簡潔に説明すると、低粘度のアルギン酸ナトリウムおよび150,000の平均分子量を有するFITC−デキストランを、シグマ社から購入する。FITC−デキストランを、食塩水に溶解させて、1%の最終濃度にした。1μmの大きさを有する蛍光ミクロスフェアを、モレキュラー・プローブス・ヨーロッパ社(Molecular Probes Europe、オランダ、ライデン)から入手する。がん細胞株も入手する。例えば、マウスLewis肺癌細胞株LL2、マウスリンパ腫株EL4、マウス骨髄腫株、B16、ヒト腎癌細胞株Caki−1、およびヒト腎癌細胞株Caki−2は、ATCCから入手することができる。
低粘度のアルギン酸ナトリウムを、無菌食塩水に溶解させ、1.5%の最終濃度にする。腫瘍細胞を60〜80%コンフルエントで細胞培養物から回収する。遠心分離後、腫瘍細胞のペレットをアルギン酸溶液で直接再懸濁させ、所望の細胞数にし、その後、リザーバーに置いた。12ゲージカニューレを通してアルギン酸溶液を放出することによって、腫瘍細胞を含有する液滴をつくる。腫瘍細胞アルギン酸溶液を、80mM CaCl2の旋回槽に滴下する。カルシウムイオンは、アルギン酸からのナトリウムの交換によって、各液滴を即時にゲル化させる。カニューレに沿った層流によって、ビーズの大きさを最小化する。CaCl2槽でさらに30分間インキュベートしたのち、ビーズを緩衝液で2回洗浄し、遠心し、注入用に調製する。
C57Bl6マウスまたはヌードマウスに、背中の上部3分の1に、腫瘍細胞を含有する0.1mlのアルギン酸ビーズを、皮下注射した。対照マウスには、腫瘍細胞を含有しないアルギン酸ビーズを0.1ml注入する。実験の最後に、0.2mlの1%FITC−デキストラン溶液(100mg/kg)を、マウスの外側尾静脈に静脈内注射(i.v.)する。
FITC−デキストラン注入の20mm後にアルギン酸移植物を迅速に採取し、重量測定し、そして移植被膜の切開後、アルギン酸ビーズを2mlの食塩水を含有する管に移す。管を20秒間ボルテックスで混合し、遠心する(3分;1000×g)。希釈(1:1)後、上清の蛍光を測定する。
大きさが1μmの、黄緑色蛍光色素で標識されたミクロスフェアを、製造者に示された通りに使用する。ミクロスフェアの一定分量をマウスの外側尾静脈に注射する(7×l09ミクロスフェア/0.2ml)。ミクロスフェア溶液注入の20分後にアルギン酸移植物を動物から採取し、2mlの2−エトキシ酢酸エチルと共に少なくとも24時間インキュベートして、崩壊したポリスチレンラテックス膜から蛍光色素を放出させる。試料の蛍光を、490nmでの励起および506nmでの蛍光によって測定する。
マウスに0.2mlの1%FITC−デキストラン溶液(100mg/kg)を静脈内注射し、血液試料を注射から10分、20分、および40分後に採取する。へパリン処理した血液試料をボルテックスし、遠心し、血漿の蛍光を、蛍光分光光度計で、492nmでの励起および515nmでの蛍光によって測定する。アルギン酸移植物内のFITC−デキストランの量を、培養上清(incubation supernatant)から決定する。アルギン酸移植物の対応する血液量は、下記式を用いて算出される:血液量(μl/アルギン酸移植物)=(FITC−デキストラン/アルギン酸移植物)/(FITC−デキストラン/μl血液)
がん細胞を封入している移植物を有するC57BL/6マウスも、アルギン酸移植から2日目から10日目まで、試験抗体で処置する。
上記のアッセイにより、本開示の抗体の存在下で腫瘍によって誘導される血管新生の組織学的評価および定量的評価の両方が可能となる。
実施例13−心筋梗塞の治療
急性ST部分心筋梗塞(STEMI)および心エコーにより決定された50%以下の左心室の駆出率(n LVEF)で診断された対象を登録する。対象は、無作為に対照(n=15)として登録されて標準的な治療を受けるか、または非盲検の細胞治療群(n=15)に割り当てられ、それらの対象から100mlの血液が採取される。DSG2に対するモノクローナル抗体等の、表1に記載のタンパク質に結合するモノクローナル抗体を用いて、72時間増殖させた後にEPCを単離する。移植細胞をin vivoで高感度にイメージングするために、核トレーサー細胞標識(nuclear-tracer cell labeling)を採用することができる。例えば、99mTc−extametazime(110MBq)で細胞を標識することができるが、これは、細胞膜通過後に親水性となり、細胞追跡の間、細胞内に滞留する親油性化合物である。次に、細胞を梗塞関連動脈の近位に再注入する。細胞移入の60分後に全身平面(静的)走査および心臓断層(SPECT)画像を撮り込み、細胞送達を確認する。全対象は、連続的な心電図を24時間、心臓バイオマーカーの測定を月1回で3ヵ月間、体温測定(temperature measurement)を1日2回で1ヵ月間、心エコーおよびMRIを放電時および月1回で3ヶ月間、受ける。
実施例14−メラノーマの治療
標準的治療に対し抵抗性であると組織学的に確認されたか、またはそれらのための標準的または治癒的な治療が存在しない固形メラノーマ腫瘍を有し、3ヵ月以上の平均余命を有し、既知の進行性または不安定な脳転移を有さず、適切な血液機能、肝機能、および腎機能を有すると診断を受けた対象が登録される。対象は、無作為に対照(n=32)として登録されて標準的な治療を受けるか、または抗体治療群(n=32)に割り当てられ、それらの対象から10mlの血液が採取される。DSG2に対するモノクローナル抗体等の、表1に記載のタンパク質に結合するモノクローナル抗体を用いて、治療前に循環EPCを計数する。隔週で12ヵ月間、抗体を投与する。安全性評価は、ベースライン時、8日目、15日目、29日目に行い、それ以後は4週間毎に行う。これらの評価としては、全血球計算値、臨床化学検査、および検尿を含む、理学的検査、心電図検査、実験室検査が挙げられる。患者はベースライン時および試験中の2ヵ月毎に皮膚科学的な評価を受け;胸部のコンピュータ断層撮影(CT)スキャンによって、原発性癌を示唆する新しい病変の出現がないかが解析される。CT試験は、全ての患者において、治療期間中8週間間隔で行われる。結果は、固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST)に従って判断される。
実施例15:糖尿病の治療
1型糖尿病、重度の低血糖症の病歴、および代謝不安定性を有すると診断された対象を登録する。対象は、無作為に対照(n=7)として登録されて膵島移植のみの標準的な治療を受けるか、または細胞治療群(n=7)に割り当てられ、EPC共移植と合わせた膵島移植を受ける。100mlの血液を採取し、DSG2に対するモノクローナル抗体等の、表1に記載のタンパク質に結合するモノクローナル抗体を用いて、72時間増殖させた後にEPCを単離する。例えば、実施例11に記載の通りに、移植細胞をin vivoで高感度にイメージングするために、核トレーサー細胞標識を採用することができる。
10ml未満の圧縮された組織体積において、受容者の体重1キログラムあたり4000個超の膵島等価物を有する膵島調製物を、蛍光透視誘導下で門脈に注入する。門脈圧を、ベースライン時および膵島注入後に測定する。最終的な膵島/EPC調製物(約2:1の比)を、500Uのヘパリンおよび20パーセントのヒトアルブミンを含有する120mlの培地に懸濁させ、5分間にわたって、注入する。移植後24時間以内に、門脈の超音波ドプラーおよび肝臓機能試験を行う。また、移植後24時間以内、および月1回を12ヵ月間、標識したEPCを特定するためにMRIを行う。
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