JP6291056B2 - 積層型コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、高周波数領域での等価直列インダクタンス(ESL:Equivalent Series Inductance)を低減した、ノイズフィルタ等に用いられる積層型コンデンサに関するものである。
近年、情報処理機器または通信機器等はデジタル化されており、これらの機器は情報処理能力の高速化に伴って取り扱われるデジタル信号の高周波数化が進んでいる。したがって、これらの機器は、発生するノイズも同様に高周波数領域で増大する傾向にあり、ノイズ対策のために、例えば、積層型セラミックコンデンサ等の電子部品が使用されている。このような積層型セラミックコンデンサは、例えば特許文献1に開示されているものがある。
特開2005−44871号公報
このように、積層型セラミックコンデンサは、例えばCPU等のLSIの電源回路等において、電源ラインまたは他のデバイスからLSIへのノイズの入り込みを抑制するために、またはLSIのノイズによる誤動作等を抑制するために用いられている。
しかしながら、情報処理機器または通信機器等は、高周波数化の傾向がさらに増加しつつあり、積層型セラミックコンデンサは、高周波数領域でのノイズ、例えば信号ラインまたは電源ライン等の高周波数領域のノイズを低減するために、等価直列インダクタンス(ESL)をさらに低減する必要がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、接地用内部電極を配置して電流を接地端(グランド)に流す経路を設けることによって等価直列インダクタンス(ESL)を低くすることができる積層型コンデンサを提供することにある。
本発明の積層型コンデンサは、複数の誘電体層が積層された、一対の主面、一対の側面および一対の端面を有する直方体状の積層体と、該積層体内の同一面内に前記一対の側面に沿って並べて配置された、前記一対の側面の一方の側面への引出部を有する四角形状の第1の接地用電極および他方の側面への引出部を有する四角形状の第2の接地用電極を含んでいる第1の接地用内部電極と、前記積層体内の同一面内に前記一対の側面に沿って並べて配置された、前記第1の接地用電極に積層方向で重なる位置に配置されるとともに前記他方の側面への引出部を有する四角形状の第3の接地用電極および前記第2の接地用電極に積層方向で重なる位置に配置されるとともに前記一方の側面への引出部を有する四角形状の第4の接地用電極を含んでいる第2の接地用内部電極と、前記第1の接地用内部電極と前記第2の接地用内部電極との間に積層方向に前記第1の接地用内部電極および前記第2の接地用内部電極に対向して配置された、前記積層体の前記一対の端面のうち少なくともいずれかの端面に引き出された四角形状の第1の信号用内部電極と、前記積層体の前記一対の側面に配置された、前記第1〜第4の接地用電極の引出部にそれぞれ接続された第1〜第4の接地用外部端子と、前記積層体の前記一対の端面に配置された、前記第1の信号用内部電極に接続された一対の信号用外部端子とを備えており、前記第1の接地用内部電極および前記第2の接地用内部電極は、前記第1の接地用電極および前記第2の接地用電極の隣り合う側および前記第3の接地用電極および前記第4の接地用電極の隣り合う側に位置する角部において、積層方向から平面視して前記一対の側面への引出部とは反対側に位置するそれぞれの角部が曲線状であることを特徴とするものである。
本発明の積層型コンデンサによれば、接地用内部電極を配置して電流を接地端(グランド)に流す経路を設けることによって等価直列インダクタンス(ESL)を低くすることができる。
実施の形態1に係る積層型コンデンサを示す概略の斜視図である。 (a)は図1に示す積層型コンデンサのA−A線で切断した断面図であり、(b)は図1に示す積層型コンデンサの他の例であってA−A線に相当する線で切断した断面図である。 図1に示す積層型コンデンサの概略の分解斜視図である。 図1に示す積層型コンデンサの積層方向に対して直交する方向の積層体の断面図であって、(a)は第1の接地用内部電極を示す断面図であり、(b)は信号用内部電極を示す断面図であり、(c)は第2の接地用内部電極を示す断面図である。 実施の形態1に係る積層型コンデンサの他の例の概略の分解斜視図である。 実施の形態2に係る積層型コンデンサの積層方向に対して直交する方向の積層体の断面図であって、(a)は第1の接地用内部電極を示す断面図であり、(b)は第2の接地用内部電極を示す断面図である。 実施の形態3に係る積層型コンデンサの積層方向に対して直交する方向の積層体の断面図であって、(a)は第1の接地用内部電極を示す断面図であり、(b)は第2の接地用内部電極を示す断面図である。 図1に示す積層型コンデンサの減衰特性を表すグラフを示した図である。 (a)および(b)は、それぞれ実施の形態4に係る積層型コンデンサを示す概略の斜視図である。 (a)は図9(a)に示す積層型コンデンサのB−B線で切断した断面図であり、(b)は図9(b)に示す積層型コンデンサのD−D線で切断した断面図である。 図9に示す積層型コンデンサの概略の分解斜視図である。 実施の形態4に係る積層型コンデンサの他の例の概略の分解斜視図である。 実施の形態5に係る積層型コンデンサの断面図であって、(a)は図9(a)のB−B線に相当する線で切断した断面図であり、(b)は図9(b)のD−D線に相当する線で切断した断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ図13に示す積層型コンデンサにケースを当接した状態を説明するための断面図である。 実施の形態5に係る積層型コンデンサの他の例の断面図であって、(a)は図9(a)のC−C線に相当する線で切断した断面図であり、(b)は図9(b)のE−E線に相当する線で切断した断面図である。 図9(a)に示す積層型コンデンサの減衰特性を表すグラフを示した図である。 従来例の積層型コンデンサの内部電極の構造を説明するための説明図である。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1に係る積層型コンデンサ10について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る積層型コンデンサ10を示す概略の斜視図であり、図2(a)は図1に示す積層型コンデンサ10のA−A線で切断した断面図である。また、積層型コンデンサ10は、便宜的に、直交座標系XYZを定義するとともに、Z方向の正側を上方として、上面もしくは下面の用語を用いるものとする。なお、各図面において、同じ部材および同じ部分に関しては、共通の符号を用いて、重複する説明は省略する。
積層型コンデンサ10は、図1乃至図4に示すように、積層体1と、第1の接地用電極2aおよび第2の接地用電極2bを含む第1の接地用内部電極2と、第3の接地用電極3aおよび第4の接地用電極3bを含む第2の接地用内部電極3と、信号用内部電極4と、接地用外部端子5と、信号用外部端子6とを備えている。
積層体1は、複数の誘電体層1aが積層されて直方体状に形成されており、誘電体層1aとなるセラミックグリーンシートを複数枚積層して焼成することで得られる焼結体である。このように、積層体1は、直方体状に形成されており、互いに対向する上面および下面からなる一対の主面と、互いに対向する側面1bおよび側面1cからなる一対の側面と、側面1bおよび側面1cに直交しており互いに対向する端面1dおよび端面1eからなる一対の端面とを有している。また、積層体1は、誘電体層1aの積層方向(Z方向)に対して、直交する断面(XY面)となる平面が、図4に示すように長方形状となっている。
このような構成の積層型コンデンサ10の寸法は、長手方向(X方向)の長さが、例えば0.6(mm)〜2.2(mm)、短手方向(Y方向)の長さが、例えば0.3(mm)〜1.5(mm)、高さ方向(Z方向)の長さが、例えば0.3(mm)〜1.2(mm)である。
誘電体層1aは、平面視において長方形状であり、1層当たりの厚みが、例えば0.5(μm)〜3(μm)である。積層体1は、例えば10(層)〜1000(層)からなる複数の誘電体層1aがZ方向に積層されている。
第1の接地用内部電極2は、積層体1内に形成され、図3および図4に示すように、第1の接地用電極2aと第2の接地用電極2bとを含んでおり、四角形状の第1の接地用電極2aと四角形状の第2の接地用電極2bとが一対となり、積層体1内の積層方向に対して直交する方向の同一面内に一対の側面1b、1cに沿って並べて配置されている。そして、第1の接地用電極2aは、積層体1の対向する一対の側面1b、1cのうちの一方の側面1bへの引出部2aaを有しており、また、第2の接地用電極2bは、積層体1の対向する一対の側面1b、1cのうちの他方の側面1cへの引出部2baを有している。なお、ここで同一面内とは、同一層間と同義であり、同一の誘電体層1a間にあることをいう。
また、第1の接地用電極2aは、図4(a)に示すように、積層方向から平面視して四角形状の主電極部を有しており、引出部2aaが四角形状の主電極部の側面1b側の辺部から側面1bに延在して設けられており、引出部2aaの端部が側面1bに露出するように側面1bに引き出されている。同様に、第2の接地用電極2bは、図4(a)に示すように、積層方向から平面視して四角形状の主電極部を有しており、引出部2baが四角形状の主電極部の側面1c側の辺部から側面1cに延在して設けられており、引出部2baの端部が側面1cに露出するように側面1cに引き出されている。第1の接地用電極2aおよび第2の接地用電極2bは、一対の側面1b、1cに沿って並べて配置され、間隙を介して互いに向かい合って配置されており、同一面内の中央部の領域に対向部を有している。また、第1の接地用電極2aと第2の接地用電極2bとは、同一面内において、例えば20(μm)〜200(μm)の間隔を介して互いに配置されている。
第2の接地用内部電極3は、積層体1内に形成され、図3および図4に示すように、第3の接地用電極3aと第4の接地用電極3bとを含んでおり、四角形状の第3の接地用電極3aと四角形状の第4の接地用電極4bとが一対となり、積層体1内の積層方向に対して直交する方向の同一面内に一対の側面1b、1cに沿って並べて配置されている。そして、第3の接地用電極3aは、第1の接地用電極2aに積層方向で重なる位置に配置されるとともに他方の側面1cへの引出部3aaを有しており、また、第4の接地用電極3bは、第2の接地用電極2bに積層方向で重なる位置に配置されるとともに一方の側面1bへの引出部3baを有している。なお、ここでも同一面内とは、同一層間と同義であり、同一の誘電体層1a間にあることをいう。
第3の接地用電極3aは、図4(c)に示すように、積層方向から平面視して四角形状の主電極部を有しており、引出部3aaが四角形状の主電極部の側面1c側の辺部から側面1cに延在して設けられており、引出部3aaの端部が側面1cに露出するように側面1cに引き出されている。また、同様に、第4の接地用電極3bは、図4(c)に示すように、積層方向から平面視して四角形状の主電極部を有しており、引出部3baが四角形状の主電極部の側面1b側の辺部から側面1bに延在して設けられており、引出部3baの端部が側面1bに露出するように側面1bに引き出されている。第3の接地用電極3aおよび第4の接地用電極3bは、一対の側面1b、1cに沿って並べて配置され、間隙を介して互いに向かい合って配置されており、同一面内の中央部の領域に対向部を有している。また、第3の接地用電極3aと第4の接地用電極3bとは、同一面内において、例えば20(μm)〜200(μm)の間隔を介して互いに配置されている。
このように、積層体1は、図3および図4に示すように、積層方向において、第1の接地用電極2aの引出部2aaと第3の接地用電極3aの引出部3aaとが対向する一対の側面1b、1cにそれぞれ引き出されて配置されており、また、積層方向において、第2の接地用電極2bの引出部2baと第4の接地用電極3bの引出部3baとが対向する一対の側面1c、1bにそれぞれ引き出されて配置されている。すなわち、引出部2aaは側面1bに引き出されており、引出部2baは側面1bに対向する側面1cに引き出されている。また、引出部3aaは側面1cに引き出されており、引出部3baは側面1cに対向する側面1bに引き出されている。
第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3の導電材料は、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料、あるいはこれらの金属材料の1種以上を含む、例えばAg−Pd合金等の合金材料である。第1〜第4の接地用電極2a〜3bは、同一の金属材料または合金材料によって形成することが好ましい。また、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3は、厚みが、例えば0.5(μm)〜2(μm)である。
信号用内部電極4は、積層体1内に形成され、図2乃至図4に示すように、平面視において長方形状である。第1の信号用内部電極4aは、第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部電極3との間に積層方向に第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3に対向して配置されており、積層体1の対向する一対の端面1d、1eの両端面に引き出されている。なお、第1の信号用内部電極4aは、信号用内部電極4のうち第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部電極3との間に配置されるものをいう。第1の信号用内部電極4aは、一対の端面1d、1eのうち少なくともいずれかの端面に引き出されていればよく、図3および図4においては、X方向の両端部が両端面1d、1eに露出するように両端面1d、1eにそれぞれ引き出されている。すなわち、第1の信号用内部電極4aは、四角形状であり、側面1bおよび側面1cに対してそれぞれ隙間を有しており、X方向の端部が端面1dおよび端面1eに露出するようにX方向に延びて積層体1内に配置されている。
信号用内部電極4の導電材料は、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料、あるいはこれらの金属材料の1種以上を含む、例えばAg−Pd合金等の合金材料である。積層体1内の全ての信号用内部電極4は、同一の金属材料または合金材料によって形成することが好ましい。また、第1の信号用内部電極4は、厚みが、例えば0.5(μm)〜2(μm)である。
また、第1の接地用内部電極2、第2の接地用内部電極3および信号用内部電極4は、同一の金属材料または合金材料によって形成することが好ましい。
積層型コンデンサ10は、積層体1内において、図2(a)および図3に示すように、信号用内部電極4と、第1の接地用内部電極2と、第1の信号用内部電極4aと、第2の接地用内部電極3とがZ方向の正側から負側に向かって順に配置されており、それぞれの内部電極の間には誘電体層1aがそれぞれ配置されている。すなわち、第1の接地用内部電極2と、第1の信号用内部電極4aと、第2の接地用内部電極3とは、積層体1内において誘電体層1aで隔てられ、かつ互いに対向して配置されており、これらの内部電極間には少なくとも1層の誘電体層1aがそれぞれ挟まれており、これらの内部電極が形成された誘電体層1aが複数枚積層されて積層型コンデンサ10の本体である積層体1が形成される。このように、積層型コンデンサ10は、図2に示すように、第1の信号用内部電極4aを間に挟んで、第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部電極3とがそれぞれ交互になるように積層体1内に配置されている。
また、積層型コンデンサ10は、図2(a)および図3においては、信号用内部電極4と、第1の接地用内部電極2と、第1の信号用内部電極4aと、第2の接地用内部電極3とがZ方向の正側から負側に向かって順に配置されており、Z方向における最外層(上面側および下面側)の内部電極がそれぞれ信号用内部電極4となっている。また、積層型コンデンサ10は、図2(a)に示すような積層の構成には限定されない。信号用内部電極4、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3のそれぞれの積層数は、積層型コンデンサ10の特性等に応じて適宜設計される。
また、積層型コンデンサ10Aは、図2(b)に示すように、積層の構成として、第1の接地用内部電極2と、第1の信号用内部電極4aと、第2の接地用内部電極3とがZ方向の正側から負側に向かって順に配置されており、Z方向における上面側の最外層の内部電極が第1の接地用内部電極2であり、下面側の最外層が第2の接地用内部電極3であってもよい。積層型コンデンサ10Aは、第1の接地用内部電極2および第2の接地用電極3がそれぞれ上面側および下面側の最外層に配置されており、第1の接地用内部電極2および第2の接地用電極3によって外部からの電界等が遮られるのでシールド効果を向上させることができる。
このように、積層型コンデンサ10Aは、上面側および下面側の最外層に第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3をそれぞれ配置することによって、シールド効果が得られ、例えば、入力耐性以上のノイズまたは静電気による放電等の外乱ノイズの影響を低減することができる。
また、積層型コンデンサ10Aは、Z方向における上面側の最外層の内部電極が第2の接地用内部電極3からなり、下面側の最外層の内部電極が第1の接地用内部電極2からなる構成であってもよい。
第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、図1に示すように、積層体1の対向する一対の側面1b、1cにそれぞれ配置されている。第1の接地用外部端子5aおよび第4の接地用外部端子5dが側面1bにそれぞれ配置され、第2の接地用外部端子5bおよび第3の接地用外部端子5cが側面1cにそれぞれ配置されている。第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、それぞれの端部が積層体1の上面および下面に延在するように設けられている。また、第1の接地用外部端子5aと第3の接地用外部端子5cとが電気的に接続され、また、第2の接地用外部端子5bと第4の接地用外部端子5dとが電気的に接続される構成であってもよい。例えば、第1の接地用外部端子5aと第3の接地用外部端子5cとが、そして、第2の接地用外部端子5bと第4の接地用外部端子5dとが、それぞれ積層体1の上面または下面の一方で繋がる構成であってもよく、また、それぞれ上面および下面の両方において繋がる構成であってもよい。
図4に示すように、第1の接地用外部端子5aは第1の接地用電極2aの引出部2aaに接続され、第2の接地用外部端子5bは第2の接地用電極2bの引出部2baに接続されている。また、第3の接地用外部端子5cは第3の接地用電極3aの引出部3aaに接続され、第4の接地用外部端子5dは第4の接地用電極3bの引出部3baに接続されている。
第1の接地用外部端子5aは、引出部2aaの側面1bへの露出部を覆うように設けられており、第2の接地用外部端子5bは、引出部2baの側面1cへの露出部を覆うように設けられている。また、第3の接地用外部端子5cは、引出部3aaの側面1cへの露出部を覆うように設けられており、第4の接地用外部端子5dは、引出部3baの側面1bへの露出部を覆うように設けられている。
また、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、例えば、積層型コンデンサ10が搭載される回路基板(図示せず)上のグランド用パッドにそれぞれ接続されることになる。
一対の信号用外部端子6は、互いに対向する第1の信号用外部端子6aと第2の信号用外部端子6bとからなり、第1の信号用外部端子6aが端面1dに、また、第2の信号用外部端子6bが端面1eにそれぞれ設けられ、信号用内部電極4に接続されている。図1に示すように、第1の信号用外部端子6aは端面1dの全体を覆うように設けられており、第2の信号用外部端子6bは端面1eの全体を覆うように設けられている。
また、一対の信号用外部端子6は、積層型コンデンサ10が搭載される回路基板(図示せず)上の、例えば信号ライン用電極または電流ライン用電極等に接続されることになる。
積層型コンデンサ10は、信号用内部電極4がX方向(端面1dおよび端面1eの方向)に延びて配置されており、この信号用内部電極4で信号を伝達する経路を構成している。
また、積層型コンデンサ10は、第1の接地用内部電極2および第2の接地用電極3が第1の信号用内部電極4aを間に挟んでZ方向(積層方向)にそれぞれ配置されており、側面1bまたは側面1cに引出部2aa、2ba、3ab、3baが延びている。そして、積層型コンデンサ10は、引出部2aa、2ba、3ab、3baが第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dにそれぞれ接続されており、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3でグランドに電流を流す経路を構成している。
このように、積層型コンデンサ10は、第1〜第4の接地用電極2a〜3bが積層体1内に配置されており、この第1〜第4の接地用電極2a〜3bからなる4つの経路を介してグランドに電流が流れることになる。したがって、積層型コンデンサ10は、グランドに流れる4つの経路を有しており、相互インダクタンスを互いに打ち消しあうことができる。
また、積層型コンデンサ10は、積層体1内の積層方向において、信号用内部電極4と第1の接地用内部電極2とで、また、信号用内部電極4と第2の接地用内部電極3とで容量を構成している。
積層型コンデンサ10は、第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部電極3との間に第1の信号用内部電極4aが挟まれており、第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部電極3とが相互に同極となる。また、積層型コンデンサ10は、第1の接地用電極2aと第3の接地用部電極3aとが積層方向において相互に重なって配置されており、また、第2の接地用電極2bと第4の接地用電極3bとが積層方向において相互に重なって配置されている。そして、積層型コンデンサ10は、引出部2aaが側面1bに引き出され、引出部3aaが側面1bに対向する側面1cに引き出されており、引出部2baが側面1cに引き出され、引出部3baが側面1cに対向する側面1bに引き出されているので、積層方向(Z方向)に位置する第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部電極3との間において、電流が互いに逆方向に流れるようになる。
また、同一面内の第1の接地用内部電極2において、引出部2aaが側面1bに引き出され、引出部2baが側面1bに対向する側面1cに引き出されているので、隣り合う第1の接地用電極2aと第2の接地用電極2bとの間でも、電流が相互に逆方向に流れるようになる。同様に、同一面内の第2の接地用内部電極3において、引出部3aaが側面1cに引き出され、引出部3baが側面1cに対向する側面1bに引き出されているので、隣り合う第3の接地用電極3aと第3の接地用電極3bとの間でも、電流が相互に逆方向に流れるようになる。
このように、積層型コンデンサ10は、面内(XY面内)に第1の接地用電極2aと第2の接地用電極2bとを設けて、電流が相互に逆方向に流れるように引出部2aaと引出部2baとが配置されており、これによって、グランドに流れる電流が逆方向となるので、発生する磁界の方向が互いに逆方向になり、相互誘導効果によって等価直列インダクタンス(ESL)を小さくすることができる。同様に、積層型コンデンサ10は、面内(XY面内)に第3の接地用電極3aと第4の接地用電極3bとを設けて、電流が相互に逆方向に流れるように引出部3aaと引出部3baとが配置されており、これによって、グランドに流れる電流が逆方向となるので、発生する磁界の方向が互いに逆方向になり、相互誘導効果によって等価直列インダクタンス(ESL)を小さくすることができる。
また、積層型コンデンサ10は、積層方向(Z方向)に、第1の接地用電極2aと第3の接地用電極3aとを互いに重なるように設けて、電流が相互に逆方向に流れるように引出部2aaと引出部3aaとが配置されており、これによって、グランドに流れる電流が逆方向となるので、発生する磁界の方向が互いに逆方向になり、相互誘導効果によって等価直列インダクタンス(ESL)を小さくすることができる。同様に、積層型コンデンサ10は、積層方向(Z方向)に、第2の接地用電極2bと第4の接地用電極3bとを互いに重なるように設けて、電流が相互に逆方向に流れるように引出部2baと引出部3baとが配置されており、これによって、グランドに流れる電流が逆方向となるので、発生する磁界の方向が互いに逆方向になり、相互誘導効果によって等価直列インダクタンス(ESL)を小さくすることができる。
また、第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部電極3とは、図4に示すように、積層方向から平面視して、四角形状の主電極部をそれぞれ有しており、積層方向に対して直交する方向(X方向)において、主電極部同士が互いに隣り合うように配置されている。そして、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3は、第1の接地用電極2aおよび第2の接地用電極2bの隣り合う側および第3の接地用電極3aおよび第4の接地用電極3bの隣り合う側に位置する角部2ab、2bb、3ab、3bbが曲線状となるように形成されている。
具体的には、第1の接地用電極2aおよび第2の接地用電極2bの隣り合う側に位置する角部において、角部2abが引出部2aaとは反対側に位置しており、また、角部2bbが引出部2baとは反対側に位置しており、第1の接地用電極2aおよび第2の接地用電極2bは、積層方向から平面視して一対の側面1b、1cへの引出部2aaおよび2baとは反対側に位置する角部2abおよび角部2bbがそれぞれ曲線状となっている。なお、曲線状とは、角部が丸みを帯びていることを含んでいる。
また、第3の接地用電極3aおよび第4の接地用電極3bの隣り合う側に位置する角部において、角部3abが引出部3aaとは反対側に位置しており、また、角部3bbが引出部3baとは反対側に位置しており、第3の接地用電極3aと第4の接地用電極3bは、積層方向から平面視して一対の側面1b、1cへの引出部3aaおよび3baとは反対側に位置する角部3abおよび角部3bbがそれぞれ曲線状となっている。なお、曲線状とは、角部が丸みを帯びていることを含んでいる。
このように、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3は、積層方向から平面視して角部2ab、2bb、3aa、3baがそれぞれ丸みを帯びて形成されており、一対の側面1b、1cへの引出部2aa、2ba、3aa、3baとは反対側にそれぞれ位置している。
また、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3は、角部2ab、2bb、3aa、3baの曲率半径が、例えば50(μm)〜300(μm)で湾曲するように形成されていてもよい。
上述のように、積層型コンデンサ10は、積層方向(Z方向)において、第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部導体3との間で相互に電流が逆方向に流れており、また、同一面内において、第1の接地用電極2aと第2の接地用電極2bとの間で相互に電流が逆方向に流れており、また、第3の接地用電極3aと第4の接地用電極3bとの間で相互に電流が相互に逆方向に流れているので、積層体1内で磁界を相殺する作用が生じることになる。さらに、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3は、隣り合う側に位置する角部において、積層方向から平面視して一対の側面1b、1cへの引出部2aa、2ba、3aa、3baとは反対側に位置するそれぞれの角部2ab、2bb、3aa、3baが曲線状になっている。
例えば、高周波数領域において、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3における電流の流れは直線性が高くなる。例えば、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3が四角形状で設けられ、角部が直角状となっている場合には、直角状の角部が電流の伝送経路に位置しているので、角部において、反射が起りやすく、ノイズ成分の入射波と反射波とが互いに影響し合うことになる。また、反射は周波数が高いほど起りやすい。直角状の角部は、反射によって電流の波形が乱れて電流密度が高くなりやすく、電流密度が高くなることによってノイズ成分の電流の流れが妨げられ、ノイズ成分の電流が接地端(グランド)に流れにくくなり、ノイズ成分を低減しにくい。
しかしながら、積層型コンデンサ10は、角部2ab、2bb、3ab、3bbが曲線状であり、反射が抑制されて電流密度が高くなりにくくなり、ノイズ成分の電流の波形が乱れにくく、また、ノイズ成分の入射波が減衰されにくくなる。したがって、積層型コンデンサ10は、ノイズ成分の電流の流れが円滑になり、ノイズ成分の電流が引出部2aa、2ba、3aa、3baに向かって伝播するので、ノイズ成分の電流を接地端(グランド)に流しやくなり、ノイズ成分を低減することができる。
このように、積層型コンデンサ10は、磁界の相殺作用によって、等価直列インダクタンス(ESL)を小さくすることができる。したがって、積層型コンデンサ10は、等価直列インダクタンス(ESL)が小さくなり、共振周波数を高周波数領域側にシフトさせることができるので、高周波数領域のノイズを低減することができる。
本実施の形態1の積層型コンデンサ10は、例えば回路基板(図示せず)の信号ラインまたは電源ライン等に接続する場合には、第1の信号用外部端子6aを信号ラインまたは電源ラインの入力端に接続し、また、第2の信号用外部端子6bを信号ラインまたは電源ラインの出力端に接続するとともに、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dをそれぞれ接地端(グランド)に接続して、信号ラインまたは電源ラインの高周波数領域のノイズを低減することができる。この場合には、例えばノイズを低減したい信号ラインまたは電源ライン等のパターンはカットされており、積層型コンデンサ10は、カットされた部分に第1の信号用外部端子6aと第2の信号用外部端子6bとがそれぞれ接続される。
また、同様に、等価直列インダクタンス(ESL)が低減されるので、積層型コンデンサ10は、例えばCPUの駆動電源ラインまたは信号ラインに接続することによって、駆動電源ラインの高周波数領域のノイズを低減することができる。例えば、積層型コンデンサ10は、第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bを回路基板上の電源ラインまたは信号ラインに対して並列(回路上で同電位)となるように接続するとともに、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dを接地端(グランド)に接続して、電源ラインまたは信号ラインの高周波数領域のノイズを低減することができる。この場合には、例えば、ノイズを低減したい電源ラインまたは信号ラインのパターンはカットされておらず、積層型コンデンサ10は、第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bが電源ラインまたは信号ラインに対して並列に接続される。
また、積層型コンデンサ10は、信号用内部電極4が積層体1内に形成され、図5に示すように、平面視において長方形状であり、第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部電極3との間に配置され、積層体1の対向する一対の端面1d、1eの少なくともいずれかの端面に引き出されていてもよい。すなわち、図5においては、第1の信号用内部電極4Aは、側面1bおよび側面1cに対してそれぞれ隙間を有しており、X方向の端部が端面1dおよび端面1eに交互に露出するようにX方向に延びて積層体1内に配置されていてもよい。
積層型コンデンサ10は、このような構成にすることによって、例えば回路基板(図示せず)の信号ラインまたは電源ライン等に接続する場合には、第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bを信号ラインまたは電源ライン上に接続するとともに、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dを接地端(グランド)に接続して、信号ラインまたは電源ラインの高周波数領域のノイズを低減することができる。この場合には、例えば、ノイズを低減したい電源ラインまたは信号ラインのパターンはカットされておらず、ラインのパターン上に、第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bが接続される。
また、積層型コンデンサ10は、このような構成にすることによって、例えば、第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bを回路基板上の電源ラインまたは信号ラインに対して並列(回路上同電位)となるように接続するとともに、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dを接地端(グランド)に接続して、電源ラインまたは信号ラインの高周波数領域のノイズを低減することができる。この場合には、ノイズを低減したい電源ラインまたは信号ラインのパターンはカットされておらず、第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bが電源ラインに対して並列に接続される。
ここで、積層型コンデンサ10の減衰特性について図面を参照しながら以下に説明する。ここでは、実施の形態1(以下、実施例1という)に係る積層型コンデンサ10との比較を行なうために、図17に示すような内部電極構造を有する積層型コンデンサを従来例とした。まず、従来例の積層型コンデンサについて以下に説明する。
従来例の積層型コンデンサは、図17に示すように、複数の誘電体層10aが積層されて直方体状に形成された積層体と、積層体内の同一面内に配置されており、積層体の対向する一対の側面の一方の側面10bへの引出部20aaおよび他方の側面10cへの引出部20baを有する接地用内部電極20と、積層方向の接地用内部電極20間に配置されており、積層体の対向する一対の端面10d、10eに引き出された信号用内部電極40と、積層体の対向する一対の側面10b、10cに配置されており、接地用内部電極20にそれぞれ接続された第1および第2の接地用外部端子50aおよび50bと、積層体の対向する一対の端面10d、10eに配置されており、信号用内部電極40に接続された信号用外部端子60a、60bと、を備えている。このように、従来例の積層型コンデンサは、実施例1の積層型コンデンサ10とは、接地用内部電極20の構成が異なっている。
図8には、実施例1の積層型コンデンサ10の減衰特性を表す特性曲線Aと従来例の積層型コンデンサの減衰特性を表す特性曲線Bとをそれぞれ示している。例えば、図8のグラフの横軸上の100(MHz)において、従来例の特性曲線Bが約−66(dB)の減衰であるのに対して、実施例1の特性曲線Aが約−72(dB)の減衰である。このように、100(MHz)における減衰特性に関して、実施例1の積層型コンデンサ10は、従来例の積層型コンデンサと比較して減衰量が6(dB)向上している。なお、従来例および実施例1の積層型コンデンサは、サイズが1.0(mm)×0.5(mm)×高さ0.5(mm)である。
また、等価直列インダクタンス(ESL)は、従来例は60(pH)であるのに対して、実施例1は50(pH)であり、実施例1の積層型コンデンサ10は、従来例の積層型コンデンサと比較して等価直列インダクタンス(ESL)が低減されている。従来例の積層型コンデンサの静電容量は4.7(μF)であり、等価直列低抗(ESR)は2.5(mΩ)である。また、実施例1の積層型コンデンサ10の静電容量は4.7(μF)であり、等価直列低抗(ESR)は2.3(mΩ)である。
このように、積層型コンデンサ10は、等価直列インダクタンス(ESL)が小さくなり、共振周波数が高周波数領域側にシフトしているので、高周波数領域のノイズを低減することができる。
ここで、図1に示す積層型コンデンサ10の製造方法の一例について説明する。
複数の第1〜第3のセラミックグリーンシートを準備する。第1のセラミックグリーンシートは第1の接地用内部電極2を形成するものであり、第2のセラミックグリーンシートは第2の接地用内部電極3を形成するものであり、第3のセラミックグリーンシートは信号用内部電極4を形成するものである。
複数の第1のセラミックグリーンシートには、第1の接地用電極2aと第2の接地用電極2bとからなる第1の接地用内部電極2を形成するために、第1の接地用内部電極2のパターン形状が同一面上に所定の間隔をもって配列され、第1の接地用内部電極2の導体ペースト層が第1の接地用内部電極2用の導体ペーストを用いて形成される。なお、第1のセラミックグリーンシートには、多数個の積層型コンデンサ10を得るために、1枚のセラミックグリーンシート内に複数の第1の接地用内部電極2が形成される。また、第1の接地用内部電極2は、角部2ab、2bbが積層方向から平面視して曲線状となるように第1の接地用内部電極2の導体ペースト層が形成される。
また、複数の第2のセラミックグリーンシートには、第3の接地用電極3aと第4の接地用電極3bとからなる第2の接地用内部電極3を形成するために、第2の接地用内部電極3のパターン形状が同一面上に所定の間隔をもって配列され、第2の接地用内部電極3の導体ペースト層が第2の接地用内部電極3用の導体ペーストを用いて形成される。なお、第2のセラミックグリーンシートには、多数個の積層型コンデンサ10を得るために、1枚のセラミックグリーンシート内に複数の第2の接地用内部電極3が形成される。また、第2の接地用内部電極2は、角部3ab、3bbが積層方向から平面視して曲線状となるように第2の接地用内部電極3の導体ペースト層が形成される。
また、複数の第3のセラミックグリーンシートには、信号用内部電極4を形成するために、信号用内部電極4のパターン形状が同一面上に所定の間隔をもって配列され、信号用内部電極4の導体ペーストが信号用内部電極4用の導体ペーストを用いて形成される。なお、第3のセラミックグリーンシートには、多数個の積層型コンデンサ10を得るために、1枚のセラミックグリーンシート内に複数の信号用内部電極4が形成される。
上述の第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3の導体ペースト層および信号用内部電極4の導体ペースト層は、それぞれのセラミックグリーンシート上に、例えばスクリーン印刷法等を用いてそれぞれの導体ペーストを所定のパターン形状に印刷して形成される。また、スクリーン印刷用のスクリーン版は、角部2ab、2bb、3ab、3bbが曲線状となっており、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3は、角部が曲線状を有するスクリーン版を用いて、角部2ab、2bb、3ab、3bbが曲線状となるように形成される。
なお、第1〜第3のセラミックグリーンシートは誘電体層1aとなり、第1の接地用内部電極2の導体ペースト層は第1の接地用内部電極2となり、第2の接地用内部電極3の導体ペースト層は第2の接地用内部電極3となり、信号用内部電極4の導体ペースト層は信号用内部電極4となる。
誘電体層1aとなるセラミックグリーンシートの材料としては、例えばBaTiO、CaTiO、SrTiOまたはCaZrO等の誘電体セラミックスを主成分とするものである。副成分として、例えばMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物またはNi化合物等が添加されたものであってもよい。
第1〜第3のセラミックグリーンシートは、誘電体セラミックスの原料粉末および有機バインダに適当な有機溶剤等を添加して混合することによって泥漿状のセラミックスラリーを作製し、これをドクターブレード法等によって成形することによって得られる。
第1の接地用内部電極2用の導体ペースト、第2の接地用内部電極3用の導体ペーストおよび信号用内部電極4用の導体ペーストは、上述したそれぞれの内部電極の導体材料(金属材料)の粉末に添加剤(誘電体材料)、バインダ、溶剤、分散剤等を加えて混練することで作製される。それぞれの内部電極の導電材料は、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料あるいはこれらの金属材料の1種以上を含む、例えばAg−Pd合金等の合金材料が挙げられる。第1の接地用内部電極2、第2の接地用内部電極3および信号用内部電極4は、同一の金属材料または合金材料によって形成することが好ましい。
例えば、図3に示す構成にするために、第3のセラミックグリーンシートと、第1のセラミックグリーンシートと、第3のセラミックグリーンシートと、第2のセラミックグリーンシートと、第3のセラミックグリーンシートと、第1のセラミックグリーンシートと、第3のセラミックグリーンシートとを順次積層する。そして、内部電極を形成していないセラミックグリーンシートをZ方向の最外層にそれぞれ積層して、図3に示す構成を有する積層体とする。
このように積層された複数の第1〜第3のセラミックグリーンシートは、プレスして一体化することで、多数個の生積層体1を含む大型の生積層体となる。この大型の生積層体を切断することによって、図1に示す積層型コンデンサ10の積層体1となる生積層体1を得ることができる。大型の生積層体の切断は、例えばダイシングブレード等を用いて行なうことができる。
そして、積層体1は、生積層体1を例えば800(℃)〜1300(℃)で焼成することによって得ることができる。この工程によって、複数の第1〜第3のセラミックグリーンシートが誘電体層1aとなり、第1の接地用内部電極導体ペースト層が第1の接地用内部電極2となり、第2の接地用内部電極導体ペースト層が第2の接地用内部電極3となり、信号用内部電極導体ペースト層が信号用内部電極4となる。また、積層体1は、例えばバレル研磨等の研磨手段を用いて角部または辺部が丸められる。積層体1は、角部または辺部を丸めることにより、角部または辺部が欠けにくいものとなる。
次に、例えば、積層体1の両側面1d、1eに信号用外部端子6となる信号用外部端子6用の導電ペーストを塗布し、焼き付けることによって信号用外部端子6を形成する。信号用外部端子6用の導電ペーストは、上述した信号用外部端子6を構成する金属材料の粉末にバインダ、溶剤、分散剤等を加えて混練することで作製される。
また、例えば、積層体1の両側面1b、1cに接地用外部端子5となる接地用外部端子5用の導電ペーストを塗布し、焼き付けることによって接地用外部端子5を形成する。接地用外部端子5用の導電ペーストは、上述した接地用外部端子5を構成する金属材料の粉末にバインダ、溶剤、分散剤等を加えて混練することで作製される。
接地用外部端子5および信号用外部端子6は、接地用外部端子5および信号用外部端子6の保護または積層型コンデンサ10の実装性の向上等のために、表面に金属層が形成されていることが好ましい。金属層は、例えばめっき法を用いて形成される。接地用外部端子5および信号用外部端子6は、例えばニッケル(Ni)めっき層、銅(Cu)めっき層、金(Au)めっき層またはスズ(Sn)めっき層等の1つまたは複数のめっき層が表面に形成されていることが好ましい。接地用外部端子5および信号用外部端子6は、例えば表面にNiめっき層とSnめっき層との積層体を形成してもよい。
また、接地用外部端子5および信号用外部端子6の形成方法として、導体ペーストを焼き付ける方法以外に、蒸着法、めっき法またはスパッタリング法等の薄膜形成法を用いて行なってもよい。
本発明は上述の実施の形態1の積層型コンデンサ10に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、他の実施の形態について以下に説明する。なお、他の実施の形態に係る積層型コンデンサのうち、実施の形態1に係る積層型コンデンサ10と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
<実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2に係る積層型コンデンサ10Bについて、図面を参照しながら以下に説明する。なお、第1の接地用内部電極20は、第1の接地用電極2Aと第2の接地用電極2Bとからなり、第2の接地用内部電極30は、第3の接地用電極3Aと第4の接地用電極3Bとからなる。
積層型コンデンサ10Bにおいて、図6に示すように、第1の接地用内部電極20および第2の接地用内部電極30は、それぞれ四角形状の主電極部を有しており、第1の接地用電極2Aおよび第2の接地用電極2Bの隣り合う側ならびに第3の接地用電極3Aおよび第4の接地用内部電極3Bの隣り合う側において、角部2ac、2bc、3ac、3bcがそれぞれ位置しており、この角部2ac、2bc、3ac、3bcは、側面1b、1cへの引出部2aa、2ba、3aa、3baと同じ側に位置している。積層方向から平面視して、一対の側面1b、1cへの引出部と同じ側に位置するそれぞれの角部2ac、2bc、3ac、3bcがそれぞれ曲線状である。すなわち、第1の接地用内部電極20および第2の接地用内部電極30は、角部2ab、2bb、3ab、3bbに加えて、角部2ac、2bc、3ac、3bcも曲線状となっている。
具体的には、第1の接地用電極2Aと第2の接地用電極2Bとは、間隙を介して向かい合って配置されており、角部2acが引出部2aa側に位置し、また、角部2bcが引出部2ba側に位置し、積層方向から平面視して角部2acと角部2bcとがそれぞれ曲線状となっている。なお、曲線状とは、角部が丸みを帯びていることを含んでいる。
また、同様に、第3の接地用電極3Aと第4の接地用電極3Bは、間隙を介して向かい合って配置されており、角部3acが引出部3aa側に位置し、また、角部3bcが引出部3ba側に位置し、積層方向から平面視して角部3acと角部3bcとが曲線状となっている。なお、曲線状とは、角部が丸みを帯びていることを含んでいる。
このように、第1の接地用内部電極20および第2の接地用内部電極30は、積層方向から平面視して、角部2ab、2bb、3aa、3baがそれぞれ丸みを帯びて形成されているとともに、角部2ac、2bc、3ac、3bcもそれぞれ丸みを帯びて形成されている。
積層型コンデンサ10Bにおいて、第1の接地用内部電極20および第2の接地用内部電極30は、積層方向から平面視して、隣り合う側に4つの角部が位置しており、これらの全ての角部が曲線状に形成されており、互いに向かい合う側がそれぞれ曲線を有する輪郭線となっている。このように、第1の接地用内部電極20および第2の接地用内部電極30は、積層方向から平面視して曲線を有する輪郭線が互いに向かい合うように設けられている。
また、第1の接地用内部電極20および第2の接地用内部電極30は、角部2ab、2bb、3aa、3baが、例えば50(μm)〜300(μm)の曲率半径で湾曲するように形成されているとともに、角部2ac、2bc、3ac、3bcが、例えば50(μm)〜300(μm)の曲率半径で湾曲するように形成されていてもよい。なお、角部2ab、2bb、3aa、3baと角部2ac、2bc、3ac、3bcとは、同じ曲率半径であっても、また、異なる曲率半径であってもよい。
このように、第1の接地用内部電極20および第2の接地用内部電極30は、角部2ab、2bb、3aa、3baおよび角部2ac、2bc、3ac、3bcが曲線状に設けられており、ノイズ成分の入射波に対して反射波が発生しやすい角部が曲線状になっているので、電流密度が高くなるのを抑制することができる。これによって、積層型コンデンサ10Bは、ノイズ成分の電流の波形が乱れにくくなり、また、ノイズ成分の入射波が減衰されにくくなり、ノイズ成分の電流を効率よく接地端(グランド)に流せるので、ノイズ成分を低減することができる。
<実施の形態3>
以下、本発明の実施の形態3に係る積層型コンデンサ10Cについて、図面を参照しながら以下に説明する。なお、第1の接地用内部電極200は、第1の接地用電極2AAと第2の接地用電極2BAとからなり、第2の接地用内部電極300は、第3の接地用電極3AAと第4の接地用電極3BAとからなる。
積層型コンデンサ10Cにおいて、図7に示すように、第1の接地用内部電極200および第2の接地用内部電極300は、それぞれ四角形状の主電極部を有しており、第1の接地用電極2AAおよび第2の接地用電極2BAの隣り合う側および第3の接地用電極3AAおよび第4の接地用内部電極3BAの隣り合う側において、一対の側面への引出部2aa、2ba、3aa、3baの縁がそれぞれ位置しており、積層方向から平面視してこれらの縁が第1〜第4の接地用電極2AA〜3BAの辺の延長線に一致している。なお、第1の接地用内部電極200および第2の接地用内部電極300は、角部2ab、2bb、3ab、3bbが曲線状となっている。
具体的には、第1の接地用電極2AAと第2の接地用電極2BAとは、間隙を介して向かい合って配置されており、隣り合う側において積層方向から平面視して角部2abと角部2bbとを除いた残りの部分がそれぞれ直線状に形成されており、側面1bまたは側面1cにそれぞれ延在している。すなわち、第1の接地用電極2AAの隣り合う側の外縁は、角部2abから側面1bに向かって直線状となっている。また、第2の接地用電極2BAの隣り合う側の外縁は、角部2bbから側面1cに向かって直線状となっている。
また、同様に、第3の接地用電極3AAと第4の接地用電極3BAとは、間隙を介して向かい合って配置されており、隣り合う側において積層方向から平面視して角部3abと角部3bbとを除いた残りの部分がそれぞれ直線状に形成されており、側面1cまたは側面1bにそれぞれ延在している。すなわち、第3の接地用電極3AAの隣り合う側の外縁は、角部3abから側面1cに向かって直線状となっている。また、第2の接地用電極3BAの隣り合う側の外縁は、角部3bbから側面1bに向かって直線状となっている。
また、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、引出部2aa、2ba、3aa、3bbを覆うようにしてそれぞれの側面1b、1cに設けられている。
このように、一対の側面1b、1cへの引出部の縁が各接地用電極の辺の延長線に一致しているので、第1の接地用内部電極200および第2の接地用内部電極300において、引出部2aa、2ba、3aa、3baは隣り合う側にノイズ成分の電流の流れを妨げる領域がないので、ノイズ成分の電流の流れが円滑になり、ノイズ成分の電流が第1の接地用内部電極200および第2の接地用内部電極300から外部に漏れ出にくくなる。これによって、積層型コンデンサ10Cは、ノイズ成分の電流の波形が乱れにくくなり、また、ノイズ成分の入射波が減衰されにくくなり、ノイズ成分の電流をさらに効率よく接地端(グランド)に流せるので、ノイズ成分をさらに低減することができる。
<実施の形態4>
以下、本発明の実施の形態4に係る積層型コンデンサ10Dおよび10Eについて、図面を参照しながら説明する。
図9(a)は本発明の実施の形態4に係る積層型コンデンサ10Dを示す概略の斜視図であり、図9(b)は、同様に、本発明の実施の形態4に係る積層型コンデンサ10Eを示す概略の斜視図である。図10(a)は図9(a)に示す積層型コンデンサ10DのB−B線で切断した断面図であり、図10(b)は図9(b)に示す積層型コンデンサ10EのD−D線で切断した断面図である。
また、積層型コンデンサ10Dは、図9に示すように、グランド電極7の上面に、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部が延在しており、一方、積層型コンデンサ10Eは、グランド電極7の上面に、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部が延在しておらず、積層型コンデンサ10Dと積層型コンデンサ10Eとは、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dの配置の構成のみが異なっている。
第1の信号用内部電極4aは、積層体1内に形成され、図10または図11に示すように、平面視において長方形状であり、積層方向において第1の接地用内部電極2と第2の接地用内部電極3との間に積層方向に第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3に対向して配置されており、積層体1の一対の端面1d、1eのうち少なくともいずれかの端面に引き出されていればよく、X方向の両端部が両端面1d、1eに露出するように端面1dおよび端面1eにそれぞれ引き出されている。また、第1の信号用内部電極4Aは、図12に示すように、側面1bおよび側面1cに対してそれぞれ隙間を有して、X方向の端部が端面1dおよび端面1eに交互に露出するようにX方向に延びて積層体1内に配置されていてもよい。
第2の信号用内部電極4bは、四角形状であり、積層体1の積層方向に位置する一方の主面(上面)側に配置されており、積層体1の対向する一対の端面1d、1eのうち少なくとも一方の端面に引き出されている。すなわち、第2の信号用内部電極4bは、長方形状であり、第1の接地用内部電極2または第2の接地用内部電極3と積層体1の積層方向に位置する一対の主面の一方の主面(上面)との間に、積層方向に第1の接地用内部電極2または第2の接地用内部電極3に対向して配置されている。
また、第3の信号用内部電極4cは、四角形状であり、積層体1の積層方向に位置する他方の主面(下面)側に配置されており、積層体1の対向する一対の端面1d、1eのうち少なくとも一方の端面に引き出されている。すなわち、第3の信号用内部電極4cは、長方形状であり、第1の接地用内部電極2または第2の接地用内部電極3と積層体1の積層方向に位置する一対の主面の他方の主面(下面)との間に、積層方向に第1の接地用内部電極2または第2の接地用内部電極3に対向して配置されている。なお、第1〜第3の信号用内部電極4a〜4cは、図10に示す例では、X方向の両端部が両端面1d、1eに露出するように両端面1d、1eにそれぞれ引き出されている。
積層型コンデンサ10Dは、積層体1内において、図10(a)および図11に示すように、第2の信号用内部電極4bと、第1の接地用内部電極2と、第1の信号用内部電極4aと、第2の接地用内部電極3とがZ方向の正側から負側に向かって順に配置されており、それぞれの内部電極の層間には誘電体層1aがそれぞれ配置されている。すなわち、第2の信号用内部電極4bと、第1の接地用内部電極2と、第1の信号用内部電極4aと、第2の接地用内部電極3とは、積層体1内において誘電体層1aで隔てられ、かつ互いに対向して配置されており、これらの内部電極間には少なくとも1層の誘電体層1aがそれぞれ挟まれており、これらの内部電極が形成された誘電体層1aが複数枚積層されて、積層型コンデンサ10Dの本体である積層体1が形成される。
また、積層型コンデンサ10Dは、図10(a)においては、Z方向における最外層(上面側および下面側)の内部電極がそれぞれ第2の信号用内部電極4bおよび第3の信号用内部電極4cとなっている。積層型コンデンサ10Dは、図10(a)に示すような積層の構成に限定されない。例えば、積層型コンデンサ10Dは、第2の信号用内部電極4bと、第2の接地用内部電極3と、第1の信号用内部電極4aと、第1の接地用内部電極2とがZ方向の正側から負側に向かって順に配置されていてもよい。また、信号用内部電極4、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3のそれぞれの積層数は、積層型コンデンサ10Dの特性等に応じて適宜設計される。
積層型コンデンサ10Dは、図9(a)および図10(a)に示すように、グランド電極7が積層方向に第2の信号用内部電極4bに対向するように積層体1の積層方向に位置する上面(一方の主面)に、第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bから離れて設けられている。すなわち、グランド電極7は、第2の信号用内部電極4bに対向しており、第1の信号用外部端子6aと第2の信号用外部端子6bとの間に位置するように設けられている。また、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、それぞれの一方の端部がグランド電極7の上面に延在するように設けられており、グランド電極7は、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dに電気的に接続されている。
このように、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、積層方向から平面視してグランド電極7に重なるように設けられており、グランド電極7は、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dと同電位となる。グランド電極7は、厚みが、例えば10(μm)〜20(μm)である。
積層型コンデンサ10Dは、図10(a)に示すように、第2の信号用内部電極4bが、第1の接地用内部電極2と積層体1の一方の主面(上面)との間に配置されており、積層体1のZ方向における上面側(一方の主面側)の積層体1内の最外層の内部電極が第2の信号用内部電極4bとなっている。このように、積層型コンデンサ10Dは、第2の信号用内部電極4bが積層体1内の上面側(一方の主面側)に配置されており、グランド電極7が上面側(一方の主面側)の積層体1内に配置された第2の信号用内部電極4bに対向するように設けられている。
積層型コンデンサは、例えば、積層体内にグランド電極(接地電極)を設ける構成、すなわち、積層体内に上面側(一方の主面側)から下面側(他方主面)側に向かって順にグランド電極(接地電極)、信号用内部電極を設ける構成においては、積層体1内のグランド電極(接地電極)の厚みを厚くすると、グランド電極(接地電極)と誘電体層との間でデラミネーション(層間剥離)が生じる虞があり、グランド電極(接地電極)の厚みを厚くしにくく、シールド性を向上させにくい。
一方、積層型コンデンサ10Dは、グランド電極7が積層体1の上面(一方の主面)に設けられているので、用途に応じてグランド電極7の厚みを適宜設定することができ、シールド性を向上させることができる。また、積層型コンデンサ10Dは、グランド電極7と第2の信号用内部電極4bとの間隔を大きくできるので、シールド性が向上し、第2の信号用内部電極4bがノイズの影響を受けにくくなる。
また、積層型コンデンサ10Dは、例えばスマートフォン等の携帯端末装置に用いられており、信号用内部電極4がLSIに電気的に接続されている場合には、LSIの誤動作を抑制するためにシールド性を高めてLSIにノイズが入りにくいようにする必要がある。このような場合には、積層型コンデンサ10Dは、積層体1の上面(一方の主面)のグランド電極7の厚みを厚くして、シールド性を高めて第2の信号用内部電極4bがノイズの影響を受けにくくすることができる。これによって、積層型コンデンサ10DからLSIにノイズが入りにくくなり、LSIは誤動作が抑制されることになる。
グランド電極7は、導電性材料からなり、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料、あるいはこれらの金属材料の1種以上を含む、例えばAg−Pd合金等の合金材料である。
積層型コンデンサ10Dにおいて、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、図9(a)に示すように、積層体1の対向する一対の側面1b、1cにそれぞれ配置されており、積層体1のグランド電極7の表面にそれぞれの一方の端部が延在するように設けられており、また、それぞれの他方の端部が積層体1の下面(他方の主面)に延在するように設けられている。
また、積層型コンデンサ10Dは、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部がグランド電極7の表面に延在しているので、それぞれの一方の端部を、例えば回路基板が収容されるケース(筐体)等に当接させることができる。すなわち、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部とケース等とを当接することによって、積層型コンデンサ10Dは、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの端部とケース等とを同電位にすることができる。なお、回路基板が収容されるケース等は、グランドに接地されている。また、積層型コンデンサ10Dは、グランド電極7が設けられていない下面(他方主面)が回路基板と対向するように実装される。
積層型コンデンサ10Dは、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dとケース等とが当接される場合には、グランド電極7に弾性を有する材料を用いることによって、グランド電極7が変形しやすくなり、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dをより確実にケース等に当接させることができる。
積層型コンデンサ10Dは、グランド電極7に弾性を有する材料を用いることによって、当接されたケース等を介して応力が加わった場合には、グランド電極7で応力が緩和されるので、クラック等が発生しにくくなる。例えば、積層型コンデンサ10Dは、当接されたケース等が撓んだ場合には、グランド電極7で撓みが緩和されるので、クラック等が発生しにくくなる。
例えば、吸引ノズルを備えた自動実装機を用いて積層型コンデンサ10Dを回路基板上に搭載する場合に、積層体1の上面のグランド電極7に弾性を有する材料を用いることによって、積層型コンデンサ10Dは、グランド電極7が変形しやすく、グランド電極7と吸引ノズルとの間に隙間が生じにくくなり、吸引ノズルのエア漏れが抑制されて、吸引ノズルの吸引性が向上する。したがって、吸引ノズルを備えた自動実装機は、積層型コンデンサ10Dを確実に回路基板上に移動して搭載することができる。また、仮に吸引ノズルの吸着時に応力が生じてもグランド電極7で緩和することができるので、積層型コンデンサ10Dは、応力によってダメージを受けにくくなる。このように、積層体1の上面に弾性を有する導電性樹脂材料からなるグランド電極7を設けることによって、積層型コンデンサ10Dは、回路基板上への搭載性が向上するとともに、ダメージを受けにくくなる。
このように、グランド電極7には、弾性を有する材料を用いることが好ましく、特に、導電性樹脂材料であることが好ましい。導電性樹脂材料は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはウレタン樹脂等の樹脂材料に、導電材料として、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料の粉末(フィラー)、あるいはこれらの金属材料の1種以上を含む、例えばAg−Pd合金等の合金材料の粉末(フィラー)が含まれている。例えば、グランド電極7がエポキシ樹脂からなる導電性樹脂材料の場合には、導電材料として銀の粉末(フィラー)が70(質量%)〜85(質量%)含まれており、弾性率が1(PGa)〜10(PGa)の範囲にある。
本実施の形態4の積層型コンデンサ10Dは、積層体1内の内部電極のうち、第2の信号用内部電極4bが上面側(一方の主面側)の最外層に配置されており、この最外層に位置する第2の信号用内部電極4bとグランド電極7とが対向するように設けられている。例えば、グランド電極7が最外層に位置する第2の信号用内部電極4bに対向するように設けられていない場合には、外部からの電界等を遮りにくく、第2の信号用内部電極4bに対してノイズが入りやすくなる。
しかしながら、積層型コンデンサ10Dは、最外層に位置する第2の信号用内部電極4bに対向するように積層体1の上面にグランド電極7が設けられているので、グランド電極7によって外部からの電界等が遮られ、シールド性を向上させることができる。すなわち、積層型コンデンサ10Dは、グランド電極7によってシールド性が向上するので、最外層に位置する第2の信号用内部電極4bがノイズの影響を受けにくくなる。これによって、積層型コンデンサ10Dは、信号用内部電極4に電気的に接続されたLSI等の電子部品の誤動作を起こしにくくすることができる。
このように、積層型コンデンサ10Dは、グランド電極7を第2の信号用内部電極4bと対向するように設けることによって、シールド効果が得られ、例えば入力耐性以上のノイズまたは静電気による放電等の外乱ノイズの影響を低減することができる。
また、積層型コンデンサ10Dは、第1の接地用内部電極2および第2の接地用内部電極3の隣り合う側に位置するそれぞれの角部2ab、2bb、3aa、3baを曲線状にすることによって、高周波数領域でのノイズ、例えば信号ラインまたは電源ライン等の高周波数領域のノイズを低減するとともに、グランド電極7を設けることによって、シールド性を向上させることができる。また、積層型コンデンサDには、実施の形態2および実施の形態3の技術を適用することができる。
また、積層型コンデンサ10Dは、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部がグランド電極7の表面に延在しているので、例えば回路基板が収容されるケース等にそれぞれの端部が当接される場合には、さらにグランドを強化することができる。
第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、積層型コンデンサ10Dのような構成に限らない。例えば、積層型コンデンサ10Eは、図9(b)および図10(b)に示すように、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部がグランド電極7の表面に延在していなくてもよい。この場合には、グランド電極7は、積層体1の積層方向に位置する上面(一方の主面)に、第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bから離れて設けられており、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、それぞれの一方の端部が側面1b、1cに露出しているグランド電極7に接続される。
また、積層型コンデンサ10Eは、積層型コンデンサ10Dと同様に、図10(b)に示すように、積層体1のZ方向における上面側(一方の主面側)の最外層の内部電極が第2の信号用内部電極4bとなっており、第2の信号用内部電極4bが一方の主面側に配置され、グランド電極7が上面側(一方の主面側)に配置された第2の信号用内部電極4bに対向するように設けられている。
このように、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dがグランド電極7の表面に延在していない場合には、積層型コンデンサ10Eは、例えばグランド電極7を回路基板が収容されるケース等に直接当接させることができるので、グランド電極7とケース等との当接面積が広くなり、さらにグランドを強化することができる。
積層型コンデンサ10Eは、積層型コンデンサ10Dと同様に、グランド電極7に弾性を有する材料を用いることによって、当接されたケース等を介して応力が加わった場合には、グランド電極7で直接応力が緩和されるので、クラック等が発生しにくくなる。例えば、積層型コンデンサ10Aは、当接されたケース等が撓んだ場合には、グランド電極7で直接撓みが緩和されるので、クラック等が発生しにくくなる。
ここで、積層型コンデンサ10Dの減衰特性について、図面を参照しながら以下に説明する。ここでは、実施の形態4(以下、実施例2という)の積層型コンデンサ10Dとの比較を行なうために、図17に示すような内部電極構造を有する積層型コンデンサを従来例とした。
図16には、実施例2の積層型コンデンサ10Dの減衰特性を表す特性曲線Aと、従来例の積層型コンデンサの減衰特性を表す特性曲線Bとをそれぞれ示している。例えば、図16のグラフの横軸上の100(MHz)において、従来例の積層型コンデンサは特性曲線Bが約−66(dB)の減衰であるのに対して、実施例2の積層型コンデンサ10Dは特性曲線Aが約−79(dB)の減衰である。このように、100(MHz)における減衰特性に関して、実施例2の積層型コンデンサ10Dは、従来例の積層型コンデンサと比較して減衰量が13(dB)向上している。なお、従来例および実施例2の積層型コンデンサは、サイズが1.0(mm)×0.5(mm)×高さ0.5(mm)である。
また、従来例および実施例2の積層型コンデンサのESLは、従来例が60(pH)であるのに対して、実施例2は45(pH)であり、実施例2の積層型コンデンサ10Dは、従来例の積層型コンデンサと比較してESLが低減されている。また、従来例の積層型コンデンサの静電容量は4.7(μF)であり、等価直列低抗(ESR)は2.5(mΩ)である。また、実施例2の積層型コンデンサの静電容量は4.7(μF)であり、等価直列低抗(ESR)は2.1(mΩ)である。
このように、積層型コンデンサ10Dは、ESLが小さくなり、共振周波数が高周波数領域側にシフトしているので、高周波数領域のノイズを低減することができる。
また、積層型コンデンサ10Dにおいて、グランド電極7を設けない構成にした場合には、減衰特性を示す特性曲線(図示せず)のグラフの横軸上の100(MHz)において、特性曲線が約−72(dB)の減衰であり、100(MHz)における減衰特性に関して、グランド電極7を設けることによって、積層型コンデンサ10Dは減衰量が7(dB)向上している。なお、グランド電極7を設けない構成の積層型コンデンサのESLは50(pH)であり、静電容量は4.7(μF)であり、等価直列低抗(ESR)は2.3(mΩ)である。
積層型コンデンサ10Dは、積層型コンデンサ10と同様に、上述した製造方法を用いて製造することができる。
複数の第1〜第3のセラミックグリーンシートに加えて、さらに第4のセラミックグリーンシートを準備する。第4のセラミックグリーンシートは、グランド電極7を形成するものである。
また、第4のセラミックグリーンシートは、グランド電極7を形成するために、グランド電極7のパターン形状が同一面上に所定の間隔をもって配列され、グランド電極7が金属材料からなる場合には、グランド電極7の導体ペースト層が金属材料の導体ペーストを用いて形成される。なお、第4のセラミックグリーンシートは、多数個の積層型コンデンサ10を得るために、1枚のセラミックグリーンシート内に複数のグランド電極7が形成される。グランド電極7の導体ペースト層は、第4のセラミックグリーンシート上に、例えばスクリーン印刷法等を用いてそれぞれの導体ペーストを所定のパターン形状に印刷して形成される。グランド電極7の導体ペースト層はグランド電極7となる。
また、グランド電極7が導電性樹脂材料からなる場合には、グランド電極7の導体ペースト層が導電性樹脂材料のペーストを用いて形成される。グランド電極7の導体ペースト層は、金属材料のペーストまたは導電性樹脂材料のペーストを第4のセラミックグリーンシート上に、例えばスクリーン印刷法等を用いて所定のパターン形状に印刷して形成される。また、導電性樹脂材料のペーストは、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはウレタン樹脂等の樹脂材料に、上述した導体材料(金属材料または合金材料)の粉末(フィラー)、溶剤等を加えて混練することで作製される。導電材料は、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料、あるいはこれらの金属材料の1種以上を含む、例えばAg−Pd合金等の合金材料が挙げられる。
また、グランド電極7用の金属材料の導体ペーストは、上述したグランド電極7の導体材料(金属材料)の粉末に添加剤(誘電体材料)、バインダ、溶剤、分散剤等を加えて混練することで作製される。導電材料は、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)または金(Au)等の金属材料、あるいはこれらの金属材料の1種以上を含む、例えばAg−Pd合金等の合金材料が挙げられる。グランド電極7が、金属材料または合金材料によって形成される場合には、第1および第2の接地用内部電極2、3ならびに信号用内部電極4と同一の材料によって形成することが好ましい。
このように積層された複数の第1〜第4のセラミックグリーンシートは、プレスして一体化することで、多数個の生積層体1を含む大型の生積層体となる。この大型の生積層体を切断することによって、図9(a)に示すような積層型コンデンサ10Dの積層体1となる生積層体1を得ることができる。大型の生積層体の切断は、例えばダイシングブレード等を用いて行なうことができる。
<実施の形態5>
以下、本発明の実施の形態5に係る積層型コンデンサ10Fおよび10Gについて、図面を参照しながら以下に説明する。なお、積層型コンデンサ10Fは、グランド電極7の表面に、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部が延在しており、積層型コンデンサ10Gは、グランド電極7の表面に、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部が延在していない。
積層型コンデンサ10Fにおいて、図13(a)に示すように、一対の信号用外部端子6は、それぞれの一方の端部が積層体1の上面(一方の主面)に延在しており、グランド電極7Aは、積層体1の上面(一方の主面)に設けられている。グランド電極7は、上面(一方の主面)上において表面が上面(一方の主面)に延在した一対の信号用外部端子6の端部よりも積層方向の外側に位置している。そして、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、それぞれの一方の端部がグランド電極7Aの表面に延在している。グランド電極7Aは、厚みHが、例えば10(μm)〜100(μm)であり、厚みを厚くすることで、積層型コンデンサ10Fはグランドが強化されてシールド性が向上し、第2の信号用内部電極4bにノイズが入りにくくなり、また、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dとケース等との当接性が向上する。
このように、積層型コンデンサ10Fは、図13(a)に示すように、グランド電極7Aが一対の信号用外部端子6の端部よりも積層方向の外側に位置して設けられており、グランド電極7Aの表面に、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部が延在しているので、例えば回路基板が収容されるケース等に当接される場合には、図14(a)に示すように、それぞれの端部がケース等に当接しやすくなり、グランドを強化することができる。
また、積層型コンデンサ10Fは、グランド電極7Aが信号用外部端子6の端部よりも積層方向の外側に位置しているので、ケース等が第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bに接触しにくくなり、ケース等と信号用外部端子6との短絡を抑制することができる。
また、積層型コンデンサ10Gにおいて、図13(b)に示すように、一対の信号用外部端子6は、それぞれの一方の端部が積層体1の上面(一方の主面)に延在しており、グランド電極7Aは、積層体1の上面(一方の主面)に設けられている。グランド電極7は、上面(一方の主面)上において表面が上面(一方の主面)に延在した一対の信号用外部端子6の端部よりも積層方向の外側に位置している。第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、それぞれの一方の端部がグランド電極7Aの側面1b、1cの露出部に接続される。積層型コンデンサ10Gは、グランド電極7Aの表面に、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部が延在していないので、図14(b)に示すように、回路基板が収容されるケース等とグランド電極7Aとが直接当接されることになり、ケース等に当接しやすくなるとともに、グランド電極7Aとケース等との当接面積が広くなり、さらにグランドを強化することができる。積層型コンデンサ10Gは、グランドが強化されてシールド性が向上し、第2の信号用内部電極4bにノイズが入りにくくなり、また、グランド電極7Aとケース等との当接性が向上する。
また、積層型コンデンサ10Gは、積層型コンデンサ10Fと同様に、グランド電極7Aが信号用外部端子6の端部よりも積層方向の外側に突出しているので、ケース等が第1の信号用外部端子6aおよび第2の信号用外部端子6bに接触しにくくなり、ケース等と信号用外部端子6との短絡を抑制することができる。
また、グランド電極7Bは、上面(一方の主面)に延在した一対の信号用外部端子6の端部よりも積層方向の外側に位置して設けられていればよく、図15に示すように、積層型コンデンサ10Hおよび積層型コンデンサ10Iのような構成であってもよい。なお、積層型コンデンサ10Hは、グランド電極7Bの表面に、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部が延在しており、積層型コンデンサ10Iは、グランド電極7Bの表面に、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部が延在していない。
グランド電極7Bは、図15に示すように、中央部が第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部よりも積層方向の外側に位置している。
積層型コンデンサ10Hは、積層体1のY方向の中央部において、グランド電極7Bが上面(一方の主面)に延在した第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部よりも積層方向の外側に位置しており、第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dは、それぞれの一方の端部がグランド電極7Bの表面の端部に重なっている。また、積層型コンデンサ10Iは、グランド電極7Bが第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部に接続されており、積層体1のY方向の中央部において、グランド電極7Bが第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dのそれぞれの一方の端部よりも積層方向の外側に位置している。
そして、積層型コンデンサ10Hおよび積層型コンデンサ10Iは、外部電極7Bの中央部の突出した部分が積層体1の長手方向(X方向)に沿って設けられている。グランド電極7Bは、厚みH1が、例えば10(μm)〜100(μm)であり、厚みを厚くすることで、積層型コンデンサ10Hおよび積層型コンデンサ10Iは、グランドが強化されてシールド性が向上し、第2の信号用内部電極4bにノイズが入りにくくなる。また、積層型コンデンサ10Hおよび積層型コンデンサ10Iは、ケース等と第1〜第4の接地用外部端子5a〜5dとの、またはケース等とグランド電極7Bとの当接性が向上する。
このような構成にすることによって、積層型コンデンサ10Hおよび積層型コンデンサ10Iは、回路基板が収容されるケース等とグランド電極7Bとが直接当接されることになり、ケース等に当接しやすくなるとともに、グランド電極7Bとケース等との当接面積が広くなり、さらにグランドを強化することができる。
本発明は、上述した実施の形態1乃至実施の形態5に特に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更および改良が可能である。
1 積層体
1a 誘電体層
2、20、200 第1の接地用内部電極
2a、2A、2AA 第1の接地用電極
2aa 引出部
2ab、2ac 角部
2b、2B、2BA 第2の接地用電極
2ba 引出部
2bb、2bc 角部
3、30、300 第2の接地用内部電極
3a、3A、3AA 第3の接地用電極
3aa 引出部
3ab、3ac 角部
3b、3B、3BA 第4の接地用電極
3ba 引出部
3bb、3bc 角部
4 信号用内部電極
4a 第1の信号用内部電極
4b 第2の信号用内部電極
4c 第3の信号用内部電極
5 接地用外部端子
5a 第1の接地用外部端子
5b 第2の接地用外部端子
5c 第3の接地用外部端子
5d 第4の接地用外部端子
6 信号用外部端子
6a 第1の信号用外部端子
6b 第2の信号用外部端子
10、10A〜10I 積層型コンデンサ

Claims (9)

  1. 複数の誘電体層が積層された、一対の主面、一対の側面および一対の端面を有する直方体状の積層体と、
    該積層体内の同一面内に前記一対の側面に沿って並べて配置された、前記一対の側面の一方の側面への引出部を有する四角形状の第1の接地用電極および他方の側面への引出部を有する四角形状の第2の接地用電極を含んでいる第1の接地用内部電極と、
    前記積層体内の同一面内に前記一対の側面に沿って並べて配置された、前記第1の接地用電極に積層方向で重なる位置に配置されるとともに前記他方の側面への引出部を有する四角形状の第3の接地用電極および前記第2の接地用電極に積層方向で重なる位置に配置されるとともに前記一方の側面への引出部を有する四角形状の第4の接地用電極を含んでいる第2の接地用内部電極と、
    前記第1の接地用内部電極と前記第2の接地用内部電極との間に積層方向に前記第1の接地用内部電極および前記第2の接地用内部電極に対向して配置された、前記積層体の前記一対の端面のうち少なくともいずれかの端面に引き出された四角形状の第1の信号用内部電極と、
    前記積層体の前記一対の側面に配置された、前記第1〜第4の接地用電極の引出部にそれぞれ接続された第1〜第4の接地用外部端子と、
    前記積層体の前記一対の端面に配置された、前記第1の信号用内部電極に接続された一対の信号用外部端子とを備えており、
    前記第1の接地用内部電極および前記第2の接地用内部電極は、前記第1の接地用電極および前記第2の接地用電極の隣り合う側および前記第3の接地用電極および前記第4の接地用電極の隣り合う側に位置する角部において、積層方向から平面視して前記一対の側面への引出部とは反対側に位置するそれぞれの角部が曲線状であることを特徴とする積層型コンデンサ。
  2. 前記第1の接地用内部電極および前記第2の接地用内部電極は、前記第1の接地用電極および前記第2の接地用電極の隣り合う側および前記第3の接地用電極および前記第4の接地用電極の隣り合う側に位置する角部において、積層方向から平面視して前記一対の側面への引出部と同じ側に位置するそれぞれの角部が曲線状であることを特徴とする請求項1に記載の積層型コンデンサ。
  3. 前記第1の接地用内部電極および前記第2の接地用内部電極は、前記第1の接地用電極および前記第2の接地用電極の隣り合う側および前記第3の接地用電極および前記第4の接地用電極の隣り合う側において、積層方向から平面視して前記一対の側面への引出部の縁が各接地用電極の辺の延長線に一致していることを特徴とする請求項1に記載の積層型コンデンサ。
  4. 前記第1の接地用内部電極または前記第2の接地用内部電極と前記積層体の積層方向に位置する前記一対の主面の一方の主面との間に積層方向に前記第1の接地用内部電極または前記第2の接地用内部電極に対向して配置された、前記積層体の前記一対の端面の少なくとも一方の端面に引き出された四角形状の第2の信号用内部電極を有し、
    前記一方の主面に前記一対の信号用外部端子から離して設けられた、前記第1〜第4の接地用外部端子に電気的に接続されたグランド電極を有しており、
    該グランド電極は、積層方向に前記第2の信号用内部電極に対向するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層型コンデンサ。
  5. 前記一対の信号用外部端子は、それぞれの一方の端部が前記一方の主面に延在しており、前記グランド電極は、前記一方の主面上において表面が前記一対の信号用外部端子の端部よりも積層方向の外側に位置していることを特徴とする請求項4に記載の積層型コンデンサ。
  6. 前記第1〜第4の接続用外部端子は、それぞれの一方の端部が前記グランド電極の表面に延在していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の積層型コンデンサ。
  7. 前記グランド電極は、中央部が前記第1〜第4の接地用外部端子のそれぞれの一方の端部よりも積層方向の外側に位置していることを特徴とする請求項4に記載の積層型コンデンサ。
  8. 前記第1〜第4の接地用外部端子は、それぞれの一方の端部が前記グランド電極の表面の端部に重なっていることを特徴とする請求項7に記載の積層型コンデンサ。
  9. 前記グランド電極は、導電性樹脂材料からなることを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の積層型コンデンサ。
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