JP6290697B2 - 波形計測装置およびパルス光生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、波形計測装置およびパルス光生成装置に関するものである。
近年、アト秒オーダーないしナノ秒オーダーといった極めて短い時間幅を有する超短パルス光を利用したレーザ加工装置や顕微鏡などが開発されている。また、非線形光学効果を利用した情報通信システムの開発も進められている。例えばこれらのような技術分野では、所望の時間波形を有する超短パルス光を生成することが望まれている。
超短パルス光の所望の時間波形は、例えば、様々な波長成分を有する光を重ね合わせ、各波長成分の位相を調整することによって得られる。そして、所望の時間波形をより精度良く実現するためには、生成された超短パルス光の時間波形を計測し、各波長成分の位相の調整にその計測結果をフィードバックするとよい。なお、特許文献1及び2には、超短パルス光の時間波形を正確に計測するための波形再構成装置が開示されている。
特開2010−204308号公報 特開2013−170905号公報
超短パルス光の時間幅は極めて短いので、超短パルス光の時間波形を直接計測することは難しい。従って、様々な波長成分を重ね合わせることに対応する強度スペクトルと、各波長成分の位相を調整することに対応する位相スペクトルとを個別に求め、これらに基づいて超短パルス光の時間波形を算出する手法が検討されている。
ここで、超短パルス光の強度スペクトルは、比較的容易に計測可能である。しかしながら、超短パルス光の位相スペクトルの計測は容易ではない。位相スペクトルを計測する手法としては、周波数分解光ゲーティング(FROG)計測法やSPIDER(Spectral Interferometry for Direct Electric Field Reconstruction)計測法、TADPOLE(TemporalAnalysis of Dispersing by a Pair Of Light E- fields)計測法、複素電界スペクトル分布再構成(CESDR;Complex Electric field Specyrum Distribution Retrival)計測法などがある。そのうち、FROGやCESDRは反復最適化計算を必要とし、最適解に収束するまでに長時間を要する場合や、最適解に収束せずに局所解に収束して正確な位相スペクトルを計測できない場合があるという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、正確に且つ短時間で位相スペクトルの計測が可能な波形計測装置およびパルス光生成装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明による波形計測装置は、パルス光の時間波形を制御するための制御位相スペクトルに基づく位相変調用ホログラムが呈示された空間光変調器において2以上の波長成分を含む入射光の位相が波長毎に変調されることにより得られるパルス光の時間波形を計測する波形計測装置であって、パルス光の強度スペクトルである入力強度スペクトルを取得する入力スペクトル取得部と、パルス光を入力し、パルス光の位相スペクトルに対応する強度スペクトルを有する光を出力する光学素子と、光学素子から出力された光の強度スペクトルである出力強度スペクトルを取得する出力スペクトル取得部と、入力強度スペクトル及び仮想の位相スペクトルを有するパルス光が光学素子に入力されたと仮定したときに算出される出力強度スペクトルと、出力スペクトル取得部において取得された出力強度スペクトルとを比較することにより、パルス光の位相スペクトルを決定する位相スペクトル決定部と、周波数/時間変換により、位相スペクトル決定部において決定された位相スペクトルと入力強度スペクトルとに基づいて、パルス光の時間波形を算出する波形算出部とを備え、位相スペクトル決定部は、制御位相スペクトルを変形させることにより仮想の位相スペクトルを設定することを特徴とする。
この波形計測装置は、まず、空間光変調器からパルス光を入力する。そして、入力スペクトル取得部は、このパルス光の強度スペクトル(入力強度スペクトル)を取得する。また、光学素子は、パルス光の位相スペクトルに対応する強度スペクトル(出力強度スペクトル)を有する光を出力する。出力スペクトル取得部は、出力強度スペクトルを取得する。位相スペクトル決定部は、パルス光の仮想の位相スペクトルを設定し、入力強度スペクトル及び仮想の位相スペクトルを有するパルス光が上記光学素子に入力されたと仮定したときに算出される出力強度スペクトルと、出力スペクトル取得部において取得された実際の出力強度スペクトルとを比較することにより、パルス光の位相スペクトルを決定する。なお、位相スペクトル決定部は、算出される出力強度スペクトルが実際の出力強度スペクトルに近づくように、仮想の位相スペクトルを繰り返し設定してもよい。波形算出部は、周波数/時間変換により、位相スペクトル決定部において決定された位相スペクトルと入力強度スペクトルとに基づいて、パルス光の時間波形を算出する。以上の構成によれば、パルス光の強度スペクトル及び位相スペクトルを個別に求め、これらに基づいてパルス光の時間波形を算出することができる。
更に、この波形計測装置では、位相スペクトル決定部が、制御位相スペクトルを変形させることにより仮想の位相スペクトルを設定する。パルス光の時間波形を形成する位相スペクトルは、制御位相スペクトルによる影響を主に受けている。故に、該位相スペクトルは、制御位相スペクトルから大きくは変化しないことが多い。従って、制御位相スペクトルに基づいて仮想の位相スペクトルを設定することにより、位相スペクトル決定部における計算量を低減して、位相スペクトルの計測に要する時間を短縮することができる。
上記の波形計測装置において、位相スペクトル決定部は、入力強度スペクトル及び仮想の位相スペクトルを有するパルス光が光学素子に入力されたと仮定したときに算出される出力強度スペクトルが、出力スペクトル取得部において取得された出力強度スペクトルに近づくように、仮想の位相スペクトルを最適化する演算を行い、該演算における仮想の位相スペクトルの初期値として制御位相スペクトルを用いてもよい。これにより、実際の位相スペクトルに近い仮想の位相スペクトルを、正確に且つ短時間で求めることができる。
また、上述した課題を解決するために、本発明によるパルス光生成装置は、2以上の波長成分を含む入射光を生成する光出力部と、パルス光の時間波形を制御するための制御位相スペクトルに基づく位相変調用ホログラムが呈示され、入射光の位相を波長毎に変調することによりパルス光を生成する空間光変調器と、位相変調用ホログラムを空間光変調器に与える制御部と、パルス光の時間波形を計測する波形計測部とを備え、制御部は、波形計測部における計測結果に基づいて、パルス光の時間波形が所望の波形に近づくように位相変調用ホログラムを調整し、波形計測部は、パルス光の強度スペクトルである入力強度スペクトルを取得する入力スペクトル取得部と、パルス光を入力し、パルス光の位相スペクトルに対応する強度スペクトルを有する光を出力する光学素子と、光学素子から出力された光の強度スペクトルである出力強度スペクトルを取得する出力スペクトル取得部と、入力強度スペクトル及び仮想の位相スペクトルを有するパルス光が光学素子に入力されたと仮定したときに算出される出力強度スペクトルと、出力スペクトル取得部において取得された出力強度スペクトルとを比較することにより、パルス光の位相スペクトルを決定する位相スペクトル決定部と、周波数/時間変換により、位相スペクトル決定部において決定された位相スペクトルと入力強度スペクトルとに基づいて、パルス光の時間波形を算出する波形算出部とを有し、位相スペクトル決定部は、制御位相スペクトルを変形させることにより仮想の位相スペクトルを設定することを特徴とする。
このパルス光生成装置では、まず、光出力部が、2以上の波長成分を含む入射光を生成する。次に、空間光変調器が、入射光の位相を波長毎に変調することにより、入射光の時間波形が変化したパルス光を出射する。このとき、制御部が、パルス光の時間波形を制御するための制御位相スペクトルに基づく位相変調用ホログラムを空間光変調器に与える。波形計測部は、パルス光の時間波形を計測する。なお、波形計測部の構成及び動作は、前述した波形計測装置と同様である。
また、波形計測部では、位相スペクトル決定部が、制御位相スペクトルを変形させることにより仮想の位相スペクトルを設定する。従って、このパルス光生成装置によれば、前述した波形計測装置と同様に、位相スペクトル決定部における計算量を低減して、位相スペクトルの計測に要する時間を短縮することができる。
上記のパルス光生成装置において、位相スペクトル決定部は、入力強度スペクトル及び仮想の位相スペクトルを有するパルス光が光学素子に入力されたと仮定したときに算出される出力強度スペクトルが、出力スペクトル取得部において取得された出力強度スペクトルに近づくように、仮想の位相スペクトルを最適化する演算を行い、該演算における仮想の位相スペクトルの初期値として制御位相スペクトルを用いてもよい。これにより、実際の位相スペクトルに近い仮想の位相スペクトルを、正確に且つ短時間で求めることができる。
本発明による波形計測装置およびパルス光生成装置によれば、正確に且つ短時間で位相スペクトルの計測が可能となる。
本発明の一実施形態に係るパルス光生成装置の構成を示すブロック図である。 入射光の波長毎の強度分布の一例を示すグラフである。 (a),(b)2以上の波長成分を重ね合わせたときの電場及び光強度の時間変化の一例を示すグラフである。 (a)ビート光の位相スペクトルの一例を示すグラフである。(b)ビート光のエンベロープが時間方向にシフトする様子を示す図である。 波長成分毎の位相変調によって生成される時間波形を示すグラフである。(a)パルス光の強度スペクトルと位相スペクトルとの組み合わせを示している。(b)(a)の組み合わせによってパルス光に実現される時間波形を示している。 波長成分毎の位相変調によって生成される時間波形を示すグラフである。(a)パルス光の強度スペクトルと位相スペクトルとの組み合わせを示している。(b)(a)の組み合わせによってパルス光に実現される時間波形を示している。 波長成分毎の位相変調によって生成される時間波形を示すグラフである。(a)パルス光の強度スペクトルと位相スペクトルとの組み合わせを示している。(b)(a)の組み合わせによってパルス光に実現される時間波形を示している。 波長成分毎の位相変調によって生成される時間波形を示すグラフである。(a)パルス光の強度スペクトルと位相スペクトルとの組み合わせを示している。(b)(a)の組み合わせによってパルス光に実現される時間波形を示している。 波長成分毎の位相変調によって生成される時間波形を示すグラフである。(a)パルス光の強度スペクトルと位相スペクトルとの組み合わせを示している。(b)(a)の組み合わせによってパルス光に実現される時間波形を示している。 波長成分毎の強度変調によって生成される時間波形を示すグラフである。(a)パルス光の強度スペクトルと位相スペクトルとの組み合わせを示している。(b)(a)の組み合わせによってパルス光に実現される時間波形を示している。 波形制御部の構成例を示すブロック図である。 波形計測部の構成例を示すブロック図である。 波形計測部の動作を示すフローチャートである。 一変形例に係る波形計測部の構成を概念的に示す図である。 スペクトログラムの一例である。
以下、添付図面を参照しながら本発明による波形計測装置およびパルス光生成装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパルス光生成装置1Aの構成を示すブロック図である。図1に示されるように、本実施形態のパルス光生成装置1Aは、光出力部11と、波形制御部12と、制御部13と、波形計測部(波形計測装置)14とを備える。
光出力部11は、2以上の波長成分を含む入射光P1を生成する。この入射光P1は、例えばフェムト秒オーダーの時間幅を有するレーザパルス光である。或いは、入射光P1はインコヒーレントなパルス光であってもよい。入射光P1がインコヒーレントな光である場合、光出力部11として例えばLED(Light Emitting Diode)光源、SLD(Super Luminescent Diode)光源、ASE(Amplified Spontaneous Emission)光源などが好適である。図2は、入射光P1の波長毎の強度分布の一例を示すグラフである。この例では、互いに異なる波長成分Pλ〜Pλが入射光P1に含まれている。
波形制御部12は、入射光P1の位相及び強度(振幅)を波長成分毎に変調することにより、入射光P1から変化した任意の時間波形を有するパルス光P3を生成する。ここで、図3(a)及び図3(b)は、2以上の波長成分を重ね合わせたときの電場及び光強度の時間変化の一例を示すグラフである。図3(a)及び図3(b)に示されるように、2以上の波長成分が互いに重ね合わされると、これらの波長成分が相互に干渉し、パルス状のビート光P2が生じる。そして、このビート光P2の時間波形(エンベロープ)は、各波長成分の位相が個別に変化することにより、更に変化することができる。図4(a)は、ビート光P2の位相スペクトルの一例を示すグラフである。波形制御部12は、例えば図4(a)に示されるように、ビート光P2の波長毎の位相を制御する。これにより、図4(b)に示されるように、ビート光P2のエンベロープが時間方向にシフトする。なお、図4では、一例として2つの波長成分の位相を異ならせた場合の変化を示しているが、波長成分Pλ〜Pλの数nが3つ以上である場合には、更に多様な時間波形の変化がビート光P2に生じる。こうして時間波形が変化した光は、パルス光P3として波形制御部12から出力される。
図5〜図10は、波長成分毎の位相変調及び強度変調によって生成される様々な時間波形を示すグラフである。図5〜図10において、(a)は、パルス光P3の強度スペクトルG11と位相スペクトルG12との組み合わせを示している。また、(b)は、(a)の組み合わせによってパルス光P3に実現される時間波形(時間強度波形)G13を示している。
図5に示されるように、位相スペクトルG12が平坦(フラット)である場合、時間波形G13は入射光P1の時間波形と略同一となる。これに対し、図6に示されるように、位相スペクトルG12が一次関数である場合、時間波形G13は、入射光P1の時間波形が時間方向にシフトされた波形となる。また、図7に示されるように、位相スペクトルG12が二次関数である場合、時間波形G13は、入射光P1の時間幅が拡がった波形となる。また、図8に示されるように、位相スペクトルG12が三次関数である場合、時間波形G13は、前後非対称な波形となる。また、図9に示されるように、位相スペクトルG12が−π/2(rad)とπ/2(rad)とを繰り返す波形である場合、時間波形G13は2つの超短パルス波形を含む波形となる。なお、図10に示されるように、位相スペクトルG12が平坦(フラット)であっても、パルス光P3の強度スペクトルG11がコサイン変調された場合には、時間波形G13は3つの超短パルス波形を含む波形となる。
図11は、波形制御部12の構成例を示すブロック図である。図11に示されるように、波形制御部12は、所定の光軸L1上に並んで配置された、ビームスプリッタ121、分光素子122、結像レンズ123、及び空間光変調器124を有する。
ビームスプリッタ121は、光軸L1に対して傾斜した光透過反射面121aを有する。光透過反射面121aは、一方の側から光軸L1に沿って入射する入射光P1を透過する。分光素子122は、ビームスプリッタ121を透過した入射光P1を、各波長成分Pλ〜Pλに分光する。分光素子122は、例えばグレーティング(回折格子)やプリズムなどの光学素子によって好適に構成される。分光素子122は、反射型及び透過型の何れであってもよい。分光素子122によって分光された各波長成分Pλ〜Pλは、結像レンズ123を通過して、空間光変調器124の光変調面124aにおける各波長成分Pλ〜Pλに対応する領域上に結像される。なお、結像レンズ123に代えて、例えば凹面鏡といった反射型の結像手段が用いられてもよい。
空間光変調器124は、入射光P1の位相及び強度のうち少なくとも一方を波長毎に変調することにより、入射光P1の時間波形が変化したパルス光P3を生成する。空間光変調器124は、例えば屈折率変化材料型空間光変調器(例えば液晶を用いたものでは、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)型、LCD(Liquid Crystal Display))、Segment Mirror型空間光変調器、Continuous Deformable Mirror型空間光変調器などが挙げられる。屈折率変化材料型空間光変調器、Segment Mirror型空間光変調器、Continuous Deformable Mirror型空間光変調器は各装置に電圧や電流、あるいは書き出し光が印加されることによって制御される。また、屈折率変化材料型空間光変調器は、透過型及び反射型の何れであってもよい。光変調面124aは、一次元、或いは二次元状に配列された複数の画素を有しており、各画素において独立した変調量を入射光P1に付与する。但し、一次元の空間光変調器124を用いて位相及び強度の双方を変調する場合は、位相を変調するための空間光変調器と、強度を変調するための別の空間光変調器とが必要である。空間光変調器124には、パルス光P3の時間波形を制御するための位相スペクトル(以下、制御位相スペクトルと称する)に基づく位相変調用ホログラム(CGH;Computer Generated Hologram)が与えられる。ここで、位相変調用ホログラムが与えられるとは、該位相変調用ホログラムに含まれる複数の画素毎の位相変調量を実現するための電気信号が空間光変調器124に提供されることをいう。
なお、入射光P1の位相スペクトルが平坦ではない場合には、その非平坦な位相スペクトルと平坦な位相スペクトルとの差分を補うための別の位相変調用ホログラムが、上記位相変調用ホログラムに重畳して空間光変調器124に与えられてもよい。また、光変調面124aから照射対象物までの間に存在する各種光学部品に起因する波長分散等を補償するための更に別の位相変調用ホログラムが、上記位相変調用ホログラムに重畳して空間光変調器124に与えられてもよい。
パルス光P3は、レンズ123及び分光素子122を経て、ビームスプリッタ121に達する。ビームスプリッタ121の光透過反射面121aは、他方の側から光軸L1に沿って入射するパルス光P3を、光軸L1と交差する方向に反射する。この後、図1に示されるように、パルス光P3は、ビームスプリッタ16に達する。ビームスプリッタ16は、波形制御部12から出力されたパルス光P3を分割する光学素子である。ビームスプリッタ16としては、例えばハーフミラーなどが好適に用いられる。ビームスプリッタ16において分割された一方のパルス光P3は、光増幅器やレンズ、光ファイバ等を含む光出力光学系17を経て、照射対象物(レーザ加工装置での加工対象物若しくは顕微鏡での観察対象物)に照射される。また、ビームスプリッタ16において分割された他方のパルス光P3は波形計測部14に導かれる。
なお、上記の波形制御部12の構成において、ビームスプリッタ121を用いることなく、光変調面124aの角度を調整してパルス光P3の出射方向を入射光P1の入射方向と異ならせることにより、入射光P1とパルス光P3とを互いに分離してもよい。また、ビームスプリッタ16を用いることなく、光出力光学系17から出力されたパルス光P3を波形計測部14に導いてもよい。
再び図1を参照する。制御部13は、例えばCPU及び記憶媒体を有するコンピュータによって好適に構成される。制御部13は、光出力部11、波形制御部12、及び後述する波形計測部14の動作を制御する動作制御部13aと、波形制御部12から出力されるパルス光P3の時間波形を制御するための制御位相スペクトルに基づく位相変調用ホログラムを作成するCGH作成部13bと、位相変調用ホログラムを補正する変調補正部13cとを有する。変調補正部13cは、波形計測部14における計測結果、すなわちパルス光P3の時間波形情報(例えば位相スペクトル及び強度スペクトル)に基づいて、パルス光P3の時間波形が所望の波形に更に精度良く近づくように、波形制御部12の空間光変調器124に呈示される位相変調用ホログラムを調整(補正)する。
波形計測部14は、パルス光P3の時間波形を計測する。図12は、波形計測部14の構成例を示すブロック図である。本実施形態の波形計測部14は、いわゆるCESDR計測法に従ってパルス光P3の時間波形を計測するものである。図12に示されるように、波形計測部14は、光強度制御器(アッテネータ)14a、入力スペクトル取得部14b、光伝播素子14c、出力スペクトル取得部14d、位相スペクトル決定部14e、及び波形算出部14fを有する。
光強度制御器14aは、波形計測部14に入力されるパルス光P3の強度を調整する。具体的には、光強度制御器14aは、入力されたパルス光P3の強度スペクトル比を保ったまま、各波長成分の強度を所定の倍率でもって変化させる。なお、波形制御部12に強度変調機能がある場合は、波形制御部12においてパルス光P3の強度を調整できるので、光強度制御器14aを省くことが可能である。
入力スペクトル取得部14bは、パルス光P3の強度スペクトル(以下、入力強度スペクトルと称する)を検出する。パルス光P3の強度スペクトルは、例えば、図5〜図10の(a)に示されたグラフG11のような形状を有する。入力スペクトル取得部14bは、例えば、グレーティングやプリズムなどの分光素子と、該分光素子によって分光された各波長成分の強度を検出するラインセンサとによって構成される。
光伝播素子14cは、パルス光P3を入力し、パルス光P3の位相スペクトルに対応する強度スペクトルを有する光P4を出力する光学素子である。すなわち、光伝播素子14cは、その内部を伝搬されるパルス光P3に自己位相変調を誘起させる。ここで、自己位相変調とは、非線形光学効果の一つであり、光ファイバなどの媒質の屈折率が、該媒質中を伝搬される光の強度に比例して僅かに変化し、位相変調が生じる現象である。光伝播素子14cとしては、例えば、自己位相変調に関するパラメータ(例えば、非線形光学係数やn次分散(nは正の整数)を示すパラメータ)が既知である光学素子が好適に用いられる。一実施例では、光伝播素子14cはフォトニック結晶ファイバなどの高非線形光ファイバである。パルス光P3は、例えば集光レンズ14jによって集光されつつ光伝播素子14cの一端に入射する。
出力スペクトル取得部14dは、光伝播素子14cから出力された光P4の強度スペクトル(以下、出力強度スペクトルと称する)を検出する。出力スペクトル取得部14dは、例えば、グレーティングやプリズムなどの分光素子と、該分光素子によって分光された各波長成分の強度を検出するラインセンサとによって構成される。
位相スペクトル決定部14eは、入力スペクトル取得部14bにおいて取得された入力強度スペクトルと、出力スペクトル取得部14dにおいて取得された出力強度スペクトルとに基づいて、パルス光P3の位相スペクトルを決定する。具体的には、位相スペクトル決定部14eは、仮想の位相スペクトルを設定し、その仮想の位相スペクトルを有するパルス光P3が光伝播素子14cに入力されたと仮定したときの出力強度スペクトルをシミュレーションにより算出する。また、位相スペクトル決定部14eは、出力スペクトル取得部14dより実際の出力強度スペクトルを取得する。位相スペクトル決定部14eは、算出される出力強度スペクトルが実際の出力強度スペクトルに近づくように、焼きなまし法などの最適化アルゴリズムに従い、仮想の位相スペクトルを変形しながら実際の出力強度スペクトルとの比較を繰り返し行う。このような処理(フィッティング)によって、実際の出力強度スペクトルに十分に近い仮想の位相スペクトルが決定され、該仮想の位相スペクトルがパルス光P3の位相スペクトルとして認識される。位相スペクトル決定部14eにおいて決定された位相スペクトル、及び入力スペクトル取得部14bにおいて取得された入力強度スペクトルは、時間波形情報として制御部13の変調補正部13cに提供される。
波形算出部14fは、位相スペクトル決定部14eにおいて決定された位相スペクトルと、入力スペクトル取得部14bにおいて取得された入力強度スペクトルとに基づいて、周波数/時間変換(逆フーリエ変換)により、パルス光P3の時間波形の再構成を行う。再構成された時間波形は、表示部14hに表示される。
位相スペクトル決定部14e及び波形算出部14fは、例えば一つの計算機14gによって実現されることができる。計算機14gは、CPUと記憶媒体とを備えるコンピュータである。計算機14gは、前述した制御部13と共通のコンピュータによって構成されてもよい。その場合、時間波形情報はコンピュータの記憶媒体に記憶される。
なお、上記の例では入力スペクトル取得部14bが入力強度スペクトルを検出しているが、入力強度スペクトルが既知である場合には、計算機14gの記憶媒体に入力強度スペクトルを記憶しておき、入力スペクトル取得部14bが記憶媒体から入力強度スペクトルを読み出してもよい。
ここで、本実施形態における位相スペクトル決定部14eでの処理内容について、更に詳細に説明する。アト秒オーダーないしナノ秒オーダーといった極めて短い時間幅を有するパルス光P3の時間波形を計測するためには、パルス光P3の強度スペクトル及び位相スペクトルに関する情報が必要となる。これらのうち、強度スペクトル(入力強度スペクトル)は直接的に計測可能であるが、位相スペクトルの直接的な計測は難しい。従って、本実施形態の波形計測部14では、仮想の位相スペクトルを設定し、仮想の位相スペクトルと入力強度スペクトルとを基に、光伝播素子14cに関するパラメータを用いて光伝播素子14c内での伝播のシミュレーションを行うことにより、仮想の強度スペクトルを算出する。そして、仮想の強度スペクトルと出力強度スペクトルとを互いに比較して、仮想の強度スペクトルと出力強度スペクトルとの合致度合いを算出し、その合致度合いを評価する。合致度合いとしては、例えば、波長成分毎に求めた仮想の強度スペクトルと出力強度スペクトルとの差分値の平均や標準偏差、最小二乗値などが好適である。この合致度合いが所定の閾値以下であるか否かによって、合致度合いを評価する。合致度合いが不十分であると判断された場合には、仮想の位相スペクトルを焼きなまし法や遺伝的アルゴリズムに従って変化させて再び仮想の強度スペクトルを作成し、出力強度スペクトルとの合致度合いを評価する。以上の処理を、合致度合いが十分であると評価されるまで繰り返す。
上述した処理では、仮想の位相スペクトルの初期設定が重要である。初期設定が実際の位相スペクトルとかけ離れたものであると、合致度合いが十分であると評価されるまでに長時間を要する場合や、或いは、合致度合いが不十分なスペクトルに収束してしまい本来の位相スペクトルが得られない場合がある。特に、パルス光P3の時間波形が、2つの超短パルス波形を含むダブルパルス波形や対称性の低い波形である場合、上記の問題が生じやすい。そこで、本実施形態の位相スペクトル決定部14eでは、波形制御部12の空間光変調器124に与えられる位相変調用ホログラムを作成する基となった、パルス光P3の時間波形を制御するための制御位相スペクトルを例えば初期値として用い、制御位相スペクトルを変形させることによって仮想の位相スペクトルを設定する。このように、制御位相スペクトルに基づいて仮想の位相スペクトルを設定し、焼きなまし法等を用いて位相スペクトル形状を変化させることにより、短時間でかつ正確に本来の位相スペクトルを決定することができる。
図13は、本実施形態の波形計測部14の動作を示すフローチャートである。図13を参照しながら、波形計測部14の動作及び本実施形態の波形計測方法について説明する。パルス光P3が波形計測部14に入力された状態において、まず、入力スペクトル取得部14bにおいてパルス光P3の入力強度スペクトルが取得される(ステップS11)。前述したように、入力強度スペクトルが既知である場合には、このステップS11は、入力スペクトル取得部14bが計算機14gの記憶媒体に記憶されている入力強度スペクトルを読み出すことで実現され得る。次に、出力スペクトル取得部14dにおいて光P4の出力強度スペクトルが取得される(ステップS12)。そして、位相スペクトル決定部14eにおいて、制御部13から制御位相スペクトルが取得される(ステップS13)。続いて、仮想の位相スペクトルに基づく仮想の強度スペクトルが算出される(ステップS14)。仮想の強度スペクトルを最初に算出するときには、仮想の位相スペクトルとして、例えばステップS13において取得された制御位相スペクトルが用いられる。
続いて、ステップS14において算出された仮想の強度スペクトルと、ステップS12において取得された出力強度スペクトルとが比較され、それらの合致度合いが求められる(ステップS15)。そして、ステップS15における合致度合いが十分か(所定の条件を満たしているか)否かが判定される(ステップS16)。判定の結果、合致度合いが不十分な場合には、上述したステップS14、S15が再び行われる。合致度合いが十分な場合には、そのときの仮想の位相スペクトルが入力位相スペクトルとして決定される(ステップS17)。その後、ステップS17において決定された入力位相スペクトルと、ステップS11において取得された入力強度スペクトルとに基づいて、パルス光P3の時間波形が算出される(ステップS18)。
ここで、パルス光P3の時間波形を所望の波形とすることを意図した制御位相スペクトルと、パルス光P3の実際の位相スペクトルとが互いに合致していない場合、パルス光P3の位相スペクトルの時間波形が所望の波形に近づくように、制御位相スペクトルを補正するとよい。本実施形態では、制御部13の変調補正部13cが、波形計測部14において計測された位相スペクトルに基づいて、制御位相スペクトルを補正する。そして、CGH作成部13bは、補正後の制御位相スペクトルに基づいて位相変調用ホログラムを作成し、波形制御部12は、新たな位相変調用ホログラムに基づいてパルス光P3を生成する。上記の動作を繰り返すことによって、パルス光P3の時間波形を所望の波形に更に近づけることが可能となる。
波形計測部14における計測結果を用いてパルス光P3の時間波形を制御する方法について、詳細に説明する。パルス光P3の時間波形の制御は、パルス光P3の位相スペクトルを制御することによって行われる。ここで、所望の時間波形に対応する位相スペクトルをφtarget(λ)、波形制御部12に入力される位相スペクトルをφ(k) shaper(λ)、波形計測部14によって計測された位相スペクトルをφ(k) measure(λ)とする。但し、λは波長であり、kは繰り返し処理の序数である。パルス光P3の時間波形の制御は、以下の手順(1)〜(5)に従って行われる。
(1)波形計測部14によってパルス光P3の位相スペクトルを計測し、φ(1) measure(λ)を得る。
(2)φ(1) shaper(λ)=φtarget(λ)−φ(1) measure(λ)として、波形制御部12による波形制御を行う。
(3)波形計測部14によってパルス光P3の位相スペクトルを再び計測し、φ(2) measure(λ)を得る。
(4)φ(2) shaper(λ)=φtarget(λ)−φ(2) measure(λ)+φ(1) shaper(λ)として、波形制御部12による波形制御を行う。
(5)φtarget(λ)−φ(k) measure(λ)が許容可能な値になるまで、上記手順(3)及び(4)を繰り返し行う。
上記の手順(1)〜(5)によって、波形計測部14による計測結果に基づく時間波形のフィードバック制御が好適に行われる。
以上に説明した本実施形態の波形計測装置(波形計測部14)及びパルス光生成装置1Aによって得られる効果を纏めると、次のようになる。すなわち、本実施形態の波形計測部14及びパルス光生成装置1Aによれば、時間波形の直接的な計測が困難なパルス光P3の強度スペクトル及び位相スペクトルを個別に求め、これらに基づいてパルス光P3の時間波形を算出することができる。更に、波形計測部14では、位相スペクトル決定部14eが、制御位相スペクトルを変形させることにより仮想の位相スペクトルを設定する。パルス光P3の時間波形を形成する位相スペクトルは、制御位相スペクトルによる影響を主に受けている。故に、該位相スペクトルは、制御位相スペクトルから大きくは変化しないことが多い。従って、制御位相スペクトルに基づいて仮想の位相スペクトルを設定することにより、位相スペクトル決定部14eにおける計算量を低減して、位相スペクトルの計測に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態のように、位相スペクトル決定部14eは、入力強度スペクトル及び仮想の位相スペクトルを有するパルス光P3が光伝播素子14cに入力されたと仮定したときに算出される出力強度スペクトルが、出力スペクトル取得部14dにおいて取得された出力強度スペクトルに近づくように、仮想の位相スペクトルを最適化する演算を行い、該演算における仮想の位相スペクトルの初期値として制御位相スペクトルを用いてもよい。これにより、実際の位相スペクトルに近い仮想の位相スペクトルを、正確に且つ短時間で求めることができる。
(第1の変形例)
上記実施形態に係る波形計測装置及びパルス光生成装置1Aに関する第1変形例について説明する。図14は、本変形例に係る波形計測部24の構成を概念的に示す図である。上記実施形態の波形計測部14は、いわゆるCESDR計測法に従ってパルス光P3の時間波形を計測するが、本変形例の波形計測部24は、周波数分解光ゲート法(FROG;FrequencyResolved Optical Gating)を用いてパルス光P3の時間波形を計測する。上記実施形態のパルス光生成装置1Aは、波形計測部14に代えて、本変形例の波形計測部24を備えてもよい。
波形計測部24は、次のようにしてパルス光P3の時間波形情報を取得する。すなわち、波形計測部24は、非線形光学効果を有する光学素子を用いて、パルス光P3の時間分割された一部分にゲートをかけて該一部分を切り出す。そして、波形計測部24は、その一部分の強度スペクトルを計測することによって得られるスペクトログラム(パルス光の各時間における強度スペクトル波形が、時間軸及び波長軸によって表された波形)について実測値と計算値とを比較し、或るスペクトログラムを生じさせる時間波形は限定されるという特徴を利用して、パルス光P3の時間波形の再構成を行う。なお、図15は、スペクトログラムの一例である。
具体的には、波形計測部24は、フレッチャーリーブス法やポーラビーア法などの最適化アルゴリズムに従ってシミュレーションにより計算されるスペクトログラムの計算値が実測値に近づくように、仮想の時間波形を変化させる。スペクトログラムの計算値と実測値との合致度合いが十分であると評価されるまで変化を繰り返す。このような処理によって、実測のスペクトログラムに十分に近い仮想の時間波形が決定され、該仮想の時間波形がパルス光P3の時間波形として認識される。そして時間/周波数変換によってパルス光P3の位相スペクトルが求められる。図14に示されるように、波形計測部24は、ビームスプリッタ24a、ディレイライン24b、非線形光学素子24c、スペクトル検出器24d、及び計算機24eを有する。ビームスプリッタ24aは、パルス光P3を二つのパルス光P3a、P3bに分岐する。ディレイライン24bは、分岐された二つのパルス光P3a、P3bのうち一方に対し、時間遅延を与える。このように、分岐された二つのパルス光P3a、P3bのうち何れか一方に時間遅延を与えることにより、パルス光P3a、P3bが互いに重なり合う時間を変化させて、ゲートをかける時間を操作することができる。この後、パルス光P3a、P3bは、レンズ24fを通過し、非線形光学素子24cにおいて互いに重なり合う。
非線形光学素子24cは、パルス光P3a、P3bの非線形光学効果を誘起する。ここで、FROGに利用される非線形光学効果は、二次の非線形光学効果である第二高調波発生や、三次の非線形光学効果である第三高調波発生、或いは光カー効果などである。また、非線形光学素子24cを構成する非線形光学材料としては、例えば、SHG結晶、THG結晶、ガラスなどが好適である。
スペクトル検出器24dは、非線形光学素子24cから出力された光の強度スペクトルを計測する。スペクトル検出器24dは、例えば、グレーティングやプリズムなどの分光素子と、該分光素子によって分光された各波長成分の強度を検出するラインセンサとによって構成される。
計算機24eは、例えば、CPU及び記憶媒体を備えるコンピュータによって構成される。計算機24eは、パルス光P3のスペクトログラムであるスペクトログラムと、パルス光P3の仮想のスペクトログラムである仮想スペクトログラムとに基づいて、パルス光P3の時間波形を決定する。
波形計測部(波形計測装置)は、上記実施形態に限られず、例えば本変形例の波形計測部24の構成を備えてもよい。このような場合であっても、計算機24eにおける初期値に、制御位相スペクトル及び入力強度スペクトルに基づく周波数/時間変換により算出した時間波形を用いることにより、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第2の変形例)
続いて、上記実施形態の波形計測部14における計測結果を用いてパルス光P3の時間波形を制御する方法の別の例について説明する。上記実施形態では、波形制御部12に入力される位相スペクトルφ(k) shaper(λ)を位相スペクトルφtarget(λ)に近づけるために、波形計測部14により計測される位相スペクトルφ(k) measure(λ)を利用している。このような場合、計測されるスペクトル強度I(k) measure(λ)が、位相スペクトルφtarget(λ)に対応するスペクトル強度Itarget(λ)と等しい場合には、最終的にI(k) measure(λ)とφ(k) measure(λ)とを利用して、所望の波形を設計することができる。しかし、I(k) measure(λ)とItarget(λ)とにずれが生じる場合には、パルス光P3の時間波形は所望の波形から変化してしまう。
そこで、本変形例では、まず、波形制御部12に入力される位相スペクトルであって所望の時間波形の振幅A(1) target(t)を実現するための位相スペクトルφ(1) shaper(λ)を求める。位相スペクトルφ(k) shaper(λ)の求め方としては、例えば、GS法、Fineupが提案したinput−output、input−input法などの反復フーリエ変換法に基づいた方法や、ORA、SA、GAなどの1画素ずつ位相を変化させて所望の波形を設計する方法などが挙げられる。このとき、予め計測された入射光のスペクトル強度I(1) measure(λ)を位相スペクトルφ(1) shaper(λ)の設計に用いてもよい。
次に、求められた位相スペクトルφ(1) shaper(λ)を空間光変調器124に入力し、入射光P1の変調を行う。変調後のパルス光P3を計測し、位相スペクトルφ(1) measure(λ)または、時間波形A(1) measure(t)の振幅を求める。位相スペクトルφ(1) measure(λ)を計測した場合には、スペクトル強度I(1) measure(λ)を用いて時間波形A(1) measure(t)を導出する。次にA(1) target(t)とA(1) measure(t)と比較し、A(1) measure(t)が所望の結果であるかを調べる。所定の範囲内にない場合は、A(2) target(t)を新たに作成し、波形制御部12に入力される位相スペクトルφ(2) shaper(λ)を求める。具体的には、A(1) measure(t)がA(1) target(t)より大きな部分はA(2) measure(t)の計測の際に小さくなるように、A(1) measure(t)がA(1) target(t)より小さくなる部分はA(2) measure(t)の計測の際に大きくなるように、ウェイトwを用いてA(1) target(t)を変更する。具体的には次式(1)及び(2)のようになる。
(k+1) target(t)=w×A(k) target(t) ・・・(1)
(k)=A(k) target(t)/A(k) measure(t) ・・・(2)
上式によって、時間波形の振幅A(2) target(t)を導出した後、波形制御部12に入力される位相スペクトルφ(2) shaper(λ)を求める。このとき、位相スペクトルφ(2) shaper(λ)の設計に、前回用いた位相スペクトルφ(1) shaper(λ)を初期位相として用いてもよい。上述の処理を繰り返すことによって、光学系の影響を考慮した所望の位相パターンを設計できる。
本発明による波形計測装置およびパルス光生成装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態及び変形例では、パルス光の時間波形を計測する方式としてCESDR及びFROGを例示したが、本発明は、これらに限らず様々な計測方式に適用することが可能である。
1A…パルス光生成装置、11…光出力部、12…波形制御部、13…制御部、13a…動作制御部、13b…CGH作成部、13c…変調補正部、14…波形計測部、14a…光強度制御器、14b…入力スペクトル取得部、14c…光伝播素子、14d…出力スペクトル取得部、14e…位相スペクトル決定部、14f…波形算出部、14g…計算機、14h…表示部、14j…集光レンズ、121…ビームスプリッタ、122…分光素子、123…結像レンズ、124…空間光変調器、L1…光軸、P1…入射光、P2…ビート光、P3…パルス光、Pλ〜Pλ…波長成分。

Claims (2)

  1. パルス光の時間波形を制御するための制御位相スペクトルに基づく位相変調用ホログラムが呈示された空間光変調器において2以上の波長成分を含む入射光の位相が波長毎に変調されることにより得られる前記パルス光の時間波形を計測する波形計測装置であって、
    前記パルス光の強度スペクトルである入力強度スペクトルを取得する入力スペクトル取得部と、
    前記パルス光を入力し、前記パルス光の位相スペクトルに対応する強度スペクトルを有する光を出力する光学素子と、
    前記光学素子から出力された光の強度スペクトルである出力強度スペクトルを取得する出力スペクトル取得部と、
    前記入力強度スペクトル及び仮想の位相スペクトルを有する前記パルス光が前記光学素子に入力されたと仮定したときに算出される前記出力強度スペクトルと、前記出力スペクトル取得部において取得された前記出力強度スペクトルとを比較することにより、前記パルス光の位相スペクトルを決定する位相スペクトル決定部と、
    周波数/時間変換により、前記位相スペクトル決定部において決定された位相スペクトルと前記入力強度スペクトルとに基づいて、前記パルス光の時間波形を算出する波形算出部とを備え、
    前記位相スペクトル決定部は、前記制御位相スペクトルを変形させることにより前記仮想の位相スペクトルを設定し、
    前記位相スペクトル決定部は、前記入力強度スペクトル及び前記仮想の位相スペクトルを有する前記パルス光が前記光学素子に入力されたと仮定したときに算出される前記出力強度スペクトルが、前記出力スペクトル取得部において取得された前記出力強度スペクトルに近づくように、前記仮想の位相スペクトルを最適化する演算を行い、該演算における前記仮想の位相スペクトルの初期値として前記制御位相スペクトルを用いることを特徴とする、波形計測装置。
  2. 2以上の波長成分を含む入射光を生成する光出力部と、
    パルス光の時間波形を制御するための制御位相スペクトルに基づく位相変調用ホログラムが呈示され、前記パルス光を生成するために前記入射光の位相を波長毎に変調する空間光変調器と、
    前記位相変調用ホログラムを前記空間光変調器に与える制御部と、
    前記パルス光の時間波形を計測する波形計測部とを備え、
    前記制御部は、前記波形計測部における計測結果に基づいて、前記パルス光の時間波形が所望の波形に近づくように前記位相変調用ホログラムを調整し、
    前記波形計測部は、
    前記パルス光の強度スペクトルである入力強度スペクトルを取得する入力スペクトル取得部と、
    前記パルス光を入力し、前記パルス光の位相スペクトルに対応する強度スペクトルを有する光を出力する光学素子と、
    前記光学素子から出力された光の強度スペクトルである出力強度スペクトルを取得する出力スペクトル取得部と、
    前記入力強度スペクトル及び仮想の位相スペクトルを有する前記パルス光が前記光学素子に入力されたと仮定したときに算出される前記出力強度スペクトルと、前記出力スペクトル取得部において取得された前記出力強度スペクトルとを比較することにより、前記パルス光の位相スペクトルを決定する位相スペクトル決定部と、
    周波数/時間変換により、前記位相スペクトル決定部において決定された位相スペクトルと前記入力強度スペクトルとに基づいて、前記パルス光の時間波形を算出する波形算出部とを有し、
    前記位相スペクトル決定部は、前記制御位相スペクトルを変形させることにより前記仮想の位相スペクトルを設定し、
    前記位相スペクトル決定部は、前記入力強度スペクトル及び前記仮想の位相スペクトルを有する前記パルス光が前記光学素子に入力されたと仮定したときに算出される前記出力強度スペクトルが、前記出力スペクトル取得部において取得された前記出力強度スペクトルに近づくように、前記仮想の位相スペクトルを最適化する演算を行い、該演算における前記仮想の位相スペクトルの初期値として前記制御位相スペクトルを用いることを特徴とする、パルス光生成装置。
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