JP6290195B2 - 大環状ケトンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも8の炭素原子及び少なくとも1のケト基を有する環状化合物の製造方法、本方法により得られる環状化合物及び特に香料として又は香気を提供するためのそれらの使用に関する。
少なくとも1のケト基を有する中員環に基づく環状化合物及び特には大員環に基づく環状化合物の効果的な製造方法の必要性が存在する。一般に中員環は8〜11の炭素原子を有しており、12を超える炭素原子では大員環と呼ばれ、また、大員環に基づく化合物は大環状化合物と呼ばれる。大環状ケトン、ラクトン及びエポキシド、更には他の官能化大環状分子は、香料工業において価値のある芳香性化学物質である。重要な代表例は、例えばムスコン(1)、(E/Z)-8-シクロヘキサデセノン(2)、シクロヘキサデカノン(3)又は9-ヘキサデセン-16-オリド(4)である。
Figure 0006290195
一般に、環状ケトンの公知の製造方法は、多大な合成経費を伴う。A.S.Williamsは、Synthesis 1999、10、1707〜1723において、大環状ムスク化合物の合成の概要を述べている。それによると、例えばムスコン(1)の製造は、シクロドデカノンから出発して環拡大反応により多段階合成で行う。
DE 101 42 032 A1は、Re2O7/γ-Al2O3触媒の存在下における、シクロアルカモノエン、シクロポリエン、非環状ポリエン又はそれらの混合物からのメタセシス反応によるシクロアルカジエンの製造を記載する。特に、シクロオクテンからの1,9-シクロヘキサデカジエンの製造を記載する。
B.D.Mookherjeeらは、J.Org.Chem.、36、22(1971)、3266〜3270において、1,9-シクロヘキサデカジエンから出発するラセミ体ムスコン及びシクロペンタデカノン(エキサルトン)の合成を記載した。合成は、特にエポキシ化工程及び転位工程を含む複雑な反応列を含む。
EP 0322537 A2は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下、極性溶媒におけるエポキシドの異性化による環状ケトンの製造方法を記載する。
US 5,936,100は、閉環メタセシスによる官能化大環状分子の合成を記載する。例えば、9-ヘキサデセン-16-オリド(D)の合成は、10-ウンデセニル酸5-ヘキセニルエステルの閉環メタセシスにより行う。しかしながら、出発原料のジエンは工業規模において十分に利用できるものではない。
Paul R.Story及びP.Buschは、「Modern methods for the synthesis of macrocyclic compounds」Adv.Org.Chem.、1972、8、67〜95において、特に環拡大、環縮小、1,2-付加環化などによる多様な合成経路を記載する。ここで、いわゆる「ストーリーシンセシス」は対応する過酸化物の形成及び破壊を含み、それ相応に高い合成と安全のための出費を伴う。
少なくとも8、特に少なくとも12の環炭素原子を有する環状化合物の公知の製造方法は、多段階合成であるか、又は工業規模において十分に利用できるものではない出発原料から開始するものである。
シクロドデカノンは、ラウリルラクタム、ドデカンジカルボン酸及びそれらから誘導されるポリアミドを製造するための重要な中間体である。シクロドデカノンを製造するためには、1,5,9-シクロドデカトリエンを酸化、特にN2Oにより酸化させることができ、主要な生成物としてシクロドデカ-4,8-ジエノンを得、これをその後、選択的に水素添加させて、シクロドデカノンを得る。この種の方法は、例えばWO 2005/030690、WO 2008/000754及びWO 2010/086314に記載されている。
DE 101 42 032 A1 EP 0322537 A2 US 5,936,100 WO 2005/030690 WO 2008/000754 WO 2010/086314
A.S.Williams、Synthesis 1999、10、1707〜1723 B.D.Mookherjeeら、J.Org.Chem.、36、22(1971)、3266〜3270 Paul R.Story及びP.Busch、「Modern methods for the synthesis of macrocyclic compounds」Adv.Org.Chem.、1972、8、67〜95
驚くべきことに、本発明において、シクロドデカ-4,8-ジエノンから出発して、メタセシス反応によって少なくとも8の炭素原子及び少なくとも1のケト基を有する環状化合物を簡単かつ効果的に製造することが可能であることが判明した。ここで、特に、環サイズがC16、C20、C24及びそれぞれの場合において4の追加炭素原子を有する更なる高級同族体である、大環状ケトン及びジケトンの割合が高いメタセシス生成物の製造が可能である。このメタセシス生成物は、任意に分画し又は実質的に純粋な化合物に分離した後に、香料として又は香気を与えるために適切である。さらに、本方法は、シクロドデカ-4,8-ジエノンがシクロドデカノンの製造における中間体として工業的に多量に利用可能であるので、特に有利である。加えて、多数の興味深い化合物を有し得る生成物を得るために1の合成ステップのみが必要である。したがって、本発明の方法により得ることができるメタセシス生成物又はその画分(留分)もしくは実質的に純粋な化合物はまた、価値ある中間体としても役立ち得る。それらは、さらなる工程、例えば水素添加、バイヤー・ビリガー酸化によって、大環状ラクトン、多様な特殊化学品の合成ビルディングブロック及び香料などを得るために適切である。
本発明はまず、少なくとも8の炭素原子及び少なくとも1のケト基を有する少なくとも1の環状化合物の製造方法であって、
a)シクロドデカ-4,8-ジエノンを含む出発原料を用意(供給)し、
b)出発原料を遷移金属触媒の存在下、オレフィンメタセシス反応させる、
前記方法を提供する。
本発明はさらに、本明細書に記載の方法により得ることができる少なくとも8の炭素原子及び少なくとも1のケト基を有する少なくとも1の環状化合物を含む組成物を提供する。
本発明はさらに、本明細書に記載の方法により得ることができる少なくとも1の環状化合物の香料として又は香気を提供するための使用を提供する。
本発明はさらに、感覚器官的に有効な量の、本発明の方法により得ることができる少なくとも1の環状化合物を香料として含む化粧品組成物、消費財又は実用品を提供する。
ステップa)
本発明による方法のステップa)において、純粋なシクロドデカ-4,8-ジエノン又は工業的に入手可能なシクロドデカ-4,8-ジエノンを含む混合物をシクロドデカ-4,8-ジエノンを含む出発原料として使用することができる。
好適には、ステップa)においてシクロドデカ-4,8-ジエノンを含む出発原料を供給するために、1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物を使用して、酸化させて、シクロドデカ-4,8-ジエノンを含む酸化生成物を得る。
一般に、1,5,9-シクロドデカトリエンは任意の可能な異性体の形態で、例えばcis,trans,trans-1,5,9-シクロドデカトリエン、cis,cis,trans-1,5,9-シクロドデカトリエン、all-trans-1,5,9-シクロドデカトリエン又はall-cis-1,5,9-シクロドデカトリエンとして使用することができる。本発明による方法のステップa)において、少なくとも2の上記異性体を含む異性体混合物を使用することも可能である。
一般に、本発明による方法において使用される1,5,9-シクロドデカトリエンは、その製造法として当業者により公知である全ての方法により得ることができる。好適な実施形態では、1,5,9-シクロドデカトリエンをブタジエンの三量体形成により製造する。
1,5,9-シクロドデカトリエンは、例えば、T.Schiffer、G.Oenbrink、「Cyclododecatriene, Cyclooctadiene, and 4-Vinylcyclohexene」、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、6th Edition (2000)、Electronic Release、Wiley VCH、1〜4頁に記載されているように、純粋な1,3-ブタジエンの三量体形成により製造することができる。この方法において、例えば、チーグラー触媒存在下での三量体形成の場合、例えば、H.Weberら、「Zur Bildungsweise von cis,trans,trans-1,5,9-Cyclododecatrien mittels titanhaltiger Katalysatoren [The mode of formation of cis,trans,trans-1,5,9-cyclododecatriene by means of titanium-containing catalysts]」、Liebigs Ann. Chem.、681 (1965)、10〜20頁に記載されているように、cis,trans,trans-1,5,9-シクロドデカトリエン、cis,cis,trans-1,5,9-シクロドデカトリエン及びall-trans-1,5,9-シクロドデカトリエンが製造される。シクロドデカトリエンは、例えば、チタン触媒又はニッケル触媒を使用して1,3-ブタジエンの三量体形成により製造することができる。これは、例えばDE 1283836に記載されている。
ブタジエンの三量体形成のための好適なチタン触媒は、例えば、H.Weberら、Liebigs Ann. Chem.、681(1965)、10〜20頁に記載されているように、四塩化チタン/エチルアルミニウムセスキクロライド触媒である。
ブタジエンの三量体形成のための好適なニッケル触媒は、DE 1283836に記載されているビス-シクロオクタジエニルニッケル/エトキシジエチルアルミニウム触媒である。
三量体形成のために使用されるブタジエンは、ガスクロマトグラフィーにより測定して、少なくとも99.5%の純度を有することが好ましい。特に好適には、使用される1,3-ブタジエンは、検出精度の範囲内で1,2-ブタジエン及び2-ブチンを含まない。
ブタジエンの三量体形成中に得られる混合物は、好適には少なくとも95重量%、特に好適には少なくとも96重量%、特には少なくとも97重量%のcis,trans,trans-1,5,9-シクロドデカトリエンを有する。
好適な実施形態では、1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物は、一酸化二窒素により酸化される。この種の方法は、WO 2005/030690、WO 2008/000754及びWO 2010/086314に記載されており、本明細書においてそれらの全てが参照される。
一酸化二窒素は、純粋な形態又は一酸化二窒素を含むガス混合物の形態で使用することができる。本発明の明細書において、用語「ガス混合物」は、周囲圧力、周囲温度において気体の状態である2又はそれ以上の化合物の混合物を示す。
ステップa)での1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物の酸化において、一酸化二窒素又は一酸化二窒素を含むガス混合物は、気体形態、液体形態、超臨界形態又は適切な溶媒中の溶液として使用することができる。
ステップa)での1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物の酸化は、触媒の存在下、又は触媒がない状態で行うことができる。
特定の実施形態では、一酸化二窒素は、例えばWO 2006/032502、WO 2007/060160、WO 2008/071632、EP 08153953.8及びEP 08153952.0に記載されているように、別のプロセスのオフガスとして製造されるガス混合物の形態で使用される。また、異なるオフガスの混合物を使用することも可能である。好適には、一酸化二窒素は、アジピン酸プラント、ドデカンジオン酸プラント、ヒドロキシルアミンプラント及び/又は硝酸プラントからのオフガスとして生じるガス混合物の形態で使用される。望ましいのであれば、一酸化二窒素を含むガス混合物は、酸化のためにそれを使用する前に、精製及び/又はN2O含有量の濃縮をすることができる。好適な精製方法は、例えば有機溶媒又は水中にガス混合物を吸収する工程、吸収させた有機溶媒又は吸収させた水からガス混合物を離脱する工程及びガス混合物中の窒素酸化物NOx含有量をガス混合物の全容積に基づいて多くとも0.01〜0.001容量%へと調整する工程を含む。この種の方法は、DE 10 2004 046 167.8に記載されており、本明細書においてその全てが参照される。
ステップa)における一酸化二窒素による1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物の酸化は、溶媒の添加をすることなく行うことができる。望ましいのであれば、酸化はまた、反応条件下で不活性である溶媒の存在下で行うことができる。ここで、C-C二重結合もC-C三重結合もアルデヒド基も有さない実質的に全ての通例の溶媒が適切である。これらは、例えば環状アルカン、例えばシクロドデカンもしくはシクロドデカノン又は飽和脂肪族もしくは芳香族の、任意にアルキル置換された炭化水素を含む。
一酸化二窒素による酸化中の温度は、好適には140〜350℃、特に好適には180〜320℃である。
一酸化二窒素による酸化中の圧力は、選択された反応温度での出発原料及び/又は生成混合物の固有圧力(intrinsic pressure)よりも高いことが好ましい。圧力は、好適には1〜1000bar、特に好適には40〜325bar、特には50〜200barである。
一酸化二窒素による酸化において、一酸化二窒素の1,5,9-シクロドデカトリエンに対するモル比は、一般には0.05〜4の範囲、好適には0.06〜1の範囲、更に好適には0.07〜0.5の範囲、特に好適には0.1〜0.4の範囲である。
ステップa)における一酸化二窒素による1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物の酸化中に、以下の成分:
・シクロドデカ-4,8-ジエノン、
・場合により、未反応の1,5,9-シクロドデカトリエン、
・場合により、少なくとも1のアルデヒド基を有する12の炭素原子を有する少なくとも1の非環状化合物
を含む酸化生成物が得られる。
ステップa)における一酸化二窒素による1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物の酸化中に得られる酸化生成物は、分離させて、シクロドデカ-4,8-ジエノンが濃縮された画分及びシクロドデカ-4,8-ジエノンが少ない(枯渇した)画分を得ることができる。分離は、当業者に知られた通例の方法、好適には蒸留により行うことができる。このような酸化生成物の蒸留分離方法は、WO 2010/086314に詳細が記載されており、本明細書においてその全てが参照される。
一般に、一酸化二窒素によるcis,trans,trans-1,5,9-シクロドデカトリエンの好適な酸化中には、異性体cis,trans-シクロドデカ-4,8-ジエノン、trans,cis-シクロドデカ-4,8-ジエノン及びtrans,trans-シクロドデカ-4,8-ジエノンの少なくとも2を含むシクロドデカ-4,8-ジエノン異性体混合物が生じる。しかしながら、例えば他の酸化方法により得られるような、別の異性体混合物の使用も可能である。
ステップb)
ステップb)におけるメタセシス反応は、好適には0〜200℃、特に好適には10〜150℃、特には20〜100℃の範囲の温度で実施される。
メタセシス反応は液相又は気相で行うことができる。
特定の実施形態では、ステップb)におけるメタセシス反応において、シクロドデカ-4,8-ジエノンに加えて、メタセシス反応に関与することができる少なくとも1の別の化合物を使用する。
一般に、別の化合物はシクロドデカ-4,8-ジエノンとは異なり、少なくとも1のC-C二重結合を有する環状化合物から選択される。好適には、別の化合物は1、2又は3のC-C二重結合を有する。
望ましいのであれば、別の化合物は少なくとも1の官能基を有し得る。その際には、別の化合物の炭素鎖は、-O-、-S-、-NRa-(ここで、Raは水素、アルキル、シクロアルキル又はアリールが好ましい)、-C(=O)-、-S(=O)-及び/又は-S(=O)2-から選択される1又は複数の非隣接基により中断されていることが好ましい。特定の実施形態では、別の化合物の炭素鎖は1又は複数の非隣接ケト基により中断される。
少なくとも1のC-C二重結合に加えて、別の化合物はそれ以上の官能基を有さないことが特に好ましい。
1の可能な実施形態では、ステップb)におけるメタセシス反応は、少なくとも1のシクロアルカモノエン又は少なくとも1のシクロアルカポリエンの存在下で実施される。メタセシス反応は、少なくとも1の環状オリゴブタジエンの存在下で実施されることが特に好ましい。特定の実施形態では、ステップb)におけるメタセシス反応において、シクロドデカ-4,8-ジエノンに加えて、1,4-シクロオクタジエン、1,4,8-シクロドデカトリエン及びそれらの混合物から選択される、メタセシス反応に関与することができる少なくとも1の別の化合物を使用する。
好適な実施形態では、ステップb)におけるメタセシス反応において、シクロドデカ-4,8-ジエノンに加えて、シクロドデカ-4,8-ジエノン及びメタセシス反応に関与することができる別の化合物の総量に基づいて、0.1〜50重量%の量の、メタセシス反応に関与することができる少なくとも1の別の化合物を含む出発原料を使用する。
特には、ステップb)におけるメタセシス反応において、シクロドデカ-4,8-ジエノン及びシクロアルカモノエン又はシクロアルカポリエンの総量に基づいて、0.1〜30重量%、特に好適には0.5〜25重量%、特には1〜20重量%の量の少なくとも1のシクロアルカモノエン又は少なくとも1のシクロアルカポリエンを含む出発原料を使用する。
更に特には、ステップb)におけるメタセシス反応において、シクロドデカ-4,8-ジエノン並びに1,4-シクロオクタジエン及び/又は1,4,8-シクロドデカトリエンの総量に基づいて、0.1〜30重量%、特に好適には0.5〜25重量%、特には1〜20重量%の量の1,4-シクロオクタジエン及び/又は1,4,8-シクロドデカトリエンを含む出発原料を使用する。
メタセシス反応に関与することができる適切な化合物を加えることにより、メタセシス反応生成物の組成を制御することが可能になる。例えば適切な環状オリゴブタジエン、例えば1,4-シクロオクタジエン及び/又は1,4,8-シクロドデカトリエンの使用は、メタセシス反応生成物において比較的高いモノケトンの割合となる。
好適には、ステップb)におけるメタセシス反応は反応条件下で不活性である溶媒の存在下で実施される。適切な溶媒は、例えば、脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、脂肪族及び芳香族カルボン酸のアルカノールとのエステル並びにそれらの混合物である。これらは、例えばn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、石油エーテル、リグロイン、シクロペンタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、酢酸エステル及びそれらの混合物を含む。
メタセシスにおいて使用される反応混合物中の出発原料濃度が増加すると、比較的多くの数の炭素原子を有する環状化合物が増加して形成されることが判明した。これらは、メタセシス反応生成物の香料として又は香気を提供するための使用において望ましくない。
好適には、ステップb)におけるメタセシス反応において、シクロドデカ-4,8-ジエノン及び、存在するのであれば、それとは異なる少なくとも1のC-C二重結合を有する環状化合物は、0.01〜1mol/lの範囲の総濃度で、特に好適には0.01〜0.5mol/lの範囲の総濃度で使用される。
適切なメタセシス触媒は原則として均一系及び不均一系触媒である。好適には、ステップb)において使用されるメタセシス触媒は、少なくとも1の、元素の周期律表の6、7又は8族の遷移金属、特に好適にはMo、W、Re又はRuを含む。
本発明による方法のステップb)において使用される適切な均一系メタセシス触媒は、例えばタングステンもしくはレニウムの塩もしくは錯体、例えばWCl6もしくはCH3Re(CO)5又は金属カルベン錯体、好適にはルテニウムもしくはモリブデンに基づくものである。Re、Mo又はWに基づく触媒は、共触媒、例えば典型元素の有機金属錯体、例えばアルキルアルミニウム、塩化アルキルアルミニウム又はアルキル亜鉛と組み合わせて使用されることが多い。Re、Mo又はWに基づく触媒はまた、多くの場合、活性剤、例えば酸素を含む化合物、例えばエタノール又はジエチルエーテルと組み合わせて使用される。
第1の好適な実施形態では、ステップb)において、少なくとも1のルテニウムアルキリデン錯体、好適には少なくとも1のN-ヘテロ環状カルベンを配位子としてさらに有するルテニウムアルキリデン錯体である均一系触媒を使用する。
本発明において、語句「アルキル」は、直鎖又は分岐アルキルを含む。アルキルは、好適にはC1-C20-アルキル、特にはC1-C12-アルキル、さらに特に好適にはC1-C6-アルキルを表す。アルキル基の例は、特にはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル及びn-エイコシルである。
置換アルキル基は、アルキル鎖の長さに応じて1又は複数(例えば1、2、3、4、5又は6以上)の置換基を有することができる。
アリールにより置換されているアルキル基(「アリールアルキル」又は「アラルキル」)は、以下に記載するように少なくとも1の非置換又は置換アリール基を有する。それぞれのアリール基は、6〜14、好適には6〜10の炭素原子を有していることが好ましく、アラルキル中のアルキル部分は1〜20、好適には1〜12の炭素原子を有していることが好ましい。アリールアルキルは、例えばフェニル-C1-C10-アルキル、好適にはフェニル-C1-C4-アルキル、例えばベンジル、1-フェネチル、2-フェネチル、1-フェンプロピ-1-イル、2-フェンプロピ-1-イル、3-フェンプロピ-1-イル、1-フェンブチ-1-イル、2-フェンブチ-1-イル、3-フェンブチ-1-イル、4-フェンブチ-1-イル、1-フェンブチ-2-イル、2-フェンブチ-2-イル、3-フェンブチ-2-イル、4-フェンブチ-2-イル、1-(フェンメタ)エチ-1-イル、1-(フェンメチル)-1-(メチル)エチ-1-イル又は1-(フェンメチル)-1-(メチル)プロピ-1-イル、好適にはベンジル及び2-フェネチルを表す。
本発明において、「シクロアルキル」は、好適には3〜10、特に好適には5〜8の炭素原子を有する環状脂肪族基を示す。シクロアルキル基の例は、特にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルである。
本発明において、語句「アリール」は、通常6〜18、好適には6〜14、特に好適には6〜10の炭素原子を有する単核又は多核芳香族炭化水素基を含む。アリールの例は、特にはフェニル、ナフチル、インデニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニル、クリセニル、ピレニルなど、特別にはフェニル又はナフチルである。
置換アリールは、それらの環系の数及びサイズに応じて1又は複数(例えば1、2、3、4、5又は6以上)の置換基を有することができる。これらは、アルキル、シクロアルキル及びアリールからそれぞれ独立して選択されることが好ましい。この点について、アリール上のアルキル、シクロアルキル及びアリール置換基はそれらの部分において非置換であっても、置換されていてもよい。これらの基については上記の置換基を参照されたい。置換アリールの一例は、通常1、2、3、4又は5、好適には1、2又は3の置換基を有する置換フェニルである。
置換アリールは、少なくとも1のアルキル基により置換されているアリール(「アルキルアリール」)が好ましい。それぞれのアルキル基は、通常1〜20、好適には1〜12の炭素原子を有しており、アルカリール中のアリール部分は6〜14、好適には6〜10の炭素原子を有する。アルキルアリール基は芳香環系のサイズに応じて1又は複数(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は9以上)のアルキル置換基を有することができる。アルキル置換基は、非置換であっても、置換されていてもよい。この点について、非置換及び置換アルキルに関する上記記載を参照されたい。好適な実施形態では、アルキルアリール基は、専ら非置換であるアルキル置換基を有する。アルキルアリールは、1、2、3、4又は5、好適には1、2又は3、特に好適には1又は2の、1〜12の炭素原子を有するアルキル置換基を有するフェニルが好ましい。
本明細書において、語句「ヘテロアリール」(ヘタリール)は単核又は多核ヘテロ芳香族基を含む。環炭素原子に加えて、これらは1、2、3、4又は5以上の環ヘテロ原子を有する。ヘテロ原子は、酸素、窒素及び硫黄から選択されることが好ましい。ヘタリール基は5〜18、例えば、5、6、8、9、10、11、12、13又は14の環原子を有することが好ましい。
本明細書において、語句「ヘテロシクロアルキル」は非芳香族の不飽和又は完全飽和の、一般には5〜8の環原子、好適には5又は6の環原子を有する環状脂肪族基を含む。ヘテロシクロアルキル基では、相当するシクロアルキル基と比較して、1、2、3、4又は5以上の環原子がヘテロ原子又はヘテロ原子を含む基により置換されている。ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む基は、-O-、-S-、-NRc-、-C(=O)-、-S(=O)-及び/又は-S(=O)2-から選択されることが好ましい。Rcは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールが好ましい。ヘテロシクロアルキル基の例は、特にはピロリジニル、ピペリジニル、2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロピラニル、1,2-オキサゾリン-5-イル、1,3-オキサゾリン-2-イル及びジオキサニルである。
本発明による好適な方法において、ルテニウムカルベン錯体は次式(A)の化合物である。
Figure 0006290195
式中、
X1、X2は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれの場合において、陰イオン配位子であり、
L1、L2、L3は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれの場合において、中性電子供与配位子であり、
R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれの場合において、水素もしくはC1-C40-炭素を有する基であり、
又はX1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2からなる群から選択される2もしくはそれ以上の配位子もしくは基は、一緒に結合して単環もしくは多環の環系を形成し、
nは0又は1であり、
mは0、1又は2である。
X1、X2は同一であっても、異なっていてもよい。特には、X1及びX2は同一である。好適には、X1及びX2はお互いに独立して、ハロゲン、擬ハロゲン、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルキルオキシ、アリール又はアリールオキシから選択される。特には、X1及びX2はお互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、チオシアノ、メチル、エチル、フェニル、フェニルオキシ、メチルオキシ又はエチルオキシから選択される。特に好適には、X1及びX2は共に塩素である。
L1、L2、L3は同一であっても、異なっていてもよく、それぞれの場合において、中性電子供与配位子である。好適な中性電子供与配位子はWO 2010/021740、16頁、パラグラフ0070及び17頁、パラグラフ0075に記載されており、この引用文献は、その全体が本明細書に組み込まれる。特に好適な中性電子供与配位子は、元素の周期律表の15又は16族の2の原子により安定化されたカルベン、特には2の窒素原子により安定化されたカルベン(いわゆるアルジュンゴカルベン)、更には、エーテル、チオエーテル、アミン又は窒素を含むヘテロ環、特にはピリジン又はピリジン誘導体である。
R1、R2は同一であっても、異なっていてもよく、それぞれの場合において、水素又はC1-C40-炭素を有する基、例えば、C1-C20-アルキル、C2-C20-アルケニル、C2-C20-アルキニル、C6-C40-アリール、C7-C40-アルキルアリール、C7-C40-アリールアルキル、C5-C40-ヘタリール、C5-C20-ヘテロシクロアルキル又は3〜24の炭素原子を有するシリル基である。ここで、炭素を有する基は、F、Cl、Br、I、N、P、O及びSからなる元素の群から選択されるヘテロ原子を更に含んでもよく、及び/又は官能基により置換されていてもよい。
X1、X2、L1、L2、L3、R1及びR2からなる群から選択される2又はそれ以上の配位子又は基はまた、一緒に結合して単環又は多環の環系を形成してもよい。好適には、基L1、L2又はL3のいずれか1の基が、基R1又はR2のいずれか1の基と結合して、これらが一緒に単環又は多環の環系を形成する。
好適にはnは0である。好適にはmは0である。
適切な実施形態では、nは0であり、L1及びL2は、お互いに独立して、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラジン及びチオエーテルから選択される。特には、nは0であり、L1及びL2は、お互いに独立して、ピリジン又はピリジン誘導体から選択される。
本発明による方法では、特に好適には、式(A)のルテニウム-カルベン錯体を使用することであり、ここで、中性電子供与配位子L1は、次式(B)のカルベンである。
Figure 0006290195
式中、
X、Yは、同一であっても、異なっていてもよく、好適には同一であり、それぞれの場合において、N、O、S及びPからなる元素の群から選択されるヘテロ原子、好適にはNであり、
XがO又はSの場合、pは0であり、XがN又はPの場合、pは1であり、
YがO又はSの場合、qは0であり、YがN又はPの場合、pは1であり、
Q1、Q2、Q3、Q4は、お互いに独立して、それぞれの場合において、1〜40の炭素原子を有する二価の有機基であり、ここで、Q1、Q2、Q3及び/又はQ4の中で隣接する原子上の追加の2又はそれ以上の置換基がお互いに結合して追加の単環又は多環の構造を形成することができ、
w、x、y、zは、お互いに独立して、0又は1であり、
R3、R3A、R4及びR4Aは、同一であっても、異なっていてもよく、お互いに独立して、それぞれの場合において、水素又はC1-C40-炭素を有する基である。
R3、R3A、R4及びR4Aは、同一であっても、異なっていてもよく、お互いに独立して、それぞれの場合において、水素又はC1-C40-炭素を有する基、例えばC1-C20-アルキル、C2-C20-アルケニル、C2-C20-アルキニル、C5-C40-アリール、C7-C40-アルキルアリール、C7-C40-アリールアルキル、C2-C40-ヘテロ芳香族基、飽和C3-C20-ヘテロシクロ基又は3〜24の炭素原子を有するシリル基であり、ここで、炭素を有する基は、F、Cl、Br、I、N、P、O及びSからなる元素の群から選択されるヘテロ原子を更に含んでもよく、及び/又は官能基により置換されていてもよい。
式(B)のカルベンでは、w、x、y及びzは、全て0が好ましい。
Q1、Q2、Q3、Q4は、お互いに独立して、二価の炭化水素基、置換した二価の炭化水素基、ヘテロ原子を有する二価の炭化水素基、ヘテロ原子を有する置換した二価の炭化水素基又は-(CO)-が好ましい。
本発明による方法では、非常に好適には、式(A)のルテニウム-カルベン錯体を使用することであり、ここで、中性電子供与配位子L1は、式(B) のカルベンであり、式中、
mは、0であり、
w、x、y、zは、それぞれの場合において、0であり、
p、qは、それぞれの場合において、1であり、
X、YはNであり、
R3A及びR4Aは、お互いに結合して、一緒に1〜40の炭素原子を有する二価の有機基Qを形成する。
非常に特に好適なルテニウム-カルベン錯体は一般式(C) の化合物である。
Figure 0006290195
式中、
X1、X2、L2、L3、R1、R2、R3、R4及びnは上記の意味を有し、
Qは1〜40の炭素原子を有する二価の有機基である。
式(C)のルテニウム-カルベン錯体では、中性電子供与配位子L2は、ホスファイト、ホスフィナイト、アルサン、スチバン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシレート、ニトロシル、ピリジン、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラジン、チオエーテル又はピロリドンが好ましい。
Qは、例えば二価の炭化水素基、置換した二価の炭化水素基、ヘテロ原子を有する二価の炭化水素基又はヘテロ原子を有する置換した二価の炭化水素基である。
式(C)のルテニウム-カルベン錯体では、2又はそれ以上の基X1、X2、L2、L3、R1、R2、R3及びR4の任意の所望の組み合わせが、お互いに結合して、環状構造を形成することができる。
メタセシス触媒として適切なルテニウムアルキリデン錯体はまた、例えばR.H.Grubbs、Handbook of Metathesis、Vol.1、128頁、Wiley-VCH、2003に記載されているように第二世代の「グラブス」触媒である。これらの第二世代の「グラブス」触媒は、ホスファン配位子と一緒に又はホスファン配位子の代わりにN-ヘテロ環状カルベン配位子を有する触媒である。第二世代の「グラブス」触媒の適切な一例は、
Figure 0006290195
(式中、
Cy=シクロヘキシル、
Mes=2,4,6-トリメチルフェニル)
である。
この種類の触媒はまた、US 6,759,537に記載されており、本明細書においてその全てが参照される。
メタセシス触媒として適切なルテニウムアルキリデン錯体はまた、「ホヴェイダ-グラブス」触媒である。
Figure 0006290195
この種類の触媒はまた、US 6,921,735に記載されており、本明細書においてその全てが参照される。
カルベン配位子を有する適切な金属錯体及びそれらの製造方法はまた、WO 99/00396に記載されており、本明細書においてその全てが参照される。
配位子としてN-ヘテロ環状カルベンを有する適切なルテニウムアルキリデン錯体及びそれらの製造方法はまた、WO 99/51344に記載されており、本明細書においてその全てが参照される。例えば、次の一般式(D)の化合物がある。
Figure 0006290195
式中、
X1及びX2は、同一であるか、又は異なっており、陰イオン配位子であり、
X3及びX4は、同一であるか、又は異なっており、化学結合であるか、-O-、-S-、-NRd-(ここで、Rdは水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールである)、-C(=O)-、-S(=O)-及び/又は-S(=O)2-から選択され、
Ra及びRbは、同一であるか、又は異なっており、ここで、Ra及びRbは、それらが結合している炭素原子と一緒に環を形成してもよく、
Ra及びRbは、お互いに独立して、水素であるか、それぞれの場合において、直鎖又は分岐C1-C50-アルキル、C2-C50-アルケニル、C2-C50-アルキニル、C5-C8-シクロアルキル、C6-C30-アリール又はシリルであり、ここで、C1-C50-アルキル、C2-C50-アルケニル、C2-C50-アルキニル、C5-C8-シクロアルキル、C6-C30-アリール又はシリル基において、水素原子の1又は複数又は全てを、お互いに独立して、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、メタロセニル、ハロゲン、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル、カルボニル、チオ及び/又はスルホニル基により置き換えてもよく、
L1は、下記一般式E.1〜E.8のN-ヘテロ環状カルベンであり、L2は中性電子供与体、特には下記一般式E.1〜E.4のN-ヘテロ環状カルベン又はアミン、イミン、ホスファン、ホスファイト、スチビン、アルシン、カルボニル化合物、カルボキシル化合物、ニトリル、アルコール、エーテル、チオール又はチオエーテルである。
Figure 0006290195
式E.1、E.2、E.3、E.4、E.5、E.6、E.7及びE.8におけるR1、R2、R3及びR4は、お互いに同一であるか、又は異なっており、R1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、水素であるか、それぞれの場合において、直鎖又は分岐C1-C50-アルキル、C2-C50-アルケニル、C2-C50-アルキニル、C5-C8-シクロアルキル、C6-C30-アリール又はシリルであり、ここで、C1-C50-アルキル、C2-C50-アルケニル、C2-C50-アルキニル、C5-C8-シクロアルキル、C6-C30-アリール又はシリル基において、水素原子の1又は複数を、お互いに独立して、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、メタロセニル、ハロゲン、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル、カルボニル、チオ及び/又はスルホニル基により置き換えてもよく、
基R3及びR4の少なくとも1はまた、ハロゲン、ニトロ、ニトロソ、アルコキシ、アリールオキシ、アミド、カルボキシル、カルボニル、チオ、シリル及び/又はスルホニル基であってもよい。
配位子としてN-ヘテロ環状カルベンを有する適切なルテニウムアルキリデン錯体及びそれらの製造方法はまた、EP 1 022 282 A2に記載されており、本明細書においてその全てが参照される。これらは、一般式(E) の化合物である。
Figure 0006290195
式中、
Xは、陰イオン配位子であり、
X3及びX4は、同一であるか、又は異なっており、化学結合であるか、又は-O-、-S-、-NRd-(ここで、Rdは水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘタリールである)、-C(=O)-、-S(=O)-及び/又は-S(=O)2-から選択され、
Yは、金属を含む一座〜三座配位子であり、ルテニウム中心に非イオン的に結合し、
Ra及びRbは、同一であるか、又は異なっており、ここで、Ra及びRbは、それらが結合している炭素原子と一緒に環を形成してもよく、
Ra及びRbは、お互いに独立して、水素であるか、それぞれの場合において、直鎖又は分岐C1-C50-アルキル、C2-C50-アルケニル、C2-C50-アルキニル、C5-C8-シクロアルキル、C6-C30-アリール又はシリルであり、ここで、C1-C50-アルキル、C2-C50-アルケニル、C2-C50-アルキニル、C5-C8-シクロアルキル、C6-C30-アリール又はシリル基において、水素原子の1又は複数又は全てを、お互いに独立して、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、メタロセニル、ハロゲン、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル、カルボニル、チオ及び/又はスルホニル基により置き換えてもよく、
Lは、一般式E.1〜E.8のN-ヘテロ環状カルベンである。
Figure 0006290195
Figure 0006290195
式E.1、E.2、E.3、E.4、E.5、E.6、E.7及びE.8におけるR1、R2、R3及びR4は、お互いに同一であるか、又は異なっており、R1、R2、R3及びR4は、お互いに独立して、水素であるか、それぞれの場合において、直鎖又は分岐C1-C50-アルキル、C2-C50-アルケニル、C2-C50-アルキニル、C5-C8-シクロアルキル、C6-C30-アリール又はシリルであり、ここで、C1-C50-アルキル、C2-C50-アルケニル、C2-C50-アルキニル、C5-C8-シクロアルキル、C6-C30-アリール又はシリル基において、水素原子の1又は複数を、お互いに独立して、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、メタロセニル、ハロゲン、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル、カルボニル、チオ及び/又はスルホニル基により置き換えてもよく、
基R3及びR4の少なくとも1はまた、ハロゲン、ニトロ、ニトロソ、アルコキシ、アリールオキシ、アミド、カルボキシル、カルボニル、チオ、シリル及び/又はスルホニル基であってもよい。
カルベン配位子を有する適切な5座配位金属錯体及びそれらの製造方法はまた、WO 03/062253に記載されており、本明細書においてその全てが参照される。これらはカルベン配位子、多座配位子及び少なくとも1のかなりの立体障害のある配位子を有する錯体である。
適切なルテニウムアルキリデン錯体及びそれらの製造方法はまた、例えばWO 2007/003135に記載されており、本明細書においてその全てが参照される。
適切なルテニウムアルキリデン錯体及びそれらの製造方法はまた、例えばWO 2008/065187に記載されており、本明細書においてその全てが参照される。
本明細書においてその全てが参照されるWO 2009/097955は、一般式
Ru(NHC)n(X1)m(L)o p++((X2)-)p
(式中、
NHCは、N-ヘテロ環状カルベンであり、
n=1又は2であり、
X1は、C1-C18-モノもしくはポリハロゲン化カルボン酸又はトリフルオロメタンスルホネートであり、
X2は、C1-C18-モノもしくはポリハロゲン化カルボン酸、トリフルオロメタンスルホネート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート又はヘキサフルオロアンチモネートであり、
m=0、1又は2であり、
Lは、C4-C18-カルボニトリル又はC4-C18-カルボジ-もしくは-トリニトリルであり、
o=6-n-m又は5-n-mであり、
p=2-mである)
で表される、光で活性化され得る潜伏性触媒を記載する。
メタセシス触媒として適切なルテニウムアルキリデン錯体はまた、いわゆる第一世代の「グラブス」触媒、例えば式
Figure 0006290195
(式中、
Cy=シクロヘキシルである)
の触媒である。
この種類の触媒はまた、US 5,969,170及びUS 6,111,121に記載されており、本明細書においてそれらの全てが参照される。
好適には、ステップb)において、使用される触媒は、ジクロロ(3-メチル-2-ブテニリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウム(II)、イソペンテニリデン(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)ジクロライド、ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-(イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(o-イソプロポキシフェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、(1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム、1,3-ビス(2-メチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2-メチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン](2-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][3-(2-ピリジニル)プロピリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]-(ベンジリデン)ビス(3-ブロモピリジン)ルテニウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]-[2-イソプロポキシ-5-(トリフルオロアセトアミド)フェニル]メチレンルテニウム(II)ジクロライド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)-3-フェニル-1H-インデン-1-イリデンルテニウム(II)ジクロライド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)[(フェニルチオ)メチレン]ルテニウム(II)ジクロライド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)[(フェニルチオ)メチレン]ルテニウム(II)ジクロライド、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン[2-(イソプロポキシ)-5-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウム(II)ジクロライド、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン[2-(イソプロポキシ)-5-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウム(II)ジクロライド、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]-[2-[[(4-メチルフェニル)イミノ]メチル]-4-ニトロフェノリル][3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン]ルテニウム(II)クロライド、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン][2-[[(2-メチルフェニル)イミノ]メチル]フェノリル][3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン]ルテニウム(II) クロライド, 3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン[ビス(イソブチルプロパン)]ルテニウム(II)ジクロライド、{[2-(イソプロポキシ)-5-(N,N-ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレン}(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)ジクロライド、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン][(フェニルチオ)メチレン]ルテニウム(II)ジクロライド、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン][3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン]ルテニウム(II)ジクロライド、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン][2-チエニルメチレン]ルテニウム(II)ジクロライド、トリシクロヘキシルホスフィン[2,4-ジヒドロ-2,4,5-トリフェニル-3H-1,2,4-トリアゾール-3-イリデン][2-チエニルメチレン]ルテニウム(II)ジクロライド、トリシクロヘキシルホスフィン[4,5-ジメチル-1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン][2-チエニルメチレン]ルテニウム(II)ジクロライド、トリシクロヘキシルホスフィン[3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン][1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]ルテニウム(II)ジクロライド、トリフルオロアセタト[4,5-ジヒドロ-1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン]テトラ(2,2-ジメチルプロパンニトリル)ルテニウム(II)トリフルオロアセテート、トリ(イソプロポキシ)ホスフィン(3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン)[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]ルテニウム(II)ジクロライド又はトリシクロヘキシルホスフィン[3-フェニル-1H-インデン-1-イリデン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]ルテニウム(II)ジクロライドから選択される少なくとも1のルテニウムアルキリデン錯体である。
特定の実施形態では、ステップb)において、使用される均一系触媒は、式F、G又はH
Figure 0006290195
(式中、
Cy=シクロヘキシル、
Mes=2,4,6-トリメチルフェニルである)
の錯体から選択される、少なくとも1のルテニウムアルキリデン錯体である。
インデニリデン-カルベン(F)を含む触媒及びそれらの製造は、WO 2010/037550に記載されている。ホスファイトを含む構造(G)に基づく触媒の詳細は、WO 2011/117571に記載されている。一般式(H)の化合物の詳細な記載は、WO 99/00396において参照することができる。本明細書においてこれらの文書の記載の全てが参照される。
第2の好適な実施形態では、ステップb)において、無機支持材料上のタングステン又はルテニウムの化合物を含む不均一系触媒が使用される。
好適には、タングステン又はルテニウムの化合物は、WO3、Re2O7及びCH3ReO3から選択される。
ステップc)
ステップb)において得られるメタセシス反応の反応混合物は以下の成分:
i) 少なくとも8の炭素原子及び少なくとも1のケト基を有する、少なくとも1の環状化合物、
ii) 任意に、i)とは異なる、少なくとも1のメタセシス反応生成物、特に環状脂肪族オレフィン(不飽和環状炭化水素)、
iii) 未反応のシクロドデカ-4,8-ジエノン、
iv) 任意に、シクロドデカ-4,8-ジエノンとは異なる、少なくとも1のC-C二重結合を有する、少なくとも1の未反応環状又は非環状化合物、
v) 存在するのであれば、使用した溶媒、
vi) 遷移金属触媒
を含む。
好適には、ステップb)において得られるメタセシス反応の反応混合物は、そのさらなる使用の前に、特には香料として又は香気を提供するためのそのさらなる使用の前に、分離される。
好適には、ステップb)において得られる反応混合物の分離は、使用された遷移金属触媒(成分vi))の分離を含む。不均一系遷移金属触媒がステップb)における反応に使用される場合、それは例えばろ過又は蒸留により分離される。不均一系遷移金属触媒の蒸留分離の場合、全ての揮発性成分が特に本目的のために当業者に知られた装置において分離されるのが好ましい。好適には、不均一系遷移金属触媒の蒸留分離は、高温及び/又は減圧下で行う。均一系遷移金属触媒がステップb)における反応に使用される場合、それは例えば蒸留、抽出、クロマトグラフィー又はこれらの方法の少なくとも2の組み合わせにより分離される。
溶媒がステップb)におけるメタセシス反応に使用される場合には、ステップb)において得られる反応混合物の分離は、好適には蒸留による、溶媒(成分v))の分離を含むことが好ましい。
使用した触媒(vi)の分離及び存在するのであれば使用した溶媒(v)の分離により、メタセシス反応の生成物(成分(i)及び存在するのであれば(ii))、未反応の出発原料(成分(iii)及び存在するのであれば(iv))及び任意にさらなる望ましくない第2の成分(不純物)を含む反応混合物が得られる。
好適には、メタセシス反応の反応混合物は、少なくとも16の炭素原子を有する少なくとも1の環状化合物を含む。
好適には、メタセシス反応の反応混合物は、12又は16又は20又は24の炭素原子を有する化合物から選択される少なくとも1の環状化合物を含む。
好適には、遷移金属触媒及び溶媒のないメタセシス反応の反応混合物は、少なくとも5重量%、好適には少なくとも15重量%の化合物I〜IV
Figure 0006290195
の少なくとも1を含む。
好適には、ステップc)におけるメタセシス反応の反応混合物は分離され、化合物I〜IVの少なくとも1が濃縮された少なくとも1の画分及び化合物I〜IV
Figure 0006290195
の少なくとも1が少ない少なくとも1の画分が得られる。
この分離は、使用された触媒(vi)及び存在するのであれば使用された溶媒(v)を分離した後に行うことが好ましい。また、均一系触媒を使用する場合、それは蒸留前には分離されないが、蒸留液の底に残ると考えられる。
好適には、メタセシス反応の生成物としての化合物I〜IVの少なくとも1(i)、存在するのであればメタセシス反応のさらなる生成物、未反応の出発原料(iii)並びに存在するのであれば(iv)及び任意にさらに他の望ましくない第2の成分を含む反応混合物は、当業者に知られた通例の方法により分離される。好適には、反応混合物は蒸留分離される。蒸留分離のための適切な装置は、蒸留カラム、例えばトレーカラム(棚段塔)(これは、バブルキャップ(babble cap)、多孔板(sieve plate)、充填剤(packing)、充填体(packing body)、弁(valve)、側部取出口(side offtake)など、が備えられ得る)、エバポレーター、例えば薄膜式エバポレーター、流下膜式エバポレーター、強制循環式エバポレーター、サンベイ(Sambay)エバポレーターなど、及びこれらの組み合わせを含む。
好適には、化合物I〜IVの少なくとも1が少ない画分は、ステップb)におけるメタセシス反応に戻される。
本発明による組成物及び本発明による方法により得ることができる組成物は香料として又は香気を提供するために特に利点を有し、適切である。
香料としての使用のために、本発明による組成物は、この適用分野において通例である少なくとも1の溶媒により望むように希釈することができる。例として、挙げることができる適切な溶媒は、エタノール、ジプロピレングリコールもしくはそれらのエーテル、フタレート、プロピレングリコール、又はジオールのカーボネートがあり、エタノールが好ましい。水もまた本発明による香料組成物を希釈するための溶媒として適切であり、適切な乳化剤と一緒に有利に使用することができる。
本発明による香料の好適な実施形態は、それらが式(I)、(II)、(III)、(IV)の化合物から選択される少なくとも1の化合物又はこれらの化合物の2、3もしくは4を含む混合物を含むことを特徴とする。
成分の構造的及び化学的類似性のために、本発明による香料は、高い安定性及び有効期間を有し、快適なムスク様香気により特徴づけられる。
本発明による香料は、より詳細については以下に記載するような、化粧品組成物、さらには消費財及び実用的な物品及び/又は組成物に組み込むのに適切である。したがって、本発明のさらなる面は、感覚器官的に有効量の本発明による香料を含む化粧品組成物、実用品又は消費財であって、香料を特定の物品に組み込むことができる、又はそこに適用することができるものに関する。この点について、本発明において、「感覚器官的に有効量の」とは、指示通りに使用すれば、使用者又は消費者において、香りの印象、特には快適なムスク香気の印象をもたらすのに十分な特定量を意味すると理解される。
適切な化粧品組成物は、全ての通例の化粧品組成物である。これらは、香水、オードトワレ、防臭剤、石鹸、シャワーゲル、バスゲル、クリーム、ローション、サンスクリーン、毛髪のクレンジング及びケアのための組成物、例えばヘアシャンプー、リンス、ヘアジェル、液体又は泡沫の形態の毛髪セッティング組成物及びさらなる毛髪のためのクレンジング又はケア組成物、ヒトへの装飾目的のための組成物、例えば化粧用スティックやペンシル、例えば口紅、リップケアスティック、コンシーリングスティック(コンシーラー)、ブラッシャー、アイシャドースティック、リップライナースティック、アイライナースティック、アイブローペンシル、コレクションスティック、サンスクリーンスティック、抗アクネスティック及び同等品、更にはネイルバーニッシュ及び他のネイルケア製品が好ましい。
本発明による香料は、香水、例えばオードトワレ、シャワーゲル、バスゲル及びボディーデオドラントに使用することが特に適切である。
それらはまた、実用品又は消費財を、それらが実用品又は消費財の中に導入される及び/又はそれらが実用品又は消費財に適用され、付与されることにより、結果として快適なムスク様香気に香りづけするのに適切である。実用品又は消費財の例は、消臭剤(エアケア)、織物用洗浄剤組成物又はケア剤組成物(特に、洗剤、柔軟剤)、織物処理剤組成物、例えばアイロンがけ助剤、精練剤組成物、洗浄剤組成物、処理表面、例えば家具、床、台所器具、ガラス板及び窓、更には画面のためのケア剤組成物、漂白剤、トイレ用固形剤、水垢除去剤組成物、肥料、建築材料、カビ除去剤、殺菌剤、自動車及び乗り物ケア製品並びにその他多くのものが挙げられる。
本発明による方法により得ることができるメタセシス生成物又はそこからの画分もしくは実質的に純粋な化合物はまた、価値のある中間体として役立ち得る。それらは、さらなる工程、例えば水素添加、バイヤー・ビリガー酸化によって、大環状ラクトン、多様な特殊化学品の合成ビルディングブロック及び香料などを得るために適切である。
以下に示す実施例は、本発明をなんら限定することなく、本発明を説明するためのものである。
GC分析
装置:HP5890シリーズII
カラム:HP5 15m×0.32μm
検出器:FID検出器
注入:0.5μl
温度プログラム:
60℃で5分等温、
10℃/分で300℃に加熱、
15分等温、
10℃/分で320℃に加熱、
18分等温
実施例1
式(F)のRu触媒(4.7mg、4.9μmol、0.1mol%)をトルエン(100ml)中のシクロドデカ-4,8-ジエノン(0.87g、4.9mmol、1当量)の溶液に加え、混合物を60℃とした。
Figure 0006290195
68時間後、ジエノンの変換は44%であった。化合物I、II、III及びIVの測定は、上記のガスクロマトグラフィーにより実施した。選択率を表1に示す。
Figure 0006290195
Figure 0006290195
実施例2
式AのRu触媒(23.3mg、24.5μmol、0.1mol%)をトルエン(95ml)中のシクロドデカ-4,8-ジエノン(4.35g、24.4mmol、1当量)の溶液に加え、混合物を60℃とした。68時間後、ジエノンの変換は93%であった。以下の選択率が観測された。
Figure 0006290195
注:質量選択率は、反応液排出物に存在する生成物Xの質量を使用された出発原料の質量により割った値の、%で表される比率として定義される。
以下は、本発明の実施形態の一つである。
(1)少なくとも8の炭素原子及び少なくとも1のケト基を有する少なくとも1の環状化合物の製造方法であって、
a)シクロドデカ-4,8-ジエノンを含む出発原料を供給し、
b)出発原料を遷移金属触媒の存在下、オレフィンメタセシス反応させる、
前記方法。
(2)c)ステップb)において得られるメタセシス反応の反応混合物が分離される、(1)に記載の方法。
(3)1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物が、ステップa)においてシクロドデカ-4,8-ジエノンを含む出発原料を供給するために使用される、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物が、好適には一酸化二窒素により酸化される、(3)に記載の方法。
(5)ステップb)におけるメタセシス反応が、0〜200℃、好適には10〜150℃、特には20〜100℃の範囲の温度で実施される、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)ステップb)におけるメタセシス反応が、反応条件下で不活性である溶媒の存在下で実施される、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)ステップb)におけるメタセシス反応が、シクロドデカ-4,8-ジエノンとは異なる、少なくとも1のC-C二重結合を有する少なくとも1の環状化合物の存在下で実施される、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)ステップb)におけるメタセシス反応が、少なくとも1の環状オリゴブタジエンの存在下で実施される、(7)に記載の方法。
(9)ステップb)におけるメタセシス反応において、シクロドデカ-4,8-ジエノン及び、存在するのであれば、それとは異なる少なくとも1のC-C二重結合を有する環状化合物が、0.01〜1mol/lの範囲の総濃度で、好適には0.01〜0.5mol/lの範囲の総濃度で使用される、(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)ステップb)において使用されるメタセシス触媒が、少なくとも1の、元素の周期律表の6、7又は8族の遷移金属、好適にはMo、W、Re又はRuを含む、(1)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)ステップb)において、少なくとも1のルテニウムアルキリデン錯体、好適には少なくとも1のN-ヘテロ環状カルベンを配位子としてさらに有するルテニウムアルキリデン錯体を含む均一系触媒が使用される、(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12)ステップb)において、無機支持材料上の、好適にはWO 3 、Re 2 O 7 及びCH 3 ReO 3 から選択されるタングステン又はレニウムの化合物を含む不均一系触媒が使用される、(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(13)遷移金属触媒及び溶媒のないメタセシス反応の反応混合物が、少なくとも50重量%の1又は2のケト基を有する環状化合物を含む、(1)〜(12)のいずれかに記載の方法。
(14)メタセシス反応の反応混合物が、少なくとも16の炭素原子を有する少なくとも1の環状化合物を含む、(1)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15)メタセシス反応の反応混合物が、12又は16又は20又は24の炭素原子を有する化合物から選択される少なくとも1の環状化合物を含む、(1)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16)ステップc)におけるメタセシス反応の反応混合物が分離され、化合物I〜IV
Figure 0006290195
の少なくとも1が濃縮された少なくとも1の画分及び化合物I〜IVの少なくとも1が少ない少なくとも1の画分が得られる、(1)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(17)化合物I〜IVの少なくとも1が少ない画分が、ステップb)におけるメタセシス反応に戻される、(16)に記載の方法。
(18)ステップb)又はステップc)からの生成物が、少なくとも1のさらなる反応をうける、(1)〜(17)のいずれかに記載の方法。
(19)(1)〜(18)のいずれかに記載の方法により得ることができる少なくとも8の炭素原子及び少なくとも1のケト基を有する少なくとも1の環状化合物を含む組成物。
(20)(1)〜(18)のいずれかに記載の方法により得ることができる少なくとも1の環状化合物の香料として又は香気を提供するための使用。
(21)感覚器官的に有効量の(1)〜(18)のいずれかに記載の方法により得ることができる少なくとも8の炭素原子及び少なくとも1のケト基を有する少なくとも1の環状化合物を香料として含む、化粧品組成物、消費財又は実用品。

Claims (15)

  1. 式(I)〜(IV)の少なくとも1の環状化合物の製造方法であって、
    a) シクロドデカ-4,8-ジエノンを含む出発原料を供給し、
    b) 出発原料を遷移金属触媒の存在下、オレフィンメタセシス反応させ、
    c) ステップb)において得られるメタセシス反応の反応混合物が分離され、式(I)〜(IV)の化合物
    Figure 0006290195
    の少なくとも1が濃縮された少なくとも1の画分及び式(I)〜(IV)の化合物の少なくとも1が少ない少なくとも1の画分が得られる、
    前記方法。
  2. 1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物が、ステップa)においてシクロドデカ-4,8-ジエノンを含む出発原料を供給するために使用される、請求項1に記載の方法。
  3. 1,5,9-シクロドデカトリエンを含む組成物が酸化される、請求項2に記載の方法。
  4. ステップb)におけるメタセシス反応が、0〜200℃の範囲の温度で実施される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップb)におけるメタセシス反応が、反応条件下で不活性である溶媒の存在下で実施される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップb)におけるメタセシス反応が、シクロドデカ-4,8-ジエノンとは異なる、少なくとも1のC-C二重結合を有する少なくとも1の環状化合物の存在下で実施される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップb)におけるメタセシス反応が、少なくとも1の環状オリゴブタジエンの存在下で実施される、請求項6に記載の方法。
  8. ステップb)におけるメタセシス反応において、シクロドデカ-4,8-ジエノン及び、存在するのであれば、それとは異なる少なくとも1のC-C二重結合を有する環状化合物が、0.01〜1mol/lの範囲の総濃度で使用される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ステップb)において使用されるメタセシス触媒が、少なくとも1の、元素の周期律表の6、7又は8族の遷移金属を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. ステップb)において、少なくとも1のルテニウムアルキリデン錯体を含む均一系触媒が使用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ステップb)において、少なくとも1のN-ヘテロ環状カルベンを配位子としてさらに有するルテニウムアルキリデン錯体を含む均一系触媒が使用される、請求項10に記載の方法。
  12. ステップb)において、無機支持材料上のタングステン又はレニウムの化合物を含む不均一系触媒が使用される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. タングステン又はレニウムの化合物がWO3、Re2O7及びCH3ReO3から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 式(I)〜(IV)の化合物の少なくとも1が少ない画分が、ステップb)におけるメタセシス反応に戻される、請求項1に記載の方法。
  15. ステップb)又はステップc)からの生成物が、少なくとも1のさらなる反応をうける、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
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