本発明は、光学レンズにおける迷光を減少させるとともに、組立のプロセスの自由度を向上させることができる光学レンズを提供することを目的とする。
上記技術的問題を解決するために、本発明の実施形態は、光学レンズを提供し、当該光学レンズは、鏡筒、前記鏡筒内に収容されたレンズアセンブリ及び金属遮光素子を備え、前記鏡筒には、第1筒壁と、前記第1筒壁から折り曲げて延伸する第2筒壁とが設けられ、前記第1筒壁には第1通光孔が開設されており、前記鏡筒には、コロイド収容溝が設けられ、前記コロイド収容溝には金属遮光素子を吸着するための磁気コロイドが注入されている。
本発明の実施形態は、従来技術に対して、従来の光学レンズに、金属遮光素子を増設し、コロイド収容溝を設置し、また、当該コロイド収容溝に磁気コロイドを注入することにより、磁力を利用して、金属遮光素子を取り付けて固定することができる。このような取付が脱着可能なものであり、これにより、各部品を段階付けて組み立てることを実現し、組立のプロセスの自由度を向上させる。また、一般的には、つや消し処理が行われた周辺と光学結像部との間には段差が形成されており、この段差が迷光を引き起こしてしまい、視界辺縁が急に明るくなるが、金属遮光素子が吸着されている箇所にはつや消し処理が行われなくてもよく、これにより、光学レンズの結像效果を向上させる。
また、前記レンズアセンブリは、第1レンズを備え、前記金属遮光素子は、前記第1筒壁と前記第1レンズとの間に介設されている。
さらに、前記第1筒壁には、前記第1レンズに対向する下表面が設けられ、前記コロイド収容溝が前記第1筒壁の下表面に開設されている。このような構造は、金属遮光素子を通光孔が位置する箇所に設置することにより、通光孔の補助として、通光孔の真円度が足りないことで迷光が発生する現象を避けることができる。
さらに、前記下表面は、前記第2筒壁に接続された接続面、及び前記接続面から前記レンズアセンブリに離れる方向へ折り曲げて延伸する延伸面を備え、前記コロイド収容溝は、前記第1筒壁の延伸面に開設されている。
さらに、前記金属遮光素子は、第2通光孔が設けられた第1金属遮光シートを備え、前記第1金属遮光シートは、前記第1筒壁の接続面に当接する第1本体部と、前記第1本体部から前記レンズアセンブリに離れる方向へ折り曲げて延伸する第1凸起部とを備え、前記第1凸起部は前記磁気コロイドに接続されている。
さらに、前記金属遮光素子は、少なくとも1つの、第3通光孔が設けられた第2金属遮光シートを備え、前記第2金属遮光シートは、前記第1金属遮光シートと第1レンズとの間に設けられ、且つ前記第1レンズに当接する第2本体部と、前記第2本体部から前記レンズアセンブリに離れる方向へ折り曲げて延伸する第2凸起部とを備え、前記第1凸起部には、いくつかの第1切欠きが設けられ、前記第2凸起部には、いくつかの第2切欠きが設けられ、前記第1切欠きの、レンズアセンブリの光軸方向における投影は、第2金属遮光シートに位置し、前記第2切欠きの、レンズアセンブリの光軸方向における投影は、前記第1金属遮光シートに位置している。金属が変形能力を有するため、切欠きにより、金属遮光シートを一定の程度で折り曲げることができ、これにより、金属遮光シートが表面に凸起を有するレンズに被覆することができ、また、2つの遮光シートを一定の角度でずれるように組み立てることにより、レンズの非球面以外の部分を全て遮蔽することができる。
さらに、前記第1切欠きは前記第2通光孔と連通しており、前記第2切欠きは前記第3通光孔と連通しており、これにより、成形しやすくなる。
別の代替案において、前記コロイド収容溝は、前記第2筒壁の内表面に開設されている。これにより、金属遮光素子は、鏡筒内における任意の位置に固定することができ、レンズアセンブリにおけるいずれか一つのレンズに対して遮光し、光学レンズの結像效果を向上させることができる。
さらに、前記内表面には段差部が設けられ、前記段差部は、第1段差環面、第2段差環面、及び垂直面を備え、前記垂直面は、前記第1段差環面及び前記第2段差環面にそれぞれ接続されており、前記第1段差環面の中心軸は前記第2段差環面の中心軸と重ね合わせており、且つ前記第1段差環面の直径は前記第2段差環面の直径よりも小さい。前記垂直面は前記第1段差環面及び前記第2段差環面の中心軸に垂直している。前記コロイド収容溝は前記垂直面に開設されている。当該段差部は、金属遮光素子に対して位置制限効果を発揮し、これにより、金属遮光素子の接続をより強固にする。
さらに、前記レンズアセンブリは、物体側から像側へ順に、第1レンズアセンブリと第2レンズアセンブリとを備え、前記段差部は、前記第1レンズアセンブリと第2レンズアセンブリとの間に位置している。
本発明の目的、技術案及びメリットをより明瞭させるために、以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態を詳しく説明する。しかしながら、当業者は、本発明の各実施形態において、読者が本発明をよく理解するために、多くの技術の詳細を提出する。但し、技術の詳細および以下の各実施形態に基づく各種変化及び修正が存在しなくとも、本発明の保護を求めようとする技術案を実現することもできる、と理解することができる。
本発明の第1実施形態は、光学レンズに関し、図1に示すように、鏡筒1、鏡筒1に収容されたレンズアセンブリ2及び金属遮光素子3を備え、鏡筒1には、第1筒壁11と、第1筒壁11から折り曲げて延伸する第2筒壁12とが設けられ、第1筒壁11には第1通光孔111が開設されている光学レンズであって、鏡筒1には、コロイド収容溝13が設けられ、コロイド収容溝13には金属遮光素子3を吸着するための磁気コロイドが注入されている。ここで、鏡筒1が、円管状を呈しており、その内にはコロイド収容溝13を有し、コロイド収容溝13には磁気コロイドが注入されている。磁気コロイドが従来技術におけるいずれかの一種の磁気コロイドであっでもよい。レンズアセンブリ2は、鏡筒1内に設けられており、複数のレンズが互いに重なることにより構成され、その下方には支持力を提供するロック部材4を有し、これにより、レンズアセンブリ2の脱落を防止する。金属遮光素子3は、直径が鏡筒1の内径にマッチングし、鏡筒1の内径よりもやや小さくてもよい。金属遮光素子3が鏡筒1内に嵌設され、磁力によって磁気コロイドに吸着されており、コロイド収容溝13の開口する箇所に吸着されていると理解してもよい。当該金属遮光素子3と1つのレンズとが互いに当接している。
上記説明にわかるように、従来の光学レンズに、金属遮光素子3を増設し、コロイド収容溝13を設置し、且つ当該コロイド収容溝13に磁気コロイドに注入することにより、磁力を利用して、金属遮光素子3を取り付けて固定することができる。このような取付が脱着可能なものであり、これにより、各部品を段階付けて組み立てることを実現し、組立のプロセスの自由度を向上させる。一般的には、つや消し処理が行われた周辺と光学結像部との間には段差が形成されており、この段差が迷光を引き起こしてしまい、視界辺縁が急に明るくなるが、金属遮光素子3が吸着されている箇所にはつや消し処理が行われなくてもよく、これにより、光学レンズの結像效果を向上させる。
具体的には、本実施形態におけるレンズアセンブリ2は、第1レンズ21を備え、金属遮光素子3が第1筒壁11と第1レンズ21との間に介設されている。第1筒壁11と第1レンズ21により、金属遮光素子3に対して支持力を与え、構成が安定である。
本実施形態において、第1筒壁11には、第1レンズ21に対向する下表面が設けられ、コロイド収容溝13が第1筒壁11の下表面に開設されている。このような構造は、金属遮光素子3を通光孔が位置する箇所に設置することにより、通光孔の補助として、通光孔の真円度が足りないことで迷光が発生する現象を避けることができる。
なお、本実施形態において、コロイド収容溝13の、鏡筒1における投影は、閉じたリング状を呈しており、且つコロイド収容溝13の中心軸と鏡筒1の中心軸とが重ね合わせている。これにより、磁気コロイドが金属遮光素子3と接触する面積を増加させ、磁力を増大し、金属遮光素子3の接続をより安定にする。また、コロイド収容溝13の、鏡筒1における投影が、その他の形状、例えば、弧状などを呈しても、近似する効果を奏することもできる、と理解すべきである。
なお、本実施形態における下表面が、第2筒壁12に接続された接続面112、及び接続面112からレンズアセンブリ2に離れる方向へ折り曲げて延伸する延伸面113を備え、コロイド収容溝13が、第1筒壁11の延伸面113に開設されており、図面においいて、延伸面113が上方へやや跳ね上がっており、レンズアセンブリ2と部分的に隙間が形成されている。金属素子が吸着された後に、変形し、延伸面113に貼り合せている。本実施形態において、金属遮光素子3が、第2通光孔311が設けられた第1金属遮光シート31を備え、第1金属遮光シート31が、プレス成形されたシートであり、第1金属遮光シート31が、第1筒壁11の接続面112に当接する第1本体部312と、第1本体部312からレンズアセンブリ2に離れる方向へ折り曲げて延伸する第1凸起部313とを備え、第1凸起部313が磁気コロイドに接続されている。
また、金属遮光素子3は、少なくとも1つの、第3通光孔が設けられた第2金属遮光シート32をさらに備え、第2金属遮光シート32が第1金属遮光シート31と基本的に同じであるため、第1金属遮光シートについての説明を参照してもよい。第2金属遮光シート32が、第1金属遮光シート31と第1レンズ21との間に設けられ、且つ第1レンズ21に当接する第2本体部と、第2本体部からレンズアセンブリ2に離れる方向へ折り曲げて延伸する第2凸起部とを備え、第1凸起部313には、いくつかの第1切欠き314が設けられ、第2凸起部には、いくつかの第2切欠きが設けられ、第1切欠きの、レンズアセンブリの光軸方向における投影が第2金属遮光シート32に位置し、第2切欠きの、レンズアセンブリの光軸方向における投影が第1金属遮光シート31に位置している。金属が変形能力を有するため、切欠きにより、金属遮光シートを一定の程度で折り曲げることができ、これにより、金属遮光シートが表面に凸起(図4においてAで示す箇所)を有するレンズに被覆することができ、また、2つの遮光シートを一定の角度でずれるように組み立てることにより、レンズの非球面以外の部分を全て遮蔽することができる。図に示すように、第1切欠き314が第2通光孔311と連通しており、第2切欠きが第3通光孔と連通しており、これにより、成形しやすくなる。
本発明に係る第2実施形態は、光学レンズに関する。第2実施形態は、第1実施形態と略同じであり、その主な相違点は、以下の通りである。第1実施形態において、コロイド収容溝が第1筒壁の下表面に開設されている。これに対して、第2実施形態において、コロイド収容溝13’が、第2筒壁12’の内表面に開設されている。これにより、金属遮光素子3’を鏡筒1’内における任意の位置に固定することができ、レンズアセンブリ2’におけるいずれか一つのレンズに対して遮光し、光学レンズの結像効果を向上させる。
なお、本実施形態において、第2筒壁12’の内表面には段差部121’が設けられ、段差部121’が、第1段差環面1211’、第2段差環面1212’、及び垂直面1213’を備え、垂直面1213’が、第1段差環面1211’及び第2段差環面1212’にそれぞれ接続されており、第1段差環面1211’の中心軸が第2段差環面1212’の中心軸と重ね合わせており、且つ第1段差環面1211’の直径が第2段差環面1212’の直径よりも小さい。垂直面が第1段差環面1211’及び第2段差環面1212’の中心軸に垂直しており、コロイド収容溝13’が垂直面1213’に開設されている。当該段差部121’が、金属遮光素子3に対して位置制限効果を発揮し、これにより、金属遮光素子3’の接続をより強固にする。レンズアセンブリ2が、物体側から像側へ順に第1レンズアセンブリ21’と第2レンズアセンブリ22’とを備え、段差部が第1レンズアセンブリ21’と第2レンズアセンブリ22’との間に位置しており、これにより、第1レンズアセンブリ21’が第2レンズアセンブリ22’と隔離されるようにし、結像効果を向上させる。
当業者にとっては、上記各実施形態が本発明を実現するための具体的な実施例であり、実際の応用において、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、形式及び細部に対して各種の改変を行うことができる。