JP6288028B2 - 遠心振子ダンパ付き変速機 - Google Patents
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Description
本発明は、車両等の変速機に関し、特に、遠心振子ダンパを有する変速機に関する。
車両等を駆動するエンジンにおいて、燃費性能の向上のために、高負荷時は全筒運転を行い、低負荷時は一部気筒を休止させる減筒運転を行うように制御する多気筒エンジンが実用化されている。
しかし、一般に、気筒数が少ないほど間欠爆発に起因してトルク変動が増大し、複数の気筒の点火間隔が不均一になるとトルク変動が増大するので、減筒運転時は全筒運転時に比べてトルク変動が増加する傾向があり、この傾向はエンジンが低回転であるほど顕著になる。
また、燃費性能の更なる向上のために、予混合圧縮着火(以下、「HCCI」(Homogeneous-Charge Compression Ignition)という。)燃焼を適用したエンジンの実用化が試みられているが、全運転領域でHCCI燃焼を行うのは現時点では困難であるため、例えば、低回転低負荷域ではHCCI燃焼モードとし、高回転域や高負荷域では火花点火(以下、「SI」(Spark Ignition)という。)燃焼モードとするように、運転領域に応じて燃焼モードを切り換えることが考えられている。
しかし、一般に、多点での自己着火によるバルク燃焼であるHCCI燃焼は、火花点火による火炎伝播燃焼であるSI燃焼よりもトルク変動が大きくなる傾向にある。そのため、このようなエンジンの場合、HCCI燃焼モードで運転される低回転域では、大きなトルク変動が発生するおそれがある。
また、近年、エンジンの燃費性能の向上のために、自動変速機のトルコンレス化によってエンジンの伝達効率を向上させた車両が知られている。自動変速機のトルコンレス化に際しては、トルクコンバータの代わりに、例えば、ねじりダンパを採用することが検討されており、この場合、ねじりダンパを動力伝達経路上に設けることで、トルク変動はある程度吸収される。しかしながら、一般にねじりダンパのみでは、予め設定された主要な周波数成分のトルク変動しか吸収できず、流体を介してトルクを伝達するトルクコンバータのように、トルク変動の周波数成分が複数あったり変動したりする場合、予め設定された周波数成分以外のトルク変動を吸収することが難しい。
上述のようなエンジンの減筒運転、HCCI燃焼又は自動変速機のトルコンレス化の技術を適用した車両は、特に低回転域でトルク変動によって発生したねじり振動が動力伝達系の共振によって増幅されて車両各部に振動と騒音を発生させるという課題があった。
これに対して、遠心振子ダンパを動力伝達軸に設けることが知られている。この遠心振子ダンパは、動力伝達軸と共に回転する支持部材と、該支持部材にその軸心から所定半径の円周上の点を中心として揺動可能に支持された質量体である振子と、を備える。トルク変動によって振子が揺動すれば、振子に作用する遠心力を受ける支持部材に周方向の分力が発生し、この分力が支持部材乃至動力伝達軸のトルク変動を抑制する反トルクとして働く。
特許文献1には、ねじりダンパと共に遠心振子ダンパが収容されたトルクコンバータであって、トルクコンバータ内で遠心振子ダンパにねじりダンパが隣接配置されているものが開示されている。
ところが、特許文献1のようなねじりダンパと遠心振子ダンパが収容されたトルクコンバータを適用した自動変速機において、トルクコンバータを廃止したとしても、遠心振子ダンパには振子がスムーズに揺動できるように潤滑油を供給する必要がある。しかし、遠心振子ダンパに隣接配置されるねじりダンパを収容する比較的大型のケース内に潤滑油を供給する必要があるので、オイルポンプが大型化するおそれがある。
本発明は、遠心振子ダンパ付き変速機に関する上述のような実情に鑑みてなされたもので、オイルポンプを大型化せずに遠心振子ダンパに潤滑油を供給することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る遠心振子ダンパ付き変速機は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
動力伝達経路上に遠心振子ダンパを備え、該遠心振子ダンパへ潤滑油が供給される遠心振子ダンパ付き変速機であって、
変速機ケースにおける軸方向一方側に設けられた閉塞部を備え、
前記遠心振子ダンパは、前記閉塞部の前記変速機ケース内側に配設されている
ことを特徴とする。
動力伝達経路上に遠心振子ダンパを備え、該遠心振子ダンパへ潤滑油が供給される遠心振子ダンパ付き変速機であって、
変速機ケースにおける軸方向一方側に設けられた閉塞部を備え、
前記遠心振子ダンパは、前記閉塞部の前記変速機ケース内側に配設されている
ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記閉塞部の軸方向他方側には、変速機構が収容された変速機構収容部の軸方向一方側の開口を閉塞するための別の閉塞部を備え、
前記遠心振子ダンパは、前記別の閉塞部と前記閉塞部との間に設けられた遠心振子ダンパ収容部内に配設されている
ことを特徴とする。
前記閉塞部の軸方向他方側には、変速機構が収容された変速機構収容部の軸方向一方側の開口を閉塞するための別の閉塞部を備え、
前記遠心振子ダンパは、前記別の閉塞部と前記閉塞部との間に設けられた遠心振子ダンパ収容部内に配設されている
ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記遠心振子ダンパは、増速機構を介して動力伝達軸に連絡され、
前記増速機構は、前記遠心振子ダンパ収容部内に配設されている
ことを特徴とする。
前記遠心振子ダンパは、増速機構を介して動力伝達軸に連絡され、
前記増速機構は、前記遠心振子ダンパ収容部内に配設されている
ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項2又は3に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記遠心振子ダンパは、断接機構を介して動力伝達軸に連絡され、
前記断接機構は、前記遠心振子ダンパ収容部内に配設されている
ことを特徴とする。
前記遠心振子ダンパは、断接機構を介して動力伝達軸に連絡され、
前記断接機構は、前記遠心振子ダンパ収容部内に配設されている
ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から4のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記閉塞部は、前記変速機ケースの軸方向一方側の開口を閉塞するカバー部材である
ことを特徴とする。
前記閉塞部は、前記変速機ケースの軸方向一方側の開口を閉塞するカバー部材である
ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記遠心振子ダンパは、増速機構を介して動力伝達軸に連絡され、
前記増速機構は、前記遠心振子ダンパ収容部内に配設されており、
前記遠心振子ダンパ収容部内において、軸方向で前記カバー部材側に前記増速機構が配設される一方、前記別の閉塞部側に前記断接機構が配設され、
前記別の閉塞部に前記断接機構への供給油路が設けられている
ことを特徴とする。
前記遠心振子ダンパは、増速機構を介して動力伝達軸に連絡され、
前記増速機構は、前記遠心振子ダンパ収容部内に配設されており、
前記遠心振子ダンパ収容部内において、軸方向で前記カバー部材側に前記増速機構が配設される一方、前記別の閉塞部側に前記断接機構が配設され、
前記別の閉塞部に前記断接機構への供給油路が設けられている
ことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項5又は6に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記カバー部材を前記変速機ケースに固定するための固定部材を有し、
前記遠心振子ダンパは、前記固定部材の内周側かつ軸方向にオーバーラップした位置に配設されている
ことを特徴とする。
前記カバー部材を前記変速機ケースに固定するための固定部材を有し、
前記遠心振子ダンパは、前記固定部材の内周側かつ軸方向にオーバーラップした位置に配設されている
ことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項5から7のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記カバー部材の内周側に配設された第1軸受部材を介して、前記遠心振子ダンパは、軸方向移動が規制される
ことを特徴とする。
前記カバー部材の内周側に配設された第1軸受部材を介して、前記遠心振子ダンパは、軸方向移動が規制される
ことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記請求項5から8のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記カバー部材の内周側に配設された第2軸受部材を介して、前記遠心振子ダンパは径方向移動が規制される
ことを特徴とする。
前記カバー部材の内周側に配設された第2軸受部材を介して、前記遠心振子ダンパは径方向移動が規制される
ことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、前記請求項8又は9に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記カバー部材の内周端に設けられたシール部材と、前記第1軸受部材又は前記第2軸受部材とが軸方向にオーバーラップするように配設されている
ことを特徴とする。
前記カバー部材の内周端に設けられたシール部材と、前記第1軸受部材又は前記第2軸受部材とが軸方向にオーバーラップするように配設されている
ことを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、前記請求項1から10のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付き変速機において、
前記動力伝達経路上には、ねじりダンパが設けられ、
該ねじりダンパは、前記閉塞部の前記変速機ケース外側に配設されている
ことを特徴とする。
前記動力伝達経路上には、ねじりダンパが設けられ、
該ねじりダンパは、前記閉塞部の前記変速機ケース外側に配設されている
ことを特徴とする。
前記の構成により、請求項1に記載の発明によれば、変速機ケースにおける軸方向一方側に設けられた閉塞部を備え、遠心振子ダンパは、閉塞部の変速機ケース内側に配設されているので、変速機の潤滑油を共有することができ、オイルポンプを大型化せずに遠心振子ダンパに潤滑油を供給できる。
また、請求項2に記載の発明によれば、閉塞部の軸方向他方側には、変速機構が収容された変速機構収容部の軸方向一方側の開口を閉塞するための別の閉塞部を備え、遠心振子ダンパは、別の閉塞部と閉塞部との間に設けられた収容部内に配設されているので、変速機構と隔離された収容部内に遠心振子ダンパを配設したため、遠心振子ダンパの潤滑要求に合わせた潤滑油の供給を行うことができる。また、増速機構へ潤滑油を供給することによる変速機構への影響を抑制することができる。更に、遠心振子ダンパの取り外しが容易である。
また、請求項3に記載の発明によれば、遠心振子ダンパは、増速機構を介して動力伝達軸に連絡され、増速機構は、遠心振子ダンパが配設される収容部内に配設されているので、増速機構へ潤滑油を供給することによる変速機構への影響を抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、遠心振子ダンパは、断接機構を介して動力伝達軸に連絡され、断接機構は、遠心振子ダンパが配設される収容部内に配設されているので、断接機構へ潤滑油を供給することによる変速機構への影響を抑制することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、閉塞部は、変速機ケースの軸方向一方側の開口を閉塞するカバー部材であるので、変速機ケースの壁とカバー部材とを利用して、遠心振子ダンパの収容部を形成することができる。また、変速機の組立性が向上する。
また、請求項6に記載の発明によれば、遠心振子ダンパは、増速機構を介して動力伝達軸に連絡され、増速機構は、遠心振子ダンパが配設される収容部内に配設されており、収容部内において、軸方向でカバー部材側に増速機構が配設される一方、別の閉塞部側に断接機構が配設され、更に、別の閉塞部に断接機構への供給油路が設けられているので、別の閉塞部側に断接機構を配設したことにより、カバー部材に断接機構への供給油路を形成する必要がなく、カバー部材を薄肉化することができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、カバー部材を変速機ケースに固定するための固定部材を有し、遠心振子ダンパは、固定部材の内周側かつ軸方向にオーバーラップした位置に配設されているので、軸方向寸法の短縮化が可能となる。
また、請求項8に記載の発明によれば、カバー部材の内周側に配設された第1軸受部材を介して、遠心振子ダンパは、軸方向移動が規制されるので、第1軸受部材を介してカバー部材により遠心振子ダンパの軸方向の移動を規制することができる。
また、請求項9に記載の発明によれば、カバー部材の内周側に配設された第2軸受部材を介して、遠心振子ダンパは径方向移動が規制されるので、第2軸受部材を介してカバー部材により遠心振子ダンパの径方向の移動を規制することができる。
また、請求項10に記載の発明によれば、カバー部材の内周端に設けられたシール部材と、第1軸受部材又は第2軸受部材とが軸方向にオーバーラップするように配設されているので、軸方向寸法の短縮化が可能となる。
また、請求項11に記載の発明によれば、動力伝達経路上には、ねじりダンパが設けられ、該ねじりダンパは、閉塞部の変速機ケース外側に配設されているので、ねじりダンパを変速機ケース外の潤滑油を供給不要な場所に配設することで、不要なオイルポンプの駆動ロスが増大するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る遠心振子ダンパ付き変速機を備えた車両駆動系の振動モデルを示す図である。図1に示すように、駆動源であるエンジン1には、図示しない駆動輪への回転を変速する変速機構2を含む遠心振子ダンパ付き変速機10(以下、単に「変速機10」という。)が連結されている。
変速機10は、エンジン1の出力部材としてのエンジン側動力伝達部材3と、変速機構2のエンジン1側に配設された入力部材としての変速機側動力伝達部材9と、の間を連絡するねじりダンパ機構を備える。該ねじりダンパ機構は、エンジン側動力伝達部材3と変速機側動力伝達部材9の間に並列に連結された第1ばね部材5及び第2ばね部材7を備える。これにより、エンジン側動力伝達部材3の回転がばね部材5、7を介して変速機側動力伝達部材9側に伝達されるようになっている。なお、本実施形態の「変速機側動力伝達部材9」は、請求項1における「動力伝達軸」に相当する。
また、変速機10は、変速機側動力伝達部材9に連絡された遠心振子ダンパ機構11を備える。遠心振子ダンパ機構11は、変速機側動力伝達部材9の回転を増速する増速機構である遊星歯車セット12と、該遊星歯車セット12を介して変速機側動力伝達部材9に連絡された遠心振子ダンパ13と、変速機側動力伝達部材9から遠心振子ダンパ13への動力伝達を断接可能な断接機構であるクラッチ機構14と、を備える。
本実施形態において、遊星歯車セット12は、シングルピニオンタイプであり、回転要素として、サンギヤ21と、リングギヤ23と、サンギヤ21及びリングギヤ23に噛み合うピニオン22を支持するピニオンキャリヤ24(以下、単に「キャリヤ24」と略記する。)と、を有する。
そして、この遊星歯車セット12のキャリヤ24には変速機側動力伝達部材9がクラッチ機構14を介して連絡されると共に、サンギヤ21には遠心振子ダンパ13が連絡されており、また、リングギヤ23には第1ケース部材2aが連結されることでその回転が制止されている。
また、クラッチ機構14における遠心振子ダンパ13側の回転要素である遊星歯車セット12のサンギヤ21の回転数を検出する回転数センサ15を備える。
次に、図2を参照しながら、遊星歯車セット12による増速について説明する。
図2は、図1に示した変速機10の増速機構である遊星歯車セット12の速度線図である。なお、図2において、サンギヤ21、キャリヤ24及びリングギヤ23をそれぞれ「S」、「C」及び「R」と略記する。図2に示すように、リングギヤ23が固定されているため、キャリヤ24に入力軸9から入力された回転は、サンギヤ21とキャリヤ24の歯数比Zs:Zcに基づいて変速されてサンギヤ21から出力される。このとき、サンギヤ21はキャリヤ24と同じ回転方向に回転(正回転)するため、キャリヤ24の入力回転数Ninとサンギヤ21の出力回転数Noutは、Nout=Nin×(Zs+Zc)/Zsの関係が成立する。そのため、当然に、出力回転数Nout>入力回転数Ninとなり、入力軸9から入力された回転は遊星歯車セット12によって増速されて遠心振子ダンパ13に伝達される。
次に、図3を参照しながら、本発明の変速機をトルコンレスの自動変速機に適用した具体例について詳細に説明する。
図3は、図1に示した変速機10の有利な実施形態を示す縦断面図である。図3に示すように、変速機10は、変速機構2を内部に収容する第1ケース部材2aに結合された第2ケース部材2bの内部に収容されており、これら第1ケース部材2a及び第2ケース部材2bの中身を含めて自動変速機が構成され、エンジン1に結合されている。第2ケース部材2bは、軸方向のエンジン1側に開口部を有し、該開口部はカバー部材2cによって閉塞されている。カバー部材2cは、締結ボルト2dによって第1ケース部材2aに固定されている。
第2ケース部材2bの内部空間は、カバー部材2cによってエンジン1側の空間Aと変速機構2側の空間Bに分けられている。第1ケース部材2aは、変速機構2が収容された空間Cのエンジン1側を空間Bに対して閉塞する縦壁部2a1を備えている。変速機構2の入力軸9(図1の「変速機側動力伝達部材9」に対応)は、カバー部材2cを貫通して空間A内にその先端部が突出するように設けられている。
(ねじりダンパ機構)
エンジン1側の空間Aには、ねじりダンパ機構として、入力プレート4、第1コイルばね5(図1の「第1ばね部材5」に対応)、保持プレート6、第2コイルばね7(図1の「第2ばね部材7」に対応)及び出力プレート8が配設されている。
エンジン1側の空間Aには、ねじりダンパ機構として、入力プレート4、第1コイルばね5(図1の「第1ばね部材5」に対応)、保持プレート6、第2コイルばね7(図1の「第2ばね部材7」に対応)及び出力プレート8が配設されている。
エンジン1の出力軸3(図1の「エンジン側動力伝達部材3」に対応)は、ドライブプレートを介して円板状の入力プレート4に固定され、出力軸3の回転に伴って入力プレート4が同心上を回転するように構成されている。入力プレート4には、保持プレート6が溶接等により固定されており、保持プレート6は、周方向に配置された複数の第1コイルばね5と、第1コイルばね5の内周側で周方向に配置された複数の第2コイルばね7と、を保持している。これらのコイルばね5、7は、動力伝達経路上で並列に配置されるように、保持プレート6の外周部が第1コイルばね5の一端に係合すると共に、保持プレート6の内周部が第2コイルばね7の一端に係合している。出力プレート8は、その外周部が第1コイルばね5及び第2コイルばね7の他端に係合すると共に、その内周部が変速機構2の入力軸9にスプライン嵌合している。これにより、エンジン1の出力軸3の回転は、コイルばね5、7を介して変速機構2の入力軸9側に伝達される。
また、第2ケース部材2b内の変速機構2側の空間Bには、遊星歯車セット12、遠心振子ダンパ13、クラッチ機構14及び回転数センサ15が入力軸9の軸心上に配設されている。空間Bのエンジン1側には、内周側に遊星歯車セット12が、その外周側に遠心振子ダンパ13がそれぞれ配置されている。遊星歯車セット12の変速機構2側には、クラッチ機構14が設けられている。遠心振子ダンパ13は、締結ボルト2dの内周側かつ軸方向にオーバーラップした位置に配設されている。更に、第1ケース部材2aの縦壁部2a1には、空間Bに収容された遊星歯車セット12、遠心振子ダンパ13及びクラッチ機構14へ図示しないオイルポンプから潤滑油を供給するための油路2a2が設けられている。以下で、これら遊星歯車セット12、遠心振子ダンパ13、クラッチ機構14及び回転数センサ15について詳細に説明する。
(増速機構)
遊星歯車セット12は、前述のように、キャリヤ24に支持されたピニオン22がサンギヤ21とリングギヤ23とに直接噛み合ったシングルピニオン型遊星歯車セットで構成されている。
遊星歯車セット12は、前述のように、キャリヤ24に支持されたピニオン22がサンギヤ21とリングギヤ23とに直接噛み合ったシングルピニオン型遊星歯車セットで構成されている。
遊星歯車セット12は、入力軸9と遠心振子ダンパ13との径方向間に配設されている。遊星歯車セット12のキャリヤ24は、後述するクラッチ機構14のクラッチハブ41と連結され、クラッチ機構14を介して変速機構2の入力軸9と連絡されている。また、サンギヤ21は、後述する遠心振子ダンパ13の支持部材31に連結部材34を介して連絡されている。更に、リングギヤ23は、第1ケース部材2aに連結部材25を介して連結されている。
ここで、変速機構2の入力軸9が回転してクラッチ機構14が接続されると、遊星歯車セット12のキャリヤ24が回転する。そして、リングギヤ23が第1ケース部材2aに連結され、その回転が制止されているため、キャリヤ24の回転に伴ってサンギヤ21が回転する。ここで、前述のように、キャリヤ24の回転に対して、サンギヤ21の回転は、サンギヤ21に対するキャリヤ24の歯数比に応じて増速される。したがって、入力軸9から入力された回転は、遊星歯車セット12によって増速されて遠心振子ダンパ13に伝達される。
そして、遠心振子ダンパ13に連結された遊星歯車セット12のサンギヤ21は、カバー部材2cの内周側に配設された第1軸受部材61を介して軸方向移動が規制されると共に、カバー部材2cの内周側に配設された第2軸受部材63を介して径方向移動が規制されている。そのため、サンギヤ21に連結された遠心振子ダンパ13もこれらの軸受部材61、63によって軸方向及び径方向の移動が規制されている。また、カバー部材2cの内周端には、入力軸9に嵌合されたシール部材64が設けられており、第1軸受部材61及び第2軸受部材63は、シール部材64と軸方向にオーバーラップするように配設されている。
(遠心振子ダンパ)
遠心振子ダンパ13は、円環板状の支持部材31と、該支持部材31に支持された質量体である複数の振子32と、を備える。支持部材31及び振子32には、軸方向に貫通する長穴31a、32aがそれぞれ形成され、これらの長穴31a、32a内に周方向の前後に移動可能に挿通された複数の支持ピン33によって、各振子32は、支持部材31に対して軸心から所定半径の円周上の点を中心として揺動可能に支持されている。
遠心振子ダンパ13は、円環板状の支持部材31と、該支持部材31に支持された質量体である複数の振子32と、を備える。支持部材31及び振子32には、軸方向に貫通する長穴31a、32aがそれぞれ形成され、これらの長穴31a、32a内に周方向の前後に移動可能に挿通された複数の支持ピン33によって、各振子32は、支持部材31に対して軸心から所定半径の円周上の点を中心として揺動可能に支持されている。
そして、支持部材31は、遊星歯車セット12のエンジン側を径方向外方に延びる円環板状の連結部材34によって、遊星歯車セット12のサンギヤ2に連結されている。連結部材34は、内周部が外周部に比べて軸方向のエンジン1側に位置するように形成されている。遊星歯車セット12は、この連結部材34の内周部の軸方向の変速機構2側に配設されている。
ここで、入力軸9が回転すると、遊星歯車セット12のサンギヤ21の回転に伴って支持部材31が回転する。これに伴って、支持部材31にトルク変動が伝達されると、支持部材31の長穴31a内で支持ピン33が周方向の前後に揺動し、更に支持ピン33に対して振子32が長孔32aの範囲内で周方向の前後に揺動する。振子32が揺動すると、振子32に作用する遠心力を受ける支持部材31に周方向の分力が発生し、この分力が支持部材31乃至入力軸9のトルク変動を抑制する反トルクとして働く。
なお、本実施形態では、質量体の重さを大きくして制振性能を向上させるために、支持部材31を軸方向両側から挟むように振子32が対となって設けられ、各対の振子32は共通の支持ピン33によって一体的に揺動可能に支持されている。
また、回転数センサ15によって支持部材31の回転速度を検知するために、支持部材31には、外周面に円周方向に沿って並べられた多数の図示しない被検出歯が形成されている。
(断接機構)
クラッチ機構14は、図3に示すように、同心状に配置されたクラッチハブ41及びクラッチドラム42と、該クラッチハブ41とクラッチドラム42との間に配設され、これらに交互に係合された複数の摩擦板44と、複数の摩擦板44を押圧するピストン43と、を備える。
クラッチ機構14は、図3に示すように、同心状に配置されたクラッチハブ41及びクラッチドラム42と、該クラッチハブ41とクラッチドラム42との間に配設され、これらに交互に係合された複数の摩擦板44と、複数の摩擦板44を押圧するピストン43と、を備える。
クラッチドラム42は、入力軸9にスプライン嵌合されており、入力軸9の回転に伴って軸心周りを回転するように構成されている。クラッチハブ41は、エンジン1側の端部が遊星歯車セット12のキャリヤ24に結合されている。そして、互いに対向するクラッチドラム42の円筒部とクラッチハブ41の円筒部との間に、これらに交互に係合された複数の摩擦板44が配設されている。クラッチドラム42の内部には、摩擦板44を押圧するピストン43が配置されている。クラッチドラム42とピストン43によって、締結用油圧が供給される油圧室46が画定されている。また、油圧室46への油圧非供給時に摩擦板44の締結を解放するようにピストン43を付勢する皿ばねでなるリターンスプリング47が設けられている。
油圧室46に締結用油圧が供給されると、この締結用油圧によりピストン43を介して摩擦板44が押し付けられてクラッチ機構14が締結される。
なお、本実施形態では、ピストン43の背部に遠心バランス室形成部材48を備え、該遠心バランス室形成部材48とピストン43によって遠心バランス室49が画定されている。遠心バランス室49に作動油を導入することで、該作動油に作用する遠心力によって、油圧室46内の作動油に作用する遠心力をキャンセルして、クラッチ機構14の解放状態においてピストン43が締結方向に移動することを抑制することができる。
(回転数センサ)
回転数センサ15は、遠心振子ダンパ13の回転速度に基づいた検出信号を出力するものであり、例えば、ピックアップコイル型、ホール素子型、磁気抵抗素子型等の磁気センサを用いることができる。
回転数センサ15は、遠心振子ダンパ13の回転速度に基づいた検出信号を出力するものであり、例えば、ピックアップコイル型、ホール素子型、磁気抵抗素子型等の磁気センサを用いることができる。
例えば、回転数センサ15としてピックアップ式磁気センサを用いる場合、回転数センサ15は、遠心振子ダンパ13の支持部材31の外周面を臨むように、カバー部材2cに固定されており、内蔵する回転検出素子によって支持部材31の外周面に形成された被検出歯を検出することで、遠心振子ダンパ13の回転速度に基づいた検出信号を出力するように構成されている。この検出信号に基づいてクラッチ機構14の断接制御が行われる。
(変速機の作用)
次に、以上のような構成を備えた変速機10の作用について説明する。
次に、以上のような構成を備えた変速機10の作用について説明する。
まず、エンジン1の動力は、ねじりダンパ機構に伝達され、このとき、エンジン1のトルク変動は、変速機10のねじりダンパ機構に入力され、このねじりダンパ機構である程度は吸収される。このねじりダンパ機構から出力された動力は、その内周側にある変速機構2の入力軸9を介してクラッチ機構14に伝達される。
次に、エンジン1の低回転時は、クラッチ機構14が接続されることで、変速機構2の入力軸9から遊星歯車セット12を介して遠心振子ダンパ13へ動力が伝達される。このとき、入力軸9の回転は、リングギヤ23が固定された遊星歯車セット12のキャリヤ24に入力されてサンギヤ21から出力されるため増速される。遠心振子ダンパ13は、増速されたサンギヤ21の回転数で駆動される。このとき、ねじりダンパで吸収しきれなかったトルク変動が遠心振子ダンパ13で吸収される。特に、遠心振子ダンパ13は増速されているので、効率よくトルク変動が吸収される。
ここで、遠心振子ダンパ13は、回転数センサ15によってその支持部材31の回転速度が検出されている。エンジン1が高回転になり、遠心振子ダンパ13の回転速度が所定値を越えると、クラッチ機構14が切断されて、変速機構2の入力軸9から遠心振子ダンパ13に動力が伝達されなくなる。なお、遠心振子ダンパ13の回転速度の所定値としては、遠心振子ダンパ13に作用する遠心力等を考慮して、遠心振子ダンパ13の大型化を抑制しながら信頼性を確保することができる最高回転数が設定されている。
また、本実施形態では、変速機10は、変速機構2の入力軸9の回転速度を検出するための図示しない入力軸回転数センサを備えている。エンジン1が再び低回転になり、入力軸9の回転速度が所定値以下になると、クラッチ機構14が接続される。なお、入力軸9の回転速度の所定値としては、クラッチ機構14の接続時に遊星歯車セット12によって増速された遠心振子ダンパ13の回転速度が前述の最高回転数となるような入力軸9の回転速度が設定されている。
それ以降も、回転数センサ15によって検出された遠心振子ダンパ13の回転速度と、入力軸回転数センサによって検出された入力軸9の回転速度と、に基づいて、クラッチ機構14が断接制御される。なお、クラッチ機構14の断接制御を入力軸回転数センサの検出値のみに基づいて行ってもよい。
なお、遠心振子ダンパ13の回転速度を直接測定する回転数センサ15は、クラッチ機構14の断接制御に直接的には用いられず、回転数センサ15が故障した場合に、この故障を検知することでフェールセーフを実現するためのセンサである。回転数センサ15の故障は、回転数センサ15による遠心振子ダンパ13の回転速度の検出値と、入力軸回転数センサの検出値に基づく遠心振子ダンパ13の回転速度の算出値との比較によって検知される。
したがって、本実施形態によれば、入力軸9から遠心振子ダンパ13への動力伝達を断接可能なクラッチ機構14を備えており、入力軸9が比較的高回転にて運転される状況下において、クラッチ機構14により入力軸9から遠心振子ダンパ13への動力伝達を遮断することで、遠心振子ダンパ13が遊星歯車セット12により増速されないようにできるので、遠心振子ダンパ13をその信頼性確保のために高速回転時の遠心力に耐える構造とする必要がなく、遠心振子ダンパ13の大型化を抑制しながら信頼性を確保することができる。また、トルク変動が大きい低回転域では、クラッチ機構14を接続することで、遠心振子ダンパ13によってトルク変動を吸収することができる。すなわち、本実施形態によれば、遠心振子ダンパ13の大型化及び高速回転することによる信頼性低下を回避しながら、トルク変動乃至車両の振動騒音が効果的に抑制される。
以上の構成により、上述の本実施形態によれば、第1ケース部材2aにおける軸方向一方側に設けられたカバー部材2cを備え、遠心振子ダンパ13は、カバー部材2cの第1ケース部材2a内側に配設されているので、変速機構2の潤滑油を共有することができ、オイルポンプを大型化せずに遠心振子ダンパ13に潤滑油を供給できる。
また、本実施形態によれば、カバー部材2cの軸方向他方側には、変速機構2が収容された変速機構2収容部の軸方向一方側の開口を閉塞するための縦壁部2a1を備え、遠心振子ダンパ13は、縦壁部2a1とカバー部材2cとの間に設けられた収容部B内に配設されているので、変速機構2と隔離された収容部B内に遠心振子ダンパ13を配設したため、遠心振子ダンパ13の潤滑要求に合わせた潤滑油の供給を行うことができる。また、遊星歯車セット12へ潤滑油を供給することによる変速機構2への影響を抑制することができる。更に、遠心振子ダンパ13の取り外しが容易である。
また、本実施形態によれば、遠心振子ダンパ13は、遊星歯車セット12を介して動力伝達軸に連絡され、遊星歯車セット12は、遠心振子ダンパ13が配設される収容部B内に配設されているので、遊星歯車セット12へ潤滑油を供給することによる変速機構2への影響を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、遠心振子ダンパ13は、クラッチ機構14を介して動力伝達軸に連絡され、クラッチ機構14は、遠心振子ダンパ13が配設される収容部B内に配設されているので、クラッチ機構14へ潤滑油を供給することによる変速機構2への影響を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、カバー部材2cは、第1ケース部材2aの軸方向一方側の開口を閉塞するものであるので、第1ケース部材2aの壁とカバー部材2cとを利用して、遠心振子ダンパ13の収容部を形成することができる。また、変速機10の組立性が向上する。
また、本実施形態によれば、遠心振子ダンパ13は、遊星歯車セット12を介して入力軸9に連絡され、遊星歯車セット12は、遠心振子ダンパ13が配設される収容部内に配設されており、収容部内において、軸方向でカバー部材2c側に遊星歯車セット12が配設される一方、縦壁部2a1側にクラッチ機構14が配設され、更に、縦壁部2a1にクラッチ機構14への供給油路2a2が設けられているので、縦壁部2a1側にクラッチ機構14を配設したことにより、カバー部材2cにクラッチ機構14への供給油路を形成する必要がなく、カバー部材2cを薄肉化することができる。
また、本実施形態によれば、カバー部材2cを第1ケース部材2aに固定するための締結ボルト2dを有し、遠心振子ダンパ13は、締結ボルト2dの内周側かつ軸方向にオーバーラップした位置に配設されているので、軸方向寸法の短縮化が可能となる。
また、本実施形態によれば、カバー部材2cの内周側に配設された第1軸受部材61を介して、遠心振子ダンパ13は、軸方向移動が規制されるので、第1軸受部材61を介してカバー部材2cにより遠心振子ダンパ13の軸方向の移動を規制することができる。
また、本実施形態によれば、カバー部材2cの内周側に配設された第2軸受部材63を介して、遠心振子ダンパ13は径方向移動が規制されるので、第2軸受部材63を介してカバー部材2cにより遠心振子ダンパ13の径方向の移動を規制することができる。
また、本実施形態によれば、カバー部材2cの内周端に設けられたシール部材64と、第1軸受部材61又は第2軸受部材63とが軸方向にオーバーラップするように配設されているので、軸方向寸法の短縮化が可能となる。
また、本実施形態によれば、動力伝達経路上には、ねじりダンパ5、7が設けられ、該ねじりダンパ5、7は、カバー部材2cの第1ケース部材2a外側に配設されているので、ねじりダンパ5、7を第1ケース部材2a外の潤滑油を供給不要な場所に配設することで、不要なオイルポンプの駆動ロスが増大するのを抑制することができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、クラッチ機構14を有する変速機に適用したものについて記載したが、この実施形態に限らず、図4に示すように、クラッチ機構等の断接機構を備えない変速機に適用してもよい。また、本実施形態では、遊星歯車セット12を有する変速機に適用したが、この実施形態に限らず、遊星歯車セット12等の増速機構を備えない変速機に適用してもよい。更に、本発明は断接機構及び増速機構のいずれも備えない変速機に適用してもよい。
以上のように本発明によれば、オイルポンプを大型化せずに遠心振子ダンパに潤滑油を供給できるので、この種の遠心振子ダンパ付き変速機又はこれが搭載される車両の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
2a 第1ケース部材(変速機ケース)
2a1 縦壁部(別のカバー部材)
2a2 油路
2c カバー部材(閉塞部)
2d 締結ボルト(固定部材)
5、7 コイルばね(ねじりダンパ)
9 入力軸(動力伝達軸)
10 変速機
12 遊星歯車セット(増速機構)
13 遠心振子ダンパ
14 クラッチ機構(断接機構)
15 回転数センサ(回転数検出手段)
61 第1軸受部材
63 第2軸受部材
64 シール部材
B 遠心振子ダンパ収容部
C 変速機構収容部
2a1 縦壁部(別のカバー部材)
2a2 油路
2c カバー部材(閉塞部)
2d 締結ボルト(固定部材)
5、7 コイルばね(ねじりダンパ)
9 入力軸(動力伝達軸)
10 変速機
12 遊星歯車セット(増速機構)
13 遠心振子ダンパ
14 クラッチ機構(断接機構)
15 回転数センサ(回転数検出手段)
61 第1軸受部材
63 第2軸受部材
64 シール部材
B 遠心振子ダンパ収容部
C 変速機構収容部
Claims (11)
- 動力伝達経路上に遠心振子ダンパを備え、該遠心振子ダンパへ潤滑油が供給される遠心振子ダンパ付き変速機であって、
変速機ケースにおける軸方向一方側に設けられた閉塞部を備え、
前記遠心振子ダンパは、前記閉塞部の前記変速機ケース内側に配設されている
ことを特徴とする遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記閉塞部の軸方向他方側には、変速機構が収容された変速機構収容部の軸方向一方側の開口を閉塞するための別の閉塞部を備え、
前記遠心振子ダンパは、前記別の閉塞部と前記閉塞部との間に設けられた遠心振子ダンパ収容部内に配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記遠心振子ダンパは、増速機構を介して動力伝達軸に連絡され、
前記増速機構は、前記遠心振子ダンパ収容部内に配設されている
ことを特徴とする請求項2に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記遠心振子ダンパは、断接機構を介して動力伝達軸に連絡され、
前記断接機構は、前記遠心振子ダンパ収容部内に配設されている
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記閉塞部は、前記変速機ケースの軸方向一方側の開口を閉塞するカバー部材である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記遠心振子ダンパは、増速機構を介して動力伝達軸に連絡され、
前記増速機構は、前記遠心振子ダンパ収容部内に配設されており、
前記遠心振子ダンパ収容部内において、軸方向で前記カバー部材側に前記増速機構が配設される一方、前記別の閉塞部側に前記断接機構が配設され、
前記別の閉塞部に前記断接機構への供給油路が設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記カバー部材を前記変速機ケースに固定するための固定部材を有し、
前記遠心振子ダンパは、前記固定部材の内周側かつ軸方向にオーバーラップした位置に配設されている
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記カバー部材の内周側に配設された第1軸受部材を介して、前記遠心振子ダンパは、軸方向移動が規制される
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記カバー部材の内周側に配設された第2軸受部材を介して、前記遠心振子ダンパは径方向移動が規制される
ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記カバー部材の内周端に設けられたシール部材と、前記第1軸受部材又は前記第2軸受部材とが軸方向にオーバーラップするように配設されている
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。 - 前記動力伝達経路上には、ねじりダンパが設けられ、
該ねじりダンパは、前記閉塞部の前記変速機ケース外側に配設されている
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付き変速機。
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