JP6287005B2 - 積層シート及び発泡積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、積層シート及び発泡積層シートに関する。積層シートは、壁紙、各種装飾材等として有用である。また、発泡積層シートは、発泡樹脂層を有しており、発泡壁紙、各種装飾材、ラミネート化粧板用表皮材、クッション性床材、断熱化粧材等として有用である。
従来、塩化ビニル系樹脂を含有する樹脂層が形成された壁紙(以下、塩化ビニル系壁紙ともいう)が知られている。上記樹脂層として発泡樹脂層を備える塩化ビニル系壁紙(塩化ビニル系発泡壁紙ともいう)は、特に広く用いられている。一般的に、塩化ビニル系壁紙は、塩化ビニル系樹脂を含有するゾル状の樹脂組成物を裏打紙上に直接塗布し、必要によりその後加熱等の手段で発泡剤を発泡させることにより作製されることが多い(特許文献1)。
他方、近年では環境に配慮して、樹脂層には塩化ビニル樹脂又はポリ塩化ビニルを使用しない非塩化ビニル系樹脂層(非塩ビ系樹脂層)を用いることが好ましいと考えられている。一般的に、非塩ビ系樹脂層を有する壁紙(以下、非塩ビ系壁紙ともいう)、及び樹脂層として非塩ビ系発泡樹脂層を有する発泡壁紙(非塩ビ系発泡壁紙ともいう)は、非塩ビ系樹脂に必要により発泡剤等を含有した樹脂組成物を溶融押出しし、当該樹脂組成物を裏打紙にラミネートすることにより樹脂層を形成し、必要によりその後発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより作製されることが多い(特許文献2)。
特開2004−292990号公報 特開2004−277986号公報
しかしながら、特許文献2に記載のような製造方法により得られる非塩ビ系壁紙の裏打紙は、上述の塩化ビニル系壁紙の裏打紙に比べ、水系の糊を塗布した際に浸透し難く、裏打紙の表層側に糊が多く残存してしまい、モルタル壁や石膏ボード等の被着体に仮止めして剥がしたときに被着体に残る糊の量が多くなってしまう結果、再度上記非塩ビ系壁紙を貼り直す際の接着力が大きく低下する、という問題がある。
塩化ビニル系壁紙と非塩化ビニル系壁紙との間でこのような違いが生じる理由は定かではないが、本発明者らの知見によれば、塩化ビニル系壁紙の場合、上述の製造方法によって、透湿度の高い塩化ビニル系樹脂や、樹脂組成物に含まれる可塑剤が裏打紙に染みこんで改質するとともに、ゾル状の樹脂組成物に含まれている希釈剤(溶剤)が揮発することで裏打紙をよりポーラスにするためと考えられる。これにより、塩化ビニル系壁紙の場合は裏打紙の水分浸透性が向上しており、その結果裏打紙に水系の糊が浸透しやすくなるため、裏打紙の表層側に残存する糊の量が少なくなる。従って、被着体に仮止めした後に剥がしたとしても、被着体側に残ってしまう糊の量は少なく、貼り直しに必要な接着力を保持することができているものと思われる。
一方、非塩化ビニル系壁紙の場合は塩化ビニル系壁紙の場合のような理由による裏打紙への水分浸透性の向上が期待されないため、上述のような問題が生じているものと考えられる。このような背景に基づき、本発明は、非塩化ビニル系樹脂層を用いた場合でも、水系の糊を塗布して仮止めした後の貼り直しの際に接着性に優れており、かつ壁紙に要求される性能を満たしている壁紙として使用できる積層シートを提供することを目的とする。
また、本発明は、非塩化ビニル系樹脂層を用いた場合でも、水系の糊を塗布して仮止めした後の貼り直しの際に接着性に優れており、かつ壁紙に要求される性能を満たしている発泡壁紙として使用できる発泡積層シートを提供することを目的とするとともに、当該発泡積層シートの製造に有用な、発泡積層シート原反(未発泡原反)を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の紙質基材を使用することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の積層シート及び発泡積層シートに関する。
1. ステキヒトサイズ度が5秒以下である紙質基材上に、少なくとも非塩化ビニル系樹脂層を有する積層シートであって、
前記紙質基材が壁紙の裏打紙である、積層シート
2. 前記非塩化ビニル系樹脂層が押出し製膜により形成されている、上記項1に記載の積層シート。
3. 前記非塩化ビニル系樹脂層を構成する樹脂がポリオレフィン系樹脂である、上記項1又は2に記載の積層シート。
4. 前記非塩化ビニル系樹脂層が、発泡剤含有樹脂層である、又は発泡剤含有樹脂層を含む積層体からなる層である、上記項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
5. 前記非塩化ビニル系樹脂層が、非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に積層された積層体からなる層である、上記項4に記載の積層シート。
6. 前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、上記項4又は5に記載の積層シート。
7. 上記項4〜6のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
以下、本発明の積層シート及び発泡積層シートについて詳細に説明する。
≪積層シート≫
本発明の積層シートは、ステキヒトサイズ度が5秒以下である紙質基材上に、少なくとも非塩化ビニル系樹脂層を有することを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の積層シートは、ステキヒトサイズ度が5秒以下である紙質基材を使用するため、非塩化ビニル系樹脂層を用いた場合でも、水分の浸透性に優れている。そのため、水系の糊を塗布して仮止めした後に貼り直しをしても、接着性に優れる。
本明細書において、「仮止め」とは、位置合わせ等の目的で、積層シート又は発泡積層シートに水系の糊を塗布した後に、被着体に対して一時的に上記積層シート又は発泡積層シートを全面又は部分的に貼り合わせることをいう。また、「貼り直し」とは、仮止めを行った積層シート又は発泡積層シートに対して再度水系の糊を塗布することなく、再び被着体に対して貼り合わせることをいう。
以下、本発明の積層シート及び発泡積層シートの層構成について説明する。なお、本発明の積層シートは、非塩化ビニル系樹脂層がいわゆる「おもて面」(施工後に視認される面)である。よって、本明細書では、紙質基材から見て非塩化ビニル系樹脂層が積層されている方向を「上」又は「おもて面」と称し、紙質基材から見て反対の方向を「下」又は「裏面」と称する。
紙質基材
従来、壁紙は、ステキヒトサイズ度が10秒以上である紙質基材を使用することが好ましいと一般的に考えられていた(例えば、特開2004−292990号公報)が、本発明では、ステキヒトサイズ度が5秒以下である紙質基材を使用する。本発明の積層シートは、ステキヒトサイズ度が5秒以下である紙質基材を含むため、非塩化ビニル系樹脂層を用いた場合でも、水分の浸透性に優れている。そのため、水系の糊の塗布及び仮止めの後に貼り直しをしても、接着性に優れる。
ステキヒトサイズ度とは、紙質基材のサイズ度表示法の一種であり、水の浸透性に関する指標である。
本明細書において、ステキヒトサイズ度は、JIS P 8122に準拠して測定された値である。具体的には、以下の(1)〜(5):
(1) 紙質基材の四周を折ることにより試験片を作成し、
(2) シャーレに23±1℃の2%チオシアン酸アンモニウム水溶液を張り、
(3) 上記(2)の水溶液上に上記(1)の試験片を浮かべ、
(4) 直ちにピペットを用いて同じ温度の1%塩化鉄(III)水溶液を試験片上に一滴落とし、
(5) 滴内に3個の赤色はん点が現れるまでの時間(秒)を、ストップウォッチにて0.1秒単位で計る、
ことによって測定される。
紙質基材としては、ステキヒトサイズ度が5秒以下であれば特に限定されず、例えば、繊維質基材(裏打紙)を使用することができる。具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したもの)などが挙げられる。なお、これらの繊維質基材には、分類上、不織布に該当しているものも包含される。
ステキヒトサイズ度は、(i)紙質基材の製造工程(具体的には抄紙工程前)において添加されるパルプ以外の添加剤(ロジン、合成樹脂等のサイズ剤;填料;紙力増強剤;染料、顔料など)の含有量を適宜設定する、(ii)紙質基材の表層に対して合成樹脂を塗布する、などの方法により調整することができる。
ステキヒトサイズ度の下限については特に限定されないが、例えば1秒以上の紙質基材が使用できる。
紙質基材の坪量は、限定的ではないが、50〜300 g/m2程度が好ましく、50〜120 g/m2程度がより好ましい。
非塩化ビニル系樹脂層
本発明の積層シートは、紙質基材上に、非塩化ビニル系樹脂層を有する。非塩化ビニル系樹脂層は、1層単層又は2層以上の複数層から構成される。なお、非塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル樹脂又はポリ塩化ビニルを使用しない樹脂をいう。つまり、非塩化ビニル系樹脂層は、各層に塩化ビニル樹脂又はポリ塩化ビニルが実質的に含まれていない。例えば、非塩化ビニル系樹脂層を構成する樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
非塩化ビニル系樹脂層の構成は、各層が、塩化ビニル樹脂又はポリ塩化ビニルではない樹脂を含有すれば特に限定されない。例えば、非塩化ビニル系樹脂層として、発泡剤含有樹脂層単層、発泡剤含有樹脂層を含む積層体からなる層等が挙げられる。発泡剤含有樹脂層を含む積層体からなる層の層構成としては、非発泡樹脂層Bの上に、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aを当該順に有する層構成が挙げられる。以下、この非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に積層された積層体からなる層を例に挙げて、各層について説明する。
なお、本明細書において、非塩化ビニル系樹脂層が、発泡剤含有樹脂層である、又は発泡剤含有樹脂層を含む積層体からなる層である場合の積層シートを、便宜的に「発泡積層シート原反」ともいう。当該発泡積層シート原反は、発泡積層シート中間体である。本明細書において、本発明の積層シートは、前記発泡積層シート原反を包含する。
(発泡剤含有樹脂層)
本発明における非塩化ビニル系樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を有していてもよい。
発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、1)ポリエチレン及び2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)の少なくとも1種がより好ましい。
ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が広く使用できるが、この中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレン重合体は融点及びMFRの観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。
また、発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分として上記エチレン系樹脂と他の樹脂を併用してもよい。併用する場合のエチレン系樹脂の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
また、上記エチレン共重合体におけるエチレン以外のモノマーの含有量は、共重合する成分によって適切な共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体の場合、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)は5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。エチレン−アクリル酸共重合体の場合、アクリル酸の共重合比率(AA量)として2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。また、エチレン−メタクリル酸共重合体の場合、メタクリル酸の共重合比率(MAA量)として2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。また、エチレン−αオレフィン共重合体の場合、αオレフィンの共重合比率として0.5〜50質量%が好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分は、JIS K 6922に記載の190℃、荷重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が10〜35g/10minであることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、後述する発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合には、平滑な面に印刷処理をすることができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用できる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、7倍以上、好ましくは7〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
なお、これらの発泡助剤とEMAAのような分子中にカルボキシル基を有する共重合体とADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、発泡工程において、前記共重合体のアクリル酸部分と発泡助剤が反応することにより本来の発泡助剤の効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAのような分子中にカルボキシル基を有する共重合体とADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、日本公開公報特開2009-197219号公報に説明されている通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いることが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、タルク等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して5〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層は電子線照射により樹脂架橋されていてもよい。発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する方法及び発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すればよい。なお、発泡剤含有樹脂層の厚さは40〜100μm程度が好ましく、発泡後の発泡樹脂層の厚さは300〜700μm程度が好ましい。
(非発泡樹脂層A及びB)
本発明における非塩化ビニル系樹脂層は、非発泡樹脂層を有していてもよい。
例えば、発泡剤含有樹脂層の裏面(紙質基材が積層される面)には、紙質基材との接着力を向上させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
接着樹脂層の樹脂成分としては、特に限定はないが、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)がより好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。
接着樹脂層の厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
発泡剤含有樹脂層の上面には、絵柄模様層を形成する際の絵柄模様を鮮明にしたり発泡剤含有樹脂層(及び発泡樹脂層)の耐傷性を向上させたりする目的で非発泡樹脂層Aを有してもよい。
非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体;エチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン);エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂;エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂等のエチレン(メタ)アクリル酸エステル系共重合体樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂ケン化物;アイオノマー;等の少なくとも1種が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂の中でも、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂が好ましい。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味し、他の類似する部分についても同様である。
非発泡樹脂層Aの厚さは限定的ではないが、3〜50μm程度が好ましく、特に5〜20μm程度がより好ましい。
その他の層
本発明の積層シートは、非塩化ビニル系樹脂層上に、非塩化ビニル系樹脂層とは別の層を形成してもよい。以下、当該層について説明する。
(絵柄模様層)
本発明の積層シートは、非塩化ビニル系樹脂層の上面に絵柄模様層を有していてもよい。絵柄模様層は、例えば、発泡剤含有樹脂層上又は非発泡樹脂層A上に形成することができる。
絵柄模様層は、積層シート又は発泡積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、積層シート又は発泡積層シートの種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、非発泡樹脂層Aの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
(保護層)
本発明の積層シートは、非塩化ビニル系樹脂層上に、保護層を有してもよい。保護層は、例えば、発泡剤含有樹脂層(若しくは発泡樹脂層)、非発泡樹脂層A、又は絵柄模様層の表面に形成することができる。保護層は、積層シート又は発泡積層シートの艶を調整したり、表面に強度や耐汚染性を付与するために形成される層である。また、積層シート又は発泡積層シートに絵柄模様層を設ける場合には、保護層は前記絵柄模様層を保護するために必要に応じて前記絵柄模様層の上に形成される層である。また、製品によっては、非発泡樹脂層A上に保護層を形成し、前記保護層上に絵柄模様層を形成してもよい。
保護層の形成に使用される樹脂成分としては、熱可塑性樹脂や硬化性樹脂等の公知の樹脂成分の中から適宜選定すればよい。
保護層の形成に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、好ましくは、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂ケン化物;アイオノマー;エチレン−オレフィン共重合体等のエチレン共重合体や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、保護層の形成にエチレン共重合体のような架橋可能な熱可塑性樹脂を使用する場合には、必要に応じて、前記熱可塑性樹脂に架橋処理を行ってもよい。
また、保護層の形成に使用される硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、常温硬化性樹脂、加熱硬化性樹脂、1液反応硬化性樹脂、2液反応硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等のいずれであってもよいが、好ましくは1液反応硬化性樹脂が挙げられる。これらの硬化性樹脂の中でも、好ましくは、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられ、更に好ましくは1液反応硬化性アクリル系樹脂が挙げられる。これらの硬化性樹脂は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、保護層の形成に硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて、硬化反応を進行させるために、架橋剤、重合開始剤、重合促進剤等を用いてもよい。
また、保護層は、単層からなるものであってもよく、同一の又は異なる2以上の層が積層されているものであってもよい。例えば、最表面に硬化性樹脂で形成した層が形成され、その下層に熱可塑性樹脂で形成した層が積層されている2層構造であってもよい。
保護層の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜20μmが好ましく、1〜15μmがより好ましい。
保護層の形成は、使用する樹脂成分の種類に応じた方法を採用すればよい。例えば、熱可塑性樹脂を用いて保護層を形成する場合であれば、予め作製された熱可塑性樹脂フィルムを絵柄模様層の表面に貼り付けることにより保護層を形成してもよく、また、絵柄模様層の表面に熱可塑性樹脂を押出して製膜することにより保護層を形成してもよい。
また、硬化性樹脂を用いて保護層を形成する場合であれば、例えば、硬化性樹脂に必要に応じて各種添加剤を含有する樹脂組成物を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方法で非発泡樹脂層A、絵柄模様層等に塗工した後に、必要に応じて加熱等により前記樹脂組成物を乾燥及び硬化させることによって行われる。
また、保護層を形成する前には、接着性を考慮して、非発泡樹脂層A、絵柄模様層等の表面にコロナ処理やプラズマ処理などの表面処理や、プライマー層を設けても良い。
プライマー層に含有される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等を使用することができるが、特にアクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等が望ましい。
プライマー層の厚さは限定的ではないが、0.1〜10μm程度が好ましく、0.1〜5μm程度がより好ましい。
また、保護層が熱可塑性樹脂で成形されている場合、保護層の接着性を考慮して、保護層と非発泡樹脂層A又は絵柄模様層との間に接着性樹脂層を形成してもよい。接着性樹脂層に含有される樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィンに無水マレイン酸、アクリル酸等の極性基を重合した樹脂等が挙げられ、貼り合せる層によって適宜選定される。
接着性樹脂層の厚さは、1〜10μm程度が好ましく、3〜5μm程度がより好ましい。
本発明における積層シートは、最表面層の上からエンボス加工が施されていてもよい。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が上記保護層である場合に、保護層を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
≪発泡積層シート≫
本発明の発泡積層シートは、非塩化ビニル系樹脂層が、発泡剤含有樹脂層であるか又は発泡剤含有樹脂層を含む積層体からなる層である場合の積層シート(即ち、発泡積層シート原反)の上記発泡剤含有樹脂層を発泡することにより得られる。
本発明の発泡積層シートは、最表面層の上からエンボス加工が施されていてもよい。エンボス加工の実施方法、エンボス模様等については、上述の本発明の積層シートにおけるエンボス加工の場合と同様である。
≪積層シート及び発泡積層シートの製造方法≫
本発明の積層シートの製造方法は、特に限定されず、ステキヒトサイズ度が5秒以下である紙質基材を予め用意し、当該紙質基材上に非塩化ビニル系樹脂層を積層する方法が挙げられる。また、発泡積層シートの製造方法は、特に限定されず、ステキヒトサイズ度が5秒以下である紙質基材を予め用意し、当該紙質基材上に発泡剤含有樹脂層を含む非塩化ビニル系樹脂層を積層して積層シート(発泡積層シート原反)を作製した後、次いで熱処理することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層にする方法が挙げられる。なお、積層シート又は発泡積層シートの非塩化ビニル系樹脂層上には、必要に応じて、絵柄模様層及び/又は保護層を順次積層してもよい。
非塩化ビニル系樹脂層の形成方法としては、特に限定されず、押出し成形(押出し製膜)、カレンダー成形、塗布成形(樹脂エマルション含有樹脂組成物の塗布)等が挙げられる。中でも、押出し製膜が好ましい。非塩化ビニル系樹脂層が、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A及び/又はB)の積層体からなる層である場合には、Tダイ押出し機による同時押出し製膜が好適である。例えば、非塩化ビニル系樹脂層が、発泡剤含有樹脂層の両面に非発泡樹脂層を有する積層体からなる層である場合には、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイや、フィードブロックを有するTダイを用いることができる。
なお、非塩化ビニル系樹脂層が発泡剤含有樹脂層を含む場合であって、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれており、かつ、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
非塩化ビニル系樹脂層が発泡剤含有樹脂層又は発泡剤含有樹脂層を含む積層体からなる層である場合、発泡剤含有樹脂層を製膜した後に、必要に応じて電子線照射を行うことができる。これにより樹脂成分を架橋して発泡樹脂層の表面強度、発泡特性等を調整することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜50kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、この電子線照射は、絵柄模様層や表面保護層を形成した後でもよい。
非塩化ビニル系樹脂層が発泡剤含有樹脂層又は発泡剤含有樹脂層を含む積層体からなる層である場合、発泡剤含有樹脂層上には、上述の通り、必要に応じて、絵柄模様層及び保護層を順次積層することができる。この際、印刷、塗布などのコーティング、押出し製膜等を組み合わせることにより積層することができる。印刷、塗布等のコーティングは常法に従って行うことができる。
次いで、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
本発明の積層シートは、壁紙、各種装飾材等として使用することができる。また、本発明の発泡積層シートは、発泡壁紙、各種装飾材、ラミネート化粧板用表皮材、クッション性床材、断熱化粧材等を用途として使用することができる。
本発明の積層シートは、ステキヒトサイズ度が5秒以下である紙質基材を使用するため、非塩化ビニル系樹脂層を用いた場合でも、水系の糊を塗布して仮止めした後の貼り直しの際に接着性に優れる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層Tダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み5μm/50μm/5μmになるように、3層同時押出し製膜をした。これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bが順に積層された非塩化ビニル系樹脂層を得た。なお、前記各層の組成を、以下の表1に示す。
次に、ステキヒトサイズ度が1秒である裏打紙(紙質基材)を120℃となるように加熱し、前記非塩化ビニル系樹脂層の非発泡樹脂層B側に積層した。積層は、ラミネートロールを用いて熱圧着させた。これにより、裏打紙及び前記非塩化ビニル系樹脂層からなる積層シートを得た。
次に、前記積層シートの樹脂面側(非発泡樹脂層A側)から電子線照射(加速電圧200kV、照射線量30kGy)を行った。その後、220℃で30秒間加熱して、発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とした。これにより、発泡積層シートを得た。
Figure 0006287005
実施例2
ステキヒトサイズ度が4秒である裏打紙を使用する以外は実施例1と同様にして、積層シート及び発泡積層シートを得た。
比較例1
ステキヒトサイズ度が10秒である裏打紙を使用する以外は実施例1と同様にして、積層シート及び発泡積層シートを得た。
比較例2
ステキヒトサイズ度が20秒である裏打紙(WK-665、KJ特殊紙株式会社製)を使用する以外は実施例1と同様にして、積層シート及び発泡積層シートを得た。
比較例3
ステキヒトサイズ度が25秒である裏打紙を使用する以外は実施例1と同様にして、積層シート及び発泡積層シートを得た。
評価試験1:糊残量測定
上記実施例及び比較例で得られた各発泡積層シートを10cm×10cmサイズに切り取り、当該各発泡積層シートの質量(MS (単位:g))を測定した。次に、澱粉糊(施工糊、ルーアマイルド、ヤヨイ化学工業株式会社)と水との割合が澱粉糊:水=10:7(質量比)となるように澱粉糊を水で希釈することにより、水系糊を得た。その後、前記水系糊を、上記切り取られた各発泡積層シートの裏打紙面に塗布した。なお、前記水系糊の塗布量は、130g/m2とした。次いで、前記水系糊が塗布された裏打紙面が互いに接するように各発泡積層シートを折り畳み、この状態で防湿性のある養生袋の中で上記各発泡積層シートを60分間放置した。その後、上記各発泡積層シートの質量(MS+G (単位:g))を測定した。次に、上記各発泡積層シートを石膏ボード(タイガーボード、吉野石膏株式会社製)に貼り付けた後、当該各発泡積層シートを剥がした。その後、上記剥がされた各発泡積層シートの質量(MS+G’ (単位:g))を測定した。
最後に、以下の式:
Figure 0006287005
を計算することにより、糊残量を算出した。
評価試験2:糊の乾燥時間測定
上記実施例及び比較例で得られた各発泡積層シートを20cm×30cmサイズに切り取った。次に、評価試験1と同様にして、上記各発泡積層シートに対して水系糊の塗布及び60分間の放置を行った。
次いで、上記各発泡積層シートを石膏ボード(タイガーボード、吉野石膏株式会社製)又はモルタルに貼り付けた。その後、貼り付けられた上記各発泡積層シートを一定時間ごとに5cm×5cmの切り込みを入れ、上記各発泡積層シートを石膏ボード又はモルタルから剥離した。次に、上記剥離された各積層シートの剥離面が完全に乾燥するまで、上記各発泡積層シートを放置した。次いで、当該剥離面が完全に乾燥した時間(乾燥時間)を測定した。
結果を以下の表2に示す。なお、参考例として、下から順に、裏打紙/塩化ビニル系樹脂を含有する発泡樹脂層/絵柄模様層/保護層からなる塩化ビニル系発泡積層シートの場合の糊残量(%)について、併せて表2に示す。また、実施例、比較例及び参考例の各例における裏打紙のステキヒトサイズ度を、併せて表2に示す。
Figure 0006287005
一般的に、壁紙は、被着体に貼り付けてから水系の糊が完全に乾燥するまでの時間(施工開始から施工完了までの時間)がかからない(短い)ことが好ましい。この点、実施例1及び2の発泡積層シートにおける上記乾燥時間は、市場に出回っている比較例2の発泡積層シートにおける上記乾燥時間と同等であることがわかった(表2)。よって、実施例1及び2の発泡積層シートは、被着体に貼り付けて発泡壁紙として使用するのに適している。

Claims (7)

  1. ステキヒトサイズ度が5秒以下である紙質基材上に、少なくとも非塩化ビニル系樹脂層を有する積層シートであって、
    前記紙質基材が壁紙の裏打紙である、積層シート
  2. 前記非塩化ビニル系樹脂層が押出し製膜により形成されている、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記非塩化ビニル系樹脂層を構成する樹脂がポリオレフィン系樹脂である、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 前記非塩化ビニル系樹脂層が、発泡剤含有樹脂層である、又は発泡剤含有樹脂層を含む積層体からなる層である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
  5. 前記非塩化ビニル系樹脂層が、非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に積層された積層体からなる層である、請求項4に記載の積層シート。
  6. 前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、請求項4又は5に記載の積層シート。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
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