JP6286896B2 - ソーナーの受信位置予測装置および予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水中探索用のソーナーシステムに関するものであり、特にマルチスタティックソーナーの受信装置の設置位置を予測する技術に関するものである。
船舶等の航行における安全確保や水中に存在する物体の捜索を行うために、水中の物体を検知するソーナーシステムが広く用いられている。水中に音波を放射し、水中に存在する水中物体からの反響音を受信することにより水中物体を検知するソーナーシステムは、アクティブソーナーシステムと呼ばれる。アクティブソーナーシステムとしては、例えば、モノスタティックソーナーがある。モノスタティックソーナーは、音波が送信位置に戻ってくる音波の可逆性を利用しており、送信位置と受信位置が一致している。そのため、モノスタティックソーナーでは、音波の放射と反響音の受信を同じ位置で行えるという利点がある。一方で、反響音の受信を一か所でしか行わないため、減衰等によりその場所に反響音が戻ってこない位置に存在する水中物体は検知することができない。
モノスタティックソーナーに比べて広範囲の水中物体の検知を可能とするために、受信位置を複数に増やしたマルチスタティックソーナーが利用されることがある。マルチスタティックソーナーは送信装置から放射され、水中物体で反響した音波を複数個所で受信する方式のソーナーシステムである。音波の送信位置に戻ってこない反響音を送信位置以外で受信できるように受信位置を設定することにより、マルチスタティックソーナーではより広範囲に存在する水中物体を検知することが可能となり得る。一方で、マルチスタティックソーナーでは水中物体の位置を予測し、予測した水中物体の位置からの反響音が伝搬する経路を予測して、その経路上に受信位置を設定する必要がある。マルチスタティックソーナーを用いても、受信位置が適切に設定されていないと広範囲に存在する水中物体の検知を可能とする効果を発揮することは出来ない。また、時々刻々と状況が変化するような場面において水中物体の迅速な検知が要求されるような用途では、受信位置の決定が短時間で行われることが望ましい。以上のような背景から、マルチスタティックソーナーを運用する上で水中物体の存在位置を予測する技術と、その水中物体の存在位置に対する適切な受信位置を予測する技術はともに重要なものであり、関連する技術の開発が進められている。
水中物体の存在位置を予測する技術としては、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1は水中物体の存在位置をシミュレーションで予測する技術に関するものである。水中物体が自分とは相反する利益を有する者が操作を行っている船舶等であった場合には、ソーナーシステムからの音波を探知することにより水中物体は回避行動をとり得る。特許文献1の技術では、水中物体がソーナーシステムの音波の届く範囲外にあり通常行動を行っている場合と、音波の届く範囲内に入り回避行動を行う場合とを想定して水中物体の存在位置を予測している。回避行動として複数の行動パターンが設定され、行動パターンごとにその行動パターンをとり得る確率が設定されている。引用文献1では、水中物体が一様に分布した状態から、通常行動および回避行動をとることによる位置の変化をシミュレーションで予測している。シミュレーションの結果は、時間経過ごとの水中物体の位置として表示される。
また、水中物体において反響した音波の最適な受信位置を予測する技術としては、特許文献2のような技術がある。特許文献2は、水中物体で反響した音波の強度の予測から適切な受信位置を提示する技術に関するものである。特許文献2では、音波の送信位置の設定および水中物体の予測される位置への配置を行い、送信位置から送信されその水中物体で反響した音波の強度の計算を行っている。水中物体で反響した音波の強度の計算結果から、その強度分布を示すエコーマップが作成される。複数の水中物体のエコーマップを加算することにより生成されるエナジーマップから、反響した音波の強度が強い位置を求め、その位置が受信位置に適した位置として判断される。引用文献2ではこのような機能を有する構成とすることにより、効率よく受信装置の位置を設定することができるとしている。
特開2012−159459号公報 特開2011−58906号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は次の点において十分ではない。特許文献1は、時間経過ごとの物体の存在位置を予測する技術である。よって、物体の存在位置の予測結果を利用するためには、予測結果を基に、作業者が何らかの判断や作業等を行う必要がある。また、引用文献2の技術は、作業者が水中物体の存在位置を予測して水中物体を配置する必要がある。そのため、作業者による複雑な判断を要する場合や、時間経過による水中物体の位置変化等を考慮して受信位置を設定するために煩雑な作業を要することがある。よって、短時間で受信位置の的確な判断を要するような場合に用いる技術としては十分ではない。
本発明は、マルチスタティックソーナーを用いる際の受信装置の設置位置を、素早く適切に予測することのできるソーナーの受信位置予測装置を得ることを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明の受信位置予測装置は、信号到達領域予測手段と、行動予測手段と、領域判断手段と、反響波計算手段と、マップ生成手段とを備えている。信号到達領域予測手段は、送信装置から音波の到達する領域を計算して信号到達領域として出力する。行動予測手段は、所定の領域内に配置された複数の物体の位置変化を、信号到達領域および物体に関する所定の設定情報に基づいて予測して物体の位置変化後の位置情報を第1の物***置情報として出力する。領域判断手段は、信号到達領域の領域内に第1の物***置情報が含まれる物体の位置情報を第2の物***置情報として出力する。反響波計算手段は、送信装置からの音波が、第2の物***置情報の位置に存在する各物体で反響する際の反響波の強度を計算する。マップ生成手段は、反響波計算手段により計算された複数の物体からの反響波の強度を加算し各座標における反響波の強度分布を算出する。
受信位置予測方法は、送信装置から音波の到達する領域を計算して信号到達領域として出力する。所定の領域内に配置された複数の物体の位置変化を、信号到達領域および物体に関する所定の設定情報に基づいて予測して物体の位置変化後の位置情報を第1の物***置情報として出力する。信号到達領域の領域内に第1の物***置情報が含まれる物体の位置情報を第2の物***置情報として出力する。送信装置からの音波が、第2の物***置情報の位置に存在する各物体で反響する際の反響波の強度を計算する。複数の物体からの反響波の強度を加算し各座標における反響波の強度分布を算出する。
本発明では、作業者による複雑な作業を必要とせずに最適な受信装置の設置位置の予測を短時間で行うことができる。
本発明の第1の実施形態の構成の概要を示す図である。 ソーナーシステムにおける音波の伝搬の例を示す図である。 ソーナーシステムにおける音波の伝搬の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるフローの概要を示す図である。 本発明の第1の実施形態のデータ内容の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるシミュレーションの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるシミュレーションの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるシミュレーションの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるシミュレーションの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態において音波の強度の計算の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるシミュレーションの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態において音波の強度の計算の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態において音波の強度の計算の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態において音波の強度の計算の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるシミュレーションの例を示す図である。 本発明の第2の実施形態におけるフローの概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態におけるシミュレーションの例を示す図である。 本発明の第2の実施形態におけるシミュレーションの例を示す図である。 本発明の第3の実施形態の構成の概要を示す図である。
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態のマルチスタティックソーナーの受信位置予測装置について構成の概要を示したものである。
本実施形態の受信位置予測装置は入力部101と、記憶部102と、シミュレーション部103と、計算領域判定部104と、エナジーマップ生成部105と、表示部106と、制御部107とを備えている。
入力部101は入力装置等により構成され、作業者が入力した情報を電子情報に変換して他の部位へと送る機能を有する。また、入力部101は作業者が直接、入力する方式だけでなく通信回線等を介して情報が入力される方式とすることもできる。記憶部102は、半導体メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶装置またはそれらの記憶装置の組み合わせにより構成されている。記憶部102は作業者が入力した各情報、シミュレーションを実施する過程における各データ、シミュレーション結果等の捜索支援装置で利用および生成される各情報データを記憶する機能を有する。また、記憶部102は、シミュレーション部103等の他の部位で使用するプログラムが記憶されていることもある。
シミュレーション部103は、マルチスタティックソーナーの運用における受信装置の設置位置を最適化するための予測を行う際に必要な計算等を行う機能を有する。計算領域判定部104は、水中物体で反響した音波の強度の予測計算等を行う際に、どの領域に存在する水中物体に関して計算を行うかを判断する機能を有する。エナジーマップ生成部105は、各水中物体で反響した音波の各座標地点における強度を表すエコーマップからエナジーマップを生成する機能を有する。エナジーマップは、領域内に含まれる各水中物体で反響した音波の強度を各座標地点において積算したものであり、各座標地点において観測される反響波の強度を示したものである。すなわち、エナジーマップは水中物体からの反響波の強度分布を示したものである。
表示部106はディスプレイ装置等で構成され、エナジーマップ等のシミュレーション結果や作業者へ設定を要求する情報等の入力内容を表示する機能を有する。制御部107は受信位置予測装置における制御全般を行う機能を有する。
本実施形態の受信位置予測装置において受信装置の最適な設置位置をシミュレーションにて求めた結果を適用することを想定しているマルチスタティックソーナーの概要について説明する。まずは、簡単のためモノスタティックソーナーの概要について説明する。図2はモノスタティックソーナーを用いた際の音波の速度のプロファイルおよび音波が水中で伝搬する様子を模式的に示したものである。図2の左側は音波の速度のプロファイルを示し、右側は音波が水中内で伝搬する様子を示したものであり、ともに水中の垂直方向の断面図である。音波の速度のプロファイル、すなわち、音速プロファイルを示す図2の左側の図の縦方向は水面1からの深さを示し、下側に向かう方向が水面からの距離が大きくなる方向、すなわち、水深が深くなる方向である。また、音速プロファイルの図の横方向は音波の水中での速度を示し、右方向に向かうと速度が大きくなる。図2の音速プロファイルは、水面1側から、混合層、水温躍層および深海等温層で構成されている場合を例として示している。混合層は、水面上を吹く風の影響を受けて形成される層であり、等温水の層である。混合層の音速プロファイル2は正の傾き、すなわち、深くなるにつれて音速が大きくなる傾向を示している。水温躍層は混合層の下層に存在する層であり、主に温度変化を要因として音速が変化する層である。水温躍層の音速プロファイル3は負の傾き、すなわち、深くなるにつれて音速が小さくなる傾向を示している。深海等温層は水温躍層の下層に存在し、主に圧力を要因として音速が変化する層である。深海等温層の音速プロファイル4は正の傾き、すなわち、深くなるにつれて音速が大きくなる傾向を示している。
図2の右側の図において音波が伝搬する様子について説明する。図2の右側の図において、送受信装置5から音波が放射される。送受信装置5から放射された音波は経路9、経路10および経路11等のように様々な経路により伝搬する。経路9の音波は混合層を伝搬している。混合層ではスネルの法則により音波は音速の小さい方、すなわち上向きに屈折する。よって、送受信装置5から放射された音波は徐々にその向きを上側へと変えて水面6の方向へと進む。経路9として示す音波は、水面6で反射され、下方向に進みながらやがて上方向へと向きを変えて、再び水面6に反射されることを繰り返し、強度が減衰しながら伝搬する。経路11に示す音波は、送受信装置5から放射され混合層、水温躍層、深海等温層へと進み、スネルの法則から上向きに屈折する深海等温層で上向きに向きを変えて伝搬している。また、経路10の音波は混合層、水温躍層、深海等温層を通り海底7で反射した後に、水中物体8に到達する。水中物体8に到達した音波のうち、経路10の方向に反射した音波は経路12を通り経路10を逆方向に伝搬して送受信装置5へと戻る。このような音波の可逆性の性質を利用したものがモノスタティックソーナーである。
次に音波の送信位置と異なる場所に複数の受信装置を有する方式であるマルチスタティックソーナーの概要について説明する。図3は、マルチスタティックソーナーを用いた際の音速プロファイルおよび音波の伝搬の様子を垂直方向の断面図で模式的に示したものである。図3の左側は音速プロファイルを示したものであり、モノスタティックソーナーについて説明した図2の音速プロファイルと同様のものである。図3の右側は送信装置13から放射された音波が水中を伝搬して水中物体8で反響した後の音波の伝搬する様子を示している。水中物体8で反響した音波は経路10のように海底7での反射や経路14のように海面6で反射しながら伝搬するとする。このとき、受信装置15のような位置に設置した場合には反響波を検出することができない。よって、受信装置15のような位置に受信位置を設定した場合には水中物体8の存在を認識することはできない。一方で、受信装置16のように経路14上に受信位置を設定した場合には、水中物体8からの反響波を検出し、水中物体8の存在を認識することができる。よって、マルチスタティックソーナーにおいては、水中物体からの反響波の経路を予測しその経路上に受信装置を設置する必要がある。本実施形態の受信位置予測装置はシミュレーションにより受信装置を設置するのに適する位置を提示するものである。
本実施形態の受信位置予測装置において、最適な受信装置の設置位置を予測する際の動作について説明する。図4は、受信装置の設置位置を予測する際のフローの概要を示したものである。作業者の操作等により受信装置の設置位置の予測が開始されたとする。制御部107は表示部106に必要な入力項目を表示し、受信装置の設置位置の予測に必要な各情報を収集する。作業者は表示部106に表示された情報等に従って、入力部101から必要な情報の入力を行う。また、情報の入力は全ての項目をあらかじめ入力する方法だけでなく、個々のステップまたは複数のステップについての動作が行われるごとに入力する方式とすることもできる。
制御部107は、入力された情報に基づいて水中物体の捜索が行われる時間である捜索期間および捜索が行われる領域である捜索領域を記憶部102に設定する(ステップ1)。次に制御部107は捜索領域での環境に関する条件について海洋環境情報として記憶部102に設定する(ステップ2)。海洋環境情報は、捜索領域として設定した海域での風速、波高、海底質、雑音レベル等の情報により構成されている。
海洋環境情報の設定が終わると、制御部107は水中物体の基本情報および行動定義を記憶部102に設定する(ステップ3)。水中物体の基本情報は、水中物体のターゲットストレングス等の情報を含んでいる。ターゲットストレングスとは、水中物体において音波が反響する際における、入射した音波に対する反響する音波の強度に関する情報のことをいう。また、水中物体の基本情報には水中物体の大きさ等の情報が含まれていることもある。水中物体の行動定義は、水中物体が通常行動をしている場合および回避行動をしている場合についてそれぞれ設定される。通常行動の行動定義としては、水中物体が通常行動パターンによる行動をしている際の、航走速力および存在深度が設定される。また、回避行動の行動定義としては、水中物体が回避行動時にとり得る複数の回避行動パターンと回避行動パターンごとのとり得る確率が設定される。
水中物体の行動回避パターンおよびその確率は、例えば、図5に示す表のように設定することができる。図5に示した例では、水中物体の回避行動パターンとして、「更に深い深度にしばらく潜行する」、「捜索船から最短で離れる経路をとる」および「探知されにくい体勢をとるよう進路を変更する」の3つの回避行動パターンが設定されている。また、図5に示した例では、回避行動を行う際に「更に深い深度にしばらく潜行する」の回避行動パターンをとり得る確率が20%、「捜索船から最短で離れる経路をとる」の回避行動パターンを採り得る確率が50%と設定されている。また、「探知されにくい体勢をとるよう進路を変更する」の回避行動パターンをとり得る確率は30%と設定されている。
水中物体の基本情報および行動定義の設定が終わると、制御部107はソーナーの送信装置である捜索船の初期位置等に関する情報を記憶部102に設定する(ステップ4)。捜索船は音波の送信装置を備えた船舶や艦船等である。捜索船は複数、設定されることもある。捜索船が設定されると、制御部107は投入する捜索船が移動する際の進路および速力の情報を記憶部102に設定する(ステップ5)。
各条件に関する情報の設定が終わると、シミュレーション部103は制御部107からの指示により設定された情報に基づいて、水中物体の回避行動を模擬するシミュレーションを開始する。シミュレーション部103は、記憶部102に設定された進路および速力の情報に従って捜索船を移動させた際の、水中物体が行動定義に従って行動した場合の位置を求めるシミュレーションを行う(ステップ6)。
シミュレーション部103は設定された捜索船のソーナーの受信手段により水中物体を直接、探知可能な距離、すなわち、探知距離をソーナー方程式を用いて計算する。捜索船から探知距離内にある範囲を探知領域と呼ぶこととする。ソーナー方程式はソーナー装置の探知距離を算出するための理論的基礎として、定式化されたものである。ソーナー方程式は、ソーナーの最適設計や、ソーナー装置の性能予測に使用される。ソーナー方程式は、ある地点における音波の強度と検出可能な最小の強度とが等しいとして式を表すことができる。探知距離は、ある地点で検出できる最小の音波の強度とその地点における送信装置から送信された音波の強度が一致する地点までの距離である。ある地点における音波の強度は、(送波レベル)−(伝搬損失)と表すことができる。また、ある地点で検出できる最小の音波の強度は、(雑音レベル)−(ターゲットストレングス)−(指向性利得)+(検出閾値)と表すことができる。よって、(送波レベル)−(伝搬損失)=(雑音レベル)−(ターゲットストレングス)−(指向性利得)+(検出閾値)となるような距離を求めることにより探知距離を算出することができる。このときの伝搬損失は、送信装置から水中物体まで音波が進む間と水中物体で反響して検出装置まで音波が進む間について加算された伝搬損失を示す。また、送波レベル、伝搬損失、ターゲットストレングス、指向性利得および検出閾値の値は、デシベルを単位とする量で表される。
シミュレーション部103は、ソーナー方程式を用いて被探知領域を算出する。被探知領域は、捜索船の発した音波を水中物体が検知することが可能な距離、すなわち、捜索船からの音波が届く範囲である。被探知領域の場合は送信装置から水中物体まで加算された伝搬損失が用いられる。探知領域および被探知領域を算出する際に必要な、送信深度、送信周波数、送波レベル、送信指向性等の情報はあらかじめ記憶部102に保存されている。送信深度は、送信する音波の深さ方向の到達範囲を設定するものであり、捜索の対象とする水中物体の深さを想定して設定される。
シミュレーション部103は図6に示したように捜索領域28に水中物体29を初期位置として均等に分布させる。図6は水中物体29が縦5列、横5列に均等に分布するように配置されている例を示している。捜索領域28よりも外側の領域についても、水中物体を配置することもできる。例えば、図6のように捜索領域28内に縦5列、横5列に均等に分布するように水中物体29が配置されている場合において、4辺の外側にそれぞれ一列ずつ加えて配置した縦7列、横7列の水中物体の行動予測を行う。捜索領域28の外側に水中物体を配置し、捜索領域28の最外周部を越えて移動する水中物体も考慮することにより捜索領域28の外周部での予測の精度を向上することができる。図7はシミュレーションを開始した直後の捜索船および水中物体の位置を示したものである。図7では捜索船30が航跡31の経路で移動を行っている。また、図7では捜索船30の探知領域33および被探知領域34が設定されている。図7の白い丸は通常行動の水中物体29を示している。図7の黒い丸は回避行動をしている水中物体35を示している。図7では、初期位置で捜索領域28の外に存在した水中物体が捜索領域28内に入り、水中物体29の数が初期の状態から増えている。
シミュレーション部103は被探知領域34に入った水中物体35については回避行動をとるものとして動作を予測し、被探知領域34の外部にある水中物体29は通常行動をとるものとして動作の予測を行う。予測する際の回避行動のパターンの選択は、例えば、各々の行動パターンに発生確率に応じた数の乱数を割り当て、さらに発生させた疑似乱数と一致した行動パターンの回避行動をとる方法とすることができる。また、探知領域33内に入った水中物体は、発見済みの水中物体32として他の水中物体と区別されシミュレーションから除外される。図8はシミュレーションを開始してから時間が経過した場合の例を示している。航跡31は図7に比べると伸びており、捜索船30の移動により水中物体が密に存在する場所と存在する水中物体の数が少ない場所とが見られるようになっている。すなわち、捜索領域28を所定の大きさのメッシュで区切ったとした場合に、各メッシュの中に存在する水中物体の数の差が大きくなっている。また、図8では捜索領域28の外に移動した水中物体の存在や、発見済みの水中物体32の表示からの除外により水中物体29および水中物体35の総数は図7の状態から減少している。発見済みの水中物体32は表示から消去しない方法とすることもできる。
シミュレーション部103の予測により水中物体の位置が定まると、計算領域判定部104は受信位置の設定位置を予測する際に考慮する必要のある領域を判断する(ステップ7)。計算領域判定部104は図9に示したように捜索領域28を所定の数または所定の大きさごとのメッシュに区切る。図9は捜索領域を16分割の均等な大きさのメッシュに区切った例を示している。捜索領域の区切り方は捜索領域内で一様でなくともよい。例えば、捜索船からの距離に応じてメッシュの大きさを変えてもよい。計算領域判定部104は捜索領域をメッシュに区切ると、メッシュごとに捜索船30からの音波が到達するかを判断する。計算領域判定部104は捜索船30からの音波が水中物体で反響する際の強度、すなわちエコーレベルが雑音レベルNLよりも大きいときに、捜索船30からの音波が到達する領域であると判断する。捜索船30からの音波のエコーレベルは、(送波レベル)−(伝搬損失TL1)+(ターゲットストレングス)で求めることができる。よって、(送波レベル)−(伝搬損失TL1)+(ターゲットストレングス)>(雑音レベルNL)を満たすときに、捜索船30からの音波が到達すると判断される。このとき、伝搬損失TL1にはデシベルで表した値の絶対値が用いられる。また、ターゲットストレングスは、水中物体に到達した音波よりも、反響後の音波が大きい方を正としている。また、送波レベル、ターゲットストレングスおよび雑音レベルの値についてもデシベルを単位とする量で表される。
送波レベル、ターゲットストレングスおよび雑音レベルNLの値には各ステップで記憶部102に設定された情報が用いられる。伝搬損失TL1について、図10を参照して説明する。図10は捜索船を水面の上方から見た際の水平平面図である。捜索船の位置は図10の送信位置17に該当し、伝搬損失TL1は送信位置17から計算方向19に沿った音波伝搬計算を行うことにより求めることができる。制御部107は捜索船からのエコーレベルを全方位について計算し、その結果を基に計算領域判定部104はメッシュごとに音波が届くかどうかを判断する。図11は捜索船30から音波が届き受信位置の予測において考慮するべき領域を判断した結果の例を示している。図11の斜線部39は受信位置の予測において考慮するべき領域と判断した領域である。音波が到達する領域を判断すると、計算領域判定部104はその領域に含まれる水中物体の位置情報を抽出する。
対象となる水中物体が定まると、対象となった水中物体ごとにその予測位置に水中物体を想定した場合の反響波の強度、すなわち、エコーレベルの計算が実施される(ステップ8)。制御部107は、図12に示した送信位置17から水中物体の予測位置18へ進む経路19に沿った伝搬損失TL1を計算する。また、制御部107は、水中物体の予測位置18における反響波のうち1方向の経路20についての伝搬損失TL2を計算する。図13は送信位置17から音波の伝搬する領域22を垂直断面方向の図として示したものである。図13の矢印23は深さ21における、音波が到達する範囲を示している。水平方向での水中物体の予測位置18、深さ21の位置に水中物体が存在するものとすると、送信位置17から位置24までの伝搬損失を加算した値が伝搬損失TL1となる。また、図14は水中物体での反響波が伝搬する領域26を垂直断面方向の図として示したものである。図14において、水平方向での水中物体の予測位置18、深さ21にある水中物体からの反響波を水平方向の予測位置18、深さ25、すなわち位置27で受信するものとする。そのとき、水平方向の予測位置18での深さ21から深さ25までの伝搬損失を加算した値が伝搬損失TL2となる。送信位置から水中物体までの伝搬損失TL1および水中物体において反響した後の伝搬損失TL2を得ると、制御部107は伝搬損失TL1および伝搬損失TL2と各設定値を用いて、エコーレベルを計算する。エコーレベルは、(送波レベル)−(伝送損失TL1)+(ターゲットストレングス)−(伝送損失TL2)で算出することができる。さらに他の方位についてエコーレベルを計算することにより、1つの水中物体に関するエコーレベルマップを得ることができる。伝送損失TL2にもデシベルで表した値の絶対値が用いられる。
対象と判断された各々の水中物体についてのエコーレベルマップが生成されると、エナジーマップ生成部105は生成されたエコーレベルマップを積算しエナジーマップを生成する(ステップ9)。エナジーマップは、計算領域判定部104で判断された領域内に存在する水中物体からの反響波の強度を、座標位置ごとに積算したデータを示すものである。エナジーマップにおいてエコーレベルの値が高い座標位置は、水中物体を検出する可能性が高い位置である。よって、エナジーマップにおいてエコーレベルが高い座標位置を、受信装置を配置するのに適した場所と判断することができる。また、このとき、水中物体が存在すると想定した場所は、受信装置を配置するのに適した場所の判断から除外される。また、受信装置を配置するのに適した場所は、所定のエコーレベル以上の場所のように設定され、領域内で複数存在することもある。
エナジーマップの生成が終わると、表示部106は制御部107の指示により回避行動等のシミュレーションによる水中物体の存在位置の予測結果およびエナジーマップを重畳して図15のような表示を行う(ステップ10)。図15は捜索領域28内での通常行動の水中物体29および回避行動の水中物体35の分布、捜索船30、航跡31等の位置に関する予測結果を表している。また、図15は水中物体の位置に関する予測結果と重ねてエナジーマップを表示している。図15において反響波の強度は、強度が高い位置を黒、低い位置を白とした所定の階調によるグレースケールで表示されている。図15では、最も黒に近い表示部分、すなわち、一番低い階調での表示部分が強度のもっとも強い箇所36を示している。また、その次に階調の低い部分が、一定以上の強度の箇所37と一定以上の強度の箇所38を示している。反響波が観測されない場所は、一番高い階調である白で表示される。図15のようにグレースケールでの表示により反響波の強度を示すことにより、作業者は受信装置の設置に適した場所を視覚的に認識することができる。また、反響波の強度の表示は、階調が高くなる方向、すなわち、白の方向を反響波の強度が高い方向とするグレースケールでの表示で行ってもよく、また、カラー表示で行ってもよい。カラー表示を行う場合は、例えば2色を基準として強度に応じてその2色の間の色層を用いて表示することができる。ある時刻におけるエナジーマップの表示が終わると、制御部107は捜索期間分の計算が完了したかを判断する(ステップ11)。捜索期間が残っていると判断した場合(ステップ11でNo)、ステップ6に戻り、捜索船がさらに動いた場合の水中物体の位置を基にしたエナジーマップの生成が行われる。表示部106は生成されたエナジーマップを、捜索船、水中物体の位置とともに表示する。これらの動作を繰り返すことにより、表示部106には時間経過ごとの捜索船、水中物体の位置およびエナジーマップの変化の様子が表示される。捜索期間分の計算を完了したと判断した場合は(ステップ11でYes)、受信位置の予測装置はシミュレーションの動作を完了する。
本実施形態では、シミュレーションを行う際に、水中物体の初期位置が捜索領域内で均一に分布するように設定されている。捜索領域内に均一に水中物体が存在する状態からシミュレーションを行うことにより、水中物体の存在が未知の領域において水中物体からの反響波を受信できる可能性の高い位置を的確に予測することができる。
本実施形態の受信位置予測装置では、水中物体の存在位置の予測と反響波の強度の計算が必要な領域の判断を行い、計算が必要と判断された領域内に存在すると予測される水中物体についての反響波の強度の計算を行っている。複数の水中物体について反響波の強度の計算結果から、反響波の強度分布の情報を得ることにより受信位置として適する位置を予測している。そのため、水中物体の配置等を作業者が行う必要はなく、予測結果を得るまでの時間を短縮することができる。また、一定の範囲に存在する水中物体についてのみ計算を行うことにより、計算量を大幅に低減することができるため結果を迅速に出すことが可能となる。よって、煩雑な作業を必要とせずに短時間で最適な受信装置の設置位置の予測結果を得ることができる。
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。第1の実施形態の受信位置予測装置では水中物体が一様に分布した状態から、水中物体の位置変化の予測を行った。本実施形態では、水中物体が存在していたことが既知である位置を基準として、その位置に水中物体を密に配置した状態から位置変化の予測を行う。本実施形態の受信位置予測装置は第1の実施形態において図1に示したものと同様の構成のものを用いることができる。
本実施形態のマルチスタティックソーナーの受信位置予測装置において、最適な受信装置の設置位置を予測する際の動作について説明する。図16は、本実施形態において受信装置の設置位置を予測する際のフローの概要を示したものである。
作業者の操作等により受信装置の設置位置の予測が開始されたとする。制御部107は表示部106に必要な入力項目を表示し、受信装置の設置位置の予測に必要な各情報を収集する。このとき、作業者は各情報とともに過去に水中物体が存在した位置の情報を入力部101へと入力する。また、記憶部102に水中物体の存在位置が記憶されていて、表示部106に表示されたものの中から作業者が選択する方法または自動入力される方法とすることもできる。
制御部107は、入力された情報に基づいて水中物体の捜索が行われる期間である捜索期間および水中物体を過去に認識していた地点を捜索地点として記憶部102に設定する(ステップ21)。次に制御部107は捜索領域での環境に関する条件について海洋環境情報として記憶部102に設定する(ステップ22)。本実施形態で扱う各情報は第1の実施形態の同名称の情報と同様の構成である。例えば、海洋環境情報は、第1の実施形態と同様に捜索領域として設定した海域での風速、波高、海底質、雑音レベル等の情報により構成されている。
海洋環境情報の設定が終わると、制御部107は水中物体の基本情報および行動定義を記憶部102に設定する(ステップ23)。水中物体の基本情報および行動定義の設定が終わると、制御部107はソーナーの送信装置である捜索船を記憶部102に設定する(ステップ24)。捜索船が設定されると、制御部107は投入する捜索船が移動する際の進路および速力の情報を記憶部102に設定する(ステップ25)。
各条件に関する情報の設定が終わると、シミュレーション部103は設定された情報に基づいて、水中物体の回避行動を模擬するシミュレーションを行う(ステップ26)。シミュレーション部103は、設定された捜索船のソーナーにより水中物体を直接、探知可能な距離をソーナー方程式を用いて計算して、探知領域として算出する。また、シミュレーション部103は、ソーナー方程式を用いて、捜索船の発した音波が到達する距離を計算してその距離を被探知領域とする。探知領域および被探知領域の算出が終わると、水中物体は捜索地点として設定された地点から所定の距離内に複数存在するように配置される。
図17は水中物体が配置されている例を示している。図17では、捜索領域28内で過去に水中物体が存在した地点を中心にした誤差領域40を設定し、水中物体29を密に配置している。誤差領域40は、過去に存在を認識していた水中物体が動き得る範囲を想定して設定された領域である。本実施形態では誤差領域40の範囲は捜索地点からの距離としてあらかじめ設定されている距離を基に設定される。誤差領域40は過去に水中物体を認識していた時点からの経過時間により変化させてもよい。シミュレーション部103は、記憶部102に設定された進路および速力の情報に従って捜索船を移動させた際の、水中物体が行動定義に従って行動した場合の位置を求めるシミュレーションを行う。図18は水中物体の位置の予測を行った後の水中物体の存在位置の分布の例を示している。図18は捜索領域28内に捜索船30、探知領域33、被探知領域34、通常行動の水中物体29および回避行動の水中物体35が示されている。図17に示した水中物体の初期位置と比べると、通常行動または回避行動により、通常行動の水中物体29および回避行動の水中物体35が密に存在する場所と、水中物体の存在が少ない場所が生じている。
シミュレーション部103の予測により水中物体の位置が定まると、計算領域判定部104は受信位置の設定位置を予測する際に考慮する必要のある領域を判断する(ステップ27)。受信装置の設置位置の予測に必要な領域を判断すると、計算領域判定部104はその領域に含まれる水中物体の位置情報を抽出する。制御部107は計算領域判定部104で位置情報が検出された水中物体について反響波の強度すなわちエコーレベルを計算することにより、1つの水中物体に関するエコーレベルマップを生成する(ステップ28)。対象と判断された水中物体についてのエコーレベルマップの生成を完了すると、エナジーマップ生成部105は生成されたエコーレベルマップを積算しエナジーマップを生成する(ステップ29)。
エナジーマップの生成が終わると、表示部106は回避行動等のシミュレーションによる水中物体の存在位置の予測結果およびエナジーマップを重畳した表示を行う(ステップ30)。ある時刻におけるエナジーマップの表示が終わると、制御部107は捜索期間分の計算が完了したかを判断する(ステップ31)。捜索期間が残っていると判断した場合(ステップ31でNo)、ステップ26に戻り、捜索船がさらに動いた場合の、エナジーマップの生成が行われて、捜索船、水中物体の位置とともに表示が行われる。このような動作の繰り返しにより表示部106には時間経過ごとの捜索船、水中物体の位置およびエナジーマップの変化の様子が表示される。捜索期間分の計算を完了したと判断した場合は(ステップ31でYes)、受信位置の予測装置はシミュレーションの動作を完了する。
本実施形態の受信位置の予測装置は、過去に水中物体が存在した位置など水中物体が存在する確率が高い位置に水中物体を密に配置して、存在位置の変化の予測を行っている。過去に存在した地点を中心とし、水中物体を密に配置して予測計算を行うことにより精度の高い受信位置の予測が可能となる。
第1の実施形態および第2の実施形態における受信位置の予測は、専用の装置だけでなく汎用の電子計算機を用いてコンピュータプログラムにより行うこともできる。また、受信位置の予測は専用の装置と汎用の電子計算機の組み合わせにより構成された装置で行うこともできる。
本発明の第3の実施形態について図19を参照して詳細に説明する。図19は本実施形態の受信位置予測装置の構成の概要を示したものである。本実施形態の受信位置予測装置は、信号到達領域予測手段51と、行動予測手段52と、領域判断手段53と、反響波計算手段54と、マップ生成手段55とを備えている。信号到達領域予測手段51は、送信装置から音波の到達する領域を計算して信号到達領域として出力する。行動予測手段52は、所定の領域内に配置された複数の物体の位置変化を、信号到達領域および物体に関する所定の設定情報に基づいて予測して物体の位置変化後の位置情報を第1の物***置情報として出力する。領域判断手段53は、信号到達領域の領域内に第1の物***置情報が含まれる物体の位置情報を第2の物***置情報として出力する。反響波計算手段54は、送信装置からの音波が、第2の物***置情報の位置に存在する各物体で反響する際の反響波の強度を計算する。マップ生成手段55は、反響波計算手段54により計算された複数の物体からの反響波の強度を加算し各座標における反響波の強度分布を算出する。
本実施形態の受信位置予測装置では、物体の位置変化を予測して位置変化後の位置情報が信号到達領域の領域内である場合に、その物体の反響波の強度の計算を行っている。そのため、作業者は物体を配置する複雑な作業を必要とせず、反響波の強度を計算する領域を限定していることから計算結果を短時間で得ることができる。また、複数の物体からの反響波の強度から反響波の強度分布の算出を行っており、受信装置を配置するのに適した場所についての情報を強度分布から得ることができる。以上より、本実施形態の受信位置予測装置を用いると、作業者の複雑な作業を必要とせずに短時間で最適な受信位置に関する情報を得ることができる。
本発明は、マルチスタティックソーナーを使用する船舶等においてソーナーの受信位置を予測する技術として用いることができる。
1 水面
2 混合層の音速プロファイル
3 水温躍層の音速プロファイル
4 深海等温層の音速プロファイル
5 送受信装置
6 水面
7 海底
8 水中物体
9 経路
10 経路
11 経路
12 経路
13 送信装置
14 経路
15 受信装置
16 受信装置
17 送信位置
18 水中物体の予測位置
19 計算方向
20 経路
21 深さ
22 領域
23 矢印
24 位置
25 深さ
26 領域
27 位置
28 捜索領域
29 水中物体
30 捜索船
31 航跡
32 発見済みの水中物体
33 探知領域
34 被探知領域
35 水中物体
36 強度のもっとも強い箇所
37 一定以上の強度の箇所
38 一定以上の強度の箇所
39 斜線部
40 誤差領域
51 信号到達領域予測手段
52 行動予測手段
53 領域判断手段
54 反響波計算手段
55 マップ生成手段
101 入力部
102 記憶部
103 シミュレーション部
104 計算領域判定部
105 エナジーマップ生成部
106 表示部
107 制御部
S1−S11 受信位置予測の各ステップ
S21−S31 受信位置予測の各ステップ

Claims (9)

  1. 送信装置から音波の到達する領域を計算して信号到達領域として出力する信号到達領域予測手段と、
    所定の領域内に配置された複数の物体の時間経過ごとの位置変化を、前記信号到達領域および前記物体に関する所定の設定情報に基づいて予測して前記物体の位置変化後の位置情報を第1の物***置情報として出力する行動予測手段と、
    前記信号到達領域の領域内に前記第1の物***置情報が含まれる前記物体の位置情報を第2の物***置情報として出力する領域判断手段と、
    前記送信装置からの前記音波が、第2の物***置情報の位置に存在する各物体で反響する際の反響波の強度を時間経過ごとに計算する反響波計算手段と、
    前記反響波計算手段により計算された複数の物体からの前記反響波の強度を加算し各座標における時間経過ごとの前記反響波の強度分布を算出するマップ生成手段と
    時間経過ごとの前記強度分布の変化の様子の表示データを出力する出力手段と
    を備えることを特徴とするソーナーの受信位置予測装置。
  2. 前記行動予測手段は、前記送信装置が移動した場合の前記物体の位置変化を予測して、位置変化後の位置情報を前記第1の物体位置情報として出力する手段を有し、
    前記マップ生成手段は、前記送信装置の移動による前記物体の位置変化から生じる前記反響波の強度分布の変化を時間経過ごとに算出する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のソーナーの受信位置予測装置。
  3. 前記所定の領域内に配置された複数の前記物体は、前記所定の領域内で均一に分布するように初期位置が設定されることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載のソーナーの受信位置予測装置。
  4. 前記所定の領域内に配置された複数の前記物体は、所定の方法により設定された位置から所定の範囲内に初期位置が設定されていることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載のソーナーの受信位置予測装置。
  5. 送信装置から音波の到達する領域を計算して信号到達領域として出力し、
    所定の領域内に配置された複数の物体の時間経過ごとの位置変化を、前記信号到達領域および前記物体に関する所定の設定情報に基づいて予測して前記物体の位置変化後の位置情報を第1の物***置情報として出力し、
    前記信号到達領域の領域内に前記第1の物***置情報が含まれる前記物体の位置情報を第2の物***置情報として出力し、
    前記送信装置からの前記音波が、第2の物***置情報の位置に存在する各物体で反響する際の反響波の強度を時間経過ごとに計算し、
    複数の物体からの前記反響波の強度を加算し各座標における前記反響波の強度分布を算出し、
    時間経過ごとの前記強度分布の変化の様子の表示データを出力することを特徴とするソーナーの受信位置予測方法。
  6. 前記送信装置が移動した場合の前記物体の位置変化を予測して、位置変化後の位置情報を前記第1の物体位置情報として出力し、
    前記送信装置の移動による前記物体の位置変化から生じる前記反響波の強度分布の変化を時間経過ごとに算出することを特徴とする請求項5に記載のソーナーの受信位置予測方法。
  7. 前記所定の領域内に配置された複数の前記物体の初期位置を、前記所定の領域内で均一に分布するように初期位置が設定することを特徴とする請求項5または6いずれかに記載のソーナーの受信位置予測方法。
  8. 前記所定の領域内に配置された複数の前記物体の初期位置を、所定の方法により設定された位置から所定の範囲内に設定することを特徴とする請求項5または6いずれかに記載のソーナーの受信位置予測方法。
  9. 送信装置から音波の到達する領域を計算して信号到達領域として出力する信号到達領域予測処理と、
    所定の領域内に配置された複数の物体の時間経過ごとの位置変化を、前記信号到達領域および前記物体に関する所定の設定情報に基づいて予測して前記物体の位置変化後の位置情報を第1の物***置情報として出力する行動予測処理と、
    前記信号到達領域の領域内に前記第1の物***置情報が含まれる前記物体の位置情報を第2の物***置情報として出力する領域判断処理と、
    前記送信装置からの前記音波が、第2の物***置情報の位置に存在する各物体で反響する際の反響波の強度を時間経過ごとに計算する反響波計算処理と、
    前記反響波計算機能により計算された複数の物体からの前記反響波の強度を加算し各座標における時間経過ごとの前記反響波の強度分布を算出するマップ生成処理
    時間経過ごとの前記強度分布の変化の様子の表示データを出力する出力処理と
    をコンピュータに実行させることを特徴とするソーナーの受信位置予測用プログラム。
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