JP6285851B2 - 緩衝装置、伸縮体及び排水システム - Google Patents

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Description

本発明は、排水管に取り付けられ、該排水管の内部圧力の変動を緩和する緩衝装置、伸縮体及び排水システムに関する。
建物等の構造物において、排水管を通して排水する際、排水が排水管を流れることにより、排水管内に負圧や正圧が生じる。排水管内に負圧が生じると、排水管内で異音を生じたり、排水管の悪臭などを封じ込めるトラップの水が流出し、封水が破れてしまう場合がある。他方、排水管内に過大な正圧が生じると、トラップの封水や臭気が噴き出してしまう場合がある。従来、このような排水管の内部圧力の変動を緩和するために種々の装置が用いられている。
例えば、特許文献1は、排水を流下させる際に排水管内に生じた正圧を緩和し、水回り器具の排水口付近の排水の滞留を抑制するサイフォン排水システムを開示している。該サイフォン排水システム(10)は、水廻り器具(12)から下方へ延び、該水廻り器具(12)からの排水を下方へ流す排水導入管(18)と、該排水導入管(18)と連通して横方向へ延び、該排水導入管(18)からの排水を横方向へ流す横引き管(24)と、該横引き管(24)と連通して下方へ延び、該横引き管(24)からの排水を流下させることによりサイフォン力を発生させる竪管(26)と、排水導入管(18)と連通し、水廻り器具(12)からの排水によって押圧された排水導入管(18)内の空気が流入可能とされ、室内が拡縮可能な密閉された空気室(28)と、を備える。該空気室(28)は、その容積が変動可能な袋部材(34)や蛇腹状部材(37)によって定められる。蛇腹状部材(37)は、上端部が閉鎖され、他端部が開放され、この開放端部が連通している。蛇腹状部材(37)は、蛇腹状の側壁(37A)が伸縮可能であり、該側壁(37A)が伸長することにより、空気室(28)が拡大され、該側壁(37A)が縮むことにより、空気室(28)が縮小される。なお、()内に特許文献1の符号を示した。
特開2011−12536号公報
特許文献1のサイフォン排水システムでは、排水管内の正圧を緩和するために袋部材が風船のように膨張して、その内部空間を拡大する。そのため、排水管の正圧の大きさが袋部材の許容範囲を超えたとき、袋部材の周壁が薄くなって破裂し易いという問題がある。他方、特許文献1のサイフォン排水システムの蛇腹状部材は、内部空間の拡縮運動が蛇腹構造によって定められるため、袋部材と比べて破裂の虞がなく、動作安定性及び耐久性の点で有利である。特許文献1のような一般的な蛇腹状部材は、射出成形やブロー成形によって初期成形形状で形成されている。すなわち、当該蛇腹状部材は、排水管内の正圧又は負圧に応じて、圧力がかからない初期成形形状(原形)から弾性変形して伸縮し、排水管内の正圧又は負圧が解消されたら、弾性復帰力によって原形に復帰するように動作する。しかしながら、蛇腹状部材を原形から弾性変形させるには、その伸縮の初動のために瞬間的な大きな力が必要となる。そのため、該蛇腹状部材の弾性変形には、相応の大きな圧力が必要であり、排水管内の圧力変動に対する応答が遅れたり、または、弱い圧力では動作し難いことが問題であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、排水管内の圧力変動を迅速且つ安定的に緩和する緩衝装置、伸縮体及び排水システムを提供することにある。
請求項1に記載の緩衝装置は、排水管に取り付けられ、排水管の内部圧力の変動を緩和する緩衝装置であって、
排水管の内部圧力の増減に応じて容積が変動可能な伸縮体を備え、
伸縮体は、一端が開放されたとともに他端が閉塞された中空の筒壁部と、筒壁部の周方向に沿って外面から筒壁部の内周縁を残して切り込まれた複数の外溝部と、筒壁部の周方向に沿って内面から筒壁部の外周縁を残して切り込まれた複数の内溝部と、を備え
外溝部と内溝部とが筒壁部の軸方向に交互に形成され、外溝部と内溝部の間には環状板体が定められ、各外溝部の溝幅及び各内溝部の溝幅が変動して伸縮体が軸方向に伸縮可能であり、且つ、前記複数の環状板体が重畳されて前記筒壁部が完全に収縮した形態で弾性復帰力が発生しないことを特徴とする。
請求項2に記載の緩衝装置は、請求項1に記載の緩衝装置において、伸縮体は、当該緩衝装置の本体内部及び/又は排水管内部に配置され、且つ、伸縮体内部が排水管内部と連通せずに外部環境に開放されており、排水管内部が正圧になるときに伸縮体が収縮することを特徴とする。
請求項3に記載の緩衝装置は、請求項1又は2に記載の緩衝装置において、伸縮体は、自然状態で筒壁部の他端が鉛直下方に位置するように自重により垂れ下がり、伸び代を残した状態で所定長で伸長していることを特徴とする。
請求項4に記載の緩衝装置は、請求項1から3のいずれかに記載の緩衝装置において、伸縮体は、筒壁部の他端を閉塞するとともに、排水管からの気流を受けるように他端側に開口したカップ状の受け部を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の緩衝装置は、請求項1に記載の緩衝装置において、伸縮体は、排水管の外部環境に配置され、且つ、伸縮体内部が排水管内部と連通し、排水管内部が正圧になるときに伸縮体が伸長することを特徴とする。
請求項6に記載の伸縮体は、排水管に取り付けられ、排水管の内部圧力の変動に応じて容積が変動可能な伸縮体であって、
一端が開放されたとともに他端が閉塞された中空の筒壁部と、
筒壁部の周方向に沿って外面から筒壁部の内周縁を残して切り込まれた複数の外溝部と、
筒壁部の周方向に沿って内面から筒壁部の外周縁を残して切り込まれた複数の内溝部と、を備え、
外溝部と内溝部とが筒壁部の長手方向に交互に形成され、外溝部と内溝部の間には環状板体が定められ、外溝部の溝幅及び内溝部の溝幅が変動して軸方向に伸縮可能であり、且つ、複数の環状板体が重畳されて筒壁部が完全に収縮した形態で弾性復帰力が発生しないことを特徴とする。
請求項7に記載の排水システムは、排水を流すための排水主管、及び、該排水主管に連結された枝管を備える排水管と、
枝管に取着された請求項1から5のいずれか一項に記載の緩衝装置と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の緩衝装置によれば、排水管内部の圧力変動を緩和すべく、外溝部及び内溝部の溝幅がそれぞれ変動するように伸縮体が軸方向に伸長又は収縮する。特には、複数の外溝部が筒壁部の周方向に沿って外面から切り込まれ、且つ、複数の内溝部が筒壁部の周方向に沿って内面から切り込まれている。すなわち、溝部が切れ目からなるため、溝幅が実質的に0となるように筒壁部が完全に収縮した形態を原形として維持する。そして、この収縮形態から筒壁部が伸長方向に展開されることにより、当該伸縮体の容積が増大する。つまり、本発明の緩衝装置の伸縮体は、筒壁部が溝部を介して軸方向に展開又は折り畳まれることで伸縮運動するものであるから、従来の弾性変形式の蛇腹成形品と比べて、より弱い力で容易に変形可能である。したがって、本発明の緩衝装置は、排水管内の圧力変動を迅速且つ安定的に緩和することができる。
請求項2に記載の緩衝装置によれば、請求項1の発明の効果に加えて、伸縮体内部が排水管内部と連通せずに外部環境に開放されるように伸縮体が緩衝装置の本体内部及び/又は排水管内部に配置されている。すなわち、排水管内部が正圧となることで伸縮体内部の空気が外部環境に排出されると同時に溝幅が狭まり、伸縮体が収縮する。他方、排水管内部が負圧となることで伸縮体内部に外気が導入されると同時に溝幅が広がり、伸縮体が伸長する。このように伸縮体が外部環境に露出しないように配置されるので、伸縮体を外部環境から保護するとともに、緩衝装置の外形又は外観を伸縮体の伸縮に依らずコンパクトに保つことができる。
請求項3に記載の緩衝装置によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、排水管内部が正圧又は負圧でない自然状態において、伸縮体が自重で垂れ下がり、重力によって所定の溝幅まで伸長変形している。この自然状態では、伸縮体が重力で均衡した状態にあるので、排水管の内部圧力に変動に迅速に応答して伸縮変形自在である。
請求項4に記載の緩衝装置によれば、請求項1から3のいずれかの発明の効果に加えて、受け部が伸縮体の伸縮方向と同じ方向に開口していることにより、排水管内の圧力変動に伴う気流を受け部で効果的に受け、伸縮運動を補助とする。
請求項5に記載の緩衝装置によれば、請求項1の発明の効果に加えて、伸縮体内部が排水管内部と連通するように伸縮体が排水管の外部環境に配置されている。すなわち、排水管内部が負圧となることで伸縮体内部の空気が排水管内部に排出されると同時に溝幅が狭まり、伸縮体が収縮する。他方、排水管内部が正圧となることで伸縮体内部に空気が導入されると同時に溝幅が広がり、伸縮体が伸長する。
請求項6に記載の伸縮体によれば、外溝部及び内溝部の溝幅がそれぞれ変動するように伸縮体が軸方向に伸長又は収縮する。特には、複数の外溝部が筒壁部の周方向に沿って外面から切り込まれ、且つ、複数の内溝部が筒壁部の周方向に沿って内面から切り込まれている。すなわち、溝部が切れ目からなるため、溝幅が実質的に0となるように筒壁部が完全に収縮した形態を原形として維持する。そして、この収縮形態から筒壁部が伸長方向に展開されることにより、当該伸縮体の容積が増大する。つまり、本発明の伸縮体は、筒壁部が溝部を介して軸方向に展開又は折り畳まれることで伸縮運動するものであるから、従来の弾性変形式の蛇腹成形品と比べて、より弱い力で容易に変形可能である。したがって、本発明の伸縮体は、排水管内の圧力変動に迅速且つ安定的に応答して動作可能である。
請求項7に記載の排水システムによれば、請求項1から5のいずれかの緩衝装置の効果を排水システム全体として発揮することができる。したがって、本発明の排水システムは、緩衝装置によって排水管内の圧力変動を迅速且つ安定的に緩和するものである。
本発明に係る一実施形態(実施形態1)の緩衝装置の概略斜視図。 図1の緩衝装置の(a)平面図及び(b)側面図。 図2(b)の緩衝装置のA−A縦断面図。 図3の緩衝装置のB−B断面図。 図1の緩衝装置の伸縮体を示し、(a)は収縮形態の伸縮体の縦断面図であり、(b)はそのC−C断面図であり、(c)は伸長形態の伸縮体の縦断面図であり、(d)はそのD−D断面図である。 図1の緩衝装置の分解斜視図。 一実施形態の排水システムの分解斜視図。。 図7の排水システムの部分断面図であり、(a)は排水管の自然状態を示し、(b)は排水管の正圧状態を示し、(c)は排水管の負圧状態を示す。 本発明の一実施形態の排水システムにおいて、緩衝装置に追加緩衝装置を増設した圧変動緩衝構造の概略図。 図9の圧変動緩衝構造の断面図。 本発明に係る別実施形態(実施形態2)の緩衝装置の断面図。 本発明に係る別実施形態(実施形態3)の緩衝装置の断面図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
[実施形態1]
一般的に、排水管Pは、排水が流れる主管P1と、該主管P1から枝分かれして上方に開口した枝管P2とからなる。そして、排水管Pの主管P1に排水が流れることにより、排水管Pの内部圧力が外気圧と比べて正圧や負圧に変動する。このような圧変動に対応すべく、排水管Pの枝管P2に圧変動の緩和措置がなされる。すなわち、本発明の一実施形態の緩衝装置100は、主管P1及び枝管P1からなる排水管Pに取り付けられ、排水管Pの内部圧力の変動を緩和するように構成されたものである。そして、本実施形態の排水システム10は、排水管Pと、該排水管Pに装着された緩衝装置100とを備えてなる。以下、図1乃至図6を参照して、本実施形態の緩衝装置100の構成を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の緩衝装置100の斜視図である。図2(a),(b)は、該緩衝装置100の平面図及び正面図である(説明の便宜上、遮蔽部を省略)。図3、4は、該緩衝装置100の縦断面図及び横断面図である。図5は、緩衝装置100を構成する伸縮体120の各断面図である。図6は、緩衝装置100の分解斜視図である。
図1乃至4に示すとおり、本実施形態の緩衝装置100は、排水管Pに接続される接続部113を有し、排水管P内部と連通するとともに外部環境と隔絶された内部空間118を定める中空の本体110と、該本体110に保持され、排水管Pの内部圧力の変動に応じて容積が変動する中空の伸縮体(容積変動体)120と、を備えてなる。該内部空間118は、排水管P内部とともに圧力変動する圧変動空間である。この内部空間118の容積は、本体111内方の全容積から伸縮体120外形の容積を差し引いたものとして定められる。そして、排水管Pの内部圧力の変動に応じて伸縮体120の容積が増減することにより、内部空間118及び排水管P内部の容積の総和が変動し、排水管P内部の圧変動が緩和される。
本体110は、該緩衝装置110の外装部分である周壁111と、該周壁111の上側を部分的に閉塞する上壁112と、周壁111の下端で開口した接続部113と、を備える。該周壁111は中空の円筒形状を有し、上側部分に比べて下方部分が縮径している。また、上壁112は平面視円板形状を有する。そして、周壁111の下端には、排水管Pの枝管P2に接続される接続部113が設けられている。接続部113は、枝管P2の口径に適合可能な継手部113aを任意に含んでいる。この周壁111及び上壁112と伸縮体120外面とが、(本体110を枝管P2に接続した状態で)外部環境と連通せずに排水管P内部と連通した内部空間118を定める。
また、本体110には、上壁112から伸縮体120を吊り下げるための支持部114が設けられている。支持部114は、周壁111の内周から張り出しており、その内周縁に円形の開口を定める。この開口の径は、伸縮体120上端の開口端部122の径に対応している。そして、該支持部114と上壁112とが伸縮体120の開口端部122を封止状態で挟圧することにより、伸縮体120を周壁111の径方向の略中心で保持している。
さらに、本体110の上壁112(図2(a)の下側部分)には、通気部115が設けられている。該通気部115は、支持する伸縮体120内部と外部環境とを通気させるように機能する。図4に示すとおり、該通気部115は、上壁112略中央に穿設された平面視略円弧形状の透孔115aを有する。該透孔115aは、支持部114の内周縁よりも内側に位置している。すなわち、通気部115の透孔115aが伸縮体120内部を外部環境に連通させる。そして、該透孔115aの上方を覆うように周壁111上端に柵状部115bが形成されている。柵状部115bは、伸縮体120内部への通気を妨げることなく当該透孔115aを介して虫やゴミ等が伸縮体120内部に浸入することを防止する。本緩衝装置100では、通気部115は、伸縮体120内部とは連通するが、排水管P内部とは隔絶されている。
そして、本体110の上壁112(図2(a)の上側部分)には、通気部115に隣接して拡張部116が設けられている。該拡張部116は、不使用時には蓋状の遮断部117によって閉塞されているが、必要に応じて当該緩衝装置100の圧変動緩衝性能を拡張すべく(緩衝装置100と同じ構成の)追加緩衝装置100’(図9参照)を連結するように機能する。なお、本実施形態の遮断部117は、閉塞用の蓋材であるが、通気弁であってもよい。通気弁は、排水管Pの自然状態及び正圧時に拡張部116を閉塞して臭気の漏れ出し等を防ぎ、排水管Pの負圧時に外気を吸入して負圧を効果的に解消するように機能する。
図4に示すとおり、当該拡張部116は、上壁112の外周縁近傍に穿設された平面視三日月形状の通孔116aと、該通孔116aの内縁に設けられた柵状部116bと、通孔116aと連通するように上壁112から略垂直に立設した筒部116cと、を備える。該拡張部116(筒部116c中心)は、平面視において周壁111中心から偏心している。該通孔116aは、支持部114の内周縁よりも外側に形成され、伸縮体120の開口端部122の径方向外側に位置する。また、通気部115と拡張部116とは上壁112から立設した隔壁部112aによって隔絶されている。より詳細には、筒部116c内壁に隔壁部112aが一体形成され、透孔115a周縁を縁取るとともに透孔115a上面を覆うことにより、透孔115aと通孔116a(筒部116c内部)とを隔絶している。すなわち、通孔116aは、伸縮体120内部とは連通しないが排水管P内部と連通するように配置されている。後述するとおり、追加緩衝装置100’を緩衝装置100に増設した場合、排水管Pからの気流が本体110内壁と伸縮体120との間に定められた気体流路119を通って拡張部116を通過する。
なお、本実施形態の緩衝装置100の本体110は、合成樹脂で成形されたものであるが、本発明はこれに限定されず、種々の材質を選択可能である。
次に、図3及び図5を参照して、本実施形態の伸縮体120を説明する。図5(a)、(b)は、筒壁部121が収縮した状態(又は折り畳まれた状態)の縦断面図及び横断面図である。図5(c)、(d)は、筒壁部121が伸長した状態(又は展開した状態)の縦断面図及び横断面図である。
伸縮体120は、中空の蛇腹形状を有しており、排水管Pの内部圧力の増減に応じて容積が変動可能に構成されている。また、伸縮体120は、本体110内部及び/又は排水管P内部に配置され、且つ、伸縮体120内部が排水管P内部と連通せずに外部環境に開放されている。そして、該伸縮体120では、その上端(一端)の開口端部122が固定端であり、その他端(下端)の閉塞端部が自由端である。
図3に示すとおり、伸縮体120は、上端に開放端122を有する中空の筒壁部121と、該筒壁部121の外周壁に形成された複数の外溝部124と、該筒壁部121の内周壁に形成された複数の内溝部125と、該筒壁部121の他端を封止状態で閉塞する受け部126とを備える。当該伸縮体120は、その外溝部124及び内溝部125の溝幅がそれぞれ変動するように筒壁部121が軸方向に伸長又は収縮することにより、その容積を増大又は縮小させる。この外溝部124及び内溝部125は、細溝であり、その溝幅を狭めた際に肉部が実質的に当接又は接触する(くっつく)ように閉口する。また、外溝部124及び内溝部125の先端が基端を軸に開口する(はなれる)ことによって、その溝幅が変化する。そして、該筒壁部121内部に、外部環境(通気部115)と連通するが内部空間118(排水管P内部)と隔絶された中空部121aが定められる。
図5(a)に示すとおり、外溝部124は、肉厚の周壁を有する円筒体(完全に折り畳まれた筒壁部121に相当)が周方向に沿って外面から線形状に切り込まれたことにより形成された。他方、内溝部125は、肉厚の周壁を有する円筒体が周方向に沿って内面から線形状に切り込まれたことにより形成された。より詳細には、該伸縮体120では、外溝部124が筒壁部121の内周縁部を残して外面から切り込まれ、且つ、内溝部125が筒壁部121の外周縁部を残して内面から切り込まれている。これら複数の外溝部124と複数の内溝部125とが筒壁部121の軸方向に交互に形成されている。すなわち、外溝部124及び内溝部125は(軸方向と直交する)周方向に延在する線形の切れ目として交互に形成されたものである。そして、原形(収縮形態)において、筒壁部121の外径は、その伸縮部分において軸方向で一様である。
これら外溝部124と内溝部125との間には、図5(b)に示すように環状板体127が定められる。そして、複数の環状板体127が軸方向に内外交互の周縁部を介して連設されている。つまり、各環状板体127は、その内周縁で上方(下方)に隣接する環状板体127に連結され、その外周縁で下方(上方)に隣接する環状板体127に連結される。すなわち、筒壁部121は、肉厚の円筒体に線形の切れ目(各溝部124,125)が形成されたものであるので、環状板体127が接触した状態(各溝部124,125の溝幅が0の状態)を原形として維持する。換言すると、図5(a)のように、各環状板体127が重畳されて筒壁部121が完全に収縮(折り畳まれた)形態では、弾性復帰力が発生していない。この図5(a)の形態では、伸縮体120の容積が最小となる。
そして、図5(a)の収縮状態から各環状板体127が内周縁部及び外周縁部を支点として軸方向に傾動することにより、各外溝部124及び各内溝部125の溝幅がそれぞれ広がって筒壁部121全体が伸長する。すなわち、筒壁部121は、初動において、各環状板体127が縦に展開されるように変形する。この展開変形において、弾性復帰力の影響をほぼ無視することができる。厳密には、環状板体127が傾動するときに弾性的に屈折するが、(筒壁部121が過度に伸長する場合を除いて)重力による影響と比べて弾性復帰力は十分に小さい。そして、複数の外溝部124及び内溝部125の溝幅が変動することにより、筒壁部121が軸方向に伸縮する。図5(c)に示すとおり、各外溝部124及び各内溝部125がほぼ均等な溝幅で広がることにより、筒壁部121が軸方向に伸長する。このとき、環状板体127が屈折して軸方向に傾斜している一方で、図5(d)に示すように、継目127aが原形(水平な環状板)を維持している。この外縁側の継目127aの外径が筒壁部121の最大外径を示し、内縁側の継目127aの内径が筒壁部121の最小内径を示す。収縮形態の筒壁121の外径は、伸長形態の筒壁121の外径とほぼ等しい(あるいは、僅かに大きい)ため、筒壁部121の伸縮による拡張部116までの気体流路119が閉塞されることはない。
また、伸縮体120は、その一端が開放されるように支持部114に支持されている。より詳細には、伸縮体120の開口端部122には円環状の連結片122aが設けられ、この連結片122aが支持部114上面と上壁112下面に封止状態で挟圧されている。つまり、開口端部122及び通気部115を介して中空部121aが外部環境と連通している。
他方、伸縮体120の他端には、該筒壁部121の他端を閉塞するとともに他端側に開口したカップ状の受け部126が取着されている。該受け部126は、所定の重量を有し、伸縮体120全体の自重の一部を構成する。該受け部126は、筒壁部121の他端を密閉する底部126aと、該底部126aから他端側に立設した立設部126bと、該立設部126cの先端縁に縁取られた開口126cと、を備える。つまり、筒壁部121肉部と受け部126の底部126aによって、中空部121aと内部空間118(排水管P内部)との間の通気が遮断されている。また、受け部126は、伸縮体120の伸縮方向と同じ方向に開口していることにより、排水管P内の圧力変動に伴う気流を効果的に受け、伸縮運動を補助とする。より具体的には、当該受け部126の立設部126bが開口126cを介して排水管Pの鉛直下方からの上昇気流をその内方に収集し、底部126aがその表面で略垂直に上昇気流を受ける。すなわち、この上昇気流の方向と筒壁部121の伸縮方向とが平行であるため、受け部126が力を効果的に受けることができる。
なお、本実施形態の伸縮体120の筒壁部121は、原形を維持可能であり、且つ、自重により展開可能な程度の柔軟性を有する材料から形成されてなる。例えば、伸縮体120の筒壁部121は、ゴム材料の肉厚円筒体に刃物等で切れ目が導入されることによって形成され得る。しかしながら、本発明の伸縮体は、これに限定されず、合成樹脂等の種々の材料を採用可能である。
図6は、緩衝装置100の分解斜視図である。図6に示すとおり、本体110は、周壁111を含む第1部材110Aと、上壁112を含む第2部材110Bと、柵状部116bを含む第3部材110Cとがビス(図示せず)で固定されてなる。そして、第1部材110Aと第2部材110Bとの間に伸縮体120の開口端部122の連結片122aが狭圧されることにより、緩衝装置100が組み立てられる。
続いて、図7及び図8を参照して、本実施形態の緩衝装置100が排水管Pに装着された排水システム10を説明する。図7は、本実施形態の緩衝装置100が排水管Pの枝管P2に取着された排水システム10の分解斜視図である。図8(a)は、排水管P内部が自然状態にある排水システム10の断面図である。図8(b)は、排水管P内部が正圧状態にある排水システム10の断面図である。図8(c)は、排水管P内部が負圧状態にある排水システム10の断面図である。なお、「自然状態」とは、有意な正圧及び負圧のいずれもが排水管P内部に生じていない通常時の状態を意味する。
図7に示すとおり、排水システム10において、本体110の内部空間118が排水管P内部に連通するように、接続部113の継手部113aを介して排水管Pの枝管P2に取着されている。継手部113aは、枝管P2の口径に接続部113の口径を適合させるように、枝管P2の開口に任意に取着される。ただし、接続部113口径が枝管P2口径に対応していれば、継手部113aは省略可能である。なお、本体110内部、継手部113a内部が連通しているため、これらが一体的な内部空間118として解釈される。あるいは、継手部113aを排水管Pの一部として捉え、継手部113a内部を排水管P内部として解釈してもよい。
図8(a)〜(c)に示すとおり、排水システム10では、排水管P内部と連通する内部空間118が、外部環境と隔絶されている。そして、伸縮体120内部(中空部121a)が排水管P内部と連通せずに外部環境に開放されるように伸縮体120が本体110内部に配置されている。本実施形態では、伸縮体120が本体110の内部空間118の範囲で伸縮可能に配置されている。容積変動体である伸縮体120の拡縮に応じて、本体110の内部空間118の容積が変動する。しかしながら、伸縮体120は、本体110の継手部113aを越えて排水管P内部にまで延び出るように配置されてもよい。その場合、排水管P内部の圧変動に応じて、伸縮体120の内部空間118自体の容積がほとんど変動せず、排水管P内部の容積が変動する。
図8(a)は、伸縮体120が自重で鉛直下方に垂れ下がり、重力によって所定の溝幅まで伸長変形した緩衝装置100の状態を示している。この「自重」とは、伸縮体120全体の重さであり、本実施形態では、筒壁部121及び受け部126の総重量である。換言すれば、該受け部126は、錘としても機能しており、その重量を調整することにより筒壁部121の自重による初期長を調整可能である。図8(a)の自然状態では、外溝部124及び内溝部125が広がるように筒壁部121が鉛直下方に展開され、筒壁部121が軸方向に所定長まで延びている。この所定長が、自然状態の圧変動緩衝装置10の自然長であり、その自重によって筒壁部121が僅かに弾性変形し、筒壁部121の弾性力と自重とが均衡している。すなわち、伸縮体120は、自然状態で(限界まで広がった状態と完全に狭まった状態の間となる)中間の溝幅を有し、溝幅を完全に広げることなく伸び代を残している。このように、自然状態において、伸縮体120が当該長さで重力によって釣り合った状態にあるので、排水管Pの内部圧力に変動に迅速に応答して容易に伸縮変形自在である。つまり、伸縮体120は、排水管P内部の圧変動を緩和すべく、排水管P内部が正圧になると収縮し、負圧になると伸長するように動作する。
図8(b)では、排水管P内部が正圧となり、排水管Pからの気流を受け部126で受けて、筒壁部121が自然長から軸方向に収縮している。すなわち、排水管P内部が正圧となることにより、伸縮体120内部の空気が通気部115を介して外部環境に排出されると同時に溝幅124,125が狭まり、伸縮体120が収縮している。このように、伸縮体120の容積が縮小することにより、内部空間118及び排水管P内部の容積の総和が増加し、排水管P内部の圧力上昇が緩和される。そして、本緩衝装置100の収縮運動では、重力に抗して筒壁部121が折り畳まれており、収縮の際に弾性力(弾発力)が生じない。よって、伸縮体120は、従来の弾性変形式の蛇腹状部材と異なり、弾性変形の初動のための力を必要とすることなく、排水管P内部の正圧発生に迅速に応答して収縮変形することが可能である。そして、排水管内部Pの正圧が解消された後、図8(b)の収縮形態から弾性復帰力でなく、重力で図8(a)の自然長に復帰する。
図8(c)では、排水管P内部が負圧となり、排水管Pへの気流が発生し、筒壁部121が自然長から軸方向に伸長している。すなわち、排水管P内部が負圧となることにより、伸縮体120内部に通気部115を介して外気が導入されると同時に溝幅124,125が広がり、伸縮体120が伸長する。このように、伸縮体120の容積が増大することにより、内部空間118及び排水管P内部の容積の総和が減少し、排水管P内部の圧力下降が緩和される。そして、本緩衝装置100の伸長運動では、弾性復帰力に抗して伸縮体120が下方に伸長する。このとき、自然状態において筒壁部121が自重で弾性変形して釣り合った状態にあるため、僅かな力で伸長可能であり、排水管P内部の負圧発生に迅速に応答して伸長変形することが可能である。そして、排水管内部Pの負圧が解消された後、図8(c)の伸長形態から弾性復帰力によって図8(a)の自然長に復帰する。
本実施形態の緩衝装置100は、その圧変動緩衝性能を拡張すべく、拡張部116を介して、同一の構成を有する追加緩衝装置100’を連設することが可能である。図9は、本実施形態の緩衝装置100に追加緩衝装置100’を連設し、圧変動緩衝性能を拡張した圧変動緩衝構造11を示す概略図である。図10は、該圧変動緩衝構造11の部分拡大図である。
図9及び図10に示すとおり、該圧変動緩衝構造11では、緩衝装置100の内部空間118と追加緩衝装置100’の内部空間118’とが連通するように、緩衝装置100の拡張部116に追加緩衝装置100’の接続部113’(継手部113a’)が直列的に連結されている。そして、追加緩衝装置100’の拡張部116’が遮断部117で閉塞されている。すなわち、排水管P内部と連通した内部空間118,118’内で2つの伸縮体120,120’が伸縮可能となり、排水管P内部と連通した空間全体で変動可能な容積が2倍となる。これにより、圧変動緩衝構造11は、より高い圧変動緩衝性能を備える。なお、本実施形態の圧変動緩衝構造11では、1つの追加緩衝装置100’が増設されただけであるが、より高い圧変動緩衝性能が必要であれば、複数の追加緩衝装置100’が増設されてもよい。この場合、末端の追加緩衝装置100’の拡張部116’が遮断部117で閉塞される。
また、緩衝装置100は、拡張部116に取着され、追加緩衝装置100’の接続部113’を連結可能な径違い継手130をさらに備える。該径違い継手130は、拡張部116に接続される小径の第1連結口131、及び、接続部113’(継手部113a’)に接続される大径の第2連結口132を有する。これら第1連結口131及び第2連結口132は、その中心がずれており、同心円上に配置されていない。具体的には、第1連結口131の中心が拡張部116の筒部116cの中心に合致し、且つ、第2連結口132の中心が接続部113の中心に合致する。これにより、図9に示す圧変動緩衝構造11のように、当該緩衝装置100の伸縮体120と追加緩衝装置100’の伸縮体120’とが鉛直方向に直線的に整列している。すなわち、圧変動緩衝構造11は、側方に広がらない縦長のコンパクトな形態を維持している。これは、複数の追加緩衝装置100’が増設された場合も同様である。
さらに、図10に示すとおり、本体110の周壁111内面と伸縮体120外面との間には、接続部113から拡張部116まで連続する気体流路119が設けられている。当該気体流路119を通して、当該緩衝装置100の内部空間118と追加緩衝装置100’の内部空間118’とが連通している。この気体流路119の最小幅は、周壁111内面と受け部126外周との間の距離である。そして、筒壁部121の伸縮の際、該気体流路119が閉塞されることなく、少なくとも気体流路119の最小幅が確保されている。すなわち、当該緩衝装置100に少なくとも1つの追加緩衝装置100’を増設した場合においても、伸縮体120の容積増大の影響を受けずに当該緩衝装置100の内部空間118から追加緩衝装置100’の内部空間118’への気流をほぼ一定に維持し、安定した圧変動緩衝性能を発揮することが可能である。なお、受け部126を省略したとしても、収縮形態の筒壁121の外径が伸長形態の筒壁121の外径とほぼ等しいため、伸縮体120の伸縮の際、気体流路119が閉塞されることなく実質的に一定に維持される。
以下、本発明に係る一実施形態の緩衝装置100(伸縮体120、排水システム10)における作用効果について説明する。
本実施形態の緩衝装置100によれば、排水管P内部の圧力変動を緩和すべく、伸縮体120の外溝部124及び内溝部125の溝幅がそれぞれ変動するように筒壁部121が軸方向に伸長又は収縮する。特には、該伸縮体120では、外溝部124が筒壁部121の内周縁部を残して外面から切り込まれ、且つ、内溝部125が筒壁部121の外周縁部を残して内面から切り込まれている。すなわち、溝部124,125が切れ目からなるため、溝幅が実質的に0となるように筒壁部121が完全に収縮した形態を原形として維持する。そして、この収縮形態から筒壁部121が伸長方向に展開されることにより、当該伸縮体121の容積が増大する。すなわち、伸縮体120は、僅かな力で伸縮運動可能である。さらに、本実施形態では、排水管P内部が正圧又は負圧でない自然状態において、伸縮体120が自重で垂れ下がり、重力によって所定の溝幅まで伸長変形している。この自然状態では、伸縮体120が重力で均衡した状態にあるので、排水管Pの内部圧力に変動に迅速に応答して伸縮変形自在である。したがって、本実施形態の緩衝装置100は、排水管P内部の正圧及び/又は負圧に迅速且つ安定的に応答して、圧変動を緩和することが可能である。
また、従来の蛇腹状部材(蛇腹成形品)では、初期形態において、隣接する蛇腹山部同士が離隔し、その溝幅が比較的大きい。そして、蛇腹状部材を初期形態から弾性変形した後、溝幅の変動が大きくなるほど弾性復帰力が増大する。それ故、溝幅を十分に変動させるには、相応の圧力が必要となる。すなわち、の蛇腹状部材では、従来の排水管P内部の圧変動に際して、溝幅の変動量が増えるほど弾性復帰力の増大するので、その容積を大きく変動させることができず、正圧又は負圧を十分に緩和することができなかった。これに対して、本伸縮体120は、筒壁部121が溝部を介して軸方向に展開又は折り畳まれることで伸縮運動するものである。つまり、本伸縮体120は、従来の弾性変形式の蛇腹成形品と異なり、弾性変形でなく展開変形を伸縮の主原理とするものである。そのため、小さい圧力で伸縮可能な範囲(可動域)が比較的に大きい。すなわち、本実施形態の緩衝装置100及び伸縮体120は、排水管P内部に圧変動に対して、十分に伸縮可能であり、圧変動をより確実に緩和することが可能である。
本実施形態の緩衝装置100によれば、伸縮体120内部が排水管P内部と連通せずに外部環境に開放されるように伸縮体120が本体110内部に配置されている。このように伸縮体120が外部環境に露出しないように配置されるので、伸縮体120を外部環境から保護するとともに、緩衝装置100の外形又は外観を伸縮体120の伸縮に依らずコンパクトに保つことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の実施形態を取り得る。以下、本発明の別実施形態を説明する。なお、各実施例の説明において、実施形態1と共通する構成要素の説明を省略するが、3桁で示した要素のうち下二桁の符号が共通する部材は、一般的に同様又は類似する部材を意味する。
[実施形態2]
図11は、実施形態2の緩衝装置200の概略図である。図11に示すとおり、該緩衝装置200では、伸縮体220は、排水管Pの外部環境で自重で垂れ下がるように本体210に支持されている。この伸縮体220の筒壁部221、外溝部224及び内溝部225の構造は、伸縮体120と同様である。
そして、実施形態2の緩衝装置200では、実施形態1の緩衝装置100とは対照的に、該伸縮体220内部は、本体210の内部空間218及び排水管P内部と連通し、外部環境と隔絶されている。それ故、排水管P内部が正圧になるときに伸縮体220が伸長することを特徴とする。すなわち、排水管P内部が負圧となることで伸縮体220内部の空気が排水管P内部に排出されると同時に溝幅が狭まり、伸縮体220が収縮する。他方、排水管P内部が正圧となることで伸縮体220内部に空気が導入されると同時に溝幅が広がり、伸縮体220が伸長する。
すなわち、本実施形態の緩衝装置200は、排水管Pの内部圧力の変動に応じて、排水管P内部と連通する空間の容積が変動し、排水管Pの正圧及び負圧を緩和する。また、当該緩衝装置200では、伸縮体220が展開及び重畳変形することにより伸縮可能であるので、(緩衝装置100と同様に)排水管P内の圧力変動を迅速且つ安定的に緩和することができる。
[実施形態3]
図12は、実施形態3の緩衝装置300の概略図である。図12の緩衝装置300の伸縮体320の筒壁部321、外溝部324及び内溝部325の構造は、伸縮体120と同様である。そして、自然状態において、伸縮体320の自由端(閉塞端部)が上方に位置し、固定端(開口端部322)が下方に位置している。そして、伸縮体320は、自然状態で重力により完全に折り畳まれて収縮している。図12の仮想線に示されているとおり、排水管P内部が正圧になると、重力に抗して筒壁部321が上方に展開されて伸長する。
すなわち、本実施形態の緩衝装置300は、排水管Pの内部圧力の上昇に応じて、排水管P内部と連通する空間の容積が増大し、排水管Pの正圧を緩和する。また、当該緩衝装置300では、伸縮体320が展開及び重畳変形することにより伸縮可能であるので、(緩衝装置100と同様に)排水管P内の圧力変動を迅速且つ安定的に緩和することができる。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
10 排水システム
11 圧変動緩衝構造
100 緩衝装置
110 本体
111 周壁
112 上壁
113 接続部
114 支持部
115 通気部
116 拡張部
117 遮断部
118 内部空間
119 気体流路
120 伸縮体
121 筒壁部
122 開口端部
124 外溝部
125 内溝部
126 受け部
127 環状板体
130 径違い継手
100’ 追加緩衝装置
P 排水管
P1 排水主管
P2 枝管

Claims (7)

  1. 排水管に取り付けられ、前記排水管の内部圧力の変動を緩和する緩衝装置であって、
    前記排水管の内部圧力の増減に応じて容積が変動可能な伸縮体を備え、
    前記伸縮体は、一端が開放されたとともに他端が閉塞された中空の筒壁部と、前記筒壁部の周方向に沿って外面から前記筒壁部の内周縁を残して切り込まれた複数の外溝部と、前記筒壁部の周方向に沿って内面から前記筒壁部の外周縁を残して切り込まれた複数の内溝部と、を備え、
    前記外溝部と前記内溝部とが前記筒壁部の軸方向に交互に形成され、前記外溝部と前記内溝部の間には環状板体が定められ、前記各外溝部の溝幅及び前記各内溝部の溝幅が変動して前記伸縮体が軸方向に伸縮可能であり、且つ、前記複数の環状板体が重畳されて前記筒壁部が完全に収縮した形態で弾性復帰力が発生しないことを特徴とする緩衝装置。
  2. 前記伸縮体は、当該緩衝装置の本体内部及び/又は排水管内部に配置され、且つ、前記伸縮体内部が前記排水管内部と連通せずに外部環境に開放されており、前記排水管内部が正圧になるときに前記伸縮体が収縮することを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 前記伸縮体は、自然状態で前記筒壁部の他端が鉛直下方に位置するように自重により垂れ下がり、伸び代を残した状態で所定長で伸長していることを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝装置。
  4. 前記伸縮体は、前記筒壁部の他端を閉塞するとともに、前記排水管からの気流を受けるように他端側に開口したカップ状の受け部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の緩衝装置。
  5. 前記伸縮体は、前記排水管の外部環境に配置され、且つ、前記伸縮体内部が前記排水管内部と連通し、前記排水管内部が正圧になるときに前記伸縮体が伸長することを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  6. 排水管に取り付けられ、前記排水管の内部圧力の変動に応じて容積が変動可能な伸縮体であって、
    一端が開放されたとともに他端が閉塞された中空の筒壁部と、
    前記筒壁部の周方向に沿って外面から前記筒壁部の内周縁を残して切り込まれた複数の外溝部と、
    前記筒壁部の周方向に沿って内面から前記筒壁部の外周縁を残して切り込まれた複数の内溝部と、を備え、
    前記外溝部と前記内溝部とが前記筒壁部の長手方向に交互に形成され、前記外溝部と前記内溝部の間には環状板体が定められ、前記外溝部の溝幅及び前記内溝部の溝幅が変動して軸方向に伸縮可能であり、且つ、前記複数の環状板体が重畳されて前記筒壁部が完全に収縮した形態で弾性復帰力が発生しないことを特徴とする伸縮体。
  7. 排水を流すための排水主管、及び、該排水主管に連結された枝管を備える排水管と、
    前記枝管に取着された請求項1から5のいずれか一項に記載の緩衝装置と、を備えることを特徴とする排水システム。
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