JP6281616B2 - ファンモータ - Google Patents

ファンモータ Download PDF

Info

Publication number
JP6281616B2
JP6281616B2 JP2016181901A JP2016181901A JP6281616B2 JP 6281616 B2 JP6281616 B2 JP 6281616B2 JP 2016181901 A JP2016181901 A JP 2016181901A JP 2016181901 A JP2016181901 A JP 2016181901A JP 6281616 B2 JP6281616 B2 JP 6281616B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fan
motor
stator
rotor
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016181901A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017017990A (ja
Inventor
太田 憲男
憲男 太田
千葉 弘則
弘則 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Home Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Home Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Home Technology Corp filed Critical Toshiba Home Technology Corp
Priority to JP2016181901A priority Critical patent/JP6281616B2/ja
Publication of JP2017017990A publication Critical patent/JP2017017990A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6281616B2 publication Critical patent/JP6281616B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Description

本発明は、固定子と回転子或いはファンとを組み合わせて構成されるファンモータに関する。
この種のファンモータとして、固定子を構成するティースの形状や大きさなどに工夫を加えて、コギングトルクを低下させる考えが、例えば特許文献1などに提示されている。従来は、ティース間に形成される空隙部の空隙幅を小さくし、固定子と回転子との空間距離を大きくすることで、コギングトルクを低減させていた。
また、ファンモータの異物侵入防止構造として、従来技術には制御基板の収納部にリブを設け、更にその外周に壁を設けて、ファンとのラビリンスを構成したものが提案されている(特許文献2)。さらに別な従来技術では、制御基板の収納部に別部材を取付けた構成(特許文献3)や、リブをファンのカップ部の上部側にまで長く延ばす構成(特許文献4)が、それぞれ開示されている。
特開2008−86064号公報 特許第5017965号明細書 登録実用新案第3056876号公報 実開昭62−51953号公報
しかしながら、従来は固定子と回転子との空間距離を大きくすると、ファンモータとしての効率が悪くなるため、この空間距離を0.6mm程度にする一方で、ティース間の空隙幅は1.5mm前後に大きく設定されており、回転子の磁極がティース間の空隙部を横切る際に発生する磁力の影響を受けて、コギングトルクが大きくなる欠点があった。
また、上述の異物侵入防止構造において、リブと壁によるラブリンス構成では、スペースが大きくなって送風面積が少なくなる。また、別部材を取付けた構成では、部品点数の増加によるコスト上昇を招き、リブを長く延ばす構成では、全体の重量が重くなる上に、必要以上の部品精度が要求される。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、省スペース且つ軽量で安価なラビリンス構成を有する異物侵入防止構造を備えたファンモータを提供することを目的とする。
請求項1の発明では、既存のカップ部とロータヨークとの間に形成される空間部を利用して、その空間部に入り込むような外周壁を固定子受部に形成するだけで、固定子受部とファンとの間からの異物の侵入を確実に防止できる。そのため、従来のように別部材の必要がなく、しかも空間部を確保するための形状を大きく確保することなく、省スペース且つ軽量で安価なラビリンス構成を有する異物侵入防止構造が実現できる。
請求項2の発明では、締結部の近傍で保持部の外周を囲むリブや、軸受を固定するための固定部材の他に、固定子受部の外周壁によるラビリンス構造との2か所で、軸受に対する異物侵入防止効果を得ることができる。
請求項の発明では、外周壁が空間部に収納する収納量を、カップ部と外周壁との間のギャップの2倍乃至3倍とすることで、固定子受部とファンとの間からの異物の侵入を確実に防止しつつも、必要以上の部品精度は要求されず、部品管理が容易で、ファン振動による起動不良などの弊害を防止することが可能になる。
請求項1の発明によれば、省スペース且つ軽量で安価なラビリンス構成を有する異物侵入防止構造を備えたファンモータを提供できる。
請求項2の発明によれば、軸受に対する異物侵入防止効果を2か所で得ることができる。
請求項の発明によれば、ファン振動による起動不良などの弊害を防止したファンモータを提供できる。
本発明の第1実施形態におけるモータの縦断面図である。 同上、回転子の正面図である。 同上、要部の横断面図である。 同上、固定子の横断面図である。 同上、ティース部の横断面図である。 同上、ヨーク部の横断面図である。 同上、異なる空隙幅での回転角度とコギングトルクの関係を示す波形図である。 同上、ティースの外観斜視図である。 同上、ヨーク部の外観斜視図である。 同上、絶縁部材の外観斜視図である。 同上、絶縁部材の上半分とティースとを組み合わせた状態の外観斜視図である。 同上、ティース部の外観斜視図である。 同上、固定子の外観斜視図である。 本発明の第2実施形態におけるファンモータの部分縦断面図である。 同上、要部の拡大縦断面図である。 同上、外周壁およびその周辺の部分拡大縦断面図である。 本発明の第3実施形態におけるファンモータのモータとその周辺の回路図である。 同上、コアスロット形状を示す要部の横断面図である。 図18とは別な例のコアスロット形状を示す要部の横断面図である。 従来のファンモータのモータとその周辺の回路図である。 同上、ファンモータの構造を示す縦断面図である。 同上、コアスロット形状を示す要部の横断面図である。
以下、本発明におけるファンモータの好ましい各実施形態について、添付図面を参照しながらそれぞれ説明する。
図1〜図13は、本発明の第1実施形態におけるファンモータを示している。ファンモータの全体的な構成を図1に基づき説明すると、1は図示しないファンを回転させるためのモータで、このモータ1とファンとにより本実施形態のファンモータが構成される。モータ1は、何れもカップ状をなすケース2,3の開口部を突き合せて外殻部材を形成し、そのケース2,3の内部空間4には、当該ケース2,3に支持され回転可能に回転子5が保持されている。
図2にも示すように、回転子5には複数の磁極片6が設けられている。この磁極片6は、回転軸であるシャフト7を中心にして周方向に配置される。シャフト7は、ケース2,3の略中央部に形成した凹部8にそれぞれ装着される一対の軸受9により、複数の磁極片6と共に回転自在に支持される。シャフト7の一端部は、ケース2の凹部8に形成した孔10を貫通して、ケース2,3の内部空間4より外方に突出しており、ここで前述したファンの装着を可能にしている。なお、磁極片6の数は特に限定しないが、周方向にN極とS極が交互に配置されるように並べられる。
11は、磁極片6を取り囲むように、この磁極片6に対向して内部空間4に配置される固定子である。図3にも示すように、磁極片6と固定子11には、全周にわたって所定の空間距離bが設定されている。固定子11は複数のティース12が形成されたティース部13と、リング状のヨーク部14とにより形成され、各々のティース12に絶縁部材16を介して線材として好適な銅線17を巻回することで、固定子11にコイル部18を形成している。ティース部13とヨーク部14は、何れも板状の鋼板を積層して構成され、各々のティース12を繋ぐようにティース部13の外側にヨーク部14を配置することで、磁束を通過させる磁路が形成される。また、コイル部18の巻線17に所定のタイミングで電流を供給するために、内部空間4の下部に巻線17と接続する制御部19が配設される。
図3〜図5には、何れもx個のティース12−1,12−2,12−3,…12−xからなるティース部13が図示されている。各々のティース12−1,12−2,12−3,…12−xは全て同一形状をなし、ヨーク部14に連結する基端側の嵌合突部21−1,21−2,21−3,…21−xと、磁極片6に空間距離bを有して対向する先端側の楔部22−1,22−2,22−3,…22−xとを備えている。また、図6にはヨーク部14を単独で示しているが、前述の嵌合突部21−1,21−2,21−3,…21−xに対応して、ヨーク部14の内周面には被嵌合溝24−1,24−2,24−3,…24−xが一定の間隔で形成される。なお図3において、銅線17によるコイル部18は一部のみ表現されているが、全てのティース12−1,12−2,12−3,…12−xに形成されるものであり、本図では省略してある。
図5に示すように、ティース12−1,12−2,12−3,…12−xは、中央から外側に向かって配置されており、各ティース12−1,12−2,12−3,…12−xに絶縁部材16を介して銅線17を巻回することでコイル部18を形成し、全体でティース部13を構成している。絶縁部材16は、ティース12−1,12−2,12−3,…12−xのそれぞれが貫通可能な筒部の両側に鍔部を形成してなるボビン28と、複数のボビン28を繋いで放射状に配置させる円筒状の連結部29とにより構成され、隣接するボビン28の外周側先端部間に幅cの開口部30が形成される。
図5に示すティース部13と、図6に示すヨーク部14とを組み合わせたものが、図3や図4に示す固定子11である。ティース12−1,12−2,12−3,…12−xの嵌合突部21−1,21−2,21−3,…21−xを、ヨーク部14の被嵌合溝24−1,21−2,21−3,…24−xにそれぞれ嵌合することにより、シャフト7からヨーク部14の内周面に向かって突き出すように、ティース12−1,12−2,12−3,…12−xが周方向に等間隔で配置されると共に、隣接する例えばティース12−1の楔部22−1と、ティース12−2の楔部22−2の先端部間に、所望の空隙幅aで空隙部31が形成される。この空隙部31は、各ティース12−1,12−2,12−3,…12−xとヨーク部14との嵌合構造により、隣接する全ての楔部22−1,22−2,22−3,…22−xの先端部間に、同じ空隙幅aで形成される。
完成したモータ1は、制御部19から巻線17に電流を供給することにより、巻線17の鉄心として作用するティース部13やヨーク部14と、回転子5の各磁極片6との間に磁力が生じ、固定子11に対して回転子5が所定の方向に回転する。そのため、シャフト7に取り付けられたファンも回転して、送風を行なうことが可能になる。
本実施形態では、前述の空隙幅aと空間距離bがa≦bなる関係となっている。つまり、回転子5の磁極片6と固定子11との空間距離bが、空隙部31の空隙幅aと同じであるか、もしくは大きく設定されるので、回転する磁極片6が空隙部31を横切る際に発生する磁力の影響を受けにくくなり、コギングトルクが小さくなる。また、固定子11と回転子5の磁極片6との間の空間距離bを必要以上に広げないように、空隙幅aと空間距離bとの比率を2以下(b≦2a)とすることで、コギングトルクの低減を図りつつ、回転子5に十分な磁力を付与することができる。
図7は、異なる空隙幅aでの固定子11に対する回転子5の回転角度と、コギングトルクとの関係を示したもので、空間距離bは何れも0.6mmとしている。同図に示すように、空隙幅aが0mm乃至0.6mmの場合は、コギングトルクが小さく抑制されることがわかる。
図8〜図13は、固定子11の製造過程を説明するための図である。図8は、各々のティース12単体を示しており、これは上述したように嵌合突部21や楔部22を有して構成される。図9は、ヨーク部14単体を示しており、これも上述したように内周面に被嵌合溝24を有して構成される。図10は、樹脂などで形成される絶縁部材16を示しており、この絶縁部材16は上下に分割された半片16A,16Bを突き合せて構成される。
そして、固定子11を製造するには、先ず図11に示すように、絶縁部材16の一方の半片16Aに各ティース12を組み込み、そこから残りの半片16Bを被せて、絶縁部材16の半片16A,16Bで各ティース12を挟んだ状態にする。次に図12に示すように、絶縁部材16の各ボビン28に銅線17を巻回してコイル部18を形成し、ティース12と絶縁部材16とコイル部18とによるティース部13を製造する。その際、隣接するボビン28の間に形成される開口部30の幅cは、隣接する楔部22間に形成される空隙部31の空隙幅aよりも十分に大きく、且つ銅線17の外径よりも十分広く形成されるので、銅線17を傷付けることなくティース12の周囲に巻き付けて、所望のコイル部18を形成できる。
コイル部18を形成してティース部13を製造した後、各ティース12の嵌合突部21をヨーク部14の被嵌合溝24に圧入嵌合して、ヨーク部14をティース部13に装着すると、隣接する楔部22間の空間部31が所望の空隙幅aで形成され、図13に示すような固定子11が得られる。ヨーク部14の装着時には、銅線17が既にコイル部18として巻回されているので、空間部31の空隙幅aは銅線17の巻回において支障はなく、任意の幅に形成できる。したがって、ファンモータとして容易に製造が可能になり、コギングトルクも低減できる。
以上のように本実施形態では、固定子11と回転子5で構成され、固定子11は、線材としての銅線17を巻回した複数個のティース12を有するティース部13と、個々のティース12を繋いで磁路を形成するヨーク部14とに分割して構成される一方で、回転子5は、固定子11と対向して所定の空間距離bを離して回転自在に保持され、複数の磁極6を有しており、隣接するティース12間に空隙部31を設けたファンモータにおいて、ティース部13をヨーク部14に装着した後に所望の空隙幅aを有する空隙部31を形成し、この空隙部31の空隙幅aと、固定子11と回転子5との間の空間距離bとの比率を2以下にしている。
この場合、回転子5と固定子11との間の空間距離bが、隣接するティース12間に形成される空隙部31の空隙幅aよりも大きく、2倍以下に設定されるので、回転子5の磁極6が空隙部31を横切る際に発生する磁力の影響を受け難くなり、コギングトルクが小さくなる。また、ティース12に銅線17を巻回してコイル部18を形成した後に、ヨーク部14にティース部13を装着することで、空隙部31の空隙幅aが形成されるので、銅線17の巻回に支障なく空隙部31を任意の空隙幅aにすることができ、容易に製造が可能になる。
上記構成では、空隙部31の空隙幅aと、回転子5と固定子11との間の空間距離bとの比率をほぼ1にするのが好ましい。この場合、回転子5と固定子11との間の空間距離bが、隣接するティース12間に形成される空隙部31の空隙幅aとほぼ同じに設定されるので、コギングトルクを確実に小さくすることができる。
図14〜図16は、本発明の第2実施形態におけるファンモータを示している。これらの各図に基づき、ファンモータの全体的な構成を説明すると、41はファンモータの外郭部材となるケース、42はケース41と一体に形成された固定子受部で、固定子受部42の中央部には、ケース41の他側から一側に延びるスリーブ状の保持部44が形成される。この中空の保持部44内には軸受45が保持されており、ファン46を装着した軸47が軸受45によって回転自在に支持される。軸受45は保持部44に装着され、保持部44に設けた固定部材48を介して、保持部44の開口する先端部を加工することで固着されている。
保持部44には、当該保持部44を取り囲むように固定子51が装着される。固定子51は、銅線などの線材52を巻回したコア53や、ファン46を回転制御するために、線材52と電気的に接続された制御基板54により構成される。制御基板54は、ファンモータの外部から電力供給を受けるためにリード線55が接続される。
ファン46は、ケース41の他側に対向して開口する有天形状で、ケース41の一側に対向して設けた天面部57と、この天面部57の外周縁からケース41の他側に向けて延びるカップ部58と、カップ部58から外周に向かって複数形成されるブレード59とからなり、天面部57の中央部分には、軸47の一端側を保持する締結部60が設けられている。また、カップ部58の内周側には略円筒状のロータヨーク62が、当該カップ部58とロータヨーク62との間に空間部63を形成するように配置される。回転子を構成するロータヨーク62は、カップ部58とは別体でマグネット65を所定の位置で支える部材として設けられ、ファン46から容易に脱落しないように、ファン46と一体に形成された補助片66に嵌合保持される。また、ロータヨーク62の内側に配置されるマグネット65は、固定子51のコア53を取り囲んで、N極とS極が交互に配置されるように周方向に並べられる。
ケース41は、固定子51を収納する固定子受部42の他に、ファン46の外周と一定の間隔を空けて、風路を形成するための筒状の風洞部68を有し、固定子受部42は風洞部68の略中心に配置される。固定子受部42の外周には、ケース41の一側に向けて立ち上がる外周壁69が配置され、前述の制御基板54を含む固定子51が外周壁69内に収まっている。特に図16に示すように、外周壁69はその先端部分が空間部63に収納されており、空間部63の最先端に位置するカップ部58の先端面と、外周壁69の先端面との間の、外周壁69が空間部63に入り込む収納量L1は、カップ部58の内周面と外周壁69の外周面との間のギャップL2に対して、2倍から3倍の寸法に形成される。
ファン46に設けられた締結部60の外周側には、天面部57からケース41の一側に延びる円筒状のリブ70が形成される。このリブ70の内径は、円筒状の保持部44の外径よりも大きく、且つリブ70と保持部44の先端は互いにラップするようになっている。
このように構成される本実施形態のファンモータは、リード線55を介して制御基板54に電力を供給することで、固定子51の線材52に所定の電流が与えられると、線材52を巻回したコア53とマグネット65との間に磁力が生じ、軸47を中心にしてファン46が回転する。このときのブレード59の回転に伴い、風洞部68内で軸47に沿った空気の流れが形成され、ファンモータの外部に送風を行なうことが可能になる。またファン46の回転中も、カップ部58と外周壁69との間のギャップL2が一定に保たれる。
本実施形態におけるファンモータの異物侵入防止構造は、次のような特徴を有する。ブレード59を装着するカップ部58と、マグネット65を装着するロータヨーク62との間には、空間部63が形成されるので、この空間部63に固定子受部42の外周壁69を収納させることで、固定子受部42とファン46との間からの異物の侵入を確実に防止できる。この場合、既存のカップ部58とロータヨーク62との間の空間部63を利用して、固定子受部42に外周壁69を一体に形成するだけで、従来のように別部材の必要がなく、しかも形状も大きくすることなく、省スペース且つ軽量で安価なラビリンス構成が実現できる。
また、外周壁69が空間部63に入り込む収納量L1がさほど大きくないので、必要以上の部品精度は要求されず、部品管理が容易で起動不良などの不具合をなくすことができる。つまり図16において、収納量L1がギャップL2の3倍を超えた寸法であると、ファン46の回転振動時に、外周壁69がカップ部68に触れないような寸法に部品管理を行なわなければならない。逆に、収納量L1がギャップL2の2倍未満の寸法であると、外周壁69とカップ部68との間から簡単に異物が入り込み、本来の固定子51への異物侵入防止構造が十分に発揮されない。本実施形態のように、収納量L1をギャップL2に対して2倍から3倍の寸法に形成すれば、そのような不具合は払拭される。
さらに本実施形態では、リブ70の内径が保持部44の外径よりも大きく形成され、リブ70と保持部44の先端が互いにラップするようになっていて、この部分で保持部44への異物の侵入が防止される。しかも、保持部44内に挿入される固定部材48で軸受45が固着されると共に、保持部44内への異物侵入防止のために、軸受45の端面を固定部材48で覆っている。このように軸受45には、締結部60の近傍で保持部44の外周を囲むリブ70や、軸受45を固定する固定部材48の他に、上述した固定子受部42の外周壁69によるラビリンス構造との2か所で、異物侵入防止効果を得ることができる。
以上のように本実施形態では、ファン46を回転可能に支持するための軸受45と、軸受45を固定するための固定部材48と、制御基板54と巻線である線材52を施したコア53からなる固定子51とを装着するためのスリーブ状の保持部44を中心に配置してなる固定子受部42とを備え、固定子受部42を中心に配置したケース41と軸受45に、ファン46を装着したファンモータにおいて、固定子受部42の外周に、ケース41の一側に向けて立ち上がる外周壁69が配置され、ファン46のカップ部58とファン46の内側に設けたロータヨーク62との間に形成された空間部63に、固定子受部42の外周壁69を収納させている。
この場合、既存のカップ部58とロータヨーク62との間に形成される空間部63を利用して、その空間部63に入り込むような外周壁69を固定子受部42に形成するだけで、固定子受部42とファン46との間からの異物の侵入を確実に防止できる。そのため、従来のように別部材の必要がなく、しかも空間部を確保するための形状を大きく確保することなく、省スペース且つ軽量で安価なラビリンス構成を有する異物侵入防止構造が実現できる。
また本実施形態では、ファン46と軸受45に支持される軸47との締結部60近傍にリング状のリブ70を設け、このリブ70を保持部44の外周に配置している。
この場合、締結部60の近傍で保持部44の外周を囲むリブ70や、軸受45を固定するための固定部材48の他に、固定子受部42の外周壁69によるラビリンス構造との2か所で、軸受45に対する異物侵入防止効果を得ることができる。
また本実施形態では、外周壁69が空間部63に収納する収納量L1を、カップ部58と外周壁と69の間のギャップL2の2倍乃至3倍としている。
この場合、外周壁69が空間部63に収納する収納量L1を、カップ部58と外周壁69との間のギャップL2の2倍乃至3倍とすることで、固定子受部42とファン46との間からの異物の侵入を確実に防止しつつも、必要以上の部品精度は要求されず、部品管理が容易で、ファン振動による起動不良などの弊害を防止することが可能になる。
図17〜図19は、本発明の第2実施形態におけるファンモータを示している。図17は、ファンモータを構成するモータ71とその周辺の回路図であり、同図において、72はホール素子73や比較器74を含む位相比較部、75は位相シフト回路76やバッファ回路77を含む制御信号出力部、78はモータ71の巻線で構成されるコイル(図示せず)に所定のタイミングで駆動電流を供給する駆動用ICなどのモータ駆動回路、79は抵抗80とコンデンサ81からなるモータ71の誘起電圧検出部である。
ホール素子73は周知のように、モータ71の回転子96(図18や図19を参照)の回転位置を検出する位置検出手段として設けられ、ホール素子73からの検出信号が比較器74の一方の入力端子と位相シフト回路76に送出される。また誘起電圧検出部79は、モータ駆動回路78からの駆動電流によりモータ71が回転し始めた時に、モータ71に生じる誘導電圧を検出するもので、この誘導電圧は抵抗80を介してコンデンサ81に印加され、コンデンサ81の両端間に生じる電圧が、誘導電圧検出部79からの検出信号として比較器74の他方の入力端子に送出される。
位相比較部72の比較器74は、ホール素子73からの検出信号と、誘起電圧検出部78からの検出信号とを比較するもので、比較器74からの比較結果は、モータ71を構成する固定子93(図18や図19を参照)のコアに対するホール素子73の位置ずれを判定すると共に、回転子96の回転方向を特定する位相比較信号として、位相シフト回路76に送出される。
位相シフト回路76は、比較器74からの位相比較信号に基づき、ホール素子73から出力される検出信号に対して、コアの位置とホール素子73との位置ずれ分の位相を補正した信号を生成するものである。この位相を補正した信号は、制御信号出力部75に組み入れられたバッファ回路77を介して、正負の対をなす制御信号としてモータ駆動回路78に送出される。
モータ駆動回路78は、モータ71の起動時にモータ71を強制的に回転させる強制転流を行なうと共に、モータ71の起動後は、制御信号出力部75からの制御信号を受けて、モータ71を安定的に回転駆動させるような駆動電流を、モータ71のコイルに供給するものである。
図18や図19は、本実施形態で使用するモータ71のコアスロット形状を示している。これらの各図において、本実施形態のモータ71は、図示しない巻線を各々に巻回した4個のスロット91−1,91−2,91−3,91−4を有する固定子93と、スロット91−1,91−2,91−3,91−4に対向して、4極のマグネット95−1,95−2,95−3,95−4を有する円筒状の回転子96とを組み合わせた2相モータとして構成される。マグネット95−1,95−2,95−3,95−4は、周方向にN極とS極が交互に配置されるように並べられる。
固定子93のコアに相当するスロット91−1,91−2,91−3,91−4は、その外周形状をなす楔部92−1,92−2,92−3,92−4が、図示しない軸を中心に回転する回転子96と所定の間隔で対向配置される。特に、図18に示す楔部92−1,92−2,92−3,92−4は、回転子96の内周に沿ったほぼ均一な円周形状に形成され、回転子96に対して楔部92−1,92−2,92−3,92−4の左側部,右側部,中央部との空間距離をそれぞれX,Y,Zとすると、X≒Y≒Zの関係を有している。また、図19に示す楔部92−1,92−2,92−3,92−4は、左右でほぼ均一な円周形状に形成され、回転子96に対して楔部92−1,92−2,92−3,92−4の左側部,右側部,中央部との空間距離をそれぞれX,Y,Zとすると、X=Y>Zの関係を有している。
比較として、従来のファンモータを構成するモータ71とその周辺の回路図を図20に示す。ここでは、ホール素子73やモータ駆動回路78が、本実施形態で示したものと共通するが、比較器74や、制御信号出力部75や、誘起電圧検出部79は具備していない。つまり従来は、ホール素子73からの検出信号だけが、制御信号としてモータ駆動回路78に送出される。
図21は、従来のファンモータの構造図を示している。同図において、101はホール素子73やモータ駆動回路78を印刷回路基板(PC板)に搭載してなるPC板組立、102は前述の固定子93を含むステータ組立で、これらのPC板組立101やステータ組立102は、スリーブ状の固定子受部105に軸受106を組み込んだ軸受組立107の周囲に配設される。また111は、前述の回転子96の他に、軸受106に支持されるシャフト112や、複数枚のブレード113を含み、シャフト112を中心に回転自在に設けられるロータ組立である。本実施形態のファンモータは、図17に示す回路素子がPC板組立101に搭載されると共に、スロット91−1,91−2,91−3,91−4が、図18や図19に示すような形状である点以外は、従来と共通の構成を有している。
図22は、従来のモータ71のコアスロット形状を示している。モータ71が2相モータである場合には、起動できないデッドポイントが発生するため、そうしたデッドポイントを避けるために、ロータの位置を一位的に決める工夫が施されていた。これは具体的には、図22に示すように、コアであるスロット91−1,91−2,91−3,91−4の外周形状を、楔部92−1,92−2,92−3,92−4の外周面と回転子96の内周面との間の空間距離が、楔部92−1,92−2,92−3,92−4の一側から他側にかけて漸次広がるように不均一な形状にする(図22の例では、楔部92−1の左側外周面と回転子96の内周面との間の空間距離Xが狭く、楔部92−1の右側外周面と回転子96の内周面との間の空間距離Yが広い)ことで、回転子96の位置決めを実施し、ホール素子73の位置をずらして配置することで、モータ71に対する起動保証を行なっていた。
しかし、楔部92−1,92−2,92−3,92−4を不均一な形状にすると、コギングトルクが発生し、振動や騒音の性能が悪化する上に、ホール素子73の感度や出力のバラつきで、振動や騒音に影響を与えていた。
これに対して本実施形態のファンモータは、ホール素子73の感度や出力のバラつきに影響を受けずに、コギングトルクの発生を抑えて、騒音や振動を低減できる2相モータの駆動方式を提供するものである。
本実施形態のファンモータは、モータ駆動回路78からの駆動電流によって、モータ71が停止した状態から強制転流により起動すると、モータ71に生じる誘導電圧が抵抗80を介してコンデンサ81に印加され、このコンデンサ81の両端間電圧が、誘導電圧検出部79からの検出信号として比較器74に送出される。また、モータ71の回転子96が回転するのに伴い、ホール素子73からも回転子96の位置に対応した検出信号が比較器74に送出され、これらの検出信号の比較により、モータ71のコアとホール素子73との位置ずれを判定すると共に、モータ71の回転子の回転方向を特定する位相比較信号が、位相シフト回路76に送出される。位相シフト回路76は、比較器74からの位相比較信号を利用して、ホール素子73からの検出信号に対して、コアの位置とホール素子73との位置ずれ分の位相を補正した信号を生成してバッファ回路77に出力し、バッファ回路77から正負の対をなす制御信号がモータ駆動回路78に送出される。これによりモータ駆動回路78は、制御信号出力部75からの制御信号に基いて、モータ71を安定的に回転駆動させるような駆動電流をモータ71のコイルに供給することができる。
上記一連の動作では、モータ71の誘導電圧に応じた検出信号と、回転子96の位置に応じたホール素子73の検出信号とを比較することで、回転子96の回転方向を検知して、モータ駆動回路78がモータ71のコイルへの通電を制御しており、回転子96の位置を一位的に決めなくても、モータ71の起動保証をすることができる。また、回転子96の位置決めが必要なくなるので、スロット91−1,91−2,91−3,91−4の外周形状である楔部92−1,92−2,92−3,92−4を、図18に示すような回転子96の内周に沿った同一円周形状にすることが可能になり、コギングトルクを抑制でき、回転子96の回転時におけるトルクリップルを低減できる。そのため、製品組込み時の振動や騒音を抑制することが可能になる。
つまり本実施形態では、ステータ組立102や、軸受組立107や、ロータ組立111で構成される2相モータを備えたファンモータにおいて、モータ71の誘起電圧とホール素子73の出力を比較してモータ71を駆動する構成とし、スロット91−1,91−2,91−3,91−4の外周形状をほぼ同一な円周形状にすることにより、回転子96の位置を一位的に決める必要がなく、コギングトルクの発生を抑えて、モータ71の騒音や振動を低減することが可能になる。
また、回転子96の位置決めが必要なくなるのを利用して、スロット91−1,91−2,91−3,91−4の外周形状を、図19に示すような左右均等の扇形形状にしてもよい。この場合、コアであるスロット91−1,91−2,91−3,91−4を通過する磁束の変化量をサイン(SIN)形状に近付けることで、相切替(通電切替)のノイズひいては騒音を低減できる。
つまり本実施形態では、ステータ組立102や、軸受組立107や、ロータ組立111で構成される2相モータを備えたファンモータにおいて、モータ71の誘起電圧とホール素子73の出力を比較してモータ71を駆動する構成とし、スロット91−1,91−2,91−3,91−4の外周形状を左右均等の扇形形状にすることにより、回転子96の位置を一位的に決める必要がなく、コギングトルクや相切替時のノイズの発生を抑えて、モータ71の騒音や振動をさらに低減することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、第一実施形態では銅線17以外の素材で構成される線材を用いてもよいし、磁極6やティース12の数はファンモータの特性などを考慮して適宜決定すればよい。また、第1実施形態〜第3実施形態で示したそれぞれの特徴を、適宜組み合わせたファンモータとしてもよい。
41 ケース
42 固定子受部
44 保持部
45 軸受
46 ファン
47 軸
48 固定部材
51 固定子
52 線材(巻線)
53 コア
54 制御基板
58 カップ部
60 締結部
62 ロータヨーク
63 空間部
69 外周壁
70 リブ
L1 収納量
L2 ギャップ

Claims (2)

  1. ファンを回転可能に支持するための軸受と、
    前記軸受を固定するための固定部材と、
    制御基板と巻線を施したコアからなる固定子とを装着するための保持部を中心に配置してなる固定子受部とを備え、
    前記固定子受部を中心に配置したケースと前記軸受に、前記ファンを装着したファンモータにおいて、
    前記固定子受部の外周に、前記ケースの一側に向けて立ち上がる外周壁が配置され、
    前記ファンのカップ部と前記ファンの内側に設けたロータヨークとの間に形成された空間部に、前記固定子受部の前記外周壁を収納させ、
    前記外周壁が前記空間部に収納する収納量を、前記カップ部と前記外周壁との間のギャップの2倍乃至3倍としたことを特徴とするファンモータ。
  2. 前記ファンと前記軸受に支持される軸との締結部近傍にリブを設け、このリブを前記保持部の外周に配置したことを特徴とする請求項1記載のファンモータ。
JP2016181901A 2016-09-16 2016-09-16 ファンモータ Active JP6281616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016181901A JP6281616B2 (ja) 2016-09-16 2016-09-16 ファンモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016181901A JP6281616B2 (ja) 2016-09-16 2016-09-16 ファンモータ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012238126A Division JP2014090545A (ja) 2012-10-29 2012-10-29 ファンモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017017990A JP2017017990A (ja) 2017-01-19
JP6281616B2 true JP6281616B2 (ja) 2018-02-21

Family

ID=57831271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016181901A Active JP6281616B2 (ja) 2016-09-16 2016-09-16 ファンモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6281616B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3510120B2 (ja) * 1998-10-07 2004-03-22 山洋電気株式会社 防水構造を備えた送風機
JP3816843B2 (ja) * 2002-07-04 2006-08-30 アスモ株式会社 ブラシレスモータ
CN100394675C (zh) * 2004-11-25 2008-06-11 台达电子工业股份有限公司 马达
KR101474425B1 (ko) * 2008-01-21 2014-12-22 엘지전자 주식회사 냉장고용 팬 조립체
JP2010028901A (ja) * 2008-07-15 2010-02-04 Mitsuba Corp 電動モータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017017990A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6652811B2 (ja) モータ
US20090127964A1 (en) Brushless motor
JP6783333B2 (ja) 電動機およびラジエータファン
JP2004336897A (ja) 回転電機の電機子
JP2011024291A (ja) ステータコア及びアキシャルギャップモータ
JP6681249B2 (ja) ステータ、その製造方法、およびブラシレスモータ
JP5477939B2 (ja) Srモータ
US20140042852A1 (en) Axial flux permanent magnet motor
KR20110048661A (ko) 부스바 권선결선구조 고정자를 채용한 제어기 일체형 차량용 팬모터
US7830053B2 (en) Motor
US7638911B2 (en) Motor
JP2014090545A (ja) ファンモータ
JP2017188982A (ja) ステータ、その製造方法、およびブラシレスモータ
JPH04289759A (ja) ブラシレスモータ
JP6281616B2 (ja) ファンモータ
JP2019068604A (ja) モータ
JP2002101583A (ja) 電動機
CN113574773B (zh) 定子和电动机
JP6199717B2 (ja) ステータ及びモータ
KR100804810B1 (ko) 슬롯리스 타입의 전동기용 고정자
US20080169721A1 (en) Motor
JPH10145991A (ja) モータの固定子およびモータフレーム
JPH10225028A (ja) 回転電動機
JP6429400B2 (ja) ステータコア、ステータ及び回転電機
KR20120006867U (ko) 브러시리스 모터

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6281616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250