JP6279391B2 - 高靭性歯質接着性シランカップリング剤およびそれを含む歯科用組成物 - Google Patents

高靭性歯質接着性シランカップリング剤およびそれを含む歯科用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、高靭性歯質接着性シランカップリング剤、該高靭性歯質接着性シランカップリング剤にて表面処理された歯科用無機充填剤、該高靭性歯質接着性シランカップリング剤およびラジカル重合性シランカップリング剤と共に表面処理された歯科用無機充填剤、該高靭性歯質接着性シランカップリング剤単独、または金属アルコキシド共存下にて縮合し粒子化した歯科用無機充填剤、および該高靭性歯質接着性シランカップリング剤単独または金属アルコキシド共存下にてラジカル重合性シランカップリング剤と共に縮合し粒子化した歯科用無機充填剤を含む歯科用接着性組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、前述した歯科用無機充填剤含有し、歯質との強靭な接着性および耐久性を発現しうる歯科用プライマー、歯科用接着剤、歯科用グラスアイオノマーセメント、歯科用レジンセメント、歯科用レジンモディファイドセメントおよび自己接着性歯科用コンポジットレジンに関する。
歯科分野では、コンポジットレジンと呼ばれる硬化性組成物が日々臨床にて使用されている。このコンポジットレジンを歯牙等の欠損部位に充填し、光照射等の外的エネルギーを付与することでラジカル重合硬化させ保存修復が行われる。この際、歯質とコンポジットレジンの接着を強固にするために予め歯科用プライマー、歯科用接着剤を用いることが一般的である。近年の研究では歯科用プライマー、歯科用接着剤を不要とした自己接着性のコンポジットレジンも開発されてきている。(特許文献1〜5)しかしながら、これらの発明は従来より使用されてきた酸性基含有重合性不飽和単量体(酸性モノマー)を含むことを特徴とするものであり、カルボキシル基やリン酸基とをラジカル重合性基に炭素鎖を介して接続するための接続基に関する積極的な取組みに関する記述が少ない。すなわち、接着靭性を高めるためや加水分解を抑えるための積極的な取組みに関する記述が少ない。さらに、これらの特許文献では酸性モノマーのみを歯質接着への化合物とし、歯質との強靭な接着および耐久性を両立する概念が示されていない。従って、従来技術と比べ進歩性がないと言える。
一般的に歯科用プライマー、歯科用接着剤、歯科用セメント、歯科用レジンセメント、歯科用レジンモディファイドセメントおよび自己接着性歯科用には、メチルメタクリレートやトリエチレングリコールジメタクリレート、ウレタン系ジメタクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが使用されている。これら(メタ)アクリル酸誘導体モノマー等の重合性モノマーおよび歯質接着性を有する酸性モノマーのフリーラジカル重合(以下ラジカル重合と記す)では、炭素−炭素の二重結合が解裂し単結合になることで高分子体を形成し硬化する。ここで、歯質(ヒドロキシアパタイトを多く含むエナメル質、コラーゲン線維など有機質を含む象牙質)への接着は重要な課題の一つである。この接着が不十分であったり、接着耐久性が低い場合にはコンポジットレジン等の修復物と歯質に間隙が生じ2次う蝕へと進展してしまう。結果として、抜歯などの治療が施されることとなり患者にとって大きな不利益をもたらす。
これら歯質への接着にはヒドロキシアパタイトまたはコラーゲン線維との化学的結合が可能な酸性モノマーを含む歯科材料が用いられる。例えばアルデヒド、βジケトン、βケトエステル、カルボン酸、カルボン酸無水物、リン酸、ホスホン酸等を含む酸性モノマーが用いられている。
歯科用接着性組成物では、従来、分子内に酸性基を有する(メタ)アクリレート系モノマーなどの酸性モノマーを必須として含む1液性のセルフエッチングプライマーや1液性の1ステップボンディング材などが提案され製品化されているが、強い酸性溶液中で(メタ)アクリレート系モノマーなどのエステル結合が加水分解することや接着剤と歯質との接着界面での加水分解などにより接着性が低下するといった問題がある。最近、接着性に対する不安要素を解決するため、酸性基を有する(メタ)アクリルアミド系モノマーに関する技術が多く開示されている。
非特許文献1には、エステル結合を有さないホスホン酸基含有モノマーが加水分解による接着劣化を防ぐという報告がある。
特許文献6および非特許文献2には、N−メタクリロイル−ω−アミノアルキルホスホン酸およびN−メタクリロイルグリシンを含むセルフエッチングプライマーが、加水分解による接着性能の劣化を改善することが報告されている。しかし、N−メタクリロイル−ω−アミノアルキルホスホン酸の例えばN−メタクリロイルアミノエチルホスホン酸は水系プライマーでの加水分解安定性に優れるものの疎水系レジンに溶解しない大きな欠点がある。
近年、いわゆる加水分解安定性を標榜する接着性モノマーが数多く報告されている。そのような接着性モノマーは、特許文献7〜11により報告されている。
この中で、特許文献7、8および11で開示されている化合物は分子内にリン酸エステル基を有するため、そのC−O−P結合が加水分解される懸念がある。
特許文献9および特許文献10で開示されている化合物は、加水分解安定性が期待できるが、水や疎水系レジンへの溶解性に劣る。
このように、従来、水系のセルフエッチングプライマーや1液性の歯科用1ステップボンディング材およびコンポジットレジンにおける加水分解による接着性能が低下する問題を解決するため種々の酸性モノマーが提案されているが、十分とはいえない。
特許文献12には前述した酸性モノマーではなく、酸性基やアルデヒド基等を含むシランカップリング剤が開示されている。しかしながら、該特許では確かに加水分解性が低減したものの、十分な機械的強度に至ったとは言い難い。また、化合物の接続基がエーテル、チオエーテル、アミド、エステルおよびウレタン基であるために強靭性および耐久性に劣る発明と言える。
特開2005−320284 特開2009−227676 特開2011−42609 特開2012−171885 特開2014−9219 特開2003−89613 特開2006−176511 特開2006−176522 特開2006−199695 特開2006−514114 特開2006−520344 特開2009−167186
マクロモレキュール・ケミストリー・フィジックス200巻、1062−1067頁(1999年) ジャーナル・オブ・デンタル・リサーチ、86巻、特別号、演題No.#2661
上述したように、従来の歯科用プライマーや歯科用接着剤等では加水分解による歯質接着性能が低下する問題を解決するため種々の酸性モノマーが提案されているが、歯質接着の強靭性および耐久性に劣るため十分とはいえない。さらに、屈折率も低いためにX線造影性を有するような高い屈折率を有する充填剤と組み合わせた場合の透明性に劣っていた。加えて、歯科用グラスアイオノマーセメントや歯科用レジンモディファイドセメントで使用されているポリアクリル酸はフルオロアルミノケイ酸ガラス類等のアルカリ土類金属との反応で架橋・硬化を示しつつ歯質とのキレート反応により歯質接着を行う役割を担うが、40wt%を超えるポリアクリル酸濃度ではゲル化を生じるために含有量には限界があった。すなわち、酸性基の含有量には限界があった。
発明者等の鋭意検討の結果、酸性基やアルデヒド基などの官能基をチオウレタン結合、チオエステル結合およびチオエーテル結合を介して珪素原子に導入することで、歯質に対して非常に高い接着靭性、耐久性および反応性を無機充填剤に付与出来る高靭性歯質接着性シランカップリング剤を発見した。さらに、本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤およびラジカル重合性シランカップリング剤と共に表面処理された歯科用無機充填剤、本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤単独または金属アルコキシド共存下にてラジカル重合性シランカップリング剤と共に縮合し粒子化した歯科用無機充填剤を含む歯科用接着性組成物は歯質接着性と共有結合性(ラジカル重合性)を併せ持ち歯質に対して非常に高い接着靭性、耐久性を持つ事を発見し、本発明を完成した。また、高靭性歯質接着性シランカップリング剤のみを無機充填剤に表面処理させることで、ポリアクリル酸に代わりフルオロアルミノシリケート粉末(グラスアイオノマーセメント粉末)と水共存下にて反応し得る歯科用無機充填剤を開発した。これにより従来技術では困難であったカルボキシル基などの酸性基を歯科用グラスアイオノマーセメント粉末に対して高い割合で含有させる事が可能となった。これら酸性基も無機粉末にチオウレタン結合、チオエステル結合およびチオエーテル結合を介して結合しているために、ポリアクリル酸に比べ硬化体の靭性が高まった。本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤およびラジカル重合性シランカップリング剤と共に表面処理された歯科用無機充填剤、本発明の該高靭性歯質接着性シランカップリング剤単独または金属アルコキシド共存下にてラジカル重合性シランカップリング剤と共に縮合し粒子化した歯科用無機充填剤を含む歯科用プライマー、歯科用接着剤は酸性基やアルデヒド基などの官能基の歯質へのイオン結合とラジカル重合性モノマーへの共有結合の相乗効果による著しい接着強度の向上、耐久性および高屈折率を示した。これらの無機充填剤は高い靭性を有する接着性無機微粒子ととらえる事が出来る。以上述べたように、本発明による高靭性歯質接着性シランカップリング剤を用いる事で、歯科用プライマー、歯科用接着剤、歯科用セメント、歯科用レジンセメント、歯科用レジンモディファイドセメントおよび自己接着性歯科用コンポジットレジンの接着性能を各段と向上させる事が可能である事を発見し、本発明を完成させた。
以上説明したように、本発明による酸性基やアルデヒド基などの官能基をチオウレタン結合、チオエステル結合およびチオエーテル結合を介して珪素原子に導入した高靭性歯質接着性シランカップリング剤単独、または高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基シランカップリングの両方を用いて表面処理した無機充填剤は、従来の課題を解決し、接着性能を大幅に維持し、患者のう蝕の治療や歯の保存をより確実なものとするため、歯科医療に大きく貢献できる価値の高いものである。
本発明の酸性基やアルデヒド基などの官能基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の分子構造を[化1]に示す。[化1]に示す構造をより詳しく説明すると、Aは、−COOH,−P(O)(OH),−S(O)OH,−O−P(O)(OH),−CHO,−NH−C(O)−CHO,−C(O)−CHO基であり、Rが芳香族の場合のみ−C(O)−O−C(O)−基を含み得、Rは、C〜C60の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、少なくとも3価の芳香族であり、Zは、−C(O)−O−,−C(O)−S−,−NH−C(O)−,−NH−C(O)−NH−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−O−,−S−基を表し、Dは、C〜C60の2価から4価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を表し、−C(O)−O−,−C(O)−S−,−NH−C(O)−,−NH−C(O)−NH−,−S−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−O−基を含み得、および/または3価のトリアジン分子骨格または2価のバルビツール酸分子骨格を有し、Eは、−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−NH−,−C(O)−S−基を表し、Rは、C〜C60の直鎮または分岐鎖のアルキレン基で、−S−,−NH−,−NR−(Rはアルキレン基を示す),−CH−C−(Cはフェニレン基を示す),−C(O)−O−,−O−基を含み得、RはC〜C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。RはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。なお、qとrの和はDの価数に等しく、rは1以上の正の整数であり、nは0〜3、aは1〜2であり、aが2の時のみR1は芳香族を表す。
以下に代表的な化合物の化学構造を記載する。
本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤で処理する無機充填剤としては、それらの化学的組成に関係なく特に制限されない。具体的に例示すると、二酸化珪素、アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア−酸化バリウム、シリカ−ジルコニア、シリカ−アルミナ、ランタンガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ガラスセラミック、アルミノシリケートガラス、バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、カルシウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムフルオロアルミノシリケートガラス、バリウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムカルシウムフルオロアルミノシリケートガラス等が挙げられる。特に歯科用グラスアイオノマーセメントやレジン強化型グラスアイオノマーセメントおよびレジンセメント等に使用されているフルオロアルミノケイ酸バリウムガラス、フルオロアルミノケイ酸ストロンチウムガラス、フルオロアルミノケイ酸ガラス等も好適に使用できる。ここで言うフルオロアルミノケイ酸ガラスとは、酸化珪素および酸化アルミニウムを基本骨格とし、非架橋性酸素導入のためのアルカリ金属を含む。さらに修飾・配位イオンとしてストロンチウムを含むアルカリ土類金属およびフッ素を有する。また、更なるX線不透過性を付与するためにランタノイド系列の元素を骨格に組み込んだガラス組成物である。このランタノイド系列元素はガラス組成域により修飾・配位イオンとしてもガラス組成に組み込まれる。これらの無機充填剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。本発明における高靭性歯質接着性シランカップリング剤は1種または複数の組み合わせで用いても良い。さらにラジカル重合性シランカップリング剤と組み合わせて用いても良い。また、処理濃度に関しては表面処理前の無機充填剤のシラノール基密度(mol/g)にもよるが、一般的にはシラノール基密度の等倍から10倍が好ましい。等倍より低い処理では十分にシランカップリング剤を導入出来ず、また、10倍を超えた場合にはシランカップリング剤のみの縮合物が生成し、機械的強度に影響を与えるために好ましくない。本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤で処理された無機充填剤の本発明における歯科用組成物での含有量としては、好ましくは5〜90重量%の範囲内である。5重量%以下である場合には、接着強度が低いため好ましくない。また、90重量%以上では調製したペーストの粘性が高すぎるため臨床上の操作性が悪く好ましくない。さらに、前記無機充填剤の平均粒子径は0.001〜100μmであることが好ましく、より好ましくは0.001〜10μmである。さらに、無機充填剤の形状は球状あるいは不定形状の何れでもよい。
本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤と共に無機充填剤の表面処理をする場合に使用するラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の分子構造を[化2]に示す。[化2]に示す構造をより詳しく説明すると、Aは、HC=CH−,HC=C(CH)−,HC=CH−C−基を表し(Cはフェニレン基を示す)、Bは、−C(O)−O−,−C(O)−S−,−C(O)−NH−,−NH−C(O)−NH−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−O−基を表し、Zは、C〜C30の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を表し、Yは、−NH−C(O)−O−基を表し、Rは、C〜C30の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、−S−,−NH−,−NR−(Rはアルキレン基を示す),−CH−C−(Cはフェニレン基を示す),−C(O)−O−,−O−基を含み得、RはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、RはC〜C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。なお、aは1〜6,nは0〜3である。
このラジカル重合性基を有するシランカップリング剤は1種または複数の組み合わせで用いても良い。また本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤とを共に表面処理に使用する場合の比率は1:10〜10:1の範囲が好ましい。1:10よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が高い場合には高靭性歯質接着性シランカップリング剤の効果が薄れ、10:1よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が低い場合には、ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の効果が薄れるためである。また、処理濃度に関しては無機充填剤のシラノール基密度(mol/g)にもよるが、一般的にはシラノール基密度の等倍から10倍が好ましい。等倍より低い処理では十分にシランカップリング剤を導入出来ず、また、10倍を超えた場合にはシランカップリング剤のみの縮合物が生成し、機械的強度に影響を与えるために好ましくない。さらに、本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤による表面処理は別々に行っても、同時に行っても良い。以下に代表的なラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の化学構造を記載する。
本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤と共に無機充填剤の表面処理をする場合に使用するラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の分子構造を[化3]に示す。[化3]に示す構造をより詳しく説明すると、Aは、HC=CH−,HC=C(CH)−,HC=CH−C4−基を表し(Cはフェニレン基を示す)、Bは、−C(O)−O−,−C(O)−S−,−C(O)−NH−,−NH−C(O)−NH−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−O−基を表し、Zは、C〜C30の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を表し、Yは、−NH−,−S−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−NH−,−C(O)−S−,−C(O)−O−,−CH(OH)−CH−S−,−CH(OH)−CH−O−基を表し、Rは、、C〜C30の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、−S−,−NH−,−NR−(Rはアルキレン基を示す),−CH−C−(Cはフェニレン基を示す),−C(O)−O−,−O−基を含み得、RはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、RはC〜C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。なお、aは1〜6,nは0〜3である。
このラジカル重合性基を有するシランカップリング剤は1種または複数の組み合わせで用いても良い。また本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤とを共に表面処理に使用する場合の比率は1:10〜10:1の範囲が好ましい。1:10よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が高い場合には高靭性歯質接着性シランカップリング剤の効果が薄れ、10:1よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が低い場合には、ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の効果が薄れるためである。また、処理濃度に関しては無機充填剤のシラノール基密度(mol/g)にもよるが、一般的にはシラノール基密度の等倍から10倍が好ましい。等倍より低い処理では十分にシランカップリング剤を導入出来ず、また、10倍を超えた場合にはシランカップリング剤のみの縮合物が生成し、機械的強度に影響を与えるために好ましくない。さらに、本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤による表面処理は別々に行っても、同時に行っても良い。以下に代表的なラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の化学構造を記載する。
本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤と共に無機充填剤の表面処理をする場合に使用するラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の分子構造を[化4]に示す。[化4]に示す構造をより詳しく説明すると、Aは、HC=CH−,HC=C(CH)−,HC=CH−C4−基を表し(Cはフェニレン基を示す)、Bは、−C(O)−O−,−C(O)−S−,−C(O)−NH−,−NH−C(O)−NH−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−O−基を表し、Zは、C〜C60の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、−CH(OH)−CH−S−,−CH(OH)−CH−O−基を含み得、Dは、C〜C60の2価から4価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を表し、−C(O)−O−,−C(O)−S−,−NH−C(O)−,−NH−C(O)−NH−,−S−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−O−を含み得、および/または3価のトリアジン分子骨格または2価のバルビツール酸分子骨格を有し、Eは、−NH−,−NR−(Rはアルキレン基を示す),−O−,−S−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−NH−,−C(O)−S−,−NH−C(O)−O−,−C(O)−O−基を表し、Rは、C〜C60の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、−S−,−NH−,−CH−C−Cはフェニレン基を示す),−C(O)−O−,−O−基を含み得、RはC〜C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合し、RはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。なお、qとrの和はDの価数に等しく、rは1以上の正の整数であり、nは0〜3、aは1〜6である。
このラジカル重合性基を有するシランカップリング剤は1種または複数の組み合わせで用いても良い。また本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤とを共に表面処理に使用する場合の比率は1:10〜10:1の範囲が好ましい。1:10よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が高い場合には高靭性歯質接着性シランカップリング剤の効果が薄れ、10:1よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が低い場合には、ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の効果が薄れるためである。また、処理濃度に関しては無機充填剤のシラノール基密度(mol/g)にもよるが、一般的にはシラノール基密度の等倍から10倍が好ましい。等倍より低い処理では十分にシランカップリング剤を導入出来ず、また、10倍を超えた場合にはシランカップリング剤のみの縮合物が生成し、機械的強度に影響を与えるために好ましくない。さらに、本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤による表面処理は別々に行っても、同時に行っても良い。以下に代表的なラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の化学構造を記載する。
本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤と共に無機充填剤の表面処理をする場合に使用するラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の分子構造を[化5]に示す。[化5]に示す構造をより詳しく説明すると、Aは、HC=CH−,HC=C(CH)−,HC=CH−C−基を表し(Cはフェニレン基を示す)、Bは、−C(O)−O−,−C(O)−S−,−NH−C(O)−,−NH−C(O)−NH−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−O−基を表し、Zは、C〜C60の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を表し、RはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、RはC〜C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。なお、aは1〜6,nは0〜3である。
このラジカル重合性基を有するシランカップリング剤は1種または複数の組み合わせで用いても良い。また本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤とを共に表面処理に使用する場合の比率は1:10〜10:1の範囲が好ましい。1:10よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が高い場合には高靭性歯質接着性シランカップリング剤の効果が薄れ、10:1よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が低い場合には、ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の効果が薄れるためである。また、処理濃度に関しては無機充填剤のシラノール基密度(mol/g)にもよるが、一般的にはシラノール基密度の等倍から10倍が好ましい。等倍より低い処理では十分にシランカップリング剤を導入出来ず、また、10倍を超えた場合にはシランカップリング剤のみの縮合物が生成し、機械的強度に影響を与えるために好ましくない。さらに、本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤による表面処理は別々に行っても、同時に行っても良い。以下に代表的なラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の化学構造を記載する。
本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤と共に無機充填剤の表面処理をする場合に使用するラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の分子構造を[化6]に示す。[化6]に示す構造をより詳しく説明すると、Aは、HC=CH−,HC=C(CH)−,HC=CH−C−基を表し(Cはフェニレン基を示す)、RはC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、RはC〜C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。なお、nは0〜3である。
このラジカル重合性基を有するシランカップリング剤は1種または複数の組み合わせで用いても良い。また本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤とを共に表面処理に使用する場合の比率は1:10〜10:1の範囲が好ましい。1:10よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が高い場合には高靭性歯質接着性シランカップリング剤の効果が薄れ、10:1よりラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の比率が低い場合には、ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の効果が薄れるためである。また、処理濃度に関しては無機充填剤のシラノール基密度(mol/g)にもよるが、一般的にはシラノール基密度の等倍から10倍が好ましい。等倍より低い処理では十分にシランカップリング剤を導入出来ず、また、10倍を超えた場合にはシランカップリング剤のみの縮合物が生成し、機械的強度に影響を与えるために好ましくない。さらに、本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤による表面処理は別々に行っても、同時に行っても良い。以下に代表的なラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の化学構造を記載する。
本発明の歯科用組成物に含まれるラジカル重合性モノマーは歯科分野で用いられている物を何ら制限なく用いる事が出来るが、その分子骨格にウレタン結合を有することが好ましい。ウレタン結合(−NH−C(O)−O−)は酸性基と効果的に水素結合を形成するためである。例えば酸性基としてカルボキシル基(−C(O)OH)を考えた場合、ウレタン基のNHとカルボキシル基のC(O)が効果的に水素結合を形成し、同様にウレタン基のC(O)はカルボキシル基のOHと効果的に水素結合を形成するためである。本発明の歯科用組成物に用いられるラジカル重合性モノマーは例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とのウレタン反応により合成される7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルジメタクリレート(UDMA)や、HEMAやHEAと2,4−トルイレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネートの各々とのウレタン反応により合成されるラジカル重合性モノマー類や、脂肪族および/または芳香族ジイソシアネートとグリセロール(メタ)クリレートや3−メタクリロール−2−ヒドロキシプロピルエステルとの反応によって得られるウレタンジアクリレート類や、1,3−ビス(2−イソシアナート,2−プロピル)ベンゼンとヒドロキシ基を有する化合物とのウレタン反応物等が挙げられる。より具体的には、2,7,7,9,15−ペンタメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルジアクリレート、2,7,7,9,15−ペンタメチル−4,13−18−トリオキソ−3,14,17−トリオキサ−5,12−ジアザイコス−19−エニルメタクリレート、2,8,10,10,15−ペンタメチル−4,13,18−トリオキソ−3,14,17−トリオキサ−5,12−ジアザイコス−19−エニルメタクリレート、2,7,7,9,15−ペンタメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルビス(2−メチルアクリレート),2,2’−(シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−((2−(((1−(アクリロイロキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)シクロヘキシル)メチルカルバモイロキシ)プロピルメタクリレート、2,2’−(シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2,2’−(ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,4−ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−((4−(((1−(アクリロイロキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イル)メチルカルバモイロキシ)プロピルメタクリレート、2,2’−(ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,4−ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルジアクリレート、7,7,9−トリメチル−4,13,18−トリオキソ−3,14,17−トリオキサ−5,12−ジアザイコス−19−エニルメタクリレート、8,10,10−トリメチル−4,13,18−トリオキソ3,14,17−トリオキサ−5,12−ジアザイコス−19−エニルメタクリレート、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルビス(2−メチルアクリレート)、4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルジアクリレート、4,13,18−トリオキソ−3,14,17−トリオキサ−5,12−ジアザイコス−19−エニルメタクリレート、4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルビス(2−メチルアクリレート)、2−(1−(2−((2−(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)−4,4−ジメチルシクロヘキシル)エチルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2−(1−(2−((2−(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)エチル)−5,5−ジメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2−(2−(((1−(メタクリロイロキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)−2,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン−1,3−ジイルビス(2−メチルアクリレート)、2−(2−(((1−(メタクリロイロキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)−2,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン−1,3−ジイルジアクリレート、2−(2−(((1−(アクリロイロキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)−2,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン−1,3−ジイルビス(2−メチルアクリレート)、3−(15−(2−(アクリロイロキシ)エチル)−3,12,19−トリオキソ−2,13,18−トリオキサ−4,11−ジアザヘニコス−20−エニル)ペンタン−1,5−ジイルジアクリレート、3−(15−(2−(アクリロイロキシ)エチル)−3,12,19−トリオキソ−2,13,18−トリオキサ−4,11−ジアザヘニコス−20−エニル)ペンタン−1,5−ジイルビス(2−メチルアクリレート)、2,2’−(シクリヘキサン−1,2−ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−((2−(((2−(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)シクロヘキシル)メチルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2,2’−(シクリヘキサン−1,2−ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2,15−ビス(シクロヘキシルオキシメチル)−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルジアクリレート、2,15−ビス(シクロヘキシルオキシメチル)−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルビス(2−メチルアクリレート)、2,15−ビス(シクロヘキシルオキシメチル)−4,13,18−トリオキソ−3,14,17−トリオキサ−5,12−ジアザイコス−19−エニルメタクリレート、1,18−ビス(シクロヘキシルオキシ)−5,14−ジオキソ−4,15−ジオキサ−6,13−ジアザオクタデカン−2,17−ジイルジアクリレート、1−(シクロヘキシルオキシ)−17−(シクロヘキシルオキシメチル)−5,14,19−トリオキソ−4,15,18−トリオキサ−6,13−ジアザヘニコス−20−エン−2−イルメタクリレート、1,18−ビス(シクロヘキシルオキシ)−5,14−ジオキソ−4,15−ジオキサ−6,13−ジアザオクタデカン−2,17−ジイルビス(2−メチルアクリレート)、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルビス(2−メチルアクリレート)、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルジアクリレート、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(2−メタクリレート)、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(3−(((2−(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)エチル メタクリレート、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(2−メタクリレート)、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−((3−((((2−(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)メチル)ベンジル)(メチル)カルバモイロキシ)エチル メタクリレート、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(3−(((2−(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)プロピル メタクリレート、2−(3−(((1−(アクリロイロキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)エチル メタクリレート、4,4’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビスオキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−メチルアクリレート)、4,4’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビスオキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1−フェニレン)ジアクリレート、4−(3−(((4−(アクリロキシ)フェノキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)フェニル メタクリレート、4,4’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン−4,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、4,4’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン−4,1−ジイル)ジアクリレート、4−(3−(((4−(アクリロイロキシ)ブトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)ブチル メタクリレート、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−フェノキシプロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−フェノキシプロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(3−(((1−(アクリロイロキシ)−3−フェノキシプロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)−3−フェノキシプロピル メタクリレート、2−2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(フェニルアミノ)プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2−2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(フェニルアミノ)プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(3−(((1−(アクリロイロキシ)−3−(フェニルアミノ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)−3−(フェニルアミノ)プロピル メタクリレート、2,2’−(1,3フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(フェニルチオ)プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2,2’−(1,3フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(フェニルチオ)プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(3−(((1−(アクリロキシ)−3−(フェニルチオ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)−3−(フェニルチオ)プロピル メタクリレート、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(ベンジルオキシ)プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(ベンジルオキシ)プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(3−(((1−(アクリロイロキシ)−3−(ベンジルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)−3−(ベンジルオキシ)プロピル メタクリレート、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(メタアクリロイロキシ)プロパン−2,1−ジイル)ジベンゾエート、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(アクリロイロキシ)プロパン−2,1−ジイル)ジベンゾエート、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(2−フェニルアセトキシ)プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(2−フェニルアセトキシ)プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(3−(((1−(アクリロイロキシ)−3−(2−フェニルアセトキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)−3−(2−フェニルアセトキシ)プロピル メタクリレート2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2.2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(2−メタクリレート)、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2.2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(2−(3−(2−((2−(アクリロイルオキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イルカルバモイルオキシ)エチルメタクリレート、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(2−メタクリレート)、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−((2−(3−(2−(((2−(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イル)(メチル)カルバモイルキシ)エチル メタクリレート、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(2−(3−(2−((2−(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イルカルバモイルキシ)プロピルメタクリレート、2−(2−(3−(2−((1−(アクリロイロキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イルカルバモイルキシ)エチル メタクリレート、4,4’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−メチルアクリレート)、4,4’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1−フェニレン)ジアクリレート、4−(2−(3−(2−((4−(アクリロイロキシ)フェノキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イルカルバモイルキシ)フェニルメタクリレート、4,4’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン−4,1−ジイル)ビス(2−メタクリレート)、4,4’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン−4,1−ジイル)ジアクリレート、4−(2−(3−(2−((4−アクリロイロキシ)ブトキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イルカルバモイルキシ)ブチルメタクリレート、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−フェノキシプロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メタクリレート)、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−フェノキシプロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(2−(3−(2−((1−(アクリロイロキシ)−3−フェノキシプロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イルカルバモイルキシ)−3−フェノキシプロピル メタクリレート、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(フェニルアミノ)プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メタクリレート)、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(フェニルアミノ)プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(2−(3−(2−((1−(アクリロイロキシ)−3−(フェニルアミノ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イルカルバモイロキシ)−3−(フェニルアミノ)プロピル メタクリレート、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(フェニルチオ)プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(フェニルチオ)プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(2−(3−(2−((1−(アクリロイロキシ)−3−(フェニルチオ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イルカルバモイロキシ)−3−(フェニルチオ)プロピル メタクリレート、2−2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(3−(ベンジロキシ)プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メチルアクリレート)、2−2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(3−(ベンジロキシ)プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(2−(3−(2−((1−(アクリロイロキシ)−3−(ベンジルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イルカルバモイロキシ)−3−(ベンジルオキシ)プロピル メタクリレート、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(メタクリロイロキシ)プロパン−2,1−ジイル)ジベンゾエート、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(アクリロイロキシ)プロパン−2,1−ジイル)ジベンゾエート、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(2−フェニルアセトキシ)プロパン−2,1−ジイル)ビス(2−メタクリレート)、2,2’−(2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3−(2−フェニルアセトキシ)プロパン−2,1−ジイル)ジアクリレート、2−(2−(3−(2−((1−(アクリロイロキシ)−3−(2−フェニルアセトキシ)プロパン−2−イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イルカルバモイロキシ)−3−(2−フェニルアセトキシ)プロピル メタクリレート、ポリエチレングルコールジメタアクリレート、ポリエチレングルコールジアクリレートなどが挙げられる。
本発明の歯科用組成物に含まれる重合開始剤としては、工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に用いられている重合開始剤を用いる事が好ましい。以下具体的には、本発明の歯科用組成物に含まれる重合開始剤のうち光重合開始剤としては、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類、水溶性アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α−ジケトン類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル化合物類、α−アミノケトン系化合物などが挙げられる。また、それらの割合はラジカル重合性モノマーに対し、0.5wt%〜5wt%が好ましい。0.5wt%より低い濃度では未重合のラジカル重合性モノマーが多くなるため機械的強度が低下する。また、5wt%より高い濃度では重合度が低下し、機械的強度が低下するためである。
光重合開始剤として用いられるアシルフォスフィンオキサイド類を具体的に例示すると、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネートなどが挙げられる。ビスアシルフォスフィンオキサイド類としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
光重合開始剤として用いられるチオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩を具体的に例示すると、例えば、チオキサントン、2−クロルチオキサンセン−9−オン、2−ヒドロキシ−3−(9−オキシ−9H−チオキサンテン−4−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(1−メチル−9−オキシ−9H−チオキサンテン−4−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(1,3,4−トリメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライドなどが挙げられる。
光重合開始剤として用いられるα−ジケトン類を具体的に例示すると、例えば、ジアセチル、ジベンジル、カンファーキノン、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナンスレンキノン、4,4’−オキシベンジル、アセナフテンキノン等が挙げられる。
光重合開始剤として用いられるクマリン化合物を具体的に例示すると、例えば、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−チェノイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−6−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3−ベンゾイルクマリン、7−メトキシ−3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3,5−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3−ベンゾイル−6−ブロモクマリン、3,3’−カルボニルビスクマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、3−カルボキシクマリン、3−カルボキシ−7−メトキシクマリン、3−エトキシカルボニル−6−メトキシクマリン、3−エトキシカルボニル−8−メトキシクマリン、3−アセチルベンゾ[f]クマリン、7−メトキシ−3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−6−ニトロクマリン−3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジメチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノ)クマリン、7−メトキシ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−(4−ニトロベンゾイル)ベンゾ[f]クマリン、3−(4−エトキシシンナモイル)−7−メトキシクマリン、3−(4−ジメチルアミノシンナモイル)クマリン、3−(4−ジフェニルアミノシンナモイル)クマリン、3−[(3−ジメチルベンゾチアゾール−2−イリデン)アセチル]クマリン、3−[(1−メチルナフト[1,2−d]チアゾール−2−イリデン)アセチル]クマリン、3,3’−カルボニルビス(6−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジメチルアミノクマリン)、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジブチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾイミダゾイル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジオクチルアミノ)クマリン、3−アセチル−7−(ジメチルアミノ)クマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニル−7−ジエチルアミノクマリン−7’−ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、10−[3−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−オキソ−2−プロペニル]−2,3,6,7−1,1,7,7−テトラメチル1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン、10−(2−ベンゾチアゾイル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン等の化合物などが挙げられる。
クマリン化合物の中でも、特に、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)及び3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)が好適である。
光重合開始剤として用いられるアントラキノン類を具体的に例示すると、例えば、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1−ブロモアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノンなどが挙げられる。
光重合開始剤として用いられるベンゾインアルキルエーテル類を具体的に例示すると、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
光重合開始剤として用いられるα−アミノケトン類を具体的に例示すると、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどが挙げられる。
光重合開始剤の中でも、(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類及びその塩、α−ジケトン類、及びクマリン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、可視及び近紫外領域での光硬化性に優れ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、キセノンランプのいずれの光源を用いても十分な光硬化性を示す組成物が得られる。
本発明の歯科用組成物に含まれる重合開始剤のうち化学重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。上記の化学重合開始剤に使用される有機過酸化物は特に限定されず、公知のものを使用することができる。代表的な有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるケトンパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド及びシクロヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるハイドロパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及び1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるジアシルパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるジアルキルパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるパーオキシケタールを具体的に例示すると、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン及び4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレリックアシッド−n−ブチルエステルなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるパーオキシエステルを具体的に例示すると、例えば、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,2,4−トリメチルペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタラート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−チルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート及びt−ブチルパーオキシマレリックアシッドなどが挙げられる。
化学重合開始剤として用いられるパーオキシジカーボネートを具体的に例示すると、例えば、ジ−3−メトキシパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート及びジアリルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
有機過酸化物の中でも、安全性、保存安定性及びラジカル生成能力の総合的なバランスから、ジアシルパーオキサイドが好ましく用いられ、その中でもベンゾイルパーオキサイドが特に好ましく用いられる。
重合促進剤を具体的に例示すると、例えば、アミン類、スルフィン酸及びその塩、ボレート化合物、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物などが挙げられる。
重合促進剤として用いられるアミン類は、脂肪族アミン及び芳香族アミンに分けられる。脂肪族アミンを具体的に例示すると、例えば、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等の第1級脂肪族アミン;ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン等の第2級脂肪族アミン;N−メチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第3級脂肪族アミンなどが挙げられる。これらの中でも、組成物の硬化性及び保存安定性の観点から、第3級脂肪族アミンが好ましく、その中でもN−メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがより好ましく用いられる。
芳香族アミンを具体的に例示すると、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸−n−ブトキシエチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸−2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル等が挙げられる。これらの中でも、組成物に優れた硬化性を付与できる観点から、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸−n−ブトキシエチルエステル及び4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
重合促進剤として用いられるスルフィン酸及びその塩を具体的に例示すると、例えば、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸カリウム、p−トルエンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられ、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウムが特に好ましい。
重合促進剤として用いられるボレート化合物は、1分子中に1個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、トリアルキルフェニルホウ素、トリアルキル(p−クロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p−フロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(3,5−ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、トリアルキル[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ素、トリアルキル(p−ニトロフェニル)ホウ素、トリアルキル(m−ニトロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p−ブチルフェニル)ホウ素、トリアルキル(m−ブチルフェニル)ホウ素、トリアルキル(p−ブチルオキシフェニル)ホウ素、トリアルキル(m−ブチルオキシフェニル)ホウ素、トリアルキル(p−オクチルオキシフェニル)ホウ素及びトリアルキル(m−オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル基及びn−ドデシル基等からなる群から選択される少なくとも1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
また、1分子中に2個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、ジアルキルジフェニルホウ素、ジアルキルジ(p−クロロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p−フロロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(3,5−ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、ジアルキルジ[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ素、ジアルキルジ(p−ニトロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m−ニトロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p−ブチルフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m−ブチルフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p−ブチルオキシフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m−ブチルオキシフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p−オクチルオキシフェニル)ホウ素及びジアルキルジ(m−オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル基及びn−ドデシル基等からなる群から選択される少なくとも1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
さらに、1分子中に3個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、モノアルキルトリフェニルホウ素、モノアルキルトリ(p−クロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p−フロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(3,5−ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、モノアルキルトリ[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ素、モノアルキルトリ(p−ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m−ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p−ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m−ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p−ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m−ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p−オクチルオキシフェニル)ホウ素及びモノアルキルトリ(m−オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル基又はn−ドデシル基等から選択される1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩、ブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
さらに1分子中に4個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、テトラフェニルホウ素、テトラキス(p−クロロフェニル)ホウ素、テトラキス(p−フロロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5−ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、テトラキス[3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロ−2−−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ホウ素、テトラキス(p−ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(p−ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(p−ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m−ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(p−オクチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m−オクチルオキシフェニル)ホウ素、(p−フロロフェニル)トリフェニルホウ素、(3,5−ビストリフロロメチル)フェニルトリフェニルホウ素、(p−ニトロフェニル)トリフェニルホウ素、(m−ブチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素、(p−ブチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素、(m−オクチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素及び(p−オクチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
これらアリールボレート化合物の中でも、保存安定性の観点から、1分子中に3個又は4個のアリール基を有するボレート化合物を用いることがより好ましい。また、これらアリールボレート化合物は1種又は2種以上を混合して用いることも可能である。
重合促進剤として用いられるバビツール酸誘導体を具体的に例示すると、例えば、バルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3−ジフェニルバルビツール酸、1,5−ジメチルバルビツール酸、5−ブチルバルビツール酸、5−エチルバルビツール酸、5−イソプロピルバルビツール酸、5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−エチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−n−ブチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−イソブチルバルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロペンチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−フェニルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−1−エチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、5−メチルバルビツール酸、5−プロピルバルビツール酸、1,5−ジエチルバルビツール酸、1−エチル−5−メチルバルビツール酸、1−エチル−5−イソブチルバルビツール酸、1,3−ジエチル−5−ブチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−メチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−オクチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−ヘキシルバルビツール酸、5−ブチル−1−シクロヘキシルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸及びチオバルビツール酸類、ならびにこれらの塩(特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属類が好ましい)が挙げられ、これらバルビツール酸類の塩としては、例えば、5−ブチルバルビツール酸ナトリウム、1,3,5−トリメチルバルビツール酸ナトリウム及び1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸ナトリウムなどが挙げられる。
特に好適なバルビツール酸誘導体を具体的に例示すると、例えば、5−ブチルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸、及びこれらバルビツール酸類のナトリウム塩などが挙げられる。
重合促進剤として用いられるトリアジン化合物を具体的に例示すると、例えば、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(o−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−ブトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N−ヒドロキシエチル−N−エチルアミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−{N,N−ジアリルアミノ}エトキシ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
上記で例示したトリアジン化合物の中で特に好ましいものは、重合活性の点で2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンであり、また保存安定性の点で、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及び2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンである。上記トリアジン化合物は1種又は2種以上を混合して用いても構わない。
重合促進剤として用いられる銅化合物を具体的に例示すると、例えば、アセチルアセトン銅、酢酸第2銅、オレイン酸銅、塩化第2銅、臭化第2銅などが挙げられる。
重合促進剤として用いられるスズ化合物を具体的に例示すると、例えば、ジ−n−ブチル錫ジマレート、ジ−n−オクチル錫ジマレート、ジ−n−オクチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫ジラウレートなどが挙げられる。特に好適なスズ化合物は、ジ−n−オクチル錫ジラウレート及びジ−n−ブチル錫ジラウレートである。
重合促進剤として用いられるバナジウム化合物は、好ましくはIV価及び/又はV価のバナジウム化合物類である。IV価及び/又はV価のバナジウム化合物類を具体的に例示すると、例えば、四酸化二バナジウム(IV)、酸化バナジウムアセチルアセトナート(IV)、シュウ酸バナジル(IV)、硫酸バナジル(IV)、オキソビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオネート)バナジウム(IV)、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム(V)、メタバナジン酸アンモン(V)などが挙げられる。
重合促進剤として用いられるハロゲン化合物を具体的に例示すると、例えば、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
重合促進剤として用いられるアルデヒド類を具体的に例示すると、例えば、テレフタルアルデヒドやベンズアルデヒド誘導体などが挙げられる。ベンズアルデヒド誘導体としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−メチルオキシベンズアルデヒド、p−エチルオキシベンズアルデヒド、p−n−オクチルオキシベンズアルデヒドなどが挙げられる。これらの中でも、硬化性の観点から、p−n−オクチルオキシベンズアルデヒドが好ましく用いられる。
重合促進剤として用いられるチオール化合物を具体的に例示すると、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、チオ安息香酸などが挙げられる。
さらに必要に応じて接着性を付与するために、従来の酸性基を有するラジカル重合性モノマーを本発明の歯科用接着性組成物に加えても良い。酸性基を有するラジカル重合性モノマーを具体的に例示すると、例えば、4−[2−(N−メタクリロイルアミノエチルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[3−(N−メタクリロイルアミノプロピルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[3−(N−メタクリロイルアミノ−iso−プロピルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[4−(N−メタクリロイルアミノブチルヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[4−(N−メタクリロイルアミノ−iso−ブチルヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[5−(N−メタクリロイルアミノペンチルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[5−(N−メタクリロイルアミノ−iso−ペンチルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[6−(N−メタクリロイルアミノヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[6−(N−メタクリロイルアミノ−iso−ヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[10−(N−メタクリロイルアミノデシルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[10−(N−メタクリロイルアミノ−iso−デシルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[2−(N−メタクリロイルアミノエチルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[3−(N−メタクリロイルアミノプロピルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[3−(N−メタクリロイルアミノ−iso−プロピルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[4−(N−メタクリロイルアミノブチルヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[4−(N−メタクリロイルアミノ−iso−ブチルヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[5−(N−メタクリロイルアミノペンチルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[5−(N−メタクリロイルアミノ−iso−ペンチルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[6−(N−メタクリロイルアミノヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[6−(N−メタクリロイルアミノ−iso−ヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[10−(N−メタクリロイルアミノデシルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[10−(N−メタクリロイルアミノ−iso−デシルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[2−(N−メタクリロイルアミノエチルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[4−(N−メタクリロイルアミノブチルヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[6−(N−メタクリロイルアミノヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[10−(N−メタクリロイルアミノデシルアミノ)]−トリメリテックアシッド、4−[2−(N−メクリロイルアミノエチルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[4−(N−メタクリロイルアミノブチルヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[6−(N−メタクリロイルアミノヘキシルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、4−[10−(N−メタクリロイルアミノデシルアミノ)]−トリメリテックアシッドアンハイドライド、3−(メタ)アクリロキシプロピル−3−ホスホノプロピオネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルホスホノアセテート、4−(メタ)アクリロキシブチル−3−ホスホノプロピオネート、4−(メタ)アクリロキシブチルホスホノアセテート、5−(メタ)アクリロキシペンチル−3−ホスホノプロピオネート、5−(メタ)アクリロキシペンチルホスホノアセテート、6−(メタ)アクリロキシヘキシル−3−ホスホノプロピオネート、6−(メタ)アクリロキシヘキシルホスホノアセテート、ビス[2−(メタ)アクリロキシエチル]ハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、N−(メタ)アクリロイル−ω−アミノプロピルホスホニックアシッド、N−(メタ)アクリロイル1−アミノ−1−ベンジルホスホニックアシッド、N−メタクリロイル1−メチル−1−アミノホスホニックアシッド、N−メタクリロイル1−エチル−1−アミノホスホニックアシッド、N−メタクリロイル1−ブチル−1−アミノホスホニックアシッド、5−(N−メタクリロイル)ペンチル−1−アミノメチルホスホニックアシッド、6−(N−メタクリロイル)ヘキシル−1−アミノメチルホスホニックアシッド、10−(N−メタクリロイル)デシル−1−アミノメチルホスホニックアシッド、6−(N−メタクリロイル)ヘキシル−1−アミノプロピルホニックアシッド、6−(N−メタクリロイル)ヘキシル−2−アミノプロピルホニックアシッド、10−(N−メタクリロイル)デシル−2−アミノプロピルホニックアシッド、メタクリルアシッド、4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリティックアシッド、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタリックアシッド、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルオキシカルボニルフタリックアシッド、4−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルオキシカルボニルフタリックアシッド、4−(メタ)アクリロイルオキシオクチルオキシカルボニルフタリックアシッド、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルオキシカルボニルフタリックアシッド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイックアシッド、5−(メタ)アクリロイルアミノペンチルカルボキシリックアシッド、6−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ヘキサンジカルボキシリックアシッド、7−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ヘプタンジカルボキシリックアシッド、8−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−オクタンジカルボキシリックアシッド,10−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−デカンジカルボキシリックアシッド、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボキシリックアシッド、N−(メタ)アクリロイルアラニン、N−(メタ)アクリロイルグリシン、スチレンスルホニックアシッド、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、6−スルホヘキシル(メタ)アクリレート、10−スルホデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホニックアシッド、6−(メタ)アクリロキシヘキシル−3−ホスホノアセテート、6−(メタ)アクリロキシヘキシル−3−ホスホノプロピオネート、10−(メタ)アクリロキシデシルハイドロジェンホスフェート、N−(メタ)アクリロイル1−アミノ−1−ベンジルホスホニックアシッド、N−メタクリロイル1−メチル−1−アミノホスホニックアシッド、4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリテックアシッド、4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリテックアシッドアンハイドライドなどが挙げられる。
本発明による高靭性歯質接着性シランカップリング剤、高靭性歯質接着性シランカップリング剤で表面処理された歯科用無機充填剤の製造方法および、それらを含有する歯科用組成物の調製方法・物理的特性について詳しく説明するが、本発明はこれらの説明に何ら限定されるものではない。
(合成例1)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成1
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(200mL容積)にブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):29.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:54.1mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル 4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエート(分子量541.8)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロフラン−2,5−ジオン:10.0g(0.10mol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエートおよびジヒドロフラン−2,5−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:4,4−ジエトキシ−11,22−ジメチル−9,13,20,24−テトラオキソ−3,14,19−トリオキサ−10,23−ジチア−8−アザ−4−シラヘプタコサン−27−オイックアシッド(分子量641.9)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例2)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成2
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(200mL容積)にブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):29.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:54.1mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル 4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエート(分子量541.8)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン:11.4g(0.10mol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエートおよびジヒドロフラン−2,5−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:4,4−ジエトキシ−11,22−ジメチル−9,13,20,24−テトラオキソ−3,14,19−トリオキサ−10,23−ジチア−8−アザ−4−シラオクタコサン−28−オイックアシッド(分子量655.9)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例3)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成3
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(200mL容積)にブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):29.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:54.1mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル 4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエート(分子量541.8)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッド:19.2g(0.10mol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル 4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエートおよび1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:4−(21,21−ジエトキシ−3,14−ジメチル−5,12,16−トリオキソ−6,11,22−トリオキサ−2,15−ジチア−17−アザ−21−シラテトラコサノイル)イソフタリックアシッド(分子量733.9)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例4)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成4
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(500mL容積)にブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):29.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:54.1mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル 4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエート(分子量541.8)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でトリエチルアミン10.1g(0.10mol)およびクロロホルム150mLを加え十分に攪拌し均一化した。次いで、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライド:21.1g(0.10mol)をクロロホルム150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、濾過によりトリエチルアミン塩酸塩を除きHPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル 4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエートおよび1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライドのピークは消失し、新たなピーク:4−((3−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニル)チオ)ブタノイル)オキシ)ブチル 4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエート(分子量715.9)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例5)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成5
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(200mL容積)にブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):29.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:54.1mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル 4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエート(分子量541.8)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン:33.2mg(500ppm相当)を加え均一に攪拌した。次にアリルフォスフォニックアシッド:12.2g(0.10mol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエートおよびアリルフォスフォニックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:(4,4−ジエトキシ−11,22−ジメチル−9,13,20−トリオキソ−3,14,19−トリオキサ−10,23−ジチア−8−アザ−4−シラヘキサコサン−26−イル)フォスフォニックアシッド(分子量663.9)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例6)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成6
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート):56.8g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:81.5mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量815.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロフラン−2,5−ジオン:20.0g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)およびジヒドロフラン−2,5−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:4,4’−(((((5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(オキシ))ビス(4−オキソブタン−4,2−ジイル))ビス(スルファンジイル))ビス(4−オキソブタノイックアシッド)(分子量1015.2)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例7)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成7
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート):56.8g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:81.5mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量815.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン:22.8g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)およびジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:5,5’−(((((5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(オキシ))ビス(4−オキソブタン−4,2−ジイル))ビス(スルファンジイル))ビス(5−オキソペンタノイックアシッド)(分子量1043.3)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例8)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成8
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート):56.8g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:81.5mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量815.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッド:38.4g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)および1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:2,2’−((((((5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(オキシ))ビス(4−オキソブタン−4,2−ジイル))ビス(スルファンジイル))ビス(カルボニル))ジテレフタリックアシッド(分子量1199.3)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例9)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成9
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(500mL容積)に(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート):56.8g(0.10mol),ジブチルチン(IV)ジラウレート:81.5mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量815.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でトリエチルアミン20.2g(0.20mol)およびクロロホルム150mLを加え十分に攪拌し均一化した。次いで、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライド:42.1g(0.20mol)をクロロホルム150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、濾過によりトリエチルアミン塩酸塩を除きHPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)および1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライドのピークは消失し、新たなピーク:(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニル)チオ)ブタノエート)(分子量1163.3)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例10)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成10
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート):56.8g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:81.5mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量815.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン:53.0mg(500ppm相当)を加え十分に攪拌し均一化した。その後、アリルフォスフォニックアシッド:24.4g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、(5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(3−メルカプトブタノエート)およびアリルフォスフォニックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:((((((5−(4,4−ジエトキシ−11−メチル−9,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−10−チア−8−アザ−4−シラヘキサデカン−16−イル)−2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(オキシ))ビス(4−オキソブタン−4,2−ジイル))ビス(スルファンジイル))ビス(プロパン−3,1−ジイル))ビス(フォスフォニックアシッド)
(分子量1059.2)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する
(合成例11)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成11
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):54.5g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:79.2mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量792.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロフラン−2,5−ジオン:30.0g(0.30mol)をテトラヒドロフラン150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびジヒドロフラン−2,5−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:11−(((3−((3−カルボキシプロパノイル)チオ)ブタノイル)オキシ)メチル)−11−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−6,16−ジメチル−4,8,14,18−テトラオキソ−9,13−ジオキサ−5,17−ジチアヘニコサンディオイックアシッド(分子量1092.3)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例12)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成12
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):54.5g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:792mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナ−トプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量792.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン:34.2g(0.30mol)をテトラヒドロフラン150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:12−(((3−((4−カルボキシブタノイル)チオ)ブタノイル)オキシ)メチル)−12−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−7,17−ジメチル−5,9,15,19−テトラオキソ−10,14−ジオキサ−6,18−ジチアトリコサンディオイックアシッド(分子量1134.4)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例13)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成13
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):54.5g(0.10mol),ジブチルチン(IV)ジラウレート:79.2mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量792.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッド:57.6g(0.30mol)をテトラヒドロフラン150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)および1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:2,2’−(8−(((3−((2,4−ジカルボキシベンゾイル)チオ)ブタノイル)オキシ)メチル)−8−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−3,13−ジメチル−5,11−ジオキソ−6,10−ジオキサ−2,14−ジチアペンタデカンジオイル)ジテレフタリックアシッド(分子量1368.5)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例14)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成14
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(500mL容積)に2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):54.5g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:79.2mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量792.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でトリエチルアミン30.3g(0.30mol)およびクロロホルム150mLを加え十分に攪拌し均一化した。次いで、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライド:63.2g(0.30mol)をクロロホルム150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、濾過によりトリエチルアミン塩酸塩を除きHPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)および1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライドのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニル)チオ)ブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニル)チオ)ブタノエート)(分子量1314.5)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例15)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成15
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):54.5g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:79.2mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量792.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン:57.9mg(500ppm相当)を加え十分に攪拌し均一化させた。次に、アリルフォスフォニックアシッド:36.6g(0.30mol)をテトラヒドロフラン150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびアリルフォスフォニックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:(10−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−5,15−ジメチル−7,13−ジオキソ−10−(((3−((3−フォスフォノプロピル)チオ)ブタノイル)オキシ)メチル)−8,12−ジオキサ−4,16−ジチアノナデカン−1,19−ジイル)ビス(フォスフォニックアシッド)(分子量1158.3)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例16)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成16
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):42.7g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:67.4mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエートおよびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量674.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロフラン−2,5−ジオン:20.0g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびジヒドロフラン−2,5−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:11−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−6,11,16−トリメチル−4,8,14,18−テトラオキソ−9,13−ジオキサ−5,17−ジチアヘニコサンディオイックアシッド(分子量874.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例17)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成17
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):42.7g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:67.4mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量674.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン:22.8g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:12−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−7,12,17−トリメチル−5,9,15,19−テトラオキソ−10,14−ジオキサ−6,18−ジチアトリコサンディオイックアシッド(分子量902.2)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例18)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成18
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):42.7g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:67.4mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量674.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッド:38.4g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)および1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:4−(8−(((3−((2,5−ジカルボキシベンゾイル)チオ)ブタノイル)オキシ)メチル)−20,20−ジエトキシ−3,8,13−トリメチル−5,11,15−トリオキソ−6,10,21−トリオキサ−2,14−ジチア−16−アザ−20−シラトリコサノイル)イソフタリックアシッド(分子量1058)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例19)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成19
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(500mL容積)に2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):42.7g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:67.4mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量674.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でトリエチルアミン20.2(0.20mol)およびクロロホルム150mLを加え十分に攪拌し均一化した。次いで、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライド:42.1g(0.20mol)をクロロホルム150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、濾過によりトリエチルアミン塩酸塩を除きHPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)および1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライドのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニル)チオ)ブタノエート)(分子量1022.2)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例20)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成20
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):42.7g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:67.4mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量674.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン45.9mg(500ppm相当)を加え十分に攪拌し均一化させた。次に、アリルフォスフォニックアシッド:24.4g(0.20mol)をテトラヒドロフラン150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびアリルフォスフォニックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:10−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−5,10,15−トリメチル−7,13−ジオキソ−8,12−ジオキサ−4,16−ジチアノナデカン−1,19−ジイル)ビス(フォスフォニックアシッド)(分子量918.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例21)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成21
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):44.1g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:68.8mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量688.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロフラン−2,5−ジオン:20.0g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびジヒドロフラン−2,5−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:11−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−11 エチル−6,16−ジメチル−4,8,14,18−テトラオキソ−9,13−ジオキサ−5,17−ジチアヘニコサンディオイックアシッド(分子量888.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例22)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成22
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):44.1g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:68.8mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量688.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン:22.8g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオンのピークは消失し、新たなピーク:12−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−12−エチル−7,17−ジメチル−5,9,15,19−テトラオキソ−10,14−ジオキサ−6,18−ジチアトリコサンディオイックアシッド(分子量916.2)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例23)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成23
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):44.1g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:68.8mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量688.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッド:38.4g(0.20mol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)および1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシリックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:4−(8−(((3−((2,5−ジカルボキシベンゾイル)チオ)ブタノイル)オキシ)メチル)−20,20−ジエトキシ−8−エチル−3,13−ジメチル−5,11,15−トリオキソ−6,10,21−トリオキサ−2,14−ジチア−16−アザ−20−シラトリコサノイル)イソフタリックアシッド(分子量1072.3)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例24)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成24
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):44.1g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:68.8mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量688.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点でトリエチルアミン20.2(0.20mol)およびクロロホルム150mLを加え十分に攪拌し均一化した。次いで、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライド:42.1g(0.20mol)をクロロホルム150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、濾過によりトリエチルアミン塩酸塩を除きHPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)および1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライドのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニル)チオ)ブタノエート)(分子量1036.2)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例25)酸性基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成25
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):44.1g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:68.8mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−エチル−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量688.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン45.6mg(500ppm相当)を加え十分に攪拌し均一化させた。次に、アリルフォスフォニックアシッド:24.4g(0.20mol)をテトラヒドロフラン150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−エチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびアリルフォスフォニックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:(10−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−10−エチル−5,15−ジメチル−7,13−ジオキソ−8,12−ジオキサ−4,16−ジチアノナデカン−1,19−ジイル)ビス(フォスフォニックアシッド)(分子量932.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例26)アルデヒド基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成1
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(200mL容積)にブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):29.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:54.1mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるブタン−1,4−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエート(分子量541.8)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン:33.2mg(500ppm相当)を加え均一に攪拌した。次にアクリルアルデヒド:5.61g(0.10mol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、4−((3−メルカプトブタノイル)オキシ)ブチル4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエートおよびアリルフォスフォニックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:4−((3−((3−オキソプロピル)チオ)ブタノイル)オキシ)ブチル4,4−ジエトキシ−11−メチル−9−オキソ−3−オキサ−10−チア−8−アザ−4−シラトリデカン−13−オエート(分子量597.9)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例27)アルデヒド基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成2
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):42.7g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:67.4mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量674.0)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン45.9mg(500ppm相当)を加え十分に攪拌し均一化させた。次に、アクリルアルデヒド:11.2g(0.20mol)をテトラヒドロフラン150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびアリルフォスフォニックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイルビス(3−((3−オキソプロピル)チオ)ブタノエート)(分子量786.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
(合成例28)アルデヒド基を有する高靭性歯質接着性シランカップリング剤の合成3
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート):54.5g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:79.2mg(1000ppm相当)を加え均一に溶解させた。滴下ロートにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シラン24.7g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら内温が80℃を超えないようにトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である(2,2−ビス(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびトリエトキシ(3−イソシアナートプロピル)シランのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)(分子量792.1)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2280〜2250cm−1のイソシアナート吸収の消失を確認した。その後、四つ口フラスコをオイルバスの温度を40℃に設定し、恒温になった時点で2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン:57.9mg(500ppm相当)を加え十分に攪拌し均一化させた。次に、アクリルアルデヒド:16.8g(0.30mol)をテトラヒドロフラン150mLに溶解した溶液を内温が50℃を超えないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま5時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の結果、2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−メルカプトブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−メルカプトブタノエート)およびアリルフォスフォニックアシッドのピークは消失し、新たなピーク:2−(12,12−ジエトキシ−5−メチル−3,7−ジオキソ−2,13−ジオキサ−6−チア−8−アザ−12−シラペンタデシル)−2−(((3−((3−オキソプロピル)チオ)ブタノイル)オキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル ビス(3−((3−オキソプロピル)チオ)ブタノエート(分子量960.3)を確認した。また、FT−IR測定の結果、2575cm−1近傍のチオール基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
比較合成例
(比較合成例1)酸性基を有するシランカップリング剤の比較合成例1
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(200mL容積)にジヒドロフラン−2,5−ジオン:10.1g(0.10mol)とTHF100mLを加え均一に溶解させた。滴下ロートに3−(トリエトキシシリル)プロパン−1−オール:22.2g(0.10mol)を秤量した。次いで、四つ口フラスコを75℃に加温したオイルバスに浸け、攪拌しながら3−(トリエトキシシリル)プロパン−1−オールを滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を維持したまま12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT−IR測定をおこなった。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX−ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT−IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料であるジヒドロフラン−2,5−ジオンおよび3−(トリエトキシシリル)プロパン−1−オールのピークは消失し、新たなピーク:4−オキソ−4−(3−(トリエトキシシリル)プロポキシ)ブタノイックアシッド(分子量322.4)を確認した。また、FT−IR測定の結果、3600cm−1近傍のヒドロキシル基吸収の消失を確認した。本実施例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。

実施例1〜28(高靭性歯質接着性シランカップリング剤による歯科用無機充填剤調製)
合成実施例1〜28にて合成した高靭性歯質接着性シランカップリング剤とラジカル重合性シランカップリング剤KBM−503(信越シリコーン株式会社製)を組み合わせてOX−50(日本アエロジル社製)の表面処理を行った。具体的な表面処理方法を以下に記載する。表1に記載した量および組み合わせのシランカップリング剤をアセトン150mLに溶解し、OX−50:15.0gが入った500mLナスフラスコに加えた。その後、電磁攪拌子を入れ10分間攪拌し、さらに28KHz−150Wの超音波分散機にて5分間分散させた。分散終了後、攪拌下にて蒸留水0.6gを加え、フラスコを沸騰ウオーターバスに浸け5時間還流させた。その後、エバポレーターにてアセトン留去し、表面処理が施された歯科用無機充填剤を得た。
実施例29(高靭性歯質接着性シランカップリング剤による歯科用無機充填剤調製)
攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(2L容積)に合成実施例11にて合成した高靭性歯質接着性シランカップリング剤109.2g(0.10mol)を計量し、エタノール500mLを加え十分に攪拌した。氷冷下にて1Nの水酸化ナトリウム水溶液400mLを一気に注ぎ込み激しく攪拌した。1時間後に攪拌を停止した。その後、1Nの塩化水素水にて酸性に戻し、蒸留水によるデカンテーション繰り返し、塩化ナトリウムおよび過剰の塩化水素を除いた。その後、凍結乾燥により白色球状の歯科用無機充填剤を得た。得られた歯科用無機充填剤の平均粒径は100nmであった。
比較例1
比較合成例1にて合成したシランカップリング剤とラジカル重合性シランカップリング剤KBM−503(信越シリコーン株式会社製)を組み合わせてOX−50(日本アエロジル社製)の表面処理を行った。具体的な表面処理方法を以下に記載する。比較合成例1にて合成したシランカップリング剤1.09gおよびKBM503:0.36gをアセトン150mLに溶解し、OX−50:15.0gが入った500mLナスフラスコに加えた。その後、電磁攪拌子を入れ10分間攪拌し、さらに28KHz−150Wの超音波分散機にて5分間分散させた。分散終了後、攪拌下にて蒸留水0.6gを加え、フラスコを沸騰ウオーターバスに浸け5時間還流させた。その後、エバポレーターにてアセトン留去し、表面処理が施された比較例用歯科用無機充填剤を得た。
歯科用プライマー(PR1〜PR28)、比較例用歯科用プライマー(C−PR1,C−PR2)の調合
実施例1〜28で調製した歯科用無機充填剤2.0g、アセトン4.0g、蒸留水4.0gを十分に攪拌し歯科用プライマー(PR1〜PR28)を調合した。調合表を表2に記載する。同様に比較例1で調製した比較例用歯科用無機充填剤2.0g、アセトン4.0g、蒸留水4.0gを十分に攪拌し比較例用歯科用プライマー(C−PR1)を調合した。また、歯科用無機充填剤の代わりに従来より歯科接着に使用されている酸性モノマーである4−MET(4−メタクリロキシエチルトリメリット酸)2.0g、アセトン4.0g、蒸留水4.0gを十分に攪拌し比較例用歯科用プライマー(C−PR2)を調合した。
剪断接着強さ試験1
歯科用プライマーの調合にて調合した歯科用プライマー(PR1〜PR28)および比較例用歯科用プライマー(C−PR1,C−PR2)を用いて、2ステップにより、エナメル質または象牙質と歯科用コンポジットレジンとの剪断接着試験を実施した。歯質は新鮮抜去牛前歯を用いその歯根部を削除して歯髄除去後、エポキシ樹脂包埋して用いた。同牛歯の唇面エナメル質を耐水研磨紙600番で注水下研磨して研磨エナメル質を用意した。同様に歯質を研磨して研磨象牙質を用意した。研磨した歯面を油分のない圧搾エアーで乾燥し、直径4mmの穴あき両面テープを貼りつけ接着面を規定した。次に調合したプライマーを目皿に滴下し、マイクロブラシで接着規定面に塗布し、10秒間こするように処理した後、油分のない弱い圧搾エアーを5秒間ブローして揮発成分を蒸発させた。その表面に光重合型ボンディング剤「フルオロボンドII」(株式会社 松風製)をマイクロブラシで塗布し歯面上に薄く広げた。続いてGriplightII(株式会社 松風製)で10秒間光照射した。その後、直径4mm、高さ2mmのテフロンモールドを接着規定面枠に固定し、モールド内に光重合型コンポジットレジン「ビュティーフィルII」(株式会社 松風製)を填入しGriplightII(株式会社松風製)で20秒間光照射しコンポジットレジンを光硬化後、モールドを除去して接着試験体を作製した。接着試験体を37℃蒸留水中24時間浸漬後、同試験体を剪断接着強さ用冶具にセットし、インストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い、クロスヘッドスピード1mm/minにて剪断接着強さを測定した。さらに、調製直後のプライマーを使用した場合の「調製直後−接着強さ」に加えて、サーマルサイクル後(剪断接着強さ試験体を冷水4℃に1分間浸積後、温水60℃に1分間浸積を3000回繰り返した後に剪断接着強さを測定する)の接着耐久性試験も行った。
表3(剪断接着強さ試験1結果)に実施例に基づいて調合された歯科用プライマーを用いた剪断接着強さ試験1の結果を示す。これらの結果より明らかなように、本発明により調製された歯科用プライマー(PR1〜28)を用いた剪断接着強さは、従来より歯科で用いられている酸性モノマーのみを有する歯科用プライマー(C−PR2)にて処理された系と比べて明らかに高い剪断接着強さを有する。特にサーマルサイクル後の剪断接着強さへの効果は顕著であった。すなわち、従来より歯科で用いられている酸性モノマーのみを有する歯科用プライマー(C−PR2)にて処理された系は大幅な剪断接着強さの低下を示した。また、特許文献12にて開示されている酸性基およびラジカル重合性基を含む粒子を用いた歯科用プライマー(C−PR1)も大幅な剪断接着強さの低下を示した。これらの剪断接着強さの低下は加水分解による接着界面の劣化に起因するものと推察される。これらの評価結果より明らかなように、従来技術では達し得なかった高い接着強さを有する歯科材料の提供が可能となった。
歯科用1ステップボンディング剤の調合
実施例1〜28で調製した歯科用無機充填剤を用い歯科用1ステップボンディング剤の調合
(BD1〜BD28)を行った。また同様に比較例1で調製した比較例用歯科用無機充填剤を用い比較例用歯科用1ステップボンディング剤(C−BD1)の調合、および歯科用無機充填剤の代わりに従来より歯科接着に使用されている酸性モノマーである4−MET(4−メタクリロキシエチルトリメリット酸)を用いた比較用歯科用1ステップボンディング剤(C−BD2)の調合を行った。調合組成表を表4に記載する。
剪断接着強さ試験2
歯科用1ステップボンディング剤(BD1〜BD28)および比較用歯科用1ステップボンディング剤(C−BD1,C−BD2)を用いて、1ステップにより、エナメル質または象牙質とコンポジットレジンとの剪断接着試験を実施した。歯質は新鮮抜去牛前歯を用いその歯根部を削除して歯髄除去後、エポキシ樹脂包埋して用いた。同牛歯の唇面エナメル質を耐水研磨紙600番で注水下研磨して研磨エナメル質を用意した。同様に歯質を研磨して研磨象牙質を用意した。研磨した歯面を油分のない圧搾エアーで乾燥し、直径4mmの穴あき両面テープを貼りつけ接着面を規定した。次に調合した歯科用1ステップボンディング剤(BD1〜BD28)および比較用歯科用1ステップボンディング剤(C−BD1,C−BD2)を各々マイクロブラシで塗布し歯面上に薄く広げた。油分のない圧搾エアーで乾燥した後、GriplightII(株式会社 松風製)で10秒間光照射した。その後、直径4mm、高さ2mmのテフロンモールドを接着規定面枠に固定し、モールド内に光重合型コンポジットレジン「ビュティーフィルII」(株式会社 松風製)を填入しGriplightII(株式会社 松風製)で20秒間光照射しコンポジットレジンを光硬化後、モールドを除去して接着試験体を作製した。接着試験体を37℃蒸留水中24時間浸漬後、同試験体を剪断接着強さ用冶具にセットし、インストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い、クロスヘッドスピード1mm/minにて剪断接着強さを測定した。さらに、調製直後のプライマーを使用した場合の「調製直後−接着強さ」に加えて、サーマルサイクル後(剪断接着強さ試験体を冷水4℃に1分間浸積後、温水60℃に1分間浸積を3000回繰り返した後に剪断接着強さを測定する)の接着耐久性試験も行った。
表5(剪断接着強さ試験2結果)に実施例に基づいて調合された歯科用1ステップボンディング剤を用いた剪断接着強さ試験2の結果を示す。これらの結果より明らかなように、本発明により調製された歯科用無機充填剤を含む歯科用1ステップボンディング剤を用いた剪断接着強さは従来より歯科で用いられている酸性モノマーのみを有する歯科用1ステップボンディング剤(C−BD2)にて処理された系と比べて明らかに高い剪断接着強さを有する。特にサーマルサイクル後の剪断接着強さへの効果は顕著であった。また、特許文献12にて開示されている酸性基およびラジカル重合性基を含む粒子を用いた歯科用1ステップボンディング剤(C−BD1)もサーマルサイクル後の剪断接着強さは大幅な低下を示した。これらの剪断接着強さの低下は加水分解による接着界面の劣化に起因するものと推察される。これらの評価結果より明らかなように、従来技術では達し得なかった高い接着強さを有する歯科材料の提供が可能となった。
歯科用グラスアイオノマー液材の調合(GI−1〜GI−4)
実施例29で調製した歯科用無機充填剤を表6の調合に従い、歯科用グラスアイオノマー液材(GI−1〜GI−4)の調製を行った。
剪断接着強さ試験3
歯科用グラスアイオノマー液材(GI−1〜GI−4)と歯科用グラスアイオノマーセメント粉末(Shofu CX−Plus株式会社松風製)を用いて剪断接着試験を実施した。歯質は新鮮抜去牛前歯を用いその歯根部を削除して歯髄除去後、エポキシ樹脂包埋して用いた。同牛歯の唇面エナメル質を耐水研磨紙600番で注水下研磨して研磨エナメル質を用意した。同様に歯質を研磨して研磨象牙質を用意した。研磨した歯面を油分のない圧搾エアーで乾燥し、直径4mm、高さ2mmのテフロンモールドを歯面に固定し、接着面を規定した。次に、Shofu CX−Plus粉末2.0gに対して、調合した歯科用グラスアイオノマー液材(GI−1〜GI−4)を1.0gの割合にて30秒間紙練板上にて練和しセメント泥を調製し、テフロンモールドに充填、カバーグラスにて圧接した。その試験体を37℃−湿度100%の環境に1時間保存した。その後、カバーグラスを除去し37℃の蒸留水中に24時間保存し、テフロンモールドを外した。それらの試験体をインストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い、クロスヘッドスピード1mm/minにて剪断接着強さを測定した。さらに、サーマルサイクル後(剪断接着強さ試験体を冷水4℃に1分間浸積後、温水60℃に1分間浸積を3000回繰り返した後に剪断接着強さを測定する)の接着耐久性試験も行った。
表7(剪断接着強さ試験3結果)に歯科用グラスアイオノマー液材の調合(GI−1〜GI−4)
に基づいて調合された液材とグラスアイオノマーセメント粉末(ShofuCX−Plus)の組み合わせによる剪断接着強さ試験3の結果を示す。これらの結果より明らかなように、本発明の高靭性歯質接着性シランカップリング剤による歯科用無機充填剤を含む歯科用グラスアイオノマー液材はポリアクリル酸のみを歯質への反応成分に含む従来型の歯科用グラスアイオノマー液材に比べて高い歯質接着性を示した。特にサーマルサイクル後の剪断接着強さへの効果は高靭性歯質接着性シランカップリング剤による歯科用無機充填剤を含む系で顕著であった。また、PAAが50wt%の系であるGI−2は液材調合時にゲル化が生じたために剪断接着強さ試験が出来なかった。
SC1,SC2・・・SC28は各々、合成例1にて合成された高靭性シランカップリング剤,合成例2にて合成された高靭性シランカップリング剤・・・合成例28にて合成された高靭性シランカップリング剤に対応する。
産業上の利用の可能性
酸性基やアルデヒド基などの官能基をチオウレタン結合、チオエステル結合およびチオエーテル結合を介して珪素原子に導入することで、歯質に対して非常に高い接着靭性、耐久性および反応性を無機充填剤に付与出来る高靭性歯質接着性シランカップリング剤を発見し、本発明を完成した。より具体的には、酸性基やアルデヒド基などの官能基およびラジカル重合性基を同一無機充填剤に結合させることで、水素結合性と共有結合性(ラジカル重合性)を併せ持つ無機充填剤を開発した。さらに詳しくは、酸性基やアルデヒド基などの官能基を有するシランカップリング剤とラジカル重合性基を有するシランカップリング剤を同一無機充填剤に結合させることで、歯質接着性とラジカル重合性を併せ持つ無機充填剤を開発した。また、高靭性歯質接着性シランカップリング剤のみを無機充填剤に結合させることで、ポリアクリル酸に代わりフルオロアルミノシリケート粉末(グラスアイオノマーセメント粉末)と水共存下にて反応し得る無機充填剤を開発した。これにより従来技術では困難であったカルボキシル基などの酸性基を歯科用グラスアイオノマーセメント粉末に対して高い割合で含有させる事が可能となった。これら酸性基も無機粉末にチオウレタン結合、チオエステル結合およびチオエーテル結合を介して結合しているために、ポリアクリル酸に比べ硬化体の靭性が高まった。本発明の無機充填剤を含有した歯科用プライマー、歯科用接着剤は酸性基やアルデヒド基などの官能基の歯質へのイオン結合とラジカル重合性モノマーへの共有結合の相乗効果による著しい接着強度の向上、耐久性および高屈折率を示した。すなわち、本発明によるシランカップリング剤で処理された/または縮合した無機充填剤は加水分解を起こし難く歯質に対する非常に高い接着靭性および耐久性を示した。これらの無機充填剤は高い靭性を有する接着性無機微粒子ととらえる事が出来る。本発明によるシランカップリング剤を用いる事で、歯科用プライマー、歯科用接着剤、歯科用セメント、歯科用レジンセメント、歯科用レジンモディファイドセメントおよび歯科用コンポジットレジンの接着性能を各段と向上させる事が可能である事を発見し、本発明を完成させた。この効果は産業上の利用の可能性を大いに示すものである。

Claims (5)

  1. 以下の式で表わされる高靭性歯質接着性シランカップリング剤。
    Aは、−COOH,−P(O)(OH),−S(O)OH,−O−P(O)(OH),−CHO,−NH−C(O)−CHO,−C(O)−CHO基であり、 が芳香族の場合のみベンゼン環の2つの−COOH基は、酸無水物を形成することができ
    は、C〜C60の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、あるいは少なくとも3価の芳香族であり、
    Zは、−C(O)−S−,−NH−C(O)−S−,−S−基のいずれかを表し、
    Dは、C〜C60の2価から4価の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を表し、−C(O)−O−,−C(O)−S−,−NH−C(O)−,−NH−C(O)−NH−,−S−,−NH−C(O)−S−,−NH−C(O)−O−基を含み得、および/または3価のトリアジン分子骨格または2価のバルビツール酸分子骨格を有し、
    Eは、−NH−C(O)−S−基を表し、
    は、C〜C60の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、−S−,−NH−,−NR −(R はアルキレン基を示す),−CH−C−(Cはフェニレン基を示す),−C(O)−O−,−O−基を含み得、
    はC〜C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。
    はC〜Cの直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。なお、qとrの和はDの価数に等しく、rは1以上の正の整数であり、nは0〜3、aは1〜2であり、aが2の時のみ は芳香族を表す。
  2. 請求項1記載の高靭性歯質接着性シランカップリング剤で表面処理された歯科用無機充填剤。
  3. 請求項1記載の高靭性歯質接着性シランカップリング剤単独、または金属アルコキシド共存下にて縮合し粒子化した歯科用無機充填剤。
  4. ラジカル重合性シランカップリング剤が共存した状態で表面処理または縮合し粒子化した請求項2および3記載の歯科用無機充填剤。
  5. 請求項2から4記載の歯科用無機充填剤を含む歯科用接着性組成物。
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