JP6276073B2 - 拡幅・狭幅用足場部材及びこの足場部材を組み込んでなる仮設足場 - Google Patents

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Description

本発明は、建築現場や土木現場等の工事現場において、屋内外で仮設足場を構築する際に、作業床や作業者の通路などに用いられる足場の幅を仮設足場の中途位置から垂直方向および水平方向に拡げたり狭めたりすることができる拡幅・狭幅用足場部材及びこの足場部材を組み込んでなる仮設足場に関する。
工事現場における仮設足場として、ビルや住宅の施行時などに用いられるくさび緊結式足場が知られている。くさび緊結式足場は、コマ等の連結金具を側面に有する垂直方向の支柱部材と水平方向のつなぎ材(水平材ともいう。また、短尺のつなぎ材のことを特に腕木材ということがある。)から組み立てられる垂直枠を適宜間隔で平行に複数個立設し、対向する垂直枠内の支柱部材の間をブレース材で連結することによって、対向する垂直枠とブレース材からなる枠組を構築した後、対向する垂直枠内のつなぎ材の間に床付き布枠が架け渡されてなる1段または複数段の足場であって、作業床、通路、ステージなどとして使用される。なお、ブレース材は1段ごとに連結してもよいし、複数段分を一度に連結してもよい。ここで、支柱部材、つなぎ材、ブレース材などには、鋼製やアルミニウム製などの管材や棒線材が用いられることが多い。
また、くさび緊結式足場は、対向する垂直枠の支柱部材の間をブレース材で連結する代わりに、対向する垂直枠内の支柱部材の間を垂直枠に対して直角に別のつなぎ材で水平方向に連結することによって、垂直枠とつなぎ材からなる枠組を構築することもできる。すなわち、垂直枠内に位置する第一のつなぎ材と、垂直枠間を直角に連結する第二のつなぎ材を水平2方向に直交して設置することで枠組を構築することもできる。ここで、垂直枠内の第一のつなぎ材の長さと、垂直枠間を直角に連結する第二のつなぎ材の長さは、それぞれ、垂直枠内の支柱部材間の水平距離および垂直枠間の水平距離とほぼ同じである。したがって、つなぎ材として、長短2種のつなぎ材が用いられる場合と、同じ長さのつなぎ材が用いられる場合とがある。
さらに、くさび緊結式足場は、対向する垂直枠の支柱部材の間をブレース材で連結することに加えて、対向する垂直枠内の支柱部材の間を垂直枠に対して直角に別のつなぎ材で水平方向に連結することによって、垂直枠とつなぎ材とブレース材からなる枠組を構築することもできる。すなわち、垂直枠内に位置する第一のつなぎ材と、垂直枠間を直角に連結する第二のつなぎ材を水平2方向に直交するだけでなく、さらにブレース材でも連結することによっても枠組を構築するのであるから、枠組の連結をさらに強固にすることができる。上記と同じ理由で、つなぎ材として、長短2種のつなぎ材が用いられる場合と、同じ長さのつなぎ材が用いられる場合とがある。
このようにして、1段又は2段以上の段数を有するくさび緊結式足場からなる仮設足場が組み立てられる。そして、その段数は、架け渡される床付き布枠の段数で数えることができ、組み立てられる仮設足場の高さに応じて決定される。なお、複数段の床付き布枠を有する仮設足場を組み立てる際には、一段ずつ枠組を組み立ててもよいし、複数段の枠組を一挙に組み立ててもよい。
なお、くさび緊結式足場において、水平方向のつなぎ材とともに垂直枠を形成する垂直方向の支柱部材は1本当たり、側面の複数個所(2〜4個所程度)に連結金具が設けられている。その連結金具としては、支柱部材の側面の周囲に複数個設けられるコマや、支柱部材の側面に環状に設けられるフランジ等を用いることができる。そして、つなぎ部材の端部に設けられるクサビ金具をコマやフランジなどの連結金具に取り付け、クサビで緊結することができる。したがって、支柱部材のどの連結金具の個所でつなぎ部材を取り付けて緊結するかによって、垂直枠の形状が変わってくる。たとえば、支柱部材の最上部の連結金具につなぎ材を取り付けて緊結すれば「門形状」の垂直枠が形成されるし、支柱部材の中程の連結金具につなぎ材を取り付けて緊結すれば「H形状」の垂直枠が形成される。
図1に、くさび緊結式足場の一例を示す。(a)はくさび緊結式足場の正面図、(b)は(a)において円で示されたコマの周辺の拡大図、そして、(c)はくさび緊結式足場の右側面図である。
くさび緊結式足場の支柱1が建物14の側とその反対側に各3本が立設されている。各々の支柱1は、複数のコマ4を側面に有する支柱部材3をホゾ材(図示せず。)を介して縦方向に継ぎ足すことによって形成されている。建物側の支柱1とその反対側の支柱1の間には、コマ4を介してつなぎ材2が上下に各1本水平方向に連結され、クサビ(図示せず)で緊結されることで、垂直枠が3つ形成されている。また、建物とは反対側で対向する支柱部材3の間には、コマ4を介してブレース材21が斜めに取り付けられてクサビ(図示せず)で緊結されることによって、垂直枠とブレース材からなる枠組が構築される。ここでは、作業者(図示せず)の安全確保のために、さらに、対向する垂直枠内の支柱部材の間にコマ4を介して垂直枠に対して直角に手摺20が水平方向に取り付けられてクサビで緊結されている。その後、対向する垂直枠内のつなぎ材2の間に、それぞれ床付き布枠9を1枚又は平行して2枚以上架け渡すことで、1段目の足場が形成される。なお、建物側にもブレース材や手摺を設置してもよい。また、対向する垂直枠内の支柱部材の間を垂直枠に対して直角に別のつなぎ材で水平方向に連結してもよい。
なお、各々の支柱1は支柱部材3を縦方向に継ぎ足すことによって形成されるのであるが、垂直枠内での支柱部材3の継ぎ足し位置は、床付き布枠9が架け渡されるつなぎ材2の直上に設ける場合と、床付き布枠9が架け渡される上下2本のつなぎ材2の略中間地点に設ける場合とがある。この支柱部材3の継ぎ足し位置については、後述する。
そして、支柱部材間を水平方向に連結するつなぎ材としては、鋼製やアルミニウム製などの管の両端にクサビ金具を溶接等で接合したものが用いられる。このつなぎ材の端部のクサビ金具を支柱部材のコマ等の連結金具に引っ掛けた後に、クサビによって緊結することで、支柱部材に固定することができる。
図2は、くさび緊結式足場で用いられるつなぎ材の一例の正面図である。
このつなぎ材2は、鋼製やアルミニウム製などの水平管31の両端にクサビ金具2bを溶接等によって接合したものであって、その全長は支柱部材3の間の間隔に合わせてある。つなぎ材2の端部のクサビ金具2bを支柱部材3の側面に設けられたコマ4等の連結金具に引っ掛けた後に、クサビ2aによって緊結することによって、支柱部材3の間を連結固定することができる。
このつなぎ材に関しては、つなぎ材自体の強度を増すために、あるいはつなぎ材を支柱部材に対して強固に連結するために、つなぎ材の下部から支柱に向けて、斜めに方杖を設けることができる。
図3は、くさび緊結式足場で用いられる方杖付つなぎ材の一例である。(a)は正面図である。(b)〜(d)はA部の拡大図であり、そのうち、(b)は左側面図、(c)は正面図、そして、(d)は底面図を表す。
この方杖付つなぎ材30は、鋼製やアルミニウム製などの水平管31と、この水平管31を斜め下方から支える2本の方杖32とからなる。方杖付つなぎ材の水平管31の端部のそれぞれには、下向きの切り欠き部40aを有する端部板40が溶接等で接合されるとともに、水平管31の端部の下部には開口部31aが設けられており、水平管31の端部を支柱部材に掛止することによって、水平管31の端部を支柱部材に連結することができる。一方、方杖32の下端にはクサビ金具30bが溶接等によって接合されて設けられており、このクサビ金具30bを支柱部材の側面に設けられたコマ等の連結金具に引っ掛けた後に、クサビ30aを打ち込むことによって、この方杖32の下端を支柱部材に緊結することができる。ここで、方杖32の下端に設けるクサビ金具30bは、正面から見てC字形状を有しているので、クサビ金具30bが支柱部材の側面に設けられたコマ等の連結金具を上下から挟んで内抱できる。したがって、方杖付つなぎ材30を支柱部材に一旦連結すれば、方杖付つなぎ材30が上下方向に移動しようとしても、支柱部材のコマ等の連結金具にぶつかるので、方杖付つなぎ材30が支柱部材から外れることを防止できる。なお、方杖付つなぎ材30の変形を防止するために、水平管31の左右の端部近傍から、各1本の束材34が垂直に設置され、それぞれの方杖32を結ぶことによってそれぞれの方杖32を上方から支持している。
このように、複数の支柱部材と複数のつなぎ材を組み合わせ、そして、床付き布枠を対面するつなぎ材の間に架け渡すことで、作業床、通路、ステージなどとして使用される足場を複数段有する仮設足場を構築することができる。また、作業者の安全確保のために、この床付き布枠と平行して、隣接する支柱部材間に手摺が取り付けられる。また、仮設足場の上段と下段の間を行き来することができるように、上段のつなぎ材と下段のつなぎ材の間に斜めに階段部材を設置することができる。
図4に、床付き布枠の一例を示す。(a)が平面図、(b)が正面図、(c)がこの床付き布枠を足場として使用した時の正面図、(d)が床付き布枠の左端面((c)の円で囲んだ部分)の正面拡大図、そして、(e)が(d)のA−A矢視平面図である。
床付き布枠9は、通常、長尺の主材50の1本又は2本以上と、主材の長手方向の両端部に取り付けられる掴み金具51と断面コの字形の梁材(側板)52から構成されている。通常、主材50は水平面の床材部50aとその両縁側面を折り曲げてなる布材部50bとからなる。長尺の主材50の両端部に断面コの字形の梁材52が取り付けられ、そして、長尺の主材50の両端部の四隅に掴み金具51がリベット51c等で固定されて取り付けられる。掴み金具51は下面に湾曲部51aを有し、この湾曲部51aがつなぎ材2の上部曲面に載置されるので、掴み金具51がつなぎ材2を掴んだ状態となる。なお、落下錠51bを掴み金具51に設けることによって、掴み金具51をつなぎ材2に確実に掴ませることができる。なお、床付き布枠9の上を歩行する際に作業者が滑るのを防止するために、床材部50aの上面にはエンボス加工83が施されることがある。また、床材部が幅方向に撓るのを防止するため、床材部の中央部の下側に桟木が設けられることがある。この床付き布枠9を、足場の作業床や通路の幅に応じて、1枚又は2枚以上並べて架け渡すことによって、作業床又は通路が形成される。
以上のとおり、対向する垂直枠内のつなぎ材の間に水平に1枚または複数枚の床付き布枠を架け渡すことで、つなぎ緊結式足場からなる複数段の枠組を有する仮設足場を形成することができる。なお、つなぎ緊結式足場においては最下層から最上層まで支柱部材の設置間隔が通常は同一であるから、その仮設足場の枠幅は各段とも同じになる。
ところが、仮設足場を組み立てる場所には、ひさし、塀、花壇などの障害物が設けられる場合がある。新築工事であれば、仮設足場の解体後に、ひさし、塀、花壇などの施工を行えばよいが、既存建物の改修工事では、このような障害物を避けて仮設足場を設置する必要がある。このため、仮設足場の枠幅を中途位置から上下方向に狭めたり拡げたりして設置することで対応せざるを得ない。
また、ひさし、塀、花壇などの障害物が設けられていない場所であっても、仮設足場内には上段と下段の足場を行き来することができるように、上段のつなぎ材と下段のつなぎ材の間に斜めに階段部材を設置することがある。この場合は、階段部材を設置する場所では、階段部材の幅の分だけ、足場の作業床や通路の幅が狭くなってしまうことになるため、建物の新築工事と改修工事を問わず、足場の作業床や通路の幅を確保するため階段部材が設置されている場所の枠幅を中途位置から水平方向に拡げる必要性が生じる場合がある。
図5は、枠幅約900mmの足場に階段部材を設置した一例である。階段部材12の幅は約660mmであるため、作業者10が通ることができる通路幅は約240mmとなってしまうことが分かる。
そして、図6は枠幅約1200mmの足場に階段部材を設置した一例である。階段部材の幅は約660mmであるため、作業者10が通ることができる通路幅は約540mmとなる。したがって、階段部材が設置されている足場において、枠幅を約1200mmに拡げれば、十分な通路幅を確保することが出来るので作業者10は余裕を持って階段部材12の脇を通ることができる。
特許文献1〜3には、枠幅を中途位置から上下で異なる仮設足場を構築するべく、障害物が存在する高さにおいては支柱間の幅を狭くして狭幅の足場を形成し、そして、障害物に邪魔されない高さにおいては支柱間の幅を広くして広幅の足場を形成することができる拡幅・狭幅用足場部材として、拡幅ブラケットおよび足場用ブラケットが開示されている。これらの拡幅・狭幅用足場部材は、足場の拡幅分または狭幅分に相当する長さの水平部材または水平アームを上部に有し、この水平材又は水平アームの端部上に、連結ピン(ホゾ)を介して、上段の支柱部材を縦方向にジョイントすることで、上段が拡幅または狭幅された枠組を形成しようとするものである。そして、この水平材又は水平アームを横地部材としてその上に床付き布枠が架け渡されることによって、上下方向に拡幅または狭幅された足場が形成された仮設足場となる。
特開2010−203138号公報 特開2012−241491号公報 特開2012−241492号公報
仮設足場を組み立てる際に、床付き布枠を架け渡した後にその床付き布枠上から作業者が支柱部材の間に連結金具を介して手摺を取り付けることもできるが、作業者の安全面を考慮すると、先行して取り付けることのできる先行手摺を用いるのが好ましい。先行手摺を用いると、作業者が上段の足場に立ったときには、すでに上段には先行手摺が設置されているから、作業者が足場から転落する恐れが少なくなるからである。足場を解体する場合も同様であり、作業者は下段の足場に降り立ってから、上段の足場の先行手摺を取り外すことができるので、作業者の安全が守られる。
先行手摺は、足場を組み立てる際に作業者が下段の足場から上段の手摺を先行して取り付けることができるものである。したがって、上段用のつなぎ材に手摺枠をつなぎ材の回りに回転可能な状態で仮置きし、下段の足場から手摺枠を約90゜回転することによって支柱部材間に取り付け、先行手摺とすることができる。また、対向する垂直枠内の支柱部材の間をブレース材で連結する際に、ブレース材と手摺とが一体化されたブレース一体型手摺枠を用いることによって、先行手摺とすることもできる。
ところが、このような先行手摺を取り付けることができない場合には、作業者は手摺が設置されていない上段の足場に立ってから、支柱部材と手摺を設置することになるから、作業者が上段の足場から転落する危険がある。
図7および図8に、仮設足場の組立手順の2例(正面図)を示す。
図7は、支柱部材の最上部の連結金具につなぎ材を取り付けて緊結してなる「門形状」の垂直枠を形成する場合である。円内の拡大図を右側に示す。作業者10は、第3段の足場の上に立って、新たな支柱部材3を既設の支柱部材3の上にホゾ材3aを介して縦方向に継ぎ足すことによって、新たな支柱部材3を立設しようとしている。
このとき、作業者10は上段用の支柱部材3を下段から立設することができないので、上段の手摺20を先行して取り付けることができない。すなわち、先行手摺がない場合である。したがって、作業者10は手摺20が設置されていない上段の足場に立ってから、手摺20の設置されていない状態で上段用の支柱部材3を下段の支柱部材3の上部に継ぎ足す作業をせざるを得ない。よって、作業者10は最上段の足場から転落する危険がある。
図8は、支柱部材の中程の連結金具につなぎ材を取り付けて緊結してなる「H形状」の垂直枠を形成する場合である。円内の拡大図を右側に示す。作業者10は、第3段の足場の上に立って、新たな支柱部材3を既設の支柱部材3の上に縦方向に継ぎ足すことによって、新たな支柱部材3を立設しようとしている。
このときは、作業者10が第3段の足場の上に立ったときには、既に第3段の足場用の先行手摺20aを備える第3段用の支柱3が立設されている。すなわち、先行手摺がある場合である。よって、作業者10は手摺の設置されている状態で上段用の支柱部材3を継ぎ足す作業をすることになるから、作業者が第3段の足場から転落するおそれは大幅に減少する。
ここで、上記文献1〜3で開示された拡幅・狭幅用足場部材をみてみると、床付き布枠を架け渡すための横地部材としての水平材又は水平アームを有しており、その水平材又は水平アームの一方の端部上に、短い支柱部材の2本がいずれも連結ピン(ホゾ)を介して、縦方向にジョイントされている。ここで、縦方向にジョイントされてなる短い支柱部材の2本が、通常の支柱部材1本分に相当しており、拡幅・狭幅用足場部材の上の段の足場の垂直枠の縦枠を構成することになる。
この拡幅・狭幅用足場部材を組み込んで仮設足場を組み立てるときに先行手摺の設置が可能か否かを考察してみる。この短い支柱部材は通常の支柱部材の略半分の長さであって、通常の支柱部材の略半分の軽さであるから、この水平材又は水平アームの上に、先行手摺を備える短い支柱部材を縦に継ぎ足した拡幅・狭幅用足場部材であれば、作業者が持ち上げることができる重量限度内である。したがって、この水平材又は水平アームの上に、先行手摺を備える短い支柱部材を縦に継ぎ足した拡幅・狭幅用足場部材を下段の足場から上段の足場に取り付けておくことができるから、先行した柱に先行手摺を取り付けることにより作業者が上段の足場に立ったときには、既に上段の足場用の手摺が取り付けられていることになる。
しかしながら、短い支柱部材の2本を縦方向に継ぎ足して通常の支柱部材の1本分の長さを形成した場合には、図9に示すように、一つの段の足場の垂直枠の縦枠には2箇所のジョイント部3bができることになってしまう。
ジョイント部3bにはガタ(余裕代)を持たせる必要があるので、一つの段の足場の垂直枠の縦枠にジョイント部3bが2箇所もあると、足場全体の支持力が低下するだけでなく、足場全体の横揺れが強くなる。このため、図10に見るとおり、追加されたジョイント部3bの近傍には、足場の枠組を強化するために、別途につなぎ材2cを追加するという手間が必要となる。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、中途位置から上下または左右で異なる枠幅を有する仮設足場を構築する際に、先行手摺を設置できかつ仮設足場の剛性を確保できる拡幅・狭幅足場部材およびこの拡幅・狭幅足場部材を組み込んでなる仮設足場を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような問題点を解決するために種々の検討を重ねた。その結果、次の(a)〜(g)に示す知見を得た。
(a) 引用文献1〜3にかかる拡幅・狭幅用足場部材を用いて、仮設足場の枠幅を中途位置から上下で異なる仮設足場を構築する際、先行手摺を設置しようとすると、一つの段の足場の垂直枠の縦枠には2箇所のジョイント部ができることになってしまう。一つの段の足場の垂直枠の縦枠にジョイント部3bが2箇所もあると、足場全体の支持力が低下するだけでなく、足場全体の横揺れが強くなる。このため、追加されたジョイント部3bの近傍には、足場の枠組を強化するために、別途につなぎ材2cを追加するという手間が必要となる。
(b) したがって、2箇所のジョイント部ができることを阻止した上で、先行手摺を設置できる拡幅・狭幅用足場部材を検討したところ、床付き布枠を架け渡すための横地部材を略中央部に移すとともに、その横地材の両端部のそれぞれに、通常の支柱部材と同じ長さを有する建地部材の略中央部を直角に連結させてなる構成とすればよいことを着想した。すなわち、2本の建地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材の略中央部を水平に連結する横地部材から構成させることによって、「H形状」の垂直枠を形成するのである。この建地部材と横地部材から形成される「H形状」の垂直枠の構造は、図8に示すつなぎ材と支柱部材からなる「H形状」の垂直枠と同様に、先行手摺の設置が可能となる。
(c) 2本の建地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材の略中央部を水平に連結する横地部材から構成される「H形状」の垂直枠だけでは、拡幅・狭幅用足場部材としては強度的に不十分である。これを解決するためには、両建地部材の上部近傍を水平に連結する上部水平部材と、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から上部近傍にかけて斜めに連結する上部斜め部材を設置すれば、拡幅・狭幅用足場部材として剛性が確保されることが分かった。この上部水平部材及び斜め部材は拡幅・狭幅用足場部材に設置する先行手摺としても機能するので、先行手摺を備え、強度的にも剛性が確保された拡幅・狭幅用足場部材とすることができる。なお、建地部材の下部近傍を水平に連結する下部水平部材も設けると剛性はより向上するので、好ましい。また、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から下部近傍にかけて斜めに連結する下部斜め部材を設けると、剛性はさらに向上するので、より好ましい。
(d) 上記(c)においては、両建地部材の上部近傍を水平に連結する上部水平部材と、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から上部近傍にかけて斜めに連結する上部斜め部材を設置することによって、先行手摺を備え、強度的にも剛性が確保された拡幅・狭幅用足場部材としたが、この上部斜め部材に代えて、横地部材と上部水平部材の間に両建地部材を水平に連絡する中上部水平部材を1本または複数本設けても、先行手摺とすることができる。ただし、この場合には拡幅・狭幅用足場部材には斜め部材が存在しないことになるから、強度的に問題が残る。したがって、上部斜め部材に代えて、中上部水平部材を設ける場合には、剛性を確保するために、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から下部近傍にかけて斜めに連結する下部斜め部材を設ける必要がある。なお、建地部材の下部近傍を水平に連結する下部水平部材も設けると剛性はより向上するので、好ましい。
(e) 以上は、仮設足場の枠幅を中途位置から上下方向に異ならせる場合で説明してきたが、階段部材を設置する場合のように、仮設足場の枠幅を中途位置から水平方向に異ならせるときにも用いることができる。したがって、この拡幅・狭幅用足場部材は、立面的に見て仮設足場の中途位置から上下で異なる枠幅を有する仮設足場を構築する際だけでなく、平面的に見ても仮設足場の中途位置から左右で異なる枠幅を有する仮設足場を構築する際にも用いることができる。そして、この拡幅・狭幅用足場部材には2本の建地部材の上部近傍を水平に連結する上部水平部材と、2本の建地部材を斜めに連結する斜め部材が設けられているので、強固に剛接合されている。そして、この拡幅・狭幅用足場部材を構成する建地部材の一方の下端を、下段の足場を構成する支柱部材の上端に差し込むものであるから、上段の足場からの荷重を下段の足場に伝達することができる。もちろん、先行手摺を設置できるし、一つの段の足場の枠組を構成する縦枠部分にはジョイント部が1箇所形成されるだけであるから、通常の1層分の支柱と変わらす使用でき、足場全体の支持力を低下させることなく、足場全体の横揺れも抑制することができる。
(f) この拡幅・狭幅用足場部材を構成する建地部材と横地部材は、それぞれ、クサビ緊結式足場の垂直枠を形成する支柱部材とつなぎ材に対応する。そして、上記建地部材と支柱部材は縦方向に継ぎ足すことができる。このとき、支柱部材と同様に、ジョイント部となる建地部材上端には連結ピン(ホゾ材)を設け、この連結ピン(ホゾ材)を介して縦方向に連結するのが好ましい。連結ピン(ホゾ材)は固定タイプでもよいし、取り外しタイプでもよい。なお、建地部材の下端にはジョイント部が外れないように抜け止め機能ピンを設けるのがよい。
(g) この拡幅・狭幅用足場部材を構成する建地部材には、つなぎ材(方杖付きつなぎ材を含む)やブレース材だけでなく、両建地部材の略中央部を水平に連結する横地部材、両建地部材の上部近傍を水平に連結する上部、上中部および下部水平部材、両建地部材間を斜めに連結する上部および下部斜め部材等を連結することができるコマ等の連結金具を側面に設けることができる。また、別途、ブレース材や手摺の取付孔に嵌め合わせることができるロック金具も側面に設けることができる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであって、その要旨は下記の(1)〜(6)の拡幅・狭幅用足場部材および下記(7)〜(8)の仮設足場にある。以下、総称して本発明という。
(1) 支柱部材に継ぎ足すことができる2本の建地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の略中央部を水平に連結する横地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の上部近傍を水平に連結する上部水平部材と、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から上部近傍にかけて斜めに連結する上部斜め部材からなる拡幅・狭幅用足場部材。
(2) さらに、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の下部近傍を水平に連結する下部水平部材を設けてなる、上記(1)の拡幅・狭幅用足場部材。
(3) さらに、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から下部近傍にかけて斜めに連結する下部斜め部材を設けてなる、上記(1)または(2)の拡幅・狭幅用足場部材。
(4) 支柱部材に継ぎ足すことができる2本の建地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の略中央部を水平に連結する横地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の上部近傍を水平に連結する上部水平部材と、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から下部近傍にかけて斜めに連結する下部斜め部材と、上記横地部材と上記上部水平部材の間で両建地部材間を水平に連絡する中上部水平部材からなる拡幅・狭幅用足場部材。
(5) さらに、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の下部近傍を水平に連結する下部水平部材を設けてなる、上記(4)の拡幅・狭幅用足場部材。
(6) 建地部材の上端部にホゾ材を組み込んでなる、上記(1)〜(5)のいずれかの拡幅・狭幅用足場部材。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかの拡幅・狭幅足場部材を組み込んでなる仮設足場。
(8) 階段部材を組み込んでなる、上記(7)の仮設足場。
本発明によれば、中途位置から上下または左右で異なる枠幅を有する仮設足場を構築する際に、先行手摺を設置できかつ仮設足場の剛性を確保できる拡幅・狭幅足場部材およびこの拡幅・狭幅足場部材を組み込んでなる仮設足場を提供することができる。
くさび緊結式足場の構造の一例を示す。 くさび緊結式足場で用いられるつなぎ材の一例の正面図である。 くさび緊結式足場で用いられる方杖付つなぎ材の一例である。 床付き布枠の一例を示す。 枠幅約900mmの足場に階段部材を設置した一例である。 枠幅約1200mmの足場に階段部材を設置した一例である。 仮設足場の組立手順の一例である。 仮設足場の組立手順の他の例である。 一つの段の足場の垂直枠の縦枠に2箇所のジョイント部ができる一例を示す。 枠組強化のためにつなぎ材を追加した例である。 本発明に係る拡幅・狭幅用足場部材の一例(正面図)である。 図11の拡幅・狭幅用足場部材を組み込んでなる仮設足場の一例である。 図11の拡幅・狭幅用足場部材を組み込んでなる仮設足場の他の例である。 階段部材と図11の拡幅・狭幅用足場部材を組み込んでなる仮設足場の一例である。 本発明に係る拡幅・狭幅用足場部材の他の数例(正面図)である。
以下、本発明の実施の形態に係る拡幅・狭幅用足場部材およびこの拡幅・狭幅足場部材を組み込んでなる仮設足場について、実施例に基づいて説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
図11は、本発明に係る拡幅・狭幅用足場部材の一例(正面図)である。
この拡幅・狭幅用足場部材は、2本の建地部材60と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の略中央部を水平に連結する横地部材61と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の上部近傍を水平に連結する上部水平部材62と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の下部近傍を水平に連結する下部水平部材65と、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から上部近傍にかけて斜めに連結する上部斜め部材67と、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から下部近傍にかけて斜めに連結する下部斜め部材68からなる。
ここでは、2本の建地部材60と横地部材61とで「H形状」の垂直枠を形成しており、この拡幅・狭幅用足場部材が仮設足場に組み込まれたとき、横地部材には床付き布枠が架け渡される。
そして、この「H形状」の垂直枠の剛性を高めるために、上部水平部材62と下部水平部材65と上部斜め部材67と下部斜め部材68が設けられている。なお、この拡幅・狭幅用足場部材を組み込んで仮設足場の枠組を組み立てる際に、上部水平部材62と上部斜め部材67が先行手摺として機能することになる。
この建地部材60の下端部は、ホゾ材を介して、つなぎ材と支柱部材からなる「H形状」の垂直枠のうちの支柱部材の上端部に縦方向に継ぎ足すことができるし、2本の建地部材60と横地部材61とからなる「H形状」の垂直枠のうちの建地材の上端部に継ぎ足すこともできる。このため、ここでは、継ぎ足した建地部材60が抜け落ちないように、この建地部材60の下端部には抜け止め機能ピン70が設けられている。
そして、この建地部材60の上端部には、つなぎ材と支柱部材からなる「H形状」の垂直枠のうちの支柱部材の下端部を縦方向に継ぎ足すことができるし、2本の建地部材60と横地部材61とからなる「H形状」の垂直枠のうちの建地材の下端部を継ぎ足すこともできる。ここでは、建地部材60の上端部にはホゾ材3aが設けられており、このホゾ材を介して、支柱部材または建地部材の下端部を継ぎ足すことができる。
この拡幅・狭幅用足場部材の建地部材の側面にはコマ4が設けられており、ここに方杖付きつなぎ材の方杖の下端部のクサビ金具を取り付け、クサビで緊結することができる。また、この拡幅・狭幅用足場部材の建地部材の側面には、上部に固定型ロック金具71が、そして、下部に可動型ロック金具72がそれぞれ設けられており、ブレース材や手摺の取付孔を嵌め合わせることでブレース材や手摺等を取り付けることができる。
図12は、図11の拡幅・狭幅用足場部材を組み込んでなる仮設足場の一例である。
ここでは、図11に示した拡幅・狭幅用足場部材を枠幅が約900mmの緊結式足場の上に組み込むことによって、第3段の足場の位置から上を枠幅約600mmへと狭幅に変更してなる仮設足場を構築しようとするものである。ここでは、左側の支柱は第1段から第4段まで同じ位置に立設されている。これに対して、右側の支柱は第1段から第3段までは左側支柱から約900mmの幅の位置に立設されるが、第3段以上では左側支柱から約600mmの幅の位置に立設される。また、各段の足場の組立の際には、先行手摺が設置できているから、作業者の安全を図ることもできる。以下に、この仮設足場を組み立てる手順について説明する。
まず、短い支柱部材の2本と約900mmの長さのつなぎ材から第1段の垂直枠が形成されており、隣接するつなぎ材(図示せず)の間に床付き布枠(図示せず)を架け渡すことによって、第1段の足場が形成される。それぞれの支柱部材の下端はジャッキベース5によって支持されている。この第1段の垂直枠を構成する短い支柱部材の上に、第2段の支柱部材3が継ぎ足され、第2段の支柱部材3の間を約900mmの長さの方杖付きつなぎ材30で連結することによって、方杖付きつなぎ材30と支柱部材3からなる「H形状」の第2段の垂直枠が形成され、その後、隣接する垂直枠(図示せず)との間を先行手摺20aで連結し、隣接する方杖付きつなぎ材(図示せず)の間に床付き布枠を架け渡すことによって、第2段の足場が形成される。
次に、この第2段の垂直枠を構成する支柱部材のうち左側の支柱部材3の上に第3段の支柱部材3が継ぎ足され、そして、右側の支柱部材3の上には図11の拡幅・狭幅用足場部材の建地部材のうち右側の建地部材60が継ぎ足され、第3段の支柱部材3のほぼ中央部とこの拡幅・狭幅用足場部材の左側の建地部材60のほぼ中央部との間を約600mmの長さの方杖付きつなぎ材30で連結することによって、方杖付きつなぎ材30と左側支柱部材3と左側建地部材60からなる「H形状」の第3段の垂直枠と、2本の建地部材60と横地部材61とからなる「H形状」の垂直枠が並んで形成される。その後、隣接する垂直枠(図示せず)との間を先行手摺20aで連結し、「H形状」の第3段の垂直枠の方杖付きつなぎ材30と隣接する方杖付きつなぎ材30(図示せず)との間に床付き布枠を架け渡すとともに、2本の建地部材60と横地部材61とからなる「H形状」の垂直枠の横地部材61と隣接する横地部材(図示せず)との間に床付き布枠を架け渡すことによって、第3段の足場が形成される。
その後、第3段の垂直枠を構成する左側の支柱部材3の上に第4段の左側の支柱部材3が継ぎ足され、そして、拡幅・狭幅用足場部材の建地部材のうち左側の建地部材60の上に第4段の右側の支柱部材が継ぎ足され、第4段の支柱部材の間を約600mmの長さの方杖付きつなぎ材30で連結することによって、「H形状」の第4段の垂直枠が形成される。その後、隣接する垂直枠(図示せず)との間を先行手摺20aで連結し、隣接する方杖付きつなぎ材(図示せず)の間に床付き布枠を架け渡すことによって、第4段の足場が形成される。
この結果、第3段の足場の位置から上を枠幅約600mmへと狭幅に変更されてなる仮設足場が構築される。このとき、各段の足場の垂直枠の縦枠にはジョイント部が1個所存在するだけであるから、足場全体の支持力を大きく低下することなく、足場全体の横揺れも抑制することができる。また、支柱部材や建地部材はその下端を下段の足場を構成する支柱部材や建地部材の上端に差し込むものであるから、上段の足場から下段の足場に荷重を伝達することができる。さらに、拡幅・狭幅用足場部材においては、2本の建地部材を斜めに連結する斜め部材が設けられているので、強固に剛接合されている。
図13は、図11の拡幅・狭幅用足場部材を組み込んでなる仮設足場の他の例である。
ここでは、図11に示した拡幅・狭幅用足場部材を枠幅が約900mmの緊結式足場の上に組み込むことによって、第3段の足場の位置から上を枠幅約1200mmへと広幅に変更してなる仮設足場を構築しようとするものである。ここでは、左側の支柱は第1段から第4段まで同じ位置に立設されている。これに対して、右側の支柱は第1段から第3段までは左側支柱から約900mmの幅の位置に立設されるが、第3段以上では左側支柱から約1200mmの幅の位置に立設される。また、各段の足場の組立の際には、先行手摺が設置できているから、作業者の安全を図ることもできる。以下に、この仮設足場を組み立てる手順について説明する。
まず、短い支柱部材の2本と約900mmの長さのつなぎ材から第1段の垂直枠が形成されており、隣接するつなぎ材(図示せず)の間に床付き布枠(図示せず)を架け渡すことによって、第1段の足場が形成される。それぞれの支柱部材の下端はジャッキベース5によって支持されている。この第1段の垂直枠を構成する短い支柱部材の上に、第2段の支柱部材3が継ぎ足され、第2段の支柱部材3の間を約900mmの長さの方杖付きつなぎ材30で連結することによって、方杖付きつなぎ材30と支柱部材3からなる「H形状」の第2段の垂直枠が形成され、その後、隣接する垂直枠(図示せず)との間を先行手摺20aで連結し、隣接する方杖付きつなぎ材(図示せず)の間に床付き布枠を架け渡すことによって、第2段の足場が形成される。
次に、この第2段の垂直枠を構成する支柱部材のうち左側の支柱部材3の上に第3段の支柱部材3が継ぎ足され、そして、右側の支柱部材3の上には図11の拡幅・狭幅用足場部材の建地部材のうち左側の建地部材60が継ぎ足され、第3段の支柱部材3のほぼ中央部とこの拡幅・狭幅用足場部材の左側の建地部材60のほぼ中央部との間を約900mmの長さの方杖付きつなぎ材30で連結することによって、方杖付きつなぎ材30と左側支柱部材3と左側建地部材60からなる「H形状」の第3段の垂直枠と、2本の建地部材60と横地部材61とからなる「H形状」の垂直枠が並んで形成される。その後、隣接する垂直枠(図示せず)との間を先行手摺20aで連結し、「H形状」の第3段の垂直枠の方杖付きつなぎ材30と隣接する方杖付きつなぎ材30(図示せず)との間に床付き布枠を架け渡すとともに、2本の建地部材60と横地部材61とからなる「H形状」の垂直枠の横地部材61と隣接する横地部材(図示せず)との間に床付き布枠を架け渡すことによって、第3段の足場が形成される。
その後、第3段の垂直枠を構成する左側の支柱部材3の上に第4段用の左側の支柱部材3が継ぎ足され、そして、拡幅・狭幅用足場部材の建地部材のうち右側の建地部材60の上に第4段の右側の支柱部材が継ぎ足され、第4段の支柱部材の間を約1200mmの長さの方杖付きつなぎ材30で連結することによって、「H形状」の第4段の垂直枠が形成される。その後、隣接する垂直枠(図示せず)との間を先行手摺20aで連結し、隣接する方杖付きつなぎ材(図示せず)の間に床付き布枠を架け渡すことによって、第4段の足場が形成される。
この結果、第3段の足場の位置から上を枠幅約1200mmへと広幅に変更されてなる仮設足場が構築される。このとき、各段の足場の垂直枠の縦枠にはジョイント部が1個所存在するだけであるから、足場全体の支持力を大きく低下することもなく、足場全体の横揺れも抑制することができる。また、支柱部材や建地部材はその下端を下段の足場を構成する支柱部材や建地部材の上端に差し込むものであるから、上段の足場から下段の足場に荷重を伝達することができる。さらに、拡幅・狭幅用足場部材においては、2本の建地部材を斜めに連結する斜め部材が設けられているので、強固に剛接合されている。
以上の実施例では、拡幅・狭幅用足場部材を組み込むことによって、立面的に見て仮設足場の枠幅を中途位置から上下方向に異ならせる場合で説明してきたが、階段部材を設置する場合のように、平面的に見ても仮設足場の枠幅を中途位置から水平方向に異ならせるときにも用いることができる。
図14は、階段部材と図11の拡幅・狭幅用足場部材を組み込んでなる仮設足場の一例を示す。(a)が仮設足場の平面図、(b)がA−A矢視図、そして、(c)がB−B矢視図である。
この仮設足場は壁つなぎ15によって、建物14の壁面につながれている。この仮設足場は、幅が約660mmの階段部材12が設置された足場とその近傍を除いて、枠幅が約900mmである。そして、階段部材12が設置された足場とその近傍においては、枠幅が約1200mmであるので、階段部材が設置された足場においては作業者が通る通路の幅は約540mmである。したがって、作業者は余裕を持って階段部材12の脇を通ることができる。
この例においては、枠幅約900mmの足場の一部に、上下に複数個の階段部材12を組み入れても作業者が余裕を持って階段部材12の脇を通ることができるように、階段部材12が設置された足場とその近傍の枠幅を約1200mmへと拡げてなる仮設足場を構築しようとするものである。枠幅が変更となる連結部13に図11に示した拡幅・狭幅用足場部材を用いる。
枠幅が変更となる連結部13においては、図14(b)にみるごとく、各段とも、左側の支柱は支柱部材3を縦方向に継ぎ足すことによって立設され、そして、右側は拡幅・狭幅用足場部材の2本の建地部材60を縦方向に継ぎ足すことによって立設されている。言い換えれば、各段とも、左側の支柱部材3と左側建地部材60と方杖付きつなぎ材30からなる「H形状」の左側垂直枠(枠幅約900mm)と、2本の建地部材60と横地部材61からなる「H形状」の右側垂直枠(枠幅約300mm)が並んで形成されている。
この連結部13に隣接する垂直枠は、図14(c)にみるとおりであり、各段とも、2本の支柱部材3とこれらの支柱部材3の間を約1200mmの長さの方杖付きつなぎ材30で連結することによって、方杖付きつなぎ材30と支柱部材3からなる「H形状」の垂直枠(枠幅約1200mm)が形成されている。
そして、連結部13の垂直枠とこれに隣接する垂直枠の間に床付き布枠9を複数枚架け渡すことによって、各段の足場が形成されるのである。ただし、連結部には左側垂直枠と右側垂直枠の間に左側建地部材60が存在するから、それを避けて床付き布枠9を架け渡す必要があるため、床付き布枠9は、連結部の右側垂直枠の横地部材61と隣接する垂直枠の方杖付きつなぎ材30の間と、連結部の左側垂直枠の方杖付きつなぎ材30と隣接する垂直枠の方杖付きつなぎ材30の間とに、別々に架け渡される。
この結果、枠幅約900mmの足場の一部に、上下に複数個の階段部材12を組み入れて、枠幅を約1200mmへと拡げてなる仮設足場が得られる。このときも、各段の足場の垂直枠の縦枠にはジョイント部が1個所存在するだけであるから、足場全体の支持力を大きく低下することなく、足場全体の横揺れも抑制することができる。また、支柱部材3や建地部材60はその下端を下段の足場を構成する支柱部材3や建地部材60の上端に差し込むものであるから、上段の足場から下段の足場へ荷重を伝達することができる。さらに、拡幅・狭幅用足場部材においては、2本の建地部材60を斜めに連結する斜め部材が設けられているので、強固に剛接合されている。
図15は、本発明に係る拡幅・狭幅用足場部材の他の数例(正面図)である。
図15(a)〜(c)は、いずれも、2本の建地部材60と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の略中央部を水平に連結する横地部材61から構成される「H形状」の垂直枠に加えて、両建地部材間の上部近傍を水平に連結する上部水平部材62と、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から上部近傍にかけて斜めに連結する上部斜め部材67を有しているので、拡幅・狭幅用足場部材として剛性が確保されている。そして、この斜め部材67は上部水平部材62とともに拡幅・狭幅用足場部材に設置する先行手摺材として機能する。
図15(d)〜(e)は、いずれも、2本の建地部材60と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の略中央部を水平に連結する横地部材61から構成される「H形状」の垂直枠に加えて、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から下部近傍にかけて斜めに連結する下部斜め部材68を有しているので、拡幅・狭幅用足場部材として剛性が確保されている。そして、両建地部材の中上部近傍を水平に連結する中上部水平部材63が設けられており、上部水平部材62とともに先行手摺材として機能する。
本発明によれば、中途位置から上下または左右で異なる枠幅を有する仮設足場を構築する際に、先行手摺を設置できかつ仮設足場の剛性を確保できる拡幅・狭幅足場部材およびこの拡幅・狭幅足場部材を組み込んでなる仮設足場を提供する。
1 支柱
2 つなぎ材
2a つなぎ材の端部のクサビ
2b つなぎ材の端部のクサビ金具
2c 追加されたつなぎ材
3 支柱部材
3a ホゾ材
3b ジョイント部
4 コマ
5 ジャッキベース
9 床付き布枠
10 作業者
12 階段部材
13 連結部
14 建物
15 壁つなぎ
20 手摺
20a 先行手摺
21 ブレース材
30 方杖付つなぎ材
30a 方杖の下端部のクサビ
30b 方杖の下端部のクサビ金具
31 水平管
31a 水平管の端部の下部の開口部
32 方杖
34 束材
40 端部板
40a 端部板の下向きの切り欠き部
50 主材
50a 主材の床材部
50b 主材の布材部
51 掴み金具
51b 落下錠
51a 湾曲部
51c リベット
52 梁材(側板)
60 建地部材
61 横地部材
62 上部水平部材
63 中上部水平部材
65 下部水平部材
67 上部斜め部材
68 下部斜め部材
70 抜け止め機能ピン
71 固定型ロック金具
72 可動型ロック金具
83 エンボス加工

Claims (8)

  1. 支柱部材に継ぎ足すことができる2本の建地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の略中央部を水平に連結する横地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の上部近傍を水平に連結する上部水平部材と、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から上部近傍にかけて斜めに連結する上部斜め部材からなる拡幅・狭幅用足場部材。
  2. さらに、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の下部近傍を水平に連結する下部水平部材を設けてなる、請求項1に記載の拡幅・狭幅用足場部材。
  3. さらに、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から下部近傍にかけて斜めに連結する下部斜め部材を設けてなる、請求項1または2に記載の拡幅・狭幅用足場部材。
  4. 支柱部材に継ぎ足すことができる2本の建地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の略中央部を水平に連結する横地部材と、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の上部近傍を水平に連結する上部水平部材と、両建地部材に対して斜角に設置され両建地部材間を略中央部から下部近傍にかけて斜めに連結する下部斜め部材と、上記横地部材と上記上部水平部材の間で両建地部材間を水平に連絡する中上部水平部材からなる拡幅・狭幅用足場部材。
  5. さらに、両建地部材に対して直角に設置され両建地部材間の下部近傍を水平に連結する下部水平部材を設けてなる、請求項4に記載の拡幅・狭幅用足場部材。
  6. 建地部材の上端部にホゾ材を組み込んでなる請求項1から5までのいずれかに記載の拡幅・狭幅用足場部材。
  7. 請求項1から6までのいずれかに記載の拡幅・狭幅足場部材を組み込んでなる仮設足場。
  8. 階段部材を組み込んでなる、請求項7に記載の仮設足場。
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