JP6275888B1 - 移動式水洗トイレシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的にシンプルな構造にすることで電力消費量を抑え、設備費用のコストダウンを図り、故障のリスクを低減し、かつ、快適性を向上させた移動式水洗トイレシステムを提供する。【解決手段】便器から排出された汚物は、気泡を含んだ状態で洗浄水と共に圧送され、汚水ホース96を介して汚水容器に貯留される。貯留されている貯留汚物は曝気等の特段の対策をすることなく、微生物によって順調に分解され、その分解過程で臭気が汚水容器に充満する。新たな汚物が貯留タンクに圧送されるとき、臭気は臭気放出管112に設けられた孔から均等に放出される。放出された臭気は、砂利層115内、さらに腐葉土層116内を上昇し、腐葉土層116内に存在する間隙に滞留する。そのとき、すでに滞留していた臭気は一部大気に放出される。この滞留過程において、臭気は土壌微生物によって脱臭される。【選択図】図7

Description

本発明は移動式水洗トイレシステムに関する。
イベント会場、工事現場などには従来型の移動式簡易トイレが用意されているが、「汚い、臭い、暗い」の3Kイメージがある。その簡易トイレの使用をためらって、近くのコンビニ等の他の場所に行くというケースが多く見受けられる。また、各建設現場等には女性の進出も増加している。これから、東京オリンピック等の大型公共工事が始まると、工事現場の人手不足が顕著となり、国土交通省から女性用のトイレを作るように通達が出されている。このように、特に、女性が快適に使用できる移動式簡易トイレの要望はますます強くなると考えられる。
移動式簡易トイレのうち、水洗式を採用し快適性を向上させているトイレが種々提案されている。
特許文献1には、上下水道が利用できず、かつ、頻繁なメンテナンスができない環境にも、容易に運搬して運用することができる水洗式のコンパクトな仮設トイレが開示されている。便器と、便器に供給する洗浄水を蓄える洗浄水タンクと、便器から排出された汚水を蓄える汚水タンクと、汚水タンク内で汚水が気化した水蒸気を含む気体から水分を分離する蒸水分離器と、汚水タンクの上方から蒸水分離器へ気体を誘導する排気管と、蒸水分離器で分離された水分を浄水タンクに供給する蒸留水用配管を有する仮設トイレである。
特許文献2には、電力消費量が少なく、商用電源のない場所でも設置して使用することができる洗浄水循環型の簡易水洗トイレが開示されている。便器に洗浄水を送るロータンクが設けられた便室本体の下側に処理槽が配設され、処理槽内に複数の曝気槽と沈殿槽が設けられると共に、好気性の発酵微生物が投入され、曝気槽で曝気を行ないながら、発酵微生物により処理槽内のし尿を分解させ、し尿処理後の処理水を処理槽からロータンク内に戻して使用する洗浄水循環型の簡易水洗トイレである。曝気槽に空気を送るためのエアーポンプには、昼間に動作して曝気槽内に空気を吹きする昼間用エアーポンプと、夜間に動作して曝気槽内に空気を吹き込む、昼間用エアーポンプより消費電力の小さい小形の夜間用エアーポンプが使用される。
特開2010−222869号公報 特開2001−303647号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水洗トイレシステムでは、汚水の微生物による分解促進が汚水タンク内で十分に進まず、曝気装置および汚水タンクを温めるヒーターが必要不可欠になると考えられる。特許文献2に記載の水洗トイレシステムでも同様に、汚水を微生物によって分解するために、曝気装置およびヒーターが必要不可欠である。このような水洗トイレシステムでは、システムを運用のための電力消費量が多くなっていた。また、機械的な仕組みが複雑となることから設備費が高くなるとともに、故障のリスクが高まる等の問題点を有していた。
よって、本発明の課題は、機械的にシンプルな構造にすることで電力消費量を抑え、設備費用のコストダウンを図り、故障のリスクを低減し、かつ、快適性を向上させた移動式水洗トイレシステムを提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、便器と、洗浄された汚物を、気泡を混入しながら破砕するとともに外部に圧送する破砕圧送手段を有する筐体と、破砕圧送手段により外部に圧送された圧送汚水を貯留する第1汚水タンクと、第1汚水タンクの上面に設けられ、第1汚水タンクに貯留された貯留汚水に起因する臭気を分散して放出する臭気放出装置と、放出された臭気を脱臭する脱臭装置を備えることを特徴とする移動式水洗トイレシステムである。
この構成によれば、洗浄された汚物は気泡を混入しながら破砕されて第1汚水タンクに貯留汚水として貯留されているので、洗浄された汚物をそのまま第一汚水タンクに貯留する場合に比べ貯留汚水は微生物による分解促進が図り易い状態となっている。同時に、分解をより一層促進させるために必要となる空気(気泡)も混入されている。その結果、曝気装置およびヒーターが不要となり設備費用のコストダウンを図ることができる。
また、この構成によれば、貯留汚泥を微生物によって分解促進させるために電力を必要とする工程、具体的には、曝気、およびヒーターを利用しての昇温等は含まれておらず、電力供給が必要不可欠な構成は粉砕圧送手段のみであるので、電力消費量を抑えることができ、さらに当該システムの故障のリスクを低減することができる。
さらに、この構成によれば、第1汚水タンクの上面に臭気放出装置と脱臭装置が設けられているので、貯留汚水に起因する臭気を脱臭することによって、発生する臭気を低減できる。その結果、快適性を向上させることができる。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、臭気放出装置は、一方の端部が第1汚水タンク上面を貫通する挿通管と、挿通管の他方の端部に接続し所定の間隔で孔が設けられた臭気放出管を含み、脱臭装置は、複数の土壌層を含み、臭気放出装置の上面を覆っていることを特徴とする。
この構成によれば、臭気は臭気放出装置により第1汚水タンク上面に放出、分散され、その分散された臭気は、土壌に生息する土壌微生物によって脱臭される。その結果、臭気の拡散源となる第1汚水タンクの周辺でも異臭をほとんど感じないレベルにすることができる。
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、複数の土壌層は、下層が砂利層であり、上層が腐葉土層であり、砂利層は臭気放出装置の上面を覆っていることを特徴とする。
この構成によれば、脱臭装置を構成する複数の土壌層の上層は、臭気を脱臭することができる土壌微生物が多く存在する腐葉土層であるので、貯留汚水に起因する臭気を脱臭することができる。
また、この構成によれば下層は排水性に優れた砂利層であるので、雨水等によって変化する上層の腐葉土層の湿潤状態を適正に保つことができ、腐葉土層に生息する臭気を脱臭する土壌微生物を増殖させることができる。その結果、臭気の脱臭効果を持続でるとともに高めることができる。
また、この構成によれば下層の砂利層は、臭気拡散装置を覆っているので、臭気拡散装置に設けられた孔の目詰まりを防止することができる。
請求項4にかかる発明は、請求項2または3に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、複数の土壌層の上面は植物で覆われていることを特徴とする。
この構成によれば、複数の土壌層の上面は植物で覆われているので、日照による土壌層の急激な温度上昇を抑制することができ、臭気を脱臭する土壌微生物の環境を適切に保つことができる。また、土壌中に張りめぐらされた根によって細かな空隙が形成されるので、土壌微生物の生育環境を良好に保つことができる。
請求項5にかかる発明は、請求項1から4に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、第1汚水タンクは、貯留汚水の貯留量が観測可能なモニタリング手段を有することを特徴とする。
この構成によれば、第1汚水タンクは、貯留汚水の貯留量が観測可能なモニタリング手段を有しているので、常時貯留汚水の貯留量を確認することができ、適宜適切に貯留汚水の処理が可能となる。
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、モニタリング手段は、第1汚水タンクの側面に設けられた視認可能な短冊状の観測窓であることを特徴とする。
この構成によれば、モニタリング手段は、第1汚水タンクの側面に設けられた視認可能な短冊状の観測窓であるので、第1汚水タンク内の貯留汚水の量、および貯留汚水のスカム発生の状況等も視認することができる。
請求項7にかかる発明は、請求項1から6に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、少なくとも1以上の第2汚水タンクをさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、移動式水洗トイレシステムは少なくとも1以上の第2汚水タンクを備えているので、大量の汚水を貯留することができる。
請求項8にかかる発明は、請求項1から7に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、便器に***された汚物を洗浄するための洗浄水を供給する洗浄水タンクと、洗浄水タンクに洗浄水を供給する給水タンクをさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、移動式水洗トイレシステムは、便器に***された汚物を洗浄するための洗浄水を供給する洗浄水タンクと、洗浄水タンクに洗浄水を供給する給水タンクをさらに備えているので、上水道が使用できなくても水洗トイレシステムを使用することができる。
請求項9にかかる発明は、請求項1から8に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、筐体または第1汚水タンクはフォークリフトのフォークが挿通可能な所定の空間が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、筐体および第1汚水タンクは、フォークリフトのフォークが挿通可能な所定の空間が設けられているので、クレーンによる設置のみならず、フォークリフトを使用して当該システムを設置することができる。
請求項10にかかる発明は、請求項7に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、第2汚水タンクはフォークリフトのフォークが挿通可能な所定の空間が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第2汚水タンクはフォークリフトのフォークが挿通可能な所定の空間が設けられているので、クレーンによる設置のみならず、フォークリフトを使用して当該システムを設置することができる。
請求項11にかかる発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載の移動式水洗トイレシステムにおいて、筐体の上面に設けられたソーラーパネルと、ソーラーパネルからの電気を蓄電するバッテリーをさらに備えており、バッテリーから電気を必要とする機器に電気を供給していることを特徴とする。
この構成によれば、筐体の上面に設けられたソーラーパネルと、ソーラーパネルからの電気を蓄電するバッテリーをさらに備えており、バッテリーは、電気を必要とする機器に電気を供給しているので、電線を引く必要がなく独立して当該システム運用が可能となる。
本発明実施形態の移動式水洗トイレシステム1を概略的に示す平面図である。 ソーラーパネルを設置した筐体の正面図である。 ソーラーパネルおよび筐体の骨組み構造を示す斜視図である。 筐体の内部の様子を示す斜視図である。 破砕圧送ポンプを示す斜視図である。 第1汚水タンク、臭気拡散装置、および脱臭装置を示す斜視図である。 同じく断面図である。 臭気放出管の配置を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明の第1実施形態の移動式水洗トイレシステム1(以下、単にトイレシステム1という。)について、以下に説明する。
トイレシステム1の筐体2とソーラーパネル3について図2〜5を参照して説明する。
筐体2は、骨組20を構造部材とし、各部材は一部は溶接により固定され、残りは金具とボルトにより固定されている。ドア22、内壁23、外壁24、天板21、および底板27は骨組20に固定されている。天板21は屋根を構成し、雨水等が入口のドア22側に垂れてこないように、ドア22の反対側へ向かって下り勾配がついている。骨組20に固定された複数の吊り金具(図示略)が天板21の上面に突出して設けられており、クレーンでの設置が可能となっている。筐体2の四隅に骨組20の一部を構成する柱25が設けられており、底板27の下方に延びている。これにより、筐体2を接地面に置いたとき、底板27と、接地面の間に空間が形成され、この空間にフォークリフトのフォークを挿通することが可能となる。したがって、筐体2はクレーンおよびフォークリフトの双方での設置可能となっている。
図3および4に示すように、筐体2の内部には、便器4、洗浄水を便器4に給する洗浄水タンク6、給水タンク200内の水を洗浄水タンク6に供給する揚水ポンプ203、ソーラーパネル3からの電気を蓄電し充電が可能な複数のバッテリー(図示略)、およびコンセント26が設けられている。コンセント26は、屋内に3箇所(手洗い下、鏡の横、洋便器後方)、屋外に2箇所(扉左下、扉右下)に設けられている。便器4は最新式を使用することができる。洋式大小便器が設置され、温水洗浄暖房便座、暖房便座、あるいは、温水洗浄便座付きの場合には、快適に利用できる。便器4は通常、大小便器であるが、大便器、小便器をそれぞれ単独で設けてもよい。また、図5に示すように、破砕圧送ポンプ7は洗浄水タンク6の奥側の内壁23と外壁24の間に形成される空間に設けられている。
バッテリーは、標準型の場合には、1KWのソーラー発電装置としてのソーラーパネル3からの電気が蓄電される。バッテリーは満充電時は8640Whが充電できるが、実際には、バッテリーの耐久性向上のため、その半分の量が外部電源として使用できる。各バッテリーは直流12Vであり、それがインバーター(図示略)によって100Vの交流に変換される。
バッテリーは、インバーターを介し、揚水ポンプ203および破砕圧送ポンプ7に電気を供給している。この供給された電気により、給水タンク200内の水を揚水ポンプ203で洗浄水タンク6に供給することが可能となり、便器4に***された汚物を連続して洗浄することができる。また、破砕圧送ポンプ7を駆動させることにより、洗浄された汚物を破砕するとともに、第1汚水タンク9に圧送することができる。
コンセント26はインバーターを介し、バッテリーと接続されている。また、バッテリーを制御する電気制御盤(図示略)も設けてある。災害時などの非常時でもコンセント26から電源が利用できるので便利である。
ソーラーパネル3は、骨組20に固定されるともに天板21の上面に突出して設けられた支持構造31と、支持構造に取り付けられる太陽電池32とから構成されているが、一般的な構成に従うので、説明は省略する。
給水タンク200は、給水容器を支持するフォークリフトのフォークが挿入可能なリフト用孔(図示略)が形成されている給水架台(図示略)と、給水架台に取り付けられる給水容器(図示略)とから構成されているが、一般的な構成に従うので、説明は省略する。
トイレシステム1の第1汚水タンク9、臭気放出装置110、および脱臭装置100について図6〜8を参照して説明する。
第1汚水タンク9は第1汚水タンク架台92の上に第1汚水容器91が設けられている構造になっている。
第1汚水タンク架台92には、フォークリフトのフォークが挿入可能なリフト用孔300が形成されている。これにより、第1汚水タンク9はクレーンおよびフォークリフトの双方での設置可能となっている。
第1汚水容器91の側面上端部に汚水を取り入れるための汚水取入れバルブ9aが設けられている。圧送汚水は、汚水取入れバルブ9aに接続された第1汚水ホース96aを介して第一汚水容器に流入する。
第1汚水容器91の側面下端部に液抜きバルブ9bが設けられている。これにより、貯留汚水汲み取り後、水で第1汚水容器91の中を洗浄した際、底に溜まった洗浄水を完全に抜き取ることが可能となり、第1汚水容器91を清潔に保つことができる。
汚水取入れバルブ9aに対向する面の上端部でかつ汚水取入れバルブ9aよりも同じ高さか、低い位置にオーバーフローバルブ9cが設けられている。これにより、貯留汚水の水位は汚水取入れバルブ9aの高さよりも高くなることはなく、貯留汚水の逆流を防止することができる。
オーバーフローバルブ9cに第2汚水ホース96bの一端を接続し、他端は第2汚水タンク(図示略)を構成する第2汚水容器(図示略)の汚水取入れバルブ(図示略)に接続することで、貯留汚水の貯留量を追加することが可能となる。また、第2汚水ホース96bを用いることなく、オーバーフローバルブ9cを直接第2汚水容器の汚水取入れバルブに直接接続してもよい。なお、第2汚水タンクの構造は第1汚水タンクの構造と同じであるので、説明は省略する。
第1汚水容器91の側面に貯留汚水の貯留量や分解の状態が視認可能な観測窓93が設けられている。観測窓93は上下方向に細長い半透明な短冊状のスリットとなっている。これにより、第1汚水容器91内の貯留汚水の量、および貯留汚水のスカム発生の状況等も視認することができる。また、観測窓93の代わりに水位計を用いてもよい。
第1汚水容器91の上面には、貯留汚水を汲み取るための汲み取り口94が設けられている。汲み取り口94は後述する砂利層115および腐葉土層116を貫通して腐葉土層116の上面に突出している。突出した汲み取り口94の上部には脱着可能な蓋95が設けられている。これにより、脱臭装置100を撤去することなく、貯留汚水の汲み取りが可能となる。
図7に示す通り、臭気放出装置110は、第1汚水容器91の上面に設けられており、挿通管111と、臭気放出管112を有している。挿通管111の一方の端部は第1汚水容器91上面を貫通し第1汚水容器91の内部に突き出ており、他端部は、臭気放出管112に接続している。図8に示すように、臭気放出管112は第1汚水容器91の上面の周辺部に環状に設けられており、さらに、対向する臭気放出管112の内側に一対の臭気放出管112が汲み取り口94をはさんで設けられている。また、この環状領域の内側に設けられた臭気放出管112は、環状に設けられた臭気放出管112に接続している。臭気放出管112は所定の間隔で孔が形成されている。これにより、挿通管111から流入する臭気が、臭気放出管112に形成された孔から均一に放出される。なお、挿通管111および臭気放出管は、円管または角筒管であることが好ましい。
脱臭装置100は、砂利層115と腐葉土層116を有してる。図7に示す通り、第1汚水容器91の上面に砂利層115、その上に腐葉土層116が設けられている。砂利層115および腐葉土層116は、第1汚水容器91の外周に環状に設けられた保持板113により外周部が保持されている。また、第1汚水容器91の外周と保持板113の間に生じる隙間部に砂利層115の砂利の落下を防止するための砂利落下防止ネット114が設けられている。砂利層115は、臭気放出管112の上面を覆っており、臭気放出管112は砂利層115埋没している。これにより、臭気放出装置に設けられた孔の目詰まりを防止することができる。また、雨水等によって変化する腐葉土層116の湿潤状態を適正に保つことができ、腐葉土層116に生息する臭気を脱臭する土壌微生物を増殖させることができる。その結果、臭気の脱臭効果を持続できるとともに高めることができる。
砂利層115に用いられる材料は玉砂利または、砕石であることが好ましい。また、微細な孔に臭気を吸着させることができる炭、活性炭、ゼオライトであってもよい。微細な孔に臭気を脱臭する効果のある土壌微生物が生息することにより更なる脱臭効果が期待できる。
腐葉土層116に用いられる材料は腐葉土であることが好ましい。また、バーク培養土、黒木土、またはこれらを混合した材料でもよい。
腐葉土層116は植物(図示略)が植えられている。これにより、日照による土壌層の急激な温度上昇を抑制することがでるとともに、臭気を脱臭する土壌微生物の環境を適切に保つことができる。また、土壌中に張りめぐらされた根によって細かな空隙が形成されるので、土壌微生物の生育環境を良好に保つことができる。腐葉土層116の上面に植える植物は、根張りが良く、栽培が容易な例えばタマリュウ、ミントなどのハーブ類、およびクローバー等であることが好ましい。
保持板113は、2枚のコ字形形状の鉄製の薄板を接合して環状にしたものであり、汚水取入れバルブ9aおよびオーバーフローバルブ9cを挿通するための孔が形成されている。
また、保持板113は、格子状に組まれた支持パイプ117にビスで接続することによって支持されている。支持パイプ117は、第1汚水容器91の外周部全面に環状に設けられており、下端は第1汚水タンク架台92に支持されている。
汚物分解の仕組み、および貯留汚水に起因する臭気を脱臭する仕組みについて説明する。
便器4に***された汚物は、洗浄水タンク6から浄水ホース(図示略)を経由して供給される水により洗浄される。洗浄された汚物は空気の混入を伴いながら破砕圧送ポンプ7に送られ破砕される。このとき汚物は細断され空気は細かい気泡となりこれらが洗浄水と混合した状態で圧送汚水として圧送される。
圧送汚水は第1汚水ホース96aを経由して、第1汚水容器91に貯留される。圧送汚水は、細断されているので、***された汚物そのものに比べ微生物による分解がはるかに促進しやすい状態となっている。また、圧送汚水は、微生物の分解に必要となる十分な水と空気(細かい気泡)が含まれている。これにより、貯留汚水を第1汚水容器91に貯留した状態のままで、特段の対策をとることなく、微生物による分解を促進することができる。すなわち、曝気し、さらにはヒーターを利用して汚物槽内の温度を高める等の特段の対策をとることなく、貯留汚水を適切に処理することができる。
現場実験の結果、第1汚水容器内にスカム等の発生はほとんど見られないことから、貯留汚水は、第1汚水容器の中で微生物による分解が順調に進んだことが実証されてる。
貯留汚水が分解される過程で、異臭を含む空気すなわち臭気が第1汚水容器91内に充満する。臭気は、圧送汚水が第1汚水容器91に流入するときに、臭気放出管112に設けられた孔から、第1汚水容器91上面の全面にわたり均一に放出される。トイレシステム1では、最大で約5リットルの圧送汚水が第1汚水容器91内に流入する。これと同量の臭気が臭気放出管112に設けられた孔から、第1汚水容器91上面のほぼ全面にわたり均一に放出される。
放出された臭気は、砂利層115内を上昇し、さらに腐葉土層116内を上昇する。この上昇過程において、臭気は腐葉土層116内に存在する間隙に滞留し、すでに滞留していた臭気は一部大気に放出される。この滞留過程において、臭気は土壌微生物によって脱臭される。大気に放出される空気は、この脱臭された異臭を認識できない空気である。
現場実験でも、異臭はほとんど感じないレベルであったことから、上述した仕組みによって貯留汚水に起因する臭気を脱臭できたことが実証されている。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。家庭電源または商業電源を使えるときは、家庭電源または商業電源に電気制御板を接続すれば、そのまま、これらの電気の使用が可能でありソーラーパネルおよびバッテリーはトイレシステム1に設けなくてもよい。
また、上水道を利用できる場所では、洗浄水タンク6に直接水を供給することが可能であり給水タンク200および揚水ポンプ203はトイレシステム1に設けなくてもよい。
また、近くに川などの水源があれば、揚水ポンプ203を稼働することにより洗浄水タンク6に水を供給することが可能であり、給水タンク200はトイレシステム1に設けなくてもよい。
さらに、筐体2の下部に第1汚水タンク9を設け、筐体2への出入りを可能とする階段を設けてもよい。これにより、狭い場所での設置が可能となる。
1・・・移動式水洗トイレシステム
2・・・・筐体
3・・・・ソーラーパネル
4・・・・便器
6・・・・洗浄水タンク
7・・・・破砕圧送ポンプ(破砕圧送手段)
9・・・・第1汚水タンク
9a・・・汚水取入れバルブ
9b・・・液抜きバルブ
9c・・・オーバーフローバルブ
20・・・骨組
21・・・天板
22・・・ドア
23・・・内壁
24・・・外壁
25・・・柱
26・・・コンセント
31・・・支持構造
32・・・太陽電池
91・・・第1汚水容器
92・・・第1汚水タンク架台
93・・・観測窓(観測手段)
94・・・汲み取り口
95・・・蓋
96a・・第1汚水ホース
96b・・第2汚水ホース
100・・・脱臭装置
110・・・臭気放出装置
111・・・挿通管
112・・・臭気放出管
113・・・保持板
114・・・砂利落下防止ネット
115・・・砂利層
116・・・腐葉土層
117・・・支持パイプ
200・・・給水タンク
203・・・揚水ポンプ
300・・・リフト用孔

Claims (11)

  1. 便器と、
    洗浄された汚物を、気泡を混入しながら破砕するとともに外部に圧送する破砕圧送手段と、を有する筐体と、
    前記破砕圧送手段により外部に圧送された圧送汚水を貯留する第1汚水タンクと、
    前記第1汚水タンクの上面に設けられ、前記第1汚水タンクに貯留された貯留汚水に起因する臭気を分散して放出する臭気放出装置と、
    放出された臭気を脱臭する脱臭装置と、を備えることを特徴とする移動式水洗トイレシステム。
  2. 前記臭気放出装置は、一方の端部が前記第1汚水タンクの上面を貫通する挿通管と、前記挿通管の他方の端部に接続し所定の間隔で孔が設けられた臭気放出管と、を含み
    前記脱臭装置は、複数の土壌層を含み、前記臭気放出装置の上面を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の移動式水洗トイレシステム。
  3. 前記複数の土壌層は、下層が砂利層であり、上層が腐葉土層であり、前記砂利層は前記臭気放出装置の上面を覆っていることを特徴とする請求項2に記載の移動式水洗トイレシステム。
  4. 前記複数の土壌層の上面は植物で覆われていることを特徴とする請求項2または3に記載の移動式水洗トイレシステム。
  5. 前記第1汚水タンクは、貯留汚水の貯留量が観測可能なモニタリング手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の移動式水洗トイレシステム。
  6. 前記モニタリング手段は、前記第1汚水タンクの側面に設けられた視認可能な短冊状の観測窓であることを特徴とする請求項5に記載の移動式水洗トイレシステム。
  7. 少なくとも1以上の第2汚水タンクをさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の移動式水洗トイレシステム。
  8. 前記便器に***された汚物を洗浄するための洗浄水を供給する洗浄水タンクと、前記洗浄水タンクに、洗浄水を供給する給水タンクをさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の移動式水洗トイレシステム。
  9. 前記筐体または前記第1汚水タンクはフォークリフトのフォークが挿通可能な所定の空間が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の移動式水洗トイレシステム。
  10. 前記第2汚水タンクはフォークリフトのフォークが挿通可能な所定の空間が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の移動式水洗トイレシステム。
  11. 前記筐体の上面に設けられたソーラーパネルと、前記ソーラーパネルからの電気を蓄電するバッテリーと、をさらに備え、
    前記バッテリーは、電気を必要とする機器に電気を供給することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の移動式水洗トイレシステム。
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