JP6274374B1 - スキッドパイプ及びその断熱保護部材の施工方法 - Google Patents

スキッドパイプ及びその断熱保護部材の施工方法 Download PDF

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Abstract

断熱保護部材上端部の隙間発生がより十分に防止される断熱保護部材付きスキッドパイプと、その断熱保護部材の施工方法が提供される。複数枚のリング状ニードルブランケット10をスキッドパイプ1に巻装し、押え板20で押えつけて第1圧縮層L−1を形成する。その上側に第2圧縮層L−2、第3圧縮層L−3を形成し、それぞれ押え板20で押えつける。耐火被覆3との間にリング状ニードルブランケット10を装填した後、押え板20を引き抜く。第3圧縮層L−3の圧縮率を第1、第2圧縮層L−1、L−2よりも大きくする。

Description

本発明は、加熱炉におけるスキッドパイプと、その断熱保護部材の施工方法に関する。
鉄鋼業の加熱炉内のスキッドパイプの保護部材として、熱衝撃性の高い無機繊維集合体や無機繊維成形体が用いられている(特許文献1,2)。
特許文献1には、セラミックファイバーよりなるリング状断熱材でスキッドパイプを被覆することが記載されている。特許文献1の図8及び0002段落には、一部が切断されたリング状の断熱材をスキッドパイプに装着することが記載されている。特許文献1には、断熱材を圧縮してから施工することは記載されていない。
特許文献2には、半割形状セラミックファイバー製耐火材を複数枚重ねた後、圧縮し、圧縮状態を保ったまま加熱炉サポートパイプ外周に配置し、圧縮を解いてセラミックファイバー製耐火材を復元させる断熱材施工方法が記載されている。この施工方法によれば、耐火材収縮に起因してサポートパイプ上端側に隙間が生じる現象が抑制される。
特開2004−43918号公報 特開2010−151284号公報
本発明はスキッドパイプを無機繊維成形体よりなる断熱保護部材が取り巻いているスキッドパイプにおいて、該断熱保護部材上端部の隙間発生がより十分に防止される断熱保護部材付きスキッドパイプと、その断熱保護部材の施工方法を提供することを目的とし、次を要旨とする。
[1] 上部に耐火被覆を有したスキッドパイプの該耐火被覆よりも下側に断熱保護部材を施工する方法において、複数枚の無機繊維製リング状ニードルブランケットを該スキッドパイプに外嵌させて積重体とし、次いで、この積重体を押え板で上方から押して、圧縮層を形成する工程を複数回繰り返し、第1]ないし[第n(nは2以上の整数)の圧縮層を形成し、最上段の該圧縮層と前記耐火被覆の下端面との間に前記リング状ニードルブランケットを外嵌させ、その後、前記押え板を撤去して積重体を復元させ、前記リング状ニードルブランケットを前記耐火被覆の下端面に押し付ける断熱保護部材の施工方法であって、前記圧縮層の嵩密度を高さ方向に上部、中部及び下部に3等分して評価した場合、前記上部における嵩密度が前記中部及び前記下部における嵩密度に比べて高いことを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[2] [1]において、前記上部の圧縮層の嵩密度が、中部及び下部の圧縮層の嵩密度の1.1〜3.0倍であることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[3] [1]又は[2]において、さらに前記中部における嵩密度が前記下部における嵩密度に比べて高いことを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[4] [1]〜[3]のいずれかにおいて、前記上部の圧縮層の嵩密度が0.10g/cm以上0.20g/cm以下であることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[5] [1]〜[4]のいずれかにおいて、前記無機繊維製リング状ニードルブランケットは、以下に記載する条件におけるサイクル試験後の残存面圧比が10%以上であることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
条件:1400℃、12時間焼成後のリング状ニードルブランケットを引張圧縮試験機によりGBD(嵩密度)=0.195まで圧縮した後、上下のプレートをGBD=0.20から0.24まで圧縮することを100回繰り返した。その際、第1回目のGBD=0.20での開放側面圧値と第100回目のGBD=0.24での開放側面圧値を測定し、以下の式より、焼成後面圧の劣化度合いの指標となる残存面圧比(%)を求める。
残存面圧比=第100回開放側面圧/第1回開放側面圧×100
[6] [1]〜[5]のいずれかにおいて、前記無機繊維製リング状ニードルブランケットは、1400℃、12時間焼成後における幅方向、長手方向及び厚み方向の加熱収縮率がいずれも1%以下であることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[7] [1]〜[6]のいずれかにおいて、前記リング状ニードルブランケットに、径方向のスリットが設けられており、該スリットを開くことによりリング状ニードルブランケットをスキッドパイプに外嵌させることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[8] [7]において、前記リング状ニードルブランケットのスリット同士は相互に重なり合わないように周方向にずらして配置されることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[9] [1]〜[8]のいずれかにおいて、前記スキッドパイプにアンカー金具差込部を設けておき、前記押え板の上方への移動を阻止するためのアンカー金具を該アンカー金具差込部に係止させて押え板の上方への移動を阻止することを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[10] [9]において、前記アンカー金具は、上下に突出するピンを有しており、該押え板に重なるリング状ニードルブランケットに対し該ピンを刺し通すことを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[11] [1]〜[10]のいずれかにおいて、その後、リング状ニードルブランケットの外周に、未乾燥状態で酸化物前駆体含有液が付着されたブランケットを巻装し、該酸化物前駆体含有液は焼成により酸化アルミニウム及び酸化カルシウムを含むアルミナ・カルシア系組成物を生じさせる成分を含むことを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
[12] 上部に耐火被覆を有するスキッドパイプの該耐火被覆よりも下側に断熱保護部材が設けられた断熱保護部材付きスキッドパイプにおいて、該断熱保護部材は、スキッドパイプに外嵌された圧縮状態のリング状ニードルブランケットの積重体を有しており、該積重体の反発力により最上位のリング状ニードルブランケットが前記耐火被覆に押し付けられた断熱保護部材付きスキッドパイプであって、前記積重体を高さ方向に上部、中部及び下部に3等分して評価した場合、前記上部におけるリング状ニードルブランケットの嵩密度が前記中部及び前記下部におけるリング状ニードルブランケットの嵩密度に比べて高いことを特徴とする断熱保護部材付きスキッドパイプ。
本発明の断熱保護部材の施工方法によって断熱保護部材が施工されたスキッドポストにあっては、最上段の第n圧縮層の上側に配設されたリング状ニードルブランケットは、第1〜第n圧縮層のリング状ニードルブランケットの反発力により圧迫され、耐火被覆の下端面に押し付けられる。特に、本発明では、前記圧縮層の嵩密度を高さ方向に上部、中部及び下部に3等分して評価した場合、前記上部における嵩密度が前記中部及び前記下部における嵩密度に比べて高い、特に第1〜第n圧縮層のリング状ニードルブランケットを同一のリング状ニードルブランケットで施工する場合には上部の圧縮層のリング状ニードルブランケットが最も強く圧縮するため、リング状ニードルブランケットが該耐火被覆に強い反発力を示す。この反発力は、炉の操業時にも維持され、スラブ運搬時に発生する振動によって発生する耐火被覆と最上位のリング状ニードルブランケットとの隙間を長期にわたって防止する。本発明は無機繊維製リング状ニードルブランケットを用いることで反発力が増し、隙間が空くことを効果的に防止することができる。
本発明の一態様では、積層圧縮層の外側を未乾燥状態で酸化物前駆体含有液が付着されたブランケットで被覆することで、別途の焼成工程を経ることにより、該被覆ブランケットが、スケールに対しても高い耐久性を有する酸化アルミニウム及び酸化カルシウムを含むアルミナ・カルシア系組成物含有ブランケットとなる。万が一、スケールによる浸食を受けた場合も積層圧縮層まで浸食を受けていなければ、容易にこのブランケットを切削し、再被覆することができるため、補修性にも優れ、低コストである。そして、アルミナ繊維ニードルマットを用いることにより、軽量であるため施工性に優れ、風食性や熱衝撃にも優れたものとなる。
実施の形態に係る断熱保護部材の施工方法を示す斜視図である。 実施の形態に係る断熱保護部材の施工方法を示す斜視図である。 実施の形態に係る断熱保護部材の施工方法を示す斜視図である。 図4aは図3の一部の拡大図、図4bは図4aのアンカー金具付近の縦断面図である。 実施の形態に係る断熱保護部材の施工方法を示す斜視図である。 実施の形態に係る断熱保護部材の施工方法を示す斜視図である。 実施の形態に係る断熱保護部材の施工方法を示す斜視図である。 図8aは実施の形態に係る断熱保護部材の施工方法を示す斜視図、図8bは図8aのVIIIb−VIIIb線断面図である。 押え板の別形状を示す平面図である。 押え板の連結構造を示す断面図である。
以下、図1〜8を参照して実施の形態について説明する。
断熱保護部材が施工されるスキッドパイプ1は、図1の通り、耐熱鋼製のパイプ状であり、熱処理炉の炉床Gから立設されている。複数本のスキッドパイプ1に支承されるようにしてスキッドビーム2が設置されている。スキッドパイプ1の上部には耐火キャスタブルよりなる耐火被覆3が施されている。本発明では、スキッドパイプ1のうち、この耐火被覆3の下側に断熱保護部材を施工する。
このスキッドパイプ1には、高さ方向に間隔をおいて複数個のアンカー金具差込部4が設けられている。このアンカー金具差込部4は、水平断面がコ字形であり、図4bの通り、スキッドパイプ1の外周面との間に、アンカー金具が上方から差し込まれるクリアランスC(図4b)が形成されている。
スキッドパイプ1は、水平断面が真円形でない場合があるので、断熱保護部材の施工に先立って、スキッドパイプ1の外周を下地層5(図8b参照)で被覆しておくのが好ましい。この下地層5を被覆することによって、外周面の水平断面形状がほぼ真円形となり、外周面と積層圧縮層との密着性が上がり、より高い断熱効果を発現することができる。下地層5は、無機繊維やキャスタブル耐火物などによって構成される。
本発明では、無機繊維(この実施の形態ではアルミナ繊維)のニードルブランケットよりなる環状材料(以下、リング状ニードルブランケットという。)10を複数枚、スキッドパイプ1の下部に装着する。環状材料には反発力の高い無機繊維のニードルブランケットを使用することが好ましい。リング状ニードルブランケット10には径方向にスリット11(図2)が設けられており、このスリット11を開くようにしてリング状ニードルブランケット10をスキッドパイプ1に外嵌させる。上下に隣り合うリング状ニードルブランケット10において、外嵌部に隙間が空くのを防ぐためにスリット11が重ならないように、リング状ニードルブランケット10の向きを1段ずつ異ならせるのが好ましい。
所要枚数のリング状ニードルブランケット10を重ねた後、図2の通り、最上位のリング状ニードルブランケット10の上側に押え板20を配置する。
この実施の形態では、押え板20は、2枚の押え板半体21,22を突き合わせて構成される。
押え板半体21,22は、各々の対向辺に略半円形の湾曲辺部21a,22aを有している。湾曲辺部21a,22aの両側は腕状部21b,22bとなっている。各腕状部21b,22bにはボルト挿通用の小孔24が設けられている。湾曲辺部21a,22a同士が対面するように腕状部21b,22bの先端側同士を重ね合わせ、ボルト23(図3,4a)によって締結されることにより、押え板20が構成される。この押え板20には、円形開口25(図3,4a,4b)が形成される。
各湾曲辺部21a,22aにはコ字形の切欠部26が設けられている。各切欠部26は、開口25の直径方向に対峙して配置されている。この切欠部26は、アンカー金具30のピン33を通すためのものである。
押え板半体21,22の後辺(湾曲辺部21a,22aと反対側の辺)には、L字形の切欠部27が設けられている。この切欠部27に後述の通りベルトを掛ける。また、押え板半体21,22の後辺近傍には、押え板半体21,22を引き抜く際に紐状体を通したり手又は工具等を掛けるための***28が設けられている。
押え板半体21,22を、スキッドパイプ1を挟んで両側から接近させ、ボルト23によって結合することにより、スキッドパイプ1に外嵌した状態の押え板20を形成した後、この押え板20でリング状ニードルブランケット10の積重体を上方から押えつけて圧縮する。
圧縮方法は、特に限定はしないが、ベルトを用いた圧縮方法等が挙げられる。なかでも、ベルトを用いた圧縮方法が最もコストが低く、かつ容易であるため好ましい。ベルトを用いた圧縮を行う際には、押え板20にL字形の切欠部27を有することが、圧縮ベルトをかけやすくかつ圧縮後に該ベルトを外しやすい点、特に押え板20が低位置に有する場合に、好ましい。
押え板20でリング状ニードルブランケット10の積重体を押さえつけた状態で、アンカー金具30をアンカー金具差込部4に差し込み、楔35で固定する。
アンカー金具30は、図3,4a,4bの通り、縦片31と横片32とを有した側面視逆L字形状の耐熱鋼製部材である。縦片31は、アンカー金具差込部4とスキッドパイプ1の外周面との間のクリアランスCに差し込まれる。横片32には、上方及び下方に突出する針状のピン33が設けられている。ピン33を、切欠部26を通して、押え板20で押さえつけられているリング状ニードルブランケット10に刺し込む。そして、リング状ニードルブランケット10を押えつけている押え板20の切欠部26近傍部分を横片32で上方から押えつける。
その後、縦片31とスキッドパイプ1との間に楔35を打ち込み、押え板20をスキッドパイプ1に固定する。これにより、1段目の押え板20がスキッドパイプ1に固定され、その下側に、複数枚のリング状ニードルブランケット10が圧縮された第1圧縮層L−1が形成される。
その後、図5のように、この1段目の押え板20の上側に、所要枚数のリング状ニードルブランケット10を、スキッドパイプ1を取り巻くように重ねる。なお、リング状ニードルブランケット10に対し、アンカー金具30の上向きのピン33が刺し通される。次いで、2段目の押え板20をスキッドパイプ1に外嵌させ、リング状ニードルブランケット10の積重体を押し縮め、2段目の押え板20をアンカー金具30によってスキッドパイプ1に対し固定する。これにより、第2圧縮層L−2が形成される。
この2段目の押え板20の上側に所要枚数のリング状ニードルブランケット10を、スキッドパイプ1を取り巻くように重ねる。なお、リング状ニードルブランケット10に対し、アンカー金具30の上向きのピン33が刺し通される。次いで、3段目の押え板20をスキッドパイプ1に外嵌させ、リング状ニードルブランケット10の積重体を押し縮め、段目の押え板20をアンカー金具30によってスキッドパイプ1に対し固定する。これにより、第3圧縮層L−3が形成される。
このようにして、図5に示すように、3段の圧縮層L−1,L−2,L−3によってスキッドパイプ1が包囲された状態となる。なお、最上段の第3圧縮層L−3を形成する際に、3段目の押え板20でリング状ニードルブランケット積重体を押す押圧力を、第1及び第2圧縮層を形成するときの押圧力よりも大きくする。これにより、最上段の第3圧縮層L−3は、第1及び第2圧縮L−1,L−2よりも強く圧縮されたものとなっている。
図5の通り、最上段の第3圧縮層L−3と耐火キャスタブルよりなる耐火被覆3との間には、間隔があくので、図6の通り、この間隔部分にリング状ニードルブランケット10を積み重ねて配置する。この場合も、最上段の押え板20の上側のリング状ニードルブランケット10に、ピン33が刺し通される。
その後、図6の通り、各押え板20のボルト23を外し、押え板半体21,22を図6の矢印F方向に引っ張って抜き出す。押え板20に重なるリング状ニードルブランケット10は、ピン33が刺し通されて固定されているので、押え板20に引きずられて引っ張り出されることはない。なお、押え板半体21,22を引き抜き出す際に、押え板半体21,22の***28に紐状体、手指又は工具等を掛けることが好ましい。
各押え板20を引き抜くと、最上段の第3圧縮層L−3の上側に配設されたリング状ニードルブランケット10は、第1〜第3圧縮層L−1〜L−3のリング状ニードルブランケット10の反発力により圧迫され、耐火被覆3の下端面に押し付けられる。特に、この実施の形態では、第1圧縮層L−1〜第3圧縮層L−3において同一のリング状ニードルブランケット10を使用し、最上段の第3圧縮層L−3のリング状ニードルブランケット10を最も強く圧縮していたので、即ち最上段の第3圧縮層L−3の嵩密度が第1圧縮層L−1及び第2圧縮層L−2の嵩密度より高かったので、耐火被覆3直下のリング状ニードルブランケット10が強く耐火被覆3に押し付けられる。なお、この反発力は、炉の操業時にも維持され、スラブ運搬時に発生する振動によって発生する耐火被覆3と最上位のリング状ニードルブランケット10との隙間を長期にわたって防止する。
上記実施の形態では、押え板20は2枚の押え板半体21,22によって構成されているが、押え板20は3枚の押え板三半体や4枚の押え板四半体又は5枚以上の小板とされてもよい。押え板を3枚以上の小板で構成した場合、小板を抜き取るときに、リング状ニードルブランケット10にしわがよりにくく、また、抜き取る時の抵抗力が2枚の場合よりも小さくなる。
図9は3枚の押え板三半体21’によって構成された押え板20’の平面図である。
各押え板三半体21’は、扇状であり、内周縁に前記切欠部26が設けられ、外周縁に前記L字形の切欠部27が設けられている。また、外周縁近傍に前記***28が設けられている。
各押え板三半体21’の両側辺(径方向辺)同士を重ね合わせ、ボルト23によって連結することにより、円環状の押え板20’が構成される。この押え板20’を用いてリング状ニードルブランケット10を上記実施の形態と同様に施工することができる。
上記実施の形態では、押え板半体21,22同士、又は押え板三半体21’同士の重ね合わせ部にあっては、一方の上面と他方の下面とに段部を形成しているが、図10のように、一方の押え板半体21の上面に張出ピース210を溶着等により固着し、該張出ピース210を他方の押え板半体22の上面に張り出させ、ボルト23を該張出ピース210及び押え板半体22に通してナット締めすることによって、押え板半体21,22同士を連結してもよい。押え板三半体21’同士も同様にして連結してもよい。図10では、張出ピース210が押え板半体21,22の上面側に設けられているが、下面側に設けられてもよい。
前述のようにして押え板20(又は20’)を引き抜いた後、図8a,8bのように各リング状ニードルブランケット10の外周に未乾燥状態で酸化物前駆体含有液が付着されたブランケット40を巻き付け、施工を終了する。未乾燥状態で酸化物前駆体含有液が付着されたブランケット40は、別途の焼成工程を経ることで、酸化アルミニウム及び酸化カルシウムを含むアルミナ・カルシア系組成物含有ブランケットとなる。
前記ブランケット40を巻くことで、焼成後のアルミナ・カルシア系組成物含有ブランケットが本来積層圧縮層に対して平行に進行してくる風を垂直に受けることができるので、本発明に係るスキッドパイプの保護部材への熱風侵入を効率的に防ぐことができる。
前記ブランケット40は、必要に応じて接着剤やテープ等で固定する必要がある。接着剤は好ましくは耐熱性硬化剤を用いる。前記ブランケット40は、不定形耐火物と材質が異なるため、材質起因による収縮差があり、結果として不定形耐火物への前記ブランケット40の付着が上手くできず、前記ブランケット40と不定形耐火物の間に空間ができてしまうことがある。しかし、前記ブランケット40とリング状ニードルブランケットの積層体10は同材質であることから、材質起因による収縮率の差がなく、かつ前記ブランケット40の酸化物前駆体含有液がリング状ニードルブランケットの積層体10の表面に浸みこみやすく、焼成時に酸化物前駆体が酸化物に変換される際に、前記ブランケット40とリング状ニードルブランケットの積層体10の界面上にある酸化物前駆体が酸化物となり、当該酸化物が前記ブランケット40とリング状ニードルブランケットの積層体10との接着剤として機能するため、リング状ニードルブランケットの積層体10への前記ブランケット40の密着性が格段によくなる。前記ブランケット40は1層だけ巻かれてもよく、2層以上巻かれてもよい。また、好ましくは耐火被覆とリング状ニードルブランケットの繋ぎ目部の上を前記ブランケット40で巻き付けることで、焼成後のアルミナ・カルシア系組成物含有ブランケットが隙間部への熱の侵入を抑制することができる点で好ましい。
また、前記ブランケット40が2層以上巻かれていることで、焼成後のアルミナ・カルシア系組成物含有ブランケットの最表面がスケール浸食を受けたとしても、該アルミナ・カルシア系組成物含有ブランケットの内側には、スケール侵食を受けていないアルミナ・カルシア系組成物含有ブランケット表面が表れるため長期に渡りスケールを防ぐことができる。そして、内側にスケール侵食を受けていないアルミナ・カルシア系組成物含有ブランケット面が無くなった場合、表面に残っているアルミナ・カルシア系組成物含有ブランケットはカッターやスレイーを用いて容易に除去することができる。少なくとも1年以上はスケール浸食に耐えられるので、メンテナンス頻度を大幅に低減することができる。そして、再度前記ブランケット40を巻くことで再び耐スケール性を持たせることができるため低コストかつ補修性に優れている。前記ブランケット40の内部にあるリング状ニードルブランケットの積層体10は、スケールによる浸食を受けないため、前記ブランケット40を定期的に交換することで、長期間使用することができる。
上記実施の形態では、リング状ニードルブランケット10の積層及び圧縮を3回に分けて行い、第1〜第3圧縮層L−1〜L−3を形成しているが、スキッドパイプ1の高さに応じて、2回又は4回以上行ってもよい。
前記圧縮層の嵩密度を高さ方向に上部、中部及び下部に3等分して評価した場合、前記上部における嵩密度が前記中部及び前記下部における嵩密度に比べて高く、好ましくは前記上段の圧縮層の嵩密度が、中部及び下部の圧縮層の嵩密度の1.1〜3.0倍であり、好ましくは1.2〜2.0倍であり、より好ましくは1.3〜1.7倍である。前記上部の圧縮層の嵩密度を中部及び下部の圧縮層の嵩密度に対して上記範囲とすることで、圧縮層を構成するリング状ニードルブランケットが圧壊することなく、炉の操業時におけるスラブ運搬時に発生する振動によって発生する耐火被覆と最上位のリング状ニードルブランケットとの隙間の発生が抑制される点で好ましい。
さらに前記中部における嵩密度が前記下部における嵩密度に比べて高いことが、圧縮層を構成するリング状ニードルブランケットが圧壊することなく、炉の操業時におけるスラブ運搬時に発生する振動によって発生する耐火被覆と最上位のリング状ニードルブランケットとの隙間の発生が抑制される点で好ましい。
上部の圧縮層の嵩密度は、通常0.10g/cm以上0.20g/cm以下であり、好ましくは0.12g/cm以上0.18g/cm以下であり、より好ましくは0.14g/cm以上0.16g/cm以下である。
中部の圧縮層の嵩密度は、上部の圧縮層の嵩密度より低ければ特段の制限はないが、通常0.10g/cm以上0.20g/cm以下であり、好ましくは0.13g/cm以上0.16g/cm以下である。
下部の圧縮層の嵩密度は、上部の圧縮層の嵩密度より低ければ特段の制限はなく、前記中部における嵩密度が前記下部における嵩密度に比べて高いほうが好ましい。通常0.10g/cm以上0.20g/cm以下であり、好ましくは0.13g/cm以上0.16g/cm以下である。
上部の圧縮層(上記実施の形態では第3圧縮層L−3及び該第3圧縮層L−3の上側に配設されたリング状ニードルブランケット10)のリング状ニードルブランケット10の圧縮率([(元の厚さ)−(圧縮後の厚さ)]×100/[元の厚さ])は、前記嵩密度の関係を満たす限り圧縮率に限定はないが、通常10%以上特に12%以上とりわけ13%以上で、通常30%以下特に25%以下とりわけ20%以下であることが好ましい。上部以外の圧縮層である中部及び下部の圧縮層(上記実施の形態では第1及び第2圧縮層L−1,L−2)の圧縮率は、5%以上特に7%以上とりわけ8%以上で、20%以下特に18%以下とりわけ15%以下であることが好ましい。上部の圧縮率は、中部及び下部の圧縮層の圧縮率の1.1倍以上特に1.5倍以上で、4倍以下特に3倍以下であることが好ましい。さらに、中部の圧縮率が下部の圧縮率よりも高いことがより好ましい。
1枚のリング状ニードルブランケット10の圧縮前の嵩密度は、特段の制限はないが、通常0.05g/cm以上、好ましくは0.06g/cm以上、特に好ましくは0.08g/cm以上であり、通常0.18g/cm以下、好ましくは0.16g/cm以下、特に好ましくは0.14g/cm以下である。
1枚のリング状ニードルブランケット10の厚み(圧縮前の厚み)は、特段の制限はないが、通常10mm以上特に12mm以上で、通常26mm以下特に30mm以下であることが好ましい。
1つの圧縮層を構成するリング状ニードルブランケット10の枚数は15枚以上特に20枚以上で、80枚以下特に60枚以下であることが好ましい。
炉床Gから耐火被覆3の下端までの高さをHとし、図5の状態における最上段の押え板20と被覆3との間に形成される間隙の高さをhとした場合、
h/Hは0.005以上特に0.01以上で、0.05以下特に0.035以下であることが好ましい。
前記上部の圧縮層(上記実施の形態では第3圧縮層L−3及び該第3圧縮層L−3の上側に配設されたリング状ニードルブランケット10)の圧縮力解放前の高さ(図5における圧縮層L−3の高さT)は、上記高さHの25%以上特に30%以上で、50%以下特に48%以下であることが好ましい。
リング状ニードルブランケット10の径方向の寸法(すなわち外径(直径)と内径(直径)との差の1/2の値)は、スキッドパイプ1の直径の3%以上特に5%以上で、85%以下特に80%以下であることが好ましい。
リング状ニードルブランケット10において、特段の制限はないが、以下に記載する条件におけるサイクル試験後の残存面圧比は、10%以上であり、好ましくは12%以上、より好ましくは15%以上である。
条件:1400℃、12時間焼成したリング状ニードルブランケット10を引張圧縮試験機によりGBD(嵩密度)=0.195g/cmまで圧縮した後、上下のプレートをGBD=0.20g/cmから0.24g/cmまで圧縮することを100回繰り返した。その際、第1回目のGBD=0.20g/cmでの開放側面圧値と第100回目のGBD=0.24g/cmでの開放側面圧値を測定し、以下の式より、焼成後面圧の劣化度合いの指標となる残存面圧比(%)を求めた。
残存面圧比=第100回開放側面圧/第1回開放側面圧)
前記残存面圧比が上記範囲にあることで、炉の操業時にもリング状ニードルブランケットの反発力が維持され、リング状ニードルブランケット同士の隙間を長期にわたって防止できることともに、スラブ運搬時に発生する振動によって発生する耐火被覆と最上位のリング状ニードルブランケットとの隙間を長期にわたって防止できる点で好ましい。
また、リング状ニードルブランケット10において、焼成(1400℃、12時間)後の幅方向、長手方向及び厚み方向の加熱線収縮率は、特段の制限はないが、JISR3311に準拠した方法(以下に詳細を記す)で測定した場合、いずれも1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下である。前記加熱線収縮率が幅方向、長手方向及び厚み方向いずれも上記範囲にあることで、リング状ニードルブランケットが高温寸法安定性に優れ、減肉しづらい点で好ましい。
条件:試料を長さ約150mm、約100mmに切断して試験片とする。試験片に約120mm×約60mmの長方形状に白銀線を埋め込んで印をつける。1400℃の温度に加熱された大気中で12時間保持する。加熱線収縮率は,次の式によって算出する。
Figure 0006274374
ここで、l:試験片マーク間の焼成前の長さ(mm)、l:試験片マーク間の焼成後の長さ(mm)とする。加熱線収縮率は、1試験片の3点の長さを測定し,その3点の平均値とする。
[リング状ニードルブランケット10等の材料]
次に、上記リング状ニードルブランケット10及び酸化物前駆体含有液が付着されたブランケット40の好適な材料について説明する。
リング状ニードルブランケット10は、無機繊維製ブランケットであれば特段の制限はないが、好ましくは後述する無機繊維のニードルブランケットである。
未乾燥状態で酸化物前駆体含有液が付着されたブランケット40は、無機繊維製ブランケットに該酸化物前駆体含有液は焼成により酸化アルミニウム及び酸化カルシウムを含むアルミナ・カルシア系組成物を生じさせる成分を含むものである。好ましくは、無機繊維のニードルブランケットよりなり、該ニードルブランケットの少なくとも一部に未乾燥状態で酸化物前駆体含有液が付着している含浸部が設けられ、該含浸部の水分量が、該含浸部の無機繊維100質量部に対して50〜400質量部であり、該断熱保護部材全体の水分量が断熱保護部材全体の無機繊維100質量部に対して50〜400質量部であり、前記酸化物前駆体含有液は、焼成により酸化アルミニウム(Al)及び酸化カルシウム(CaO)を含むアルミナ・カルシア系組成物(Al及びCaOは単体であってもよく複酸化物であってもよい。)を生じさせる成分を含有しており、前記含浸部においては、酸化物前駆体含有液が酸化物換算量として該含浸部の無機繊維100質量部に対して2〜50質量部となるように付着しており、前記含浸部全体(無機繊維と付着物との全体)におけるAlとCaのモル比率(Al/Ca)が10以上330以下である。
なかでも、前記ブランケット40の無機繊維製ブランケットはリング状ニードルブランケット10の無機繊維製ブランケットと同質のものであることが好ましい。
また、前記ブランケット40の嵩密度は、通常0.10〜0.75g/cm、好ましくは0.15〜0.60g/cm、特に好ましくは0.20〜0.45g/cm程度である。
[ニードルブランケット]
本発明の断熱保護部材に用いられる無機繊維のニードルブランケット(以下、単に「ブランケット」又は「ニードルブランケット」と称す場合がある。)について説明する。
このニードルブランケットは、実質的に繊維径3μm以下の繊維を含まない無機繊維の繊維集合体にニードリング処理が施されたものが好ましい。このようなニードルブランケットを用いることにより、本発明のスキッドポスト用断熱保護部材の耐風食性を高めることができる。
<無機繊維>
ニードルブランケットを構成する無機繊維としては、特に制限がなく、シリカ、アルミナ/シリカ、これらを含むジルコニア、スピネル、チタニア及びカルシア等の単独、又は複合繊維が挙げられるが、特に好ましいのは耐熱性、繊維強度(靭性)、安全性の点で、アルミナ/シリカ系繊維、特に多結晶質アルミナ/シリカ系繊維である。
アルミナ/シリカ系繊維のアルミナ/シリカの組成比(質量比)は65〜98/35〜2のムライト組成、又はハイアルミナ組成と呼ばれる範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは70〜95/30〜5、特に好ましくは70〜74/30〜26の範囲である。
本発明においては、無機繊維の80質量%以上、好ましくは90質量%以上、特に好ましくはその全量が上記ムライト組成の多結晶アルミナ/シリカ系繊維であることが好ましい。また、無機繊維中のAlに対するCaのモル比率(Ca/Al)は0.03以下であることが好ましく、特に無機繊維はCaを含まないことが好ましい。
この無機繊維は、好ましくは繊維径3μm以下の繊維を実質的に含まない。ここで繊維径3μm以下の繊維を実質的に含まないとは、繊維径3μm以下の繊維が全繊維重量の0.1質量%以下であることをさす。
無機繊維の平均繊維径は5〜7μmであることが好ましい。無機繊維の平均繊維径が太すぎると繊維集合体の反発力、靭性が失われ、細すぎると空気中に浮遊する発塵量が多くなり、繊維径3μm以下の繊維が含有される確率が高くなる。
<ニードルブランケットの製造方法>
上述の好適な平均繊維径を有し、かつ、繊維径3μm以下の繊維を実質的に含まない無機繊維集合体は、ゾル−ゲル法による無機繊維集合体の製造において、紡糸液粘度の制御、紡糸ノズルに用いる空気流の制御、延伸糸の乾燥の制御及びニードリングの制御等により得ることができる。
ニードルブランケットは、従来公知の方法、例えば特開2014−5173号公報に記載があるように、ゾル−ゲル法により無機繊維前駆体の集合体を得る工程と、得られた無機繊維前駆体の集合体に、ニードリング処理を施す工程と、ニードリング処理された無機繊維前駆体の集合体を焼成して無機繊維集合体とする焼成工程とを経て製造される。
<ニードルブランケットのニードル痕密度、嵩密度及び厚さ>
ニードルブランケットのニードル痕密度については、2〜200打/cm、特に2〜150打/cm、とりわけ2〜100打/cm、中でも2〜50打/cmであることが好ましい。このニードル痕密度が低過ぎると、ニードルブランケットの厚みの均一性が低下し、かつ耐熱衝撃性が低下する等の問題があり、高過ぎると、繊維を傷め、焼成後に飛散し易くなる恐れがある。
ニードルブランケットの嵩密度は、50〜200kg/m(0.05〜0.2g/cm)であることが好ましく、80〜150kg/m(0.08〜0.15g/cm)であることがより好ましい。嵩密度が低すぎると脆弱な無機繊維成形体となり、また、嵩密度が高すぎると無機繊維成形体の質量が増大するとともに反発力が失われ、靭性の低い成形体となる。
ニードルブランケットの面密度は、500〜4000g/m、特に600〜3800g/m、とりわけ1000〜3500g/mであることが好ましい。このニードルブランケットの面密度が小さ過ぎると、繊維量が少なく、極薄い成形体しか得られず、断熱用無機繊維成形体としての有用性が低くなり、面密度が大き過ぎると繊維量が多すぎることにより、ニードリング処理による厚み制御が困難となる。
ニードルブランケットの厚さは、好ましくは2〜35mm程度であるが、後述の通り、酸化物前駆体含有液の含浸深さを3mm以上、好ましくは10mm以上確保する観点から、ニードルブランケットの厚さは3mm以上、特に10mm以上であることが好ましい。
なお、本発明において、無機繊維のニードルブランケットは、板状に成形される。ただし、板状のニードルブランケットは取り扱い時にロール状とされていてもよい。
[酸化物前駆体含有液]
上記のニードルブランケットに含浸させる酸化物前駆体含有液は、酸化物前駆体として、焼成により酸化アルミニウム(Al)及び酸化カルシウム(CaO)を含むアルミナ・カルシア系組成物を生じさせる成分を含む。このアルミナ・カルシア系組成物にあっては、Al及びCaOは、単体であってもよく、AlとCaOの複酸化物であってもよい。AlとCaOの複酸化物としては、CaO・Al、CaO・2Al、CaO・6Al等が例示されるが、これに限定されない。
酸化物前駆体含有液のみを乾燥及び焼成した場合の焼成物中の酸化物の存在形態としては、次の(i)〜(v)のいずれであってもよい。
(i) Al単体とCaO単体
(ii) Al単体とCaO単体と複酸化物
(iii) Al単体と複酸化物
(iv) CaO単体と複酸化物
(v) 複酸化物のみ
酸化物前駆体含有液は、少なくともCaを含有する成分とAlを含有する成分を含む。Caを含有する成分としては、具体的には、カルシウムの水酸化物、塩化物、酢酸塩、乳酸塩、硝酸塩、炭酸塩等が挙げられる。これらは1種のみが酸化物前駆体含有液中に含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。なかでも、カルシウムの酢酸塩、水酸化物又は炭酸塩であることが、焼成時に発生する成分は主に水と二酸化炭素であり、炉内の金属部材や、鋼板等を劣化させない点で好ましい。
Caを含有する成分は、酸化物前駆体含有液中で溶解していても、ゾル状でも、分散状でもよい。Caを含有する成分が酸化物前駆体含有液中で溶解していること又は均一に分散していることにより、酸化物前駆体をニードルブランケットを構成する各無機繊維それぞれの表面全体に均一にコーティングでき、加えて無機繊維内部まで容易に含浸できる点で好ましい。Caを含有する成分が酸化物前駆体含有液中で沈殿する場合は、無機繊維表面に均一にコーティングできず、繊維表面にコーティングできていない部分が生じ、そこからスケールによる浸食が発生する虞があるため、耐スケール性向上効果を十分に発揮することができなくなる。
Alを含有する成分としては、具体的には、アルミニウムの水酸化物、塩化物、酢酸塩、乳酸化塩、硝酸塩、炭酸塩等が挙げられる。これらは1種のみが酸化物前駆体含有液中に含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。なかでも、アルミニウムの酢酸塩、水酸化物又は炭酸塩であることが、焼成時に発生する成分は主に水と二酸化炭素であり、炉内の金属部材や、鋼板等を劣化させない点で好ましい。
Alを含有する成分は、酸化物前駆体含有液中で溶解していても、ゾル状でも、分散状でもよい。Alを含有する成分が酸化物前駆体含有液中で溶解していること又は均一に分散していることにより、酸化物前駆体をニードルブランケットを構成する各無機繊維それぞれの表面全体に均一にコーティングでき、加えて無機繊維内部まで容易に含浸できる点で好ましい。Alを含有する成分が酸化物前駆体含有液中で沈殿する場合は、無機繊維表面に均一にコーティングできず、繊維表面にコーティングできていない部分が生じ、そこからスケールによる浸食が発生する虞があるため、耐スケール性向上効果を十分に発揮することができなくなる。
好ましくは、酢酸を分散剤としたアルミナゾルであり、このものは、焼成時に発生する成分が水と二酸化炭素である点で優れている。同様の理由で乳酸を分散剤としたアルミナゾルも用いることができるが、この場合にはスキッドポスト用断熱保護部材の熱収縮率が、酢酸を分散剤としたアルミナゾルを用いたスキッドポスト用断熱保護部材と比較して高くなる傾向にある。
上記のアルミナゾルを用いた場合に使用する焼成によりCaOを生成させる成分は、カルシウムの酢酸塩が好ましい。酢酸塩を混合することでアルミナゾルの分散性の低下を抑え、酸化物前駆体含有液の粘度の上昇を抑えることができる。酸化物前駆体含有液の粘度が適正な範囲にあることで、含浸しやすくまた、付着量を制御しやすくなる。酸化物前駆体含有液の粘度が過度に高いと、無機繊維に対して含浸が困難になるため好ましくない。
酸化物前駆体含有液としては、アルミナゾルが分散した酢酸カルシウム水溶液が好ましい。
酸化物前駆体含有液は、上記のAlを含有する成分と、Caを含有する成分とを、AlとCaのモル比率(Al/Ca)が4以上100以下となるように含むものが好ましく、より好ましくは6以上36以下であり、特に好ましくは9以上13以下である。Al/Ca比率がこの範囲であると、炉内で加熱されたときに、カルシウム成分が適度に拡散して無機繊維とスケールとが反応するのを抑制することができる。また、耐スケール性の高い酸化カルシウム系の酸化物を生成するため、耐スケール性の向上効果に優れたものとなる。
酸化物前駆体含有液の酸化物前駆体濃度(焼成によりAlを生じさせる成分と焼成によりCaOを生じさせる成分の合計の含有量)は、酸化物換算の固形物濃度として、2〜30質量%、特に5〜10質量%が好ましい。酸化物前駆体含有液の酸化物前駆体濃度が低すぎるとニードルブランケットに対する酸化物前駆体成分の付着量(付着量)が低くなる恐れがある。また、酸化物前駆体含有液の酸化物前駆体濃度が高すぎると、酸化物前駆体含有液の粘性が高くなり、含浸しにくくなる恐れがある。
前述の通り、酸化物前駆体含有液は、ゾル又は溶液であることが、ニードルブランケットの各無機繊維それぞれの表面に均一に酸化物前駆体をコーティングできる点で好ましい。
酸化物前駆体含有液の分散媒体ないしは溶媒としては、水、アルコール等の有機溶媒またはこれらの混合物、好ましくは水が使用される。また、酸化物前駆体含有液には、ポリビニルアルコール等のポリマー成分が含有されていてもよい。またゾル又は溶液中の化合物の安定性を高めるために、分散安定剤を加えてもよい。分散安定剤としては、例えば、酢酸、乳酸、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。
酸化物前駆体含有液は着色剤が配合されてもよい。酸化物前駆体含有液を着色することにより、ニードルブランケットの含浸部と非含浸部の領域を目視にて確認することができる点で好ましい。着色の色は黒色や青色が好ましい。着色剤としては水溶性インクなどを用いることができる。
酸化物前駆体含有液のニードルブランケットへの好ましい含浸量は後述の通りである。
[酸化物前駆体含有液の含浸方法]
上記のような酸化物前駆体含有液を無機繊維のニードルブランケットに含浸させるには、ニードルブランケットを酸化物前駆体含有液中に浸して、酸化物前駆体含有液をニードルブランケットの無機繊維間に浸透させればよい。
このようにして酸化物前駆体含有液をニードルブランケットに含浸させた後、所望の含水量、酸化物前駆体付着量となるように、必要に応じ吸引又は圧縮などにより余剰な液を脱離させてもよい。吸引により余剰な液を脱離させるには、含浸部に被さるアタッチメントを装着し、該アタッチメントに設けた吸引口から吸引して脱液する方法が好ましい。
このようにして酸化物前駆体含有液を含浸し、必要に応じて余分な液を脱離させた後、更に必要に応じて所定の水分量になるまで乾燥してもよい。こうすることで、高い酸化物前駆体付着量(付着量)を保ったまま、含水量を減らすことができる。水分量を減らすことで、施工時の接着剤との接着性を高めることができる。また、可撓性を保ったまま、無機繊維成形体の質量を軽くすることで、施工が容易になる利点がある。この乾燥条件は、脱離させる水分量に応じて80〜180℃で0.5〜24時間の範囲で適宜設定される。
酸化物前駆体含有液の付着量は、後述の通り、好ましくは、酸化物(CaO及びAl)換算量として、無機繊維100質量部に対して2〜50質量部である。
[ニードルブランケットにおける含浸部の位置]
本発明のスキッドポスト用断熱保護部材は、上記のようにして、無機繊維のニードルブランケットの少なくとも一部に酸化物前駆体含有液が含浸され、かつ未乾燥状態となっている含浸部(以下、単に「含浸部」と称す場合がある。)が形成されているものが好ましい。
この含浸部は、スキッドポスト用断熱保護部材が加熱炉内で使用される際に、スキッドポスト用断熱保護部材の炉内露呈面(被加熱面)に形成されることが好ましい。これは未含浸部においてスケールによる浸食が発生するためであり、被加熱面すべてが含浸部であることにより、耐スケール性を高めることができる。
ブランケット厚み方向の含浸深さは、少なくとも炉内露呈面となるブランケット表面から3mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましい。含浸深さが上記下限以上であることで耐スケール性が向上する。ニードルブランケットの全厚みにわたって含浸されている態様は、耐スケール性が最も向上するので好ましい。
含浸部は、板状のニードルブランケットの板面のうち少なくとも1/2以上の領域にわたって連続的に形成されており、含浸部が形成された領域において、含浸部は、ニードルブランケットの全厚みにわたって形成されていることが好ましい。
特に、含浸部は、板状のニードルブランケットの板面において、表裏両面において形成されていることが好ましい。より好ましくは、炉内側の面における含浸部が、厚み方向に対して厚みの35〜50%の領域において形成され、かつリング状ニードルブランケット10側の面における含浸部が、厚み方向に対して厚みの20〜50%の領域において形成されている。特に好ましくは、含浸部が全厚みにわたって形成されている。
[含浸部及びスキッドポスト用断熱保護部材の水分量]
本発明のスキッドポスト用断熱保護部材において、該含浸部の水分量は、当該含浸部の無機繊維100質量部に対して50〜400質量部である。含浸部の水分量が過度に少ない場合は、バインダー効果により可撓性がなくなる。また、繊維の発塵も多くなる。逆に含浸部の水分量が過度多い場合は、無機繊維成形体に少しの圧をかけただけで、無機繊維から液が漏れ出る。また、自重によって無機繊維成形体が押し潰され、このために端面の剥離が大きくなるという課題がある。また、含浸部の水分量が多過ぎると、使用時の加熱でマイグレーションと呼ばれる、水の乾燥に伴うゾルの物質移動が激しくおき、乾燥表面近傍での付着量が著しく高くなり、内部の付着量が低下することとなるため、耐熱衝撃性、加熱収縮率が悪化する。つまり含浸部全体の均一性を保つには含浸部の水分量は、400質量部を超えないことが重要である。好ましくは、該含浸部の水分量は、含浸部の無機繊維100質量部に対して80〜350質量部である。
本発明のスキッドポスト用断熱保護部材全体に含まれる水分量は、スキッドポスト用断熱保護部材全体の無機繊維100質量部に対して50〜400質量部である。スキッドポスト用断熱保護部材中の水分量が無機繊維100質量部に対して50質量部より少ないと、スキッドポスト用断熱保護部材の未乾燥状態を維持しにくく、また可撓性が低くなり施工時に剥離や割れの問題が生じる。スキッドポスト用断熱保護部材の水分量が無機繊維100質量部に対して400質量部より多いと、スキッドポスト用断熱保護部材に少しの圧をかけただけで、無機繊維から液が漏れ出る。また、自重によってスキッドポスト用断熱保護部材が押し潰され、このために端面剥離が大きくなるという課題がある。スキッドポスト用断熱保護部材全体の水分量は、好ましくはスキッドポスト用断熱保護部材全体の無機繊維100質量部に対して150〜300質量部である。
[焼成後における酸化物の付着量]
酸化物前駆体含有液は、含浸部において、焼成後の酸化物(CaO及びAl)付着量(以下、単に「酸化物付着量」と称す場合がある。)が含浸部の無機繊維100質量部に対して2〜50質量部となるようにニードルブランケットに含浸される。この酸化物付着量は、含浸部の無機繊維100質量部に対して好ましくは5〜30質量部、最も好ましくは10〜25質量部である。酸化物付着量が少ない場合は、所望の耐スケール性が得られない場合がある。逆に多すぎると、含浸部の密度が高くなり、熱収縮率の悪化や耐熱衝撃性、耐機械衝撃性の低下が見られる。また、カルシウム成分が繊維表面に多量に存在する場合は、カルシウム成分と無機繊維で、低融点成分を多量に生成するため、含浸部の耐熱性が低下する。
スキッドポスト用断熱保護部材全体の酸化物付着量は、含浸部の酸化物付着量と同様な理由から、スキッドポスト用断熱保護部材全体の無機繊維100質量部に対して、5〜40質量部、特に8〜30質量部であることが好ましい。
本発明のスキッドポスト用断熱保護部材の含浸部全体におけるAlとCaのモル比率(Al/Ca)は、10〜330であり、好ましくは30〜100であり、特に好ましくは32〜70である。
含浸部全体とは、含浸部を構成する無機繊維と付着物との全体を表わす。含浸部全体におけるAlとCaのモル比率(Al/Ca)とは、無機繊維成形体の含浸部に存在するニードルブランケットを構成する無機繊維に含まれるAlのモル量と酸化物前駆体含有液に由来するAlのモル量の和に対する無機繊維に含まれるCaのモル量と酸化物前駆体含有液に由来するCaのモル量の和の比である。施工前のスキッドポスト用断熱保護部材と、施工後、加熱により焼成されたスキッドポスト用断熱保護部材とにおいて、AlとCaのモル比率(Al/Ca)は実質的に等しい。
本発明のスキッドポスト用断熱保護部材の含浸部全体のAl:Si:Caモル比は、77.2〜79.5:18.9〜21.6:0.9〜2.2であることが、耐スケール性、耐熱性及び耐熱衝撃性の観点から好ましい。ここで、含浸部全体のAlのモル量及びCaのモル量は、上記の通り、含浸部に存在するニードルブランケットを構成する無機繊維に含まれるAl及びCaの各モル量と酸化物前駆体含有液に由来するAl及びCaの各モル量との合計である。Siのモル量はニードルブランケットを構成する無機繊維に含まれるSiのモル量である。
含浸部におけるAl量、Ca量及びSi量は蛍光X線分析によって測定することができる。
[CaOの作用]
含浸部を有する本発明のスキッドポスト用断熱保護部材が炉内で加熱され、酸化物前駆体含有液が高温で焼成された場合、酸化物前駆体含有液から生成したCaO成分の一部が無機繊維内部に拡散する。含浸部全体におけるAlとCaのモル比率(Al/Ca)が上記範囲にあることで、高温まで焼成した時に、無機繊維内部に適量のCaOが拡散する。無機繊維内部に適量のCaOが存在することで、無機繊維中にFeOが拡散しにくくなる。つまり無機繊維とFeOとの反応が抑制される。このため、スキッドポスト用断熱保護部材の耐スケールが向上する。含浸部におけるAlとCaのモル比率(Al/Ca)が10より少ない場合は、無機繊維とその内部に拡散したCaOにより、無機繊維との低融点化合物を大量に生成するため、耐熱性、耐熱衝撃性が低下する虞がある。また、含浸部におけるAlとCaのモル比率(Al/Ca)が330より多い場合は、CaOの拡散が不十分で、耐スケールが向上しない虞がある。特にムライト(3Al・2SiO)組成の無機繊維を用いた場合は、高温で焼成されると、ムライトの結晶相と、ムライト成分にCaOが拡散した結晶相が生成する。この場合、耐熱衝撃性、耐熱性、耐機械衝撃性に優れるムライト結晶相を残したまま、CaOが繊維内部に拡散しているため、耐FeO性が向上すると考えられる。
このことは、当該無機繊維成形体を1400℃、8時間で焼成した後に、X線回折法(XRD)にて検出されるピークとして、ムライト結晶相を示すピークとCaO−Al−SiO系結晶相を示すピークが存在することで確認することができる。
また、Ca成分が繊維内部まで拡散していることは、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いた元素マッピングにより確認することができる。
[未乾燥状態で酸化物前駆体含有液が付着されたブランケット40の材料]
未乾燥状態で酸化物前駆体含有液が付着されたブランケット40としては、厚さ10〜30m程度の上記無機繊維のニードルブランケットに対し、上記の酸化物前駆体含有液を、無機繊維100質量部に対して2〜50質量部の割合で含浸させたものが好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
平均繊維径が5.5μmであり、実質的に繊維径3μm以下の繊維を含まない、アルミナ72質量%とシリカ28質量%とを含む多結晶質アルミナ/シリカ系繊維を集積してニードリングしてなるニードルブランケット(三菱ケミカル株式会社製商品名MAFTECTM MLS、厚さ25mm、ニードル痕密度5打/cm、嵩密度128kg/m(0.128g/cm)、面密度3200g/m)を外径(直径)390mm、内径(直径)270mmのドーナツ状に打ち抜き加工してリング状ニードルブランケット10を製造した。
リング状ニードルブランケット10において、以下に記載する条件におけるサイクル試験後の残存面圧比を測定したところ、残存面圧比は33%であった。
条件:1400℃、12時間焼成後のリング状ニードルブランケット10を引張圧縮試験機(ミネベア株式会社製)によりGBD(嵩密度)=0.195(g/cm)まで圧縮した後、上下のプレートをGBD=0.20(g/cm)から0.24(g/cm)まで圧縮することを100回繰り返した。その際、第1回目のGBD=0.20(g/cm)での開放側面圧値と第100回目のGBD=0.24(g/cm)での開放側面圧値を測定し、以下の式より、焼成後面圧の劣化度合いの指標となる残存面圧比(%)を求めた。
残存面圧比=第100回開放側面圧/第1回開放側面圧)
また、リング状ニードルブランケット10において、1400℃、12時間焼成後における幅方向、長手方向及び厚み方向の加熱収縮率の測定をJISR3311に準拠した方法(以下の詳細を示す)で行なったところ、幅方向0.4%、長手方向0.4%、厚み方向0.0%であった。
条件:リング状ニードルブランケット10を長さ約150mm、約100mmに切断して試験片とした。該試験片に約120mm×約60mmの長方形状に白銀線を埋め込んで印をつけた。1400℃の温度に加熱された大気中で12時間保持し焼成した。加熱線収縮率は,次の式によって算出した。
Figure 0006274374
ここで、l:試験片マーク間の焼成前の長さ(mm)、l:試験片マーク間の焼成後の長さ(mm)とする。加熱線収縮率は、1試験片の3点の長さを測定し、その3点の平均値とする。
このリング状ニードルブランケット10を用いて、図1〜7の手順によって直径270mmのスキッドパイプ1に施工した。炉床Gから耐火被覆3の下端までの高さHは1800mmである。
各圧縮層L−1〜L−3のリング状ニードルブランケットの枚数、圧縮後の高さ寸法及び圧縮率は次の通りである。
L−1:27枚、圧縮後高さ600mm、圧縮率10%
L−2:28枚、圧縮後高さ600mm、圧縮率12%
L−3:26枚、圧縮後高さ(T=560mm)、圧縮率15%
3段目の押え板20と耐火被覆3との間の間隙高さhは20mmであり、ここにリング状ニードルブランケット10を1枚装着した後、すべての押え板20を引き抜き、図7の状態とした。そして、L−1、L−2及びL−3(ただし、最上位のリング状ニードルブランケット10を含む)の平均嵩密度、及び最上部のリング状ニードルブランケット10が耐火被覆3の下端を押圧する圧力(面間圧力)を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2(第3圧縮層をさらに強圧縮)]
第3圧縮層L−3のリング状ニードルブランケット枚数を28枚とし、圧縮高さを560mm、圧縮率を20%としたこと以外は実施例1と同様の施工を行った。L−1、L−2及びL−3(ただし、最上位のリング状ニードルブランケット10を含む)の平均嵩密度、及び面間圧力を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
第3圧縮層L−3の圧縮率を第1、第2圧縮層L−1,L−2と同一とした。即ち、第3圧縮層L−3のリング状ニードルブランケット枚数を25枚とし、圧縮高さを560mm、圧縮率を10%としたこと以外は実施例1と同様の施工を行った。L−1、L−2及びL−3(最上位のリング状ニードルブランケット10を含む)の平均嵩密度、及び面間圧力を測定した。結果を表1に示す。実施例1,2に比べて低い値であった。
Figure 0006274374
[実施例3]
実施例1と同様の圧縮率のリング状ニードルブランケット10積層圧縮体を作製し、表面にモルタルを3mm厚程度塗布し、酢酸を分散剤としたアルミナゾル溶液に、酢酸カルシウム一水和物をAlとCaのモル比率(Al/Ca)が12になるように添加し、酸化物換算の固形分濃度を7.0質量%に調整した酸化物前駆体含有液を厚さ方向全体に含浸させたブランケット(無機繊維100質量部に対する水分量200質量部、無機繊維100質量部に対する酸化物前駆体付着量18質量部(酸化物換算)、含浸部のAlとCaのモル比率(Al/Ca)64、及び嵩密度0.41g/cm)を巻き付けた。これを昇温速度5℃/分、1400℃、12時間保持で焼成し、表面にあるブランケット40をカッターナイフで開口し、前記ブランケット40を剥し、リング状ニードルブランケット10積層圧縮体の表面を外観観察をしたところ、リング状ニードルブランケット10積層圧縮体表面全体に前記ブランケット40由来の無機繊維が付着していた。
[比較例2]
直径340mmの不定形耐火物の表面にモルタルを3mm厚程度塗布し、実施例3に記載のブランケット40を巻き付けた。これを昇温速度5℃/分、1400℃、12時間保持で焼成し、表面の無機繊維成形体をカッターナイフで開口し、前記ブランケット40を剥し、不定形耐火物の表面を外観観察をしたところ、リング状ニードルブランケット10積層圧縮体表面の一部だけに前記ブランケット40由来の無機繊維が付着していた。
[考察]
実施例で用いたリング状ニードルブランケットは、焼成(1400℃、12時間)後のサイクル試験後の残存面圧比が10%以上であることから、過酷な環境において長期的な振動に耐えうる持続的な面圧を有することが判る。また、実施例で用いたリング状ニードルブランケットは、焼成(1400℃、12時間)後の加熱線収縮率が幅方向、長手方向及び厚み方向のいずれも1%以下であるリング状ニードルブランケットを用いることにより、高温寸法安定性にも優れていることが判る。 ゆえに、実施例で用いたリング状ニードルブランケットを圧縮して施工する際に、該圧縮層の嵩密度を高さ方向に上部、中部及び下部に3等分して評価した場合、前記上部における嵩密度が前記中部及び前記下部における嵩密度に比べて高くすることで、過酷な環境において長期的な振動に耐えうる持続的な面圧保持し、焼成による収縮の影響を抑制できると推察される。一方、比較例1は圧縮率が低いため初期面圧から低く、隙間が空いてしまうと推察される。
また、実施例3と比較例2を比較すると、リング状ニードルブランケット10積層圧縮体に無機繊維成形体を巻いた方が、前記ブランケット40とリング状ニードルブランケットの積層体10の密着性がより高いことがわかる。これは、ブランケット40とリング状ニードルブランケットの積層体10は同材質であるため、材質起因による収縮率の差がなく、かつ前記ブランケット40の酸化物前駆体含有液がリング状ニードルブランケットの積層体10の表面に浸みこみやすく、焼成時に酸化物前駆体が酸化物に変換される際に、前記ブランケット40とリング状ニードルブランケットの積層体10の界面上にある酸化物前駆体が酸化物となり、当該酸化物が前記ブランケット40とリング状ニードルブランケットの積層体10との接着剤として機能するためと考えられる。一方、比較例2では、ブランケット40と不定形耐火物との材質起因による収縮率の差により、ブランケット40と不定形耐火物の間に空間ができ、空間ができると該空間が徐々に広がり、結果として密着性が低減しやすくなる。本願発明に係る断熱保護部材では、酸化物前駆体含有液が含浸されたブランケット40との密着性低減を抑制することができる。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
本出願は、2016年5月9日付で出願された日本特許出願2016−093973に基づいており、その全体が引用により援用される。
1 スキッドパイプ
2 スキッドビーム
3 耐火被覆
4 アンカー金具差込部
10 リング状ニードルブランケット
20 押え板
21,22 押え板半体
30 アンカー金具
33 ピン

Claims (12)

  1. 上部に耐火被覆を有したスキッドパイプの該耐火被覆よりも下側に断熱保護部材を施工する方法において、
    複数枚の無機繊維製リング状ニードルブランケットを該スキッドパイプに外嵌させて積重体とし、
    次いで、この積重体を押え板で上方から押して、圧縮層を形成する工程を複数回繰り返し、第1ないし第n(nは2以上の整数)の圧縮層を形成し、
    最上段の該圧縮層と前記耐火被覆の下端面との間に前記リング状ニードルブランケットを外嵌させ、その後、前記押え板を撤去して積重体を復元させ、前記リング状ニードルブランケットを前記耐火被覆の下端面に押し付ける断熱保護部材の施工方法であって、
    前記圧縮層の嵩密度を高さ方向に上部、中部及び下部に3等分して評価した場合、前記上部における嵩密度が前記中部及び前記下部における嵩密度に比べて高いことを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  2. 請求項1において、前記上部の圧縮層の嵩密度が、中部及び下部の圧縮層の嵩密度の1.1〜3.0倍であることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  3. 請求項1又は2において、さらに前記中部における嵩密度が前記下部における嵩密度に比べて高いことを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記上部の圧縮層の嵩密度が0.10g/cm以上0.20g/cm以下であることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、前記無機繊維製リング状ニードルブランケットは、以下に記載する条件におけるサイクル試験後の残存面圧比が10%以上であることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
    条件:1400℃、12時間焼成後のリング状ニードルブランケットを引張圧縮試験機によりGBD(嵩密度)=0.195g/cmまで圧縮した後、上下のプレートをGBD=0.20g/cmから0.24g/cmまで圧縮することを100回繰り返した。その際、第1回目のGBD=0.20g/cmでの開放側面圧値と第100回目のGBD=0.24g/cmでの開放側面圧値を測定し、以下の式より、焼成後面圧の劣化度合いの指標となる残存面圧比(%)を求める。
    残存面圧比=第100回開放側面圧/第1回開放側面圧×100
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、前記無機繊維製リング状ニードルブランケットは、1400℃、12時間焼成後における幅方向、長手方向及び厚み方向の加熱収縮率がいずれも1%以下であることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、前記リング状ニードルブランケットに、径方向のスリットが設けられており、
    該スリットを開くことによりリング状ニードルブランケットをスキッドパイプに外嵌させることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  8. 請求項7において、前記リング状ニードルブランケットのスリット同士は相互に重なり合わないように周方向にずらして配置されることを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、前記スキッドパイプにアンカー金具差込部を設けておき、
    前記押え板の上方への移動を阻止するためのアンカー金具を該アンカー金具差込部に係止させて押え板の上方への移動を阻止することを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  10. 請求項9において、前記アンカー金具は、上下に突出するピンを有しており、該押え板に重なるリング状ニードルブランケットに対し該ピンを刺し通すことを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項において、その後、リング状ニードルブランケットの外周に、未乾燥状態で酸化物前駆体含有液が付着されたブランケットを巻装し、該酸化物前駆体含有液は焼成により酸化アルミニウム及び酸化カルシウムを含むアルミナ・カルシア系組成物を生じさせる成分を含むことを特徴とするスキッドパイプの断熱保護部材の施工方法。
  12. 上部に耐火被覆を有するスキッドパイプの該耐火被覆よりも下側に断熱保護部材が設けられた断熱保護部材付きスキッドパイプにおいて、
    該断熱保護部材は、スキッドパイプに外嵌された圧縮状態のリング状ニードルブランケットの積重体を有しており、該積重体の反発力により最上位のリング状ニードルブランケットが前記耐火被覆に押し付けられた断熱保護部材付きスキッドパイプであって、
    前記積重体を高さ方向に上部、中部及び下部に3等分して評価した場合、前記上部におけるリング状ニードルブランケットの嵩密度が前記中部及び前記下部におけるリング状ニードルブランケットの嵩密度に比べて高いことを特徴とする断熱保護部材付きスキッドパイプ。
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