JP6271160B2

JP6271160B2 - 花酢エキスを含有する皮膚外用剤組成物

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Publication number: JP6271160B2
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Inventors: 甫賢申; 英韶金; 韓　相　勳; 相勳韓
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Description

本発明は花酢エキスを含有する皮膚外用剤組成物に係り、より具体的には、ツバキ（Ｃａｍｅｌｌｉａｊａｐｏｎｉｃａ）酢エキス及びスイレン（ＮｙｍｐｈａｅａＡｌｂａ）酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有することから、卓越した皮膚シワ改善、皮膚弾力増進、毛穴縮小、皮脂減少、ニキビ改善及び美白の効果を有する皮膚外用剤組成物に関する。

酢は、食品に酸味を付与又は増強し、味を調え、清涼感を増すために用いられる液体調味料のひとつであり、酢酸発酵によって製造されるため酢酸を含有しており、昔から貯蔵食品として汎用されてきている。この種の酢は、製造法によって、大きく、醸造酢と合成酢とに大別できる。醸造酢は、醸造法によって製造されたものをいい、原料によって穀物酢、果実酢などに分類でき、発酵工程によって純粋醸造酢、アルコール酢に分類できる。合成酢は、化学的な工程によって製造されたものであり、純粋合成酢及び醸造酢に合成酢が加味されたものを含む。

本発明のようにツバキ又はスイレンを酢酸発酵して酢エキスとして用いる場合における、皮膚に対する優れた効果について未だ研究もしくは報告されていない。

大韓民国特許公開公報第１０−２０１０−００５７４６０号

本発明者らは、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスが卓越した皮膚弾力増進、皮膚シワ改善、毛穴縮小、皮脂調節及び美白の効果を有するということを見出し、本発明を完成するに至った。

そこで、本発明の目的は、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有することから、卓越した皮膚弾力増進、皮膚シワ改善、毛穴縮小、皮脂コントロール及び美白の効果を有する皮膚外用剤組成物を提供することである。

上記の目的を達成するために、本発明は、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有する皮膚外用剤組成物を提供する。

また、本発明は、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有する皮膚シワ改善用の皮膚外用剤組成物を提供する。

さらに、本発明は、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有する皮膚弾力増進用の皮膚外用剤組成物を提供する。

さらにまた、本発明は、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有する毛穴縮小用の皮膚外用剤組成物を提供する。

さらにまた、本発明は、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有する皮脂減少用の皮膚外用剤組成物を提供する。

さらにまた、本発明は、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有するニキビ改善用の皮膚外用剤組成物を提供する。

さらにまた、本発明は、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有する皮膚美白用の皮膚外用剤組成物を提供する。

本発明に係る組成物は、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を含有することから、皮膚シワ改善、皮膚弾力増進、毛穴縮小、皮脂減少、ニキビ改善及び皮膚美白の効果を提供することができ、ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスの混合エキスを含有する場合に相乗効果が得られて顕著に優れた効果を示す。特に、通常のツバキエキス、通常のスイレンエキス又はこれらの混合エキスと比較しても、卓越した皮膚シワ改善、皮膚弾力増進、毛穴縮小、皮脂減少、ニキビ改善及び皮膚美白の効果を有する皮膚外用剤組成物を提供することができる。

本発明に係る皮膚外用剤組成物は、ツバキ（Ｃａｍｅｌｌｉａｊａｐｏｎｉｃａ）酢エキス及びスイレン（ＮｙｍｐｈａｅａＡｌｂａ）酢エキスのうちのいずれか１種以上を有効成分として含有する。

本発明において用いられるツバキは、ツバキ科の常緑高木であり、韓国をはじめとして主として東アジアに分布する。種子から油を搾り取ってツバキ油を製造し、木材は家具材、細工材などとして用いる。本発明における前記ツバキは、根、茎、葉、花など植物の全部位を用いることができ、全体の植物（全草）として用いてもよい。

本発明において用いられるスイレンは、スイレン科水中植物であり、白スイレンとも呼ばれ、アルカロイド成分を含有し、鎮静剤として用いられる。根、茎、花は、伝統医学において薬材として用いられている。本発明における前記スイレンは、根、茎、葉、花など植物の全部位を用いることができ、全体の植物（全草）として用いてもよい。

本発明に係る前記ツバキ酢エキスは、前記ツバキを酢酸発酵させて得られるものである。なお、前記ツバキ酢エキスは、糖化過程、アルコール発酵過程及び酢酸発酵過程を経て製造することができる。

本発明の一実施形態における前記ツバキ酢エキスは、組成物の全重量に対して０．００１重量％以上の含量にて含有することができ、好ましくは、１０．０重量％以上の含量にて含有することができる。本発明の他の実施形態における前記ツバキ酢エキスは、組成物の全重量に対して９０．０重量％以下の含量にて含有することができ、好ましくは、７０．０重量％以下の含量にて含有することができる。本発明のさらに他の実施形態における前記ツバキ酢エキスは、組成物の全重量に対して０．００１重量％以上９０．０重量％以下の含量にて含有することができ、好ましくは、１０重量％以上７０．０重量％以下の含量にて含有することができる。前記ツバキ酢エキスの含量が０．００１重量％未満であれば、その効能が十分に得られず、前記ツバキ酢エキスの含量が９０．０重量％を超えると、ｐＨが低くて皮膚刺激が懸念される。

本発明に係る前記スイレン酢エキスは、前記スイレンを酢酸発酵させて得るものである。なお、前記スイレン酢エキスは、糖化過程、アルコール発酵過程及び酢酸発酵過程を経て製造することができる。

本発明の一実施形態における前記スイレン酢エキスは、組成物の全重量に対して０．００１重量％以上の含量にて含有することができ、好ましくは、１０．０重量％以上の含量にて含有することができる。本発明の他の実施形態における前記スイレン酢エキスは、組成物の全重量に対して９０．０重量％以下の含量にて含有することができ、好ましくは、７０．０重量％以下の含量にて含有することができる。本発明のさらに他の実施形態における前記スイレン酢エキスは、組成物の全重量に対して０．００１重量％以上９０．０重量％以下の含量にて含有することができ、好ましくは、１０重量％以上７０．０重量％以下の含量にて含有することができる。前記スイレン酢エキスの含量が０．００１重量％未満であれば、その効能が十分に得られず、前記スイレン酢エキスの含量が９０．０重量％を超えると、ｐＨが低くて皮膚刺激が懸念される。

本発明の一実施形態における組成物が前記ツバキ酢エキスとスイレン酢エキスとを両方とも含有する場合には、前記ツバキ酢エキスと前記スイレン酢エキスとを重量比で２：８〜８：２の割合にて含有することができ、好ましくは、４：６〜６：４の割合にて含有することができる。前記ツバキ酢エキスと前記スイレン酢エキスとの含有の割合が前記２：８〜８：２から外れる場合には、一つの効能しか集中的に発現できず、効能の相乗効果が十分に発揮されない。また、前記ツバキ酢エキスとスイレン酢エキスとの両方を有効成分として含有する場合に、前記有効成分は、０．００１重量％以上９０．０重量％以下にて含有することができ、好ましくは、１０重量％以上９０．０重量％以下にて含有することができる。前記有効成分の含量が０．００１重量％未満である場合にはその効能が十分に得られず、前記有効成分の含量が９０．０重量％を超える場合にはｐＨが低くて皮膚刺激が懸念される。

本発明に係る組成物は、皮膚弾力増進用の皮膚外用剤組成物として使用することができ、皮膚シワ改善用の皮膚外用剤組成物として使用することができる。これは、皮膚のコラーゲン合成を促す効果に優れており、皮膚弾力を改善して皮膚シワを改善し、皮膚のたるみを改善してリフティング効果を提供することができる。

本発明に係る組成物は、毛穴縮小、皮脂調節用の皮膚外用剤組成物として使用することができ、これは、皮膚への適用時に過剰に分泌される皮脂を抑え、毛穴を縮小させる効果に優れている。

本発明に係る組成物は、ニキビ改善用の皮膚外用剤組成物として使用することができ、ニキビ原因菌に対する抗菌効果に優れており、卓越した皮膚トラブルの抑制効果を有する。

本発明に係る組成物は、皮膚美白用の皮膚外用剤組成物として使用することができ、これは、チロシナーゼ活性を阻害し、メラニンの生成を抑えることにより、優れた美白効果を提供することができる。

本発明に係る組成物は、化粧品学又は皮膚科学的に許容可能な媒質又は基剤を含有して剤形化されうる。これは、局所適用に適したあらゆる剤形として、例えば、溶液、ゲル、固体、ペースト無水生成物、水相に油相を分散して得たエマルジョン、懸濁液、マイクロエマルジョン、マイクロカプセル、微細顆粒球又はイオン型（リポソーム）及び非イオン型の小嚢分散剤の剤形として、又は、クリーム、スキン、ローション、パウダー、軟膏、スプレイ又はコンシーラースティックの剤形として提供されうる。なお、フォーム状に又は圧縮済み推進剤をさらに含有するエアロゾール組成物の剤形としても提供されうる。これらの組成物は、当該分野における通常の方法に従い製造されうる。

また、本発明に係る組成物は、脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤、ゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型若しくは非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、キレート化剤、保存剤、ビタミン、遮断剤、湿潤化剤、必須オイル、染料、顔料、親水性若しくは親油性活性剤、脂質小嚢又は化粧品に通常用いられる任意の他の成分など、化粧品学又は皮膚科学分野において通常用いられる補助剤を含有することができる。前記補助剤は、化粧品学又は皮膚科学分野において通常用いられる量で取り込まれる。

また、本発明の組成物は、皮膚改善効果を増大させるために皮膚吸収促進物質を含有することができる。

以下、試験例及び剤形例を挙げて本発明の構成及び効果についてより詳細に説明する。しかしながら、これらの試験例及び剤形例は、本発明についての理解への一助となるために提供される単なる例示であり、本発明の範囲が下記の例によって制限されることはない。

［製造例１］ツバキ酢エキスの製造
１．酒母（ｂａｓｅ）製造工程（糖化工程）
玄米２０ｋｇを洗って生水（１６０ｍ岩盤水）３０ｋｇに５時間浸漬した後、水を注ぎ出した。また、野生ツバキの花は、採取し、切断して水気を切った。浸漬した玄米とツバキの花９ｋｇとを混合し、９０〜１１０℃の温度下で２５〜３５分間蒸煮した後、６０℃まで冷却させた。前記冷却させた玄米に麦芽の粉２ｋｇを入れ、１２時間かけて糖化させた。ここに小麦麹６ｋｇを入れ、４８時間かけて３０℃の温度下で糖化させて麹菌を活性化させた後、得られた酒粕をルツボに入れ、生水（１６０ｍ岩盤水）４０ｋｇを添加して７２時間かけて２５℃の温度下で外部から空気を遮断し、二酸化炭素のみを排出して保持して酒母を製造した。

２．アルコール発酵工程
玄米１３ｋｇを洗って水２０ｋｇに１時間かけて浸漬した後、水を注ぎ出し、残った玄米とツバキの花１ｋｇを９０〜１１０℃の温度下で２５〜３５分間蒸煮して蒸米（ｓｔｅａｍｅｄｒｉｃｅ）を製造した。前記１．に従い製造された酒母に前記製造された蒸米とツバキの花９ｋｇを入れ、２５℃において１０〜１５日間アルコール発酵させた。

３．酢酸発酵工程
前記２．に従い得られた発酵物に水１ｋｇを入れて希釈した後、２７℃において２ヶ月間ルツボに入口を布地で通気可能に封じたままで保持し、たまに攪拌しがら酸素を供給して１次（好気性）酢酸発酵させた。得られた発酵物の酸度を測定（ＰＨ−２３０ＳＤＰＨメーター）してｐＨが４以上であることを確認した後、上澄み液のみを分離して５〜２０℃の冷暗所で２次熟成した。次いで、熟成された液体をろ過してツバキ酢エキスを得た。得られたツバキ酢エキスを滅菌し、瓶に入れて冷暗所に保管し、これを以下の試験に供した。

［製造例２］スイレン酢エキスの製造
１．酒母（ｂａｓｅ）の製造工程（糖化工程）
玄米２０ｋｇを洗って生水（１６０ｍ岩盤水）３０ｋｇに５時間浸漬した後、水を注ぎ出した。また、野生スイレンの花は、採取し、切断して水気を切った。浸漬した玄米とスイレンの花９ｋｇとを混合し、９０〜１１０℃の温度下で２５〜３５分間蒸煮した後、６０℃まで冷却させた。前記冷却させた玄米に麦芽の粉２ｋｇを入れ、１２時間かけて糖化させた。ここに小麦麹６ｋｇを入れ、４８時間かけて３０℃の温度下で糖化させて麹菌を活性化させた後、得られた酒粕をルツボに入れ、生水（１６０ｍ岩盤水）４０ｋｇを添加して７２時間かけて２５℃の温度下で外部から空気を遮断し、二酸化炭素のみを排出して保持して酒母を製造した。

２．アルコール発酵工程
玄米１３ｋｇを洗って水２０ｋｇに１時間かけて浸漬した後、水を注ぎ出し、残った玄米とスイレンの花１ｋｇを９０〜１１０℃の温度下で２５〜３５分間蒸煮して蒸米（ｓｔｅａｍｅｄｒｉｃｅ）を製造した。前記１．に従い製造された酒母に前記製造された蒸米とスイレンの花９ｋｇを入れ、２５℃において１０〜１５日間アルコール発酵させた。

３．酢酸発酵工程
前記２．に従い得られた発酵物に水１ｋｇを入れて希釈した後、２７℃において２ヶ月間ルツボに入口を布地で通気可能に封じたままで保持し、たまに攪拌しがら酸素を供給して１次（好気性）酢酸発酵させた。得られた発酵物の酸度を測定（ＰＨ−２３０ＳＤＰＨメーター）してｐＨが４以上であることを確認した後、上澄み液のみを分離して５〜２０℃の冷暗所で２次熟成した。次いで、熟成された液体をろ過してスイレン酢エキスを得た。得られたスイレン酢エキスを滅菌し、瓶に入れて冷暗所に保管し、これを以下の試験に供した。

［比較製造例１］ツバキエキスの製造
ツバキエキスは、ツバキの花１９ｇにブチレングリコール１０ｇ、精製水７１ｇを混入し、１時間かけて加熱抽出して得た。次いで、８０００ｒｐｍ、１５℃において３０分間遠心分離した後、３．００μｍ、１．２μｍ、０．７μｍ及び０．４５μｍのフィルターで順次にろ過した。抽出された原液をオートミキサーで８００ｒｐｍにて１時間かけてブチレングリコール１０％を含むように懸濁した。

［比較製造例２］スイレンエキスの製造
スイレンエキスは、スイレンの花１９ｇにブチレングリコール１０ｇ、精製水７１ｇを混入し、１時間かけて加熱抽出して得た。次いで、８０００ｒｐｍ、１５℃において３０分間遠心分離した後、３．００μｍ、１．２μｍ、０．７μｍ及び０．４５μｍのフィルターで順次にろ過した。抽出された原液をオートミキサーで８００ｒｐｍにて１時間かけてブチレングリコール１０％を含むように懸濁した。

［実施例１〜３及び比較例１〜４］
前記製造例１〜２及び比較製造例１〜２をそれぞれ用いて、下記表１の組成に従い実施例１〜３及び比較例１〜４の化粧水をそれぞれ製造した（単位：重量％）。

＜製造方法＞
（１）表１記載の水相成分を室温下で均一に混合した。
（２）表１記載のエタノール相成分を５０〜５５℃に加熱して均一に溶解及び混合した。
（３）攪拌下で前記（２）に前記（１）を投入して均一に可溶化させた。

［試験例１］皮膚弾力改善効果
本発明に係る皮膚弾力改善効果を確認するために、前記実施例１〜３及び比較例１〜４の化粧水を用いて、下記のようにして試験した。３０〜４０代の女性３５名をそれぞれ５名ずつ７組に分けてそれぞれ前記実施例１、実施例２、実施例３、実施例４、比較例１、比較例２、比較例３及び比較例４の化粧水をそれぞれ個別に毎日２回（朝、夕方）ずつ４週間顔面に塗布した後、皮膚弾力測定機（ＣｕｔｏｍｅｔｅｒＳＥＭ５７５，Ｃ＋ＫＥｌｅｃｔｒｏｎｉｃＣｏ．，Ｇｅｒｍａｎｙ）を用いて皮膚弾力改善効果を測定し、その結果を下記表２に示す。表２の結果値は、皮膚弾力測定機の皮膚粘弾性を意味する。

上記表２の結果から明らかなように、通常のツバキエキス、通常のスイレンエキス又はこれらの混合エキスを含有する比較例２〜４の場合には、エキスを含有していない比較例１に比べて約１２５〜１３７％の皮膚弾力増進効果を示す。一方、通常のツバキエキス、通常のスイレンエキス又はこれらの混合エキスを含有する実施例１〜３を用いた場合には、比較例１に比べて、約１８８〜２１５％の皮膚弾力増進効果を示して、顕著に優れた効能を示すことが分かる。特に、ツバキ酢エキスとスイレン酢エキスとを両方とも含有する場合に相乗効果が得られて皮膚弾力増進効果が顕著に優れているということが分かる。

［試験例２］コラーゲン合成促進効果
ヒト繊維芽細胞を２４ウェル平板培養器で培養した後、下記表３の濃度で前記製造例１のツバキ酢エキス、製造例２のスイレン酢エキス、ツバキ酢エキスとスイレン酢エキスとの混合エキス、比較製造例１の通常のツバキエキス、比較製造例２の通常のスイレンエキス、及び通常のツバキエキスと通常のスイレンエキスとの混合エキスをそれぞれ個別に含有する培地に入れ替えた。培養３日目に、１０％のウシ胎児血清入りダルベッコ変法イーグル培地（ＤＭＥＭ）を各ウェル当たりに０．５ｍｌずつ添加した後、Ｌ［２，３，４，５−³Ｈ］−プロリン１０μＣｉを添加した。２４時間経過後に、各ウェルに入っている培地と細胞を掻き集めて５％のトリクロロ酢酸（ＴＣＡ；Ｔｒｉｃｈｌｏｒｏａｃｅｔｉｃａｃｉｄ）溶液に入れて水洗した後、２本の試験管に分注し、一方の試験管にはタイプＩコラゲナーゼ（ｔｙｐｅＩｃｏｌｌａｇｅｎａｓｅ）１ｕｎｉｔ／μｌを入れ、３７℃において９０分間培養し、他方の試験管は４℃において保管した。次いで、全ての試験管に５０％のトリクロロ酢酸を０．０５ｍｌずつ添加し、４℃において２０分間放置した後、それぞれ１２，０００ｒｐｍにて１０分間遠心分離して、それぞれの上澄液と沈殿物を液体シンチレーション計数法（ＬＳＣ；ＬｉｑｕｉｄＳｃｉｎｔｉｌｌａｔｉｏｎＣｏｕｎｔｅｒ）で計数毎分（ＣＰＭ；ＣｏｕｎｔＰｅｒＭｉｎｕｔｅ）値を得て、下記数式１に基づいて対照群と実験群に対してコラーゲン生合成割合（ＲＣＢ；ＲｅｌａｔｉｖｅＣｏｌｌａｇｅｎＢｉｏｓｙｎｔｈｅｓｉｓ）を測定し、その結果を下記表３に示す。

上記表３の結果から明らかなように、通常のツバキエキス、通常のスイレンエキス又はこれらの混合エキスを含有する比較例５〜７の場合には、エキスを含有していない対照群に比べて約１２２〜１２６％のコラーゲン生合成割合を示す。一方、ツバキ酢エキス、スイレン酢エキス又はこれらの混合エキスを含有する実施例４〜６を用いた場合には、対照群に比べて、約１４５〜１５２％のコラーゲン生合成割合を示し、顕著に優れた効能を示すことがわかる。特に、ツバキ酢エキスとスイレン酢エキスとを両方とも含有する場合に、相乗効果が得られてコラーゲン生合成割合が顕著に高いということが分かる。

［試験例３］リフティング効能の官能評価
皮膚のたるみで悩んでいる２５〜３５歳の女性３５名をそれぞれ５名ずつ７組に分けて、前記実施例１〜３及び比較例１〜４の化粧水をそれぞれ４週間かけて通常の化粧水と同じ使用方法で使用させた後、使用開始後に１週間おきにパネルの皮膚リフティング効能感の度合いを下記の評価基準に基づいてアンケートにより評価させた。その結果を下記表４に示す。

＜評価基準＞
＋＋＋：非常に良好な改善効果がある。
＋＋：かなり改善効果がある。
＋：わずかな改善効果がある。
±：改善効果はないが、悪化しない。
−：改善効果がなく、むしろ悪化する。

上記表４の結果から明らかなように、エキスを全く含有していない比較例１、通常のツバキエキス、通常のスイレンエキス、これらの混合エキスを含有する比較例２〜４と比較して、本発明に係るツバキ酢エキス、スイレン酢エキス及びこれらの混合エキスを含有する実施例１〜３は、いずれも速やかで且つ優れたリフティング効能を示す。

［試験例４］毛穴縮小効能
毛穴で悩んでいる３０代以上の女性４５名を選定して、それぞれ１５名ずつ３組に分けて実施例１〜３の化粧水を２週間かけて毛穴が目立つ個所に毎日塗布させた後、試験開始前及び試験開始後に１週間おきにスキンタッチ（製造社：テゥルーシステム）毛穴分析プログラムを用いて毛穴のサイズを測定し、毛穴分析プログラムによって平均毛穴サイズを３グレードに分けて、各グループの数を数え、その結果を下記表５に示す。

上記表５の結果から、本発明に係る組成物は、毛穴のサイズを効果的に縮小させることができるということが分かる。

［試験例５］毛穴縮小効果の官能評価
大きな毛穴で悩んでいる２５〜３５歳の女性７０名をそれぞれ１０名ずつ７組に分けて、それぞれ４週間かけて通常の化粧水と同じ使用方法で前記実施例１〜３及び比較例１〜４の化粧水をそれぞれ個別に使用させ、パネルの意見を伺い、皮膚改善の度合いを下記の評価基準に従い判定させ、その結果を下記表６に示す。

＜評価基準＞
＋＋＋：非常に良好な改善効果がある。
＋＋：かなりの改善効果がある。
＋：僅かな改善効果がある。
±：改善効果はないが、悪化しない。
−：改善効果がなく、むしろ悪化する。

上記表６の結果から明らかなように、エキスを全く含有していない比較例１、通常のツバキエキス、通常のスイレンエキス、これらの混合エキスを含有する比較例２〜４と比較して、本発明に係るツバキ酢エキス、スイレン酢エキス及びこれらの混合エキスを含有する実施例１〜３は、いずれも速やかで優れた毛穴縮小効果を示す。

［試験例６］皮脂量減少効能の確認
皮脂の分泌が多いと感じている２０〜３０代の被験者男女３０名をそれぞれ１０名ずつ３組に分けて、前記実施例１〜３の化粧水を４週間かけて顔の皮脂が多い個所に毎日塗布させた。試験開始前、試験２週経過後及び試験４週経過後に皮膚油分測定機（ＳｅｂｕｍｅｔｅｒＳＭ８１０）を用いて皮脂量を測定し、その結果を下記表７〜９に示す。

上記表７〜９の結果から、本発明に係る組成物は、皮脂を効果的に抑えることができるということを確認することができる。

［試験例７］ニキビ改善効果の官能評価
１９〜２６歳の女性のうちニキビを有する３５名をそれぞれ５名ずつ７組に分けて、それぞれ４週間かけて通常の化粧水と同じ使用方法で前記実施例１〜３及び比較例１〜４の化粧水をそれぞれ個別に使用させ、パネルの意見を伺い、皮膚改善の度合いを下記の評価基準に従い判定させ、その結果を下記表１０に示す。

上記表１０の結果から明らかなように、エキスを全く含有していない比較例１、通常のツバキエキス、通常のスイレンエキス、これらの混合エキスを含有する比較例２〜４と比較して、本発明に係るツバキ酢エキス、スイレン酢エキス及びこれらの混合エキスを含有する実施例１〜３は、いずれも速やかで且つ優れたニキビ皮膚改善効果を示す。

［試験例８］人体皮膚に対する美白効果試験
３０〜４０代の女性３５名をそれぞれ５名ずつ７組に分け、被検者の上腕部に直径１．５ｃｍの穴が６個穿孔された不透明テープを貼り付けた後、各被検者の最小紅斑量（ＭｉｎｉｍａｌＥｒｙｔｈｅｍａＤｏｓｅ）の約１．５〜２倍のＢ領域紫外線（ＵＶＢ）を照射して皮膚の黒化を誘導し、それぞれの穴に前記実施例１〜３及び比較例１〜４の化粧水をそれぞれ個別に朝及び夕方に２回ずつ毎日塗布させ、５０日後に色差計を用いて皮膚の明暗を測定した。

効果の判定は、色差計（ミノルタ社製ＣＲ２００２）を用い、皮膚の黒白の度合いを測定して行った。色を表示するときにはＬ、ａ、ｂ表色計を用いるが、本発明においては、皮膚の明暗を示す「Ｌ」値を求めて分析した（未焼き付けの韓国人の皮膚色は、一般に、５０〜７０の値を示す）。Ｌ値は標準白板で校正し、一つの個所を５回以上繰り返し均等に測定した。

試験物質を塗布して効果がある場合には、Ｌ値が次第に増大し、試験物質間の比較は、塗布開始時点と塗布完了時点における皮膚色の違い（ΔＬ）を下記数式２に従い計算して行い、その結果を下記表１１に示す。

上記表１１の結果から明らかなように、ツバキ酢エキス、スイレン酢エキス又はこれらの混合エキスを含有する実施例１〜３の化粧水を用いた場合には、通常のツバキエキス、通常のスイレンエキス又はこれらの混合エキスを含有する比較例２〜４に比べて、１．５〜３倍の顕著な美白効果を示す。特に、ツバキ酢エキスとスイレン酢エキスとを両方とも含有する場合には、相乗効果が得られて美白効果が顕著に優れていることを確認することができる。

Claims

ツバキ酢エキス及びスイレン酢エキスのうちのいずれか１種以上を有効成分として含有する皮膚外用剤組成物であって、
前記ツバキ酢エキスは、
（i）玄米とツバキの花との混合物を蒸煮し、これを麦芽及び小麦麹によりそれぞれ糖化させて酒母を得る工程と、
（ii）玄米とツバキの花との混合物を蒸煮して得た蒸米と、前記（i）の工程で得た酒母と、ツバキの花とをアルコール発酵させて発酵物を得る工程と、
（iii）前記（ii）の工程で得た発酵物を酢酸発酵する工程と
を経て製造されたものであり、
前記スイレン酢エキスは、
（iv）玄米とスイレンの花との混合物を蒸煮し、これを麦芽及び小麦麹によりそれぞれ糖化させて酒母を得る工程と、
（v）玄米とスイレンの花との混合物を蒸煮して得た蒸米と、前記（iv）の工程で得た酒母と、スイレンの花とをアルコール発酵させて発酵物を得る工程と、
（vi）前記（v）の工程で得た発酵物を酢酸発酵する工程と
を経て製造されたものであることを特徴とする皮膚外用剤組成物。
前記有効成分は、組成物の全重量に対して０．００１〜９０重量％で含有することを特徴とする請求項１に記載の皮膚外用剤組成物。
前記組成物は、皮膚シワ改善用であることを特徴とする請求項１に記載の皮膚外用剤組成物。
前記組成物は、皮膚弾力増進用であることを特徴とする請求項１に記載の皮膚外用剤組成物。
前記組成物は、毛穴縮小用であることを特徴とする請求項１に記載の皮膚外用剤組成物。
前記組成物は、皮脂減少用であることを特徴とする請求項１に記載の皮膚外用剤組成物。
前記組成物は、ニキビ改善用であることを特徴とする請求項１に記載の皮膚外用剤組成物。
前記組成物は、皮膚美白用であることを特徴とする請求項１に記載の皮膚外用剤組成物。
前記ツバキ酢エキスとスイレン酢エキスとを重量比で２：８〜８：２の割合にて含有することを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の皮膚外用剤組成物。
請求項１又は２に記載の組成物を用いて皮膚シワを改善する方法（但し、前記組成物を医薬品に使用して人間を治療する方法を除く）。
請求項１又は２に記載の組成物を用いて皮膚弾力を増進する方法（但し、前記組成物を医薬品に使用して人間を治療する方法を除く）。
請求項１又は２に記載の組成物を用いて皮膚毛穴を縮小する方法（但し、前記組成物を医薬品に使用して人間を治療する方法を除く）。
請求項１又は２に記載の組成物を用いて皮膚の皮脂を減少する方法（但し、前記組成物を医薬品に使用して人間を治療する方法を除く）。
請求項１又は２に記載の組成物を用いてニキビを改善する方法（但し、前記組成物を医薬品に使用して人間を治療する方法を除く）。
請求項１又は２に記載の組成物を用いて皮膚美白を増進する方法（但し、前記組成物を医薬品に使用して人間を治療する方法を除く）。