以下、諸図面を参照しながら、本発明の一実施態様を詳細に説明する。これ以降では、本発明の一態様に係るコンピュータが携帯端末(クライアント装置)として機能し、本発明の一態様に係るゲームプログラムがネイティブアプリケーション(ネイティブゲーム)として携帯端末で実行される構成を説明する。しかしながら、携帯端末は、必要に応じてホスト装置(サーバや、他の携帯端末)にアクセスし、ゲームの進行に応じて変化する情報(例えば、ゲームの新しいバージョンに関する情報、他プレイヤに関する情報等)をダウンロードして利用することができる。
図1は、本発明の一実施態様によるゲームシステム構成の概略図である。図に示すように、ゲームシステム400は、複数の携帯端末100A〜100C、サーバ200を含む。携帯端末100A〜100Cは、ネットワーク300を介してサーバ200と接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために携帯端末は3台だけ示してあるが、これ以上存在してもよいことは言うまでもない。例えば、本発明の一実施態様による対戦ゲームでは、最大5人までのオンライン対戦が可能である。
携帯端末(コンピュータ)100A〜100Cは、以下で説明する処理を含むゲームプログラムを実行可能な情報処理装置である。以下の処理を実行可能な機器でありさえすれば具体的な機器は携帯端末に限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット端末、家庭用ゲーム機、携帯電話、パーソナルコンピュータ、その他の電子機器であってもよい。なお、上記ゲームプログラムは、ディスプレイ(表示部)と、指やスタイラス等によるタッチ入力を検知可能な入力領域(入力受付部)と、メモリと、メモリに格納された1つ又は複数のプログラムを実行可能な1つ又は複数のプロセッサとを備えた、マルチファンクションデバイス(例えば、スマートフォン等)において好適に実行される。なお、ディスプレイが狭く、更に、入力領域とディスプレイが重複又は近接するような装置で実行される際に、上記ゲームプログラムは特に好適である。
図2は、携帯端末100Aの要部構成の一例を示すブロック図である。なお、携帯端末100Aについて説明するが、携帯端末100B,100Cに関しても同様である。図に示すように、携帯端末100Aは、通信部110、記憶部120、制御部130、表示部140、入力受付部150、音声インタフェース(I/F)部160及びスピーカ170を備える。
通信部110は、受信部111及び送信部112を備え、ネットワーク300を介して、サーバ200や他の携帯端末100B,100Cとの通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。受信部111は、プレイヤと対戦する他プレイヤ(対戦プレイヤ)に関する他プレイヤ情報を受信する。さらに、受信部111は、他プレイヤ情報として、他プレイヤによるゲームの進行状況を受信する。送信部112は、プレイヤによるゲームの進行状況を送信する。
記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体により実現され、携帯端末100Aが動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。すなわち、記憶部120には、プレイヤがサーバ200からネットワーク300を介してダウンロードし、携帯端末100Aにインストールされたゲームの情報(ゲームプログラム及びデータ)が格納されている。また、記憶部120には、ゲームで表示される複数種類のオブジェクトに関する情報(オブジェクトの画像等)や、ゲームを進める上で必要な所定の関係、各種条件に関する情報等が記憶されている。また、図示しない例えばRAM(Random Access Memory)で実現されるメモリが、制御部130のワークメモリとして機能する。制御部130は、記憶部120に格納されたゲームプログラムやデータを読出し、メモリに展開して記憶させる。また、メモリは、ゲームプログラムが実行される際の一時的なデータ等を記憶する。なお、記憶部120に記憶される各種データは、メモリに一時的に記憶された後に、当該記憶部120に記憶されてもよい。
表示部140は、ゲーム画面を表示するデバイスである。本実施の形態において、表示部140は、液晶ディスプレイで実現されてもよい。詳細は後述するが、表示部140は、対戦ゲームをプレイする際に複数のゲーム空間を表示する。表示部140は、配置部134がプレイヤ情報に基づいて設定したゲーム空間の配置領域に基づいて、プレイヤのゲーム空間をプレイヤのゲーム画面の中心を含む領域とし、対戦プレイヤである他プレイヤに対応するゲーム空間を、プレイヤのゲーム空間の周囲の領域に表示する。ここで、ゲーム画面の中心とは、ゲーム画面領域内でプレイヤからの視認性が高い位置であって、ゲーム画面の中心座標を言う。また、表示部140は、プレイヤ及び他プレイヤによるゲームの進行状況に応じて、各プレイヤに対応するゲーム空間を更新して表示する。なお、図2において、入力受付部150及び表示部140がそれぞれ有する機能を明示するために両者を分離して示している。しかし、例えば、入力受付部150がタッチパネルであり、表示部140が液晶ディスプレイである場合、両者は一体として構成されることが好ましい。
入力受付部150は、プレイヤによる操作入力を受け付ける。本実施の形態において、入力受付部150は、マルチタッチを検知可能なタッチパネルであってよく、プレイヤの指やスタイラス等の指示具により接触された接触位置を検出し、検出位置の座標に関する情報を制御部130に伝達する。本実施の形態において、入力受付部150は、プレイヤによる、表示部140に表示された操作対象オブジェクトに対する操作入力(タップ、フリック、スワイプ操作等)や、対戦ゲームの選択、各種ボタン等へのタップ操作等を受け付ける。
音声I/F160は、スピーカ170や図示しないイヤホンのインタフェースである。制御部130は、ゲームにおける効果音やBGM等を再生する際、音声I/F160を介してスピーカ170やイヤホンから音声を出力させる。
制御部130は、携帯端末100Aの各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部130は、情報処理部131、表示処理部132、進行部133、配置部134及び比較部135を含む。情報処理部131は、入力受付部150から伝達された座標情報を一定の時間間隔で取得し、一連の座標情報を軌跡として各部に出力する。
表示処理部132は、情報処理部131や他の機能部から伝達された表示用のデータを画素情報に変換し、表示部140に出力する。詳細は後述するが、表示処理部132は、プレイヤのゲーム空間をプレイヤのゲーム画面の中心とし、他プレイヤに対応するゲーム空間をプレイヤのゲーム空間の周囲に表示させる表示情報を出力する。また、表示処理部132は、他プレイヤによる対戦ゲームの進行状況に応じて、他プレイヤに対応するゲーム空間を更新させた表示情報を出力する。さらに、表示処理部132は、プレイヤ及び他プレイヤに対応するゲーム空間を、それぞれ異なる態様で表示させる表示情報を出力する。さらに、表示処理部132は、プレイヤ及び他プレイヤによるゲームの進行状況に応じて更新される状況オブジェクトを、プレイヤのゲーム画面に表示させる表示情報を出力する。
進行部133は、プレイヤによる入力受付部150を介した操作入力(タップ操作、フリック操作等)に応じて、ゲームを進行させる。配置部134は、受信部111により受信された他プレイヤ情報に基づき、プレイヤのゲーム空間に対して他プレイヤに対応するゲーム空間の配置領域を設定する。比較部135は、プレイヤ及び他プレイヤによるゲームの結果(獲得スコア等)を比較する。詳細は後述する。
次に、サーバ200について説明する。図3は、本発明の一実施態様によるサーバ200の要部構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ200は、通信部210、制御部220、及び記憶部230を少なくとも備える。
通信部210は、受信部211及び送信部212を備え、制御部220からの指示に従って、ネットワーク300を介して、携帯端末100A〜100Cとの通信を実行する機能を有する。受信部211は、携帯端末100A〜100Cから送信される対戦ゲームへの参加要求を受信する。送信部212は、対戦を行うグループに含まれるプレイヤの携帯端末に、グループに関する情報(対戦する他プレイヤに関する情報)を送信する。
制御部220は、サーバ200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部220は、情報処理部221、受付部222、決定部223及び比較部224を備える。情報処理部221は、通信部210で送受信する情報等の各種処理を行う。受付部222は、プレイヤの携帯端末100A〜100Cから送信された対戦ゲームへの参加要求を受け付ける。決定部223は、対戦ゲームへの参加要求を送信したプレイヤのうち、どのプレイヤ間で対戦させるかを決定する。比較部224は、プレイヤ間のスコアを比較する。
記憶部230は、サーバ200が動作するうえで必要とする各種プログラムおよびデータを記憶(格納)する機能を有する。記憶部230は、対戦を行うグループに関する情報(プレイヤの識別情報や、ゲームクリアに要したタイム等の獲得スコア)を格納する。また、記憶部230は、ゲームを実行したプレイヤのうち、獲得スコアが高いプレイヤ(上位のプレイヤ)についての情報を格納する。なお、記憶部230は、典型的には、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現される。さらに、図示しない例えばRAM(Random Access Memory)で実現されるメモリが、制御部220のワークメモリとして機能する。制御部220は、記憶部230に格納されたゲームプログラムやデータを読出し、メモリに展開して記憶させる。また、メモリは、ゲームプログラムが実行される際の一時的なデータ等を記憶する。なお、記憶部230に記憶される各種データは、メモリ一時的に記憶された後に、当該記憶部230に記憶されてもよい。
次に、本発明の一実施態様によるゲームプログラムによって実現される対戦ゲームを、図4〜図10を用いて説明する。
最初に、本発明の一実施態様によるゲームの概略を簡単に説明する。なお、本発明は、プレイヤの画面において各プレイヤのゲーム空間が分割されて表示されており、プレイヤの操作面に対して奥行き方向にゲームが進行するゲームに関する。本実施態様では、3Dパズルゲームの例で説明を進める。
図4は、本発明の一実施態様によるゲーム画面例を用いたゲームの説明図である。なお、分かり易くするため、プレイヤが一人でゲームを実行するシングルプレイの場合について示してある。図に示すように、携帯端末の表示画面(ゲーム画面)には、ゲーム画面を携帯端末の前面とすると、携帯端末の前面から携帯端末の背面に向かう方向に奥行きのある、3次元のゲーム空間が表示されている。そして、ゲーム空間の手前(プレイヤの存在する方向)に、3次元形状のブロック(操作対象オブジェクト)BLKが表示され、ブロックBLKからゲーム空間の奥行き方向に離れた位置であって、ゲームステージ間の境界面付近に、目標(目標オブジェクト)TRGが表示されている。ブロックBLKの形状と目標TRGの形状とは互いに関連しており、図4の例では同一形状である。ゲームがスタートすると、ブロックBLKは目標TRGに向かってゲーム空間の奥行き方向に移動を開始する。プレイヤは、ゲーム画面上でフリック操作してブロックBLKの姿勢を回転させ、ブロックBLKが目標TRGの位置に到達する前に、ブロックBLKの表示形状と目標TRGの表示形状とを同一にすることを目指す。ブロックBLKの表示形状と目標TRGの表示形状が同一になると、ステージクリアとなる。ステージクリアとなると、ブロックBLKが目標TRGに向かって加速して境界面を越え、次のステージとなり、新しい目標TRGが表示される。以上が、ゲームの簡単な説明である。
図5は、本発明の一実施態様によるゲーム画面の一例である。図5(a)は、ゲームのスタート画面であり、図5(b)は、マルチプレイ(対戦ゲーム)がプレイヤによって選択された場合のゲーム画面である。図5(a)に示すように、携帯端末100Aの表示部140に表示されたスタート画面40は、ゲームのモードをプレイヤに選択させる画面である。図に示すように、ゲームには、マルチモード、シングルモード及び無限モードがあり、プレイするモードをプレイヤに選択させる選択オブジェクト10〜30がスタート画面40に表示されている。マルチモードは、他プレイヤと対戦ゲーム(マルチプレイ)を行うモードである。クラシックモードは、図4で説明したように、プレイヤが一人でゲームをプレイ(シングルプレイ)するモードである。プラスモードは、プレイヤが一人でゲームをプレイするモードであるが、クラシックモードと異なり、ゲームオーバーとなるまでゲームステージが継続するモードである。これらのうち、本発明はマルチモード(マルチプレイ、対戦ゲーム)に関し、これ以降、マルチモードについて説明を行う。ここで、ステージとは、ゲームにおける構成単位であり、例えば、ゲーム空間をいくつかに分割した場合の各区間を表す。
図5(b)は、スタート画面40において、プレイヤによってマルチモードを選択する選択オブジェクト10が選択された場合に表示されるゲーム画面である。携帯端末100Aの入力受付部150は、プレイヤによる選択オブジェクト10の選択(プレイヤによる対戦ゲームへの参加要求)を受け付ける。すなわち、入力受付部150は、プレイヤによる接触を検出し、検出した位置に関する情報を情報処理部131に出力する。情報処理部131は、入力受付部150によって検出された位置の座標から、選択オブジェクト10が選択された事を判定し、マルチモードに関するゲーム画面41を表示する表示情報を出力するように表示処理部132を制御する。図5(b)に示すように、ゲーム画面41は、対戦ゲームに参加する他プレイヤを待機する画面であり、対戦ゲームに参加する他プレイヤに関する情報を示す他プレイヤオブジェクト11、対戦ゲームの開始ボタン12が表示される。本発明の一実施態様による対戦ゲームでは、プレイヤを含めて最大5人を含むグループでのオンライン対戦が可能であり、他プレイヤオブジェクト11は、player1〜player4の4つが表示されている。
ここで、対戦ゲームを行うグループのプレイヤを決定する処理について説明する。サーバ200の受信部211は、複数のプレイヤの携帯端末から送信される対戦ゲームへの参加要求を受信する。決定部223は、参加要求を送信したプレイヤの中から、対戦ゲームを行うグループ毎にプレイヤを最大5人決定する。ここで、グループのプレイヤは、例えば、受信部211で参加要求が受信された順に決定されてもよい。又は、所定の優先度に基づいて決定されてもよい。サーバ200の送信部212は、グループに含まれるプレイヤの携帯端末へ、他プレイヤ(対戦プレイヤ)についての情報(他プレイヤの識別情報)を送信する。他プレイヤ情報を受信した携帯端末のゲーム画面41では、対戦する他プレイヤの情報を受信する度に、他プレイヤオブジェクト11がplayer1から順にアクティブになり、対戦プレイヤが決定された事がプレイヤに分かるようになる。例えば、対戦プレイヤについての情報を二人分受信した場合、player1、player2のオブジェクトがアクティブになる。ここで、アクティブとは、対戦プレイヤについての情報を受信する毎に、表示態様が変更されることを言い、具体的には、他プレイヤオブジェクト11の色が濃く変化したり、点滅したりすることを言う。その後、ゲーム画面41において開始ボタン12が選択されるか、ゲーム画面41が表示されてから一定時間(例えば、5秒)が経過するか、対戦プレイヤのゲーム画面においてゲームの開始ボタンが選択されるといった開始条件が成立すると、対戦ゲームが開始される。なお、開始条件が成立した際には、グループのプレイヤが5人決定されていなくても、対戦ゲームが開始される。
サーバ200の記憶部230には、対戦ゲームを行うグループの情報がグループ毎に格納される。なお、この情報は、メモリ231に一時的に記憶された後に記憶部230に記憶されてもよい。図6は、記憶部230に格納されるグループ情報のテーブルの一例である。図に示すように、例えば、グループ1として、識別情報「ID0700」「ID0500」「ID0800」「ID0100」「ID0300」の5人のプレイヤが、対戦ゲームを行うグループのプレイヤとして、決定部222によって決定されている。また、グループ2として、識別情報「ID0900」「ID0600」「ID0200」の3人のプレイヤが決定されている。各グループにおけるプレイヤは、決定順(例えば、参加要求がサーバによって受け付けられた順番)に格納される。なお、説明のため2つのグループについてのみ示してあるが、記憶部230には、他のグループに関する情報も格納される。なお、スコアは対戦ゲームの終了時に格納される情報であり、詳細は後述する。
次に、複数のプレイヤで対戦ゲームを行う場合の、プレイヤのゲーム画面について説明する。図7(a)は、本発明の一実施態様によるゲーム画面の一例であり、図7(b)は、その説明図である。図の例は、対戦ゲームを行うことのできる最大人数である5人対戦の場合であり、図6に示すグループ1による対戦ゲームの例であるとする。
決定部233によって決定された対戦プレイヤに関するプレイヤ情報は、対戦ゲームを行うグループの各プレイヤに送信される。プレイヤ情報には、例えば、参加要求を送信した順番が含まれる。プレイヤ情報を受信した端末装置100Aの配置部134は、受信したプレイヤ情報に基づいて、プレイヤのゲーム空間に対する他プレイヤに対応するゲーム空間の配置領域を設定する。例えば、配置部134は、プレイヤ情報に含まれる参加要求の送信順に、他プレイヤに対応するゲーム空間を設定してもよい。その場合のゲーム画面を、以下に説明する。
図7(a)に示すように、ゲーム画面42には、奥行きのある3次元のゲーム空間が5つ表示されている。図7(b)は、説明のために簡素化した、図7(a)に対応するゲーム空間の配置図の一例である。まず、ゲーム空間の配置について説明する。配置図50において、プレイヤのゲーム空間は「P」の位置であり、表示部140に表示されるゲーム画面の中心に表示される。プレイヤのゲーム空間「P」の周囲には、他プレイヤに対応するゲーム空間「P1」「P2」「P3」「P4」が表示される。ここで、ゲーム空間「P1」はゲーム画面41における「player1」に対応し、ゲーム空間「P2」は「player2」に、ゲーム空間「P3」は「player3」に、ゲーム空間「P4」は「player4」に対応する。本発明の一実施態様によれば、対戦ゲームを行う際に、プレイヤのゲーム空間はどのプレイヤに対しても常に中心に表示され、対戦プレイヤ(他プレイヤ)に対応するゲーム空間が、プレイヤのゲーム空間の周囲に配置されることに大きな特徴がある。例えば、図6のグループ1の場合、各プレイヤのゲーム画面におけるゲーム空間の配置は以下の図8のようになる。
図8について説明する。例えば、プレイヤ「ID0700」のゲーム画面の場合、図8の第2列のようにプレイヤのゲーム空間が配置される。具体的には、配置図50における「P」はプレイヤ自身(ID0700)がゲームを実行するゲーム空間である。その他のゲーム空間「P1」はプレイヤ「ID0500」に、ゲーム空間「P2」はプレイヤ「ID0800」に、ゲーム空間「P3」はプレイヤ「ID0100」に、ゲーム空間「P4」はプレイヤ「ID0300」に対応する。
プレイヤ「ID0500」のゲーム画面の場合、図8の第3列のようにプレイヤのゲーム空間が配置される。具体的には、配置図50における「P」はプレイヤ自身(ID0500)がゲームを実行するゲーム空間である。その他のゲーム空間「P1」はプレイヤ「ID0700」に、ゲーム空間「P2」はプレイヤ「ID0800」に、ゲーム空間「P3」はプレイヤ「ID0100」に、ゲーム空間「P4」はプレイヤ「ID0300」に対応する。
その他のプレイヤに対しても、各プレイヤのゲーム画面において、プレイヤ自身のゲーム空間がゲーム画面の中心「P」の位置に配置され、他プレイヤのゲーム空間が、プレイヤのゲーム空間の周囲(上下左右)に配置される。なお、ゲーム空間は、ゲーム画面に向かって「右」「左」「上」「下」の順序に配置される。すなわち、2人で対戦を行う場合は、プレイヤのゲーム空間「P」と、ゲーム画面に向かってその右隣り「P1」の位置に対戦プレイヤのゲーム空間が配置される。ここでは、対戦プレイへの参加要求を送信した順番に、配置部134によって、ゲーム空間の配置領域が設定される。また、ここでは、各ゲーム空間の大きさは等しく設定されている。なお、対戦プレイヤのゲーム空間の配置を、プレイヤが設定できても良い。このように、プレイヤを中心として、各プレイヤのゲーム空間が配置されるため、プレイヤにとって、各プレイヤのゲームの進行状況を把握することが容易となる。
図7(a)の説明に戻る。ゲーム画面42には、各プレイヤに対応するゲーム空間と、操作対象オブジェクトBLK〜BLK4、目標オブジェクトTRG、状況オブジェクト13、タイム14、アイテム15が表示されている。操作対象オブジェクトの符号における数字は、それぞれ、配置図50におけるプレイヤのゲーム空間の数字と対応している。例えば、player1に対応するゲーム空間P1には、操作対象オブジェクトBLK1が、player2に対応するゲーム空間P2には、操作対象オブジェクトBLK2が表示されている。なお、他プレイヤに対応するゲーム画面に表示される情報は、部分的に非表示に設定されてもよい。例えば、他プレイヤに対応するゲーム画面では、他プレイヤのゲーム進行状況を示さないオブジェクトを非表示としてもよい。具体的には、図に示すように、他プレイヤに対応するゲーム空間において、他プレイヤの操作オブジェクトBLK1〜BLK4は表示され、他プレイヤの目標オブジェクトTRGは非表示となっている。また、目標オブジェクトTRGは、プレイヤのゲーム空間Pにのみ表示され、他プレイヤに対応するゲーム空間には表示されない。このようにすることで、プレイヤが目標オブジェクトを見間違えたりすることがなく、また、ゲーム画面が込み合ってプレイし難くなるという事がない。すなわち、プレイヤに対して、他プレイヤとの対戦している緊迫感、臨場感を損なわせずに、プレイヤのゲームの操作性/視認性を維持することができる。
ゲームのルールは、図4を用いて説明したものと同様である。各プレイヤは、各プレイヤのゲーム画面において中心に表示された自分のゲーム空間において、3次元の操作対象オブジェクトBLKの表示形状と3次元の目標オブジェクトTRGの表示形状とを一致させることを目指す。表示処理部132は、プレイヤのゲーム空間に操作対象オブジェクトBLKと目標オブジェクトTRGとを表示させる表示情報を出力する。なお、表示される操作対象オブジェクトBLKと目標オブジェクトTRGとの間には所定の関係が成立すること(例えば、双方の形状が一致、形状は異なるが嵌合可能、一方が他方の形状を含んでおり、一方に含まれる他方の表示形状と他方の表示形状とが一致等)が、記憶部120に格納されている。入力受付部150は、プレイヤによる操作入力(画面上のフリック操作やタッチ操作)を検出し、接触位置の座標情報を情報処理部131に出力する。情報処理部131は、入力受付部150から出力された座標情報の軌跡、すなわちフリック操作の方向を求め、表示処理部132に伝達する。表示処理部132は、フリック操作の方向に応じて、操作対象オブジェクトBLKの表示姿勢を更新させて表示する表示情報を出力する。進行部133は、更新された操作対象オブジェクトBLKの表示姿勢における形状(表示形状)と目標オブジェクトTRGの表示形状との間に、記憶部120に格納されている所定の関係が成立するか否かを判定し、成立すると判定された場合、ゲームを次のステージに進行させる。また、進行部133は、プレイヤによるゲームの進行状況に関する情報を出力する。
送信部112は、プレイヤによるゲームの進行状況を、サーバ200や他プレイヤの携帯端末100B,100Cに送信する。ゲームの進行状況には、プレイヤがどのステージをプレイしているか、操作対象オブジェクトBLKに対してどのような操作が行われたか等についての情報が含まれる。また、受信部111は、他プレイヤのゲームの進行状況を受信する。表示処理部132は、他プレイヤのゲームの進行状況に応じて、他プレイヤに対応するゲーム空間P1〜P4を更新させた表示情報を出力する。すなわち、他プレイヤに対応するゲーム空間における操作対象オブジェクトBLK1〜4の表示位置や姿勢を更新させる表示情報を出力する。
例えば、図7(a)の例において、player1に対応する他プレイヤが、自身の携帯端末の入力受付部においてスワイプ操作し、操作対象オブジェクトの表示姿勢が変更された場合について説明する。受信部111はplayer1に対応する他プレイヤによる操作入力情報を受信し、表示処理部132は、player1に対応するゲーム空間に表示された操作対象オブジェクトの姿勢を更新させる表示情報を出力する。また、player1に対応する他プレイヤが、自身の携帯端末におけるゲームの進行においてあるステージをクリアした場合、player1に対応する他プレイヤの携帯端末の送信部から、ステージクリアに関する情報が送信される。表示処理部132は、受信部111によってステージクリアに関する情報を受信すると、player1に対応するゲーム空間において、操作対象オブジェクトBLK1の位置を次のゲームステージに進ませる表示情報を出力する。プレイヤの表示部140に表示されたゲーム画面42では、表示処理部132により出力された表示情報に従い、player1に対応するゲーム空間P1が更新される。上述の処理は、他のプレイヤplayer2〜player4に対応するゲーム空間P2〜P4においても同様に行われる。
このように、本発明の一実施態様によれば、複数のプレイヤと対戦ゲームを行う際に、プレイヤのゲーム空間をプレイヤのゲーム画面の中心として、対戦プレイヤのゲーム空間がプレイヤのゲーム空間の周囲(上下左右)に表示される。その際、どのプレイヤに対しても、自身のゲーム空間に対して、他プレイヤに対応するゲーム空間が、プレイヤから視認しやすい領域に再配置される。また、マルチプレイの際のゲーム空間の表示は、シングルプレイの際のゲーム空間の表示と比較して画角を大きくしているため、プレイヤ及び対戦プレイヤのゲーム空間を全て表示することができる。従って、パズルゲームにおけるマルチプレイでも、プレイヤに、対戦プレイヤのゲームの進行状況の視認性を高めることができ、緊迫感の溢れる高い興趣性のパズルゲームを提供することができる。
なお、表示処理部132は、図7(a)に示す各プレイヤに対応するゲーム空間におけるゲームステージの境界面が、それぞれ異なる態様で表示される表示情報を出力する。例えば、プレイヤのゲーム空間「P」の境界面は「白」、ゲーム空間「P1」の境界面は「ピンク」、ゲーム空間「P2」の境界面は「黄色」、ゲーム空間「P3」の境界面は「青」、ゲーム空間「P4」の境界面は「緑色」で表示させる表示情報が、表示処理部132によって出力される。なお、境界面だけでなく、各ゲーム空間全体の色彩を、ある程度の透明度を持たせて異ならせても良い。なお、各プレイヤに対応するゲーム空間の表示態様は、上述した色彩のみならず、例えば、プレイヤのゲーム空間「P」以外のゲーム空間の透明度を低くしたり、各ゲーム空間の壁面の模様を異ならせたりしてもよい。なお、これらの色彩や透明度と言った条件は、記憶部120に格納され、表示処理部132が、記憶部120に格納された条件に基づいた表示情報を出力する。
このように、本発明の一実施態様によれば、各ゲーム空間が異なる態様で表示される。従って、対戦プレイヤのゲーム空間とプレイヤのゲーム空間とを一見して識別することができ、プレイヤを混乱させず、取り組みやすいゲームを提供することができる。
図7の説明に戻る。図7(a)に示すように、ゲーム画面42には、状況オブジェクト13が表示される。状況オブジェクト13は、各プレイヤのゲームの進行状況に応じて更新されるオブジェクトであり、対戦プレイヤやプレイヤがどのゲームステージにあるかを示すオブジェクトである。状況オブジェクト13は、各プレイヤ毎に異なる態様で表示される。例えば、各プレイヤplayer1〜player4が上述のように色彩を異ならせて区別されている場合、状況オブジェクト13は、各プレイヤに対応する色彩を有する記号(図の場合、正方形)が表示される位置で、各プレイヤの相対位置(どのゲームステージにあるか)を示すオブジェクトである。これは、上述のように各プレイヤの携帯端末から送信されたゲームの進行状況に含まれるゲームステージ情報を受信部111で受信し、表示処理部132が、受信したゲームステージ情報に応じて状況オブジェクト13を更新する表示情報を出力することで実現できる。なお、状況オブジェクト13の記号は、各プレイヤで異ならせてもよい。ただ、各ゲーム空間の表示態様と対応させること(色彩や模様、透明度を各プレイヤで統一すること)によって、どのプレイヤがどの位置にいるかをプレイヤに認識し易くすることができ、好ましい。
また、図7(a)のゲーム画面42には、プレイヤのタイム14が表示される。本発明の一実施態様による対戦ゲームは、複数のゲームステージを全てクリアするタイムで競われる。図2において図示しないカウンタが、進行部133によってゲームが開始されてからのタイムを計上し、表示処理部132によってタイムを表示するための表示情報が出力される。
また、プレイヤは、ゲームを進行させる上でアイテムを用いることができ、プレイヤが使用可能なアイテムが、アイテム15として表示される。プレイヤからアイテムの使用要求を受け付けた場合、ステージの構成を変更させることによって、ステージの難易度を変更可能に設定してもよい。例えば、進行部133は、プレイヤからアイテムの使用要求を受信した場合、プレイヤに指定されたアイテムの種別を判定し、判定されたアイテムの種別に応じて、ステージの構成を変更する。また、アイテムの種別としてはとしては、プレイヤのゲームの難易度を下げるもの、対戦プレイヤのゲームの難易度を上げるもの、対戦プレイヤのゲームを妨害するもの等がある。具体的には、目標オブジェクトや操作対象オブジェクトの形状を簡素な形状に変更することにより、プレイヤのゲームの難易度を下げることができる。また、それらオブジェクトを複雑な形状に変更することにより、プレイヤのゲームの難易度を上げることができる。その他、ステージの表示態様、ゲームスピード、ステージ数などを変更することによって、プレイヤのゲームの難易度を変更可能とすることができる。記憶部120には、アイテムに関するアイテム情報(画像や効果等)が格納されており、入力受付部150においてアイテムが選択されたことを検出すると、進行部133は、記憶部120に格納されたアイテム情報に基づく効果を発生させる。
次に、ゲームの進行に応じて、各プレイヤの表示画面がどのように変化するかを、図を用いて説明する。分かり易くするため、3人でマルチプレイを行う場合について説明する。図9(a)は、3人でマルチプレイを行う場合の一のプレイヤのゲーム画面である。図9(a)、(b)に示すように、3人の場合は、ゲーム空間は「P」「P1」「P2」として設定される。ゲーム画面43には、プレイヤの目標オブジェクトTRG、各プレイヤの操作対象オブジェクトBLK〜BLK2、状況オブジェクト13、タイム14が表示されている。各プレイヤのゲーム条件は同じであるため、ゲーム開始時には、各ゲーム空間に表示される操作対象オブジェクトBLK〜BLK2は同じ形状である。図9(a)に示すように、ゲーム画面43では、ゲーム空間「P2」に対応するプレイヤによるゲームの進行状況に応じて、操作対象オブジェクトBLK2の表示形状が変化していることがわかる。また、ゲーム画面43において、状況オブジェクト13は、各プレイヤに対応するオブジェクトPT,PT1,PT2が同じ位置に重なって表示されている。この状況オブジェクト13の表示からわかるように、各プレイヤは同じゲームステージにある。
図9(b)は、図9(a)の状況から時間が経過した際のゲーム画面である。上述したように、本発明の一実施態様によるゲームでは、奥行き方向にゲームが進行する。図9(b)に示すゲーム画面44における状況オブジェクト13から分かるように、ゲーム空間「P2」に対応する他プレイヤは、プレイヤ(ゲーム空間「P」に対応する)のゲームステージよりも奥行き方向の先のステージに進んでいる。それに伴い、BLK2は、先のステージに対応する位置に表示される。その際に、プレイヤ間のゲームの進行状況の差が、所定の値を超えた場合、他のプレイヤの操作対象オブジェクトを非表示としてもよい。例えば、ゲーム空間「P2」に対応する他プレイヤが、プレイヤに対して所定のステージ数以上先のステージに進んでいた場合、ゲーム空間「P2」に対応する他プレイヤに対応する操作対象オブジェクトBLK2を、非表示としてもよい。また、ゲーム空間「P1」に対応するプレイヤは、状況オブジェクト13から分かるように、プレイヤよりもゲームの進行状況がやや遅れている。従って、ゲーム空間「P1」において、操作対象オブジェクトBLK1は、ゲーム空間「P」の操作対象オブジェクトBLKよりも手前(操作面側)にあるように表示されている。上述の表示は、各プレイヤの携帯端末から送信されたゲームの進行状況に基づき、プレイヤの携帯端末における表示処理部132によって表示情報が出力されることで実現される。
なお、図9(b)に示すタイミングにおけるゲーム画面が、プレイヤ(ゲーム空間「P」に対応し、ここでは「プレイヤP」と称する)にとってゲーム空間「P1」に対応する他プレイヤ(ここでは、「他プレイヤP1」と称する)のゲーム画面においてどのように表示されるかを、図10を用いて説明する。図10(a)に示すゲーム画面44は、図9(b)に示すゲーム画面44と同一であり、説明を分かり易くするために再度掲載する。図10(b)に示すゲーム画面45は、ゲーム画面44と同じタイミングにおける、他プレイヤP1のゲーム画面である。ここで、図10(b)では、プレイヤPの操作対象オブジェクトをBLK、状況オブジェクトをPとし、他プレイヤP1の操作対象オブジェクトをBLK1′、状況オブジェクトをPT1′として説明する。図10(b)において、他プレイヤP1の操作対象オブジェクトBLK1′は、プレイヤPに対応するゲーム空間における操作対象オブジェクトBLKよりも手前に表示される。また、本実施例において、状況オブジェクト13は、ゲームの進行状況を示すゲームの奥行き方向の距離に対応した態様で表示される。例えば、状況オブジェクト13は、インジケータのように表示され、ゲームの開始位置をインジケータの左端、ゲームの終了位置をインジケータの右端に対応させてもよい。その場合、インジケータ上に表示される各プレイヤに対応する記号の位置によって、各プレイヤのゲームの進行状況が示される。図10(b)に示す状況では、状況オブジェクト13から、記号PT1′に対応する他プレイヤP1のゲームの進行状況が最も遅れており、記号PT2に対応する他プレイヤP2のゲームの進行状況がやや進んだ状況にあることが分かる。
このように、本発明の一実施態様によれば、各プレイヤのゲーム画面における他プレイヤのゲーム空間では、プレイヤによるゲームの進行状況と他プレイヤによるゲームの進行状況との関係に応じた位置に、他プレイヤの操作対象オブジェクトが表示される。従って、プレイヤは、対戦プレイヤの位置(ゲームステージ)を視覚的にすぐ把握することができ、プレイヤに、より緊迫感の高いゲームを提供することが可能となる。また、本発明の一実施態様によれば、他プレイヤによるゲームの進行状況に応じて、他プレイヤに対応するゲーム空間に表示される操作対象オブジェクトの表示形状が回転したり、操作対象オブジェクトの表示位置が、ゲーム画面の奥行き方向に移動したりする。すなわち、他プレイヤの操作に応じたゲームの進行状況が、プレイヤに対して視認可能に表示される。これにより他プレイヤの操作を意識させつつ、さらに、プレイヤのゲーム空間がゲーム画面の中心に表示されることで、プレイヤに自らのプレイに集中するゲーム環境を与え、より興趣性の高いゲームを提供することができる。
次に、本発明の一実施態様によるゲームの制御方法について、フローチャートを用いて説明する。図11は、上述の処理の一例を示すフローチャートである。なお、携帯端末100Aは、通信部110によってネットワーク300を介してサーバ200との通信を行い、ゲームに関する情報(ゲームを携帯端末100で開始するために必要なデータ)をサーバ200から取得し、インストールしているものとする。インストールされる情報には、各オブジェクトに関する情報や、上述した所定の条件や処理等の情報が含まれる。インストールされた情報は、記憶部120に記憶される。なお、ゲームを開始するのに必要な情報は、サーバ200から取得する事に限られず、半導体メモリ等の記録媒体に記憶しておき、携帯端末100Aに記録媒体を接続してデータを読み込ませることによってもインストールすることができる。
まず、携帯端末100Aの入力受付部150が、対戦ゲームへの参加要求を受け付ける(ステップS11)。参加要求は、送信部111からサーバ200又は、ホストとして機能する他の携帯端末に送信される。その後、サーバ200が、携帯端末100Aのプレイヤと対戦する他プレイヤを決定する。決定された対戦プレイヤに関する情報(他プレイヤ情報)はサーバ200から送信され、携帯端末100Aの受信部111で受信される(ステップS12)。進行部133は、参加要求が送信されてから一定時間経過したか否か、入力受付部150によってプレイヤから対戦ゲームの開始要求が受け付けられたか否か、又は、プレイヤが含まれる対戦グループに含まれる他プレイヤによって、対戦ゲームの開始要求が送信されたか否かといったゲームの開始条件が成立するか否かを判定して、対戦ゲームを開始するか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13にて対戦ゲームを開始しないと判定された場合は、ステップS12に戻り、他プレイヤ情報の受信を継続する。ステップS13にて対戦ゲームを開始すると判定された場合は、配置部134が、他プレイヤ情報に基づいて、プレイヤのゲーム空間に対する他プレイヤに対応するゲーム空間の配置を決定する。そして、表示処理部132が、他プレイヤに対応するゲーム空間とプレイヤのゲーム空間とを表示させる表示情報を出力する(ステップS14)。
入力受付部150は、プレイヤの操作入力を受け付け、進行部133は、プレイヤによる操作に応じてゲームを進行させる。すなわち、入力受付部150で検出された接触位置に基づき、表示処理部132は、操作対象オブジェクトBLKの姿勢を更新させる表示情報を出力する。進行部133は、目標オブジェクトTRGの表示形状と、操作対象オブジェクトBLKの表示形状との間に、双方が一致するといった所定の条件が成立するか否かを判定し、所定の条件が成立する場合は、次のゲームステージへとゲームを進行させる。上述のようなゲームの進行状況は、送信部112から、サーバ200又はホストとして機能する他の携帯端末に送信される(ステップS15)。また、受信部111は、他プレイヤによるゲームの進行状況(ゲームステージや操作対象オブジェクトに対して行われた操作)を受信する(ステップS16)。表示処理部132は、プレイヤ及び他プレイヤによるゲームの進行状況に応じて、各ゲーム空間の表示を更新させる表示情報を出力する(ステップS17)。すなわち、各ゲーム空間における操作対象オブジェクトの表示形状、表示位置を更新させ、状況オブジェクトの表示も更新される。その後、進行部133は、ゲームクリアやゲームリタイアといったゲームの終了条件が全てのプレイヤに対して成立したか否かを判定する(ステップS18)。ゲームが終了していない場合は、ステップS15へ戻り、ゲームが進行される。進行部133は、ゲームの終了条件が成立すると判定された場合は対戦ゲームを終了させる。その後、各プレイヤがゲームをクリアするのに要したタイムは、記憶部120に格納される。比較部135は、対戦を行ったプレイヤ間でタイムを比較し、プレイヤ間の順位を求める。なお、記憶部120には、図6に示したテーブルに、対戦ゲームを行った全プレイヤのタイムが記憶され、ランキング化されても良い。
本発明による効果を再度述べる。本発明の一実施態様によれば、複数のプレイヤと対戦ゲームを行う際に、プレイヤのゲーム空間をプレイヤのゲーム画面の中心を含む領域として、対戦プレイヤのゲーム空間がプレイヤのゲーム空間の周囲(上下左右)の領域に表示される。また、マルチプレイの際のゲーム空間の表示は、シングルプレイの際のゲーム空間の表示と比較して画角を大きくしているため、プレイヤ及び対戦プレイヤのゲーム空間を全て表示することができる。従って、パズルゲームにおけるマルチプレイでも、プレイヤに、対戦プレイヤのゲームの進行状況を一目で把握させることができ、緊迫感の溢れる高い興趣性のパズルゲームを提供することができる。
さらに、本発明の一実施態様によれば、各ゲーム空間が異なる態様で表示される。従って、対戦プレイヤのゲーム空間とプレイヤのゲーム空間とを一見して識別することができ、プレイヤを混乱させず、取り組みやすいゲームを提供することができる。
さらに、本発明の一実施態様によれば、各プレイヤのゲーム画面における他プレイヤのゲーム空間では、プレイヤによるゲームの進行状況と他プレイヤによるゲームの進行状況との関係に応じた位置に、他プレイヤの操作対象オブジェクトが表示される。従って、プレイヤは、対戦プレイヤの位置(ゲームステージ)を視覚的にすぐ把握することができ、プレイヤに、より緊迫感の高いゲームを提供することが可能となる。
また、本発明の一実施態様によれば、他プレイヤによるゲームの進行状況に応じて、他プレイヤに対応するゲーム空間に表示される操作対象オブジェクトの表示形状が変化(回転したり、加速したり)する。従って、プレイヤに他プレイヤのプレッシャーを感じさせつつ、自らのプレイに集中する必要性を与え、より興趣性の高いゲームを提供することができる。
上述のように本発明の一実施態様を説明したが、本発明はこれに限られないことは言うまでもない。例えば上述では、プレイヤがアイテムを用いる場合について説明したが、プレイヤがアイテムを含む様々な特定のゲーム媒体を使用することで、自身のゲームを優位に進めることが可能になってもよい。そして、プレイヤが使用するゲーム媒体の種類に応じて、目標オブジェクトの形状が簡素なものに変更されたり、ヒントとなる情報が表示されてもよい。なお、ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ及びアバタ等を含む。また、ゲーム媒体は、ゲームの進行に応じ、プレイヤによって取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、及び/又は贈与等され得る。
また、上述では、プレイヤ情報に基づいて対戦プレイヤのゲーム画面の配置領域を設定する一例として、参加要求を送信した順、すなわちマルチプレイへの参加順に、プレイヤのゲーム画面の表示位置が設定される場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。例えば、対戦プレイヤとして決定されたプレイヤのプレイヤ情報に含まれるプレイヤ端末の位置情報を比較し、比較したプレイヤ間の距離に応じて各プレイヤのゲーム画面の配置領域を決定してもよい。ここで、プレイヤ間の距離が近い距離にいるプレイヤ同士を、優先的にプレイヤのゲーム画面の左右の領域に配置させてもよい。また、他プレイヤに対応するゲーム空間の大きさは、上述のように全ての他プレイヤについて同じ大きさでなくてもよく、以下に説明するように、他プレイヤの優先度に応じて大きさが異なっても良い。
すなわち、他プレイヤに対応するゲーム空間の配置領域を設定する際に、所定の優先度が用いられても良い。この優先度は、対戦プレイヤとして決定された他プレイヤのプレイヤ情報に含まれる、上述した位置情報、ゲーム環境、SNS(Social Network Service)や他のゲームにおけるフレンド関係に関する情報に基づいて決定される。ここで、ゲーム環境とは、プレイヤがゲームを実行する際のゲームの実行処理、並びに、表示処理に関するパラメータにより示され、例えば、プレイヤ端末の通信速度、処理速度、画面サイズなどを表す。比較部135は、受信したプレイヤ情報に含まれる上記のような情報に基づいて、他プレイヤに優先度を付与する。例えば、フレンド関係にある他プレイヤは、優先度が高く設定される。また、端末の通信速度や処理速度が低い端末の他プレイヤは、優先度が低く設定される。なお、これらの、プレイヤに対する各他プレイヤの優先度の情報は、記憶部120に記憶されてもよい。配置部134は、受信したプレイヤ情報に基づいて付与された優先度や、記憶部120に記憶された情報に応じて、各他プレイヤに対応するゲーム空間の配置領域を設定する。例えば、優先度の高い他プレイヤに対応するゲーム空間は、プレイヤのゲーム空間の左右隣りに優先的に配置されてもよい。また、優先度の高い他プレイヤに対応するゲーム空間を、優先度の低い他プレイヤに対応するゲーム空間よりも大きくして表示するように設定し、配置してもよい。又は、優先度に対するゲーム空間の配置領域(大きさや、表示位置)の少なくとも一方を、プレイヤによって設定可能としてもよい。
上述の構成とすることにより、マルチプレイ時のゲーム画面の態様(例えば、各プレイヤのゲーム空間の大きさ、表示位置、ゲーム画面内の割合、色彩、模様、形状、透明度、表示される情報量、表示されるオブジェクトの種類等の少なくとも一つ)がプレイヤ情報に基づいて変更される。従って、プレイヤに、対戦による緊迫感を与えつつ、よりゲームに集中する環境を与えることができる。例えば、フレンド関係にある他プレイヤに対応するゲーム空間がより大きく、プレイヤが視認し易い位置に表示されるため、プレイヤに、ゲームへの興味や意欲を維持させることができる。また、処理能力の低い端末の他プレイヤに対応するゲーム空間がより小さく、プレイヤの視認し難い位置(例えば、プレイヤのゲーム空間に対して上の位置)に表示される。従って、マルチプレイ時のゲームの実行の障害となる通信障害や処理速度の不足などで、他プレイヤに対応するゲーム空間の更新が留まり緊迫感が薄れてしまう、という影響を、低減することができる。
なお、プレイヤの優先度は、プレイヤ情報に含まれるプレイヤのゲームに関する記録、例えば、プレイヤ間の関係、プレイヤの戦績等に応じて設定されてもよい。例えば、勝率がプレイヤに近い他プレイヤに対応するゲーム空間が、プレイヤのゲーム空間の左右隣りに配置されたり、大きく表示されてもよい。このように、マルチプレイ時における他プレイヤの情報がゲーム画面の態様として現されるため、他プレイヤの情報を直感的に知覚することができ、対戦における緊迫感を増すことができる。
なお、ゲーム空間の配置領域に対して優先度が用いられる態様を説明したが、他プレイヤに対応されるゲーム画面に表示される各情報について、優先度が設定されてもよい。例えば、他プレイヤの進行状況を示すオブジェクトについては優先度を高く、進行状況を示さないオブジェクトについては優先度を低くしてもよい。そして、表示処理部132が、各情報に設定された優先度と、各プレイヤのゲーム環境に応じて、他プレイヤに対応するゲーム画面に表示される情報の表示、非表示を切り替えてもよい。すなわち、プレイヤと他プレイヤの少なくともいずれかのゲーム環境に応じて、所定の優先度以上の情報を表示し、優先度以下の情報を非表示として設定してもよい。例えば、状況オブジェクト13の優先度は高くし、他プレイヤの操作対象オブジェクトの優先度を低くしてもよい。以上の構成により、優先度の高いオブジェクトの表示が優先され、マルチプレイ時のゲームの実行の障害となる通信障害や、処理速度の不足などによりプレイヤに対応するゲーム空間の更新が留まる場合が発生しても、ゲームの実行に与える影響を低減することができる。
なお、対戦プレイヤとして決定される他プレイヤは、参加要求を送信した順でなくともよい。例えば、プレイヤが、対戦プレイヤのレベルを設定できても良いし、対戦プレイヤを例えばIDなどで指定して、対戦を挑めるようにしても良い。また、プレイヤ自身とSNSや他のゲームにおいてフレンド関係にある他プレイヤとしてもよい。これらは例えば、サーバ200の記憶部に各プレイヤのID、戦績等の情報を格納しておき、その情報に基づき対戦プレイヤを決定すればよい。このようにすることで、プレイヤが取り組みやすいゲームを提供することができる。
なお、制御部130に図示しないメッセージ作成部を設け、通信部110を介して他プレイヤとメッセージのやり取りが行える構成にしてもよい。これにより、プレイヤ間の交流を活発化させ、より興趣性の高いゲームをプレイヤに提供することができる。
なお、マルチプレイへの参加要求を送信したが、対戦プレイヤが決定される前にプレイヤにより開始ボタンが選択された場合、プレイヤ単独でのマルチプレイモードが実行できても良い。この場合、プレイヤのゲーム画面中心を含む領域にプレイヤのゲーム空間が表示されるのみで、他のゲーム空間は表示されない。
また、プレイヤの視認性を確保するため、プレイヤのゲーム空間と他プレイヤのゲーム空間の大きさは等しくなくともよい。例えば、図7(b)を参照して、プレイヤと他プレイヤとの2人で対戦プレイする場合を例に説明する。2人で対戦する場合、図7(b)のゲーム空間の配置において、プレイヤのゲーム空間は、プレイヤのゲーム画面の中心を含む領域「P」と、その周囲の領域「P2」「P3」「P4」とを含む領域に配置され、他プレイヤに対応するゲーム空間は、領域「P1」を含む領域に配置されてもよい。このように、プレイヤのゲーム空間はゲーム画面の中心を含む領域に配置されるため、プレイヤに対して視認性が高く、取り組みやすいゲームを提供することができる。
さらに、上述ではゲーム空間が直方体の場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば円筒状のゲーム空間が存在してもよい。これにより、ゲームステージの多様性が生じ、プレイヤを飽きさせないゲームを提供する事が出来る。
また、上述では、ゲームの内容として、3次元形状のオブジェクト間に、表示形状の一致といった所定の条件を成立させるゲームについて説明した。しかしながら、ゲームとしてはこれに限られるものではなく、例えば、計算式を表示して回答を入力させたり、なぞなぞのような言葉遊びに関するゲームを、上述のようなゲーム空間にて行わせるものでもよい。
なお、上述の対戦ゲームの場合、サーバ200を介さず、携帯端末100Aと対戦プレイヤの携帯端末とが通信可能に接続され(いわゆるピア・ツー・ピア通信)、互いに同期を取り合って、ゲームをマルチプレイすることができてもよい。
また、上述では、本発明の一態様に係るコンピュータが携帯端末(クライアント装置)として機能し、本発明の一態様に係るゲームプログラムが、いわゆるネイティブアプリケーション(ネイティブゲーム)として、当該携帯端末において実行される構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の一態様に係るコンピュータがサーバとして機能し、本発明の一態様に係るゲームプログラムが、いわゆるウェブアプリケーション(ウェブゲーム)として、ゲームプログラムの一部または全部がサーバにおいて実行され、実行された処理の結果が携帯端末に返される構成としてもよい。また、上述の実施形態において、携帯端末100Aは、ネットワーク300を介してサーバ200と接続されて、ゲームの進行に応じて変化する情報をダウンロードする。しかし、上述のゲームはそのような情報等を含んでネイティブアプリとして携帯端末100にインストールされて、インストールされた後はサーバ200と通信することなくゲームを進行してもよい。つまり、すべての処理に必要な情報をダウンロードして、携帯端末100A(クライアント装置)側がすべての処理を実行してもよい。
なお、ウェブブラウザを介してゲームの結果を表示させる場合、携帯端末100Aは、例えば、ウェブブラウザに搭載された所定の記憶領域(ウェブストレージ)に、サーバ200から受信した情報を蓄積することができる。
このように、携帯端末100Aが備えるとして説明した各部(特に、制御部130)の一部または全部をサーバ200が備え、サーバ200は、携帯端末100Aに与えられた入力に基づいて、ゲームの出力結果を携帯端末100Aに送信する構成とすることができる。これにより、サーバ200は、携帯端末100Aが機能を提供する場合に携帯端末100Aが奏する効果と同じ効果を奏する。
なお、ゲームの進行画面を、サーバ200が生成したデータに基づいて携帯端末100Aに表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面等を、携帯端末100Aにインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とする等、本発明に係るゲームは、サーバ200および携帯端末100Aのそれぞれが処理の一部を担う、ハイブリッドゲームとすることもできる。
また、上述の制御方法は、フローチャートを参照して説明した処理だけでなく、制御部130に含まれる各部において実行される処理を任意に含んでもよい。
また、上述では、本発明の一実施態様に係るゲームプログラムで実現されるゲームとして、単体のゲームとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、本発明によるゲームプログラムは、例えば、他の対戦ゲームやRPG(Role-Playing Game)、ランゲーム、タワーディフェンスゲームにおけるクエストの一つとしてもよい。
また、携帯端末100Aはスマートフォンに限るものでない。携帯端末は、上記実施の形態において記載した機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよく、たとえば、携帯電話、PC(Personal Computer)、タブレット端末等であってもよい。
また、携帯端末100A〜100Cおよびサーバ200の制御部は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、携帯端末100A〜100Cおよびサーバ200は、各機能を実現するソフトウェアであるゲームプログラムの命令を実行するCPU、上記ゲームプログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記ゲームプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記ゲームプログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。また、上記ゲームプログラムは、当該ゲームプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記ゲームプログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
具体的には、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムは、コンピュータ(携帯端末100A)に、表示処理機能、操作入力機能、送信機能、受信機能、進行機能及び記憶機能を実現させる。上記表示処理機能、操作入力機能、送信機能、受信機能、進行機能及び記憶機能は、上述した表示処理部132、入力受付部(操作入力部)150、送信部112、受信部111、進行部133及び記憶部120によってそれぞれ実現され得る。詳細については上述した通りである。
なお、上記ゲームプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)等のオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5等のマークアップ言語等を用いて実装できる。また、上記ゲームプログラムによって実現される各機能を実現する各構成部を備えた情報処理端末(例えば、携帯端末100)と、上記各機能とは異なる残りの機能を実現する各構成部を備えたサーバとを含むゲームシステムも、本発明の範疇に入る。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。