JP6269782B2 - 光ファイバ - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバに関するものである。
光通信システムにおいては光信号雑音比(OSNR: OpticalSignal-to-Noise Ratio)の向上が求められている。特にデジタルコヒーレント受信方式を利用した通信方式においてはOSNRの向上は重要である。OSNRを向上することによって、伝送信号を大容量化したり、光通信システムの伝送距離を長くしたり、中継器間の間隔を長くしたりすることが可能になり、光通信システムを高性能化することができる。
OSNRの向上には、光伝送路として用いられる光ファイバの非線形性の低減と光伝送路での伝送損失の低減とが重要である。光ファイバ中で発生する非線形性を低減するには、光ファイバの実効断面積Aeffを大きくし、光ファイバの波長分散の絶対値を大きくすれば良い。このような波長分散の絶対値が大きく実効断面積Aeffが拡大された非分散シフト光ファイバが知られている(例えば特許文献1,2,7)。
国際公開第00/062106号 特開2005−202440号公報 米国特許第6421489号明細書 米国特許第6687441号明細書 米国特許第7929818号明細書 米国特許第7555187号明細書 国際公開第2011/066063号
V. Curri,et al., IEEE Photon. Technol. Lett., vol.22, No.19,pp.1446-1448, 2010.
しかしながら、実効断面積Aeffが拡大された非分散シフト光ファイバは、既に光伝送路として敷設されていたり伝送機器に使用されたりしている波長1.55μm帯で実効断面積Aeffが80μm程度のITU-T G.652シリーズである通常のシングルモードファイバ(SSMF)、ITU−TG.653シリーズである実効断面積Aeffが50〜80μmの分散シフトファイバ(DSF)およびITU−TG.655、G.656シリーズであるノンゼロ分散シフトファイバ(NZ-DSF)との接続損失が大きくなってしまい、結果としてOSNRを低くしてしまう場合があるという課題があった。なお、ITU-T G.652シリーズである通常の光ファイバとは、ケーブルカットオフ波長が波長1260nm以下であり、波長1310nmにおけるMFDの典型値が8.6〜9.5μmであり、ゼロ分散波長が1300〜1324nmであり、ゼロ分散波長における分散スロープが0.093ps/nm/km以下であるような光学特性を少なくとも有する。
特許文献3には、実効断面積Aeffが大きくモードフィールド径MFDが小さい光ファイバの例がTable-1に開示されている。しかし、この光ファイバは、零分散波長が1508〜1570nmという分散シフトファイバであることから、波長分散の絶対値が小さく、非線形現象が発生しやすい。また、この光ファイバは、曲げ損失(特にマイクロベンドロス)に弱くなると予測され、加えて、カットオフ波長が1857nm以上と非常に長いという問題がある。
特許文献4には、実効断面積Aeffが大きくモードフィールド径MFDが小さい光ファイバの例がTable-1に開示されている。しかし、この光ファイバは、零分散波長が1472〜1579nmという分散シフトファイバである。また、この光ファイバは、中心にボイドを含むことから、製造性が悪く、伝送損失が高いことも予測される。加えて、この光ファイバは、他の光ファイバとの融着接続の際にボイドが潰れて導波構造が変化することによって接続損失が大きくなることも容易に予想される。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、光通信システムの光伝送路として好適に用いられOSNRの向上が可能な光ファイバを提供することを目的とする。
本発明の光ファイバは、コア部およびクラッド部を有する光ファイバであって、前記コア部において屈折率が最小値Nとなる径方向位置をrとし、前記コア部において屈折率が最大値Nとなる径方向位置をrとし、前記コア部の半径をrとしたときに、r<r<rであり、前記コア部における屈折率の最小値Nに対する最大値Nの比屈折率差Δ12が0.05%以上0.2%以下であり、実効断面積をAeffとし、モードフィールド径をMFDとしたとき、波長1550nmにおいて、k=4Aeff/(πMFD)で示されるk値が1.08以上であり、波長分散が+19.0ps/nm/km以上+21.9ps/nm/km以下であり、モードフィールド径MFDが10.3μm以上である。
本発明の光ファイバは光通信システムの光伝送路として好適に用いられOSNRの向上が可能となる。
光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。 光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。 光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。 Δ12とk値との関係を示すグラフである。 R=r/rとk値との関係を示すグラフである。 光ファイバのモードフィールド径MFDと接続損失との関係を示すグラフである。 光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。 光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。 実施例1〜5の各光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。 実施例6〜10の各光ファイバの屈折率プロファイルを示す図である。 実施例1〜5の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。 実施例1〜5の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。 実施例1〜5の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。 実施例1〜5の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。 実施例6〜10の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。 実施例6〜10の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。 実施例6〜10の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。 実施例6〜10の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。 R=r/rとk値との関係を示すグラフである。 R=r/rとk値との関係を示すグラフである。 Aeff=135μmとなる際の、R=r/rとコア部の半径r、Δc2、波長1550nmにおけるMFDとの関係を纏めた図表である。 Δdとk値との関係を示すグラフである。 ΔdとRとの関係を示すグラフである。
本発明の光ファイバは、コア部およびクラッド部を有する光ファイバであって、前記コア部において屈折率が最小値Nとなる径方向位置をrとし、前記コア部において屈折率が最大値Nとなる径方向位置をrとし、前記コア部の半径をrとしたときに、r<r<rであり、前記コア部における屈折率の最小値Nに対する最大値Nの比屈折率差Δ12が0.05%以上0.2%以下であり、実効断面積をAeffとし、モードフィールド径をMFDとしたとき、波長1550nmにおいて、k=4Aeff/(πMFD)で示されるk値が1.08以上であり、波長分散が+19.0ps/nm/km以上+21.9ps/nm/km以下であり、モードフィールド径MFDが10.3μm以上である。
本発明の光ファイバでは、波長1550nmにおける実効断面積Aeffが100μm以上であるのが好適である。波長1550nmにおける伝送損失が0.19dB/km以下であるのが好適である。前記コア部は、平均濃度1000原子ppm以上のハロゲン元素が添加され、ドーパントとしての典型金属元素や遷移金属元素の平均濃度が0.01原子ppm以下である石英系ガラスからなるのが好適である。前記コア部は、平均濃度0.01〜50原子ppmのアルカリ金属元素が添加されていのが好適である。
本発明の光ファイバでは、通常のシングルモード光ファイバとの接続損失が波長1550nmにおいて接続一箇所あたり0.4dB以下であるのが好適である。直径220mmのマンドレルの周上に巻き付け張力0.4N以上で長さ10km以上を巻いたときの波長1550nmにおける伝送損失が0.19dB/km以下であるのが好適である。R=r/rが1.0を超え5.4以下であるのが好適である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態の光ファイバは、コア部およびクラッド部を有する光ファイバであって、実効断面積をAeffとし、モードフィールド径をMFDとしたとき、波長1550nmにおいて、k=4Aeff/(πMFD)で示されるk値が1.08以上であり、波長分散が+19.0ps/nm/km以上+21.9ps/nm/km以下であり、モードフィールド径MFDが10.3μm以上13.0μm以下である。
光ファイバ中で発生する非線形現象を小さくするよう実効断面積Aeffを例えば波長1550nmにおいて100μm以上に大きくした場合、同時にモードフィールド径MFDも大きくなるので、このような光ファイバとSSMF(Aeffは80μm程度)との接続損失が大きくなってしまう。接続損失の分だけ、光アンプや受光器に入射される光の強度が小さくなるので、光伝送システムのOSNRが劣化してしまうという問題がある。
そこで、光ファイバの実効断面積Aeffを大きくする一方でモードフィールド径MFDを比較的小さくすることにより、その光ファイバと他の光ファイバとの接続損失を低減することが可能である。すなわち、k=4Aeff/(πMFD)の式で示されるk値を大きくすれば良い。k値が大きい場合、同一のモードフィールド径MFDであっても実効断面積Aeffを大きくすることが可能となる。
SSMFのコア構造は、中心部の屈折率が最も高いステップ形状や、α乗形状を有する。このSSMFのk値は一般的には1.0程度である。例えば、コア部の屈折率プロファイルがα=4程度で近似することのできるSSMFは、波長1550nmにおいて、実効断面積Aeffが85μmであり、モードフィールド径MFDが10.5程度であって、k値が0.982となる。これは非線形性を低減するために実効断面積Aeffが拡大された光ファイバでも同様であり、例えば、特許文献5に開示されているW型構造の光ファイバではk値は0.987〜1.047の範囲であり、また、特許文献6に開示されているトレンチ構造の光ファイバではk値は0.967〜1.011の範囲である。
したがって、k値を1.08以上に大きくすると、同じモードフィールド径MFDであっても、k値が0.982の光ファイバと比較した場合に実効断面積Aeffを10%大きくすることが可能である。このことから、接続損失を小さく保ちつつ、光ファイバの非線形性を効率的に低減することが可能となる。k値は大きい方が好ましく、例えば1.10以上であると更に好ましい。
k値が大きい光ファイバを実現するために、光ファイバのコア部は以下のような屈折率プロファイルを有するのが好ましい。すなわち、図1に示されるように、コア部の中心軸からの径方向距離をrとして、コア部において屈折率が最小値Nとなる径方向位置をrとし、コア部において屈折率が最大値Nとなる径方向位置をrとし、コア部の半径をrとする。このとき、r<r<rである。また、R=r/rを1.0を超え5.4以下とし、コア部における屈折率の最小値Nに対する最大値Nの比屈折率差Δ12を0.05%〜0.2%とする。
ここで、図2に示されるように、コア部の外径rは、径方向位置rにおける屈折率をNとしたときに100×(N−N)/Nが0.15%であるような位置である。また、最小屈折率Nに対する最大屈折率Nの比屈折率差Δ12は下記(1)式で表される。
Figure 0006269782
次に、光ファイバのk値および構造パラメータの範囲について説明する。ここでは、図3に示されるような屈折率プロファイルを有する光ファイバについて数値計算を行った。この数値計算では、光ファイバは、石英系ガラスからなり、コア部が中実であり、各部がステップ構造を有する。コア部は、中心軸を含み屈折率が低い第一のコア部と、第一のコア部の周囲に存在して屈折率が高い第二のコア部とからなる。以下の図4〜図5を用いた検討では、r=0とし、rは第一のコア部と第二のコア部の境界における値とした。
クラッド部は、コア部の外周に接し屈折率が低い第一のクラッド部(外半径rd1)と、第一のクラッド部の外部に存在して屈折率が高い第二のクラッド部とからなる。ここで、第一のクラッド部の屈折率を基準として、第二のコア部の比屈折率差をΔc2とし、第二のクラッド部の比屈折率差をΔd=0.04%とする。また、第一のクラッド部の外半径rd1とコア部の半径rとの比(rd1/r)を3.3とする。このような光ファイバをモデルにして数値計算を行った。
図4は、Δ12とk値との関係を示すグラフである。ここでは、Δc2=0.25%及び0.30%とし、R=r/r=2.0とし、また、ファイバカットオフ波長が1500nmとなるようにした。同図に示されるように、Δc2=0.25%では、Δ12が0.05%以上であればk値が1.08以上になるので好ましい。また、Δ12が0.07%以上であればk値が1.10以上になり、更にΔ12が0.11%以上であればk値が1.15以上になり、更に好ましい。Δc2=0.30%では、Δ12が0.05%以上であればk値が1.07以上になる。Δ12が0.07%以上であればk値が1.08以上になるので好ましい。Δ12が0.11%以上であればk値が1.12以上になり、更に好ましい。また、コア部において大きな屈折率分布が存在すると構造不整によって伝送損失が大きくなってしまうので、Δ12は0.2%以下であって、コア部の屈折率は第二のクラッド部の屈折率より高いことが望ましい。また、Δ12が0.2%以下であり、Δc2=0.25%の場合には、k値の最大値は1.29となる。
図5は、R=r/rとk値との関係を示すグラフである。ここでは、Δc2=0.25%及び0.30%とし、Δ12=0.20%とし、また、ファイバカットオフ波長が1500nmとなるようにした。同図に示されるように、Δc2=0.25%では、Rが5.4以下であればk値が1.08以上になるので好ましい。また、Rが4.4以下であればk値が1.10以上になり、更にRが3.2以下であればk値が1.15以上になり、更に好ましい。Δc2=0.30%では、Rが5.4以下であればk値が1.07以上になる。また、Rが4.4以下であればk値が1.09以上になり好ましい。更にRが3.2以下であればk値が1.13以上になり、更に好ましい。
図19は、R=r/rとk値との関係を示すグラフである。ここでは、Δ12=0.20%とし、また、Δd=0.10%とし、rd1/r=3.3とした際の、ファイバカットオフ波長が1500nm、波長1550nmにおけるAeffが135μmとなるようにΔc2を決めた。なお、R=1のときは、コア部は凹みのないステップ形状であることを意味する。同図の通り、R=r/rが1.3から4.0程度の範囲は、Rが1〜1.3および5.0以上の範囲と比較してk値が顕著に大きくなるため、特に好ましい。
図20は、R=r/rとk値との関係を示すグラフである。ここでは、Δ12=0.10%とし、また、Δd=0.10%とし、rd1/r=3.3とした際の、ファイバカットオフ波長が1500nm、波長1550nmにおけるAeffが135μmとなるようにΔc2を決めた。Δ12=0.20%である図19と比較すると、Δ12=0.10%である図20の場合にはk値は小さくなってしまう。しかし、図19の場合と同様にRが1.3から4.0程度の範囲においては、Rが1〜1.3および5.0以上の範囲と比較してk値が顕著に大きくなるため、最も好ましい。
また、Aeff=135μmとなる際の、R=r/rとコア部の半径r、Δc2、波長1550nmにおけるMFDとの関係を図21に表でまとめた。図21は、図19および図20のグラフを表にしたものである。
図19、図20に示したとおり、R=2付近でk値は極大値となるが、図3のような屈折率プロファイルである光ファイバにおいて、第一のクラッド部の屈折率を基準とした第二のクラッド部の比屈折率差Δdと、R=2の際のk値との関係を図22に示す。この時、rd1/r=3.5、Δ12は0.20%とし、ケーブルカットオフ波長が1500nm(ファイバカットオフ波長は1620nm程度)、波長1550nmにおけるAeffが143μmとなるようにした。図22の通り、いずれの場合でもk値は1.10以上である。また、Δdが0.05%程度以上であるような場合には、k値は1.20以上となり、特に好ましい。また、Δdが0.08%程度以上であればk値は1.24程度という非常に大きな値でほぼ一定となるため、非常に好ましい。
Rが2程度以上では、Rが大きいほど、k値は小さくなる。そこで、Δdと、k値が1.08、1.10、1.20となる際のR=r/rとの関係を図23に示す。ただし、R>2である。この時、図22の場合と同様に、rd1/r=3.5、Δ12は0.20%とし、ケーブルカットオフ波長が1500nm(ファイバカットオフ波長は1620nm程度)、波長1550nmにおけるAeffが143μmとなるようにした。図23からわかるように、Δdが低いほどk値が大きくなるRは小さくなる。例えば、Δd=0.04%の際には、Rが5.4以下の時にk値が1.08以上となり得る。また、Δdが0.05%以上の時には、Rが6以下であれば、k値が1.08以上となり得るため、好ましい。特に、Δdが0.05%以上の時には、Rが2以上3以下の範囲でk値が1.20以上となり得るため、更に好ましい。rd1/rは2.5〜4.0の範囲であれば、図22、図23に示したrd1/r=3.5の場合と伝送特性に大きな差異は無く、好ましい。
次に、光ファイバのモードフィールド径MFDの上限について説明する。第1の光ファイバのモードフィールド径MFDをWとし、第2の光ファイバのモードフィールド径MFDをWとして、これら第1の光ファイバと第2の光ファイバとを融着接続したときに、両光ファイバのモードフィールド径MFDの不整合に因り生じる接続損失は下記(2)式で見積もることができる。したがって、2本の光ファイバを互いに融着接続すると、両光ファイバのモードフィールド径MFDの差が大きいほど、接続損失が大きい。
Figure 0006269782
図6は、光ファイバのモードフィールド径MFDと接続損失との関係を示すグラフである。ここでは、第2の光ファイバは、モードフィールド径MFDが10.5μmであるSSMF(Aeff=85μm、k値=0.982)、および、モードフィールド径MFDが9.6μmであるNZDSF(Aeff=71μm、k値=0.981)とした。そして、第1の光ファイバのモードフィールド径MFDの各値について上記(2)式により接続損失を計算した。
接続損失は、低い方が好ましく、例えば0.4dB/facet以下であると良い。実際の接続では、上記(2)式で表されるモードフィールド径MFDの不整合に因る接続損失の他に、両光ファイバのコア軸の不一致や接続面でのファイバ曲がりなどに因る接続損失も生じて、全体の接続損失は上記(2)式より0.2dB程度大きくなってしまう場合がある。したがって、両光ファイバのモードフィールド径MFDの不整合により計算される接続損失は、0.2dB/facet以下であるとよく、図からSSMFとの融着接続を考慮した場合、波長1550nmにおけるモードフィールド径MFDは13μm以下であることが望ましい。また、モードフィールド径MFDがより小さいNZ-DSFとの融着接続を考慮した場合、波長1550nmにおけるモードフィールド径MFDは12μm以下であると、更に望ましい。
モードフィールド径MFDは大きい方が、実効断面積Aeffが大きくなり、非線形現象を抑制することが可能であるので望ましい。k値が1.21である場合、モードフィールド径MFDが10.3μm以上であれば、実効断面積Aeffが100μm以上となる。したがって、モードフィールド径MFDは10.3μm以上であることが望ましい。波長1550nmにおける実効断面積Aeffは110μm以上(モードフィールド径MFDは10.8μm以上)であると更に好ましく、実効断面積Aeffは120μm以上(モードフィールド径MFDは11.3μm以上)であるともっとも好ましい。
また、実効断面積Aeffが拡大された光ファイバは曲げ損失が劣化してしまう問題があるが、例えば、図7に示されるようにコア部の外周に屈折率が低い領域を設けることで、曲げ損失を低減することが可能である。
次に、光ファイバの曲げ損失について説明する。
光ファイバの曲げ損失は小さい方が好ましい。例えば、20mm直径で光ファイバを巻いた場合、波長1550nmにおける曲げ損失は、100dB/m以下、好ましくは20dB/m以下、更に好ましくは10dB/m以下であると良い。30mm直径で光ファイバを巻いた場合、曲げ損失値は小さくなるが、波長1550nmにおける曲げ損失は、10dB/m以下、好ましくは2dB/m以下、更に好ましくは1dB/m以下であると良い。また、60mm直径で光ファイバを巻いた場合、波長1625nm以下の波長範囲における曲げ損失は、0.01dB/m以下、好ましくは0.005dB/m以下、更に好ましくは0.002dB/m以下であると良い。
また、実効断面積Aeffの拡大には、マイクロベンドロスの増加を伴う。通常、伝送用光ファイバのクラッドガラス部の外周には2層構造の被覆樹脂がコーティングされている。一般的に、2層構造のうち内側のプライマリ被覆樹脂のヤング率が低く、かつ、外側のセカンダ被覆樹脂のヤング率が高い光ファイバの方が、マイクロベンドロスは低くなる。具体的には、プライマリ被覆樹脂のヤング率は、0.2〜2MPa、好ましくは0.2〜1MPa、セカンダリ被覆樹脂のヤング率は、500〜2000MPa、より好ましくは1000MPa〜2000MPaの範囲で選定されるのが好ましい。加えて、プライマリ被覆樹脂のガラス転移点が低いと、低い温度でもヤング率が上昇しないため、低温での光ファイバの損失増が小さくなる。実使用環境の温度よりも低いことが望ましく、具体的には-30℃以下であると良い。また、-50℃以下であると更に望ましい。セカンダリ被覆樹脂は70℃以上であって良い。
その他にマイクロベンドロスを低減する手段として、光ファイバのクラッドガラス径又は被覆樹脂の外径を拡大する手法もあり、好適である。しかしながら、一般的に使用されている光ファイバ(ガラス径125μm、被覆外径245μm)との差が大きくなるので実用的でないという問題がある。クラッドガラスの外径として123〜127μm、被覆樹脂の外径として直径230〜260μmであって、マイクロベンドロスによる波長1550nmにおける損失増加が1dB/km以下(実用化されている海底ケーブル用NZ-DSFと同程度)、好ましくは0.6dB/km以下(実用化されている海底ケーブル用非分散シフトファイバと同程度)、更に好ましくは0.3dB/km以下(SSMFと同程度)であると良い。ここでは、マイクロベンドロスは、直径50μmのワイヤーメッシュにより間隔100μmで表面を覆われた直径400mmのボビンに、光ファイバを張力0.8Nで巻いた時の損失増加量で表す。
光ファイバを巻きつけるマンドレルの径が大きければ印加される曲げが小さくなるので光ファイバを巻きつけた際の損失は小さくなるが、ボビン形状が大きくなりすぎるのであまり好ましくない。このような光ファイバであれば、直径220mmのマンドレルの胴部に巻き付け張力0.4N以上(輸送によって巻き崩れなどの不具合が生じない張力)で長さ10km以上を巻いたとき、波長1550nmにおける伝送損失が0.19dB/km以下、好ましくは0.18dB/km以下、更に好ましくは0.17dB/km以下となる。このように、長尺の光ファイバをボビンに巻き取った状態で伝送損失を保証することが可能となる。また、マンドレルの直径は150mm以上であると過剰な曲げ損失が発生せず好ましい。
次に、光ファイバのその他の特性や構造について説明する。光ファイバにおける非線形現象の発現を抑制するには、光ファイバの波長分散が大きいほうが好ましい。これは、特に光通信システムにおいて波長分割多重(WDM: Wavelength Division multiplexing)伝送を行う場合に、光ファイバ伝送路を信号光が伝搬することで異なる信号光波長間で遅延時間差が発生することによりパルス−パルス干渉が低減したり、信号光パルスが波長分散によって時間軸上で広がることによりピークパワーが減少したりする効果などによる(例えば非特許文献1を参照)。
SSMFは波長1550nmにおいて+17ps/nm/km程度の波長分散を有するので、波長1550nmにおける波長分散は、それよりも10%大きくなるような+19ps/nm/km以上であると良い。また、石英系ガラスを用いた光ファイバであるので、波長1550nmにおける波長分散は、石英系ガラスの材料分散特性と同等以下、すなわち+21.9ps/nm/km以下であると良い。また、波長1550nmにおける分散スロープは、+0.050ps/nm/km以上+0.070ps/nm/km以下の範囲であると良い。
クラッド部を基準(ただし、クラッド部が多層構造である場合には、コア部の半径rの3倍となる半径位置での屈折率を基準)としたとき、コア部の屈折率の最大値の比屈折率差Δc2は0.25〜0.55%であると良い。コア部の半径rは4.5μm以上7.0μm以下であると良い。この範囲であれば、波長1550nmにおいて、モードフィールド径MFDが10.3〜13.0μm、波長分散が+19.0〜+21.9ps/nm/kmを満たすことができる。
伝送損失が低い程、OSNRを改善することができる。したがって、波長1550nmにおける伝送損失は、0.19dB/kmよりも低いことが望ましく、更に望ましくは0.18dB/km以下、最も好ましくは0.17dB/km以下である。
光ファイバのコア部はGeOが添加された石英系ガラスであっても良いが、この場合の伝送損失は0.175〜0.19dB/km程度となる。より好ましくは、光ファイバのコア部はClやFなどのハロゲン元素が添加されGe、Alなどの典型金属元素やNi、Cuなどの遷移金属元素などのドーパントは0.01原子ppm以下の濃度である石英系ガラスであると良い。また、コア部にはK、Na、Rbなどのアルカリ金属元素が平均濃度0.01〜50原子ppm以下で含まれていると良い。この場合、伝送損失を0.15〜0.18dB/kmに低減することが可能となる。
加えて、このようなコア部が実質的に純石英である純石英コアファイバの場合には、3次非線形屈折率nがGeO添加コアと比較して5〜10%低い2.2×10-20/W以下になり、好ましい。ここで、nは偏波状態がランダムである場合であり、入射した光波の偏波状態がランダムに結合するような、特に数km以上とファイバが長い場合には実効的な値である。具体的には、純石英コアファイバのn値は2.18×10-20/W程度である。
波長1380nmにおける伝送損失は、0.8dB/km以下に低い方が好ましく、0.4dB/km以下であると更に良く、また0.3dB/km以下であると最も好ましい。偏波モード分散は0.2ps/√km以下であって良い。ケーブルカットオフ波長は、1520nm以下であると良く、ラマン増幅に用いるポンプ波長となる1450nm以下であると更に良い。
光ファイバのコア部およびクラッド部それぞれは、屈折率構造を有しても良く、例えば図8に模式的に示されるプロファイルであってよいが、これに制限されることはない。
以上のような本実施形態の光ファイバは、非線形性が低く、伝送損失が小さく、接続損失が小さい。この光ファイバで構築された光伝送システムは、OSNRの向上が可能であり、その性能を改善することが可能である。
次に、本発明の光ファイバの実施例1〜10について説明する。実施例1〜10の何れの光ファイバも、石英系ガラスで構成され、公知の方法で製造された。
図9は、実施例1〜5の各光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に示す図である。実施例1〜5の各光ファイバでは、コア部は、屈折率が低い第一のコア部と屈折率が高い第二のコア部とからなっていた。第一のコア部にはCl,Fおよび低濃度のGeOが添加され、第二のコア部にはCl,Fおよび高濃度のGeOが添加された。クラッド部も屈折率分布を有しており、屈折率が低い第一のクラッド部にはClおよびFが添加され、屈折率が高い第二のクラッド部にはClが添加された。
図10は、実施例6〜10の各光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に示す図である。実施例6〜10の各光ファイバでは、コア部は、屈折率が低い第一のコア部と屈折率が高い第二のコア部とからなっていた。第一のコア部には低濃度のClおよびFが添加され、第二のコア部には高濃度のClが添加された。クラッド部も屈折率分布を有しており、屈折率が低い第一のクラッド部にはClおよび高濃度のFが添加され、屈折率が高い第二のクラッド部にはClおよび低濃度のFが添加された。また、第一のコア部、第二のコア部および第一のクラッド部それぞれには、ごく低濃度のカリウムが添加され、コア部におけるカリウムの平均濃度は数原子ppm以下であった。
実施例1〜10の何れの光ファイバにおいても、クラッドガラス部の外径は124〜126μm程度であった。プライマリ被覆部の外径は185〜195μmであり、プライマリ被覆部のヤング率は0.3〜0.6MPaであった。セカンダリ被覆部の外径は235〜250μmであり、セカンダリ被覆部のヤング率は1200〜1500MPaであった。伝送損失の測定は、50km程度の長さの光ファイバを、170mm直径のマンドレルを有するボビンに0.5N程度の巻取り張力で巻き取った状態で行った。接続損失の測定は、市販されている融着接続器を用い、コアアライメントで一般的なシングルモードファイバ同士の接続用のソフトによって行った。また、接続損失の測定に際しては、SSMF(MFD=10.5μm、Aeff=85μm、k値=0.982)およびNZ-DSF(MFD=9.6μm、Aeff=71μm、k値=0.981)それぞれと10回接続した際の最大値および最小値を求めた。
図11〜図14は、実施例1〜5の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。図15〜図18は、実施例6〜10の各光ファイバの諸元を纏めた図表である。これらの図から判るように、実施例1〜10の何れの光ファイバも良好な特性が得られた。

Claims (8)

  1. コア部およびクラッド部を有する光ファイバであって、
    前記コア部において屈折率が最小値Nとなる径方向位置をrとし、前記コア部において屈折率が最大値Nとなる径方向位置をrとし、前記コア部の半径をrとしたときに、r<r<rであり、前記コア部における屈折率の最小値Nに対する最大値Nの比屈折率差Δ12が0.05%以上0.2%以下であり、
    実効断面積をAeffとし、モードフィールド径をMFDとしたとき、波長1550nmにおいて、k=4Aeff/(πMFD)で示されるk値が1.08以上であり、波長分散が+19.0ps/nm/km以上+21.9ps/nm/km以下であり、モードフィールド径MFDが10.3μm以上である、
    光ファイバ。
  2. 波長1550nmにおける実効断面積Aeffが100μm以上である、
    請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 波長1550nmにおける伝送損失が0.19dB/km以下である、
    請求項1または2に記載の光ファイバ。
  4. 前記コア部は、平均濃度1000原子ppm以上のハロゲン元素が添加され、ドーパントとしての典型金属元素や遷移金属元素の平均濃度が0.01原子ppm以下である石英系ガラスからなる、
    請求項3に記載の光ファイバ。
  5. 前記コア部は、平均濃度0.01〜50原子ppmのアルカリ金属元素が添加されている、
    請求項4に記載の光ファイバ。
  6. 通常のシングルモード光ファイバとの接続損失が波長1550nmにおいて接続一箇所あたり0.4dB以下である、
    請求項1〜5の何れか1項に記載の光ファイバ。
  7. 直径220mmのマンドレルの周上に巻き付け張力0.4N以上で長さ10km以上を巻いたときの波長1550nmにおける伝送損失が0.19dB/km以下である、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の光ファイバ。
  8. R=r/rが1.0を超え5.4以下である、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の光ファイバ。
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