以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(表示装置の構成)
図1は、本実施形態に係る表示装置の構成の一例を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る画像表示パネルの画素配列の一例を示す図である。
図1に示すように、表示装置10は、画像出力部11からの画像の入力信号SRGBが入力され、表示装置10の各部に出力信号SRGBWを送り、動作を制御する信号処理部20と、信号処理部20から出力された出力信号SRGBWに基づいて画像を表示させる画像表示パネル(表示部)30と、画像表示パネル30の駆動を制御する画像表示パネル駆動部40と、画像表示パネル30を背面から照明する面状光源装置50と、面状光源装置50の駆動を制御する面状光源装置駆動部60と、を備える。なお、表示装置10は、特許文献の、特開2011−154323号公報に記載されている画像表示装置組立体と同様の構成であり、特開2011−154323号公報に記載されている各種変形例が適用可能である。
信号処理部20は、画像表示パネル30及び面状光源装置50の動作を制御する演算処理部である。信号処理部20は、画像表示パネル30を駆動するための画像表示パネル駆動部40、及び、面状光源装置50を駆動するための面状光源装置駆動部60と接続されている。信号処理部20は、外部から入力される入力信号を処理して出力信号及び面状光源装置制御信号を生成する。つまり、信号処理部20は、入力信号の入力HSV色空間の入力値(入力信号)を、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色で再現される再現HSV色空間の再現値(出力信号)に変換して生成し、生成した出力信号を画像表示パネル30に出力する。信号処理部20は、生成した出力信号を画像表示パネル駆動部40に出力し、生成した面状光源装置制御信号SBLを面状光源装置駆動部60に出力する。
図1に示すように、画像表示パネル30は、画素48が、P0×Q0個(行方向にP0個、列方向にQ0個)、2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている。図1に示す例は、XYの2次元座標系に複数の画素48がマトリクス状に配列されている例を示している。この例において、行方向がX方向、列方向はY方向である。
画素48は、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとを有する。第1副画素49Rは、第1原色(例えば、赤色)を表示する。第2副画素49Gは、第2原色(例えば、緑色)を表示する。第3副画素49Bは、第3原色(例えば、青色)を表示する。第4副画素49Wは、第4の色(具体的には白色)を表示する。このように、画像表示パネル30に行列状に配列された画素48は、第1の色を表示する第1副画素49R、第2の色を表示する第2副画素49G、第3の色を表示する第3副画素49B及び第4の色を表示する第4副画素49Wを含む。第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色は、第1原色、第2原色、第3原色及び白色に限られず、補色など色が異なっていればよい。第4の色を表示する第4副画素49Wは、同じ光源点灯量で照射された場合、第1の色を表示する第1副画素49R、第2の色を表示する第2副画素49G、第3の色を表示する第3副画素49Bよりも明るいことが好ましい。以下において、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとをそれぞれ区別する必要がない場合、副画素49という。
表示装置10は、より具体的には、透過型のカラー液晶表示装置である。図2に示すように、画像表示パネル30は、カラー液晶表示パネルであり、第1副画素49Rと画像観察者との間に第1原色を通過させる第1カラーフィルタが配置され、第2副画素49Gと画像観察者との間に第2原色を通過させる第2カラーフィルタが配置され、第3副画素49Bと画像観察者との間に第3原色を通過させる第3カラーフィルタが配置されている。また、画像表示パネル30は、第4副画素49Wと画像観察者との間にカラーフィルタが配置されていない。第4副画素49Wには、カラーフィルタの代わりに透明な樹脂層が備えられていてもよい。このように画像表示パネル30は、透明な樹脂層を設けることで、第4副画素49Wにカラーフィルタを設けないことによって第4副画素49Wに大きな段差が生じることを抑制することができる。
図1及び図2に示す画像表示パネル駆動回路40は、本実施形態の制御部に含まれ、信号出力回路41及び走査回路42を備えている。画像表示パネル駆動回路40は、信号出力回路41によって映像信号を保持し、順次、画像表示パネル30に出力する。信号出力回路41は、信号線DTLによって画像表示パネル30と電気的に接続されている。画像表示パネル駆動回路40は、走査回路42によって、画像表示パネル30における副画素を選択し、副画素の動作(光透過率)を制御するためのスイッチング素子(例えば、薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor))のオン及びオフを制御する。走査回路42は、走査線SCLによって画像表示パネル30と電気的に接続されている。
面状光源装置50は、画像表示パネル30の背面に配置され、画像表示パネル30に向けて光を照射することで、画像表示パネル30を照明する。図3は、本実施形態に係る導光板及びサイドライト光源の説明図である。面状光源装置50は、導光板54と、導光板54の少なくとも一側面を入射面Eとして、この入射面Eに対向する位置に、複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fを配列したサイドライト光源52と、を備えている。複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fは、例えば、同色(例えば、白色)の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fは、導光板54の一側面に沿って並んでおり、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fが並ぶ光源配列方向をLYとした場合、光源配列方向LYに直交する入光方向LXに向けて、入射面Eから導光板54へ光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの入射光が入光する。
面状光源装置駆動部60は、面状光源装置50から出力する光の光量等を制御する。面状光源装置駆動部60は、本実施形態の制御部に含まれる。具体的には、面状光源装置駆動部60は、信号処理部20から出力される面状光源装置制御信号SBLに基づいて面状光源装置50に供給する電流又はデューティ比(duty比)を調整することで、画像表示パネル30を照射する光の光量(光の強度)を制御する。そして、面状光源装置駆動部60は、図3に示す複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fに対して個々に独立して電流又はデューティ比(duty比)を制御し、各光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの照射する光の光量(光の強度)を制御する、光源の分割駆動制御をすることができる。
導光板54は、光源配列方向LYに現れる両端面で光の反射が生じるため、光源配列方向LYに現れる両端面に近い、光源56A及び光源56Fが照射する光の強度分布と、光源56A及び光源56Fの間に配置される、例えば光源56Cが照射する光の強度分布が異なっている。このため、本実施形態に係る面状光源装置駆動部60は、図3に示す複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fに対して個々に独立して電流又はデューティ比(duty比)を制御し、各光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fの光強度分布に応じて照射する光の光量(光の強度)を制御する必要がある。
面状光源装置50は、光源56A〜56Fの入射光が光源配列方向LYに直交する入光方向LXに向けて照射され、入射面から導光板54に入る。導光板54に入射した光は、拡散しながら入射方向LXに進む。導光板54は、光源56A〜56Fから照射され入射した光を画像表示パネル30を背面から照明する照明方向LZへ照射する。本実施形態において、照明方向LZは、光源配列方向LYと、入光方向LXとに直交する。
(表示装置の処理動作)
次に、表示装置10、より具体的には信号処理部20が実行する処理動作について説明する。図4は、本実施形態の表示装置で再現可能な再現HSV色空間の概念図である。図5は、再現HSV色空間の色相と彩度との関係を示す概念図である。図6は、本実施形態に係る信号処理部を説明するためのブロック図である。図7は、本実施形態に係る表示装置の駆動方法のフローチャートである。図8は、本実施形態に係る表示装置の駆動方法のフローチャートである。
図1に示すように、信号処理部20は、外部の画像出力部11から表示する画像の情報である入力信号SRGBが入力される。入力信号SRGBは、各画素に対して、その位置で表示する画像(色)の情報を入力信号として含んでいる。具体的には、P0×Q0個の画素48がマトリクス状に配置された画像表示パネル30において、第(p、q)番目の画素48(ただし、1≦p≦P0、1≦q≦Q0)に対して、信号値がx1−(p、q)の第1副画素49Rの入力信号、信号値がx2−(p、q)の第2副画素49Gの入力信号及び信号値がx3−(p、q)の第3副画素49Bの入力信号(図1参照)が含まれる信号が信号処理部20に入力される。図6に示すように、信号処理部20は、タイミング生成部21と、画像処理部22と、画像解析部23と、光源駆動値決定部26と、を含む。
タイミング生成部21は、基準クロック等であり、画像表示パネル30と面状光源装置50の動作を同期させるための信号を生成する。画像処理部22は、画像出力部11から入力される入力信号に対して各種処理を行い、画像表示パネル駆動部40に出力する信号(表示信号)を生成する。画像処理部22が実行する処理としては、γ補正や、色空間補正、RGBの信号をRGBWの信号に変換する処理等がある。
画像解析部23は、1/α値算出部90と、色相判定部92と、1/α値計数部94と、塊検出部96と、1/α値決定部98と、を有する。ここで、1/αは、光源点灯量の削減率を示す指標である。本実施形態の1/αは、値が大きくなるほど光源点灯量の削減率が小さくなり、値が小さくなるほど光源点灯量の削減率が大きくなる。1/α値算出部90は、入力信号または画像処理部22で生成された出力信号(色情報)に基づいて各画素の1/αを算出する。色相判定部92は、入力信号または画像処理部22で生成された出力信号に基づいて、各画素の色相を判定する。1/α値計数部94は、1/α値算出部90で算出した結果と色相判定部92で算出した色相を所定のアルゴリズムを用いて処理し、対象の領域の1/αを算出する。ここで、所定のアルゴリズムとしては、例えば、領域内の1/αの分布を算出し、1/αの画素が所定画素数以上となり、かつ最も高い1/αを全域の1/αとする処理を用いることができる。1/α計数部94は、領域の全域を解析して全域に対する1/αを算出する。塊検出部96は、1/α値算出部90及び色相判定部92の結果に基づいて、対象の領域中の塊を検出し、塊の検出の結果に基づいて1/αを決定する。1/α値決定部98は、1/α値計数部94で算出される結果と塊検出部96で算出される結果に基づいて、対象の領域の1/αを決定する。画像解析部23は、決定した1/αを光源駆動値決定部26及び画像処理部22に送る。なお、画像解析部23は、色相判定部92の結果については使用しても使用しなくてもよい。画像解析部23の1/α値算出部90と、色相判定部92と、1/α値計数部94と、塊検出部96と、1/α値決定部98とによる処理については後述する。
光源駆動値決定部26は、画像処理部22と画像解析部23との結果に基づいて、光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fから出力する光量(LED点灯量)
を決定し、決定した光量(LED点灯量)を面状光源装置駆動部60に出力する。
次に、図7及び図8を用いて、信号処理部20による画像表示パネル30の制御動作と面状光源装置50の制御動作について説明する。ここで、図7は、信号処理部20による面状光源装置50の制御動作の一例を示し、図8は、信号処理部20による画像表示パネル30の制御動作の一例である。図7と図8では、別々のフローチャートで示しているが、信号処理部20は、一部の処理情報を共有して、画像表示パネル30と面状光源装置50とを制御している。
図1及び図6に示す信号処理部20は、図7に示すように、入力信号SRGBを検出する(ステップS12)。そして、タイミング生成部21は、入力信号SRGBを処理することで、1フレーム毎に画像表示パネル駆動部40と、面状光源装置駆動部60とのタイミングを同期する同期信号STMを画像表示パネル駆動部40及び面状光源装置駆動部60へ送出する。信号処理部20は、画像処理部22及び画像解析部24により、入力信号SRGBで生成される画像を解析する(ステップS14)。本実施形態の信号処理部20の画像処理部22は、入力信号SRGBを処理することで、第1副画素49Rの表示階調を決定するための第1副画素の出力信号(信号値X1−(p、q))、第2副画素49Gの表示階調を決定するための第2副画素の出力信号(信号値X2−(p、q))、第3副画素49Bの表示階調を決定するための第3副画素の出力信号(信号値X3−(p、q))及び第4副画素49Wの表示階調を決定するための第4副画素の出力信号(信号値X4−(p、q))を生成する。さらに信号処理部20は、画像処理部22で生成した出力信号に基づいて、画像を解析する。
以下、本実施形態に係る表示データの演算処理について詳細に説明する。表示装置10は、画素48に第4の色(白色)を出力する第4副画素49Wを備えることで、図4に示すように、HSV色空間(再現HSV色空間)における明度のダイナミックレンジを広げることができる。つまり、図4に示すように、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bが表示することのできる円柱形状のHSV色空間に、彩度Sが高くなるほど明度Vの最大値が低くなる略台形形状となる立体が載っている形状となる。
信号処理部20の画像処理部22は、第4の色(白色)を加えることで、拡大されたHSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)が、信号処理部20に記憶されている。つまり、信号処理部20は、図4に示すHSV色空間の立体形状について、彩度S及び色相Hの座標(値)毎に明度の最大値Vmax(S)の値を記憶している。入力信号は、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの入力信号を有するため、入力信号のHSV色空間は、円柱形状、つまり、再現HSV色空間の円柱形状部分と同じ形状となる。
次に、信号処理部20の画像処理部22は、少なくとも第1副画素49Rの入力信号(信号値x1−(p、q))及び伸張係数αに基づいて、第1副画素49Rの出力信号(信号値X1−(p、q))を算出し、第1副画素49Rへ出力する。また、信号処理部20は、少なくとも第2副画素49Gの入力信号(信号値x2−(p、q))及び伸張係数αに基づいて第2副画素49Gの出力信号(信号値X2−(p、q))を算出し、第2副画素49Gへ出力する。また、信号処理部20は、少なくとも第3副画素49Bの入力信号(信号値x3−(p、q))及び伸張係数αに基づいて第3副画素49Bの出力信号(信号値X3−(p、q))を算出し、第3副画素49Bへ出力する。さらに、信号処理部20は、第1副画素49Rの入力信号(信号値x1−(p、q))、第2副画素49Gの入力信号(信号値x2−(p、q))及び第3副画素49Bの入力信号(信号値x3−(p、q))に基づいて第4副画素49Wの出力信号(信号値X4−(p、q))を算出し、第4副画素49Wへ出力する。
具体的には、信号処理部20の画像処理部22は、第1副画素49Rの伸張係数α及び第4副画素49Wの出力信号に基づいて第1副画素49Rの出力信号を算出し、第2副画素49Gの伸張係数α及び第4副画素49Wの出力信号に基づいて第2副画素49Gの出力信号を算出し、第3副画素49Bの伸張係数α及び第4副画素49Wの出力信号に基づいて第3副画素49Bの出力信号を算出する。
つまり、信号処理部20は、χを表示装置10に依存した定数としたとき、第(p、q)番目の画素(又は第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの組)への第1副画素49Rの出力信号である信号値X1−(p、q)、第2副画素49Gの出力信号である信号値X2−(p、q)及び第3副画素49Bの出力信号である信号値X3−(p、q)を、次に示す式(1)〜式(3)から求める。
X1−(p、q)=α・x1−(p、q)−χ・X4−(p、q)・・・(1)
X2−(p、q)=α・x2−(p、q)−χ・X4−(p、q)・・・(2)
X3−(p、q)=α・x3−(p、q)−χ・X4−(p、q)・・・(3)
信号処理部20は、第4の色を加えることで拡大されたHSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)を求め、複数の画素48における副画素49の入力信号値に基づき、これらの複数の画素48における彩度S及び明度V(S)を求める。
彩度S及び明度V(S)は、S=(Max−Min)/Max及びV(S)=Maxで表される。彩度Sは0から1までの値をとることができ、明度V(S)は0から(2n−1)までの値をとることができる。nは、表示階調ビット数である。また、Maxは、画素48への第1副画素49Rの入力信号値、第2副画素49Gの入力信号値及び第3副画素49Bの入力信号値のうち、最大値である。Minは、画素48への第1副画素49Rの入力信号値、第2副画素49Gの入力信号値及び第3副画素49Bの入力信号値のうち、最小値である。また、色相Hは、図5に示すように0°から360°で表される。0°から360°に向かって、赤(Red)、黄色(Yellow)、緑(Green)、シアン(Cyan)、青(Blue)、マゼンタ(Magenta)、赤となる。
本実施形態において、信号値X4−(p、q)は、Min(p、q)と伸張係数αとの積に基づき求めることができる。具体的には、下記の式(4)に基づいて信号値X4−(p、q)を求めることができる。式(4)では、Min(p、q)と伸張係数αとの積をχで除しているが、これに限定するものではない。χについては後述する。
X4−(p、q)=Min(p、q)・α/χ・・・(4)
一般に、第(p、q)番目の画素において、第1副画素49Rの入力信号(信号値x1−(p、q))、第2副画素49Gの入力信号(信号値x2−(p、q))及び第3副画素49Bの入力信号(信号値x3−(p、q))に基づき、円柱のHSV色空間における彩度(Saturation)S(p、q)及び明度(Brightness)V(S)(p、q)は、次の式(5)、式(6)から求めることができる。
S(p、q)=(Max(p、q)−Min(p、q))/Max(p、q)・・・(5)
V(S)(p、q)=Max(p、q)・・・(6)
ここで、Max(p、q)は、(x1−(p、q)、x2−(p、q)、x3−(p、q))の3個の副画素49の入力信号値の最大値であり、Min(p、q)は、(x1−(p、q)、x2−(p、q)、x3−(p、q))3個の副画素49の入力信号値の最小値である。本実施形態ではn=8とした。すなわち、表示階調ビット数を8ビット(表示階調の値を0から255の256階調)とした。
白色を表示する第4副画素49Wには、カラーフィルタが配置されていない。第4の色を表示する第4副画素49Wは、同じ光源点灯量で照射された場合、第1の色を表示する第1副画素49R、第2の色を表示する第2副画素49G、第3の色を表示する第3副画素49Bよりも明るい。第1副画素49Rに第1副画素49Rの出力信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力され、第2副画素49Gに第2副画素49Gの出力信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力され、第3副画素49Bに第3副画素49Bの出力信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力されたときの、画素48又は画素48の群が備える第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの集合体の輝度をBN1−3とする。また、画素48又は画素48の群が備える第4副画素49Wに、第4副画素49Wの出力信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力されたときの第4副画素49Wの輝度BN4としたときを想定する。すなわち、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの集合体によって最大輝度の白色が表示され、この白色の輝度がBN1−3で表される。すると、χを表示装置10に依存した定数としたとき、定数χは、χ=BN4/BN1−3で表される。
具体的には、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの集合体に、次の表示階調の値を有する入力信号として、信号値x1−(p、q)=255、信号値x2−(p、q)=255、信号値x3−(p、q)=255が入力されたときにおける白色の輝度BN1−3に対して、第4副画素49Wに表示階調の値255を有する入力信号が入力されたと仮定したときの輝度BN4は、例えば、1.5倍である。すなわち、本実施形態にあっては、χ=1.5である。
ところで、信号値X4−(p、q)が、上述した式(4)で与えられる場合、Vmax(S)は、次の式(7)、式(8)で表すことができる。
S≦S0の場合、
Vmax(S)=(χ+1)・(2n−1)・・・(7)
S0<S≦1の場合:
Vmax(S)=(2n−1)・(1/S)・・・(8)
ここで、S0=1/(χ+1)である。
このようにして得られた、第4の色を加えることによって拡大されたHSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)が、例えば、信号処理部20に一種のルックアップテ−ブルとして記憶されている。あるいは、拡大されたHSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)は、都度、信号処理部20において求められる。
次に、第(p、q)番目の画素48における出力信号である信号値X1−(p、q)、X2−(p、q)、X3−(p、q)、X4−(p、q)の求め方(伸張処理)を説明する。次の処理は、(第1副画素49R+第4副画素49W)によって表示される第1原色の輝度、(第2副画素49G+第4副画素49W)によって表示される第2原色の輝度、(第3副画素49B+第4副画素49W)によって表示される第3原色の輝度の比を保つように行われる。しかも、色調を保持(維持)するように行われる。さらには、階調−輝度特性(ガンマ特性、γ特性)を保持(維持)するように行われる。また、いずれかの画素48又は画素48の群において、入力信号値のすべてが0である場合又は小さい場合、このような画素48又は画素48の群を含めることなく、伸張係数αを求めればよい。
(第1工程)
まず、信号処理部20は、複数の画素48における副画素49の入力信号値に基づき、これらの複数の画素48における彩度S及び明度V(S)を求める。具体的には、第(p、q)番目の画素48への第1副画素49Rの入力信号である信号値x1−(p、q)、第2副画素49Gの入力信号である信号値x2−(p、q)、第3副画素49Bの入力信号である信号値x3−(p、q)に基づき、式(7)及び式(8)からS(p、q)、V(S)(p、q)を求める。信号処理部20は、この処理を、すべての画素48に対して行う。
(第2工程)
次いで、信号処理部20は、複数の画素48において求められたVmax(S)/V(S)に基づき伸張係数α(S)を求める。
α(S)=Vmax(S)/V(S)・・・(9)
(第3工程)
次に、信号処理部20は、第(p、q)番目の画素48における信号値X4−(p、q)を、少なくとも、信号値x1−(p、q)、信号値x2−(p、q)及び信号値x3−(p、q)に基づいて求める。本実施形態にあっては、信号処理部20は、信号値X4−(p、q)を、Min(p、q)、伸張係数α及び定数χに基づいて決定する。より具体的には、信号処理部20は、上述したとおり、信号値X4−(p、q)を、上記の式(4)に基づいて求める。信号処理部20は、P0×Q0個の全画素48において信号値X4−(p、q)を求める。
(第4工程)
その後、信号処理部20は、第(p、q)番目の画素48における信号値X1−(p、q)を、信号値x1−(p、q)、伸張係数α及び信号値X4−(p、q)に基づき求め、第(p、q)番目の画素48における信号値X2−(p、q)を、信号値x2−(p、q)、伸張係数α及び信号値X4−(p、q)に基づき求め、第(p、q)番目の画素48における信号値X3−(p、q)を、信号値x3−(p、q)、伸張係数α及び信号値X4−(p、q)に基づき求める。具体的には、信号処理部20は、第(p、q)番目の画素48における信号値X1−(p、q)、信号値X2−(p、q)及び信号値X3−(p、q)を、上記の式(1)〜(3)に基づいて求める。
信号処理部20は、式(4)に示したとおり、Min(p、q)の値を伸張係数αによって伸張する。このように、Min(p、q)の値が伸張係数αによって伸張されることで、白色表示副画素(第4副画素49W)の輝度が増加するだけでなく、上記式に示すとおり、赤色表示副画素、緑色表示副画素及び青色表示副画素(それぞれ第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bに対応する)の輝度も増加する。このため、色のくすみが発生するといった問題を回避することができる。すなわち、Min(p、q)の値が伸張されていない場合と比較して、Min(p、q)の値が伸張係数αによって伸張されることで、画像全体として輝度はα倍となる。したがって、例えば、静止画等の画像表示を高輝度で行うことができ、好適である。
信号処理部20は、画像処理部22で画像信号に対する処理を行いRGBWの信号に変換したら、画像解析部23により変換したRGBWの信号を解析して1/αを算出する。信号処理部20は、画像解析を行ったら、光源駆動値決定部26によりLED点灯量の決定処理を行う(ステップS16)。具体的には、光源駆動値決定部26が、画像信号に基づいて光源の出力を決定し、さらに1/αに基づいて出力を低減する。また、第(p、q)番目の画素48における信号値X1−(p、q)、信号値X2−(p、q)、信号値X3−(p、q)及び信号値X4−(p、q)が、α倍に伸張されている。このため、表示装置10は、画像の入力信号SRGBの情報に基づいて、伸張されていない状態の画像の輝度と同じ画像の輝度とするために、面状光源装置50の輝度を、伸張係数αに基づき減少させてもよい。具体的には、光源駆動値決定部26が面状光源装置50の輝度を、(1/α)倍となるように、複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fに対して個々に独立して電流又はオン/オフのデューティ比(duty比)を制御する。信号処理部20は、決定したLED点灯量を面状光源装置駆動部60に出力する(ステップS18)。
次に、画像表示パネル30の制御動作を説明する。信号処理部20は、図8に示すように、入力信号SRGBを検出する(ステップS22)。信号処理部20は、画像処理部22により、入力信号SRGBで生成される画像を解析する(ステップS24)。本実施形態の信号処理部20の画像処理部22は、入力信号SRGBを処理することで、第1副画素49Rの表示階調を決定するための第1副画素の出力信号(信号値X1−(p、q))、第2副画素49Gの表示階調を決定するための第2副画素の出力信号(信号値X2−(p、q))、第3副画素49Bの表示階調を決定するための第3副画素の出力信号(信号値X3−(p、q))及び第4副画素49Wの表示階調を決定するための第4副画素の出力信号(信号値X4−(p、q))を生成する。信号処理部20は、画像解析を行ったら、光源駆動値決定部26に問いLED点灯量を決定する(ステップS26)。なお、ステップS22、S24、S26の処理は、基本的にステップS12、S14、S16を同一の処理である。
信号処理部20は、LED点灯量を決定したら、LED点灯量に基づいて、LEDの輝度分布、つまり面状光源装置50から出力される輝度分布を算出し、その結果に基づいて、出力信号を補正し、表示信号を生成し(ステップS28)、生成した表示信号を画像表示パネル駆動部40に出力する(ステップS30)。信号処理部20は、以上のようにして、画像表示パネル30に表示させる信号と、面状光源装置50の出力する光量とを決定することで、簡単な処理で、画質の劣化を抑制し、かつ、消費電力を低減した状態で画像を表示させることができる。
次に、図9から図19を用いてLED点灯量の決定処理について説明する。図9は、1/αの算出処理の一例を説明するための説明図である。図10は、領域の1/αの算出の処理動作のフローチャートである。図11は、塊の1/αの算出の処理動作のフローチャートである。図12は、水平方向の塊の1/αの算出の処理動作のフローチャートである。図13から図15は、それぞれ水平方向の塊の1/αの算出動作を説明するための説明図である。図16は、垂直方向の塊の1/αの算出の処理動作のフローチャートである。図17は、垂直方向の塊の1/αの算出動作を説明するための説明図である。図18及び図19は、それぞれ1/αの算出処理の一例を説明するための説明図である。
本実施形態の表示装置10は、面状光源装置50が画像表示パネル30に向けて光を射出する面である射出面102を仮想的に複数の領域104に分割している。射出面102は、導光板54の画像表示パネル30と対面する面である。領域104は、入光方向LXに平行な複数の分割線106と、光源配列方向LYに平行な複数の分割線108とで、マトリックス状に分割されている。分割線106は、光源56A〜56Fのうち、隣接する2つの光源の間に設けられている。したがって、分割線106は、等間隔に5本設けられている。これにより、領域104は、各光源56A〜56Fに対応した領域となる。また、分割線108が、等間隔で2本設けられている。これにより、射出面102は、3行6列の18個の領域104に分割されている。なお、領域104を分割する数は特に限定されないが、光源配列方向LYは、光源の配置に合わせて分割することが好ましい。これにより各光源の出力を制御しやすくなる。表示装置10は、領域104を判定の単位として用い、領域104毎に1/αを算出する。
次に、図10を用いて、各領域104の1/αの決定方法について説明する。画像解析部23は、1/α値算出部90により、各画素の1/αを検出(算出)し(ステップS40)、算出した各画素の1/αに基づいて、1/α値計数部94により領域毎に全域の1/αを決定しつつ(ステップS42)、塊検出部96により塊の1/αを決定する(ステップS44)。1/α値計数部94は、所定のアルゴリズムを用いて、全域の1/αを算出する。具体的には、領域内の1/αの分布を算出し、1/αの画素が所定画素数以上となり、かつ最も高い1/αを全域の1/αとする。また、塊検出部96による塊の1/αの決定については、後述する。ここで、ステップS42の処理とステップS44の処理は並行して行ってもよいし、順番に行ってもよい。
画像解析部23は、全域の1/αと塊の1/αを決定したら、有効サンプルがあるかを判定する(ステップS46)。具体的には、解析した結果、有効と判定できるサンプルの数、サンプリング数が0より大きいかを判定する。画像解析部23は、有効サンプルがない(ステップS46でNo)、つまり有効サンプリング数が0であると判定した場合、1/α値決定部98により、予め設定されたデフォルト値を1/αに決定し(ステップS48)、本処理を終了する。ここで、デフォルト値としては、例えば8‘h20を用いることができる。
画像解析部23は、有効サンプルがある(ステップS46でYes)、つまり有効サンプリング数が1以上であると判定した場合、全域の1/α>塊の1/αであるかを判定する(ステップS50)。画像解析部23は、全域の1/α>塊の1/αである(ステップS50でYes)と判定した場合、1/α値決定部98により、全域の1/αを領域の1/αに決定し(ステップS52)、本処理を終了する。画像解析部23は、全域の1/α≦塊の1/αである(ステップS50でNo)と判定した場合、1/α値決定部98により、塊の1/αを領域の1/αに決定し(ステップS54)、本処理を終了する。つまり、画像解析部23は、大きい方の1/αを領域の1/αに設定する。
次に、図11を用いて、塊の1/αの算出方法について説明する。まず、塊検出部96は、各画素の1/αに基づいて、水平方向の塊の1/αを算出しつつ(ステップS60)、垂直方向の塊の1/αを算出する(ステップS62)。なお、ステップS60とステップS62の処理は、後述する。ここで、ステップS60の処理とステップS62の処理は並行して行ってもよいし、順番に行ってもよい。ここで、水平方向とは、画像を画像表示パネル30に書き込む際の書き込み位置が移動する方向である。つまり、データの処理時に信号が処理される画素の移動方向が水平方向となる。垂直方向は水平方向に直交する方向である。
塊検出部96は、水平方向、垂直方向の塊の1/αを算出したら、水平方向の塊の1/α>垂直方向の塊の1/αであるかを判定する(ステップS64)。塊検出部96は、水平方向の塊の1/α>垂直方向の塊の1/αである(ステップS64でYes)と判定した場合、水平方向の塊の1/αを塊の1/αに決定し(ステップS66)、本処理を終了する。塊検出部96は、水平方向の塊の1/α>垂直方向の塊の1/αではない(ステップS64でNo)、つまり水平方向の塊の1/α≦垂直方向の塊の1/αであると判定した場合、水平方向の塊の1/α<垂直方向の塊の1/αであるかを判定する(ステップ67)
塊検出部96は、水平方向の塊の1/α<垂直方向の塊の1/αである(ステップS67でYes)と判定した場合、垂直方向の塊の1/αを塊の1/αに決定し(ステップS68)、本処理を終了する。つまり、画像解析部23は、大きい方の1/αを塊の1/αに設定する。塊検出部96は、水平方向の塊の1/α<垂直方向の塊の1/αではない(ステップS67でNo)と判定した場合、つまり、水平方向の塊の1/α=垂直方向の塊の1/αである場合、色相の優先順位に基づいて塊の1/αを決定する。具体的には、水平方向の塊の1/αと垂直方向の塊の1/αとのうち、色相優先順位の高い方の1/αを塊の1/αとする。優先順位としては、優先順位が高い順に、黄、黄緑、シアン、緑、マゼンタ、バイオレット、赤、青の順が例示される。
次に、図12を用いて、水平方向の塊の1/αの算出方法(決定方法)ついて説明する。本実施形態の塊検出部96は、射出面102に対応する全ての画素から抽出したサンプリング点の画素の1/αを用いて解析を行い、水平方向の塊の1/αを決定する。なお、サンプリング点の画素を解析対象とするのは、他の処理も同様である。サンプリング点の画素について解析を行うことで、演算処理を低減することができる。また、サンプリング点は、所定の画素間隔で設けることが好ましい。また、サンプリング点は、水平方向、垂直方向にずれていてもよいし、重なる位置でもよい。
塊検出部96は、サンプリング点の1/αを抽出し(ステップS102)、1/α>閾値以上であるかを判定する(ステップS104)。ここで、閾値としては、1/αとして、塊検出の考慮が必要ない(本実施形態の調整が必要ない)範囲と判定するための基準であり、1/αを8‘h40が例示される。塊検出部96は、1/α≦閾値以上である(ステップS104でNo)と判定した場合、ステップS114に進む。
塊検出部96は、1/α>閾値以上である(ステップS104でYes)と判定した場合、水平方向に隣接するサンプリング点の1/αを抽出し(ステップS106)、1/αが連続しているかを判定する(ステップS108)。ここで、塊検出部96は、1/αを複数の範囲で分割し、比較するサンプリング点の1/αが分割された範囲のうち同じ範囲に入っているかで連続するかを判定する。なお、分割する数、範囲の大きさは任意に設定することができる。また、塊検出部96は、1/αが一致するかで連続するかを判定してもよいし、当該サンプリング点の1/αが、比較する1/αの範囲と同じか大きかった場合、連続すると判定してもよい。また、塊検出部96は、2以上の設定した数以上のサンプリング点の1/αが連続している場合、連続していると判定してもよい。
塊検出部96は、1/αが連続していない(ステップS108でNo)と判定した場合、サンプリングのフラグを保持し、連続検出信号をリセットし(ステップS110)、ステップS114に進む。連続検出信号は、サンプリング点が連続している間ONとなる信号である。塊検出部96は、1/αが連続している(ステップS108でYes)と判定した場合、前記の1/αと今回の1/αを比較し、大きい方の1/αとそのフラグを保持し(ステップS112)、ステップS114に進む。
塊検出部96は、サンプリング点の判定を行ったら、水平方向の領域の境界に到達しているかを判定する(ステップS114)。塊検出部96は、水平方向の領域の境界に到達していない(ステップS114でNo)と判定した場合、ステップS102に戻り、次のサンプリング点について、上述と同様の処理を行う。このように、水平方向の領域の境界ンに到達するまで処理を繰り返す。塊検出部96は、水平方向の領域の境界に到達している(ステップS114でYes)と判定した場合、画像の境界、つまり画像表示パネルの画素の端まで到達したかを判定する(ステップS116)。
塊検出部96は、画像の境界に到達していない(ステップS116でNo)と判定した場合、1/αとフラグを持ち越し(ステップS118)、ステップSS102に戻る。塊検出部96は、画像の境界に到達している(ステップS116でYes)と判定した場合、水平方向の塊検出を終了するか、つまり、画像の全面のサンプリング点について処理を行ったかを判定する(ステップS120)。
塊検出部96は、水平方向の塊検出を終了していない(ステップS120でNo)と判定した場合、次のラインに移動し、連続検出信号とフラグをリセットし(ステップS122)、ステップS102に戻る。塊検出部96は、水平方向の塊検出を終了した(ステップS120でYes)と判定した場合、領域毎に水平方向の塊の1/αを決定し(ステップS124)、本処理を終了する。
塊検出部96は、図12に示す処理を行うことで、図13に示すように1/αが高い画素114が水平方向に連続している領域116を塊と判定することができる。具体的には、領域116にあるサンプリング点112の1/αを連続していると判定し、塊であると判定する。なお、1/αが高い画素114とは、彩度が高い画像、例えば、黄色、緑、赤等の原色、またはRGB、3色のうち2色の成分の階調が高く残りの1成分が0に近い画素である。また、塊検出部96は、図12に示す処理を行うことで、図13に示すように1/αが高い画素114が水平方向に連続していない領域119に塊がないと判定する。
図14は、1/αが高い画素114が集合した塊122が範囲120で囲まれた複数の領域104にまたがっている場合を示している。また、図15は、範囲120を拡大して示している。塊検出部96は、図12に示す処理を行い、水平方向の境界に到達したのちも1/αとフラグを持ち越すことで、図14及び図15に示すように塊122が隣接する領域104から延在している場合でも、実線124で示すように、分割線106を超えて、塊の判定結果を水平方向に持ち越すことで、隣接する領域104での塊を確実に検出することができる。
次に、図16を用いて、垂直方向の塊の1/αの算出方法(決定方法)ついて説明する。本実施形態の塊検出部96は、射出面102に対応する全ての画素から抽出したサンプリング点の画素の1/αを用いて解析を行い、垂直方向の塊の1/αを決定する。塊検出部96は、サンプリング点の1/αを抽出し(ステップS152)、1/α>閾値以上であるかを判定する(ステップS154)。塊検出部96は、1/α≦閾値以上である(ステップS154でNo)と判定した場合、ステップS166に進む。
塊検出部96は、1/α>閾値以上である(ステップS154でYes)と判定した場合、サンプリング点のフラグと1/αをFIFO、RAM等に記憶し(ステップS156)垂直方向に隣接するサンプリング点の1/αを抽出し(ステップS158)、1/αが連続しているかを判定する(ステップS160)。連続の判定方法は水平方向と同様である。
塊検出部96は、1/αが連続していない(ステップS160でNo)と判定した場合、サンプリングのフラグを保持し、対象のサンプリング点に不連続の情報を対応付け、ステップS166に進む。塊検出部96は、1/αが連続している(ステップS160でYes)と判定した場合、対象のサンプリング点に連続の情報を対応付け、サンプリング点の1/αを記憶し、ステップS166に進む。
塊検出部96は、サンプリング点の判定を行ったら、垂直方向の領域の境界に到達しているかを判定する(ステップS166)。塊検出部96は、垂直方向の領域の境界に到達していない(ステップS166でNo)と判定した場合、ステップS152に戻り、次のサンプリング点について、上述と同様の処理を行う。塊検出部96は、垂直方向の領域の境界に到達している(ステップS166でYes)と判定した場合、記憶されている1/αのうち、最大の値を対象の領域の1/αとし(ステップS168)、画像の境界、つまり画像表示パネル30の画素の端まで到達したかを判定する(ステップS170)。
塊検出部96は、画像の境界に到達していない(ステップS170でNo)と判定した場合、ステップSS152に戻る。塊検出部96は、画像の境界に到達している(ステップS170でYes)と判定した場合、垂直方向の塊検出を終了するか、つまり、画像の全面のサンプリング点について処理を行ったかを判定する(ステップS172)。
塊検出部96は、垂直方向の塊検出を終了していない(ステップS172でNo)と判定した場合、次のラインに移動し(ステップS174)、ステップS154に戻る。塊検出部96は、垂直方向の塊検出を終了した(ステップS172でYes)と判定した場合、領域毎に垂直方向の塊の1/αを決定し(ステップS176)、本処理を終了する。
塊検出部96は、図16に示す処理を行うことで、図17に示すように1/αが高い画素114が垂直方向に連続している領域150、152、154の塊を塊と判定することができる。また、塊検出部96は、図16に示す処理を行うことで、1/αが高い画素114が水平方向に連続していない領域156、158、158に塊がないと判定する。
表示装置10は、以上のように、電力の低減量を決定する指標である1/αの算出に所定のアルゴリズムに加え、塊検出を行って検出した1/αを用いることで、画質の劣化が生じることを抑制することができる。つまり、図18に示す領域170ように、所定のアルゴリズムで電力の低減量を少なくして、画質を維持する場合はそのままとし、図19に示す領域180のように、所定のアルゴリズムでは、電力の低減量を大きくし、画質が劣化してしまう場合に塊検出で電力の低減量を少なくして、画質を維持することができる。図18に示す画像の場合、所定のアルゴリズムによって分散しているが所定個数以上ある画素172に対応して1/αを算出し、塊検出部96によって画素の集合体である画素174に対応して1/αを算出する。このとき算出される1/αは、所定のアルゴリズムの方が高い値となるため、所定のアルゴリズムの1/αが領域170の1/αとなる。図19に示す画像の場合、所定のアルゴリズムによって所定個数以上ある画素186に対応して1/αを算出し、塊検出部によって画素の集合体である画素114に対応して1/αを算出する。このとき算出される1/αは、塊検出部96で検出される値の方が高い値となるため、塊検出部96で検出される1/αが領域180の1/αとなる。これにより、図19に示すように画素数としては、少ないが1/αが高くなる画素が集合している場合を塊検出部96で好適に検出することができ、画質の劣化を抑制しつつ、消費電力を低減することができる。また、画素の連続性で判定することで、簡単な処理で塊を検出することができる。
塊検出部96は、塊であると判定する基準のサンプリング点の連続数を、水平方向の方が垂直方向よりも多く設定することが好ましい。これにより、垂直方向における判定の負荷を小さくすることができ、記憶する情報を少なくすることができる。
図20及び図21は、それぞれ1/αの算出処理の一例を説明するための説明図である。ここで、信号処理部20は、図20の色空間202に模式的に示すように、色相によらず1/αを比較してもよいが、図21の色空間210に模式的に示すように、色空間210の色相を所定の角度範囲で分割した分割領域212とし、サンプリング点の色情報の分割領域212が同じとなる色である場合、連続すると判定し、異なる分割領域212の色である場合、連続しないと判定してもよい。この場合、信号処理部20は、色相判定部92の結果を用いて、判定すればよい。
また、信号処理部20は、輝度、彩度等に応じて設定する1/αを、色相に応じて変動させてもよい。これにより、色相の特性に応じて、電力の低減量を調整することができ、画質の劣化をより抑制することができる。つまり、画質の劣化が視認されやすい色相は、1/αが大きく算出され、電力低減量が少なくなるようにし、画質を維持するようにすることができる。また、信号処理部20は、塊として検出する大きさを色相に応じて変動させてもよい。塊として検出する大きさを色相ごとに変動させることでも、色相の特性に応じて、電力の低減量を調整することができ、画質の劣化をより抑制することができる。
本実施形態の表示装置10は、面状光源装置50を導光板の一方の端部に複数の光源を列状に配置したが、これに限定されない。面状光源装置50は、導光板54の両方の端部に光源を配置してもよい。また、表示装置10は、複数の光源を設け、各光源を領域毎に独立して制御することで、効率よく消費電力を低減することができるが、光源を1つとしてもよいし、複数の光源を一体で制御してもよい。
(適用例)
次に、図22乃至図30を参照して、本実施形態及び変形例で説明した表示装置10の適用例について説明する。以下、本実施形態及び変形例を本実施形態として説明する。図22乃至図30は、本実施形態に係る表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。本実施形態に係る表示装置10は、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末装置、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、或いは、車両に設けられるメータ類などのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、本実施形態に係る表示装置10は、外部から入力された映像信号或いは内部で生成した映像信号を、画像或いは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。電子機器は、表示装置10に映像信号を供給し、表示装置10の動作を制御する制御装置を備える。
(適用例1)
図22に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置10が適用されるテレビジョン装置である。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511及びフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、本実施形態に係る表示装置10である。
(適用例2)
図23及び図24に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置10が適用されるデジタルカメラである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523及びシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、本実施形態に係る表示装置10である。図23に示すように、このデジタルカメラは、レンズカバー525を有しており、レンズカバー525をスライドさせることで撮影レンズが現れる。デジタルカメラは、その撮影レンズから入射する光を撮像することで、デジタル写真を撮影することができる。
(適用例3)
図25に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置10が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部531、この本体部531の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ532、撮影時のスタート/ストップスイッチ533及び表示部534を有している。そして、表示部534は、本実施形態に係る表示装置10である。
(適用例4)
図26に示す電子機器は、本実施形態に係る表示装置10が適用されるノート型パーソナルコンピュータである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体541、文字等の入力操作のためのキーボード542及び画像を表示する表示部543を有しており、表示部543は、本実施形態に係る表示装置10である。
(適用例5)
図27及び図28に示す電子機器は、表示装置10が適用される携帯電話機である。図27は携帯電話機を開いた状態での正面図である。図28は携帯電話機を折りたたんだ状態での正面図である。当該携帯電話機は、例えば、上側筐体551と下側筐体552とを連結部(ヒンジ部)553で連結したものであり、ディスプレイ554、サブディスプレイ555、ピクチャーライト556及びカメラ557を有している。当該ディスプレイ554は、表示装置10が取り付けられている。なお、当該携帯電話機のディスプレイ554は、画像を表示する機能の他に、タッチ動作を検出する機能を有していてもよい。
(適用例6)
図29に示す電子機器は、携帯型コンピュータ、多機能な携帯電話、音声通話可能な携帯コンピュータ又は通信可能な携帯コンピュータとして動作し、いわゆるスマートフォン、タブレット端末と呼ばれることもある、情報携帯端末である。この情報携帯端末は、例えば筐体561の表面に表示部562を有している。この表示部562は、本実施形態に係る表示装置10である。
(適用例7)
図30は、本実施形態に係るメータユニットの概略構成図である。図30に示す電子機器は、車両に搭載されるメータユニットである。図30に示すメータユニット(電子機器)570は、燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータ等、複数の上述した本実施形態に係る表示装置10を表示装置571として備えている。そして、複数の表示装置571は、ともに、一枚の外装パネル572に覆われている。
図30に示す表示装置571それぞれは、表示手段としてのパネル573及びアナログ表示手段としてのムーブメント機構を互いに組み合わせた構成となっている。当該ムーブメント機構は、駆動手段としてのモータと、モータにより回転される指針574とを有している。そして、図30に示すように、表示装置571では、パネル573の表示面に目盛表示、警告表示等を表示することができるとともに、ムーブメント機構の指針574がパネル573の表示面側において回転することが可能となっている。
なお、図30では、一枚の外装パネル572に複数の表示装置571を設けた構成としたが、これに限定されない。外装パネル572によって囲まれた領域に1つの表示装置571を設け、当該表示装置に燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータ等を表示させてもよい。