JP6266832B1 - 樹脂歯車 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐衝撃性の優れる樹脂歯車を提供する。【解決手段】樹脂歯車10は、外周に周方向に一定ピッチで歯部13が配設された歯車本体11を有する。歯車本体11は、ポリアミドを主成分とするベース樹脂に、酸変性オレフィン系エラストマーが配合されていると共に、炭素繊維が分散して含まれた樹脂組成物で形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は樹脂歯車に関する。
電動パワーステアリング装置に組み込まれるウォーム歯車減速機構に用いられる樹脂歯車として、歯車本体がポリアミドをベース樹脂とする樹脂組成物で形成されたものが知られている。特許文献1には、変性ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXD6等の芳香族ポリアミドにガラス繊維や炭素繊維等の補強材を配合した樹脂組成物で歯車本体が形成された樹脂歯車が開示されている。特許文献2には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等のポリアミドに補強材としてガラス繊維を配合した樹脂組成物で歯車本体が形成された樹脂歯車が開示されている。特許文献3には、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612等のポリアミドにガラス繊維や炭素繊維等の補強材を配合した樹脂組成物で歯車本体が形成された樹脂歯車が開示されている。
本発明の課題は、耐衝撃性が優れる樹脂歯車を提供することである。
本発明は、外周に周方向に一定ピッチで歯部が配設された歯車本体を有する樹脂歯車であって、前記歯車本体は、ポリアミドを主成分とするベース樹脂に、酸変性エチレン−オクテンコポリマーが配合されていると共に、炭素繊維が分散して含まれた樹脂組成物で形成されており、前記樹脂組成物における前記酸変性エチレン−オクテンコポリマーの含有量が前記炭素繊維の含有量よりも多く、且つ前記樹脂組成物における前記酸変性エチレン−オクテンコポリマーの含有量に対する前記炭素繊維の含有量の比が0.37以上である。
本発明によれば、歯車本体を形成する樹脂組成物が、ポリアミドを主成分とするベース樹脂に、酸変性オレフィン系エラストマーが配合されていると共に、炭素繊維が分散して含まれていることにより、優れた耐衝撃性を得ることができる。
以下、実施形態について詳細に説明する。
図1は実施形態に係る樹脂歯車10を示す。実施形態に係る樹脂歯車10は、自動車の電動パワーステアリング装置に組み込まれるウォーム歯車減速機構の減速歯車として用いられる。
実施形態に係る樹脂歯車10は、樹脂組成物で形成された歯車本体11とその中心軸に一体に設けられた金属製の芯管12とを有する。実施形態に係る樹脂歯車10は、歯車本体11の外周に周方向に一定ピッチで歯部が配設されており、この歯部がウォーム20に噛合するように設けられる。
歯部本体11を形成する樹脂組成物は、ポリアミドを主成分とするベース樹脂に、酸変性オレフィン系エラストマーが配合されていると共に、炭素繊維が分散して含まれている。実施形態に係る樹脂歯車10によれば、このように歯車本体11を形成する樹脂組成物が、ポリアミドを主成分とするベース樹脂に、酸変性オレフィン系エラストマーが配合されていると共に、炭素繊維が分散して含まれていることにより、優れた耐衝撃性を得ることができる。
ベース樹脂の主成分のポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612などの脂肪族ポリアミド;ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T11、ポリアミド10T11、ポリアミド66T、ポリアミド616Tなどの芳香族ポリアミドや半芳香族ポリアミド;変性ポリアミド6Tのようなこれらの変性物が挙げられる。ポリアミドは、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。吸水性が低く寸法安定性が高いという観点からは、芳香族ポリアミドを用いることが好ましく、ポリアミド9Tやポリアミド10Tを用いることがより好ましい。
ベース樹脂におけるポリアミドの含有量は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。なお、ベース樹脂に含めることができるその他のベース樹脂種としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
歯車本体11を形成する樹脂組成物におけるベース樹脂の含有量(A)は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは60質量%以上95質量%以下、より好ましくは70質量%以上90質量%以下である。
酸変性オレフィン系エラストマーとしては、例えば、酸変性エチレン−プロピレンコポリマー、酸変性エチレン−ブテンコポリマー、酸変性エチレン−ヘキセンコポリマー、酸変性エチレン−オクテンコポリマーなどの酸変性エチレン−α−オレフィンコポリマーや酸変性エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー等が挙げられる。また、酸変性オレフィン系エラストマーとしては、例えば、無水マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、無水イタコン酸変性オレフィン系エラストマー、イタコン酸変性オレフィン系エラストマー、フマル酸変性オレフィン系エラストマー、メタクリル酸変性オレフィン系エラストマー、アクリル酸変性オレフィン系エラストマー等が挙げられる。酸変性オレフィン系エラストマーとしては、これらの組み合わせが挙げられる。酸変性オレフィン系エラストマーは、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。オレフィン系エラストマーは、優れた耐衝撃性を得る観点から、酸変性エチレン−α−オレフィンコポリマーを用いることが好ましく、酸変性エチレン−オクテンコポリマーを用いることがより好ましい。酸変性オレフィン系エラストマーは、優れた耐衝撃性を得る観点から、無水マレイン酸変性オレフィン系エラストマーであることが好ましい。従って、酸変性オレフィン系エラストマーは、優れた耐衝撃性を得る観点から、無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィンコポリマーを用いることが好ましく、無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーを用いることがより好ましい。
酸変性オレフィン系エラストマーのJIS K7210-2014に基づいて190℃及び2.16kgの条件で測定されるMFR(メルトフローレート)は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは3g/min以上、より好ましくは6g/min以上であり、また、好ましくは23g/min以下である。
歯車本体11を形成する樹脂組成物における酸変性オレフィン系エラストマーの含有量(B)は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは5.0質量%以上40質量%以下、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
歯車本体11を形成する樹脂組成物におけるベース樹脂の含有量(A)に対する酸変性オレフィン系エラストマーの含有量(B)の比(B/A)は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは0.05以上0.67以下、より好ましくは0.11以上0.43以下である。
炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノファイバ(CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)、ワイヤーカップ、ワイヤーウォール等が挙げられる。炭素繊維は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
歯車本体11を形成する樹脂組成物に含まれる炭素繊維の繊維長は、折損されて例えば200μm以上300μm以下であるが、配合前の炭素繊維の繊維長は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは2.0mm以上10mm以下、より好ましくは4.0mm以上8.0mm以下である。炭素繊維がカーボンナノファイバやカーボンナノチューブの場合、その長さは、好ましくは5.0μm以上100μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下である。
炭素繊維の繊維径は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは3μm以上10μm以下、より好ましくは5μm以上8μm以下である。炭素繊維がカーボンナノファイバやカーボンナノチューブの場合、その径は、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは5nm以上20nm以下である。
歯車本体11を形成する樹脂組成物における炭素繊維の含有量(C)は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは5.0質量%以上30質量%以下、より好ましくは10質量%以上20質量%以下である。
歯車本体11を形成する樹脂組成物におけるベース樹脂の含有量(A)に対する炭素繊維の含有量(C)の比(C/A)は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは0.060以上0.71以下、より好ましくは0.12以上0.36以下である。
歯車本体11を形成する樹脂組成物における酸変性オレフィン系エラストマーの含有量(B)は炭素繊維の含有量(C)よりも多いことが好ましい。歯車本体11を形成する樹脂組成物における酸変性オレフィン系エラストマーの含有量(B)に対する炭素繊維の含有量(C)の比(C/B)は、優れた耐衝撃性を得る観点から、好ましくは0.13以上8.6以下、より好ましくは0.37以上2.5以下である。
歯車本体11を形成する樹脂組成物には、耐衝撃性を損なわない範囲で、その他の樹脂配合剤等が配合されていてもよい。なお、装置内部を損傷させる虞があることから、ガラス繊維は配合されていないことが好ましい。
歯車本体11を形成する樹脂組成物のシャルピー衝撃強度(ノッチ付、23℃)は、好ましくは6.0kJ/m2以上、より好ましくは8.0kJ/m2以上である。このシャルピー衝撃強度はISO179/1eAに準拠して測定される。
歯車本体11を形成する樹脂組成物の23℃での引張破壊応力は、好ましくは60.0MPa以上120MPa以下、より好ましくは70.0MPa以上110MPa以下である。120℃での引張破壊応力は、好ましくは15.0MPa以上55.0MPa以下、より好ましくは25.0MPa以上45.0MPa以下である。
歯車本体11を形成する樹脂組成物の23℃での引張破壊ひずみは、好ましくは4.0%以上20%以下、より好ましくは6.0%以上15%以下である。120℃での引張破壊ひずみは、好ましくは6.0%以上30%以下、より好ましくは8.0%以上20%以下である。
歯車本体11を形成する樹脂組成物の23℃での引張弾性率は、好ましくは2.0GPa以上5.0GPa以下、より好ましくは2.5GPa以上4.0GPa以下である。120℃での引張弾性率は、好ましくは1.0GPa以上4.5GPa以下、より好ましくは1.5GPa以上4.0GPa以下である。
これらの引張破壊応力、引張破壊ひずみ、及び引張弾性率は、JIS K7161に準拠して、チャック間距離115mm及び引張速度10mm/minとして測定される。
歯車本体11を形成する樹脂組成物の樹脂流動方向に対して直交する方向の線膨張率は、好ましくは140ppm/K以下、より好ましくは130ppm/K以下である。この線膨張率はJISK7197に準拠して測定される。
歯車本体11を形成する樹脂組成物で形成した短冊状成形体の長さ方向の吸水寸法変化は、好ましくは0.40%以下、より好ましくは0.20%以下である。幅方向の吸水寸法変化は、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.25%以下である。厚さ方向の吸水寸法変化は、好ましくは1.5%以下、より好ましくは0.35%以下である。これらの吸水寸法変化は、短冊状成形体を温度85℃、湿度85%の雰囲気の恒温恒湿槽に1週間放置前後の寸法変化率として求められる。
歯車本体11を形成する樹脂組成物の吸水率は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは1.5%以下である。この吸水率は、短冊状成形体を温度85℃、湿度85%の雰囲気の恒温恒湿槽に1週間放置前後の質量変化率として求められる。
歯車本体11を形成する樹脂組成物の比摩耗量は、好ましくは8.00mm3/N・m以下、より好ましくは6.00mm3/N・m以下である。歯車本体11を形成する樹脂組成物の動摩擦係数は、好ましくは0.10〜0.80、より好ましくは0.10〜0.30である。これらの比摩耗量及び動摩擦係数は、JISK7218−1986に基づいて筒状の試験片を作成し、鈴木式摩擦摩耗試験機を用い、25℃の温度雰囲気下、相手材を十点表面粗さRz2.8μmのS45C、面圧力を1.2MPa、すべり速度100mm/sec、試験時間24時間、及び潤滑剤なしの条件で摩擦摩耗試験を実施した結果から求められる。
歯車本体11を形成する樹脂組成物は、例えば二軸混練機のホッパにベース樹脂、酸変性オレフィン系エラストマー、及び炭素繊維を投入し、シリンダ内で加熱してベース樹脂及び酸変性オレフィン系エラストマーを溶融させると共に炭素繊維と混練し、それを押し出してペレット状に加工することにより調製することができる。実施形態に係る樹脂歯車10は、射出成型機のホッパにそのペレットを投入し、シリンダ内で加熱して溶融させると共に混練し、それを金型に射出する射出成型により製造することができる。
なお、上記実施形態に係る樹脂歯車10は、自動車の電動パワーステアリング装置に組み込まれるウォーム歯車減速機構のウォーム20に噛合するものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、別の歯車と噛合する用途で用いられてもよく、また、歯付ベルトと噛合する用途で用いられてもよい。
(樹脂材料)
実施例1〜4及び比較例1〜6の樹脂材料を準備した。それぞれの構成は表1にも示す。
実施例1〜4及び比較例1〜6の樹脂材料を準備した。それぞれの構成は表1にも示す。
<実施例1>
ポリアミド9T(ジェネスタN1000A クラレ社製)を72質量%、酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマー(SCONA TSPOE 1002 GBLL BYK社製、MFR(190℃,21.6kg):6〜23g/10min)を18質量%、及びPAN系炭素繊維(HTC605 東邦テナックス社製 繊維長6mm、繊維径7μm)を10質量%含有する樹脂組成物を実施例1とした。実施例1の樹脂組成物は、ポリアミド9TにPAN系炭素繊維を予め混練したものに酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーを加えて更に混練することにより調製した。
ポリアミド9T(ジェネスタN1000A クラレ社製)を72質量%、酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマー(SCONA TSPOE 1002 GBLL BYK社製、MFR(190℃,21.6kg):6〜23g/10min)を18質量%、及びPAN系炭素繊維(HTC605 東邦テナックス社製 繊維長6mm、繊維径7μm)を10質量%含有する樹脂組成物を実施例1とした。実施例1の樹脂組成物は、ポリアミド9TにPAN系炭素繊維を予め混練したものに酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーを加えて更に混練することにより調製した。
<実施例2>
ポリアミド9Tを72質量%、酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーを18質量%、PAN系炭素繊維を5.0質量%、及びカーボンナノチューブ(K-Nanos-100T Kumho Petrochemical社製、長さ10〜50μm、径10〜15nm)を5.0質量%含有する樹脂組成物を実施例2とした。実施例2の樹脂組成物は、ポリアミド9TにPAN系炭素繊維を予め混練したものと、酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーに予めカーボンナノチューブを混練したものとを作製し、それらを混練することにより調製した。
ポリアミド9Tを72質量%、酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーを18質量%、PAN系炭素繊維を5.0質量%、及びカーボンナノチューブ(K-Nanos-100T Kumho Petrochemical社製、長さ10〜50μm、径10〜15nm)を5.0質量%含有する樹脂組成物を実施例2とした。実施例2の樹脂組成物は、ポリアミド9TにPAN系炭素繊維を予め混練したものと、酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーに予めカーボンナノチューブを混練したものとを作製し、それらを混練することにより調製した。
<実施例3>
ポリアミド9Tに代えてポリアミド10T(Xecot XN500 ユニチカ社製)を用いたことを除いて実施例1と同一構成の樹脂組成物を実施例3とした。
ポリアミド9Tに代えてポリアミド10T(Xecot XN500 ユニチカ社製)を用いたことを除いて実施例1と同一構成の樹脂組成物を実施例3とした。
<実施例4>
ポリアミド9T、酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマー、及びPAN系炭素繊維の含有量を、それぞれ68質量%、23質量%、及び9質量%としたことを除いて実施例1と同一構成の樹脂組成物を実施例4とした。
ポリアミド9T、酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマー、及びPAN系炭素繊維の含有量を、それぞれ68質量%、23質量%、及び9質量%としたことを除いて実施例1と同一構成の樹脂組成物を実施例4とした。
<比較例1>
ポリアミド66(アミラン CM3006 東レ社製)を比較例1とした。
ポリアミド66(アミラン CM3006 東レ社製)を比較例1とした。
<比較例2>
ガラス繊維強化ポリアミド66(アミランCM3001G30 東レ社製、ガラス繊維含有量30質量%、ガラス繊維直径10μm)を比較例2とした。
ガラス繊維強化ポリアミド66(アミランCM3001G30 東レ社製、ガラス繊維含有量30質量%、ガラス繊維直径10μm)を比較例2とした。
<比較例3>
ポリアミド9Tを比較例3とした。
ポリアミド9Tを比較例3とした。
<比較例4>
炭素繊維強化ポリアミド66(トレカ 3101T-10V 東レ社製、炭素繊維含有量10質量%)を比較例4とした。
炭素繊維強化ポリアミド66(トレカ 3101T-10V 東レ社製、炭素繊維含有量10質量%)を比較例4とした。
<比較例5>
ポリアミド66を92質量%、及びカーボンナノチューブ(NC7000 nanocyl社製 MWCNT)を8.0質量%含有する樹脂組成物を比較例5とした。
ポリアミド66を92質量%、及びカーボンナノチューブ(NC7000 nanocyl社製 MWCNT)を8.0質量%含有する樹脂組成物を比較例5とした。
<比較例6>
ポリアミド66を90質量%、及び酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーを10質量%含有する樹脂組成物を比較例6とした。
ポリアミド66を90質量%、及び酸変性オレフィン系エラストマーの無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーを10質量%含有する樹脂組成物を比較例6とした。
(試験方法)
<シャルピー衝撃強度>
実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれについて、ノッチ付きの試験片を射出成形し、ISO179/1eAに準拠してシャルピー衝撃強度(ノッチ付、23℃)を測定した。
<シャルピー衝撃強度>
実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれについて、ノッチ付きの試験片を射出成形し、ISO179/1eAに準拠してシャルピー衝撃強度(ノッチ付、23℃)を測定した。
<引張特性>
実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれについて、ダンベル状の試験片を射出成形し、JISK7161に準拠して、チャック間距離115mm及び引張速度10mm/minとして23℃及び120℃での引張破壊応力、引張破壊ひずみ、及び引張弾性率を測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれについて、ダンベル状の試験片を射出成形し、JISK7161に準拠して、チャック間距離115mm及び引張速度10mm/minとして23℃及び120℃での引張破壊応力、引張破壊ひずみ、及び引張弾性率を測定した。
<寸法安定性>
実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれについて、短冊状の試験片(長さ63mm、幅12mm、及び厚さ6mm)を射出成形し、JISK7197に準拠して樹脂流動方向に対して直交する方向の線膨張率を測定した。また、短冊状の試験片を温度85℃、湿度85%の雰囲気の恒温恒湿槽に1週間放置し、その前後の寸法変化率を吸水寸法変化として求めた。また、吸水前後の質量変化から吸水率を求めた。
実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれについて、短冊状の試験片(長さ63mm、幅12mm、及び厚さ6mm)を射出成形し、JISK7197に準拠して樹脂流動方向に対して直交する方向の線膨張率を測定した。また、短冊状の試験片を温度85℃、湿度85%の雰囲気の恒温恒湿槽に1週間放置し、その前後の寸法変化率を吸水寸法変化として求めた。また、吸水前後の質量変化から吸水率を求めた。
<摺動特性>
実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれについて、JISK7218−1986に基づいて筒状の試験片を射出成形し、鈴木式摩擦摩耗試験機を用い、25℃の温度雰囲気下、相手材を十点表面粗さRz2.8μmのS45C、面圧力を1.2MPa、すべり速度100mm/sec、試験時間24時間、及び潤滑剤なしの条件で摩擦摩耗試験を実施し、その結果から比摩耗量及び動摩擦係数を求めた。
実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれについて、JISK7218−1986に基づいて筒状の試験片を射出成形し、鈴木式摩擦摩耗試験機を用い、25℃の温度雰囲気下、相手材を十点表面粗さRz2.8μmのS45C、面圧力を1.2MPa、すべり速度100mm/sec、試験時間24時間、及び潤滑剤なしの条件で摩擦摩耗試験を実施し、その結果から比摩耗量及び動摩擦係数を求めた。
(試験結果)
試験結果を表2に示す。
試験結果を表2に示す。
表2の結果によれば、ポリアミド9T又はポリアミド10T、酸変性オレフィン系エラストマー、及び炭素繊維を含む実施例1〜4では、高い耐衝撃性を得ることができることが分かる。
一方、比較例1及び3〜6では、高い耐衝撃性を得ることができないことが分かる。なお、比較例2では高い耐衝撃性を得ることができるが、相手材の比摩耗量が大きいため周辺部を損傷させる危険性が懸念される。
本発明は樹脂歯車の技術分野について有用である。
10 樹脂歯車
11 歯車本体
12 芯管
20 ウォーム
11 歯車本体
12 芯管
20 ウォーム
Claims (7)
- 外周に周方向に一定ピッチで歯部が配設された歯車本体を有する樹脂歯車であって、
前記歯車本体は、ポリアミドを主成分とするベース樹脂に、酸変性エチレン−オクテンコポリマーが配合されていると共に、炭素繊維が分散して含まれた樹脂組成物で形成されており、
前記樹脂組成物における前記酸変性エチレン−オクテンコポリマーの含有量が前記炭素繊維の含有量よりも多く、且つ前記樹脂組成物における前記酸変性エチレン−オクテンコポリマーの含有量に対する前記炭素繊維の含有量の比が0.37以上である樹脂歯車。 - 請求項1に記載された樹脂歯車において、
前記酸変性エチレン−オクテンコポリマーが無水マレイン酸変性エチレン−オクテンコポリマーである樹脂歯車。 - 請求項1又は2に記載された樹脂歯車において、
前記樹脂組成物のシャルピー衝撃強度(ノッチ付、23℃)が8.0kJ/m2以上である樹脂歯車。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載された樹脂歯車において、
前記ポリアミドが半芳香族ポリアミドを含む樹脂歯車。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載された樹脂歯車において、
前記炭素繊維がPAN系炭素繊維を含む樹脂歯車。 - 請求項5に記載された樹脂歯車において、
前記炭素繊維がカーボンナノチューブを更に含む樹脂歯車。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載された樹脂歯車において、
前記樹脂組成物における前記ベース樹脂の含有量に対する前記炭素繊維の含有量の比が0.12以上0.36以下である樹脂歯車。
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- 2017-07-12 JP JP2017136318A patent/JP6266832B1/ja active Active
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