JP6261597B2 - ベルト形状の粒子ビーム用チョッパおよびその動作方法 - Google Patents

ベルト形状の粒子ビーム用チョッパおよびその動作方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子ビーム用チョッパに関する。
例えば、研究目的で粒子ビームを使用する場合、ビームを空間的及び時間的に限定したパルスに変調することが、しばしば重要となる。そのために、粒子ビームに対する透過率が異なる領域を有する制御部品を備えたチョッパが使用される。その制御部品を粒子ビームを通して動かすことによって、粒子ビームが、高い透過率と低い透過率の領域に交互に当たり、そのようにして変調される。
特許文献1により、粒子ビームを通って回転するホイールとして構成されたチョッパが周知である。その場合、チョッパホイールの周縁における周速度が粒子ビームを変調できる周波数を規定する。
特許文献2により、小さい制御部品が、その制御部品の軌道を規定する固定位置のガイド部品の周りを周期的に巡回する、そのようなチョッパの改善形態が周知である。それにより、粒子ビームを変調するために動かさなければならない質量が明らかにより小さくなり、そのことは、遠心力と望ましくない固有振動による材料の機械的応力の増大を防止している。
そのようなチョッパホイール又はガイド部品のために大きなスペースが必要であることが欠点である。しかし、正に粒子ビームを作り出す科学用大規模設備では、そのようなスペースは、出来る限り多くのユーザーを惹き付けることができる大きさに辛うじて実現されている。それと同時に、特に、発生場所から出た中性子を先ずは点放射源と同様に全ての方向に放出する破砕中性子源又は研究用原子炉では、その発生場所の出来る限り近くでビームを変調させて、所定のパルス持続時間中に出来る限り多数の中性子を利用できるようにすることに大きな関心が寄せられている。しかし、チョッパが中性子の発生場所の近くに有る程、より少ないスペースしか利用できなくなる。
更に、従来のチョッパでは、パルス持続時間と繰返し周波数は、両方の変数が制御部品の巡回周波数と関連しているので互いに独立して変更することができない。
ドイツ特許公開第102004002326号明細書 ドイツ特許公開第102007046739号明細書
以上のことから、本発明の課題は、変調すべき粒子ビームのビーム経路の直ぐ近くで必要とするスペースが従来技術によるチョッパよりも少ないチョッパを提供することである。本発明の別の課題は、パルス持続時間と繰返し周波数を互いに関連しないようにして、それにより、各用途に関して両方の変数を最適に選定できるようにすることである。
本課題は、本発明において、主請求項によるチョッパと副請求項による方法により解決される。別の有利な実施形態は、それらを参照する従属請求項から明らかとなる。
本発明の範囲内では、粒子ビーム用チョッパを開発した。このチョッパは、少なくとも二つの領域AとBに区分された少なくとも一つの曲げ易い制御部品を有し、領域Bの粒子ビームに対する透過率が領域Aよりも小さい、特に、粒子ビームを透過せず、並びに粒子ビームがこれらの領域AとBに時間的に交互に当たるように、この制御部品を粒子ビームを通して移動させる少なくとも一つの駆動源を有する。
本発明では、この制御部品は、ベルト形状に構成されて、駆動源により回転させることが可能な少なくとも一つの部品の外周に付勢力により密着している。
この制御部品をベルト形状の部品として構成することによって、従来技術によるホイール又はリング形状のチョッパよりも著しく省スペースにチョッパを構成できることが分かった。特に、ベルト自体が駆動源の力を伝達することによって、制御部品と比べて嵩張る駆動源を空間的にビーム経路から切り離して配置することができる。例えば、このベルトを一つ以上のローラによって偏向させるとともに、最早スペースが不足しない、ビーム経路から遠く離れた場所に、この駆動源を配置することができる。この場合、壁面内の狭い開口部を通して、駆動源が置かれた別の空間内にベルトを案内することもできる。そして、回転させることが可能な部品の胴回りを拡大することによって、この制御部品を粒子ビームを通して移動させる速度を上げることができる。
このスペースの節約は、それに対応して制御部品が粒子ビームを通って移動する方向に関する追加の自由度をユーザに獲得させることとなる。例えば、粒子ビームの横断面が正方形ではなく長方形である場合、同じ直線的な移動速度では、制御部品が長方形の横断面の短辺に沿って粒子ビームを通って移動することによって、実現可能な最小パルス持続時間を短くすることができる。そのためには、制御部品自体も曲げ易い(捩じることが可能である)ことが、その場合でも曲がった経路に沿って移動できるので特に有利である。
最早必ずしも粒子ビームがチョッパに当たる場所の近くに駆動源を配置する必要が無いことによって、駆動源が起こり得る放射線損傷に対して保護され、そのことは、チョッパの寿命を改善する。粒子ビームとしての中性子ビームをチョッパにより変調する場合、領域B内で中性子ビームを捕捉する役割を果たす多くの材料が、衝突する中性子によって活性化されて、それ自体が強いガンマ線を放出する。このガンマ線は、化学結合を破壊して、遊離基の生成を励起することによって、有機分子を損傷させる。多くの場合駆動源として動作する電気モータ内の巻線の絶縁体は、有機分子を含み、そのため、ガンマ線により寿命に悪影響を受け、その結果、モータは、最終的に短絡により動作しなくなる。
更に、この制御部品が、嵩張るチョッパホイールと比べて非常に小さい質量しか持たないことと、駆動源により回転させることが可能な部品と付勢力により密着していることによって、その部品の回転速度の変化、それどころか反転が直ちに制御部品に波及するので、大きな慣性モーメントを克服する必要が無いこととが分かった。従って、制御部品を粒子ビームを通して動かす移動速度を変更することができる。特に、粒子ビームの少なくとも一つの部分領域が専ら制御部品の領域Aを通過する制御部品の構成状態において、粒子ビームが完全に領域Bに当たる制御部品の構成状態と異なる移動速度で駆動源を駆動することができる。この場合、前者の移動速度は、チョッパが粒子ビームを透過するパルス持続時間に関して重要である。後者の移動速度は、繰返し周波数、即ち、パルス間の時間長に関して重要である。両方の速度は、具体的な用途から生じる要件に応じて互いに独立して選定することができる。従来技術では、確かに、制御部品の巡回周波数を変化させることができたが、個々の巡回中に巡回周波数を変更することができなかった。両方の速度の各々に関して、本発明によるチョッパは、少なくとも従来のホイール式チョッパの性能を実現することができ、むしろ動かす質量が小さくなるので、性能が改善される傾向に有る。
更に、本発明によるチョッパを用いて、ビーム横断面、特に、ビーム高の変更に対して、従来のホイール式チョッパよりも柔軟に対応することができる。例えば、制御部品の移動方向に対して直角のビーム高を変更する場合、それ以前と同じ手法でビームを変調するためには、制御部品の幅だけを大きくすれば良い。ホイール式チョッパの場合、同じ状況では、回転軸に対する半径方向の間隔に依存する周速度を考慮して、ビームの横断面全体を同じ時間で開閉するように、領域AとBを新たに設計していた。
有利には、この制御部品は、移動方向に伸縮可能である。それにより、持続的に機械的応力下に保持することができ、そのことは、回転させることが可能な部品に対する付勢力を改善する。特に、回転させることが可能な部品に対して、外部から制御部品を押圧する必要が無い。それによって、例えば、部分領域内において付勢力により密着していない制御部品の外側に、粒子ビームに対する透過率が小さい方の領域Bを形成するためのコーティングを施すことができる。このコーティングが押圧機構と回転させることが可能な部品の間で繰り返し圧延された場合、押圧機構も、このコーティング自体も速く磨耗してしまう。
更に、伸縮可能な制御部品により、駆動源の移動速度の変更、それどころか反転時における制御部品の極端な機械的応力が防止される。更に、この伸縮可能な制御部品は、減衰特性を有し、その結果、駆動源から生じる振動の大部分が、最早ビームを変調する場所まで伝搬することができない。それに対して、ホイール式チョッパは、堅いシステムであり、振動に弱い。
それに代わって、或いはそれと組み合わせて、本発明の別の有利な実施形態では、駆動源と制御部品の間に付勢された形で減衰部品が、特に、トーションばねが配置される。この減衰部品は、駆動源から生じる振動エネルギーを散逸させる。
駆動源が回転させることが可能な部品を介して制御部品を移動させる回転トルクと制御部品の質量分布は、駆動源の動きを損なわないように互いに適合させるべきである。有利には、この制御部品は、50g/メートル長以内の平均質量分布を有する。材料が軽くなる程、駆動及び速い移動方向変更毎に必要な力が小さくなる。このベルトが、例えば、閉じている場合、その長さに沿って、必ず一様な速度の動きも加速された動きとなる反転点が存在する。それにより、制御部品自体もそれを巡回させるための機構も、この反転点で力を加えられる。
特に、0.025mm〜0.5mmの厚さ、有利には、0.1mm以下の厚さのカーボンファイバー製ベルト又は繊維複合材料から成るベルトが、制御部品として適している。これらの材料は、軽く、しかも移動方向に伸縮可能である。それらは、粒子ビームとしての中性子ビームを非常に良好に透過する、即ち、領域Aを形成する。領域Bは、中性子吸収材料をベルト上の片側又は両側に層としてコーティングするか、或いはベルトに統合することによって、このベルト上に形成される。中性子吸収材料としては、例えば、ポリマーに埋め込まれた、ベルト上に0.1mm〜0.5mmの層厚でコーティングすることが可能な10B又はGdが適している。しかし、この制御部品は、粒子が通過可能な開口部を有する金属製ベルトとすることもできる。その場合、それらの開口部が領域Aを形成する一方、金属製ベルト自体が非透過領域Bを形成する。典型的には、この制御部品は、主として(95%まで)中性子を透過しない領域Bから構成され、中性子を透過する少数の中性子ウインドウ(領域A)しか持っていない。
有利には、領域Aは、粒子ビームを少なくとも75%、有利には、少なくとも90%、特に有利には、少なくとも95%、理想的には完全に透過する。有利には、領域Bは、粒子ビームを高々10%、有利には、高々1%、特に有利には、高々0.1%透過し、理想的には全く透過しない。
本発明の特に有利な実施形態では、この制御部品は、閉じたベルトである。その場合、この駆動源は、一様な形態で動作するが、粒子ビームを周期的に変調することができる。特に、大きな加速度力の下で移動を繰り返し停止、反転させる必要は無い。
この場合、制御部品は、一方の行程上で(一つの側面位置において)ビーム経路を通して案内し、戻る行程上でビーム経路を迂回して案内することができる。しかし、本発明の特に有利な実施形態では、この制御部品は、少なくとも二つの側面位置において粒子ビームのビーム経路を通して案内されるとともに、それぞれ少なくとも二つの領域Aと二つの領域Bを有する。これらの領域は、粒子ビームの少なくとも一部が、駆動源により移行可能な制御部品の少なくとも一つの構成状態において、二つの側面位置でそれぞれ一つの領域Aを通過するように互いに配置される。その場合、戻る行程上でビーム経路を迂回して制御部品を案内する必要は無い。むしろ、二つの行程は、一つの面内を進むことができ、その結果、このベルトを捩じる必要は無い。有利には、この構成状態では、粒子ビーム全体が二つの側面位置でそれぞれ一つの領域Aを通過する。
有利には、ビーム方向における二つの側面位置の間隔は変更可能である。それは、例えば、別個のローラ対を介して二つの側面位置に案内することによって実現できる。第二の側面位置に案内するための第二の対のローラが、互いに近くに位置すると同時に、ビーム方向において第一の側面位置から離して動かされることによって、制御部品の残る長さが同じとして、二つの側面位置の間隔を拡大することができる。それは、伝搬時間に関して、一つの速度の粒子だけが所定の領域内を通過できるようにするため(速度フィルタ)に利用することができる。
本発明の特に有利な実施形態では、粒子ビームは、駆動源により移行可能な制御部品の少なくとも一つの構成状態において、第一の側面位置で一つの領域Aを通過する巡回段階で第二の側面位置で領域Bに当たる。その場合、二つの側面位置は、粒子ビームを透過するウインドウが総じて出来る限り短い時間の間でしか生じさせないことに寄与する。理想的には、この構成状態では、ビーム横断面の一方の半分が第一の側面位置において領域Bにより阻止される。第一の側面位置において領域Aを通過するビーム横断面の他方の半分は、第二の側面位置において領域Bにより阻止される。その場合、パルス持続時間を半分にすることができる。この二つの側面位置による効果は、一つの同じ閉じたベルトだけでなく、運動だけが同期する二つの関連しないベルトによっても実現することができる。
前述した事項と関連して、本発明は、本発明によるチョッパの動作方法にも関する。その場合、駆動源は、粒子ビームの少なくとも一つの部分領域が専ら制御部品の領域Aを通過する制御部品の構成状態において、粒子ビームが完全に領域Bに当たる制御部品の構成状態と異なる移動速度で駆動される。このことは、パルス持続時間と繰返し周波数を互いに独立して設定できるとの作用を奏する。
以下において、本発明の対象を図面に基づき説明するが、それにより本発明の対象は制限されない。
本発明によるチョッパの実施例の模式図 本発明によるチョッパの実施例の模式図 本発明によるチョッパの実施例の模式図 図1に図示されたチョッパを用いて中性子パルスを発生させる説明図 図1に図示されたチョッパを用いて中性子パルスを発生させる説明図 図1に図示されたチョッパを用いて中性子パルスを発生させる説明図 図1に図示されたチョッパを用いて中性子パルスを発生させる説明図 図1に図示されたチョッパを用いて中性子パルスを発生させる説明図 図1に図示されたチョッパを用いて中性子パルスを発生させる説明図 制御部品の送り速度の変更グラフ
図1aは、見易くするために、駆動源とそれにより回転させることが可能な部品を図示していない、本発明によるチョッパの実施例を模式的な斜視図で図示している。この制御部品1は、中性子吸収材料としての10Bを領域B1,B2にコーティングした厚さ0.1mmのカーボンファイバーから成る閉じたベルトである。領域A1,A2にはコーティングされておらず、これらの領域は、中性子ウインドウとしての役割を果たす。このベルトは、一つの面内を巡回しており、そのため、二つの側面位置において、中性子ビームのビーム経路2を通して案内されている。この場合、二つの側面位置では、矢印で表示されている異なる方向に動く。これらの領域A1,A2は、第一の側面位置における一つの領域A1と第二の側面位置における一つの領域A2が同時にビーム経路の直線内に有るベルトの巡回段階が得られるように互いに配置されている。この巡回段階では、チョッパは、中性子ビーム2を透過する。それに対して、全ての中性子が、ベルトの第一の側面位置の領域B1又は第二の側面位置の領域B2によって吸収される場合、チョッパは、中性子ビームを全体として透過しない(締め出す)。一つの領域(A1又はA2、或いはB1又はB2)が如何なる側面位置に有るかの識別は、図1aに図示された瞬間的な状態と関連する。当然のことながら、これらの領域は、ベルトが巡回している場合、一方の側面位置から他方の側面位置に移動する。
図1bは、この実施例を別の模式的な平面図で図示している。この制御部品1は、二つのローラ3と4の間で引っ張られており、それらの外周にそれぞれ付勢力により密着している。この場合、ローラ3は、駆動源によって回転させることが可能であり、そのことは、このベルトを巡回させることとなる。この駆動源は、ローラ3を二つの回転方向に駆動することができる直流モータである。このベルト(制御部品)は、ベルトが中性子ビーム2を通して案内される二つの側面位置が互いに平行に延びるとともに、互いに接近し合うように、別の駆動されないローラ5を介して案内されている。そのため、中性子が真空の中性子誘導体内を通る場合、このチョッパを組み込むためには、二つの中性子誘導体の間に、中性子が空気を横切らなければならない最小限の隙間しか必要としない。更に、パルス幅を狭く規定する程、これらの二つの側面位置を互いにより接近させる。
図1bに図示された瞬間的な図面では、ベルトの第一の側面位置には、中性子を透過しない二つの領域B1と中性子を透過する一つの領域A1が有る。同様に、ベルトの第二の側面位置には、中性子を透過しない二つの領域B2と中性子を透過する一つの領域A2が有る。これらの領域A1とA2は、中性子ビーム2の方向において互いに前後の側面位置に有り、その結果、中性子ビームは、それぞれを通り抜けて、チョッパを全体として縮小されずに通過することができる。そのため、図1bは、チョッパの開いた状態を図示している。
図1cは、別の瞬間的な図面を図示している。ローラ3は、図1bと比べて時計方向に回転している。それに対応して、領域A1が右に移動する一方、それと同時に領域A2が左に移動している。同時に、中性子ビーム2は、依然として同じビーム幅wでベルト1の同じ所に入射する。この場合、中性子ビームは、早くも第一の側面位置において非透過性の領域B1に当たって吸収され、その結果、中性子ビームは、最早第二の側面位置に全く到達できず、なおさら全体としてチョッパを通過できない。そのため、図1cは、チョッパの閉じた状態を図示している。
図2は、図1に図示されたチョッパを用いた中性子パルスの発生形態を模式的に図示している。このベルトの第一の側面位置は、中性子ビームを透過する領域A1と中性子ビームを透過しない領域B1を有する。このベルトの第二の側面位置は、中性子ビームを透過する領域A2と中性子ビームを透過しない領域B2を有する。大部分の時間において、ビームは、完全にベルトの第一の側面位置において非透過性の領域B1に当り、そのため、遮蔽される(図2a)。このベルトの二つの側面位置では、互いに逆向きに矢印で表示されている方向に動く。
チョッパがちょうど全体として未だ非透過状態である時点では、ビームのちょうど一方の半分が、第一の側面位置において領域B1により遮蔽される。このビームの他方の半分は、先ずは更に第二の側面位置まで前進する。そこで、この半分は、領域B2により遮蔽され、その結果、全体として、中性子の何れもチョッパを通過しない(図2b)。
ここで、このベルトの同じ方向への更なる動きは、それぞれビームが最早完全には遮蔽されず、領域B1とB2の間に隙間を生じさせる結果となる。第一の側面位置において領域A1を通過した中性子ビームの一部は、第二の側面位置において領域B2により完全には遮蔽されず、そこでも透過性の領域A2に当たる(図2c)。ベルトの二つの側面位置のいずれでも遮蔽されなかった中性子ビームの一部が、チョッパを全体として通過する。
wがビーム幅であり、vがベルトの直線的な速度であるとして、時間w/(2*v)後に、中性子ビームは、完全に先ずは第一の側面位置において透過性の領域A1を通過し、次に、第二の側面位置において透過性の領域A2を通過する。そのため、中性子ビームは、全体として縮小されずにチョッパを通過する。この瞬間に、中性子パルスは、その最大強度に到達する(図2d)。
ここで、このベルトの更なる動きは、ベルトの第一の側面位置において新たに領域B1を中性子ビームの右半分に入り込ませる一方、それと同時にベルトの第二の側面位置において領域B2を中性子ビームの左半分に入り込ませることとなる。更なる時間w/(2*v)後に、中性子ビームの左半分が、ベルトの第一の側面位置において領域A1を通過するが、第二の側面位置において領域B2に当たる。中性子ビームの右半分は、早くも第一の側面位置において領域B1に当たって、そこで吸収される。最早中性子は、全体としてチョッパを通過することができない。この中性子パルスは終了となる(図2e)。
図2fには、このパルス中の強度変化が時間に関して示されている。パルス持続時間として、全体的に中性子がチョッパを通過する時間を評価すると、パルス持続時間は、τ=w/vとなる。それに対して、パルス持続時間として、パルスが最大強度の少なくとも半分となる間の時間(半値幅)を評価すると、パルス持続時間は、τFWHM=w/(2*v)となる。
この実施例では、14Hzの繰返し周波数で約3msのパルス持続時間を実現することができる。二つのパルスの間の時間間隔は、lが図2bでベルトがパルス開始点から次のパルス開始点までに進む長さであるとして、T=l/vとなる。この長さは、ベルト上での領域AとBの区分形態に依存する。Tは、チョッパの閉じた状態において駆動源をパルス中と異なる速度で動作させることによって、連続動作中に変更することができる。典型的には、出来る限り短いパルスが望ましく、その結果、ベルトは、パルス中にパルス間よりも非常に速く動く。ホイール式チョッパ又はフェルミ式チョッパでは、これ程までにパルス持続時間と反復時間Tを互いに独立して設定することはできない。
図3は、時間tに関するベルトの直線的な速度vの考え得る変化を図示している。このベルトの送り速度は、二つの異なる動作速度vとvの間で変更されている。二つのパルスの間では、ベルトは速度vで動いている。このベルトは、パルスの開始点前の適時に、パルスの持続時間τの間に明らかにより速い速度vで動くように実現可能な最大限度で加速される。この場合、τは、半値幅(FWHM)又は全体的にゼロと異なる数の中性子がチョッパを通過する時間長によって定義される。このパルスの終了後、ベルトは、再び速度vで動くように、実現可能な最大減速率で制動される。
このカーボンファイバー製ベルトには、中性子吸収部としての10B又はGdをコーティングするだけでなく、この材料を結合剤と共に染み込ませることもできる。その場合、中性子吸収部(領域B)は、例えば、ローラの通過時などでベルトが曲がることにより、長い間に剥離する可能性の有るコーティングよりも損傷に対して強い。このベルトが裂けたり、或いはコーティングが磨滅した場合、嵩張る重いホイール式チョッパよりも明らかに容易に交換することが可能であり、その結果、修復のためにより短い貴重な測定時間しか必要としない。

Claims (11)

  1. 中性子ビーム用チョッパであって、中性子ビームを空間的及び時間的に限定したパルスに変調し、少なくとも二つの領域AとBに区分された少なくとも一つの制御部品を有し、領域Bの中性子ビームに対する透過率が領域Aよりも小さく、並びに中性子ビームがこれらの領域AとBに時間的に交互に当たるように、この制御部品を中性子ビームを通して移動させる少なくとも一つの駆動源を有し、
    この制御部品が、
    領域Aを形成する母材としてカーボンファイバ又は繊維複合材料から構成され、領域Bを形成するために、中性子吸収材料が、母材上に層としてコーティングされるか、或いは母材に統合されているか、或いは
    領域Bを形成する金属製の母材から構成されて、領域Aを形成する開口部を配備されているチョッパにおいて、
    この制御部品は、曲がった経路に沿って移動できるベルト形状の部品として構成されて、この駆動源により回転させることが可能な少なくとも一つの部品の外周に付勢力により密着していることを特徴とするチョッパ。
  2. 当該の制御部品が、0.025mm〜0.5mmの厚さ又は0.1mm以下の厚さのカーボンファイバ製ベルト又は繊維複合材料から成るベルトであることを特徴とする請求項1に記載のチョッパ。
  3. 当該の中性子吸収材料が、ベルト上に0.1mm〜0.5mmの層厚でコーティングされた10B又はGdであることを特徴とする請求項1又は2に記載のチョッパ。
  4. 当該の制御部品が移動方向に伸縮可能であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のチョッパ。
  5. 当該の駆動源と制御部品の間に付勢された形で駆動源から生じる振動エネルギーを散逸させる減衰部品が配置されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のチョッパ。
  6. 当該の制御部品が50g/メートル長以内の平均的な単位長さ当たりの質量を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載のチョッパ。
  7. 当該の制御部品が無端ベルトであることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載のチョッパ。
  8. 当該の制御部品は、少なくとも二つの側面位置において中性子ビームのビーム経路を通して案内されるとともに、それぞれ少なくとも二つの領域Aと二つの領域Bを有し、これらの領域は、中性子ビームの少なくとも一部が、駆動源により移行可能な制御部品の少なくとも一つの構成状態において、二つの側面位置でそれぞれ一つの領域Aを通過するように互いに配置されていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載のチョッパ。
  9. 当該の二つの側面位置のビーム方向における間隔が変更可能であることを特徴とする請求項8に記載のチョッパ。
  10. 中性子ビームは、駆動源により移行可能な制御部品の少なくとも一つの構成状態において、第一の側面位置で一つの領域Aを通過する巡回段階に対して第二の側面位置で領域Bに当たることを特徴とする請求項8又は9に記載のチョッパ。
  11. 請求項1から10までのいずれか一つに記載のチョッパの動作方法において、
    中性子ビームの少なくとも一つの部分領域が専ら制御部品の領域Aを通過する制御部品の構成状態において、中性子ビームが完全に領域Bに当たる制御部品の構成状態と異なる移動速度で駆動源が駆動されることを特徴とする方法。
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