JP6260421B2 - 溶接構造体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、溶接構造体の製造方法に関する。より具体的には、金属板部材の重ね合わせ部をレーザ溶接して得られる溶接構造体の製造方法に関する。なお、以下では、金属板部材とは、金属板から所定形状に成形加工及び/又は切りだしされた部材の意味で用いる。
自動車には、金属板(代表的には鋼板であり、以下では鋼板として説明する。)から製造される金属板部材の1態様である断面ハット型の長尺の部材(以下、単に「ハット型部材」という。)が数多く使用されている。このようなハット型部材は、通常フランジで他の金属板部材である鋼板部材(例えばクロージングプレートや他のハット型部材等)と重ね合わされて、その重ね合わせ部で接合される。この場合の接合手段として最も一般的に用いられている方法は、抵抗スポット溶接(以下、スポット溶接という。)である。
最近は、スポット溶接に代えてレーザ溶接を適用することで、ハット型部材のフランジ幅を狭くして部材を軽量化する検討がなされている。具体的には次の通りである。
スポット溶接では、溶接部を電極で狭持及び加圧する必要がある。また溶接位置がフランジの端面に寄り過ぎると、溶融した金属の飛散(チリ)が発生する。そのため、スポット溶接ではフランジの幅を15mm以上程度の大きさで確保する必要がある。これに対してレーザ溶接によれば、スポット溶接のように加圧する必要はなく、溶融幅も1mm程度に抑えることができる。そのためレーザ溶接では、フランジの幅をより狭くできる可能性がある。
しかしながら一般に、フランジの端面近く(概ね端面から10mm未満の領域)にレーザ溶接をすると、溶接部の凝固割れが発生するおそれが高くなる。従って、フランジの幅を短くしても凝固割れが発生しない溶接方法が求められている。
例えば「安藤弘平ら、「回転変形による高温割れの発生進展機構と高温割れ感受性の評価方法−薄板アルミニウム合金の高温割れ現象(第2報)−」、溶接学会誌、第42巻、第9号、pp.37−47(1973)」等によれば、溶接時の凝固割れは、溶融した金属が凝固する過程において、固相と液相が共存する延性が低下した部分である凝固脆性温度領域(Brittleness Temperature Range(BTR))内において、溶融熱で鋼板端部(前述のハット型部材では、フランジ)が変形することにより発生するひずみの増分が、割れ発生に要するひずみ(限界ひずみ)を超えることで生じる、と考えられる。これを鑑みると、凝固割れの防止方法としては、溶接金属の成分適正化によるBTRの幅の縮小や限界ひずみの制御、及び鋼板端部に発生するひずみの抑制が挙げられる。ところが、溶接金属の成分適正化によるBTR幅の縮小や限界ひずみの制御については、鋼板の材料自体を調整する必要がある。鋼板の材料自体の調整は、他の性能に影響を与えることもあるので、対策としては限界がある。
そこで、鋼板端部(フランジ)に発生するひずみを抑制することについてみると、例えば次のような技術が提案されている。
特許文献1、2には溶接金属の組成が割れを発生し得る場合に、レーザ光の照射位置の近傍の鋼板端部にプレートを押し当て、鋼板端部の膨張を抑制しながら溶接することにより凝固割れを防止する発明が開示されている。すなわち、冶具による拘束である。
しかしながら、このように冶具を用いると、鋼板端部の膨張を抑制する装置(冶具)を溶接の際に配置する必要があり、小さな部材や複雑な形状の部材の溶接部には用いることができないとともに、溶接の作業工数が増加して煩雑になってしまう。
また、特許文献2にはフランジ端面を冷却しつつ溶接する方法が開示されている。これは母材側と、母材側に対し高い温度となる端面側との熱膨張の差に起因して生じるひずみによって割れが発生すると考え、フランジ端面側の到達温度を低下させ板幅方向の膨張・収縮を抑えることでひずみの発生を抑制して割れ発生を防止する方法である。
しかしながら、フランジ端面を冷却すると溶接線との温度差が大きくなり回転変形の駆動力が大きくなることで、溶接条件によってはひずみが大きくなり割れ発生を助長するおそれもある。さらには、この方法では、上記と同様に冷却装置の配置に留意しなければならず、作業工数が増加するおそれがある。
特許文献3では、凝固割れの発生有無は端部からの距離(L)、溶接速度(V)、及び板厚(h)に依存していると説明している。しかしフランジ幅が小さい場合、溶接速度を大きくすることができず、当該特許文献3にはその解決策も明示されていない。
特開2008−18450号公報 特開2009−56483号公報 特開2009−285722号公報
前述したように、凝固割れは、BTR内で生じるひずみ増分量がある閾値を超えたときに発生すると考えられる。ハット型部材のフランジのレーザ溶接において、このBTR内のひずみ増分量に影響を与える主因子として以下2つがあると考えられる。
(1)フランジ端面からの溶接位置の距離(フランジ幅)の大きさ等で決定される部材剛性:
フランジ幅が大きく、溶接位置がフランジ端からの距離が大きいほど、剛性が高く、フランジの変形(回転変形)及びそれにより受けるひずみは抑制される。しかしながら、単にフランジ幅を大きくするのでは、前述したような部材の軽量化には反する。
(2)入熱による板幅方向の温度分布:
鋼板の板幅方向に温度分布の不均一があるとき、回転変形の駆動力が働くことはよく知られているが、この回転変形が割れの原因となると考えられる。すなわち、図6(a)に示すように板1のAからBへ溶接を行うと、板幅方向に不均一な温度分布を生じるため、板1は溶融池Yの前方Pを支点として矢印Cの方向に回転変形を生じる。溶接部の脆化領域の強度はきわめて小さいため、脆化領域部分の溶接金属はこの回転変形をほとんど抑制できない。この回転変形によって脆化領域部分に加えられるひずみ量が限界ひずみ量を超えるとき割れが発生する。その後溶接が進行すると、図6(b)に示すように溶融池Yも進行し、回転変形の支点もそれに追随してP’に移動する。このとき、温度分布が準定常状態にあると、脆化領域部に加えられるひずみ量は時間的に一定と考えられ、この場合割れは図6(b)に示すように溶接線に沿って進展する。
一方、溶接速度が遅い場合は、板幅方向の温度分布は均一化しやすくなり回転変形の駆動力は小さくなる。しかし、単に溶接速度を下げるのでは、部材の生産性が悪くなり、板幅を小さくするのでは、剛性が落ちるため発生するひずみを抑制できず凝固割れが発生する可能性が高くなる。
本発明は、上記問題に鑑み、金属板部材、例えばハット型部材のフランジを他の金属板部材と重ね合わせてレーザ溶接する溶接構造体を製造するにあたり、フランジ幅を小さくしても、または溶接速度を上げても、凝固割れが発生し難い溶接構造体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、次の通りである。
請求項1に記載の発明は、複数の金属板部材を重ね合わせてその重ね合わせ部でレーザ溶接する、溶接構造体の製造方法であって、金属板部材が溶融するエネルギーを有するレーザを移動させつつ照射して金属板部材を溶接するにあたり、溶融池、及び凝固脆性温度領域の外周部から0mm以上6mm未満の少なくとも一部かつ、前記レーザの移動の軌道上を除く領域の金属板部材の部位を、金属板部材が溶融しないエネルギーで加熱する補助加熱を行いながら溶接を行う、溶接構造体の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の溶接構造体の製造方法において、補助加熱を移動しつつ行う。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の溶接構造体の製造方法において、補助加熱がレーザにより行われ、補助加熱をレーザによる溶接と同じ速度で移動させつつ行う。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の溶接構造体の製造方法において、金属板部材の少なくとも一つは断面がハット型の長尺の部材であり、当該部材のフランジと他の金属板部材とを重ね合わせてレーザ溶接する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の溶接構造体の製造方法において、フランジの端部から10mm以下の領域に、フランジの長手方向に沿って線状に溶接部を形成する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の溶接構造体の製造方法において、補助加熱により加熱される部位は、レーザが照射されている部位よりも、フランジの長手方向に沿って当該フランジの端部側である。
本発明によれば、金属板部材、例えばハット型部材のフランジを他の金属板部材と重ね合わせてレーザ溶接した溶接構造体を製造するにあたり、フランジ幅を小さくしても、または溶接速度を上げても、凝固割れの発生を抑制することができる。
ハット型溶接構造体10の概要を示す外観斜視図である。 フランジ11c及び溶接部13の一部を拡大して表した図である。 溶接の方法を説明する図である。 補助加熱の好ましい範囲を説明する図である。 実施例の評価方法を説明する図である。 図6(a)は凝固割れ発生のメカニズムを模式的に示す1つの説明図、図6(b)は凝固割れ発生のメカニズムを模式的に示す他の説明図である。
図1は1つの形態を説明する図であり、本発明の溶接構造体の製造方法により得られる溶接構造体の1態様であるハット型溶接構造体10の外観を表す斜視図である。図2はフランジ11cの一部を拡大して表した図である。
ハット型溶接構造体10は、ハット型部材11及びクロージングプレート12を有して構成されている。
ハット型部材11は、鋼板から形成された金属板部材であり、その長手方向に直交する断面において、ウェブ片11a、ウェブ片の両端から延びる壁片11b、及び壁片11bの端部に設けられるフランジ11cを有して、いわゆるハット型に形成されている。
一方、クロージングプレート12も金属板部材の1つであり、略平滑な鋼板である。
そして、ハット型部材11の2つのフランジ11c間を渡すようにクロージングプレート12が配置され、該クロージングプレート12とフランジ11cとが重ねられている。当該重なった部分において溶接部13が設けられており、該溶接部13で両者が接合されている。本形態で溶接部13は、フランジ11c及びクロージングプレート12を板厚方向に貫通した貫通溶接による溶接部とされている。
溶接部13はレーザ溶接により形成されており、フランジ11cの長手方向に沿って延びている。本発明は、言い方を変えると、溶接部13を形成するための溶接方法において、図2にIIaで示したフランジ端面11dから溶接部13までの距離を短くしつつ速い速度で溶接しても割れを抑制することができ、その結果、図2にIIbで示したフランジの幅を、従来のスポット溶接のために要していた幅よりも小さくすることができる。例えば当該フランジの幅IIbを10mm以下程度、より好ましくは8mm以下程度に抑えることが可能となる。フランジ幅の下限は、凝固割れが生じない程度の幅が確保されていればよいが、1.5mmより小さくするとフランジ端部が溶融し溶け落ちるおそれがあるため、例えば1.5mm以上とするのが好ましい。
ここで、ハット型部材11に使用される鋼板は特に限定されるものではなく、重ね合わせてレーザ溶接できる程度の組成、板厚であれば特に制限はない。たとえば、0.5mm以上3.2mm以下の板厚であることが好ましい。また、表面に亜鉛系めっきやアルミニウム系めっきを備えていてもよい。また、鋼板ではなく、例えばアルミニウム合金板等の別の金属板を使用することもできる。
また、ハット型部材11の形状は、実際の用途に応じて、長手方向にまっすぐであるものもあればカーブしているものもあり、あるいは断面形状が長手方向に変化しているものもあるが、本発明は、そのいずれにも適用してよい。また、クロージングプレート12に代えて、他のハット型部材やその他の形状の金属板部材と溶接してもよい。あるいは、本発明は、3つ以上の金属板部材を重ね合わせて溶接されるような溶接構造体の製造にも適用できる。
次に上記のようなハット型溶接構造体10を作製する方法の一つの例について説明する。本例では便宜のためにここまで説明したハット型溶接構造体10を作製する例で説明するが、当該方法は重ね合わせた金属板部材をレーザ溶接する他の場面でも適用することができる。
初めに、溶接対象となる少なくとも2つの金属板部材をその溶接部位で重ねる。ハット型溶接構造体10では、図1と同様の形態となるようにハット型部材11とクロージングプレート12とを配置する。
次に、溶接対象となる重ね合わせ部をレーザ溶接する。ハット型溶接構造体10では、フランジ11c及びここに重ねられたクロージングプレート12をその板厚方向に貫通するように溶接する。図3に説明のための図を示した。図3は図2と同じ視点による図である。
図3からわかるように、本形態のレーザ溶接では、従来通りに溶接部13を形成するレーザ照射(以下、補助加熱に対比して「主加熱」ともいう。)により主加熱部20を形成するとともに、該主加熱部20に並走するように補助加熱を行って補助加熱部21を形成しながら溶接をおこなう。従って、主加熱部20が矢印IIIaで示したように溶接線に沿った方向に移動し、補助加熱部21もこれに平行して矢印IIIbで示した方向に移動しつつ溶接が行われる。
主加熱は、通常と同様の条件により、金属板部材を溶融するエネルギーを有し、主加熱部20には溶融池が形成される。
一方、補助加熱は、該補助加熱によっては単独で鋼材を溶融することができない加熱を行う。従って、補助加熱部21を形成するための熱量は、溶接をする主加熱部20よりも小さく、補助加熱部21によっては単独で材料を溶融できない程度とする。補助加熱の好ましい熱量は、主加熱の熱量に対して5%以上30%以下である。
また、主加熱部20に対する補助加熱部21の位置は、近すぎると主加熱部20に影響を与えすぎて適切な溶接を阻害し、遠すぎれば補助加熱部21の影響が小さくなりすぎるおそれがある。かかる観点から、補助加熱部21は主加熱部20の溶融池、及び凝固脆性温度領域(BTR)の外周部から0mm以上6mm未満の範囲に配置されることが好ましい。ただし、このときには主加熱部の移動の軌道上は回避されることがより好ましい。従って、好ましくは概念的には図4にIVに示したハッチングの領域に補助加熱部21を形成することが好ましい。
この中でも、主加熱の移動の軌道(すなわち溶接線となる部位)を挟んで体積が小さい側(本形態ではフランジ11cの端面11d側)を補助加熱することが好ましい。
ただし、補助加熱部21は必ずしも1つである必要はなく、複数に亘って形成されてもよい。また、補助加熱部21はある程度広い範囲に亘ってもよく、必ずしも狭い範囲おける点状の加熱部である必要はない。従って、本形態では補助加熱部21は主加熱部20に並走する例を説明したが、並走することなく固定した所定の位置に形成され、複数又は広い範囲を加熱して補助加熱部が形成されてもよい。
主加熱をする装置としては、公知のレーザ溶接装置を挙げることができる。レーザの種類は通常に鋼材のレーザ溶接に用いられるレーザであれば、特に限定されることはなく、これには例えばCOレーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザなどがある。なお、レーザ溶接におけるスポット径(レーザの鋼材への照射径)も特に限定されないが、0.5mm以上1.0mm以下が好ましく、得られる溶接部幅は約1mmであることが通常である。
一方、補助加熱をする装置としては、主加熱と同様のレーザ溶接装置を挙げることができる。ただし、その熱量及び照射位置については上記の通りに調整される。
ただし、補助加熱をする装置としては、上記レーザ溶接装置に限定されることはなく、他に、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接やプラズマ溶接を行うアーク溶接装置、ガスバーナ、高周波誘導加熱装置、赤外線ヒータなどが挙げられる。
以上のような溶接方法であれば金属板部材を拘束したり接触させたりする治具を必要としないため、容易に溶接を行える。さらには、例えば端面からの距離が小さい部位において溶接速度を大きくしても凝固割れを抑制できる。
なお、以上では、金属板部材の重ね合わせ部でレーザ溶接する例として、金属板部材のうち一方(ハット型部材11のフランジ11c)表面から他方(クロージングプレート12)へ溶接部を貫通させて溶接する貫通溶接を例に説明した。必要な溶接強度が得られれば、溶接部は他方の部材を貫通しなくてもよい。また、重ね合わせ部でレーザ溶接する別の例として、重ね合わせ部のすみ肉溶接をレーザ溶接で行う場合にも、本発明を適用することができる。
実施例では、通常の溶接方法で凝固割れが発生した条件に対して、補助加熱をして溶接を行い、凝固割れの発生の有無について評価を行った。
実施例では、図5に表したように1枚の1mm厚の鋼板30に対して主加熱及び補助加熱をした。そして主加熱部が通過した部位に凝固割れが発生するか否かを評価した。なお、この評価では2枚以上の鋼板を重ね合わせて溶接したわけではないので、厳密な意味での「実施例」ではないが、この結果は2枚以上の鋼板を重ね合わせた溶接に対しても同様の傾向を有するものである。
主加熱はレーザ溶接機から出射されるレーザにより行い、その照射部分は鋼板30の端面31から3mmの位置を端面31と平行に移動させた。移動速度は20mm/s、30mm/s、40mm/sの3条件である。
一方、補助加熱もレーザ溶接機から出射されるレーザにより行い、その熱量は主加熱の10%とし、主加熱部に対して端面31側に2mm離隔して補助加熱部が形成されるように、主加熱部に並走させた。
比較例は、上記実施例に対して補助加熱を行わなかった以外は、全て同じ条件とした。
その結果、比較例では、移動速度が20mm/s、30mm/s、及び40mm/sの場合のいずれも主加熱部が通過した部分に断続的な割れ(凝固割れ)が発生した。これに対して、実施例のうち移動速度が20mm/s、30mm/sの条件については割れが発生しなかった。一方、実施例のうち移動速度が40mm/sの条件については、若干の割れが発生したが、比較例に対して大幅に割れを減らすことができた。さらに、移動速度が40mm/sの条件で補助加熱の熱量を主加熱の熱量の20%とすると、割れが発生しなかった。
以上のように、主加熱に補助加熱を併せておこなうレーザ溶接をすることにより割れを抑制できることがわかった。
10 ハット型溶接構造体(溶接構造体)
11 ハット型部材(金属板部材)
12 クロージングプレート(金属板部材)
13 溶接部
20 主加熱部
21 補助加熱部

Claims (6)

  1. 複数の金属板部材を重ね合わせてその重ね合わせ部でレーザ溶接する、溶接構造体の製造方法であって、
    前記金属板部材が溶融するエネルギーを有するレーザを移動させつつ照射して前記金属板部材を溶接するにあたり、溶融池、及び凝固脆性温度領域の外周部から0mm以上6mm未満の少なくとも一部、かつ、前記レーザの移動の軌道上を除く領域の前記金属板部材の部位を、前記金属板部材が溶融しないエネルギーで加熱する補助加熱を行いながら前記溶接を行う、溶接構造体の製造方法。
  2. 前記補助加熱を移動しつつ行う請求項1に記載の溶接構造体の製造方法。
  3. 前記補助加熱がレーザにより行われ、前記補助加熱を前記レーザによる溶接と同じ速度で移動させつつ行う請求項2に記載の溶接構造体の製造方法。
  4. 前記金属板部材の少なくとも一つは断面がハット型の長尺の部材であり、当該部材のフランジと他の金属板部材とを重ね合わせてレーザ溶接する、請求項1から3のいずれかに記載の溶接構造体の製造方法。
  5. 前記フランジの端部から10mm以下の領域に、フランジの長手方向に沿って線状に溶接部を形成する、請求項4に記載の溶接構造体の製造方法。
  6. 前記補助加熱により加熱される部位は、前記レーザが照射されている部位よりも、前記フランジの長手方向に沿って当該フランジの端部側である、請求項5に記載の溶接構造体の製造方法。
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