JP6260180B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、テープ状の被記録媒体は、撓みやすいうえ、変形しやすい。このため、特許文献1で開示されるような、従来の、テープ状の被記録媒体にインクを吐出して記録する記録装置は、該被記録媒体の搬送精度が低かった。
以下に、本発明の実施例1に係る記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施例の記録装置1を表す概略側面図である。
なお、本実施例の記録装置1における下記の説明において、粘着剤が塗られた貼付面Paと粘着剤が塗られていない非貼付面Pnとを有するロール状に巻かれたテープ状の被記録媒体Pの非貼付面Pnに対して記録を行う場合について説明している。しかしながら、本実施例の記録装置1は、所謂両面テープと呼ばれる両面に貼付面を有する被記録媒体に記録することも可能である。
ここで、被記録媒体Pにおいて、支持面2で支持される側の面を第1面17、該第1面17と反対側の面であって記録ヘッド15からインクを吐出されて記録画像が形成される側の面を第2面18とする。なお、本実施例においては、第1面17が貼付面Paであり、第2面18が非貼付面Pnである。
また、被記録媒体PのロールR1から無端ベルト3に該被記録媒体Pを送出する送出部4と、無端ベルト3から被記録媒体PをロールR2として巻き取って回収する回収部5と、を備えている。
そして、送出部4と無端ベルト3と回収部5とで、被記録媒体Pのセット部S1を構成している。
なお、「無端ベルトに被記録媒体を送出する送出部」とは、送出部が自ら駆動して無端ベルトに被記録媒体を繰り出す構成のほか、本実施例のように、送出部が従動することにより無端ベルトに被記録媒体を繰り出す構成も含む意味である。
なお、本実施例の除電部12は、被記録媒体Pと非接触で該被記録媒体Pの除電が可能なイオナイザーを用いているが、イオナイザーに限定されない。例えば、イオナイザーの代わりに除電ローラー、除電ブラシを用いることができる。
また、除電部12としてイオナイザーを用いる場合、イオナイザーで発生するイオンを効果的に被記録媒体Pに送るためにファンなどの送風部を設けてもよい。
本実施例で使用するような、ロール状であるテープ状の被記録媒体Pの非貼付面Pnには、該被記録媒体Pを剥離しやすくするため、剥離剤等が塗られている場合があり、該非貼付面Pnにインクを吐出して記録するのは困難な場合がある。しかしながら、本実施例の記録装置1によれば、非貼付面Pnである第2面18を表面酸化する酸化処理部13を備える。このため、非貼付面Pnにインクを吐出して記録することを容易に行うことができる。
本実施例の記録装置1のように、記録ヘッド15からインクを吐出されて記録画像が形成される側の面(第2面18)に、必要に応じて、表面酸化処理を施すことが好ましい。この表面酸化処理により被記録媒体Pに形成されたインク受容層における塗工性の向上や基材との密着性の向上を図ることができるためである。表面酸化処理の具体例としては、いわゆる、コロナ(放電)処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理より選ばれた処理方法などが挙げられ、好ましくはコロナ処理である。処理量は、コロナ処理の場合は600〜12000J/m2(10〜200W・分/m2)、好ましくは1200〜9000J/m2(20〜180W・分/m2)である。コロナ放電処理の効果を十分に得るには600J/m2(10W・分/m2)以上であり、12000J/m2(200W・分/m2)超では処理の効果が頭打ちとなるので12000J/m2(200W・分/m2)以下で十分である。
貼付面Paに用いられる粘着剤としては、天然ゴムや合成ゴムなどのゴム系の樹脂やシリコーン樹脂等を鉱物油等の溶媒に溶かした非水性の粘着剤や、アクリル樹脂やビニル樹脂などの水溶性樹脂を含有する水性の粘着剤など、特に限定なく公知のものを用いることができる。
剥離剤は、ロール状であるテープ状の被記録媒体Pを剥離するために好ましく非貼付面Pnに塗られるものである。剥離剤には、適度な剥離性能、剥離剤が塗られる基材への高い密着性、粘着剤への非移行性が求められる。
シリコーン系の剥離剤は、基材に塗布して硬化密着する必要がある。このため、熱硬化型、照射硬化型、その他にさらに分類される。
熱硬化型のシリコーン系の剥離剤の例として、付加反応型シリコーン、縮合反応型シリコーン、が挙げられる。
照射硬化型のシリコーン系の剥離剤の例として、紫外線照射により硬化するUV硬化型シリコーン、電子線硬化型シリコーン、が挙げられる。
このうち、長鎖アルキルポリマーが主流であり、長鎖アルキルポリマーの例として、アルキル化ポリマー、長鎖アルキルアクリレート重合体、が挙げられる。特に、炭素数が12以上の長鎖アルキルポリマーを好ましく用いることができる。
なお、本実施例の記録装置1は、往復移動しながら記録する記録ヘッド15を備えているが、インクを吐出するノズルを搬送方向Aと交差する方向Bに複数設けた所謂ラインヘッドを備える記録装置でもよい。
ここで、「ラインヘッド」とは、被記録媒体Pの搬送方向Aと交差する方向Bに形成されたノズルの領域が、被記録媒体Pの前記方向B全体をカバー可能なように設けられ、記録ヘッド又は被記録媒体Pの一方を固定し他方を移動させて画像を形成する記録装置に用いられる記録ヘッドである。なお、ラインヘッドの前記方向Bのノズルの領域は、記録装置が対応している全ての被記録媒体Pの前記方向B全体をカバー可能でなくてもよい。
すなわち、本実施例の記録装置1は、テープ状の被記録媒体Pの貼付面Paを無端ベルト3に貼り付けて、テープ状の被記録媒体Pの移動に無端ベルト3の移動を追従させることができる。このため、テープ状の被記録媒体Pの撓み及び変形を抑制しつつ高い搬送精度で搬送することができる。
しかしながら、前記複数の回転体のうちの少なくともいずれか1つを駆動ローラーとし、無端ベルト3を前記駆動ローラーの回転力により移動する構成としてもよい。
このような構成とすることにより、テープ状の前記被記録媒体Pの移動に無端ベルト3の移動を精度よく追従させることができる。このため、テープ状の被記録媒体Pの撓み及び変形を抑制しつつ高い搬送精度で搬送することができる。
このように、ヒーター19は前記複数の回転体に張架された無端ベルト3の内側に設けられているので、記録装置1の空間が有効活用できており、該記録装置1の大型化を抑制している。
なお、該ヒーター19は、記録ヘッド15から被記録媒体Pに吐出されたインクを乾燥するために設けられている。そして、ヒーター19で発生する熱を効率よく前記インクに伝えるために、前記インクが存在し得る方向である上方向以外は断熱材20で覆われている。
図2は本実施例の記録装置1の要部を表す概略平面図であり、図2(A)は記録時におけるセット部S1の位置を表し、図2(B)はセット時におけるセット部S1の位置を表している。
なお、図2においては、説明に対する理解を容易にするため、駆動ローラー6、ガイドローラー11、除電部12、酸化処理部13、圧着ローラー14、赤外線ヒーター21、圧着ローラー23及びガイドローラー24を省略している。
別の表現をすると、本実施例の記録装置1は、無端ベルト3に被記録媒体Pを送出する送出部4と、無端ベルト3から被記録媒体Pを回収する回収部5と、を備え、送出部4と無端ベルト3と回収部5とを有するセット部S1を、記録装置1の内部の構成部材に対して、相対移動可能である。
このため、ユーザーは、被記録媒体Pの該記録装置1へのセット時において、セット部S1の位置を、図2(A)で表される記録時の位置から移動することができる。すなわち、本実施例の記録装置1は、該セット時における操作性を向上している。
このような構成により、本実施例の記録装置1は、被記録媒体Pの該記録装置1へのセット時において、セット部S1の位置を、記録時の位置から移動することができ、該セット時における操作性を向上している。
本実施例の記録装置1は、ヒーター19を有するので被記録媒体Pに吐出されたインクの乾燥速度を向上できるうえ、セット部S1をヒーター19から離れる方向に相対移動可能であるので該セット部S1を冷ましてから被記録媒体Pをセットできる。
このように、本実施例の記録装置1では、記録時における第1シャフト10に対する送出部4の位置は、機械的に決められているがこのような構成に限定されない。例えば、記録時における第1シャフト10に対する送出部4の位置が、電気的に決められていてもよい。
なお、記録時における第1シャフト10に対する送出部4の位置が電気的に決められている例としては、第1シャフト10に対して送出部4がモーターの回転駆動により移動する構成である場合においてモーターの回転数が決められている場合等が挙げられる。
このような構成とすることで、第1シャフト10に対する送出部4の位置がずれることにより搬送不良が発生するということを抑制できる。
このように、本実施例の記録装置1では、記録時における第2シャフト7に対する回収部5の位置は、機械的に決められているがこのような構成に限定されない。例えば、記録時における第2シャフト7に対する回収部5の位置が、電気的に決められていてもよい。
なお、記録時における第2シャフト7に対する回収部5の位置が電気的に決められている例としては、第2シャフト7に対して回収部5がモーターの回転駆動により移動する構成である場合においてモーターの回転数が決められている場合等が挙げられる。
このような構成とすることで、第2シャフト7に対する回収部5の位置がずれることにより搬送不良が発生するということを抑制できる。
このような構成とすることで、本実施例の記録装置1は、簡単な構成で高い搬送精度を有している。
このような構成とすることで、本実施例の記録装置1は、簡単な構成で高い搬送精度を有している。
図3は、本実施例の記録装置1のブロック図である。
制御部30には、記録装置1の全体の制御を司るCPU31が設けられている。CPU31は、システムバス32を介して、CPU31が実行する各種制御プログラムやメンテナンスシーケンス等を格納したROM33と、データを一時的に格納可能なRAM34と、接続されている。
また、CPU31は、システムバス32を介して、キャリッジ16を移動させるためのキャリッジモーター37、駆動ローラー6の駆動源である搬送モーター38、図2で表されるようにセット部S1を方向Bに移動させる該セット部S1の移動機構の駆動源であるセット部移動モーター39、の各モーターを駆動させるためのモーター駆動部36と接続されている。
さらに、CPU31は、システムバス32を介して、入出力部40と接続されており、入出力部40は、記録装置1に設けられユーザーによる各種指示を受付けるタッチパネル41、記録データ等を記録装置1に入力する外部装置であるPC42、と接続されている。
本実施例の記録装置1では、色材として染料を含有する染料インク、色材として顔料を含有する顔料インク、色材を含有しないクリアインクなど、特に制限なく様々な種類のインクを使用することができる。
また、蛍光を発する化合物を含有する蛍光インク、環境変化に対応して色が変化する化合物を含有するインク、特定の条件により色が消失する化合物を含有するインクなどを使用することもできる。また、上記に例示したインクを限定なく組み合わせて使用することもできる。これらのインクをテープ上の記録媒体に記録することで、簡易にセキュリティーラベル、環境変化記録ラベル、画像消失ラベルを作成することが可能となり、有用である。また、当該インクが貼付面に記録された場合、画像の保護性も高まり一層良好である。
例えば、該蛍光インクとして通常の状態では非可視であり特定波長を照射すると可視できるインクを使用し、該インクにより特定の情報記録をすることで、被記録媒体Pの偽造を抑制することができる。
なお、蛍光を発する化合物を含有する蛍光インクと、色材を含有する着色インクと、の両方を用いて記録してもよい。
このようなインクを使用することにより、該インクが記録された被記録媒体P及び該被記録媒体Pが貼られた物品が、特定の環境(例えば温度、湿度)に置かれたかどうかを判断することができる。
なお、環境変化に対応して色が変化する化合物を含有するインクと、色材を含有する着色インクと、の両方を用いて記録してもよい。
ここで、「特定の条件により色が消失する化合物」とは、例えば、紫外線照射により色が消失する化合物が挙げられるが、これに限定されない。
このようなインクを使用することにより、該インクが記録された被記録媒体Pにおいて、該インクにより形成された記録画像が不要になった場合に、該記録画像を消失させることができる。
なお、特定の条件により色が消失する化合物を含有するインクと、色材を含有する着色インクと、の両方を用いて記録してもよい。
また、環境変化に対応して色が変化する化合物を含有するインクの例としては、例えば、特開2005−291825号公報、特開2009−67863号公報、特開2009−185086号公報、特開2010−247358号公報に開示されるインクを使用できる。
また、特定の条件により色が消失する化合物を含有するインクの例としては、例えば、特開2010−59233号公報、特開2012−219189号公報、特開2012−224789号公報、特開2013−10812号公報に開示されるインクを使用できる。
[インク組成物]
本実施形態のインク組成物は、色材と、樹脂エマルジョンを含むと好ましい。より好ましくは、色材は顔料であり、ワックス粒子をさらに含んでいると良い。
本実施形態のインク組成物は、樹脂エマルジョンを含むと良い。樹脂エマルジョンは、樹脂被膜を形成することで、インク組成物を被記録媒体P上に十分定着させて記録画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。上記の効果により樹脂エマルジョンを含有するインク組成物を用いて記録された記録物は、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体P上で密着性、耐擦性に特に優れたものとなる。
本実施形態のインク組成物は、50℃以上170℃以下の融点を有するワックス粒子を含有していてもよい。ワックス粒子は、表面の滑り性が良好な皮膜を形成する。そのため、上記ワックス粒子を含有する本実施形態のインク組成物を用いて形成された記録物は耐擦性に優れる。
本実施形態のインク組成物は、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まないのが好ましい。ここで、「実質的に含まない」とは、所定の成分を添加する意義を十分に達成する量を超えて添加しない程度の意味である。インク組成物における標準沸点280℃以上のアルキルポリオールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、0質量%以上1.0質量%未満が好ましく、0質量%以上0.5質量%未満がより好ましく、0質量%以上0.1質量%未満がさらに好ましく、0質量%以上0.05質量%未満がよりさらに好ましく、0質量%以上0.01質量%未満がさらにより好ましく、0質量%以上0.001質量%未満が最も好ましい。含有量が上記範囲であることにより、インク組成物を用いた記録物の耐擦性が、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールにより低下することが抑制され、より耐擦性に優れた記録物を得ることができる。
本実施形態のインク組成物は、非プロトン性極性溶媒をさらに含むことが好ましい。非プロトン性極性溶媒を含むことにより、顔料等の固着を抑制することができ、耐目詰まり性に優れるものとなる。また、塩化ビニル等の記録媒体に対しての定着性を向上させる効果がある。非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホラスアミド(HMPA)、ピロリドン系溶媒、ラクトン、ジオキサン等が挙げられる。非プロトン性極性溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態で用いるインク組成物は、水溶性樹脂、水、有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、樹脂分散剤、グリコールエーテル類、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。本実施形態で用いるインク組成物は、これらの成分を含有していると、その特性がさらに向上する場合がある。
本実施形態のインク組成物は、水溶性樹脂をさらに含むと好ましい。水溶性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。水溶性樹脂を含むことにより、記録画像の光沢性が向上する。
本実施形態のインク組成物は、水を含むと好ましい。水は、インク組成物の主となる媒体であり、乾燥により蒸発飛散する成分である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いたインク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。水を含む場合、環境性及び画像乾燥性の観点から、水の含有量は50質量%以上である事が好ましい。
本実施形態のインク組成物は、沸点150℃〜250℃の有機溶剤をさらに含んでもよい。沸点150℃〜250℃の有機溶剤は、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上
で加熱により蒸発して、非記録媒体にインクを定着させることができる。
次に、実施例2の記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図4は、本実施例の記録装置1の概略側面図である。なお、上記実施例と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の記録装置1における下記の説明において、粘着剤が塗られた貼付面Paと粘着剤が塗られていない非貼付面Pnとを有するロール状に巻かれたテープ状の被記録媒体Pの貼付面Paに対して記録を行う場合について説明している。しかしながら、本実施例の記録装置1は、所謂両面テープと呼ばれる両面に貼付面を有する被記録媒体に記録することも可能である。
ここで、被記録媒体Pにおいて、支持面2で支持される側の面を第1面17、該第1面17と反対側の面であって記録ヘッド15からインクを吐出されて記録画像が形成される側の面を第2面18とする。なお、本実施例においては、第1面17が非貼付面面Pnであり、第2面18が貼付面Paである。
また、被記録媒体PのロールR1から無端ベルト3に該被記録媒体Pを送出する送出部4と、無端ベルト3から被記録媒体PをロールR2として巻き取って回収する回収部5と、を備えている。
そして、送出部4と無端ベルト3と回収部5とで、被記録媒体Pのセット部S2を構成している。
なお、本実施例の除電部12は、被記録媒体Pと非接触で該被記録媒体Pの除電が可能なイオナイザーを用いているが、イオナイザーに限定されない。例えば、イオナイザーの代わりに除電ローラーを用いることができる。ただし、イオナイザーは被記録媒体Pに非接触で該被記録媒体Pの除電ができるため、貼付面Paである第2面18に接触することなく、被記録媒体Pを剥離する際に剥離帯電した該被記録媒体Pを記録前に除電することができるので好ましく用いることができる。
また、除電部12としてイオナイザーを用いる場合、イオナイザーで発生するイオンを効果的に被記録媒体Pに送るためにファンなどの送風部を設けてもよい。
なお、本実施例の記録装置1は、押圧部44として風力により被記録媒体Pを無端ベルト3に押圧する構成の押圧部を備えているが、シリコンローラーにより被記録媒体Pを無端ベルト3に押圧する構成の押圧部を備えていてもよい。シリコンローラーは被記録媒体Pの貼付面Paに貼り付きにくいため、被記録媒体Pを無端ベルト3に押圧し、第1面17と支持面2とを確りと貼り付け、支持面2で被記録媒体Pを確りと支持して搬送することができるためである。
また、記録ヘッド15、キャリッジ16、断熱材20、赤外線ヒーター21、断熱壁22、ベルト清掃部25については、実施例1の記録装置1と同様であるため、詳細な説明を省略するが、本実施例の特徴は以下のように表現できる。
なお、実施例1の記録装置1におけるヒーター19の代わりに設けられるヒーター47は、60℃以下で加熱するヒーターである。
すなわち、本実施例の記録装置1は、テープ状の被記録媒体Pを無端ベルト3の粘着面に貼り付けて、該被記録媒体Pの移動に無端ベルト3の移動を追従させることができる。このため、テープ状の被記録媒体Pの撓み及び変形を抑制しつつ高い搬送精度で搬送することができる。
しかしながら、前記複数の回転体のうちの少なくともいずれか1つを駆動ローラーとし、無端ベルト3を前記駆動ローラーの回転力により移動する構成としてもよい。
このような構成とすることにより、テープ状の前記被記録媒体Pの移動に無端ベルト3の移動を精度よく追従させることができる。このため、テープ状の被記録媒体Pの撓み及び変形を抑制しつつ高い搬送精度で搬送することができる。
このように、ヒーター47は前記複数の回転体に張架された無端ベルト3の内側に設けられているので、記録装置1の空間が有効活用できており、該記録装置1の大型化を抑制している。さらに、ヒーター47は、60℃以下で加熱するので、大気解放された貼付面Paである第2面18の粘着剤が乾燥し固化することを抑制している。
次に、実施例3の記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図5は、本実施例の記録装置1の要部を表す概略平面図である。なお、上記実施例と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の記録装置1における電気的な構成についてのブロック図は、実施例1の記録装置1と同様、図3で表される。
また、本実施例の記録装置1は、被記録媒体Pの非貼付面Pnに記録する非貼付面記録モードと、被記録媒体Pの貼付面Paに記録する貼付面記録モードとを有している。そして、ユーザーは、タッチパネル41及びPC42の少なくとも一方により、非貼付面記録モードと貼付面記録モードとを選択できる。
ここで、図5は、非貼付面記録モードかユーザーにより選択され、セット部S1が記録時の位置に移動した状態を表している。
なお、本実施例の記録装置1は、貼付面記録モードかユーザーにより選択された場合、セット部S1及びセット部S2が共に図5において方向Bのうちの方向B1に移動することにより、セット部S2が記録時の位置に至るよう構成されている。
このため、本実施例の記録装置1は、貼付面Paと非貼付面Pnとを有するテープ状の被記録媒体Pに対して、該貼付面Paと該非貼付面Pnとの両方に記録することができる。
なお、本実施例の記録装置1の第1支持面2aは非粘着面であるが、第1支持面2aが第2支持面2bの粘着面よりも粘着性の弱い粘着面であっても、第1支持面2aと貼付面Paである被記録媒体Pの第1面17とが過度に貼り付くことを抑制できる。このため、第1支持面2aが第2支持面2bの粘着面よりも粘着性の弱い粘着面のものも好ましく使用できる。
ロール状であるテープ状の被記録媒体Pの非貼付面Pnには、該被記録媒体Pを剥離しやすくするため、剥離剤等が塗られている場合があり、該非貼付面Pnにインクを吐出して記録するのは困難な場合がある。しかしながら、本実施例の記録装置1は、非貼付面Pnを表面酸化する酸化処理部13を備えているので、非貼付面Pnにインクを吐出して記録することを容易に行うことができる。
このように、ヒーター19は前記複数の回転体に張架された前記無端ベルトの内側に設けられるので、記録装置1の空間を有効活用でき、該記録装置の大型化を抑制している。また、ヒーター19は、非貼付面記録モードで記録する際には被記録媒体Pを加熱し、貼付面記録モードで記録する際には非貼付面記録モードにおける被記録媒体Pの加熱温度よりも低い温度で加熱する又は被記録媒体Pの加熱をしないように、制御部30により制御されている。このため、大気解放された被記録媒体Pの貼付面Paの粘着剤が乾燥し固化することを抑制している。
イオナイザーは被記録媒体Pに非接触で該被記録媒体Pの除電ができるため、本実施例の記録装置1は、貼付面Paに接触することなく、被記録媒体Pを剥離する際に剥離帯電した該被記録媒体Pを記録前に除電することができる。
このような構成であれば、貼付面Paへの接触面積を低減しつつ、被記録媒体Pを剥離する際に剥離帯電した該被記録媒体Pを記録前に除電することができる。
3a 第1無端ベルト、3b 第2無端ベルト、4 送出部、5 回収部、
6 駆動ローラー、7 第2シャフト、8 従動ローラー、9 従動ローラー、
10 第1シャフト、11 ガイドローラー、12 除電部(イオナイザー)、
13 酸化処理部、14 圧着ローラー、15 記録ヘッド、16 キャリッジ、
17 第1面、18 第2面、19 ヒーター、20 断熱材、
21 赤外線ヒーター、22断熱壁、23 圧着ローラー、24 ガイドローラー、
25 ベルト清掃部、26 第3シャフト、27 メンテナンスボックス、
28 度当て、29 度当て、30 制御部、31 CPU、32 システムバス、
33 ROM、34 RAM、35 ヘッド駆動部、36 モーター駆動部、
37 キャリッジモーター、38 搬送モーター、39 セット部移動モーター、
40 入出力部、41 タッチパネル、42 PC、43 ガイドローラー、
44 押圧部、45 押圧部、46 ガイドローラー、P 被記録媒体、
Pa 被記録媒体Pの貼付面、Pb 被記録媒体Pの非貼付面、
R1 被記録媒体Pのロール、R2 被記録媒体Pのロール、S1 セット部、
S2 セット部
Claims (9)
- 搬送方向に沿って搬送されるテープ状の被記録媒体の第1面を支持面で支持する無端ベルトと、
前記無端ベルトに前記被記録媒体を送出する送出部と、
前記無端ベルトから前記被記録媒体を回収する回収部と、
前記搬送方向と交差する交差方向に往復移動しながら、前記無端ベルトにより搬送される前記被記録媒体の前記第1面とは反対側の粘着剤が塗られた貼付面である第2面にインクを吐出して記録する記録ヘッドと、
を備え、
前記記録ヘッドは、記録が終了するとホームポジションに移動し、
前記送出部、前記無端ベルト、および、前記回収部は、前記交差方向に沿って、記録時の位置から前記ホームポジションとは異なる位置に移動可能であることを特徴とする記録装置。 - 請求項1に記載の記録装置において、
前記支持面は、粘着面であることを特徴とする記録装置。 - 請求項1又は2に記載の記録装置において、
前記無端ベルトは、複数の回転体に張架され、
前記複数の回転体のうちの少なくともいずれか1つは、駆動ローラーであり、
前記無端ベルトは、前記駆動ローラーの回転力により移動することを特徴とする記録装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記無端ベルトは、複数の回転体に張架され、
前記複数の回転体の間において60℃以下で加熱するヒーターを備えることを特徴とする記録装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記無端ベルトは、複数の回転体に張架され、
前記無端ベルトを挟んで前記回転体と対向する位置に、風力又はシリコンローラーにより前記被記録媒体を前記無端ベルトに押圧する押圧部を備えることを特徴とする記録装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記被記録媒体の搬送経路における前記記録ヘッドの上流側に、イオナイザーを備えることを特徴とする記録装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記第2面に塗られた粘着剤は、アクリル樹脂及びビニル樹脂の少なくとも一方を含有することを特徴とする記録装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記記録ヘッドは、前記インクとして、蛍光を発する化合物を含有する蛍光インクを吐出して記録することを特徴とする記録装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記記録ヘッドは、前記インクとして、環境変化に対応して色が変化する化合物を含有するインクを吐出して記録することを特徴とする記録装置。
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