JP6256180B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源の動力を車軸に伝達する動力伝達システムを制御する制御装置に関する。
従来、駆動源としてエンジンおよびモータを備えるハイブリッド車両においては、要求に応じて使用する駆動源を切り替え可能であるため、車両の走行中にエンジンの停止と始動とが頻繁に繰り返される。そのため、従来のスタータを用いてエンジンの始動を行う場合、スタータの大型化や寿命の低下といった不具合が生じる虞がある。
例えば特許文献1では、走行中において、電動モータを用いることで、スタータを用いずにエンジンの始動を行っている。
特開2011−201413号公報
特許文献1では、断続手段を締結した後に駆動輪側から電動モータトルクを増加させている。しかしながら、電動モータトルクの応答遅れがあると、断続手段の締結によりエンジンの始動トルクが過剰となり、その結果、走行に必要となる駆動トルクが低下する。駆動トルクの低下によるトルク変動によりショックが生じると、ドライバビリティが悪化する虞がある。
また、特許文献1では、トルクコンバータを設けることでショックを低減しているため、構成が大型化するとともに、効率が悪化する虞がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンの始動に用いるトルクを過不足なくエンジン側へ伝達可能な制御装置を提供することにある。
本発明の制御装置は、エンジンと、少なくとも1つのモータと、動力伝達ギアと、段続部と、を備える動力伝達システムを制御する。
モータは、車軸と接続される出力軸に動力を伝達可能である。
動力伝達ギアは、第1動力伝達ギア、および、第2動力伝達ギアの少なくとも一方から構成される。第1動力伝達ギアは、モータと出力軸との間に設けられ、ギア比が第1ギア比である。第2動力伝達ギアは、エンジンと出力軸との間に設けられ、ギア比が第2ギア比である。
断続部は、第1断続部、および、第2断続部の少なくとも一方から構成される。第1断続部は、エンジンと出力軸との間に設けられる。第2断続部は、エンジンとモータとの間に設けられる。
制御装置は、実出力トルク取得手段と、指令トルク算出手段と、締結量算出手段と、を備える。
実出力トルク取得手段は、モータから出力されるトルクである実出力トルクを読み込む。
指令トルク算出手段は、駆動要求トルクに応じた走行用トルクに基づき、モータの駆動に係る指令トルクを算出する。
締結量算出手段は、断続部の締結量に係る指令締結量を算出する。
車両走行中であって、停止しているエンジンを始動させる始動条件が成立しているとき、指令トルク算出手段は、エンジンの始動に要する始動トルク、および、走行用トルクに基づき、指令トルクを演算する。また、車両走行中であって、停止しているエンジンを始動させる始動条件が成立しているとき、締結量算出手段は、実出力トルクと走行用トルクとの差分に応じた余剰トルクに基づき、指令締結量を算出する。
本発明の第1態様では、モータは、第1モータ、および、モータ軸が出力軸と一体に回転する第2モータから構成される。動力伝達ギアは、第1モータと出力軸との間に設けられる第1動力伝達ギア、および、第2動力伝達ギアから構成される。断続部は、第1断続部、および、エンジンと第1モータとの間に設けられる第2断続部から構成される。実出力トルク取得手段は、第1モータから出力されるトルクである第1実出力トルク、および、第2モータから出力されるトルクである第2実出力トルクを取得する。締結量算出手段は、第1実出力トルク、第2実出力トルク、走行用トルク、および、第1ギア比に基づいて算出される余剰トルクに基づき、第1断続部に係る指令締結量である第1指令締結量、および、第2断続部に係る指令締結量である第2指令締結量を算出する。
本発明の第2態様では、モータは、モータ軸が出力軸と一体に回転するものである。動力伝達ギアは、第2動力伝達ギアから構成される。断続部は、第1断続部から構成される。車両の走行中であって、停止しているエンジンを始動させる始動条件が成立しているとき、指令トルク算出手段は、第2ギア比で換算した始動用トルクと走行用トルクとをモータにて出力させる指令トルクを算出し、締結量算出手段は、実出力トルクから走行用トルクを減算した値を余剰トルクとし、当該余剰トルクに基づいて第1断続部に係る指令締結量である第1指令締結量を算出する。
本発明の第3態様では、動力伝達ギアは、モータと出力軸との間に設けられる第1動力伝達ギアから構成される。断続部は、第2断続部から構成される。指令トルク算出手段は、駆動要求トルクを第1ギア比で換算した値を走行用トルクとし、当該走行用トルクに基づいて指令トルクを算出する。車両の走行中であって、停止しているエンジンを始動させる始動条件が成立しているとき、指令トルク算出手段は、始動用トルクと走行用トルクとをモータにて出力させる指令トルクを算出し、締結量算出手段は、実出力トルクから走行用トルクを減算した値を余剰トルクとし、当該余剰トルクに基づいて第2断続部に係る指令締結量である第2指令締結量を算出する。
本発明では、車両走行中においてエンジンを始動させるとき、モータから出力される動力によりエンジンを始動させる。これにより、スタータで始動させる場合と比較し、スタータの大型化や寿命の低下を防ぐことができる。
また、走行中においてエンジンを始動させるとき、モータから出力された実トルクから、車両の走行に用いられる走行用トルクの分を差し引き、余剰分がエンジンの始動に用いられるアシストトルクとしてエンジン側に供給されるように、断続部の締結量を制御している。
これにより、エンジンの始動に用いるトルクを過不足なくエンジン側へ伝達することができる。また、車軸側に伝達されるトルクを駆動要求トルクに応じた適切な大きさとすることができるので、ドライバビリティを向上することができる。そのため、例えばエンジンの始動に伴うトルク変動を抑制するために応答性の高い特殊なモータを用いる必要がない。さらに、車軸側に伝達されるトルクの過不足によるショックが低減されるので、ショックを低減するためのトルクコンバータ等の構成を省略することができ、効率向上および装置の小型化が可能となる。
本発明の第1実施形態による動力伝達システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態による駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態による第1指令トルクの演算に係るマップを説明する図である。 本発明の第1実施形態による第2指令トルクの演算に係るマップを説明する図である。 本発明の第1実施形態による指令締結量の演算に係るマップを説明する図である。 本発明の第2実施形態による動力伝達システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態による駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第3実施形態による動力伝達システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態による駆動制御処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明による制御装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による制御装置を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すように、動力伝達システム1は、エンジン10、第1モータ11、第2モータ12、動力伝達装置20、および、制御装置としての制御部60等を備え、駆動源としてエンジン10、第1モータ11および第2モータ12を用いるハイブリッド車両である車両90に適用される。なお、図1においては、煩雑になるのを避けるため、制御部60からエンジン10、第1モータ11、第2モータ12、および、後述の第1クラッチ51および第2クラッチ52への制御線は省略した。
エンジン10は、例えばガソリン等を燃料とする内燃機関である。
第1モータ11および第2モータ12は、車両90に搭載された図示しないバッテリから供給される電力により回転する電動モータである。また、第1モータ11および第2モータ12は、モータ軸にトルクが入力されることにより発電し、バッテリを充電可能なジェネレータとしても機能する。すなわち、第1モータ11および第2モータ12は、所謂「モータジェネレータ」であるが、本実施形態では、単に「モータ」と呼ぶことにする。
第1モータ11のモータ軸には、第1モータ11から出力されるトルクである第1実出力トルクTm1sを検出する第1トルクセンサ16が設けられる。また、第2モータ12のモータ軸には、第2モータ12から出力されるトルクである第2実出力トルクTm2sを検出する第2トルクセンサ17が設けられる。検出された実出力トルクTm1s、Tm2sは、制御部60に出力される。
動力伝達装置20は、エンジン入力軸21、モータ入力軸25、出力軸29、動力伝達ギア30、および、断続部50等を備える。
動力伝達装置20は、エンジン10、第1モータ11および第2モータ12にて発生した動力を、デファレンシャルギア94等を経由して車軸95に伝達する。車軸95の両端に設けられる駆動輪96は、動力伝達装置20を経由して伝達された動力により駆動される。
エンジン入力軸21は、第1エンジン入力軸211および第2エンジン入力軸212から構成される。第1エンジン入力軸211は、一端がエンジン10のクランクシャフトに接続され、他端が周知のトーションダンパ22に接続される。第2エンジン入力軸212は、一端がトーションダンパ22に接続され、他端がモータ入力軸25に対向するように設けられる。第1エンジン入力軸211と第2エンジン入力軸212とは、トーションダンパ22の両側に同軸に取り付けられる。これにより、エンジン10にて発生した動力は、第1エンジン入力軸211およびトーションダンパ22を経由して、第2エンジン入力軸212に伝達される。
モータ入力軸25は、エンジン入力軸21と同軸に設けられ、一端が第1モータ11のモータ軸に接続される。これにより、第1モータ11にて発生した動力は、モータ入力軸25に伝達される。モータ入力軸25の他端は、エンジン入力軸21と対向するように設けられる。
出力軸29は、エンジン入力軸21およびモータ入力軸25に対し、平行に設けられ、一端が第2モータ12のモータ軸に接続される。これにより、第2モータ12のモータ軸は、出力軸29と一体となって回転し、第2モータ12にて発生した動力が出力軸29に伝達される。出力軸29の他端は、デファレンシャルギア94を介して車軸95に接続される。これにより、出力軸29の動力は、車軸95に伝達される。
動力伝達ギア30は、第1動力伝達ギア31、および、第2動力伝達ギア41から構成される。
第1動力伝達ギア31は、第1ドライブギア32および第1ドリブンギア33を有する。第1ドライブギア32は、モータ入力軸25に対して同軸かつ相対回転不能に固定される。第1ドリブンギア33は、出力軸29に対して同軸かつ相対回転不能に固定される。これにより、第1モータ11にて発生した動力は、第1動力伝達ギア31を経由して出力軸29に伝達される。
第1ドライブギア32の歯数をN32、第1ドリブンギア33の歯数をN33とすると、第1動力伝達ギア31のギア比である第1ギア比ρlは、式(1)で表される。第1ギア比ρlは、例えば2である。
ρl=N33/N32 ・・・(1)
第2動力伝達ギア41は、第2ドライブギア42および第2ドリブンギア43を有する。第2ドライブギア42は、エンジン入力軸21の第2エンジン入力軸212に対して同軸かつ相対回転不能に固定される。第2ドリブンギア43は、出力軸29に対して同軸かつ相対回転不能に固定される。
第2ドライブギア42の歯数をN42、第2ドリブンギア43の歯数をN43とすると、第2動力伝達ギア41のギア比である第2ギア比ρhは、式(2)で表される。第2ギア比ρhは、例えば0.5である。
ρh=N43/N42 ・・・(2)
断続部50は、第1断続部としての第1クラッチ51、および、第2断続部としての第2クラッチ52から構成される。
第1クラッチ51は、エンジン10と出力軸29との間を断続するものであって、出力軸29に設けられる。詳細には、第1クラッチ51は、出力軸29と第2ドリブンギア43とを断続する。第1クラッチ51は、例えば油圧式であって、制御部60にて締結量を制御可能に構成される。
第1クラッチ51が締結されているとき、エンジン10にて発生した動力は、第2動力伝達ギア41を経由して出力軸29に伝達される。また、第1クラッチ51が締結されているとき、第2動力伝達ギア41を経由して入力される動力により、エンジン10を始動可能である。
第2クラッチ52は、エンジン10と第1モータ11との間を断続するものであって、第2エンジン入力軸212の他端とモータ入力軸25の他端との間に設けられる。詳細には、第2クラッチ52は、エンジン入力軸21とモータ入力軸25とを断続する。第2クラッチ52は、例えば油圧式であって、制御部60にて締結量を制御可能に構成される。
第2クラッチ52が締結されているとき、エンジン10にて発生した動力は、第1動力伝達ギア31を経由して出力軸29に伝達される。また、第2クラッチ52が締結されているとき、第1モータ11の動力、および、第1動力伝達ギア31を経由して伝達される第2モータ12の動力により、エンジン10を始動可能である。
制御部60は、CPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種制御プログラムを実行することで、各種制御処理を実行する。
制御部60は、いずれも図示しないアクセルセンサから取得されるアクセル開度α、車速センサから取得される車両90の走行速度である車速V、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサから取得されるエンジン水温Te、および、クランク角センサの検出値から算出されるエンジン回転数Neを読み込む。また、制御部60は、第1トルクセンサ16から出力される第1実出力トルクTm1s、および、第2トルクセンサ17から出力される第2実出力トルクTm2sを読み込む。
制御部60は、取得された各種信号に基づき、エンジン10、第1モータ11、および、第2モータ12の駆動を制御する。また、制御部60は、取得された各種信号に基づき、第1クラッチ51および第2クラッチ52の締結量を制御する。
本実施形態では、走行中にエンジン10が停止している状態からエンジン10を始動するとき、第1モータ11および第2モータ12から出力されるトルクを用いてエンジン10を始動させる。
エンジン10の始動時において、第1モータ11または第2モータ12の応答遅れにより、エンジン10の始動に要するトルク分が十分に出力されていないときに、トルクが完全に伝達される状態(ロス等は除く)で第1クラッチ51または第2クラッチ52を締結すると、エンジン10側へ伝達されるトルクが過剰となり、出力軸29側へ伝達されるトルクが不足する虞がある。出力軸29側へ伝達されるトルクが不足すると、走行に必要となるトルクが低下し、ショックが大きくなり、ドライバビリティが悪化する虞がある。
そこで本実施形態では、第1実出力トルクTm1s、および、第2実出力トルクTm2sに基づき、第1クラッチ51または第2クラッチ52の締結量を制御している。
本実施形態の締結量制御処理を図2および図3に示すフローチャートに基づいて説明する。締結量制御処理は、例えばイグニッションキーがオンされているとき、制御部60にて所定の間隔で実行される。
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、各種信号を読み込む。具体的には、アクセル開度α、車速V、エンジン水温Te、エンジン回転数Ne、および、実出力トルクTm1s、Tm2sを読み込む。
S102では、車速Vに基づき、車両走行中か否かを判断する。車両走行中ではないと判断された場合(S102:NO)、S103以降の処理を行わない。車両走行中であると判断された場合(S102:YES)、S103へ移行する。
S103では、駆動要求トルクTreqを算出する。本実施形態では、駆動要求トルクTreqは、第1モータ11および第2モータ12から車軸95側へ出力されるトルクとし、アクセル開度αおよび車速Vに基づき、マップ演算等により算出される。なお、図中の「Fn(z)」は、マップまたは関数Fnを用い、引数をzとして演算することを意味する。
S104では、走行用トルクTmreqを算出する。本実施形態では、走行用トルクTmreqは、車両90の走行に用いられる第1モータ11および第2モータ12により出力されるトルクとし、駆動要求トルクTreqに基づき、式(3)により算出される。
Tmreq=Treq ・・・(3)
S105では、エンジン始動条件が成立しているか否かを判断する。本実施形態では、走行負荷等に応じ、エンジン10を始動させる旨の指令が図示しない上位ECUから取得されており、かつ、エンジン回転数Neが始動完了判定閾値Ns未満である場合、「エンジン始動条件が成立している」とみなす。例えばEV走行中等、エンジン10が停止中かつエンジン10を始動させる旨の指令が取得されていない場合(すなわちエンジン停止中)、または、エンジン回転数Neが始動完了判定閾値Ns以上である場合(すなわちエンジン始動完了後)、エンジン始動条件は非成立であるとみなす。エンジン始動条件が成立していると判断された場合(S105:YES)、図3中のS112へ移行する。エンジン始動条件が成立していないと判断された場合(S105:NO)、S106へ移行する。
S106では、走行用トルクTmreqおよび車速Vに基づき、第1モータ11から出力されるトルクに係る第1指令トルクTm1req、および、第2モータ12から出力されるトルクに係る第2指令トルクTm2reqを算出する。
ここでは、第1モータ11および第2モータ12から出力すべき合算トルクTmreq_aを走行用トルクTmreqとする。第1指令トルクTm1reqは、合算トルクTmreq_aおよび車速Vを引数とるす三次元マップF31(図4参照)により算出される。また、第2指令トルクTm2reqは、合算トルクTmreq_aおよび車速Vを引数とする三次元マップF32(図5参照)により算出される。
これにより、合算トルクTmreq_aが第1モータ11と第2モータ12とに振り分けられる。
S107では、エンジン10が運転中か否かを、エンジン回転数Neに基づいて判断する。エンジン10が運転中であると判断された場合(S107:YES)、すなわちエンジン回転数Neが始動完了判定閾値Ns以上である場合、S109へ移行する。エンジン10が運転中でないと判断された場合(S107:NO)、すなわちエンジン回転数Neが0でありエンジン停止中の場合、S108へ移行する。
S108では、第1クラッチ51の締結量に係る指令値である第1指令締結量Clr1を式(4)とし、第2クラッチ52の締結量に係る指令値である第2指令締結量Clr2を式(5)とし、本処理を終了する。
Clr1=Clop ・・・(4)
Clr2=Clop ・・・(5)
なお、式(4)、(5)中のオープン値Clopとは、所謂「クラッチが切られている」状態であってトルクが伝達されない状態となる締結量を意味し、例えばClop=0[MPa]とする。すなわち、エンジン10が停止しているときに移行するS108では、第1クラッチ51および第2クラッチ52を共に切り、第1モータ11および第2モータ12の動力により走行する「EV走行」とする。
エンジン10が運転中であると判断された場合(S107:YES)に移行するS109では、車速Vが車速判定閾値Vs以上か否かを判断する。車速Vが車速判定閾値Vs以上であると判断された場合(S109:YES)、S111へ移行する。車速Vが車速判定閾値Vs未満であると判断された場合(S109:NO)、S110へ移行する。
S110では、第1指令締結量Clr1を式(6)とし、第2指令締結量Clr2を式(7)とする。
Clr1=Clop ・・・(6)
Clr2=Clcl ・・・(7)
なお、式(7)中のクローズ値Clclとは、ロス等を除き、トルクが完全に伝達される状態となる締結量を意味し、例えばClcl=2[MPa]とする。後述の式(8)等についても同様とする。以下適宜、締結量をクローズ値Clclとし、ロス等を除いてトルクが完全に伝達される状態とすることを、「(クラッチを)完全に繋ぐ」という。車速Vが車速判定閾値Vs未満である低速走行時において、第1クラッチ51を切り、第2クラッチ52を完全に繋ぐことにより、エンジン10から出力される動力は、第1動力伝達ギア31を経由して出力軸29に伝達される。これにより、車両90は、エンジン10、第1モータ11および第2モータ12の動力により走行する。
車速Vが車速判定閾値Vs以上であると判断された場合(S109:YES)に移行するS111では、第1指令締結量Clr1を式(8)とし、第2指令締結量Clr2を式(9)とする。
Clr1=Clcl ・・・(8)
Clr2=Clop ・・・(9)
車速Vが車速判定閾値Vs以上である高速走行時において、第1クラッチ51を完全に繋ぎ、第2クラッチ52を切ることにより、エンジン10から出力される動力は、第2動力伝達ギア41を経由して出力軸29に伝達される。これにより、車両90は、エンジン10、第1モータ11および第2モータ12の動力により走行する。
エンジン始動条件が成立していると判断された場合(S105:YES)に移行する図3中のS112では、エンジン10の始動に要するトルクである始動用トルクTesttを算出する。始動用トルクTesttは、エンジン入力軸21に入力されるトルクとし、エンジン水温Teに基づいてマップ演算等により算出される。始動用トルクTesttは、エンジン水温Teが低いほど大きくなる。
S113では、S109と同様、車速Vが車速判定閾値Vs以上か否かを判断する。車速Vが車速判定閾値Vs未満であると判断された場合(S113:NO)、S120へ移行する。車速Vが車速判定閾値Vs以上であると判断された場合(S113:YES)、S114へ移行する。
S114では、第1モータ11および第2モータ12により、駆動要求トルクTreqに加えて始動用トルクTesttを出力すべく、合算トルクTmreq_aを式(10)により算出する。
Tmreq_a=Tmreq+Testt×ρh ・・・(10)
車速Vが車速判定閾値Vs以上である高速走行時においてエンジン10を始動させるとき、第1クラッチ51を繋ぎ、第2クラッチ52を切る前提とする。この場合、第1モータ11および第2モータ12の動力は、第2動力伝達ギア41を経由してエンジン10に伝達されるので、第2ギア比ρhを用いて合算トルクTmreq_aを算出する。
S115では、合算トルクTmreq_aおよび車速Vに基づき、第1指令トルクTm1req、および、第2指令トルクTm2reqを算出する。第1指令トルクTm1reqおよび第2指令トルクTm2reqの算出方法は、S106と同様である。
S116では、第1クラッチ51を繋いだときの余剰トルクTmexが0未満か否かを判断する。
本実施形態では、余剰トルクTmexとは、実出力トルクTm1s、Tm2sと、走行用トルクTmreqとの差分に応じた値であって、第1モータ11および第2モータ12から出力され出力軸29に伝達されたトルクから走行用トルクTmreqを減じたトルクである。第1クラッチ51を繋いだときの余剰トルクTmexを式(11)に示す。
Tmex=Tm1s×ρl+Tm2s−Tmreq ・・・(11)
余剰トルクTmexが0未満、すなわち負の値である場合、第1モータ11および第2モータ12の応答遅れ等により、車両90の駆動要求に応じた走行用トルクTmreqに対し、第1モータ11および第2モータ12から出力されるトルクが不足していることを意味する。また、余剰トルクTmexが正の値である場合、第1モータ11および第2モータ12から出力されるトルクが走行用トルクTmreqに対して余剰であることを意味する。ここでは、余剰トルクTmexをアシストトルクTmastとし、第1クラッチ51を経由して伝達されるアシストトルクTmastにより、エンジン10を始動させる。
余剰トルクTmexが0以上であると判断された場合(S116:NO)、S118へ移行する。余剰トルクTmexが0未満であると判断された場合(S116:YES)、S117へ移行する。
S117では、第1クラッチ51を経由してエンジン10の始動に用いられるアシストトルクTmastを0とする。
余剰トルクTmexが0以上であると判断された場合(S116:NO)に移行するS118では、アシストトルクTmastを余剰トルクTmexとする。すなわち、アシストトルクTmastは、式(12)で表される。
Tmast=Tmex=Tm1s×ρl+Tm2s−Tmreq ・・・(12)
S119では、S117またはS118にて算出されたアシストトルクTmastに基づき、第1指令締結量Clr1を算出する。第1指令締結量Clr1は、例えば図6に示すマップに基づいて算出される。なお、アシストトルクTmastが0である場合、第1指令締結量Clr1を0(すなわち、オープン値Clop)とする。これにより、第1クラッチ51は、アシストトルクTmastに応じた締結量となるように制御される。
また、第2指令締結量Clr2をオープン値Clopとし、第2クラッチ52を切る。
これにより、第1モータ11および第2モータ12から出力される実出力トルクTm1s、Tm2sに応じたアシストトルクTmastが過不足なくエンジン10側に伝達され、エンジン10の始動に用いられる。
車速Vが車速判定閾値Vs未満であると判断された場合(S113:NO)に移行するS120では、第1モータ11および第2モータ12により、走行用トルクTmreqに加えて始動用トルクTesttを出力すべく、合算トルクTmreq_aを式(13)により算出する。
Tmreq_a=Tmreq+Testt×ρl ・・・(13)
車速Vが車速判定閾値Vs未満である低速走行時においてエンジン10を始動させるとき、第1クラッチ51を切り、第2クラッチ52を切る前提とする。この場合、第1モータ11および第2モータ12の動力は、第1動力伝達ギア31を経由してエンジン10に伝達されるので、第1ギア比ρlを用いて合算トルクTmreq_aを算出する。
S121では、合算トルクTmreq_aおよび車速Vに基づき、第1指令トルクTm1reqおよび第2指令トルクTm2reqを算出する。第1指令トルクTm1reqおよび第2指令トルクTm2reqの算出方法は、S106と同様である。
S122では、第2クラッチ52を繋いだときの余剰トルクTmexが0未満か否かを判断する。
ここで、余剰トルクTmexを用い、第1モータ11および第2モータ12から出力され出力軸29に伝達されたトルクと、走行用トルクTmreqが等しい場合を式(14)に示す。
(Tm1s−Tmex)×ρl+Tm2s−Tmreq=0 ・・・(14)
式(14)を変形すると、余剰トルクTmexは、式(15)で表される。
Tmex=(Tm2s−Tmreq)/ρl+Tm1s ・・・(15)
ここでは、余剰トルクTmexをアシストトルクTmastとし、第2クラッチ52を経由して伝達されるアシストトルクTmastにより、エンジン10を始動させる。
余剰トルクTmexが0以上であると判断された場合(S122:NO)、S124へ移行する。余剰トルクTmexが0未満であると判断された場合(S122:YES)、S123へ移行する。
S123では、第2クラッチ52を経由してエンジン10の始動に用いられるアシストトルクTmastを0とする。
余剰トルクTmexが0以上であると判断された場合(S122:NO)に移行するS124では、アシストトルクTmastを余剰トルクTmexとする。すなわち、アシストトルクTmastは、式(16)で表される。
Tmast=Tmex=(Tm2s−Tmreq)/ρl+Tm1s
・・・(16)
S125では、S123またはS124にて算出されたアシストトルクTmastに基づき、第2指令締結量Clr2を算出する。第2指令締結量Clr2は、例えば図6に示すマップに基づいて算出される。なお、アシストトルクTmastが0である場合、第1指令締結量Clr1を0(すなわち、オープン値Clop)とする。これにより、第2クラッチ52は、アシストトルクTmastに応じた締結量となるように制御される。
また、第1指令締結量Clr1をオープン値Clopとし、第1クラッチ51を切る。
これにより、実出力トルクTm1s、Tm2sに応じたアシストトルクTmastが過不足なくエンジン10側に伝達され、エンジン10の始動に用いられる。
本実施形態では、車両90の走行中において、エンジン10が停止している状態から始動させるとき、第1モータ11または第2モータ12から出力される動力によりエンジン10を始動させる。これにより、スタータで始動させる場合と比較し、スタータの大型化や寿命の低下を防ぐことができる。
低速走行時には、第2クラッチ52を繋ぐことで伝達されるトルクにより、エンジン10を始動する。第2クラッチ52を繋ぐと、第1モータ11の回転が直接的にエンジン10側に伝達されるので、車速Vが小さく、第1モータ11および第2モータ12の回転数が小さい場合であっても、エンジン10を確実に始動させることができる。
また、高速走行時には、第1クラッチ51を繋ぐことで、第1モータ11および第2モータ12からエンジン入力軸21に伝達されるトルクにより、エンジン10を始動する。ここで、第2ギア比ρhが1未満である場合、出力軸29の回転は、減速してエンジン入力軸21に伝達される。そのため、第1モータ11および第2モータ12からエンジン10の始動のために出力するトルクを低減することができるので、エンジン10の始動に要するエネルギを低減することができる。
以上詳述したように、本実施形態の制御部60は、動力伝達システム1を制御するものである。動力伝達システム1は、エンジン10と、第1モータ11および第2モータ12と、動力伝達ギア30と、断続部50と、を備える。
第1モータ11および第2モータ12は、車軸95と接続される出力軸29に動力を伝達可能である。
動力伝達ギア30は、第1動力伝達ギア31、および、第2動力伝達ギア41から構成される。第1動力伝達ギア31は、第1モータ11と出力軸29との間に設けられ、ギア比が第1ギア比である。第2動力伝達ギア41は、エンジン10と出力軸29との間に設けられ、ギア比が第2ギア比である。
断続部50は、第1クラッチ51、および、第2クラッチ52から構成される。第1クラッチ51は、エンジン10と出力軸29との間に設けられる。第2クラッチ52は、エンジン10と第1モータ11との間に設けられる。
制御部60は、以下の処理を実行する。
制御部60は、第1モータ11から出力されるトルクである第1実出力トルクTm1s、および、第2モータ12から出力されるトルクである第2実出力トルクTm2sを読み込む(図2中のS101)。
制御部60は、駆動要求トルクTreqに応じた走行用トルクTmreqに基づき、第1モータ11の駆動に係る第1指令トルクTm1req、および、第2モータ12の駆動に係る第2指令トルクTm2reqを算出する(図2中のS106、図3中のS115、S121)。
制御部60は、第1クラッチ51の締結量に係る第1指令締結量Clr1、および、第2クラッチ52の締結量に係る第2指令締結量Clr2を算出する(図2中のS108、S110、S111、図3中のS119、S125)。
車両走行中であって、停止しているエンジン10を始動させる始動条件が成立しているとき(S105:YES)、制御部60は、エンジン10の始動に要する始動用トルクTestt、および、走行用トルクTmreqに基づき、第1指令トルクTm1reqおよび第2指令トルクTm2reqを算出する(S115、S121)。
また、車両走行中であって、停止しているエンジン10を始動させる始動条件が成立しているとき(S105:YES)、制御部60は、実出力トルクTm1s、Tm2sと走行用トルクTmreqとの差分に応じた余剰トルクTmexに基づき、指令締結量Clr1、Clr2を算出する(S119、S125)。
本実施形態では、車両走行中においてエンジン10を始動させるとき、第1モータ11および第2モータ12から出力される動力によりエンジン10を始動させる。これにより、スタータで始動させる場合と比較し、スタータの大型化や寿命の低下を防ぐことができる。
本実施形態では、車両走行中においてエンジン10を始動させるとき、第1モータ11および第2モータ12から出力された実出力トルクTm1s、Tm2sから、車両90の走行に用いられる走行用トルクTmreqの分を差し引き、余剰分がエンジン10の始動に用いるアシストトルクTmastとしてエンジン10側に供給されるように、第1クラッチ51および第2クラッチ52の締結量を制御している。
これにより、エンジン10の始動に用いるトルクを過不足なくエンジン10側へ伝達することができる。また、車軸95側に伝達されるトルクを駆動要求トルクに応じた適切な大きさとすることができるので、ドライバビリティを向上することができる。そのため、例えばエンジン始動に伴うトルク変動を抑制するために応答性の高い特殊なモータを用いる必要がなく、コスト低減に寄与する。さらに、車軸95側に伝達されるトルクの過不足によるショックが低減されるので、ショックを低減するためのトルクコンバータ等の構成を省略することができ、効率向上および装置の小型化が可能となる。
本実施形態では、モータは、第1モータ11、および、モータ軸が出力軸29と一体に回転する第2モータ12から構成される。
動力伝達ギア30は、第1モータ11と出力軸29との間に設けられる第1動力伝達ギア31、および、第2動力伝達ギア41から構成される。
断続部50は、第1クラッチ51、および、エンジン10と第1モータ11との間に設けられる第2クラッチ52から構成される。
制御部60は、第1モータ11から出力される実出力トルクである第1実出力トルクTm1s、および、第2モータ12から出力される実出力トルクである第2実出力トルクTm2sを読み込む(S101)。
制御部60は、第1実出力トルクTm1s、第2実出力トルクTm2s、走行用トルクTmreq、および、第1ギア比ρlに基づいて算出される余剰トルクTmexに基づき、第1クラッチ51に係る指令締結量である第1指令締結量Clr1、および、第2クラッチ52に係る指令締結量である第2指令締結量Clr2を算出する(S119、S125)。
これにより、第1モータ11、第2モータ12、第1動力伝達ギア31、第2動力伝達ギア41、第1クラッチ51、および、第2クラッチ52を備える構成において、第1クラッチ51および第2クラッチ52の締結量を適切に制御し、エンジン10の始動に用いるトルクを過不足なくエンジン10側に伝達することができる。
制御部60は、車両90の走行速度である車速Vを読み込む。
車速Vが車速判定閾値Vs未満である場合(S113:NO)、制御部60は、第2実出力トルクTm2sから走行用トルクTmreqを減じた値を第1ギア比ρlで換算した値と第1実出力トルクTm1sとを加算した値を余剰トルクTmexとし、当該余剰トルクTmexに基づいて第2指令締結量Clr2を算出し、第1指令締結量Clr1をゼロとする(S125)。
車速Vが車速判定閾値Vs以上である場合(S113:YES)、制御部60は、第1実出力トルクTm1sを第1ギア比ρlで換算した値と第2実出力トルクTm2sとを加算した値から走行用トルクTmreqを減算した値を余剰トルクTmexとし、当該余剰トルクTmexに基づいて第1指令締結量Clr1を算出し、第2指令締結量Clr2をゼロとする(S119)。
本実施形態では、車速Vが車速判定閾値Vs未満である低速走行時において、第2クラッチ52を締結し、第1モータ11および第2モータ12からエンジン10側へアシストトルクTmastを伝達させる。これにより、第1モータ11の回転がエンジン10側へ直接的に伝達されるので、低速走行時であって第1モータ11および第2モータ12の回転数が小さい場合であっても、エンジン10を確実に始動させることができる。
また、車速Vが車速判定閾値Vs以上である高速走行時において、第1クラッチを締結し、第1モータ11および第2モータ12からエンジン10側へアシストトルクTmastを伝達させる。例えば第2ギア比ρhが1未満であれば、出力軸29の回転が減速されてエンジン10側へ伝達されるので、第1モータ11および第2モータ12からエンジン10の始動のために出力するトルクを低減することができ、効率が向上する。
車速Vが車速判定閾値Vs未満である場合(S113:NO)、制御部60は、第1ギア比ρlで換算された始動用トルクTesttと走行用トルクTmreqとが、第1モータ11および第2モータ12から出力されるように、第1モータ11に係る指令トルクである第1指令トルクTm1req、および、第2モータ12に係る指令トルクである第2指令トルクTm2reqを算出する(S121)。
車速Vが車速判定閾値Vs以上である場合(S113:YES)、制御部60は、第2ギア比ρhで換算された始動用トルクTesttと走行用トルクTmreqとが、第1モータ11および第2モータ12から出力されるように、第1指令トルクTm1reqおよび第2指令トルクTm2reqを算出する(S125)。
これにより、第1モータ11および第2モータ12から出力されるトルクを適切に制御することができる。
制御部60は、余剰トルクTmexが負の値である場合(S116:YES、または、S122:YES)、指令締結量Clr1、Clr2を0とする(S117、S123)。余剰トルクTmexが負の値である場合、第1モータ11および第2モータ12から出力されるトルクは、駆動要求トルクTreqに対して不足している。このとき、第1クラッチ51および第2クラッチ52を切ることで、エンジン10側へトルクが伝達されなくなるので、第1モータ11および第2モータ12から出力されるトルクを優先的に車両90の走行に用いることができる。
制御部60は、第1モータ11から出力されるトルクを検出する第1トルクセンサ16の検出値に基づき、第1実出力トルクTm1sを読み込む。また、第2モータ12から出力されるトルクを検出する第2トルクセンサ17の検出値に基づき、第2実出力トルクTm2sを読み込む。トルクセンサ16、17を設けることにより、直接的に実出力トルクTm1s、Tm2sを読み込むことができる。
本実施形態では、制御部60が「実出力トルク取得手段」、「指令トルク算出手段」、「締結量算出手段」、および、「車速取得手段」を構成する。
また、図2中のS101が「実出力トルク取得手段」および「車速取得手段」の機能としての処理に対応し、S106、S115、S121が「指令トルク算出手段」の機能としての処理に対応し、S108、S110、S111、S119、S125が「指令締結量算出手段」の機能としての処理に対応する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図7および図8に基づいて説明する。
本実施形態の動力伝達システム2は、エンジン10、モータ13、動力伝達装置120、および、制御部60を備える。本実施形態の動力伝達システム2では、第1実施形態における第1モータ11、モータ入力軸25、第1動力伝達ギア31、および、第2クラッチ52が省略されている。
モータ13は、第1実施形態の第2モータ12と同様であり、モータ13のモータ軸には、モータ13から出力される実出力トルクTm3sを検出するトルクセンサ18が設けられる。トルクセンサ18により検出された実出力トルクTm3sは、制御部60に出力される。
動力伝達装置120は、エンジン入力軸21、出力軸129、動力伝達ギア130、および、断続部150等を備え、エンジン10およびモータ13にて発生した動力を、デファレンシャルギア94等を経由して車軸95に伝達する。
エンジン入力軸21は、第1実施形態と同様であるが、本実施形態では、モータ入力軸25が省略されているので、第2エンジン入力軸212の他端は、モータ入力軸25に対向していない。
出力軸129は、エンジン入力軸21に対し、平行に設けられ、一端がモータ13のモータ軸に接続される。これにより、モータ13のモータ軸は、出力軸129と一体となって回転し、モータ13にて発生した動力が出力軸129に伝達される。
出力軸129は、本実施形態にて省略されている第1動力伝達ギア31の第1ドリブンギア33が設けられていない点を除き、第1実施形態の出力軸29と略同様である。
動力伝達ギア130は、第2動力伝達ギア41により構成される。
断続部150は、第1クラッチ51により構成される。
本実施形態では、走行中におけるエンジン10の始動に要するトルクを過不足なくエンジン10側に伝達すべく、モータ13から出力される実出力トルクTm3sに基づき、第1クラッチ51の締結量を制御している。
締結量制御処理を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
S201〜S203の処理は、図2中のS101〜S103の処理と同様である。S201では、S101の実出力トルクTm1s、Tm2sに替えて、実出力トルクTm3sを読み込む。
S204では、駆動要求トルクTreqに基づき、走行用トルクTmreqを算出する。走行用トルクTmreqを式(17)とする。
Tmreq=Treq ・・・(17)
S205では、S105と同様、エンジン始動条件が成立しているか否かを判断する。エンジン始動条件が成立していると判断された場合(S205:YES)、S210へ移行する。エンジン始動条件が成立していないと判断された場合(S205:NO)、S206へ移行する。
S206では、モータ13から出力されるトルクに係る指令トルクTm3reqを算出する(式(18))。
Tm3req=Tmreq ・・・(18)
S207では、S107と同様、エンジン10が運転中か否かを判断する。エンジン10が運転中ではないと判断された場合(S207:NO)、すなわちエンジン回転数Neが0でありエンジン停止中の場合、S208へ移行する。エンジン10が運転中であると判断された場合(S207:YES)、すなわちエンジン回転数Neが始動完了判定閾値Ns以上である場合、S209へ移行する。
エンジン停止中に移行するS208では、第1クラッチ51の締結量に係る指令値である第1指令締結量Clr1をオープン値Clopとして第1クラッチ51を切り、モータ13の動力により走行する「EV走行」とする。
エンジン回転数Neが始動完了判定閾値Ns以上である場合に移行するS209では、第1指令締結量Clr1をクローズ値Clclとして第1クラッチ51を完全に繋ぐ。これにより、エンジン10から出力される動力が第2動力伝達ギア41を経由して出力軸129に伝達され、車両90は、エンジン10およびモータ13の動力により走行する。
なお、「オープン値Clop」および「クローズ値Clcl」は、上記実施形態と同様とする。第3実施形態についても同様とする。
エンジン始動条件が成立していると判断された場合(S205:YES)に移行するS210では、図3中のS112と同様、始動用トルクTesttを算出する。
S211では、駆動要求トルクTreqに加えて始動用トルクTesttをモータ13により出力すべく、指令トルクTm3reqを式(19)により算出する。
Tm3req=Tmreq+Testt×ρh ・・・(19)
S212では、余剰トルクTmexが0未満か否かを判断する。余剰トルクTmexは、実出力トルクTm3sから走行用トルクTmreqを減算した値であって、式(20)で表される。
Tmex=Tm3s−Tmreq ・・・(20)
余剰トルクTmexが0未満であると判断された場合(S212:YES)、S213へ移行する。余剰トルクTmexが0以上であると判断された場合(S212:NO)、S214へ移行する。
S213では、余剰トルクTmexが0未満であり、モータ13の応答遅れ等により、車両90の駆動要求に応じた走行用トルクTmreqに対し、モータ13から出力されるトルクである実出力トルクTm3sが不足しているので、エンジン10の始動に用いられるアシストトルクTmastを0とする。
S214では、余剰トルクTmexが0以上であり、モータ13から出力されるトルクが走行用トルクTmreqに対して余剰であるので、余剰トルクTmexをエンジン10の始動に用いる。したがって、アシストトルクTmastは、式(21)で表される。
Tmast=Tmex=Tm3s−Tmreq ・・・(21)
S215では、S213またはS214にて算出されたアシストトルクTmastに基づき、第1指令締結量Clr1を算出する。第1指令締結量Clr1は、例えば図6に示すマップに基づいて算出される。
これにより、モータ13から出力される実出力トルクTm3sに応じたアシストトルクTmastが過不足なくエンジン10側に伝達され、エンジン10の始動に用いられる。
本実施形態では、第1実施形態における第1モータ11、モータ入力軸25、第1動力伝達ギア31、および、第2クラッチ52が省略されているので、第1実施形態より簡素な構成とすることができる。
また、第1実施形態で説明したように、第1クラッチ51を繋ぐことより、モータ13からエンジン入力軸21に伝達されるトルクにより、エンジン10を始動する。第2ギア比ρhが1未満である場合、出力軸129の回転は、減速してエンジン入力軸21に伝達されるので、モータ13からエンジン10の始動のために出力するトルクを低減することができ、エンジン10の始動に要するエネルギを低減することができる。
本実施形態のモータ13は、モータ軸が出力軸129と一体に回転するものである。
動力伝達ギア130は第2動力伝達ギア41から構成され、断続部150は第1クラッチ51から構成される。
車両90の走行中であって、停止しているエンジン10を始動させる始動条件が成立しているとき(S205:YES)、制御部60は、第2ギア比ρhで換算した始動用トルクTesttと走行用トルクTmreqとをモータ13にて出力させる指令トルクTm3reqを算出する(S211)。また、制御部60は、実出力トルクTm3sから走行用トルクTmreqを減じた値を余剰トルクTmexとし、当該余剰トルクTmexに基づいて第1クラッチ51に係る指令締結量である第1指令締結量Clr1を算出する(S215)。これにより、モータ13から出力されるトルク、および、第1クラッチ51の締結量を適切に制御することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
本実施形態では、図8中のS201が「実出力トルク取得手段」の機能としての処理に対応し、S206、S211が「指令トルク算出手段」の機能としての処理に対応し、S208、S209、S215が「指令締結量算出手段」の機能としての処理に対応する。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図9および図10に基づいて説明する。
本実施形態の動力伝達システム3では、エンジン10、モータ14、動力伝達装置220、および、制御部60を備える。本実施形態の動力伝達システム3では、第1実施形態における第2モータ12、第2動力伝達ギア41、および、第1クラッチ51が省略されている。
モータ14は、第1実施形態の第1モータ11と同様であり、モータ14のモータ軸には、モータ14から出力される実出力トルクTm4sを検出するトルクセンサ19が設けられる。トルクセンサ19により検出された実出力トルクTm4sは、制御部60に出力される。
動力伝達装置220は、エンジン入力軸21、モータ入力軸225、出力軸229、動力伝達ギア230、および、断続部250等を備え、エンジン10およびモータ14にて発生した動力を、デファレンシャルギア94等を経由して車軸95に伝達する。
モータ入力軸225は、エンジン入力軸21と同軸に設けられ、一端がモータ14のモータ軸に接続される。これにより、モータ14にて発生した動力は、モータ入力軸225に伝達される。モータ入力軸225の他端は、エンジン入力軸21と対向するように設けられる。
出力軸229は、エンジン入力軸21およびモータ入力軸225に対し、平行に設けられる。出力軸229の一端は、デファレンシャルギア94を介して車軸95に接続される。これにより、出力軸229の動力は、車軸95に伝達される。
本実施形態の出力軸229は、本実施形態にて省略されている第2モータ12のモータ軸と接続されていない点を除き、第1実施形態の出力軸29と略同様である。
動力伝達ギア230は、第1動力伝達ギア31から構成される。
断続部250は、第2クラッチ52から構成される。
本実施形態では、走行中におけるエンジン10の始動に要するトルクを過不足なくエンジン10側に伝達すべく、モータ14から出力される実出力トルクTm4sに基づき、第2クラッチ52の締結量を制御している。
締結量制御処理を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
S301〜S303の処理は、図2中のS101〜S103の処理と同様である。なお、S301では、S101の実出力トルクTm1s、Tm2sに替えて、実出力トルクTm4sを読み込む。
S304では、走行用トルクTmreqを算出する。本実施形態では、走行用トルクTmreqは、車両90の走行に用いられるモータ14により出力されるトルクであり、駆動要求トルクTreqを第1ギア比で換算した値に基づき、式(22)により算出される。
Tmreq=Treq/ρl ・・・(22)
S305では、図2中のS105と同様、エンジン始動条件が成立しているか否かを判断する。エンジン始動条件が成立していると判断された場合(S305:YES)、S310へ移行する。エンジン始動条件が成立していないと判断された場合(S305:NO)、S306へ移行する。
S306では、モータ14から出力されるトルクに係る指令トルクTm4reqを算出する(式(23))。
Tm4req=Tmreq ・・・(23)
S307では、S107と同様、エンジン運転中か否かを判断する。エンジン運転中ではないと判断された場合(S307:NO)、すなわちエンジン回転数Neが0でありエンジン停止中の場合、S308へ移行する。エンジン運転中であると判断された場合(S307:YES)、すなわちエンジン回転数Neが始動完了判定閾値Ns以上である場合、S309へ移行する。
エンジン停止中に移行するS308では、第2クラッチ52の締結量に係る指令値である第2指令締結量Clr2をオープン値Clopとし、モータ14の動力により走行する「EV走行」とする。
エンジン回転数Neが始動完了判定閾値Ns以上である場合に移行するS309では、第2指令締結量Clr2をクローズ値Clclとする。これにより、エンジン10から出力される動力が第1動力伝達ギア31を経由して出力軸229に伝達され、車両90は、エンジン10およびモータ14の動力により走行する。
エンジン始動条件が成立していると判断された場合(S305:YES)に移行するS310では、図3中のS112と同様、始動用トルクTesttを算出する。
S311では、駆動要求トルクTreqに加えて始動用トルクTesttをモータ14により出力すべく、走行用トルクTmreqを補正し、指令トルクTm4reqを式(24)により算出する。
Tm4req=Tmreq+Testt ・・・(24)
S312では、余剰トルクTmexが0未満か否かを判断する。余剰トルクTmexは、実出力トルクTm4sから走行用トルクTmreqを減算した値であって、式(25)で表される。
Tmex=Tm4s−Tmreq ・・・(25)
余剰トルクTmexが0未満であると判断された場合(S312:YES)、S313へ移行する。余剰トルクTmexが0以上であると判断された場合(S312:NO)、S314へ移行する。
S313では、余剰トルクTmexが0未満であり、モータ14の応答遅れ等により、車両90の駆動要求に応じた走行用トルクTmreqに対し、モータ14から出力されるトルクである実出力トルクTm4sが不足しているので、エンジン10の始動に用いられるアシストトルクTmastを0とする。
S314では、余剰トルクTmexが0以上であり、モータ14から出力されるトルクが走行用トルクTmreqに対して余剰であるので、余剰トルクTmexをエンジン10の始動に用いる。したがって、アシストトルクTmastは、式(26)で表される。
Tmast=Tmex=Tm4s−Tmreq ・・・(26)
S315では、S313またはS314にて算出されたアシストトルクTmastに基づき、第2指令締結量Clr2を算出する。第2指令締結量Clr2は、例えば図6に示すマップに基づいて算出される。
これにより、モータ14から出力される実出力トルクTm4sに応じたアシストトルクTmastが過不足なくエンジン10側に伝達され、エンジン10の始動に用いられる。
本実施形態では、第1実施形態における第2モータ12、第2動力出力ギア40、および、第1クラッチ51が省略されているので、より簡素な構成とすることができる。
また、第1実施形態で説明したように、第2クラッチ52を繋ぐと、モータ14の回転が直接的にエンジン10に伝達されるので、例えば車速Vが小さく、モータ14の回転数が小さい場合であっても、エンジン10を確実に始動させることができる。
本実施形態の動力伝達ギア230は、モータ14と出力軸229との間に設けられる第1動力伝達ギア31から構成され、断続部250は、第2クラッチ52から構成される。
制御部60は、駆動要求トルクTreqを第1ギア比ρlで換算した値を走行用トルクTmreqとし、当該走行用トルクTmreqに基づいて指令トルクTm4reqを算出する(S306、S311)。
車両90の走行中であって、停止しているエンジン10を始動させる始動条件が成立しているとき、制御部60は、始動用トルクTesttと走行用トルクTmreqとをモータ14にて出力される指令トルクTm4reqを算出する(S311)。また、制御部60は、実出力トルクTm4sから走行用トルクTmreqを減算した値を余剰トルクTmexとし、当該余剰トルクTmexに基づいて第2クラッチ52の指令締結量である第2指令締結量Clr2を算出する(S315)。
これにより、モータ14から出力されるトルク、および、第2クラッチ52の締結量を適切に制御することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
本実施形態では、図10中のS301が「実出力トルク取得手段」の機能としての処理に対応し、S306、S311が「指令トルク算出手段」の機能としての処理に対応し、S308、S309、S315が「指令締結量算出手段」の機能としての処理に対応する。
(他の実施形態)
(ア)モータ
第1実施形態の動力伝達システムは2つのモータを備え、第2実施形態および第3実施形態の動力伝達システムは1つのモータを備える。他の実施形態では、モータの数は3つ以上であってもよい。
(イ)動力伝達ギア
第1実施形態の動力伝達システムは2つの動力伝達ギアを備え、第2実施形態および第3実施形態の動力伝達システムは1つの動力伝達ギアを備える。他の実施形態では、モータの数は3つ以上であってもよい。上記実施形態では、第1ギア比が2、第2ギア比が0.5である例を説明した。他の実施形態では、これに限らず、ギア比をどのように設定してもよい。
(ウ)断続部
上記実施形態では、断続部は、油圧式である例を説明した。他の実施形態では、動力伝達ギアは、油圧式の湿式クラッチに限らず、乾式クラッチ、または、シンクロ機構等の噛み合い式クラッチ等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、締結量を圧力で制御する。他の実施形態では、例えばステッピングモータを用いて締結量を制御する場合、原点からの変位量を余剰トルクに基づいて制御するように構成してもよい。
第1実施形態では、第1指令締結量および第2指令締結量を、アシストトルクに基づいて同一のマップを用いて演算する。他の実施形態では、第1指令締結量および第2指令締結量を異なるマップを用いて演算してもよい。
(エ)実出力トルク取得手段
上記実施形態では、実出力トルク取得手段は、トルクセンサからの検出値に基づいて実出力トルクを読み込む。他の実施形態では、トルクセンサに替えて、モータに通電される電流を検出する電流センサからの検出値に基づいて実出力トルクを読み込むように構成してもよい。詳細には、電流センサからの検出値に基づいて、制御部内にて実出力トルクを演算し、演算された実出力トルクを内部的に読み込むようにしてもよい。これにより、トルクセンサを省略することができるので、部品点数を低減することができる。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1、2、3・・・動力伝達システム
10・・・エンジン
11〜14・・・モータ
29・・・出力軸
30、130、230・・・動力伝達ギア
50、150、250・・・断続部
60・・・制御部(制御装置、実出力トルク取得手段、指令トルク算出手段、締結量算出手段、車速取得手段)

Claims (8)

  1. エンジン(10)と、
    車軸(95)と接続される出力軸(29)に動力を伝達可能である少なくとも1つのモータ(11、12)と、
    前記モータと前記出力軸との間に設けられギア比が第1ギア比である第1動力伝達ギア(31)、および、前記エンジンと前記出力軸との間に設けられギア比が第2ギア比である第2動力伝達ギア(41)の少なくとも一方から構成される動力伝達ギア(30)と、
    前記エンジンと前記出力軸との間に設けられる第1断続部(51)、および、前記エンジンと前記モータとの間に設けられる第2断続部(52)の少なくとも一方から構成され、締結量を制御可能な断続部(50)と、
    を備える動力伝達システム(1)を制御する制御装置(60)であって、
    前記モータから出力されるトルクである実出力トルクを読み込む実出力トルク取得手段(S101)と、
    駆動要求トルクに応じた走行用トルクに基づき、前記モータの駆動に係る指令トルクを算出する指令トルク算出手段(S106、S115、S121)と、
    前記断続部の締結量に係る指令締結量を算出する締結量算出手段(S108、S110、S111、S119、S125)と、
    を備え、
    車両(90)の走行中であって、停止している前記エンジンを始動させる始動条件が成立しているとき、
    前記指令トルク算出手段(S115、S121)は、前記エンジンの始動に要する始動用トルク、および、前記走行用トルクに基づき、前記指令トルクを算出し、
    前記締結量算出手段(S119、S125)は、前記実出力トルクと前記走行用トルクとの差分に応じた余剰トルクに基づき、前記指令締結量を算出し、
    前記モータは、第1モータ(11)、および、モータ軸が前記出力軸と一体に回転する第2モータ(12)から構成され、
    前記動力伝達ギア(30)は、前記第1モータと前記出力軸との間に設けられる前記第1動力伝達ギア(31)、および、前記第2動力伝達ギア(41)から構成され、
    前記断続部(50)は、前記第1断続部(51)、および、前記エンジンと前記第1モータとの間に設けられる前記第2断続部(52)から構成され、
    前記実出力トルク取得手段は、前記第1モータから出力されるトルクである第1実出力トルク、および、前記第2モータから出力されるトルクである第2実出力トルクを取得し、
    前記締結量算出手段(S119、S125)は、前記第1実出力トルク、前記第2実出力トルク、前記走行用トルク、および、前記第1ギア比に基づいて算出される前記余剰トルクに基づき、前記第1断続部に係る前記指令締結量である第1指令締結量、および、前記第2断続部に係る前記指令締結量である第2指令締結量を算出することを特徴とする制御装置。
  2. 前記車両の走行速度である車速を読み込む車速取得手段(S101)を備え、
    前記車速が車速判定閾値未満である場合、
    前記締結量算出手段(S125)は、前記第2実出力トルクから前記走行用トルクを減じた値を前記第1ギア比で換算した値と前記第1実出力トルクとを加算した値を前記余剰トルクとし、当該余剰トルクに基づいて前記第2指令締結量を算出し、前記第1指令締結量をゼロとし、
    前記車速が前記車速判定閾値以上である場合、
    前記締結量算出手段(S119)は、前記第1実出力トルクを前記第1ギア比で換算した値と前記第2実出力トルクとを加算した値から前記走行用トルクを減算した値を前記余剰トルクとし、当該余剰トルクに基づいて前記第1指令締結量を算出し、前記第2指令締結量をゼロとすることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  3. 前記車速が前記車速判定閾値未満である場合、
    前記指令トルク算出手段(S121)は、前記第1ギア比で換算された前記始動用トルクと前記走行用トルクとが、前記第1モータおよび前記第2モータから出力されるように、前記第1モータに係る前記指令トルクである第1指令トルク、および、前記第2モータに係る前記指令トルクである第2指令トルクを算出し、
    前記車速が前記車速判定閾値以上である場合、
    前記指令トルク算出手段(S115)は、前記第2ギア比で換算された前記始動用トルクと前記走行用トルクとが、前記第1モータおよび前記第2モータから出力されるように、前記第1指令トルクおよび前記第2指令トルクを算出することを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  4. エンジン(10)と、
    車軸(95)と接続される出力軸(129)に動力を伝達可能である少なくとも1つのモータ(13)と、
    前記モータと前記出力軸との間に設けられギア比が第1ギア比である第1動力伝達ギア(31)、および、前記エンジンと前記出力軸との間に設けられギア比が第2ギア比である第2動力伝達ギア(41)の少なくとも一方から構成される動力伝達ギア(130)と、
    前記エンジンと前記出力軸との間に設けられる第1断続部(51)、および、前記エンジンと前記モータとの間に設けられる第2断続部(52)の少なくとも一方から構成され、締結量を制御可能な断続部(150)と、
    を備える動力伝達システム(2)を制御する制御装置(60)であって、
    前記モータから出力されるトルクである実出力トルクを読み込む実出力トルク取得手段(S201)と、
    駆動要求トルクに応じた走行用トルクに基づき、前記モータの駆動に係る指令トルクを算出する指令トルク算出手段(S206、S211)と、
    前記断続部の締結量に係る指令締結量を算出する締結量算出手段(S208、S209、S215)と、
    を備え、
    車両(90)の走行中であって、停止している前記エンジンを始動させる始動条件が成立しているとき、
    前記指令トルク算出手段(S211)は、前記エンジンの始動に要する始動用トルク、および、前記走行用トルクに基づき、前記指令トルクを算出し、
    前記締結量算出手段(S215)は、前記実出力トルクと前記走行用トルクとの差分に応じた余剰トルクに基づき、前記指令締結量を算出し、
    前記モータは、モータ軸が前記出力軸と一体に回転するものであり、
    前記動力伝達ギアは、前記第2動力伝達ギアから構成され、
    前記断続部は、前記第1断続部から構成され、
    車両の走行中であって、停止している前記エンジンを始動させる始動条件が成立しているとき、
    前記指令トルク算出手段(S211)は、前記第2ギア比で換算した始動用トルクと前記走行用トルクとを前記モータにて出力させる前記指令トルクを算出し、
    前記締結量算出手段(S215)は、前記実出力トルクから前記走行用トルクを減算した値を前記余剰トルクとし、当該余剰トルクに基づいて前記第1断続部に係る前記指令締結量である第1指令締結量を算出することを特徴とする制御装置。
  5. エンジン(10)と、
    車軸(95)と接続される出力軸(229)に動力を伝達可能である少なくとも1つのモータ(14)と、
    前記モータと前記出力軸との間に設けられギア比が第1ギア比である第1動力伝達ギア(31)、および、前記エンジンと前記出力軸との間に設けられギア比が第2ギア比である第2動力伝達ギア(41)の少なくとも一方から構成される動力伝達ギア(230)と、
    前記エンジンと前記出力軸との間に設けられる第1断続部(51)、および、前記エンジンと前記モータとの間に設けられる第2断続部(52)の少なくとも一方から構成され、締結量を制御可能な断続部(250)と、
    を備える動力伝達システム(3)を制御する制御装置(60)であって、
    前記モータから出力されるトルクである実出力トルクを読み込む実出力トルク取得手段(S301)と、
    駆動要求トルクに応じた走行用トルクに基づき、前記モータの駆動に係る指令トルクを算出する指令トルク算出手段(S306、S311)と、
    前記断続部の締結量に係る指令締結量を算出する締結量算出手段(S308、S309、S315)と、
    を備え、
    車両(90)の走行中であって、停止している前記エンジンを始動させる始動条件が成立しているとき、
    前記指令トルク算出手段(S311)は、前記エンジンの始動に要する始動用トルク、および、前記走行用トルクに基づき、前記指令トルクを算出し、
    前記締結量算出手段(S315)は、前記実出力トルクと前記走行用トルクとの差分に応じた余剰トルクに基づき、前記指令締結量を算出し、
    前記動力伝達ギアは、前記モータと前記出力軸との間に設けられる前記第1動力伝達ギアから構成され、
    前記断続部は、前記第2断続部から構成され、
    前記指令トルク算出手段は、前記駆動要求トルクを前記第1ギア比で換算した値を前記走行用トルクとし、当該走行用トルクに基づいて前記指令トルクを算出し、
    車両の走行中であって、停止している前記エンジンを始動させる始動条件が成立しているとき、
    前記指令トルク算出手段(S311)は、前記始動用トルクと前記走行用トルクとを前記モータにて出力させる前記指令トルクを算出し、
    前記締結量算出手段(S315)は、前記実出力トルクから前記走行用トルクを減算した値を前記余剰トルクとし、当該余剰トルクに基づいて前記第2断続部に係る前記指令締結量である第2指令締結量を算出することを特徴とする制御装置。
  6. 前記締結量算出手段は、前記余剰トルクが負の値である場合、前記指令締結量をゼロとすることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. 前記実出力トルク取得手段は、前記モータから出力されるトルクを検出するトルクセンサ(16、17、18、19)の検出値に基づき、前記実出力トルクを読み込むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の制御装置。
  8. 前記実出力トルク取得手段は、前記モータに通電される電流を検出する電流センサの検出値に基づいて算出される値を前記実出力トルクとして読み込むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の制御装置。
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