JP6255896B2 - 含フッ素剥離剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、基材の表面に適用される含フッ素剥離剤組成物に関する。本発明の組成物は、医療用、スポーツ用などに用いられる粘着テープに剥離剤として処理することにより優れた剥離性を付与するために使用できる。
従来、医療用、スポーツ用などに用いられる粘着テープの剥離剤としては長鎖アルキル基を有する重合体やシリコーン系剥離剤、さらに含フッ素シリコーン系などの含フッ素化合物も提案されている。
例えば、国際公開第2011/099534号公報は、含フッ素単量体に基づく構成単位を有する含フッ素重合体および媒体を含む剥離剤組成物を開示している。しかしながら、この剥離剤組成物は、充分な剥離性を付与しない。
国際公開第2011/099534号公報
本発明の目的は、充分な剥離性を付与する剥離剤組成物を提供することにある。
本発明は、
(a)フルオロアルキル基を有するα-クロロアクリレートである含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位
を有してなる含フッ素重合体を含む含フッ素剥離剤組成物を提供する。
本発明は、含フッ素剥離剤組成物を基材の表面に適用し、含フッ素重合体からなる剥離膜を形成することを含んでなる基材の剥離処理方法をも提供する。
さらに、本発明は、含フッ素剥離剤組成物から形成された剥離膜を有する基材をも提供する。
本発明の含フッ素剥離剤組成物は粘着テープなどの基材に優れた剥離性を付与できる。低温のキュアリングでも、優れた剥離性が得られる。含フッ素剥離剤組成物は良好な造膜性を有する。
含フッ素重合体は、含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位を必須成分として有する。含フッ素重合体は、さらに、非フッ素単量体から誘導された繰り返し単位を有していてもよい。
本発明において、単量体として、含フッ素単量体(a)を使用する。
必要に応じて、非フッ素単量体(b)を使用してもよい。非フッ素単量体(b)の例は、ハロゲン化オレフィン単量体、非フッ素非架橋性単量体および非フッ素架橋性単量体である。
非フッ素単量体(b)は、非フッ素非架橋性単量体のみ、あるいは非フッ素非架橋性単量体とハロゲン化オレフィン単量体の組み合わせであることが好ましい。
(a)含フッ素単量体
含フッ素単量体は式:
CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
[式中、Xは、塩素原子であり、
Y は、-O- または -NH-であり、
Zは、直接結合または二価の有機基であり、
Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体である。Zは、例えば、炭素数1〜20の直鎖アルキレン基または分枝状アルキレン基、例えば、式−(CH−(式中、xは1〜10である。)で示される基、あるいは、式−SON(R)R−または式−CON(R)Rで示される基(式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖アルキレン基または分枝状アルキレン基である。)、あるいは、式−CHCH(OR)CH−(式中、Rは、水素原子、または、炭素数1〜10のアシル基(例えば、ホルミルまたはアセチルなど)を表す。)で示される基、あるいは、式−Ar−CH−(式中、Arは、置換基を必要により有するアリーレン基である。)で示される基、-(CH2)m−SO2−(CH2)n−基 または -(CH2)m−S−(CH2)n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10、である)であってよい。
含フッ素単量体(a)は、一般式:
CH2=C(−X)−C(=O)−Y−Z−Rf (I)
[式中、Xは、塩素原子であり;
Yは、−O−または−NH−であり;
Zは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜18の芳香族基または環状脂肪族基、
-CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または
-CH2CH(OZ1) CH2−基(但し、Z1は水素原子またはアセチル基である。)または
-(CH2)m−SO2−(CH2)n−基または -(CH2)m−S−(CH2)n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10、である)、
Rfは、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基である。]
で示されるアクリレートエステルまたはアクリルアミドであることが好ましい。
上記式(1)において、Rf基が、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。Rf基の炭素数は、1〜20、好ましくは1〜6、特別には4〜6である。Rf基の例は、−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF3) 2、−CF2CF2CF2CF3、−CF2CF(CF3)2、−C(CF)3、−(CF2)4CF3、−(CF2)2CF(CF3)2、−CF2C(CF3)3、−CF(CF3)CF2CF2CF3、−(CF2)5CF3、−(CF2)3CF(CF3)2、−(CF2)4CF(CF3)2、−C817等である。
Zは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜18の芳香族基または環状脂肪族基、
-CH2CH2N(R1)SO2−基(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)または
-CH2CH(OZ1) CH2−基(但し、Z1は水素原子またはアセチル基である。)または
-(CH2)m−SO2−(CH2)n−基 または -(CH2)m−S−(CH2)n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10、である)であることが好ましい。脂肪族基は、アルキレン基(特に炭素数は1〜4、例えば1または2である。)であることが好ましい。芳香族基または環状脂肪族基は、置換または非置換であってよい。S 基または SO2基はRf基に直接に結合していてよい。
含フッ素単量体(a)の具体例としては、例えば以下のものを例示できるが、これらに限定されるものではない。
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−S−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-CH2CH2N(CH3)SO2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-CH2CH(OCOCH3)CH2-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-CH2-Ph-O-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-CH2CH(OH)CH2-Ph-O-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-CH2-Ph-Rf
CH2=C(-Cl)-C(=O)-O-CH2CH(OCOCH3)CH2-Ph-Rf
[上記式中、Rfは炭素数1〜20のフルオロアルキル基であり、Phは1,4−フェニレンである。]
(b)非フッ素単量体
本発明において、必要に応じて、非フッ素単量体(b)を使用する。
非フッ素単量体(b)の例は、(b1)ハロゲン化オレフィン単量体、(b2)非フッ素非架橋性単量体および(b3)非フッ素架橋性単量体である。非フッ素単量体(b)として、(b1)〜(b3)以外の単量体を使用してもよい。
(b1)ハロゲン化オレフィン単量体
ハロゲン化オレフィン単量体(b1)は、1〜10の塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されている炭素数2〜20のオレフィンであることが好ましい。ハロゲン化オレフィン単量体(b1)は、炭素数2〜20の塩素化オレフィン、特に1〜5の塩素原子を有する炭素数2〜5のオレフィンであることが好ましい。ハロゲン化オレフィン単量体(b1)の好ましい具体例は、ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、ヨウ化ビニリデンである。
(b2)非フッ素非架橋性単量体
非フッ素非架橋性単量体(b2)は、フッ素原子を含まない単量体である。非フッ素非架橋性単量体(b2)は、架橋性官能基を有さない。非フッ素非架橋性単量体(b2)は、架橋性単量体(b3)とは異なり、非架橋性である。非フッ素非架橋性単量体(b2)は、好ましくは、炭素−炭素二重結合を有する非フッ素単量体である。非フッ素非架橋性単量体(b2)は、好ましくは、フッ素を含まないビニル単量体である。非フッ素非架橋性単量体(b2)は一般には、1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物である。
好ましい非フッ素非架橋性単量体(b2)は、式:
CH=CA−T
[式中、Aは、水素原子、メチル基、または、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)であり、
Tは、水素原子、炭素数1〜30の鎖状または環状の炭化水素基、またはエステル結合を有する鎖状または環状の炭素数1〜31の有機基である。]
で示される化合物である。
炭素数1〜30の鎖状または環状の炭化水素基の例は、炭素数1〜30の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜30の環状脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数7〜20の芳香脂肪族炭化水素基である。
エステル結合を有する鎖状または環状の炭素数1〜31の有機基の例は、-C(=O)-O-Q および-O-C(=O)-Q(ここで、Qは、炭素数1〜30の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜30の環状脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数7〜30の芳香脂肪族炭化水素基)である。
非フッ素非架橋性単量体(b2)の例には、例えば、エチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、およびビニルアルキルエーテルが含まれる。非フッ素非架橋性単量体(b2)はこれらの例に限定されない。
非フッ素非架橋性単量体(b2)は、アルキル基を有する(メタ)アクリレートエステルであってよい。アルキル基の炭素原子の数は1〜30であってよく、例えば、6〜30(例えば、10〜30)であってよい。例えば、非フッ素非架橋性単量体(b2)は、一般式:
CH=CACOOA
[式中、Aは、水素原子、メチル基、または、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)であり、
は、C2n+1(n=1〜30)によって表されるアルキル基である。]
で示されるアクリレート(アルキル(メタ)アクリレート)であってよい。
アルキル基の炭素数は、8〜14または16〜30であってもよいが、6〜22、特に12〜22であることが好ましい。
非フッ素非架橋性単量体(b2)の具体例は、
ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレートなどのC−C30アルキルを有するアルキルアクリレート;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレートなどのC−C30アルキルを有するアルキルメタクリレート
である。
非フッ素非架橋性単量体(b2)は、環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体であってよい。環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体は、(好ましくは一価の)環状炭化水素基および一価の(メタ)アクリレート基を有する化合物である。一価の環状炭化水素基と一価の(メタ)アクリレート基は、直接に結合している。環状炭化水素基としては、飽和または不飽和である、単環基、多環基、橋かけ環基などが挙げられる。環状炭化水素基は、飽和であることが好ましい。環状炭化水素基の炭素数は4〜20であることが好ましい。環状炭化水素基としては、炭素数4〜20、特に5〜12の環状脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数7〜20の芳香脂肪族基が挙げられる。環状炭化水素基の炭素数は、15以下、例えば10以下であることが特に好ましい。環状炭化水素基の環における炭素原子が、(メタ)アクリレート基におけるエステル基に直接に結合することが好ましい。環状炭化水素基は、飽和の環状脂肪族基であることが好ましい。環状炭化水素基の具体例は、シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基である。(メタ)アクリレート基は、アクリレート基またはメタアクリレート基であるが、メタクリレート基が好ましい。
環状炭化水素基を有する単量体の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−t−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(b3)非フッ素架橋性単量体
本発明の含フッ素重合体は、非フッ素架橋性単量体(b3)から誘導された繰り返し単位を有していてよい。非フッ素架橋性単量体(b3)は、フッ素原子を含まない単量体である。非フッ素架橋性単量体(b3)は、少なくとも2つの反応性基および/または炭素−炭素二重結合を有し、フッ素を含有しない化合物であってよい。非フッ素架橋性単量体(b3)は、少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有する化合物(特に、(メタ)アクリレート)、あるいは少なくとも1つの炭素−炭素二重結合および少なくとも1つの反応性基を有する化合物(特に、(メタ)アクリレート)であってよい。反応性基の例は、ヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックイソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基などである。非フッ素架橋性単量体(b3)は、反応性基を有するモノ(メタ)アクリレート、(メタ)ジアクリレートまたはモノ(メタ)アクリルアミドであってよい。あるいは、非フッ素架橋性単量体(b3)は、ジ(メタ)アクリレートであってよい。
非フッ素架橋性単量体(b3)としては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが例示されるが、これらに限定されるものでない。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリルアミド」とは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを意味する。
単量体(a)および単量体(b)(例えば、単量体(b1)〜(b3)のそれぞれ)のそれぞれは、1種の単独であっても、または2種以上の組み合わせであってもよい。
本発明においては、次のような単量体の組み合わせが好ましい。
(i)含フッ素単量体(a)+ハロゲン化オレフィン単量体(b1);
(ii)含フッ素単量体(a)+非フッ素非架橋性単量体(b2);
(iii)含フッ素単量体(a)+ハロゲン化オレフィン単量体(b1)+非フッ素非架橋性単量体(b2)。
含フッ素単量体(a)に加えて、塩化ビニルのみを使用するか、ステアリルアクリレートのみを使用するか、あるいは塩化ビニルとステアリルアクリレートを使用することが特に好ましい。
含フッ素重合体において、含フッ素単量体(a)の量は、含フッ素重合体に対して20重量%以上、好ましくは30〜90重量%であってよい。含フッ素単量体(a)の量が含フッ素重合体に対して50重量%以上(または50重量%超)、52重量%以上、特に55重量%以上であることが好ましい。
含フッ素重合体において、含フッ素単量体(a)100重量部に対して、
非フッ素単量体(b)の量が1200重量部以下、例えば0.1〜400重量部、特に1〜250重量部、特別には2〜99重量部であってよい。
含フッ素重合体において、含フッ素単量体(a)100重量部に対して、
ハロゲン化オレンフィン(b1)の量が500重量部以下、例えば5〜200重量部、特に10〜150重量部、特別には20〜90重量部であり、
非フッ素非架橋性単量体(b2)の量が1000重量部以下、例えば0.1〜300重量部、特に1〜200重量部、特別には2〜90重量部であり、
非フッ素架橋性単量体(b3)の量が50重量部以下、例えば30重量部以下、特に0.1〜20重量部であってよい。
本発明における含フッ素重合体は通常の重合方法の何れでも製造でき、また重合反応の条件も任意に選択できる。このような重合方法として、溶液重合、懸濁重合、乳化重合が挙げられる。
溶液重合では、重合開始剤の存在下で、単量体を有機溶剤に溶解させ、窒素置換後、30〜120℃の範囲で1〜10時間、加熱撹拌する方法が採用される。重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01〜20重量部、例えば0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
有機溶剤としては、単量体に不活性でこれらを溶解するものであり、例えば、アセトン、クロロホルム、HCHC225、イソプロピルアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタンなどが挙げられる。有機溶剤は単量体の合計100重量部に対して、50〜2000重量部、例えば、50〜1000重量部の範囲で用いられる。
乳化重合では、重合開始剤および乳化剤の存在下で、単量体を水中に乳化させ、窒素置換後、50〜80℃の範囲で1〜10時間、撹拌して共重合させる方法が採用される。重合開始剤は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーベンゾエート、1−ヒドロキシシクロヘキシルヒドロ過酸化物、3−カルボキシプロピオニル過酸化物、過酸化アセチル、アゾビスイソブチルアミジン−二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性のものやアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの油溶性のものが用いられる。重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
放置安定性の優れた共重合体水分散液を得るためには、高圧ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーのような強力な破砕エネルギーを付与できる乳化装置を用いて、単量体を水中に微粒子化し、油溶性重合開始剤を用いて重合することが望ましい。また、乳化剤としてはアニオン性、カチオン性あるいはノニオン性の各種乳化剤を用いることができ、単量体100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲で用いられる。アニオン性および/またはノニオン性および/またはカチオン性の乳化剤を使用することが好ましい。単量体が完全に相溶しない場合は、これら単量体に充分に相溶させるような相溶化剤、例えば、水溶性有機溶剤や低分子量の単量体を添加することが好ましい。相溶化剤の添加により、乳化性および共重合性を向上させることが可能である。
水溶性有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エタノールなどが挙げられ、水100重量部に対して、1〜50重量部、例えば10〜40重量部の範囲で用いてよい。また、低分子量の単量体としては、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートなどが挙げられ、単量体の総量100重量部に対して、1〜50重量部、例えば10〜40重量部の範囲で用いてよい。
含フッ素重合体の共重合は、一括仕込み(一段重合)または分割仕込み(多段重合、特に二段重合)によって製造できる。
本発明の剥離剤組成物は、含フッ素重合体および液状媒体を含む液であることが好ましく、含フッ素重合体を10〜60重量%、特に20〜40重量%で含むことが好ましい。
本発明の剥離剤組成物は、基材の表面に、所望の剥離性を付与できる。したがって、基材の表面を、他の表面(該基材における他の表面、あるいは他の基材における表面)から容易に剥離することができる。
剥離剤組成物を適用する基材の例は、繊維製品(例えば、不織布および織布)、紙、石材、皮革、樹脂、ガラス、金属などである。機材は、布または紙であることが好ましい。
剥離剤組成物は、同様の基材(例えば、布と布、紙と紙)の間の剥離、または異なった基材(例えば、布と樹脂、布と金属、紙と布、紙とガラス)の間の剥離のために使用される。剥離剤組成物は、粘着シート、粘着テープの粘着面の保護材、離型フィルム、離型紙、付箋紙の製造などにおいて使用できる。
含フッ素重合体は、基材の上に重合体の膜を形成するために知られている方法のいずれかによって基材に適用することができる。一般に、含フッ素重合体および液状媒体を含む液を基材上に適用した後、液状媒体を乾燥などにより除去することによって、含フッ素重合体の膜(すなわち、剥離膜)を重合体上に形成することができる。含フッ素重合体および液状媒体を含む液において、含フッ素重合体の濃度は、例えば、0.01〜20重量%、特に0.05〜10重量%であってよい。基材を溶液に浸してよく、あるいは、基材に液を付着または噴霧してよい。液を適用した基材は、例えば剥離性を発現させるために、乾燥され、好ましくは、例えば、50℃〜200℃で加熱される。
剥離膜の厚さは、一般に、0.05〜50マイクロメートルであってよい。
本発明の剥離剤組成物(含フッ素処理剤)は、溶液、エマルションまたはエアゾールの形態であることが好ましい。剥離剤組成物は、含フッ素重合体(剥離剤組成物の活性成分)および媒体(特に、液状媒体、例えば、有機溶媒および/または水)を含んでなる。剥離剤組成物において、含フッ素重合体の濃度は、例えば、0.01〜50重量%であってよい。
本発明の剥離剤組成物は、含フッ素重合体および水性媒体を含んでなることが好ましい。本明細書において、「水性媒体」とは、水のみからなる媒体、および水に加えて有機溶剤(有機溶剤の量は、水100重量部に対して、80重量部以下、例えば0.1〜50重量部、特に5〜30重量部である。)をも含有する媒体を意味する。含フッ素重合体は、乳化重合によって、含フッ素重合体の分散液を製造することが好ましい。剥離剤組成物は、含フッ素重合体の粒子が水性媒体に分散する水性分散液であることが好ましい。分散液において、含フッ素重合体の平均粒子径は、0.01〜200マイクロメートル、例えば0.1〜5マイクロメートル、特に0.05 〜 0.2マイクロメートルであることが好ましい。平均粒子径は、動的光散乱装置、電子顕微鏡等により測定することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下において、部または%または比は、特記しない限り、重量部または重量%または重量比を表す。
試験の手順は次のとおりである。
[背面剥離力]
3枚の試験片シートを準備し、幅12mmのサージカルテープ(市販品、アクリル粘着剤、素材/テープ部:パルプ、PET不織布)を2.2kgの金属ロールを転がして粘着させ、引っ張り試験機にて剥離させることにより剥離力(N/12mm)を測定した。
製造例1
500ml反応フラスコにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(Cl)=CH (n=2.0) 14.9g、ステアリルアクリレート43,46g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.31g(以下、V−50と記す)及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。
製造例2
500ml反応フラスコにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(Cl)=CH (n=2.0) 35.02g、ステアリルアクリレート23.34g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、V−50 0.31g及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。
製造例3
500mLオートクレーブにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(Cl)=CH (n=2.0) 40.85g、ステアリルアクリレート7.0g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。フラスコ内を窒素置換後、塩化ビニル(VCM)10.5gを圧入充填し、V−50 0.4gを添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体における単量体組成は、単量体の仕込組成にほぼ一致した。
製造例4
500ml反応フラスコにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(Cl)=CH (n=2.0) 11.7g、ステアリルアクリレート46.7g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、V−50 0.31g及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。
製造例5
500ml反応フラスコにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(Cl)=CH (n=2.0) 58.4g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.31g(以下、V−50と記す)及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。
製造例6
500ml反応フラスコにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(Cl)=CH (n=2.0) 35.02g、ラウリルアクリレート23.34g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、V−50 0.31g及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。
製造例7
500mLオートクレーブにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(Cl)=CH (n=2.0) 47.85g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。フラスコ内を窒素置換後、塩化ビニル(VCM)10.5gを圧入充填し、V−50 0.4gを添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体における単量体組成は、単量体の仕込組成にほぼ一致した。
比較製造例1
500ml反応フラスコにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(CH)=CH (n=2.0) 58.36g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、V−50 0.31g及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。
比較製造例2
500ml反応フラスコにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(CH)=CH(n=2.0) 14.9g、ステアリルアクリレート43.46g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、V−50 0.31g及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。
比較製造例3
500ml反応フラスコにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(CH)=CH (n=2.0) 11.7g、ステアリルアクリレート46.7g純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、V−50 0.31g及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。
比較製造例4
500ml反応フラスコにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(CH)=CH (n=2.0) 11.7g、ベヘニルアクリレート46.7g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、V−50 0.31g及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。
比較製造例5
500mLオートクレーブにCFCF−(CFCF−CHCHOCOC(CH)=CH(n=2.0)11,7g、ステアリルアクリレート23.34g、ベヘニルアクリレート11.7g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:20。EOはエチレンオキシドユニット数を表す) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO:3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。フラスコ内を窒素置換後、塩化ビニル(VCM)11.7gを圧入充填し、V−50 0.4gを添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。
重合体における単量体組成は、単量体の仕込組成にほぼ一致した。
実施例1
製造例1において製造した水性液体を純水により含フッ素重合体濃度が30%固形分となるように希釈した後、この30%希釈液の割合が2.00%になるように水でさらに希釈して2.00%の試験液(1000g)を調製した。剥離試験においては2.00%の試験液を用いた。1枚のWood/Pulp不織布(510mm x 205mm)をこの試験液に浸し、マングルに通し、120℃で1分間、ピンテンターで処理した。その後、試験布を剥離試験に付した。結果を表1に示す。
実施例2〜7および比較例1〜5
製造例2〜7および比較製造例1〜5において製造したポリマーを実施例1と同様に処理し、剥離試験を行った。結果を表1に示す。
表中、略号の意味は次のとおりである。
Figure 0006255896
Figure 0006255896
本発明の剥離剤組成物は、基材に充分な剥離性を与える剥離剤として使用できる。
本発明の剥離剤組成物は、繊維製品(例えば、不織布および織布)、紙、石材、皮革、樹脂、ガラス、金属などの基材の表面に適用できる。剥離剤組成物は、特に、粘着テープおいて良好に使用できる。

Claims (9)

  1. (a)フルオロアルキル基を有するα-クロロアクリレートである含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、
    (b)(b1)ハロゲン化オレフィン単量体および(b2)非フッ素非架橋性単量体からなる群から選択された少なくとも1種である非フッ素単量体から誘導された繰り返し単位
    からなる含フッ素重合体を含む含フッ素剥離剤組成物であって、
    含フッ素単量体(a)が、式:
    CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
    [式中、Xは、塩素原子であり、
    Yは、-O-であり、
    Zは、炭素数1〜20の直鎖アルキレン基または分枝状アルキレン基であり、
    Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。]
    で示される含フッ素単量体であり、
    ハロゲン化オレフィン単量体(b1)が、1〜10の塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されている炭素数2〜20のオレフィンであり、
    非フッ素非架橋性単量体(b2)が、式:
    CH=CACOOA
    [式中、Aは、水素原子、メチル基、または、フッ素原子以外のハロゲン原子であり、
    は、C2n+1(n=1〜30)によって表されるアルキル基である。]
    で示されるアクリレートである含フッ素剥離剤組成物。
  2. 非フッ素非架橋性単量体(b2)が、
    ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート;
    メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート
    からなる群から選択された少なくとも1種である請求項1に記載の組成物。
  3. 含フッ素重合体において、含フッ素単量体(a)の量が、含フッ素重合体に対して20〜90重量%であり、
    含フッ素単量体(a)100重量部に対して、
    ハロゲン化オレンフィン(b1)の量が5〜500重量部であり、
    非フッ素非架橋性単量体(b2)の量が0.1〜1000重量部である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 含フッ素単量体(a)の量が含フッ素重合体に対して50重量%超である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 媒体をも含有する請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 水性分散液である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の含フッ素剥離剤組成物を基材の表面に適用し、含フッ素重合体からなる剥離膜を形成することを含んでなる基材の剥離処理方法。
  8. 粘着テープの粘着面の剥離膜であって、
    請求項1〜6のいずれかに記載の組成物から形成してなる剥離膜。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物から形成してなる剥離膜を有する粘着テープ。
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