JP6255562B2 - 封緘バンド - Google Patents

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Description

本発明は、封緘バンドに関する。
従来、この種の封緘バンドとしては、下記特許文献1に記載されたものが提案されている。下記特許文献1に記載の封緘具(1)は、頭部(2)と、この頭部(2)の一側面より延長されたバンド体(3)よりなり、頭部(2)の貫通孔(6)内に爪体(9)を揺動可能に突設し、この爪体の前後両端に入口壁(7)と覆い壁(8)とをそれぞれ配置して貫通孔(6)をバンド体(3)が通過可能な程度に狭小に形成し、更に覆い壁(8)によって爪体(9)を操作することが不能に保護してなる、というものである(特許文献1:「特許請求の範囲」参照。)。
特開平2−32967号公報
しかしながら、特許文献1に記載の封緘具(1)の場合、悪意を持って特殊な操作を行えば、封緘を解くことも可能であり、この点で未だ改良の余地があった。
より具体的に説明すれば、特許文献1に記載の封緘具(1)は、ナイロンやポリプロピレン等の強度な大きな樹脂で一体成形したものである(特許文献1の第2頁左下欄第19行〜第20行参照。)。そのため、このような一体成形品において、頭部(2)の内側に爪体(9)を形成しようとすると、金型の都合上、どうしても開口部(11)ができてしまう(特許文献1の第3図,第5図,第7図参照。)。また、間隙(10)についても、金型の都合上、外面側に小さな開口が形成されてしまう(特許文献1の第3図,第4図,第7図,第8図参照。)。
しかし、特許文献1に記載の封緘具(1)の場合、上述のような開口部(11)が存在するため、封緘状態においては、貫通孔(6)に挿通されたバンド体(3)が、開口部(11)を介して見える状態になっている。そのため、例えば、細い治具(例えば、ドライバー、キリ、ピアノ線など。)を開口部(11)へ突っ込めば、その先端でバンド体(3)に対して相応に強い力を加えることができる。
バンド体(3)は、通常、ある程度は柔軟に弾性変形させることが可能なので、上述のような治具の先端が強く押し当てられた場合には、バンド体(3)が弾性変形する可能性があり、その場合、バンド体(3)は開口部(11)の奥へと押し込まれることになる。このとき、爪体(9)も、バンド体(3)に押されて間隙(10)側へ揺動することになるが、間隙(10)の一端には、上述の通り、外面側に連通する小さな開口が形成されているため、例えば、間隙(10)に針先などを突っ込んで爪体(9)に突き当てれば、爪体(9)を間隙(10)側へ揺動させた位置のまま保持することができる。
このような状態にしてから、上述のような治具を開口部(11)から引き抜いた場合、弾性変形していたバンド体(3)の形状は復元することになるが、爪体(9)の位置は、バンド体(3)の爪部(3a)から外れた位置のまま保持されることになる。その結果、バンド体(3)を貫通孔(6)から引き抜くことができるようになり、これにより、封緘が解かれてしまうことになる。
つまり、上記封緘具(1)の場合、開口部(11)内では、バンド体(3)によって爪体(9)が覆い隠されているものの、バンド体(3)自体を弾性変形させれば爪体(9)を揺動させることができ、この点が悪用されると封緘が解かれてしまうおそれがあった。
なお、単にバンド体(3)が弾性変形するのを抑制するだけでよければ、バンド体(3)の剛性を高めるなどの対策をとるのは一案である。しかし、そのような対策をとると、バンド体(3)を湾曲させにくくなる等、バンド体(3)としての本来の性能が損なわれてしまい、封緘具(1)の使い勝手が著しく悪くなる、という別の問題がある。
以下に説明する技術は、上述のような課題を解決しようとするものであり、その目的の一つは、従来品以上に封緘を解くことが困難な構造とされた封緘バンドを提供することにある。
以下に説明する封緘バンドは、長手方向に列設された複数の歯を有する帯状部と、前記帯状部の一端に設けられ、前記帯状部が挿通される挿通路を有し、当該挿通路へは前記帯状部を前記一端の反対にある他端側から挿し込み可能で、前記挿通路内には、前記帯状部が前記挿通路に挿通された際に前記歯に引っかかる爪が設けられた挿通部とを備え、前記複数の歯及び前記爪は、前記帯状部が前記挿通路に挿通された際にラチェット機構を構成することにより、前記帯状部が前記挿通路へ挿し込まれる方向へ移動することを許容する一方、前記帯状部が前記挿通路から引き抜かれる方向へ移動することを阻止する状態になり、前記挿通部は、凹部が形成された第一部分と、前記第一部分に対して取り付けられた際に前記凹部の開口を塞ぐ第二部分とを有し、前記第一部分には前記凹部の外周側を囲む周壁部が形成され、当該周壁部には前記凹部を挟んで対向する箇所に第一貫通孔及び第二貫通孔が形成されて、前記第一貫通孔から前記凹部を経て前記第二貫通孔に至る通路が、前記挿通路とされており、しかも、前記爪は、前記凹部の内側で、前記挿通路に挿通された状態にある前記帯状部の一部を挟んで前記開口とは反対側となる位置に配設され、前記帯状部が前記挿通路に挿通された際には、前記帯状部及び前記第二部分の双方によって二重の隔壁が形成されて、当該二重の隔壁によって前記開口が塞がれる。
このように構成された封緘バンドによれば、帯状部の一端に設けられた挿通部が有する挿通路に対し、帯状部を他端側から挿し込むと、帯状部が環状になる。このとき、帯状部が有する複数の歯と挿通部が有する爪がラチェット機構を構成し、このラチェット機構は、帯状部が挿通路へ挿し込まれる方向へ移動することを許容する一方、帯状部が挿通路から引き抜かれる方向へ移動することを阻止する。そのため、このような封緘バンドであれば、環状になった帯状部を絞って環の径を小さくすることはできても、帯状部を緩めて環の径を大きくすることはできない。したがって、封緘バンドを封緘対象物に取り付けて、環の径が最も小さくなる状態まで絞れば、その環を破断することなく緩めることはできなくなる。
また、この封緘バンドにおいて、挿通部が有する第一部分には凹部が形成され、この凹部の開口は、帯状部が挿通路に挿通された際に、帯状部及び第二部分の双方によって形成される二重の隔壁によって塞がれる。したがって、帯状部のみによって形成される単一(一重)の隔壁で凹部の開口を塞いでいた従来品とは異なり、開口内にある帯状部は第二部分によって覆い隠されるので、開口内にある帯状部に対して何らかの治具を押し当てることはできなくなる。
したがって、開口内で帯状部を変形させたり、そのような変形に伴って爪を変位させたりする不正な操作はできなくなるので、そのような不正な操作によって封緘を解くことはできず、従来品以上に封緘性能を高くすることができる。
なお、以上説明した封緘バンドは、さらに、以下のような構成を備えていると好ましい。
まず、前記第一部分には、前記開口、前記第一貫通孔、及び前記第二貫通孔以外に、前記凹部の内側と外側とを連通させる第三貫通孔が形成されており、前記第二部分は、前記第一部分に対して取り付けられた際に、前記開口に加えて、前記第三貫通孔を塞ぐ形状とされていると好ましい。
このように構成された封緘バンドによれば、第二部分が第一部分に対して取り付けられた際、第二部分は、前記開口に加えて、第三貫通孔を塞ぐ状態になる。そのため、仮に第二部分が存在しなければ、第三貫通孔を介して針先などを侵入させた場合に、その針先が爪に到達し得るような構造になっていたとしても、そのような針先の侵入を第二部分によって阻止でき、不正な操作に対する耐性をより一層高めることができる。
なお、第一部分に第三貫通孔が存在する場合、上述の通り、第二部分が第三貫通孔を塞ぐ構造になっている方が好ましいが、第三貫通孔の位置や大きさによっては、第二部分が第三貫通孔を塞がない構造になっていても特に問題がない場合もある。したがって、第三貫通孔が存在する場合でも、第二部分が第三貫通孔を塞ぐか否かは任意である。
また、前記第二部分には、当該第二部分を貫通する第四貫通孔が形成されており、前記帯状部が前記挿通路に挿通される際には、前記帯状部が前記第四貫通孔に挿通された状態とされ、当該状態とされた前記帯状部により、前記第二部分が前記第一部分から取り外される方向へ変位するのを阻止してあると好ましい。
このように構成された封緘バンドによれば、帯状部が挿通路に挿通される際、帯状部が第四貫通孔に挿通された状態とされ、これにより、帯状部は、第二部分が第一部分から取り外される方向へ変位するのを阻止する。したがって、他のロック機構を採用することなく、帯状部と第四貫通孔によって第二部分が第一部分から取り外されないようにすることができ、他のロック機構が存在する場合よりも、封緘バンドの構造を簡素化することができる。
また、前記挿通部は、前記第一部分と前記第二部分とを連結するヒンジ部を有し、前記第一部分、前記第二部分、及び前記ヒンジ部が、樹脂材料によって一体成形されていると好ましい。
このように構成された封緘バンドによれば、第一部分と第二部分がヒンジ部を介して連結されている。そのため、このようなヒンジ部が設けられていない場合とは異なり、第一部分と第二部分がバラバラにならず、一方だけを紛失したり、作業時に落としたりするの防ぐことができるので、封緘バンドを取り扱いやすくすることができる。
また、前記第二部分は、前記第一部分に対して取り付けられた際に、前記開口を塞ぐ状態になる板状部を有し、当該板状部には、当該板状部の板厚方向に交差する方向へ突出する嵌合部が設けられ、当該嵌合部を前記第一部分に形成された被嵌合部に嵌合させることにより、前記板状部が前記開口から離間する方向へ捲れ上がるのを阻止してあると好ましい。
このように構成された封緘バンドによれば、第二部分が有する板状部には、上述のような嵌合部が設けられ、その嵌合部を第一部分が有する被嵌合部に嵌合させることにより、板状部が開口から離間する方向へ捲れ上がるのを阻止してある。したがって、このような嵌合部相当の部分が設けられていない場合とは異なり、板状部で開口を塞ぐ構造としてあるにもかかわらず、板状部が不正な操作を受けて捲れ上がる方向へ変形させられることがなく、不正な操作に対する耐性を高めることができる。
封緘バンドを示す図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は右側面図、(E)は背面図、(F)は底面図。 挿通部を拡大して示す図であり、(A)は図2(C)中にIIA−IIA線で示した切断面の断面図、(B)は図1(C)中にIIB−IIB線で示した範囲の矢視図、(C)は図1(B)中にIIC−IIC線で示した範囲の矢視図、(D)は図1(C)中にIID−IID線で示した範囲の矢視図、(E)は図1(B)中にIIE−IIE線で示した範囲の矢視図、(F)は図2(C)中にIIF−IIF線で示した範囲の矢視図。 (A)は第二部分が第一部分から取り外された状態を示す斜視図、(B)は第二部分が第一部分に取り付けられた状態を右上前方から見た斜視図、(C)は第二部分が第一部分に取り付けられた状態を左上前方から見た斜視図。 (A)は第二部分が第一部分に取り付けられた状態を右上後方から見た斜視図、(B)は第二部分が第一部分に取り付けられた状態について、左右方向中央の縦断面で破断し、その右側の構造だけを左上前方から見た斜視図。 (A)は帯状部が挿通部の有する挿通穴に通された状態を示す斜視図、(B)は帯状部が挿通部の有する挿通穴に通された状態を示す部分縦断面図。
次に、上述の封緘バンドについて、より具体的な例を挙げて説明する。なお、以下の説明においては、図1(A)〜図1(F)に示す六面図を基準にして、平面図に表れる箇所が向けられた方向を上、左側面図に表れる箇所が向けられた方向を左、正面図に表れる箇所が向けられた方向を前、右側面図に表れる箇所が向けられた方向を右、背面図に表れる箇所が向けられた方向を後、底面図に表れる箇所が向けられた方向を下と称する。また、必要に応じて、これら上下左右前後の各方向を一部の図中にも併記し、これらの各方向を利用して説明を行う。ただし、これらの各方向は、封緘バンドを構成する各部の相対的な位置関係を簡潔に説明するために規定した方向に過ぎず、封緘バンドの使用時等において、封緘バンドがどのような方向に向けられるかは任意である。
[封緘バンドの構成]
封緘バンド1は、図1(A)〜図1(F)に示すように、帯状部3と、帯状部3の一端(図中下端)に設けられた挿通部5と、挿通部5に連結されたタグ7とを備える。これらはポリアミド、ポリエチレンなどの樹脂材料によって一体成形されている。
挿通部5は、図2(A)〜図2(F)に拡大して示すように、第一部分5Aと、第二部分5Bとを有し、これらがヒンジ部5Cを介して連結された構造になっている。第二部分5Bは、ヒンジ部5Cを変形させつつ、第一部分5Aに対して相対的に変位可能で、具体的には、図3(A)に示す第一位置から、図3(B)及び図3(C)に示す第二位置へ変位可能とされている。
第二部分5Bが第一位置にある状態(図3(A)参照。)は、第二部分5Bが第一部分5Aから取り外された状態であり、これは封緘バンド1の成形直後の初期状態でもある。一方、第二部分5Bが第二位置にある状態(図3(B)及び図3(C)参照。)は、第二部分5Bが第一部分5Aに取り付けられた状態であり、これは封緘バンド1を使用するときの状態である。
第一部分5Aには係合突起11Aが設けられ、第二部分5Bには被係合部11Bが設けられている。第二部分5Bを第二位置に変位させた際には、係合突起11Aが被係合部11Bに引っかかることで、第二部分5Bが第一部分5Aに対して固定される。
第二部分5Bは、第二部分5Bが第二位置にある場合に(図3(B)及び図3(C)参照。)、第一部分5Aの正面側を覆う状態になる正面カバー部13Aと、第一部分5Aの底面側を覆う状態になる底面カバー部13Bとを有する。
底面カバー部13Bは、図中上下方向が板厚方向となる板状に形成されている(本明細書でいう板状部の一例に相当。)。底面カバー部13Bには、その板厚方向に交差する方向へ突出する嵌合部15Aが設けられている。この嵌合部15Aは、図4(A)及び図4(B)に示すように、第二部分5Bが第二位置にある場合に、第一部分5A側に設けられた被嵌合部15Bに嵌合する。
第一部分5Aは、図2(A)〜図2(F)に示すように、第一部分5Aの前側、左側、後側、右側、それぞれを構成する周壁部17A,17B,17C,17D、上側を構成する天井部17E、及び下側を構成する底部17Fを有する。これら周壁部17A,17B,17C,17D、天井部17E、及び底部17Fは、これらによって囲まれる内部空間を形成しており、その内部空間は底部17Fに形成された略四角形の開口19Aを介して外部に連通している。これらの構成により、第一部分5Aは、上向きに凹む凹部19を有する形状となっている。
凹部19を挟んで対向する周壁部17A,17Cには、図中前後方向に貫通する第一貫通孔21、及び第二貫通孔22が形成されている。また、周壁部17Aには、図中前後方向に貫通する第三貫通孔23が形成され、第二部分5Bには、図中前後方向に貫通する第四貫通孔24が形成されている。
第二部分5Bが第二位置にある場合、図4(B)に示すように、第一部分5Aの図中前側にある第三貫通孔23は、第二部分5Bの正面カバー部13Aによって覆い隠される。また、第二部分5Bが第二位置にある場合、第一部分5Aの図中下側にある開口19Aは、第二部分5Bの底面カバー部13Bによって覆い隠される。一方、第二部分5Bが第二位置にある場合、第一貫通孔21、第二貫通孔22、及び第四貫通孔24は、直列に並ぶ位置にあり、挿通部5には、第四貫通孔24から第一貫通孔21及び凹部19内を経て第二貫通孔22に至る挿通路25が形成される。
第一部分5Aにおいて、凹部19の内側には、爪26が設けられている。より詳しくは、凹部19の内側には、図4(B)及び図5(B)に示すように、周壁部17Aの上端から図中後方に向かって延設されるとともに、図中左右両端は周壁部17B,17Dに連設された板状支持部28が形成されている。上述の爪26は、板状支持部28から図中後方及び下方に向かって突設されている。爪26に外力が加えられた際には、爪26ないし板状支持部28が弾性変形し、これにより、爪26が上下方向に変位する。
帯状部3の正面側には、図1(C)に示すように、帯状部3の長手方向に沿って複数の歯31が列設されている。帯状部3は、図5(A)及び図5(B)に示すように、挿通部5が設けられた一端とは反対側の他端側から挿通路25へ挿し込むことができる。このとき、挿通部5の爪26は帯状部3の歯31に引っかかり、これら複数の歯31及び爪26によってラチェット機構が構成される。
このラチェット機構は、帯状部3が挿通路25へ挿し込まれる方向へ移動することを許容する一方、帯状部3が挿通路25から引き抜かれる方向へ移動することを阻止する状態にある。具体的には、帯状部3が挿通路25へ挿し込まれる方向へ移動する場合、爪26の変位方向、歯31の移動方向、及び爪26と歯31との当接面の傾きは、歯31が爪26を押圧したときに、その分力が爪26を上方へと変位させるような関係に設定されている。そのため、歯31から押圧された爪26は、歯31から外れる方向へと逃げ、その結果、帯状部3の移動は許容されることになる。一方、帯状部3が挿通路25から引き抜かれる方向へ移動する場合、爪26の変位方向、歯31の移動方向、及び爪26と歯31との当接面の傾きは、歯31が爪26を押圧したときに、その分力が爪26を上方へは変位させないような関係に設定されている。そのため、歯31から押圧された爪26は、少なくとも上方へは変位せず、その結果、帯状部3の移動を阻止されることになる。
[効果]
以上のように構成された封緘バンド1によれば、帯状部3の一端に設けられた挿通部5が有する挿通路25に対し、帯状部3を他端側から挿し込むと、帯状部3が環状になる。このとき、帯状部3が有する複数の歯31と挿通部5が有する爪26が上述のようなラチェット機構を構成する。そのため、このような封緘バンド1であれば、環状になった帯状部3を絞って環の径を小さくすることはできても、帯状部3を緩めて環の径を大きくすることはできない。したがって、封緘バンド1を封緘対象物に取り付けて、環の径が最も小さくなる状態まで絞れば、その環を破断することなく可逆的に緩めることはできなくなる。よって、このような封緘バンド1で開封されては困る箇所を封止すれば、当該箇所が秘密裏に開封されるのを防ぐことができ、万一、封緘バンド1が破断を伴って開封されたとしても、開封されたという事実を直ちに把握することができる。
また、上記封緘バンド1において、帯状部3が挿通路25に挿通された際には、帯状部3及び第二部分5Bの双方によって二重の隔壁が形成され、この二重の隔壁によって凹部19の開口19Aが塞がれる。そのため、開口19Aに何らかの治具を挿し込んで爪26を動かすような不正な操作をしようとしても、爪26を直接押圧することができないのはもちろんのこと、爪26が当接している帯状部3を押圧することもできない。したがって、帯状部3を強く押圧して、変形する帯状部3とともに爪26を変位させる、といった不正な操作を行うことはできず、凹部19相当部分の開口を帯状部3相当物によって形成される単一の隔壁で塞いでいた従来品に比べ、封緘性能を高くすることができる。よって、例えば金型の都合で、どうしても開口19A相当の形状が生じてしまう場合には、このような構成を採用すると有効である。
また、上記封緘バンド1の場合、第二部分5Bは、開口19Aに加えて、第三貫通孔23を塞ぐ状態になる。そのため、仮に第二部分5Bが存在しなければ、第三貫通孔23を介して針先などを侵入させた場合に、その針先が爪26に到達し得るような構造になっていたとしても、そのような針先の侵入を第二部分5Bによって阻止でき、不正な操作に対する耐性をより一層高めることができる。したがって、例えば金型の都合で、どうしても第三貫通孔23相当の形状が生じてしまう場合には、このような構成を採用すると有効である。
また、上記封緘バンド1によれば、帯状部3が挿通路25に挿通される際には、帯状部3が第四貫通孔24に挿通された状態とされるので、これにより、帯状部3は、第二部分5Bが第一部分5Aから取り外される方向へ変位するのを阻止する部材としても機能する。したがって、このような第四貫通孔24が設けられていれば、他のロック機構を採用することなく、帯状部3と第四貫通孔24によって第二部分5Bが第一部分5Aから取り外されないようにすることができ、他のロック機構が存在する場合よりも、封緘バンド1の構造を簡素化することができる。
また、上記封緘バンド1によれば、第一部分5Aと第二部分5Bがヒンジ部5Cを介して連結されているので、第一部分5Aと第二部分5Bがバラバラにならず、一方だけを紛失したり、作業時に落としたりするのを防ぐことができ、封緘バンド1を取り扱いやすくすることができる。
また、上記封緘バンド1によれば、底面カバー部13Bに設けられた嵌合部15Aを、第一部分5Aが有する被嵌合部15Bに嵌合させて、底面カバー部13Bが開口19Aから離間する方向(図中下方)へ捲れ上がるのを阻止してある。したがって、このような嵌合部15A相当の部分が設けられていない場合とは異なり、底面カバー部13Bが不正な操作を受けて下方へ捲れ上がることがなく、この点でも不正な操作に対する耐性を高めることができる。
[その他の事例]
以上、封緘バンドについて、具体的な事例を挙げて説明したが、本発明は上述の具体的事例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、種々の形態で実施することができる。
例えば、上記事例では、第二部分5Bによって第三貫通孔23を塞ぐ構造を採用していたが、第三貫通孔23の位置や大きさによっては、第三貫通孔23を塞がなくても不正な操作がなされない可能性もある。したがって、そのような場合、第三貫通孔23を塞ぐ構造を採用するか否かは任意である。
1…封緘バンド、3…帯状部、5…挿通部、5A…第一部分、5B…第二部分、5C…ヒンジ部、7…タグ、11A…係合突起、11B…被係合部、13A…正面カバー部、13B…底面カバー部、15A…嵌合部、15B…被嵌合部、17A〜17D…周壁部、17E…天井部、17F…底部、19…凹部、19A…開口、21…第一貫通孔、22…第二貫通孔、23…第三貫通孔、24…第四貫通孔、25…挿通路、26…爪、28…板状支持部、31…歯。

Claims (5)

  1. 長手方向に列設された複数の歯を有する帯状部と、
    前記帯状部の一端に設けられ、前記帯状部が挿通される挿通路を有し、当該挿通路へは前記帯状部を前記一端の反対にある他端側から挿し込み可能で、前記挿通路内には、前記帯状部が前記挿通路に挿通された際に前記歯に引っかかる爪が設けられた挿通部と
    を備え、
    前記複数の歯及び前記爪は、前記帯状部が前記挿通路に挿通された際にラチェット機構を構成することにより、前記帯状部が前記挿通路へ挿し込まれる方向へ移動することを許容する一方、前記帯状部が前記挿通路から引き抜かれる方向へ移動することを阻止する状態になり、
    前記挿通部は、凹部が形成された第一部分と、前記第一部分の所定位置に取り付けられた際に前記凹部の開口を塞ぐ第二部分とを有し、前記第一部分には前記凹部の外周側を囲む周壁部が形成され、当該周壁部には前記凹部を挟んで対向する箇所に第一貫通孔及び第二貫通孔が形成されて、前記第一貫通孔から前記凹部を経て前記第二貫通孔に至る通路が、前記挿通路とされており、
    しかも、前記爪は、前記凹部の内側で、前記挿通路に挿通された状態にある前記帯状部の一部を挟んで前記開口とは反対側となる位置に配設され、前記帯状部が前記挿通路に挿通された際には、前記帯状部及び前記第二部分の双方によって二重の隔壁が形成されて、当該二重の隔壁によって前記開口が塞がれるように構成され、
    前記第一部分には、前記開口、前記第一貫通孔、及び前記第二貫通孔以外に、前記凹部の内側と外側とを連通させる第三貫通孔が形成されており、
    前記第二部分は、前記第一部分の所定位置に取り付けられた際に、前記開口に加えて、前記第三貫通孔を塞ぐ形状とされている
    封緘バンド。
  2. 前記第二部分には、当該第二部分を貫通する第四貫通孔が形成されており、前記帯状部が前記挿通路に挿通される際には、前記帯状部が前記第四貫通孔に挿通された状態とされ、当該状態とされた前記帯状部により、前記第二部分が前記第一部分から取り外される方向へ変位するのを阻止してある
    請求項に記載の封緘バンド。
  3. 長手方向に列設された複数の歯を有する帯状部と、
    前記帯状部の一端に設けられ、前記帯状部が挿通される挿通路を有し、当該挿通路へは前記帯状部を前記一端の反対にある他端側から挿し込み可能で、前記挿通路内には、前記帯状部が前記挿通路に挿通された際に前記歯に引っかかる爪が設けられた挿通部と
    を備え、
    前記複数の歯及び前記爪は、前記帯状部が前記挿通路に挿通された際にラチェット機構を構成することにより、前記帯状部が前記挿通路へ挿し込まれる方向へ移動することを許容する一方、前記帯状部が前記挿通路から引き抜かれる方向へ移動することを阻止する状態になり、
    前記挿通部は、凹部が形成された第一部分と、前記第一部分の所定位置に取り付けられた際に前記凹部の開口を塞ぐ第二部分とを有し、前記第一部分には前記凹部の外周側を囲む周壁部が形成され、当該周壁部には前記凹部を挟んで対向する箇所に第一貫通孔及び第二貫通孔が形成されて、前記第一貫通孔から前記凹部を経て前記第二貫通孔に至る通路が、前記挿通路とされており、
    しかも、前記爪は、前記凹部の内側で、前記挿通路に挿通された状態にある前記帯状部の一部を挟んで前記開口とは反対側となる位置に配設され、前記帯状部が前記挿通路に挿通された際には、前記帯状部及び前記第二部分の双方によって二重の隔壁が形成されて、当該二重の隔壁によって前記開口が塞がれるように構成され、
    前記第二部分には、当該第二部分を貫通する第四貫通孔が形成されており、前記帯状部が前記挿通路に挿通される際には、前記帯状部が前記第四貫通孔に挿通された状態とされ、当該状態とされた前記帯状部により、前記第二部分が前記第一部分から取り外される方向へ変位するのを阻止してある
    封緘バンド。
  4. 前記挿通部は、前記第一部分と前記第二部分とを連結するヒンジ部を有し、前記第一部分、前記第二部分、及び前記ヒンジ部が、樹脂材料によって一体成形されている
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の封緘バンド。
  5. 前記第二部分は、前記第一部分の所定位置に取り付けられた際に、前記開口を塞ぐ状態になる板状部を有し、当該板状部には、当該板状部の板厚方向に交差する方向へ突出する嵌合部が設けられ、当該嵌合部を前記第一部分に形成された被嵌合部に嵌合させることにより、前記板状部が前記開口から離間する方向へ捲れ上がるのを阻止してある
    請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の封緘バンド。
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